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■新聞記事



『読売新聞』1995.02.20
東京国際ブックフェア95 アジア諸国と出版交流前面に マンガ、児童書で商談
東京朝刊
 ◆背景に著作権保護意識の高まり
 国内外の本約二十三万冊を一堂に集めた「東京国際ブックフェア’95」が今月八日から四日間、千葉市の幕張メッセで開かれた。日本書籍出版協会、日本雑誌協会など七団体が主催するフェアには三十の国・地域から約九百社が参加、国著作権ビジネス、共同出版などの商談の場となり、一般公開された後半二日間を含め、期間中の入場者は約二万九千人に上った。
 八四年に「日本の本展」としてスタートして以来隔年に開催、「東京ブックフェア」さらに「東京国際ブックフェア」へと名称を変え、お祭り色にビジネス的要素を加味するようになった前回から毎年開くことになった。
 今回のフェアの特徴について、主催者団体の一つ、日本書籍出版協会の五味俊和・専務理事は「アジア諸国との交流をより前面に打ち出した」と強調。昨年は出展者の申し込み順に会場内のブースを割り当てたが、今年は“メーンストリート”に面した場所をアジアの国々に優先的に提供したという
 アジアの参加者の間にも、出版レベルで日本との交流をより活発化させたいという期待感がうかがわれた。
 将来的な市場の発展可能性が注目されている中国からは四十人以上の関係者が参加。同国内の五つの出版社とチームを組んだ「中国国際図書貿易総公司」の楊名良主任は「美術などさまざまな分野の本千二百点を持ってきたが、展示したのはほんの一部だ。今回は日本の出版社、書籍販売会社と接触できたし、商談も成立した。今年で四回目の出展になるが、こうしたフェアはわれわれにとっても格好の機会。来年以降もぜひ参加したい」と熱っぽく語った。
 また、バングラデシュのアヌワルル・ホック・ブイヤンさんは「わが国の出版活動は非常に盛ん」とアピールすると同時に、「バングラデシュの子ども向けの本を日本にも紹介したい。日本からの良質な印刷用紙輸入交渉も進めたい」と対日出版交流に意欲を示していた。
 一方、国内の出版社はそれぞれのカラーを生かし商談を進めた。
 「アジア諸国とのマンガの著作権交渉が中心」と話していたのは講談社の担当者。「手探り状態の昨年に比べ、今回は具体的な商談も活発化している」と印象を語っていたが、こうした背景には、アジアの国々に著作権保護意識が高まっていることがあるようだ。
 また「児童書とコミックの交渉が多い」という小学館のスタッフは「事前に予約のあった商談とは別に、韓国などから飛び込みの話も目立つ」と対応に追われていた。
 一般公開の後半二日間には約一万八千人の入場者を記録。国内ではなじみの薄い書籍が並ぶ各国のブースのほか、「洋書バーゲン」「著名人が選んだ“私の一冊”」「造本装幀コンクール展」などの併設コーナーもにぎわいを見せた
 マルチメディア時代の到来を先取りする形で、電子ブック、CD―ROMなどの電子出版物の展示が一段と目立ったのも今年の特徴。「非再販本」バーゲンセールも行われ、ある販売業者はブースのスペースを昨年の倍に増やし、約三百点の非再販本を出展した。
 また、昨年発足したアジア・太平洋出版連合(APPA)はフェアに合わせて開催したフォーラムで著作権保護に関するアピールを採択、加盟国間の優れた翻訳出版物、共同出版物を対象とした「APPA出版賞」を新設するなど、フェアとの連携ぶりを印象づけた。
 国境を越えた出版交流の場としての役割を模索するブックフェアだが、今後は、ビジネスレベルでの国際交流と、読者を視野に入れた最新出版情報の提供という二つの命題の両立に向けた一層の創意工夫を望みたい。

 

