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進行性骨化性線維異形成症(Fibrodysplasia Ossificans Progressiva:FOP)


last update:20150101

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◆2014/12/19 「難病の患者ら落胆 STAP実験打ち切り」
 『神戸新聞』2014/12/19 12:37
 http://www.kobe-np.co.jp/news/iryou/201412/0007595954.shtml

 「切実な願いはかなえられなかった。理化学研究所の小保方晴子氏(31)が検証実験でSTAP細胞を作製できなかったことが発表された19日、再生医療による新たな治療を待ち望む患者や家族からは「残念」などと落胆する声が相次いだ。
 筋肉が骨に変わる難病「進行性骨化性線維異形成症(FOP)」の患者で、明石市立明石商業高2年の山本育海さん(17)。人工多能性幹細胞(iPS細胞)での治療研究に、皮膚の細胞を提供するなどの協力を続ける。
 iPS細胞と比べて作製が容易と発表されたときは「本当なら、患者にとって夢みたいなことだった」と振り返る母の智子さん(41)は「使えるものとして患者に還元はできなかったのは残念」と肩を落とす。「患者は痛みを我慢しながら待っている。実用化が確かなものを優先して研究を進めてほしい」
  神戸市立医療センター中央市民病院を受診した同市中央区の主婦(46)は、小学生の長女が腎臓に不安を抱える。移植も必要になる可能性があるといい、「(STAP細胞があるなら)早く一般市民も使えるように、と強く願った。患者さんにとってこれほどがっかりなことはない」と悔しそうに話す。小保方さんに対し「うそをついていたとまでは思えない。彼女が見たのは何だったんだろう」といぶかしんだ。(金井恒幸、阿部江利)」(全文)

◆2013/04/07 「FOP:難病の山本さん応援、明石でチャリティーコンサート 「薬ができると信じて頑張る」/兵庫
 毎日新聞 2013年04月07日 地方版
 http://mainichi.jp/area/hyogo/news/20130407ddlk28040227000c.html

 「筋肉が骨に変わる難病「進行性骨化性線維異形成症(FOP)」との闘病を続け、今春、明石市立明石商業高校に進学する山本育海さん(15)を応援するチャリティーコンサートが6日、同市二見町東二見のふれあいプラザあかし西で開かれた。地域の住民や支援者ら約70人が参加した。
 母の智子さん(39)は「中学では『学校に行きたい』と思える環境を、皆さんがつくってくださった。高校でもクラスの皆さんと一緒に成長してほしい。支えてくださる方とともに、薬のできる日を信じてがんばってくれると思う」とあいさつ。県立明石北高校のボランティア部員が、FOPの症状などについて説明した。
 コンサートでは、同市の大西敏江さん(58)と伊藤圭子さん(66)が「春の小川」などをマリンバで演奏。大西さんらは「つらい思いをしながらも常に前を向いて生きているいっくん(山本さん)を、違う形で応援したかった」と話した。
 かつて病気のことを「神さまからの宿題」と詩で表現した山本さん。コンサートの締めくくりで「たくさんの方に支援してもらえるようになって、神さまからの宿題はみんなで考えていきたいと思うようになりました。薬ができると信じて頑張ります」とあいさつした。【駒崎秀樹】〔神戸版〕」

◆FOP明石
 http://www.fop-akashi.jp/

◆FOP堺
 http://www.fop-sakai.jp/


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■紹介 進行性骨化性線維異形成症(Fibrodysplasia Ossificans Progressiva:FOP)

◇定義(【外部リンク】難病情報センターより
・概要:進行性骨化性線維異形成症(FOP)は、骨系統疾患と呼ばれる全身の骨や軟骨の病気の1つです。子供の頃から全身の筋肉やその周囲の膜、腱、靭帯などが徐々に硬くなって骨に変わり、このため手足の関節の動く範囲が狭くなったり、背中が変形したりする病気です。生まれつき足の親指が短く曲がっていることが多いという特徴があります。
・症状:この病気の主な症状である異所性骨化(筋肉やその周囲の膜、腱、靭帯などが硬くなって骨に変わること)は、乳児期から学童期にかけて初めて起きることが多く、まず皮膚の下が腫れたり硬くなったりして、時に熱を持ったり痛みを伴うことがあります。この症状をフレア・アップと呼びます。フレア・アップを繰り返しながら異所性骨化を生じ、手足の関節の動きが悪くなったり、背中が変形したりしますが、フレア・アップが起きても必ず異所性骨化につながるとは限りません。けがや手術などがきっかけとなってフレア・アップが起きることもあります。異所性骨化は背中や首、肩、足の付け根から始まり、徐々に手足の先の方に向かって広がる傾向があります。ですから手の指の動きまで悪くなることは少ない様です。呼吸に関係する筋肉や口を動かす筋肉の動きも悪くなり、呼吸の障害が起きたり、口が開けにくくなったりすることがあります。心臓を含む内臓の筋肉には異所性骨化を生じないとされています。  異所性骨化以外に、足の親指が短く曲がっている、手の親指が短い、手の小指が曲がっている、耳が聞こえにくい、髪の毛が薄くなるなどの症状を示すことがあることが知られています。レントゲンを撮ると膝などに異所性骨化とは異なる骨の出っ張りがあることもあります。
・医療従事者向け定義:進行性骨化性線維異形成症(Fibrodysplasia ossificans progressiva: FOP)(MIM: 135100)は、小児期から全身の骨格筋や筋膜、腱、靭帯などの線維性組織が進行性に骨化し、このため四肢・体幹の可動性低下や変形を生じる疾患である。先天性の母趾形態異常を伴うという特徴がある。骨系統疾患の国際分類(Warman ML, et al: Am J Med Genet A, 2011)ではDisorganized development of skeletal components group(骨格成分の発生異常グループ)に分類されている。

◇関連サイト
[外部リンク]J−FOP〜光〜患者会
[外部リンク]筋肉が骨になる難病(FOP)と闘う、いっくんのブログ[FOP明石]
[外部リンク]進行性骨化性繊維異形成症(FOP)に関する調査研究班
[外部リンク]埼玉医科大学FOP診療・研究プロジェクト
International Fibrodysplasia Ossificans Progressiva Association
[外部リンク]FOP Step Jump
[外部リンク]ちゅんちゅん物語
[外部リンク]☆我が家にお嬢がやって来た☆
[外部リンク]福ちんのブログ
[外部リンク]難病情報センター
[外部リンク]FOP堺


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■文献(年代 新しい順)

◇沖今日子・狩谷あゆみ1,20120229, 「FOPという困難を生きる――障害者自立支援法施行以前・以後の比較から」『広島修大論集』52(2), 95-110.
◇桑田弘美・曽我浩美・白坂真紀, 2012, 「FOP患者の小児期の日常生活」『日本看護学会論文集 小児看護』42, 157-160.
◇明道境禅, 200912, 『進行性骨化性線維異形成症(FOP)――(難病の理解)と生活支援のために FOP患者・家族の立場でのFOPハンドブック』ゆめゆめ工房.
◇渡久地 優子, 200801, 「筋肉が骨になる病気を病んで (特集 進行性骨化性線維異形成症(FOP))『難病と在宅ケア』13(10), 40-42.
◇大湾一郎, 200801, 「FOPの臨床的所見と具体的事例 (特集 進行性骨化性線維異形成症(FOP))」『難病と在宅ケア』13(10), 43-46.


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■引用



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■ニュース(年代 新しい順)

◆2012/02/05 「第1回稀少難病創薬勉強会」
 『読売新聞』大阪朝刊 13頁
 12日午後1時半、兵庫県明石市二見町東二見のふれあいプラザあかし西(山陽電鉄東二見駅徒歩12分)。患者数が極めて少ない希少難病の治療薬を製薬企業に開発してもらうには、患者や支援者がどんな活動をすべきか考えるため、大阪大谷大薬学部の雪村時人教授が「新しい薬を創るには?」と題して講演。質問も受け付ける。参加無料で、事前申し込みは不要。問い合わせはFOP明石稀少難病FOP支援事務局(080・3775・2257)へ。

◆2012/01/23 「筋肉が骨化」難病治療に光 京大教授ら 患者皮膚でiPS細胞
 『読売新聞』東京夕刊 14頁
 京都大の戸口田淳也教授らの研究グループが、筋肉などが骨になる希少難病の少年から皮膚細胞の提供を受け、様々な組織の細胞に変化できるiPS細胞(新型万能細胞)をつくって、骨に変化させることに成功した。グループは、骨化を抑える初の治療薬の開発を進めており、臨床応用を目指す。これまで患者数の少なさで創薬の研究が進まなかった。iPS細胞の研究進展で、少年は「やっと光が見えた」と期待している。
 この難病は「進行性骨化性線維異形成症」(FOP)。傷ついた筋肉、腱(けん)、じん帯が再生する時に激痛を伴いながら骨になる。遺伝子の異常で起き、炎症や痛みを抑える以外の治療薬はない。製薬会社にとっては、国内で約50人という患者の少なさや、患者の筋肉や骨が大量に得られないことなどが治療薬開発の障壁だった。
 事態が好転しだしたのは、山中伸弥・京都大教授が開発したiPS細胞の登場がきっかけ。皮膚細胞を提供した少年は、8歳で発症した兵庫県明石市の中学2年生、山本育海(いくみ)君(14)。2008年3月、京大がiPS細胞を使った難病研究に乗り出すことを新聞記事で知り、09年に支援団体「FOP明石」とともに山中教授と戸口田教授らに会い、皮膚片の提供を申し出た。皮膚採取の刺激が骨化を進める恐れもあったが、「早く薬をつくってもらうため」と決意した。その後、別の患者も協力し、これまでに計3人分のiPS細胞が作製された。骨に変化させたところ、健康な人と比べて大幅に骨化しやすいことがわかった。

◆2012/01/23 希少難病iPS創薬に光 筋肉の骨化 疾患再現 京大グループ
 『読売新聞』大阪夕刊 01頁
 京都大の戸口田淳也教授らの研究グループが、筋肉などが骨になる希少難病の少年から皮膚細胞の提供を受け、iPS細胞(新型万能細胞)をつくって、骨に変化させることに成功した。グループは、骨化を抑える初の治療薬の開発を進めており、臨床応用を目指す。
 希少難病は、これまで患者数の少なさで創薬の研究が進まなかったが、細胞を提供した兵庫県明石市の中学2年生、山本育海(いくみ)君(14)は、「治療にやっと光が見えた」と期待している。
 山本君の難病は「進行性骨化性線維異形成症」(FOP)で、傷ついた筋肉、腱(けん)、じん帯が再生する時に激痛を伴いながら骨になる。遺伝子の異常で起こるが、炎症や痛みを抑える以外の治療薬はない。
 国内で約50人という患者の少なさや、患者の筋肉や骨が大量に得られないことなどが、製薬会社にとって治療薬を開発するうえで大きな障壁だった。
 事態が好転し出したのは、山中伸弥・京都大教授が開発した様々な組織の細胞に変化できるiPS細胞の登場がきっかけ。8歳で発症した山本君は、2008年3月、京大がiPS細胞を使った難病研究に乗り出すことを新聞記事で知り、09年に母、智子さん(38)や支援団体「FOP明石」と京大を訪問、山中教授と戸口田教授らに会い、研究に必要な皮膚片の提供を申し出た。
 皮膚採取の刺激が骨化を進める恐れもあったが、「早く薬をつくってもらうために頑張る」と決意した。その後、別の患者も協力し、これまでに計3人分のiPS細胞が作製され、骨への変化に成功した。健康な人と比べて大幅に骨化しやすいことがわかった。
 今後は患者のiPS細胞を大量に作り、様々な薬品と反応させる実験を進めていく。有力な候補が見つかれば製薬会社と共同で新薬開発を目指す。
 戸口田教授は、「iPS細胞を使えば、治療薬の開発費はある程度抑えられる。研究成果を骨粗しょう症の治療にも応用できる可能性がある。協力企業は現れると思う」と話す。
 ◇難病47疾患からiPS細胞作製
 iPS細胞研究の大きな柱の一つは、希少難病の治療薬を開発することだ。
 希少難病は、患者数が国内で5万人未満の病気で、厚生労働省によると、7000〜5000種類も存在する。患者にとっては、自身の皮膚や血液から、病気の状態を再現できるiPS細胞は、大きな希望だ。山本君は「FOPは神様からの宿題だと思っているが、iPS細胞で宿題が解けるかもしれない」と話す。
 京大iPS細胞研究所などでは、今回のFOP以外に筋萎縮性側索硬化症やデュシェンヌ型筋ジストロフィーなどの希少難病について研究が進み、免疫がうまく働かないクリオピリン関連周期性発熱症候群など47疾患からiPS細胞を作ることに成功している。山中教授は「希少難病の原因解明や薬の開発へ向け、努力していきたい」という。

