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電子書籍 -2009

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■HPからの関連ニュースなど



◆2009/2/22 日本電子出版協会後援 シンポジウムのご案内
http://www.jepa.or.jp/seminar/seminar.php?id=131
日本電子出版協会
◆日本電子出版協会後援 シンポジウムのご案内◆
「アクセシブルな電子本を届けよう――読書に障害のある読者が利用できるシステム構築をめざして」
内容
講演1「読書障害者の読書を助けるブックシェアプロジェクト(米国)の現状と課題」
   ジム・フラクターマン(ブックシェアプロジェクト代表)【日本語通訳あり】
講演2「障害当事者が求める電子本」
   松井進(BRC副理事長)、南雲明彦(学習コーチアカデミー)
講演3「電子本をもっとアクセシブルに」
   萩野正昭(ボイジャー社長)、金子和弘(講談社)
バリアフリー資料リソースセンター(以下、BRC)は、「出版社」と「本をそのままの状態で利用することが困難な読者(読書障害者)」との橋渡しをおこなう第三者機関として、2005年10月に発足したNPO法人です。
BRCでは、市販されている本をそのまま読めない・読みにくい人のために、
「データ」を提供する事業と「読みにくさ」を抱えている読者の潜在的なニーズを調査研究する事業を中心に活動を行っています。
このたび、BRCではアメリカでオンライン上でデータ提供を行い、視覚障害や学習障害などいわゆる読書障害者の情報環境改善に大きな成果を上げている
「ブックシェアプロジェクト」の代表者であるジム・フラクターマン氏をお招きし、同プロジェクトについてご紹介いただくことにしました。
また、読書障害者の立場から、自分たちが求めている電子本について、BRCが昨年度実施した視覚障害のある読者へのアンケート調査の結果や、今年度実施している「読み」に困難のある当事者・支援者へのアンケート調査の概要などをまじえながら、報告していただくとともに、出版社の側からは、市販されている電子本を自由に拡大したり、オンデマンド大活字本をつくる、あるいは合成音声で読み上げが可能になっているといった事例を報告いただきます。
■プログラム
13:00 受付開始
13:20 開会挨拶 服部敦司(バリアフリー資料リソースセンター理事長)
13:40 講演1「読書障害者の読書を助けるブックシェアプロジェクト(米国)の現状と課題」ジム・フラクターマン(ブックシェアプロジェクト代表)【日本語通訳あり(逐語通訳)】
※ブックシェアは、2000年から運営されている会員制のウェブ図書館サービス。会員6,000人(2007年現在)のうち、80%が視覚障害者、15%が読字障害者、5%が自分でページをめくれない身体障害者である。入会金25ドル、年会費50ドルを払った読書障害者は、ウェブ図書館にアップされている電子本を自由にダウンロードし、自分にあった読書スタイルで読書することができる。障害学生支援を担当している大学も法人会員となっている。2007年現在、34,000タイトルの電子本(英語とスペイン語)がアップされている。ブックシェアの実績を評価したアメリカ政府は、5年間で3200万ドルの予算をつけ、約10万タイトルの教科書・教材の電子化を委託している。
14:40 講演2「障害当事者が求める電子本」松井進(BRC副理事長)+南雲明彦(学習コーチアカデミー)
※松井進氏は視覚障害当事者、南雲明彦氏は読字障害当事者の立場から、電子本に対する期待を語っていただく。
15:20 休憩(20分)※協賛社による関連書籍や読書障害者が利用している情報機器に関するミニ展示を行います。
15:40 講演3「電子本をもっとアクセシブルに」萩野正昭(ボイジャー社長)+金子和弘(講談社)
※ボイジャーは、2006年2月にドットブックのブラウザ「T-Time」へロービジョンモードを標準搭載するとともに、2008年10月には高知システム開発のソフトウエア「My Book」への対応を発表。現在、講談社・新潮社・角川書店が発行するドットブックの合成音声読み上げが実現している。また、ドットブックからオンデマンド印刷するシステムT-Bridgeの開発により、講談社から目にやさしい「講談社オンデマンドブックス・ワイド大活字版」などが出版されている。
16:20 質疑応答
16:40 閉会挨拶
16:50 閉会
■定員:100人
■主催:特定非営利活動法人バリアフリー資料リソースセンター(BRC)
■共催:静岡県立大学国際関係学部石川准研究室
■後援:日本電子出版協会(JEPA)、出版UD研究会
■協賛:株式会社アメディア、ケージーエス株式会社、株式会社高知システム開発、有限会社読書工房、株式会社ラビット(五十音順)
日時
平成21年2月22日 13時20分〜16時50分(13時受付開始)
場所
日本教育会館 9F第5会議室


◆2009/3/30 読む権利同盟(Reading Rights Coalition)、誰もが電子書籍を利用できるよう、著作者に許諾を要請
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/access/copyright/kindle/RRC.html
読む権利同盟(Reading Rights Coalition)、誰もが電子書籍を利用できるよう、著作者に許諾を要請
2009年3月30日
即時発表用
問合せ先:
全米盲人連合(National Federation of the Blind)
広報部長(Director of Public Relations)
クリス・ダニエルセン(Chris Danielsen)
(410)659−9314 内線2330
(410)262−1281(携帯電話)
cdanielsen@nfb.org
読む権利同盟(Reading Rights Coalition)、誰もが電子書籍を利用できるよう、著作者に許諾を要請
作家協会(Authors Guild)本部にて啓蒙のための抗議行動実施へ
 ニューヨーク市(New York City)(2009年3月30日):印刷字を読めない障害がある人々を代表する読む権利同盟(Reading Rights Coalition)は、アマゾン社(Amazon)のKindle 2用電子書籍からのテキスト読み上げ機能削除の危機に反対し、ニューヨーク市(New York City)31East 32nd Streetの作家協会(Authors Guild)本部前で、2009年4月7日12時から午後2時まで抗議行動を実施する。同同盟には、視覚障害者、ディスレクシアの人々、学習あるいは処理の問題を抱える人々、失明した高齢者、脊髄損傷者、脳卒中から回復しつつある人々、そしてその他の多くの人々が参加しており、その誰もが、Kindle 2へのテキスト読み上げ機能の追加によって初めて、255,000冊を超える書籍への、容易かつ主流のアクセスを約束される。
 アマゾン社(Amazon)は、2009年2月9日にKindle 2電子書籍リーダーを発売した際、この機器で、テキスト読み上げ技術を使用して電子書籍を読むことができると発表した。しかし作家協会(Authors Guild)からの圧力を受け、同社はさらに、Kindle 2で利用できる電子書籍のいずれか、あるいはすべてについて、テキスト読み上げ機能を無効にする権限を、著作者と出版社に与えると発表した。
 全米盲人連合(National Federation of the Blind)代表のマーク・マウラー(Marc Maurer)博士は、次のように語った。「視覚障害者と印刷字を読めない障害がある人々は、長年、情報にアクセスし、これを読みとるために、テキスト読み上げ技術を活用してきました。技術が進歩し、ますます多くの書籍がハードコピーの印刷物から電子フォーマットへと移行するにつれて、印刷字を読めない障害がある人々は、歴史上初めて、印刷字を読める人々と対等に書籍を利用し楽しむ機会を手に入れました。Kindle 2用電子書籍のテキスト読み上げ機能を無効とする選択を行う著作者と出版社は、視覚障害者やその他の印刷字を読めない障害がある人々が、これらの電子書籍を読めないようにしてしまうのです。これは明らかに差別であり、私たちはこれを認めません。」
 高等教育と障害者協会(AHEAD)のマイク・シャッティック(Mike Shuttic)会長は述べた。「AHEADは、障害を尊重し、機会均等を具体化する教育的・社会的環境を理想としています。このAHEADのビジョンは、この同盟の取り組みと直接つながっています。現在直面する可能性のある障害や問題について、多くの発言がなされていますが、基本的な目標は、明確かつシンプルです。それは、すべての人のためのアクセスということです。ではなぜ、それを妨げるものを作るのでしょうか?」
 米国盲人委員会(American Council of the Blind)のミッチ・ポメランツ(Mitch Pomerantz)委員長は、こう語った。「テキスト読み上げ機能の削除は、何万人もの視覚障害者が、通常の印刷出版物を利用できるようにする革新的な技術解決策への扉を閉ざすものです。」
 アメリカ障害者協会(American Association of People with Disabilities : AAPD)のアンドリュー・インパラート(Andrew Imparato)会長兼CEOは述べた。「技術機器があらゆる障害者を締め出すというのは、言語道断です。AAPDは、技術におけるアクセシビリティとユーザビリティを阻むバリアの撤廃に取り組んでおり、障害者だけがアクセスのために余計な費用を負担しなければならない状況は望んでいません。電子書籍のような新技術は、障害の有無にかかわらず、すべての人が利用できるようにしなければなりません。」
 アメリカ盲人協会(American Foundation for the Blind)のポール・シュレーダー(Paul Shroeder)プログラム・政策担当副会長は、次のように語った。「印刷字を読めない障害がある私たちは、他のすべての人と同時に書籍とメディアを利用できる世界を、長いこと夢見てきました。Kindle 2は、初めてその可能性を与えてくれました。テキスト読み上げ機能は、印刷物にアクセスするための単なる代替手段であるということを、出版社と著作者の皆様にはご理解いただけますよう、お願い申し上げます。」
 シラキュース大学バートン・ブラット研究所(Burton Blatt Institute at Syracuse University)所長で大学教授のピーター・ブランク(Peter Blanck)博士は次のように述べた。「電子書籍が常識になると、ユニバーサルなアクセスの否定により、さらに多くの障害者が、教育、雇用、そして社会的な会話から外されていくことになります。私たちの社会に大きな影響をおよぼす議論に、このような人たちの参加や協力がなければ、私たち全員が困ることになるでしょう。」
 DAISY(デジタルアクセシブル情報システム)コンソーシアムのジョージ・カーシャ(George Kerscher)は語った。「DAISYコンソーシアムは、印刷字を読めない障害がある人々が、余計な時間や費用をかけることなく、情報や知識に平等にアクセスすることができる世界を理想としています。著作者や出版社の皆様にも、このビジョンをしっかりと共有していただかなければなりません。人権問題が語られ、売上増加の可能性が明らかとなった今、作家協会(Authors Guild)の皆様には、テキスト読み上げ機能に関する見解を改め、あらゆる人に読書の世界を開くよう、すべての出版社および読み上げ技術開発者に対し、私たちとともに積極的に働きかけていくことを、強くお願い申し上げます。著作者の皆さん、私たちと一緒にデモに参加してください。」
 IDEALグループ(IDEAL Group Inc.)のスティーヴ・ジェイコブズ(Steve Jacobs)社長は、述べた。「テキスト読み上げ機能は、視覚障害者にとって重要なだけでなく、効果的に学ぶためにこの機能に頼っている何百万人もの若い人たちに、質の高い教育を提供する上でも非常に重要です。これには、眼だけで情報を得る能力に影響をおよぼす、自閉症、学習障害、運動障害および認知障害のある生徒が含まれます。私は、作家協会(Authors Guild)の才能ある方々が、電子書籍のテキスト読み上げ機能の削除によって起こりうる悪影響を理解し、考え直してくださることを願い続けます。」
 インターネット国際障害者問題解決センター(International Center for Disability Resources on the Internet : ICDRI)のシンシア・D・ワデル(Cynthia D. Waddell)所長は言った。「ICDRIの使命は、電子情報技術におけるバリアの撤廃と、平等なアクセスの促進を支援することです。Kindle 2のテキスト読み上げ機能は、歴史上初めて、書籍への主流のアクセスを拡大するものであり、ICDRIではこれを歓迎します。ICDRIは、作家協会(Authors Guild)がなぜこれを削除するよう要求しているのか、疑問に感じております。なぜなら、テキスト読み上げ機能が元通りに搭載されれば、さらに多くの書籍が売れることになるからです。この機能は障害者のためになるだけでなく、英語が母国語ではない人々にとっても役立ちます。モバイル化がますます進む社会において、コンテンツへのアクセスの柔軟性は、すべての人の生活の質を向上させます。」
 ナレッジ・エコロジー・インターナショナル(Knowledge Ecology International)のジェイムズ・ラヴ(James Love)代表はこう語った。「誰もが目が見えるわけではないことを十分理解した上で、作家協会(Authors Guild)は、見てもらう権利は求めていますが、聞いてもらう権利は求めていないのです。アマゾン社(Amazon)にKindle 2の技術を変更することをいじめっ子のように迫れば、作家協会(Authors Guild)は、障害者のアクセスを拒否したり、障害者の経済的な負担を増やしたりすることになるでしょう。そしてこのような方法で障害者を攻撃することにより、作家協会(Authors Guild)は、ともすれば障害者コミュニティがもたらすことができる貢献から利益を得られるすべての人々を攻撃しているのだといえます。」
 全米学習障害センター(National Center for Learning Disabilities)の ジェイムズ・H・ウェンドルフ(James H. Wendorf)所長は語った。「文字で書かれた言葉へのアクセスは、教育と民主主義の基礎を成すものです。新技術は障害者の邪魔をするのではなく、障害者のために役立てられなければなりません。家庭と学校、そして最終的にはこの国の経済の行方が、過去の差別的な慣習や信条ではない、未来に向けた支援にかかっているのです。」
 Kindle 2は現在、視覚障害があるユーザーにとってアクセシブルではないが、アマゾン社(Amazon)は最近になってKindle 2 のブログを通じ、この機器のナビゲーション機能を視覚障害者にアクセシブルにするよう取り組んでいるところであると発表した。
 同連盟の参加団体は以下の通り:アメリカ障害者協会(American Association of People with Disabilities)、米国盲人委員会(American Council of the Blind)、アメリカ盲人協会(American Foundation for the Blind)、高等教育と障害者協会(Association on Higher Education and Disability)、バゼロン精神保健法センター(Bazelon Center for Mental Health Law)、バートン・ブラット研究所(Burton Blatt Institute)、DAISY(デジタルアクセシブル情報システム)コンソーシアム(DAISY Consortium)、障害のある人の権利教育・援護基金(Disability Rights Education and Defense Fund: DREDF)、IDEALグループ(IDEAL Group Inc.)、インターネット国際障害者問題解決センター(International Center for Disability Resources on the Internet)、国際ディスレクシア協会(International Dyslexia Association)、国際ディスレクシア協会ニューヨーク支部、ナレッジ・エコロジー・インターナショナル(Knowledge Ecology International)、米国学習障害協会(Learning Disabilities Association of America)、全米学習障害センター(National Center for Learning Disabilities)、全米障害者権利ネットワーク(National Disability Rights Network)、全米盲人連合(National Federation of the Blind)、NISH、および全米脊髄損傷協会(National Spinal Cord Injury Association)
 4月7日のニューヨーク市(New York City)における抗議行動に加え、同同盟では、4月25日・26日のロサンゼルスタイムズ・ブックフェスティバル(Los Angeles Times Festival of Books)にも参加を予定している。