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『読売新聞』1995.03.06
[いまマルチメディアは](6)創造力が世界を駆ける(連載)
東京朝刊
 ◆だれもが情報基地
 マルチメディアの最大の魅力は、個人の情報発信力を飛躍的に高めてくれることではないだろうか。だれでも映像や文字、音を加工できるマルチメディアは、われわれ一人一人の情報伝達手段を革命的に変える可能性を秘めている。映画「2001年宇宙の旅」のラストシーン、宇宙に飛び出した人類は、新たな感性を持った星の子供「スターチャイルド」に生まれ変わった。双方向ネットワークやCD―ROMなど、新世代のメディアを手にした現代人は、どんな“メディアチャイルド”に変身をとげるのだろうか。世界に向けてメッセージを発信し始めた人々をリポートする。電波報道部・松井 
 ◆天才マーフィー 13歳でデビュー作
 雪の残るニューヨーク・マンハッタンのアップタウン。マーフィー・スタイン君(15)は、放課後の学校から、軽い足取りで出てきた。ドラッグストアでガムを買い、地下鉄に飛び乗る姿は、どこにでもいる普通の高校一年生だ。だが彼の肩書は、れっきとした「マルチメディア・プロデューサー」。業界ではちょっと知られた天才少年である。
 彼は二年前、十三歳でパソコン用CD―ROMソフト「ワールド・アライブ」(生きている世界)を、自らの手で企画・制作した。百種類以上の動物の生態を、子供向けにわかりやすく説明した作品だ。
 画面上にある犬の足跡を、マウスで世界地図の上に持っていくと、そこに住む動物を次々と紹介してくれる。「パンダ」を押せば、かわいいしぐさでササを食べるパンダの映像やイラストを呼び出せ、クイズで遊ぶうちに動物の勉強ができるという、まさにマルチメディア動物百科だ。
 きっかけは、動物好きのマーフィーが、同名のドキュメンタリー映画を見て、父に言ったひとことだった。「面白いね。けど僕ならもっと動物のことがよく分かって、子供の興味を引く作品が作れるよ――」。パソコンソフト会社を経営する父は、夏休みのアルバイトとして、息子に企画を預けてみた。
 父のオフィスに入りびたった彼は、たった五か月で、全体の構成や情報のリンク(つながり)を完成させる。子供が楽しめるよう百問のクイズも自分で考えた。「少年が同世代に送るメッセージ」として全世界で発売され、大きな反響を呼んだ。
 「確かに父の仕事環境があるのはラッキーだった。でも僕自身は全然特別な人間じゃない。技術の進歩で、今はだれでも、自分の思いを形にできる時代なんだ」とマーフィーは語る。父ボブ・スタインさん(48)は「息子が十一歳の時、パソコンをいじって海の生き物図鑑を作るのを見て、才能を感じた」という。
 「子供でも楽しいオモチャを作れるのが、マルチメディアのいい所。友だちに見せるだけでも楽しいんだ。日本の仲間もぜひエンジョイして欲しいな」と呼びかけるマーフィー。将来はマルチメディアを動かす携帯端末作りに参加したい、という少年プロデューサーの夢は、これからも電子の世界をかけめぐりそうだ。
 ◆企業より個人の力でヒット作
 個人主義の国アメリカでは、マルチメディア分野でこのように、企業ではなく少数の個人の力が、大ヒット作品を生み出す例が増えている。
