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加齢黄斑変性

age-related macular degeneration, AMD

last update:20150201
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http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8A%A0%E9%BD%A2%E9%BB%84%E6%96%91%E5%A4%89%E6%80%A7

 「加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい、英: age-related macular degeneration、AMD)とは、加齢に伴い眼の網膜にある黄斑部が変性を起こす疾患である。失明の原因となりうる。以前は老人性円板状黄斑変性症と呼んでいた。またARMDと略していた頃もあった。難病情報センターのサイトにも本疾患の解説がある[1]。」

◆難病情報センター http://www.nanbyou.or.jp/entry/67

 「1. 加齢黄斑変性とは
 網膜の中心部直径6000μmの範囲は黄斑とよばれ、ものを見るときに最も大切な働きをします。この黄斑の働きによって私達は良い視力を維持したり、色の判別を行ったりします。この黄斑が加齢にともなって様々な異常をきたした状態を加齢黄斑変性といいます。加齢黄斑変性は「滲出型」と「萎縮型」に分けられます。「萎縮型」は徐々に黄斑の網膜の細胞が減っていくタイプで、黄斑に地図状の萎縮病巣(網膜が薄くなった状態)ができます。このタイプでは、長い間かかってゆっくり視力が低下していきます。治療法は色々なものが考えられていますが、現在のところまだありません。もう一つの「滲出型」は、その名の通り、血液の中の水がにじみ出てきて(滲出)、黄斑に障害が生じるタイプです。出血することもあります。出血や滲出は「脈絡膜新生血管」といって、網膜の奥の脈絡膜からでてきた、正常な血管とは異なるもろい血管からおこりま す。以下は「滲出型」について述べたものです。[…]」

■報道など

◆2015/01/17 「iPSで目の難病治療、「学会が病院指定を」 理研・高橋氏」
 『日本経済新聞』2015年01月17日Web刊(23:46)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG17HB5_X10C15A1CR8000/

「目の難病患者に世界初のiPS細胞を使った移植手術を昨秋に実施した理化学研究所の高橋政代プロジェクトリーダーは17日、iPS細胞を使う再生医療の実施病院を眼科などの学会が指定すべきだとの考えを示した。
現在は臨床研究だが、国の承認まで順調に進んだ場合、治療法をスムーズに普及させる狙い。全国の病院の中から複数を選んで公表する方針だ。
大阪府吹田市内で開かれたシンポジウムの講演で明らかにした。理研などは昨年9月、加齢黄斑変性という難病患者に、本人のiPS細胞から育てた網膜の細胞を移植し、経過をみている。今後、国の承認を得るための臨床試験(治験)を始めることも検討している。承認後、多くの人が安心して治療を受けられるよう学会が率先して取り組むべきだとの意向を示した。
病院の選定では、研究環境や手術の実施数などを基準に複数を指定する見通し。シンポに参加した大阪大学の澤芳樹教授は「心臓病の再生医療でも病院の指定が必要になるのではないか」と話した。こうした動きは今後、他にも広がりそうだ。」

◆2014/09/13 「iPS細胞:世界初の移植手術 目の難病患者に」
 『毎日新聞』2014/09/13
 http://mainichi.jp/select/news/20140913k0000m040001000c.html

