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エジプト・アラブ共和国 2012年7月〜9月


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アフリカアフリカ Africa 2016

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○最新のニュース・企画案内 → エジプト・アラブ共和国

○外務省 各国・地域情勢 エジプト・アラブ共和国

◆2012/07/01 cnn.co.jp ムルシ新大統領が就任、軍部に権限移譲求める エジプト
◆2012/07/01 yomiuri.co.jp モルシ氏がエジプト大統領就任、民政移管を宣言
◆2012/07/03 cnn.co.jp エジプトのムルシ新大統領、人民議会復活を模索 軍と対立が予想
◆2012/07/09 cnn.co.jp エジプト大統領、議会復活を宣言 軍部は緊急会合開催へ
◆2012/07/09 asahi.com エジプト議会の再開命じる ムルシ大統領、軍部と対立
◆2012/07/09 yomiuri.co.jp エジプト大統領、人民議会の解散宣告を無効化
◆2012/07/09 nikkei.com エジプト大統領、軍の議会解散命令「無効」 実効性不透明
◆2012/07/09 毎日新聞 エジプト:大統領、議会再招集を命令 軍の解散命令に対抗
◆2012/07/09 毎日新聞 大統領・軍最高評議会・最高裁が権力の綱引き、エジプト
◆2012/07/10 nikkei.com エジプト議会、再招集 最高裁に有効か判断仰ぐ
◆2012/07/10 毎日新聞 エジプト:「解散、司法判断求める」議会再招集で議長宣言
◆2012/07/11 cnn.co.jp エジプト大統領が議会を招集 憲法裁は停止命令
◆2012/07/11 cnn.co.jp 赤ん坊を手荷物に隠して空港検査、X線で発見 エジプト人夫婦取り調べ
◆2012/07/11 asahi.com エジプト議会再開の大統領令、憲法裁が却下
◆2012/07/11 nikkei.com エジプト、憲法裁が大統領の議会再招集無効に 対立激化も
◆2012/07/11 nikkei.com 米、エジプトへ国務長官派遣 軍事支援継続
◆2012/07/11 毎日新聞 エジプト:議会再開「無効」…憲法裁判断、権力争い激化
◆2012/07/12 cnn.co.jp エジプト大統領、憲法裁の判断を「尊重する」 議会再召集で
◆2012/07/12 asahi.com エジプト大統領「憲法裁に従う」 議会解散問題で譲歩か
◆2012/07/12 yomiuri.co.jp エジプト議会「無効」最高裁、大統領令停止決定
◆2012/07/12 nikkei.com エジプト大統領、サウジ訪問 初外遊で国王と会談
◆2012/07/12 nikkei.com 再招集無効の判断「尊重」 エジプト大統領が声明
◆2012/07/12 nikkei.com パレスチナ議長、エジプト大統領と初会談へ
◆2012/07/12 毎日新聞 エジプト:「憲法裁判断を尊重」大統領譲歩…議会再招集で
◆2012/07/13 nikkei.com IMF、エジプト支援へ 民主化・経済改革後押し
◆2012/07/14 nikkei.com エジプト・モルシ大統領、外交本格化 米国務長官と会談
◆2012/07/15 asahi.com 米国務長官がエジプト入り ムルシ大統領と会談
◆2012/07/15 cnn.co.jp 米国務長官がエジプト訪問 新大統領と初会談
◆2012/07/16 AFP BB News 米国務長官に「モニカ」の怒号、トマト投げつける エジプト
◆2012/07/16 cnn.co.jp エジプト訪問の米国務長官に抗議デモ トマトや靴を投げ付け
◆2012/07/16 yomiuri.co.jp エジプト軍最高評議会議長、大統領を公然と批判
◆2012/07/16 yomiuri.co.jp 危篤から回復?ムバラク氏に「刑務所へ戻れ」
◆2012/07/17 asahi.com ムバラク前大統領、病院から刑務所に 健康状態安定
◆2012/07/17 yomiuri.co.jp ムバラク氏、刑務所付属病院に再収監…エジプト
◆2012/07/17 nikkei.com ムバラク氏再び刑務所に 容体が安定
◆2012/07/17 毎日新聞 エジプト:ムバラク前大統領を再収監 健康状態安定で
◆2012/07/18 MSN トピックス 宙に浮く原発計画=福島事故、「アラブの春」機に−住民の反対運動活発化・エジプト
◆2012/07/18 yomiuri.co.jp カイロ郊外で旅客列車が脱線、死傷者多数か
◆2012/07/18 yomiuri.co.jp カイロの列車脱線事故、死者なく15人負傷
◆2012/07/18 nikkei.com カイロ郊外で列車が脱線
◆2012/07/18 毎日新聞 エジプト:列車が脱線し4人負傷 線路の置き石が原因か
◆2012/07/19 asahi.com エジプトの前副大統領、スレイマン氏が死亡 米病院で
◆2012/07/20 AFP BB News エジプトのスレイマン前副大統領、米国で死去 検査中に心臓発作
◆2012/07/20 nikkei.com エジプト大統領、パレスチナ議長と会談 ハマス指導者とも
◆2012/07/21 asahi.com エジプト人力士、断食に耐える 名古屋場所中にラマダン
◆2012/07/22 AFP BB News エジプト北部でガスパイプライン爆発、武装勢力の攻撃か
◆2012/07/23 asahi.com エジプト大統領がラジオ番組 国民の質問に答える
◆2012/07/24 asahi.com 新首相にガンディール氏 エジプト大統領、組閣命じる
◆2012/07/24 nikkei.com エジプト新首相にカンディール水資源相を指名
◆2012/07/24 cnn.co.jp 断食守るかメダルか、ラマダン中の五輪に悩むイスラム選手
◆2012/07/25 毎日新聞 エジプト大統領:カンディール氏に組閣を指示
◆2012/07/25 cnn.co.jp エジプト新首相にカンディール氏指名
◆2012/07/27 cnn.co.jp エジプト選手団にナイキの偽ブランド、アディダスのジッパー付き
◆2012/07/27 毎日新聞 エジプト:5千年前、最古の「太陽の船」発掘
◆2012/07/27 nikkei.com ハマスのガザ幹部、エジプト大統領と初会談
◆2012/07/27 nikkei.com エジプトで最古の「太陽の船」発掘
◆2012/07/27 yomiuri.co.jp エジプト五輪選手団に偽物の用具、製造国は…
◆2012/07/30 MINNPOST Developing countries lead the way in deploying mobile technology
◆2012/07/31 トラベルビジョン トルコ航空、リビア、エジプト、モルディブに新路線開設へ
◆2012/07/31 日刊テラフォー 【ロンドン五輪】エジプト選手団に支給されたスポーツ用品はナイキのパチモノだった件
◆2012/08/01 cnn.co.jp 全身ベールで覆った女性のみで運営のテレビ局始動 エジプト
◆2012/08/01 cnn.co.jp 宗教の自由、エジプトや中国などで悪化 米国務省が年次報告
◆2012/08/02 nikkei.com エジプト新内閣、主要閣僚は留任 政策の継続性重視
◆2012/08/02 毎日新聞 エジプト:新内閣に国防相ら9人留任
◆2012/08/03 毎日新聞 エジプト:カンディール首相率いる新内閣が発足
◆2012/08/06 cnn.co.jp エジプト大統領「実行者捕まえる」 検問所襲撃で24人死傷
◆2012/08/06 asahi.com エジプトで兵士ら16人殺害 パレスチナ自治区境界付近
◆2012/08/06 yomiuri.co.jp 検問所襲撃、エジプト国境警備隊員16人死亡
◆2012/08/08 cnn.co.jp 覆面グループが6カ所を同時襲撃、2人負傷 エジプト・シナイ半島
◆2012/08/08 asahi.com エジプト軍、武装勢力20人殺害 ムルシ政権が強硬策
◆2012/08/08 nikkei.com エジプトでまた銃撃戦 武装集団20人以上死亡
◆2012/08/08 毎日新聞 エジプト軍:ガザ境界で掃討作戦…攻撃ヘリを投入
◆2012/08/09 cnn.co.jp エジプト軍、武装集団拠点を空爆 20人殺害
◆2012/08/11 毎日新聞 エジプト:日本人2人を一時拘束
◆2012/08/13 nikkei.com エジプト大統領、国防相を解任 暫定憲法を破棄
◆2012/08/13 nikkei.com エジプト大統領が新たな暫定憲法 軍と対立激化も
◆2012/08/13 cnn.co.jp エジプト大統領、国防相と参謀総長解任 主導権争い激化か
◆2012/08/13 asahi.com エジプト大統領、国防相解任 憲法の「軍の立法権」停止
◆2012/08/13 yomiuri.co.jp エジプト大統領、国防相解任…暫定憲法も無効に
◆2012/08/13 yomiuri.co.jp エジプトのモルシ大統領、新憲法宣言発布
◆2012/08/13 毎日新聞 エジプト:大統領が国防相を解任 軍移管の権限奪還
◆2012/08/13 毎日新聞 エジプト大統領:軍と事前に協議し合意か 国防相解任など
◆2012/08/14 nikkei.com エジプト大統領、軍弱体化狙う
◆2012/08/14 nikkei.com [FT]エジプト新政権は民主的姿勢示せ(社説)
◆2012/08/14 asahi.com 大統領令、司法の判断焦点 エジプト国防相解任
◆2012/08/15 nikkei.com イスラエルとの和平維持確認 米・エジプト国防相会談
◆2012/08/15 cnn.co.jp エジプト大統領、前国防相らに勲章 軍司令官3人を新たに任命
◆2012/08/15 asahi.com エジプト、解任の前国防相に勲章 米「人事知っていた」
◆2012/08/16 nikkei.com 軍政終結へ速攻 エジプト大統領が払拭できぬ懸念  本社コラムニスト 脇祐三
◆2012/08/20 asahi.com エジプト大統領、初のイラン訪問へ
◆2012/08/23 nikkei.com エジプトがIMFに支援増額要請 総額48億ドル、経済低迷で
◆2012/08/23 毎日新聞 エジプト:イランに接近…大統領、断交後初訪問へ
◆2012/08/24 毎日新聞 米国:エジプトに配慮要請…イスラエル国境の兵力増強
◆2012/08/28 yomiuri.co.jp エジプト大統領、シリア・アサド政権に退陣迫る
◆2012/08/29 nikkei.com エジプト大統領、全方位外交探る 中国・イラン歴訪
◆2012/08/31 cnn.co.jp エジプト大統領、アサド政権を強く批判 シリア反政府勢力支援を呼び掛け
◆2012/08/31 asahi.com エジプト大統領がイラン訪問 関係改善に期待感
◆2012/08/31 yomiuri.co.jp モルシ・エジプト大統領、国交断絶のイラン訪問
◆2012/08/31 nikkei.com [FT]エジプト株、政情不安での下落から急回復
◆2012/09/03 asahi.com イラン国営メディア、エジプト大統領演説を改ざん
◆2012/09/03 yomiuri.co.jp 故意に誤訳?「次はバーレーン革命だ」…イラン
◆2012/09/04 asahi.com エジプト、一部地域除き「危険度1」 外務省が引き下げ
◆2012/09/04 yomiuri.co.jp エジプト国営TV初、ヘジャブ姿の女子アナ出演
◆2012/09/06 トラベルビジョン エジプト航空、関空線を再開、1年10ヶ月ぶり−12月から
◆2012/09/08 asahi.com エジプト軍、武装勢力32人殺害 過激派掃討作戦
◆2012/09/11 nikkei.com エジプト経済、混迷深まる 米・サウジが支援へ
◆2012/09/11 nikkei.com シリア問題、カイロで4カ国協議 イランも参加
◆2012/09/12 asahi.com 「預言者中傷の映像」に抗議行動、カイロなど米公館襲撃
◆2012/09/12 cnn.co.jp カイロの米大使館をデモ隊が襲撃 「映画が預言者を冒とく」
◆2012/09/12 nikkei.com リビアの米領事館襲撃、1人死亡
◆2012/09/12 nikkei.com リビアの米領事館襲撃される イスラム侮辱映像に抗議
◆2012/09/12 cnn.co.jp エジプト、元首相に逮捕命令 国有地不正取引の容疑
◆2012/09/13 nikkei.com 抗議デモ5カ国に拡大、チュニジアでは衝突も
◆2012/09/13 asahi.com 駐リビア米大使殺害、テロの可能性 抗議デモは各地へ
◆2012/09/13 asahi.com 抗議デモ発端の映像、投稿者は? 製作過程に数多くの謎
◆2012/09/13 yomiuri.co.jp 反米抗議デモ、イスラム圏全域へ拡大の様相
◆2012/09/13 cnn.co.jp カイロの米大使館近くでデモ隊と警察がまた衝突、3日連続
◆2012/09/13 毎日新聞 エジプト:モルシ大統領、平和的な抗議行動呼びかけ
◆2012/09/13 cnn.co.jp 「預言者冒とく」の映画関係者、プロデューサーにだまされたと弁明
◆2012/09/13 毎日新聞 反米デモ:8カ国に拡大 イエメン米領事館襲撃
◆2012/09/14 nikkei.com 反米デモ、10カ国以上に拡大 14日に大規模デモも
◆2012/09/14 cnn.co.jp 中東や北アフリカで反米デモ拡大、死者も リビアでは逮捕者
◆2012/09/14 asahi.com リビア報道官「数人を拘束」 米領事館襲撃事件で
◆2012/09/14 asahi.com 米領事館襲撃、4人拘束 リビア当局、容疑明らかにせず
◆2012/09/14 yomiuri.co.jp 反米デモ、イスラム圏全域で…イエメンでも暴徒化
◆2012/09/15 毎日新聞 反米デモ:エジプトで4日連続 大使館一帯に催涙ガス
◆2012/09/15 毎日新聞 反米デモ:死者15人に拡大 11日以降
◆2012/09/15 毎日新聞 反米デモ:アラブ社会での「過激化」が目立つ
◆2012/09/16 cnn.co.jp 反イスラム映画の製作者を任意聴取 「非常に協力的」と米当局
◆2012/09/16 cnn.co.jp 反米デモ参加者の一部が「報酬受け取る」 エジプト首相
◆2012/09/16 cnn.co.jp エジプトは同盟国でないとオバマ氏、政策転換か 大使館襲撃
◆2012/09/17 毎日新聞 エジプト:武装勢力が襲撃 兵士ら9人死傷
◆2012/09/18 nikkei.com コプト教指導者が非難 ムハンマドの侮辱映像
◆2012/09/19 nikkei.com 映像制作者ら8人訴追 イスラム教冒涜などの罪
◆2012/09/19 cnn.co.jp エジプト当局、反イスラム映画の製作者ら8人を訴追
◆2012/09/19 毎日新聞 エジプト:イスラム預言者侮辱映像、製作者?らに逮捕状
◆2012/09/23 cnn.co.jp エジプト行政裁、軍部による議会解散を支持する判決
◆2012/09/23 asahi.com 巨大地下墳墓、11年ぶり エジプト、観光回復願い修復
◆2012/09/23 毎日新聞 エジプト:「ニカブ」着用、女性だけで運営のテレビ局開局
◆2012/09/24 ICTupdate ICT in a gender inequality context
◆2012/09/24 nikkei.com エジプト大統領、米に中東政策の転換要求
◆2012/09/26 Reuters 預言者侮辱映像、表現の自由には責任伴う=エジプト大統領
◆2012/09/26 asahi.com ムルシ氏「表現の自由、責任伴う」イスラム圏の不満代弁
◆2012/09/26 毎日新聞 エジプト:「ムバラク氏、脳卒中の形跡ない」専門医チーム
◆2012/09/27 毎日新聞 エジプト大統領:独裁崩壊後初の国連演説 民主化進展強調
◆2012/09/28 cnn.co.jp イスラム教侮辱映画の制作者を拘束 米当局
◆2012/09/30 毎日新聞 ムハンマド風刺画:エジプトで欧米の偏見「逆風刺画」特集
◆2012/10/09 nikkei.com 拘束のデモ参加者に恩赦 エジプト大統領
◆2012/10/13 cnn.co.jp カイロで大規模な衝突、大統領支持と反対両派 就任後初めて
◆2012/10/13 毎日新聞 エジプト:大統領支持者と反対派が衝突、110人負傷


 
 
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ムルシ新大統領が就任、軍部に権限移譲求める エジプト

2012.07.01 Sun posted at: 11:00 JST

(CNN) エジプト初の民主的な大統領選で当選したムハンマド・ムルシ氏が30日、大統領に正式に就任した。初の演説で、軍部に改めて権限の完全移譲を求める姿勢を示した。

ムルシ氏の就任宣誓式典は最高憲法裁判所前で行われた。ムバラク政権崩壊後の暫定統治を担ってきた軍最高評議会が立ち会い、会場周辺には厳重な警備が敷かれた。

同氏は評議会からの民政移管式典にも臨み、軍評議会のタンタウィ議長から栄誉の盾を受け取った。

式典後にカイロ大学で演説したムルシ新大統領は、評議会の業績をたたえる一方、「選挙で選ばれた機関が役割を果たすようになれば、軍は国境と国家の安全を守る任務に戻るだろう」と述べ、軍本来の役割を強調した。

評議会は大統領選の結果発表前に人民議会(下院)の解散を命じ、暫定憲法の修正を発表。新憲法が起草されて次期議会が選出されるまでの間、立法権と予算の決定権は評議会が掌握すると宣言している。



 
 
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モルシ氏がエジプト大統領就任、民政移管を宣言

【カイロ=新居益】エジプト大統領選で当選したイスラム主義組織ムスリム同胞団出身のムハンマド・モルシ氏(60)は30日、カイロの最高憲法裁判所で宣誓し、大統領に正式就任した。

モルシ氏は宣誓式で「今日、エジプト人は真の民主主義と完全な自由の実現に向けた基礎を築いた」と述べ、「新生エジプト」の実現を目標に掲げた。

モルシ氏はこの後、カイロ大学で就任演説し、「軍は国境を守る任務へと戻る」と明言した。モルシ氏は「民意で選ばれた諸機構がその役割を取り戻す」とも述べ、軍が出した人民議会(下院)の解散宣言を拒否する考えを示唆した。

就任演説後の軍式典で、軍最高評議会のタンタウィ議長は「(権限移譲の)約束を守る。自由公正選挙で選ばれた大統領が国を運営する」と述べ、その後、モルシ氏が民政移管を宣言。ただ軍は、既得権益の確保を図る姿勢を示しており、新政権との駆け引きは続きそうだ。

モルシ氏は「パレスチナ人が正当な権利を獲得する」と述べ、パレスチナ支援を明確にした。今後、イスラエルや米国との関係が冷却化する可能性もある。

(2012年7月1日01時21分 読売新聞)



 
 
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エジプトのムルシ新大統領、人民議会復活を模索 軍と対立が予想

2012.07.03 Tue posted at: 09:07 JST

(CNN) エジプト大統領選で当選し、先週就任したムハンマド・ムルシ大統領が、人民議会(下院)を復活させる方策を検討していることが分かった。暫定統治を担ってきた軍最高評議会との対立が予想される。

評議会は大統領選の結果発表前に議会の解散を命じ、暫定憲法の修正を発表。新憲法が起草されて次期議会が選出されるまでの間、立法権や予算の決定権は評議会が掌握すると宣言している。

これに対してムルシ大統領の報道官は2日、大統領が議会復活に向けた法的選択肢の検討を大統領府に指示したと述べた。

大統領はさらに、刑事裁判で有罪となっていない政治犯の釈放を進めるための委員会設置も命じた。支持母体の穏健派イスラム団体、ムスリム同胞団が1日、ウェブサイト上で明らかにした。

ムスリム同胞団は、議会解散前の最大会派だった。ムルシ大統領は就任後の演説で「完全な自由と真の民主主義」を訴え、「エジプトの歴史は古いページをめくり、新たな章に入る」と宣言していた。



 
 
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エジプト大統領、議会復活を宣言 軍部は緊急会合開催へ

2012.07.09 Mon posted at: 09:40 JST

カイロ(CNN) エジプトのムルシ新大統領は8日、人民議会を解散するとの軍部の命令を覆し、議会を再召集すると宣言した。軍最高評議会は同日、この動きに対応するために緊急会合の開催を決めた。今後の同国のかじ取りを巡り、大統領と軍部の対立が懸念される。

人民議会をめぐっては、最高憲法裁判所が先月、議員の3分の1は合法的に選ばれていないとして選挙無効の判断を下し、暫定統治を担う軍最高評議会が解散を命じた。評議会が立法権を握ると宣言したのに対し、大統領は就任直後から議会復活を模索していた。

ムルシ大統領の支持母体、ムスリム同胞団は、解散前の最大会派だった。人民議会のカタトニ議長はCNNに対し、大統領の決断を歓迎するとの声明を出し、議員は「数時間以内」に招集されると述べた。

一方、軍最高評議会の報道担当者は、この問題を協議するため緊急会合が開かれることを明らかにした。専門家の間では、大統領による議会の再召集は憲法裁判所の決定を覆すもので違憲だとの批判の声も上がっている。



 
 
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2012年7月9日04時22分

エジプト議会の再開命じる ムルシ大統領、軍部と対立

エジプトのムルシ大統領は8日、裁判所と軍部によって解散を命じられた人民議会(下院)に対し、活動再開を命じる大統領令を出した。軍部が大統領令に反発することは確実で、エジプト初の文民大統領のムルシ氏と、それを支えるムスリム同胞団と、50年以上にわたり実権を握り続けてきた軍部との権力闘争が本格化した。

人民議会では、ムルシ氏を大統領選に擁立したムスリム同胞団系自由公正党が半数近い議席を占めていたが、先月の大統領選決選投票の直前、最高憲法裁判所が「選挙制度の一部が違憲」との判決を出した。エジプト軍最高評議会はこれを受け、議会に解散を命じたうえ、立法権は軍評議会に属するとする暫定憲法の修正を行った。

これに対し、同胞団とムルシ氏は「軍部と裁判所に議会を解散する権限はない」と議会の存続を主張。大統領に正式に就任し、全権を握っていた軍評議会から行政権を移譲されたのちの8日、軍評議会の決定を覆す大統領令を出した。大統領令は合わせて、新憲法の起草と国民投票による承認から60日以内に、新たな議会選を行うとしている。

軍評議会は8日、緊急会合を招集し、対応策の協議を始めた。(カイロ=貫洞欣寛)



 
 
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エジプト大統領、人民議会の解散宣告を無効化

【カイロ=貞広貴志】エジプトのモルシ大統領は8日、昨年11月から今年1月にかけて行われた選挙で選出された人民議会(下院)に対する解散宣告を無効とし、再開を命じる大統領令を出した。

6月末まで同国を暫定統治した軍と司法当局による決定を覆すもので、軍最高評議会は同日、緊急会合を開いて対応を協議した。

大統領令は、イスラム主義組織ムスリム同胞団が最大議席を占める現行議会を再招集する一方、4年の全任期ではなく、憲法採択後、60日以内に行うやり直し選挙で新議会が選ばれるまでの暫定任期とし、軍・司法当局に一定の配慮をした。ただ、軍に事前通告はなく、解散命令当時の最高憲法裁長官は地元紙に「大統領令には何の法的根拠もない」との見解を示した。

(2012年7月9日11時35分 読売新聞)



 
 
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エジプト大統領、軍の議会解散命令「無効」 実効性不透明

2012/7/9 10:02

【カイロ=押野真也】エジプトのモルシ大統領は8日、実権を握る軍が解散を命じた人民議会(下院、国会に相当)について、解散を無効とする大統領令を発令した。ただ、エジプトでは憲法の制定作業が遅れており、大統領の権限は未確定。大統領令が効力を持つかは不透明だ。

大統領令は議会の解散を無効とし、議会を招集した。人民議会を巡っては、6月14日に最高憲法裁判所が選挙法の不備を指摘し、選挙自体を無効と判断。この判断を受けて軍最高評議会が議会の解散を命じた。今回の大統領令は軍の判断を真っ向から否定するもので、軍が合意しているかは不明。

人民議会はモルシ大統領の支持母体であるイスラム原理主義勢力「ムスリム同胞団」が議席の半数近くを占める。同胞団はこれまでの軍との交渉で、議会の解散を撤回するよう要求していた。



 
 
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エジプト:大統領、議会再招集を命令 軍の解散命令に対抗

毎日新聞 2012年07月09日 11時20分

【エルサレム花岡洋二】エジプトのモルシ大統領は8日、軍最高評議会による人民議会(国会)の解散命令を無効とし、議会を再招集する大統領令を出した。解散は最高憲法裁判所の違憲判決に基づいており、大統領令の実効性は不透明。司法と軍の旧支配勢力と、先月末に権限を移譲された新大統領との対立は避けられない。

大統領は声明で、新憲法の制定後60日以内に人民議会の再選挙を実施することも併せて発表した。議会任期は4年だが、軍の望む再選挙には応じる姿勢を示した形。新憲法は議会が既に選出した起草委員会が起草する。

議会は、モルシ大統領を擁立した穏健派イスラム原理主義組織ムスリム同胞団系の自由公正党が議席のほぼ半数を占め、議会第1党。しかし、最高憲法裁が選挙制度に不備があったとして先月の大統領決選投票の直前に違憲判決を下し、軍政が解散命令を出していた。同胞団は解散の無効を行政裁判所に訴えている。

立法権は議会解散後に軍が掌握していたが、再招集されるなら議会の手に戻る。イスラム勢力による「権力独占」を警戒する声が世俗派を中心に再び上がりそうだ。軍最高評議会は8日、緊急会合を開き、対応を協議。評議会メンバーはロイター通信の取材に、軍が事前に大統領令について知らされていなかったと明かした。



 
 
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エジプト:議長10日に議会開会 最高憲法裁「違憲」確認

毎日新聞 2012年07月09日 23時41分

【エルサレム花岡洋二】エジプトのモルシ大統領が軍最高評議会による人民議会(国会)の解散命令を無効とし、議会を再招集する大統領令を出したのを受け、カタトニ議長は9日、議会を10日午後に招集すると宣言した。一方、最高憲法裁判所は9日、会合を開き、解散命令のきっかけとなった違憲判決は確定しており依然として法的拘束力を持つと改めて確認した。大統領側は議会の開会で旧支配勢力との対決姿勢を強調する構えだが、反発は強く内政の混乱が続きそうだ。