 5年前、マルチメディアブームのきっかけを作ったのが、若者2人だけで作ったCD―ROMによるインタラクティブ・ムービー「スペースシップ・ワーロック」。宇宙を舞台に活躍する冒険活劇もので、3DCG(3次元コンピューター・グラフィックス)による登場人物と映画のような手法は、ゲームファンに衝撃を与えた。
 そして昨年、世界中で100万部を超す大ヒットとなった「MYST」は、不思議な島を探検し、なぞを解く物語。ワシントン州の片田舎に住むランド(35)とロビン(28)のミラー兄弟が、霧のかかった幻想的世界を、CGで徹底的に描き込んだ力作だ。
 開発までに2年を費やしたが、兄ランドさんは「もちろん作業はハードだが、企業と違って上司も部下もなく、お互い叫び合うまで議論できた。作品をとことん作りこめる点も気に入っている」と、少人数制作の利点を語る。
 メディア評論家の渡辺浩弐さんは「マルチメディアソフト作りは、プログラミングではなくオーサリング(編集)と呼ばれる。ツールさえあれば、イラストレーターや映像作家などパソコンの知識がない個人でも作品が作れるため、今後、表現の場はますます広がるだろう」と語る。
 ◇自費出版
 ◆電子書籍なら低予算・低リスク
 本を出したい時、最も手っ取り早いのは自費出版だろう。だが、まとまった部数が必要な上、装丁によっては数十万円かかる例もありリスクは大きい。こんな中、パソコン画面で読む電子書籍の自費出版が今、静かなブームとなっている。人気の最大の要因は低予算・低リスクの魅力だ。
 先月二十五日、千葉県・幕張メッセ。パソコン展示会場の一角に、「エキスパンドブック横丁」という小さなブースが設けられた。電子自費出版本の展示即売コーナーで、身動きできないほどの混雑ぶりだった。
 展示されたのは、ソフト会社ボイジャー(本社・東京)が提唱する「エキスパンドブック規格」で作られた作品六十冊。ツールキットと呼ばれる編集ソフトで、文字や映像を簡単にレイアウトでき、縦書きも可能なことから、一般の人々でも執筆意欲を一気にかきたてられる。
 小説やエッセーから、「アメリカでとるバイク免許」などのハウツー物、映画誕生百年を記念した映画百科事典まで多種多様。フロッピー版で一冊五百円から千五百円、CD―ROMでも三千円ほどと、一般のソフトに比べて安く、飛ぶように売れていく。
 東京都杉並区の著述業、福地由美子さんは、「川柳で覚える大地震マニュアル」(五百円)を出展した元OL。昨年「早わかりOL生態学」という本を初めて出し、百冊を売った。「簡単に編集でき、フロッピーのコピーで増刷できる手軽さとリスクのなさが印象的でした」と語る。
 今年も展示会を目指し、インターネットに関する本をほぼ書き終えていた。そこへ一月十七日、阪神大震災が起きる。静岡県出身で災害への関心が人一倍高い福地さんは、いても立ってもいられず、「何か自分にできることはないか」と、口ずさめる災害マニュアル作りを思い立つ。
 地震の三日後から執筆に入り、「ポリ袋 三枚重ねて 水筒に」「乾電池 気づいた時に 切れている」などの川柳五十本を書き上げ、写真やビデオ映像も組み込み、十日でマルチメディア作品に仕上げた。
 紙の本の出版経験もある福地さんは、「書籍は出るまでに半年かかるが、電子出版は、いわば自分自身が出版社。段違いの早さだし、実に手軽です」という。作品の収益は、すべて被災地への募金にあてられた。
 ボイジャー社の萩野正昭社長は「他人に語りたいことが、だれの胸の中にもあるはず。従来のメディアは一対多だが、これからは読み手だった人も書き手の側になる時代が必ず来るはずです」と市場の広がりを確信する。
