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エジプト・アラブ共和国 2011年2月6日〜10日

アフリカアフリカ Africa 2014

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○最新のニュース・企画案内 → エジプト・アラブ共和国

○外務省 各国・地域情勢 エジプト・アラブ共和国

◆2011/02/06 NIKKEI NET ムバラク大統領の次男、与党重要ポスト辞任
◆2011/02/06 NIKKEI NET エジプト大統領辞任なら「憲法改正できず」 副大統領が野党に
◆2011/02/06 NIKKEI NET スレイマン副大統領に実権移す構想浮上 エジプト危機
◆2011/02/06 NIKKEI NET 危機を遠ざける湾岸王制国家の「中流意識」
◆2011/02/06 cnn.co.jp エジプトでガス輸送パイプライン爆発、供給停止
◆2011/02/06 cnn.co.jp エジプト与党、大統領の次男ら執行部メンバーが辞任
◆2011/02/06 NIKKEI NET ミュンヘン安保会議、エジプト情勢を協議 急激な変化を警戒
◆2011/02/06 NIKKEI NET エジプト最大野党、政権と協議 膠着打開へ方針転換
◆2011/02/06 NIKKEI NET エジプト、改憲委設置で合意 政権と最大野党が対話
◆2011/02/06 yomiuri.co.jp エジプト副大統領、先月末に襲撃される…米報道
◆2011/02/06 yomiuri.co.jp ムバラク氏、権限棚上げ案…軍首脳ら検討
◆2011/02/06 yomiuri.co.jp ムバラク氏の党首辞任報道取り消し…中東テレビ
◆2011/02/06 yomiuri.co.jp ハメネイ師の反政府デモ支持、エジプト外相反発
◆2011/02/06 asahi.com ムバラク大統領「党首辞任」の報道 中東のテレビ局
◆2011/02/06 asahi.com エジプト野党の有力者、即時退陣求めず「挙国一致を」
◆2011/02/06 asahi.com ムバラク大統領の党首辞任を否定 与党幹部
◆2011/02/06 asahi.com アラブ民主化に期待と警戒 欧米、ミュンヘンで安保会議
◆2011/02/06 asahi.com 米、具体的な行動促す エジプト副大統領と電話協議
◆2011/02/06 asahi.com 銀行に長い列、デモ期間の経済損失690億円 エジプト
◆2011/02/06 yomiuri.co.jp エジプトに触発?…セルビア首都で7万人デモ
◆2011/02/06 asahi.com 中国、エジプト情勢にピリピリ 「ムバラク」検索不能に
◆2011/02/06 毎日新聞 エジプト:「デモで経済損失2550億円」 市民「早く正常化を」−−仏金融大手調査
◆2011/02/06 毎日新聞 エジプト:パイプラインが原因不明の爆発 「テロ」の報道も
◆2011/02/06 毎日新聞 エジプト:デモ長期化も 首相「実力で鎮圧しない」 ムバラク大統領、与党党首辞任
◆2011/02/07 NIKKEI NET エジプト、改憲委設置で合意 副大統領と野党勢力対話
◆2011/02/07 cnn.co.jp エジプト副大統領が野党代表者らと会談、譲歩示す
◆2011/02/07 cnn.co.jp エジプトで行方不明のグーグル幹部は当局が拘束か
◆2011/02/07 yomiuri.co.jp スレイマン氏主導の体制移行を支持…米国務長官
◆2011/02/07 yomiuri.co.jp ムスリム同胞団は「反米思想」米大統領が見解
◆2011/02/07 yomiuri.co.jp エジプト非常事態解除へ、副大統領と同胞団合意
◆2011/02/07 yomiuri.co.jp イラン改革派、エジプト反体制派支持のデモ計画
◆2011/02/07 yomiuri.co.jp 非常事態解除「歓迎」体制移行見守る市民
◆2011/02/07 yomiuri.co.jp ムバラク氏即時辞任、求めない米の立場示唆
◆2011/02/07 NIKKEI NET 不明のグーグル幹部、エジプトで拘束 解放の見通し
◆2011/02/07 NIKKEI NET エジプト野党、大統領の即時辞任譲らず デモ継続
◆2011/02/07 NIKKEI NET 米、ムバラク氏退陣圧力強める イスラム主導は警戒
◆2011/02/07 NIKKEI NET スズキ専務、エジプト工場停止「前日から一部操業を開始」
◆2011/02/07 NIKKEI NET エジプト、厳重な警戒続く カイロで数千人抗議
◆2011/02/07 NIKKEI NET エジプト反政府活動、グーグル幹部が支援か 米紙報道
◆2011/02/07 NIKKEI NET NY株、6日続伸で始まる 35ドル高
◆2011/02/07 NIKKEI NET エジプト通貨が最安値 外為取引再開、証取は休場続く
◆2011/02/07 asahi.com 最大野党勢力、政権側と対話 エジプト、改憲委設置へ
◆2011/02/07 asahi.com 同胞団「取引には応じぬ」 ムバラク氏の即時退陣譲らず(1/2ページ)
◆2011/02/07 毎日新聞 From:ワシントン カイロ演説の重み
◆2011/02/07 毎日新聞 エジプト:徐々に活気 銀行、商店が営業再開
◆2011/02/07 毎日新聞 エジプト:「ムスリム同胞団」に存在感 大統領支持・不支持、共に影響力注視
◆2011/02/07 毎日新聞 クリントン米国務長官:ムスリム同胞団がエジプト政府と対話、歓迎の姿勢
◆2011/02/07 毎日新聞 エジプト:ムバラク氏は党首辞任せず
◆2011/02/08 NIKKEI NET エジプト新内閣が初の閣議、対応探る デモ発生2週間
◆2011/02/08 NIKKEI NET エジプトで拘束のグーグル幹部、解放の報道
◆2011/02/08 NIKKEI NET NY金が小幅続落、終値1348ドル エジプト安定観測で
◆2011/02/08 NIKKEI NET NY原油、3日続落 3月物87.48ドルで終了 エジプト不安後退で
◆2011/02/08 NIKKEI NET エジプトで拘束のグーグル幹部解放 同社が発表
◆2011/02/08 NIKKEI NET エジプト新内閣、貧困層に懐柔策 公務員給与も上げ
◆2011/02/08 NIKKEI NET 米大統領、エジプト政権移行の本格協議を評価
◆2011/02/08 NIKKEI NET エジプト中銀、短期国債の入札実施 利回りは上昇
◆2011/02/08 NIKKEI NET エジプト改憲準備委が発足、大統領令 野党との合意履行
◆2011/02/08 cnn.co.jp エジプトのデモ3週目に突入、大統領辞任求める声やまず
◆2011/02/08 cnn.co.jp エジプトで拘束のグーグル幹部解放
◆2011/02/08 asahi.com エジプト副大統領、同胞団敵視の動かぬ記録 米公電流出
◆2011/02/08 asahi.com エジプト、公務員給与や年金15%増 デモ収束図る
◆2011/02/08 asahi.com オバマ氏「エジプト、進展している」 野党との対話評価
◆2011/02/08 asahi.com 国営テレビ前のデモ不発 軍が阻止 エジプト
◆2011/02/08 yomiuri.co.jp ムバラク新内閣、公務員給与引き上げ決める
◆2011/02/08 yomiuri.co.jp エジプト野党指導者「ムバラク氏9月まで留任」
◆2011/02/08 yomiuri.co.jp オバマ大統領、エジプト対話開始は「前進」
◆2011/02/08 yomiuri.co.jp エルバラダイ氏が対話拒否「現体制は軍先導」
◆2011/02/09 NIKKEI NET エジプトでの業務再開広がる、三井物産や三菱商事
◆2011/02/09 NIKKEI NET エジプト混乱、地域外交に影響 イラン強硬派に勢い
◆2011/02/09 NIKKEI NET アフリカ投信の解約停止 計100億円換金できず
◆2011/02/09 NIKKEI NET エジプト各地でデモ、数十万人参加 即時退陣要求緩めず
◆2011/02/09 NIKKEI NET 米、非常事態の即時解除など要求 エジプトに
◆2011/02/09 NIKKEI NET エジプト大統領、ロシア高官と会談 安保理特使派遣を協議か
◆2011/02/09 asahi.com エジプト大統領、改憲など3委員会設置 改革アピールか
◆2011/02/09 asahi.com ムバラク氏、民主化の失敗例列挙 ウィキリークス米公電
◆2011/02/09 asahi.com エジプト内務省に「弾圧即時停止を」 米副大統領
◆2011/02/09 asahi.com ムスリム同胞団が反発「大統領設置の改憲委は無効」
◆2011/02/09 asahi.com 仏首相、甘かったバカンス エジプト旅行で便宜受け窮地
◆2011/02/09 yomiuri.co.jp ネットカリスマきっかけ?…カイロデモ最大級に
◆2011/02/09 yomiuri.co.jp エジプトの非常事態、即解除を…米副大統領要求
◆2011/02/09 yomiuri.co.jp 仏首相、エジプト政府丸抱えクリスマス家族休暇
◆2011/02/09 yomiuri.co.jp アル・カーイダ系勢力、エジプトのデモを称賛
◆2011/02/09 cnn.co.jp 米ホワイトハウス、エジプト政府の対応を批判
◆2011/02/09 毎日新聞 米副大統領:エジプト民主化へ「不可逆的な進展」要求
◆2011/02/09 毎日新聞 エジプト:大統領退陣要求 カイロで依然、数十万人が集結
◆2011/02/09 毎日新聞 仏首相:エジプトで丸抱え接待 外相はチュニジアで
◆2011/02/09 毎日新聞 エジプト:副大統領「デモ容認できない」 自発解散促す
◆2011/02/09 毎日新聞 エジプト:デモ再燃の背景にグーグル幹部 誠実な訴え共感
◆2011/02/10 NIKKEI NET エジプト政権、デモ収拾手詰まり 指導者なき無党派層に苦慮
◆2011/02/10 NIKKEI NET グーグル地域幹部のゴニム氏、エジプトデモの象徴に
◆2011/02/10 NIKKEI NET エジプト改憲準備委、大統領選の出馬条件緩和など見直し
◆2011/02/10 NIKKEI NET 「米国のメッセージに混乱」エジプト外相が不満表明
◆2011/02/10 asahi.com カイロの南西、反政府デモ隊と警察が衝突 3人死亡
◆2011/02/10 asahi.com 「米は自分の意向押しつけ」 エジプト外相が批判
◆2011/02/10 yomiuri.co.jp エジプト、再び緊張高まる…漂う焦燥感
◆2011/02/10 yomiuri.co.jp エジプト大規模デモ「顔」はグーグル地域幹部
◆2011/02/10 yomiuri.co.jp 「混乱生じれば軍介入」エジプト外相が警告
◆2011/02/10 yomiuri.co.jp 改革迫る米国、「押しつけ」とエジプト反発
◆2011/02/10 cnn.co.jp エジプトのデモ、さらに勢い増す カイロ以外でも死者
◆2011/02/10 AFP BB News エジプト外相、「軍介入」に言及 軍がデモ参加者拘束・拷問との報道も
◆2011/02/10 NIKKEI NET エジプト各地でストライキ発生 スエズ運河や鉄道など
◆2011/02/10 News Week 日本版 ファラオは現代でも笑い種
◆2011/02/10 毎日新聞 エジプト:デモの市民、野党に不信感
◆2011/02/10 毎日新聞 エジプト:混迷 同胞団「政権不参加」、大統領選も候補立てず 幹部「組織決定した」
◆2011/02/10 毎日新聞 エジプト:アルカイダ系がデモ支援「聖戦を」 政府、便乗テロ警戒
◆2011/02/10 毎日新聞 エジプト:大統領選、要件を緩和 民主化勢力要求、憲法改正へ
◆2011/02/10 毎日新聞 エジプト:デモに突入、ラクダは観光用 ピラミッド一時閉鎖、住民「終結求めた」
◆2011/02/10 毎日新聞 エジプト:デモが激化 スエズ運河の通行にも影響か
◆2011/02/10 毎日新聞 エジプト:大統領選、要件を緩和 民主化勢力の要求受け


 
 
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ムバラク大統領の次男、与党重要ポスト辞任

2011/2/6 1:21

【カイロ=花房良祐】ムバラク大統領の退陣要求デモが続くエジプトで5日、大統領の次男ガマル氏が与党国民民主党(NDP)の重要ポストである政策委員長を辞任した。事実上の更迭とみられる。ガマル氏は一時、大統領の後継候補とみられていたが、同氏が進めた経済自由化路線は格差拡大をもたらし、一連の抗議集会で父とともに批判を浴びていた。

国営テレビが伝えた。2004年に発足したナジフ前首相が率いる内閣の経済閣僚はガマル氏の側近で固められ、「ガマルの内閣」とも称された。同氏が進めた国営企業の民営化などの経済政策は高成長をもたらした一方、反体制派は同氏の周辺が関連ビジネスで利益を得ていると非難。先月末の内閣総辞職でガマル氏に近い経済閣僚は一掃されていた。



 
 
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エジプト大統領辞任なら「憲法改正できず」 副大統領が野党に

2011/2/6 1:34

【カイロ=花房良祐】エジプトのスレイマン副大統領は5日、「ムバラク大統領が辞任すれば憲法改正ができない」と話し、反体制派が要求する任期途中の退陣は公正な大統領選挙につながらないとの考えを示した。同日午後、副大統領と会談したアルアハラム戦略研究所のディア・ラシワン研究員が日本経済新聞に明らかにした。

副大統領は同日、複数の有識者や野党指導者と会談。一部出席者がムバラク大統領の即時辞任を求めたのに対し、副大統領は大統領が辞任すると次期大統領選出まで改憲できない憲法の規定を指摘したという。

ラシワン研究員は別の条項に基づき大統領の権限を副大統領に委譲する案を提案したが、副大統領は賛否を明らかにしなかった。ただ米紙によれば、同様の構想は副大統領とエジプト軍が米政府と協議しているという。

即時辞任を求める大規模デモが相次いでいるにもかかわらず、ムバラク大統領は任期満了まで大統領職に居座る姿勢を崩していない。「退陣の日」と名付けられた4日の大規模デモはカイロ中心部のタハリール広場で約20万人を集めたものの、抗議活動は事実上、不発に終わった。

1日の大規模デモで引退表明に追い込まれた際は「退任は時間の問題」との見方が大勢だったが、市民の間では「9月に引退するのだから、デモはもう十分」との声が出始めた。日常生活に支障が生じ、「デモ疲れ」が広がりつつある。

エルバラダイ国際原子力機関(IAEA)前事務局長やアラブ連盟のムーサ事務局長は大統領選への出馬に意欲を示している。ただ、辞任を求める反体制派と大統領側の対立が続いて憲法改正などの動きが進まないようだと、民主的な大統領選の実施に暗雲が漂う。



 
 
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スレイマン副大統領に実権移す構想浮上 エジプト危機

中東テレビ、ムバラク氏の党首辞任報道は訂正

2011/2/6 1:43 (2011/2/6 3:09更新)

【カイロ=花房良祐】ムバラク大統領の退陣要求デモが続くエジプトで5日、大統領の次男、ガマル氏が与党国民民主党(NDP)の政策委員長を辞任した。ムバラク氏についても中東の衛星テレビ、アルアラビーヤが一時、与党NDP党首を辞任したと報じたが、同テレビは同日夜、「ムバラク氏は与党党首を辞任していない」と事前に報道した内容を訂正した。

一方、ムバラク氏が大統領職にとどまりながら実権をスレイマン副大統領に移す構想も浮上。副大統領は同日、同案を推す有識者グループや一部野党代表と会談した。

構想は大統領権限を副大統領に委任できる憲法条項を利用して副大統領が実権を握り、大統領は肩書は保持しながら一線を退く。大統領の「名誉ある引退」を保証することで事態を打開する試み。



 
 
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エジプトでガス輸送パイプライン爆発、供給停止

2011.02.06 Sun posted at: 09:33 JST

(CNN) 大規模な反政府デモが続くエジプトのシナイ半島アリーシュ近郊で5日、ヨルダンに天然ガスを輸送するパイプラインが爆発した。これによりヨルダンなどへのガス供給を一時的に停止した。爆発はテロ行為が原因との見方も出ている。

エジプト国営テレビは、爆発したのは主要パイプラインの1本と報じている。

ヨルダンの国営電力会社によれば、パイプラインの修理には少なくとも1週間かかる。修理期間中は別の発電燃料に切り替えることになり、一日あたり420万ドル(約3億5000万円)のコストがかかる。

エジプト当局はヨルダンへのガス輸送停止に伴い、イスラエルなどの別地域へのガス供給も停止。イスラエル当局も、早急に別の燃料に切り替える方針を決定した。

爆発による火災は鎮静化に向かっており、現在、消防隊が消火作業に当たっているという。

同国国営メナ通信社は、テロ攻撃の可能性があると報じているが、この爆発がエジプトにおける反政府デモ、あるいはパレスチナ自治区に関係しているかは分かっていない。パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するハマスは、パイプラインの爆発に一切関与していないとする声明を発表している。



 
 
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エジプト与党、大統領の次男ら執行部メンバーが辞任

2011.02.06 Sun posted at: 09:44 JST

カイロ(CNN) ムバラク大統領の退陣を求めるデモが続くエジプトで5日、大統領の次男ガマル氏を含む与党・国民民主党(NDP)の執行部メンバーが辞任した。ただし大統領自身は、野党側の要求に反してNDP党首の座にとどまる構えだ。

ガマル氏はムバラク大統領の後継者と目されてきた人物。大統領は9月の大統領選に不出馬を表明しつつ、ガマル氏への権力継承を画策しているとの見方が強かったが、同氏の辞任によってこの可能性は否定された。

NDPでは同時に、米国で教育を受けた改革派のホサム・バドラウィ氏が事務局長に昇格した。

これに対して野党勢力を主導するエルバラダイ前国際原子力機関(IAEA)事務局長は、国民が求めているのは「民主主義への全面的な転換だ」と述べ、あくまで大統領の即時退陣を要求する姿勢を示した。デモ参加者らからも「真の解決にはならない」「大統領一族は資産を国外へ移転するために時間稼ぎをしている」との声が上がった。

カイロのタハリール広場にはこの日もデモ隊が集まったが、当局が外出禁止令を緩和するなど、街は平静を取り戻している。

エルバラダイ氏が率いる野党によると、同氏は最大野党ムスリム同胞団の指導者ベルタギ氏、改革派ガット党党首のヌール氏らとともに10人のグループを構成し、大統領退陣と民主主義への平和的移行を求めている。同氏はCNNとのインタビューで、「軍出身者を含む3人の大統領評議会を置き、1年間の暫定政権が選挙実施への態勢を作る」との構想を説明した。



 
 
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ミュンヘン安保会議、エジプト情勢を協議 急激な変化を警戒

2011/2/6 19:39

【ロンドン=岐部秀光】4日から6日までドイツで開かれた「ミュンヘン安全保障会議」に参加した欧米の外交・安全保障関係者は緊迫するエジプト情勢について意見を交わした。ムバラク大統領の即時退陣を求める強硬論がある一方、急激な変化を警戒する慎重論も相次いだ。

クリントン米国務長官は「変化には一定の時間がかかる」と述べ、エジプト政府が発表した政権移行シナリオを当面は見守る立場を表明した。

ドイツのメルケル首相もベルリンの壁崩壊後の自身の体験と重ねながら、「変化は平和的で分別ある方法で形作られるべきだ」と発言。拙速な変化がもたらす影響について警告した。一方で英国のキャメロン首相は政権移行に時間がかかりすぎると一部のイスラム原理主義勢力の過激な主張が説得力を増し、「われわれが望まないような政府」が誕生するリスクが高まると指摘した。

