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「難病」なる範疇

難病/◇「難病」:文献

last update:20180615
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[メモ]
・日常に使われていた(きた)言葉としての「難病」
・スモン患者・関係者(川村↓1969?〜)
・1971「べーチェット病患者を救う医師の会」…新聞記事全文入手、国会関係も…
・19720414 第68回国会の衆議院社会労働委員会「特定疾患対策に関する件」。参考人として虎ノ門病院長沖中重雄、スモン調査研究協議会会長甲野禮作、帝京大学教授清水保、東大教授白木博次が意見陳述
・197210 厚生省、「難病対策要綱」発表
 @原因不明、治療方法未確立であり、かつ後遺症を残すおそれの少なくない疾病。  A経過が慢性にわたり、単に経済的な問題のみならず、介護等に著しく人手を要するため、家族の負担が重く、又精神的にも負担の大きい疾病。
 @〜沖中/A〜白木という系列…?
 白木において:「難病」のなかに「重心(重症心身障害)」がある。「重心」は「白痴」と「脳性まひ」を兼ね備えた範疇ということになっている。


◆川村 佐和子・星 旦二 1986 「難病への取組み」『ジュリスト総合特集』444:58-63 ※
 東京都神経科学総合研究所社会学研究室・国立公衆衛生院衛生行政学部 ほし・たんじ

 「「難病」という単語を意識的に用いたのは、私としては昭和四四年にスモン患者の会の結成に参加していた頃であったと記憶している。当時のスモン患者は激痛をともない反復する胃腸障害、足先から上行する知覚の異常(いわゆるシビレ感や近くの鈍麻など)、失明におよぶ視覚障害、生命の危険に対して、原因も不明、治療法も未確立という医療内容の不備にいらだちながら、自己の生命力をたよりに素手でがんばっていた。その実態はきわめて不幸な状態であったから、周囲の人々からは恐れをいだかれていた。さらに患者の発生は家族・地域・医療機関などに偏りがみられたため、ヴィールスなどで伝染性を有しくいるとの学説も提出され、この節は有カな疾患解明の仮説としてとあげられていた。スモンの伝染説は患者にとつては病気克服の出発点であったが、健康人社会からは伝染病の感染源としてみなされ、社会生活は疎外にみちたものとなり、多数の自殺者をだすほど深刻であった。
 後にスモンの原因はキノホルム(当時は整腸剤として一般的に服用されくいた薬剤)であることが解明され、しかも、患者の多くは主治医の処方により服用していた事実があきらかにされたのだが、この事情を背景に、当時のスモン患者は医療に対する不信を根底にもち、その孤立感は大きいものであった。ここに患者が全国的にひとつの団体として結集する凝集力のつよさや社会が問題解決な共有しようとするカの原因がみいだせる。
 この患者と社会が共有した問題性を簡単かつ明瞭に、しかもありふれた言葉で表現したいと当時の患者役員は考え、幾つかの言葉をえらび、会から社会へのメッセージに用いた。このなかで、いくつもの単語が消去されていき、「難病」がヒットした。この言葉は、スモン患者会結成と並行して活動が開始された「べーチェット病患者を救う医師の会」が、べーチェッ卜病患者以外の疾患の救済もふくめて「難病患者救済基本法」という法案のの実現を提案されたのだが、ここにも用いられている。
 全国スモンの会の役員たちがこの言葉に対する社会の共感を強く意識したのは、昭和四五年三月の衆議院補正予算委員会で、時の首相佐藤栄作氏に山田議員がスモンの医学研究の推進とスモン患者の医療費助成制度の実現を提案したときの反響によってであった。その後、これらいわゆる「難病対策」として発展をみた。
 スモン患者・ベーチェット患者が、現在の苦況を脱したいがためにつかった「難病」という言葉の中身は、その後一五年を経てどのように変化したであろうか。スモンに関しては、前述したとおり原因が明らかになり、患者の新発生はなくなった。が既に発病していた病状を原状にもどすことはできない。とくに失った視力は明るさ得ることはできない。重症△058 筋無力症は従来の抗コリンエステラーゼ療法に加え、早期胸腺全摘術や免疫抑制療法などがくわわり、この一五年間に医療の進歩は著しい。呼吸筋群の急激な脱力による急性悪化症状もコントロールされるようになり、対応の社会的、ネットワークも改善してきている。
 このように改善、進歩をみている疾患もあるが、本年(昭和六一年)四月に患者を中心とする会(日本ALS協会)が発足した筋萎縮性側索硬化症などは、一五年が一日のように思える。この疾患は壮年以上に発病する者が多く運動に関係する筋群が選択的にしかも全身におよんで進行性に萎縮する。その速度が速い場合には、発病から一−ニ年間で、全身の筋群が萎縮し、手足の動作、移動、寝がえり、食物・水分の飲みこみ、呼吸の動作、排便などの活動が障害されてしまう。進行が遅延をみる場合には、一〇年をこえ、二〇年に近い闘病生活をされる事例もある。
 この疾患の進行を止める技術にはいまだ書しい進歩はみられていないが、感染症(肺炎など)の予防や早期治療の徹底および呼吸筋群の機能障害に対する人工呼吸器の装着治療、看護・ケアの充実等で延命効果があげられていると推測されている。
 この状況を確認するために、筆者は昭和四九年に東京都府中病院で開始され、昭和五五年から開設にともなって東京都立神経病院に移行された、在宅診療の対象患者から筋萎縮性側索硬化症患者四三例をえらび、権病期間に関する調査を行った。[…]」(川村・星[1986:58-59])