 「理化学研究所などが進めるiPS細胞(人工多能性幹細胞)を目の難病治療に使う臨床研究で、iPS細胞から作った網膜色素上皮細胞を70代の女性患者(兵庫県)に移植する手術が12日、共同研究機関の先端医療センター病院(神戸市中央区)で実施された。iPS細胞から作った細胞を患者に移植したのは世界で初めて。安全性の確認が手術の主な目的だが、視力の改善など有効性も調べる。iPS細胞の臨床研究はパーキンソン病や重症心不全なども控えており、今回の手術はiPS細胞を活用した再生医療実現への第一歩と位置づけられる。
 臨床研究の対象は、悪化すると失明の恐れもある「滲出型(しんしゅつがた)加齢黄斑変性」。昨年8月、理研発生・再生科学総合研究センター(CDB)の高橋政代・プロジェクトリーダー(53)を中心に開始。目の網膜中心部(黄斑部)の傷ついた色素上皮細胞を摘出し、代わりにiPS細胞から作製したシート状の色素上皮細胞を移植する計画を進めていた。理研が、患者の皮膚細胞から作ったiPS細胞を使って細胞シートを作製し、先端医療センター病院が移植手術を担当した。
 研究チームによると、投薬を中心とする現在の治療法では傷ついた網膜の修復はできず、今回の手術を受けた患者もこれまで治療を続けてきたが、症状が悪化していたという。
 手術は、異常な血管ができて傷ついた色素上皮を専用の器具で取り除き、縦1.3ミリ、横3ミリの色素上皮細胞のシートで置き換えた。患者は3〜7日後に退院し、定期的に検査を受ける。計6人の手術を計画しているが、2人目以降の時期は未定だ。
 研究チームによると、色素上皮がiPS細胞治療の最初の臨床研究対象に選ばれたのは▽移植する細胞の数が少なくて済む▽がん化しにくい▽移植後の詳細な観察が可能−−などが挙げられる。しかし、第1号だけに、iPS細胞や細胞シートの安全性の確認は慎重に行われ、患者の皮膚採取から細胞シート作製まで約10カ月かけた。
 ノーベル医学生理学賞を受賞した山中伸弥・京都大iPS細胞研究所長(52)がiPS細胞を開発した当初は、がん遺伝子やウイルスを利用したためがん化が実用化への課題だった。今回は、山中所長らの最新の研究成果を生かし、がん遺伝子やウイルスを使わない方法を採用。マウスへの移植でがん化しないことも確かめた。」

◆2014/09/12 「理研、第1症例目となる加齢黄斑変性の治療に向けたiPS細胞手術の詳細を公表」
 マイナビニュース [2014/09/12]

 「理化学研究所(理研)は9月12日、同日に理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター(理研CDB)が実施した「滲出型加齢黄斑変性に対する自家iPS細胞由来網膜色素上皮シート移植に関する臨床研究」における第1症例目の手術の内容などを公表した。
 手術は兵庫県神戸市の先端医療振興財団 先端医療センター病院にて、同日の14時20分から16時20分にかけて、先端医療センター病院 眼科統括部長/神戸市立医療センター中央市民病院 眼科部長の栗本康夫氏ら眼科医3名を含む手術チームにより兵庫県在住の70歳代の女性に対し行われたという。
 手術の結果としては、約1.3mm×3mmのRPEシート1枚を被験者眼球(片目)の網膜下に移植したとのことで、多量の出血など、重篤な有害事象の発生は起こらなかったという。
 なお、今回の手術について栗本康夫眼科統括部長は「今回の研究はiPS細胞を使った再生医療の確立という大きな目標に向かっての小さな一歩であり、本日の手術は、その臨床研究全体の中での1つのステップでしかありませんが、大きな節目を乗り越えられた事は大変に嬉しく思っております。手術を受けられる患者さんには大きな不安もあったかと思います。治療に伴うリスクなど諸々をすべて受け入れられた上で、手術を受けても良いと決断された患者さんの勇気に最大限の敬意を表したいと思います」とコメントをしているほか、高橋政代プロジェクトリーダーも、「iPS細胞を使った再生医療の第1歩を踏み出すことができたと思います。これをスタートとして、必ず治療として多くの方に届けられるように歩みをとめずに進みたいと決心を新たにしております」とコメントしている。」

◆2013/07/30 独立行政法人理化学研究所公益財団法人先端医療振興財団「「滲出型加齢黄斑変性に対する自家iPS細胞由来網膜色素上皮シート移植に関する臨床研究」の研究開始について」

 「理化学研究所(野依良治理事長)と先端医療振興財団(井村裕夫理事長)は、これまで「滲出型加齢黄斑変性に対する自家iPS細胞由来網膜色素上皮(RPE)シート移植に関する臨床研究」を共同で計画してきました。この度、厚生労働省による審査等を経て両機関とも本臨床研究の実施を機関決定したことから、下記のとおり共同研究契約を締結し、臨床研究を開始いたします。
 【共同研究契約の締結】
独立行政法人理化学研究所、公益財団法人先端医療振興財団、および協力・連携機関である地方独立行政法人神戸市民病院機構の間で、本臨床研究実施のための共同研究契約を下記のとおり締結し、臨床研究を開始します。
臨床研究の題目: 「滲出型加齢黄斑変性に対する自家iPS細胞由来網膜色素上皮(RPE)シート移植に関する臨床研究」
契約締結日:2013年8月1日
契約期間:契約締結日から6年10ヶ月
 […]」


UP:20140917 REV:20150201
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