 ◇バーチャル・カンパニー
 ◆架空オフィスで事業展開
 電子自費出版が個人の出版社なら、さらに進んで個人の放送局を目指す人もいる。東京都渋谷区のプランナー久保田達也さん(42)は、インターネットで世界に向けた情報発信を目指している。
 インターネットのサービスで今最も注目されるのが「WWW」(ワールド・ワイド・ウェブ)。文字や画像、音を世界中に自由に送れるこのネット上に、久保田さんは自分のチャンネル「くぼたつホームページ」を持つ。
 久保田さんが今、最も入れ込んでいるのがバーチャル・カンパニー(VC)構想。つまり仮想企業のパートナーを世界中で探し、事業を進めることだ。
 自宅のパソコンには、3Dソフトで作られた架空のオフィスがある。「時には高原、時には海の中と場所を自由に変えてます。家賃もいらないしね」と久保田さん。窓には“社員”の顔や風景が現れては消え、何やら不思議な雰囲気だ
 このオフィスで久保田さんは今、自分がデザインしたパソコン・チェアの商品化を試みている。すでにデパートのインテリア担当者ら約二十人から問い合わせが相次ぎ、タイからは「我が国の籐(とう)で作れば、一つ六百円で作れるよ」と電子メールが届いた。
 「一般企業がオーケストラのような指揮者中心の組織なら、VCはジャズのセッション」と例える。気に入った相手とコラボレーション(共同作業)し、別の仕事ではまた違う仲間と組む自由な関係。個人の能力がものを言い、肩書はないに等しい。
 久保田さんは経営する企画会社のオフィスを、昨年閉鎖した。通信ネットワークで十分と考えたからだ。「インターネットが必須(ひっす )の時代が必ず来る。その時生き残れるのは、オリジナリティーを生み出せる人間だけ」と言い切る。デジタル放送局の仮想企業には、今日も世界から、メッセージが届いている。
 ◆広がる「個人チャンネル」  
 インターネット上に自分のチャンネル「ホームページ」を作るには、専用回線やコンピューターなど、数百万円単位の設備が必要だ。このため現在は、企業や大学など研究機関が行う例がほとんどだが、個人参加の要望は強く、サービスを始める会社も出てきた。
 インターネットへの接続を提供するIIJ(本社・東京)は先月から、自社のサーバコンピューター上に、ホームページを乗せるサービスを始めた。月額一万円で場所を貸す、いわば放送チャンネルのレンタルだ。
 このページを使い、さらに個人向けに場所をまた貸しするユニークな事業を行っているのが、横浜市の有限会社「あむりす」。横山岳浩さん(33)が妻英子さん(33)と二人で経営しており、ホームページを投稿欄に見立てている。ペット紹介やフリーマーケットなどの情報を無料で掲載するほか、五百円で二か月間、自分だけのページも借りられる。個人の情報発信の要求にこたえた日本初の場所だ。
 世界中から一日三、四千件のアクセスがあり、先月米ボストンのインターネットユーザーに「ユニークなページ」と紹介された。「日本人は情報発信が苦手だが、いずれアメリカに追いつくはず。世界中から反応があるのは、快感」と、その楽しさをアピールする。
 次回は二十日に掲載します。このシリーズは、これまで昨年十一月二十八日、十二月十九日、今年一月二十三日、二月六日、二十日に掲載しました。また、元日号でも別刷り特集を発行しています。