白木 博次 197105 「美濃部都政下における医療の現状と将来像――わが国における医学と医療の荒廃への危機との関連で」,『都政』1971-5:31-72 ※ *

 「本年二月、医学総会において「重症心身障害児(者)の問題点」のシンポジウムがもたれた。その席上、島田療育園の小林提樹園長によって、第一の医学が健康保持増進医学、第二が予防医学、第三が治療医学、第四の医学をリハビリテーションとすれば、そのいずれにも包含され難い重症医学が、第五の医学として、そのいずれにも包含され難い重症医学が、第五の医学として、登場することも考えられるのであって、リハピリテーションとは、別の次元に立つ生命保持医学としての立場が重症心身障害に対しては、最も自然なあり方として対応するであろう、との意見がのべられた。
 ここで、小林園長の、この重要な提言の詳細を論ずる余裕はないし、一ロに、社会復帰が、きわめて困難か、それが不可能な難病といっても、その内容次第によって、社会防衛論、社会責任論、そして、社会福祉論のなかで、それぞれ△041 どのように位置づけ、また、それによって、個々の対応のヴァラエティをどう考えてゆくか、幾多の難問が山積している。が、要するに、医学、また、医療は、疾病の予防からはじまって、福祉との連続線の中にのみ存在するもので、医療は、それ自体、孤立してあるものではなく、予防医学と福祉との緊密な連鎖の一環として、はじめて、その存在意議を主張できるという認識を、明確化してゆかねぱならぬことに変りはなかろう。」(白木博次[197105:41-42])
 この第一〜第五の医療という話は白木の他の文章でも複数回出てくるが、小林提樹の発案ということでよいのか?

■1971

◇衛藤 幹子 19931120 『医療の政策過程と受益者――難病対策にみる患者組織の政策参加』,信山社

 「この難病というネーミングを概念化し、社会が問題を共有する上で馴染み易い言葉として世に送り出したのが、ベーチェット病患者を救う医師の会(以下、医師の会)である。難病という言葉が、広く知られることになったのは、四六年二月、同会が難病救済基本法試案なるものを作成し、その全文が新聞紙上に掲載※されたことによる。これを機に、メディアが『難病』を慣用語として使い始めた。」(衛藤[1993:117])
 ※この全文要入手

■19720414 第68回国会の衆議院社会労働委員会「特定疾患対策に関する件」。参考人として虎ノ門病院長冲中重雄、スモン調査研究協議会会長甲野禮作、帝京大学教授清水保、東大教授白木博次が意見陳述


◇白木 博次 1973 「市民の健康――環境汚染による健康崩壊への危機」,岩波講座『現代都市政策] 都市社会と人間』269-304
 「「難病」とは、昭和四七年四月、国会の社労委員会における筆者の証言をもってすれば、原因の明・不明を問わず、その状態像の深刻さ、つまり、社会復帰が極度に困難か、それが不可能であるという事態からみても、医療・福祉、また社会のいずれからも、疎外されつづけているという現実をも加味した、医学的・福祉学的・△298 社会学的総合概念にほかならないといえる。したがって、厚生省のように、もともと純医学的視点から発想された原因不明、これという治療法もなく、長期の療養を必要とする特殊疾患、奇病的概念が、即、難病概念と考えられてしまうわけにはいかない。」(白木[1973:298-299])

◇木下 安子 19780725 『在宅看護への出発――権利としての看護』,勁草書房,304p. ISBN-10:4326798394 ISBN-13:978-4326798391 欠品 [amazon][kinokuniya] ※ n02. a02
 「厚生省の定義とは別に、スモン患者の発生、および救済をめぐって国会で論議がされている折、白木博次☆02前東大教授は、衆議院社会労働委員会において、難病とは何かを次のように説明している
 1 原因の明、不明を問わない
 2 状態像の深刻さ
 3 社会復帰が極度に困難であるか不可能であること
 4 医療・福祉・社会から疎外されている
というものである。病気の種類ではなくて、その患者が陥っている、身体的・社会的状況の深刻さをメドとして考えるので、いわゆる狭い意昧の医学的な定義ではない。
 スモンの患者が、しびれをはじめ、身体的な苦痛に痛めつけられ、なおかつ、再び社会復帰できない下肢の不自由、失明などに嘆き、さらに迫い撃ちをかけるように伝染病だ≠ニ騒がれ、その結果、家主から追い立てられ、パン屋から買いに来ないで≠ニ断わられる。こうした社会疎外が、身体的苦痛にもまして患者を痛めつける。事実、新聞紙上にスモン患者の自殺が次々と報道され、スモン感染説が否定された現在でさえ、一般の人々より高い自殺率である。
「(2) 白木博次「市民の健康――環境汚染による健康崩壊への危機」岩波講座『現代都市政策] 都市社会と人間』二六九〜三〇四頁、一九七三年。」

