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電子書籍 2005

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■新聞記事



『朝日新聞』2005年01月16日
朝刊
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 ●山古志村支援の写真集 新潟県中越地震で深刻な被害を受けた山古志村の被災前の風景を収めた中條均紀氏の写真集『山古志村ふたたび』(小学館・2100円)が出版された。春の桜、夏の朝日に照らされる棚田、特産のニシキゴイを池から出す秋の「鯉(こい)あげ」など四季おりおりの65点。印税と収益は同村の復興のために寄付される。
 ●六本木ヒルズで古書展 28日(金)、29日(土)に東京・六本木の六本木ヒルズ森タワー49階で日本古書籍商協会創立40周年記念の古書展「世界の古書・日本の古書」が開かれる。「義経由来記」(絵巻)ほかファーブルの自筆ノートなどが出品される。
 ●洋書の電子書籍を販売 電子書籍販売サイトの「電子書店パピレス」(www.papy.co.jp)が、洋書の販売を始めた。マイケル・クライトンらの小説からビジネス書、実用書、専門書まで約1万6千点。ダウンロードしてパソコンで読むことができる。安いもので103円から。
 ●怪物の百科 キャロル・ローズ著『世界の怪物・神獣事典』(松村一男監訳、原書房・5040円)が出版された。「ドラゴン」など各地に伝わる空想上の生き物を紹介している。

 

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『朝日新聞』2005年06月26日
朝刊
情報フォルダー
 ●『出版年鑑』の最新版 昨年1年間の出版界の動きを統計などで示した『出版年鑑2005』(出版ニュース社・3万1500円)が刊行された。「資料・名簿」と「目録・索引」の2巻構成。昨年の新刊書籍約7万7千点のほか電子書籍約2万点の目録も収めた。なお、昨年まで『出版年鑑』とセットで販売されていた『日本書籍総目録』は今年からなくなり、インターネットのサイト「books」(http://www.books.or.jp/)に一本化される。
 ●絵手紙で見る20世紀 日本絵手紙協会が2000年に公募して集まった63万通以上から選んだ「絵手紙万葉集」全7巻がまとまった。「衣食住」「家族ふれあい物語」「子どもたちの夢」「暮らしの道具と文化」「あそびとスポーツ」「戦争の記憶」「地球と平和」各巻1800円。
 ●マンスリーセミナー「書物復権」 30日午後7時から、東京・新宿の紀伊国屋書店新宿本店4階ホールで。刊行が始まった「<理想の教室>シリーズ」(みすず書房)にちなんで、執筆陣の亀山郁夫、小谷真理、佐藤良明、巽孝之の各氏が、学力崩壊時代の読書と教育について語り合う。千円。同書店事業部(03・3354・0141)。

 

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『朝日新聞』2005年07月07日
朝刊
電子マンガ、せりふを字幕風に シャープが「北斗の拳」配信 【大阪】
 シャープは8月から、携帯電話サイトで新しい表示技術を使った漫画の配信サービスを始める。登場人物のせりふを絵中の「吹き出し」ではなく、映画の字幕のように画像の下部に表示し、画像の切り替えもページをめくるような感覚で瞬時にできるのが特徴だ。
 これまでは、一コマごとの画像の切り替えに数秒かかったり、携帯電話の機種によって吹き出しの中の文字が読みづらかったりしたが、シャープが開発した「XMDF」という表示技術で、そうした課題を解決した。
 1作目のコンテンツは往年の人気漫画「北斗の拳」。KDDIの電子書籍配信サイトで8月11日から、毎週5話ずつ配信する。利用料は税込み1話63円(通信料を除く)。せりふの再編集のため、作者の原哲夫さんが吹き出しで隠れていた部分を原画に書き足した。
 年内にNTTドコモやボーダフォンの漫画サイトでのサービスも開始し、配信する漫画も10作品程度まで増やす予定だ。
 現在、国内で携帯電話向けに配信されている漫画は約100作品あり、市場規模は年間10億円程度。業界では数年後に1千億円市場に成長すると予想されている。

 