◆2009/4/7 パブリッシャーズ・ウィークリー(Publishers Weekly)
http://リン・アンドリアニ
パブリッシャーズ・ウィークリー(Publishers Weekly)
2009年4月7日午後1時49分
 印刷字を読めない障害(印刷字を読む能力を制限する身体障害)があるおよそ200人の人々がこの日、ニューヨーク(New York)の作家協会(Authors Guild)本部前で、アマゾン社(Amazon)にKindle 2のテキスト読み上げ機能を無効にすることを求める 同団体の企てに反対する抗議集会を開いた。全米盲人連合(National Federation of the Blind)に率いられた抗議者らは、「我々に電子書籍を!」「我々全員が読めるものを!」そして「2、4、6、8、作家協会(Authors Guild)による差別だ!」と繰り返し唱えた。
 このデモは、Kindle 2で利用できる電子書籍すべてについて、著作者と出版社にテキスト読み上げ機能を無効にする権限を与える予定であるという、アマゾン社(Amazon)の発表を受けて行われた。抗議者らが「Kindleを無効にするな」「作家協会(Authors Guild)に電子書籍を投げつけろ」「Kindleに言論の自由を」などのスローガンを記した看板を掲げる一方で、読む権利同盟(Reading Rights Coalition)のメンバーらが、マイクや拡声器を手に群衆の前で演説をした。
 「今日、多くの方々が参加してくださったことを非常に喜んでおります」と、全米盲人連合(National Federation of the Blind)のクリス・ダニエルセン(Chris Danielsen)広報部長は語った。同連合は、本拠地であるボルチモア(Baltimore)からバス2台分の参加者を引き連れて抗議行動に参加し、その他の抗議者たちは、バージニア州(Virginia)、ペンシルバニア州(Pennsylvania)、コネティカット州(Connecticut)およびニュージャージー州(New Jersey)から集結した。Danielsen(ダニエルセン)は、彼自身はKindleを所有していないが、テキスト読み上げ機能がすべての電子書籍に使用できるようになるなら、「印刷字を読めない障害がある1500万人の他のアメリカ人と同様」Kindleを手に入れるであろうと述べた。アマゾン社(Amazon)では、権利保有者の許可があれば、Kindle のテキスト読み上げ機能を有効にする予定でいる。抗議のためにボルチモア(Baltimore)からニューヨーク(New York)を訪れた盲目の学生ダイアン・グラント(Diane Grant)は、読書用に別の機器を所有しているが、読むためには本をスキャンしなければならないのだと語った。グラント(Grant)もまた、テキスト読み上げ機能が使えるようになれば、Kindleを購入すると述べた。ニュージャージー州(New Jersey)で点字を教えているクリスティ・リンチ(Christy Lynch)は、ここに来たのは「この運動を称えるためです。視覚障害者は、他の人々と同じ権利を持っているのです」と語った。
 作家協会(Authors Guild)のポール・エイケン(Paul Aiken)会長は、公式声明を発表し、その中で、視覚障害者およびその他の印刷字を読めない身体障害があると認められた人々に、著作権のある書籍の音声版を含む特別版の利用を認める、チェーフィー改正(Chafee Amendment)として知られる著作権法の例外の適用を提案した。「技術により、この手続きは容易となるでしょう」とエイケン(Aiken)は述べたが、この日、抗議者らによって配布されたビラでは、このシステムは「厄介である」としている。エイケン(Aiken)はまた、アマゾン社(Amazon)およびその他の電子書籍機器製造業者らに、点字キーボードと可聴式メニューコマンドを含む音声出力機能を備えた機器の製造を促し、さらに出版社には、既存の書籍契約を改正し、チェーフィー改正(Chafee Amendment)のもとでは特別扱いの対象とならない学習障害者など、その他の人々にも、音声出力の利用を認めるよう働きかけた。「今日の抗議行動は、遺憾であり、また無用であります」とエイケン(Aiken)は述べた。「私たちが連合側の弁護士に、1か月前初めて申し入れ、以来何度も繰り返しお伝えしてきましたように、発売される電子書籍をすべての人にとってアクセシブルにする解決策を達成するために、誠意を持って交渉を進めていくことをお約束します。」


『読売新聞』2009.04.27
[社説]グーグル図書館 活字文化とどう共存するか
東京朝刊
 電子書籍のデータベース化が日本の出版界に与える影響は、とりあえず最小限に食い止められそうだ。しかし、活字文化の将来に及ぼす影響について考えさせられる。
 検索大手のグーグルが進めている世界中の書籍の全文をデータベース化する計画をめぐり、全米作家組合などが著作権侵害を訴えていた裁判で、近く和解が成立することが決まった。
 和解の結果、グーグルはデータベースの利用権の販売などが可能となり、著作権者には収入の63%が分配される。
 問題は、米国の集団訴訟制度により、和解の効力が訴訟の当事者以外にも及ぶことだ。
 著作権に関する国際条約(ベルヌ条約)により、日本人の著作権者も和解拒否の通告をしなければ和解に参加したと見なされる。
 和解拒否の通告期限は来月5日に迫っている。ただし、和解に参加した上で、個々の著作物をデータベースから削除出来る。一部に反発もあるが、大半の著作権者は和解に参加すると見られる。
 閲覧は米国内に限られる。また絶版になる以前の書籍は、原則として閲覧できない。
 当面多大の影響はないと見られるが、絶版の定義や、現在のルールがいつまで維持されるかなど不明の点も多い。
 書籍の本文をデジタル化して巨大な「電子図書館」に集積し、ネットを通じて提供するグーグルの事業計画は、出版界に新しいビジネスモデルを提示している。
 日本でも普及すれば、読者は希少な本を簡単に閲覧出来るようになるだろう。読者層の広がりは、執筆者にも歓迎されるはずだ。
 だが、そのために出版社の経営が先細りになれば、執筆者と編集者の連携を通じて育まれてきた日本の活字文化が変容を迫られる可能性もある。
 グーグル型の大規模な電子図書館を構築する構想は、日本国内では打ち出されていない。
 国立国会図書館は、著作権が切れた明治、大正時代の書籍を中心に電子化の作業を進めている。
 今国会で審議中の改正著作権法案には、国会図書館の資料は著作権者の許可なしに電子化して保存できることが明記された。
 資料の損傷を防ぐための措置だが、国会図書館の電子データベースの拡充につながるだろう。
 書籍の電子化の時代を迎え、活字文化をいかに育てていくべきなのか。グーグル問題を契機に、さらに議論を深める必要がある。


『読売新聞』2009.05.04
[スキャナー]米グーグルの書籍デジタル化 著作権活用か侵害か
東京朝刊
 ◇SCANNER
 米グーグル社の書籍デジタル化事業を巡り、同社が米国の作家らと和解した問題が、各国の作家や出版社に波紋を広げている。著作権を巡る国際的混迷は、デジタル化時代に書籍の著作権をどう守り活用するかという難問も突きつけている。(文化部 川村律文、ニューヨーク 佐々木良寿、ブリュッセル 尾関航也)
 ◆作家ら賛否両論/日本
 「アメリカの和解が日本の権利者を巻き込むなんて、とんでもない!」??。4月24日、東京の日本ペンクラブに、作家や出版社の著作権担当者らが集まり、異例の意見交換会が開かれた。グーグルと米国の作家らとの和解が世界の書籍に影響するとの通知がなされ、グーグルのデータベース化を前提とした和解に参加するか否かの決断を日本の著作権者も迫られたからだ。参加者からはグーグルへの反発と、突然の事態に困惑する意見とが相次いだ。
 データベース化の対象作品は、把握分だけで新潮社で約1万2700点、集英社は約1万5000点。既に「日本ビジュアル著作権協会」の著作権者らが和解拒否を表明し、日本文芸家協会や日本ペンクラブも4月に「日本の著作権者と出版各社を大混乱に巻き込んだ」(文芸家協会)とする抗議声明を発表した。
 ただ、著者や出版社の大勢は、反発しながらも和解へ参加する方針だ。日本文芸家協会は「最低限の防衛策」として、和解に応じた上で個々のデータの削除を求めることを勧めている。三田誠広副理事長は「個別にグーグルへの訴訟を起こすのは、時間と労力がかかり、損害額の算定も難しい」と説明する。
 一方で和解を肯定的にとらえる著作権者もいる。作家の佐々木譲さんは「ネット上で作品が公開されれば、本に触れる機会が広がり、新たな読者を作り出す」と期待する。
 ◆仏独は反発・抗議/欧州
 フランス作家協会は「著作権の原則に対する侵害」と反発する。著作権は、「人権」と同様、申告しなくても自動的に発生するとする欧州流の考え方が根底にある。ドイツ作家協会も「欧州の概念と相いれない」との抗議声明を発表した。出版社も認識は同じだ。スイスで出版社を営むベルナール・カンピシさん(56)は「米国人たちが勝手に決めた。著作権の聖域が侵された」と憤りを隠さない。
 一方、英語圏の英国とアイルランドでは肯定的な見方が強い。両国の作品は多くが米国内でも流通し、今後グーグルから獲得できる著作権収入は小さくない。英作家協会、英出版社協会ともに、和解に歓迎の意を表明した。
 欧州全域の作家団体を束ねる欧州作家会議(本部ブリュッセル)のミリアム・ディオカレツ事務局長は、和解について「倫理と利潤の二つの側面がある」と指摘する。著作権の原理原則に基づく倫理を取るか、グーグルの手を借りて利潤追求を優先するかという難しい選択だ。
 ◆出版社など歓迎/米
 和解には全米出版社協会や全米作家組合も歓迎の意向を示しているが、「絶版書籍販売に関してグーグルによる事実上の独占になる懸念がある」との法律専門家の見解も伝えられている。
 和解の意義についてグーグルが強調するのは、絶版などで入手困難な書籍の「救出」だ。書籍のデータベース化により、読者は図書館でしか読むことのできない書籍を容易に探し購読できる。著作権者も新たな販路の登場で、印税収入の道が再び開かれる。グーグルの書籍検索システムの責任者のひとりトム・ターベイ氏は、「20世紀に発刊された書籍のほとんどが、もはや収入に結びつかないと出版社から見捨てられていた」と指摘している。

 ◆「認めれば補償金」 米の和解、世界を拘束 
 今回の事態は、グーグルが米国内の大学図書館などと連携して蔵書をデジタル化する計画に対し、全米作家組合と全米出版社協会が「著作権侵害」として2005年に集団訴訟を起こしたことが発端となった。
 両者は昨年10月、グーグルのデジタル化を認める代わり、一定の金額を著作者に払う内容で和解に合意。著作権に関する国際条約「ベルヌ条約」の規定などにより、世界中の著作権者がこの和解に拘束されることになった。グーグルは、デジタル化した情報は、米国以外からは見られないようにする方針。
 和解の発効には裁判所の承認が必要で、法的手続きの一環として世界各国で和解内容の通知が行われた。著作権者が和解を拒否するための通告期限は今月5日だったが、ニューヨーク連邦地裁は申請期限を9月4日まで延長した。
 ◆各国に電子図書館 埋もれた知、発掘の機会 
 書籍のデジタル化は各国で急速に進んでいる。欧州では、欧州委員会の主導で、非営利の電子図書館「ヨーロピアーナ」の構築が進む。2004年にグーグルが計画を発表した翌月、営利企業による「知」の独占に危機感を持ったフランス国立図書館長が、対抗手段を提唱したのがきっかけだ。日本でも国立国会図書館が「近代デジタルライブラリー」と銘打ち、明治、大正期の書籍14万8000冊をインターネット上で公開している。
 現在デジタル化されているのは、著作権者の許諾を得た作品と、著作権が失効した作品が中心だ。古い著作物は著作権者が不明でデジタル化が困難なものも多い。こうした「孤児著作物」を含め、アメリカの流通上「絶版」で、かつ著作権者から反対の意向表明がなければデジタル化の対象となるとした今回の和解によって、グーグルの計画は従来のものよりも充実したものとなる可能性がある。
 書籍のデジタル化は、図書館に眠る膨大な蔵書のネットを通じた利用を促し、埋もれた知を掘り起こす機会を生み出す。アジアで唯一、グーグルのプロジェクトに参加した慶応大学の杉山伸也図書館長は「日本語で書かれた知を世界に主張するため、このシステムに載せることは重要」と強調する。一方、無秩序なデジタル化の進行は、出版業を衰退させるとの懸念も根強い。電子書籍に詳しい東京電機大学出版局の植村八潮局長は「デジタル化しているのはあくまで紙の情報。情報を編集して信頼性を高める出版の役割をまず評価しなければ」と指摘する。
 和解承認後の事業展開について、グーグルは詳細を公表していない。今回の和解が出版文化を発展させるのか、破壊するか??。世界中が注視している。


『朝日新聞』2009年05月08日
朝刊
大画面で新聞もOK アマゾン新端末、米で発売へ
 【ニューヨーク=丸石伸一】米インターネット通販最大手のアマゾン・ドット・コムは6日、電子書籍端末「キンドル」シリーズの新機種「キンドルDX」を今夏に発売する、と発表した=写真、ロイター。従来機より画面を2・5倍の9・7インチと大型化。新聞など大きな紙の媒体も読みやすくした。
 無線でネット接続し、パソコンを経由せずに新聞や書籍をダウンロードできる。新機種の重さは約535グラム。容量は3・3ギガバイトで、書籍であれば最大3500冊保存できる。価格は489ドル(約4万8千円)。
 新機種の発売に合わせ、米紙ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストは、従来の配達地域以外にも独自配信を試み、宅配や駅売りよりも安くネット配信する予定という。ニューヨーク・タイムズのアーサー・サルツバーガー・ジュニア会長は「新聞を読者に届けることができる範囲が広がる」との談話を出し、読者を拡大できる効果を強調した。