 

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『朝日新聞』1995年02月17日
朝刊
囲碁に関する電子書籍発売 NEC(情報ファイル)
 NECが24日から順次売り出す「日本棋院囲碁シリーズ」13作品=写真=は、同棋院から発行されている入門書や格言集など、書籍の内容をフロッピーディスクに収めた。NEC製の「デジタルブックプレーヤ」のほか、パソコン「PC98シリーズ」で読むことができる。作品によって1800円から2200円(消費税込み)。

 

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『読売新聞』1995.03.27
[ニューセラー・ロングセラー]春に売れる「国語辞典」 新版予定がめじろ押し
東京朝刊
 毎年三、四月の入学・入社シーズンに売れる季節商品の典型が、国語辞典だ。
 中でも評判の高いのが、岩波書店の「広辞苑」。一版が出たのが五五年というから、すでに四十年のロングセラー。しかも、母体となった「辞苑」が出版された戦前の三五年から数えると六十年だ。
 日本では戦後、当用漢字や新仮名遣いが採用され、新語も数多く登場するなど、言葉も混乱した。その中で広辞苑の出現は、「国語辞典と百科事典を合わせた本格的な大辞典」として歓迎され、初版は百万部が売れた。とはいえ、当時は初任給が一万円の時代で、二千円もする広辞苑は、だれもが買えるものではなかった。
 その後、数回の改訂を経て、九一年秋、一万五千語の新語を加え二十二万語を収録した四版が登場した。初年度に百二十万部が売れ、現在は年に二、三十万部が出ているという。価格も六千五百円(税込み)と相対的には安くなっている。
 広辞苑の特徴は、語源を重視し、古典から現代まで多くの用例を載せていること。百科項目については専門家のチェックを徹底しているのも売り物だ。
 「広辞苑」は長い間、ライバルも現れず、他の追随を許さなかったが、八〇年代後半に入って新しい辞典が次々登場してくる。八八年に登場した三省堂書店の「大辞林」は、「広辞苑をしのぐ辞書を作りたい」との願いから、二十八年かかって世に出たものだ。広辞苑が古語から順に記述しているのに対して、大辞林は「現在使われている語を先に書く」という現代語中心の編集だ。
 その後八九年には、講談社がカラー図版を使った「日本語大辞典」を出し、九三年に集英社が、「横組み」を発売するなど、国語辞典の個性化が進んでいる。
 今年は「日本語大辞典」「大辞林」が、それぞれ二版を出すほか、小学館が秋にカラー版の「大辞泉」(二十二万項目)を発売する。辞書は発売当初に、一気に売れる傾向があるため、辞書戦争の年になりそうだ。
 最近は、CD―ROMや電子ブックなどの「広辞苑」や「大辞林」も好評だ。関連語からの検索ができるなど、本の辞書にはない機能が特徴とあって、「本はないが、CD―ROMは持っている」という人も多いという。
     (森田由樹子)

 

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『読売新聞』1995.03.27
CD―ROM書誌データベース「本の探偵」95年版 メディアパル刊
東京朝刊
 新刊情報十九万件を8センチCD―ROMに収録した書誌データベース「本の探偵」95年版(メディアパル、八〇〇〇円)=写真=が発売された。九一年から毎年電子ブックとして刊行されているが、今回の特徴は、専用プレーヤーだけでなくパソコンでも読み込めるよう、アップル社のマッキントッシュとマイクロソフト社のウインドウズに対応した検索ソフトを収めたこと。これにより、パソコンユーザーが検索ソフトをほかから調達する必要がなく、CD―ROMドライブから直接アクセスできる。

 

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『朝日新聞』1995年04月25日
朝刊
音声付き電子ブック『知恵蔵95』あす発売<社告>
 検索が速くやさしい、と好評の電子ブック版『知恵蔵』の九五年版です。
 項目に関連する「朝日新聞記事」を昨年版より百本多い、千七百本収納。画面で記事を読むことができます。
 定価五千二百円(税込み)。書店、電器店、ASA(朝日新聞販売所)でお求め下さい。

 

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『朝日新聞』1995年04月25日
朝刊
辞書つき電子ブックプレーヤーを発売 ソニー(情報ファイル・商品)
 ソニーが売り出した電子ブックプレーヤー「DD−55」=写真=は、英和・和英・国語など10巻分の辞書を1枚の8cmのCD−ROM(コンパクトディスクを用いた読み出し専用メモリー)に収めた電子ブックが付属している。電子ブックに収められた文字・画像・音声などの情報が再生できる。3万5000円。

 

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『朝日新聞』1995年05月18日
朝刊
電子ブックの「浄土真宗聖典」開発 浄土真宗本願寺派 【大阪】
 直径八センチのディスク一枚に、十五万語を超える膨大な仏教聖典を画面と音声付きで収めた電子ブックの「浄土真宗聖典」が、浄土真宗本願寺派(京都市下京区、本山・西本願寺)で初めて製作され、十七日、披露された。
 同寺が七年前に出版した「浄土真宗聖典」(注釈版)の本文、注釈、解説のほか、浄土真宗の教えや歴史、現代語訳なども収録されている。お経の「正信偈(しょうしんげ)」などは、ディスプレーに次々現れる文章に合わせ、読経中の音声が流れる仕掛けだ。
 九月に一枚九千円で市販する。プレーヤーとのセットは四万円と四万四千円の二種類。問い合わせは本願寺出版社(075・371・4171)へ。