またクリントン長官、アシュトン欧州連合(EU)外交安全保障上級代表、ラブロフ・ロシア外相、潘基文・国連事務総長が会談し、エジプトの混乱が中東和平にもたらす影響について話し合った。



 
 
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エジプト最大野党、政権と協議 膠着打開へ方針転換

2011/2/6 20:12

【カイロ=花房良祐】ムバラク大統領の退陣要求デモが続くエジプトで、最大野党の穏健派イスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」は6日、スレイマン副大統領と協議を始めた。これまで大統領の即時辞任が対話の条件として政権側の対話の呼びかけを拒否していた。一部の野党はすでに政権と協議を始めており、最大野党との対話開始で膠着状態の打開に向けて一歩前進した。

ロイター通信によると、同胞団は政権とムバラク大統領の引退方法や集会の自由の権利などについて協議。ただ同胞団はこれまで人民議会(国会)のやり直し選挙など多くの条件を突きつけてきただけに協議が難航する恐れもある。

ムスリム同胞団は宗教政党を禁じる憲法規定により非合法ながら、福祉活動を通じてエジプト社会に浸透。支持率は2〜4割に上るとの推計もあり、強固な組織を背景に抗議デモで大きな動員力を発揮した。ムバラク政権下では長らく弾圧されてきたため、同大統領の即時辞任を求め強硬姿勢をとっていた。

カイロ中心部では6日も数千人規模の抗議デモが続いた。軍は広場に入ろうとするデモ参加者を規制している。一方、銀行や都市部の商店は10日ぶりに営業し、経済活動が一部再開した。

先月27日以来の取引となった外国為替市場ではエジプトポンドは1ドルあたり同日比1%以上安い水準で推移。先安観は強く、中央銀行がポンド買い介入しているとの観測が浮上している。



 
 
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エジプト、改憲委設置で合意 政権と最大野党が対話

2011/2/6 22:46

【カイロ=花房良祐】ムバラク大統領の退陣要求デモが続くエジプトで、スレイマン副大統領と最大野党のイスラム原理主義組織ムスリム同胞団が6日協議し、改憲準備委員会の設置と非常事態法の解除を検討することで合意した。同胞団はこれまで大統領の即時辞任を対話の条件としてきた方針を転換し、初めて政権との交渉に応じた。双方は混乱の長期化を避けるために事態の打開を探った。

AFP通信によると、双方は民主化に向けた改憲準備委員会を設置することで合意し、大統領選挙の立候補要件の緩和などに絡む改正案を詰める。治安情勢が改善した場合には非常事態法を解除することも検討する。同法は令状なしで容疑者の身柄を拘束でき、1981年のサダト前大統領の暗殺に伴い導入された。

ただ同胞団はこれまで人民議会(国会)のやり直し選挙など大統領の即時辞任以外にも多くの条件を突きつけてきただけに今後の協議が難航する恐れもある。カイロ中心部では6日も数千人規模の抗議デモが続いた。一方、銀行や都市部の商店は約10日ぶりに営業し、経済活動が一部再開した。

先月27日以来の取引となった外国為替市場ではエジプトポンドは1ドルあたり同日比1%以上安い水準で推移。先安観は強く、中央銀行がポンド買い介入しているとの観測が浮上している。



 
 
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エジプト副大統領、先月末に襲撃される…米報道

【ワシントン支局】米FOXニュースは5日までに、エジプトのスレイマン副大統領が就任直後の1月29日、暗殺を狙った襲撃に遭い、ボディーガード2人が死亡したと報じた。

スレイマン氏の車列が襲われたが、実行犯などは不明。エジプトの治安当局高官は、この報道を否定している。

(2011年2月6日01時08分 読売新聞)



 
 
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ムバラク氏、権限棚上げ案…軍首脳ら検討

【カイロ=田尾茂樹】エジプトのスレイマン副大統領は5日、ムバラク大統領の即時辞任を求める反体制デモ沈静化に向け、新体制移行に関する協議に参加する有力者の人選に着手した。

国営テレビなどによると、ムバラク政権の与党・国民民主党(NDP)は同日、大統領の次男ガマル氏を含む執行部の主要役員を更迭すると発表した。

政府関係者によると、新体制への移行案は副大統領と軍首脳が検討している。ムバラク大統領の即時辞任を拒否する一方、実質的な大統領権限を棚上げし、9月の大統領選までは名目だけの立場に祭り上げる考えで、大統領選実施に向けた憲法改正や選挙制度改革などは、副大統領と軍部が中心となって協議する。

(2011年2月6日01時24分 読売新聞)



 
 
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ムバラク氏の党首辞任報道取り消し…中東テレビ

【カイロ支局】ムバラク大統領の退陣を求める反政府デモが勢いづくエジプト情勢をめぐり、オバマ米大統領が先に「特使」としてカイロに派遣したフランク・ウィズナー元駐エジプト米大使は5日、「大統領は政権移行のかじとりをするためしばらく職務にとどまらなければならない」と述べた。

AFP通信などが伝えた。ドイツ南部ミュンヘンで開かれている安全保障関連の国際会議へのビデオメッセージで述べた。

エジプトではスレイマン副大統領が中心になって、ムバラク氏を名目的な大統領にとどめつつ実質的な大統領権限を副大統領に移行させ、9月の大統領選挙に向けて政治改革を進める政権移行構想が練られている。ウィズナー氏の発言は、オバマ政権がこの構想を支持していることを示した。

一方、ムバラク政権の与党・国民民主党(NDP)が5日、大統領の次男ガマル氏を含む執行部の主要役員を更迭したことに関連し、ムバラク大統領が同党党首を辞任したとの情報をめぐり、この情報を最初に報じた中東の衛星テレビ・アルアラビアは同日、この記事を取り消した。党首辞任を一斉に伝えた通信社電なども、アルアラビアの情報に基づいており、ムバラク大統領は実際には党首を辞任していない模様だ。

(2011年2月6日04時19分 読売新聞)



 
 
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ハメネイ師の反政府デモ支持、エジプト外相反発

【カイロ=久保健一】AP通信によると、エジプトのアブルゲイト外相は5日、イランの最高指導者ハメネイ師らがエジプトの反体制派デモを支持する発言を繰り返していることに対し、「(イランでは)2年前に反政府デモを弾圧したことを忘れたのか」と猛反発した。

外相は、「イラン体制の危機はまだやって来ていない。その瞬間を関心を持って注視している」と皮肉を述べる一幕もあった。

ハメネイ師は4日、エジプトの反体制デモは「イスラムの覚醒だ」などと述べ、エジプトでのイスラム体制樹立に期待感を示していた。

(2011年2月6日20時47分 読売新聞)



 
 
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ムバラク大統領「党首辞任」の報道 中東のテレビ局

2011年2月6日1時25分

【カイロ=貫洞欣寛】中東の衛星テレビ局アルアラビアは、エジプトのムバラク大統領が5日、与党・国民民主党党首を辞任したと報じた。一方、エジプト国営テレビによると、与党政策委員長の次男ガマル氏も辞任した。ガマル氏は次期大統領選への出馬がうわさされ、国民から世襲批判を受けていた。急進的な経済開放政策が貧富の差が拡大したとの反発も招いていた。



 
 
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エジプト野党の有力者、即時退陣求めず「挙国一致を」

2011年2月6日3時5分

【カイロ=石合力】エジプト野党勢力の大統領候補として有力視されるアムル・ムーサ元外相(アラブ連盟事務局長)が5日、朝日新聞との単独会見に応じた。ムバラク大統領の即時辞任にこだわらず「与野党で政権移行のロードマップ(行程表)を作り、与党を含む挙国一致政権を樹立すべきだ」との立場を示し、大統領選出馬の意欲もみせた。

ムーサ氏は、野党勢力の有力者で構成する「政権移行賢人委員会」のメンバー。大統領の即時辞任を求めてきた反政権デモにもムバラク氏が動かず、事態が手詰まりになる中での野党勢力有力者の発言として、極めて注目される。

ムーサ氏は、ムバラク氏の去就について「次期大統領選に不出馬を表明した。すでに辞任を決断しており、移行期間は始まった」と指摘。スレイマン副大統領が野党勢力側に呼びかけている対話に「もちろん応じる。やるべきことは大統領選などの実施に向けて国民的な合意をつくることだ」と述べた。次期政権には「全政治勢力が参加すべきだ。与党を排除するのは望ましくない」と指摘した。

大統領候補については、「与野党対話による政治的合意」が必要と指摘したうえで、自身が要請されれば「当然出馬する」と語った。

移行期間中には、与党側に極めて有利な形になっている大統領出馬規定の改正や、公正とは言えない選挙で与党が多数を占めてきた人民議会について、選挙の実施などを進めるべきだと主張した。

「デモに加わった人々と軍との関係は極めて良好だ」と述べ、軍との連携にも自信を示した。

次期政権の外交方針については、「エジプトは自国だけでなく、地域の安定に大きな責任がある。これまでの路線を堅持すべきだ」と語った。

ムーサ氏は一連のデモ開始後、野党勢力支持を表明。抗議行動にも加わった。外交手腕に加えて、国民的な人気も高い

5日付の米紙ワシントン・ポストは、ムーサ氏が大統領候補として、エルバラダイ国際原子力機関(IAEA)前事務局長を上回る支持を得る可能性があると伝えた。最大の野党勢力でイスラム主義を掲げるムスリム同胞団はムーサ氏に否定的とされるが、ムーサ氏自身は「同胞団とも接触している」と述べた。

アラブ連盟事務局長として1月中旬、エジプト・シャルムエルシェイクで開かれたアラブ首脳会議に出席。地域で高まる若者の不満に触れ、「このままでは地域全体が大混乱に陥る。改革を急速に進めるべきだ」と、ムバラク大統領を含む各国首脳らに進言したという。



 
 
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ムバラク大統領の党首辞任を否定 与党幹部

2011年2月6日9時57分

【カイロ=貫洞欣寛】中東の衛星テレビ局アルアラビアによると、エジプトのムバラク大統領が5日、与党・国民民主党の党首を辞任したとの報道に対し、与党幹部は「党首は辞任していない」と否定した。



 
 
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アラブ民主化に期待と警戒 欧米、ミュンヘンで安保会議

2011年2月6日19時52分

【ミュンヘン(ドイツ南部)=松井健】アラブ諸国の民主化は歓迎するものの、中東地域の不安定化やイスラム勢力の伸長は避けたい−−。6日まで欧米諸国の政治家らが意見を交換したミュンヘン安全保障会議では、エジプト情勢への言及が相次ぎ、欧米諸国がチュニジアやエジプトで起きている変化を期待と警戒の交じった態度で見ている様子が浮き彫りになった。

「民衆と政府の間のギャップが拡大することは不安定を広げる。民主化は理想主義を言っているのではなく戦略的に必要なのだ」。クリントン米国務長官はそう語り、アラブ諸国の民主化を歓迎する姿勢を見せた。一方で「短期的には無秩序と不安定を引き起こす恐れがある」と指摘し、エジプトのスレイマン副大統領による政権移行プロセスを支持する考えを示した。

メルケル独首相は自らも参加した旧東独の民主化運動の経験を振り返りながら、「秩序ある移行」を求めると繰り返した。ファンロンパイ欧州連合(EU)首脳会議常任議長も「現在起きていることは宗教とは関係なく、自由を求める時を超えた闘いだ」と評価する一方、「改革はスピードではなく、方向こそが最も重要だ」と話した。

民主主義や人権尊重といった価値を生み出してきたと自負する欧米諸国は、自由と権利を求める民衆の行動を後押しする立場にある。一方で、イスラム法を適用するなど宗教支配を強める政権が生まれるのは避けたいのが本音だ。会場からは、パレスチナ自治区ガザでイスラム組織ハマスが選挙によって多数を占めたことを指摘する声も出た。



 
 
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米、具体的な行動促す エジプト副大統領と電話協議

2011年2月6日19時53分

【ワシントン=望月洋嗣】バイデン米副大統領は5日、エジプトのスレイマン副大統領と電話会談し、民主化移行に向けたムバラク政権と野党勢力との交渉の進展について協議した。政治改革の具体的な行動を促すとともに、拘束中のメディアや人権団体関係者の即時釈放を求めた。

ホワイトハウスの発表では、バイデン氏は、ムバラク政権が進める「政治改革」の具体的課題や明確なスケジュールを示し、ただちに行動に移すよう求めた。オバマ政権はスレイマン氏主導の交渉の行方を慎重に見守っているとみられる。

一方、オバマ米大統領は5日、ドイツのメルケル首相、キャメロン英首相らと電話会談し、平和的で秩序ある政権移行を今始めるべきだとの考えを改めて伝えたという。



 
 
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銀行に長い列、デモ期間の経済損失690億円 エジプト

2011年2月6日23時58分

【カイロ=玉川透、北川学】6日から営業を再開したカイロ市内の銀行前には、午前10時の開店を待ちかねた人びとの長い列ができた。

カイロの観光会社の田中容子さん(61)はスタッフ35人に給与を支払うため小切手を換金しに来た。「手持ちのお金でしのいできたけど、もう限界」。1週間、現金を引き出せなかった会社員(25)も「ガソリンや食べ物を買うお金も尽きた。いつもの暮らしが戻る」とほっとした様子だ。

街の通りには車のクラクションが鳴り響き、ビジネスマン風の男性や買い物袋を提げた女性らが忙しく行き交う。オープンカフェで楽しそうにお茶を楽しむ若者たちの姿も。店員のシャディさん(24)は「デモはもうたくさん」と話した。

クリーニング店も大忙し。店長のアディルさん(45)は、4日の大規模デモを最後にタハリール広場には行っていない。「デモ隊はよくやったけど、我々にも家族や生活がある。これ以上、犠牲にできない」

AP通信によると、エジプト財務省は2週間に及ぶデモ期間中の経済損失を50億エジプトポンド(約690億円)と見込む。仏金融大手クレディ・アグリコルは、今年のエジプトの国内総生産(GDP)成長率予測を5.3%から3.7%に下方修正した。GDPの6%を占める観光業への打撃が大きいとみられる。

一方、カイロ日本人会に所属する邦人企業約40社の間でも、業務再開に向けた準備を始めたところがある。商社関係者は「今週中には正常に戻るのではないか」とみている。



 
 
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エジプト:「デモで経済損失2550億円」 市民「早く正常化を」−−仏金融大手調査

【カイロ樋口直樹】エジプト各地で続く大規模な反政府デモや治安の悪化に伴い、同国経済が少なくとも31億ドル(約2550億円)の損失を被ったことが4日、フランスの大手金融機関「クレディ・アグリコル」の調査で明らかになった。AP通信が報じた。

実質失業率が20%を超えるといわれるエジプトで、新たな経済打撃は一般市民の生活に重くのしかかり、事態の早期正常化を求める声が高まっている。

エジプトでは先月25日の反政府デモの発生に伴い、銀行や株式市場が業務を停止したほか、多くの民間企業や商店も営業を控えている。

基幹産業の観光分野でも、スレイマン副大統領は3日、「先月25日以来、100万人の観光客がエジプトを去った」と述べた。経済への打撃は、1日当たり少なくとも3億1000万ドルに及ぶ。

こうした事態に対処するため、ラドワン財務相は4日、50億エジプトポンド(約700億円)の補償基金を設けたことを明らかにした。

一連の騒乱で破壊された事務所や商店、車などの所有者に一定額の補償を行うほか、失業手当の充実なども図るという。銀行と株式市場は6日以降、順次業務を再開する見通しだ。

カイロ近郊ギザの女性会社員、メドハトさん(23)は「いくつかのスーパーでは油や砂糖、コメなど生活必需品の便乗値上げが起きて、顧客の怒りを買っている」と話す。

別の男性年金生活者、メダニさん(61)は「大型スーパーは略奪を恐れて営業していない。日払いの労働者などは、仕事が無くてパンも買えずにいる」と話した。

2人ともムバラク大統領の今期限りの引退を歓迎しながらも、即時辞任を求める抗議デモの長期化を心配している。

「デモはもうたくさん」(メドハトさん)、「日常生活に戻るべき時だ」(メダニさん)との思いは、一般市民の間で日に日に強まっている。

毎日新聞 2011年2月6日 東京朝刊



 
 
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エジプト:パイプラインが原因不明の爆発 「テロ」の報道も

【カイロ和田浩明】エジプト北東部のアリーシュで5日朝、イスラエルとヨルダンへ天然ガスを送るパイプライン基地で爆発が起きた。死傷者はいない模様。エジプト国営テレビは「テロリストの攻撃」と報じたが、AP通信は地元ガス会社の話として「ガス漏れが原因の事故」と伝えており、爆発原因は不明。5日昼までに制御可能な状態に戻ったとの情報もある。

ロイター通信は、イスラム原理主義グループを監視する情報機関の話として、イスラム教組織が事前にウェブサイト上で、イスラエルへ通じるパイプラインへの攻撃を呼びかけていたと伝えた。パイプラインはガス供給が遮断され、被害は食い止められている模様。

現場はシナイ半島の砂漠地帯で、周辺に建物などはないという。

イスラエルは現在、天然ガス需要の40%をエジプトからの輸入に頼っている。

毎日新聞 2011年2月6日 東京朝刊



 
 
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エジプト:デモ長期化も 首相「実力で鎮圧しない」 ムバラク大統領、与党党首辞任

【カイロ和田浩明】ムバラク大統領の即時退陣を求めエジプト全土で行われた大規模デモから一夜明けた5日、カイロ中心部のタハリール広場では数千人が集まってデモを続行した。デモは12日目に突入、長期化の様相を呈している。

シャフィク首相は、反大統領派の一部と接触を始めた模様だ。詳細はわかっていない。

ムバラク大統領は与党・国民民主党の党首を5日辞任。幹部も同日、辞任した。政策委員長だったムバラク大統領の次男ガマル氏も含まれる。ムバラク氏は次期大統領選にガマル氏を立候補させない意向を既に表明しているが、これでガマル氏の政界からの引退が確実になった。大統領への批判をやわらげようとする政策の一環と見られる。

シャフィク首相も4日、「タハリール広場でデモ鎮圧のため実力行使はしない」とデモを事実上容認していた。しかし、ムバラク大統領は5日、経済関係閣僚による会議を主催し、デモの混乱収拾を協議。大統領としての執務を続ける意向を明確に示した。

膠着(こうちゃく)状態を打開するため有力文化人や経済人らが4日、大統領がスレイマン副大統領に実権を委譲し、大統領が9月の任期終了まで「象徴的存在」としてとどまる案を示した。しかし大統領への反発が根強い中で、妥協案になるかどうかは不透明だ。

一方、メディアへの弾圧は続いており、4日、カタールの衛星テレビ・アルジャジーラのカイロ支局長が警察に拘束された。また、先月28日にデモを取材中に銃撃され重体だったエジプト地元紙の記者が4日、死亡した。一連のデモで記者が死亡したのは初めて。

毎日新聞 2011年2月6日 東京朝刊



 
 
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エジプト、改憲委設置で合意 副大統領と野党勢力対話

混乱の打開策探る

2011/2/7 1:11

【カイロ=花房良祐】ムバラク大統領の退陣要求デモが続くエジプトで、スレイマン副大統領と最大野党のイスラム原理主義組織ムスリム同胞団ら野党勢力が6日協議し、改憲準備委員会の設置で合意した。非常事態法の解除も検討する方向で一致。同胞団はこれまで大統領の即時辞任を対話の条件としてきた方針を改め、政権との交渉に初めて応じた。双方は混乱の長期化を避けるために打開策を探った。