◆2010/04/04 iPS細胞研究 難病中1協力 シンポで報告=兵庫
 『読売新聞』大阪朝刊 29頁
 iPS細胞(新型万能細胞)を使った病気の研究をテーマにしたシンポジウムが3日、 神戸市中央区の臨床研究情報センターであった。筋肉が骨に変化する難病「進行性骨化性線維異形成症(FOP)」患者の明石市立魚住中1年山本育海君(12)が、治療法確立のため、iPS細胞を研究する京都大に協力したことが報告された。
 シンポジウムは、患者と市民、研究者らが協力して病気に理解ある社会を目指そうと、県内の患者団体などが主催した。
 京都大iPS細胞研究所副所長の戸口田淳也教授らも出席。山本君の支援団体「FOP明石」の藤本浩修常任委員が、山本君が2月以降、戸口田教授やiPS細胞を作った同所長の山中伸弥・京都大教授らと面会し、自らの皮膚細胞を研究のため提供したことを紹介した。
 この後、山本君が出席者約70人を前に「(難病という)神様が出した宿題が解けるまで頑張ろうと思う」と決意を述べると、会場からは激励の拍手が起こった。

◆2010/02/15 闘病姿 同級生が絵本に 来月7日慈善ライブ 明石の小6 山本君モデル=兵庫
 『読売新聞』大阪朝刊 30頁
 筋肉が骨に変化する難病「進行性骨化性線維異形成症」(FOP)を患う明石市立錦浦小6年の山本育海(いくみ)君(12)(明石市魚住町)の闘病姿を描いた絵本「にじいろの風船〜神さまからの宿題〜」を同級生らが作り、14日、同市魚住町の住吉自治会館で完成披露会を開いた。山本君は「絵本を通じて、違う病気で悩んでいる人にも闘病のヒントになればうれしい」と話している。
 FOPは発症率が200万人に1人と言われる。同級生らでつくる「いっくんおまもり隊」の児童ら11人が、「頑張っている姿を伝え、FOPについて知ってもらおう」と約1年かけて絵本にした。
 A4版16ページで、山本君がインターネットのブログで闘病の様子を書きつづり、海外の支援者らと交流する姿などを描いた。1500冊を用意し、3月7日に市立西部市民会館(魚住町中尾)である「FOPチャリティーライブ」などで1冊500円で販売する。売上金の一部は、FOPの原因解明のために役立てる。

◆2009/12/08 「夢に向かって強く生きて」 難病患者の北岡さん講演=石川
 『読売新聞』東京朝刊 30頁
 筋肉が骨化する難病「進行性骨化性線維異形成症(FOP)」に苦しむ輪島市の北岡幸美(ゆきみ)さん(24)が、七尾市青山町の障害者施設「青山彩光苑」で、約150人を前に、闘病生活や、FOPの難病指定を実現させるまでの道のりを語った=写真=。
 北岡さんは3歳でFOPを発症し、痛みとともに、体の動かない範囲が広がっていった。2004年の秋、同じ病気を持つ仲間と難病指定の署名活動を始め、人生が大きく動き出す。
 支援者からの励ましに勇気付けられ、2年半で150万人の署名を集め、07年3月には、ついに厚生労働省がFOPを難病に指定した。現在、国費による治療法研究が進められている。
 大きな目標は達成したものの、北岡さんは、今動く体の部分も、いつ動かなくなるかわからない不安の中で生きている。北岡さんは聴衆に向かい、「みなさんには夢や目標はありますか?」と問いかけ、「明日のことは誰にもわからない。だからこそ、くじけない強い心で、夢や目標に向かって頑張って生きていきましょう」と訴えていた。

◆2009/08/09 衆院選公示迫る 舛添厚労相が来県、遊説=石川
 『読売新聞』東京朝刊 29頁
◇09衆院選
 衆院選公示まで10日に迫った8日、自民党の舛添要一厚生労働相が来県し、金沢市と小松市で街頭演説を行うなど、同党の立候補予定者の応援に駆け回った。
 街頭演説は、小松市役所前と金沢市武蔵町の2か所で行った。舛添氏は、年金問題や雇用対策などの実績を強調した上で、「お金は天から降ってこない。やみくもに金をばらまけばいいと思っている政党に政権は任せられない」と民主党の政権公約(マニフェスト)を批判した。
 石川2区から出馬予定の森元首相も、「政権交代という言葉を遊びで訴えているだけ。政権を取った後、何をするのかが全く見えてこない」と民主党を非難。1区の馳浩氏は「石川県を代表して、国を支え、日本を守っていく責任を果たす政治をやらせて下さい」と頭を下げた。
 全国で医師会の政治団体「医師連盟」の自民離れが目立つ中、舛添氏は、金沢市内で開かれた県医師会の医療政策懇談会にも出席。医師ら150人を前に、「医師会によっては反乱を起こしているところもあるが、誰が医療行政を担えるか、よく考えていただきたい」と呼びかけた。
 金沢市の街頭演説では、2007年に難病認定された進行性骨化性線維異形成症(FOP)患者の北岡幸美さん(24)(輪島市)もマイクを握り、「弱い立場である私たち生活弱者が、安心して暮らせる世の中にしてほしい」と訴えた。
 写真=小松市役所前で、森元首相(左)、岡田直樹参院議員(右)と共に演説する舛添氏

◆2008/12/05 [顔]難病と闘いながら講演を続ける 北岡幸美さん
 『読売新聞』東京朝刊 02頁
◇きたおか・ゆきみ 23歳
 いつか体が動かなくなる日が来るかもしれない。だから、「今できることをしてほしい」と呼びかける。病気を知ってもらおうと学校などで始めた講演は、30回を超えた。
 遺伝子異常で筋肉内部に骨が形成され、関節が動きにくくなる進行性骨化性線維異形成症(FOP)とわかったのは3歳。高校時代に松葉づえを離せなくなった。石川県輪島市の実家で闘病する今は、階段の昇降も難しい。
 痛みや恐怖と闘いながらも笑顔で語れるのは、「病気がきっかけで多くの人と出会えたから」。自分も頑張ろうと思ううち、怖さを冷静に受け止められるようになった。
 発症率は200万人に1人とされ、国内では約60人が確認されている。4年前、ネットで知り合った患者仲間と、国にFOPの難病認定を求める活動を始めた。150万人分の署名を集めて厚生労働省に提出。昨年、難病認定されて治療法の研究が本格化した。
 夢は「親元を離れて働き、自由に遊びに出かける普通の女の子」。その日まで、笑顔で語り続けるつもりだ。
(金沢支局 川嶋路大)

◆2008/11/30 育海君、難病に負けないで 支援団体が医師講演会 300人出席=兵庫
 『読売新聞』大阪朝刊 33頁
 ◇明石・錦浦小5年 同級生ら「一緒に頑張る」  
 筋肉が骨化する難病「進行性骨化性線維異形成症」(FOP)と闘う明石市立錦浦小5年の山本育海(いくみ)君(10)(明石市魚住町)の支援団体「FOP明石」が29日、明石市魚住町の市立西部市民会館で研究に取り組む専門家らの講演会を開いた。同級生や保護者、医療関係者ら約300人がFOPへの理解を深め、山本君を励ました。
 山本君は3年生だった2006年7月、鉄棒から落ちたときに背中がこぶのように腫れたことで、異変に気付いた。今も筋肉は硬化しつつあるといい、主治医の明石市立市民病院の千代延友裕医師がCT画像などを用いて山本君の病状を説明。片桐岳信・埼玉医科大ゲノム医学研究センター教授が特定の遺伝子が原因と考えられることや、病状の進行を食い止める薬の開発が進められていることなどを解説した。
 会場には、同級生らが作った「心をつなぐ希望の木」と題したメッセージボードが置かれ、来場者が「いっくん、病気に負けないで」「みんなで応援しているので、笑顔をこれからも見せて」などと書き込んだ葉の形の紙を次々に張り付け、木を茂らせた。講演会では、担任教諭らも登壇。「育海君は『病気は神様から出された宿題』と話していたが、これはみんなの宿題でもある。育海君と一緒に頑張りたい」と学校全体で支援することを約束した。
 こうした言葉を受け、母・智子さん(35)は「温かく見守ってくれる人がいることに本当に感謝しています」と涙ながらにお礼を述べた。山本君は「FOPと診断されて嫌だったけれど、お母さんが泣くから、僕は泣きません。たくさんの人が応援してくれているので、絶対、負けません」と力強く話した。

◆2008/08/19 難病の小5、明石の山本育海君が再生医療見学 筋肉骨化の解明期待=兵庫
 『読売新聞』大阪朝刊 33頁
 ◇ポーアイの理化学研究所を訪問
 筋肉が骨化する「進行性骨化性線維異形成症」(FOP)と闘う明石市立錦浦小5年の山本育海(いくみ)君(10)(明石市魚住町)と母智子さん(34)らが18日、神戸・ポートアイランドの理化学研究所発生・再生科学総合研究センターを訪れ、最新の再生医療の現場を見学した。発症率200万人に1人とされる難病を患う山本君は、「このまま動けなくなってしまうのは嫌なので、少しでも治療に役立つ研究を進めてもらいたい」と期待していた。
 FOPは、子どものころから発症し、全身の関節周辺の筋肉や腱(けん)が硬化し、自由がきかなくなる病気。特定の遺伝子異常が原因とされるが、治療法は確立されておらず、厚生労働省は昨年3月、「難治性疾患克服研究事業」に指定した。
 異変を感じたのは2年前。鉄棒から落下し、背中がこぶのように腫れた。その腫れが背骨に沿って頭まで広がった。また、両腕も上げづらい状態という。激しい運動をすると痛みが走り、刺激を受けると硬化が進むため、できるだけ階段を避けたり、けがをしないように生活している。
 現在、登下校の送迎は智子さんが引き受け、山本君は体育以外は通常の授業を受けている。図工が得意科目で、「学校は友達がいるので楽しい」となるべく欠席しないようにしている。
 同研究センターは、2000年に開設され、最先端の再生医療などを研究。この日、山本君は職員の説明を熱心に聞きながら約1時間半、施設を見て回った。水生動物のプラナリアが切っても切っても再生していく様子を顕微鏡で興味深そうに眺め、「すごい。人間には応用できないの」などと質問していた。
 智子さんは「途中でしんどくならないか心配したが、自分の体への理解を深めたと思う。多くの人に病気を知ってもらい、治療に通じる研究が進めば」と話していた。
 
◆2007/11/11 筋肉内に骨形成する難病 「FOP知って」 奈良で患者訴え=奈良
 『読売新聞』大阪朝刊 35頁
 筋肉の中に新しい骨ができ、体が徐々に動かなくなる難病のFOP(進行性骨化性線維異形成症)をもっと知ってもらおうと、なら地域ケア研究会が10日、奈良市ならまちセンターで「地域ケアについて考えるフォーラム」を開いた。
 埼玉医大ゲノム医学研究センターの片桐岳信准教授がまず「FOPは医療関係者にもあまり知られておらず、誤診のために病気が進んでしまう例も多い」などと説明。さらに県在住の患者の岩本仁美さん(27)と鍵元裕司さん(47)が、進んでいく病気への恐怖や日常生活の苦労などを話した。
 自由に動くのは左手首と両手の指だけという岩本さんは、全介助の生活で外出もままならず、トイレの回数も限定されて、水分摂取の調整をしながら暮らしているという。鍵元さんは社会福祉協議会で働くが、足が曲がらず、立つか寝るかの姿勢での生活のため、78歳の母に介助をしてもらっており、障害の重さを知ってもらうことで、もっと福祉サービスが受けられるようになればと訴えた。