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『朝日新聞』2005年07月13日
夕刊
ヤフーが文学賞 募集も選考もネットで 電子書籍として出版
 インターネット関連事業大手のヤフーが「文学賞」を創設し、小説を公募する。ネットで作品を募り、ネットでの一般投票で大賞を決め、電子書籍として出版する。募集から選考、発表までネットで実施する文学賞は、同社によると「業界初」という。個人のウェブサイトで作品を発表する「作家」も多いことから、「新たな文学がネット経由で生まれるのではないか」と期待する。
 第1回の応募期間は7月14日〜9月30日。「あした」をテーマにした未発表の自作小説が対象で、6千〜8千字。プロかアマかは問わない。ヤフーのポータル(玄関)サイトから進める特設サイトで応募する。
 まず出版関係者などからなる選考委員会が10作品を選び、特設サイトで11月中旬〜12月中旬まで一般公開して、ネットで投票してもらう。最高得票作品に「Yahoo!JAPAN賞」(賞金20万円)をおくるほか、作家の石田衣良氏が「選考委員特別賞」(同)を選ぶ。発表は06年1月で、受賞作は小学館の文芸誌「きらら」にも掲載される。
 ヤフーは今後、年3〜4回のペースで作品を募る考え。脚本や動画などでも賞を設けることを検討している。

 

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『朝日新聞』2005年07月19日
朝刊
読む「戦後60年」、ネットでフェア 電子書籍、来月15日まで
 「戦後60年『今、戦争を考える』」をテーマにした電子書籍フェアがインターネット上で開催中だ。対象は岩波書店、平凡社など出版社14社の28タイトルで、最終的には46タイトルをそろえる。価格は300〜1500円台。8月15日まで。
 出版社、電子機器メーカーなど約70社でつくる「電子書籍ビジネスコンソーシアム」(下中直人会長)の企画。戦時中の42年に出版された本多静六著『決戦下の生活法』(主婦の友社)や、半藤一利著『日本のいちばん長い日 運命の八月十五日』(文芸春秋)、多木浩二著『戦争論』(岩波書店)、中沢啓治著『はだしのゲン』(中央公論新社)などを販売中。
 購入方法など詳しい情報は、http://www.ebookjapan.jp/sengo60へ。

 

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『読売新聞』2005.08.06
漫画「北斗の拳」を携帯に配信へ/シャープ
大阪朝刊
 シャープは、人気漫画「北斗の拳」を、KDDI(au)の携帯電話の電子書籍サイトで11日から配信する。開発した電子書籍の仕様を採用し、登場人物のセリフを画面下に字幕で表示するなど、読みやすいように工夫したという。毎週5話ずつ追加、更新する。利用料は1話あたり63円(通信料は除く)。(電)03・4484・2013

 

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『読売新聞』2005.08.20
携帯タウンガイド KDDIが慶大と開発へ
東京朝刊
 KDDIは、レストランなどの位置情報が掲載された電子版ガイドブックを携帯電話端末に配信し、その情報をもとに道案内する新サービスを、慶応大と共同で研究・開発する。実際の利用者と年齢層が重なる大学生の意見を取り入れ、より魅力的なサービスを開発する。新サービスの開発で産学連携が行われるのは珍しいという。
 共同研究は、慶応大経済学部の武山政直助教授の研究室と行い、2006年中の事業化をめざす。レストランや小売店などの位置情報が入った電子書籍版ガイドブックを新たにつくり、携帯電話「au」のナビゲーションサービス「EZナビウォーク」の道案内と連動させる。どういう内容なら「使える電子書籍」といえるのかを学生に聞いて改善し、若者の視点をサービス内容に反映させる。

 

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『朝日新聞』2005年09月27日
夕刊
電子書籍、45億円市場に 「ケータイ読書」追い風、03年度の2.5倍
 電子書籍の04年度の市場規模は推定で前年度の2・5倍で45億円に――こんな調査結果をIT関連出版社「インプレス」のインターネット生活研究所が『電子書籍ビジネス調査報告書2005』(本体3万8千円)にまとめた。とりわけ携帯電話向け書籍は、前年度の1億円未満から一気に12億円へ。出版全体の市場規模2兆3千億円と比べると、まだ規模は小さいが、若年層を中心とする「ケータイ読書」の定着傾向がうかがえる。
 パソコンや携帯電話でダウンロードして購入するものを電子書籍として調査した。携帯向け市場の伸びは、高精細画面を備えた電話機の普及とパケット定額制の定着が大きく影響し、1冊を丸ごとダウンロードできるようになったことも購入意欲をかきたてたという。
 出版社などの携帯電話向け販売サイトも次々に開設された。コミックでは武論尊・原哲夫『北斗の拳』など、一般書では、飯島愛『PLATONIC SEX』や、芥川賞受賞作の綿矢りさ『蹴(け)りたい背中』などがよく売れた。
 利用者はパソコン・携帯情報端末(PDA)向けは男性が8割なのに対して、携帯電話向けは男女半々。年代ではパソコン・PDAは(1)30代(2)40代(3)20代の順だが、携帯は(1)20代(2)30代(3)10代と全体的に若い。
 パソコン・PDA向けが33億円でなお7割以上を占めているが、PDA向けは頭打ち状態という。『報告書』を執筆した高木利弘さんは「女性向けコミックに力を入れる動きもあるなど携帯電話向け市場の勢いは続きそうだ」と話している。

