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電子書籍 2006

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■新聞記事



『朝日新聞』2006年01月05日
夕刊
(ニッポン人脈記)ケータイ文化:2 「端末社会」アートの源泉
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 9時10分に携帯電話の待ち受け画面を見たとしよう。デジタル時計の「9」がビヨーンと大きくなってこちらに迫り、また小さくなる。代わりに、その右の「10」が大きくなる。ブランコのようなリズムで数字が揺れ、時が進む。
 日系米国人の米マサチューセッツ工科大教授前田(まえだ)ジョン(39)がつくった「携帯アート」である。
 グラフィックデザイナーで音楽家の立花(たちばな)ハジメ(54)は、この画像が気に入っている。「ケータイならではの作品。時刻を知るのにいちいち眼鏡をかけずにすむし」
 立花は6年前、携帯サイト「THE END」を始めた。前田のこの作品や、立花自身ら内外のアーティストがつくった画像や着信メロディーを配信する。02年には、その中から自作の着メロをCDにまとめて発売した。
 「ぼくらは完全に『端末社会』に再編された」と立花は言う。車社会と同じで、それを嫌う人も無縁には暮らせない。中心は「たまたま電話もできる最も手軽なコンピューター」、すなわち携帯電話だ。机に座って起動させるパソコンより「わざわざ度」も低い。常に身近で、刹那(せつな)的、刺激的。その象徴が、冒頭の時計である。
 立花は、75年にテクノポップのグループ「プラスチックス」を結成し、脚光を浴びた。ソロになった80年代、映画や音楽の活動を始めた手塚眞(てづかまこと)(44)と親しくなった。
 手塚の父は、手塚治虫(おさむ)。立花のレコードのために、治虫が漫画を描いたこともある。ひょうたんつぎなど、手塚漫画のキャラクターを片面に浮き彫りにしたユニークなアナログ盤だ。
 いま眞は、監督した映画の劇場公開が続く。治虫原作のアニメ「ブラック・ジャック」、実写スリラー「ブラックキス」。その傍ら、携帯電話の仕事も増えている。昨年から、パソコンや携帯電話向けにホラーの新作映像を配信する。年末には、NHK衛星放送の「デジタル・スタジアム」で携帯アートの審査員を務めた。
 「ケータイを徹底的に使いこなしている日本から、漫画やアニメのような、世界に発信できる文化が生まれるんじゃないかな」
 新作ホラーの配信先のサイトは、「コンパスTV」。親会社は、経路検索ソフト「乗換(のりかえ)案内」で知られるジョルダンである。
 社長の佐藤俊和(さとうとしかず)(56)は、東大大学院でコンピューターを研究。水道局から、川の水を低コスト、最短経路で浄水場や貯水池へ送るシステムの作成を請け負った。「都市の交通網に応用できる」とひらめいた。「乗換案内」の原点だ。
 昨年、IT企業が放送局を狙う動きを見て、これではいけないとコンパスTVで動画配信を開始。「買収ではなく、自力で良い作品を供給したい。ケータイ発、映画館行き、書店行き。そんな流れを作りたい。若い連中に全共闘世代が負けてたまるか」
 出版への思いも熱い。「乗換案内だって、もとは時刻表」。まずは、連載の読み物を携帯にメールで送るサービスを始めた。携帯電話から書籍へと導く作戦を練る。
 佐藤と意気投合し、共同事業を構想するのが電子出版のインプレス社長塚本慶一郎(つかもとけいいちろう)(49)。学生時代に西和彦(にしかずひこ)(49)らとアスキー出版を起こし、急成長させた。
 インプレスの推計では、ケータイ読書が引っ張って、電子書籍の昨年の市場規模は45億円。1年で2・5倍になった。携帯電話で読んで興味を持ち、紙の本を買う相乗効果もあるとわかってきた。
 塚本は言う。「グーテンベルクによる活版印刷の発明に次ぐ革命が、ケータイから起きつつある」
 昨年末、パソコンや携帯電話の電子書籍検索サイト「hon.jp」を開いた。ファイル形式もばらばらで、ネットの海に散らばる1冊1冊を探せるようにしたい。「本に対する応援歌」と塚本。
 漫画の怖い場面で携帯電話がぶるっと震える。カメラ付きを生かしたプロのケータイ写真家が登場する。そんな時代を、塚本はすぐそこに見ている。(隈元信一)
 ■月曜から金曜まで掲載します。人をめぐる物語をお寄せください。電子メールはjinmyaku@asahi.comへ

 

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『朝日新聞』2006年02月19日
朝刊
(とれんどサーチ)電子コミック 携帯で「ながら読み」、女性にも人気
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 財布、定期券、スケジュール帳……。サラリーマンのポケットの中身のうち、携帯電話に入らないのはハンカチだけと言われる。退屈をいやしてくれるマンガも、いまや例外ではない。
 携帯電話向けに「サラリーマン金太郎」や「北斗の拳」など150タイトル、約1万話の電子コミックを配信しているNTTソルマーレ(本社大阪市)の、1月の月間ダウンロード数は200万を超えた。
 04年8月にサービスを始めたころは月3千程度だったから、「まさに爆発的な普及スピード。女性の増加が牽引(けんいん)役となっている」とモバイル事業本部の小林克之さんは話す。
 連載1回分20ページほどで40円から。iモードやEZweb、ボーダフォンライブを通じて利用できる。
 ほかに凸版印刷から分社化したビットウェイ(東京都)、電子出版のイーブックイニシアティブジャパン(同)なども配信作品を増やしている。
 IT関連出版、調査のインプレス(東京都)によると、05年3月末時点の電子書籍の市場規模は45億円で、前年の2・5倍に膨らんだ。中でも携帯電話向けは、12億円で10倍近くに急膨張している。携帯電話向けの電子書籍ではコミックが過半数を占めるという。
 紙芝居感覚でコマ送りできる携帯用コミック閲覧ソフト「コミックサーフィン」を開発、提供しているセルシス(東京都)は「もともとコミックは食事や移動中に『ながら読み』される傾向が強く、モバイルメディアとは相性がいい」と話す。ハイライトシーンで画面が振動したり、効果音が出たりする「演出」も人気を呼んでいる。
 さらに、通信速度が速く、高精度な液晶画面を持つ第3世代携帯の登場、パケット料金の定額制度導入も急成長の背景にある。
 コンテンツを供給するのは出版社など。単行本や週刊誌の売り上げに響くのではないか、との懸念もないわけではないが、書店の場所取りの必要がなく、売れ残りを処分する手間もかからないという利点もある。
 小学館(東京都)はNTTソルマーレと業務提携し、昨春から少年サンデーやビッグコミックなどの人気作品約20タイトルを提供している。ドラマの原作や映画公開を控えた作品など、現在人気があるタイトルが中心だ。
 執行役員の岩本敏さんは「コミックを読まなかった層が、電子コミックをきっかけに単行本を手にする傾向がある」とみている。将来、週刊誌をまるごと配信することも検討している。
 (細沢礼輝)

 

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『朝日新聞』2006年03月29日
朝刊
電子本が急成長 人気コミック、火付け役 今年度見込み、前年の倍 【大阪】
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 パソコンや携帯電話でコミックや小説などを楽しむ電子書籍の市場が急成長している。通信機器やインフラの進化で、ダウンロードの時間が短くなり、すぐに読みたい読者の要望に応えられるようになったことが大きい。通信会社や配信事業者も作品数を増やすなどサービスを競い合い、読者の取り込みに躍起だ。
 (湯地正裕)
 NTTソルマーレ(大阪市)は、携帯電話向けのコミック配信に特化している。「北斗の拳」「サラリーマン金太郎」「東京大学物語」など往年の人気作品を中心に174作品がある。
 作品をダウンロードした料金は、契約者が電話料金と一緒に払う。サービスを始めたのは04年8月からで、連載1回分が40〜60円。ダウンロード数500万件までは1年2カ月かかったが、500万件から1千万件まではわずか3カ月という急スピードだった。
 IT(情報技術)出版業のインプレス(東京)によると、電子書籍の04年度の国内市場は45億円で、前年度の2・5倍。05年度はさらに倍以上になる見込み。特に携帯電話向けは好調で、05年度はパソコン向けを逆転する勢いだ。12年度には市場全体が1兆円を超える予測もある。
 電子書籍は99年、通産省(現経済産業省)の補助金を受け、150社が実証実験を始めた。ただ、「出版社が消極的で、古いコンテンツの墓場と見られていた」(制作会社)こともあり、需要は伸び悩んだ。
 それが、ブロードバンドの環境が整い、02年ごろからダウンロード数が増えた。小学館など主要出版社は、電子書籍向けの専門事業部を立ち上げるなど本腰を入れ、提供作品も充実し始めた。
 作家側も積極的になってきた。シャープが昨年から配信する「北斗の拳」は、携帯電話で読みやすいように、作者の原哲夫さんが原画を書き直した。
 「週刊ポスト」や写真集の配信も手がけるイーブックイニシアティブジャパン(東京)は「コミックが今の需要の火付け役になった」という。パソコン向けの文芸作品でも女性をターゲットに、2月末からは翻訳ロマンス小説で知られるハーレクイン社の作品の配信を始めた。
 出版社と配信会社を取り次ぐデジブックジャパン(東京)の林陸奥広(むつひろ)社長は「デジタルを発表の場にする作家も増えた。今後は新鮮でいいコンテンツを提供できるかが普及拡大のカギだ」と分析する。
 NTTドコモなど携帯電話会社は、電子書籍を新たな収益分野と見て期待を寄せる。