政府発表の声明文によると、両者は民主化に向けた改憲準備委員会を設置することで合意し、大統領選挙の立候補要件の緩和などに絡む改正案を詰める。治安情勢が改善した場合には非常事態法の解除も検討する。同法は令状なしで容疑者の身柄を拘束でき、1981年のサダト前大統領の暗殺に伴い導入された。

ただ同胞団幹部は同日の協議後「改革の内容は不十分」と話したとAFP通信は伝えており、今後の交渉が難航する恐れもある。また反体制派の一部は依然として大統領の即時辞任を求めている。



 
 
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エジプト副大統領が野党代表者らと会談、譲歩示す

2011.02.07 Mon posted at: 09:29 JST

カイロ(CNN) エジプトの国営テレビによると、同国のスレイマン副大統領は6日、主要野党の代表者らと会談し、1981年のムバラク大統領就任とともに発令された非常事態法を解除する方針などで合意に達した。

副大統領と会談したのは、最大野党勢力ムスリム同胞団や改革派野党の代表者ら。国営テレビが伝えた声明によると、憲法改正に向けた委員会を1カ月以内に設置することで合意した。報道や通信の自由を確保するための措置などについても協議したとされる。ムスリム同胞団は数日前まで、大統領が退陣しなければ政権側とは交渉しないと表明していた。

これに対して一部の野党は、政権延命とデモ終結を狙った策略かもしれないと、政府側への不信感を示した。デモに参加する活動家らからも、会談に臨んだのは自分たちの代表者ではないとの声が上がった。

カイロのタハリール広場には6日もデモ隊が集まり、威嚇発砲の音が響いたが、市内では店舗や銀行が約10日ぶりに営業を再開し、交通量も元に戻りつつある。シャフィク首相は同日、CNNに「状況は昨日に比べて大きく改善した。明日はさらに良くなるだろう」と述べた。



 
 
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エジプトで行方不明のグーグル幹部は当局が拘束か

2011.02.07 Mon posted at: 09:58 JST

(CNN) エジプトで約1週間前から消息を絶っていた米検索大手グーグルの幹部ワエル・ゴニム氏が、カイロで当局に拘束されていたとみられることが分かった。同国のテレビ局は同氏が7日に釈放される見通しだと伝えている。

実業家のナギブ・サウィリス氏はOTVで6日、ゴニム氏は7日午後4時に釈放されると語った。同国のスレイマン副大統領が6日に開いた政府と野党指導者との協議の場で、サウィリス氏に対しゴニム氏の釈放を約束したという。

国営ナイルテレビは、行方不明になっているグーグル幹部は7日に釈放されると発表するよう、シャフィク首相から要請されたと伝えた。ゴニム氏の居場所や置かれている状況についての説明はなかった。

これに先立ち国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは6日、ゴニム氏がエジプトの当局に拷問される恐れがあると述べ、当局に対し、直ちにゴニム氏の所在を公表するとともに、釈放または正式な訴追の手続きを取るよう求めていた。

ゴニム氏はグーグルの中東・北アフリカ担当マーケティング責任者で、1月23日からカイロに出張していた。アムネスティによれば、デモに参加するため28日に自身の兄弟と会う約束をしていたが姿を見せず、行方不明になっていた。家族のもとには、ゴニム氏がデモ参加中に当局に拘束されたという目撃証言が寄せられている。



 
 
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スレイマン氏主導の体制移行を支持…米国務長官

【ミュンヘン(ドイツ南部)=三好範英】クリントン米国務長官は5日、国際シンポジウム「ミュンヘン安全保障会議」で、エジプト情勢について、「スレイマン副大統領に率いられる移行プロセスを支援することが大切だ」と語って、米政府として初めて、スレイマン氏主導の体制移行を支持する立場を表明。

9月の大統領選実施に向けた漸進的な権力移行プロセスを支援していく考えを示した。

長官は、「政府による野党との対話は時間をかけて行う必要がある。そうでないと、過激な政治勢力により破壊される危険性がある」と述べ、秩序ある政権移行の重要性を強調。混乱に乗じてイスラム原理主義などが台頭することへの警戒感をのぞかせた。

(2011年2月7日00時02分 読売新聞)



 
 
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ムスリム同胞団は「反米思想」米大統領が見解

【ワシントン=山口香子】オバマ米大統領は6日、FOXニュースとのインタビューで、エジプトの最大野党勢力、イスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」について、「一勢力に過ぎず、過半数の(国民の)支持を得ているわけではない」と指摘、さらに、「よく組織されており、反米思想の傾向がみられる」と述べた。大統領が同胞団について見解を示すのは初めて。

この上で、オバマ大統領は、エジプトには政治参加を望む世俗派や市民も多く、「同胞団を選ぶか、エジプト国民が抑圧される状況を選ぶかといった二者択一ではない」と強調しながら、「秩序ある移行が進めば、米国のパートナーとなる政府が誕生すると確信している」と述べた。

また、エジプト野党勢力から即時辞任を突きつけられているムバラク大統領がいつ政権の座から降りるかを尋ねられると、オバマ大統領は、「どうするかは彼のみが知っている」「米国が(辞任の時期を)押しつけることはできない」と述べた。

(2011年2月7日11時32分 読売新聞)



 
 
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エジプト非常事態解除へ、副大統領と同胞団合意

【カイロ=田尾茂樹、久保健一】エジプトのスレイマン副大統領は6日、同国最大の組織力を持つイスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」など野党勢力代表と初の対話に臨んだ。

対話で両者は、サダト前大統領暗殺を機に1981年に発令されたままの非常事態について、治安の改善を条件に解除することで合意した。また、3月上旬までに政界や法曹界有力者からなる憲法改正委員会を設置することでも合意に達した。

副大統領との対話を終えた後、同胞団幹部のムハンマド・カタトニ氏は記者会見し、「期限を設けず、政権側と話し合いを続ける」と述べた。同胞団は「ムバラク大統領の即時辞任」要求を掲げながら、対話を継続する姿勢に転じている。

(2011年2月7日12時53分 読売新聞)



 
 
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イラン改革派、エジプト反体制派支持のデモ計画

【カイロ=久保健一】イランの改革派ニュースサイト「カラメ」は6日、改革派勢力が、エジプト反体制派を支持するデモを計画していると報じた。

政府による弾圧で弱体化しているイランの反政府運動を立て直す狙いがあるとみられる。

報道によると、改革派指導者のミルホセイン・ムサビ元首相らが5日、テヘラン中心部で14日にデモを開催したいと内務省に申し入れた。政府は改革派のデモ申請を再三却下しているが、エジプト反体制派デモについては支持する考えを重ねて表明していることから、対応に苦慮しそうだ。

(2011年2月7日18時06分 読売新聞)



 
 
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非常事態解除「歓迎」体制移行見守る市民

【カイロ=長谷川由紀】エジプト・カイロ中心部では6日もムバラク大統領の即時退陣を求めるデモが続いたが、スレイマン副大統領はイスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」など野党勢力との対話で、治安の改善を条件に30年ぶりに非常事態を解除する方針を示し、新体制移行への意欲を印象づけた。

6日には、銀行業務が再開するなど、市民生活の正常化を通じた反体制デモの沈静化を意図する政権側の動きも目立つ。「ムバラク後」をにらんだ政権と野党勢力との駆け引きが始まる中、市民生活も落ち着きを取り戻しつつある。

「歓迎するよ。警察なんかの圧力がなくなれば、本当に自由になれる」

カイロでクリーニング店に勤めるアブドラさん(25)が、非常事態解除への期待を話した。

1月下旬から続くデモで市民生活はマヒ状態が続き、エジプト財務省は経済的損失を約50億エジプト・ポンド(約690億円)と見積もった。政権と野党勢力との対話が早期の事態収拾につながることを望む声は強い。タハリール広場近くの銀行で、現金自動預け払い機(ATM)から金を引き出したファラグ・ムハンマド・アリさん(68)は「早くすべてが終われと神にお願いしたい」と訴えた。

再開したATMの前はどこも長蛇の列。数キロ離れた住宅街の銀行では早朝から並んだ人々が、通常より遅い午前10時の開店を待ちわびていた。

商店や市も徐々に再開し、通勤や買い物客が目立つようになった。車の通行量も増え、渋滞も起きている。

シャフィク首相は1月29日の就任後、略奪で被害を受けた商店への補償などを繰り返し表明。市民生活の復旧に取り組む姿勢をアピールしてきた。混乱長期化で苦しむ市民を味方に付けることで、反体制派の動きを封じ込める狙いがある。

実際、市民の間からは、ムバラク大統領の次期大統領選出馬断念表明や、一連の政権側の軟化姿勢を歓迎する声も聞かれる。

カイロの30歳代の地下鉄職員は「(反体制派の要求は)十分受け入れられた。でも野党勢力には期待できない。現体制の変化を見守るしかない」と語る。

(2011年2月7日10時21分 読売新聞)



 
 
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ムバラク氏即時辞任、求めない米の立場示唆

【ワシントン=山口香子】クリントン米国務長官は6日、エジプトのムバラク大統領が即時辞任した場合、「エジプト人が(早期に大統領選を実施する)現実に取り組まなければならない」とし、エジプトの野党勢力も「『より時間が必要だ』と言っている」と述べた。

訪問先のドイツからの帰途、記者団に語った。

長官の発言は、大統領の辞任はより大きな混乱をもたらしかねないとの認識から、米国が即時辞任を求めない立場に傾いていることを示唆したものだ。

(2011年2月7日18時55分 読売新聞)



 
 
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不明のグーグル幹部、エジプトで拘束 解放の見通し

2011/2/7 9:55

【カイロ=共同】ロイター通信によると、エジプトの首都カイロで1月27日から行方不明になっていた米インターネット検索大手グーグルの幹部が拘束されていたことが判明、7日に解放される見通しとなった。解放交渉に当たっているエジプトの実業家ナギブ・サウィリス氏が6日明らかにした。

同幹部が誰に拘束されているのかは不明だが、エジプト当局の可能性がある。サウィリス氏は衛星テレビのインタビューで、解放の確約を得たと話した。

グーグルは今月1日、同幹部が行方不明になっていることを公表し、情報提供を呼び掛けていた。



 
 
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エジプト野党、大統領の即時辞任譲らず デモ継続

2011/2/7 10:26

【カイロ=岐部秀光】ムバラク大統領の退陣要求デモで混乱が広がるエジプトの野党各勢力は6日夜、スレイマン副大統領との政権移行を巡る協議での合意について「(政権の歩み寄りが)不十分」と指摘した。非常事態法の即時解除などさらに政権の譲歩を求めていく立場を打ち出した。

政権側は同日の協議で、(1)野党候補者の大統領選出馬に道を開く「改憲準備委員会」設置(2)非常事態法解除の検討(3)一部政治犯の釈放−−などを譲歩案として野党に示した。

ただ、BBCテレビによると、有力野党勢力のムスリム同胞団幹部は「われわれの要求は満たされていない」と不満を表明。ムバラク大統領の即時辞任や、すべての政治犯釈放といった要求で譲らない立場を強調した。

AFP通信によると、反政府デモの中心となっている若者グループは、ムバラク大統領の退陣要求で足並みをそろえるための連合組織をつくったと発表した。

1月25日の発生からおよそ2週間となる反政府デモは6日も首都カイロなどで継続した。タハリール広場では同日深夜まで若者が居座り、政府への批判の声を上げた。

野党勢力の一翼にいるエルバラダイ国際原子力機関(IAEA)前事務局長はNBCテレビで、交渉に招かれなかったことを明らかにしたうえで「(政権移行の)プロセスが不透明だ」と批判した。



 
 
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米、ムバラク氏退陣圧力強める イスラム主導は警戒

2011/2/7 11:13

【ワシントン=大石格】米政府は6日、ムバラク・エジプト大統領への退陣圧力を一段と強めた。オバマ大統領は同日のFOXテレビ番組で、ムバラク氏の進退に関して「後戻りできないし、変化のときは今だ」と即時退陣を重ねて求めた。ただ「いつやめるかはムバラク氏だけが知っている」とも語り、説得がうまくいっていないことも示唆した。

クリントン国務長官は6日の公共ラジオ番組で、ウィズナー元駐エジプト米大使が「ムバラク大統領は地位にとどまるべきだ」としたことについて「政府の職務にない人の発言」と一蹴。「経済や政治の改革が必要だ。エジプトの指導者たちは応えなくてはならない」と語り、ムバラク氏の退陣を含む迅速な対応をエジプト側に促した。

オバマ氏に近いケリー上院外交委員長もNBC番組で「ムバラク抜きのエジプトへ向かいつつある」と述べ、早期退陣は不可避との認識を示した。委員長は、スレイマン副大統領らエジプト政府と野党勢力が6日の協議で非常事態法の解除で一致したことに関し「民主化への扉を開いた」と高く評価した。

オバマ大統領は今後のエジプト新政権づくりを巡り、開かれた言論と公正な選挙が重要だと強調。有力野党でイスラム原理主義政党の「ムスリム同胞団」に関して「(野党)勢力の一つにすぎず、国民の多数の支持は得ていない」との見方を示し、同胞団が今後影響力を持ち過ぎることは妥当でないとの認識を示した。



 
 
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スズキ専務、エジプト工場停止「前日から一部操業を開始」

2011/2/7 16:22

スズキ(7269)の広沢孝夫専務は7日の決算記者会見で、政情不安のエジプトで15%弱出資する現地会社の状況について「先週1週間は操業を取りやめていたが、前日は一部操業を開始したとの情報が入っている。連結子会社ではないため業績への直接的な影響はないが、アフリカで唯一の生産地域なので一刻も早く正常化してほしい」と述べた。同地域の昨年の生産台数は約7500台という。〔日経QUICKニュース〕



 
 
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エジプト、厳重な警戒続く カイロで数千人抗議

シャフィク内閣は初閣議へ

2011/2/7 20:15

【カイロ=岐部秀光】エジプト各地に広がる反政府デモは1月25日の発生から7日で2週間が経過した。ムバラク大統領は同日、シャフィク内閣発足後、初めての正式な閣議を招集。前日のスレイマン副大統領と野党による協議を受け、今後の対応について話し合う見通しだ。事態打開に向け焦点は与野党の政治交渉に移りつつあるとの見方もあるが、デモに参加する若者らはムバラク大統領の即時辞任要求で譲らない立場。7日も首都カイロのタハリール広場で数千人が政権の対応に抗議の声を上げた。

カイロでは多くの商店が7日も営業停止を続けた。一部営業を再開した銀行の前では預金を引き出そうとする人々が長い列を作った。学校などの公共サービスも停止したままだ。カイロ中心部ナイル川沿いの通りでも軍が戦車を配置して厳重な警戒を続けている。

通貨エジプトポンドは7日も対ドルで続落し、2005年1月以来の安値となっている。

ロイター通信によるとパレスチナのガザとの境界にある都市ラファハでは、何者かがロケット弾で治安部隊が拠点とする建物を攻撃、警官1人が負傷した。事件の背景は明らかでない。



 
 
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エジプト反政府活動、グーグル幹部が支援か 米紙報道

2011/2/7 21:57

エジプトの首都カイロで拘束されていたとみられる、米インターネット検索大手グーグル幹部ワエル・ゴニム氏が、ネットを活用した同国での反政府活動で重要な役割を果たしていた可能性があると7日、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)が報じた。

ゴニム氏は1月下旬から行方不明となり、6日に拘束されていたことが判明。7日に解放される見通しとされる。同紙が関係者の話として報じたところでは、ゴニム氏はソーシャルメディアを使ったネット上での政治活動を支援。エルバラダイ前国際原子力機関(IAEA)事務局長の支援サイト立ち上げにも協力したという。



 
 
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NY株、6日続伸で始まる 35ドル高

大型M&Aが支え

2011/2/7 23:52

【NQNニューヨーク=横内理恵】7日の米株式相場は買いが先行している。ダウ工業株30種平均は6日続伸し、午前9時40分現在、前週末比35ドル73セント高の1万2127ドル88セントで推移している。ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日続伸し、同6.87ポイント高の2776.17で推移している。複数の大型M&A(合併・買収)発表が株式市場への資金流入期待につながり、株式相場を支えている。エジプトで一部銀行などが営業を開始したと報じられ、エジプト情勢が安定に向かえば投資家がリスクを取りやすくなるとの見方が出ていることも支援材料。

7日に工具・通信関連機器メーカーのダナハーが医療機器メーカーのベックマン・コールターを買収すると発表。両社とも株価は上昇している。英油田掘削サービス大手エンスコが買収すると発表した同業のプライド・インターナショナルも大幅高。大規模な経営体制の刷新を予定していると報じられたフィンランドの携帯電話大手ノキアも高い。

一方、エンスコが安く始まった。7日にニュースメディア企業を買収すると発表したインターネットサービス大手AOLも安い。朝方発表した四半期決算が大幅減益だった医療保険大手ヒューマナが下落。決算で売上高が市場予想を下回った玩具大手ハズブロも小安い。



 
 
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エジプト通貨が最安値 外為取引再開、証取は休場続く

2011/2/7 10:35

【カイロ=松尾博文】ムバラク大統領退陣をめぐる抗議デモが続くエジプトで6日、1月27日以来取引が停止されていた外国為替市場が再開した。通貨エジプトポンドは前営業日比1.28%下落の1ドル=5.93エジプトポンドで取引を終え、6年ぶりに安値を更新した。一方、証券取引所は取引再開のめどが立たず、混乱長期化で同国経済の先行きを不安視する見方が強まっている。

大規模デモなど最近の混乱を受け、外為市場が再開した場合、エジプトポンドは主要通貨に対し20〜25%下落するとの予測も市場関係者の間では出ていた。ただ、この日は取引額は通常の日曜日に比べ2〜3倍に膨らんだものの、エジプトポンドの下落幅は小幅にとどまった。エジプト中央銀行が市中銀行を通じてドルを売る介入に動いたとの見方もある。

エジプトでは6日、抗議デモの激化を受けて休業していた銀行が営業を再開。あちこちの銀行店舗で行列をつくって待つ人々の姿も見られた。

一方、エジプト証券取引所は、6日と7日に続いて8日も休場することを決めた。同証取はいったん7日に取引を再開すると決めたが、混乱が続いているため再開を延期した。再開する場合には48時間前に告知するとしている。

エジプトでは1月25日の抗議デモ発生以来、金融・証券機能がまひ、工場が操業を停止するなど影響が広がっている。多くの商店が休業するなど市民生活への影響も深刻で、政府は正常化を急いでいる。

外国人の出国や旅行キャンセルも続いており、スレイマン副大統領は「観光業だけで10億ドルの損失が生じた」と述べた。



 
 
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最大野党勢力、政権側と対話 エジプト、改憲委設置へ

2011年2月7日0時35分

反政権デモが続くエジプトで、最大の野党勢力ムスリム同胞団が6日、スレイマン副大統領ら政権側との対話に初めて応じた。一方、ムバラク大統領の即時退陣を求める声はやまず、カイロ中心部タハリール広場には同日も1万人を超える人々が集まった。

【カイロ=貫洞欣寛、前川浩之】スレイマン副大統領は6日、ムスリム同胞団などの野党や、財界人、知識人らを招き、対話した。大統領選の立候補資格の見直しなど憲法改正に関する委員会の設置で合意した。