◆2009/5/18 点字が浮き上がる電子書籍リーダー

点字が浮き上がる電子書籍リーダー
掲載日時:2009.05.18 13:00
これぞ最も優れた電子ペーパーの活用法なのかもしれません…
まだコンセプトデザインでしかないのですが、E-Inkの電子ペーパーディスプレイを採用した「Braille E-Book」は、ディスプレイ表面が電気活性ポリマー素材でできていて、電気が流れるごとに、点字が浮き上がってくる仕様になっているとのことですよ。
いろんな書籍が点字版でも入手できるようになってきているとはいえ、そのかさばるサイズや、点字プリントを用意する手間などから、あらゆる本や雑誌が、次々と点字化されているわけではないですよね。
でも、このBraille E-Bookが普及して、手軽に点字版の電子ブックを出版し、コンパクトサイズで携帯して、視覚障害者の読書の幅が広がること…。こんなすばらしいことってないんじゃないでしょうか。すでにモニター調査では、現行の「Kindle 2」などに搭載されるテキスト読み上げ機能なんかよりも、よっぽど視覚障害者にとっては使い勝手がよく、好評価なんだそうですね。
あとは早期の製品化を応援したいと思います。


『読売新聞』2009.06.02
携帯電話の新作発表会=愛知
中部朝刊
 KDDI09夏モデル発表会が、名古屋市中村区のミッドランドスクエアのアトリウムで開かれた。「去年とは違う夏。」をテーマに、太陽の光で充電できるソーラーパネル搭載機種や、タッチパネルで操作できるスポーツに適した防水仕様の携帯など、携帯電話auの新製品8機種が発表された。電子書籍の検索や閲覧が快適な「biblio」は、専用のケータイケースをブックカバーのように見せ、「本」を読んでいるかのようなスタイルで読書を楽しめる。発表会には特別ゲストとして、タレントの押切もえさん=写真=らも参加し、新機種をPRした。


『読売新聞』2009.06.07
86歳奔走、音声コーナー 読書、目の不自由な人も 流山の図書館=千葉
東京朝刊
 ◆流山の図書館で順次開設へ 
 86歳の元映画プロデューサーの熱意で、流山市立図書館に音声読書コーナーが開設されることになった。目の不自由な人にも聞いてもらえる電子出版で自叙伝を出版した経験から企業や大学に支援を呼びかけ、読み上げソフトやパソコンが無償提供される。
 音声読書の普及に取り組んでいるのは、流山市東深井の栗山富郎さん。映画人として、さまざまな交流や裏話などをつづった自叙伝「デラシネ?わたくしの昭和史」を電子出版した。文章がデジタル情報化される電子書籍物なら簡単に音声化できることを知り、「音声に違和感もなく、すごい」と驚いたという。
 今年2月、同市の「森の図書館」で行った講演で、この経験を紹介し、音声読書の有用性を訴えた。会場には、盲導犬を連れた視覚障害者らの姿もあり、市民らが参加した講演後の懇談で「図書館にも本を音声で楽しめる場所を作ろう」との意見で一致した。
 音声読み上げソフトを作成している「高知システム開発」(高知市)に出版社を通じて協力を依頼したところ、賛同した同社がソフト10セットの寄付を快諾。対応するパソコンがない図書館もあることから、市立図書館と相互貸し出しなどを実施している江戸川大がパソコン2台を寄付することになった。
 江戸川大と交渉したのは、栗山さんの近所に住む主婦小名木紀子さん(47)。「地元の自治会では、栗山応援団みたいな感じです」という。「森の図書館」を運営するNPO法人「ながれやま栞(しおり)」の高橋道子さん(60)は「高齢者には見えない行動力には驚き」と感心する。同図書館では講演後、点字コーナーを整備した。応接室を活用して音声読書コーナーを開設するという。
 今後、市内の各図書館と分館、江戸川大の図書館などに順次設置される予定。自らの視力低下にも苦しむ栗山さんは「流山を発信地に、音声読書の動きが全国の図書館に広がってほしい」と期待する。今後、東京都内などでも講演を行い、「読書のバリアフリー(障壁なし)化」を訴えていく。


『読売新聞』2009.06.10
「イモトの動物図鑑」電子版を配信 「日テレeブックス」から
東京夕刊
 日本テレビのバラエティー番組「世界の果てまでイッテQ!」(日曜後7・58)から書籍化された「珍獣ハンターイモトの動物図鑑」の電子版の配信が、電子書籍サイト「日テレeブックス」=写真=で始まった。
 このサイトは、日テレの電子書籍サイトとして、昨年12月に開設。日テレ系で放送されたドラマなどの原作を配信するほか、オリジナル携帯書籍の制作や配信も行う。これまで、マンガ「金田一少年の事件簿」やドラマ「the 波乗りレストラン」など、番組と連動した作品を配信してきた。
 「イモトの動物図鑑」電子版は、本では収録していない写真などオリジナル情報も加えた。NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルからアクセスでき、月額利用料金は315円から。サイトアドレスはhttp://ntvb.jp


◆2009/6/26 視覚障害者擁護団体,電子書籍リーダー「Kindle DX」導入でアリゾナ州立大を提訴
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20090626/332696/
視覚障害者擁護団体,電子書籍リーダー「Kindle DX」導入でアリゾナ州立大を提訴
 視覚障害者の擁護団体である米National Federation of the Blind(NFB)と米American Council of the Blind(ACB)は米国時間2009年6月25日,米Amazon.comの電子書籍リーダー「Kindle DX」の導入をめぐり,米アリゾナ州立大学(Arizona State University)を相手取って訴訟を起こした。
 この訴訟は,同大学が電子テキストを学生に配布する手段としてKindle DXを導入することを阻止するのが目的。両団体によれば,Kindle DXはテキストを音声で読み上げる機能を備えているものの,同デバイスのメニューを使って視覚障害者がこの機能を有効にすることができない。また視覚障害者は,メニューから書籍を選択したり,コンテンツ配信サイト「Kindle Store」から書籍を購入することなどもできない。そのため,大学が同デバイスを導入することは,障害を持つアメリカ人法(Americans with Disabilities Act)とリハビリテーション法(Rehabilitation Act)に違反していると主張している。
 また両団体は,Kindle DXを使って教室における電子ブックおよび読み上げデバイスの評価プロジェクトを実施している別の5大学についても,教育省および司法省の公民権局に苦情を申し立てている。
(ITpro) [2009/06/26]


◆2009/6/27 視覚障害者擁護団体、電子書籍端末「Amazon Kindle DX」導入を阻止するために大学を訴える【編集部記事】
http://hon.jp/news/1.0/0/1224/
2009-06-27 11:43:12
視覚障害者擁護団体、電子書籍端末「Amazon Kindle DX」導入を阻止するために大学を訴える【編集部記事】
米国内の視覚障害者擁護団体であるNational Federation of the Blind(NFB)およびAmerican Council of the Blind(ACB)は現地時間の25日、電子書籍端末「Amazon Kindle DX」の導入を発表したアリゾナ州立大学を提訴したことを発表した。
 発表によると、Amazon Kindle DXは音声読上げ機能を搭載しながらも、それを実行するためのユーザーインターフェイスが音声対応しておらず、障害者支援を義務づける2つの連邦法を違反しているとのこと。
 なお、両団体はプリンストン大学など、Amazon Kindle DX導入を予定している他の5大学についても苦情申し立てを行なった模様だ。【hon.jp】
問合せ先:両団体の本件に関するプレスリリース(http://www.nfb.org/nfb/NewsBot.asp?MODE=VIEW&ID=449


◆2009/7/9 携帯電子書籍市場が好調傾向、スマートフォン向けは事業者様子見
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20090709_300991.html
携帯電子書籍市場が好調傾向、スマートフォン向けは事業者様子見
電子書籍の市場規模の推移
 インプレスR&Dのインターネットメディア総合研究所は9日、国内の2008年度の電子書籍市場規模についての調査結果をを発表した。市場規模は464億円で、2007年度の355億円に比べ約131%に拡大した。
 調査では、通信事業者、出版社、取次、ポータルサイト、コンテンツプロバイダーなど主要な電子書籍関連事業者へのヒアリング調査を実施。また、携帯電話向けの電子書籍サイト運営者へのアンケート調査や、ユーザー約8,000人へのアンケート調査も実施した。
 464億円のうち携帯電話向けの電子書籍市場は402億円で、全体の86%を占める。携帯電話向けの電子書籍市場の好調の要因としては、各出版社がコンテンツの電子化に対し積極的に取り組み始めたことや、取次サービスの整備による流通の円滑化、タイトル数増加によるコンテンツの充実などがあるとしている。
 携帯電話の各キャリア公式サイトで電子書籍を提供している事業者に、iPhone(App Store)への参入意向を尋ねたところ、「参入したい、有料の電子書籍を販売したい」が28.3%で、「参入するつもりはない」は21.7%だった。また、App Storeだけでなく、Andoroid MarketやOvi Store(ノキア携帯専用アプリストア)などのようなモバイルアプリマーケットプレイスへの興味に対しては、「しばらく様子をみる」が52.2%だった。
 一方、PC向け電子書籍市場は62億円で、2007年度の72億円から86%に縮少した。
 インプレスR&Dでは、調査結果を収録した「電子書籍ビジネス調査報告書2009」「電子コミックビジネス調査報告書2009」を10日に発売する。
 ニュースリリース http://www.impressrd.jp/news/080709/ebook_ecomic2008
(野津 誠)
2009/7/9 18:48


『読売新聞』2009.07.18
昨年の「携帯ビジネス」17%増 電子書籍など好調/総務省
東京朝刊
 総務省は17日、携帯電話を使った音楽配信や通信販売など「モバイル・ビジネス」の市場規模が、2008年は前年比17%増の1兆3524億円と2年連続で1兆円を超えたと発表した。
 通販などの電子商取引市場は19%増の8689億円だった。旅行宿泊予約、鉄道チケットの購入などが25%増の3497億円と伸びたためだ。
 音楽や動画、ゲームの配信といったコンテンツ(情報内容)市場も13%増の4835億円だった。急増したのは、SNSなどのキャラクター画像やゲームツール関連が2・6倍の157億円、電子書籍が79%増の395億円だった。逆に、携帯電話の着信メロディー系は15%減。市場が拡大していることについて総務省は、携帯電話を使ったインターネット人口が3%増と堅調な点を挙げている。


『朝日新聞』2009年07月28日
朝刊
文学作品を音声で ソフトを市民が寄贈、秋にコーナー開設へ 流山市 /千葉県
 明治の文豪から新刊まで、文学作品を音声で聞くことができるコーナーがこの秋、流山市の図書館や公民館に設けられる。視覚障害者のためにと、市内在住の元映画プロデューサー栗山富郎さん(86)が簡単に操作できるソフトを寄贈したことから実現した。普及すれば視覚障害者の読書の世界が大きく広がりそうだ。
 栗山さんが寄贈を思い立ったのは今年1月、自分史となる「デラシネ―わたくしの昭和史―」を電子書籍としてボイジャー社から出版したことがきっかけとなった。音声に転換するソフトを通して聞いたところ、「肉声に近い女性の声に、びっくりした。普及が自分の役割と感じた」。
 栗山さんが寄贈したソフトは、高知システム開発(高知市)が視覚障害者のためにつくった。多くの電子書籍は著作権保護のため、そのまま音声への転換ができないが、同社のソフトはコピー防止措置がとられているため、著作権者の了解が得られやすい。録音や点訳本ができるまで待たなくてはならなかった電子書籍の新刊も、音声で聞くことが可能だ。
 ボイジャーのネット書店の書籍2800冊は、購入すればすぐ聞ける。流山市の図書館などに限って、栗山さんはデラシネを、市内在住のノンフィクション作家佐野眞一さんは二つの作品の一部を無償で提供することを快諾した。
 著作権が消滅している作品を公開している電子図書館「青空文庫」にも対応しているため、夏目漱石、芥川龍之介、太宰治らの作品も読める。


『読売新聞』2009.07.30
「スクリブド」で誰でも作家に サイトへ作品投稿 自由に価格、ネット販売
東京朝刊
 ◆米出版界に新風 ビジネスモデル変革も
 【ニューヨーク=吉形祐司】様々な文書を自由に共有できる米国のウェブサイト「スクリブド」が、電子書籍の販売に乗り出し、話題を呼んでいる。既存の書籍をデジタル化する従来の手法と違い、作家や一般利用者が直接、サイトに投稿・販売するのが特徴だ。携帯端末の普及とも相まって、これまで出版社が一手に担ってきた出版ビジネスを変える可能性を秘めている。
     ◇
 2007年に開設されたスクリブド(http://www.scribd.com)。いわば、音楽配信サイト「iTunes(アイチューンズ)」や、動画投稿サイト「ユーチューブ」の文書版で、月間利用者は6000万人を超す。英語の「scribble(走り書き)」を連想させるサイト名となっている。
 今年3月に始まった書籍のネット販売では、作家が出版社を通さず「出版」できる。サイト内のページから、クリックひとつで原稿を送ることができ、著作権侵害などの法的問題がなければ、ほぼ制限なく販売される。読者はパソコンで「読書」できるほか、既に一般的な共有文書は携帯端末に取り込める。有償配布の電子書籍も近く携帯電話や携帯リーダーで読めるようになる。
 サンフランシスコ在住の作家ケンブル・スコットさん(46)は、「スクリブドに掲載された途端、反響があった。出版社から誘いがあり、8月には印刷された本も店頭に並ぶんだよ」と興奮した口調で話した。2作目の小説に2ドルの値を付け、スクリブドで売り出したところ、注目を集めたという。
 価格は作家側が設定し、反響を見ながら価格を変更することも可能だ。売り上げの2割がスクリブド、8割が作家の収益となる。スコットさんは「1作目は15ドルで出版されたが、印税収入は7.5%(約1.1ドル)。2ドルで売った方が収益は大きい」と言う。サイトの書籍販売ページには、3ドルや5ドルの格安本が並んでおり、印刷・流通を省いたことで「価格破壊」を実現している。
 スクリブドは6月、米大手出版社のサイモン&シュスターと契約を結び、同社が版権を持つ「ダ・ビンチ・コード」「老人と海」「風と共に去りぬ」などの電子書籍5000点の販売を開始。今月にはハーバード大学出版の電子書籍も加わるなど、既存の出版界も続々と参画し始めた。
 スクリブドのミシェル・レアード広報部長は「出版業界は弱体化しており、新たなビジネスモデルを模索している。スクリブドは新たな読者を提供でき、販売促進につながる」と言う。電子書籍の販売は現在、米国内限定だが、早ければ来年にも国外展開する計画だ。
 米出版社協会によると、米国での出版物の総売上高は横ばいが続き、2008年は前年比2.8%減となった。一方、電子書籍の売り上げは、全体に占める割合こそ1%にも満たないが、過去5年で6倍にふくらんだ。ただ、スクリブドは収益をネット広告に頼っているのが現状で、売り上げの8割を作者に還元する手法が維持できるかどうかなど、未知数の部分も多い。