 

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『読売新聞』2006.05.01
「WEB創刊」続々、どうなるコミック誌
東京朝刊
 ◇潮流
 インターネットを活用したコミック誌の“創刊”が相次いでいる。世界的に評価される日本マンガの発信源だった雑誌は、どう変わっていくのか。(佐藤憲一
          ◇
 画面上の矢印をクリックすると、魔法少女やゲーム業界を描いた見開きのページが紙を繰るようにめくられる。ネット上の画面を読むことをのぞけば、コマ割りを追う感覚は、紙の雑誌と大差ない。
 双葉社が4月28日、「世界初の無料月刊WEBコミック誌」とうたって配信を開始した「コミック・シード!」だ。02年から他社が試みていた同名のWEB誌(昨年休刊)を引き継ぐ形だが、約10のコミック誌を発行する同社が、ネット上だけの雑誌を出す衝撃は小さくない。双葉社の島野浩二コミック出版部長は、「印刷や製本代が不要なWEB誌は紙の雑誌の半分以下の費用で作れる。無料で読者を増やし、広告収入と連載の単行本で収益を上げるモデルを作る」という。
 ソフトバンクグループも先月、「ブラッド」の名で、紙の月刊少年誌と携帯電話向け有料配信、WEB誌の3メディアを同時創刊した。マルチ化で話題性を広げると同時に、多様なメディアへのマンガ提供を目指して、原稿をデジタル処理する技術を確立する狙いがある。中本直宏編集長は「マンガは、今でもアナログ原稿が多く、出版の中でも遅れている。最初からデジタル化することで海外展開も容易になる」と語る。
 こうした動きは、コミック誌の低迷で単行本を出すために赤字出版を続ける雑誌が増えているのに加え、携帯配信を中心としたデジタルマンガが急成長していることが背景にある。
 05年のコミック誌の売り上げは、5%減と10年連続で減少。2602億円と堅調な単行本が2421億円の雑誌を上回る逆転現象が初めて起きた。一方、出版社インプレスのインターネット生活研究所によると、05年度の電子書籍市場は前年の倍、90億円程度に伸びる見込みで、中でも携帯コミックの伸びが大きい。
 大手の小学館でも、同社の全マンガ書籍2万点のデジタル化を進める。甘粕克巳シニアマネジャーは、「読みたい作品だけ買いたいという読者の欲求は強まっている。ひょっとしたら出版社の枠を越え、読者が好きな作品だけ選ぶWEB誌が出てくるかもしれない」と指摘する。
 WEBや携帯配信が紙のコミック誌に代わる時代も来るのだろうか。マンガ評論家の米澤嘉博さんは、「日本のマンガは自由度の高い紙の雑誌をもとに読み方が発展してきており、急激なネットへの移行はない」と予測する。ただ、ディスプレーの読書に慣れた若者も着実に増える中、デジタル配信の制約に適した新しい表現を、いかに生み出すかが問われているようだ。

 

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『読売新聞』2006.05.13
携帯で漫画 ダウンロード、4月は400万件 迫力シーン、振動で臨場感
大阪夕刊
 ◆豊富な作品、オリジナルも 
 携帯電話の画面で漫画を読む「携帯コミック」の市場が、急速に広がっている。定額制で使い放題のデータ通信の普及や、1話あたり数十円の手ごろな料金などが背景にある。場面に応じて電話が振動したり、原作になかったカラー版など専用作品が登場したりと、内容も充実してきた。
 携帯コミックは、データ通信で携帯に受信した漫画を、紙芝居のように一コマずつ順送りして読む。細長いコマは、上下左右にスクロール(移動)する仕組みだ。
 コミック配信事業者は現在、30社近くあり、最大手はNTT西日本子会社のNTTソルマーレ(大阪市)だ。月額料金315円からの会員制で、この中から1話平均40円程度を支払う。
 配信しているのは本宮ひろ志の「サラリーマン金太郎」、柴門ふみの「東京ラブストーリー」、江川達也の「東京大学物語」など著名作家の約190作品、1万6000話。中でも人気なのが、「お前はもう死んでいる」という決めぜりふで1980年代にヒットした「北斗の拳」だ。原画を描いた原哲夫氏の監修でオールカラーに加工した。
 同社が2004年8月にNTTドコモ向けに配信を始めた当初は、ダウンロード数が月3000件程度だったが、05年からはau、ボーダフォン向けにも広げ、今年3月は約300万件、4月は400万件と急増している。利用者の半数は女性で、「電車内などで気兼ねなく漫画を読めるからでは」という。
 パソコン関連の出版社インプレスによると、小説も含む携帯向け電子書籍市場は04年度の約12億円から、05年度は2倍以上に拡大した。業界大手のビットウェイ(東京)が、講談社と組んで書き下ろしのフルカラー漫画の配信を05年11月に始めるなど、携帯向けの専用作品を手がける動きも出てきた。

 

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『朝日新聞』2006年05月20日
朝刊
(てくの生活入門)携帯電話で読書を楽しむ
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 〈三カ条〉
 一、 パケット定額契約で通信費を節約
 二、 機種ごとのコンテンツ対応に注意を
 三、 ポイントの追加購入はよく考えて
 携帯電話の画面で本を読む人が急増しています。2003年には1億円に満たなかった市場が、わずか1年で12億円に拡大。パソコンや携帯情報端末(PDA)市場を追い抜く勢いです。第3世代携帯電話とともにパケット定額制が普及し、大容量のデータも安価に楽しめるようになったことが人気に弾みをつけました。携帯電話で小説やコミックを楽しむ読書術を紹介します。(石塚知子)
 第3世代携帯電話を2年前に使い始めて以来、私はずっと携帯読書を楽しんでいます。最初のきっかけは、約4千円のパケット定額契約の元をとれれば、という貧乏根性。でも、使ってその便利さに気づいてからは、すっかり生活の一部。はまってます。
 携帯読書のコンテンツは日々増え続けており、電子書籍検索エンジン「hon.jp」によると、現在読める小説や随筆、コミックは約1万タイトル。芥川龍之介、太宰治から石田衣良、宮部みゆきまで幅広く読めます。
 携帯読書はたくさんの本を持ち歩く必要がありません。だから日々の通勤電車はもちろん、旅先で真価を発揮します。かさばるコミックも、何冊でも読めます。
 携帯読書を楽しむ方法にはいくつかありますが、ここでは読書コンテンツと契約し、書籍データをダウンロードする方法を紹介します。
 左図は代表的なコンテンツです。ほとんどは月額315〜525円で会員になると、一定量の読書ポイント(コイン)が与えられ、それを使って本を読みます。書籍をまるごと購入する方式が一般的ですが、配信による連載方式も。携帯電話向けの書き下ろし作品もあります。
   *
 「文庫読み放題」のように、月額315円ですべての作品が読み放題になるコンテンツもありますが、ほぼ1円1ポイント換算のポイント制が主流。ポイントはたいてい追加購入できます。
 ただ、パケット代を定額にしても、どんどん追加購入すると、コンテンツ利用料だけで、とんでもない額になる可能性も。上限金額を決めるなど注意が必要です。
   *
 安上がりに楽しみたい人にお勧めなのは、「電子書店パピレス」の月額利用料がかからない無料登録コースです。著作権切れの文学作品を電子書籍化している青空文庫と提携して、日本や世界の名作1500〜2000作を登録会員に無料提供しています。
 図左上に読書サイトへのアクセス方法を、携帯電話各キャリアごとに示しました。今回はNTTドコモのiモードのサービス「どこでも読書」を例に説明します。
 始めに、コンテンツのトップページから月額315円のマイメニュー登録(会員登録)します。すると400ポイントが与えられます。これには初入会の特典100ポイントが含まれています。登録後の画面をスクロールすると、お勧め書籍の紹介が。ここから選んでもよいし、ジャンル、著者名、作品名から検索もできます。
 まず、画面の指示にしたがって、専用の読書アプリ(携帯電話用のソフトのこと)をダウンロードします。小説を紙の本のように快適に読むためには、どこのサイトでもこうした読書アプリが必須です。各キャリア、特定の機種には対応していないこともあるので、会員登録前に必ず確かめましょう。
 今回は、角田光代の「だれかのいとしいひと」を読むことにします。単行本1冊が2分割して提供されており、全部読むには400ポイント必要とのこと。本のタイトルを選び、「この本を買います!」画面の分割タイトルを選ぶと、アプリ「どこでもビューワ」が自動的に起動。ポイント消費に同意すると、作品のダウンロードが始まり、読めるようになります。縦書き・横書き、文字の大きさも選択可能。携帯一つで実現する「どこでも読書」です。
   *
「マニュアル不要のデジタル術」(本社刊、本体1千円)が好評発売中。本欄の連載をまとめました。
■携帯で読書を楽しむ たとえばこんなコンテンツ
<アクセス方法>
【ドコモ】(D)
iMENU→メニューリストTV/ラジオ/雑誌/小説→小説/コミック→各コンテンツ名を選択
【au】(a)
EZトップメニュー→カテゴリで探す→電子書籍→総合
                      →コミック→各コンテンツ名を選択
                      →アニメ
                 →TV・メディア→マガジン→各コンテンツ名を選択
【ボーダフォン】(V)
Vodafone live!→メニューリスト→書籍・コミック・写真集
                        →電子書籍
                        →電子コミック
                          →各コンテンツ名を選択
(注)機種により対応していないサービスもあるのでご注意ください
 ●人気No.1コミックサイト
 「COMIC i」(D)
 「コミックシーモア」(a)(V)
 ●ライトノベルが充実
 「最強☆読書生活」(D)
 ●連載中のコミックも読める
 「まんが大革命」(D)
 「Handyブックショップ」(a)(V)
 <「鋼の錬金術師」(C)2006 Hiromu Arakawa/SQUARE ENIX>
 ●原作コミックもアニメも
 「ルパン THE COMIC」(a)
 <原作:モンキー・パンチ(C)TMS>
 ●1冊丸ごと購入も可能
 「どこでも読書」(D)(a)
 ●315円で読み放題
 「文庫読み放題」(D)(a)(V)
 ●無料名作1500冊
 「電子書店パピレス」(D)(a)(V)
■携帯電話端末向け電子書籍市場の伸び(インプレス調べ)
             03年  04年
電子書籍全体      18億円 45億円
 パソコン・PDA端末 17億円 33億円
 携帯電話端末      1億円 12億円
   *
 <パケット料金に要注意>
 パケット定額契約をしていない場合、パケット料金が高額になることがある。無料サンプルを1回ダウンロードしただけで2千円程度かかることも。携帯電話で読書を楽しむには、定額契約がおすすめ
<グラフィック・川添寿>