1981年以来続く非常事態令も議題に上ったが、その解除については「治安状況を見極める」と条件がついた。解除は政権側の一存でできることから、デモ収束を引き出すための取引材料にしたいとの思惑が政権側にはあるとみられる。同胞団幹部は対話後、ロイター通信に、政権側の姿勢について「意欲は感じたが、具体的な変化は何もない」と述べた。

同胞団は穏健派イスラム勢力で、非合法化されているが、草の根のネットワークを通じた動員力を誇る。一連の反政権デモは、途中から同胞団が加わったことで規模が拡大した。合法化などを見返りとして、同胞団がデモへの動員をやめれば、事態の行方に大きな変化が出る可能性がある。同胞団幹部のカタトニ氏は同日、朝日新聞に「危機的状況からの出口を見つけるため、若者たちの声を届けることが必要と判断した。政権側に誠実さが見られなければ対話を打ち切る」と話した。

対話にはスレイマン副大統領に実権を委譲し、ムバラク大統領は名誉職としてとどまることを提案する財界人や知識人らによる「政権移行賢人委員会」のメンバーや、民主化運動指導者のエルバラダイ前国際原子力機関(IAEA)事務局長のグループも参加。だが、衛星テレビ局アルアラビアによると、スレイマン副大統領は実権の委譲を拒否したという。

対話に先立ち、政権側は「改革」姿勢を強調。与党・国民民主党は5日、ムバラク大統領次男のガマル政策委員長やシェリフ幹事長ら党幹部の辞任を発表した。ガマル氏は、大統領を「世襲」するとみられていたうえ、政策委員長として進めた急進的な経済開放政策が「貧富の差を拡大して社会の腐敗を広げた」との批判があった。シャフィク首相は4日夜、国営テレビのトークショーに出演し「与党の改革が必要だ」と述べた。  一方で、ネットでつながる若者主体の「4月6日運動」の広報担当者は「私たちはムバラク退陣まで政権と交渉はしない。ほかの団体がいなくなっても、デモを続ける」とし、対決姿勢を崩していない。タハリール広場にはこの日も1万人以上が集結し、これまで同様、ムバラク氏の即時退陣を訴えている。

デモに参加し、広場で5日目の朝を迎えた公務員ムスタファ・シャラビさん(35)は「仕事に行く気はない。自由には犠牲が必要だ」と話した。5日はカイロでは珍しく雨が降り、大勢がビニールシートの下で一夜を明かした。



 
 
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同胞団「取引には応じぬ」 ムバラク氏の即時退陣譲らず

2011年2月7日14時26分

【カイロ=貫洞欣寛】反ムバラク政権デモが続くエジプトで、政権側と初の公式対話を行った最大野党勢力ムスリム同胞団が6日夕、カイロ市内で会見した。対話について「政権側の意欲は感じたが、ムバラク大統領の退陣という最優先課題を認めなかった」と述べ、今後もムバラク氏の即時退陣を要求の軸とする考えを示した。

この日、政権側と各野党勢力の間で行われた対話では、与党以外からの大統領選立候補を事実上不可能にしている憲法の改正などを協議する委員会の3月第1週までの設置▽政府に無制限に近い権限を与えてきた非常事態令を「治安状況が改善されれば」廃止▽汚職の追及−−などで暫定的に合意したが、これが実行されるかどうかは、現段階では不透明だ。

対話に出席した同胞団幹部のムハンマド・ムルシ氏によると、スレイマン副大統領は「状況を沈静化したい。変化はすでに始まっている。新しい大統領を選ぶ道を探るために話し合いたい」とあいさつしたという。非合法化されている同胞団の合法化などを材料に政権側と取引する可能性について、ムルシ氏は「不正な取引は神がお許しにならない」と語り、否定した。

対話には民主化運動指導者のエルバラダイ前国際原子力機関(IAEA)事務局長が立ち上げた民主化団体の代表者も加わっているが、エルバラダイ氏は同日、米NBCテレビに「私自身は招かれていない。だれとだれが対話しているのか、不透明だ。すべては軍部が仕切っている」と批判した。

一方、NPO「ジャーナリスト保護委員会」(本部・米国)によると、エジプトでのジャーナリストや報道機関への攻撃は、この1週間で少なくとも114件にのぼっている。衛星テレビ局アルジャジーラによると、同局の記者が6日、カイロ市内で一時拘束された。

スレイマン副大統領は「友好国なのに非友好的な衛星テレビ局を持つ国がある」と述べ、アルジャジーラが拠点とするカタールを批判。エジプト国営テレビも「外国勢力の介入を許すな」「外国メディアがデモをあおっている」と報じており、報道関係者や外国人を排斥する空気が強まっている。報道関係者ではない日本人が、かばんにカメラを入れて歩いていただけで警察に連行された例もある。



 
 
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From:ワシントン カイロ演説の重み

民主化要求の嵐が吹き荒れるカイロ。この地で2年前に演説したオバマ米大統領は今、自分の言葉の重みをかみしめているだろう。米国の威信復活をかけ、ブッシュ前大統領の路線との決別を宣言した演説だったが、逆に自身の立場を苦しいものにしている。

01年米同時多発テロ後、前大統領はアフガニスタン、イラクで「対テロ戦争」に突き進んだ。そして03年に打ち出したのが、「中東民主化」構想だ。非民主的な体制は過激主義の土壌だとみなして、イラクのフセイン独裁政権打倒を皮切りに、中東での「民主化ドミノ」を目指した。米国の価値観の押しつけだ。

だがこれはジレンマをはらんでいた。同盟国イスラエルを無理やり説得してまで実施された06年のパレスチナ評議会選挙で、米国がテロ組織に指定するイスラム原理主義組織ハマスが圧勝、単独政権を樹立してしまったのだ。前大統領はこの民意の結果を無視し、イスラム社会の反発がさらに膨らんでしまった。

だからオバマ大統領はカイロ演説で、イスラム教徒と米国の「新たな関係の始まり」を訴え、「いかなる統治制度も、ある国家が他の国家に強要することはできない」ことを確認したのだ。

中東では今、米国の押しつけではなく、自発的な民主化ドミノが起きつつある。その障害になっているエジプトのムバラク大統領に対し、オバマ大統領は「民主化移行を早急に始める必要がある」などと、退陣要求を示唆する発言はした。

だが「やめろ」とは明言しない。演説で「強要できない」と確認した以上、言いたくても言えないのだろう。ある政府高官は記者団に「『今、やめなさい』以外は何を話してもいいと(上司に)言われているんでしょ?」と聞かれ、「……それは答えられない質問だ」と戸惑っていた。

仮にムバラク氏退陣、「自由で公正な選挙」という流れが実現すれば、エジプト社会に根付いている穏健派イスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」の台頭が予想される。

米専門家の間では、同胞団が議会の過半数を占めることはないというのが通説で、オバマ大統領もそのあたりは考慮しているのかもしれない。

ただムバラク氏の暫定政権への権限移譲を求め、オバマ大統領を後押しした米上院の決議だが、同胞団を含む過激派思想を支持する組織には「深い懸念」を表明している。同胞団は、ハマスのルーツの組織だ。

さらにアラブ社会全体の人口の約3割を占めるエジプトでイスラム勢力が議会進出すれば、程度の差はあれ、他の親米独裁国家にも波及するだろうし、反米政権に転換する可能性だってある。

「イスラム教徒との新たな関係」を掲げたオバマ大統領はどこまで自身の信念を貫けるか。覚悟が問われるのはこれからだ。【草野和彦】

毎日新聞 2011年2月7日 東京朝刊



 
 
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エジプト:徐々に活気 銀行、商店が営業再開

【カイロ樋口直樹】反政府デモ発生から13日目に突入したエジプト国内では6日、デモ本格化で閉鎖されていた銀行が業務を再開するなど徐々に活気を取り戻しつつある。カイロ中心部のタハリール広場では数千人が大統領の即時退陣を要求するデモを続けたが、政権側と野党勢力の対話が行われたことを受けて明るい表情の市民も見受けられた。

ナイル川の中州に位置し、銀行の支店が建ち並ぶ繁華街ザマレクには、開店前の銀行に数百人の客が列を作った。会社経営のモアズさん(23)は銀行の整理券を握りしめ、「ようやく従業員に給料を渡せる。みんな困っていたんだ」とうれしそうな表情を見せた。団体職員のワフビさん(31)も「家賃を払えずにいた。これでオーナーも安心するだろう」と顔をほころばせた。

シャッターを下ろしていた商店街も息を吹き返し、野菜やパンなどを売る露店も開店。道路は朝から通勤の車で渋滞した。

市民の多くは生活の「正常化」を歓迎している。しかし、反政府デモに対する意見はさまざまだ。ムバラク大統領の今期限りの引退宣言を受け、「普段の生活に戻るべきだ」(モアズさん)との意見が勢いを増す一方、「強力な抗議デモが続かなければ、政府は民衆の声に耳を貸さなくなる」(会社員・29歳)との声も聞かれた。

一方、与党・国民民主党(NDP)の執行委員会メンバー6人が5日、一斉に幹部職を辞任した。この中にはムバラク大統領の次男で同党ナンバー2のガマル氏も含まれている。今回の政変以前は次期大統領の有力候補とも見られたガマル氏だが、政界からの引退は確実となった。

また、中東の衛星テレビ・アルジャジーラは5日、警察に前日拘束された同社カイロ支局長が解放されたことを明らかにした。

毎日新聞 2011年2月7日 東京朝刊



 
 
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エジプト:「ムスリム同胞団」に存在感 大統領支持・不支持、共に影響力注視

【カイロ鵜塚健】政情不安の続くエジプトで、穏健派のイスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」の存在感が増している。大統領支持派、反大統領派とも「ムバラク後」のかぎを握る同胞団の影響力を利用しようとしているのだ。しかし一方では、同胞団の勢力拡大がイスラム主義の過剰な台頭につながることへの警戒感も広がっている。

反大統領派の抗議デモは当初、若者を中心とする「4月6日運動」が先導したとされ、次第に幅広い層にデモへの支持が拡大した。ムバラク政権に反対する既存政党・組織がこの流れに乗り、先月27日には最大の野党勢力とされるムスリム同胞団が支持を表明した。

同胞団は手厚い医療や福祉でエジプト国内の貧困層に支持を広げてきたが、54年に非合法化され、世俗的な政策を取るムバラク政権も抑圧を続けてきた。6日の政権側との対話には非合法勢力でありながら参加して存在感を示した。

ただ、大統領支持派だけでなく、反大統領派の中にも同胞団の影響力拡大を警戒する世俗的な勢力は多い。同胞団が合法化されて大きな政治的発言力を持つようになれば、イスラエルとの平和条約や対米関係の見直しなど、外交・安全保障面で大きな政策変更を余儀なくされかねないからだ。厳格なイスラム主義の導入で市民生活に大きな影響が出るのではないかという懸念もある。

大統領支持派の観光船運航会社勤務、サミルさん(25)は「デモに乗じて、イランやハマス(パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム原理主義組織)とつながる同胞団が力を増すのは間違いない。デモを続ける市民もその危険性に気づくべきだ」と指摘。反大統領派の旅行会社勤務、アレーさん(24)も「同胞団の狙いは明らかに権力の掌握だ。彼らが権力を握ったら、観光やメディアなどに大きな悪影響が出る。だから、彼らの勢力拡大は望んでいない」と話した。

毎日新聞 2011年2月7日 東京朝刊



 
 
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クリントン米国務長官:ムスリム同胞団がエジプト政府と対話、歓迎の姿勢

【ワシントン草野和彦】AFP通信によると、ドイツ・ミュンヘンでの安全保障会議に出席したクリントン米国務長官は6日、ムスリム同胞団がスレイマン副大統領との対話に応じたことについて「少なくとも今は、米国が働き掛ける対話の輪に加わっている」と歓迎する一方で、今後の同胞団の出方を注視する方針を示した。

長官はこれに先立つ5日、「スレイマン氏主導の(政権)移行プロセスを支持することが重要」と指摘し、米国が「緩やかな改革」を志向し始めたことを示唆した。長官は政権移行期には「どの社会にも(移行)プロセスを邪魔したり、自身の目的のために乗っ取ろうとする勢力がいる」と述べ、急激な社会変化の混乱に乗じたイスラム過激派の影響力拡大に懸念を表明。同胞団にもエジプトとイスラエルの国交維持などの意思を再確認するとみられる。

一方でバイデン米副大統領は5日、スレイマン氏との電話協議で、改革への明確なスケジュールの必要性などを強調した。

毎日新聞 2011年2月7日 東京朝刊



 
 
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エジプト:ムバラク氏は党首辞任せず

【カイロ支局】中東の衛星テレビ・アルアラビーヤは5日、エジプトのムバラク大統領が与党・国民民主党(NDP)の党首を辞任したと報じたが、その後、辞任していないと修正した。

毎日新聞 2011年2月7日 東京朝刊



 
 
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エジプト新内閣が初の閣議、対応探る デモ発生2週間

カイロでは、なお数千人が抗議

2011/2/8 1:08

【カイロ=岐部秀光】エジプト各地に広がる反政府デモは1月25日の発生から7日で2週間が経過した。シャフィク内閣は発足後、初めての正式な閣議を開催、前日のスレイマン副大統領と野党による協議を受け、今後の対応について話し合ったもよう。事態打開に向け焦点は与野党の政治交渉に移りつつあるとの見方もあるが、デモに参加する若者らはムバラク大統領の即時辞任要求で譲らない立場だ。

7日も首都カイロのタハリール広場で反体制派の数千人が政権の対応に抗議の声を上げた。カイロの多くの商店は同日も営業停止を継続。一部営業を再開した銀行の前では預金を引き出そうとする人々が長い列を作った。学校などの公共サービスも停止したままだ。

カイロ中心部ナイル川沿いの通りでも軍が戦車を配置して厳重な警戒を続けている。通貨エジプトポンドは7日も対ドルで続落し、2005年1月以来の安値となっている。

シャフィク新首相(前民間航空相)は空軍出身。エジプト国営テレビによると同日の閣議は公務員給与の大幅な引き上げを決定した。物価上昇に苦しむ人々の不満を和らげる狙いとみられる。また午後7時からの夜間外出禁止令は午後8時からに緩和された。

ロイター通信によるとパレスチナのガザとの境界にある都市ラファハでは、何者かがロケット弾で治安部隊が拠点とする建物を攻撃、警官1人が負傷した。事件の背景は明らかでない。



 
 
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エジプトで拘束のグーグル幹部、解放の報道

2011/2/8 1:23

【カイロ支局】中東のテレビ局アルアラビーヤは7日、エジプトの首都カイロで1月下旬から行方不明となり、拘束されていることが判明した米インターネット検索大手グーグルの幹部ワエル・ゴニム氏が解放されたと報じた。同氏を巡っては米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ、電子版)がネットを活用した同国での反政府活動で重要な役割を果たしていた可能性があると伝えていた。

WSJ紙が関係者の話として報じたところでは、ゴニム氏はソーシャルメディアを使ったネット上の政治活動を支援。エルバラダイ前国際原子力機関(IAEA)事務局長の支援サイト立ち上げにも協力したという。



 
 
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NY金が小幅続落、終値1348ドル エジプト安定観測で

2011/2/8 6:34

【NQNニューヨーク=古江敦子】7日のニューヨーク金先物相場は小幅に続落した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心である4月物は前週末比0.8ドル安の1トロイオンス1348.2ドルで終えた。エジプト情勢が安定に向かっているとの見方が広がった。投資家のリスク回避姿勢が後退し、逃避資金の受け皿となりやすい金に売りが出た。

ムバラク大統領の退陣要求デモが続くエジプトで6日、与野党が政権移行を巡り協議を始めた。デモ拡大で休業が続いていた銀行が一部営業を再開したとも伝わった。同国の政情不安が徐々に収束に向かっているとの見方が強まり、金を売る動きがやや強まった。

この日は米国で注目度の高い経済指標の発表がなく、取引材料に乏しかったため、相場に方向感が出にくかったとの声も聞かれた。

銀は3日続伸した。プラチナは3営業日ぶりに反落した。



 
 
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NY原油、3日続落 3月物87.48ドルで終了 エジプト不安後退で

2011/2/8 6:39

【NQNニューヨーク=古江敦子】7日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は3日続落した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の3月物は前週末比1.55ドル安の1バレル87.48ドルで終えた。エジプト情勢が安定に向かっているとの見方から、中東の原油供給が滞るとの観測が後退し、売り優勢となった。

ムバラク大統領の退陣要求デモが続くエジプトで6日、与野党が政権移行を巡り協議を始めた。休業が続いていた銀行も一部営業を再開したと伝わった。同国の政情不安が近隣の主要産油国に広がる可能性が一段と後退し、原油に売りが膨らんだ。

米国で原油の需給緩和への警戒感が強まったことも、売りにつながった。9日発表の週間の米石油在庫統計で、原油在庫が前週に続き増加するとの観測が広がった。

ガソリンは反発。ヒーティングオイルは3日続落した。



 
 
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エジプトで拘束のグーグル幹部解放 同社が発表

2011/2/8 9:28

【シリコンバレー=奥平和行】インターネット検索最大手の米グーグルは7日、エジプトの首都カイロで1月下旬から拘束されていた同社幹部のワエル・ゴニム氏が解放されたと発表した。グーグルは米西部時間の7日午前10時過ぎに簡易ブログ「ツイッター」を通じて「ゴニム氏が解放されて大変安堵している」とのメッセージを投稿した。

ゴニム氏も同日午前11時ころ(米西部時間)ツイッターに「自由は戦うに値するものだ」などと書き込んだ。ゴニム氏は1月27日からエジプトで行方不明になり、グーグルは今月1日にこの事実を公表、情報提供を呼びかけていた。



 
 
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エジプト新内閣、貧困層に懐柔策 公務員給与も上げ

財政悪化懸念の声も

2011/2/8 10:21

【カイロ=花房良祐】反政府デモの混乱が続くエジプトで7日、内閣総辞職を経て発足したシャフィク内閣は初閣議を開き、当面の経済政策を打ち出した。食料価格を抑える補助金の継続や公務員らの給与引き上げが柱。ムバラク大統領の即時退陣を求める野党勢力と権力移行の軟着陸を探るスレイマン副大統領の対話が続く中、国内貧困層などを懐柔して混乱激化を抑える狙いだが、財政事情の悪化を懸念する声も強まっている。

補助金は肥大化した政府部門の象徴的な政策。ガリ前財務相は昨年、2010会計年度(10年7月〜11年6月)に1010億エジプトポンド(約1兆4千億円)に上ると予想。財政赤字削減や民間部門の競争力向上のため補助金減額を続けてきたが、軌道修正を迫られた形だ。

エジプト国民の4割は1日2ドル(約164円)以下で生活する貧困層と言われ、消費に占める食費の割合「エンゲル係数」が高い。だがロシアの昨年夏の小麦禁輸などを受けてパンなどの食料価格が高騰。貧困層が抗議デモに加わる一因となっていた。政府は補助金を通じた懐柔策で不満の沈静化を目指す。

公務員の給与と軍人などの年金も4月から15%上げ、政権の支持基盤への配慮もみせた。ラドワン財務相は年金の引き上げは65億エジプトポンド(約900億円)の歳出増につながると指摘した。

国際通貨基金(IMF)によるとエジプトの債務総額は国内総生産(GDP)比7割強に達する。ただでさえ悪い財政収支の状況は、補助金の規模の維持や公務員の給与引き上げで一段と悪化しかねない。抗議デモによる治安懸念が主要産業の観光を直撃する中で、税収が減少する可能性もある。