AP通信によると、大統領に近いイスラム主義政党の議員は再招集に応じる意向を明らかにしているが、世俗派勢力のイマド・ガド議員は「判決に反してまで議会に出席できない」と指摘。議会内でも対応が分かれる見通しだ。解散命令後に議員は議会への立ち入りが禁じられていたが、9日、許可された。

議会は大統領と議長を擁立した穏健派イスラム原理主義組織ムスリム同胞団系の自由公正党が第1党を占める。最高憲法裁は先月半ば、選挙制度に不備があり違憲だったとの判決を下し、軍政が解散を命じていた。



 
 
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大統領・軍最高評議会・最高裁が権力の綱引き、エジプト

2012年07月10日 07:50 発信地:カイロ/エジプト

【7月10日 AFP】エジプトの最高憲法裁判所は9日、最高裁の決定を受けて軍最高評議会が出した議会の解散命令をムハンマド・モルシ(Mohamed Morsi)大統領が無効にして議会の召集を命じたことについて、「最高裁の決定は最終のものであり、上訴することはできず、全ての国家機関を拘束する」という声明を出した。

しかしヤセル・アリ(Yasser Ali)大統領報道官は、最高裁が判断した選挙法の一部の条項に憲法違反があるという点は即時に是正する必要はなく、「議会招集は高いレベルで国家国民の利益を考慮して」命じたもので最高裁の決定に反するものではないとしている。大統領の命令は、新憲法が国民投票で承認されてから2か月後に新議会選挙を行うための組織と、新しい議会法の採択についても規定している。

エジプト議会のサード・カタトニ(Saad al-Katatni)議長は大統領の招集命令に従って、10日午後2時(日本時間同日午後9時)に集まるよう各議員に連絡している。

最高裁の動きは軍最高評議会・司法当局と大統領の対立を招く恐れがあるが、最高裁と軍最高評議会は、議会の解散を命じたのはあくまで現行憲法の規定を尊重するためであり、政治的対立ではないとの立場を取っている。

米国家安全保障会議(National Security Council)のトミー・ビーター(Tommy Vietor)報道官は9日、エジプトの指導者と連絡を取りながら事態を注意深く見守っているが、あくまでエジプト国民が民主主義的な価値観、透明性、全エジプト国民の権利を尊重しつつ決めていくべき問題だと述べた。(c)AFP/Jailan Zayan



 
 
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エジプト議会、再招集 最高裁に有効か判断仰ぐ

2012/7/10 22:41

【カイロ=共同】エジプトの人民議会(国会)は10日、モルシ大統領が軍最高評議会による議会解散命令を覆して再招集を命じたことを受け、本会議を開いた。議会は大統領による再招集が有効かどうかなどの判断を最高裁判所に仰ぐことを決め、短時間で閉会した。

議会の再招集をめぐり、イスラム穏健派ムスリム同胞団出身のモルシ氏と軍が対立しているが、同胞団主導の議会はこれ以上の対立激化を当面回避する姿勢を示したといえる。同胞団出身のカタトニ議長は「議会は法や司法判断を尊重する」と述べた。

最高憲法裁判所は9日、議会解散の根拠となった憲法裁の違憲判断は「最終判断で、異議は受け付けられない」との声明を発表、軍評議会も解散命令に従うよう求めていた。合法性が不明確な議会が本格審議を始めれば、混乱は必至とみられていた。

10日の本会議には同胞団系などイスラム勢力が出席したが、リベラル派などはボイコットした。



 
 
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エジプト:「解散、司法判断求める」議会再招集で議長宣言

毎日新聞 2012年07月10日 21時38分(最終更新 07月10日 22時35分)

【エルサレム花岡洋二】エジプトの人民議会(国会)は10日、軍最高評議会の解散命令にもかかわらず再招集を求めたモルシ大統領の大統領令に基づき、本会議を開いた。カタトニ議長が解散命令の有効性について、日本の最高裁に相当する破棄院に判断を求めると宣言した。民主化運動で誕生した大統領・議会と、旧体制を支えた軍・最高憲法裁の正面衝突は当面、回避された模様だが、対立する両陣営間の権力闘争により、民主化の行方は不透明さを増している。

本会議には、第1党で、モルシ大統領の支持母体である穏健派イスラム原理主義組織ムスリム同胞団系の自由公正党をはじめ、過半数議席を占めるイスラム系政党の議員が出席。一部の世俗派、リベラル系議員はボイコットした。カタトニ議長は本会議で軍政による解散命令の違法性を訴え、「司法判断は尊重する」と述べ、数分で閉会された。閉会は破棄院判決まで無期限。

最高憲法裁は6月、議会選の選挙制度に不備があったとして違憲判決を下した。違憲判決を受けて、軍政が議会を解散した。選挙は前ムバラク政権崩壊後の昨年11月〜今年1月に実施されたもので、ムスリム同胞団は解散の無効を行政裁判所に訴え、係争中だ。

一方、最高憲法裁は9日、違憲判決は依然、有効だと発表した。再招集の大統領令には「法の支配の原則に反する」との批判もあり、人民議会議員などが違法性を巡り提訴している。有力政治家のエルバラダイ前国際原子力機関(IAEA)事務局長は「エジプトの統治が法でなく、人(の恣意=しい)に基づくことを意味する決定だ」と大統領令を批判した。

軍最高評議会は9日、「法と憲法を順守することが重要だ」と大統領令を間接的に非難する声明を発表した。しかし、評議会のタンタウィ議長は9日、軍事パレードでモルシ大統領と同席し、穏やかに言葉を交わした。議事堂を封鎖していた軍部隊も9日に撤収しており、今のところ、軍は大統領側との直接的な対決は避けている模様だ。軍は声明で、議会再開を巡り大統領側と“裏取引”したとの疑惑は否定した。



 
 
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エジプト大統領が議会を招集 憲法裁は停止命令

2012.07.11 Wed posted at: 09:09 JST

カイロ(CNN) エジプトのムルシ大統領は10日、軍部に解散を命じられていた人民議会を再招集した。これに対して最高憲法裁判所は、議会復活を宣言した大統領令の停止を命じた。大統領と軍部、憲法裁が真っ向から対立する展開となっている。

議会は厳戒態勢の下で開かれ、1時間足らずで審議を終えた。ムルシ大統領による招集には、大統領の支持母体、ムスリム同胞団系自由公正党の議員から「立法の空白を埋めた」と評価する声が上がる一方、野党からは「かえって危機を作り出した」との批判も出た。

一方、司法当局関係者によると、憲法裁は、議会選挙を無効として議会の解散を求めた判決を改めて確認。この判決は「最終的であり、強制力を持つ」との立場を示した。

ムスリム同胞団は、ムルシ大統領支持を表明する百万人規模のデモを10日に実施すると表明していた。デモが実際に行われたかどうかは確認されていない。

ただ専門家らによると、大統領と軍部による全面衝突の可能性は低いとされ、双方が「冷戦」状態のまま微妙なバランスを維持するとの見方が強い。



 
 
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赤ん坊を手荷物に隠して空港検査、X線で発見 エジプト人夫婦取り調べ

2012.07.11 Wed posted at: 09:21 JST

(CNN) エジプト人の夫婦がアラブ首長国連邦(UAE)の空港で生後5カ月の男の子を小さなかばんの中に隠して手荷物検査を通過しようとしたとして、子どもを危険にさらした容疑などで警察の取り調べを受けている。

警察によると、かばんに入っていたのはこの夫婦の子どもで、シャルジャ国際空港のX線検査で影が映って発見された。夫婦は6日にUAEに到着したが、子どものビザがなかったことを理由に入国を許可されず、当局の手続きが済むまでの2日間、空港で待機するよう指示されたという。

しかし我慢できなくなった父親が翌7日、妻を説き伏せて子どもを手荷物の中に入れ、検査を通過しようとした。

対応に当たった警察官は「非常に驚いている。こんなことは初めてだ」「いくら困ったからといって、自分の子どもをかばんに入れるとは」とあきれた様子。両親はUAEに足止めされ、子どもを危険にさらした容疑と密輸未遂の容疑で警察の取り調べを受けている。



 
 
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2012年7月11日11時26分

エジプト議会再開の大統領令、憲法裁が却下

エジプト最高憲法裁判所は10日夜、人民議会(下院)に活動を再開させる大統領令の効力を停止する決定を出した。議会は、憲法裁と軍部に解散を命じられていたが、ムルシ大統領の大統領令に従って10日午前に再開を宣言したばかりだった。

議会の解散で立法権を握りたい軍部と法制面で同調する司法が、議会を維持したいムスリム同胞団系のムルシ大統領に対して譲らない姿勢を見せた。緊張がさらに高まるのは必至だ。カイロ・タハリール広場ではさっそく、同胞団の支持者らが集まって軍部と司法批判のシュプレヒコールをあげた。

同胞団系で議会第1党の自由公正党のカタトニ議長は10日に議会を再招集しており、次の議会は15日に予定されている。ただ、開かれるかどうかは不透明だ。

最高憲法裁は、行政訴訟や法令の違憲審査を担うエジプト司法の最高機関。6月14日に「議会選制度の一部が違憲で無効」との判決を出した。軍最高評議会は議会に解散を命じ、自ら立法権を握るよう暫定憲法を修正している。

自由公正党の党首だったムルシ氏は8日、大統領令を出し、議会を再開し、新憲法の起草後に解散・再選挙するよう求めた。解散を先送りし、形の上では判決に従いながら議会を当面、維持するのが狙いだ。(カイロ=貫洞欣寛)



 
 
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エジプト、憲法裁が大統領の議会再招集無効に 対立激化も

2012/7/11 10:14

【カイロ=共同】エジプトの最高憲法裁判所は10日夜、モルシ大統領が軍最高評議会による人民議会(国会)の解散命令を覆して議会を再招集したのは無効で、再招集命令の効力を停止するとの判断を示した。ロイター通信などが報じた。

モルシ氏や出身母体のイスラム穏健派ムスリム同胞団は、同胞団系政党が第1党である議会の復活を図ってきたが、打撃となった。モルシ氏側が受け入れなければ、軍や司法当局との対立が激化するのは確実だ。

憲法裁は「議会は(もはや)存在しない」と断じ、モルシ氏の再招集命令は「司法の決定を履行するのに障害だ」と批判した。

同胞団の支持者は10日夜、首都カイロのタハリール広場で憲法裁判断に抗議する集会を行った。

憲法裁は6月、個人枠の選挙区に政党候補の出馬を認めたことなどを理由に昨年11月〜今年1月に行われた議会選は違憲だったとの判断を示し、軍評議会は議会解散を命令して自らに当面の立法権を付与した。

同胞団は「軍による事実上のクーデター」と猛反発。その後、モルシ氏が大統領に当選、就任し、軍と協調する姿勢が目立っていたが、8日に議会再招集を命じたことで対立が顕在化していた。



 
 
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米、エジプトへ国務長官派遣 軍事支援継続

2012/7/11 22:34

【ワシントン=中山真】エジプトの混乱収拾を探り、クリントン米国務長官は14日からエジプトを訪問し、モルシ大統領ら新政権幹部と初めて会談する。ムバラク政権から続けている軍事支援を継続する一方で、軍部を含めた他勢力との対話を通じた民主化の進展を促す。中東全体の安定にはエジプトの存在が不可欠との立場から、米政府として新政権との関係を強化していく姿勢を鮮明にする。

クリントン氏は記者団に「民主化の進展は選挙だけで終わるものではない。あらゆる勢力を含んだ政治対話を進めることが大切だ」と強調。「エジプトの民主化プロセスを終えるまで米政府は強く関与する用意がある」とも訴えた。

米政府では、大統領となったモルシ氏がイスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」出身であることから軍部との対立激化や米・エジプト関係への影響を懸念する声もあった。クリントン氏の訪問は「米政府として新たな関係を構築していく用意」(バーンズ国務副長官)を明確に示すのが目的だ。

クリントン氏は軍事支援を含めた経済援助の継続方針を決めており、これをエジプト新政権幹部らに直接伝達する。「エジプトとの関係強化は中東全体の米国の国益に不可欠」と判断。民主化進展へ支援を継続する用意があることも伝える。



 
 
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エジプト:議会再開「無効」…憲法裁判断、権力争い激化

毎日新聞 2012年07月11日 12時13分(最終更新 07月11日 12時34分)

【エルサレム花岡洋二】エジプト最高憲法裁判所は10日夜、人民議会(国会)を再招集したモルシ大統領の大統領令を無効とし、再招集命令の効力を停止するとの判断を下した。軍最高評議会が先月、最高憲法裁の違憲判決に基づいて人民議会解散を命じたが、大統領が8日にこれを覆し、10日午前に本会議を再開したばかりだった。旧体制を支えた最高憲法裁と、民主化運動で誕生した大統領・議会との権力闘争が本格化してきた。ロイター通信などが報じた。

モルシ大統領の支持母体、穏健派イスラム原理主義組織ムスリム同胞団は、判断を受け、最高憲法裁判事の交代を求めて提訴した。同胞団の弁護士が政府系アルアハラム紙(電子版)に明かした。大統領側はこれまで、最高憲法裁の下した違憲判決を批判することは避けてきたが、同胞団の提訴を受けて方針転換する可能性も出てきた。

軍部の政治介入に抗議するカイロ・タハリール広場でのデモに参加していたモルシ大統領支持者は、中東の衛星放送アルジャジーラの取材に「最高憲法裁が旧体制の手先である証拠だ」と非難した。

10日に再開された議会では、大統領と同じく同胞団系の自由公正党出身のカタトニ人民議会議長が、軍による解散命令の違法性の判断を破棄院(最高裁に相当)に求めると宣言していた。判断があるまで議会は閉会する。これとは別に同胞団は議会解散命令の無効を行政裁判所に訴えて係争中だ。

逆に野党議員らも、大統領令の違法性を訴える裁判を計20件ほど起こしており、裁判合戦の様相を呈している。カイロ大学法学部のアシュラフ・アラファト教授は毎日新聞の取材に対し「法律の問題でなく、政争に過ぎない」とコメントした。

議会選は昨年11月〜今年1月に実施。最高憲法裁は6月半ば、直接選挙で選ぶ498議席のうち、3分の1(小選挙区枠)について、本来なら無所属候補に割り当てられるべきところ、政党所属の候補が当選していたとして選挙結果を無効と判断、議会の解散を命じた。



 
 
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エジプト大統領、憲法裁の判断を「尊重する」 議会再召集で

2012.07.12 Thu posted at: 12:21 JST

カイロ(CNN) エジプト人民議会の復活を宣言した大統領令を停止するとした最高憲法裁判所の決定について、エジプトの大統領府は11日、これを「尊重する」とのムルシ大統領の声明を発表した。

ムルシ大統領は声明の中で「10日の憲法裁の判断が、議会がその責務を果たすことを禁じるというものであるならば、われわれはそれを尊重する。エジプトは裁判官と裁判制度を尊重する法治国家だからだ」と述べた。また「目下の危機を打開するために、今後もさまざまな政治的グループや司法当局と会う用意がある」とした。

10日には、先月軍最高評議会が議会を解散して以降初めて本会議が開かれたが、短時間のうちに閉会した。

その後、ムルシ大統領を支持する数百人のデモ隊がカイロの行政裁判所の周囲に集まった。同裁判所は大統領令を覆す権限を有し、議会再招集を命じた大統領令に抗議する人々から25件の訴えが提起されていた。決定が1週間延期されるとの知らせを受け、デモ隊は平和的に解散した。

ムルシ大統領は11日夕、サウジアラビアのアブドラ国王と会談するため同国のジッダに到着。国営メディアによれば空港でサルマン皇太子の出迎えを受けた。



 
 
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2012年7月12日11時32分

エジプト大統領「憲法裁に従う」 議会解散問題で譲歩か

議会の解散を命じた最高憲法裁判所や軍部と対立していたエジプトのムルシ大統領が11日、「我々は法治国家に暮らしており、憲法裁の決定に従う」との声明を出し、憲法裁側に歩み寄る姿勢をみせた。

エジプトでは、ムスリム同胞団系が第1党となった議会に対し6月中旬、憲法裁が「選挙制度が一部違憲で無効」と判決。軍部は議会に解散を命じたうえ、暫定憲法を修正して自ら立法権を握った。同胞団が擁立したムルシ大統領はこの動きに反発。今月8日に議会の活動再開を求める大統領令を出したが、憲法裁は10日、大統領令の効力停止を命じていた。

声明を受け、15日に予定される次の議会開催は中止される可能性が高い。ただ、大統領側は「議会に再開を命じた大統領令は法に従ったものだった」との姿勢は崩しておらず、今後も立法権を巡る争いが続く可能性は否定できない。(カイロ=貫洞欣寛)



 
 
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エジプト議会「無効」最高裁、大統領令停止決定

【カイロ=田尾茂樹】エジプトの最高憲法裁判所は10日、モルシ大統領が8日に出した人民議会(下院)の再開を命じた大統領令について、法的根拠がないとして、効力を停止する決定を下した。

ロイター通信などによると、決定は、大統領令を、前回議会選を違憲とした6月の「最高憲法裁判断に基づく執行を妨げる障害」であると批判。憲法裁の判断は「(一部議員ではなく)議会全体を無効にした」ものであると明言した。決定は最終的で、異議申し立ては出来ないとした。

大統領と軍の対立を深めた前回議会選の有効性をめぐる論争に関し、司法が判断を下したもので、大統領側には打撃となった。

カイロ中心部タハリール広場では10日夜、モルシ氏の支持者ら数千人が集まり、「決定は明らかに政治的で、憲法裁が旧政権の道具であることが明らかになった」などと、決定を激しく批判した。

(2012年7月11日12時20分 読売新聞)



 
 
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エジプト大統領、サウジ訪問 初外遊で国王と会談

2012/7/12 12:30

【カイロ=共同】エジプトのモルシ大統領は11日、就任後初めての外遊でサウジアラビアを訪問、アブドラ国王と会談した。中東の有力国を初の外遊先に選んだことで、対アラブ地域外交を重視する姿勢を打ち出したといえる。国営サウジ通信が伝えた。訪問は12日まで。

イスラム勢力を基盤とするモルシ氏が大統領に就任したことで、エジプトがイスラエルとの平和条約を破棄し、イランとの関係を深めるのではないかといった懸念が米国などで出ている。

サウジはイスラム教スンニ派の親米国で、シーア派を国教とする反米のイランとは対立関係にある。



 
 
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再招集無効の判断「尊重」 エジプト大統領が声明

2012/7/12 12:30

【カイロ=共同】エジプトの中東通信によると、モルシ大統領は11日、自らの人民議会(国会)の再招集を無効とした最高憲法裁判所の判断を「尊重する」との声明を発表した。

モルシ氏は、軍最高評議会による議会の解散命令に対抗、出身母体のイスラム穏健派ムスリム同胞団系政党が多数を占める議会の復活を図って再招集し、軍や司法当局との対立激化が懸念されていた。憲法裁の判断を尊重する意向を示すことで、モルシ氏側がひとまず譲歩姿勢を示したとみられる。

声明は「エジプトは法治国家である」と強調、「局面打開のために、あらゆる政治勢力や組織、司法当局と協議する」とも述べた。

憲法裁は10日、「議会は(もはや)存在しない」と断じ、モルシ氏の再招集命令を「司法の決定を履行するのに障害だ」と批判していた。



 
 
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パレスチナ議長、エジプト大統領と初会談へ

2012/7/12 19:58

【エルサレム=共同】パレスチナ自治政府のアッバス議長の側近アリカット氏は12日、アッバス氏が18日にエジプトの首都カイロを訪問し、モルシ大統領と初めて会談することを明らかにした。パレスチナ放送に語った。

対イスラエル和平交渉のほか、ガザ地区を支配するイスラム原理主義組織ハマスとの和解などについて協議するとみられる。

モルシ氏は6月30日、大統領に就任後初の演説で「パレスチナ人の正当な権利が実現するよう支援する」と述べ、パレスチナ国家樹立を支持する考えを示している。



 
 
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エジプト:「憲法裁判断を尊重」大統領譲歩…議会再招集で

毎日新聞 2012年07月12日 11時48分(最終更新 07月12日 15時20分)

【エルサレム花岡洋二】エジプトのモルシ大統領は11日、人民議会(国会)の再招集を求めた大統領令を無効とした最高憲法裁判所の判断を「尊重する」との声明を発表した。大統領は10日、人民議会の第1党で自らの出身政党である穏健派イスラム原理主義組織ムスリム同胞団系政党の復権を図るため再招集を強行し、司法当局や軍最高評議会など旧支配勢力との対立激化が懸念されていた。大統領側が事実上「譲歩」する形で正面衝突は回避したが、政権掌握をめぐる権力闘争は今後も続きそうだ。

地元紙アルマスリ・アルヨウム(電子版)などが報じた。大統領は声明で「法治国家であり、最高憲法裁の判断を尊重する」と述べた。また、議会を再招集した理由については、立法府の機能停止による「空白を防ぐためだった」と説明。今後については、政党関係者や司法当局、軍などと協議を行うとした。

最高憲法裁は先月中旬、選挙制度に不備があったとして一部議席を無効とするなど違憲判決を下し、軍政が議会の解散を命じた。大統領側は議会の再招集を強行することで対抗したが、憲法裁が10日夜、司法の決定に背くもので無効として批判し、双方の対立が深まっていた。



 
 
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IMF、エジプト支援へ 民主化・経済改革後押し

2012/7/13 13:27

【ワシントン=矢沢俊樹】国際通貨基金(IMF)は12日、エジプトのモルシ大統領による新政権からの打診を受け同国を支援する方向で調整に入った。米国の意向も踏まえ民主化と経済構造改革を後押しする。支援規模は数十億ドルとの見方があるが、拡張的な歳出方針の見直しや外貨準備などの徹底した洗い直しを前提としており、最終的な金額などは流動的だ。

今までIMFは、次々と長期政権が崩壊した「アラブの春」による民主化の進む中東・北アフリカ諸国への本格支援は実施しておらず、エジプトが事実上初めてのケースとなりそうだ。長期独裁政権が崩壊したチュニジア支援なども検討しており、今後は対象が広がる可能性もある。

オバマ政権は財政の制約が厳しい状況で、IMFや欧州復興開発銀行など有力国際機関を通じて外交・安保戦略上、重要な国への支援を強化する構想に積極的な姿勢を見せる。IMFも「中東・北アフリカの安定を支えるため前向きに支援するのが大きな流れ」(幹部)としている。

IMFの最大出資国である米国はエジプトを中東政策の要と位置付け、多額の軍事費援助を継続する方針。オバマ政権の意向を踏まえ、IMFは「エジプト支援の方向性はほぼ固まっており、新政権の要請を受けて今後折衝を本格化させる」(幹部)意向だ。

ただ、IMF筋によると格差是正のための低所得者向けの補助金配分などが原因でエジプトの歳出は膨らむ傾向にあり、予算の抜本的な見直しが必要とみられる。政府や民間資産の不透明さを指摘する声もある。IMFは支援に先立って同国に調査団を派遣し、経済構造改革プログラムの策定に必要な情報を収集する考えだ。

支援金額を巡っては暫定政権時に30億ドル規模との見方が浮上した。ただ「現時点では金額の積み上げは難しい」(関係者)との見方もあり、新政権との調整が難航する可能性もある。



 
 
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エジプト・モルシ大統領、外交本格化 米国務長官と会談

2012/7/14 23:11

【カイロ=押野真也】エジプトのモルシ大統領が、外交活動で主導権を握ろうとしている。14日に同国を訪れたクリントン米国務長官と会談するなど精力的だ。その背景には、支持基盤のイスラム原理主義系への警戒感を打ち消すと同時に、大統領権限の縮小を図る軍に対して国外の助力も得たい思惑がある。

エジプトでは6月30日に新大統領が誕生した後も軍が権力を維持し、権限移譲を求める大統領側と対立が続いている。

米政府関係者は14日、現地メディアなどに対し、クリントン長官が「(軍と大統領の)対立が続けば、民主化の軌道から外れる」と危機感を持っていると語った。モルシ大統領も会談で軍による権限移譲の重要性を強調。米国の「外圧」で軍をけん制し、移譲を迫る考えだ。

モルシ氏の支持勢力である原理主義組織「ムスリム同胞団」はイスラエルとの平和条約の見直しを主張した経緯があり、米国は懸念を募らせている。

これに対し、大統領は6月30日の就任演説で「国際条約は守る」と明言しており、会談でも条約維持の方針を伝達。米国はエジプトに年間13億ドル(約1040億円)の軍事費を支援しており、大統領は支援継続も求めたとみられる。

これに先立ち、モルシ大統領は11日にサウジアラビアを訪問し、同国のアブドラ国王と会談。18日にはパレスチナ自治政府のアッバス議長とも会談する予定だ。

国王との会談内容は明らかになっていないが、サウジは王制批判につながりかねない原理主義勢力の台頭を強く懸念。モルシ大統領は就任演説で「革命は輸出しない」と述べるなど、サウジへの配慮をにじませており、会談でも両国関係の重要性を訴えたようだ。

モルシ氏がサウジや米国への配慮を示す背景には、深刻な経済状況がある。2011年2月の政変後、国内の混乱から直接投資は激減。失業率も12%前後で推移し、過去10年間で最悪の水準が続いている。経常収支の赤字幅も拡大しており、エジプト経済の再生は援助頼みなのが実情だ。

国際通貨基金(IMF)はエジプトに対する支援を実施する方向で調整している。ただ、エジプトでは憲法の制定作業が遅れ、大統領権限が未確定で、外交や経済などでどれほどの指導力を発揮できるかは不透明だ。

軍との権限移譲を巡る対立が長引けば国際的な支援実施にも影響しかねない。経済再生が滞れば国民の不満の矛先が新政権に向かう可能性もあり、モルシ大統領は難しいかじ取りを迫られている。