 

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『読売新聞』2006.07.12
[ケータイ文化](2)漫画が大人気 中心は女性(連載)
東京朝刊
 ◆連続で見せる紙芝居方式登場 
 証券会社や銀行の立ち並ぶ大阪市中心部の北浜の一角に、懐かしの漫画本やパソコンの置かれた“電子漫画工場”がある携帯電話のサイト「コミックi」などを運用するNTTソルマーレのオフィスだ。
 約20人の社員が、江川達也さんの「東京大学物語」や新條まゆさんの「快感フレーズ」など200作以上の漫画画像を読み取り、携帯電話でも読めるように編集ソフトで加工している。
 「昨年春は5000人だった会員が急増し、今や数十万人。最近では1か月で500万話分のファイルが読まれています」。同社の大橋大樹常務は、意気盛んだ。
 「インターネット白書2006」(インプレスR&D発行)によると、昨年度の電子書籍市場は前年の約45億円から90億円以上と倍増した。この急成長の先導役が、約65サイトあるコミック配信だ。追い風になったのは、昨年以降のパケット定額制の普及。定額制で契約すれば、1話数千円かかる通信料を気にせず、月額300円ほどの会員料金だけで、漫画を楽しめる。
 最近関係者を驚かせているのが、女性会員の増加だ。当初7割が男性だったソルマーレでも今や6割が女性で、20〜30代が中心。「本屋で買いにくいレディースコミックも好きなときに読める」、「主婦仲間でブームになっている。昔の少女漫画をもっと増やして」といった声が届く。
 同社の調査によると、最もダウンロードが多い時間は、午後11時から午前2時の就寝前。「通勤時間帯と思っていたので驚きました。ベッドの中に携帯を持ち込んで漫画を楽しみ、翌朝はアラーム機能で目覚める人も多いのでは」と、大橋常務は言う。
 だが、雑誌の広いスペースに合わせて描かれた漫画を、携帯の小さな画面で読ませるには工夫がいる。
 紙芝居式と呼ばれる方法は、作者の許可を得て1ページをコマごとにカット、アニメのように連続して見せる。この方法だとリズム感が出るが、作品が加工されることを嫌う作者もいる。そこで、1ページを上下左右に追うスクロール式も用いられている。
 出版社側の対応も分かれる。講談社はスクロールが原則、集英社は紙芝居式、小学館は併用だ。2万作品のデジタル化を目指す小学館ネットメディアセンターの甘粕克巳さんは、「需要の大きい少女漫画は、コマ割りが複雑でカットが難しい」と嘆く。
 それでも、携帯漫画の勢いは止まらない。これまでは旧作だけだったが、凸版印刷の子会社、ビットウェイは昨年末から、講談社のオンラインマンガ誌「ミチャオ!」と提携し、新作のカラー配信を始めた。
 「紙の本では経費がかかるオールカラーで勝負できるのは魅力的」と、同誌の吉沢新一編集長。携帯配信の際、紙芝居加工されるのを考慮し、細長いコマを描かない作者もいるという。
 ビットウェイの淡野正取締役は期待を込めて語る。「この10年、パソコンや読書専用端末などが話題となるたび『電子書籍元年』と言われたが、うまくいかなかった。でも、最近の携帯漫画の伸びを見ると、今度こそ本物でしょう」(文化部 佐藤憲一)

 

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『朝日新聞』2006年07月20日
朝刊
(メディア)「電子の本」根付くか 携帯で漫画や小説、利用者が急増
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 電車内や空き時間に携帯電話でコミックを読む人の姿が増えている。ネット時代の本の読み方として期待を集めてきた「電子書籍」が本格化する兆しだ。ただ、紙から液晶画面に舞台を移した書籍が本当に「活字離れの救世主」となれるか、業界には不安もつきまとう。(斎藤徳彦)
 KDDIによると、携帯電話「au」での電子書籍販売は昨年9月に累計ダウンロード数が550万件に達し、1年前の約100万件から急成長した。その後も前年同期比5倍のペースで成長が続くという。特に好調なのが1話数十円から購入できる漫画で、全体の4割以上を占める。利用者の主力は10〜20代の女性で、恋愛小説やドラマの原作本も人気だ。
 市場調査も手がける出版社インプレスの調べでは、04年度の市場規模は前年から2・5倍の45億円に。05年度はさらに100億円規模に達した模様という。
 電子書籍は95年、「電子書店パピレス」などがパソコン通信を使って文字情報の配信を始めた。98年には大手出版社などを中心に「電子書籍コンソーシアム」が結成。当時通産省に勤務していた村上世彰氏らが旗振り役で1年半の実証実験に取り組んだが、結論は「時期尚早」だった。
 電子書店大手「イーブックジャパン」は、この実験に小学館から加わっていた鈴木雄介社長が00年に独立して設けた。
 高速大容量のブロードバンドの普及が突破口となった。04年には往年の名作漫画「北斗の拳」が配信されて話題となり、同時期に配信された「プラトニック・セックス」(小学館)はこれまでに4万部を売った。
 「紙の部数が食われる」と慎重だった出版社も腰を上げた。小学館は05年夏にネットメディアセンターを設け、漫画全2万点を電子化する計画を持つ。講談社が今年4月に配信を始めた「生協の白石さん」は新刊本としても売れ続けている段階で電子販売する取り組みで、「紙と電子双方で100万部を目指す」という。集英社は5月に携帯電話向けのサイトを開設、「NANA」など人気漫画の配信を始めた。
 ただし、2兆2千億円と言われる出版市場に占める割合はまだ少なく、関係者は「出版社の電子化事業は、すべての社が赤字」と明かす。
 ●業界、専用端末に期待
 電子書籍を読む手段では何が普及するのか、関係者の間でも見方が分かれる。インプレスの中島由弘・インターネット生活研究所長は、パソコン向けの市場がほとんど伸びていないことから、「今後の主流は携帯電話に移行する」とみる。
 しかし、出版社側は「ワンセグに人気を奪われる可能性がある」(小学館)、「いつまでも携帯で漫画を読んでくれるとは限らない」(講談社)。音楽やゲームにテレビも加わる携帯電話の使い道で、書籍が重視されるとは思えないというのだ。
 出版界の期待が高いのが、専用端末だ。04年にソニーと松下電器産業が相次いで発売。光源を使わない画面で電池消費を抑えるなど工夫を凝らすが、4万円前後する価格が災いし、販売台数はいずれも数千台程度とみられる。松下は現行機種の生産を中止し、次世代機の開発を急いでいる。
■売り上げ部数上位の電子書籍
<小説など>
(1)池袋ウエストゲートパーク(石田衣良)
(2)「明治」という国家(司馬遼太郎)
(3)鬼平犯科帳(池波正太郎)
<漫画>
(1)北斗の拳(原作:武論尊、画:原哲夫)
(2)静かなるドン(新田たつお)
(3)シティーハンター(北条司)
 (イーブックジャパン調べ、累計)

 

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『読売新聞』2006.09.23
[データ・本]9月23日
東京朝刊
 2005年度の電子書籍市場は推定約94億円で、前年度の約2倍に拡大。このうち携帯電話向けは約46億円で、同3.8倍に急成長。(インプレスR&D調べ)

 

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『朝日新聞』2006年09月27日
朝刊
(情報ファイル・商品)音楽、映像も楽しめる電子書籍 松下電器産業
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 小説、漫画などの活字コンテンツに加え、SDメモリーカードにためた音楽、映像も楽しめる電子書籍「WordsGear(ワーズギア)」を松下電器産業が11月に発売する。価格は4万円前後の見通し。同社は角川グループホールディングス、TBSとともに、10月2日付で電子書籍や携帯電話向けコンテンツの制作会社を新設する。

 