『朝日新聞』2009年07月31日
朝刊
(何の数字)668.7円
 携帯電話を使った電子書籍の有料サービス利用者が1カ月に支払う料金の平均。閲覧するジャンルはコミック、マンガが最多。(09年、日経BPコンサルティング調べ)


『読売新聞』2009.08.18
[生活わいど]読書のバリアフリー進む 大活字や電子本の音声化で 
東京朝刊
 最近、大手書店で文字の大きい大活字本を見かけるようになった。インターネット上で販売されている電子本は、音声化して聴くこともできる。障害者や高齢者、誰もが読書を楽しめる、こうしたユニバーサルデザインの本が、身近な場所で買えるようになってきている。(宮木優美)
 先月12日、東京都内で開かれた「東京国際ブックフェア」会場の一角で、全盲の松井進さんが、パソコンを操りながら、電子本を音声で聴く“読み方”を披露していた
 千葉県立中央図書館で働く松井さんは、新刊本を読みたくても点訳・音訳を待たねばならず、図書館で借りるしかない視覚障害者の読書環境に疑問を感じていた。「電子本なら、皆さんと同じように、誰の手も借りずに欲しい時に本を買い、読むことができるようになるんです」と話す。
 講談社、角川書店、新潮社など複数の大手出版社が採用する電子書籍フォーマット「ドットブック」を開発したソフトウエア会社「ボイジャー」(東京)は、視覚障害者のためにパソコンの表示内容を音声で読み上げるソフトをつくる「高知システム開発」(高知市)と協力。昨秋から、一般向けに販売されている電子本の多くを音声で“読める”ようにした
 出版のユニバーサルデザインを考える勉強会を主催する「出版UD研究会」(東京)の成松一郎さんは「電子本ならば、読み取り専用のソフトを使って、パソコン画面で文字を拡大したり、太くしたり、黒地に白文字を浮かばせたりと、見やすく変化させることができる。読書のバリアフリーの実現に今一番有効なのは、電子本の普及かもしれない」と期待する。
 東京・神田神保町の書店や出版社、視覚障害者団体などは昨年、「大活字本普及協会」を設立した。大活字本とは、新聞の文字の4?9倍の大きさの文字を使った弱視者向けの本。これまで主に公立図書館向けに販売されてきた。1冊あたり約3000円と高価なため、一般の需要はごくわずかしかない。しかし、図書館などで利用した高齢者から「見やすさに感激した」「1冊1000円程度なら買いたい」といった要望が寄せられていたという。
 普及協会は大活字本の購入費助成制度への署名活動を展開するとともに、価格を下げる取り組みを開始。新潮社、筑摩書房と協力し、東京都内の知的障害者の作業所に発送作業を委託して経費を抑え、1冊1890円まで下げることに成功している。
 視覚障害者は全国に約30万人いるが、高齢になってから病気などで視力を落とすケースが多い。高齢になってからの点字の習得は難しく、視覚障害者のうち点字を使う人は1割程度と推測されている。視力が衰えた高齢者も含めると、かなり多くの弱視者が点字以外の方法で情報を得ているとみられている。
 普及協会事務局長で、大活字本の専門出版社「大活字」社長の市橋正光さんは「価格さえ一般の本に近づけられれば、大活字本を読みたいと思う人がもっと増えるはず」と話している。

 ◆普及に著作権の壁も 出版社、不正コピーを懸念
 ユニバーサルデザインの本の普及には、著作権者の同意を得るという“壁”がある。同意に慎重な出版社も多いようだ
 ジュンク堂書店池袋本店(東京)は、今月末まで開催している「CDブック・大活字本フェア」で、朗読を録音したCDブックを初めて販売した。反響は大きく、フェア終了後も扱っていく方針という。
 このCDを製作している東京のボランティアグループ「テープ版読者会」は、「最新の話題を扱った本を読みたい」という障害者の声を受け、週刊誌や、社会問題を取り上げた新刊本を音訳し、出版社に提供してきた。障害者からのリクエストなどに応じて出版社にCDブックの製作を持ちかけているが、同会代表の舛田(ますだ)妙子さんは「出版社から断られるケースの方が多い」と話す。
 背景には、作家の同意を得る難しさや、不正コピーなどへの懸念があるとみられる。読書のバリアフリーを訴えてきた筑波大付属視覚特別支援学校教諭の宇野和博さんは「活字文化の振興という社会的責務を持つ出版社にこそ、大活字本や点字本、音声本の発行に積極的に取り組んでほしい」と話す。
 今年に入り、障害者団体の関係者らが「2010年国民読書年に向けて障害者・高齢者の読書バリアフリーを実現する会」を設立した。出版社に電子本の販売を義務付け、大活字本や音声本、点字本の発行を促すことなどを求める「読書バリアフリー法」制定に向けた働きかけを始めた。学校教科書の分野では昨年、出版社に対して検定教科書の電子データの提供を義務付け、文字の大きな教科書発行の努力を課した「教科書バリアフリー法」が成立している。
 高齢化の進展とともに、普通の本が読みにくくなる人の数が増え、ユニバーサルデザインの本の必要性は増していくと考えられる。宇野さんは「障害者の自立と社会参加を促し、高齢者の文化的生活を保障するためにも、誰もが読書を楽しめる環境の整備は急務だ」と強調している。


『朝日新聞』2009年08月26日
朝刊
電子書籍、米で拡大 ソニー、新端末で攻勢 アマゾンと競合激化
 【ニューヨーク=丸石伸一】インターネット上で買った著作を専用端末などの画面で読む「電子書籍」市場が、米国で急拡大している。25日はソニーが新端末を売り出し、ネット接続できる新機種の投入も発表。米ネット通販最大手アマゾン・ドット・コムとの競合の激化で、電子書籍の普及は本格化しそうだ。
 「これが(ソニーでは)初の高速ネット通信ができる新商品です」
 ソニーの電子書籍事業部のスティーブ・ヘイバー社長は25日、ニューヨークでの会見の最後に、専用端末「リーダー」シリーズでは初めてとなる通信機能付きの新機種を披露した。クリスマス商戦向けとして12月下旬に売り出す予定の機種を早くも公表。同日販売を始めた2機種も含め、一気に3商品を投入する異例の戦略に、同社の力の入れようがにじむ。
 米国の電子書籍市場は07年ごろから急拡大。直近の今年6月は1400万ドル(約13億1600万円)と2年前のほぼ5倍の規模に成長した。
 電子書籍の割合は、まだ紙の本を含めた全書籍の1%強にすぎない。だが、全書籍の売上高は、ネット配信が定着した音楽の全市場の3倍程度とすそ野が広い。これに新聞や雑誌などを加えるとさらに市場は広がる。しかも音楽よりも単価が高いため、電子化が進めば「音楽のネット市場を上回る規模になる」(業界関係者)と期待は高い。
 これまでは、専用端末と電子書籍の販売ともに、アマゾンとソニーの「2強」が市場をほぼ独占してきた。
 市場の「開拓者」はソニーだった。04年にまず日本で端末「リブリエ」を発売。だが、普及せず、07年5月に撤退した。06年秋から米国で初代「リーダー」を売り出し、事業の足場を移した。
 ただ米国での市場拡大のきっかけは、後発のアマゾンが07年に出した初代「キンドル」のヒットだった。ネットで紙の書籍を販売してきた同社が、ソフトとともに端末も売り出す事業を確立したことで、電子書籍が浸透し始めた。
 キンドルは今年2月に2代目が発売された。6月には画面を従来機の2・5倍の9・7インチにした新機種「DX」も売り出され、米紙ニューヨーク・タイムズなど新聞の独自配信もしやすくするなどコンテンツ拡大にも余念がない。
 ●価格や機能並ぶ
 一方、ソニーが25日に発売したのは、上着ポケットに入る大きさまで小型化した普及版と、大手では初めてタッチパネル方式を採用した新モデルの2機種。タッチパネル方式の機種の価格をキンドルの2代目と同じ299ドル(約2万8100円)に設定した。年末に投入する新機種をネット接続できるようにしたのも、キンドルと同じ機能を備えるためで、アマゾンへの対抗意識は強い。
 ソフトの充実も図る。7月には米ネット検索最大手グーグルと提携し、著作権の切れた名作を100万冊以上も無料でダウンロードできるようにした。電子化の形式や暗号化技術について、公開されている技術を採用、普及を促す。
 販売する著作も、店頭なら新刊で30ドル前後するベストセラーの値段を9・99ドルまで下げた。大手出版社は新刊の提供に協力的で「音楽のネット配信の普及を見ているので、各社とも書籍の電子化が進むのは避けられないと考えている」(ソニー)という。
 米書店最大手バーンズ・アンド・ノーブルもネット販売サイトを始め、今後は端末事業にも乗り出す計画だ。業界では、音楽のネット配信で最大手の米アップルの参入を予想する声も根強く、業者間の競争も激しくなりそうだ。
 ◆「2〜3倍の伸び期待できる」 ソニー・野口上級副社長
 ソニーの電子書籍事業について、同部門の野口不二夫・上級副社長に聞いた。
 ――力を入れる理由は何ですか。
 「前年比で2〜3倍の伸びが期待できる市場は今どき珍しい。画面のカラー化など端末の技術的な改良の余地や、配信するコンテンツを新聞・雑誌に広げることなど今後の事業の伸びしろも大きい」
 ――米国でアマゾン優勢を許したのはなぜですか。
 「アマゾンのネット通販サイトを通じた販売網が強かったのが一番大きい」
 ――巻き返し策は。
 「顧客の多様な需要に応える商品をそろえたのに加え、今秋から米大手のウォルマート(小売り)やベストバイ(家電量販店)での販売が決まり、販売網も充実する。米大手図書館の本を無料でダウンロードできるようにするなど、アマゾンよりオープンな事業展開で電子書籍の普及自体にも力を入れたい」
 ――日本での事業展開は。
 「まず米欧での事業拡大。日本での再参入は未定だ」
 【写真説明】
新端末について説明するスティーブ・ヘイバー社長=ニューヨークで25日、丸石写す
 【図】
米国の電子書籍の売上高の推移


『朝日新聞』2009年08月26日
夕刊
ソニー、電子書籍の新端末に新聞配信 米で大手と提携交渉 12月発売 【大阪】
 【ニューヨーク=丸石伸一】ソニーは25日、インターネット接続できる電子書籍の新端末を米国で12月下旬に発売するのに合わせて、新端末で新聞の定期購読ができるよう複数の米新聞大手と提携交渉していることを明らかにした。
 新端末での定期購読は、ユーザーに毎朝、駅売りや宅配と同じような紙面の新聞がダウンロードされるというサービス。購読料は紙の新聞よりも安くなる見込みだ。
 同様のサービスはすでに、米ネット通販最大手アマゾン・ドット・コムが今年、米紙ニューヨーク・タイムズなどと提携し、各社が編集した紙面の「簡易版」の配信を始めている。書籍と同じく新聞の電子配信も広がる可能性がある。
 ソニーは25日、電子書籍の専用端末「リーダー」シリーズで、通信機能がついた新機種をクリスマス商戦向けに発売すると発表。従来の6インチより大きい7インチのワイド画面にして新聞なども読みやすくした。通信機能つきでは初めてタッチパネル方式を採用。紙の書籍や新聞などと同じような感覚で操作でき、書き込みもできる。価格は399ドル(約3万7500円)。当面は米国のみで販売する。
     ◇
 米国の電子書籍市場は07年ごろから急拡大。直近の今年6月は1400万ドル(約13億1600万円)と2年前のほぼ5倍の規模に成長した。
 まだ紙の本を含めた全書籍の1%強にすぎないが、全書籍の売上高は、ネット配信が定着した音楽の全市場の3倍程度。新聞や雑誌などを加えるとさらに市場は広がる。音楽よりも単価が高いため、電子化が進めば「音楽のネット市場を上回る規模になる」(業界関係者)と期待は高い。
 これまでは、専用端末と電子書籍の販売ともに、アマゾンとソニーの「2強」が市場をほぼ独占してきた。
 「開拓者」はソニー。04年に日本で発売した端末「リブリエ」は普及せず、07年5月に撤退した。06年秋から米国で初代「リーダー」を売り出し、事業の足場を移した。
 米国の市場拡大は、アマゾンが07年に売り出した初代「キンドル」のヒットがきっかけ。今年2月に2代目が発売された。


『読売新聞』2009.08.27
電子書籍の新端末を米で発売へ 新聞・雑誌配信も/ソニー 
東京朝刊
 【ニューヨーク=池松洋】ソニーは25日、通信機能を備えた電子書籍の新型端末を12月下旬に発売すると発表した。閲覧端末「リーダー」シリーズの「デイリー・エディション」=写真、ソニー提供=で、急拡大する米電子書籍市場でシェア(占有率)拡大を図る。
 デイリー・エディションは、米電話大手AT&Tの携帯電話回線を無料で使うことができ、パソコンなしでインターネット経由で電子書籍を購入して読むことができる。日刊の新聞や雑誌の配信も行う予定だ。
 7インチのタッチパネルで操作する構造で、価格は399ドル(約3万8000円)だ。日本での発売は現時点では予定されていない。
 電子書籍の閲覧端末は、米ネット販売大手アマゾン・ドット・コムの「キンドル」が先行している。ソニーのサイトではベストセラーの新刊を9・99ドルで購入できる。