一方、政府はこれまで進めてきた外資導入を進める方針を継続することも確認した。シャフィク首相は閣議後に「開放政策を促進し、外国からの投資誘致を加速する」と言明。海外からの投資誘致で財政悪化に歯止めをかけるとともに、開かれたイメージを強調し、混乱収拾への欧米の圧力を少しでもかわしたい姿勢をにじませた。



 
 
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米大統領、エジプト政権移行の本格協議を評価

2011/2/8 10:22

【ワシントン=弟子丸幸子】オバマ米大統領は7日、エジプト情勢について「(政権移行への)道筋を巡る交渉が必要なことは明白であり、その中で進展がある」と述べ、政権側と野党勢力の協議本格化を評価した。ワシントン市内で記者団に語った。米政府はスレイマン副大統領が主導する協議を見守る方針だ。

これに関連し、ギブズ大統領報道官は同日の記者会見で、穏健派のイスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」が協議に参加することの是非は「米国が決めることではない」と述べた。非合法ながら事実上の最大野党勢力である同胞団の動きは政権移行協議の焦点となっている。



 
 
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エジプト中銀、短期国債の入札実施 利回りは上昇

2011/2/8 11:09

【カイロ=松尾博文】ムバラク大統領退陣を求める抗議デモが続くエジプトで7日、同国中央銀行が総額130億エジプトポンド(1800億円)の短期国債の入札を実施した。国債入札はデモの影響で休業していた銀行が6日に営業再開して以降初めて。エジプト経済減速への不安を背景に前回入札より利回りが上昇、調達額も当初予定していた150億エジプトポンドを下回る結果になった。



 
 
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エジプト改憲準備委が発足、大統領令 野党との合意履行

2011/2/8 21:50 (2011/2/9 1:16更新)

【カイロ=松尾博文】エジプトのムバラク大統領は8日、民主的な大統領選挙の実施に向けた改憲準備委員会の設置を命じる大統領令を発令、準備委は同日発足した。野党との合意を実行に移し、政権移行への手順を示し事態の沈静化につなげる狙い。ただ、カイロでは大統領の即時辞任を求める若者ら数万人が集結しており、野党との協議を進めつつ、いかにこうした無党派層を説得するかが事態収拾の焦点となりつつある。

改憲準備委の設置はスレイマン副大統領が8日読み上げた声明で明らかにした。大統領は野党との合意履行を監視する委員会や、反体制派に多数の死傷者が出た2日の衝突を調査する委員会設置も命じた。改憲準備委は最高裁長官をトップに11人で構成する。大統領は履行監視委員会についても即時始動をシャフィク首相に指示した。

副大統領と主要野党は6日の協議で大統領選の立候補要件を緩和する憲法条項の改正や非常事態法の解除を検討することを確認した。副大統領は8日の会見で、大統領が野党との政権移行協議を歓迎していると指摘。「我々には平和的で秩序ある政権移行のための行程表がある」と合意履行への取り組みを強調した。政権側には合意の迅速な履行に動くことで野党の信頼を確保、今後の協議を円滑に進める思惑があるとみられる。

主要野党は政権との協議に応じたものの、組織に属さない若者層は大統領の即時退陣を求める構えを崩していない。カイロでは8日も、若者が中心の草の根組織「4月6日運動」などの呼びかけでデモが発生した。ロイター通信によると、中心部のタハリール広場に数万人が結集、近くの人民議会も反体制派が取り囲んだ。



 
 
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エジプトのデモ3週目に突入、大統領辞任求める声やまず

2011.02.08 Tue posted at: 09:52 JST

カイロ(CNN) エジプトで続いている反政府デモは8日で3週目に突入した。首都カイロのタハリール広場では参加者が人間の鎖を作り、ムバラク大統領が辞任に追い込まれるまで解散しないと宣言した。

2007年の映画「君のためなら千回でも」に出演した俳優のハリド・アブダラさんは7日、「タハリール広場はムバラクの即時辞任と同政権の解体を求める」と語った。

7日には新内閣が初閣議を開催、政府は平常感を取り戻そうと外出禁止令の時間を短縮して午後8時から午前6時までとした。営業を再開する銀行や店舗も増え、証券取引所は13日に取引を再開すると発表した。

スレイマン副大統領は6日に野党勢力の代表者と会談して譲歩の姿勢を示した。しかし野党勢力の一部からは政府の意図について、ムバラク大統領の権力を維持したままデモを終わらせるための策略ではないかと疑念の声が出ている。

米国務省広報担当のクローリー氏もこの会談について「十分に幅広いものとはいえない」との認識を示した。会談に加わるべき人物の実名を挙げることは避けながら、「エジプト社会における主要人物」が招かれていないと述べ、デモによって政府の真の動機を試すべきだとした。



 
 
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エジプトで拘束のグーグル幹部解放

2011.02.08 Tue posted at: 10:22 JST

カイロ(CNN) エジプトで1月28日から行方不明になっていた米インターネット検索大手グーグルの幹部、ワエル・ゴニム氏が7日解放された。

グーグルは現地時間の午後8時すぎ、ツイッターで「ワエル・ゴニム氏が釈放された」と発表。ゴニム氏も同じころ、自身のアカウントで「自由は戦うに値するものだ」「私が今日出られたのはホサム・バドラウィ氏のおかげだ」とつぶやいた。バドラウィ氏は与党国民民主党(NDP)の事務局長に就任した人物。

ゴニム氏は釈放後、同国のドリームTVに出演。拘束された時の様子について、午前1時ごろにタクシーをつかまえようとしていたところ、「突然、4人に取り囲まれて拉致された。『助けてくれ』と叫んだが、相手は治安部隊だと分かっていた」と振り返った。

ゴニム氏はまた、反政府デモを組織しているフェイスブックのページに自分がかかわっていたことも打ち明け、「われわれはこの政治体制を打倒しなければならない」と述べた。インタビューの後半にはデモで死亡した人たちの写真を見て涙を流し、「神に誓ってこれはわれわれの過ちではない。権力に貪欲ににしがみついている者たちの過ちだ」と語った。

同氏はドバイに勤務するグーグルのマーケティング担当幹部。エジプトで1月25日から始まったデモに参加していたが消息を絶ち、グーグルや家族が行方を捜していた。



 
 
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エジプト副大統領、同胞団敵視の動かぬ記録 米公電流出

2011年2月8日0時49分

【カイロ=北川学】エジプトのスレイマン副大統領が、6日に初めて対話した最大野党勢力「ムスリム同胞団」を敵視する発言を繰り返していたことが分かった。内部告発サイト「ウィキリークス」に流出した米国の外交公電に記載された情報として6日、ロイター通信が伝えた。

それによると、2006年2月に駐エジプト米国大使が発信した公電に「ムスリム同胞団は11の異なるイスラム過激派組織を生みだした」とするスレイマン氏の発言が書かれていた。

また、スレイマン氏は同月にエジプトを訪問した米連邦捜査局(FBI)長官に対し、「同胞団は、宗教組織でも社会組織でも政党でもない。それらの寄せ集め」と説明。「宗教の影響力を利用して人々を動員することが主な脅威だ」としたうえで、05年の議会選で同胞団が躍進したことを「不幸だ」と述べたとしている。

08年1月の公電には「イランは以前、エジプトの過激派を支援してきた。もしも過激派が同胞団に肩入れしたら、同胞団は『我々の敵』になる」とするスレイマン氏の発言を記述。同氏がイランと同胞団の関係を警戒している様子が分かる。

スレイマン氏は1月末に副大統領に就任するまで、情報長官として、非合法化された同胞団の動向を監視する立場だった。



 
 
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エジプト、公務員給与や年金15%増 デモ収束図る

2011年2月8日10時18分

【カイロ=玉川透】相次ぐ大規模デモで即時辞任を求められているエジプトのムバラク大統領は7日、デモの混乱を受けて改造した新内閣の初閣議を開き、公務員の給与や年金の15%引き上げなどを決めた。政府に対する国民の不満を和らげ、デモ収束につなげる狙いがあるとみられる。

AP通信によると、公務員給与などの引き上げは、約600万人を対象に4月から実施する予定で、国家財政から約65億エジプトポンド(約900億円)を確保するという。

カイロ中心部のタハリール広場には7日も数千人を超えるデモ隊が残っているが、政府は夜間外出禁止令を前日より1時間短縮した。エジプト航空のカイロ発着便も通常の運航に戻りつつあり、社会生活は正常化が進んでいる。

一方で、AFP通信によると、カイロ国際空港の通関当局は同日、エジプト外務省の指示で、諸外国の在エジプト公館が本国などと物品をやりとりする「外交行嚢(こうのう)」について、X線などによる検査を始めた。本来、外交行嚢の中身は外交特権で機密扱いとされるが、同国外務省は「一部の在外公館が外交行嚢で武器や通信機器を持ち込んでいる」との疑いを強めている。



 
 
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オバマ氏「エジプト、進展している」 野党との対話評価

2011年2月8日10時36分

【ワシントン=望月洋嗣】オバマ米大統領は7日、政権移行をめぐる交渉が始まったエジプト情勢について「進展している」との見方を示した。米商工会議所で演説後、代表取材団に語った。

ギブズ大統領報道官は同日の記者会見で、「エジプトで非常に大きな変化があった」とし、ムバラク氏が9月の大統領選への不出馬を表明し、スレイマン副大統領主導で野党勢力との対話が始まった点を評価。米政府として自由で公正な選挙につながる政治プロセスを支援する意向も示した。一方、最大野党勢力のムスリム同胞団については、「米政府と大きな隔たりがあり、接触をしていない」と、距離を置く姿勢を見せた。



 
 
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国営テレビ前のデモ不発 軍が阻止 エジプト

2011年2月8日22時31分

【カイロ=前川浩之】ネットで反政権デモを呼びかけてきた若者主体のグループ「4月6日運動」が、8日午後に計画していた国営テレビ局前でのデモが、軍の阻止で不発に終わった。

エジプト軍は、情報省や外務省の庁舎が集まる国営テレビ局付近に30を超える戦車や装甲車を配備。コンクリート製のバリケードで一帯の道路を封鎖し、デモ隊の侵入を防いだ。タハリール広場でのデモは静観している軍だが、政府の中枢機関付近でのデモは許さなかった。



 
 
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ムバラク新内閣、公務員給与引き上げ決める

【カイロ=田尾茂樹】ムバラク大統領は7日、新内閣発足後初の閣議を開き、公務員給与の引き上げなどを決めた。

AP通信が伝えた。政府に対する不満を和らげる狙いとみられる。

カイロ中心部のタハリール広場では数千人が泊まり込みを続けており、7日もデモ参加者が結集した。

知識人らの反体制グループ「キファーヤ(もうたくさん)運動」のカリマ・ヘフナーウィさん(58)は「野党はデモ参加者を代表していない。ムバラクが辞めるまでデモを続ける」と話した。

広場につながる道路は軍が戦車や鉄条網で封鎖、身分証を厳しく調べて入場を制限し、デモ隊と大統領支持派の衝突を防いでいる。

(2011年2月8日01時21分 読売新聞)



 
 
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エジプト野党指導者「ムバラク氏9月まで留任」

【カイロ=久保健一】エジプト野党勢力の有力指導者エスマト・サダト氏(53)は6日、読売新聞と会見し、ムバラク大統領が9月の大統領選まで留任することで、対話に出席した与野党勢力が実質的に合意したことを明らかにした。

サダト氏は6日、野党勢力とスレイマン副大統領が行った対話に出席した。大統領選までの政治枠組みについて、ムバラク大統領が実務から退き「スレイマン副大統領が実際の政務を執る」という政権側の構想を「全野党勢力が事実上受け入れた」と述べた。

また、「(与野党は)憲法の枠内で平和的な権力移譲を図ることで合意した」と明言。「これは実質的に大統領を即時辞任させることはない、という意味だ」と述べた。

ただ、イスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」は表向きは大統領の即時辞任を求めている。サダト氏は「彼らは賢明。むちゃな要求は徐々に取り下げるだろう」との見方を示した。

サダト氏は、1981年にエジプトのイスラム過激派に暗殺されたアンワル・サダト前大統領のおいで、最近設立された世俗派政党「改革発展党」の党首。

(2011年2月8日03時12分 読売新聞)



 
 
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オバマ大統領、エジプト対話開始は「前進」

【ワシントン=山口香子】ロイター通信によると、オバマ米大統領は7日、記者団に対し、「エジプトは、今後の道筋について交渉しなければならないが、前進していると思う」と述べた。

ギブス大統領報道官によると、発言は、体制移行に向けたエジプト政府と野党勢力の対話が始まったことを評価したものだ。

一方、クローリー米国務次官補(広報担当)は7日の記者会見で、対話には「複数の重要人物が欠けている」と述べ、全勢力の参加を認めるよう求めた。

(2011年2月8日22時38分 読売新聞)



 
 
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エルバラダイ氏が対話拒否「現体制は軍先導」

【カイロ=末続哲也】エジプト野党勢力の有力指導者とされる国際原子力機関(IAEA)前事務局長のムハンマド・エルバラダイ氏(68)は8日、カイロ郊外の自宅で読売新聞との単独会見に応じ、軍出身のスレイマン副大統領が主導する現体制について、「革命を起こした民衆を代表していない。古い体制が運営し、軍が先導している」と述べ、対話を拒否する考えを示した。ムバラク大統領の即時辞任を改めて要求し、次期大統領選への出馬に前向きな姿勢を示した。

スレイマン副大統領が6日以降、野党勢力と行っている対話について、自身は招かれていないことを明らかにした。「人々はなお、(反体制デモの会場)タハリール広場にいる。それが答えだ」と述べ、批判した。

その上で、次期大統領選まで、政権外の各界代表に軍代表1人を交えたメンバーで構成する機関「大統領評議会」を設け、大統領権限を担うよう提案、構想実現に自信を示した。

(2011年2月9日03時05分 読売新聞)



 
 
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エジプトでの業務再開広がる、三井物産や三菱商事

2011/2/9 0:15

エジプトの抗議デモの影響で停止していた現地拠点の業務を日本企業が再開する動きが広がっている。三井物産が7日からカイロ事務所を営業時間を2時間短くする形で再開したほか、三菱商事が8日からカイロ事務所の業務を再開した。

三井物産の場合は日本人社員はドバイに退避したまま現地スタッフのみで再開した。今後については現地の状況を見ながら日本人社員の復帰を検討するという。三菱商事は日本人社員3人をカイロに自宅待機にしていたが、8日から事務所に出勤して業務を再開した。

丸紅も今週末、中東に退避していた日本人社員の一部を現地に戻す形で、カイロ支店の営業を再開する見通しだ。

YKKなど工場の操業を再開する例も出ているが、業務再開に慎重な企業もまだ多い。



 
 
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エジプト混乱、地域外交に影響 イラン強硬派に勢い

2011/2/9 0:15

エジプト混乱による中東地域への影響が一段と広がっている。国連と欧州連合(EU)、米国、ロシアが5日、ドイツで開いた中東和平を巡る4者協議(カルテット)ではエジプト問題の影響分析を当面優先すると確認した。カルテットは和平を前進させるため具体的な共同提案を検討していたが、議論の大半がエジプトへの対応に割かれた。

エジプトが仲介機能を失えば、和平交渉の前提が崩れる。イスラエルとの戦争で多数の犠牲を出したエジプトはアラブ諸国の信頼が厚く、その役割を代われる国はないのが現実だ。

イラン最高指導者のハメネイ師はエジプトの反政府デモを「イスラムの目覚め」と称賛した。核兵器開発疑惑も向けられるイラン国内では、エジプトの混乱に乗じ、反欧米を掲げる強硬派が勢いを増した。イスラム体制のイランが反欧米主義を地域に広げるのを防いできたエジプトの能力低下が懸念される。

テロ対策で果たしてきた役割も失われつつある。スレイマン副大統領との協議で野党側は「すべての政治犯の釈放」を要求。今後は、ムバラク大統領が強権支配下で強引に進めていたイスラム過激派の取り締まりやテロ情報の欧米への提供は困難になるとみられる。(カイロ=岐部秀光)



 
 
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アフリカ投信の解約停止 計100億円換金できず

野村アセットと日興アセット、エジプト混乱で

2011/2/9 0:35

アフリカの株式や債券で主に運用する国内投資信託で、エジプトの政治混乱の影響が広がっている。同国の証券取引所の休場を受け、野村アセットマネジメントや日興アセットマネジメントなどはエジプト株に投資する一部の投資信託の解約受け付けを停止した。みずほ投信投資顧問のように投資先からエジプトを外す動きも出ている。政治が不安定な新興国への投資リスクが改めて浮き彫りになった格好だ。

エジプトでは反政府デモの拡大で1月下旬にかけて株式相場が急落し、同月27日の取引を最後に証券取引所の休場が続いている。エジプト株への投資比率が高い投信は保有株の売却で現金を用意することが困難になり、顧客からの解約要請に応じられなくなっている。

野村アセットは2月1日から、エジプト株への投資比率が2割(昨年末時点)の「アラビアン・ファンド」の解約受け付けを停止した。投資比率が25%超(同)の日興アセットの「アフリカ株式ファンド」、ほぼ100%エジプト株に投資するキャピタルアセットマネジメントの「ヒューミント・エジプト株式オープン」も新規購入と解約の受け付けを停止中。3本で計100億円近いエジプト関連投信が換金できない事態に陥っている。

エジプト証取は13日から取引を再開する見通し。ただ「金融市場の正常化が確認されるまで、購入・解約の受け付け停止を続ける」(キャピタルアセット)との声もあり、投信の保有者がすぐに売買を再開できるかどうかは不透明な情勢だ。

エジプトを投資先から外す動きも目立つ。

米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)がエジプト国債の長期信用格付けを「投機的」とされる水準に引き下げたのを受け、みずほ投信は「資源国高金利ソブリンファンド(毎月決算型)」で9.1%保有していたエジプト国債を3日までにすべて売却した。新光投信は「中東・北アフリカ株式ファンド」で、昨年末に16%だったエジプト株の投資比率を1月27日までに12%まで引き下げた。「取引再開後はさらに投資比率を引き下げる方向」(同社)という。

エジプトを含むアフリカ関連投信は、BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)に次ぐ有望な成長市場として、ここ数年で新規設定が相次いでいた。アフリカの株や債券が主要投資対象の投信(南アフリカランド建ての通貨選択ファンドなど除く)は集計可能な範囲だけで13本あり、合計残高は約670億円に上る。

南アフリカの株式相場が2月以降は堅調に推移するなど、現時点でエジプトの混乱が他のアフリカ市場にも波及する事態には至っていない。ただ今回の混乱を受け、専門家からは「新興国で運用する投信は期待収益率が高い半面、先進国より流動性や価格変動のリスクが高いことを投資家は留意すべきだ」(ファイナンシャルプランナーの福田啓太氏)との声が上がっている。

解説図の入った記事



 
 
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エジプト各地でデモ、数十万人参加 即時退陣要求緩めず

政権移行協議に懐疑的

2011/2/9 9:39

【カイロ=松尾博文】混乱が続くエジプトで8日、ムバラク大統領の退陣を要求する抗議デモが各地に広がり、ロイター通信によると参加者は全土で数十万人に達した。デモ参加者は政権が示す憲法改正などの取り組みに懐疑的で、即時退陣を求める圧力を緩めていない。経済不満を訴えるデモやストライキも各地で表面化しつつある。