◇西谷 裕 20061024 『難病治療と巡礼の旅』,誠信書房,208p. ※ n02. md. [MD]
 「第68回国会の衆議院社会労働委員会で「特定疾患対策に関する件」が取り上げられる。参考人として虎ノ門病院長沖中重雄、スモン調査研究協議会会長甲野禮作、帝京大学教授清水保、東大教授白木博次の諸氏が意見陳述。
 この中でとくに「難病」の定義が問題になり、次のように整理された3)。
第1概念:原因不明、治療法未確立であり、かつ後遺症を残す恐れが少なくない疾病(例:ベーチェット病、重症筋無力症、再生不良性貧血、悪性関節リウマチ…沖中による医学的定義)。
第2概念:経過が慢性にわたり、単に経済的な問題のみならず、介護等に著しく人手を要するために家庭の負担が重く、また精神的にも負担の大きい疾病(例:小児がん、小児慢性腎炎、ネフローゼ、小児喘息、進行性筋ジストロフィー、人工透析対象者など…白木による社会学的定義)の2つの概念が浮かび上がってきた。」(西谷[2006])

白木 博次 197209 「環境破壊から健康破壊へ――水俣病はいまや一地域病ではない」,『世界』322(1972-9):173-184 [2018b3]

 「[…]すくなくとも、現在、水銀農薬によって、次の世代の素質が低下しつつあるという証拠は、まだあがってはいないが、国は、疑わしきは使用せず≠ニいう強い態度で、その使用禁止の方向にふみ切るべきであると警告した。コトパをかえると、当時、明確な哲学が、そこにあったわけではないにしても、この場合、疑わしきは罰せず≠ニいう刑法的概念を、そこに適用すべきではなく、また自然科学的視点からの因果論的実証をまつまでもなく、民法的概念というより、政治的勇断のものを、そこに適用すべきであるとの勧告であった。
 しかもこの可能性は、人体実験を通じて、当時、すでに証明されかけていた。なぜなら、当時、まだ決定的ではなかったが、胎児性水俣病(先天性水俣病)は、母親自身は発病していないか、軽度の神経障害しか示していないのに、その母親から生まれた幼児は、大脳の発達阻害による高度の精薄(白痴)と、運動神経の発達停止にもとづく手足の運動マヒ(高度の脳性マヒ)とのダブル・ハンディキャップの児童達で、先天性の重症心身障害児にほかならなかったからである。」(白木[197209:174])
 「つまり、明らかに先天的に疾患や欠陥をもち、社会生活に適応できぬか、困難な人達の膨大な集団を目前にして、そこに全国家予算を投入して、その医療と福祉を強化しようとしても、もはや対応しきれぬのは、明白である。筆者は、医学には、第1に健康増進医学、第2に予防医学、第3に治療医学、第4にリハピリテーション医学、そして、 第5に重症医学また難病医学があると考えるものである。そして前述の精薄や脳性マヒは、この第5の医学に属する上、その対応には、膨大な予算と人員を必要とするし、現在、その面の蓄積がすくないわが国において、前述のような事態に直面したときの極度の混乱ぶりは、すでに現時点において、想像にあまりあるものがある。」(白木[197209:180])

■197210 厚生省、「難病対策要綱」発表
 @原因不明、治療方法未確立であり、かつ後遺症を残すおそれの少なくない疾病。  A経過が慢性にわたり、単に経済的な問題のみならず、介護等に著しく人手を要するため、家族の負担が重く、又精神的にも負担の大きい疾病。

川村 佐和子 197410 「難病と福祉」,『ジュリスト臨時増刊』572:321-326 *

 「昨今、社会的に盛んに用いられる言葉に「難病」がある。厚生省に難病対策課が設置され、昭和四七年一〇月には難病対策要綱が発表された。その中で難病のカテゴリーとして、次の二条件があげらている☆01
 @原因不明、治療方法未確立であり、かつ後遺症を残すおそれの少なくない疾病。  A経過が慢性にわたり、単に経済的な問題のみならず、介護等に著しく人手を要するため、家族の負担が重く、又精神的にも負担の大きい疾病。
 右の規定に表現されているごとく、難病は全治困難であり、後遺症が多い、再び労働力をとりもどす可能性がうすいばかりでなく、その家族への負の影響もつよい。家庭崩壊、社会疎外、自殺に至る場合も少なくない。先にのべた「疾病問題を一時的欠損労働力」として理解する場合には例外的存在となるセあろう。  厚生省は難病のカテゴリーに含まれる疾病の中から数疾息を特定し、当面の行政対象としている。この行政措置は「特定疾患対策」と呼ばれ、昭和四七年度には八疾患が特定された。特定された疾患は全国疫学調査が行なわれ、そのうち四疾患は医療費自己負担分公費負担の対象とされている。
 昭和四七年度特定疾患患者疫学調査による推定では全国難病患者数は一三〜一五万人である☆02。この調査は医療機関の申告によるものであるから、医療をうけていない潜在患者を含めると実数は更に多いものと思われる。しかし全人口に患者の実態は福祉と医療の谷間に放置され、患者の実態は福祉と医療の谷間に放置され、患者も家族も苦悩している実状であるから、たとえ、少数者の問題であってもこれを看過することは出来ない。
 難病のカテゴリーに含まれる疾患の中に筋・神縫疾患群もある。筆者はこれら疾患群の医療を専門とする神経内科において、医療相談を担当している。この業務のかたわら、この患者逮に対応するにふさわしい福祉業務の在り方や課題を追究するために、昭和四八年八月、東京都神経科学綜合研究所社会学部門木下安子氏と国立公衆衛生院衛生行政学部阪上裕子氏と共に自主研究グループ「在宅看護研究会」を組織し、「在宅患者訪問調査」をはじめている。この研究については後述する☆03」