 
 
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2012年7月15日1時1分

米国務長官がエジプト入り ムルシ大統領と会談

米国のクリントン国務長官は14日、エジプトを訪問し、先月末に就任したムルシ大統領と会談を始めた。同氏の大統領就任まで全権を握っていたタンタウィ軍最高評議会議長らとも会談し、エジプトの民主化へ向けて、対話を促す見通しだ。

エジプトでは、裁判所が議会の解散を求めたことで、立法権などを巡り軍部・司法と大統領の対立が深まっており、米国政府も懸念を表明している。(カイロ=貫洞欣寛)



 
 
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米国務長官がエジプト訪問 新大統領と初会談

2012.07.15 Sun posted at: 10:57 JST

カイロ(CNN) 米国のクリントン国務長官は14日、エジプトを訪問し、先月就任した同国のムルシ大統領と初めて会談した。軍部との主導権争いに直面する同大統領に、「米国は完全な民政移行を支持する」との立場を伝えた。

クリントン長官は会談後の記者会見で、エジプトの将来は国民が決めるとの原則を確認。同時に、軍部は国家安全保障に限定した役割に戻るべきだと述べた。

国務省高官が匿名で語ったところによると、会談は友好的、建設的な雰囲気で行われた。クリントン長官はエジプト経済への支援策を提示し、地域全体の安全保障も議題に上ったという。

クリントン長官は15日、軍最高評議会のタンタウィ議長や、キリスト教指導者らとも会談する予定。

エジプトでは、旧ムバラク政権崩壊後の暫定統治を担った軍最高評議会が人民議会の解散を命じ、立法権を握ると宣言したのに対し、ムルシ大統領が議会を再招集するなど、主導権をめぐる対立が激化している。

米国からは近くパネッタ国防長官も訪問を予定しているほか、9月の国連総会での首脳会談も検討されている。



 
 
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米国務長官に「モニカ」の怒号、トマト投げつける エジプト

2012年07月16日 13:01 発信地:アレクサンドリア/エジプト

【7月16日 AFP】エジプトを訪問中のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)米国務長官が15日、湾岸都市アレクサンドリア(Alexandria)を訪れた際、「モニカ!モニカ!」と叫びながらトマトを投げつけるデモ隊に出迎えられる一幕があった。

この掛け声は、クリントン国務長官の夫、ビル・クリントン(Bill Clinton)氏が米大統領時代に起こした不倫スキャンダルの相手、モニカ・ルインスキー(Monica Lewinsky)さんにちなんだもの。エジプト治安当局によれば、米領事館前に集まったデモ隊は到着した車列に対し、口々に「モニカ、モニカ」「出て行け、クリントン」などと叫びつつトマトや靴、水の入ったペットボトルなどを投げつけたという。

米当局によればクリントン長官の乗った車に当たった物はなかったという。

14日にエジプト入りしたクリントン長官は、首都カイロ(Cairo)でムハンマド・モルシ(Mohamed Morsi)大統領や軍事評議会のムハンマド・フセイン・タンタウィ(Muhammad Hussein Tantawi)議長と会談した後、米領事館の開館式典に出席するためアレクサンドリアを訪れた。同地の米領事館は予算削減のため1993年に閉鎖されたが、このほどエジプト経済支援のため再開する運びとなった。

15日の抗議運動は、エジプトで前月行われた大統領選挙で勝利したムスリム同胞団(Muslim Brotherhood)が米国の援助を受けていたとする疑惑に基づくとみられる。クリントン長官は式典で、「エジプト大統領選の勝敗に米国は何ら関与していないことをはっきりさせておきたい。たとえ干渉できたとしても、するつもりはない」と疑惑を否定した。(c)AFP



 
 
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エジプト訪問の米国務長官に抗議デモ トマトや靴を投げ付け

2012.07.16 Mon posted at: 09:27 JST

カイロ(CNN) エジプトを訪問しているクリントン米国務長官に対して、米国が同国政治に偏った立場から干渉しているとするデモ隊が抗議行動を展開し、車列にトマトや靴を投げ付けた。

クリントン長官は15日、エジプト北部アレクサンドリアで米領事館の開館式典に出席した。領事館は1993年、予算の制約により閉鎖されていた。

一行が到着した時点でデモ隊が声を上げたため、式典は予定を変更して室内で開催された。クリントン長官は演説で「エジプトの勝者、敗者を選ぶつもりはない」と強調した。

式典後、スタッフが車に乗り込もうとしたところへトマトや靴、水の入ったボトルなどが投げ付けられ、機動隊が制止した。クリントン長官の車は角を曲がった場所にあって無事だったが、デモ隊はさらに「モニカ、モニカ」と、夫クリントン元大統領の不倫相手だった女性の名を唱えた。

クリントン長官は14日にムルシ大統領と会談したのに続き、15日には軍最高評議会のタンタウィ議長と1時間余り、非公開で会談した。国務省高官が匿名で語ったところによると、会談では政権移行やムルシ大統領との対話が議題になったという。

長官は一連の会談で、10億ドルの債務削減や企業への融資保証などの経済支援策を表明し、15日夜に帰国の途に就いた。



 
 
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エジプト軍最高評議会議長、大統領を公然と批判

【カイロ=貞広貴志】エジプト軍最高評議会のタンタウィ議長は15日、軍関連の行事に出席し、「軍を、エジプト国家と国民を守る役割から引き離そうとする人々がいるが、我々は任務を続行する」と演説した。

イスラム主義組織ムスリム同胞団出身のモルシ大統領が、立法権などを軍から取り上げようとしている動きを公然と批判したものだ。

タンタウィ議長は、軍の実権を奪おうとしている勢力が「外国の支援を受けている」とも決めつけ、民選大統領への権限移譲を求める欧米諸国をけん制した。 エジプトでは、軍が解散した人民議会(下院)を復活させた大統領令について、最高憲法裁判所が無効の司法判断を示すなど、民政移管後の国家体制づくりが混迷に陥っている。モルシ大統領は11日、対話を呼びかける声明を出したが、議長演説は軍当局の強硬姿勢を改めて浮き彫りにした。

(2012年7月16日18時56分 読売新聞)



 
 
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危篤から回復?ムバラク氏に「刑務所へ戻れ」

【カイロ=貞広貴志】AFP通信によると、エジプトの検事総長は16日、カイロの軍病院で療養を受けていたムバラク前大統領の健康状態が改善したとして、刑務所に戻るよう命じた。

ムバラク前大統領は、6月2日に終身刑判決を言い渡された後、健康状態が急速に悪化し、同19日には「危篤状態」と伝えられていた。

(2012年7月16日23時20分 読売新聞)



 
 
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2012年7月17日10時4分

ムバラク前大統領、病院から刑務所に 健康状態安定

反政権デモ参加者の殺害に関与したなどとして終身刑判決を受けたエジプトのムバラク前大統領が16日、カイロ市内の軍病院から、同市内の刑務所に移送された。政府系の中東通信が伝えた。容体悪化のため入院していたが、健康状態が安定したため、検事総長が同日、再収監を命じたという。

ムバラク氏は判決後、刑務所の付属病院に収監されたが、6月19日から軍病院で治療を受けていた。(カイロ=貫洞欣寛)



 
 
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ムバラク氏、刑務所付属病院に再収監…エジプト

【カイロ支局】AP通信によると、エジプトのムバラク前大統領が16日、カイロの軍病院から刑務所の付属病院に再収監された。

前大統領は6月中旬に脳卒中を起こし、軍病院に移されていたが、検察当局が状態が安定したと判断した。

(2012年7月17日18時15分 読売新聞)



 
 
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ムバラク氏再び刑務所に 容体が安定

2012/7/17 9:49

エジプトの中東通信によると、一時危篤状態と伝えられ軍病院で治療を受けていた前大統領ムバラク被告(84)は16日、容体が安定したため、一般の被告人らと同じ刑務所施設の病院に再収監された。

医療チームは、被告の健康状態が回復し、治療態勢が整った軍病院でのこれ以上の入院は不要と判断。検事総長が同日、刑務所施設に戻すよう命じていた。

ムバラク被告は反政府デモ参加者殺害に関与した罪で終身刑判決を受けた後、刑務所施設の病院に収監されたが、6月19日、脳卒中で意識不明になったとして軍病院に移送された。国民の間では、より快適な軍病院に移る口実に病状悪化を誇張しているとの疑念も出ていた。(カイロ=共同)



 
 
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エジプト:ムバラク前大統領を再収監 健康状態安定で

毎日新聞 2012年07月17日 10時20分(最終更新 07月17日 12時21分)

【カイロ前田英司】容体急変を理由に先月、カイロ近郊の刑務所から軍病院に移送され、治療を受けていたエジプトのムバラク前大統領(84)が16日、元の刑務所に再収監された。医師団が健康状態の安定を確認した。

ムバラク前大統領は先月2日、昨年の民主化要求運動「アラブの春」でのデモ隊殺害に関与した罪で終身刑判決を言い渡され、刑務所に収監された。その後、先月19日夜に脳卒中を起こすなどして「危篤」状態になったと伝えられ、治療態勢の整った軍病院へ移送された。

しかし、容体を巡っては情報が錯綜(さくそう)。国を暫定統治していた軍最高評議会が、軍出身で「身内」のムバラク前大統領を軍病院に移すことで厚遇したとの臆測も呼んだ。



 
 
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2012年7月18日 14:35 (時事通信社)

宙に浮く原発計画=福島事故、「アラブの春」機に−住民の反対運動活発化・エジプト

【ダバア(エジプト北部)時事】サダト政権時代の1981年に始まったエジプト初の原子力発電所の建設計画が宙に浮いている。革命と呼ばれる民衆運動「アラブの春」を機に権利意識に目覚め、東京電力福島第1原発事故に衝撃を受けた住民は、予定地の施設や設備を破壊し、再び定住する動きも出始めている。

地中海沿岸の北部ダバア。サダト政権の後を継ぎ強権支配を続けたムバラク前政権は、急増する電力需要に対応するため計画を推し進め、2003年には民家約350軒をブルドーザーで壊し、土地を接収した。しかし、政権崩壊後の今年1月には逆に住民が当局の建物を爆破、広大な敷地を区切る壁も取り壊した。

反対派リーダーのムハンナ・ラホマさんは「土地の接収が反対運動の動機だった」と話す。付近は第2次大戦時の枢軸国軍と連合国軍によるアラメインの戦いの舞台。先祖から受け継いだ風光明媚(めいび)な土地は自ら不発弾を除去するなど、特に愛着があった。

一方、福島の事故で住民は原発の脅威を思い知り、反対運動が一段と活発化した。ハミド市長は「爆発事故を見た人々は原発に恐怖を抱くようになった。技術大国の日本が事故に見舞われたのだからエジプトでも起きる恐れがある」と住民の不安を代弁した。



 
 
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カイロ郊外で旅客列車が脱線、死傷者多数か

【カイロ=末続哲也】ロイター通信によると、カイロ郊外で17日、旅客列車が脱線し、炎上した。

詳細は不明だが、同通信は治安当局の情報として多数の死傷者が出ていると伝えた。中東の衛星テレビ、アル・アラビーヤは少なくとも2人が死亡したと伝えた。

(2012年7月18日01時15分 読売新聞)



 
 
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カイロの列車脱線事故、死者なく15人負傷

【カイロ=末続哲也】ロイター通信によると、カイロ郊外で17日に起きた列車の脱線事故で、15人が負傷したが、死者はいないことが確認された。

当初は事故で列車が炎上し、死者が多数出たと伝えられていた。

(2012年7月18日06時15分 読売新聞)



 
 
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カイロ郊外で列車が脱線

2012/7/18 1:46

【カイロ=共同】ロイター通信によると、エジプトの首都カイロ郊外で17日、乗客を乗せた列車が脱線する事故があった。治安当局者によると、列車から出火したとの情報もある。

在エジプト日本大使館によると、17日夜(日本時間18日未明)時点で日本人が巻き込まれたとの情報は入っていない。

ロイター通信は少なくとも15人が負傷、死者は確認されていないと伝えた。



 
 
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エジプト:列車が脱線し4人負傷 線路の置き石が原因か

毎日新聞 2012年07月18日 10時06分(最終更新 07月18日 10時30分)

【カイロ前田英司】カイロ近郊のギザで17日午後、カイロ発ソハーグ(エジプト南部)行きの列車の一部車両が脱線・転覆する事故があり、4人が負傷した。この列車の通過待ちで足止めされ、腹を立てた別の列車の乗客が線路に置き石したとみられる。

主要紙アルアハラム(電子版)などによると、通過待ちのため30分以上にわたり停車を強いられた列車の乗客が怒りだし、通過列車の線路に石や木材を置いた。それを踏んだ通過列車は一部が脱線・転覆し、通過待ちをしていた列車にも衝突したという。日本人が巻き込まれたとの情報は入っていない。



 
 
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2012年7月19日20時19分

エジプトの前副大統領、スレイマン氏が死亡 米病院で

中東に広がった「アラブの春」で退陣したエジプトのムバラク前大統領の最側近だったオマル・スレイマン前副大統領が19日、滞在先の米国の病院で死去した。76歳だった。死因は明らかになっていない。

スレイマン氏は陸軍出身で、ムバラク政権下で長く情報機関のトップを務めた。イスラエルとパレスチナとの和平交渉の仲介など重要政策の決定に関わった。ムバラク氏の退陣を求める民主化要求デモが激化した昨年1月末に副大統領に指名され、直後の2月にはムバラク氏の辞任を発表する役割も担った。

ムバラク氏の最側近だったにもかかわらず訴追を免れ、今年4月、軍などの支持を受けてエジプト大統領選に立候補を表明した。ただし選挙管理委員会は「資格がない」と判断、認められなかった。その後は消息が伝えられることは乏しかった。(カイロ=山尾有紀恵)



 
 
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エジプトのスレイマン前副大統領、米国で死去 検査中に心臓発作

2012年07月20日 08:47 発信地:カイロ/エジプト

【7月20日 AFP】エジプトのホスニ・ムバラク(Hosni Mubarak)前大統領の政権で長年にわたり情報機関の責任者を務めたオマル・スレイマン(Omar Suleiman)前副大統領が19日、米国の病院で心臓発作のために死去した。77歳だった。エジプト半国営の中東通信(MENA)が報じた。

同氏の側近フセイン・カマル(Hussein Kamal)氏はAFPに、スレイマン氏は米オハイオ(Ohio)州クリーブランド(Cleveland)の病院で検査を受けていたと述べた。エジプトで埋葬するため、遺体を運んでいる最中だという。

中東通信はワシントンD.C.(Washington D.C.)駐在のエジプト外交官の話として、スレイマン氏は病院で検査を受けている最中に急に心臓発作を起こして亡くなったと報じた。

スレイマン氏はムバラク前大統領を失脚に追い込んだ民衆蜂起の中、副大統領に指名された。スレイマン氏は4月、それまでの姿勢を翻してエジプト史上初の自由な大統領選挙となった5月の大統領選への立候補を表明したが、選挙管理委員会は15県で推薦を受けるという法定要件を満たしていないとして立候補を認めなかった。

同氏の選挙陣営関係者の話を総合すると、健康状態が悪化していたスレイマン氏はその後、治療を受けるためドバイ(Dubai)、ドイツを経て家族とともに米国に入っていた。

スレイマン氏は1935年7月2日、南部の町ケナ(Qena)の裕福な家庭に生まれた。1955年にカイロ(Cairo)の士官学校を卒業し、旧ソ連で軍事訓練を受けた。長年にわたり謎に包まれた人物として知られ、ムバラク政権の中枢にいるとみられてきた。(c)AFP



 
 
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エジプト大統領、パレスチナ議長と会談 ハマス指導者とも

2012/7/20 10:25

【カイロ=共同】エジプトのモルシ大統領は18日から19日にかけ、カイロで、パレスチナ自治政府のアッバス議長、イスラム原理主義組織ハマス指導者のマシャル氏とそれぞれ会談した。中東通信が伝えた。アッバス氏率いる穏健派ファタハと、自治区ガザを支配するハマスは対立を続けている。モルシ氏は両者と相次いで会い、バランスを取ったようだ。ハマスの母体は、モルシ氏を大統領選に擁立したイスラム穏健派ムスリム同胞団で、両組織は緊密な関係にある。



 
 
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2012年7月21日18時13分

エジプト人力士、断食に耐える 名古屋場所中にラマダン

大相撲初のアフリカ大陸出身力士、序二段の大砂嵐(20、大嶽部屋)が21日、角界入りして初めてイスラム教徒の義務である「ラマダン」(断食月)を迎えた。終盤に入った名古屋場所で4勝1敗1休。日没まで飲食はできないが、「不安はない。宗教を忘れるために相撲をするわけじゃない」と、22日の千秋楽にある最後の1番に臨む。

20日、ラマダン前最後の部屋の仲間との夕食。鶏肉入りのトマトちゃんこと白いご飯を平らげ、「ごっちゃんです」と元気に両手を合わせた。日付が変わる頃や夜明け前にも一人で食事するといい、「夜の間にたくさんエネルギーを蓄えるんだ」と笑った。

母国エジプトで15歳の時に相撲を始める前から、ラマダン時もスポーツにのめり込んできた。地元サッカーチームの主将を務めたり、ボディービルをしたり。その経験から、「ラマダンもトレーニングの一部」と割り切れる。

来日し、部屋に入った昨年以降、稽古以外でも毎日のトイレ掃除、食器の後片付け、ちゃんこ番と初体験のことばかり。起床時や就寝前など1日5回のお祈りは欠かさぬ一方で、正月に兄弟子らと紅白のはちまきを巻いて餅をついたり、部屋を興した元横綱大鵬の納谷幸喜さんの誕生日祝いに歌を歌ったりして、異文化に溶け込んできた。

ただ、本来、力士はたくさん食べ、体を大きくすることが仕事。今年は間もなく場所を終えるが、来年のラマダンは7月9日から約1カ月の予定で、7日初日の名古屋場所とほとんど重なる。大嶽親方(元十両大竜)は「来年が心配。稽古しないことは許さないけれど、体調次第でやめさせることも検討しなければ」。水分を摂取できない分、頻繁にうがいをさせるなど、今から対策を練る。

大砂嵐は場所前、左足首にばい菌が入り、場所4日目の11日まで1週間入院した。体重は10キロ以上減り、今も足は腫れている。万全ではない状態で本場所を戦うのは、目標に掲げる「2年で関取」へ、立ち止まりたくないからだ。

「大相撲はただのスポーツじゃない。土俵に神様がいることは知っているし、尊重している。イスラム教は一神教だけど、すべてのものを尊敬する精神もあるんだ」。角界のしきたりと折り合いをつけながら、大砂嵐の挑戦が続く。(野村周平)

    ◇

〈ラマダン〉 約1カ月間、日中の飲食を断ち、神の恵みに感謝する。聖地メッカへの巡礼など、イスラム教徒の五つの義務である「五行」の一つ。イスラムの暦で9番目の月を指し、1年ごとに11日ほど期間が早まる。妊婦や病人らは免除の対象。AP通信によると、ロンドン五輪に出るイスラム教徒の選手の多くは、ラマダンを五輪後に先送りするなどの特例措置をとるという。



 
 
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エジプト北部でガスパイプライン爆発、武装勢力の攻撃か

2012年07月22日 19:03 発信地:アリシュ/エジプト

【7月22日 AFP】エジプト北部シナイ半島(Sinai)のアリシュ(el-Arish)で22日、イスラエルやヨルダンにガス燃料を供給しているパイプラインが爆破された。

エジプトでは、ホスニ・ムバラク(Hosni Mubarak)前大統領が昨年2月に反政府デモで退陣に追い込まれて以降、パイプラインに対する攻撃が度々発生している。事件の背後にはベドウィン(遊牧民)の武装勢力が存在するとみられている。(c)AFP



 
 
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2012年7月23日13時10分

エジプト大統領がラジオ番組 国民の質問に答える

エジプトのムルシ大統領が、国民からの質問に答えるラジオ番組を始めた。20日からのイスラム教の断食月(ラマダン)の30日間、連日、日没後の約5分程度、イスラムの教えや社会のあり方、生活など様々な質問に答えるという。

第1回の質問は「国民へのメッセージは?」。ムルシ氏は「夜明け前の礼拝をしてほしい。神が喜ばれる」と答えた。イスラム教徒には1日5回の礼拝が義務づけられ、「礼拝は眠りより良い」とされるが、普段からまだ暗いうちに起きて礼拝する人は少ない。イスラムの教えに基づいた国づくりを目指すムルシ氏だけに、まず礼拝の強化を呼びかけた形だ。

一方で、6月に自由な大統領選で選ばれた初めての文民大統領らしく、「ラマダンは全てのエジプト人のためにある」とも語り、少数派のキリスト教徒に配慮することも忘れなかった。(カイロ=山尾有紀恵)



 
 
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2012年7月24日21時35分

新首相にガンディール氏 エジプト大統領、組閣命じる

エジプトのムルシ大統領は24日、新内閣の首相にヒシャム・カンディール水資源灌漑(かんがい)相を指名し、組閣を命じた。国営中東通信などが伝えた。カンディール氏は同省の官僚出身。水資源問題や農業の専門家で、米国で博士号を取得している。アフリカ開発銀行への出向経験もある。ムバラク政権下の2010年にいまのポストに就き、昨年2月のムバラク大統領辞任後も閣僚を務めてきた。

ムルシ氏は選挙期間中、様々な分野から閣僚を起用すると表明。首相は、自身が出身の穏健派イスラム組織ムスリム同胞団以外から選ぶ意向を示していた。(カイロ=山尾有紀恵)



 
 
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エジプト新首相にカンディール水資源相を指名

2012/7/24 22:19

エジプトのモルシ大統領は24日、暫定内閣で水資源・かんがい相を務めたカンディール氏を首相に指名し、組閣を要請した。同氏は国民の認知度が低いが、どの政治組織にも属しておらず、幅広い勢力の支持を得られると判断したようだ。水問題の専門家で、アフリカ諸国との協調を重視するモルシ大統領の方針を反映した人事との分析もある。首相の権限は今後制定する新憲法で規定する。(カイロ=押野真也)



 
 
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エジプト大統領:カンディール氏に組閣を指示

毎日新聞 2012年07月25日 00時14分(最終更新 07月25日 01時12分)

【カイロ前田英司】エジプトのモルシ大統領は24日、軍最高評議会が任命した現政権のカンディール水資源・かんがい相(49)を首相とする新政権の組閣を指示した。国営メディアが伝えた。カンディール氏は官僚出身で、特定政党に所属しない独立系。知名度はそれほど高くないが、穏健派イスラム原理主義組織ムスリム同胞団出身の大統領としては挙国一致を図るため、同胞団以外から首相を選出することでバランスをとったとみられる。

モルシ大統領の報道官はカンディール氏を「愛国的で(政治的に)独立した人物」と評した。カンディール氏は米ノースカロライナ州の大学でかんがいについて学び、アフリカ開発銀行に勤めた経験がある。ナイル川の水問題などに詳しく、ムバラク前政権崩壊後の昨年7月に閣僚に就任する前は、水資源・かんがい省の官僚だった。

カンディール氏の名前は事前には挙がっておらず、財政改善を期待する経済界からは驚きの声も出た。主要閣僚人事では、軍部が固執している国防相などを巡り、今後、駆け引きが激化しそうだ。



 
 
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エジプト新首相にカンディール氏指名

2012.07.25 Wed posted at 10:36 JST

(CNN) エジプトのムルシ大統領は24日、新政権の首相にヒシャム・カンディール氏(49)を指名して組閣を命じた。同国史上、最年少の首相となる。

カンディール氏は大統領との会談後、国営通信社とのインタビューで、「テクノクラートの内閣をつくる」と述べ、大統領の施策の執行に全力を注ぐと表明した。

同氏は米ノースカロライナ大学で修士、博士号を取得。水利専門家としてアフリカ開発銀行に勤務し、ナイル流域開発事業にも取り組んだ。昨年2月のムバラク政権崩壊直後、シャラフ暫定内閣の水資源灌漑(かんがい)相に任命された。

ムルシ政権の首相人事をめぐっては、実業界から財政専門家の起用を期待する声が上がっていた。カンディール氏は政治経験が浅いとの批判もある。

ムルシ大統領は大統領選の決選投票で勝利し、先月末に就任した。暫定統治を担っていた軍最高評議会との間で、議会などを巡る主導権争いが報じられている。



 
 
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エジプト選手団にナイキの偽ブランド、アディダスのジッパー付き

2012.07.27 Fri posted at 15:18 JST

(CNN) ロンドン五輪に出場するエジプト選手団に、米スポーツ用品大手ナイキの偽ブランド製品が配られていたことが、選手や販売代理店の証言で明らかになった。

シンクロナイズドスイミングのヨムナ・ハラフ選手は短文投稿サイトのツイッターで、「例えば大きなナイキのロゴが入ったかばんに、アディダスのジッパーが付いている」と打ち明けた。

エジプトでナイキ製品の販売を手掛ける唯一の正規代理店によれば、当局者が非公認業者からナイキの商品を半額で提供できると持ちかけられ、その話に乗ったという。非公認業者が扱っているのは偽ブランド製品だと2度にわたって通告したにもかかわらず、返事はなかったとしている。その後フェンシングチームから正規代理店に対し、トレーニング用品やオリンピック村で着るウェアについて苦情が寄せられ、問題が発覚した。

エジプト五輪委員会のアリ会長は国営メディアの取材に対し、「ウェアはナイキの代理店から購入した。本物と偽物とはまったく区別がつかない」「エジプトで売られているナイキ製品はすべて中国製だ。みんな同じロゴが付いている。見分けようがない」と弁明。「例えば誰かが作った偽造コインをたまたま持っていたら、その責任を問われるのか」と問いかけ、ナイキが偽ブランド業者を突き止めて法的措置を起こすべきだと語った。