◆2007/09/26 [ズームアップWEEKLY]難病の岩本さん おしゃれする、街に出る
 『読売新聞』東京夕刊 14頁
 「うまく描けないなー」。ヘルパーがかざす鏡をのぞきこみ、曲がったままの左手に「孫の手」をにぎりしめ、先端にくくりつけたペンシルでまゆを描く。
 奈良県桜井市の岩本仁美さん(26)は、進行性骨化性線維異形成症(FOP)。筋肉やその周囲が骨になる難病で、徐々に体が動かなくなる。有効な治療法はまだない。200万人に1人の割合で発症するとされ、国内には約40人の患者がいるという。
 岩本さんは、2歳のときに、この病気と診断された。「転ぶから走ったらあかん」と親から言われ続けた。転ぶと刺激を受けた筋肉が再生するときに筋組織の中に余分な骨ができてしまうからだ。小学1年生のころには、ひざ立ちでしか歩けなくなった。3年生のときには右の肩とひじの関節が固まり、腕は伸びたままに。左腕は不自由な体を支えているうちに曲がった状態で動かせなくなり、16歳で全面介助が必要になった。
 今、ある程度自由に動くのは、左手首と両手の指だけ。5年前に両親を病気で亡くし、1日5回延べ8人のヘルパーによる訪問介護や、週3日デイサービスを利用して暮らす。
 「去年まではスプーンを使ってなんとか自分で食事ができたのに。昨日できたことが明日にはできなくなるという恐怖がいつもある。だからこそ、今を大切にしたい」と話す。不安はあるが、治療法が見つかることに期待をつなぐ。
 楽しみはおしゃれと繁華街への外出。かわいい服が好きでヘアスタイルにこだわり、つめのマニキュアも欠かさない。外出時は、電動車いすのバッテリー交換や食事介助などの手助けをしてくれるボランティアや友人が必要なので、頻繁にとはいかないが。
 一緒に住む2人の妹がいる。おしゃれを手伝ってくれるのがうれしい。自分も妹たちの相談に乗ってあげたいと思う。「姉ですから」とほほえんだ。(カメラとペン 守屋由子)(8月6日〜9月11日取材)
 
 ◇進行性骨化性線維異形成症(FOP)研究の現状  
 昨年、米国でFOPの原因となる遺伝子の変異が特定され、迅速で正確な診断が可能になった。国内では患者会や支援者の働きかけもあり、今年3月に国が研究費を助成する難病に指定された。埼玉医科大学ゲノム医学研究センター((電)042・985・7357)の片桐岳信准教授らは、今月、遺伝子の変異に起因する不要な骨をつくるたんぱく質の働きを止める化合物を発表。治療薬の開発につながる可能性があるという。

◆2007/03/29 「FOPと闘う」テーマに議論 宮城テレビ番組審議会=宮城
 『読売新聞』東京朝刊 30頁
 宮城テレビ放送の番組審議会が28日開かれた。ミヤギテレビが企画・制作し、21日に放送したミテちゃんねる「今、輝いて生きる〜体が骨になる病気FOPと闘う少年と家族〜」について、出席した8人の委員が意見交換した。
 ミテちゃんねるは、県内向けに作られているドキュメント番組。委員たちからは「家族の思いや一日一日を大事に前向きに生きる少年の姿が取材で引き出され、視聴者の心を打った」「テレビの良心が久々に強く感じられた」「温かさが伝わるナレーションだった」「テレビの社会的使命を感じた」など評価する意見が多く出された。
 ただ、「国の難病指定の不合理さなどに、制作者としてもっと怒りを表現しても良かったのでは」「難病の定義や難病指定会議について説明不足を感じた」といった指摘があった。
 「難病指定後の国の対応や研究、家族の動向など今後も取材を続けてほしい」といった要望も出された。
 同番組は、日曜深夜の全国ネット番組「NNNドキュメント’07」で5月に放送されることが決定している。

◆2007/03/20 [これ見てチャンネル]家族と共にFOPと闘う少年 熊谷光史(寄稿)=宮城
 『読売新聞』東京朝刊

◆2007/03/14 進行性化骨筋炎に難病認定方針 稲城の患者「うれしい」=多摩
 『読売新聞』東京朝刊 35頁
 ◇母「やっと一歩」 
 筋肉が骨化してしまう病気「進行性化骨筋炎」(FOP)を難治性疾患(難病)に認定するとの方針が、12日に厚生労働省で開かれた第4回特定疾患対策懇談会で決まった。傍聴席には、稲城市に住むFOP患者の鶴田啓人さん(18)の姿もあり、方針が決まると「他に認められなかった疾患があることは残念だが、とにかくうれしい」と笑顔を浮かべた。
 現在、難病認定されているのは121疾患。今回は、2003年度に3疾患が追加されて以来の見直しだ。
 傍聴席で啓人さんと一緒に懇談会の議論を見守っていた母親の夏江さん(48)は、終了後、すぐに「決まったよ」と、全国各地のFOP患者や支援者らに携帯電話で報告。「やっと第一歩を踏み出した」と喜びをかみしめた。夏江さんらは、2004年秋から、インターネットで知り合った同じ疾患に苦しむ患者らとともにFOPの難病認定を国に求める署名活動を続けてきただけに、その目には涙がにじんでいた。
 これまでに集まった署名は約150万人分。「署名に協力してくれた一人一人の気持ちが、私たちを押し上げてくれた」
 同省によると、現在FOP患者は全国で約100人未満。2〜5歳の小児期からじん帯や首、肩などの骨化が進む症状がある。原因は遺伝子異常によるたんぱく質の変異とされているが、治療法は確立していない。病気の進行具合を予想することも困難で、患者は日々病状の進行に恐怖感を抱いての生活を余儀なくされている。中には顔面の筋肉が骨化し、口が開かなくなって流動食を食べて生活している人もいるという。また、症例が少ないため、別の病気と診断されるケースもある。
 啓人さんは、5歳の時にFOPと診断されて以来、徐々に病気が進行。今では大好きな運動も出来なくなり、自分で身の回りのことをこなすのが精いっぱいになった状態だ。「時々すごく怖くなって、眠れなくなる夜もある」という。
 現在、国内で長くFOP研究を進めてきた埼玉医科大の片桐岳信助教授がFOPを専門に診療・研究するプロジェクトチームを発足させるなど、研究が進められている。夏江さんは「小さいころから苦しんできたことを分かってもらえた。1日も早く治療法が見つかることを祈っている」と話し、啓人さんも「病気が治ったら、お母さんと色々なところに行きたい」と今後、治療法が発見されることに期待を寄せている。
 
 〈難治性疾患(難病)〉
 〈1〉患者が5万人未満〈2〉原因不明〈3〉効果的な治療法が未確立〈4〉生活面への長期にわたる支障がある――の4要素を満たす病気を対象に、厚労省が認定。治療法などを研究している研究者には「難治性疾患克服研究事業」として調査研究費を交付する。12日の懇談会ではFOPのほか、色素性乾皮症(XP)も認定の方針が決まった。現在認定されている121疾患の中で、特に治療が困難で医療費が高額な45疾患は「特定疾患」の指定を受け、患者は、医療費の全額か一部の補助を受けることができる。

◆2007/03/13 高労省がFOP難病認定 要望3年「頑張って良かった」 輪島の北岡さん=石川
 『読売新聞』東京朝刊 34頁
 ◇FOPを難病認定 輪島の北岡さん、喜びの涙 
 「マイナスから、ようやくゼロに来た感じ。これで、スタートが切られた」――。12日開かれた厚労省の特定疾患対策懇談会で、筋肉が骨化する「進行性化骨筋炎(FOP)」が難病(難治性疾患)に認定された。3年にわたり要望活動を続けてきた、患者の輪島市名舟町の北岡幸美さん(22)は、「1日も早く、骨化の進行を止める薬を開発してほしい」と訴え、国費で推進されることになった治療法研究に期待を寄せた。
 北岡さんは、患者仲間に認定決定を伝える「やりました!」と書いた携帯メールを準備し、懇談会を傍聴する支援者の連絡を待った。午後5時前、決定の連絡を受けると、即座に約20人の患者仲間にメールを送信し、大粒の涙をこぼした。「要望開始からの3年は、内容が濃くて長かった。今まで頑張ってきてよかった」
 北岡さんは、3歳でFOPを発症。小学生時代には、海で泳ぎ川で遊ぶ、活発な少女時代を過ごしたが、中学に入ると症状が悪化した。高校入学時にはひざの動きが硬くなり、松葉づえが手放せなくなり、卒業するころには、入浴や外出など、生活のほとんどに家族の助けが必要になるまで症状が悪化した。
 ◇治療法研究の進展期待 
 北岡さんは2004年秋、インターネットを通じて、同じ病気に苦しむ患者と知り合ったのをきっかけに、FOPの難病認定を国に求める活動を開始した。県内外に支援の輪を広げ、05年5月には厚労省を初めて訪れ、約35万人分の署名とともに要望書を提出。その後も2回の要望活動を行った。これまでに、全国の患者が集めた署名総数は、計約150万人分になったという。
 その間にも骨化の進行は続き、足首やひざはさらに硬くなり、「体が動かなくなっていくことに慣れてしまい、怖くはなくなった」という。
 国内では、埼玉医科大などでFOPの研究が進んでいるが、「研究以上に病気が進んでいくと感じる」と募る不安とも戦い続けている。今回の認定で、治療法の研究に大きな弾みがつくことが期待される。
 北岡さんは「早く自由になりたい。おいしいものを食べながら旅をすることが、私の夢なんです」と話した。

◆2007/03/13 厚労省、FOPを難病指定 捷冶君両親「次は薬を期待」=宮城
 『読売新聞』東京朝刊 34頁
 厚生労働省の特定疾患対策懇談会が12日、筋肉が骨に変化するまれな病気「進行性骨化性線維異形成症(FOP)」を難病に指定することを決めた。FOP患者の松島町の小学4年、武田捷冶(しょうや)君(10)の両親は「うれしいの一言」と喜んでいる。
 両親や支援団体は約1年前から、FOPの難病指定を求め、署名活動を展開。村井知事にも支援を求めてきた。難病指定により、今後、国の研究班が結成され、発症原因の究明や治療法の確立に向けた研究が進められる。
 捷冶君の父親、正二さん(35)は「難病指定を目指したこれまでの運動が間違っていなかったと、ホッとしている。次は薬が開発されることを期待したい」と声を弾ませていた。

◆2007/03/13 難病治療研究、2疾患を追加/厚労省方針
 『読売新聞』東京朝刊 38頁
 患者数が少なく、治療方法が確立していない難病の研究を促進する厚生労働省の「難治性疾患克服研究事業」について、同省は12日、来年度から進行性骨化性線維異形成症(FOP)と色素性乾皮症(XP)の2疾患を追加する方針を決めた。同研究事業は、患者数が少なく、治療方法の研究が進みにくい難病について、研究者に調査研究費を交付するもの。今回は、2003年度に3疾患が追加されて以来の見直し。

◆2007/03/13 特定疾患対策懇談会 FOP関係団体、研究事業認定で「大きな一歩に」=兵庫
 『読売新聞』大阪朝刊 35頁
 厚生労働省が12日の特定疾患対策懇談会で、進行性骨化性線維異形成症(FOP)を、国費で治療法などを開発する「難治性疾患克服研究事業」に選んだことで、患者を支援する「難病指定を求める会」(事務局・明石市)のメンバーらは「大きな一歩になる」と声を弾ませた。
 長男(9)がFOPと診断され、40万人以上の署名を同会とともに集めた明石市の山本智子さん(33)は「治療法が一日も早く確立されることを願いながら、医療費が助成される特定疾患に認定されるよう頑張っていきたい」と話している。