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『読売新聞』2006.09.27
電子書籍 松下・角川・TBSが3社連合 新会社で新端末展開
大阪朝刊
 松下電器産業と角川グループホールディングス、TBSは26日、電子書籍を扱う会社「ワーズギア」を10月2日付で設立すると発表した。松下電器が新たに開発した読書端末「Words Gear(ワーズギア)」=写真=を12月に発売するほか、主に角川グループが発行する小説や漫画、写真集などをインターネット経由で提供する。
 読書端末はカラー画面で、5・6インチの文庫本サイズ。動画や音楽も再生できる。コンテンツ(情報の内容)はパソコンでダウンロードし、SDカードに記憶させて取り込む仕組みだ。価格は未定だが、来年3月までに約1万台の販売を見込んでいる。松下電器によると、2006年の電子書籍市場(端末とコンテンツを含む)は160億円規模で、年々拡大が続いている。

 

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◆2006/10/11 視覚障害者への福音、電子書籍の自動読み上げに消極姿勢の出版社
http:/\/ascii.jp/elem/000/000/355/355776/
障害者への福音、電子書籍の自動読み上げに消極姿勢の出版社
2006年10月11日 22時39分更新
文● 編集部 西村賢
電子書籍ビューアー『T-Time』を開発する(株)ボイジャーは11日、自動音声読み上げに12日から対応すると発表した。(株)アルファシステムズの電子音声読み上げソフト、『電子かたりべ』を別途インストールすることで、自動的に両ソフトが連動する。電子かたりべは年間利用3000円。T-Timeは機能限定版の無償のものが利用できる。視覚障害者や視力の弱い高齢者など、全国で約100万人と言われる“読書障害者”を主な対象とする
T-Timeで表示中の作品でブロックごとに文章を読み上げる電子かたりべ
進まぬ音声コンテンツ化
読み上げ対応に出版社は難色
今回対応する電子本は、理想書店、パピレス、楽天ダウンロードなどのサイトで販売されている“.book”形式のもの。従来、パソコンに文章を読み上げさせるには、コピー対策の著作権保護処理が施される前のテキストデータが必要だった。著作権保護機能のついた電子書籍フォーマットでの読み上げ対応は国内では初めてとなる
読み上げは、ファンクションキーの“F5”を押すことでブロック単位で行なう。F4、F5に隙間があるため、視覚障害者にもキーボード上での位置が分かりやすいという配慮だ。音読にはペンタックスが開発した音声合成処理エンジンを用いる。特に前処理を施さずに与えられたテキストデータを読み上げる“素読み”と、誤読や不自然な抑揚を補正したコンテンツに対応する。ただし、「素読みでも誤読率は低く、十分な品質を確保できる」(アルファシステムズ 栗原定見専務取締役)といい、T-Timeとの連携では素読み利用を中心に想定しているとい
特に前処理が不要であるため、すでにデジタル化されている出版物の原稿データは、ほとんどそのまま音声読み上げに対応可能だ。ボイジャーの萩野正昭代表取締役は、「出版すれば、それがそのまま読書障害者への支援になる」と話す。視力低下のために読書が億劫になった高齢者や、身体的障害のために読書が物理的に困難な人たちに市場を広げるという意味で、出版社にもメリットがあるという。
問題は出版社の対応だ。
.book形式の読み上げが可能かどうかは、出版社の意向次第。出版社や著作者が許可しない限り、電子本の読み上げはできない。「情けない話ですが、3割から4割程度の出版社が読み上げ対応に消極的」(前出萩野氏)。これまでボランティアによる音訳や、テキストデータが入手できるコンテンツに限って情報や作品に触れることができた障害者に福音となるはずだった既存電子書籍の読み上げ対応が、及び腰の出版社の対応が原因で、進まないことに萩野氏は憤りを隠さない。「技術的にすでにできているのに、(自動読み上げ)に対応しないという挙に出ないでほしい」。
視覚障害者向けばかりでなく、健常者が音楽のように聴き流しながら読書ができるという“オーディオブック”に市場があるとすれば、出版社としては音声合成ソフトによる自動読み上げよりも、専用オーディオブックコンテンツで市場拡大を狙いたい思惑も働いているのではないかと萩野氏は語る。音声化による不正コピー流出のリスクもある。メリットの見えづらい自動読み上げに出版社の対応は後手後手となりがちだ
デジタルデバイドが情報障害を助長する
記者会見に同席したバリアフリー出版に取り組む全盲の松井進氏は、自らの体験から視覚障害を“情報障害”だと指摘する。一般に、人間は情報の80パーセントを視覚で得ており、それができない障害者は不利な立場に置かれたままだ。弱視障害を抱えて生まれた松井氏は、最初は通常の学校で文字の読み書きを覚え、その後視力を失うにつれて点字を覚えた。点字パターンは合理的で覚えやすいが、目で見てパターンを読み取るのではなく、指先の感覚で「読める」ようになるには何年もかかった。視覚障害者の多くは点字が読めず、点字の識字率は1割程度とも言われる
そうした状況にあって、パソコンによる音声合成は視覚障害者に情報へのアクセス手段を提供する画期的なツールとなっている。懸念されるのは徐々に立ち上がりつつある電子書籍市場だ。音声合成のためには特殊な電子ブックフォーマットではなく、音声合成ソフトが読み込めるテキストデータが必要だが、「テキストデータへのコンバートの許諾を求めても応じてくれる出版社は少ない。テキストデータ自体の提供となると、さらに少ない」(松井氏)という。
音声合成技術はコストが無視できるレベルにまで実用化された。音による読書が文字通り“福音”になるかどうか。後は出版社を初めとする社会全体が、この問題をどう認識するかにかかっている
自らの体験を綴った著作では、松井氏はバリアフリー出版を実践。点字版、音訳版(朗読テープ)、大活字版、マルチメディアCD-ROM版、フロッピーディスク版を同時にリリースした
講談社は大活字版をリクエストに応じて印刷・製本するサービスを行なっている。弱視の障害者や高齢者向けだ

 

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『読売新聞』2006.10.18
[生活わいど]著作権、ネット普及で身近に 他人の権利侵害、あなたも!? 
東京朝刊
 ◆保護期間後、安く使える
 文学や音楽などの著作権を巡り、保護期間の延長問題をはじめさまざまな動きが活発化している。著作権は作家や作曲家らが持つ権利ではあるが、保護期間が過ぎた文学作品や音楽は安価に楽しめるなど、消費者の利益とも大いに関係がある。インターネットの普及もあり、多くの人が著作者になる時代でもある。もっと関心を持ち、考える必要がありそうだ。(西内高志)
 チャイコフスキーのバイオリン協奏曲、ラフマニノフのピアノ協奏曲――。大阪府内の公務員の男性(49)は、クラシック音楽の名曲を無料で聴けるホームページを開設している。曲数は約800曲。持っている5000枚以上のレコードやCDの中から選んだものだ。
 こうしたことが可能なのは、収録した曲がどれも、作曲家と演奏家、レコード会社の持つ著作権などが保護期間の50年を過ぎ、許諾なしでも広く配信できるからだ。利用者は曲をデジタル携帯音楽プレーヤーに録音もできる。
 男性は「売れないという理由で絶版となり、入手しにくかったものも、保護期間が過ぎれば、誰もが聴けるようになる」と意義を語る。同様のホームページは少しずつ増えているという。
 保護期間が過ぎた著作物をビジネスに活用する例もある。出版社のソフトバンククリエイティブ(東京)が運営する電子絵本の有料ホームページ「おはなし絵本クラブ」は昨年12月から、夏目漱石の「坊っちゃん」など20作品を、電子書籍の形で無料で読めるサービスを始めた。100円ショップ「ザ・ダイソー」では名作文学30作品の文庫本を1冊105円で販売。人気を集めている名作映画の廉価DVDも一例と言える。
 ◆「欧米並み70年に」
 こうした中、日本文芸家協会など、著作権を管理する16団体は共同で先月、50年から70年へ保護期間の延長を求める声明を発表した。欧米では大半が70年を採用していることもあり、統一しようというものだ。
 これには賛否が分かれている。延長派は「権利が長く保護されれば、創作意欲が高まる。これが結果的に文化の振興につながる」と主張。対して、著作権切れの文学などを収録したホームページ「青空文庫」の呼び掛け人、富田倫生さんは「インターネットが発達し、経費をかけず多くの人に著作物を提供できる時代になった。著作者の権利を強めるより、消費者の利用度を高めるべきだ」と主張する。
 著作権法は、文化的な創造物を公正に利用できるようにしながら、著作者の権利保護を図ることで、文化の発展につなげるのが目的。要は、二つのバランスをいかに取るのかが大切になる。
 横山久芳・学習院大学助教授(知的財産法)は「消費者にとっても著作権は身近な問題になりつつある。抽象的な議論に終始せず、延長したら具体的にどんなメリットやデメリットがあるのかを提示し、消費者も交えた議論が必要だ」と指摘する。
 ◆ブログに作品、許諾必要
 インターネットの発達によって情報発信が簡単になり、今や、消費者も一夜にして著作者となる時代だ。著作権問題に直接巻き込まれる可能性も高まっている。
 ホームページに写真を掲載したり、ブログ(日記形式のホームページ)で文章を発表したりする場合、著作権の観点からは、〈1〉他人の著作権を侵害しない〈2〉自分の著作権を侵害されない――という二つの注意が必要になる。
 〈1〉について、コンピュータソフトウェア著作権協会広報室長の坂田俊介さん=写真=は「まず、『他人の作品は無断では使わない』という大原則を肝に銘じてほしい。使いたい時には許諾を取る必要がある」と話す。例えば、ホームページに既存の曲を自分で演奏して載せる場合には、日本音楽著作権協会などで許諾の手続きをして使用料を払う必要がある。しかし、CDなどをそのまま使おうとすると、許諾を得られないことが多いという。
 ホームページやブログは日常生活を書いた私的な内容であったり、見る人が限られていたりするため、著作権法が認める「私的使用」に当たると考えがちだが、これは間違いだ。ただ、他人の著作物の「引用」は、必要最小限にするなど一定のルールを守れば、問題はないという。
 〈2〉について、坂田さんは「残念ながら予防策はない」と話す。ただし、ホームページやブログに、「勝手に使わないで下さい」などと意思表示をしておけば、トラブルになった際に役立つという。
 このほか、インターネット上で買い物をするケースが増え、音楽などを許諾なしに商品化した、いわゆる海賊版を買う可能性も高まっている。買うこと自体に法律上の問題はないが、坂田さんは「犯罪を助長しているという意識を持ってもらいたい」と話す。