宇尾野 公義 197303 「いわゆる難病の概念とその対策の問題点」,『公衆衛生』37-3:186-192(42-48)

 「いわゆる難病なる名称は医療に従事する側よりもむしろ患者友の会などが医療福祉を願い,病因の究明や医療費の公費負担などを訴えて国や地方自治体などに呼びかける場合に用いられていたが,それがいつの間にか一般的名称となってしまった。つまり@原因が不明である,A適切な治療法がなく,死亡率が高い,B長期慢性経過をとり,後遺症を残す,C療養に高額の費用がかり,患者や家族の物心両面の負担は大きい,などの諸条件を有する場合に一応難病としてとり扱われるように思う。
 現在医学は第1健康増進医学,第2予防医学,第3治療医学,第4リハビリテーション医学と漸次してきたが,難病対策は福祉行政とからんで正に第5の医学として頓に重要性を増しつつある。」(宇尾野公義[1973:186])

川村 佐和子 197410 「難病と福祉」,『ジュリスト臨時増刊』572:321-326 *

 「社会福祉事業の体系においては、従来、疾病の問題は一時的欠損労働力の問題として、又身体障害の問題は永続的な欠損労働力の間題として位置付けられてきた。この分類を行なう前提には、疾病は治癒し、再び労働力をとりもどし、社会に復帰出来ると言う考えがあるものと考えられる。
 昨今、社会的に盛んに用いられる言葉に「難病」がある。厚生省に難病対策課が設置され、昭和四七年一〇月には難病対策要綱が発表された。その中で難病のカテゴリーとして、次の二条件があげられている☆01
 @原因不明、治療方法未確立であり、かつ後遺症を残すおそれの少なくない疾病。  A経過が慢性にわたり、単に経済的な問題のみならず、介護等に著しく人手を要するため、家族の負担が重く、又精神的にも負担の大きい疾病。
 右の規定に表現されているごとく゜難病は全治困難であり、後遺症が多い、再び労働力をとりもどす可能性がうすいばかりでなく、その家族への負の影響もつよい。家庭崩壊、社会疎外、自殺に至る場合も少なくない。先にのべた「疾病問題を一時的欠損労働力」として理解する場合には例外的存在となるであろう。
白木 博次 197504 「重症心身障害総論――胎児性水俣病とその周辺を中心に」,『神経研究の進歩』19(2), p205-214, 1975-04(重症心身障害<特集>)

 「すでに筆者の論文1)2)でふれたように、重症心身障害は、もともと医学から発想された概念とはいえない。むしろ重度の精薄と重度の脳性マヒをダブルに持つため、日本という特殊な風土の中で、医療と福祉の双方から疎外され続けていた悪条件下に発展した社会的要請、とくに重症児を持つ家族たちの強い要請と運動にその主体性があった。この非情な現実は最近、問題視されつつある“難病群”にもあてはまる。なぜなら筆者の見解3)4)によれば、難病とは原因不明、治療法もなく、長期療養を要する奇病または特殊疾患というより、むしろそれらを含めて、原因の明、不明、治療法の有無を問わず、社会復帰が極度に困難か不可能な上、長期、慢性に経過する状態像を意味し、したがって医療と福祉の両面から緊密に対応するほかはないからである。しかも“難病群”は、医療からも福祉からも疎外され続けているという現実をふまえた医学的・社会学的・福祉学的な綜合概念に△205 △206(図)△207(図)ほかならぬからである。この視点からすると、重症心身障害も、まさにこの範疇に属する。」