ナイキは26日、この問題についてエジプト五輪委員会と話し合い、問題の解決に努めていると発表した。

シンクロのハラフ選手は結局、2000エジプトポンド(約2万6000円)の自腹を切って新しいウェアを購入したといい、「余計な出費を強いられてイライラする」と不満をぶつけている。



 
 
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エジプト:5千年前、最古の「太陽の船」発掘

毎日新聞 2012年07月27日 10時08分(最終更新 07月27日 10時12分)

約5千年前の古代エジプトの王ファラオの副葬品「太陽の船」がカイロ近郊ギザで26日までに発掘された。これまでに発見されたもので最古という。エジプトのアリ文化財担当相が声明を出し発表した。

アリ氏らによると、船は、古代エジプト第1王朝(紀元前3100〜同2890年)のデン王の時代に造られたとみられる。フランスの研究機関の調査隊がギザのアブラワシュ地区で発見した。保存状態は良いという。

船は11の木片から成り、一つの木片は長さ約6メートル、幅約1.5メートルの大きさ。

太陽の船は、ファラオが死後に旅ができるようにと、ピラミッドなど王の墓のそばに埋められた木製の副葬品。(共同)



 
 
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ハマスのガザ幹部、エジプト大統領と初会談

2012/7/27 10:43

【エルサレム=共同】パレスチナのイスラム原理主義組織ハマスのガザ地区有力幹部ハニヤ氏は、エジプトの首都カイロを公式訪問し、26日にモルシ大統領と初会談した。ロイター通信が伝えた。

ハニヤ氏は、ガザとエジプトの境界にあるラファ検問所の全面開放などを要請したとみられるが、ハマスは声明で、モルシ氏が「ガザのパレスチナ人の生活を和らげる措置を取ると約束した」と表明するにとどめた。

エジプト大統領選でモルシ氏を擁立したイスラム穏健派ムスリム同胞団はハマスの母体で、両者は緊密な関係にある。モルシ氏は18〜19日、ハマスと対立するパレスチナ自治政府のアッバス議長と、ハマス指導者マシャル氏の2人と会談している。



 
 
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エジプトで最古の「太陽の船」発掘

2012/7/27 18:51

約5千年前の古代エジプトの王ファラオの副葬品「太陽の船」がカイロ近郊ギザで26日までに発掘された。これまでに発見されたもので最古という。エジプトのアリ文化財担当相が声明を出し発表した。

アリ氏らによると、船は、古代エジプト第1王朝(紀元前3100〜同2890年)のデン王の時代に造られたとみられる。フランスの研究機関の調査隊がギザのアブラワシュ地区で発見した。保存状態は良いという。

船は11の木片から成り、1つの木片は長さ約6メートル、幅約1.5メートルの大きさ。

太陽の船は、ファラオが死後に旅ができるようにと、ピラミッドなど王の墓のそばに埋められた木製の副葬品。吉村作治・早稲田大名誉教授はクフ王(紀元前2589〜同2566年)のピラミッド付近で「第2の太陽の船」の発掘・復元作業を進めている。(カイロ=共同)



 
 
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エジプト五輪選手団に偽物の用具、製造国は…

ロンドン五輪のエジプト選手団に偽物のスポーツ用具が提供されていたことが発覚し、エジプト国家スポーツ評議会は新たに本物の用具の支給を決めた。

政府系紙アルアハラム(電子版)が27日伝えた。

シンクロナイズドスイミング代表が簡易ブログ「ツイッター」で、ナイキと大きなロゴの入ったバッグに、アディダスのファスナーが付いているとつぶやいたのが発端。

エジプト・オリンピック委員会のアリ委員長は「エジプトの(厳しい)経済状況」を理由に中国の業者と契約を結ばざるを得なかったと述べ、偽物と知っていたことを暗に認めた。国家スポーツ評議会は、アリ委員長から事情聴取するという。(時事)

(2012年7月27日21時48分 読売新聞)



 
 
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全身ベールで覆った女性のみで運営のテレビ局始動 エジプト

2012.08.01 Wed posted at 12:08 JST

(CNN) 出演者もスタッフも全員が顔面から足先まで全身を黒いベールで覆った女性ばかりという放送局がエジプトでスタートした。

カイロ大学でマスコミを専攻したヘバ・セラクエディンさんは、放送局に就職しようとしたが、目だけを出して全身をベールで覆うイスラム教の女性の服装「ニカブ」を理由に採用されなかったという。そんな時に、ニカブを来た女性のみで運営する新しいテレビ局「マリア」の広告を見かけて応募、即座に採用された。

マリアは7月20日、イスラム教の聖なる断食月ラマダンの始まりとともにスタートした。十分な資金と陣容が集まるまでは、中東で放送される独立系放送局「Al−Omma」の傘下で1日4時間の放送を行う。

番組はカイロ東部のアパートにあるスタジオで、同放送局の指導を受けながら制作する。スタッフの女性は全員がボランティア。

セラクエディンさんは「ニカブを着ている女性は権利が認められず、誰も話題にしてくれない。マリアを通じて私たちのような人を見つけ、差別をなくしたい」と意気込む。ディレクターのアラア・アブダラさんは「1月25日に起きた自由という地震の後、より良い社会の形成を目指している」と抱負を語った。

これに対し、顔を隠した女性ばかりのテレビ局は、民主化革命がたどってきた道に逆行すると懸念する声もある。

アブダラさんの父、アブ・イスラム・アブダラさんが経営する放送局Al−Ommaは、反キリスト教的主張が強くにじむ。女性が「下品な服装」をしたり、ダンサーや議員として働いたりすることを許すような民主主義は混乱を引き起こすとアブ・イスラムさんは力説している。



 
 
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宗教の自由、エジプトや中国などで悪化 米国務省が年次報告

2012.08.01 Wed posted at 12:38 JST

(CNN) 米国務省はこのほど、世界各国の宗教の自由に関する年次報告書をまとめ、エジプトや中国などで状況が悪化しているとの見方を示した。

報告書では、中東の民主化運動「アラブの春」による政変の流れの中で、宗教上の少数派が危険にさらされていると指摘した。

エジプトでは暫定統治を担う軍部が寛容な姿勢を示す裏側で宗派間の緊張が高まり、キリスト教系のコプト教徒らへの暴力が悪化していると批判。コプト教徒中心のデモ隊が治安部隊の攻撃を受け、死者25人、負傷者350人が出た例などを挙げた。さらに、暫定政権はキリスト教徒を狙った暴力や教会への攻撃を阻止できず、実効性のある捜査や訴追もできていないと断じた。

クリントン国務長官は報告書の発表に合わせて国際平和カーネギー基金の集会で演説し、エジプトのムルシ大統領に「全国民の権利を尊重する」との約束を守るよう強く求めた。

長官はまた、「宗教の自由は宗教だけの問題ではない。人々が国家から干渉されず、自由に考え、発言し、仲間と集まる権利の問題だ」「これらはすべての人権と同様、われわれが生まれながらに持つ権利であり、政府にはそれを守る責任がある」と力を込めた。

報告書は宗教の自由が長年にわたり制限されている国として、サウジアラビア、エリトリア、北朝鮮、イランを挙げた。また、宗教上の冒とくを理由に死刑判決が出たパキスタンや、イスラム教徒以外の人々をイスラム法により裁いたアフガニスタンなどにも懸念を示した。

中国については、昨年1年間で事態が特に悪化したとの見方を示し、チベット仏教への締め付けが強化された結果、僧侶ら少なくとも12人が焼身自殺したと報告。さらに、新疆ウイグル自治区ではイスラム教徒が深刻な弾圧を受けていると批判した。

報告書はまた、欧州諸国に外国人の排斥運動や反ユダヤ教、反イスラム教の動きが広がっていると指摘した。さらに、ロシアやイラク、ナイジェリアでは、「対テロ戦」という名目で平和的な宗教活動が取り締まりの対象になったとしている。

報告書は一方で、歓迎すべき動きとして、トルコが過去に宗教団体から没収した資産の返還を容易にする決定をしたこと、リビア最高裁がイスラム教への冒とくを罰する法律を覆したことなどを挙げた。



 
 
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エジプト新内閣、主要閣僚は留任 政策の継続性重視

2012/8/2 20:47

【カイロ=押野真也】エジプトのカンディール首相は2日、新内閣を発表した。外務や財務、国防などの主要閣僚が留任する。イスラム原理主義系の大統領が初めて誕生したことに国内外から懸念の声が出たため、外交や経済政策の継続性をアピールする狙いがありそうだ。原理主義系の閣僚登用も抑制するなど、軍への配慮もにじむ。

現在、エジプトは新憲法を起草中で、暫定憲法に基づいて組閣した。モルシ大統領がカンディール氏を首相に任命し、組閣を指示。首相が作成した閣僚名簿に基づき、大統領が2日に任命した。国防相は軍が選び、大統領に任命権限はない。

政府系メディアによると、新内閣の35人の閣僚のうち、7人は暫定政権からの留任組。アムル前外相やサイード前財務相ら主要閣僚を留任させた。暫定政権を率いてきた軍最高評議会のタンタウィ議長も国防相にとどまった。

モルシ大統領の支持基盤で、イスラム原理主義組織の「ムスリム同胞団」からは4人の閣僚を登用するにとどめた。イスラム色が強い政権が誕生することへの国内外の懸念を意識したとみられる。

モルシ氏が首相に指名したカンディール氏は特定の政治・宗教組織に属していない。同氏の起用や同胞団系の閣僚を最小限に抑えたのは、原理主義の台頭を懸念する軍や少数派のキリスト教徒への配慮もありそうだ。

今回の新内閣について、エジプトの内政に詳しいカイロ大学のハッサン・ナファ教授は「主要閣僚の残留は大統領や首相の決断ではなく、軍の強い意向が働いた」と見る。現在、エジプトは立法権を持つ人民議会(下院)が解散しており、軍が立法権を保持する。国防相の任命権だけでなく、軍の指揮権など軍事全般の権限も軍が持つ。モルシ大統領は軍との協調を余儀なくされている。

2011年の反体制運動を主導し、若者で組織する有力な政治団体「4月6日運動」幹部のアハマド・マヘル氏は「我々が大統領に推薦したリベラル派がまったく登用されていない」と新内閣の顔ぶれに不満を述べる。今後、新内閣が軍への譲歩を続け、民主化が停滞することがあれば、若者の不満が高まる可能性もある。



 
 
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エジプト:新内閣に国防相ら9人留任

毎日新聞 2012年08月02日 23時51分(最終更新 08月03日 00時01分)

【エルサレム花岡洋二】エジプトのカンディール首相は2日、新内閣の閣僚名簿を発表した。軍最高評議会のタンタウィ議長が兼務する国防相ら閣僚計9人は昨年12月に発足したガンズーリ内閣から留任する。2日中に新閣僚の宣誓式を行う。

閣僚は35人になる見通しで、うち33人を発表。新内閣は官僚出身者や実務経験者が中心。タンタウィ氏の処遇が焦点だったが、国防相兼任継続で軍を掌握する。新政権が人事を巡って軍との衝突を避けた形といえそうだ。

重要ポストでは他にアムル外相、サイード財務相が残留し、内相にはガマルエディン副内相が昇格する。モルシ大統領を擁立した穏健派イスラム原理主義組織ムスリム同胞団系の自由公正党からは4人が入閣した。



 
 
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エジプト:カンディール首相率いる新内閣が発足

毎日新聞 2012年08月03日 10時23分(最終更新 08月03日 11時11分)

【エルサレム花岡洋二】エジプトのカンディール首相率いる新内閣は2日、首都カイロの大統領府で就任を宣誓し、発足した。軍最高評議会のタンタウィ議長が兼務する国防相など閣僚計9人は、昨年12月に発足したガンズーリ内閣から留任した。宣誓式には、モルシ大統領と、閣僚35人のうち海外渡航中の1人を除く34人が出席した。大統領を擁立した穏健派イスラム原理主義組織ムスリム同胞団系の自由公正党からは4人が入閣した。



 
 
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エジプト大統領「実行者捕まえる」 検問所襲撃で24人死傷

2012.08.06 Mon posted at 09:58 JST

(CNN) エジプト北部のパレスチナ自治区ガザとの境界に近いラファ検問所が5日、覆面をした武装集団の襲撃を受け、軍兵士15人が死亡、9人が負傷した。エジプトのムルシ大統領は攻撃を非難し、攻撃の実行者を捕まえると言明した。

地元治安当局者によると、犯行グループは日没直後に半自動銃や手投げ弾で検問所を攻撃した。同日夜の時点で軍とグループとの銃撃戦が続き、検問所は無期限閉鎖となっている。

エジプトのムルシ大統領は、軍最高評議会に緊急会合の開催を求めた。

イスラエル軍は「テロリストがエジプト軍拠点を占拠して兵士10人以上を殺害、人員輸送車2台を奪った」との声明を出し、イスラム過激派による犯行との見方を示した。輸送車はイスラエル領内への侵入を図ったが、イスラエル軍が爆撃したという。

ガザを実効支配するイスラム組織ハマスは、襲撃を「醜い犯罪」と非難している。



 
 
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2012年8月6日10時14分

エジプトで兵士ら16人殺害 パレスチナ自治区境界付近

エジプト東部シナイ半島のパレスチナ自治区ガザとの境界付近で5日夜、イスラム過激派とみられる武装勢力がエジプトの国境警備部隊の兵士らを襲撃、16人を殺害した。さらに装甲車両2台を奪い、イスラエルとの国境に迫った。うち1台は国境付近で爆発、もう1台はイスラエル領内に入ったところを同国軍が爆撃して破壊した。

エジプト政府系の中東通信などが伝えた。エジプト治安当局者は中東通信などに「シナイ半島の勢力と、ガザから地下トンネル経由で渡ってきた勢力の犯行」と述べた。

ムルシ大統領はガザ地区との境界の検問所を閉鎖した。軍・治安当局者を集めた緊急会合を招集し、「実行犯は高い代償を支払うことになる」との声明を出した。武装勢力の一部はシナイ半島で逃走中とみられ、当局が追っている。

一方、イスラエルのネタニヤフ首相は「イスラエル軍などの断固たる対応で、イスラエル市民への攻撃を防ぐことができた」と述べ、武装勢力の狙いはイスラエル領に侵入し、市民や兵士を拉致・殺害することだったとの見方を示した。

シナイ半島では、以前から遊牧民(ベドウィン)の間でカイロの中央政府への反感が強かったうえ、昨年のムバラク政権崩壊後、政府の治安維持能力が大幅に低下。国際テロ組織アルカイダの影響を受けたイスラム過激派の勢力も強まっているとされ、イスラエル向けのガスのパイプラインが頻繁に爆破されている。

また、ガザ地区では、実効支配するハマスが、これまで支援を受けていたシリアやイランと距離を置く一方、イスラム過激派などがイスラエルへの攻勢を強めていた。ハマスは今回の襲撃を非難する声明を出した。ハマスは、ムルシ氏をエジプト大統領選に擁立したムスリム同胞団のパレスチナ支部にあたる。(カイロ=貫洞欣寛)



 
 
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検問所襲撃、エジプト国境警備隊員16人死亡

【カイロ=田尾茂樹】エジプト北東部のイスラエル国境とパレスチナ自治区ガザとの境界付近で5日、武装集団が検問所を襲撃し、エジプト政府系中東通信によると、エジプトの国境警備隊員16人が死亡した。

国営テレビはガザ地区のイスラム過激派による犯行と伝えた。武装した遊牧民ベドウィンが関与しているとの情報もある。事件を受け、エジプト政府は同日、ガザとの境界にあるラファの検問所を閉鎖した。

イスラエル首相府などの発表によると、武装集団はエジプト軍の車両2台を奪い、イスラエル側への越境を試みたが、イスラエル軍機の攻撃などで車両は破壊され、犯行に及んだ7人も殺害された、という。

エジプトのシナイ半島では昨年2月のムバラク政権崩壊後、武装勢力の活動が活発化し、治安の急速な悪化が問題となっている。

(2012年8月6日10時48分 読売新聞)



 
 
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覆面グループが6カ所を同時襲撃、2人負傷 エジプト・シナイ半島

2012.08.08 Wed posted at 14:32 JST

カイロ(CNN) エジプトのシナイ半島北部で8日未明、検問所など6カ所が覆面の武装グループに襲撃され、警官1人と民間人1人が負傷した。

地元治安当局責任者によると、襲われたのは検問所5カ所と軍のセメント工場。負傷者は当初、警官2人と発表されたが、その後1人は民間人と判明した。

5日には同じシナイ半島北部で、パレスチナ自治区ガザとの境界に近いラファ検問所が覆面グループの襲撃を受け、エジプト軍兵士16人が死亡、7人が負傷したばかり。犯行グループは装甲車2台を奪い、イスラエル領内への侵入を図った。

エジプト当局はこれを受け、ガザ側へ通じる数百カ所の密輸トンネルを閉鎖すると宣言。現場にブルドーザーやクレーンを搬入し、作業の準備を進めているという。

5日の襲撃について、イスラエルはイスラム過激派による犯行との見方を示し、エジプト軍も非難声明を出した。一方、エジプトの穏健派イスラム組織ムスリム同胞団は、イスラエル情報機関が黒幕だったと主張している。



 
 
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2012年8月8日21時06分

エジプト軍、武装勢力20人殺害 ムルシ政権が強硬策

エジプト東部シナイ半島で8日未明、エジプト軍が航空兵力などを動員した武装勢力の掃討作戦を行い、20人を殺害した。エジプト国営テレビなどが伝えた。シナイ半島で5日に起きた国境警備部隊の兵士ら16人が武装勢力に殺害された事件をめぐり、イスラム色を打ち出して誕生したムルシ政権の対応に注目が集まる中、強硬策に踏み切った形だ。

エジプト軍はガザとの境界付近をヘリなどを使って空爆。地上の対テロ特殊部隊も作戦に加わり、武装勢力の装甲車両3台も破壊したとしている。作戦に前後して、シナイ半島北東部の中心都市アリーシュなど一帯では電気や通信が切断されたという。

武装勢力について、エジプト当局はイスラム過激派の地元遊牧民(ベドウィン)と、パレスチナ自治区ガザからの越境者としている。

シナイ半島は、昨年のムバラク政権崩壊後、警察力の低下に伴い、治安の急速な悪化が指摘されていた。ベドウィンはエジプト政府と対立を深めているうえ、アルカイダ系イスラム過激派も勢力を広げ、リビアなどから武器が密輸されているとされる。

イスラエルとの平和条約締結(1979年)に伴い、シナイ半島ではエジプト軍の駐留・展開が制限されているが、ムルシ政権はイスラエルの同意を取り付けたうえで部隊を動員し、掃討作戦に乗り出したとみられる。ムルシ政権と軍部は依然、緊張関係にあるとされるが、今回の作戦は軍部が主導し、ムルシ氏も承認した可能性が高い。

一方、穏健派イスラム団体のムスリム同胞団が擁立した初の大統領、ムルシ氏率いる政権の強硬策によって、波紋が広がる可能性もある。

ムルシ氏は選挙戦でパレスチナの支援強化を訴えていたが、治安対策強化を求めるイスラエルと歩調を合わせるように5日の襲撃事件直後からガザ地区との境界の封鎖に踏み切った。封鎖が長引けば、ガザ住民の反発を呼ぶだけでなく、国内世論の批判を浴びる可能性もある。

さらに「イスラム」を標榜(ひょうぼう)する勢力への攻撃をめぐって、国内外のイスラム厳格派の反発を招く事態も予想される。(カイロ=貫洞欣寛)



 
 
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エジプトでまた銃撃戦 武装集団20人以上死亡

2012/8/8 11:18 (2012/8/8 13:09更新)

【カイロ=共同】パレスチナ自治区ガザに近いエジプトのシナイ半島北部のアリーシュで8日、武装集団が治安当局の検問所を襲撃、治安当局側と銃撃戦になった。エジプト紙アルアハラム(電子版)によると、エジプト軍は航空機による掃討作戦を展開、攻撃で武装集団の20人以上が死亡した。

検問所は、アリーシュからガザ境界のラファに続く幹線道路にある。AP通信によると、銃撃戦では軍幹部や市民を含む6人が負傷した。

ラファでは5日、イスラエルへの侵入を図った武装集団がエジプトの警察施設を襲撃、警察官16人が死亡する事件があったばかり。シナイ半島とガザのイスラム過激派勢力が関与したとみられ、緊張が高まっている。



 
 
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エジプト軍:ガザ境界で掃討作戦…攻撃ヘリを投入

毎日新聞 2012年08月08日 21時27分(最終更新 08月08日 23時57分)

【カイロ前田英司】エジプト軍は8日未明、パレスチナ自治区ガザ地区との境界に近いシナイ半島北部で武装集団の掃討作戦に乗り出し、攻撃ヘリコプターを投入して20人以上を殺害した。ロイター通信などが伝えた。付近ではこの直前、検問所3カ所が襲撃されたほか、5日にはガザ境界のラファで兵士ら16人が殺害される事件があった。シナイ半島での空襲はイスラエル占領下にあった第4次中東戦争(73年)以来とみられ、治安情勢が緊迫している。

現場はガザ境界から約10キロ西の町シェイクズウェイド付近。武装集団が7日夜、シナイ半島北部の中心都市アリーシュなどの検問所3カ所を襲撃。治安当局との銃撃戦に発展したのを受け、軍の攻撃ヘリがミサイルを撃ち込んだ。

治安急変の発端となった5日の事件は、ガザからエジプトに侵入したとされる武装集団が検問所を襲撃し、装甲車両を奪ってイスラエル側への侵入を図った。

ガザはイスラム原理主義組織ハマスが実効支配しているが、ハマスはただちに関与を否定。犯行声明はいまだ出ていない。

一連の事件が発生したのは、イスラエルによる封鎖に苦しむガザ地区のラファ検問所経由の人の出入りを容易にする動きを、エジプトのモルシ大統領が見せた直後だった。ハマスはモルシ大統領の出身母体ムスリム同胞団の流れをくみ、両者は友好的関係にある。

ガザ・エジプト境界の地下には、ガザに物資を運び込む多数の密輸トンネルが存在する。シナイ半島は物資の経由地で、地元には、ガザへの武器密輸に携わる部族もいる。

エジプトのムバラク前政権は親米・親イスラエルの立場から治安維持を徹底したが、昨年の民主化闘争に伴う「権力の空白」で不安定化した。イスラエルはこうした動きを警戒する一方、モルシ政権の対イスラエル政策を慎重に見極めている。

◇イスラエルは歓迎

【エルサレム花岡洋二】エジプト軍による武装集団の掃討作戦について、隣国イスラエルの国防省外交安全保障局のギラド局長は8日、地元ラジオに「(テロ)問題を解決しようとする政権と軍の意思が確認できる」と歓迎した。

イスラエルはエジプトと1979年に平和条約を結び、両国軍・情報機関はパレスチナ自治区ガザ地区の反イスラエル武装勢力の情報を交換するなど良好な関係を維持。シナイ半島や国境では、おおむね平穏な状態が続いた。

しかし、昨年2月にムバラク政権が崩壊し、反イスラエル姿勢で知られた穏健派イスラム原理主義組織ムスリム同胞団出身のモルシ氏が今年6月に大統領に就任。連携弱体化への不安がイスラエル側で強まった。

シナイ半島ではムバラク政権崩壊後、ガザなど中東各地から流入したイスラム過激派によるイスラエルへの越境攻撃が相次いだ。平和条約に基づきイスラエル側が直接的な軍事行動を控え、エジプト側も活動を制限する体制では、治安悪化に対応しきれないとの認識が、イスラエル側で強まっていた。バラク国防相は6日、国会防衛外交委員会で「エジプトが目を覚まし、問題を自らの手に収めることを望む」と発言した。



 
 
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エジプト軍、武装集団拠点を空爆 20人殺害

2012.08.09 Thu posted at 11:06 JST

エジプト・アリーシュ(CNN) エジプト軍は8日、シナイ半島北部で軍の検問所が襲撃され16人の兵士が殺害されたことを受け、武装グループに対する掃討作戦を行った。

エジプト軍のシナイ半島北部の防衛責任者であるバクル将軍は、攻撃ヘリで武装グループにロケット弾を打ち込んだ結果、多数の死者が出たと発表した。国営ナイルテレビによれば港湾都市アリーシュでは空爆による死者が少なくとも20人に上ったという。

エジプト軍最高評議会は同日、シナイ半島での空爆作戦は「武装したテロ分子」を標的としたもので、「完全なる成功を収めた」との声明を出した。

軍関係者はCNNの取材に答えて、武装グループはシナイ半島中部のハラル山を拠点としており、ロケット弾や地雷などで武装していると語った。治安部隊はこの拠点を地上から制圧しようと試みたこともあったが失敗。だが7日夜から8日にかけて行われた空爆により、多くの武装グループのメンバーが死亡したという。

イスラエルやパレスチナのガザ地区と国境を接するシナイ半島では、5日と8日にエジプト軍の検問所などが覆面の武装グループに襲撃される事件が発生した。5日の襲撃ではエジプト兵16人が死亡したほか、8日には検問所など6カ所が同時に襲われ治安要員など6人の負傷者が出ている。

エジプトのムルシ新大統領は、反イスラエル色が強いイスラム組織ムスリム同胞団の出身だ。だがエジプト軍に近い人物はCNNに対し、今回の空爆は攻撃ヘリの使用などについてエジプトとイスラエル両国が合意したうえで行われたと語った。

米シンクタンク「ワシントン近東政策研究所」のアナリスト、ロバート・サトロフ氏らも「ムルシ大統領はエジプトの国際合意を尊重すると繰り返し公約してきたが、今回の対応はこれを裏付ける初めての証拠となった」と指摘する。



 
 
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エジプト:日本人2人を一時拘束

毎日新聞 2012年08月11日 09時45分

エジプトの中東通信は10日、同国のシナイ半島北部アリーシュの検察当局が、日本人2人とカナダ人1人を一時拘束した後、釈放したと報じた。氏名や職業は不明。在エジプト日本大使館が詳しい状況を調べている。