『朝日新聞』2009年08月28日
朝刊
辞書が引ける手のひらPC シャープが9月発売
 シャープは27日、手のひらに収まるパソコン「ネットウォーカー」=写真=を9月25日に発売すると発表した。ミニノートパソコンより軽く、起動時間は約3秒。93年に他社に先駆けて発売し携帯情報端末(PDA)として大ヒットした「ザウルス」同様、新市場を開拓する狙いがある。
 ネットウォーカーは重さ約400グラム。5型のタッチパネル式液晶を搭載し、幅約16センチ、奥行き約11センチ、高さ約2センチでA6サイズより一回り大きい。基本ソフトはリナックス。ワープロや表計算ソフトなどを搭載しており、電子辞書の機能も。フル充電で最大10時間使える。
 年度末までの販売計画は10万台。海外にも投入する。今後は、文庫やコミックもダウンロードできるようにし、電子ブックとしても使えるようにする。白、黒、赤の3色で、店頭想定価格は4万5千円前後。


『読売新聞』2009.09.04
書籍電子化のグーグル包囲網 アマゾン・MS・ヤフーから異議続出
東京朝刊
 米グーグルが絶版書籍を電子化する計画に対し、マイクロソフト(MS)、ヤフー、アマゾン・ドット・コムの米IT大手3社が反対姿勢を強めている。急拡大が見込まれる電子書籍市場で、グーグルが優位な立場を得るとみているからだ。図書館団体なども反対しているほか、米司法省も調査しており、「グーグル包囲網」は広がっている。(ニューヨーク 池松洋)
 グーグルの狙いは、電子化した書籍を自社サイトで公開して広告収入を増やしたり、他社に販売したりすることにある。
 同計画をめぐっては全米作家組合と全米出版社協会が2005年に「著作権侵害」だとして提訴。08年10月には一定の金額を著作権者に支払う内容でグーグルと2団体が和解、この内容が、著作権に関する国際条約に基づいて世界中の著作権者を拘束することになった。
 和解に対する異議申し立て期限が4日に迫ったため、アマゾンは1日、ニューヨーク連邦地裁に和解に反対する意見書を提出した。同社は「グーグルが著作権保有者から明確な許可を得ず絶版書籍の電子化を進めるのは問題だ」としている。
 MSとヤフーもアマゾンに同調しており、8月には、一部の作家や図書館団体を巻き込んで和解反対団体「オープンブック・アライアンス」を設立した。米司法省も調査を開始し、10月には連邦地裁で和解を承認するか審理が始まる。
 3社が共同歩調を取ったのは、電子書籍が音楽配信をしのぐ有力コンテンツ(情報内容)となると見ているからだ。さらにネット業界で検索を軸に事業を急拡大させているグーグルに歯止めをかける狙いもある。
 現時点でグーグル支持を表明している主要企業は、電子書籍閲覧端末へのデータ配信で提携したソニーぐらいだ。「(独禁法訴訟に相次いでさらされた)90年代のMSと似たような立場になりつつある」(米ウォール・ストリート・ジャーナル紙)との指摘も出ている。
 ◆日本でも反発 
 グーグルの書籍電子化計画には、日本の著作権団体からも反発の声が強い。
 作家や詩人ら約2000人で作る「日本ペンクラブ」(阿刀田高会長)は8月下旬、「日米の法制度の違いを顧慮せず、著作権者の権利を侵害する可能性が大きい」として、和解に対し異議申し立てを行うと発表した。「日本ビジュアル著作権協会」でも、全会員の半数近くにあたる180人が和解からの集団離脱を表明している。
 一方、約2500人を抱える日本文芸家協会は、和解について「特定の価値観を押し付けている」と非難しつつ、書籍電子化自体には「学術・教育分野で需要増が予想される」と一定の理解を示した。


『読売新聞』2009.09.23
〈解〉キンドル
大阪朝刊
 米ネット販売大手アマゾン・ドット・コムが2007年に発売した電子書籍の閲覧端末。電子化した書籍や新聞を携帯電話の通信網を使って端末に取り込み、「電子ペーパー」画面で読むことができる。30万冊以上が電子化されており、その多くが9・99ドル(約906円)で購入できる。サービスは米国のみで、日本での販売は未定。


『読売新聞』2009.09.23
ジュンク堂「独自戦略」 出店を加速 専門書特化でネット対抗
大阪朝刊
 ◆利幅大きく、棚作りも充実 
 大手書店のジュンク堂書店(神戸市)が、全国で大型店の出店を加速させている。出版不況やインターネットによる書籍販売の拡大で書店経営が厳しさを増す中、品ぞろえを利幅の大きい専門書に絞る独自戦略で生き残ろうとしている。(船木七月、井戸田崇志)
 19日に開業した松山店(松山市)の売り場面積は1750平方メートルで45万冊をそろえる。通常の書店と異なるのは、コミックスは取り扱わず、専門書や文庫本など、雑誌以外の比率が9割と非常に高いことだ。
 こうした店作りが受け、8月に開業したロフト名古屋店(名古屋市)の売上高は、目標の1・7倍となる月1億円ペースで推移している。
 7月にオープンした難波店(大阪市)は、関西最大級の4620平方メートルの売り場を誇る。外国人に日本語を教えるための本を探しに来た兵庫県の会社員(53)は「売り場が広いし、色々な分野の本を手に取って選べる」とネット販売にはない魅力を語る。語学以外にも医学書や美術全集など専門書が並び、まるで図書館のような雰囲気だ。「司法・裁判実務」のコーナーは「裁判員制度」「司法制度改革」「弁護士」と三つの棚に分かれている。
 2009年度はすでに大型店4店舗を新設し、1963年の開業以来続く増収決算は、継続する見通しだ。工藤恭孝社長は「単価も利益率も高い専門書で勝負し、雑誌や新刊本は1割しか置かない。専門書はお客さんや取次店の知識が深く、それに応えようと店員が勉強し、お客に喜ばれる棚作りができるようになった」と話す。
 多くの書店は、話題の新刊本や流行の雑誌を頻繁に入れ替え、お客を呼び込む戦略をとる。返品リスクは負わないが、その分収益性は低い。専門書は、書店の取り分が大きく、店員が返品作業に追われずに済むので棚作りに専念でき、それが客を呼ぶという好循環を生む。ただし、本を売り切る力が必要となる。
 帝国データバンクによると、書籍販売業の倒産は年間40社程度で、09年もすでに28社(8月末時点)が倒産した。若者の活字離れに加え、ネット販売などに客を奪われたためで、事業モデルの転換を迫られている。
 さらに、調査会社のインプレスR&Dの推計では、08年度の電子書籍市場は前年度比31%増の464億円に伸びた。アマゾン・ドット・コムの「キンドル」など米国で普及が進む電子書籍の閲覧端末が日本に上陸すれば、「さらに本の読まれ方が大きく変わる」との指摘もある。
 ジュンク堂は急速な出店で資本強化が必要となり、今年3月、老舗の丸善に続き、大日本印刷の傘下に入った。一方、紀伊国屋書店は凸版印刷と業務提携しており、印刷2社を軸に書店再編が進むとみられる。
 「ネット対書店」の戦いも激化しそうで、工藤社長は「大型店の持つ売れ筋情報を地方の中小書店に提供するなど業界の活性化策を考えたい」としている。

 〈キンドル〉
 米ネット販売大手アマゾン・ドット・コムが2007年に発売した電子書籍の閲覧端末。電子化した書籍や新聞を携帯電話の通信網を使って端末に取り込み、「電子ペーパー」画面で読むことができる。30万冊以上が電子化されており、その多くが9・99ドル(約906円)で購入できる。サービスは米国のみで、日本での販売は未定。


『朝日新聞』2009年10月08日
朝刊
米の書籍端末、100カ国超で発売 アマゾン「日本語書籍提供も検討」
 米ネット通販最大手アマゾン・ドット・コムは7日、米国で販売している電子書籍端末「キンドル」を、日本を含む100カ国以上で発売すると発表した。電子書籍市場は米国で急拡大しており、販売地域を一気に広げる狙いだ。
 価格は279ドル(約2万5千円)。7日からアマゾンの米国版の通販サイトで予約を開始し、19日から発送される。
 07年に発売されたキンドルは、縦約20センチ、横13センチ、厚さ0・9センチ。重さは約290グラム。無線でインターネットに接続でき、通信料などを払わずに端末で直接、電子書籍をダウンロードできる。1冊あたり十数ドル(1千円前後)。当面は、英語の書籍や新聞が中心だが、「日本語の書籍も提供していく方向」(広報)という。同社は自社の配信サイトで20万冊以上の電子書籍を販売しており、この端末で1500冊分の書籍を保存することができる。
 一方、アマゾンのライバルとされるソニーも、欧米で06年から電子書籍端末「リーダー」を販売。日本では04年に販売を開始したが、普及せずに07年に撤退している。「日本での再発売を含め、色々な地域での発売を検討している」といい、世界的に競争が激化する可能性もある。(五十嵐大介)


『読売新聞』2009.10.09
電子書籍化和解案、来月9日までに提出/NY連邦地裁
東京朝刊
 【ニューヨーク=佐々木良寿】書籍データベース化を巡るグーグル社と米作家組合、全米出版社協会との和解案について、ニューヨーク連邦地裁は7日、修正案を来月9日までに同地裁に提出するよう求めた。
 和解案を巡っては、米国内外から400以上の異議が同地裁に提出されたほか、米司法省が「米著作権法や反トラスト法に抵触する懸念がある」として見直しを求めていた。


『朝日新聞』2009年10月11日
朝刊
(書評)グーテンベルクからグーグルへ ピーター・シリングスバーグ著
 グーテンベルクからグーグルへ 文学テキストのデジタル化と編集文献学
 電子本の登場が人文学を変える
 500年前にグーテンベルクの活版印刷が世に出て、本の世界は劇的に変わった。それまでの手書きの写本は、多量の部数を発行できる印刷本に取って代わられた。それと同じくらいの巨大な変化が今起きつつある。
 新しい書物の形態を「電子本」と呼ぶならば、それとの比較でこれまでの本は「印刷本」と呼ばれるようになるであろう、と著者は言う。電子本の登場は、文献を扱う人文学を根底から変えつつある。
 著者は近代英文学、特にビクトリア朝文学の専門家として、19世紀の小説のテキストを批判的に考証してきた。その成果を紙に印刷された本の形で出版する場合、どうしても限界が生じる。
 作家の手稿や、初版・再版、ペーパーバック版などの種々の版、同時代的な資料などから、学問的に厳密な考察をおこなっても、そのすべてを書物に入れることはできない。それに対して、デジタル化され、インターネットで読む「本」ならば、いくらでもテキストや資料を収録し、相互参照することができる。
 早くも70年代から文学テキストのコンピューター化に取り組んできた著者は、インターネット時代に入って、そのようなデータベースとしての電子本を提唱している。
 副題にある「編集文献学」とは欧米で発達した学問で、テキストを比較・考証し、作品の意味づけをおこなう。特に著者は、作品の著者と読者のみならず、その途中にある印刷・編集の工程をも含めて「書記行為」と呼んで、著述と読書にまつわる興味深い議論を展開している。
 学問的な考証と編集ですら「介入」であり、解釈行為であるという主張は明晰(めいせき)でわかりやすい。それによれば、もはやテキストの「標準版」を作ろうとする時代ではない。だからこそ、刊行日とモノとしての形態に縛られている印刷本ではなく、限りなく更新できる電子本がよい、というのである。
 ちなみに、編集文献学者による折衷的な判断をよしとする英米の態度は、著者の手稿が存在しないシェークスピア以来の伝統を反映している。それに対して、自作の出版に深く関与したゲーテを源流とするドイツでは、より権威を持つ編集を志向するという。ドイツの植字工の方が几帳面(きちょうめん)だったであろうという指摘も含めて、両者の比較が面白い。
 デジタル時代を象徴するグーグルでは、瞬時に目的のテキストにたどり着ける。しかし、その検索ランキングは人気順にすぎないし、情報の99・9%は学問的に信頼がおけない、と著者は言う。学術版編集による質の高いテキストの供給を、自分たちの責務とするゆえんである。
 現在のところ電子書籍の多くは印刷本のデジタル化にすぎないが、電子本が「本」の主流となる日は意外に近いかもしれない。人文系の学問と知の体系が、著者のように前向きにこの変化に対応するためには、課題は複雑で考えるべきことは多い。
 評・小杉泰(京都大学教授・現代イスラーム世界論)
    *
 明星聖子・大久保譲・神崎正英訳、慶応義塾大学出版会・3360円/Peter Shillingsburg 米国ロヨラ大学教授(英文学)。03年から08年まで英国ド・モンフォール大学教授を務めた。学術版W・M・サッカレー全集編集責任者。


『読売新聞』2009.10.15
電子書籍端末「キンドル」日本出荷 19日から英語のみ
東京朝刊
 インターネット通販大手のアマゾンジャパンは14日、書籍や雑誌、新聞記事などを読むことができる電子書籍端末「キンドル」=写真=の日本向けの出荷を19日から始めると発表した。当面は英語の電子書籍のみの対応となる。購入は米アマゾン・ドット・コムのサイトで受け付け、価格は279ドル(約2万5000円)。
 キンドルは、6インチのモノクロ画面に文字や画像を表示する。厚さ0・9センチ、重さ289グラムで、混雑する電車内などでも手軽に読める持ち運びのしやすさが特徴だ。通信機能を内蔵し、約28万冊を販売する専用サイトからダウンロードする。1台で1500冊分まで保存できる。文章の音声読み上げや文字の拡大などの機能もある。
 日本語への対応時期は未定だが、アマゾンジャパンは「日本語で新聞が読めるサービスを提供したい」としている。


『読売新聞』2009.10.16
iPhoneにMANGA配信 オリジナル作品を日・英語で=石川
東京朝刊
 ◆内灘の事業組合
 内灘町の「アイパブリッシング有限責任事業組合」は今月から、携帯電話「iPhone(アイフォーン)」や音楽プレーヤー「iPod touch(アイポッド・タッチ)」で読む漫画の配信事業「j?MANGA」を始めた。作品はすべて英語に翻訳し、世界に向けて日本の「MANGA」文化を発信しようという試みだ。
 漫画は、iPhone、iPod touch用のソフト販売サイト「アップストア」で、1本115円?230円程度で販売。言語設定を自動的に判断し、日本語であれば日本語で、それ以外の言語設定であれば英語でセリフを表示する。
 販売しているのは、まだデビューしていない「漫画家の卵」のオリジナル作品。同組合の福島健一郎さん(38)と高木志宗さん(26)の2人で作品を選定する。iPhone向けに漫画を書いている作家はまだ多くないため、漫画家志望の若者の集まるイベントに顔を出しては、有能な作家を募る。現在は9作品を販売中で、年内にも20本に増やしたい考えだ。
 海外ではMANGAという言葉が通じるほど、日本の漫画は認知されているといい、福島さんは「iPhoneは世界で最も使われている電子書籍端末の一つ。日本漫画を広めるのに最適な機器だと考えた」と話す。無料ソフト「j?MANGA Store」はこれまでに千数百本がダウンロードされ、ほとんどが海外からだという。
 課題はPRだ。「アップストア」では、様々なジャンルのソフト約8万5000本が販売されており、「電子書籍」コーナーはあるが、「漫画」単体の紹介欄はない。福島さんは「今月中にもiPhoneで読める漫画だけを集めた紹介サイトを作り、アピールしていく」と話している。