 

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『読売新聞』2005.10.29
目も疲れない電子書籍 鮮明さ、印刷に負けない
東京夕刊
 本棚の本をまるごと持ち歩き、好きな時に、好きな場所で、好きな本を読む――。これを可能にする電子書籍専用端末が、少しずつ広まってきた。最新の画像技術で作られた画面の表示は自然でメリハリがあり、印刷物にかなり近い。(安田幸一)
 電子書籍専用端末は昨年、松下電器産業が「シグマブック」(税込み価格3万9795円)を、ソニーが「リブリエ」(オープン価格で4万2000円程度)を相次ぎ発売した。
 読みたい本を手元の電子機器に表示させる「電子書籍」は、携帯電話での利用が最も多い。だが、画面が小さく画像精度に限界があり、絵や文字も粗くなる。シグマブックやリブリエは大画面で、単行本や雑誌に負けないくらいの鮮明な画像を目指した。
 シグマブックは、縦20・5センチ、横15・5センチ、厚さ2・5センチと単行本ほどの大きさ。開くと左右に画面が広がる。
 表示面には「コレステリック液晶」という液晶を採用した。これはらせん状の液晶分子で、電圧をかけて分子を横に倒すと、光が分子を通り抜けて青い底面の基盤が見える。一方、分子を立たせると、光の一部が分子に当たって黄色っぽい反射光が出る。これと基盤の青とが重なり、白っぽく見える。
 青と白の2色画面だが、分子の傾きが16段階まで調整でき、挿絵やコミック漫画の陰影部分を自然に表現できるのが特徴だ。
 パソコン画面で使われている液晶は、電源が切れると液晶の並びが崩れるが、コレステリック液晶は、整列した分子が、電源を切ってもそのままの状態を維持する。
 この性質を利用して節電するため、画像が切り替わるときだけ電源がオンになって液晶分子を並べるようにした。松下電器産業の佐藤真・電子書籍事業グループチームリーダーは「1日80ページ読むとして、単3電池2個で3か月は持つ」と話す。
 青白のシグマブックに対し、リブリエは、明暗が鮮明な「黒白」のタイプだ。
 リブリエの大きさは、縦19センチ、横12・6センチ、厚さ1・3センチ。表示画面の内部には、直径が髪の毛の太さの半分ほどのマイクロカプセルがびっしりと並んでいる。この中に、白と黒の微粒子が封じ込められている。
 白粒はプラス、黒粒はマイナスの電気を帯びている。この粒子を、表示面にかける電圧を操作して移動させ、文字を表示する。カプセルが細かいため、画面は印字された紙と錯覚するほど高精度だ。単4電池4本で、1万回のページ送りができる。
 ソニーの稲林学マーケティングマネージャーは「一度に20冊の本が持ち歩け、ページ送りは片手でできる」と話す。
 シグマブック、リブリエともにバックライトはなく、明るいところで読むなら目も疲れにくい。
 電子書籍の作品は、専用ホームページから料金を払って取り込む。ソニーでは、来月下旬に30日間1000円のリブリエ体験キャンペーンを企画。300人の希望者を来月6日まで募集するなど、普及にも力を入れている。
 〈電子書籍の広まり〉
 IT関連の出版社「インプレス」(本社・東京)の調べでは、今年3月で電子書籍の市場規模は約45億円。前年度の2・5倍。ただ、電子書籍専用端末は伸び悩んでいる。価格に割高感があり、画面でのページ送りに少し時間がかかるのも原因らしい。

 

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『読売新聞』2005.11.01
業界初 ビットウェイ、ケータイで新作漫画を配信
東京朝刊
 携帯電話向けコミック配信大手のビットウェイ(東京都台東区)は、講談社と協力して、描き下ろしフルカラーコミック2作品の配信を16日始める。携帯電話で漫画のオリジナル新作を配信するのは業界初だ。
 「胸キュン刑事2 みるくCC」(遠山光・作)を月2回、「萌える麻雀入門 もえじゃん!」(大林森・作)を毎週、それぞれ配信する。16日からボーダフォンの第3世代携帯電話向けに開始、来年1月にNTTドコモ、KDDIにも順次拡大する。1話あたり105円。
 携帯電話向けの電子書籍配信事業は、昨年から本格化し、コミック配信は音楽、ゲームに次ぐ人気。従来は過去に紙で出版された作品をデジタル化して配信していたが、今回はまず携帯電話で配信、後に紙で出版する“逆コース”を取る