3人は首都カイロから車でアリーシュを訪れた。シナイ半島北部は、パレスチナ自治区ガザとの境界で起きた武装勢力による襲撃事件を受け緊張が高まっている。当局が取り調べたところ、3人は武装勢力と関係がないことが分かったため釈放されたという。(カイロ共同)



 
 
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エジプト大統領、国防相を解任 暫定憲法を破棄

軍部抑えこみへ実力行使

2012/8/13 1:26

【イスタンブール=花房良祐】エジプトのモルシ大統領は12日、タンタウィ国防相とエナン参謀総長を解任した。現地メディアが伝えた。タンタウィ国防相は2011年2月のムバラク前大統領の辞任後に事実上の最高指導者となり、モルシ大統領の就任後も大きな権力を持っていた。シナイ半島の治安悪化の責任を取らされた格好だが、これを機に大統領が軍部の影響力をそぐ実力行動に出た形だ。

モルシ大統領の報道官は同日、メッキ判事を空席だった副大統領に指名したことを明らかにした。軍が大統領選前に制定した「暫定憲法」を破棄することも合わせて発表した。暫定憲法は軍に絶大な政治的権力を与える内容で、民意で選ばれた大統領と軍の権力闘争が激化している。米国とイスラエルとの関係を重視する軍の影響力が後退し、イスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」系の大統領が権力を掌握すれば外交政策にも大きな影響が出そうだ。

シナイ半島では武装集団が勢力を拡大し、イスラエルとの国境付近でエジプト兵が多数殺害されるテロ事件も発生。エジプト軍は12日、武装勢力の掃討作戦を進め、6人を殺害した。



 
 
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エジプト大統領が新たな暫定憲法 軍と対立激化も

2012/8/13 10:09

【イスタンブール=花房良祐】エジプトのモルシ大統領は12日、暫定憲法に相当する新たな「憲法宣言」を発布した。規定された通りの権力を持てば、大統領は行政権と立法権、新憲法制定の主導権など幅広い権限を掌握する。ムバラク政権崩壊後に実権を握った軍と大統領の対立が激化する可能性がある。カイロ中心部では数百人のデモ隊が集結し、大統領への支持を表明した。

モルシ大統領は12日に解任したタンタウィ国防相の後任に、軍最高評議会のメンバー、シシ将軍を任命した。同氏は50代半ばで評議会の中では若手。現地紙によると、モルシ大統領の出身母体、イスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」と親密な関係にあるとして軍部寄りのメディアから非難されたこともある。

シシ新国防相は12日、就任宣誓したという。解任した軍ナンバー2のエナン参謀総長の後任人事も同日発表、軍高官を起用した。

12日に公表した新たな暫定憲法は、これまで軍最高評議会が持っていた絶大な権限の多くを大統領に委譲する内容となっている。大統領は行政権に加え、軍の意向で解散させられた議会に代わり立法権も持つ。憲法起草委員会が義務を果たしていないと判断すれば大統領は新たな委員会を設置でき、3カ月以内に起草。1カ月以内に国民投票にかけ、2カ月以内に議会選挙を実施する。

ロイター通信は12日、今回のタンタウィ国防相の解任劇についてモルシ大統領は軍最高評議会と調整した上で決定したと報じた。ただ、タンタウィ氏らのコメントは報道されておらず、解任を受け入れたのか依然として不明。軍が巻き返しに出ればエジプト政治が再び混乱する恐れもある。



 
 
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エジプト大統領、国防相と参謀総長解任 主導権争い激化か

2012.08.13 Mon posted at 11:48 JST

カイロ(CNN) エジプトのムルシ大統領は12日、タンタウィ軍最高評議会議長兼国防相とアナン参謀総長を解任した。大統領報道官が同日夜、国営ナイルテレビで発表した。

発表によると、両氏は最高勲章を授与され、大統領の顧問に任命された。海軍、空軍、防空軍の司令官も解任となった。

ムルシ大統領は、タンタウィ氏の後任として国防相に軍情報部門トップのシーシ少将を、副大統領に元判事のメッキ氏を任命した。さらに、軍最高評議会が年末の新議会発足まで立法権を保持すると定めていた暫定憲法修正の停止を命じた。

大統領は同日夜、カイロ市内の大学での講演で、これらは国家を前進させるための決断だと強調。「軍部には祖国防衛の任務に専念してもらいたい」との立場を改めて表明した。カンディル首相は、大統領が合法的な手続きに従って決断を下したと述べた。

ムルシ大統領は6月末に就任。それまで暫定統治を担っていた軍最高評議会との間で、議会などを巡る主導権争いが報じられてきた。



 
 
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2012年8月13日01時18分

エジプト大統領、国防相解任 憲法の「軍の立法権」停止

エジプトのムルシ大統領は12日、昨年のムバラク政権崩壊後に全権を掌握した軍最高評議会議長で国防相のタンタウィ氏を解任する大統領令を出した。軍が立法権を握ることなどを定めた暫定憲法の修正部分も停止した。軍部が握っていた権限の掌握に動いたとみられる。ただ、軍部が抵抗した場合、政情が混乱する可能性がある。

大統領令は、元裁判官で反ムバラク派として知られたメッキ氏を副大統領に任命。軍トップのタンタウィ国防相を解任し、大統領顧問とする。後任の国防相には陸軍のシーシ少将を2階級特進させて任命するとしている。エジプト国営テレビは同日、シーシ氏が軍服姿でムルシ大統領の前に立つ映像を流した。就任宣誓式とみられる。

軍評議会が6月に修正した暫定憲法では、立法権は当面、軍部が握り、国防相人事にも軍の同意が必要とされる。ムルシ氏と、同氏を擁立したムスリム同胞団は「軍のクーデター」と修正に猛反発していた。ムルシ氏は今回、この暫定憲法修正も無効とするとしており、この通りになれば、軍評議会の存在意義は失われることになる。

だが、軍部や司法が、今回の大統領令をすんなりと認めるかどうかは、現段階では不透明だ。

ムルシ氏は7月8日、最高憲法裁判所の判決を受けて軍評議会が解散を命じた人民議会(下院)に活動再開を命じる大統領令を出したが、軍部と司法の強い抵抗で取り下げている。

今月5日にパレスチナ自治区ガザとの境界線付近で武装勢力がエジプト国境警備部隊を襲撃し、16人が死亡する事件が発生。未然に防げなかったエジプト軍と情報機関に対する批判が高まり、ムルシ政権は情報機関幹部や現場を統括する北シナイ県知事の更迭を発表していた。ムルシ氏は、これを利用して軍評議会から権力を奪い、政権基盤の強化に動いたものとみられる。(カイロ=貫洞欣寛)



 
 
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エジプト大統領、国防相解任…暫定憲法も無効に

【カイロ=田尾茂樹】エジプトのモルシ大統領の報道官は12日、同国を暫定統治してきた軍が6月に発布した、大統領権限などを制限する改正憲法宣言(暫定憲法)を大統領が無効にした、と発表した。

大統領はまた、軍最高評議会議長のタンタウィ国防相と軍ナンバー2のアナン参謀長を解任し、後任を指名する人事も決めた。

大統領が憲法宣言を無効とし、軍の人事刷新に踏み切ったことで、大統領と軍との対立が再び先鋭化し、国内情勢が混迷する可能性がある。また、改正憲法宣言の適法性を巡っては司法で係争中であるほか、大統領が一方的に宣言を無効にできるかどうかについては明らかでなく、今後、論議を呼ぶのは必至だ。

改正憲法宣言は、軍が当面、立法権を掌握するとしたほか、軍の人事や任務に関する事項は最高評議会が決めることなどを盛り込んでいる。モルシ氏の出身母体であるイスラム主義組織ムスリム同胞団は、軍が大統領に権限を移譲後も影響力の保持を図っているとして、撤回を要求してきた。

(2012年8月13日01時32分 読売新聞)



 
 
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エジプトのモルシ大統領、新憲法宣言発布

【カイロ=田尾茂樹】エジプトのモルシ大統領は12日、大統領が軍に代わって立法権を掌握することなどを盛り込んだ新たな憲法宣言を発布した。

6月末の民政移管後も軍が掌握していた権限を事実上、剥奪したもので、これに対し、軍がどう出るかが注視される。

新・憲法宣言発布は、6月に軍が出した改正憲法宣言を同日、無効としたことに伴う措置。大統領が、新憲法案を策定する憲法起草委員会の委員を最終的に決定できるとの規定も入っている。

軍の改正憲法宣言は、6月に解散を命じた人民議会(下院)の再選挙までは軍が立法権を握り、解散前の議会が設置していた憲法委の委員人選も軍がやり直せると規定されていた。大統領は、新・憲法宣言により、国政での主導権確保に動いたといえる。

(2012年8月13日10時32分 読売新聞)



 
 
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エジプト:大統領が国防相を解任 軍移管の権限奪還

毎日新聞 2012年08月13日 01時10分(最終更新 08月13日 01時24分)

【エルサレム花岡洋二】エジプトのモルシ大統領は12日、軍最高評議会のタンタウィ議長を国防相職から解任したと発表した。また、今年6月の大統領選直前、軍最高評議会が大統領権限の一部や議会の立法機能を引き継ぐとした憲法修正を無効とした。

大統領選後、議会招集などを巡って、大統領の出身母体である穏健派イスラム原理主義組織ムスリム同胞団と軍の対立が続いてきたが、軍トップを解任することで大統領が軍の影響力をそぎ、権力基盤を強化する狙いがあるとみられる。

タンタウィ議長は昨年2月のムバラク政権崩壊後、エジプトを暫定統治する最高評議会の議長を務めてきた。ムバラク政権崩壊後は、軍の利権や権限を巡って、議会などで勢力を伸ばすムスリム同胞団との駆け引きが続いていた。



 
 
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エジプト大統領:軍と事前に協議し合意か 国防相解任など

毎日新聞 2012年08月13日 10時39分(最終更新 08月13日 12時32分)

【エルサレム花岡洋二】エジプトのモルシ大統領が12日、軍トップであるタンタウィ軍最高評議会議長を更迭し、軍最高評議会が大統領権限の一部や立法権を掌握するとした暫定憲法修正を無効とした一連の決定は、軍と事前に協議して合意を得ていたとみられる。

合意が事実なら、民政移管の前進を示唆する展開と言えそうだが、モルシ氏の出身母体の穏健派イスラム原理主義組織ムスリム同胞団と軍部はこれまで権力争いを続けており、両者の「和解」が実現するか今後の展開を注視する必要がある。

モルシ大統領は、暫定憲法修正を無効とし、大統領が行政執行権と立法権、新憲法の主導権を握るとする大統領令を発布した。

またタンタウィ氏が兼務していた国防相の後任に、陸軍のシシ少将を任命。アナン参謀総長(軍最高評議会副議長)も解任し、後任にシドキ司令官を昇格させた。軍幹部会である最高評議会は、正副議長にこの新任2人が就くとみられるが、権力は大きく制限される。タンタウィ氏とアナン氏は、大統領顧問に就く。

ロイター通信によると、軍最高評議会のメンバーでこの日新任されたアサル副国防相は「(人事は)評議会内で協議した結果だ」と語った。モルシ大統領が軍の同意のうえ一連の決定をしたようにみえる。大統領は演説し「国益を考えた決定だ」と語った。

一方、モルシ大統領は、空席の副大統領に、破棄院(最高裁に相当)幹部のメッキ判事を指名した。メッキ判事は、在任中のムバラク前大統領を批判したことで知られる。

軍や情報機関に対しては、シナイ半島北部で5日、軍兵士16人が武装集団に殺された襲撃事件を巡り世論の批判が高まっていた。モルシ大統領は情報機関トップを更迭し、テレビでは自らが実質的な軍最高司令官だと主張。この機会を利用し、軍最高幹部の人事に着手したとみられる。

タンタウィ氏は、ムバラク前政権で国防相を約20年務め、昨年2月のムバラク政権崩壊後は、暫定統治した最高評議会の議長として、国の最高権力者を務めた。暫定憲法修正の結果、モルシ大統領就任後も大きな権力を握っていた。



 
 
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エジプト大統領、軍弱体化狙う

2012/8/14 0:08 (2012/8/14 2:01更新)

【イスタンブール=花房良祐】エジプトのモルシ大統領が国防相と参謀総長を解任し、軍の力を弱める政治的な賭けに出た。軍は大統領選挙後も暫定統治時期からの権力を維持してきたが、大統領は最高指導者として権力を掌握する姿勢をあらわにした。権力を完全に固めるためには、新憲法に「文民統制」を盛り込み、軍を大統領の指揮下に置けるかがカギを握る。軍が巻き返しに動くかどうかも焦点だ。

モルシ大統領は12日、タンタウィ軍最高評議会議長を国防相から解任し、大統領に近いとされるシシ将軍を後任に据えた。さらにエナン参謀総長を解任し、陸海空軍のトップも刷新。軍が制定した暫定憲法を廃止し、新たな暫定憲法「憲法宣言」を発布した。

改革派と協力か

6月に就任したモルシ大統領の出身母体はイスラム原理主義組織の「ムスリム同胞団」。昨年2月に崩壊したムバラク政権下では軍がムスリム同胞団を長年弾圧してきた。両者は“犬猿の仲”で大統領は早晩、軍と権力闘争に突入するとみられていた。ただ慎重に軍の影響力をそぐのではないかとの見方もあった。

予想に反してモルシ大統領が動いたのは、近く策定される予定の新憲法の制定前に軍の勢力を弱める必要があったからだ。新憲法にいったん「文民統制」を盛り込めば、軍の政治力を中長期にわたり安定的に抑え込める。そのためには、軍の干渉を排して文民統制条項を盛り込む基盤づくりの必要に迫られていた。

軍も新憲法の策定が今後の影響力を左右することに着目。大統領就任の直前に暫定憲法を発布し、憲法起草に介入する姿勢を露骨に示した。このほか軍事予算・人事、交戦権などを“聖域”として文民に関与させない方針も示してきた。

こうしたなかで今月初旬にパレスチナ・ガザの過激派とみられる武装勢力がエジプト・シナイ半島に侵入。エジプト警備兵16人を殺害してイスラエルに侵入するテロ事件が発生した。大統領は治安悪化の責任を追及する形で軍や情報機関の幹部人事を断行した。

解任劇ではモルシ大統領は軍の改革派と協力したもよう。軍最高評議会メンバーのシシ新国防相は50歳代で比較的若い。一方、タンタウィ氏は22年にわたり国防相を務めており、ムバラク体制の象徴だ。「革命の守護者」と一時は市民から尊敬を受けた軍だが、今や民主化を妨害していると批判されることが多くなり、軍内部の改革派もタンタウィ氏らの追い出しに賛同したようだ。

軍の出方焦点に

軍は無数の天下り先などの系列企業を抱えており、経済的な利権を持つ。トップの更迭を黙認する代わりに軍の経済的な利権に手を付けないことなどを求めた可能性もある。13日夕方時点で軍は一連の解任劇について声明を出していない。

米国と親米ムバラク政権下のエジプト軍は良好な関係にあった。エジプトは米国から毎年13億ドルの軍事支援を受け取っている。米オバマ政権は中東の民主化を支援する外交方針を掲げており、民主化に逆行して軍を後押しするとは考えづらい。また軍が起死回生のクーデターを企図しても現状では国民の支持を受けられないとみられる。

もっとも雇用悪化など経済の低迷が続けばモルシ大統領への不満が強まる。混乱回避を口実に軍が巻き返しに出る可能性は否定できない。



 
 
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[FT]エジプト新政権は民主的姿勢示せ(社説)

2012/8/14 14:00

(2012年8月14日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

エジプトで初の大統領選挙で選出されたモルシ氏は権力闘争における均衡を崩し、民主化への移行を頓挫させる危険を冒している。大統領は軍のトップを解任し、軍人に奪われた権力を徐々に取り戻そうとしている。声高に叫ぶのは文民統制だ。

■多くの疑問が残る大統領の取引

しかし民主主義の勝利は一時的なものにとどまっている。ほかの軍関係者から支持を得る見返りに、モルシ大統領が交わした取引には多くの疑問が残っている。エジプト大統領は今夏に司法命令で解散した議会の権限も引き継ぎ、かつてない権力を有している。大統領は自身の目的が独裁国家の建設ではないということを、イスラム政権の野心に懐疑的な人々に納得させる必要があるだろう。

首都カイロ中心部のタハリール広場における反体制デモでムバラク前政権が崩壊して以来、先行き不透明感が広がり、エジプト経済は停滞している。失業率が上昇し投資が低迷するなか、大統領の支持基盤であるイスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」と軍部は権力闘争に明け暮れ、ともに信用を失った。

イスラム政権への権限委譲を阻止しようとする人々を退任させれば、両者とも国民の信頼を回復できるかもしれない。ただしそれはエジプトが直面する経済、社会、安全保障上の難しい課題に今立ち向かう場合に限られる。シナイ半島で先週発生した武装勢力によるエジプト警備兵殺害事件で、事態の緊急性が浮き彫りになった。

■次のステップは早期の総選挙

両者は微妙なかじ取りの制約も認識しなければならないだろう。民主的に選出された政権を邪魔する守旧派への若い将校の不安も高まっていたのかもしれない。だが軍部は依然としてエジプトの将来に対する発言権を望んでいる。一方、イスラムの資質を問う厳格なイスラム主義者(サラフィスト)に出し抜かれるのではないかと、ムスリム同胞団は神経をとがらせている。

エジプトが必要とする政府は、その統治に自信を持ち、エジプト国民すべての運命をより良いものとすることに重点を置くものだ。モルシ大統領は軍に自身の権限を知らしめる第一歩を踏み出した。次はできるだけ早く総選挙を実施し、自らの政権の民主的な資質を示すべきだ。同時に新憲法を起草する委員会を選出する機会も有権者に与えられてしかるべきだ。現在の委員会にはその包括性に疑問があるからだ。今後の体制に関する発言権を人々に与えることが、エジプト新政権が信頼を得るための最善の方法だ。



 
 
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2012年8月14日03時00分

大統領令、司法の判断焦点 エジプト国防相解任

エジプトのムルシ大統領が軍のトップだったタンタウィ国防相らを解任し、軍部が行った暫定憲法の修正を無効として権限を奪う大統領令を出した。これまで軍と歩調を合わせ、大統領と対立してきた司法の出方が今後の焦点となっている。

大統領令について、最高憲法裁判所のゲバリ判事は13日付の政府系紙アハラム電子版で「暫定憲法の条文を一方的に無効にする権限は、大統領にはない」と述べ、「一市民としての意見」としたうえで「憲法裁は早急に手を打つべきだと思う」と語った。

司法はムバラク政権崩壊後、軍部とともにムルシ氏や出身母体のムスリム同胞団と対立。大統領選直前の6月には憲法裁が、同胞団系が第一党だった人民議会(下院)を「選挙制度が一部違憲」として解散を命じるなど、ムルシ氏らに不利な決定を出してきた。

今回の大統領令の違憲審査などを求める提訴があった場合、裁判所が大統領に不利な判決を出す可能性は否定できない。

一方、ムルシ氏は大統領令で、「改革派判事」として知られるマフムード・メッキ氏を副大統領に任命している。メッキ氏の兄は、すでに法相に任命された元裁判官アハマド氏。ムルシ政権が司法界に通じたメッキ兄弟を通じて裁判所の人事異動に乗り出し、裁判所側の動きを封じる可能性もある。

軍部の動向については、複数の政府系メディアが13日、「軍部は今回の大統領令を支持している」とする軍幹部のコメントを伝えた。タンタウィ氏を含め、反発の動きは今のところ伝えられていない。ただ、軍部はこれまで維持してきた軍事予算の非公開などの特権を新憲法に盛り込もうとする動きを見せてきた。ムルシ政権と軍部との間で新憲法の起草作業などをめぐり、対立が再燃する懸念もある。

昨年の反政権デモを主導した青年グループ「4月6日運動」は「革命を進め、旧体制の支配を終わらせるための重要なステップだ。タンタウィ氏らの訴追を待ちたい」と評価。ノーベル平和賞受賞者で民主化運動家のエルバラダイ元国際原子力機関(IAEA)事務局長は「軍の政治関与を終わらせるのは、正しい道筋に向けたステップだ」との声明を出した。一方、「これは同胞団の権力独占だ」(左派政党幹部)などと警戒感も出始めている。(カイロ=貫洞欣寛)



 
 
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イスラエルとの和平維持確認 米・エジプト国防相会談

2012/8/15 9:39

【ワシントン=共同】新たに就任したエジプトのシシ国防相は14日、パネッタ米国防長官との電話会談で、イスラエルとの和平条約に伴う義務を「真剣に受け止めている」と強調し和平維持を確認。イスラエル国境に近いシナイ半島で武装勢力の活動を許さないと述べた。パネッタ長官が記者会見で明らかにした。

シシ国防相は米エジプト間の軍事協力関係を維持すると表明。パネッタ長官は、中東地域での両国の目標を追求するため緊密に協力すると述べた。



 
 
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エジプト大統領、前国防相らに勲章 軍司令官3人を新たに任命 

2012.08.15 Wed posted at 09:41 JST

(CNN) エジプトのムルシ大統領は14日、解任したタンタウィ前軍最高評議会議長兼国防相とアナン前参謀総長に勲章を授与した。また、同時に解任となっていた海、空、防空軍司令官の後任を任命した。

タンタウィ氏には最高の国家勲章、アナン氏にも高位の勲章が贈られた。ムルシ大統領は12日に両氏を解任し、自身の顧問に任命していた。顧問ポストの詳細は発表されていない。

新司令官3人の任命は国防相でなく、大統領自身が発表した。この形式からも、軍部に対する支配力を示す意図がうかがえる。

大統領による軍人事刷新の直接のきっかけは、シナイ半島のイスラエル国境付近で先週、兵士十数人が武装勢力に殺害された事件だったとみられる。国営メディアが治安筋の話として伝えたところによると、シナイ半島では軍と武装勢力の衝突が続いている。



 
 
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2012年8月15日23時28分

エジプト、解任の前国防相に勲章 米「人事知っていた」

エジプトのムルシ大統領は14日、解任したばかりのタンタウィ前国防相とアナン前参謀総長に勲章を授与した。中東通信などが伝えた。タンタウィ氏らがムルシ氏と談笑する画像も配信された。

米国務省のヌーランド報道官も13日、「(7月中旬に)クリントン国務長官がエジプトを訪問した時から、軍と政権の協議のもとで人事に変化が起きることを知っていた」と述べており、ムルシ政権が事前に軍と米国の同意を取り付けたうえで行った解任だったことを裏付けた形だ。

約20年にわたり国防相の座にあり76歳のタンタウィ氏に対し、世代交代を求める声が軍内部で出た可能性もある。後任のシーシ国防相は57歳で、大幅な若返りとなっている。ムルシ大統領は陸軍元帥を兼ねるタンタウィ氏だけでなく、海・空軍の最高司令官らも同時に退役させた。

一方、タンタウィ氏らを解任し、軍部が立法権を握る暫定憲法の修正部分を取り消した大統領令を「無効」とする訴訟が14日、カイロの行政裁判所に提訴された。提訴したサレム弁護士はロイター通信に「ムルシ氏はムスリム同胞団による新たな独裁と全体主義政治を行おうとしている」と述べた。(カイロ=貫洞欣寛)



 
 
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軍政終結へ速攻 エジプト大統領が払拭できぬ懸念  本社コラムニスト 脇祐三

2012/8/16 7:00

脇祐三(わき・ゆうぞう) 76年日本経済新聞社入社。エジプト留学、バーレーン駐在、ウィーン駐在、欧州総局編集委員、編集委員兼論説委員、アジア部長、国際部長、論説副委員長などを経て現職。国際政治経済、石油市場、海外ビジネス動向などをフォロー。著書に「中東激変」「中東 大変貌の序曲」など。

エジプトのモルシ新大統領が軍の首脳を更迭し、軍の立法権掌握を否定した。「軍政」を終わらせ、大統領の優位を明確にする動きだ。多くの政治勢力がこれを支持するが、逆に大統領の権限強大化を懸念する声も出始めている。

モルシ大統領が指名したカンディール新首相が閣僚名簿を発表したのは、8月2日。その時点では、ムバラク政権崩壊後の暫定統治にあたってきた軍最高評議会のタンタウィ議長は国防相に留任した。一方で大統領の出身母体であるムスリム同胞団からの閣僚登用は少数にとどまり、大統領が軍に妥協したとの見方が広がった。

ところが、12日になって大統領は、軍のナンバー1、ナンバー2であるタンタウィ国防相とアナン参謀総長を解任し、海軍、空軍、防空軍の司令官も交代させる大統領令を出し、国民を驚かせた。後任の国防相にはシシ陸軍少将が大将に2階級特進して任命された。地元メディアが「日曜日のサプライズ」と呼ぶ軍幹部刷新人事は、大統領が軍のトップの任免権を持つことを明示する大きな意味があった。

同時にモルシ大統領は、6月17日(大統領選の決選投票日)に軍最高評議会が発表した憲法宣言(暫定憲法)追加条項を無効とし、新たな憲法宣言を出した。最高憲法裁判所による議会解散命令を受けて軍が出した6月の追加条項では、当面の立法権を軍最高評議会が握ることなどを規定していた。大統領はこれを無効としたうえで、行政権と新たに議会が選出されるまでの立法権を大統領が完全に握ると宣言したわけだ。

大統領が軍との権力抗争で押せるところまで一気に押した格好だが、大統領と軍の間で合意があったのか。情報は錯綜(さくそう)しているものの、大統領は軍の幹部と協議したうえで方針を固めたとみられる。タンタウィ、アナンの両氏は大統領顧問として処遇されることになった。更迭された司令官たちの受け皿ポストも用意されているという。

軍が決めた暫定憲法にのっとって就任した大統領が、それを無効にするのは法的に疑義があるとの意見が司法関係者から出ている。とはいえ、軍が政治的な権限を握り続けるために大統領との全面対決に向かう可能性は小さいだろう。もともと軍は自らの経済利権の確保には熱心だが、「政治の責任を長期間、全面的に負う考えはほとんどなかった」(池内恵・東大准教授)とみられるからだ。