『読売新聞』2009.10.24
音声読書 流山でサービス開始 目の不自由な人に朗報=千葉
東京朝刊
 流山市の元映画プロデューサー栗山富郎さん(86)が寄贈した音声読み上げソフトを使い、目の不自由な人が本の内容を音声で理解する「音声読書」サービスが、同市内の3施設で始まった。こうした取り組みは、全国でも珍しいという。
 サービスを提供しているのは、同市美原の北部公民館、森の図書館、生涯学習センター。インターネット上の電子図書館で公開されている作品や電子書籍を音声で聞くことができる。事前に予約すれば、誰でも利用できる。
 今月20日には、視力を失いながらインターネット上に自分のブログを持つ同市の道端久美子さんが音声読書を初めて試し、「視覚障害者が世界を広げるきっかけにしてほしい」と利用を呼びかけた。


『読売新聞』2009.10.25
読書週間 「時間がない」…本離れ 「仕事に役立てる」減少/読売新聞世論調査
東京朝刊
 ◇本を読もう
 高齢者を中心に「本離れ」が進んでいることが、27日から始まる読書週間を前に読売新聞社が行った全国世論調査で浮き彫りになった。1か月間に本を読まなかった人は70歳以上で7割に上り、全年代で前年調査よりも読まなかった人が増えた。趣味や娯楽の多様化が進む中、多くの人が「時間がなかった」ことを理由にしている。働き盛りの20?40歳代では仕事に役立てるための読書が減ったのも目立った。(世論調査部 平成雄、溝口徹、本文記事2面)
 今回の調査では、この1か月間に本を読まなかった人は男性で50%、女性で54%だった。女性は、この質問を始めた1980年以降、2002年、05年と並んで最多となった。
 読まなかった理由(複数回答)のうち、51%と最も多かった「時間がなかった」は、女性では55%に上り、年代別では20歳代と40歳代で7割を超えた。次いで多かった「読みたい本がなかった」21%は、女性で17%だったが、男性では25%を占めた。質問開始以来、初めて7割が読まなかったと答えた70歳以上は、「健康上の理由で読めない」が36%で最も多かった。
 本を読まなかった人が増えたことについて、出版科学研究所の佐々木利春主任研究員は、「図書館の貸出数が増えている一方で、新刊書は売れておらず、景気悪化の影響が表れている。高速道路料金の割引などで休日を行楽に費やす人が増えたこともあると思う」と指摘。また、紀伊国屋書店も「1人当たりの購入額が減少傾向にある。家計が苦しくなったことによる買い控えも影響しているのではないか」(広報担当)としている。
 一方、本を読んだ人の冊数は「1冊」17%、「2冊」14%、「3冊」8%の順だった。本を読む主な理由(複数回答)は、「知識や教養を深める」46%、「面白い」33%、「趣味を生かす」28%、「仕事に役立てる」19%の順で多かった。
 「知識や教養を深める」は20歳代と50歳代で55%を占めた。「仕事に役立てる」は前年比3ポイント減。50歳代で過去最多の25%だったが、20歳代は前年から11ポイント減って19%、30、40歳代でも微減し、それぞれ26、28%だった。「趣味を生かす」は、団塊の世代の大量退職組が加わった60歳代で3年前より6ポイント増えて31%だった。
 本を読んで人生観に影響を受けたことがあるかどうかについては、「ある」66%が、「ない」31%を大きく上回った。1か月間に本を読まなかった人でも5割強が「ある」と答えた。読書が人生を豊かにしてくれるかどうかについても87%が「そう思う」と答えた。
 ◆「電子書籍」潜在的な需要 
 携帯電話やパソコンなどの画面で小説やエッセーなどが読める「電子書籍」は、若年層で潜在的な需要があることが調査から分かった。
 電子書籍を利用したことのある人は8%で、同じ質問をした3年前の調査からは微増にとどまった。しかし、年代別では、20歳代で前回比11ポイント増の26%、30歳代でも同6ポイント増の17%が利用したと回答した。
 20歳代では「利用したことがあるし、今後も利用したい」19%、「利用したことはないが、今後は利用してみたい」32%を合わせると、半数以上が今後の新しい読書形態として期待していた。
 また、電子書籍の普及が読書人口の拡大につながるかどうかを聞いたところ、「そう思う」44%と「そうは思わない」43%に意見が分かれた。ただ、「そう思う」は若い世代ほど割合が高く、20歳代は59%、30歳代は55%、40歳代も49%に上った。
 調査会社のインプレスR&Dの推計では、2008年度の電子書籍市場は464億円で、前年度比31%増えた。普及が急速に進んだ06?07年頃の勢いはなくなっているものの、市場は広がり続けている。
 電子書籍の国内大手「パピレス」の松井康子副社長は「若い人は携帯電話の画面で読むことに抵抗感がない。品切れがなく、読みたい時にどこでも読めるのが利点。本を読まない人でも、携帯で紹介することで読むきっかけを与えられる」と話す。
 目の不自由な人向けに音声を出したり、文字を拡大したりすることもでき、資格試験や語学の教材としても利用が進んでいるという。書籍の検索や閲覧をしやすくした携帯電話機種=写真=も次々と登場している。
 現在は、小説が映画化された際にPRを兼ねて電子化されるなど、紙の本の補完的な役割を担うことも多いが、大手出版社の電子書籍担当者は「いずれ読者が紙と電子のどちらで読むかを選べるような時代がくるのではないか」と話している。

 ◆ネット通販20代は2割利用 
 本を選ぶきっかけ(複数回答)については、「書店の店頭で見て」48%が前年同様、トップだった。以下、「新聞の書評を読んで」26%、「ベストセラーなどの話題をきっかけに」22%などと続いた。年代別では、20?50歳代の約6割が「書店」を挙げた。
 主に本を買う場所(複数回答)は、「書店」と回答した人が80%を占めた。「新しいタイプの古書店」「インターネットでの通信販売」が各9%、「コンビニや駅の売店」6%と続いた。「ネット通販」は20歳代で21%を占め、2002年調査から4倍近く増えている。1か月に5冊以上の本を読む人では「ネット通販」利用者が約3割に達している。

 ◆司馬遼太郎 根強い人気 
 3年ぶりに好きな作家や著者を自由回答で3人まで挙げてもらったところ、1位は「竜馬がゆく」などの歴史小説で知られる司馬遼太郎で、1996年以来、8回連続でトップとなった。男性が7割を占め、60歳以上に根強い人気がある。
 2位には、7年ぶりの新作長編小説「1Q84」がベストセラーとなった村上春樹が入った。村上は、2000年22位→03年14位→06年4位と、調査ごとにランキングを上げている。50歳代では司馬を上回る一番人気で、ファン層は各年代に広がっている。
 東野圭吾は、06年の9位から3位へと大きく躍進した。「さまよう刃(やいば)」など映画化、テレビドラマ化された小説が話題を呼んだ。女性にファンが多く、年代別では、30、40歳代でともに1位だった。
 今年、生誕100年を迎え、様々な記念事業が催された松本清張と太宰治も、それぞれ順位を上げた。

 ■質問と回答 (数字は%) 
 ◆あなたは、この1か月間に、何冊ぐらい本を読みましたか。週刊誌や月刊誌などの雑誌を除いてお答え下さい。
・1冊 17     ・5?9冊    4
・2冊 14     ・10冊以上   2
・3冊  8     ・読まなかった 53
・4冊  3     ・答えない    0
 ▼【前問で「読まなかった」と答えた人だけ】あなたが本を読まなかった理由を、次の中から、あれば、いくつでもあげて下さい。
・時間がなかったから          51
・読みたい本がなかったから       21
・本以外で知識や情報が得られるから   18
・本を読まなくても困らないから     18
・本を読むのが嫌いだから        10
・本の値段が高いから           2
・本にお金をかけたくないから       3
・健康上の理由で読めないから      16
・その他、答えない            1
 ◆あなたが本を読むのは、主にどのような理由からですか。次の中から、あれば、いくつでもあげて下さい。
・知識や教養を深めるため        46
・仕事に役立てるため          19
・趣味を生かすため           28
・時代の流れを知るため         15
・人生の手がかりを得るため       14
・現実と違う世界を体験するため     10
・面白いから              33
・時間つぶしになるから         17
・習慣になっているから          7
・その他、本を読まない、答えない    13
 ◆あなたは、主にどのようなきっかけで、読む本を選びますか。次の中から、あれば、いくつでもあげて下さい。
・書店の店頭で見て           48
・ベストセラーなどの話題をきっかけに  22
・映画やドラマなどの原作を読みたくて  11
・インターネット書店などネット情報を見て 8
・新聞の書評を読んで          26
・雑誌の書評を読んで          11
・新聞や雑誌などの広告を見て      21
・本を紹介するテレビ番組を見て     12
・周囲の人の話を聞いて         17
・その他、本を読まない、答えない    16
 ◆あなたは、週刊誌や月刊誌などの雑誌を除いて、本を主にどこで買いますか。次の中から、あれば、いくつでもあげて下さい。
・書店                 80
・新しいタイプの古書店(ブックオフなど) 9
・従来の古本屋              3
・コンビニや駅の売店           6
・インターネットでの通信販売       9
・その他                 0
・買わない               15
・答えない                1
 ◆あなたは、本を読んで、考え方や人生観に影響を受けたことがありますか、ありませんか。
・ある   66
・ない   31
・答えない  3
 ◆あなたは、本を読むことは、人生を豊かにしてくれると思いますか、そうは思いませんか。
・そう思う    87
・そうは思わない 11
・答えない     3
 ◆あなたは、次にあげた分野の本のうちで、どれを一番読みたいと思いますか。3つまであげて下さい。
・純文学(戦後から最近のもの)     12
・純文学(戦前のもの)          4
・古典文学                3
・歴史小説・時代小説          26
・推理・SF・冒険小説・ライトノベル  23
・ノンフィクション・伝記        15
・随筆・エッセー            18
・考古学・歴史              6
・哲学・思想・宗教            6
・政治・法律・国際政治          6
・経済・ビジネス・国際経済       10
・自然科学                6
・健康・医療・福祉・年金        23
・教育・育児               8
・料理・食生活             19
・旅行・レジャー・スポーツ       21
・パソコン・情報技術(IT)       4
・その他、とくにない、答えない     11
 ◆あなたは、必要な情報をインターネットで手に入れて、本や雑誌を買わずにすませることがありますか、ありませんか。
・よくある   17
・ときどきある 19
・あまりない  10
・全くない   53
・答えない    1
 ◆あなたは、パソコンや携帯電話などで、小説やエッセーなどが読める「電子書籍」を利用したことがありますか、また、利用したいと思いますか。次の中から、1つだけあげて下さい。
・利用したことがあるし、今後も利用したい       5
・利用したことはあるが、今後は利用したいと思わない  3
・利用したことはないが、今後は利用してみたい    19
・利用したことはないし、今後も利用したいと思わない 71
・答えない                      1
 ◆あなたは、電子書籍が普及することは、読書人口の拡大につながると思いますか、そうは思いませんか。
・そう思う    44
・そうは思わない 43
・答えない    13
 ◆あなたの好きな作家や著者がいれば、日本人、外国人を問わず、3人まであげて下さい。=表参照=

 ■調査方法
・調査日=10月10、11日
・対象者=全国の有権者3000人
(250地点、層化2段無作為抽出法)
・実施方法=個別訪問面接聴取法
・有効回収数=1801人(回収率60%)
・回答者内訳=男46%、女54%
▽20歳代8%、30歳代14%、40歳代16%、50歳代19%、60歳代25%、70歳以上18%
▽大都市(東京23区と政令指定都市)21%、中核都市(人口30万人以上の市)18%、中都市(人口10万人以上の市)26%、小都市(人口10万人未満の市)23%、町村11%
 ※小数点以下四捨五入。グラフや表の数値は、合計が100%にならないことがある。0は0.5%未満。 

 ◇好きな作家・著者 ◇
順位          回答数   男  女
 1 〈1〉 司馬遼太郎 72 (53 19)
 2 〈4〉 村上春樹  66 (31 35)
 3 〈9〉 東野圭吾  63 (21 42)
 4 〈6〉 松本清張  49 (22 27)
 5 〈3〉 宮部みゆき 33 ( 7 26)
 6〈12〉 太宰治   29 (14 15)
 7 〈7〉 夏目漱石  27 (18  9)
   〈5〉 西村京太郎 27 (12 15)
 9 〈2〉 赤川次郎  22 ( 2 20)
10〈27〉 五木寛之  21 (10 11)
11 〈8〉 藤沢周平  19 ( 9 10)
12〈22〉 吉川英治  18 (12  6)
13〈22〉 瀬戸内寂聴 16 (?? 16)
  〈27〉 山崎豊子  16 ( 6 10)
  〈15〉 渡辺淳一  16 ( 4 12)
16〈35〉 向田邦子  13 (?? 13)
  〈22〉 山本周五郎 13 ( 4  9)
18〈21〉 芥川龍之介 12 ( 5  7)
  〈22〉 池波正太郎 12 ( 8  4)
  〈94〉 伊坂幸太郎 12 ( 7  5)
  〈10〉 内田康夫  12 ( 5  7)
22〈27〉 井上靖   11 ( 8  3)
  〈13〉 川端康成  11 ( 3  8)
 ※〈 〉は前回2006年の順位 