デモは首都カイロのほか、北部のアレクサンドリアや東部のスエズ、イスマイリアなどで行われた。カイロでは中心部のタハリール広場が反体制派で埋まった。軍部隊は抗議行動を制限せず、大きな衝突は起きていない。

ムバラク大統領は8日に改憲準備委員会の設置を命じ、政権と野党勢力による政権移行協議が本格化している。長期化する混乱に嫌気が広がり、デモ続行が難しくなるとの見方もあった。しかし、同日のデモが見せた動員力は大統領の即時退陣を求める勢いが衰えていないことを示した。

エジプトの中東通信によると、スレイマン副大統領は同日、ムバラク大統領の即時辞任を改めて否定するとともに「長期化するデモには我慢できない」と警告した。

タハリール広場には同日、治安当局によって拘束され、7日に解放された米インターネット検索大手グーグルの幹部ワエル・ゴニム氏が訪れ、「あなたたちすべてが英雄だ」と訴えた。ゴニム氏はデモの動員に大きな役割を果たしたウェブサイトの責任者とされる。解放後に涙ながらに語ったインタビューが共感を呼び、8日のデモが拡大したとの見方もある。

一方、カイロでは同日、国営電話会社の職員ら数百人が低賃金に不満を訴える抗議集会を開いた。スエズやイスマイリアではスエズ運河庁の傘下企業に勤務する労働者3千人が賃上げを要求してストライキを実施。スエズの製鉄会社でもストが発生した。

大統領の退陣を要求するデモとは一線を画しているが、混乱の長期化で様々な不満が噴出しつつある。スエズ運河庁は同運河の航行に影響はないとしている。



 
 
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米、非常事態の即時解除など要求 エジプトに

両国の副大統領が電話会談

2011/2/9 10:25

【ワシントン=弟子丸幸子】バイデン米副大統領は8日、エジプトのスレイマン副大統領と電話会談し、非常事態の解除など4つの措置について迅速な履行を求めた。エジプト国民の要望に応える「後戻り不可能な進展」をただちに示す必要があると強調。スレイマン副大統領と主要野党が合意した非常事態法の解除検討に関して、即時の実行を促した。

米ホワイトハウスが同日、電話会談の内容を発表した。バイデン氏はこのほか(1)報道陣や活動家への逮捕・拘束、嫌がらせ、暴力の即時停止(2)政権移行協議に参加する野党勢力の拡大(3)政権移行に向けた行程表の策定と野党勢力の参加−−を具体的に要求した。

これに関連し、ゲーツ国防長官は同日の記者会見で「チュニジアやエジプトでの動きを見て(中東)地域の他の政府が前向きな方向へと措置を取ることを望む」と述べ、中東諸国は民主化への政治改革に着手すべきだとの認識を示した。



 
 
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エジプト大統領、ロシア高官と会談 安保理特使派遣を協議か

2011/2/9 23:54

【カイロ=岐部秀光】反政府デモの拡大で混乱するエジプトのムバラク大統領は9日、同国を訪問したロシアのスルタノフ外務副大臣と大統領宮殿で会談した。今後の民主化や政権移行の手続きについて意見を交わしたもようだ。ロシアは国連安全保障理事会から中東に特使を派遣する案を提示しており、これについても話し合ったとみられる。

8日にはアラブ首長国連邦(UAE)のアブドラ外相もムバラク大統領を訪問した。関係国は混乱の拡大に懸念を表明する一方、スレイマン副大統領を軸に始まった政権と野党の政権移行協議を見守る立場とみられる。

一方、政府は9日、デモ拡大による混乱で中止していたピラミッドの観光受け入れを再開したと発表した。政府は治安回復の一方で重要産業である観光業の正常化も急いでいる。

カイロではタハリール広場に集まったデモ参加者の一部が近くにある議会に押し寄せて入り口をふさいだ。軍が建物を守っており大きな衝突は起きていない。

BBCによると地中海と紅海を結ぶスエズ運河では労働者6千人がストライキを継続。ただ、船舶の運航に直接の影響は出ていないもよう。

AFP通信によると、エジプト南部ニューバレーではデモと警官との衝突で過去2日間のうちに少なくとも3人が死亡、100人が負傷した。



 
 
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エジプト大統領、改憲など3委員会設置 改革アピールか

2011年2月9日1時16分

【カイロ=貫洞欣寛、玉川透】大規模デモが相次ぐエジプトのスレイマン副大統領は8日、国営テレビを通じ、ムバラク大統領が憲法改正案の検討などに関する三つの委員会設置を命じる大統領令を出したと発表した。開始から15日目を迎えたデモは収束のメドが立たず、即時辞任を求める声が収まっていない。政権側には改革への取り組みをアピールし、事態の沈静化を図る狙いがあるとみられる。

大統領令で発足させるのは、(1)憲法改正(2)野党勢力との合意事項の履行を監視(3)ムバラク支持派と反政権デモ隊の衝突についての原因究明と責任追及−−の3委員会。憲法改正と合意履行に関する委員会は「即日活動を開始する」と表明。衝突に関する委員会はメンバー選考を終え次第、活動を始めるとした。

国営中東通信によると、憲法改正委は、判事や憲法専門家ら約10人で構成。与党以外からの大統領選出馬をほぼ不可能にしている現行憲法の改正などを検討し、今月末までに勧告をまとめるという。

一方、カイロ中心部のタハリール広場には8日もムバラク政権の即時退陣を求める数万人が集まった。金曜礼拝のある11日にも大規模なデモが計画されている。



 
 
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ムバラク氏、民主化の失敗例列挙 ウィキリークス米公電

2011年2月9日12時2分

【ワシントン=望月洋嗣】エジプトのムバラク大統領は米政府による中東の民主化の失敗をたびたび指摘し、民主化要求を受け入れる余地はない−−。民間告発サイト「ウィキリークス」で公開されている米外交公電に、米外交官によるそんな分析があることが分かった。米紙ワシントン・ポストが8日報じた。

公電は2009年5月、駐エジプトのスコビー米大使がホワイトハウスあてに送った。ムバラク氏について「過激なイスラム主義を嫌う古典的な世俗主義者」で、最大野党勢力のムスリム同胞団を「国益を損なう最悪の存在」とみている、と分析。「社会の混乱よりも少数の者が苦しむ方がよいと考えている」とし、民主化運動が混乱に発展することを極度に警戒していたという。

ムバラク氏はまた、イランで30年前に起きたイスラム革命や、パレスチナ自治区でイスラム組織ハマスが躍進した06年の選挙などを挙げて、米国が中東で進めた民主化の「失敗」を米外交官らに指摘。イラク戦争でイランへの対抗勢力が失われたことも嘆いた。さらに、イラクの指導者には自分自身のような「強く公正な軍人が必要」という見方も示していたという。



 
 
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エジプト内務省に「弾圧即時停止を」 米副大統領

2011年2月9日12時6分

【ワシントン=村山祐介】バイデン米副大統領は8日、エジプトのスレイマン副大統領と電話会談し、エジプト内務省を名指しして報道陣や活動家の弾圧を即時停止するよう求めた。また非常事態宣言の即時解除など具体的要望を挙げ、政権移行を加速させるよう強く促した。

ホワイトハウスの発表によると、バイデン氏は「迅速で有意義な、平和的で秩序だった政権移行」への支持を表明。エジプト国民の要求に応じて、「後戻りできない進展」を示すよう促した。その上で、内務省が報道陣や活動家への「逮捕や嫌がらせ、殴打、拘束」といった行為をしているとして、停止を要求。さらに、非常事態宣言の即時解除▽より広範な野党勢力との対話▽政権移行に向けた行程表の野党勢力との共同策定−−も求めた。

一方、エジプト軍について、ゲーツ米国防長官が同日、省内で記者団に対し、これまで米国の期待に沿った行動を取ってきたとして「民主化の進展に貢献した」と評価した。エジプトやチュニジアで起きた民主化デモは、政治・経済状況に不満を抱える市民の「自然発生的な意思表示」と理解を示し、「地域の他の政府も、人々の不満に前向きに対処する手を打つよう望む」と述べ、中東各国に改革着手を促した。



 
 
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ムスリム同胞団が反発「大統領設置の改憲委は無効」

2011年2月9日21時30分

【カイロ=貫洞欣寛】エジプト最大の野党勢力ムスリム同胞団は9日、声明を発表し、ムバラク大統領が8日の大統領令で設置した改憲検討のための委員会などについて「正統性を失った大統領による設置は無効」との見解を示した。同胞団が政権との対決姿勢を強めたことで、緊張が高まることは必至だ。

声明では、(1)ムバラク政権は、すでに正統性を失っている(2)正統性のない大統領による憲法改正のための委員会設立は無効(3)こうした政権側の対応は、政権維持のための時間稼ぎの試みだ、などと指摘。政権側の対応を強く批判した。ムバラク政権が呼びかけた与野党対話については、現時点では離脱しない方針だが、「無意味と思えばいつでも離脱する」としている。



 
 
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仏首相、甘かったバカンス エジプト旅行で便宜受け窮地

2011年2月9日23時35分

【パリ=稲田信司】フランス首相府は8日、フィヨン仏首相とその家族が昨年末にエジプト・ムバラク政権の招きで同国を旅行し、エジプト政府所有の航空機で移動していたことを明らかにした。アリオマリ仏外相もチュニジアを家族旅行した際、ベンアリ前政権に近い経済人の自家用機を使ったことが発覚し、野党の批判にさらされている。

両氏が便宜供与を受けていたと暴露したのは、仏紙カナール・アンシェネ。フィヨン氏と妻子はエジプト南部の都市から、スーダン国境に近いアブシンベル神殿を観光する際に航空機を使用し、ナイル川の船旅も楽しんだという。

一方、同じころ、家族で休暇をとったアリオマリ氏の場合、チュニジアで反政府暴動が起こっていたさなかに旧知の経済人から便宜を受けたという。ベンアリ前政権の治安部隊による民衆デモの鎮圧を擁護する失言をした後の暴露だったこともあり、社会党など野党からは辞任を求める声があがっている。

フィヨン、アリオマリ両氏とも、家族が移動した費用などについては適切な形で負担したと説明。サルコジ大統領は9日の閣議で、閣僚は今後できるだけフランス国内で休暇をとるように心がけ、外国政府の招待で旅行する場合は首相や大統領府の外交担当者の許可を得るよう求めた。



 
 
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ネットカリスマきっかけ?…カイロデモ最大級に

【カイロ=田尾茂樹】エジプトの首都カイロのタハリール広場で続いているムバラク大統領の辞任要求デモは8日、参加者が数十万人に達し、AFP通信によると、1月25日のデモ開始以来、最大規模になった。

スレイマン副大統領は8日、「早急に危機を終わらせねばならない」と述べ、デモの長期化は認めない姿勢を示した。

8日の規模は、「決別の金曜日」と銘打って20万人が集まった4日を上回った模様。インターネット上では毎週火、金曜日のデモ実施の呼びかけが広がっていた。ネット上で当局を批判し、拘束されていたネット検索グーグル社の地域幹部ワエル・ゴニム氏が7日に釈放され、テレビに登場したのを見た支持者が集まったこともデモ拡大につながった。

一方、政権側と野党勢力との合意に基づき、8日に憲法改正委が発足した。憲法裁判所判事や憲法の専門家ら11人で構成、2月末までに勧告をまとめるという。

(2011年2月9日12時13分 読売新聞)



 
 
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エジプトの非常事態、即解除を…米副大統領要求

【ワシントン=山口香子】バイデン米副大統領は8日、エジプトのスレイマン副大統領と電話で会談し、1981年から続く非常事態の即時解除など4項目の処置をとるよう求めた。

残る3項目は、〈1〉記者や市民活動家らの拘束の停止〈2〉対話を行う野党勢力の拡大〈3〉政権移行の行程表作成。バイデン氏は、新体制への移行は「エジプト国民の期待に応えるものであるべきだ」と強調した。

(2011年2月9日12時24分 読売新聞)



 
 
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仏首相、エジプト政府丸抱えクリスマス家族休暇

【カイロ=林路郎】フランスのフィヨン首相一家が昨年のクリスマス休暇でエジプトを訪れた際、同国政府から国内移動の航空機代や宿泊費を丸抱えしてもらったことが発覚し、「独裁権力からの過剰な接待は倫理に反する」として仏国内の野党やメディアから集中砲火を浴びている。

首相は8日、政府のウェブサイトに声明を発表。12月26日から1週間余りアスワンを拠点に休暇を過ごし、宿泊料金、小型航空機による移動費用、ナイル川クルーズの運賃をエジプト政府に肩代わりしてもらったと明らかにした。

12月30日にムバラク大統領と会談したことも、「先見のなさ」を示すとして批判材料となっている。

アリヨマリ外相についても冬休みをチュニジアで過ごし、仏との2度の往復にチュニジアの有力観光企業経営者が提供したジェット機を使ったことが判明。仏政府が民衆蜂起によるベンアリ前大統領失脚を見通せなかったこともあり、前政権とアリヨマリ外相が「近すぎたのではないか」などと仏議会で追求された。

(2011年2月9日19時15分 読売新聞)



 
 
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アル・カーイダ系勢力、エジプトのデモを称賛

【カイロ=田尾茂樹】イラクを拠点とする国際テロ組織アル・カーイダなど武装組織の連合体「イラク・イスラム国」が8日、エジプトで続く反体制デモの参加者に対し、ムバラク政権打倒のための「聖戦」継続を呼び掛ける声明を、ウェブサイト上に出した。

エジプトの反体制デモについてアル・カーイダ系勢力による声明は初めて。イスラム過激派を徹底的に抑え込んできたムバラク政権の窮地に便乗し、勢力拡大を図る狙いとみられる。

声明では、デモについて「あなた方の聖戦は、エジプトの独裁者や、それを操る米国とイスラエルの圧制に苦しめられてきた全てのイスラム教徒のためのものだ」とし、デモ参加者にイスラム国家の樹立を目指すよう促した。

(2011年2月9日22時45分 読売新聞)



 
 
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米ホワイトハウス、エジプト政府の対応を批判

2011.02.09 Wed posted at: 09:19 JST

ワシントン(CNN) 反政府デモの長期化が懸念されるエジプト情勢について、ギブズ米大統領報道官は8日、「政府はジャーナリストや人権活動家に対する拘束や暴力、脅しをやめるべきだ」と述べた。米当局がエジプト政府の対応にいらだちを募らせていることを示す発言とみられる。

ギブズ報道官やクリントン米国務長官をはじめとする米当局者はこれまでもデモ参加者やジャーナリストへの弾圧中止を呼び掛けていたが、政府の責任には直接言及していなかった。

ギブズ報道官はまた、スレイマン・エジプト副大統領が米ABCテレビとのインタビューで、デモ参加者が実現を訴える民主主義体制の基盤となる「民主主義の文化」がエジプトにはないと述べたことに対し、「無用な発言だ」と批判。自由、公正な選挙による民主主義への平和的移行と、それに向けた「具体的な措置」を改めて促した。さらに、スレイマン副大統領がデモの背後にイスラム組織など外国からの扇動があると語ったことについては、「われわれが知る事実と大きく食い違う」と反論した。

またホワイトハウスによると、バイデン米副大統領はスレイマン大統領と電話で会談し、「エジプト国民の期待に応える進展」をただちに示すべきだと訴えた。

一方、オバマ米大統領は7日、記者団との非公式の会話の中で「エジプトは事態を何とか乗り切らなければならない。前進はしているようだ」との見方を示した。



 
 
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米副大統領:エジプト民主化へ「不可逆的な進展」要求

【ワシントン草野和彦】米ホワイトハウスによると、バイデン副大統領は8日、エジプトのスレイマン副大統領と電話で協議し、非常事態令の廃止や政権移行への行程表作成など、民主化への「迅速で不可逆的な進展」を求めた。ムバラク大統領の進退問題を棚上げして民主化を進めたい米国は、エジプト政府への具体的な要求項目を公にすることで、エジプト国民の反発をかわしたいとの意図があるとみられる。

非常事態令は反政府勢力弾圧の根拠となっているが、エジプト政府は廃止には慎重な姿勢を見せている。バイデン副大統領はこのほか、記者や政治・社会活動家の拘束停止など内務省の行動抑制、野党勢力との対話の拡大を求めた。

米国は、今後の情勢展開にはエジプト国軍の動向が鍵になると判断している。ゲーツ国防長官は8日の記者会見で、エジプト国軍のこれまでの行動は「非常に抑制」されており、「米国が期待した通り」と称賛した。

さらに長官は中東地域全体の不安定化を避けるため、「チュニジア、エジプトの自然発生的な(民衆)行動を見ている他の政府が、肯定的な措置を始めることを期待する」と述べ、政治・経済改革を進めるよう促した。

毎日新聞 2011年2月9日 10時35分



 
 
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エジプト:大統領退陣要求 カイロで依然、数十万人が集結

【カイロ鵜塚健】ムバラク大統領の退陣を求めるデモは8日で2週間が過ぎたが、カイロ中心部タハリール広場には依然、数十万人規模の市民が集まる。政府と野党勢力による対話が進む中、参加者はあくまでムバラク大統領の「即時退陣」を求めている。デモを続ける人々の思いを聞いた。

テントで泊まり込む住民も多い広場はごみの悪臭が漂う。しかし、厳しい警備や大統領派との衝突は減り、参加者の顔は一様に穏やかだ。「爆弾、包囲、破壊はもう十分。子どもの涙はもういらない」。路面にチョークで詩が書かれていた。

目立つのがデモ犠牲者への追悼と、弾圧への怒りだ。亡くなった青年らの衣服をパネルで展示していた印刷店経営、ワエル・ハムザさん(35)は言う。「政治には関心なかったが、大統領は退陣表明後も市民に銃を向けた。そんな人間の約束を信じられるか」

「大統領を消し去れ」との看板を掲げていたアフマド・ハリルさん(25)は、北東部スエズから来た携帯電話会社勤務の男性。「私には仕事があるが、生活に困っている友人は多い。構造的に経済、社会を変えるには、大統領と憲法を今すぐ変えるしかない」。ムバラク氏に近いスレイマン副大統領による「暫定政権」にも反対だ。

デモ参加者の多くは特定政党や組織と関係なく、政権と対話を進める野党勢力への不信も根強い。都市工学専攻の大学教授、モハマド・エルギンさん(39)は「この国の野党は長く与党に取り込まれ、何もできなかった。彼らはデモ参加者を代弁していない。議会を解散して再出発すべきだ」と話した。

8日は初めての参加者も目立った。就職活動中の女性、ランダ・サベットさん(22)は「女性は教育や仕事で不利なことばかり。デモが長く続き、本当に国が変わるのではと希望を持ち始めた」と笑顔で語る。

参加者の多くが求めるのは、部分的な変化ではなく抜本的な変革だ。絶対的な指導者不在で着地点が見えない中、運動への期待ばかりが高まっている。

毎日新聞 2011年2月9日 20時14分(最終更新 2月9日 22時39分)



 
 
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仏首相:エジプトで丸抱え接待 外相はチュニジアで

【パリ福原直樹】フランスのフィヨン首相がエジプトで年末年始の休暇を取った際、同国政府丸抱えの接待を受けたことが8日分かった。仏では外相も年末にチュニジアで休暇を取った際、1月の政変で国を追われたベンアリ前大統領の関係会社から便宜供与を受けていたことが判明したばかり。アラブ諸国の強権的な体制との「癒着」ともとれる閣僚の行動に、サルコジ政権は大きな打撃を受けている。野党は首相、外相の辞任を求めている。