■注目すべき新国防相の米国コネクション

新たに国防相に就任したシシ将軍も軍最高評議会の一員だった。同将軍は軍幹部の中ではムスリム同胞団に比較的近い存在と報じられている一方で、米軍に招かれて米国に1年間滞在した経歴を持つ米国コネクションであることにも注目すべきだ。

米国からの巨額の軍事援助がなければ、エジプトの軍は成り立たない。では、軍の最大のスポンサーである米政府は何を求めていたのだろうか。

米国務省のヌランド報道官は6月18日の記者会見で、「できるだけ早く民政移管を実現するよう」エジプト軍最高評議会に求めると説明していた。7月中旬にエジプトを訪問したクリントン米国務長官は、モルシ大統領との会談後に「エジプト軍が純粋に国防の役割に戻ることを支持する」と強調していた。8月12日のサプライズは、こうした米政府の意向に沿った動きと見てもいい。米国防総省は「エジプト軍の指導部交代を予期していた」(リトル報道官)と説明している。

エジプト国内の「革命」支持勢力は、軍政終結が早まる展開を「歴史的で建設的な一歩」と歓迎している。だが、懸念や不満がないわけではない。カイロ大学のハッサン・ナファー教授は、軍最高評議会がこれまで持っていた政治の権限を大統領が握る結果、ムスリム同胞団が政治プロセスを全面的に牛耳る恐れもあると指摘する。

リベラル勢力が特に強い懸念を抱くのは、大統領・同胞団によるメディアの統制だ。マスメディアを監督する情報省は結局、解体されずに残り、大統領選でモルシ陣営の広報担当を務めた同胞団メンバーが情報相に就いた。国営メディアの幹部人事でも、同胞団に近い人物の登用が目立つという。とりあえず軍の政治的な影響力を弱めたモルシ大統領は、こうした懸念にも応えなければならない。



 
 
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2012年8月20日03時00分

エジプト大統領、初のイラン訪問へ

エジプト政府系の中東通信は18日、ムルシ大統領が30日から、非同盟諸国首脳会議出席のため、イランを訪問すると伝えた。両国は国交がなく、エジプト大統領のイラン訪問は1979年のイラン・イスラム革命後初となる。

エジプト初のイスラム系大統領となったムルシ氏は、イランとの関係改善に動くのではないかとみられていた。イラン訪問中にアフマディネジャド大統領との会談が行われるかどうかは明らかになっていない。(カイロ=貫洞欣寛)



 
 
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エジプトがIMFに支援増額要請 総額48億ドル、経済低迷で

2012/8/23 10:17

【カイロ=押野真也】エジプトのモルシ大統領は22日、国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事とカイロで会談し、48億ドル(約3800億円)の財政支援を要請した。経済の悪化で従来の要請額から16億ドルを上積みした。IMFは中東民主化の後押しにつながるエジプト支援には前向きだが、支援増額の前提となる財政改革の実行は難しいとの見方が多い。

エジプトのカンディール首相はモルシ大統領とラガルド専務理事の会談後に記者会見し「IMFとの交渉は年内にもまとまる」との見通しを示した。

一方、ラガルド専務理事は「エジプトは財政赤字の削減に取り組む必要がある」と語った。エジプトは慢性的な財政赤字に陥っており、IMFはエジプトに財政改革を促してきた。

エジプトの今年度の財政赤字額は1350億エジプトポンド(約1兆8000億円)と前年度比12.5%増える見通し。財政赤字の解消には歳出の約3割を占める補助金改革が欠かせない。

ただ、食品や燃料などに適用されている補助金の削減には、モルシ大統領の支持層とも重なる低所得層からの強い反発が予想される。大統領の支持基盤が弱いこともあり、改革の実行には国内外で懐疑的な見方が広がっている。

IMFは支援増額の条件として、財政改革の断行を求めており、エジプト政府とIMFとの交渉が難航する可能性もある。

エジプト政府が支援の増額を求める背景には、外貨不足がある。2011年2月に独裁政権が崩壊してから、治安の悪化などから直接投資が大きく減少した。6月時点の外貨準備高は155億ドルと1年間で4割減少している。



 
 
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エジプト:イランに接近…大統領、断交後初訪問へ

毎日新聞 2012年08月23日 11時52分(最終更新 08月23日 12時13分)

【カイロ前田英司、テヘラン鵜塚健】エジプトのモルシ大統領が、30日にイランで始まる非同盟諸国首脳会議に出席することが固まった。79年のイラン・イスラム革命直後に両国が断交して以来、初の首脳訪問。米国偏重だったムバラク前政権の外交を修正し、「アラブの盟主」の復権を狙う。核開発問題やシリア情勢で孤立するイランもエジプトとの関係修復で米欧に対抗したい思惑もあり、両国の「正常化」に向けた利害は合致している。

◇「アラブの盟主」復権狙う

中国外務省の発表によると、モルシ大統領は28〜30日に中国を公式訪問。そのままイランに向かう日程。同首脳会議を主催するイランが招待していた。イランのアフマディネジャド大統領との会談も予想される。

モルシ氏は22日にはカイロで国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事と初会談し、経済再建への支援を要請。今後は訪中を経て9月23日には訪米し、オバマ大統領と会談する方向で、外交活動を活発化させる。



 
 
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米国:エジプトに配慮要請…イスラエル国境の兵力増強

毎日新聞 2012年08月24日 18時42分(最終更新 08月24日 19時44分)

【ワシントン白戸圭一】クリントン米国務長官は22日、エジプトのアムル外相との電話協議で、同国東部シナイ半島でのエジプト軍の兵力増強に対するイスラエルの懸念に配慮するよう要請した。米国務省のヌーランド報道官が23日の記者会見で明らかにした。イスラエル国内では、イスラム過激派掃討を理由にシナイ半島での兵力を増強するエジプトへの警戒心が高まっており、オバマ政権はエジプト軍の動向に強い関心を寄せている。

昨年の民主化要求運動「アラブの春」でエジプトのムバラク政権が崩壊した後、シナイ半島には「権力の空白」に乗じて過激派が集結。パレスチナ自治区ガザ地区との境界付近では5日、武装集団がエジプト軍兵士16人を殺害後にイスラエル領内への侵入を試み、イスラエル軍に阻止された。

事件を受け、エジプト軍はシナイ半島での兵力増強に着手し、イスラエルとの国境付近に戦車部隊の投入を開始した。だが、エジプト・イスラエル平和条約(79年締結)は、シナイ半島でのエジプトの兵力展開に制限を設けており、イスラエル国境付近での兵力展開は軽武装の警察部隊に限定されている。このためイスラエル側は、過激派掃討を歓迎する一方、戦車部隊の投入は条約違反に当たると指摘し、エジプト軍の動向に警戒心を強めている。

ヌーランド報道官は会見で「我々は安全保障のための強固な作戦に関心を抱いている」と、エジプト軍による掃討作戦の行方を注視する考えを強調した。その上で「同時に我々は、近隣国との良好な意思疎通にも関心を抱いている」と述べ、イスラエルとの意思疎通を十分に図るようエジプトのモルシ政権をけん制した。

エジプト軍の動向に対する米国とイスラエルの警戒心の背景には、エジプトのモルシ大統領の支持基盤である穏健派イスラム原理主義組織ムスリム同胞団が、これまでに何度もイスラエルとの平和条約の見直しに言及してきた経緯もある。



 
 
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エジプト大統領、シリア・アサド政権に退陣迫る

【カイロ=貞広貴志】エジプトのモルシ大統領は27日、内戦状態に陥っているシリア情勢について、「今こそ流血を止め、シリア国民の権利を回復し、国民を殺した政権は退場する時だ」と述べ、自ら外交に乗り出し、アサド政権に退陣を迫る方針を示した。

28日からの中国、イラン訪問を前にロイター通信のインタビューに答えたもので、大統領自身が包括的に外交政策について発言するのは初めて。

大統領は、対シリア経済制裁などに反対しているロシアと中国に対しては、「シリア一般市民の味方にならねばならない」と呼びかけ、トルコとサウジアラビア、イランとともに構成する「4か国委員会」を通じ「アサド後」の道筋を描く自らの提案への支持を求めた。

(2012年8月28日20時34分 読売新聞)



 
 
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エジプト大統領、全方位外交探る 中国・イラン歴訪

2012/8/29 0:41

【カイロ=押野真也】エジプトのモルシ大統領が旧政権下で関係が薄かった諸国との外交関係を緊密にする「全方位外交」を模索している。中国に続き、30日にはエジプトの大統領としては断交後初めて、イランを訪問する。親米路線は維持しつつ、各国と緊密な外交関係を樹立することで、投資を呼び込むほか、中東・北アフリカ地域の大国として影響力を復活させる狙いがありそうだ。

訪中しているモルシ大統領は28日に中国の胡錦濤国家主席と会談。投資促進を呼び掛けるエジプトに対し、中国側は2億ドル(約160億円)の融資枠設定を約束した。7月、大統領就任後初めての海外公式訪問先となったサウジアラビアでも資金援助を引き出した。

その後、30日にイランの首都テヘランを訪問し、非同盟諸国会議の首脳会議に出席する。エジプト大統領のイラン訪問は1979年の国交断絶以来初めて。エジプト政府はイランとサウジアラビア、トルコを含めた4カ国でシリア情勢を討議する委員会の設置を提唱しており、イランに参加を呼びかける方針だ。

国連安全保障理事会の常任理事国である中国とも今回の訪問でシリア情勢について意見を交わし協力を要請する。

ムバラク政権時代のエジプトは米国やイスラエルとの良好な関係を背景に中東和平交渉を仲介するなど、中東地域で大きな影響力を示してきた。しかし、2011年2月に独裁政権が崩壊して以降、内政の混乱や経済低迷から域内での存在感は大幅に低下した。

事実上、政権をとったイスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」への懸念も根強い。シリア問題に積極関与する姿勢を示すことで、革命で傷ついた大国の威信を取り戻したいとの思惑がある。

一方で、米国との良好な関係は維持したい考え。米国と対立し、国際的に孤立するイランはエジプトとの関係改善を望むが、エジプト政府は大統領のイラン滞在を4時間程度で切り上げ、「2国間関係について話すことはない」(アリ大統領報道官)としている。

米国はエジプトに対し、毎年13億ドル(約1040億円)の軍事支援を続け、エジプト軍に強い影響力を持つ。

国内では政治権力を巡って大統領と軍が対立。大統領の政治基盤は安定していないが、8月12日に軍トップのタンタウィ国防相をモルシ大統領が電撃解任し、国内外を驚かせた。大統領がこうした決定を下すことができた要因の一つに、米国の支持が得られる確信があったようだ。軍の強い反発がなかったことで、大統領も国内を不在にすることが可能になった。

ムスリム同胞団出身のモルシ氏は対米関係を見直す発言を繰り返していたが、6月末の大統領就任後はこうした発言を控えている。同胞団のあるメンバーは「米国との関係悪化は政権基盤の弱体化を招く」と指摘する。大統領にとって対米関係の維持は内政・外交の両面で重要だ。

大統領は9月23日に米国を訪問し、オバマ大統領と会談する予定だ。



 
 
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エジプト大統領、アサド政権を強く批判 シリア反政府勢力支援を呼び掛け

2012.08.31 Fri posted at 11:29 JST

(CNN) エジプトのムルシ大統領は30日、イランで開催されている非同盟諸国の首脳会議で演説し、シリアのアサド政権を強く非難し、反政府勢力への支援を呼び掛けた。

ムルシ大統領は、アサド政権を「正当性を失った抑圧的な政府」と非難し、反政府勢力の支援は「道徳上の義務であり、私たちの信じる新しい独立国シリアへの政治的、戦略的なステップだ」と語った。

同会議に出席していたシリア代表団は、ムルシ大統領の演説の間、一時退席した。シリアのムアレム外相は国営テレビで、大統領の発言はシリアの内政干渉にあたると批判した。

ムルシ大統領は、2週間前に開かれたイスラム協力機構(OIC)の首脳会議で、シリア情勢の打開にむけてエジプト、イラン、サウジアラビア、トルコが協力すべきだと語っていた。エジプトのメディアによると、大統領は「シリア現政権は去るべきだ」とも主張していた。

エジプトはアラブ諸国の中で最大の人口を擁し、影響力が大きい。ムルシ大統領の発言は、アラブ圏におけるアサド政権の孤立化を浮き彫りにした形といえそうだ。アサド政権は、サウジアラビアやカタールなどスンニ派が主流の国々から非難されていた。



 
 
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2012年8月31日03時00分

エジプト大統領がイラン訪問 関係改善に期待感

エジプトのムルシ大統領が30日、非同盟諸国会議の首脳会議に出席するためイランを訪れ、アフマディネジャド大統領と会談した。エジプト大統領のイラン訪問は1979年のイラン・イスラム革命後初。イランは断絶している両国の国交修復に弾みをつけたい考えだ。

イラン国営テレビによると、両首脳は両国関係とシリア内戦について話し合ったが、詳細は明らかにされていない。ムルシ氏は30日朝、テヘラン入りした。約40カ国の首脳・国家元首が出席する会議の場に到着。演説でアフマディネジャド氏に「兄弟国イランの大統領」と呼びかけた。2人は握手し、抱擁し合った。

ただ、ムルシ氏はイランと同盟するシリアのアサド政権を「抑圧的」と非難。シリア代表団が抗議のため退席した。

ムルシ氏の訪問目的は、非同盟諸国の議長国をエジプトからイランに引き継ぐという儀礼的な側面が強いが、イラン側では「両国の関係改善につながる」(メフマンパラスト外務報道官)との期待が高まっている。

中東からの米国とイスラエルの影響力排除を狙うイランは、イスラム組織・ムスリム同胞団出身のムルシ氏が大統領に就任したことで関係修復の機が熟しつつあると見る。ただ、エジプト大統領報道官は「いまの段階で国交を論じるのは時期尚早」と慎重だ。

イランは79年2月の革命で親米パーレビ王制からイスラム体制に移行。翌月、イスラエルと平和条約を結んだエジプトに反発して断交を宣言した。(テヘラン=北川学)



 
 
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モルシ・エジプト大統領、国交断絶のイラン訪問

【テヘラン=酒井圭吾】エジプトのモルシ大統領は30日、当地で開幕した非同盟諸国首脳会議出席のためテヘランを訪れた。

エジプト首脳のイラン訪問は1979年に両国が断交して以来初めてで、両国は関係改善に向け、一歩を踏み出した。一方で、首脳会議では、内戦状態にあるシリア情勢を巡る両国の溝もあらわになった。

モルシ氏は首脳会議での演説で、シリア情勢について「真の介入なしに、シリアでの流血を止めることはできない」と述べ、反体制派への支援強化を訴えた。「アラブの春」による自国での政権交代を例に引き、「次は、圧政下にあるシリアでの革命だ」とも述べた。

AP通信によると、発言に対し、シリア代表団を率いたムアッリム外相は「シリア内政への干渉だ」と抗議し、議場から退席した。

(2012年8月31日01時17分 読売新聞)



 
 
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[FT]エジプト株、政情不安での下落から急回復

nikkei.com

2012/8/31 14:00

(2012年8月31日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

エジプトの株式市場が昨年の政治混乱から急速に回復している。株価の上昇ぶりが外国人投資家の関心をかき立て、同国経済の先行きに対する楽観的な見方を強めている。代表的な株価指数「EGX30」は年初来45%上昇し、民主化運動後の大幅な落ち込みから立ち直りつつある。

■新大統領就任から一貫して上昇

エジプトの年初来株価上昇率は新興国株の値動きを示す「MSCI新興国市場指数」の4%、先進国の8.5%を大幅に上回る。

6月末にモルシ新大統領が就任して以降、エジプト株は一貫して上昇している。大統領選を巡り不透明感が漂っていた6月21日のEGX30は4032に落ち込んだが、今月29日には3カ月ぶりの高値となる5325に回復した。

エジプト株投資家のナズミ・リズク氏は「(株式相場は)2、3カ月前に比べれば大幅に安定し、良い方向に向かっている。株式の8割がまだ割安なので、株価はさらに5割上がるだろう」と述べた。

エジプトの投資マインドは政情に応じて変化する。EGX30はムバラク政権末期の2010年に7500と3年ぶりの水準に達し、中東の民主化運動「アラブの春」の発端となった11年のチュニジアのベンアリ政権崩壊直前にも7200を付けた。

その後、ムバラク前大統領の失脚に伴う混乱で5割急落。議会選挙後の3月には1年ぶりの水準を回復したものの、大統領選のさなかに再び落ち込み、モルシ氏の勝利後に急反発した。

■IMFとの協議も後押し

売買高の増加も明るい兆しだ。28日の売買代金は1億3100万ドルに上った。カイロの経済シンクタンク、シグネット・インスティテュートの創設者アンガス・ブレア氏は「議会選挙が平和で公正だったため、投資家はエジプトが変化しつつあると感じている。情勢は一進一退だが、長期的な経済見通しと政治面での好材料が株価上昇をけん引している」と述べた。

48億ドルの支援策について国際通貨基金(IMF)と協議に入ったことも投資意欲をかき立てている。モルシ氏の政策は概して企業寄りとされ、実際、海外直接投資の誘致を最優先課題に掲げている。

エジプト株はなお割安な水準にあり、12年の予想PER(株価収益率)は9.5倍にとどまる。MSCI新興国市場指数の11倍弱、先進国平均の12.7倍と比べれば明らかだ。

■「エジプトには経済再生計画がない」

だが、市場観測筋は細心の警戒も促す。外貨準備高が落ち込み、国債利回りは上昇、経済成長は低迷気味で、外国投資は依然低調だからだ。さらに重要なのは、政府の経済再生計画が具体性に欠ける点だ。

カイロに拠点を置く投資銀行EFGエルメスの調査部門トップ、ウィール・ジアード氏は「エジプトにはまだ経済再生計画がない。普通では考えられないし、残念なことだ」と語った。

複数のアナリストはエジプト株が割安で取引されるのはもっともで、特に政治の混乱が続いているのが大きいと指摘する。最近になって回復したとはいえ、株価はムバラク前大統領の失脚直前の水準をなお26%下回り、08年の過去最高値からは55%低い。

ジアード氏は「年初来の株価回復はファンダメンタルズの変化を伴っていない。企業収益も十分回復していない」と指摘した。

それでも、一部の海外投資家はエジプトを注視し始めている。投資銀行ベルトーン・フィナンシャルの運用担当者アリアー・ゴマー氏によれば、28日の国債入札では外国人投資家が約2割に上ったという。ただし、エジプト株への投資再開に積極的な海外投資家はまだ少ない。

同氏は「関心を示す海外投資家もいるが、まだ様子見の段階だ。完全復帰というわけではない」と述べた。

By Borzou Daragahi and Stefan Wagstyl



 
 
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asahi.com 2012年9月3日03時00分

イラン国営メディア、エジプト大統領演説を改ざん

テヘランで8月末に開かれた非同盟諸国首脳会議で、エジプトのムルシ大統領が内戦状態にあるシリアの反体制派を支持する内容の演説をした際、イラン国営メディアの通訳が「シリア」を「バーレーン」に置き換えるなどの改ざんをしていたことがわかった。

衛星放送アルジャジーラなどによると、ムルシ氏が「パレスチナやシリアの人民は自由、公正と尊厳のために戦っている」とシリア反体制派に言及した部分について、国営テレビ・チャンネル1や国営ラジオの通訳が、シリアをバーレーンに置き換えた。エジプト外務省が公表したムルシ大統領演説全文では、バーレーンに言及した部分はない。

イランはシリアのアサド政権と同盟関係にある。ペルシャ湾の対岸にあるバーレーンでは、国内少数派のイスラム教スンニ派王室に対し、多数派のシーア派が民主化を要求。バーレーン政府は、シーア派を国教とするイランが関与していると主張している。

国営バーレーン通信によると、同国外務省は1日、イラン国営メディアの改ざんを「内政干渉」と抗議し、イラン政府による公式の謝罪と適切な措置を求める書簡を駐バーレーンのイラン代理大使に渡した。

一方、ムルシ氏が一連の民主化運動「アラブの春」に言及した部分は「イスラムの覚醒」に置き換えられた。イランでは、治安部隊が民主化要求デモを封じ込め、フェイスブックなどソーシャルメディアの利用も禁じられている。(カイロ=石合力)



 
 
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故意に誤訳?「次はバーレーン革命だ」…イラン

【テヘラン=酒井圭吾】8月31日に閉幕した非同盟諸国首脳会議で、エジプトのモルシ大統領がイランの盟友シリアを非難した演説を、イラン国営テレビがペルシャ語訳でバーレーンへの非難と言い換えて放送していたことが2日、分かった。

イランのメヘル通信が伝えた。バーレーン政府はイランに正式な謝罪を要求した。

モルシ氏は30日、「アラブの春」による自国の政権交代を引き合いに、「次は、圧政下シリアでの革命だ」と演説。だが、国営テレビは、「次は、圧政下バーレーンの革命だ」とペルシャ語で放送。シリアの反政府勢力への支持を示す場面でも、シリアを「バーレーン」にすり替えた。

盟友シリアに矛先を向けたくないイラン政府が、故意に「誤訳」したとみられる。イランのメディアは、モルシ氏がシリアを非難した部分を伝えていないが、保守系ラジャ通信は2日、「発言をねじ曲げるのは、おかしい」と報道、国内でも物議を醸している。

(2012年9月3日11時08分 読売新聞)



 
 
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asahi.com 2012年9月4日10時23分

エジプト、一部地域除き「危険度1」 外務省が引き下げ

外務省は3日、エジプトの渡航情報について、一部地域をのぞく全土を対象に「渡航の是非を検討」(危険度2)から、「十分注意」(同1)に引き下げることを決め、エジプト政府に伝達した。4日付で実施される。

日本からの団体ツアーの回復が見込まれるが、カイロ市内などではムバラク前政権が倒れた昨年の革命後、警察力の低下から治安の悪化も指摘されている。革命後、テロや外国人の誘拐が頻発しているシナイ半島内陸部は「渡航延期」(同3)、スエズ湾とリビア国境は同2のまま。(カイロ=石合力)



 
 
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エジプト国営TV初、ヘジャブ姿の女子アナ出演

【カイロ=貞広貴志】エジプト国営テレビは2日、半世紀前の放送開始以来初めて、頭髪をすっぽり覆うヘジャブをかぶった女子アナウンサーを出演させた。

最近までイスラム主義組織「ムスリム同胞団」運営のテレビ局アナだったファトマ・ナビルさんで、背広姿の男性キャスターとともに昼のニュースに登場、カメラの前でニュースを淡々と読み上げた。

エジプトでは世俗主義のムバラク前政権まで、女性局員がテレビに出る際にはヘジャブ着用を事実上、禁じていた。政府系中東通信によると、ヘジャブ容認の決定は、同胞団出身のアブデルマクスード情報相が下した。放送に先立ち同相は、一般エジプト女性の大半がヘジャブを着用している事実を指摘し、「メディアに公正の原則を導入するものだ」と趣旨を説明した。

(2012年9月4日14時58分 読売新聞)



 
 
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asahi.com 2012年9月8日20時0分

エジプト軍、武装勢力32人殺害 過激派掃討作戦

エジプト軍報道官は8日、武装勢力のメンバーとみられる32人を東部シナイ半島で殺害したと発表した。さらに外国人を含む38人を逮捕したという。AFP通信が伝えた。

シナイ半島では8月、国境警備隊の兵士16人が、イスラム過激派とみられる武装勢力に殺される事件が発生。エジプト軍が過激派の掃討作戦を続けていた。

シナイ半島では昨年のムバラク政権崩壊にともなって警察力が低下。国際テロ組織アルカイダの影響を受けた過激派の勢力も強まっているとされる。(テヘラン)



 
 
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エジプト経済、混迷深まる 米・サウジが支援へ

nikkei.com

2012/9/11 12:03

【テルアビブ=押野真也】エジプトの通貨、エジプトポンドが約7年9カ月ぶりの安値圏で推移している。同国は深刻な外貨不足に陥っており、当局による自国通貨買い支えが難しくなっている。モルシ政権は他国からの経済支援獲得で窮地を脱したい考え。シリア内戦など中東情勢が混迷するなか、域内大国エジプトとの関係を良好に維持するため、米国やサウジアラビアが相次いで債務免除や借款供与などの協議に動き始めた。

エジプトポンドの対ドル・レートは6月以降じりじりと下落し、足元では2004年12月以来の安値である1ドル=6.1エジプトポンド前後で推移している。市場では外貨不足で「エジプトの通貨当局がドル売り・ポンド買い介入をしにくくなっている」(米系投資銀行)との見方が広がっている。

エジプトでは11年1月に反体制運動が拡大したことで外国人観光客や海外からの直接投資が大幅に減少。350億ドル以上あった外貨準備は今年8月末には151億ドルに減少している。観光客数は増加に転じているものの、石油や食料価格が上昇していることもあり、外貨準備の大幅な増加は見込めない状況だ。

エジプトの投資銀行、EFGヘルメスは12年末の為替見通しを従来の1ドル=6.1エジプトポンドから6.25エジプトポンドに修正。市場では通貨の切り下げ観測も浮上している。

通貨安がさらに進めば、燃料や食料の多くを輸入に頼るエジプトの物価上昇を招きかねない。物価が上昇すれば、6月末に就任したばかりのモルシ大統領の支持基盤である低・中所得層が不満を強めそうだ。

そんな中、エジプト支援に動き出したのが米国だ。このほどエジプトへの直接投資などに関心を持つ100人以上の企業幹部らで構成する官民代表団がカイロを訪問。代表団を率いるナイズ国務副長官が9日にモルシ氏と会い、通貨安への対応やエジプトが抱える約10億ドルの債務の免除などについて話し合ったもようだ。サウジアラビアもエジプトに対し40億ドルの借款供与を申し出ている。

米国などがこの時期にエジプト支援に動く背景には、政権発足早々に窮地に陥ったモルシ政権に手をさしのべることで、同政権と良好な関係を築く狙いがある。シリア内戦が収まらず、イスラエル・イラン間の対立も深刻になっているため、中東にこれ以上不透明要因が生じないよう、エジプトを安定させておきたいとの思惑もありそうだ。