◆2007/03/10 FOP研究チーム、埼玉医科大に誕生 県内患者の治療法確立に期待=宮城
 『読売新聞』東京朝刊 30頁
 埼玉医科大は、筋肉が骨に変化する病気「進行性骨化性線維異形成症(FOP)」を専門に診療・研究するプロジェクトチームを設立した。FOPは、松島町の小学4年、武田捷冶(しょうや)君(10)など国内に約30人の患者がいるといわれ、チーム設立で原因解明や治療法確立に弾みがつくと期待される。捷冶君の父親、正二さん(35)は「国でも難病指定に向けた動きがあり、徐々に前進していることがうれしい」と喜んでいる。
 プロジェクトチームは、同大のゲノム医学研究センター(埼玉県日高市)で、FOPを研究してきた片桐岳信助教授(病態生理)が率いる。片桐助教授は昨年、FOP患者では、通常は骨折時などに限って作られるあるたんぱく質が、常に出続けるように遺伝子が変化していることを突き止めた。その結果、筋肉骨化を促進するとみられるという。この研究により、FOPの原因遺伝子が特定されたため、血液検査だけで診断が可能になった。
 FOPは症例が少ないために医者の認知度も低く、別の病気と診断されているケースもあるとみられ、プロジェクトチームでは、血液検査による症例の確認を行うほか、小児科学、整形外科学の専門家などが加わり、治療法の研究を進める。
 片桐助教授は「究極の目的は、治療法確立。基礎データの収集から着実に進めたい」と話している。

◆2007/03/07 進行性化骨筋炎の治療法確立へ 埼玉医大に研究チーム=埼玉
 『読売新聞』東京朝刊 34頁
 埼玉医科大は、筋肉が骨に変形する「進行性化骨筋炎(FOP)」を専門に診療・研究するプロジェクトチームを設立した。原因解明や治療法確立に弾みがつくことが期待されている。
 プロジェクトチームは、同大のゲノム医学研究センター(日高市)で、FOPを研究してきた片桐岳信助教授(病態生理)が率いる。片桐助教授は2006年、通常は骨折時などに限って、骨を造る信号を出すたんぱく質が、特定の遺伝子異常で変異してしまうことを確認。このたんぱく質が信号を出し続けてしまうことが、筋肉が骨化する原因の一端であることを突き止め、学会で発表した。原因遺伝子が特定されたため、血液検査だけでFOPの診断が可能になった。
 FOPは国内で確認されているだけでも30例程度と症例が少なく、医者の認知度も低い。別の病気と診断されているケースもあるとみられ、プロジェクトチームは、血液検査による症例の確認を行うほか、小児科学、整形外科学の専門家などが加わり、治療法の研究を進める。
 片桐助教授は「究極の目的は、治療法確立。基礎データの収集から着実に進めたい」と話している。患者の1人の女性(22)は「研究も本格化し、厚労省では新たな難病認定に向けた議論が始まるなど、ようやく風が吹いてきたように感じる」と喜んでいる。

◆2007/03/06 FOP専門チーム 埼玉医科大の片桐助教授が治療法確立目指す=石川 東京朝刊
 『読売新聞』石川 27頁
 埼玉医科大は、輪島市名舟町の北岡幸美さん(22)など国内に約30人の患者がいるといわれる、筋肉が骨に変形する病気「進行性化骨筋炎(FOP)」を専門に診療・研究するプロジェクトチームを設立した。原因解明や治療法確立に弾みがつくことが期待され、北岡さんは「解明に向けてようやくスタートが切られた気がします」と話している。
 ◇患者の北岡さん「やっとスタート」 
 プロジェクトチームは、同大のゲノム医学研究センター(埼玉県日高市)で、FOPを研究してきた片桐岳信助教授(病態生理)が率いる。片桐助教授は昨年、通常は骨折時などに限って、骨を造る信号を出すたんぱく質が、特定の遺伝子異常で変異してしまうことを確認。このたんぱく質が信号を出し続けてしまうことが、筋肉骨化の原因の一端であることを突き止め、学会発表した。
 原因遺伝子が特定されたため、血液検査だけでFOPの診断が可能になった。
 FOPは症例が少ないために医者の認知度も低く、別の病気と診断されているケースもあるとみられ、プロジェクトチームでは、血液検査による症例の確認を行うほか、小児科学、整形外科学の専門家などが加わり、治療法の研究を進める。
 片桐助教授は「究極の目的は、治療法確立。基礎データの収集から着実に進めたい」と話している。北岡さんは「研究も本格化し、厚労省では新たな難病認定に向けた議論が始まるなど、ようやく風が吹いてきたように感じる」と喜んでいる。

◆2007/02/09 FOPの難病指定求め、国に署名提出=兵庫
 『読売新聞』大阪朝刊 33頁
 筋肉が骨化する進行性骨化性線維異形成症(FOP)の「難病指定を求める会」(事務局・明石市)は8日、厚生労働省を訪れ、集まった署名と要望書を同省の武見敬三、石田祝稔(のりとし)両副大臣に手渡した。
 この日は、求める会の前田ゆり代表や、長男(9)がFOPと闘う明石市の山本智子さん(33)らが訪問。40万3361人に上った署名を提出すると、武見副大臣らは「署名の多さに驚いている。年度内に開く特定疾患対策懇談会に要望を伝える」などと答えたという。
 山本さんは「一日も早く薬を開発してほしいという願いも含め、気持ちは伝わったと思う」と話している。

◆2007/02/07 進行性骨化性線維異形成症 署名39万人超す 難病指定求める会=兵庫
 『読売新聞』大阪朝刊 31頁
 ◇あす国に提出 
 筋肉が骨化する進行性骨化性線維異形成症(FOP)と闘う人たちへの医療費助成などに向け、「FOPの難病指定を求める会」(事務局・明石市)が呼びかけてきた署名が、目標の30万人を大きく超えた。全国から寄せられた〈賛意〉は5日現在で39万6765人に。同会は「毎日進行していく病気。一日も早い難病指定を」と訴えており、8日に署名と請願書を厚生労働省へ提出する。
 FOPは、関節周辺の筋肉が骨化して自由に動けなくなり、激痛に襲われることもある原因不明の病気で、有効な治療法や薬もない。長男(9)がFOPと診断された明石市の山本智子さん(33)が昨年9月、知人らと署名活動を始め、翌月には「求める会」が結成されて支援の輪が急速に広がった。
 同省によると、難病指定は希少性(患者数5万人未満)や、長期にわたる生活への支障などを基準に判断される。現在、難病指定されている疾病は121あり、国の補助で治療法などの研究が行われている。そのうち45の疾病では、医療費も助成されている。FOP患者は国内に約30人いるといい、難病指定の条件はすべて満たしているが、まだ実現していない。
 署名は、明石市内の全小中学校から約2万人分が寄せられたのをはじめ、病院や製薬会社などからも届いた。街頭活動にも大勢が理解を示し、事務局には「私の子どももFOPです」と協力を申し出る電話もあったという。
 同省は、3月に新規の難病指定などについて協議する特定疾患対策懇談会を開く予定。山本さんは「短期間でこれほど多くの署名が集まるとは考えていなかった。全国の皆さんの気持ちを無駄にしたくない」と話し、希望を抱いている。

◆2007/01/22 難病指定求め署名活動 「筋肉骨化」男児の母親ら 神戸・中央区で=兵庫
 『読売新聞』大阪朝刊 34頁
 筋肉が骨化し、自由に動けなくなる進行性骨化性線維異形成症(FOP)の難病指定を求める患者と家族ら約50人が21日、神戸市中央区の三宮センター街で署名と募金活動を行い、理解と協力を求めた。
 FOPは世界で約400の症例しか報告されておらず、有効な治療方法は見つかっていない。難病指定によって治療薬研究などを促そうと、長男(9)がFOPと診断された明石市の山本智子さん(33)らが昨年10月に「求める会」を結成した。
 この日は、山本さんらFOPの子どもを持つ母親5人と、同じ病気と闘う北九州市の柏原秀君(4)らが参加。山本さんは「元気だった息子が寝たきりになってしまうのを黙って見ていられない。一人でも多くの人にFOPを知ってほしい」と言い、2月上旬までに30万人の署名を集め、厚生労働省に提出する考え。

◆2007/01/14 [私も言わせて]進行性化骨筋炎の難病指定を国に求める会の代表 小林正さん
 『読売新聞』大阪朝刊 16頁
 ◇「進行性化骨筋炎(FOP)の難病指定を国に求める相生の会」代表 小林正さん68(兵庫県相生市)
 ◇苦しんだ経験生かし協力 
 筋肉線維が骨に変化し、関節が固まって、徐々に体の自由が奪われていく原因不明の疾患。それが「進行性化骨筋炎(FOP)」です。
 内臓が圧迫され、呼吸機能の低下などを起こして死に至りますが、現在の医学では治療法がありません。
 世界で約200万人に1人が発症するとされる極めてまれな病気で、国内の発症者は約40人とされていますが、全国的な患者会や支援団体がないため、正確な患者数は把握できていません。
 兵庫県相生市では、30歳代の男性が中学時代に診断されてから闘病生活を続けています。難病(特定疾患)に指定されるよう、2005年4月に支援組織を作りました。
 05年4月、アメリカでFOPの発症に関係する遺伝子が発見されたという発表がありましたが、症例が少なく、治療法の確立どころか、病気の研究そのものがほとんど進んでいないのが現状です。
 患者は国の医療・福祉から置き去りにされています。一日も早く国の難病指定を受け、病気の発症メカニズムを解明して、治療や医療費などの支援を受けられるようにすべきだと考えています。
 私は約10年前、肺の表面が水ぶくれになる病気にかかりました。検査を何度受けても原因がわからず、肺の水を抜いても治りませんでした。水ぶくれが肺を覆って圧迫するようになり、3か月間入院しましたが、毎日不安で夜も寝られないほどでした。
 水ぶくれは、がん細胞と判明し、除去して現在は完治しましたが、対応が遅れたら大変なことになっただろうと考えると、恐ろしく思います。
 FOPの患者が相生市内にいると初めて聞いたのは05年1月でした。原因不明の病気に苦しむつらさを味わった者として、少しでも役立てるならと、2月から難病指定を求める署名活動を始めました。
 街頭でFOPの実態を説明すると、ほとんどの市民が協力してくれ、1人で約150人分の署名を集めてくれた人もいました。5月までに9225人分が集まり、全国の患者約10人と支援者が募った分と合わせ、約36万8000人分を国会に提出しました。
 1年以上たちましたが、国からは何の返答もありません。しかし今後も、署名活動を続けていきます。
 石川県輪島市、宮城県松島町、兵庫県明石市などの患者会や支援団体と連携し、全国的な組織を作ろうと話し合っています。難病指定だけでなく、介護の方法や地域の医療福祉のあり方などについても情報交換したいと思います。
 患者は、時間が過ぎれば過ぎるほど治療が困難になります。早くFOPが難病に指定され、生きる希望を提供できるよう、今後も協力していきたいです。(聞き手 姫路支局・福元淳也)

◆2007/01/11 「病気への理解広めたい」輪島の北岡さん、国際シンポへ参加熱望=石川
 『読売新聞』東京朝刊 31頁
 ◇進行性化骨筋炎・輪島の北岡さん 今夏、米で開催 
 筋肉が骨に変形する病気「進行性化骨筋炎(FOP)」を患う輪島市名舟町、北岡幸美さん(21)が、今夏に米国フロリダ州で開催される「国際FOPシンポジウム」への参加を熱望している。普通のイスには座れない状態の北岡さんが飛行機に乗るには、特別な手続きやストレッチャーを利用しなければならない。それでも、北岡さんは「各国の患者や研究者との交流を通じて病気への理解を広めたい」と意欲を持っている。
 シンポジウムは、米国の研究者の主催で今年8月に予定されている。国内からはFOPの原因を研究している埼玉医科大ゲノム医学研究センター(埼玉県日高市)の片桐岳信助教授(病態生理)らが招かれており、北岡さんは、片桐助教授に同行したい考えで、「多くの患者と触れ合うことで勇気をもらい、研究者に研究の推進をお願いしてきたい」と話している。
 腰周辺の関節が硬く、普通のイスには座れない北岡さんは、難病認定要望で東京に出かける際など、移動は、すべて家族が運転する車でしている。航空機には、座席上部にストレッチャーを固定することで搭乗は可能になるが、事前に複雑な手続きが必要なうえ、航空券代のほかにストレッチャー代が必要になる。
 ストレッチャー代は、能登〜東京の往復で約6万円がかかる。北岡さんは「高額で、利用するのは現実的でない」と考え、北海道での講演を断った経験もある。
 しかし、航空機の利用は自らの活動範囲を広げることにもつながる。北岡さんは「航空機で移動することができれば、全国の患者と交流も可能になり、こういう病気があることを知ってもらう機会も増える。シンポジウムに参加することをきっかけに、一歩踏み出したい」と話している。
 北岡さんのシンポジウム参加は、日本人の患者としては初めてのことといい、3〜40人と推測される国内の状況を説明、同じ病気で苦しんでいる各国の患者と交流を図る。