 《data でーた》
 ◆相談件数、7年で3倍 
 著作権情報センター(東京)は1996年から、著作権に関する相談を受け付けている。記録が残る98年度以降、件数は右肩上がりに増えており、2005年度には8000件を超した=グラフ=。同センターによると、内容では「ホームページに好きな詩や文章を載せたいが大丈夫か」「ネットオークションのサイトに物品の写真を載せてトラブルになった」など、インターネットに絡むものが増えている。また、以前は出版社や自治体関係者からの相談が多かったが、最近は主婦など一般の消費者が増えているという。

 〈著作権〉
 知的財産権の一つで、文学作品や音楽などの著作物を創造した作家や作曲家など著作者に与えられた権利。著作者以外の利用を認めたり禁止したりできる。日本の著作権法では、保護期間は映画の場合は公開後70年だが、その他の分野は著作者の死後50年。

 

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『読売新聞』2006.10.28
目が不自由でも読書楽しく 聴ける電子本など… “団塊定年”狙い企業参
東京朝刊
 ◆聴ける電子本 注文生産の大活字本→→“団塊定年”狙い企業参入
 視覚障害者や視力の衰えた高齢者が、読書を楽しめる環境作りが進んでいる。情報技術(IT)関連企業や出版社などが、新たな商品やサービスの提供を始めるようになった。これまでは、ボランティアによる点字図書などが大きな役割を果たしてきたが、利用者の選択肢が広がっている。
 ソフトウエア開発会社の「ボイジャー」と「アルファシステムズ」(ともに東京)は10月、インターネットから購入した小説などをパソコンの画面上に表示した電子書籍(特定形式のもの)を、読み上げソフトを使って合成音声で聴くことができるサービスを始めた。
 読み上げソフトのほとんどはこれまで、ホームページなどを読む際には使えるが、電子書籍はコピーや改ざんができないよう保護されているため、使えなかった。電子書籍を販売する出版社の一部から許可を取り、読み上げができるようにした。小説やエッセー、戯曲など約6500作品があり、順次増やす予定。
 ボイジャーの電子書籍表示ソフト「T―Time」(無料)と、アルファシステムズの読み上げソフト「電子かたりべ」(年間利用料3150円)を使い、電子書籍を簡単な操作で聴くことができる。利用している視覚障害者でNPO法人副理事長の松井進さんは「人間は多くの情報を視覚から得ている。その点で、視覚障害者は情報障害者だった。電子書籍の読み上げは大きな助けになる」と話す。
 ◆読みやすい書体 
 目の不自由な人が読書を楽しむ際には、点字による点字図書や、大きめの活字を使った大活字本、朗読を収めた録音図書などを図書館から借りるのが一般的だ。これらの作成はボランティアや小規模な出版社に支えられてきた面が大きい。
 この分野に一般企業が参入するようになったのは、「団塊の世代」(1947〜49年生まれ)が来年から定年を迎えるようになり、今後、誰もが使いやすいユニバーサルデザイン(UD)に対する需要が増すと見られるからだ。
 大活字本の分野では、講談社(東京)が昨年11月、注文に応じて本を1冊ずつ販売する「講談社オンデマンドブックス」を始めた。現在、小説やノンフィクションなど94作品があり、1冊税込み1260円から。さらに大きな活字を使うことも検討中だ。
 文字の書体にも工夫がされるようになった。書体メーカー「イワタ」(東京)は松下電器産業(大阪)と共同で、文字の線と線の間を広めにとるなど、弱視の人も読みやすい書体「イワタUDフォント」を開発し、7月に出版などの業界向けに発売した。
 視覚障害者らとユニバーサルデザインの可能性を考える「出版UD研究会」(東京)の成松一郎さんは「いろいろな企業が参加することで、誰もが読書を楽しめる環境作りが一層進んでほしい」と話している。

 