仏首相府によると、首相とその家族は12月26日〜1月2日、ナイル川沿いの観光地に滞在。宿泊費のほか、付近への小旅行で使った航空機や船舶の代金もエジプト側が負担した。この間、首相はムバラク大統領とも会談している。エジプトまでの往復航空賃は首相が負担したという。

野党第1党・社会党幹部は毎日新聞に「(首相と外相の行動は)政府が腐敗している証拠だ」と批判した。

毎日新聞 2011年2月9日 10時39分



 
 
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エジプト:副大統領「デモ容認できない」 自発解散促す

【カイロ和田浩明】エジプトのスレイマン副大統領は8日、地元メディア幹部らとの会見で、ムバラク大統領の即時退陣を求める国内各地のデモについて「容認できない」と述べ、デモの長期化を容認しない姿勢を初めて示した。AP通信がエジプト国営通信社の話として伝えた。

副大統領は「警察的な手段では解決したくない」とデモを強制排除する可能性をちらつかせて、デモ参加者に自発的に解散するよう促した。

毎日新聞 2011年2月9日 11時04分



 
 
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エジプト:デモ再燃の背景にグーグル幹部 誠実な訴え共感

【カイロ鵜塚健】カイロ中心部タハリール広場では反政府デモ開始から15日目の8日、ムバラク大統領の退陣を求めるデモ参加者が夜までに数十万人規模に膨れ上がる盛り上がりを見せた。デモ参加者はいったん減少傾向にあったが、この日は初めて参加する人々の姿も目立った。背景に指摘されるのが、インターネット検索最大手グーグル幹部のエジプト人男性、ワエル・ゴニムさん(30)の存在だ。政府にも既成政党にも不信を持つ若い世代の間で今、新たな「英雄」として急速に注目されている。

グーグル中東・北アフリカ担当責任者のゴニムさんは、昨年6月にエジプト北部で起きた警察官による男性暴行事件をネット上で批判するなどして若者の間で有名になった。米メディアによると、1月25日のデモの呼びかけにも加わったとされる。27日に突然消息不明になり、後に今月7日まで当局に拘束されていたことが分かった。

ゴニムさんは解放後の7日夜、テレビ番組に出演し、今回のデモを「インターネット時代の若者による革命だ」と指摘。さらに政府によるデモ弾圧の犠牲となった若者たちに触れ「彼らの父母に本当に申し訳ない。しかし、我々は良心に従っただけで何も悪くない」と語って号泣した。その訴えが共感を呼び、交流サイト「フェースブック」のゴニムさんを支持するページには同日夜以降12万人が賛同を寄せた。ゴニムさんは8日に同広場を訪れ「我々は大統領退陣の要求をあきらめない」と語り、多くの市民に歓迎された。

初めて広場でのデモに参加したという就職活動中の女性、サラー・シュラフさん(26)は「テレビでのゴニムさんの誠実な言葉が心に響いた。これまでは両親の反対でデモに参加できなかったが、今日は両親とけんかして家を出てきた。大統領も憲法も完全に変えるべきだ」と語った。

毎日新聞 2011年2月9日 10時33分(最終更新 2月9日 11時47分)



 
 
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エジプト政権、デモ収拾手詰まり 指導者なき無党派層に苦慮

2011/2/10 1:15

【カイロ=松尾博文】ムバラク大統領退陣をめぐる混乱が続くエジプトで、政権側に抗議デモ収拾への手詰まり感が強まっている。政権移行をめぐる野党との対話が進み始めたにもかかわらず、大統領退陣を求めるデモの勢いは衰えていない。政府側は指導者なき無党派層との交渉の糸口すらつかめていないのが実情。スレイマン副大統領がデモ長期化を容認しない姿勢を示すなどいらだちを強めている。

ロイター通信によると、25万人が収容できるとされるカイロ中心部のタハリール広場は8日、デモ参加者でいっぱいになった。「退陣の日」と名付けた4日の大規模デモの参加者を上回ったとの見方もある。反体制派の一部は9日も広場にとどまり、11日に再び大規模デモを呼びかけている。

政府と主要野党は自由選挙に道を開く改憲準備委員会の設置や非常事態法の解除検討で合意、政権移行に向けたプロセスが動きだした。しかし8日の抗議デモが示した動員力は大統領の即時退陣を求める勢いが衰えていないことを示した。

抗議デモを続ける反体制派の中心は若者を中心とした無党派層とみられている。4月6日運動などの草の根組織の呼びかけに賛同して広場に集まるが、強力な指導者や組織を欠く。大統領の退陣要求で結びついており、対話を通じて政治参加の拡大を目指す合法野党やムスリム同胞団などの現実路線とのずれが大きくなっている。

4月6日運動やエルバラダイ前国際原子力機関(IAEA)事務局長の支持者ら抗議デモを続ける5グループは今週、10人の代表で構成する統一委員会を結成した。しかし、これらのグループは大統領の即時退陣の要求を最優先し、政府や軍はデモをやめさせる決め手を欠く。

9日付のエジプト各紙によると、スレイマン副大統領は地元紙の編集幹部との懇談で事態の収拾に「警察的な手段は使いたくない」としながらも、「デモの長期化には我慢できない」と述べてこれまでのデモの容認姿勢を転換、早期終結を訴えた。そのうえで「安定の実現は対話が第一の方法だが、そうでなければ(軍による)“クーデター”も選択肢となりうる」と警告した。

8日のデモには女性の姿も見られ、初めてデモに加わった参加者も多い。無党派層への対処がエジプト情勢を左右する焦点となりつつある。



 
 
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グーグル地域幹部のゴニム氏、エジプトデモの象徴に

2011/2/10 1:18

エジプトで広がる若者たちによる反政府デモの新たな象徴として、米インターネット検索大手グーグル地域幹部のワエル・ゴニム氏(30)が一躍、脚光を浴びている。多くの若者たちが簡易ブログ「ツイッター」でゴニム氏を「英雄」としてたたえ始めた。

ゴニム氏はムバラク大統領の辞任を要求する反政府デモの動員で大きな役割を果たしたウェブサイトの責任者。当局から12日間にわたり拘束されたが7日、解放された。

「12日間寝ていた私は英雄ではない。英雄は通りにとどまり、命をかけデモを続けた名前も知らない人々だ」。解放後の地元テレビによるインタビューでは涙ながらに犠牲者を悼み、若者たちの共感を集めた。デモが8日になって再び多数の参加者を集めたのはゴニム氏の影響が大きいとみられている。(カイロ=岐部秀光)

ゴニム氏の写真が入った記事



 
 
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エジプト改憲準備委、大統領選の出馬条件緩和など見直し

2011/2/10 10:40

【カイロ=岐部秀光】反政府デモによる混乱が広がるエジプトの改憲準備委員会は9日、野党側が求めてきた憲法改正について、野党勢力からの大統領選挙の出馬の大きな妨げとなってきた規定など6つの条項を見直し対象とすることで合意した。エジプトの国営テレビが報じた。ただ、首都カイロのタハリール広場には9日深夜も多数の若者たちがとどまり、ムバラク大統領の辞任を求めるデモを続けている。

改憲準備委員会はスレイマン副大統領と野党勢力の合意に基づき、8日に発足した組織。政府は野党との合意を速やかに実行に移してデモの沈静化につなげたい立場だ。

AFP通信によると、委員会が改正する必要があると合意したのは大統領選挙の立候補資格を厳しく規定した76条や、無制限の多選を可能にした77条など。ムバラク大統領による長期の強権支配を可能にし、野党側が特に不満を向けていた条項だ。

このほか司法当局による選挙監視権限を制限した88条、選挙結果に対する異議申し立てに関する規定である93条、大統領の命令でテロ容疑者を軍事裁判にかけることができるとした179条、憲法改正の要求を大統領と議会議長に限定した189条が対象となった。

1981年に発令されたままになっている非常事態法の解除についても同委員会で検討されるとみられているが、今回は言及がなかった。



 
 
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「米国のメッセージに混乱」エジプト外相が不満表明

2011/2/10 11:14

「米国のメッセージに混乱させられた」。エジプトのアブルゲイト外相は9日の米テレビ・ラジオ局のPBSとのインタビューで、反政府デモの拡大後に矛盾するシグナルを発信したとして、オバマ政権の外交姿勢に不満をあらわにした。

オバマ大統領はデモの拡大後、「変化は今すぐに起きなければならない」とし、ムバラク大統領の即時辞任を求めたと思われる発言をした。一方でクリントン国務長官らによる政権移行の政治協議を見守る発言も伝えられた。

外相は「いまは状況の困難さと(早急な変化がもたらす)危険について理解していると思う」と発言したが、米国の介入にはいらだちを隠さなかった。

一方、外相は中東の衛星テレビ局アルアラビーヤとのインタビューで「混乱が生じれば軍が介入して国家を制御することになる」と警告した。

(カイロ=岐部秀光)



 
 
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カイロの南西、反政府デモ隊と警察が衝突 3人死亡

2011年2月10日1時20分

【カイロ=貫洞欣寛】エジプトの首都カイロ南西約500キロの砂漠地帯にあるオアシスの町ハルガで8、9両日、反政権デモと警察が衝突し、警官が実弾を発砲。少なくとも3人が死亡し、100人がけがをした。AFP通信が伝えた。

発砲に怒った群衆が、警察署2カ所や裁判所、与党・国民民主党事務所などに放火したという。反政権の動きはカイロなどの都市部だけでなく、地方にも広がっている。



 
 
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「米は自分の意向押しつけ」 エジプト外相が批判

2011年2月10日10時59分

【カイロ=井上道夫、ワシントン=村山祐介】エジプトのアブルゲイト外相は9日、中東の衛星テレビ局アルアラビアの番組に出演し、「米国は自分たちの意向を押しつけようとしている」と述べ、政権移行を加速させるよう促すオバマ米政権を批判した。

アブルゲイト氏は、バイデン米副大統領が8日、エジプトのスレイマン副大統領に対し、1981年以来続く非常事態令の即時解除を求めたことについて、「驚かされた」と不満を表明。「突然の変化はエジプトに危機をもたらす」と述べ、「解除には時間が必要」と語った。

一方、エジプトで反政府運動に火がついた理由を尋ねられたアブルゲイト氏は、野党支持者への投票妨害や得票操作などの不正が横行したとの指摘が多い昨年の人民議会選に問題があったとの認識を示した。

また、現在82歳のムバラク大統領の後継問題や「カネと権力の結びつき」のほか、「警察のふるまいが長年にわたり(国民の)怒りを招いてきたことは、誰も否定できない」と語った。

米国側は、ギブズ大統領報道官が9日の会見で、エジプトの政権移行の取り組みについて、エジプト国民が求める「最低水準を満たしていないことは明らかだ」と批判。8日に市民デモが最大規模に膨れあがったことに触れ、移行の進展がない限り「エジプト全土でそうした光景が続くのを目にすることになる」と指摘した。



 
 
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エジプト、再び緊張高まる…漂う焦燥感

【カイロ=長谷川由紀】エジプトのムバラク大統領の即時辞任を求める反体制デモは8日、首都カイロ中心部で数十万人と過去最大規模にふくれあがった。

野党勢力との対話開始など柔軟姿勢を見せてきたスレイマン副大統領ら政権側は、再び勢いを増すデモの動きにいらだちを募らせている。反体制派は11日にも大規模デモを呼びかけており、緊張が高まっている。

スレイマン副大統領は8日、国営テレビを通じて演説し、「平和的で秩序ある権力移行に向けた明確な行程表と予定表ができた」と述べ、現政権主導の移行体制に自信を示した。

その一方で、半国営中東通信によると、地元紙編集幹部との会談では、カイロのタハリール広場で続くデモについて「耐えられない」とした上で、「警察の手段を使ってエジプト社会に対応したくない」と力による排除もちらつかせながらデモ参加者に警告を発した。

副大統領は同会談でまた、一時クーデターの可能性にも言及。AP通信によると、その後、軍事クーデターでなく、予期できない力で国家機能がマヒする危険性について語ったものだと弁明したが、この発言は、勢いを増すデモに対する政権の焦燥感を示したものだ。

(2011年2月10日00時58分 読売新聞)



 
 
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エジプト大規模デモ「顔」はグーグル地域幹部

【カイロ=新居益】ムバラク大統領の辞任要求デモが続くエジプトで、インターネット検索大手グーグル社の中東・北アフリカ地域幹部ワエル・ゴニム氏(30)が、デモの新しい「顔」として注目されている。

カイロのタハリール広場では8日、デモ参加者が数十万人に達したが、息切れしつつあるかに見えたデモが再び膨れ上がったのもゴニム氏のテレビインタビューがきっかけだった。

ゴニム氏は1月25日に始まったデモをネット上で呼びかけた一人。27日に当局に拘束され、2月7日に釈放された。釈放直後、エジプトの民間テレビ局の人気報道番組に出演し、約15分間のインタビューに応じた。

ゴニム氏は、デモについて「インターネット世代の若者による革命だ」と言い切り、デモで犠牲になった若者の写真が映し出されると、「息子を失った父や母一人ひとりに言いたい。とても残念だ。しかし、これは我々ではなく、権力にいる者の責任だ」と話し、机に突っ伏して泣いた。

番組は視聴者の共感を呼び、ユーチューブに転載された。タハリール広場の集会では、参加者の多くがテレビやネットで見たゴニム氏に触発されたと話した。

(2011年2月10日01時39分 読売新聞)



 
 
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「混乱生じれば軍介入」エジプト外相が警告

【カイロ=新居益】エジプトのアブルゲイト外相は9日、ムバラク大統領の即時辞任を求める反体制派のデモについて「混乱が生じれば、軍が介入するだろう」と述べた。

同外相が中東の衛星テレビ「アル・アラビーヤ」に語ったとして、半国営中東通信が伝えた。

軍はデモへの直接介入を避けてきたが、デモが収まる気配が見えないことから、デモ参加者に警告を発し、事態収拾を図る狙いがあるとみられる。スレイマン副大統領も8日、クーデターの可能性に言及していた。

一方、AFP通信によると、南部ハルガで8、9日に起きたデモ隊と警察の衝突による死者は、9日夜までに5人に達した。カイロの南約350キロの町では9日、デモ隊が主要道路と鉄道を封鎖するなど、混乱が広がっている。

(2011年2月10日10時43分 読売新聞)



 
 
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改革迫る米国、「押しつけ」とエジプト反発

【ワシントン支局】ギブス米大統領報道官は9日の記者会見で、エジプトの政権移行に向けた改革努力は「国民が求める最低限に達していない」と批判した。

これに先立ち、エジプトのアブルゲイト外相は同日、米公共放送(PBS)とのインタビューで、米国の改革要求に対し、「押しつけだ」と反発しており、双方の応酬が激しくなっている。

エジプトに対しては8日、バイデン米副大統領が、非常事態の即時解除など4項目の実施を求めていた。アブルゲイト外相はこの後、インタビューに出演し、「我々は既に改革を始めている。徐々に順序を追って行う」と主張、米政権へのいらだちをあらわにした。

一方、ギブス報道官は、改革に進展がなければ「カイロなどで起きている(反体制デモなどの)光景が続くだろう」と指摘した。

(2011年2月10日20時56分 読売新聞)



 
 
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エジプトのデモ、さらに勢い増す カイロ以外でも死者

2011.02.10 Thu posted at: 09:21 JST

カイロ(CNN) ムバラク大統領の即時退陣を求めるエジプト・カイロのデモは9日、開始から16日目を迎えた。今週に入り街には落ち着きが戻ったとも伝えられたが、民衆の怒りは収まらず、タハリール広場のデモは再び拡大の様相をみせた。

デモはタハリール広場にとどまらず近隣の政府建物にも拡大。国営テレビによると、この影響で議会が別の建物に移動を余儀なくされた。また、デモは国内の他の地域にも飛び火しているとみられ、南部のハルガでは警察との衝突で2人が死亡、複数が負傷したと伝えられた。

国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチは、1月25日のデモ開始以来、302人の死亡を確認したとしている。

こうした状況に対し政府側は、ムバラク氏が即時辞任すれば混乱に陥ると警告している。アブルゲイト外相は9日、米PBSのインタビューに応じ、軍事介入の可能性に言及した上でデモ隊に合理的な行動を要求。ムバラク氏の関心は国の安定を守ることにあると主張した。

ムバラク氏は9日も通常通り公務を続け、ロシアの副外相と面会する様子などが国営テレビで伝えられた。

9日にデモが再び活気づいた背景には、治安部隊に一時拘束され7日に解放された米インターネット検索大手グーグルの幹部、ワエル・ゴニム氏の存在がある。ゴニム氏の開設したフェイスブックのページは、一連のデモのきっかけになったと考えられている。また、同氏をデモ隊の代表者とすることを目的とした別のページには15万人のファンが集まった。

ゴニム氏は7日のテレビ出演に続き、8日にはタハリール広場で演説し、デモ参加者らを鼓舞した。9日にはCNNのインタビューで、「もはや(エジプト政府と)交渉している時ではない」と語り、ムバラク政権に対し「あなた方が真のエジプト人であり、勇敢なエジプト人であるなら、今こそ退陣の時だ」と訴えた。



 
 
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エジプト外相、「軍介入」に言及 軍がデモ参加者拘束・拷問との報道も

2011年02月10日 18:00 発信地:カイロ/エジプト

【2月10日 AFP】エジプトのアハメド・アリ・アブルゲイト(Ahmed Ali Abul Gheit)外相は9日、衛星テレビ局アルアラビア(Al-Arabiya)のインタビューで、ホスニ・ムバラク(Hosni Mubarak)大統領の退陣を求めるデモが拡大すれば、軍の介入もあり得ると語った。半国営の中東通信(MENA)が10日報じた。

これによるとアブルゲイト外相は、このままデモが続いて「混乱状態に陥った場合、軍が介入して国を守らざるをえない。これは非常に危険なことだ」と述べた。同外相はまた、ムバラク大統領の即時退陣を求める米国が意見を押しつけていると非難した。このコメントが報じられた直後、米政府はエジプト軍に強硬手段に出ないようあらためて訴えた。

これに先立ち、就任したばかりのオマル・スレイマン(Omar Suleiman)副大統領は、平和的な政権移行が不可能となれば、クーデターが起きかねないと警告していた。

タハリール広場に集まっている反政府デモの参加者らは解散するそぶりを見せていない。カイロ(Cairo)中心部のタハリール広場(Tahrir Square)では、デモ開始以来最大規模となった8日に続き、9日も多数の市民が議事堂に向かって行進した。デモは国内全土に広がっている。

■軍がデモ参加者を拘束・拷問との情報も

一方、軍が民主化運動の活動家らを拘束し、拷問しているとの報道もある。英紙ガーディアン(Guardian)が人権活動団体や反政府デモの参加者に取材したところ、デモ参加者ら数百人が軍によって拘束され、一部は拷問を受けたとの証言を得たという。

カイロの人権団体の幹部によると、軍に拘束されたのは夜間外出禁止令を破ってデモに参加した人や、軍の士官に反抗した人、挙動が不審、あるいは外国人のように見えるとして軍に引き渡された人などさまざまで、「軍がこのようなことをしたのは私が知る限り前例がない」という。

ある男性は、デモ隊に医薬品を運んでいたときにエジプト考古学博物館(Museum of Egyptian Antiquities)で身柄を拘束され、部屋に押し込まれて複数の兵士に蹴られた上、「おまえは死ぬかもしれないし、誰にも知られずに刑務所に入れられて行方不明になるかもしれない」と言われたと語った。(c)AFP/Sara Hussein