『読売新聞』2009.10.27
[社説]活字文化の日 子供の言語力を向上させよう
東京朝刊
 5月に刊行された村上春樹氏の長編小説「1Q84」が、200万部を超えるベストセラーになっている。
 様々な立場からこれを読み解く解説書が相次いで刊行され、執筆中と言われる続編への関心も高まっている。「本離れ」が指摘されているが、活字文化の魅力はまだまだ健在だ。
 きょうから読書週間が始まる。初日は「文字・活字文化の日」と定められている。静かにふける秋の夜、じっくりと本と向き合うのも有意義な過ごし方だろう。
 最近は電子書籍の利用者も増えている。読売新聞の世論調査によると、「利用したことがある」が8%、「電子書籍の普及が読書人口の拡大につながると思う」は44%に上った。
 グーグル社は世界中の書籍をデータベース化し、電子書籍として販売する計画を進めている。
 ネット配信された電子書籍を簡単に印刷製本するコピー機型マシンの開発メーカーとも提携した。電子書籍を紙の本の形で提供する新しいビジネスに着手する。
 国立国会図書館の長尾真館長も日本版電子図書館構想を私案として提示した。国会図書館の蔵書のデジタルデータを第三者機関を通じて利用者に有料配信し、利益は出版社などに還元する内容だ。
 多様なスタイルの読書が可能な時代が訪れようとしている。
 読書活動への機運が高まる中、来年を「国民読書年」とする国会決議も昨年採択された。
 出版・新聞界の代表や財界人、国会議員らで組織する文字・活字文化推進機構では、子供の言語力向上を、国民読書年の運動の一つの大きな柱として掲げた。
 読書活動は、子供たちの考える力や読解力を育んでいく上でも欠かせない。多感な時期に出会った書物は、その後の生き方や考え方に大きな影響を与えるだろう。
 学校図書館の改善も課題だ。図書館に常駐する学校司書を配置している学校は、全国の小中高校の約40%に過ぎない。読まれない古い本が雑然と置かれ、決められた利用時間以外は施錠されている学校図書館も少なくない。
 島根県では今年度、市町村が採用する学校司書やボランティアの人件費の一部を県が負担し、小中学校の97%に学校司書らを配置した。図書館を利用する児童生徒が急増したという。
 子供たちの関心を引く質の高い本を、授業内容とも関連付けて紹介していけば、本好きの子もおのずと増えていくことだろう。


『朝日新聞』2009年10月30日
朝刊
重〜い全集、そろえずパソコンで 小田実64作品、電子出版で刊行 講談社
 重厚長大な全集は電子書籍でいかが――。講談社は07年に死去した作家の小田実さん=写真=の全集を来年4月から電子出版で刊行することになった。同社によると、作家の個人全集の電子出版は国内初の試みだという。
 全集はインターネットの電子書店からデータをダウンロードして、パソコンの画面で読む。紙の本で読みたい人には注文を受けて印刷するオンデマンド出版で対応する。将来的には、アイフォーンなどの携帯端末やアマゾンの電子書籍端末キンドルでも読めるサービスも検討している。
 収録されるのは、「ベトナムから遠く離れて」など小田さんの全小説32作品と、「何でも見てやろう」など評論から選んだ32作品の計64作品。約4年かけ80〜90冊を出す予定。価格は未定。
 講談社デジタルメディア推進部の三木卓編集長は「箱入りの全集をそろえるライフスタイルはもうない。長大な作品の多い小田さんの全集こそ電子出版向きだと考えた」と話す。(久保智祥)


『読売新聞』2009.10.30
iPhone向け漫画紹介サイト開設=石川
東京朝刊
 内灘町の「アイパブリッシング有限責任事業組合」は、米アップルの携帯電話「iPhone(アイフォーン)」や音楽プレーヤー「iPod touch(アイポッドタッチ)」で読める漫画を紹介するサイト「MANGA Go!Go!Go!」を開設した。
 サイトでは、紙媒体ではなく、iPhoneで配信されている作品約200を紹介している。
 同組合はiPhone向けの漫画配信事業「j?MANGA」を手がけているが、iPhone用ソフト販売サイト「アップストア」では、「電子書籍」コーナーはあるが、漫画単体の紹介欄はない。同組合の福島健一郎代表は「漫画を探そうにも、ほかの書籍に埋もれている。特設サイトを作ることで、見つけやすくした」としている。
 日本語、英語に対応。アドレスは(http://www.manga‐gogogo.jp/)。


『朝日新聞』2009年11月07日
夕刊
(終わりと始まり)「デジタル化で失ったもの」 肉体は悲しい…ああ 池澤夏樹
 電子ブックというもの、これまでいくつか市場に出たけれども、手元に置いて使ってみたいと思ったことはなかった。
 薄い板のような形で、既存の本の内容がデジタルなテクストとして収められている。本のように持ち歩いて、本のように読める。そういう原理はわかるのだが、使い勝手がいま一つという印象だった。
 去年あたりから噂(うわさ)を聞いていたアマゾンの「キンドル Kindle」という商品が日本でも買えるようになった。評判はよしあしあるが、これは使えそうという気がして入手してみた。
 ほぼ文芸雑誌と同じ大きさで、厚みは文芸雑誌の二百ページ分くらい。目方は二百九十グラムだから、薄い単行本一冊というところか。
 それ自体が携帯電話のための電波網で販売元につながっていて、買ったテクストは自動的に届く(今のところ日本語の本はない)。同じものをパソコン経由で買うこともできる。画面は鮮明で読みやすいし、好みに合わせて活字の大きさを変えるという本にはできない芸当もできる。
 いちばんありがたいのはこれ一つに単行本千五百冊分が収まるというところだ。本というもの、ともかく重くてかさばる。仮に一冊が三百グラムとしても千五百冊では五百キロ近くになる。厚みを二センチとすれば、長さにして三十メートル分の本棚が要る。それが一冊分に収まるとすれば、これは僥倖(ぎょうこう)だ。
 実際に手に取って使ってみた結果はほぼ予想どおりのものだった。使い勝手はまあ我慢できる範囲。
 不満があるとすればコンテンツの不備。新刊のベストセラーを次々に読む人には便利だろうが、近過去が手薄なのだ。ぼくが編集している「世界文学全集」に選んだ三十六作品について言えば、キンドルで入手できるのは五点のみ。これは改善が期待できるし、著作権の切れた古典についてはまずまずの充実ぶりと言える。シェイクスピア全集が二ドル九十九セントだ!
    *
 ここ二十年ほどの間に我々はデジタル化の恩恵をたっぷりと味わってきた。それは紙やテープやレコード盤など、重さのある媒体からの解放だった。デジタルという無重力の空間を得たおかげで、我々が接し得るデータやテクストの量は飛躍的に増した。
 全三十巻の百科事典で一つの項目を引く手間を思い出してみれば、インターネットに重さがないことの利点がわかるだろう。百科事典の改訂は五年に一度もむずかしいけれど、インターネットならば毎日でもできる。
 自分のことで言えば、ぼくはワープロで書いた小説で芥川賞を受けた最初の作家である。それ以来、メモや手紙はともかく、原稿を手で書いたことはない。今から見ればまだ原始的で高価だったワープロに切り替えたいちばんの理由は腱鞘(けんしょう)炎だった。当時は翻訳などを生業としていたのだが、ともかく痛くて仕事にならない。キーボードを相手に両手の指を平等に使うことで、腱鞘炎は消えた。
    *
 デジタル化で失ったものは何か?
 肉体感である。
 ペンを手で持って字を書くという行為はキーボードを打つのよりずっと多く肉体に依存している。手の筋肉を操って書いた字の形が目から脳へフィードバックされ、次の字の形に影響を与える。うまい下手はともかく、自分の書体というものができる。思えばわが腱鞘炎は肉体の反逆だった。
 読む方にしても紙でできた本には容積と重さがあり、紙の質感と匂(にお)いがある。それら全体が内容と結びついて記憶に残る。本を手で持つこと、ページをめくることで肉体は読む行為に参加している。
 デジタルは情報を情報のみに還元する夢の技術のはずだった。物質から解放された情報はずっとアクセスしやすくなり、日常への提供量が増えた。われわれはどうでもいいことを実に正確に知ることができるようになった。その分だけ互いに気が抜けなくなった。いわば情報インフレーションだ。
 京都・建仁寺の法堂の天井に二頭の龍が描かれている。小泉淳作の作品だが、彼はこれを北海道中札内村の元小学校の体育館で制作した。そのさまを小泉淳作美術館(中札内美術村)でビデオで見た。
 彼は立って描くのだ。広大な紙を床一面に広げ、長い長い筆をまるで箒(ほうき)か何かのようにしっかり両手に持って、描いている。その足元からほんの少しずつ龍が生まれる。その紙と筆鋒(ひっぽう)の絡み合いに息を呑(の)んだ。足を広げて立った姿勢が絵の大きさとダイナミズムを裏打ちしている。
 墨や絵の具や紙を相手に絵を描くこと、数十名の演奏者からなるオーケストラを相手に指揮をすること、それに言うまでもなくスポーツのすべて、演劇、料理、旅行……まだ文化的な営みの多くは肉体の参与を求めている。
 マラルメの詩に「肉体は悲しい、ああ! 私はすべての本を読んでしまった」というのがあった。デジタルでない方法ですべての本を読んだ上で、肉体の悲しみに到達したいと思う。
 その後は、また旅に出ようか。
 (作家)


『朝日新聞』2009年11月07日
朝刊
米グーグルの電子書籍検索巡り要望 日本ペンクラブら
 米グーグルが進めるデジタル化した書籍の全文検索サービスに対する米国での集団訴訟を巡り、日本ペンクラブ、日本文芸家協会、日本推理作家協会は6日、日本政府に日本の出版文化を守るための行動を起こすよう求めることを決めた。日本の書籍を新たにデジタル化する際、作家ら著作権者に許諾をとることなどをグーグルや関係者に求めるよう、要望している。訴訟をめぐっては、ドイツ政府などが意見書を提出している。


『読売新聞』2009.11.10
[09ブランド列伝]エクスワード 「学習に役立つ」機能追求
東京朝刊
 ◇カシオ計算機
 手のひらサイズの薄い本体に、100種類もの辞典を収録する電子辞書の代表選手だ。教室やオフィスの必需品となった今でも、機能改善の努力で占有率50%超を維持している。
 初代機の登場は1996年。操作は付属のペンで画面中のボタンを触る方式だけで、キーボードを備えていなかった。このため使い勝手が悪く、評判は散々だった。この反省から、99年発売の「XD?1500」では、本体を折りたたみ式にして、キーボード入力を採用し、予想を上回るヒット商品となった。
 記録メモリーの容量が増加するにつれ、収録辞書の種類は、英和・和英辞典から広辞苑、百科事典まで拡大。「血糖値が高い人のためのレシピ」など多彩な情報が収録されるようになった。大学入試で英語の聞き取りが本格導入されるのを控えた2005年には、外国人の発音を再生する音声機能を多くの機種に採り入れ、受験生に支持された。
 便利な「手書きパネル」の採用は07年からだ。専用のペンでパネルに書いた文字を自動認識して検索し、読み方が分からない単語でも調べられるようになった。今年から本体を回すと表示が横書きから縦書きに切り替わる機能が加わり、電子書籍も読みやすくした。
 競合メーカーの中には、地上デジタル放送の受信機能や音楽再生など多機能化を図る動きもあるが、あくまでも「学習に役立つ機能を追求する」(コンシューマ戦略部の上田奈美子さん)方針だ。
 商品名には、Excellent(卓越した操作性)、Express(スピーディーな検索)などの意味を込めた。携帯電話の普及で、電子手帳として役割は低下したものの、辞書機能の進化で人気を盛り返した。


◆2009/11/12 Intel、視覚障害者向け電子書籍リーダーを発表
http://japan.internet.com/allnet/20091112/12.html
2009年11月12日 11:30
Intel、視覚障害者向け電子書籍リーダーを発表
Intel は10日、視覚障害者など文字を読む際に困難を有する人向けの電子書籍リーダー『Intel Reader』を発表した。同社はエンドユーザー製品でなく部品で有名な企業であり、新製品 Intel Reader はかなり例外的な製品と言えよう。
Intel Reader は、Amazon.com の『Kindle』などの電子書籍リーダーと見かけは同じようなものだ。だが、1499ドルという価格は、他の消費者向けデバイスと競合しようとするものではない。Intel Reader には高解像度のカメラが搭載されており、これでテキストを読み込んで、コンピュータの合成音声が朗読してくれる。
Intel Reader は、Intel の一部門 Intel Digital Health Group が考案した製品だ。同部門は、生活の質を改善することを目的とした新技術 (もちろん Intel の部品を使用する) の開発を専門にしている。これまでに開発した製品としては、患者が病院や診療所に出向かなくてもすむようにする、遠隔診察装置がある。
Intel Reader は、書籍のデジタルファイルを音声で読み上げることができ、どんな印刷物からもイメージを取り込み、テキストから音声へ変換する技術を用いて、表示イメージと同様に出版物も音声で読みあげることができる。Intel Reader はまた、オンライン上で視覚障害者向けにフォーマットされた書籍を読み上げることもできるし、テキストを音声ファイルとして保存して『iPod』で聞けるようにすることも可能だ。
Intel Reader は、Intel の『Atom』プロセッサを搭載し、2GB のフラッシュメモリ容量を備える。これは、テキスト約50万ページ分、またはスキャンしたページ600ページ分を格納できる量だ。また、Intel の Atom プロセッサ向けに最適化された Linux ベースのモバイル プラットフォーム『Moblin』と複数のサードパーティ製ソフトウェアを組み合わせてテキストのスキャンや読み上げを行なう。バッテリ駆動時間は、読み上げ状態で4時間、スタンバイ状態で数日間となっている。