◆2006/12/24 [記者ノート・2006]「普通の暮らし」実現を=多摩
 『読売新聞』東京朝刊 29頁
 「もし願いが一つかなうなら普通に暮らしたいな。近所を散歩したり、歩いて遠くに行ってみたり」。筋肉が骨に変化する病気「進行性化骨筋炎(FOP)」の患者で、通信制高校で学んでいる鶴田啓(けい)人(と)さん(17)(稲城市)の言葉に胸が詰まった。
 FOPの原因は長く不明だったが、遺伝子異常によるたんぱく質の変異によって起きることを埼玉医科大学ゲノム医学研究センターが突き止めた。そのことを知り今月中旬、鶴田さんの自宅を訪ねた。それまで聞いたことがない病名だったが、母親の夏江さん(48)が丁寧に教えてくれた。発症率は200万人に1人とされ、国内で約30人しか患者が把握されていないこと。治療法や進行を止める薬は開発されていないこと……。
 啓人さんは生まれつき体が固く、5歳でFOPと診断された。小学校までは、マット運動などを除き体育の授業も受けられたが、中学に入ると背中の一部が固まってゆがみ、まったく運動できなくなった。今は右手も動かず、身の回りのことをこなすのが精いっぱいだという。
 レントゲン写真も見せてもらった。背骨の周りの筋肉が骨になっていることが一目でわかった。「最近はさなぎになりたいってこぼすんですよ」と夏江さん。「さなぎって成虫になる前に1回どろどろになるでしょ。もう一度やり直したいって意味みたい」。母親にとってこそ、つらいはずの我が子の言葉を、努めて淡々と話す姿に頭を下げるしかなかった。
 もちろん、病気の原因解明もわずかな進歩でしかないが、「でも、今は患者の知り合いもいるし、少しずつ研究も進んでいる」と夏江さんの答えはいつも前向きだ。啓人さんも「自分は動けないからできることをしたい」とスポーツライターへの夢を語ってくれた。時には笑顔さえ浮かべて話す二人に、何度も「強い」と思った。
 私は、これまで大きなけがや病気を経験したことがない。今思うと、「強い」と感じることも僭越(せんえつ)だったのかもしれない。取材を終え、深々とお辞儀して見送ってくれた二人の姿を思い起こし、啓人さんの「普通に暮らしたい」という願いが一日でも早く実現することを願っている。(川瀬大介)

◆2006/12/12 進行性化骨筋炎 原因解明、患者に希望 遺伝子異常でたんぱく質変異=多摩
 『読売新聞』東京朝刊 34頁
 筋肉が骨に変化する病気の「進行性化骨筋炎(FOP)」の原因が、遺伝子の異常によるたんぱく質の変異であることを、埼玉医科大ゲノム医学研究センター(埼玉県日高市)の片桐岳信助教授(病態生理)のグループが突き止めた。今月上旬に福岡市で開催された日本整形外科学会骨系統疾患研究会で発表した。片桐助教授は、治療法の研究を進めることにしており、国内のFOP患者らで作る「J―FOP〜光〜」のメンバー、鶴田夏江さん(48)(稲城市)は「原因が確認されたことで研究が進み、病気の進行を止める薬ができてくれたら」と話している。
 FOPは、発症率が200万人に1人といわれ、国内では約30人の患者が把握されている。これまで、原因は不明で、アメリカの研究者グループが、患者に共通する遺伝子異常を見つけ、FOPの原因と考えられると発表していた。
 片桐助教授らは、この研究に基づき、国内患者の血液中の細胞内の遺伝子を増幅、解析する作業を繰り返して、DNAを構成する4種類の塩基のひとつに異常があることを確認した。さらに、この異常な遺伝子を、正常な筋細胞に入れたところ、骨芽細胞に変化。骨折時などに限って骨を造る信号を出すたんぱく質が、信号を出し続けているために筋肉の骨化を招いていることを突き止めた。
 筋肉が骨に変わるメカニズムの解明には至っていないが、骨化の原因が分かったことで、片桐助教授は「遺伝子診断でFOPの判別が可能になった。信号が出続ける異常を止めることが出来れば進行を止められる」と治療法の開発を進めることにしている。
 ◇「また野球をしたい」病気と闘う高校生 
 「また野球をしたい。動き回りたい」――。原因の解明は、夏江さんの長男で、通信制高校に通う啓人さん(17)にも一筋の希望をもたらした。
 啓人さんは5歳の時にFOPと診断された。小学生のうちは大好きな体育の授業を受けることができたが、中学に入って体の成長とともに、背中の一部が固まってゆがみ、痛みや肩こりに悩まされるようになった。この1年余りで病状はさらに悪化、右手が動かなくなった。身の回りのことはできるが、「目の前が真っ暗になることがある」と話し、少しずつ体が動かなくなっていく恐怖と戦いながら日々を過ごしている。
 だが、夏江さんは「息子の病状はまだまし」と話す。病状の進行は個人差が大きく、一日中ベッドに寝たきりの患者もいるという。
 「J―FOP〜光〜」は昨年5月、国費で治療法の研究が推進される「特定疾患(難病)」にFOPを認定するよう国に請願した。患者仲間と集めた署名は55万人分。厚生労働省の特定疾患対策懇談会は11日、今年度中に新たな難病認定に向けた議論を始めることを決め、一歩前進した。
 啓人さんの将来の夢は「スポーツライター」。夏江さんは「息子には好きなことをやらせてあげたい」と祈りを込めた。
 
 〈進行性化骨筋炎=FOP〉
 関節が動きづらくなり生活に支障が出るほか、骨化した筋肉に肺が圧迫されて、生命にかかわる症状を誘発することもある。

◆2006/12/12 新たな難病認定 国、年度内に議論開始 FOPの北岡さん、希望託す=石川
 『読売新聞』東京朝刊 35頁
 厚生労働省の特定疾患対策懇談会は11日、今年度中に新たな難病認定に向けた議論を始めることを決めた。筋肉が骨に変形する病気「進行性化骨筋炎(FOP)」と闘う輪島市名舟町、北岡幸美さん(21)は「治療法確立に向け、大きな前進」と話している。
 厚労省疾病対策課によると、難病認定を受けた疾病は、国費で治療法の研究が行われ、現在は121の病気が認定されている。うち45の病気では、特定疾患治療研究事業として、治療費の患者自己負担分の全部または一部を国や都道府県が負担している。
 難病は▽希少性▽治療法が未確立▽原因不明▽生活への支障――の4点を基準に判断される。しかし、難病の判断を行う同懇談会は、2003年以降「基準の明確化が必要」として、見直しの作業などを優先させ、新規認定を行ってこなかった。
 北岡さんは、全国の患者仲間とともに、FOPを難病に認定して、国費で治療法の研究を行うことを求め、05年5月から要望活動を行っており、約55万人分の署名を添え、要望書を提出している。同課によると、FOPのほかにも、17の患者団体などから、難病認定を求める要望を受けているという。
 新たな難病認定に向けた議論を始めることに、北岡さんは「難病認定に向け希望の光が見えたが、日々体は動きづらくなっている。早い時期に、国による治療法研究が始まってもらえれば」と期待している。

◆2006/12/08 難病FOP、一部解明 「骨作る信号」出続ける 治療法開発に道=宮城
 『読売新聞』東京朝刊 31頁
 ◇埼玉医科大・片桐助教授ら 
 筋肉が骨に変化する難病「進行性骨化性線維異形成症(FOP)」の仕組みの一端が、埼玉医科大ゲノム医学研究センター(埼玉県日高市)の片桐岳信助教授(病態生理)らの研究で明らかになった。病気の解明につながる大きな一歩で、松島町にいる患者家族も「希望が見えてきた」と喜ぶ。片桐助教授らは、治療法開発に向け、研究を進めることにしている。
 FOPは、発症率が200万人に1人といわれ、国内では、松島町の小学4年、武田捷冶(しょうや)君(10)など約30人の患者が把握されている。
 これまで、米国の研究者グループが、患者のDNAには、骨をつくる際に重要な「ACVR1遺伝子」に共通して小さな変化が生じていることを発見。この遺伝子変化により、通常とは異なるたんぱく質が作られることが発症のカギと見られていたが、その仕組みは詳しく解明されていなかった。
 片桐助教授らは実験で、同じように変化させた遺伝子を、正常な筋細胞に入れてみた。その結果、この筋細胞では、通常の骨芽細胞では骨折時などに限って作られるあるたんぱく質が、常に出続けていることを突き止めた。骨をつくる「信号」が出続けることにより、筋肉が骨に変化すると考えられるという。
 病気の完全な解明には、さらに研究が必要だが、仕組みの一端がわかったことで、片桐助教授は「信号が出続ける状態を止めることができれば進行を止められる」と強調。今後、治療法の開発を進めることにしている。
 ◇武田君の母「希望見えた」
 今回の研究に対し、捷冶君の母親美由紀さん(33)は「今まで病気の原因が全くわからず絶望的だったが、希望が見えてきた。今後も研究が進んでほしい」と期待する。捷冶君らは近く片桐助教授を訪ねることにしている。
 東北地方でFOP患者と確認されているのは捷冶君ただ一人。支援団体「武田しょうやを支援する会」は11月22日、FOPの難病指定を求める約13万3000人分の署名を添え、国会に請願を提出した。
 研究成果は今月、福岡市で開催された日本整形外科学会骨系統疾患研究会で発表された。

◆2006/12/03 FOP治療に一手 たんぱく質変異を確認 埼玉医科大・助教授ら=石川
 『読売新聞』東京朝刊 35頁
 ◇骨造る信号、出続ける
 筋肉が骨に変化する病気の「進行性化骨筋炎(FOP)」の原因が、遺伝子の異常によるたんぱく質の変異であることを、埼玉医科大ゲノム医学研究センター(埼玉県日高市)の片桐岳信助教授(病態生理)のグループが突き止めた。2日に福岡市で開催された日本整形外科学会骨系統疾患研究会で発表した。片桐助教授は、治療法の研究を進めることにしており、国内のFOP患者で作る「J―FOP〜光〜」の代表の北岡幸美さん(21)(輪島市)は「原因が確認されたことで研究が進み、病気の進行を止める方法だけでも見つかってくれれば」と話している。
 FOPは、発症率が200万人に1人といわれ、国内では約30人の患者が把握されている。これまで、原因は不明で、アメリカの研究者グループが、患者に共通する遺伝子異常を見つけ、FOPの原因と考えられると発表していた。
 片桐助教授らは、この研究に基づき、国内患者の血液中の細胞内の遺伝子を増幅、解析する作業を繰り返して、DNAを構成する4種類の塩基のひとつに異常があることを確認した。さらに、この異常な遺伝子を、正常な筋細胞に入れたところ、骨芽細胞に変化。骨折時などに限って骨を造る信号を出すたんぱく質が、信号を出し続けているために筋肉の骨化を招いていることを突き止めた。
 筋肉が骨に変わるメカニズムの解明には至っていないが、骨化の原因が分かったことで、片桐助教授は「遺伝子診断でFOPの判別が可能になった。信号が出続ける異常を止めることが出来れば進行を止められる」と治療法の開発を進めることにしている。
 