 

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『朝日新聞』1995年06月09日
朝刊
17カ国語をしゃべる簡易通訳機 ソニー(情報ファイル・商品)
 ソニーが7月10日に売り出す電子ブックプレーヤー「DD−66」=写真=は、付属のCD−ROM(コンパクトディスクを利用した読み出し専用メモリー)ソフトを入れると簡易通訳機として使える。ソフトには英語やドイツ語、フランス語など17カ国語の日常会話や単語が入っており、「買い物」「食事」「病気」など場面を選び、文章を選択してボタンを押すと本場のイントネーションやアクセントで音声が流れる。3万9800円。

 

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『朝日新聞』1995年07月16日
朝刊
電子出版物は価格競争時代(話題)
 CD―ROM、電子ブックなどの電子出版物を見かけることが多くなった。出版社はもちろん本の一種とみなしているが、実は同一視できない要素がある。価格だ。
 例えば、六月に大手出版社から出たばかりのCD―ROMの辞典は、書店では版元がつけた値段通り五千円で売られていたのに対して、東京・秋葉原の家電量販店の売り場をのぞくと三千九百八十円だった。
 こうしたことが起きるのは、現在の独占禁止法では電子出版物は再販商品とされていないからだ。書店では、活字本に準じた商品という理由でそのまま「定価」で販売しているところが多いが、一部商品を小幅ながら値引きしているところもある。
 約一千点をそろえる東京・新宿の紀伊國屋書店アドホック店もその一つ。近くの家電量販店を時々見に行っているという森吉保課長は「品ぞろえや情報サービスで差をつけようとしている」と言いながらも、「値引きはしたくないが、版元の希望価格ではなかなか売れないので」と話す。
 そんな中で、大手取次会社のトーハンは、「メディア・マート」と銘打った書店づくりを後押ししている。三十三平方メートルから百平方メートルをCD―ROMコーナーにあてるというもので、増床した滋賀県八日市市の書店に、今月初めてこの売り場ができた。売れ筋のものは買い切りで卸すことにしており、書店が値引きする余地も出てくる。
 トーハンでは、近くのパソコンショップなどでの価格も情報として流すという。再販制のもとでの委託、定価販売が続く活字本とは違う、価格競争を想定した流通形態が出来つつある。
 価格差は、客にとっては大いに気になる。電子出版物をどこで買うか、今後は選択の幅が広がりそうだ。

 

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『朝日新聞』1995年08月16日
夕刊
膨大な教典もこれ1枚 CD−ROM発売 永平寺と西本願寺【大阪】
 曹洞宗の大本山、永平寺=福井県永平寺町志比=が、開祖道元の主著「正法眼蔵(しょうぼうげんぞう)」などをCD−ROM(CDを用いた読み出し専用記憶システム)化し、一般販売も始めた。浄土真宗本願寺派(本山=京都・西本願寺)も「歎異抄(たんにしょう)」など同宗の聖典を収めた電子ブックを九月から発売の予定。伝統を重んじる仏教界でも先端技術活用の動きが盛んだ。
 永平寺のCD―ROMは「正法眼蔵」「道元禅師の生涯と思想」「永平寺に今も生きる道元禅師」の三枚セットで二万九千八百円。二〇〇二年に道元の七百五十回目の大遠忌を迎えるのを記念して、富士通に製作を依頼した。
 CD(コンパクトディスク)に膨大な情報を収め、パソコンなどの画面に瞬時に呼び出せるCD―ROMの特徴を生かし、「正法眼蔵」は、七十五巻本や十二巻本、注釈、年表、関係文献目録などを収め、見出しやキーワードで瞬時に検索できる。あとの二枚は座禅の仕方や永平寺案内などのカラー写真が呼び出せ、ナレーションもついている。
 CD化は一九七九年に、「正法眼蔵」に差別的表現があるのではないかと問題になったのがきっかけ。あらためて原文の詳細な研究を始めたが、「書物をいちいちくっていては二、三十年かかる」と、三年がかりでCDに収めた。
 寺内の講習には、すでに活用されており、担当役の金原東英さんは「今は高校でもパソコンの必修が多く、五、六年したら修行僧は全員パソコン片手に、となるかもしれない」と話す。
 本願寺派は、専用の読み出し機を使う「浄土真宗聖典(電子ブック版)」で九千円。同宗聖典の四十七ある本文や注釈、史跡地図、年表などが入り、語句検索のほか読経も聞ける。