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『読売新聞』2006.10.30
読書週間 50・60代、本に「回帰」/読売新聞社全国世論調査
東京朝刊
 ◇本を読もう
 ◆「団塊本」の人気影響? 
 読売新聞社の「読書」に関する全国世論調査で、この1か月間に本を読まなかった人の割合は、ほぼ半数を占め、とくに20歳代で過去最多になった。若者の「本離れ」の傾向は一層進んだが、50歳代、60歳代で「本回帰」が目立ったのも今年の特徴だ。「本離れ」に歯止めをかけるには、家庭や学校での環境や教育を重視する人が多かった。インターネットの普及などで、「本」を取り巻く状況は大きく変化している。調査結果をもとに、読書のいまを探った。(世論調査部 岩浅憲史 本文記事1面)
 ◆「1か月読まなかった」 20代、20年で倍増 
 この1か月間に何冊の本(雑誌を除く)を読んだかを聞いたところ、「読まなかった」は、昨年調査よりも3ポイント減って49%だった。男女別では、男性が48%(前年比2ポイント減)、女性が50%(同4ポイント減)。「読まなかった」の割合は、ここ10年は50%前後となっているが、20年前と比べると、12ポイント増加しており、国民の本離れは、依然深刻だ。
 年代別に見ると、「読まなかった」人は、20歳代(48%)と70歳以上(67%)で昨年より、それぞれ7ポイント、1ポイント増えた。特に20歳代は過去最多で、20年前(22%)に比べて、2倍以上に増えている。
 出版科学研究所の早川友久所長は、「調査時期に20歳代を引きつけた大ヒット本がなかったこともあるが、1日の仕事以外の時間を本以外の娯楽などにさきたい人が多いからではないか」とみる。
 これに対し、30〜60歳代では、昨年より「読まなかった」人の割合が減少した。とりわけ昨年調査で増えた60歳代(51%)、50歳代(49%)は前年より、それぞれ10ポイント、6ポイント減った。今年、脳を活性化するためのハウツー本や「団塊の世代」関連本がよく売れたことなどが影響していると見られる。
 本を読まなかった理由(複数回答)では、「時間がなかった」45%が最多で、続いて「本を読まなくても困らない」21%、「読みたい本がなかった」20%――などの順だった。
 一方、この1か月間に本を読んだ人について、何冊読んだかの内訳を聞いたところ、1〜3冊が42%で、前年より3ポイント増。4冊以上は8%で、微減だった。
 本離れを心配に感じることがあるかを聞いたところ、「ある」が「大いに」「多少は」を合わせて59%で、同じ質問をした2004年調査に比べ5ポイント減。「ない」は「あまり」「全く」を合わせて39%で、同4ポイント増だった。
 本離れの歯止め策(複数回答)については、「家庭で読書の習慣を身につけさせる」51%、「学校での読書教育に力を入れる」47%が上位を占めた。幼少期から読書に親しむ環境づくりや学校での教育を求めている人が多いことがうかがえた。
 子供のいる人に、家で絵本などの読み聞かせをしているか(したことがあるか)を尋ねたところ、「している(した)」は、「よく」と「ときどき」を合わせて83%。同じ質問をした2004年調査より3ポイント減ったが、依然高い水準だった。「している(した)」は、30歳代が9割を超え、最も低い70歳以上でも7割を上回った。読み聞かせの大切さが世代を超えて認識されているようだ。
 ◆根強い司馬人気
 国内外を問わず好きな作家や著者を自由回答で3人まで挙げてもらったところ、「竜馬がゆく」などの歴史小説で知られる司馬遼太郎が、1位となった。この質問は1992年以来、11回実施しているが、司馬は今回を含め8回目のトップ。今年は「功名が辻」がNHK大河ドラマとして放映され、話題を呼んでいることも追い風になったと見られる。ファンの7割が男性で、没後10年たった今でも、骨太な作品群が40〜60歳代を中心に支持を集めた。
 2位は軽妙な文体のミステリーで女性に人気の高い赤川次郎。3位は、時代小説やファンタジーなど多彩な作風で知られる宮部みゆき、4位は「ノルウェイの森」などで世界的に知られる村上春樹で、ともに若い世代の支持を受けて、初のトップ5入り。村上は今年、ノーベル文学賞の受賞が取りざたされた。また、今年、直木賞を受賞したミステリーの東野圭吾(前回49位)が9位と躍進した。
 ◆電子書籍「利用」7% 
 パソコンや、携帯電話、専用端末などで、小説やエッセーを手軽に読めるようになり、読書のスタイルにも変化が出てきている。今回の調査では、こうした「電子書籍」を利用したことがあるかを聞いたところ、「ある」は計7%、「今後利用したい」は計24%だった。浸透はまだこれからのようだ。
 とはいえ、電子書籍の市場は急速に拡大している。IT系出版社のインプレスグループによると、昨年度の市場全体の総売り上げは約94億円で、前年度に比べ倍増。市場の半分を携帯電話向けが占めている。
 背景に、携帯電話の機能向上により、長い文章でも一括してダウンロードできるようになり、大手出版社などが電子書籍の販売サイトを相次いで開設したことがある。10、20歳代を中心に会員数も増えており、今回、電子書籍の利用が「ある」とした人は、20歳代前半が最多の19%、次いで30歳代前半13%、40歳代後半11%――の順だった。
 今後利用したいという人に、電子書籍の種類が増えてほしいかを尋ねたところ、「そう思う」が「どちらかといえば」を合わせて74%に上った。
              ◇
 ◆「面白いから」最多読む理由 
 本を読む理由を聞いたところ、「面白いから」が最多の38%で、以下「知識や教養を深めるため」36%、「趣味を生かすため」24%――などの順だった。「面白い」は、年代別でも20〜40歳代でトップだった。類似の設問を設けた、過去2回と比べると、70歳以上を除く世代で、増加傾向にある。「面白いタイトルで読者をひきつける新書ブームに象徴されるように、小説以外でも娯楽感覚で読書を楽しむ人が増えている」(早川所長)といえそうだ。
 本を選ぶきっかけについては、「ベストセラーなどの話題」が27%で1位。次いで、「新聞や雑誌などの広告を見て」26%、「新聞の書評を読んで」24%、「周囲の人の話を聞いて」22%――などの順だった。
 男女別でみると、女性で「ベストセラー」や「周囲の人の話を聞いて」を挙げる人が多く、それぞれ男性を5ポイント以上、上回った。女性の方が流行や話題に敏感な姿勢が見られた。
              ◇
 ◆筆者と一体になれる時 
 ◇作家・森絵都さん 
 若い頃は本を読みませんでした、などとうっかり口にすると、「なんでだ」「どういうこった」という顔をされることがある。
 生来の読書好きというのは、人は本を読まなくても生きていける、という事実を案外知らないものだ。が、少なくとも10代までの私に読書は必要なかった。自分の目で見て、肌で感じて、泣いたり笑ったり、それだけで大忙しで、誰かの書いたお話にまで気が回らなかった。
 20代で作家を志したのをきっかけに読書を始めてからも、最初のうちは、いまひとつノリが悪かったと思う。勉強のため、という目的意識がよくなかった。しかし、月に何十冊と読み続けるうちに、自然と文章を味わう呼吸法のようなものが備わってきた。より長く、より深く本の世界に潜れるようになった。
 やがてあの瞬間が訪れた。ぞわっとするような身体感覚を伴い、文章の一部に「ひどくしびれる」あの瞬間。リーダーズ・ハイとでもいうべきか――それを書いた筆者の感覚と、それを読む自分の感覚とが、まるでその隔たりをはねのけるようにして重なりあう。私が言いたくて言えなかったこと、もやもやと胸に抱きながらも形にできずにいたことを、なぜこの人はこんなにも的確な、そして鮮烈な言葉に置きかえられるのだろう?
 人は、年を追うごとに少しずつ孤独になる。10代の頃は同じことで笑いあっていた仲間とも、20代になると互いの経験の差から微妙な齟齬(そご)が生じ、心がぴったりとは重なりあわなくなる。それでも小説の中には不思議とぴったりの心を持ちあわせた人物がいて、私は自らの寂しさやもどかしさや怒りを、実在しない彼らとならば無防備に共有することができた。しかも、そこにはストレスフルな日常からつかのま、私を解放してくれる「物語」というオマケまでついていた。
 日常からの逃避と飛翔(ひしょう)。それが20代の読書であったとしたら、30代の今、私が求めているのは刺激物としての読書だろうか。
 年を経てストレスから身をかわす術は覚えたものの、ややもすれば漫然と過ぎていきがちな日常に、ぴりりとアクセントを与えてくれる一冊。だらけた私の襟首をつかんで引きずりまわしてくれる小説や、目が覚めるような驚きを秘めたノンフィクション――読み終えるのが惜しまれるほどに魅力的な一冊が、ありがたいことにこの国には無数にある。
 年齢とともに書物とのつきあいは変わる。それもまた本の世界の懐の深さだと思う。
              ◇ 
 《質問と回答》(数字は%)
 ◆あなたは、この1か月間に、何冊ぐらい本を読みましたか。週刊誌や月刊誌などの雑誌を除いてお答え下さい。
・1冊 17.9      ・5〜9冊     4.0
・2冊 16.0      ・10冊以上    1.8
・3冊  8.5      ・読まなかった  49.0
・4冊  2.5      ・答えない     0.2
 ▼【前問で「読まなかった」と答えた人だけ】
 あなたが本を読まなかった理由を、次の中から、あれば、いくつでもあげて下さい。
・時間がなかったから          45.0
・読みたい本がなかったから       19.9
・本以外で知識や情報が得られるから   17.6
・本を読まなくても困らないから     20.9
・本を読むのが嫌いだから        12.8
・本の値段が高いから           1.8
・本にお金をかけたくないから       2.9
・健康上の理由で読めないから      17.4
・その他、答えない            5.5
 ◆あなたは、主にどのようなきっかけで、読む本を選びますか。次の中から、あれば、いくつでもあげて下さい。
・ベストセラーなどの話題をきっかけに  27.3
・映画やドラマなどの原作を読みたくて  12.8
・インターネット書店などネット情報を見て 5.7
・新聞の書評を読んで          24.2
・雑誌の書評を読んで          10.1
・新聞や雑誌などの広告を見て      25.6
・本を紹介するテレビ番組を見て     12.6
・周囲の人の話を聞いて         21.9
・書店員が書いた本の宣伝文を見て     6.7
・その他、本を読まない、答えない    25.9
 ◆あなたが本を読むのは、主にどのような理由からですか。次の中から、あれば、いくつでもあげて下さい。
・知識や教養を深めるため        35.8
・仕事に役立てるため          14.9
・趣味を生かすため           23.8
・時代の流れを知るため         14.8
・人生の手がかりを得るため       12.6
・現実と違う世界を体験するため      9.4
・面白いから              38.2
・時間つぶしになるから         17.4
・習慣になっているから          6.3
・その他、本を読まない、答えない    20.0
 ◆あなたは、次にあげた分野の本のうちで、どれを一番読みたいと思いますか。3つまであげて下さい。
・純文学(戦後から最近のもの)     10.5
・純文学(戦前のもの)          3.0
・古典文学                3.6
・歴史小説・時代小説          21.8
・推理・SF・冒険小説・ライトノベル  24.2
・ノンフィクション・伝記        16.1
・随筆・エッセー            17.9
・考古学・歴史              4.6
・哲学・思想・宗教            4.4
・政治・法律・国際政治          5.4
・経済・ビジネス・国際経済        9.6
・自然科学                6.1
・健康・医療・福祉・年金        21.3
・教育・育児               8.0
・料理・食生活             16.9
・旅行・レジャー・スポーツ       21.7
・パソコン・情報技術(IT)       5.7
・その他、とくにない、答えない     16.7
 ◆あなたは、パソコンや携帯電話、読書専用の端末などで、小説やエッセーなどが読める「電子書籍」を利用したことがありますか、また、利用したいと思いますか。次の中から、1つだけあげて下さい。
・利用したことがあるし、今後も利用したい 4.2
・利用したことはあるが、今後は利用したいと思わない               3.1
・利用したことはないが、今後は利用してみたい                 19.6
・利用したことはないし、今後も利用したいと思わない              70.4
・答えない                2.8
 ▼【前問で「今後も利用したい、今後は利用してみたい」と答えた人だけ】あなたは、「電子書籍」で読める小説やエッセーなどの種類が、もっと増えてほしいと思いますか、そうは思いませんか。
・そう思う               44.8
・どちらかといえばそう思う       29.3
・どちらかといえばそうは思わない     5.2
・そうは思わない            11.2   
・答えない                9.5
 ◆あなたは、必要な情報をインターネットで手に入れて、本や雑誌を買わずにすませることがありますか、ありませんか。
・よくある   17.1   ・あまりない  9.3
・ときどきある 17.0   ・全くない  54.5
               ・答えない   2.1
 ◆あなたは、最近、本を読む人が少なくなり、本離れが進んでいると言われていることについて、心配に感じることがありますか、ありませんか。
=グラフ参照=
 ◆あなたは、本離れに歯止めをかけるためには、どうするのがよいと思いますか。次の中から、あれば、いくつでもあげて下さい。
・本の値段を安くする          28.5
・学校で読書の時間を増やすなど、読書教育に力を入れる             47.1
・新聞を使った教育を充実させる     13.3
・図書館の数を増やす          13.3
・図書館の開館時間を延長したり、開館日を増やす                16.1
・地域で「読書会」を開くなど、本に接する機会を増やす              9.6
・家庭で読書の習慣を身につけさせる   51.3
・その他                 0.9
・とくにない              12.2
・答えない                2.0
 ◆【お子さんがいる方だけ】お宅では、お子さんに、絵本などの読み聞かせをしていますか。あるいは、お子さんが小さかったころに、読み聞かせをしましたか、しませんでしたか。
・よくする(よくした)         49.2
・ときどきする(ときどきした)     33.8
・しない(しなかった)         15.6
・答えない                1.4
 ◆あなたの好きな作家や著者がいれば、日本人、外国人を問わず、3人まであげて下さい。
=表参照=