 ◇患者の北岡さん 「心強い大きな前進」 
 少しずつ体の自由が奪われる病気に一筋の光がさした。原因の解明に北岡さんは、「心強い大きな前進」とわずかでも一歩一歩進む研究を、病気への理解を求める活動をしながら見守っている。
 小学3年でFOPと診断を受けた北岡さんの病状は、中学に入るころから進行。ひざなどの関節が硬くなり、高校からは松葉づえでの生活を余儀なくされ、普通の高さのイスにも座れなくなった。
 北岡さんは05年、同じ病気に苦しむ仲間と、国費で治療法の研究が推進される「特定疾患(難病)」にFOPを認定するよう、国に求める活動を開始した。厚労省を3度訪れ、全国の患者といっしょに、約55万通の署名を提出。病気への理解を深めてもらおうと、各地で講演活動を精力的に行っている。
 「『今できることを今する』が私のモットー」。病気の進行と戦う日々を講演で話すうちにも、関節の動きはさらに硬くなり、脚の筋肉の張りは増している。いつか動けなくなるという恐怖感。「この病気を止めて」と叫びたい気持ちがこみ上げる。
 北岡さんは「難病認定を要望する取り組みを続け、さらに研究が加速するよう、患者として出来るだけのことをしたい」と話している。
 
 〈進行性化骨筋炎(FOP)〉
 関節が動きづらくなり生活に支障が出るほか、骨化した筋肉に肺が圧迫されて、生命にかかわる症状を誘発することもある。患者らは、昨年から国や国会に対し、「特定疾患(難病)」に認定するよう求めている。

◆2006/12/02 FOP「難病指定に」 松島の患者家族ら、県に要請=宮城
 『読売新聞』東京朝刊 33頁
 筋肉が徐々に骨に変化する「進行性骨化性線維異形成症(FOP)」を国が難病(特定疾患)に指定するよう、県として働きかけてほしいと、松島町の患者家族や支援者が1日、村井知事に要請した。村井知事は「県としても出来る限り協力したい」と約束した。
 知事を訪問したのは、FOPを患う松島町初原、松島二小4年、武田捷冶(しょうや)君(10)と両親ら。捷冶君は2歳のころに発症。成長とともに背骨がこぶのように盛り上がり、肩や足首の関節が固まってきている。
 村井知事は「これまでも特定疾患の枠を広げるよう国に要望してきたが、FOPに光が当たるよう、強く訴えていきたい」と述べた。捷冶君の父親、武田正二さん(35)は「温かい言葉をもらった。研究が進み、薬ができるまで活動していきたい」と力を込めていた。

◆2006/11/29 難病指定へ支援要請 県議会議長を訪問 明石の男児母親ら=兵庫
 『読売新聞』大阪朝刊 33頁
 筋肉が骨化する原因不明の進行性化骨性線維異形成症(FOP)と闘う明石市の男児の母や、患者支援団体のメンバーらが28日、県庁で長田執(まもる)・県議会議長に対し、国の難病指定に向けた支援を求めた。
 FOPは世界で約400の症例しか報告されておらず、衝撃を受けた筋肉が腫(は)れて骨になっていくのが特徴。長男(8)がFOPと診断された同市の山本智子さん(33)や仲間らが10月、「FOPの難病指定を求める会」(前田倖里(ゆり)代表)を結成した。
 長田議長と面会した前田代表は、FOPと知らずに病院を転々とする人もいるとした上で、「多くの人にこの病気を知ってほしい」と希望。山本さんも「治療法や薬がないからといってあきらめきれない」と訴え、長田議長は「県議会の全会派が一致して支援できるよう伝えたい」と答えた。
 山本さんらはこの日、県にも井戸知事あての要望書を提出。12月1日には明石市議会にも要望する。

◆2006/11/22 FOP 筋肉が骨に変化 難病指定、国会に請願 松島の患者家族らきょう=宮城
 『読売新聞』東京朝刊 34頁
 ◇13万の署名添え 
 筋肉が徐々に骨に変化する「進行性骨化性線維異形成症(FOP)」を国の難病(特定疾患)に指定してほしいと、松島町の患者家族や支援団体がきょう22日、約13万2500人分の署名を添え、国会に請願を提出する。支援団体は「一刻も早く難病指定して、治療法を確立してほしい」と訴えている。
 FOPは200万人に1人の発症率と言われ、国内でも約30人しか診断されていない。遺伝子の変化が原因と見られているが、発症の詳しい仕組みは不明で、治療法も分かっていない。医師でもこの病気の存在を知らないことが多いという。
 松島町でFOPを患っているのは、松島二小4年の武田捷冶(しょうや)君(10)。2歳のころ、親類が捷冶君の首が回らないのを不審に思ったのが発見のきっかけだったという。しばらくすると、肩のあたりに大きなこぶが出来た。両親の正二さん(35)、美由紀さん(33)は、いくつかの病院を巡り、最終的に東北大病院でFOPと診断された。
 捷冶君は成長とともに背骨がこぶのように盛り上がり、肩や足首の関節が固まった。今は、つま先立ちでしか歩けず、腕もほとんど上げることができない。しかし、病気の苦しみを顔に出すことはせず、動き回るのが好きで、いつも笑顔を振りまいているという。
 「成人患者の状態を見るとかなりひどい。息子の症状がどんどんひどくなるのをただ見ているだけなのは苦しい」と正二さん。
 今年5月、家族の知人らが「武田しょうやを支援する会」をつくり、PTAの協力も得て署名活動を展開してきた。石巻市の河南高や石巻工業高の文化祭でも、生徒らの支援で署名集めを行った。
 「支援する会」会長の松谷倫明さん(28)は「まずはこの病気の存在を知ってもらい、治療法研究が進んでほしい」と訴える。
 FOPの難病指定に関しては、県議会が今年7月に意見書を可決、松島町など県内10市町村でも意見書が可決されている。

◆2006/11/09 難病と闘う男児、支援して 明石の母親ら「会」結成 全国の患者と連携へ=兵庫
 『読売新聞』大阪朝刊 31頁
 ◇国指定へ向け署名協力訴え 筋肉が骨化、国内に30人
 筋肉が骨化する原因不明の進行性化骨性線維異形成症(FOP)と闘う明石市立小3年の男児(8)をサポートしようと、母親の山本智子さん(33)や仲間たちが会を結成した。国内に患者は約30人といい、医療費の助成を受けられる国の難病指定もされていない病気。母親らは8日、同市で記者会見し、指定に向けた署名活動への協力を訴えた。
 FOPは衝撃を受けた筋肉が腫れ、骨になっていくのが特徴で、世界でも約400例しか報告がない。
 山本さんの長男は今年7月、体育の授業中に鉄棒から落ち、背中と肩にこぶのようなものができた。触ると泣くほど痛がり、9月下旬に北九州市の病院でFOPと診断された。今では歩くのもつらく、一人で服の着替えもできないという。
 山本さんはショックを受けたが、「泣いていても長男は助からない」と、知人らと署名を呼びかけ始めた。話を聞いた神戸市の高校の生徒が校長に伝え、学校を挙げて協力してくれるなど、約1か月で約3万人が署名。10月27日には有志らと「FOPの難病指定を求める会」(前田倖里代表)を結成した。
 この日、同市役所で記者会見した山本さんは「あきらめたくない」と強調。各地の患者会と連携を強め、全国的な運動を展開する考えで、FOPへの理解を求めていく考えを示した。
 署名用紙はホームページ(http://homepage2.nifty.com/fop/)でダウンロードできる。問い合わせは事務局(078・947・0900)へ。

◆2006/10/28 「難病認定、光見えた」 FOPの北岡さん、厚労省に要望書提出=石川
 『読売新聞』東京朝刊 35頁
 筋肉が骨に変形する病気「進行性化骨筋炎(FOP)」と闘う輪島市名舟町、北岡幸美さん(21)が27日、厚生労働省を訪ね、FOPを特定疾患(難病)に認定するよう要望書を提出した。近く新規の難病認定に関する議論が始まる見通しであるという説明を受けた北岡さんは、「難病認定に向けて希望の光が見えてきた。早い時期に認定して治療法の研究を始めてほしい」と話した。
 北岡さんは、同じFOPに苦しむ宮城県松島町の小学4年生武田捷冶(しょうや)君(10)と厚労省を訪れ、外口崇健康局長に「日々病気は進行を続けている。1日も早い難病認定を」と要望した。外口健康局長は「要望はしっかり受け止め、出来るだけ必要な対応をしたい。もう少しだけ時間を下さい」と述べた。
 厚労省疾病対策課によると、現在は121の病気が難病認定され、国費で治療法の研究が行われ、うち45の病気は特定疾患治療研究事業として、治療費の患者自己負担分の全部または一部を国や都道府県が負担している。
 北岡さんは「新規の難病認定を視野に入れた発言が出て、以前より前に進んだことを実感している。今回が最期の要望になるよう願いたい」と話していた。

◆2006/10/23 FOP認定「今度こそ」 難病の北岡さん、厚労省に3度目要望へ=石川
 『読売新聞』東京朝刊 31頁
 筋肉が骨に変形する病気「進行性化骨筋炎(FOP)」と闘う輪島市名舟町、北岡幸美さん(21)が27日、厚生労働省を訪れ、FOPの特定疾患(難病)の認定を求める要望書を提出する。要望書の提出は今回で3度目。北岡さんは「これが最後のチャンスだという気持ちで、思いをぶつけてきたい」と話している。
 北岡さんは昨年5月と今年5月、難病認定を求める約41万人分の署名を添えて厚労省に要望書を提出したが、厚労省では、難病認定の基準を明確にする作業を進めているとして、FOPの調査には着手していない。
 今回は、今月初旬に北岡さんを訪ねてきた、FOP患者で宮城県松島町の小学4年生武田捷冶(しょうや)君(10)も一緒に、捷冶君の支援者らが集めた約10万人分の署名を添えて要望書を提出する。
 北岡さんは、ひざが固くなり足の筋肉に張りを感じるなど、病気が日々進行している。「これ以上病気が進めば、動けなくなるのではないかと怖くなる。早期に難病認定して治療法を研究し、せめて病気の進行を止める方法だけでも発見してほしい」と訴えている。

◆2006/10/08 FOP一緒に闘おう 輪島の北岡さん宅を、宮城から10歳の武田君訪ねる=石川
 『読売新聞』東京朝刊 27頁
 ◇進行性化骨筋炎
 筋肉が骨に変形する進行性化骨筋炎(FOP)に苦しむ、宮城県松島町の小学4年生武田捷冶(しょうや)君(10)の一家4人が7日、同じ病気と闘う輪島市の北岡幸美さん(21)の自宅を訪ね、悩みなどを話し合った。FOPの患者や家族は孤独な闘病生活を強いられているが、この日の交流を機に支援の輪も徐々に広がりそうだ。
 FOPは、約200万人に1人の確率で発症するとされる進行性の病気で、部位を問わず筋肉が骨に変形する。原因不明で、治療法も確立されていない。
 捷冶君は、2歳のころから首を回して後ろを振り返ることが困難になり、3歳でFOPと診断された。現在は背骨やひざ、足首が動きにくくなっている。
 捷冶君の父正二さん(35)と、母美由紀さん(33)は今年2月ごろ、FOPの特定疾患(難病)認定を厚生労働省に求めている北岡さんを知り、メールなどを通じて連絡を取り合ってきた。「同じ病気と闘う北岡さんに直接会い、生活のアドバイスをもらいたい」と輪島訪問を決断した。
 捷冶君は、はにかみながら「会えてうれしいです」と北岡さんと初対面し、約2時間にわたって談笑した。美由紀さんからの「捷冶は病気をしっかり理解できず、元気に走り回りすぎて困る」との相談に、北岡さんは「動ける間に、いろいろなことをして思い出を作ることが大切。一生懸命遊んでほしい」と語りかけていた。
 北岡さんは、近く3度目の難病認定の要望書を厚労省に提出予定。捷冶君の両親は「武田捷冶を支援する会」が集める予定の約10万人分の署名を北岡さんに託すという。
 北岡さんは「FOPの仲間が家を訪ねてくれたのは初めて。患者と家族の輪を広げて、1日も早い難病認定につなげたい」と話していた。