◆2009/11/19 グーグル、電子書籍化で新和解案 EUは独自著作権ルール 米主導警戒
http://www.business-i.jp
グーグル、電子書籍化で新和解案 EUは独自著作権ルール 米主導警戒
2009/11/19
インターネット上で楽曲を検索し購入できるグーグルの新サービス「ディスカバー・ミュージック」の披露」パーティーで歌うラップ・ミュージシャンのモス・デフさん。来年には「グーグル・ブックス」を本格的に立ち上げようとしている=10月28日、米ロサンゼルス(AP)
 米インターネット検索大手、グーグルと全米作家協会、米出版社協会は13日、電子書籍化をめぐる集団訴訟の新和解案を米ニューヨーク連邦地裁に提出した。昨年10月の和解案を修正して、対象を米国、英国など英語圏の出版物に限定し、早期に事業を立ち上げる方針を示した。しかし、著作権保護や競争制限などの問題を含み、新和解案が米司法省の同意を得られるか不透明だ。欧州連合(EU)は、米国よりも先に書籍電子化のルールを策定しようと意気込んでいる。 
                   ◇
 ≪分析≫
 インターネットはメディアのますます多様な側面に浸透しているが、ワールド・ワイド・ウェブ(WWW)上で書籍を出版するのは大きな挑戦だった。しかし、近年、変化のペースは速まっている。
 インターネット通販大手の米アマゾン・ドット・コムの電子書籍端末「キンドル」やソニーの同端末「リーダー」は、端末に書籍データをダウンロードして読むことができる。出版社は過去に出版された書籍を電子化して、ウェブで販売することができる。
 また、著作権が切れた出版物の電子化を試みる図書館やその他の組織も多い。中でも目立った試みは、世界の書籍をスキャナーで読み込んで電子化し、オンラインで公開する「グーグル・ブックス」だ。
 ◆「孤児」出版物に論争
 グーグルは2004年、多くの図書館とできる限り包括的に蔵書を電子化することで合意した。これまでに700万冊以上がグーグルによってスキャンされ、そのすべてを検索することができる。ただし、全文を読めるのは著作権が切れたものか、有料で購入したものだけだ。最も論争の対象になるのは、著作権は有効だが絶版した書籍の電子化だ。この中には著作権保有者を特定できない「孤児」となった出版物も含まれる。
 グーグルの計画に原則として賛同する者は多いが、グーグルが出版社や著者の同意を得ずに電子化を行う方法は、著作権軽視として非難された。05年9月には、多くの出版社や作家協会が米国の裁判所に著作権侵害の集団訴訟を起こした。
 グーグルは08年10月、全米作家協会、業界団体の米出版社協会と和解に達した。グーグルは書籍電子化によって得られた利益の63%を著作権者に支払う。
 また、グーグルは著作権を管理する独立機関「版権レジストリ」の設立に3000万ドル(約26億8000万円)、無許可で複製された書籍の著作権料に4500万ドル、訴訟費用の全額負担の合計1億2500万ドルを負担することになった。
 版権レジストリは、著者や出版社に著作権料を支払うとともに、「孤児」化した出版物の著作権者を特定して、和解契約に基づく補償金を支払う。和解には米司法当局の承認が必要だ。
 しかし、ソフトウエア最大手の米マイクロソフト、アマゾン・ドット・コム、インターネット検索大手の米ヤフーなどが米国の図書館関連団体と組織する「オープン・ブック連合」は、和解の内容はデジタル書籍分野で独占的な地位にあるグーグルがデジタル化された書籍の利用条件や料金の設定を一方的に決定することになり、反競争的だなどとして異議を唱えた。
 この和解案は、米国以外の出版物も拘束する内容だったため、日本、中国、欧州などが反発。米著作権局、米連邦取引委員会(FTC)、米司法省なども和解案に懸念を示し、修正を求めていた。
 ◆加盟国間の調和が鍵
 EUの行政執行機関である欧州委員会は08年7月、政策提言文書「知識経済における著作権に関するグリーンペーパー」を公表した。10年までに書籍電子化をめぐる著作権を整備し、「孤児」化した著作物の扱いについて一貫した方法を作り、電子書籍を障害者に利用しやすくするよう改善を求めた。
 欧州委員会は08年11月、デジタル化された絵画、書籍、映画、文献の検索サービスサイト「ヨーロピアナ」を立ち上げ、欧州文化の電子化に熱心に取り組んでいる。
 ビビアン・レディング欧州委員会委員(情報社会・メディア担当)は公的機関と民間組織との連携の重要性を強調するとともに、EU加盟国間の異なる著作権体系を調和させる改革の必要性を訴えた。
 著作権が切れたり絶版した書籍をオンラインで検索、購入、印刷できるようにし、デジタル化書籍の本格的な商業利用を目指す「グーグル・ブックス」の新和解案には「オープン・ブック連合」などが引き続き反対を唱えており、来年の2月にも開かれる米連邦地裁の公聴会で決着するか、予断を許さない。
 今年5月、EUの閣僚理事会は、グーグルの電子書籍化が欧州の著作権者に及ぼす影響を調査するよう、欧州委員会に求めた。EUは、米国で電子書籍化のルールが確立する前に、加盟国と業界を説得し、電子化時代に適合した単一の著作権体系を作り、少なくとも図書館と研究者にオンラインで書籍を利用できるようにしたい考えだ。
                   ◇
 ≪結論≫
 グーグルと米国の著作権者は13日、米連邦地裁に新和解案を提出したが、内外に受け入れられるかは不透明だ。このため、欧州委員会は電子図書館に向けた著作権体系を欧州レベルで整備する絶好の機会を得た。この試みの成否は、EU加盟国が著作権ルールの調和に協力するかどうかにかかっている。しかし、これまで加盟国は自国の著作権法を擁護してきた。域内で単一の著作権体系を作る試みは難航しそうだ。


『読売新聞』2009.11.21
ソニーが新ネット事業 テレビなどにも配信 来年中に
東京朝刊
 ソニーは20日、パソコンやゲーム機、携帯電話端末などデジタル機器向けの新たなインターネット配信事業を2010年中に開始する方針を明らかにした。ソニーが保有する映画や音楽、ゲーム、電子書籍など幅広いソフトをネットで手軽に購入できる仕組みを作ることでソフト販売をテコ入れし、ソフトの受け皿となるソニー製デジタル機器の売り上げ増も狙う。
 ソニーのネットワーク事業を統括する平井一夫執行役が読売新聞などの取材に応じた。検討中の「ソニー・オンライン・サービス(仮称)」は世界各国で約3000万人が利用しているゲーム機「プレイステーション」向け配信サービスが基盤となる。この仕組みを応用し、携帯音楽プレーヤー「ウォークマン」、パソコン「バイオ」、液晶テレビ「ブラビア」など大半のソニー製品でネット配信が利用できるようにする計画だ。
 昨秋以降の経済危機で業績が悪化したソニーは、ネット配信事業を3次元(3D)対応テレビやゲームソフトと並ぶ成長戦略の柱に位置づけている。ハワード・ストリンガー会長兼社長は19日の新経営方針説明会で「新ネット事業は課題だったハードとソフトの融合に対する答えの一つ」と説明した。
 音楽や動画のネット配信サービスは米アップルの「アイチューンズ・ストア」が先行している。アップルは音楽や動画などのソフトを自社で保有していないため、利用者が様々な企業のソフトを購入できることが成功につながっていると指摘される。ソニーは当面、配信事業を自社ソフトに限定するだけにソニー以外のソフトを購入したい顧客を取り込めない可能性もある。平井執行役は「映画をソニー製品だけに先行配信するなど他社製品と差別化できる。ネットを通じてソフトとハードを一体で提供する強みがある」と強調した。


『朝日新聞』2009年11月25日
朝刊
ドラゴン桜・クロサギなど、番組の原作を携帯サイトで配信 CBC 【名古屋】
 中部日本放送(CBC)は24日、携帯電話向け電子書籍サイトを開設した。「ドラゴン桜」や「クロサギ」などCBCなどで放送されたドラマや、映画の原作となったマンガを中心に、有料で配信する。名古屋に本拠がある放送会社では初めての試みという。
 電子コミック好きの若年層にCBCの放送になじんでもらう一方、中高年層の視聴者・聴取者に番組を通じて電子コミックを紹介していく。番組で企画した書籍や番組出演者の写真集などの配信も目指すという。スタート時点で対応するのはNTTドコモのみだが、12月初めまでには、au、ソフトバンクモバイル向けにも配信する予定。(増田愛子)


『朝日新聞』2009年12月10日
朝刊
<お知らせ>Journalism 12月号、10日発売
 【朝日新聞社のジャーナリズム研究誌】
 〈特集 ネットジャーナリズムの新局面〉新聞サイトの有料化は可能か? 坪田知己▽ツイッターがつぶやくメディアの未来 服部桂▽米国の記者がブロガーに転身し始めた 田中善一郎▽キンドル普及で急拡大する電子書籍ビジネス 桑田良輔▽SNSを活用する河北新報の戦略 佐藤和文◇シンポジウム採録「筑紫哲也との対話――没後1周年」◇700円(書店でご注文を)。年間購読(7700円、送料込み)は朝日新聞出版(電話03・5540・7793、平日午前10時〜午後6時)へ。電子版はFujisan.co.jp(年間購読1200円)


『読売新聞』2009.12.16
来年の注目語 EV、子ども手当、スカイツリー…/ELNET分析
東京朝刊
 新聞・雑誌の記事データベース「ELNET(イーエルネット)」を提供するエレクトロニック・ライブラリーは15日、「2010年の注目キーワード10」を発表した。
 経済・産業分野では、「EV(電気自動車)」「LED(発光ダイオード)照明」「電子書籍」のほか、IT(情報技術)を活用して需給を調整する次世代電力網「スマートグリッド」、インターネット経由で様々なソフトを活用する「クラウドコンピューティング」の五つが入った。
 政治分野からは鳩山政権の目玉政策「子ども手当」と来夏の「参院選」が、社会分野では10年5月に開催される「上海万国博覧会」、サッカー「ワールドカップ」、12年春の開業を目指す「東京スカイツリー」の三つが選ばれた。
 新聞96紙、雑誌約150誌に掲載された記事から、キーワードの登場頻度や増減の傾向などを分析した。


『朝日新聞』2009年12月18日
朝刊
新聞も読めるソニーの電子書籍端末 早朝に配信・月額1350円 米できょうスタート
 【ニューヨーク=丸石伸一】インターネットで購入した著作を専用端末で読む「電子書籍」事業で、ソニーは17日、新たに新聞の配信サービスを米国内で18日に始めると発表した。従来より画面を大きくした新端末を来週から出荷するのに合わせ、米新聞大手各社と提携し、主要紙を毎朝配信できるようにする。
 計画ではまず、米新聞大手ダウ・ジョーンズが発行するウォールストリート・ジャーナル(WSJ)の配信を18日に月額14・99ドル(約1350円)で始める。ソニー独自のサービスとして、ダウ傘下の経済情報サイトの有料配信も数日中に始め、ニューヨーク・ポストやWSJの「夕刊」バージョンの有料配信も来年1月に開始する。さらに今後、米紙ニューヨーク・タイムズや英経済紙フィナンシャル・タイムズなど米欧の主要紙の配信も順次始める見通し。
 ソニーは8月下旬、電子書籍端末「リーダー」の新しい3機種を発表し、事業強化に乗り出した。2機種はこの時発売したが、残り1機種の出荷が来週始まる。
 新機種はタッチパネル方式の画面を従来の6インチより大きい7インチ(約18センチ)のワイド画面にして、新聞など面積が大きな媒体でも読みやすくした。ソニーの端末では初めて通信機能をつけ、端末から直接、商品を購入し、受信できる。このため、月額購入した新聞は毎朝5〜6時ごろ端末に届く。
 新聞のネット配信サービスはすでに、電子書籍でも最大手となった米ネット通販最大手アマゾン・ドット・コムが同社の端末「キンドル」向けで始めている。紙の新聞の広告部分を除いて編集された紙面を配信するものだが、ソニーの参入によって普及が加速する可能性がある。
 電子書籍端末の販売は今年、アマゾンとソニーの新機種の投入で弾みがつき、米調査会社は年間300万台規模になると予想。このうちアマゾンが約60%、ソニーが約35%のシェア(推計)を握る「2強」を形成する。来年の米国内の販売台数は今年からさらに倍増の600万台になると予想され、両社のシェア争いも激しさを増しそうだ。
 ソニーは今後、新聞のネット配信事業を、電子書籍事業を展開している欧州などにも広げる見込みだ。日本では04年に事業を始めたものの07年に撤退。再参入を検討しているが、具体的な計画はまだ決まっていない。


『朝日新聞』2009年12月18日
朝刊
NEC、電子端末参入へ 通話機能は省略
 NECグループは17日、インターネットを通じて電子書籍やメールなどを利用できる電子端末を2010年夏ごろに発売すると発表した。NEC子会社のNECビッグローブは来年から、電子端末向けにネット上でゲームなどのソフトを販売するサービスも始める。
 端末はNECが開発中=写真=で、米国で広がっている電子書籍端末に似ている。7インチの液晶画面に指で触ることで操作ができる「タッチパネル機能」を搭載する予定。通話機能は省き、無線LANを通じてネットに接続する。価格は3万円程度になる見通しだ。
 ビッグローブは新端末に対応し、アニメやゲームなどのソフトをネット上で販売するサービス「アンドロナビ」を始める。
 来年1月から無料ソフトをネット上で提供し、3月からゲームなど約500本の有料ソフト販売に踏み切る。来年中には1万本程度への拡大を目指す。


『読売新聞』2009.12.18
ソニー端末にWSJが配信 米で提携合意
東京朝刊
 【ニューヨーク=池松洋】ソニーは17日、米メディア大手ニューズ・コーポレーションと提携し、ソニーが米国で販売している電子書籍端末「リーダー」向けに、米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の記事などの配信を受けると発表した。
 ウォール紙の基本購読料金は月14・99ドル(約1300円)で、さらに5ドルを追加すれば、日中の情報を盛り込んだ夕刊の記事配信も受けられる。
 今後ソニーは、米ニューヨーク・タイムズ紙など他のメディアとも提携し、電子書籍市場で先行する米アマゾン・ドットコムを追撃する方針だ。


『朝日新聞』2009年12月19日
夕刊
英FT紙も配信 ソニーの電子書籍
 【ニューヨーク=丸石伸一】ソニーは18日、電子書籍の専用端末に新聞をネット配信するサービスを拡充することが決まった、と発表した。同日から新たに英経済紙フィナンシャル・タイムズと米紙ロサンゼルス・タイムズ、同シカゴ・トリビューンの3紙を追加した。
 ソニーは17日、新聞の配信サービスを開始すると発表し、米経済紙ウォールストリート・ジャーナルと系列紙などの配信が決まったことを明らかにしていた。さらに今後、ニューヨーク・タイムズのような米主要紙や地方紙なども加え、計約20紙に広げることが決まっているという。


*作成:植村 要
UP: 20100620  REV:
情報・コミュニケーション/と障害者  ◇視覚障害者と読書  ◇電子書籍  ◇テキストデータ入手可能な本 
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