 【調査方法】
・調査日=10月14、15日
・対象者=全国の有権者3000人(250地点、層化2段無作為抽出法)
・実施方法=個別訪問面接聴取法
・有効回収数=1,768人(回収率58.9%)
・回答者内訳=男46%、女54%▽20歳代10%、30歳代16%、40歳代16%、50歳代22%、60歳代20%、70歳以上16%▽大都市(東京23区と政令指定都市)21%、中核都市(人口30万人以上の市)20%、中都市(人口10万人以上の市)24%、小都市(人口10万人未満の市)23%、町村12%

 ◎好きな作家・著者 
  順位                   回答数
 今回  2003年            (男 女)
  〈1〉  1 司馬遼太郎     88(63 25)
  〈2〉  3 赤川次郎      55(19 36)
  〈3〉  6 宮部みゆき     46(11 35)
  〈4〉 14 村上春樹      33(18 15)
  〈5〉  2 西村京太郎     32(11 21)
  〈6〉  4 松本清張      30(16 14)
  〈7〉 10 夏目漱石      27(18  9)
  〈8〉 13 藤沢周平      25(11 14)
  〈9〉 49 東野圭吾      21( 4 17)
 〈10〉  5 内田康夫      20( 6 14)
      19 林真理子      20( 1 19)
 〈12〉 19 太宰治       19( 8 11)
 〈13〉 22 遠藤周作      17( 8  9)
      30 川端康成      17( 8  9)
 〈15〉  8 渡辺淳一      16( 4 12)
 〈16〉 29 アガサ・クリスティ 14( 1 13)
      18 宮本輝       14( 3 11)
 〈18〉 26 よしもとばなな   13( 2 11)
 〈19〉 30 田辺聖子      12( 1 11)
      22 山村美紗      12( 1 11)

 

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『読売新聞』2006.11.02
目が不自由でも読書満喫 音声で聴ける「電子書籍」や注文販売の「大活字本」
大阪朝刊
 ◆「団塊」定年狙い企業参入
 視覚障害者や視力の衰えた高齢者が、読書を楽しめる環境作りが進んでいる。情報技術(IT)関連企業や出版社などが、新たな商品やサービスの提供を始めるようになった。これまでは、ボランティアによる点字図書などが大きな役割を果たしてきたが、利用者の選択肢は広がっている。
 ソフトウエア開発会社の「ボイジャー」と「アルファシステムズ」(ともに東京)は10月、インターネットから購入した小説などをパソコンの画面上に表示した電子書籍(特定形式のもの)を、読み上げソフトを使って合成音声で聴くことができるサービスを始めた。
 読み上げソフトのほとんどはこれまで、ホームページなどを読む際には使えるが、電子書籍はコピーや改ざんができないよう保護されているため、使えなかった。電子書籍を販売する出版社の一部から許可を取り、読み上げができるようにした。小説やエッセー、戯曲など約6500作品があり、順次増やす予定。
 ボイジャーの電子書籍表示ソフト「T―Time」(無料)と、アルファシステムズの読み上げソフト「電子かたりべ」(年間利用料3150円)を使い、電子書籍を簡単な操作で聴くことができる。利用している視覚障害者でNPO法人副理事長の松井進さんは「人間は多くの情報を視覚から得ている。その点で、視覚障害者は情報障害者だった。電子書籍の読み上げは大きな助けになる」と話す。
 目の不自由な人が読書を楽しむ際には、点字による点字図書や、大きめの活字を使った大活字本、朗読を収めた録音図書などを図書館から借りるのが一般的だ。これらの作成はボランティアや小規模な出版社に支えられてきた面が大きい。
 この分野に一般企業が参入するようになったのは、「団塊の世代」が来年から定年を迎えるようになり、今後、誰もが使いやすいユニバーサルデザイン(UD)に対する需要が増すと見られるからだ。
 大活字本の分野では、講談社(東京)が昨年11月、注文に応じて本を1冊ずつ販売する「講談社オンデマンドブックス」を始めた。現在、小説やノンフィクションなど94作品があり、1冊税込み1260円から。
 文字の書体にも工夫がされるようになった。書体メーカー「イワタ」(東京)は松下電器産業(大阪)と共同で、文字の線と線の間を広めにとるなど、弱視の人も読みやすい書体「イワタUDフォント」を開発し、7月に出版などの業界向けに発売した。
 視覚障害者らとユニバーサルデザインの可能性を考える「出版UD研究会」(東京)の成松一郎さんは「いろいろな企業が参加することで、誰もが読書を楽しめる環境作りが一層進んでほしい」と話している。

 

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『読売新聞』2006.11.28
ドコモと角川が提携 映像、電子書籍を携帯に配信
東京朝刊
 NTTドコモと角川グループホールディングスは27日、携帯電話向けの映像製作や配信分野などで資本・業務提携すると発表した。ドコモが映画製作・出版会社と提携するのは初めて。携帯電話の「番号持ち運び制度」が10月に始まり携帯会社同士の競争が激化する中、映像番組の充実で顧客の囲い込みを図る。
 両社は角川グループの映画やアニメーションの予告編、電子書籍、コミックを配信する。また、来年6月末までに、角川グループが運営する全国11か所の映画館で携帯電話を読み取り端末にかざすだけで入場券などの支払いができるドコモの「おサイフケータイ」を利用できるようにする。
 角川グループは12月12日付で、ドコモを引受先とする総額約40億円の第三者割当増資を実施する。ドコモは角川グループの発行済み株式の3・78%を取得し、第7位の株主になる。

 

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『読売新聞』2006.12.03
ケータイの“図書館”電子書籍サイト開設/ドワンゴと魔法のiらんど
東京朝刊
 携帯電話向け情報配信のドワンゴと、サイト運営の魔法のiらんど社は、携帯電話向け電子書籍サイト「魔法の図書館plus」を開設した。人気のマンガや小説、毎日更新されるショートストーリーなどを購読できる。NTTドコモのFOMA「700i」「900i」以降の端末に対応。ドコモの公式サイトから接続できる。利用料金は月315〜525円。1編のダウンロードは21円から。(電)03・5614・7308

 

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『読売新聞』2006.12.07
読んでもらえる電子本 金沢のジョブカフェ 県、音声ソフト導入=石川
東京朝刊
 ◆障害者や高齢者も気軽に
 若者向けの就労支援施設のジョブカフェ石川(金沢市広坂)にある「デジタルライブラリー」に県は、音声読み上げソフトを試験的に導入した。視覚障害者にも本を楽しんでもらおうという試みで、県情報政策課は、利用状況などをみて、導入個所を増やしていくことにしている。
 デジタルライブラリーは、パソコンで小説などの電子書籍を読むことができる施設で、パソコン5台を配置している。音声読み上げソフトを導入したのは、5台のうちの1台で、インターネット上に公開された電子図書館「青空文庫」に収録された歴史や文学作品などを読み上げる。4台には、著作権のある電子書籍が入っていることなどから、導入を見送った。
 公共施設でのソフトの購入などは、各施設の判断に委ねられており、統一した指針は定められていない。そのため、県リハビリテーションセンター(金沢市赤土町)は、利用者からの要望を受けて、独自に音声読み上げソフトを導入している。
 音声読み上げソフトの導入を呼び掛けている野々市町の男性(76)は「視覚障害者や画面上の文字が見えづらい高齢者たちも利用することを考え、公共施設では音声読み上げソフトを積極的に導入していってほしい」と話している。

 