◆2006/08/12 [2006夏・のと海岸物語](5)名舟海岸 思い出の波風(連載)=石川
 『読売新聞』東京朝刊 26頁
 ◇輪島市 
 ◇心癒やす、思い出の波風 
 筋肉が骨に変形する病気、進行性化骨筋炎(FOP)のため外出もままならない北岡幸美さん(21)にとって、窓から眺める名舟海岸は心の慰めだ。「海の様子が、気分も左右する。穏やかなら、それだけでいい一日になりそう」
 名舟海岸は、漁港を中心に約1キロの大きな弧を描き、護岸の先には浅い磯場が広がる。海水浴場はなくても、地元の子どもたちの夏の遊び場はこの海岸だった。「いつも夏が待ち遠しくて、同級生と泳ぎ回ったな」。漁港のスロープから海に飛び込むと、泳ぎ回るイシダイの稚魚やクロダイを眺め、サザエを探した。
 小学4年の夏休み、父の船で沖に出ると、数頭のイルカがじゃれつくように並走し、船を止めると水面を割って空高く飛び上がる姿を見たこともあった。海で遊んだことは「宝物のような思い出です」。
 病気は中学に入るころから進行。高校時代には両足のひざが固くなり、松葉づえを手放せなくなった。昨年から2度、治療法の研究を求めて厚生労働省に難病認定を求める要望書を提出したが、返事はない。「病気が進行することに慣れてしまった」とため息も出る。
 7月の名舟大祭の夜、海で遊んだ同級生たちが北岡さんの家の前に集まった。心地の良い夜風が吹き、御陣乗太鼓の音が日本海に響くころ、缶ビールを片手に、思い出話に花が咲いた。「はしゃぎ回った昔を思い出すと、必ずこの病気を治したいと思うんです。そして、病気が治れば、もう一度この海に入ってみたい」

◆2006/05/24 FOP難病認定 輪島の北岡さん、厚労省に要望書=石川
 『読売新聞』東京朝刊 31頁
 筋肉が骨に変形する病気「進行性化骨筋炎(FOP)」と闘う輪島市名舟町、北岡幸美さん(21)が23日、厚生労働省を訪れ、特定疾患(難病)認定を求める要望書を提出した。
 北岡さんは、関山昌人疾病対策課長に「1日も早い難病認定を」と訴え、要望書を手渡した。これに対し関山課長は、厚労省が進めている難病基準の見直しについて説明した。提出後、北岡さんは「基準見直しもわかるが、病気で苦しんでいる人の思いを分かってほしい」と話した。

◆2006/05/23 病気進む前に治療法を 進行性化骨筋炎と闘う輪島の北岡さん=石川
 『読売新聞』東京朝刊 27頁
 ◇難病認定求め、要望書 厚労省に2度目の提出へ 
 筋肉が骨に変形する病気「進行性化骨筋炎(FOP)」と闘う輪島市名舟町、北岡幸美さん(21)が23日、厚生労働省を訪ね、早期の特定疾患(難病)認定を求めて2度目の要望書提出を行う。最初に要望書を提出した昨年5月以降、認定に向けた具体的な動きが見えない中で病状は徐々に進行しており、北岡さんは「病気の進行はやはり怖い。早く難病認定をして、治療法を見つけてほしい」と訴えている。
 「厚労省はこのまま何もしてくれないのではないかと、じれったい気持ちが募っています」。22日、上京するため、父親の車に乗り込んだ北岡さんは今の気持ちを話した。
 北岡さんは、病気への理解を深めてもらおうと、昨年夏から、各地で講演活動も開始した。しかし、病状は徐々に進行。ひざの関節の動きがさらに困難になり、補助リフトを使っての車の乗り降りも大変になった。主にメールを使って連絡を取り合う患者仲間も、それぞれ症状が進行し、生活への支障が広がっている様子がうかがわれる。一方、北岡さんによると、厚労省側からは、要望書を提出して以降、問い合わせなどは1回もない。
 厚労省疾病対策課の説明によると、難病認定は、▽希少性▽治療法が未確立▽原因不明▽生活への支障――を基準に行われ、現在121件の病気が認定されている。また、今もFOPを含め11件の病気の患者から、難病認定を求める要望書が提出されている。だが、認定基準をより明確にするため、専門家委員会を設けて作業を急いでおり、FOPの調査には着手できていないのが現状だという。
 これまで新たな認定を受ける病気は年に1〜2件が通例だったが、昨年は1件もなかった。
 早期認定を求める北岡さんは「当たり前になって慣れてしまったが、病気が進行するのはやはり怖い」。ただ今回、宮崎県と佐賀県の患者と3人で厚労省を訪れる予定で、「患者代表として、1人で行った前回よりも心強さを感じる」。要望書には、輪島ロータリークラブなどが集めた計8467人分の署名を添え、これまでの署名と合わせると約38万人分となる。

◆2006/05/01 難病患者、県が支援強化 金沢に中核施設オープン=石川
 『読売新聞』東京朝刊 27頁
 難病患者を支援する県の中核施設「難病相談・支援センター」の開所式が30日、金沢市赤土町の同センターで行われた。県は今年度内に難病ごとに拠点病院や協力病院をネットワーク化する予定で、支援体制を強化する。
 同センターには、保健師2人が専任相談員として常勤し、専門的な相談には非常勤の医師4人(整形外科、神経内科、免疫内科、消化器内科)が応じる。面接や電話、電子メール、出張による相談を行うほか、患者や家族らの交流も支援する。
 開所式には、患者や家族らが出席し、「ベーチェット病友の会」の米田明三県支部長が「心の支えになる。患者にとっては幸せなこと」とあいさつした。
 国は、各都道府県で難病相談・支援センターの設置を進めているが、県障害保健福祉課によると、患者の会などに運営を委託するケースが多く、常駐職員を置く石川は「受け入れ体制が整っている」と説明する。
 難病は原因不明で治療方法が確立しておらず、症状も慢性で経済的負担も大きい病気。厚生労働省は121疾患を難病認定し、このうち45疾患には医療費の公費補助制度がある。同課などによると、医療費の公費負担を受けている県内の難病患者は、パーキンソン病(約640人)など計約5400人。
 県は難病ごとに、対応が可能な病院を拠点病院に、健康管理などの支援が出来る医療機関を協力病院などにそれぞれ指定し、今年度内に難病医療ネットワークを整備する。
 また、同センターは、難病認定されていない症状に関する相談にも応じる。県内外の病院の紹介や就労支援などを想定している。
 難病認定外で、筋肉が骨化する「進行性化骨筋炎(FOP)」を患う輪島市名舟町の北岡幸美さん(21)は、「難病患者は孤独になりがち。ほかの難病患者と交流したり、県外の患者を紹介してくれる施設になってほしい」と同センターに期待する。
 きょう1日から相談を受け付ける。平日は午前9時〜午後5時、土曜日は午前9時〜正午。問い合わせは同センター(076・266・2738)へ。

◆2005/09/28 難病の認定求め講演 輪島・FOP患者の北岡さん=石川
 『読売新聞』東京朝刊 34頁
 筋肉が骨化する病気「進行性化骨筋炎(FOP)」を患う輪島市名舟町の北岡幸美さん(20)が27日、同市文化会館で開かれた市社会福祉大会(市社会福祉協議会など主催)で講演し、病気への理解を訴えた。
 FOPは約200万人に1人の割合で発症するとされ、治療法は確立されていない。今年5月に厚労省に特定疾患(難病)の認定を求める請願書と35万人を超える署名を提出した北岡さんは、昨春にインターネットで同じ病気の仲間と知り合ったことが大きな転機だったと振り返り、「この病気は自分だけと思っていたので非常に驚いた」と述べた。
 昨秋、署名活動を始めようとした際、ある難病患者の団体から「あなたたちに署名活動はまだ早い」と言われたつらいエピソードを披露。その言葉が逆に発奮材料になったといい、「協力者や支援者が増えていくことはとても心強く、うれしかった」と感謝した。
 最後に「私のモットーは『今できることを今する』。明るい道が開けることを信じて頑張ります」と講演を締めくくり、会場の約600人から盛んな拍手が送られた。

◆2005/09/18 難病と向き合う気持ち語る 27日、輪島の社福大会で北岡さん=石川
 『読売新聞』東京朝刊 27頁
 筋肉が骨化する病気「進行性化骨筋炎(FOP)」を患う輪島市名舟町の北岡幸美さん(20)が27日、同市河井町の市文化会館大ホールで開かれる「輪島市社会福祉大会」(市社会福祉協議会主催)で初めて講演する。8月の成人式に出席し、自らの難病と向き合う決意を新たにしたばかりの北岡さんは「障害を持つ人たちの励みになるような講演にしたい」と意気込んでいる。
 FOPは約200万人に1人の割合で発症するとされ、治療法はまだ見つかっていない。3歳の時に発病した北岡さんは、治療法の研究を進めてもらおうと厚労省に特定疾患(難病)の早期認定を求め、インターネットで知り合った患者仲間ら約10人と昨年秋から署名活動を展開。患者代表として5月19日、厚労省を訪れ、全国から集めた35万人を超える署名と要望書を提出した。
 こうした活動に着目した市社会福祉協議会が6月、病気にめげずにひたむきに生きる姿を多くの人に知ってもらいたいと、北岡さんに講演を依頼した。
 講演は「キラッといきる」のタイトルで約30分。北岡さんは今月初めから原稿の作成に取りかかり始めたが、意気込む一方で「中学校の文化祭の時に人前でしゃべったことがあるぐらい。これだけ大勢の前で話すのは初めてなのでドキドキする」と少し不安ものぞかせている。
 しかし、「難病への理解を進めたい」と語る北岡さんは、「難病認定を要望するまでには、勇気と根性が必要だった。ありのままの自分を伝えることで何かを感じ取ってもらえればうれしい」と話している。
 社会福祉大会は入場無料。問い合わせは市社会福祉協議会((電)0768・22・2219)へ。

◆2005/06/30 県議会閉会 難病認定求める意見書可決 特殊勤務手当廃止など10議案も=石川
 『読売新聞』東京朝刊 35頁
 6月県議会は29日、職員の特殊勤務手当の一部を廃止・統合する条例改正案など10議案、進行性化骨筋炎(FOP)の難病認定を求める意見書などを可決し、閉会した。
 FOPは筋肉が骨化する病気。意見書では、病気そのものの認知度が低く、患者数の実数も把握できていないのが実情とし、早期の難病認定と治療法の発見を政府に求めている。
 傍聴席には、FOP患者の北岡美幸さん(20)(輪島市名舟町)が訪れ、「私のためにいろいろな人が動いてくれて本当にうれしい」と話していた。議会後、谷本知事から「がんばってください」と声をかけられ、「ありがとうございます」と答えた。
 北岡さんは5月、全国の約35万人分の署名を添えて難病の早期認定を求める要望書を厚生労働省に提出した。今後、インターネットなどで知り合った人たちと患者会を結成し、国に難病認定を働きかけていくという。