 

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『読売新聞』2005.11.28
点字を電気で自由に表示 厚さ1ミリ、電子書籍へ利用可能 東大が開発
東京夕刊
 六つの点の組み合わせで表現できる点字の凹凸を、電気的な刺激で書き換えることのできる、厚さ1ミリのシート状の点字表示装置=写真=を開発することに、東京大学工学系研究科の染谷隆夫助教授と同国際・産学共同研究センターの桜井貴康教授らが成功した。消費電力は1ミリ・ワット以下で、従来の点字表示器より小型軽量化が可能。携帯型の点字用電子書籍などへの利用が期待される。数年以内の商品化を目指すという。
 試作品は、4センチ四方のプラスチックの基板に24文字分が表示できる。点字の六つの点には、直径1ミリの導電性プラスチックの半球をはめこみ、その下に半導体を埋め込んだ。半導体に電圧をかけることで、半球が上下する仕組みだ。実際に目の不自由な人に使ってもらったところ読み取れた。軽くて軟らかく、カードなどに使えるという。
 染谷助教授は「これまで、シート状にすることは難しかった。表示内容は簡単に変えられるので、目の不自由な人向けにさまざまなサービスが考えられる」と話している。 

 

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『朝日新聞』2005年12月06日
朝刊
(岐路のアジア 第3部・手さぐりの共生:8)漫画 「日本発」根付く共通文化
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 日本が牽引(けんいん)役となってアジアに広まった「漫画熱」。同じ作品を読んで育った世代が今、「MANGA」を共通文化として育みつつある。インターネットの普及を追い風に、発信の場も広がり始めた。(松下佳世)
 ●ネットで拡大、発信の場
 日曜の昼下がり。ソウル市内のネットカフェに遊びに来た中学3年の張勲さん(15)が手慣れた様子でマウスを動かす。画面をスクロールして読んでいるのは、とぼけたヒーローが主人公のギャグ漫画「タウリンマン」だ。「『GTO』とか、日本漫画も好き。でもネットはどこでも見られるし、ただだから」
 ブロードバンド大国の韓国でこんな光景が広がりつつある。「ここまで人気が出るとは予想できなかった」。大手ポータルサイト「ダウム」の金元さん(28)は驚く。
 ニュースサイトの片隅に漫画を載せ始めたのは2年ほど前。一部の作品の人気に火がつき、いまでは1日の閲覧数が500万回を超える。作品は無料で公開し、作家には運営費から実績に応じて原稿料を支払う。読者の反応次第でプロデビューも可能とあって、新人発掘コーナーには1日20〜30作もの投稿がある。
 「編集者ではなく、読者が漫画家を作る。ネットの普及でそんな逆転現象が起きている」と話すのは、ブームの火付け役といわれるカン・プルさん(30)。出版社に相手にされず、ネットに転向。ダウムで連載した恋愛物語「純情漫画」が大ヒットし、計4作の映画化も決まっている。
 「『まずは雑誌で連載』という日本型のモデルが韓国では崩れつつある。ネット漫画は今後アジアでも広まるはずだ」と漫画評論家の宣政佑さん(31)はみる。
 ネット人口が1億人を突破した中国。上海のオフィスビルにある「通力」(本社・香港)では、土曜にもかかわらず約30人が漫画本の電子化作業に追われていた。
 電子書籍販売を手がける同社は10月、ネットゲーム大手と組んで漫画配信サービスを始めた。香港のカンフー漫画や台湾の人気漫画家、游素蘭の作品など数百タイトルをそろえ、1冊0・5元(約7円)で提供する。
 「アジアには多くの素晴らしい漫画がある。だが、これまではそれが読者の手に届かなかった」と梁鋼社長は言う。
 中国では日本漫画の海賊版が先行した。「ドラゴンボール」は1億冊以上の海賊版が出回ったとも言われる。政府は10年前から日本流のストーリー漫画の国内育成を始める一方、外国漫画の出版を厳しく制限した。現在正式に出版が許されている日本漫画は「ドラえもん」「名探偵コナン」など十数作品に過ぎない。
 「出版業界と違い、規制が緩やかなネット上でなら、アジア中の作品を一挙に配信することも可能だ」と梁社長。来年1月には日韓の作品を加えて2千作品程度に増やし、タイやインドネシアでも交渉を進める。
 「いずれは各国の新作の競演の場にしたい」
 ●「夢は作り手」若者に熱
 漫画家になりたい――。アジア中にそんな若者が増えている。
 「『さよなら』の一言だけを使ってシーンを作ってみて」。ジャカルタ在住の漫画家、前山まち子さん(38)の言葉で、集まった10人が一斉にペンを走らせる。
 前山さんが開く漫画スクールには9〜30歳の124人が通う。月謝は中学生以上で190万ルピア(約2万3千円)。開校した3年前は生徒が集まるか半信半疑だったが、今では把握しているだけで市内に競合校が8校もできた。
 教室に残って大きな瞳の少女を描いていたサラさん(12)は「日本に留学して、みんなに読まれるラブストーリー作家になるのが夢なの」。
 「責任重大です」。前山さんは目を細める。
 インドネシアの漫画人気は「キャンディ・キャンディ」や「ドラえもん」が相次いで発売された90年代に火がついた。2年前には講談社が作品を提供する漫画雑誌「NAKAYOSHI」が創刊。昨年、小学館系の2誌も加わった。
 少数だが、国産漫画家も生まれつつある。人気作家「ANZU」ことアグネス・スサンティさん(25)は、シンガポールと米国でも漫画や挿絵を手がける。「海外では作風ごとの市場があり、媒体も多い。力をつけて、インドネシア漫画を世界に知らせたい」
 タイはさらに先を進む。漫画雑誌だけで30誌を超え、出版された日本漫画の約8割が市場に流れ込む。「読者の目は日本並みに厳しい。物まねは通用しない」。タイの日常を独自の画風で描き、日本でも人気を呼んだウィスット・ポンニミットさん(29)は話す。
 各国の担い手も増えてきた。日中韓、香港、台湾の共催で96年に始まった「アジアMANGAサミット」は、漫画家同士が自由に意見交換する場として定着。7回目の今年は韓国で、北朝鮮やミャンマー(ビルマ)を含む26カ国・地域が参加した。
 「原稿料の少なさや出版社の対応の悪さといった愚痴から、各国の読者の傾向まで、時にはお酒を飲みながら自由に話せる場は貴重」と、第4回から参加している中国の楊穎紅さん(26)。
 発起人の1人、里中満智子さん(57)は言う。
 「日中、日韓の関係がどんなにぎくしゃくしたときでも、交流の輪がとぎれることはなかった。漫画を通じて他国を深く知る。そんなつながりを大切にしていきたい」