 
 
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シリア問題、カイロで4カ国協議 イランも参加

nikkei.com

2012/9/11 20:46

エジプトの中東通信によると、シリア内戦をめぐり、近隣のエジプト、サウジアラビア、トルコ、イランによる4カ国協議が10日夜、エジプトの首都カイロで行われた。外交当局幹部による準備会合の性格が強いが、エジプトは閣僚級に格上げし、有効な調停策を打ち出すことを目指している。

エジプト、サウジなどアラブ諸国とトルコがシリアの反体制派を支援しているのに対し、イランはアサド政権を擁護。協議は各国の妥協点を探り、停戦実現につなげる狙いがある。

協議の詳細は明らかになっていない。イラン側はアサド政権を強く批判するサウジなど3カ国に姿勢の見直しを求めたとみられる。また、協議参加国を増やしたい考えを示している。

4カ国協議は、欧米やアラブ諸国などの有志国による「シリアの友人」会合などの枠組みとは別に、エジプトのモルシ大統領が提唱。ただ、国連による調停が頓挫するなどシリア情勢をめぐる国際社会の分断状態が続いており、局面の打開は容易ではない。(カイロ=共同)



 
 
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asahi.com 2012年9月12日12時29分

「預言者中傷の映像」に抗議行動、カイロなど米公館襲撃

エジプトの首都カイロで11日、イスラム教の預言者ムハンマドを中傷する映像作品が米国で作られたとして、抗議するデモ隊の一部が米国大使館の敷地内に乱入、国旗掲揚ポールから星条旗を引きずり下ろし、燃やした。隣国リビアでも同日、ベンガジの米領事館にロケット弾が撃ち込まれ、米国人1人が死亡した。波紋は他のイスラム諸国にも広がる可能性がある。

AP通信によると、預言者を中傷する映像作品の製作者は不明。ムハンマドに関して暴力的だったり性的だったりする描写があるという。米在住のキリスト教徒のエジプト人男性が自分のウェブサイトに載せるなどした。男性は強い反イスラム感情を抱いており、映像について「イスラム教徒から被害を受けるキリスト教の一派、コプト教徒の問題を説明している」と語っているという。

クリントン米国務長官は11日に声明を出し、ベンガジで米国務省職員が殺害されたとし、「このような行為は決して正当化できない」と非難した。AP通信などが伝えた。今回の事件は「インターネットに掲載された挑発的な作品への報復」との見方を示し、あらゆる宗教への侮辱を容認しない考えも示した。現地からの報道では、領事館周辺では当時、映像に抗議する人々がデモを行っており、建物が放火されるなどした。(カイロ=北川学、ワシントン=望月洋嗣)



 
 
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カイロの米大使館をデモ隊が襲撃 「映画が預言者を冒とく」

cnn.co.jp

2012.09.12 Wed posted at 09:18 JST

カイロ(CNN) カイロの米大使館が11日、デモ隊に襲撃され、星条旗が破り取られた。デモ隊は「イスラム教の預言者ムハンマドを冒とくした映画」に抗議したとみられるが、どの映画を指すのかは明らかでない。

現場にいたCNN関係者によると、大使館周辺に多数の人々が集まるなか、威嚇射撃の音が響いた。だれが発砲したのかは不明だという。エジプト警察と軍が出動し対応に当たっている。

敷地内に乱入した一団は、はしごに上り「アラーのほかに神はなし」などと書かれた黒い旗を掲げた。デモ参加者らは切り裂いた星条旗をテレビ取材班に向かってかざし、反米スローガンを叫んだ。

大使館職員がCNNに語ったところによると、この日、外交官らはデモに備えて退避していた。

デモ主催者として、イスラム厳格派サラフィ主義の指導者ら複数の人物が名乗り出ている。国際テロ組織アルカイダ指導者アイマン・ザワヒリ容疑者の弟、モハメド・ザワヒリ氏は「キリスト教の法王やリンカーン(米元大統領)が映画で侮辱されたら、米国人はどう思うか」と問いかけ、「映画は預言者を非常に醜く描いている」と非難した。

米大使館は米国人に大使館前でのデモなどを避けるよう警告した。



 
 
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エジプト、元首相に逮捕命令 国有地不正取引の容疑

cnn.co.jp

2012.09.12 Wed posted at 11:37 JST

カイロ(CNN) エジプト国営中東通信によると、同国の司法当局は11日、ムバラク政権下で最後の首相を務め、今年の大統領選挙でムルシ氏と争って敗れたアフマド・シャフィーク元首相が土地を不正に取り引きしたとして、捜査機関に対して元首相の逮捕を命じた。

シャフィーク元首相はムバラク前大統領の息子2人に、東部イスマイリアの国有地4万平方メートルを不正に売却した疑い。

元首相は今年6月、大統領選の決選投票で穏健派イスラム団体ムスリム同胞団系のムハンマド・ムルシ氏に敗れた後、アラブ首長国連邦に滞在している。エジプト国営紙アルアハラムとのインタビューで「追及は予想していた。捜査の結果を待つ」と述べた。



 
 
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asahi.com 2012年9月13日10時58分

抗議デモ発端の映像、投稿者は? 製作過程に数多くの謎

中東で抗議デモを引き起こしたとされる映像作品は、13日も動画投稿サイト「ユーチューブ」で閲覧できる状態になっている。ただ、その制作過程をめぐっては不明な点が多い。

約14分のビデオは、「ムハンマドの映画の予告編」のタイトルで、7月に投稿された。複数の役者が出演しており、預言者ムハンマドの出生に疑問を投げかけ、乱れた女性関係を持っていたとか、同性愛者だったなどとしている。中東では、アラビア語に翻訳された映像が出回ったことで注目を集め、抗議デモにつながったとみられる。

ただ、映像のできばえは素人レベルで、イスラムを冒涜(ぼうとく)する場面では声が後から録音されているなど、不自然な点も多い。予告編とされているが、本編の映画が存在しているのかも不明だ。

米紙ウォールストリート・ジャーナルは投稿者に電話取材できたとして、「イスラムはガンだ」「自分はカリフォルニア在住のイスラエル人で、100人のユダヤ人から500万ドルの寄付を集めて制作した」「映画の本編は約2時間」などの発言を報じた。しかし、電話はその後つながらなくなっているという。

11日に同じ男性に電話取材したというAP通信は12日になって、映像制作に関与したというカリフォルニア在住のコプト教徒の男性を特定。この男性は「ビデオの投稿者は知っているが、自分ではない」と話したという。ただ、投稿者とされる男性が使っていた携帯電話が、コプト教徒の男性の住所に登録されているなど、両者を結びつける点もあるという。(ニューヨーク=中井大助)



 
 
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カイロの米大使館近くでデモ隊と警察がまた衝突、3日連続

cnn.co.jp

2012.09.13 Thu posted at 15:59 JST

カイロ(CNN) エジプト内務省などによると、首都カイロにある米国大使館周辺で13日、大使館への接近を試みる数百人規模のデモ隊と機動隊が衝突、警官6人が軽傷を負い、複数のデモ参加者が負傷し手当てを受けた。

エジプト保健省は、この衝突による負傷者数は10人以上としている。衝突では、反米スローガンなどを叫んでいたデモ隊が投石や火焔瓶で攻撃、警察は警告の発砲や催涙弾で排除を試みた。地元の記者によると、デモ隊は13日未明まで米大使館への接近を阻まれ、後方へ追い払われた。

カイロでは米同時多発テロの発生から11年たった11日にも複数の男が米大使館の壁を登り、米国旗を破る騒ぎがあった。この事件では4人が逮捕された。

また12日にも約500人のデモ隊が米大使館近くで投石し、鉄条網の突破を図るなどの騒乱が起きた。警察の介入でデモ隊はタハリール広場方面へ押し戻されていた。内務省の報道官によると警察車両2台の車1台が放火される被害が出て、複数が逮捕された。

このデモは、イスラム教の預言者ムハンマドをあざけったとされる映画への抗議が発端だった。この映画はリビアでも反発を招き、東部ベンガジの米領事館が11日に襲撃され、米大使ら米国人4人が死亡する事件が起きた。

エジプトのムルシ大統領は11日の米国旗破棄事件に触れ、ムハンマドを侮辱したとされる映画がデモ隊を挑発したと非難。外交施設を守るエジプトの責務に触れ、違法な抗議活動には反対すると述べたものの、米大使館を襲ったグループには言及しなかった。同大統領はイスラム組織が出身母体。



 
 
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エジプト:モルシ大統領、平和的な抗議行動呼びかけ

毎日新聞 2012年09月13日 21時32分(最終更新 09月13日 22時53分)

【エルサレム花岡洋二】イスラム教の預言者ムハンマドを侮辱する映画を巡る反米デモがエジプトなどで暴徒化した事態を受け、モルシ大統領は13日、訪問先のブリュッセルで記者会見し、暴力を糾弾し、平和的な抗議行動を呼びかけた。ロイター通信が伝えた。

エジプトでは昨年2月、米政権と強い友好関係で結ばれていたムバラク政権が民主化要求運動で崩壊し、穏健派イスラム原理主義組織ムスリム同胞団出身のモルシ氏が今年6月、大統領に選ばれた。モルシ大統領はこの日の会見で「表現の自由、抗議の自由、意見表明は保障されるが、私有・公有の財産や外国の外交使節・公館を攻撃することは許されない」と語った。また、オバマ米大統領との電話協議で、国内に滞在する外国人の安全を守ることを約束したと明かした。

イスラム教スンニ派の最高教育機関として知られるカイロのアルアズハル大学当局も12日、声明で、イスラム教に対する攻撃には、分別ある行動で対抗するよう呼びかけた。また、「西側」諸国の人々との対話の重要性などを強調した。

一方、エジプトメディアによると、モルシ政権は米政府に対し12日、問題の映画に対する「あらゆる法的措置」をとるよう要求した。動画投稿サイト「ユーチューブ」からの映像の削除や製作者の訴追を意味するとみられる。

中東の衛星放送アルジャジーラなどによると、エジプト当局は、映画製作に関わった疑いのあるキリスト教コプト派のエジプト系米国人、または在米エジプト人ら関係者9人を入国拒否対象者に加えた。エジプトメディアによると、映画の製作や宣伝が冒とく罪にあたるとして、検察当局も捜査を始めた。コプト派はエジプトの人口の約1割を占める少数派で、ムバラク政権崩壊後は特に、多数派のイスラム教徒との間で「信仰の自由」などを巡る衝突が増えている。映画を巡り、国内での緊張関係がさらに高まる恐れがある。



 
 
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反米デモ、10カ国以上に拡大 14日に大規模デモも

nikkei.com

2012/9/14 10:43

【カイロ=押野真也】イスラム教の預言者、ムハンマドを中傷する映像が配信されたことに伴う反米デモは、14日未明までにバングラデシュなど中東域外の国も含む10カ国以上に広がった。イエメンの首都サヌアでは13日、治安部隊が発砲して死者4人が出た。14日はイスラム教徒の礼拝日である金曜日に当たり、中東各地では大規模なデモの実施が予想されている。

映像に抗議する反米デモが激しくなっているのはエジプトやリビア、イエメン、イラク、クウェートなど。

これまでの反米デモなどと異なり、今回は中東だけでなく、アジア圏のイスラム諸国にも拡大しており、混乱はさらに広がる様相を見せている。クリントン米国務長官は映像について「受け入れられる内容ではなく、米政府とは無関係」と釈明したが、各地でデモが収束する兆しはない。

14日はイスラム教の礼拝日である金曜日で、カイロなど中東各地で大規模なデモが予定されている。中東諸国では若者の高い失業率や物価上昇など国民の不満が募っており、反米デモが政府への抗議運動につながる懸念も高まっている。



 
 
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反米デモ:エジプトで4日連続 大使館一帯に催涙ガス

毎日新聞 2012年09月15日 11時13分(最終更新 09月15日 12時02分)

【カイロ前田英司】イスラム教の預言者ムハンマドを侮辱的に描いた米映画を巡り、最初に抗議の火が付いたエジプトでは14日も激しい抗議行動があった。デモは4日連続で、宗教のタブーに触れられたイスラム教徒の怒りは激しく、デモ隊が警官隊に投石し衝突。地元メディアによると、1人が死亡、27人が負傷した。

過激なデモ隊が集結した米大使館一帯には催涙ガスが立ち込め、目や鼻がひどく痛んだ。燃やされた乗用車が無残に転がり、銀行の窓ガラスも割られていた。デモ隊に囲まれて暴力を振るわれる欧米メディアの記者もいた。

「警官隊が先に催涙弾を撃ち込んだ。許せない」。14日午後、カイロ中心部の米大使館近くで投石する若者の輪に加わった大学3年、ムハンマド・サイードさん(21)が興奮した様子で話した。エジプト国旗を肩に掛け、催涙弾対策のマスクを着用。「預言者を冒とくした映画の監督や出演者は裁かれなければならない。それまで米大使を追放すべきだ」

イスラム教恒例の金曜礼拝があった14日、治安当局はデモの激化を警戒し、米大使館前の道路にブロックを高さ4メートルほどに積み上げて完全に封鎖した。集まった約300人の若者らは、へし折った交通標識でブロックを突き崩そうとしたり、周辺の建物の壁をたたき割って破片を警官隊に投げつけたりした。警官隊もブロックの後ろから放水や投石、催涙ガスを発射して応酬した。

一部が暴力に訴えた半面、過激化に反対して平和的なデモを訴える人々も多い。米大使館から数百メートルの所にある、昨年の民主化要求運動「アラブの春」で独裁打倒の拠点となったデモの聖地・タハリール広場には1000人近くが集結。「預言者を侮辱するな」、「オバマ(米大統領)こそテロリストだ」と叫びながらデモ行進した。スローガンは過激だが、整然としていた。

金曜礼拝を終えて広場に来たという会社員のムハンマド・アビードさん(24)は「米映画には怒りが収まらない。オバマ政権の対応も不十分だ」と非難するが、「大使館を攻撃することには反対」と話した。自営業のアハマド・シェハタさん(33)も「暴れるのはイスラムの教えを正しく理解しない連中だ。抗議はタハリールで叫べばいい」と強調した。



 
 
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反米デモ:死者15人に拡大 11日以降

毎日新聞 2012年09月15日 11時35分(最終更新 09月15日 11時47分)

【カイロ前田英司】イスラム教の預言者ムハンマドを冒とくした米映画への抗議デモは、宗教心が高揚する金曜礼拝日の14日、各地で警官隊と衝突し死傷者が拡大した。同日の死者数は7人となり、抗議デモが始まった11日以降の死者数は少なくとも15人となった。

AP通信によると、チュニジアの首都チュニスでは群衆が米大使館の壁を乗り越えて乱入。警官隊との衝突でデモ隊の2人が死亡し、約40人が負傷した。スーダンの首都ハルツームでは、数千人のデモ隊によって独大使館が放火されたほか、米大使館にもデモ隊が乱入し、治安部隊との衝突で3人が死亡した。レバノン北部のトリポリでも1人が死亡した。

またエジプト・シナイ半島のイスラエル国境近くにある多国籍軍・監視団(MFO)基地が武装集団に襲撃され、ロイター通信によるとMFOのコロンビア人2人が負傷した。



 
 
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反米デモ:アラブ社会での「過激化」が目立つ

毎日新聞 2012年09月15日 21時28分(最終更新 09月16日 00時14分)

【カイロ前田英司】イスラム教の預言者ムハンマドを侮辱的に描いた米映画を巡る抗議は14日、世界各地のイスラム諸国に拡大したが、とりわけアラブ社会での「過激化」が目立つ。背景には昨年の民主化要求運動「アラブの春」で強権・独裁体制が崩れ、長らく「テロの温床」になりかねないと抑え込まれてきた宗教意識の高まりがある。政変後も一向に改善しない社会生活の不満とも相まって、怒りのエネルギーが噴出しているようだ。

一連の抗議で米公館などが襲撃されたのはエジプト、リビア、イエメン、スーダン、チュニジア。このうちスーダン以外は「アラブの春」の政変を経験し、独裁体制の維持や欧米による「テロとの戦い」に協力する名目で長年、イスラム思想の台頭を抑圧してきた国々だ。

05年にデンマーク紙が預言者ムハンマドを冒とくする風刺画を掲載し、イスラム圏に抗議の嵐が吹き荒れた問題では、パキスタンのデンマーク大使館で自爆テロが発生するなどしたが、「アラブの春」の国々では外国公館が襲われる事態にまでは至らなかった。

エジプト主要紙「アルアハラム」のアムル・ヤヒヤ編集幹部によれば「(05年)当時は警備が厳重で、デモ隊は公館に近づくこともできなかった」といい、欧米との対立を嫌う前政権も「沈黙」を守ったという。

だが今回、最初に米公館が襲撃されたエジプトのモルシ大統領は「預言者の侮辱を許さない」と米映画を非難する立場を明確にした。デモを主導したグループの一つは、米国偏重のムバラク政権下で弾圧された「サラフィ」と呼ばれるイスラム厳格派だ。

最近、カイロでは「タハリール広場に行くぞ」が、社会に不満を抱える人々の「合言葉」にさえなっている。広場はカイロ中心部にある「アラブの春」のうねりを起こしたデモの「聖地」だ。失業率は13%と高止まりしたままで、若者たちの多くは政変の「恩恵」を実感できずにいる。

一方、13日の米大使館襲撃でデモ隊4人の死者が出たイエメンでも、地元通信社「マレブ・プレス」のアハマド・アヤイエド編集主幹は「サラフィに限らず、あらゆる階層の人々がデモで不満をぶつけている」と解説する。

カイロ・アメリカン大学のノハ・バクル准教授は「(アラブの春の)革命後、デモをすれば何でも要求が通ると考える風潮ができているようだ」と分析した。



 
 
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反イスラム映画の製作者を任意聴取 「非常に協力的」と米当局

cnn.co.jp

2012.09.16 Sun posted at 09:52 JST

ロサンゼルス(CNN) イスラム教の預言者ムハンマドを侮辱したとされる映画をきっかけに反米デモが世界各地へ広がっている問題で、米当局は15日、映画を製作した米カリフォルニア州在住の男性から任意で事情聴取を行った。ロサンゼルス郡保安官事務所の当局者によると、男性は非常に協力的な態度だったという。

製作者とされるナクーラ・バスリー・ナクーラ氏は2010年に銀行詐欺で有罪となり、5年間の保護観察処分を言い渡されていた。期間中、当局の承認を得ずにインターネットにアクセスすることは禁じられている。同当局者によれば、ナクーラ氏は聴取後も拘束されずに保安官事務所を出た。

ただ、連邦裁判所事務局の報道官は14日、同氏の保護観察が見直されていると述べた。見直しの理由や期間は明らかでない。

問題の映画は反イスラム団体の援助を受けて製作された低予算の作品。7月に動画共有サイト「ユーチューブ」で予告編が流れたが、米国内では話題にならなかった。エジプトのテレビ局が最近、その一部を放映したのをきっかけに、激しい抗議デモがエジプトからイエメン、チュニジア、モロッコ、スーダン、イラン、イラク、イスラエル、パレスチナ自治区へ広がり、リビアでは米大使ら4人の米国人が死亡した。

ナクーラ氏はロサンゼルス南郊セリトスの自宅に身を潜めていたが、先週、身辺保護を求めて地元警察に接触したという。自宅から任意聴取に向かう同氏は、コートや帽子で全身を覆っていた。



 
 
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反米デモ参加者の一部が「報酬受け取る」 エジプト首相

cnn.co.jp

2012.09.16 Sun posted at 12:54 JST

カイロ(CNN) イスラム教預言者ムハンマドを侮辱したとされる米映画への抗議行動で、発端となったエジプトのデモ参加者のうち、一部が報酬を受け取ったと認めていることが分かった。15日付の国営中東通信(MENA)が、カンディル首相の話として伝えた。

カンディル首相は、「何人か」の参加者が「報酬をもらった」と供述したことを明らかにした。一方で、自分の意思により無報酬で米国への怒りをぶつけた参加者もいると指摘した。報酬の支払い元を政府が把握しているかどうかについては、明言しなかったという。

首都カイロでは11日から激しい反米デモが続いていたが、警官隊の出動により15日にはほぼ沈静化。街では片付け作業が始まり、交通機関も徐々に平常化している。

イスラム組織出身のムルシ大統領は当初、問題の映画を非難するなどデモを支持する立場を示していた。しかしオバマ米大統領からの協力要請を受け、13日には暴力的なデモを批判する声明を出していた。

MENAによると、カンディル首相は欧米と「バランスの取れた」関係を構築することがエジプト新政権の目標だと述べ、米外交官らの安全確保に努める方針を改めて強調した。



 
 
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エジプトは同盟国でないとオバマ氏、政策転換か 大使館襲撃

cnn.co.jp

2012.09.16 Sun posted at 15:05 JST

(CNN) 米国のオバマ大統領は16日までに、大使館襲撃などの反米デモが多発するエジプトとの関係に触れ、「同盟国と見なしていないし、敵とも判断していない」との考えを示した。スペイン語テレビ局「テレムンド」との会見で表明した。

米政府はこれまで、エジプトを不安定要因が多い中東の安全保障戦略の要として重視してきただけに、大統領の今回の発言は大幅な政策転換を示すものと受け止められている。米国はエジプトが1979年、イスラエルと平和条約を締結後、エジプトに対し数十億米ドル単位の軍事、経済援助を与えて旧ムバラク政権などを支えてきた。

オバマ氏は会見で、エジプトについて「自らの道を模索する新たな政権がある。民主的に選ばれた政権である」と指摘。首都カイロの米大使館で11日に起きた反米デモ隊による米国旗破棄事件に触れ、エジプト政府の対応を見守るが大使館警護や館員保護で米国の要請に応じることを期待したいと語った。カイロなどでは11日以降も米大使館周辺で反米デモや機動隊との衝突が起きた。

イスラム組織「ムスリム同胞団」の出身であるエジプトのムルシ大統領による米大使館襲撃事件の非難声明が事件から1日後となり、その内容が穏やかだったことが米政府内の反発を買っていた。また、エジプト治安部隊が強く介入せずにデモ隊に大使館襲撃を許したことも批判の対象となった。

エジプトを含めた中東諸国では、ムハンマドを侮辱したとされる映画が米国で制作されたことへの抗議デモや大使館襲撃が相次いでいる。



 
 
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エジプト:武装勢力が襲撃 兵士ら9人死傷

毎日新聞 2012年09月17日 22時39分

【カイロ前田英司】エジプト・シナイ半島北部の主要都市アリーシュなどで16日、イスラム武装勢力のメンバーが現地の治安機関本部などを襲撃し、エジプト軍兵士1人が死亡、戦闘の巻き添えになった市民2人を含む計8人が負傷した。シナイ半島では先月、隣国イスラエルへの侵入を図った武装勢力に兵士16人が殺害される事件があり、以後、軍が武装勢力の掃討作戦を継続している。

AP通信などによると、軍が16日朝、アリーシュ周辺の町で武装勢力を急襲し、幹部ら10人を逮捕。襲撃はその報復とみられ、携行式ロケット弾や自動小銃などで武装したメンバーが攻撃を仕掛けてきたという。

エジプト国営の中東通信によると、シナイ半島には国際テロ組織アルカイダとの関係が疑われる外国人なども含め、約1600人のイスラム武装勢力が暗躍している。治安維持を徹底したムバラク独裁政権が昨年の民主化闘争で崩壊した後、「権力の空白」に乗じて活動を強め、パレスチナ自治区ガザへの武器密輸などにも積極的に関与している。エジプトのモルシ大統領はシナイ半島の治安回復を掲げて掃討作戦を続けており、これまでに少なくとも32人の武装メンバーを殺害した。



 
 
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コプト教指導者が非難 ムハンマドの侮辱映像

nikkei.com

2012/9/18 11:06

【ロサンゼルス=共同】イスラム諸国で激しい抗議デモを引き起こしているイスラム教預言者ムハンマドの侮辱映像について、米西部のコプト教の指導者セラピアン氏は17日、ロサンゼルスで記者会見し「映像はキリスト教の教えに反する」と強く非難した。

コプト教はキリスト教の一派。制作者とされるナクラ・バスリ・ナクラ氏はコプト教徒で、ロサンゼルス郊外在住。

セラピアン氏は、カリフォルニア州南部とハワイ州のコプト教の責任者。米国のイスラム教徒団体と共に共同声明を発表し「いかなる宗教への冒涜(ぼうとく)も、これに暴力で応えることも強く糾弾する」と表明した。

By Gideon Rachman



 
 
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映像制作者ら8人訴追 イスラム教冒涜などの罪

nikkei.com

2012/9/19 10:03

エジプト検察は18日、イスラム教の預言者ムハンマドを侮辱した映像の制作者とされるナクラ・バスリ・ナクラ氏らコプト教徒の在外エジプト人7人と米国人1人をイスラム教冒涜(ぼうとく)などの罪で訴追した。有罪になれば最高刑は死刑だが、エジプトに入国する可能性は低く、映像に対する国民の怒りに応えた象徴的な措置。

コプト教はキリスト教の一派で、エジプト人口の1割を占める。イスラム教の聖典コーランを焼却したことがある米国人牧師テリー・ジョーンズ氏、反イスラムのコプト教活動家モリス・サデク氏も、映像宣伝にかかわったなどとして訴追された。(カイロ=共同)



 
 
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エジプト当局、反イスラム映画の製作者ら8人を訴追

cnn.co.jp

2012.09.19 Wed posted at 10:36 JST

(CNN) イスラム教の預言者ムハンマドを侮辱したとされる米映画がイスラム圏の反発を招いている問題で、エジプト当局は18日、映画の製作者ら8人の訴追を発表した。

検察当局によると、映画を製作したとされる米カリフォルニア州在住のナクーラ・バスリー・ナクーラ氏は、イスラム教を冒涜(ぼうとく)し、宗教対立を扇動したなどの疑い。

米フロリダ州の教会でイスラム教の聖典「コーラン」を焼却して批判を浴びた牧師、テリー・ジョーンズ氏も、映画の宣伝に関与したとして同様の罪に問われた。さらに、映画の一部を動画共有サイト「ユーチューブ」で公開したとされるモデク・サデト氏らが対象となっている。