◆国立療養所史研究会 編 19761020 『国立療養所史〈総括編〉』,厚生省医務局国立療養所課,732p. 4000+ ※ h01

 「スモンの問題に端を発し、原因不明で治療方法もなく、ほとんど一生涯闘病生活をつづけて行かねばならない病気であって、さらに軽快しても、視力障害や手足の運動障害などで社会や職場に復帰することの困難な病気、いわゆる難病に対する対策が45年頃から社会問題となってきた。このため、昭和47年7月に厚生省の公衆衛生局に特定疾患対策室が設けられ、これら難病に対する原因の究明や、治療方法の解明などの研究およぴ患者に対する医療費の補助などの対策がとられることになった。
 昭和47年度にはスモン、べーチェット病、重症筋無力症、全身性エリテマトーデス、再生不良性貧血、多発性硬化症、サルコイドージス、難治性肝炎の疾病が調査研究対象疾病としてえらばれた。また、実質的に医療費自己負担を軽減する目的の治療研究対象として、スモン、ぺーチェット病、重症筋無力症、全身性エリテマトーデスの疾病が決定し、調査研究費として2億2,000万円、治療研究費として3億1,000万円が予算化された。
 昭和47年10月に難病対策要綱がまとめられ公表されたが、その対策の骨子となるところは、(1)調査研究の推進、(2)医療施設の整備と要員の確保、(3)医療費の自己負担の解消を3本の柱とし、このほかさらに福祉サービス面も考えて行くべきだとしている。
 この医療施設の整備については、国立施設を中心に整備し、これらは治療とあわせて研究の促進をはかり、医療従事者の研修も可能なように研究、研修の施設等もあわせて、昭和48年度から5箇年計画で整備してゆくとともに、医療従事者の養成も行うこととした。
 また、この難病対策のー環として行う医療対策の対象としては、前記難病のほか、腎不全、小児の慢性腎炎、ネフローゼ、小児ぜん息等も加▽500 写真 ▽501 えて行うこととなった。
 この方針にしたがって国立療養所においても、これら難病のうち、長期慢性的に病状が進行し、介護あるいは生活条件等について、長期にわたる配慮の必要なもの、および養護学級の併設により教育が必要なもの等についてその医療を引き受けることとして、昭和48年度から昭和52年度までの5箇年計画で、新築6,890床、既存建物転用5,200床、計12,090床の難病病床を整備することとした。」([499-501])

◆木下 安子 19780725 『在宅看護への出発――権利としての看護』,勁草書房,304p. ISBN-10:4326798394 ISBN-13:978-4326798391 欠品 [amazon][kinokuniya] ※ n02. a02

 一 難病とは何か
 難病という言葉が社会的に使われ出したのはそう昔のことではない。宇尾野公義☆01都立府中病院副院長によれば「患者友の会などが医療福祉を願い、病因の究明や医療費の公費負担などを訴えて国は地方自治体などに呼びかける場合に用いられていたが、それがいつの間にか一般的名称となってしまった」という。このように、いってみれぱ素人が、行政に対する運動を通じて言い出した言葉が一般的語藷になったというこのこと自体、非常に病気の特徴を表しているように思われる。すなわち、少なくとも、今までの医学の概念ではないのである。△056

 1 難病問題の社会的提起
 東京オリンピックで世の中がわきたっていた一九六四年、人々は”スモン”という難病の多発に不安な気持ちにかられた。それは埼玉県の戸田ボートコース周辺地区で四五名もの亜急性脊髄視神経症が出たのである。
 下半身のいいようのないしびれ感、足先からだんだんはい上がリ、胸にまでも達する視野狭窄、ついに失明にいたる悲惨さである。治療法はない。しかも六七年から六八年にかけ、全国的規模で多発するようになったから、社会問題となリ、厚生省もその対策を迫られ、スモンに対する研究体制が作られた。そして、いわゆるは”難病”に対して、特定疾患対策室が七二年七月に設置されたのである。この経過でも分かるように、難病がクローズアップされたのはスモンによってであるが、難病はスモンばかリではない。
 公害のイタイイタイ病・水俣病・端息など、いずれも難病であればこそ、大きな社会問題になった。六価クロムやCO中毒など労働災害によるものもある。進行性筋ジストロフイー症・重症筋無力症・パーキンソン病・多発性硬化症などの神経疾患や、慢性腎炎・肝炎も難病である。自血病などの血液疾患、あるいは癌等々、いくらでも悲惨で治癒困難な経過をたどる疾患はある。しかし行政的には、これらの疾患のすべてを難病として扱ってはいない。あるものは公害病といしあるものは労働災害として対策がたてられる。では、いったい何を難病とするのであろうか。△057

 2 難病とは――その定義、概念をめぐって

 厚生省は、難病について、次の四つの基準をあげる。
 1 原因不明
 2 治療法も分からず治癒しにくい
 3 一生闘病を続ける
 4 ときに軽快しても、視力障害、手足の運動障害で、社会や職場復帰が困難
 現在、スモンについては研究の結果、キノホルムという薬剤によって発生することが明らかになった。とするとスモンはこの基準からいえば難病ではなくなるのだろうか。そうはいえない。難病といえる疾患でも、幸いにして軽く、ほとんど障害なく、治癒はしないが日常生活に不自由なく生活している人もいる。この人も難病だろうか。など、この基準ではあいまいな点も感じられる。
 厚生省の定義とは別に、スモン患者の発生、および救済をめぐって国会で論議がされている折、白木博次☆02前東大教授は、衆議院社会労働委員会において、難病とは何かを次のように説明している
 1 原因の明、不明を問わない
 2 状態像の深焚さ
 3 社会復帰が極度に困難であるか不可能であること
 4 医療・福祉・社会から疎外されている
というものである。病気の種類ではなくて、その患者が陥っている、身体的・社会的状況の深刻さをメドとして考えるので、いわゆる狭い意味の医学的な定義ではない。
 スモンの患者が、しびれをはじめ、身体的な苦痛に痛めつけられ、なおかつ、再び社会復帰できない下肢の不自由、失明などに嘆き、さらに迫い撃ちをかけるように伝染病だ≠ニ騒がれ、その結果、家主から追い立てられ、パン屋から買いに来ないで≠ニ断わられる。こうした社会疎外が、身体的苦痛にもまして患者を痛めつける。事実、新聞紙上にスモン患者の自殺が次々と報道され、スモン感染説が否定された現在でさえ、一般の人々より高い自殺率である。
 このように、患者の苦痛を身体面のみでなく社会的側面を含めた実態をおさえた定義であろう。