 
 
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エジプト各地でストライキ発生 スエズ運河や鉄道など

2011/2/10 21:07

【カイロ=松尾博文】ムバラク大統領退陣を要求するデモが続くエジプトで待遇改善を求める労働者のストライキが各地で起きている。スエズ運河では職員6千人がストを実施、カイロでは鉄道や路線バスもストに入った。大統領退陣を迫る反体制派の抗議デモに触発され経済不満が噴出しつつある。反体制運動に同調する動きも一部に出ており、スト拡大は混乱の収拾を一段と難しくする可能性がある。

カイロでは今週に入り、国営電話会社の職員らが低賃金への不満を訴えるデモを実施、考古学博物館の職員らも待遇改善や予算の増額を求めて集会を開いた。9日には鉄道路線の一部がストを開始、10日には路線バスの運転手100人も加わった。

スエズやイスマイリヤ、ポートサイドなどスエズ運河沿いの都市ではスエズ運河庁の傘下企業に勤務する6千人が8日からストに入った。10日現在、スエズ運河の航行に影響は出ていない。スエズの製鉄所や繊維工場、カイロ郊外の化学工場などでもストが発生。ナイル川下流域一帯の都市で看護師が集会を開いたほか、AFP通信によると2万4千人の従業員を抱える国内最大級の繊維工場がストに入った。

こうしたデモは賃上げなどの待遇改善を要求、大統領退陣を迫る反体制派とは直接関係はない。しかし、生活への不満を抱える市民が反政府デモに共鳴、通常では難しいストライキなどの行動に出たとみられる。10日付の政府系紙アルアハラムは抗議行動には外務省や統計局など政府機関の職員も加わっていると伝えた。

カイロでは同日、病院関係者のデモが政権打倒のスローガンを叫ぶなど反体制派に合流する動きも出ている。ポートサイドでは9日、低所得者層の住民らが住宅への不満を理由に政府庁舎に放火、スエズでは失業者2千人のデモも発生した。

仏金融大手クレディ・アグリコルはデモによる混乱でエジプトでは1日あたり3億1千万ドル(257億円)の損失が生じていると分析する。ストライキの拡大により経済停滞が加速、社会不安が強まる可能性がある。



 
 
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エジプト:デモの市民、野党に不信感

【カイロ鵜塚健】ムバラク大統領の退陣を求めるデモは8日で2週間が過ぎたが、カイロ中心部タハリール広場には依然、数十万人規模の市民が集まる。政府と野党勢力による対話が進む中、参加者はあくまでムバラク大統領の「即時退陣」を求めている。デモを続ける人々の思いを聞いた。

テントで泊まり込む住民も多い広場はごみの悪臭が漂う。しかし、厳しい警備や大統領派との衝突は減り、参加者の顔は一様に穏やかだ。「爆弾、包囲、破壊はもう十分。子どもの涙はもういらない」。路面にチョークで詩が書かれていた。

目立つのがデモ犠牲者への追悼と、弾圧への怒りだ。亡くなった青年らの衣服をパネルで展示していた印刷店経営、ワエル・ハムザさん(35)は言う。「政治には関心なかったが、大統領は退陣表明後も市民に銃を向けた。そんな人間の約束を信じられるか」

「大統領を消し去れ」との看板を掲げていたアフマド・ハリルさん(25)は、北東部スエズから来た携帯電話会社勤務の男性。「私には仕事があるが、生活に困っている友人は多い。構造的に経済、社会を変えるには、大統領と憲法を今すぐ変えるしかない」。ムバラク氏に近いスレイマン副大統領による「暫定政権」にも反対だ。

デモ参加者の多くは特定政党や組織と関係なく、政権と対話を進める野党勢力への不信も根強い。

都市工学専攻の大学教授、モハマド・エルギンさん(39)は「この国の野党は長く与党に取り込まれ、何もできなかった。彼らはデモ参加者を代弁していない。議会を解散して再出発すべきだ」と話した。

8日は初めての参加者も目立った。就職活動中の女性、ランダ・サベットさん(22)は「女性は教育や仕事で不利なことばかり。デモが長く続き、本当に国が変わるのではと希望を持ち始めた」と笑顔で語る。

参加者の多くが求めるのは、部分的な変化ではなく抜本的な変革だ。絶対的な指導者不在で着地点が見えない中、運動への期待ばかりが高まっている。

毎日新聞 2011年2月10日 東京朝刊



 
 
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エジプト:混迷 同胞団「政権不参加」、大統領選も候補立てず 幹部「組織決定した」

【カイロ和田浩明】エジプトの穏健派イスラム原理主義組織で、非合法ながら事実上の最大野党勢力である「ムスリム同胞団」の幹部ムハンマド・カタニ氏(58)は9日、毎日新聞の電話取材に応じ、次期大統領選挙に候補者を立てず、将来的にも政権に参加しないことを同胞団が組織決定したと明らかにした。6日に始まった政府との対話についても、継続するかどうかを検討中だと述べた。

カタニ氏は同胞団執行部メンバーで、与党国民民主党(NDP)が圧勝し、同胞団が事実上全議席を失った昨年11月の人民議会(国会)選挙まで、議員団の代表を務めた。

大統領選に候補を出さず政権参加しない理由についてカタニ氏は「我々の目的は(選挙で)与党側と戦うことではなく、危機にあるエジプトを改革することだ」と説明した。権力奪取を図っている姿勢を控えることで、政権側の批判をかわす意図もあるとみられる。

立候補要件が厳しい現行の憲法規定では、NDP以外に候補者を出すのは困難とみられる。

ただ、政権側は反政府デモ参加者らの強い要求を受けて、要件緩和を含めた改正を受け入れる姿勢を提案。8日に設置された改憲委員会は、3月第1週にも草案を提示する予定だ。

カタニ氏は同委について「我々にも参加する権利がある」と主張し、政権側が一方的に人選を行ったことに不満を表明した。

政権側との対話に参加した理由については、「我々と国民の要求を伝えることが主目的だった」と説明。対話継続の是非について「今後数日間で誠意ある対応が見られるかだ」と述べ、検討中であることを示唆した。

ムバラク大統領に関しては「即時退陣すべきだ」と、これまでの主張を繰り返した。

野党勢力の中で最も高い組織力を持つムスリム同胞団が、大統領選や政権参加に現時点で距離を置くのは、同胞団を弾圧してきた与党の主導で政治プロセスが進むことへの警戒感があり、組織防衛に配慮しているためとみられる。

毎日新聞 2011年2月10日 東京朝刊



 
 
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エジプト:アルカイダ系がデモ支援「聖戦を」 政府、便乗テロ警戒

【カイロ和田浩明】国際テロ組織アルカイダ系の団体「イラク・イスラム国(ISI)」は9日、エジプトでムバラク大統領の即時退陣を求める反政府デモを支援し、政権に対する「ジハード(聖戦)」を呼びかける声明をインターネット上で発表した。

イラクで活動するISIは声明で、「聖戦に参加するのは全ての健常なイスラム教徒の義務」などと主張し、エジプトの受刑者を解放するよう求めた。

エジプトのスレイマン副大統領は8日、1月25日以降に国内各地で起きた反政府騒乱で脱獄した受刑者に、アルカイダ工作員が含まれていたと発言しており、エジプト国内の混乱に乗じたテロの発生を懸念する声も出ている。ただ、地元メディアでは、一部の脱獄に当局者の関与を疑う指摘もある。副大統領の発言は、危機感をあおることで、デモ拡大をけん制する側面もあるとの見方も出ている。

ISIは昨年10月、イラクの首都バグダッドでキリスト教会襲撃事件を起こした。今年1月にはエジプト北部アレクサンドリアで20人以上が死亡する自爆テロがあったが、当局はアルカイダ系が関与したとの認識を示している。

エジプトでは近年、政府の取り締まりもあって大規模テロは目立って起きていないが、05〜06年には北東部のリゾート地などで外国人を標的にしたと見られる爆弾テロが発生、多数の死傷者が出た。

毎日新聞 2011年2月10日 東京夕刊



 
 
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エジプト:大統領選、要件を緩和 民主化勢力要求、憲法改正へ

【カイロ和田浩明】ムバラク大統領の退陣を求める大規模な反政府デモが続くエジプトで、民主化勢力の要求を受けて政府側が設置した憲法改正委員会は9日、改正対象とする6条項を定めた。対象は大統領選挙の立候補要件を定めた76条や、大統領任期を規定する77条、選挙監視の主体を定める88条など。いずれも民主化勢力が改正を要求していたもので、他の条項についても今後検討するという。

現行憲法では、多数の立候補推薦人が必要など、与党国民民主党(NDP)以外の既成政党や無所属候補が大統領選に出馬することを極めて困難にしている。また、多選制限がないため、実質的に終身大統領制にもなっている。

さらに、比較的独立性が高いとされる判事以外による選挙監視が可能で、内外の人権団体は「与党に有利な投票妨害や得票操作が行われてきた」と批判してきた。

テロ対策のため、令状なしの身体拘束や基本的自由の規制を可能にする条文もあり、改正対象となった。

改憲委員会の設置は6日に行われた政府側と野党勢力の対話で暫定合意され、8日に設置が発表された。メンバーは司法関係者や学識経験者らだが、人選は政府側が行ったため、野党勢力からは「一方的だ」といった批判が出ている。

憲法改正に加え、治安機関による野党勢力の弾圧にも使われてきた非常事態令の撤廃も求められているが、政府側は、大規模デモが続いていることなどを理由に「治安情勢が安定していない」として消極的な姿勢を崩していない。

毎日新聞 2011年2月10日 東京夕刊



 
 
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エジプト:デモに突入、ラクダは観光用 ピラミッド一時閉鎖、住民「終結求めた」

【カイロ樋口直樹】エジプトの首都カイロのタハリール広場で今月2日、ムバラク・エジプト大統領の辞任を求めるデモ隊にラクダなどに乗った大統領派が乱入、両派の衝突の引き金になった事件は、ピラミッドの閉鎖で打撃を受けた周辺住民らの抗議行動が逸脱、暴力ざたに発展したものだったことが分かった。カイロ近郊ギザの観光業者らが毎日新聞の取材に答えた。

ギザ住民の抗議行動には、政府与党・国民民主党の地元国会議員、アブデルナーセル・アルガブリ氏(56)も同行していた。2日から始まった両派の衝突では、少なくとも13人が死亡した。

ピラミッド周辺で観光客相手のラクダ乗りを経営しているワヒード・マンドゥーハさん(34)によると、配下のラクダは10頭、馬1頭で、最盛期には1日50人ほどの観光客を相手に計500エジプトポンド(約7000円)ほどの稼ぎがあった。だが、先月25日に反政府デモが始まって、ピラミッド一帯は政府によって封鎖され、客足は全く途絶えてしまったという。

「ムバラク大統領は既に勇退を発表している。即時辞任を求めていつまでもデモを続ける必要はない」と考えるマンドゥーハさんら観光業で働く人々は、ムバラク氏が今期限りの引退を表明した翌日の2日、数十頭のラクダや馬、馬車などに分乗してカイロへ向かった。大統領が任期を全うすることや反大統領派デモの早期終結を求めるのが目的だったという。

ギザで観光客を馬に乗せているハサン・エルワンさん(30)もカイロ入りした一人だ。一行はタハリール広場近くの国営テレビ局周辺で気勢を上げた後、午後3時ごろ帰路に就いたが、うち数人が隊列を離れ反大統領派で埋まるタハリール広場へ突入したという。

「初めからケンカするつもりではなかった。カイロに不慣れで、緊迫した状況を知らなかった若者らが誤って紛れ込んでしまっただけだ」とエルワンさんは釈明する。突然のラクダ部隊の乱入で、反大統領派は激怒。広場を取り巻いていた他の大統領支持派も入り乱れ、流血の乱闘騒ぎに発展した。

ギザの住民によると、広場に入った若者のうち3人はいまだ司法当局の下に置かれたまま。ピラミッドは10日までに再開されたが、軍部隊に囲まれ観光客の消えたピラミッド周辺では、手持ち無沙汰のラクダ乗りや空の馬車が殺伐とした風景を醸し出している。

◇同行した与党国会議員「政府の関与ない」

ギザ住民の「ラクダ部隊」に同行した与党・国民民主党のアルガブリ議員に話を聞いた。反大統領派との衝突を巡っては、政府側の関与を疑う見方もあるが、同議員は毎日新聞の取材に「生活に困った住民に頼まれ、助けるつもりで付き添った」と釈明、政府の関与を否定した。

アルガブリ議員は「ギザ住民は(反大統領派の)デモの影響で仕事ができず、苦しんでいる」と現状を説明。デモは「自発的なもの」で、「自分が要請したものでも、政府が関与したものでもない」と話した。07会計年度の観光収入は108億ドルで主要外貨収入源の一角。外国人観光客は08年に過去最高の1284万人を記録していた。

議員はまた、「メディアは十分な取材もせずに、(ギザの)デモ参加者を『野卑な者たち』と決めつけた」と批判。ムバラク大統領の進退については「今すぐ辞任すべきではない。我々も憲法に従わなければならない」と述べ、反大統領派の即時辞任要求に反論した。【樋口直樹】

◇「突入」、国民を分断 急激変革望まぬ声

【カイロ樋口直樹】「ムバラク体制打倒」で声を一つにしていた多くのエジプト国民は、「今期限りの引退」を表明した今月1日のムバラク大統領演説と、2日からの大統領支持派の出現によって大きく動揺した。中でも、カイロ・タハリール広場へのラクダ部隊の乱入は社会不安を呼び起こし、「安定か変革か」を巡り国民世論が分断されていく転換点となった。

30年に及ぶムバラク政権は、巨大与党・国民民主党の一党支配と強力な治安機関の下、国民の間に疑心暗鬼の種をまき、政権への反対世論を分断することで、その長期政権を維持してきたと言われる。先月25日からの大規模反政府デモに伴い、与党本部が真っ先に放火され、デモ隊の本拠地タハリール広場で厳しい「治安要員狩り」が行われたのはこのためだ。

ラクダ部隊乱入の政治的背景は不透明だが、反大統領派と大統領支持派の対立激化の呼び水になったことは間違いない。社会不安の増大は、「即時辞任によるカオス(無秩序状態)の到来」を警告するムバラク氏の論法を下支えし、急激な変革より安定を求める国民世論を強める結果となった。

スレイマン副大統領は8日、ラクダ部隊のタハリール広場乱入に端を発する、大統領支持派による反大統領派への襲撃事件について近く真相究明委員会を設置すると約束した。反大統領派はいまだに連日、数万人規模のデモを展開し、ムバラク氏の即時辞任要求を強めているが、政権側の巻き返しで再び暴力ざたに陥り、権力の介入を招くことを最も恐れている。

毎日新聞 2011年2月11日 東京朝刊



 
 
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エジプト:デモが激化 スエズ運河の通行にも影響か

【カイロ和田浩明】大規模な反ムバラク政権デモが続くエジプト各地で、労働者の抗議活動も激化し始めた。スエズ運河の関係企業の従業員も参加しており深刻化すれば世界経済に影響が生じる可能性もある。政権側はデモ参加者に中止を強硬に求めるが、ムバラク大統領即時退陣をあくまで求めるデモ隊側は、11日を「対決の日」と名付けて大規模動員する構えだ。デモはさらなる拡大・長期化が避けられなくなった。

運河を管理する運河庁の労働組合関係者によると、北部スエズで同庁関連の小型船舶修理業務を行う企業の労働者約1000人が8日から同社で座り込みを始め10日も継続している。同庁によると船舶運航には支障は出ていないが、全世界の原油生産量の約4%が同運河と並走するパイプラインを通過しており、影響が懸念される。

地元メディアによると労働者デモは8〜10日にかけ国営の電話会社、鉄鋼会社、繊維会社、鉄道会社や民間企業の従業員らが実施。AFP通信によると、10日にはアレクサンドリアなど北部地中海沿岸と東部紅海沿岸の複数の都市で、計数千人の公務員がストライキを起こした。また、ナイル川デルタ地帯で2万4000人が勤務するエジプト最大の繊維工場で従業員が工場に鍵をかけてストに入り、反大統領派デモ隊に連帯の意思を示した。AP通信によるとカイロでも同日、バスの運転手や白衣姿の医師、法衣姿の弁護士ら数千人がデモに加わった。

北部ポートサイドの地元記者によると、住宅供給を求める住民約3000人が9日、県庁などに放火した。南西部ハルガでは8日、住民と衝突した警官が発砲。先週以来、5人が死亡した。

デモやストが激化する背景には、ムバラク政権や既成勢力への不信感が根強く、与野党の政権移行への話し合いが進展しないことへのいら立ちがある。

政権側は危機感を強め、アブルゲイト外相は9日放映のインタビューで混乱が悪化すれば「軍介入の可能性がある」とけん制した。

野党の左派・国民進歩統一党は10日、憲法改正などに向けた政府との対話から離脱すると発表した。政府との対話から離脱した野党勢力は初めて。

デモの中心となっているカイロのタハリール広場では10日、数万人が集結した。

◇いら立つ政権「軍介入」威嚇

デモやスト続発に政権側はいら立つ。アブルゲイト外相は9日放映のインタビューで混乱が悪化すれば「国軍介入の可能性がある」と述べけん制した。

反政府デモの中心であるカイロのタハリール広場には10日も数万人が集まる。デモ組織団体の一つ「4月6日運動」は「強制排除情報がある」と警戒中だ。

1月25日からの反政府デモでの死者数は、国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」によると300人に達したが、当局側は「不正確」としている。

毎日新聞 2011年2月10日 21時26分(最終更新 2月10日 23時34分)



 
 
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エジプト:大統領選、要件を緩和 民主化勢力の要求受け

【カイロ和田浩明】ムバラク大統領の退陣を求める大規模な反政府デモが続くエジプトで、民主化勢力の要求を受けて政府側が設置した憲法改正委員会は9日、改正対象とする6条項を定めた。対象は大統領選挙の立候補要件を定めた76条や、大統領任期を規定する77条、選挙監視の主体を定める88条など。いずれも民主化勢力が改正を要求していたもので、他の条項についても今後検討するという。

現行憲法では、多数の立候補推薦人が必要など、与党国民民主党(NDP)以外の既成政党や無所属候補が大統領選に出馬することを極めて困難にしている。また、多選制限がないため、実質的に終身大統領制にもなっている。

さらに、比較的独立性が高いとされる判事以外による選挙監視が可能で、内外の人権団体は「与党に有利な投票妨害や得票操作が行われてきた」と批判してきた。

テロ対策のため、令状なしの身体拘束や基本的自由の規制を可能にする条文もあり、改正対象となった。

改憲委員会の設置は6日に行われた政府側と野党勢力の対話で暫定合意され、8日に設置が発表された。メンバーは司法関係者や学識経験者らだが、人選は政府側が行ったため、野党勢力からは「一方的だ」といった批判が出ている。

憲法改正に加え、治安機関による野党勢力の弾圧にも使われてきた非常事態令の撤廃も求められているが、政府側は、大規模デモが続いていることなどを理由に「治安情勢が安定していない」として消極的な姿勢を崩していない。

毎日新聞 2011年2月10日 11時36分(最終更新 2月10日 12時22分)



*このファイルは文部科学省科学研究費補助金を受けてなされている研究(基盤(B)・課題番号16330111 2004.4〜2008.3)の成果/のための資料の一部でもあります。
 http://www.ritsumei.ac.jp/acd/gr/gsce/p1/2004t.htm

UP:2011 REV:
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