◆2005/05/25 難病指定 福祉支援は別施策で 研究推進に予算を(解説)
 『読売新聞』東京朝刊 13頁
 国の難病指定を求めて、患者団体の国会請願が相次いでいる。(生活情報部 森谷直子)
 今月19日、筋肉が骨化してしまう難病「進行性化骨筋炎(FOP)」の患者らが、35万人の署名を添え、国の難病指定を求める請願を国会に提出した。今国会には、ウイルス感染が原因で歩行困難などを起こす「HTLV1関連脊髄(せきずい)症(HAM)」の患者団体も、同様の請願を出している。
 難病指定を求める陳情は、日々、厚生労働省などに寄せられているが、国会請願は過去に数例。背景には、難病指定の選定基準があいまいで、指定されない患者らの不満の高まりがある。
 症例が少なく、民間に任せておくと対策が進まない難病について、国は1972年から「難治性疾患(難病)克服研究事業」で研究を推進している。
 対象疾患は〈1〉希少性(患者数おおむね5万人以下)〈2〉原因不明〈3〉効果的な治療法が未確立〈4〉生活面への長期にわたる支障――の四つの要件を満たす疾患の中から、原因究明や治療の難しさ、重症度や患者数などを総合的に考慮、専門家による「特定疾患対策懇談会」が事実上決めている。
 現在、疾患数は121。なお多くの陳情が国に持ち込まれているが、懇談会の座長を務める国立精神・神経センターの金沢一郎総長は「予算は限られており、四つの要件を満たしていても、総合的に判断した結果、指定されないこともあり、不公平感につながっている」と認める。
 このため昨年7月の懇談会では、新たな疾患の指定を見送り、「効果的な治療法」とは根治療法を指すのかなど、四つの要件をより明確にする作業を始めている。
 さらに、「ある程度研究が進んだ病気については、指定を外すことも今後は必要」と金沢総長は話すが、これは簡単ではないようだ。
 というのも、121のうち45の疾患については「特定疾患治療研究事業」で患者の医療費を公費負担している。研究推進のため、患者にデータを提供してもらう見返りとされるが、事実上、患者への福祉的な役割を担っている。
 その額は2002年度で600億円に上る。事業費増に国の予算増が追いつかず、98年には、患者団体の反対を押し切って、一部自己負担が導入された。この上、指定を外されると、患者の生活への影響が大きいとして、全国難病団体連絡協議会などは強く反対しており、国も消極的だ。
 しかし、それでは指定を待つ患者らはどうなるのか。患者への福祉的な支援は別の施策で対応し、研究推進を本当に必要とする疾患に、きちんと予算がいくようにすべきではないか。

◆2005/05/20 難病認定の要望書提出 輪島の北岡さん、厚労省に=石川
 『読売新聞』東京朝刊 31頁
 筋肉が骨化する病気「進行性化骨筋炎(FOP)」を患う輪島市名舟町の北岡幸美さん(20)が19日、厚生労働省を訪ね、全国から集まった約35万人分の署名を添えて特定疾患(難病)の早期認定を求める要望書を提出した。
 北岡さんは田中慶司健康局長と面談し、「専門的な治療も受けられないまま、病気に苦しめられて今日まで来ました。難病に認定して、治療法を見つけてください」と訴えた。これに対し、田中局長は難病認定の制度を説明した上で「難病の要件について今、さらに明確な基準作りを進めている。その作業を踏まえながら適切に対応したい」と述べた。
 厚労省疾病対策課によると、121の病気が難病認定を受けて治療法の研究が進められており、うち45の病気は医療費が公費で負担されている。
 難病認定にあたっては、医療専門家25人で組織する特定疾患懇談会で協議されるが、同課によると、難病認定される病気は作業日程から年に1〜2つが通例で、現在、少なくとも数十件の病気が議題に上っているという。

◆2005/05/18 FOP、難病に認定して 35万人が署名 輪島の北岡さん、要望書提出へ=石川
 『読売新聞』東京朝刊 35頁
 ◇あす厚労省へ要望書提出
 筋肉が骨に変形する病気「進行性化骨筋炎(FOP)」と闘う輪島市名舟町、北岡幸美さん(20)が19日、厚生労働省を訪れ、特定疾患(難病)の早期認定を求める要望書を患者代表として初めて提出する。患者仲間が集めた分を合わせると約35万人分に上る署名が集まっており、北岡さんは「多くの人に勇気づけられました。治療法の確立に向けて、1日も早く認定されるよう訴えたい」と明るく語っている。
 北岡さんは厚労省に特定疾患(難病)の認定を求める要望を提出するため、「1人でも多くの人に病気を知ってもらいたい」と、昨年秋からインターネットを通じて知り合った全国の約10人の患者仲間などと署名活動を展開してきた。
 北岡さんの周辺では友人から友人へと輪が広がり、スーパーの店頭に署名用紙を置いてもらったり、遠方の友人に手紙やメールで協力を求めたりした結果、北岡さんの元には約半年間で約3万7000人から署名が寄せられた。「たくさんの人が協力してくれたからこそ。自分たち患者だけではここまで出来なかった」と北岡さんは振り返る。
 また、県内の7市(輪島、羽咋、能美、七尾、珠洲、加賀、かほく)と5町(山中、門前、野々市、志賀、内灘)の議会でFOPの難病認定を国に求める意見書が採択され、認定を後押しする機運は高まりつつある。
 今回の厚労省への訪問に当たっては、ほかの患者仲間も参加したい意向だったが、容体が芳しくなく断念したという。北岡さんは厚労省健康局を訪ねて要望書を提出し、日程調整が付けば尾辻秀久厚労相に直接会って要望したい考えで、「難病認定の第一歩。患者代表として、FOPの症状や患者が置かれている窮状について訴えたい。一緒に行けない仲間の思いも伝えたい」と話している。
 厚労省にはFOPの難病認定に取り組む馳浩衆院議員(自民)が同行する。また、今月中に国会へ難病認定を求める請願書に署名を添えて提出する予定。
 難病認定は、▽患者が少ない▽治療法が未確立▽原因不明――などが基本条件。厚労省が年に1回、不定期で開く特定疾患対策懇談会で判断されており、要望を受けてFOPも協議されることになる。
 
 〈進行性化骨筋炎(FOP)〉
 約200万人に1人の割合で発病するとされ、部位を問わずに筋肉が骨化する進行性の病気。臓器への圧迫や呼吸機能の低下など生命にかかわる症状を引き起こすこともある。原因不明で治療法も確立されていない。

◆2005/05/11 進行性化骨筋炎・FOP 国の難病指定を 30万人の署名添え請願提出=多摩
 『読売新聞』東京朝刊 29頁
 ◇19日 稲城の患者ら
 稲城市に住む難病「進行性化骨筋炎(FOP)」の患者たちが、30万人の署名を添え、19日、国の難病(特定疾患)指定を求める請願を国会に提出する。筋肉が骨化して動かなくなってしまうこの病気は、治療法はもちろん、原因も分かっていない。
 請願を行う、通信制高校2年、鶴田啓人(けいと)さん(16)は、生まれた時から首が回らず、口が開きにくいなどの症状があった。2歳の時、背中に大豆くらいの塊が出来て、それがだんだん大きくなり、4歳の時、高熱が出て、背中の右半分が腫れ、固くなった。5歳で、FOPと診断された。
 小学校までは体育の授業も普通に出来たが、中学に入って背が伸びると、背中の一部が固まっているために体がゆがみ、痛みや肩こりに悩まされた。長時間同じ姿勢でいるのがつらく、肺が圧迫されているため、肺活量は通常の3分の2しかなく、歩くとすぐに息切れがする。
 「息子の場合はまだ軽い方なんです」。母親の夏江さん(46)によると、患者は、国内に20人ほどしか確認出来ず、患者会もない。インターネットなどを通じて、数人の患者と知り合ったが、ひざが曲がらなくなって、立ったまま乗る車イスを特注した人や、寝たきりの人、口が開かなくなり、流動食しか食べられない人もいるという。
 しかし、「治療法どころか研究も行われておらず、見捨てられている心境。国の難病に指定され、少しでも研究が進んでほしい」と願う。
 昨秋から、ほかの患者約10人や家族と協力して、難病指定を求める署名活動を始め、30万人の署名を集めた。
 症例が少ないため、民間に任せておいては研究が進まない難病については、国が「特定疾患」に指定し、研究班を作っている。〈1〉患者数が少ない〈2〉原因不明〈3〉治療法が未確立〈4〉生活面で長期にわたる支障がある――の四つの要件を満たす病気の中から、「特定疾患対策懇談会」が総合的に判断して決めている。現在、121の病気が指定されているが、指定されない病気の患者からは、不満の声も上がっている。国は昨年から、より明確な選定基準作りを始めている。
 啓人さんは「30万人もの人が応援してくれてうれしい。病気が良くなったら、美術館やコンサートに行くなど、もっといろいろなことに挑戦したい」と話している。

◆2005/03/15 「私の難病わかって」 輪島のFOP患者・北岡さん、認定へ向け署名活動=石川
 『読売新聞』東京朝刊 34頁
 ◇輪島の北岡幸美さん
 筋肉が骨化する病気「進行性化骨筋炎(FOP)」と闘う輪島市名舟町、北岡幸美さん(20)が、国に特定疾患(難病)の認定を求める請願書を提出するため昨年秋から署名活動を展開している。同じ病気に苦しむ全国の患者約10人とともに、これまでに集めた署名は総計10万人分超。5月の通常国会で請願書に添えて提出する予定で、北岡さんは「病気を広く知ってもらい、難病認定への後押しをしてほしい」と協力を呼びかけている。
 FOPは、約200万人に1人の確率で発症するといわれ、部位を問わず筋肉が骨に変化する進行性の病気。臓器圧迫や呼吸機能低下など生命にかかわる症状を誘発することもある。原因不明で、治療法も確立されていない。
 北岡さんが発病したのは3歳の時。首の可動域が狭まったのが始まりという。中学1年のころ、バレーボールをしていた時に「ポキッ」という音とともに左足に痛みが走り、症状が次第に悪化。高校入学時には右足のひざも硬くなり、松葉づえが手放せなくなった。「入浴や外出の際、家族の助けを借りなければならない」のが日常で最も不自由を感じる時だという。
 「この病気で悩んでいるのは私一人だけだと思っていた」北岡さんに転機が訪れたのは昨年4月。ネット上で他の患者と知り合った。父周治さん(47)は「悩みを分かち合える仲間ができ、以前よりも明るくなった」と話す。
 北岡さんの署名活動には、懇意にしていた輪島市にある交流サロン「語馬処(かたりましょ)」を運営する馬場崎商店街のメンバーが協力。友人や知人を伝い瞬く間に県内外から計約2万3000人分が寄せられた。商店街で骨とう店を営む西村満朗さん(73)は「彼女はいつも朗らかで前向き。周囲の人も力になりたいという気持ちが自然にわく」と話す。北岡さんは「まだ時間があるので、より多くの署名を集めて難病認定されるよう努力したい」と話している。署名の問い合わせは語馬処((電)0768・23・0212)へ。
  
 〈難病認定〉
 治療研究費や医療費に助成が行われる難病認定を受けるには▽患者が少ない▽治療法が未確立――などの条件を満たす必要がある。厚生労働省では現在121種類の病気を指定。このうち45種類の病気に対し医療費を公費負担している。
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◇(アップロード)20120427, youtube[外部リンク]「〜神様からの宿題〜 山本育海 FOP明石」
◇(アップロード)20111210, youtube[外部リンク]明石市立魚住中学校 人権コンサート
◇(アップロード)20110820, youtube[外部リンク]FMうじ出演【FOP明石】
◇(アップロード)20110731, youtube[外部リンク]FOPチャリティー寄席【FOP明石】
◇(アップロード)20110608, youtube[外部リンク]東京訪問(CiRAシンポジウム)
◇(アップロード)20110423, youtube[外部リンク]第3回FOPチャリティーライブ ダイジェスト動画
◇(アップロード)20110423, youtube[外部リンク]第3回FOPチャリティーライブ スライドショー
◇(アップロード)20110423, youtube[外部リンク]第3回FOPチャリティーライブ
◇(アップロード)20110109, youtube[外部リンク]第1回絵本販売会 【FOP明石】
◇(アップロード)20101227, youtube[外部リンク]「名古屋大学病院・・・ 【FOP明石】」
◇(アップロード)20090428, youtube[外部リンク]FOPチャリティーイベント dokidokich vol.3
◇(アップロード)20071017, youtube[外部リンク]「きらっとひかる FOP」

*この頁は平成24〜25年度 厚生労働科学研究 難治性疾患克服研究事業「患者および患者支援団体等による研究支援体制の構築に関わる研究」の一環として、その資金を得て作成されています。

*作成:櫻井 悟史矢野 亮
UP: 20120731 REV: 20120812, 20130407, 20141221
「難病」  ◇病者障害者運動史研究 
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