 

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『朝日新聞』1995年08月19日
朝刊
仏教もコンピューターの時代 聖典などCDや電子ブックに(青鉛筆)
 ▽曹洞宗の大本山、福井県の永平寺が、開祖道元の主著「正法眼蔵(しょうぼうげんぞう)」などをコンパクトディスクに収録、販売も始めた。浄土真宗本願寺派も「歎異抄(たんにしょう)」などの聖典を電子ブックに収める。
 ▽どちらも見出しやキーワードで瞬時に検索出来る。何となく仏教の風景にそぐわない感じだが、電子ブックの方は読経も聞ける。
 ▽永平寺のパソコン担当役、金原東英さんは「今は高校でもパソコンの必修が多い。五、六年もしたら修行僧は、全員パソコン片手に、となるかもしれません」。
 

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『朝日新聞』1995年09月09日
朝刊
電子ブック『フジ三太郎』発売<社告>
 サトウサンペイ自選、三百本のマンガを8センチCD―ROMに収録、日本語と英語の音声を付けました。
 日本語と英語の略年表も収録、当時の世相を振り返ることができます。
 『フジ三太郎』は、専用プレーヤーのほかパソコンでも再生できます(パソコンに電子ブック用検索ソフトが必要です)。
 価格六千五百円(税込み)。お近くの書店、電器店、ASAでお求め下さい。

 

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『朝日新聞』1995年09月14日
朝刊
高島屋で無料体験OK CD−ROM収録のハイパー京都ガイド/京都
 CD−ROMによる新しい形の京都案内「ハイパー京都ガイド」(BUZZ制作、朝日新聞社発行)が、十四日から十七日までの四日間、下京区の京都高島屋七階、市生涯学習情報プラザで無料体験できる。
 電子ブックとしてのCD―ROMの便利さについて市民に知ってもらおうと、京都市の外郭団体「市社会教育振興財団」がこのコーナーを特設した。五台のパソコンを用意し、専門家が使い方を指導する。
 「ハイパー京都ガイド」は、二枚のCD―ROMにカラー写真約三千枚、イラスト約二百五十枚、ビデオ九本などを収録している。ナレーションや音楽、祭りばやしなどの音も入っている。
 内容は、百三十四カ所の社寺と文化施設のガイド、三十二大学・短大の情報、京都御苑の野鳥や深泥池の自然紹介など。千三百項目の「京都小事典」、旅館やおみやげなどの情報を集めた「イエローガイド」もあり、京都について多角的に調べることができる。
 中でも「バーチャル散策」の項目は、祇園新橋などの伝統的建造物群保存地区の写真風景が次々に現れ、町屋や石畳の通りの散策を疑似体験できる。
 同財団は「将来は、インターネットに情報をのせたり、図書館がCD―ROMを買い集めたりすることになるだろう。この機会にニューメディアの便利さを知ってほしい」と話している。

 