 3 難病患者の実態

 4 難病に対する援助

(1) 宇尾野公義「いわゆる難病の概念とその対策の問題点」公衆衛生一九七三年三月号、一八六〜一九二頁。
(2) 白木博次「市民の健康――環境汚染による健康崩壊への危機」岩波講座『現代都市政策] 都市社会と人間』二六九〜三〇四頁、一九七三年。
(3) 芦沢正見「難病対策の現状と一、ニの問題点」ジュリスト五四八号、二六一〜二六七頁、一九七三年一一月。

 ……

◆金澤 一郎 2012 「わが国の難病政策について」,『脳と発達』44:185-189(第53回日本小児神経学会総会・基調講演)
 https://www.jstage.jst.go.jp/article/ojjscn/44/3/44_185/_pdf

 ……


立岩 真也 2014/10/24 「そもそも難病って?だが、それでも難病者は(ほぼ)障害者だ」,難病の障害を考える研究集会

立岩 真也 2014
 cf.「特定疾患」,『wikipedia』
 +難病情報センター [外部リンク]http://www.nanbyou.or.jp

◇難病(nambyo)とはまずは「治りにくい病気」といった意味の日常語であり、医学用語としての定義があるわけではない。(治りにくい病気の中でも、数の多いもの、その機序がある程知られている場合には、「難病」と名指されない場合があるが、それは下記する「行政用語としての難病」の存在によるところがあるかもしれない。)

◇他方、この語は――日常語の意味を引き継いだ――政策・行政上の用語として使われてきた。
 1972年の『難病対策要綱』によると、
「1.原因不明、治療方法未確立であり、かつ、後遺症を残すおそれが少なくない疾病 2.経過が慢性にわたり、単に経済的な問題のみならず介護等に著しく人手を要するために家庭の負担が重く、また精神的にも負担の大きい疾病」
とされている。
 さらに、「難治性疾患克服研究事業」には「難治性疾患克服研究事業の臨床調査研究分野対象疾患」と、「特定疾患治療研究事業対象」とされる「特定疾患」が規定されている。「難病指定を求める」などと言われる際には、難病とは、この事業の対象、とくに「特定疾患」のことを実質的に意味することがある。

◇こうして「制度としての難病」は、研究の対象としての難病であるとともに、生活上の困難の救済・軽減対象でもあってきた。「特定疾患治療研究事業対象疾患」に指定されることによって、「研究事業」のもとで医療費の軽減などが行なわれてきた。また原因・治療法の解明を求めるとともに、医療費負担等の軽減を求める人たちが「特定疾患」への認定を求めてきた。例えば特定疾患に認定されていない「複合性局所疼痛症候群 (CRPS)」の人たちにもそれに加えることを望み求める人たちがいる。また「難病」として多くの人には受け止められているだろう「筋ジストロフィー」も特定疾患には入っていない。(原因がわかっているから入っていない、という説明もあろうが、どうか。その発生機序の解明の度合いが格別に高いとは言えないようにも思える。そして原因がわかったとして、なおりたい人たちにとってば、なおし方が確立されていなければ、意味がない。)その時々の「政治」によってことは決まってきたし、現役の官僚などはもうそうしたいきさつをほとんど知らないだろう。そして歴史研究もほぼなされていない。
 ではあるのだが、あるいはだからこそ、もともとこうした複合的な契機を含む「特定疾患」のあり方を含む「(研究)事業」をどのようにしていくか、政策を立案・実行する側も再検討の要を感じているようでもあり、一定の「整理」もなされようとしてきているようでもあるのだが、その方向が定まっているようにも思えない。こうしてこの(制度としての/における)難病は今(も)変化の途上にある。
 2014/05/23 「難病の患者に対する医療等に関する法律」等々→「難病」2014



■難治性疾患克服研究事業

 cf.「難治性疾患克服研究事業」,『wikipedia』

 「症例数が少なく、原因不明で、治療方法が確立しておらず、生活面への長期にわたる支障がある疾患」に対して行われる厚生労働省による研究事業。1972年に、上記『難病対策要綱』に規定された「特定疾患調査研究事業」として開始。1999年(平成11年)に「特定疾患対策研究事業」と改称、2003年「難治性疾患克服研究事業」と改称。以下のような施策が行なわれている。

1.調査研究の推進。難治性疾患克服研究事業の臨床調査研究分野対象疾患。130疾患。(↓)
2.医療施設等の整備
3.地域の医療・保健福祉の充実・連携
4.QOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上を目指した福祉政策の充実(難病患者等居宅生活支援事業・市町村自治事務。)
5.医療費の自己負担の軽減(特定疾患治療研究事業対象56疾患)(↓)

■難治性疾患克服研究事業 臨床調査研究分野対象疾患(130疾患)

 厚生労働省による原因究明・治療法などの研究が行われるが、特定疾患治療研究事業対象疾患以外は患者の自己負担分は、公費で負担されない。
 詳しくは厚労省 難病情報センターを参照のこと。