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『朝日新聞』2006年12月09日
夕刊
(土曜フォーカス)辞書ネット化、書籍版ピンチ 採算に悩む出版社
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 辞書業界でインターネット版の発売が相次いでいる。10月末の「大辞林」に続き、来夏には「日本国語大辞典」もネット上に配信される。主なポータル(窓口)サイトで無料で利用できるのが当たり前となる中、電子辞書は「軽さ」が受けて健闘しているが、書籍版の部数は減る一方だ。出版社は生き残りをかけ模索を続けている。(寺西哲生)
 小学館がネット上で有料で公開するのは00年刊行の「日本国語大辞典(第2版)」。グループ会社のネットアドバンスが運営する辞典サイト「ジャパンナレッジ」に、来夏から追加される。書店で買えば全14巻で22万500円もする国内最大の国語辞書が、月1575円で利用できるのが売り。ネット版では、用例検索などの付加価値も付ける予定だ。
 10月27日の「文字・活字文化の日」に合わせ、三省堂が発売した「大辞林(第3版)」。購入者に限定して公開するネット上の「デュアルディクショナリー」が特徴だ。「秋」と入力すると「秋深し」「秋の日は釣瓶(つるべ)落とし」などの類語が表示されたり、書籍版で掲載を見送った流行語など1万語が検索できたり。発売1カ月、売れ行き好調で増刷を検討中という。
 業界には「百年間に一度もなかったような大きな変動期」(三省堂・萩原好夫辞書出版部長)という緊張が広がる。
 ◇予想外の大化け
 電子辞書の売れ行きは好調だ。東京・有楽町のビックカメラには、100冊分を搭載しながら、価格は数冊分、重さは1冊にも満たない300グラム程度の機種も並ぶ。売れ筋は3万円前後の中級品という。訪れた都内の男性(57)は「紙は重いし、最近小さい字を読むのが大変」。神田神保町の三省堂書店神田本店の売り場担当者も「高齢者でも抵抗無く選ぶようになっている」と話す。
 大修館書店電子出版開発室の番沢仁識課長は「電子辞書がこれほど大化けするとは思わなかった」。一方、「紙」の辞書は過去8年で4割以上販売が減った。日本国語大辞典の電子配信の発表会見で、ネットアドバンスの黒木重昭・副社長は「出版の低落をどうすれば支えられるか」と悩みを打ち明けた。
 紙が電子化しても中身は同じだが、出版社の懐具合は途端に厳しくなる。
 電子辞書だと、出版社は、電子機器メーカーにデータを提供して対価を受け取るのが商売だ。関係者によると、1台あたり数十円から数千円まで幅広く、1冊の著作権者印税より安い場合もあるという。
 ◇メーカーにPR
 もう一つの悩みは、国語や英和、和英など各分野で、紙の売れ行きが2番手以下だと、なかなかメーカーから声がかからないことだ。
 つまり、電子化が進むほど寡占化が進み、辞書を改訂する資金力が失われていく。大手の三省堂でさえ、大辞林の初版から第2版までの間隔は7年だったが、第3版までは11年かかった。
 小学館は、寡占化対策として「知名度を上げたい」と昨年6月、自前の電子辞書を企画した。
 看板の「ランダムハウス英和大辞典」に加え、「プログレッシブ英和・和英中辞典」「デジタル大辞泉」を搭載し、3万5800円。台数は非公開だが1年間で完売。これが評判を呼び、メーカー数社の電子辞書への収録が決まったという。
 ◇提供戦略に違い
 無料で利用できる検索サイトへの提供では、出版各社の戦略が異なる。提供料は「年間で数百万円ほどで、紙の落ち込みに比べればスズメの涙も出ない」(関係者)ほどで、とても有力な収入源にはならない。
 カシオ、シャープ、セイコーインスツル、キヤノン、ソニーが軒並み電子辞書に採用し、「一人勝ち」状態の「広辞苑」と「ジーニアス英和辞典」。これらの出版元の岩波書店と大修館書店は携帯電話の有料サイトは運営しても、検索サイトには提供しない方針を貫く。岩波書店編集局の田中正明副部長は「業界が自分で自分の首を絞めることになる」と警鐘を鳴らす。
 一方、小学館の辞書の一部は、ヤフーやライブドアで自由に使える。04年4月に初めてヤフーに提供すると、「この字は間違ってないか」「最新のデータと合っていない」と問い合わせが相次いだ。森田康夫プロデューサーは「感覚としては(紙の)10倍ぐらい増え、ネットでは格段に引かれているなと感じた」と、電子化に希望をつなぐ。
 ◆使用料頼みは干上がるだけ
 電子書籍と紙の本をテーマにした「ブック革命」の著書、横山三四郎さんの話 ウィキペディアのようなウェブ辞書が全盛で、紙の辞書の電子化傾向はますます強まる。ネット上の検索先として選ばれないと生き残れない時代になっていく。紙も決して無くならないが、メーカーからのロイヤルティー(使用料)だけでは出版社は干上がるばかり。出版社がもっと電子書籍に打って出て新しいビジネスモデルを構築していくべきではないか。
 ■主な辞書のインターネットへの配信状況(一目でナビ)
 ◇日本国語大辞典(第2版)
 辞書の価格      22万500円(全14巻)
 ウェブサイトへの提供 ジャパンナレッジ(来夏予定)
 価格         月1575円
 ◇大辞泉
 辞書の価格      7560円
 ウェブサイトへの提供 ジャパンナレッジ ヤフー、ライブドア(無料)
 価格         月1575円
 ◇ランダムハウス英和大辞典(第2版)
 辞書の価格      1万5120円
 ウェブサイトへの提供 ジャパンナレッジ
 価格         月1575円
 ◇広辞苑(第5版)
 辞書の価格      7665円
 ウェブサイトへの提供 携帯電話『広辞苑』iモード版
 価格         月105円
 ◇大辞林
 辞書の価格      7665円(07年5月まで)
 ウェブサイトへの提供 Dual大辞林 グー、ヤフーなど(無料だが、第2版のみ)
 価格         7665円(本書込み)
 ◇ジーニアス英和辞典(第3版)
 辞書の価格      3360円
 ウェブサイトへの提供 携帯電話iジーニアス
 価格         月168円
 ◇リーダーズ英和辞典(第2版)
 辞書の価格      7980円
 ウェブサイトへの提供 研究社オンライン・ディクショナリー
 価格         年5775円

 

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『読売新聞』2006.12.18
[回顧2006]出版 ネット進化「紙」転換点 雑誌苦戦、電子化に活路
東京朝刊
 ◆評判増幅され本は堅調 
 出版界にとって06年は、進化し続けるウェブ社会との相克に揺れた1年だったといえるだろう。
 ■本文検索の衝撃  
 特に前半に大きな論議となったのは、書籍の本文検索サービスを、米国発のネットショップ・アマゾンと検索サイト・グーグルが日本でも本格化させつつあることだった。
 出版社から提供を受けた本の全文をネット企業がデータベースに取り込み、利用者が検索した単語を含むページをパソコン画面で見られるようにする。このシステムへの参加を巡っては、本の売り上げ増へつながるのではとの期待感と、預けた書籍の全データが流出しないかとの警戒感の間で、出版業界内部でも議論が割れた。
 その戸惑いの背景は今年話題となった本からも読み取れる。梅田望夫『ウェブ進化論』(ちくま新書)は、米のアマゾンが小部数の本の需要を掘り起こした例を使って、流行語ともなった「ロングテール」(ネット販売がヒット商品以外の売り上げを伸ばすこと)という現象を説明。佐々木俊尚『グーグル Google』(文春新書)は、この検索サイトが進める情報の無料化戦略が、既成のメディアを「破壊」するとした。敵か味方か。紙媒体に頼ってきた出版社にとって米の巨大ネット企業は、疑心暗鬼に陥らざるをえない黒船のようなものだろう。
 ■広がる無料事典  
 今年の雑誌の売り上げは1〜10月で対前年比4・7%減で、9年連続で落ち込むことが確実だ。この低迷に、情報をただで見られるネットの広がりが関係していることは間違いない。「キング」(講談社)など大型創刊誌も苦戦した。さらに、雑誌の収益の多くが広告頼みのことを考えれば、サービスをただで利用させ、広告収入で運営するネット企業は脅威だ。
 ネット上の無料百科事典「ウィキペディア」などの広がりは、活字の事典や辞書作りを困難にしている。10月に今世紀最初の大型国語辞典改訂版として登場した「大辞林」第3版も、ネットでも利用できることをうたわざるをえなかった。
 ■電子コミック活況  
 ネットの広がりを積極的に利用しようという動きも加速した。特に期待が高いのが、携帯電話のコミック有料配信を中心とする電子書籍市場の伸びだ。
 「電子コミックビジネス調査報告書2006」(インプレスR&D)によると、今年度の電子コミック市場は、前年の約34億円から2、3倍の規模になることが確実で、「小説を含め電子書籍は1年で10倍の伸び」という出版社もある。制作コストや著作権問題を話し合う「デジタルコミック協議会」も昨年設立され、独自の携帯サイトを持つ出版社も増えてきた。
 雑誌をネット上に移す動きも顕著になった。講談社「ミチャオ!」、双葉社「コミック・シード」などウェブコミック誌が登場したのを始め、小学館は来年、有料のネット・マガジン創刊を準備していることを発表した。
 小学館ネット・メディア・センターの岩本敏室長は、「出版社の命は紙ではなく編集力とコンテンツ(情報内容)。無料で顧客を囲い込んできたインターネットの世界に逆襲し、正しく役立つ情報で利用者にお金を払ってもらうビジネスを作り上げたい」という。
 ■人気集中しやすい  
 低迷する紙の雑誌に対して書籍は、1〜10月で1・4%増と底堅さを見せている。朝日新書、幻冬舎新書が新たに参入し、戦争と呼ばれるほどの活況を呈している新書や、映画、テレビとのメディアミックスによる販売が定着した小説の好調が下支えしている。
 今年を代表するベストセラーとなった232万部の藤原正彦『国家の品格』(新潮新書)など、ミリオンセラーの続出は、ネットが普及し始めた1990年代後半以降に目立っている。情報が多様化するほど、一つのものに人気が集中する特異な現象は、売れているという情報が加速度的に増幅するウェブ社会と無縁ではない。
 『グーグル・アマゾン化する社会』(光文社新書)の著者、森健さんはこう予測する。「無限にあるネット上の情報は、探さないと行き着けない。広告で競合する雑誌は厳しくなるが、思想や感動などをまとまった形で受け取れる良さがある書籍の需要は完全にはなくならない」
 ネットにのみ込まれるか、道具として利用するか。出版メディアは岐路に立っている。(佐藤憲一)


*作成:植村 要
UP: 20100706  REV:
情報・コミュニケーション/と障害者  ◇視覚障害者と読書  ◇電子書籍  ◇テキストデータ入手可能な本 
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