いずれもエジプト国内にはいないため、象徴的な手続きとの見方もあるが、検察は国際刑事警察機構(ICPO)に8人の手配を要請するとともに米当局にも協力を求める構えだ。

ナクーラ氏をはじめ、ジョーンズ氏以外の7人はキリスト教の一派コプト教の信者とされ、エジプト国内で少数派コプト教徒への反感が強まることが懸念される。同国のコプト教団体責任者は、同氏らが米国で「カルト集団のような」独自の組織をつくっていたと強調している。



 
 
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エジプト:イスラム預言者侮辱映像、製作者?らに逮捕状

毎日新聞 2012年09月19日 10時49分(最終更新 09月19日 11時05分)

【カイロ前田英司】イスラム教の預言者ムハンマドを侮辱的に描いた米国の映像を巡り、エジプトの検察当局は18日、製作者とされる米国在住のナコウラ・バスリー・ナコウラ氏(55)ら計8人に逮捕状を出し、イスラムを冒とくした罪などで訴追した。最高刑は死刑。ただ、8人はエジプト国外にいるため実効性は低く、当局が断固たる姿勢を示して国民の怒りを和らげる狙いがあるとみられる。

訴追されたのは、ナコウラ氏ら7人のキリスト教系コプト教徒のエジプト人と、映画の宣伝に携わったとされる米フロリダ州のテリー・ジョーンズ牧師。牧師は以前、イスラム教の聖典コーランを燃やす騒ぎも起こした。

訴追されたコプト教徒の一人で米国在住のモリス・サデク氏はロイター通信に対し、問題の映像の狙いは「エジプトでのコプト教徒に対する差別の周知」と語っていた。

コプト教はエジプトに伝わるキリスト教の一派で、イスラム教国のエジプトで全人口(約8300万人)の10%弱の少数派。



 
 
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エジプト行政裁、軍部による議会解散を支持する判決

cnn.co.jp

2012.09.23 Sun posted at 11:10 JST

カイロ(CNN) エジプトの軍部が人民議会(下院)の解散を命じ、これにムルシ大統領が強く反発している問題で、高等行政裁判所は22日、軍部側の主張を認めて解散を支持する判断を下した。

人民議会を巡っては、議員が合法的に選ばれていないとして最高憲法裁判所が選挙無効の判断を下し、軍最高評議会が6月に解散を命じた。これに対して、同月末に就任したムルシ大統領が議会復活を宣言し、軍部との対立を深めた。ムルシ大統領の支持母体、ムスリム同胞団は、解散前の議会の最大会派だった。

国営紙アルアハラムによると、高等行政裁判所もこの日、人民議会の選挙が無効だったとの判断を示した。ただ、もう1件の同様の訴訟については審理が続いていて、判決は10月15日に予定されている。 同国では当面、民主的選挙で選出された立法機関のない状態が続く見通しだ。



 
 
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asahi.com 2012年9月23日17時5分

巨大地下墳墓、11年ぶり エジプト、観光回復願い修復

エジプト考古省は、カイロ近郊のサッカラ遺跡にある新王国時代の巨大地下墳墓セラペウムなどの修復工事を終え、約11年ぶりに公開した。革命後、落ち込んだ外国からの観光客回復を目指す取り組みの一環だ。

最古の階段ピラミッドのそばにあるセラペウムは、聖牛アピスの埋葬場所で、少なくとも第18王朝(紀元前1550〜1295年ごろ)にさかのぼる遺跡。1851年にフランス人考古学者マリエットが発見した。長さ約200メートルの地下通路の両脇に約30の埋葬室が配置され、最高80トンに及ぶ巨大な石棺が置かれている。修復では、崩落を防ぐため、埋葬室に金属製の補強材を入れたほか、通路部分に木製の床を張り、見学しやすい形に整備された。

第6王朝の宰相メレルカ(紀元前2350年ごろ)ら古王国時代の貴族2人の墳墓も修復、公開された。現地で会見したアリ担当国務相は「革命後のエジプトは安全。世界中から観光客を受け入れる準備が整っている」と述べた。(サッカラ=石合力)



 
 
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エジプト:「ニカブ」着用、女性だけで運営のテレビ局開局

毎日新聞 2012年09月23日 22時07分(最終更新 09月23日 23時23分)

【カイロ前田英司】エジプトで最近、全身を覆い隠す保守的なイスラム教徒の衣装「ニカブ」を着た女性だけで運営する衛星テレビが開局した。欧米寄りのムバラク前政権下では、女性客室乗務員など一部の注目職業で「ヘジャブ」(スカーフ)の着用さえ認められなかったが、今やそれも解禁されている。昨年の民主化要求運動「アラブの春」以降、抑圧されてきた女性たちのイスラム意識が「解放」されつつある。

今年7月下旬に放送を始めた民間の衛星テレビ「マリア」。カイロ中心部のアパートにあるスタジオを訪ねた。目の部分だけを開けた、全身を覆う真っ黒なニカブ姿の女性2人が、イスラム教の預言者ムハンマドに関する対談番組を収録中だ。隣の部屋でも黒ずくめの女性キャスターが撮影テスト中だった。カメラを構えるのもニカブを着た女性だ。

約40人のスタッフは全員ニカブを着用した女性で、政治から美容まで女性視聴者をターゲットに1日4時間放送する。司会役の一人、ホダ・ハッサンさん(46)は「(アラブの春で)人々の宗教意識が高まり、社会も自由になった」と話した。マリアを設立したのは「春」の後に勢力を拡大したイスラム保守派。「女性に宗教の自由を実感してもらうため」(出資者)という。

エジプトは元来、イスラム諸国の中でも世俗的で、宗教色の濃いニカブを敬遠する女性は少なくない。イスラム過激派の台頭を警戒したムバラク前政権下では、ニカブ姿の女性が集まるだけで治安当局が目を付けた。国営企業の一部職場は、エジプト人女性の約7割が日常的に着けるヘジャブすら勤務中の着用を認めなかった。宗教意識を反映した服装で就業が制限される事例は珍しくなかった。

国営のエジプト航空は9月上旬、従業員組合の要求を受けて、女性客室乗務員のヘジャブ着用を初めて認めた。ヘバ・アッバスさん(34)は乗務中にヘジャブを外すよう求められ、裁判に訴えていたが、「ヘジャブを着けるかどうかは個人の自由のはず。認められてうれしい」と喜んだ。

カイロにあるイスラム教スンニ派の権威、アズハル大学のムハンマド・マフディ教授は「ムバラク前政権は欧米文化をまねていた。その重しが取れて、人々の宗教意識がよりオープンになった」と分析。イスラム系のモルシ大統領の誕生でヘジャブを着けるエジプト初の「ファーストレディー」が登場するなど、イスラム的な風潮が高まりつつある背景を指摘した。



 
 
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ICT in a gender inequality context

http://ictupdate.cta.int/Regulars/Q-A/ICT-in-a-gender-inequality-context/(68)/1348491902

Anne Webb, research coordinator at the Gender Research in Africa and the Middle East into ICTs for Empowerment (GRACE) Network, explains that ICTs 'can contribute to women’s empowerment and more equitable development and change when the contextual economic and social power relations are recognised, and when these relations are made more equal'.

You are one of the editors and authors of the book, African Women and ICTs: Investigating Technology, Gender and Empowerment. Can you summarize the most important conclusions?

One important conclusion is that the use of ICTs can contribute to women’s equality and empowerment, but for this to happen we need to critically examine, take into account and change a range of commonly held assumptions and contextual factors. How ICT is integrated is influenced by social, cultural and economic circumstances and relations, and therefore also by existing inequalities. We cannot expect these tools, and the changes they bring, to somehow undo long-standing relations of gender inequality, even when equal availability is ensured, unless there are conscious and effective efforts made to remove or change the sources of that gender inequality.

What are the conditions in rural Africa in which women access ICTs?

Some GRACE researchers have focused on how rural women can benefit from ICTs. For example, a researcher called Saneya Neshawy looked at what it takes for women landowners in Ismailia, Egypt, to increase their own say in the management of their land. Kazanka Comfort and John Dada’s research team explored how rural women in northern Nigeria use cell phones to meet their communication needs. It appears from the research that significant constraints for women are the values and systems normalized by gender inequality and accepted by men in women’s lives, and often accepted, or at least adhered to, by the women themselves as well. For instance, gender inequality can result in illiteracy being disproportionately a women’s issue, and this is a factor in rural women’s use of ICT. Text-based ICTs at rural telecentres in Mozambique remained less relevant than community radio and mobile phones for women facing heavy daily workloads required for family survival, according to Gertrudes Macueve, Judite Mandlate and their research team. Economic constraints also play a significant role in limiting access to the potential benefits of ICT. For example, in situations such as northern Nigeria, where up to 70% of the rural poor are women, this issue affects how women access and use ICT.

Further exacerbating the situation is the reliance on private and multinational ICT companies seeking to maximize profits. With limited or no public access to phone services, for instance, cellular costs can be a financially punishing option that heightens problems arising from inequalities. Adherence to current free market thinking predominates over a focus on the potential of ICT advances to enhance community resiliency, individual capabilities and sustainable development.

ICT can contribute to women’s empowerment and more equitable development and change when the contextual economic and social power relations are recognised, and when these relations are made more equal. Thus, from my perspective ICTs contributing to development and change is both context specific and dependent upon broader socio-economic relations and values.

Is it not time now to focus in research on the circumstances in which women can benefit from ICT?

GRACE researchers have repeatedly found that availability is assumed to mean access, but often access is more complex than mere availability. Even when ICT is made available, women’s social roles, cultural norms and economic position may limit the time and place, and amount of use they can claim, even when it is highly apparent to women how they can benefit from ICTs. My sense is that a limitation of the focus on women’s exclusion is a decontextualised emphasis on ‘access’ and ‘use’, decontextualised in the sense of not fully recognising the issue and complexities of inequality.

In our forthcoming book, the researchers write about their understanding of what works, as shown by their research: what it takes for women to benefit from integrating ICT into their visions for themselves, their families and their communities. As indicated by the title, Changing Selves, Changing Societies, what it takes is not a matter of specific products or identifying special needs. It is more about identifying barriers, constraints and supports within our societies, communities and ourselves, and finding solutions that take these layers of our realities into account.

You have mentioned some of the limitations of ICT interventions. Do you know also success stories?

The example I’m thinking of brings out the multiple layers involved in questions of access, relevance and usefulness of ICT in contributing to change. A CD-ROM entitled ‘Rural women of Africa: Ideas for earning money’ was developed and made available at scheduled times along with a facilitator at three telecentres in rural and peri-urban areas of Uganda. The programme was in the local language, and the content was determined through prior discussion with rural women about what would be relevant and useful. The GRACE researchers explored what it was that facilitated or curtailed the use of the information on this CD-ROM after three years of use.

The CD-ROM offered new ideas and information that the women could use to improve their subsistence farming and small businesses. Subsequently, according to Susan Bakesha and her co-researchers, “most women moved away from personal or family subsistence to marketing their goods. They developed into confident citizens and one, who was widowed, won an elected political position within her community”. However, although the information accessed was useful, most married women found they could not reinvest the majority of their profits in the business due to family needs. In some cases, husbands abandoned their family responsibilities when they saw their wives earning an income. For those who were widowed, they attained new perspectives on their capacity to be independent, improve their businesses and take care of their families. Furthermore, gathering at the telecentres to use the CD-ROM and receive training gave rise to women forming supportive informal and formal groups. Thus, women benefited both to different degrees, and in unexpected ways, depending on their circumstances and mediated by their sense of agency and visions for themselves, their families and community.

What approach is needed on the ground in rural areas in local ICT initiatives and projects to facilitate ICTs contributing to women’s development?

What we found particularly effective in understanding if and how ICTs can contribute to women improving their lives was centring the research inquiries around the women research participants and their visions for themselves and aspects of their societies, while bringing into focus what they expected from ICT use, what their actual experiences with ICT were, and how the use of ICT could contribute to the fulfilment of these visions. This involves the women becoming self-conscious of their own intentions and the barriers they experience within themselves and within their societies, while also increasingly recognizing their own capabilities and agency. At the same time, we took into account that women would have ‘adapted’ what they think of as realties and possibilities to the norms and images of their specific contexts.

Perhaps because of the many layers of reflection and analysis involved, this approach used by GRACE brought to the fore what is needed and what works in terms of ICTs contributing to women enhancing their capacities and taking their place in the process of building more sustainable communities. The potential of ICTs to contribute to human-centred, equitable and sustainable development becomes apparent through its intentional application to reducing current socio-economic, cultural and political inequalities.



 
 
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エジプト大統領、米に中東政策の転換要求

nikkei.com

2012/9/24 10:14

【カイロ=共同】エジプト初のイスラム勢力出身のモルシ大統領は、米国の歴代政権の政策が中東で「反感」を買ってきたと批判し、アラブの価値観尊重やパレスチナ国家樹立支援など抜本的な転換が必要だと呼び掛けた。初訪米を前にニューヨーク・タイムズ紙のインタビューに応じた。

モルシ氏は米国が中東の独裁政権を支援したり、イスラエルに肩入れしたりするなど「米納税者の金を使って(中東)地域の人々の反感を買うようなことをしてきた」と指摘。イスラエルとエジプトの和平合意に仲介役の米国も署名した立場から、平和条約が定めたパレスチナの占領終結を実現するよう促した。

一方、オバマ米大統領が民主化運動「アラブの春」を早くから支持したことを称賛。アラブ人と米国人には「それぞれの慣習や価値観に従って自由に生きるという共通した目標」があり「平和な共存」を望むと述べた。

イスラム教預言者の侮辱映像に抗議するデモ隊がカイロの米大使館の星条旗を破り、モルシ政権の対応に批判が出たことについては、デモの過激化を避けるため「時間をかけて」賢明な対応をしたと釈明した。

同紙によると、モルシ氏は今回の訪米でオバマ氏との会談を求めたが、米側の反応が冷淡だったため取り下げたという。〔共同〕



 
 
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預言者侮辱映像、表現の自由には責任伴う=エジプト大統領

jp.reuters.com

2012年 09月 26日 17:46 JST

[ニューヨーク 25日 ロイター] 訪米中のエジプトのモルシ大統領は25日、イスラム諸国で激しい反米デモが広がるきっかけとなった、イスラム教の預言者ムハンマドを侮辱したとされる映像について、宗教的な冒涜(ぼうとく)だと非難し、「表現の自由には責任が伴う」との考えを示した。

クリントン元米大統領が主催する財団で演説を行ったモルシ大統領は、世界が1つの文化や文明で統一されることはあり得ないが、複数の文明が共存することは可能だと指摘。ムハンマドを侮辱したとされる映像については、「特に国際的な平和と安全に関わる場合、表現の自由には責任が伴うことを認識しなければならない」と述べた。

また、異文化間での「真の協力」を訴えたモルシ大統領は、「ある国で冗談とされることも他の国では笑いの対象にならないことがある」と強調した。

同大統領はこれに先立ち、米ニューヨークタイムズ紙のインタビューで、米政府はアラブ諸国に対するアプローチを改めるべきだとし、パレスチナ国家樹立を支援するよう求める発言をしていた。



 
 
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朝日新聞デジタル

記事2012年9月26日12時25分

ムルシ氏「表現の自由、責任伴う」イスラム圏の不満代弁

「暴力は身体的なものに限らない。表現の自由には責任が伴うはずだ」。訪米中のムルシ・エジプト大統領は25日、米国で作られた預言者ムハンマドを侮辱する映像について、イスラム圏の不満をこう代弁した。クリントン元米大統領が主催する財団で講演した。

この日の国連総会演説でオバマ米大統領は「大統領として私は、暴言を日々受け入れている。そして、彼らがそうする権利を常に擁護する」と語ったのに対し、違いを示した形だ。

穏健イスラム主義を取るムスリム同胞団から大統領に選ばれたムルシ氏はエジプトを率いる方針として、「神権国家、軍事国家を目指すことは決してない。目指すのは平和的、市民的、立憲的な近代国家だ」と述べ、民主主義的な価値観と共存できるとの考えを強調。一方で「我々は単一の文化で生きているわけではない。一方的な支配関係ではなく、お互いを理解して共存すべきだ」とも語り、欧米とは異なるイスラムの価値観に理解を求めた。

起草作業が進む新憲法については「2カ月以内に新憲法承認の国民投票を実施する。その後、新たに議会選挙も実施する」と語った。(ニューヨーク=石合力)



 
 
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エジプト:「ムバラク氏、脳卒中の形跡ない」専門医チーム

毎日新聞 2012年09月26日 17時11分(最終更新 09月26日 19時14分)

【カイロ服部正法】脳卒中で一時危篤状態と伝えられたエジプトのムバラク前大統領(84)=終身刑で服役中=について、診察したエジプト法医学界の権威が政府系主要紙「アルアハラム」の取材に「脳卒中を起こした形跡はない」と明言した。前大統領はベッドに横たわって公判に出廷するなど健康状態が懸念されていた一方、「同情を買おうと周辺が病状を悪く伝えている」との批判もあった。

民主化要求運動「アラブの春」で権力の座を追われたムバラク前大統領は6月2日、デモ参加者殺害に関与した罪などで終身刑を言い渡された。同19日に国営中東通信が「脳卒中を起こし心停止した」と報道。カイロ郊外の刑務所から軍病院に移送されたが、健康状態が安定したとして7月16日に再収監された。

しかし、今月22日付のアルアハラムによると、軍病院への移送後と、再収監後の8月9日に、イフサン・カミル・ジョルジ医師が率いる専門医チームが2度にわたり診察したが、脳卒中の形跡は見つからなかった。

一方、AP通信によると、ムバラク服役囚の弁護士はジョルジ医師の発言について「うそで、事実を隠している」と反論している。



 
 
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エジプト大統領:独裁崩壊後初の国連演説 民主化進展強調

毎日新聞 2012年09月27日 10時26分(最終更新 09月27日 10時34分)

【ニューヨーク草野和彦】エジプトのモルシ大統領が26日、国連総会の一般討論で初演説をした。ムバラク独裁政権崩壊後、今年6月に就任したモルシ大統領は「私は、初めて民主的に選ばれた文民のエジプト大統領だ」と民主化の進展を強調。国際社会が取り組むべき課題として、エルサレムを首都とするパレスチナ国家樹立に言及した。

モルシ大統領は、イスラエルとの和平交渉が中断する中、パレスチナの人々の「自由と尊厳」が実現しない状況を許しているのは、国際社会の「恥だ」とし、イスラエルにすべての占領地からの撤退を求めた。

一方で「国際的な合意の履行を確約する」とも語り、イスラエルとの和平条約(79年締結)の変更を求めることはないとの考えを示した。

内戦化したシリア情勢については、アサド大統領に対し政権移行を要求。ただ軍事介入には反対し、「地域的、国際的な枠組み」での解決を求めた。

また、イスラム教の預言者ムハンマドを侮辱した米国の映像やフランスの週刊誌の風刺画に対する抗議が世界で広がったことについて「憎悪をかき立てるものは尊重しない」と述べ、表現の自由にも一定の制限が必要との考えを示唆した。

この日は、エジプト同様に中東の民主化要求運動「アラブの春」の一環で政権交代が実現したイエメンのハディ大統領も一般討論に初めて登場。演説冒頭で米国製映像に触れ、国家の信条を冒とくするような事例では「表現の自由を制限すべきだ」と明言した。

シリア情勢については、「選挙を通じた平和的な政権移行が唯一の選択肢」と述べ、アサド政権と反体制派に対話を呼びかけた。



 
 
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イスラム教侮辱映画の制作者を拘束 米当局

cnn.co.jp

2012.09.28 Fri posted at 10:27 JST

ロサンゼルス(CNN) 米司法当局は27日までに、イスラム教の預言者ムハンマドを侮辱したとされる映画の制作者ナクーラ・バスリー・ナクーラ氏を拘束したことを明らかにした。

同氏は保護観察中だった。保釈手続きのため、27日にカリフォルニア州ロサンゼルスの裁判所に出廷した。

ナクーラ氏は2010年に金融詐欺事件で有罪判決を受けていた。1年間服役した後、現在は5年間の保護観察中で、インターネットにアクセス可能な機器の利用には保護監察官の許可が必要とされていた。同氏は今月に入り、任意の事情聴取を受けていた。

同氏が制作したとされる映画は動画共有サイトのユーチューブに投稿され、エジプトのテレビが取り上げたことをきっかけに、抗議デモに火が付いた。この間、同氏は公の場に姿を見せず、ロサンゼルス郊外の自宅で家族とともに身を隠していた。

抗議デモはエジプトから中東や北アフリカに広がり、リビアでは米領事館が襲撃されて駐リビア米大使ら米国人4人が殺害されている。



 
 
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ムハンマド風刺画:エジプトで欧米の偏見「逆風刺画」特集

毎日新聞 2012年09月30日 17時57分(最終更新 09月30日 18時28分)

【カイロ服部正法】イスラム教の預言者ムハンマドを侮辱する風刺画を仏週刊誌が掲載したことに対抗し、エジプトの日刊紙「アルワタン」が欧米人らのイスラム社会への偏見などを皮肉る内容の風刺画特集を掲載した。

9月24日付の紙面で、見開き2ページの特集面に13枚の風刺画を掲載。「西洋の眼鏡から見たイスラム世界」とのタイトルの絵では、眼鏡のガラス部分に米同時多発テロ(01年)で崩壊したニューヨークの世界貿易センタービルが描かれ、「9・11」というレンズを通してしか欧米がイスラム世界を見ていない、との訴えを表した。

イスラム教徒の男性が、米国の国旗をあしらった懐中電灯で照らされると、血まみれの刃物を手に怒りをあらわにする男性に変身する絵もある。米国はイスラム教徒すべてを「テロリスト」扱いしている、と言いたげだ。

同紙のムハンマド・バルグート編集局長は同27日、毎日新聞の取材に「(侮辱に対する)返答は暴力にあおられる形ではなく、風刺画には風刺画で、映画には映画で返答すべきだ」と指摘。一方「世界には、反イスラムの映画や風刺画を作るより、病気や飢餓、人口増大など取り組むべき課題がたくさんある」と話した。



 
 
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拘束のデモ参加者に恩赦 エジプト大統領

nikkei.com

2012/10/9 11:08

エジプトのモルシ大統領は8日、昨年2月にムバラク政権の独裁体制を崩壊させた大規模デモが始まった同1月下旬以降、今年6月末までに行われたデモに参加するなどして拘束された市民に恩赦を与え、釈放する大統領令を出した。中東通信などが伝えた。

イスラム穏健派ムスリム同胞団の元幹部で、文民出身のモルシ氏は6月末に就任。政権崩壊を受けた軍最高評議会の暫定統治下で拘束された市民らを恩赦することで過去との決別を強調、経済の回復の遅れなどで高まる市民の不満軽減につなげたい思惑とみられる。

エジプトでは政権崩壊後も軍最高評議会に反発するデモが繰り返され、治安部隊との衝突などで多数が拘束された。対象人数は不明だが、市民団体は少なくとも政治犯5千人が収容されているとしている。殺人罪で服役中の受刑者らは対象外。(カイロ=共同)



 
 
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カイロで大規模な衝突、大統領支持と反対両派 就任後初めて

cnn.co.jp

2012.10.13 Sat posted at 16:18 JST

カイロ(CNN) エジプトの首都カイロ中心部にあるタハリール広場周辺で12日、ムルシ大統領の支持派と反対派が投石や火炎瓶などを交えて衝突、保健省によると少なくとも121人が負傷した。

イスラム組織出身のムルシ大統領が今年6月に就任後、支持派と反対派が街頭で大規模な衝突を起こしたのは初めて。この騒乱のあおりで広場周辺の道路が封鎖され、多くの商店が閉鎖した。

抗議に集まった反対派は数千人規模で大統領の辞任や公正な統治などを要求。目撃者によると、ムルシ氏の出身母体であるイスラム組織ムスリム同胞団が反対派を襲い、右派グループが設けたステージを破壊するなどした。同胞団によると、保有するバス2台が焼かれ、マハラ地区にある本部も炎上した。

12日に集まった大統領批判派は、昨年2月の旧ムバラク政権崩壊の原動力となった勢力で、この日は5カ所に集結し、タハリール広場へのデモ行進を計画していた。反対派は昨年2月の政変でデモ隊を弾圧した旧政権幹部の多数が11日に釈放されたことに反発、全ての勢力を反映させる新憲法の制定なども要求した。

また、ムバラク氏の裁判やり直しや反体制派のデモ参加者に殺害に関与したとする旧政権閣僚の再裁判も求めている。前政権を打倒した大規模な民衆デモでの犠牲者は800人以上とされるが、旧政権幹部の大多数は刑事責任を問われていない。



 
 
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エジプト:大統領支持者と反対派が衝突、110人負傷

毎日新聞 2012年10月13日 10時53分(最終更新 10月13日 12時12分)

【カイロ前田英司】昨年の民主化要求運動「アラブの春」を受けて誕生したエジプトのモルシ大統領の支持者と反対派が12日、カイロ中心部のタハリール広場で衝突し、国営メディアによると110人が負傷した。モルシ大統領の就任後、この種の大規模な衝突は初めてとみられ、独裁政権崩壊後のエジプト社会の不安定さを改めて露呈した。

タハリール広場にはモルシ大統領の支持者や反対派が数千人集まり、投石したり火炎瓶を投げつけ合ったりした。

エジプトでは、新憲法の起草作業が進行中で、イスラム教の位置づけや大統領権限などで論争が激化。また、昨年の民主化闘争中にラクダに乗った暴徒を反体制派弾圧に駆り立てたムバラク前政権の幹部が今週、裁判で無罪判決を受け国民の不満が高まっていた。



UP:2012 REV:
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