厚生労働省による原因究明・治療法などの研究が行われるが、特定疾患治療研究事業の対象疾患以外は患者の自己負担分は、国の公費で負担されない。

→難病情報センター「各疾患の解説 50音順索引」http://www.nanbyou.or.jp/entry/506

1.脊髄小脳変性症
2.シャイ・ドレーガー症候群
3.モヤモヤ病(ウィルス動脈輪閉鎖症)
4.正常圧水頭症(NPH)
5.多発性硬化症
6.重症筋無力症
7.ギラン・バレー症候群
8.フィッシャー症候群
9.慢性炎症性脱髄性多発神経炎
10.多発限局性運動ニューロパチー(ルイス・サムナー症候群)
11.単クローン抗体を伴う末梢神経炎(クロウ・フカセ症候群)
12.筋萎縮性側索硬化症
13.脊髄性進行性筋萎縮症
14.球脊髄性筋萎縮症(Kennedy-Alter-Sung病)
15.脊髄空洞症
16.パーキンソン病
17.ハンチントン病
18.進行性核上性麻痺
19.線条体黒質変性症
20.ペルオキシソーム病
21.ライソゾーム病
22.クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)
23.ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー病(GSS)
24.致死性家族性不眠症
25.亜急性硬化性全脳炎(SSPE)
26.進行性多巣性白質脳症(PWL)
27.後靭帯骨化症
28.黄色靭帯骨化症
29.広範脊柱管狭窄症
30.前縦靭帯骨化症
31.特発性大腿骨骨頭壊死症
32.特発性ステロイド性骨壊死症
33.網膜色素変性症
34.加齢黄斑変性
35.難治性視神経症
36.突発性難聴
37.特発性両側性感音難聴
38.メニエール病
39.遅発性内リンパ水腫
40.PRL分泌異常症
41.ゴナドトロピン分泌異常症
42.ADH分泌異常症
43.中枢性摂食異常症
44.原発性アルドステロン症
45.偽性低アルドステロン症
46.グルココルチコイド抵抗症
47.副腎酵素欠損症
48.副腎低形成(アジソン病)
49.偽性副甲状腺機能低下症
50.ビタミンD受容機構異常症
51.TSH受容体異常症
52.甲状腺ホルモン不応症
53.再生不良性貧血
54.溶血性貧血
55.不応性貧血(骨髄異形成症候群)
56.骨髄線維症
57.特発性血栓症
58.血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)
59.特発性血小板減少性紫斑病
60.IgA腎症
61.急速進行性糸球体腎炎
62.難治性ネフローゼ症候群
63.多発性嚢胞腎
64.肥大型心筋症
65.拡張型心筋症
66.拘束型心筋症
67.ミトコンドリア病
68.Fabry病
69.家族性突然死症候群
70.原発性高脂血症
71.特発性間質性肺炎
72.サルコイドーシス
73.びまん性汎細気管支炎
74.潰瘍性大腸炎
75.クローン病
76.自己免疫性肝炎
自己免疫性肝炎
77.原発性胆汁性肝硬変
78.劇症肝炎
79.特発性門脈圧亢進症
80.肝外門脈閉塞症
81.Budd-Chiari症候群
82.肝内結石症
83.肝内胆管障害
84.膵嚢胞線維症 http://www.nanbyou.or.jp/entry/129
85.重症急性膵炎
86.慢性膵炎
87.アミロイドーシス
88.ベーチェット病
89.全身性エリテマトーデス
90.多発性筋炎・皮膚筋炎
91.シャーグレン症候群
92.成人スティル病
93.高安病(大動脈炎症候群)
94.バージャー病
95.結節性多発動脈炎
96.ウェゲナー肉芽腫症
97.アレルギー性肉芽腫性血管炎
98.悪性関節リウマチ
99.側頭動脈炎
100.抗リン脂質抗体症候群
101.強皮症
102.好酸球性筋膜炎
103.硬化性萎縮性苔癬
104.原発性免疫不全症候群
105.若年性肺気腫
106.ランゲルハンス細胞組織球症(ヒスチオサイトーシスX)
107.肥満低換気症候群
108.肺胞低換気症候群
109.原発性肺高血圧症 →肺高血圧症
110.慢性肺血栓塞栓症
111.混合性結合組織病
112.神経線維腫症I型(レックリングハウゼン病)
113.神経線維腫症II型
114.結節性硬化症(プリングル病)
115.表皮水疱症
116.膿疱性乾癬
117.天疱瘡
118.大脳皮質基底核変性症
119.重症多形滲出性紅斑(急性期)→スティーブンス・ジョンソン症候群 (Stevens-Johnson syndrome:SJS)
120.肺リンパ脈管筋腫症(LAM)
121.進行性骨化性繊維異形成(FOP)
122.色素性乾皮症(XP)
123.スモン
124.下垂体機能低下症
125.クッシング病
126.先端巨大症
127.原発性側索硬化症
128.有棘赤血球を伴う舞踏病
129.HTLV―1関連脊髄症
130.先天性魚鱗様紅皮症

以上・2009年4月1日現在

■特定疾患治療研究事業対象疾患(56疾患)・2009年10月1日現在

 上記のうち、特に治療が極めて困難であり、かつ、医療費も高額である疾患について、医療の確立、普及を図るとともに、患者の医療費負担軽減を図る目的で、都道府県を実施主体として特定疾患治療研究事業が行われている。
 所轄の保健所に申請することにより、医療費の自己負担分の一部または全額の助成を、公費で受けることができる。(『難病情報センター』ホームページを参照)