 

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『朝日新聞』2005年12月17日
朝刊
森井教授のインターネット講座・第321回 ウィキペディア /徳島県
[topic/com_t_thumbnail.php。]
 最近の連載では、誰でもが使えるというインターネットの暗い部分である、不正な操作や行為について取り上げました。誰でもが使えるゆえに、悪意を持った人を排除することが難しく、結果として不正行為が行われてしまうのです。警察も取り締まりを強化し、インターネット事業者など民間機関も対策を施していますが、当然のことながら利用者一人一人が留意するのに勝る対策はありません。
 インターネットの明るい部分として、協調分散環境の構築があります。易しく言うと、小さな作業を分担して受け持ち、大きな作業に成し遂げることです。以前に紹介した、「青空文庫」もそのひとつです。
 著作権の切れた作品を、電子書籍として作り上げる作業を多くの人が分担して作り上げるのです。活字から拾い上げて、パソコンで入力し、電子化する作業は多くの人手が必要ですが、インターネットを使って、賛同する多くの人に分担して行うのです。現在、4980もの作品が公開されています。明治、大正、昭和中期までの有名な小説はほとんど網羅されているといっても過言ではないでしょう。
 青空文庫と同様、多くの人が分担して作り上げようとしているものに「ウィキペディア」があります。これは百科事典です。誰でもが利用できる百科事典を、多くの人が分担して作り上げようとしているのです。しかも、青空文庫と同様、誰もがその作業に参加でき、著者となり得るのです。英語をはじめ、世界各国の言葉で編纂(へんさん)されていますが、日本語版(http://ja.wikipedia.org/)ではすでに約164000件の記事(項目)があります。
 この百科事典が内容においても従来と大きく異なる点は、最新の内容が掲載されることです。「誰でも」というインターネットの特徴だけでなく、「いつでも」という特徴も併せ持った百科事典になっています。
 しかし、誰でもが書き込めることから、不正確な記述や場合によっては悪意を持った記述がなされるという問題もあります。これらの問題も、利用者のなかから選ばれた(信任された)管理者が削除や意見交換をまとめています。分担するだけでなく、議論をしながら、より正確で有用な内容を築き上げようとしているという意味では、相互のコミュニケーションを円滑にするというインターネットの最大の特徴を利用した方法だといえるでしょう。
 (神戸大学工学部電気電子工学科教授 森井昌克)


*作成:植村 要
UP: 20100706  REV:
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