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『読売新聞』1995.09.16
辞書づくりNOW 辞書の魅力とは? 佐野真氏に聞く 「読む」と意外な発見も
東京夕刊
 辞書との“付き合い”が長く、「辞典・事典・字典―こんな愉しみ方」の著書もある学習院女子短大講師の佐野真氏(58)に辞書の魅力などを聞いた
 ――辞書にどうして興味をもったのですか。
 中学生のころ、家の中にあった一冊の漢和辞典がたまたま目にとまり、パラパラとめくったのがきっかけでした。もちろん旧仮名遣いだが、ふだんはあまり出くわさない字の面白さに引き込まれていきました。
 ――辞書の魅力はどこにあるのでしょう。
 文字が並んでいるだけで一見硬そうですが、じっくりめくっていくと結構楽しい。「引く」というより「読む」という感覚。必要でないところを「ついで」に読んで、意外なことを知ってしまうこともあるし、そこからさらに関連項目を引いていって、時には本来の目的を忘れてしまうこともある。特に古い辞書は読み物としても楽しめます。山田美妙の「日本大辞書」なんかは辞書の中で他の辞書名をあげて批判しています。昔はおおらかでよかった。
 ――辞書編集のあり方について何か注文は。
 収録項目の数を競い合うことにあまり意味はないのではないか。むしろ、利用層を十分意識した辞書づくりが大切でしょう。これは利用者サイドの問題でもありますが、例えば、小さいうちから子どもに立派な辞書を与えると、かえって辞書嫌いになってしまう恐れがある。小学校の教科書に出てくるような言葉が辞書で引けないという経験が、辞書に対する不信感につながりかねない。ヨーロッパなどに見られる息の長い辞書づくりも必要です。ある種の悠然さがないと、本格的なものはなかなかつくれない。
 ――辞書と電子辞書との関係についてどう考えておられますか。
 「あいまいに」に引ける、検索が楽、というところに電子辞書のメリットがあります。辞書・事典類は「道具」的な要素が強いだけに、電子出版になじみやすいのですが、個人的にはディスプレーを長時間見る気にはあまりなれない。「紙」の辞書を「パラパラ」めくる感覚はやはり捨てがたい。
 ◆辞書・事典「電子出版で読みたい」30% 出版文化産業振興財団が3千5百人意識調査
 読者は出版物をどのような形で読みたいのか――出版文化産業振興財団は昨年、全国の書店で約3500人を対象に読者意識調査を実施、この中でジャンル別に「読みたい」出版形態を調べた。
 「小説や読み物」では「紙で」が87%と圧倒的に高い“支持率”を獲得、文芸ジャンルでの根強い〈紙志向〉を浮き彫りにした。その一方で、辞書・百科事典の「紙で」は、44%と5割を割り、逆にCD―ROMなどの電子出版で読みたい本としてはジャンル別では最高の30%に達した
 辞書・事典は、検索機能を十分に発揮できる電子出版のメリットを生かせる分野との認識が読者の間に浸透しつつあることを裏付ける結果ともいえ、同財団の藤沢敏・専務理事も「出版事情をある程度知っている書店の顧客が調査対象とはいえ、電子ブックなどの認知度は予想以上に高かった。この結果をみても、読者はそれぞれの出版形態の特徴、機能を相当意識しているようだ」と分析している。

 

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『朝日新聞』1995年12月01日
夕刊
慶応義塾大学芸文学会シンポジウム「書物の世紀末」(会と催し)
 95年度慶応義塾大学芸文学会シンポジウム「書物の世紀末」
 8日午後2時半、東京・三田の同大学・北新館ホール。電子書籍などが登場するなかでの、新しい書物像を探る。司会は巽孝之・同大助教授(米文学)。高宮利行・同大教授(中世英文学)、荻野アンナ・同大助教授(仏文学)、高山宏・東京都立大教授(英文学)の講演。無料。同学会事務局(〇三―三四五三―四五一一、内線三一〇五)。


*作成:植村 要
UP: 20100706  REV:
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