1.ベーチェット病
2.多発性硬化症
3.重症筋無力症
4.全身性エリテマトーデス
5.スモン
6.再生不良性貧血
7.サルコイドーシス
8.筋萎縮性側索硬化症
9.強皮症/皮膚筋炎および多発性筋炎
10.特発性血小板減少性紫斑病
11.結節性動脈炎 1.結節性動脈炎/2.顕微鏡的多発血管炎
12.潰瘍性大腸炎
13.大動脈炎症候群
14.ビュルガー病(バージャー病)
15.天疱瘡
16.脊髄小脳変性症
17.クローン病
18.難治性肝炎のうち、劇症肝炎
19.悪性関節リウマチ
20.パーキンソン病関連疾患 1.進行性核上性麻痺/2.大脳皮質基底核変性症/3.パーキンソン病
21.アミロイドーシス
22.後靭帯骨化症
23.ハンチントン病
24.モヤモヤ病(ウィルス動脈輪閉鎖症)
25.ウェゲナー肉芽腫症
26.特発性拡張型(うっ血型)心筋症
27.多系統萎縮症 1.線条体黒質変性症/2.オリーブ橋小脳萎縮症/3.シャイ・ドレーガー症候群/28.表皮水疱症(接合型及び栄養障害型)
29.膿疱性乾癬
30.広範脊柱管狭窄症
31.原発性胆汁性肝硬変
32.重症急性膵炎
33.特発性大腿骨頭壊死症
34.混合性結合組織病
35.原発性免疫不全症候群
36.特発性間質性肺炎
37.網膜色素変性症
38.プリオン病 1.クロイツフェルト・ヤコブ病/ 2.ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー病/3.致死性家族性不眠症
39.原発性肺高血圧症
40.神経線維腫症I型/神経線維腫症II型
41.亜急性硬化性全脳炎
42.バット・キアリ(Budd-Chiari)症候群
43.特発性慢性肺血栓塞栓症(肺高血圧型)
44.ライソゾーム病 1.ライソゾーム病(ファブリー病を除く)/2.ライソゾーム病(ファブリー病)
45.副腎白質ジストロフィー
46.家族性高コレステロール血症 (ホモ接合型)
47.脊髄性筋萎縮症
48.球脊髄性筋萎縮症
49.慢性炎症性脱髄性多発神経炎
50.肥大型心筋症
51.拘束型心筋症
52.ミトコンドリア病
53.リンパ脈管筋腫症(LAM)
54.重症多形滲出性紅斑 (急性期)→スティーブンス・ジョンソン症候群 (Stevens-Johnson syndrome:SJS)
55.黄色靭帯骨化症
56.間脳下垂体機能障害 1.PRL分泌異常症/2.ゴナドトロピン分泌異常症/3.ADH分泌異常症/4.下垂体性TSH分泌異常症/5.クッシング病/6.先端巨大症/7.下垂体機能低下症

 2013年度補正予算において、特定疾患治療研究事業に緊要性の高い疾患を追加するものとされたことをうけ、2013年10月より、本事業の対象疾患に以下の疾患が追加された。(厚生労働省健康局疾病対策課)

<追加された11疾患>

・家族性高コレステロール血症(ホモ接合体)
脊髄性筋萎縮症
球脊髄性筋萎縮症
慢性炎症性脱髄性多発神経炎
・肥大型心筋症
・拘束型心筋症
ミトコンドリア病
肺リンパ脈管筋腫症(LAM)
・重症多形滲出性紅斑(急性期)
・黄色靱帯骨化症 間脳下垂体機能障害(PRL分泌異常症、ゴナドトロピン分泌異常症、ADH分泌異常症、下垂体性TSH分泌異常症、クッシング病、先端巨大症、下垂体機能低下症)

◆申請書類について

◇大野 更紗 20110620 『困ってるひと』,ポプラ社,272p. ISBN-10: 4591124762 ISBN-13: 978-4591124765 1400+ [amazon]/[kinokuniya] ※ n02.

「病名が確定して、わたしはまず「難病医療費等助成制度」の申請に必要な膨大な書類をそろえることに、一汗書かなければならなかった。ともかく、この制度の申請をしなければ、この先、毎月何十万円もの医療費の支払いを続けることになる。それは、不可能だ。<108<
 当時居住していた小平市の健康課に問い合わせ、申請書類一式と、必要書類のリストを病室宛てに郵送してもらった。
 以下、そのまんまである。
 
 1 難病医療費等助成申請書兼同意書
 2 臨床調査個人票
 3 住民票
 4 世帯調書
 5 健康保険証のコピー
 6 生計中心者の所得状況を証明する書類
 7 保険者からの情報提供にかかる同意書
 8 申請者の保険者の所得区分確認に必要な書類(住民税非課税証明書)
 9 臨床個人調査票に添付が必要な書類(節電図のコピー、筋の病理診断コピー)

 ただでさえ死にそうに具合が悪い中、病人が用意するには酷すぎるとしか思えないリストを見て、くらくらと頭痛がしてきたが、東京都さまから必要と言われているのだから、用意するほか、患者に選択肢はない」(107-8)


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