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エジプト・アラブ共和国 2011年6月〜7月

アフリカアフリカ Africa 2014

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○外務省 各国・地域情勢 エジプト・アラブ共和国

◆2011/06/02 cnn.co.jp 淡い夢に終わりかねない「アラブの春」専門家の見方
◆2011/06/02 cnn.co.jp エジプト前大統領、8月に初公判 デモ隊への発砲命令
◆2011/06/02 asahi.com ムバラク前大統領、8月に初公判
◆2011/06/02 yomiuri.co.jp ムバラク前大統領初公判、8月3日に…長男らも
◆2011/06/02 jp.reuters.com デモ隊殺害関与で起訴のムバラク前大統領、8月3日に初公判
◆2011/06/02 nikkei.com ムバラク前大統領、8月に公判
◆2011/06/02 毎日新聞 NEWS25時:エジプト 前大統領、8月に初公判
◆2011/06/03 nikkei.com サウジなど湾岸産油国、相次ぎエジプトに金融支援
◆2011/06/04 毎日新聞 フェイスブック:民主革命支えた 独裁崩壊、カイロで「変化」実感
◆2011/06/06 nikkei.com IMF、エジプトに30億ドル融資枠 民主化を支援
◆2011/06/07 cnn.co.jp エジプト世論は将来を楽観視、根強い米国への不信感
◆2011/06/07 nikkei.com エジプト、夜間外出禁止令を15日に全面解除
◆2011/06/07 nikkei.com 三菱東京UFJ銀、エジプト大手と提携 進出企業の取引支援
◆2011/06/11 nikkei.com 米、日欧にエジプトの債務免除要請 中東安定を後押し
◆2011/06/13 The Egyptian Gazette online Metro fair delves deep into politics
◆2011/06/15 毎日新聞 エジプト:国軍が「処女検査」? デモ参加女性に 人権団体が批判
◆2011/06/16 asahi.com アルカイダの指導者にザワヒリ容疑者を後継指名
◆2011/06/16 yomiuri.co.jp ビンラーディン後継、ザワヒリ容疑者を任命
◆2011/06/16 nikkei.com アルカイダ新指導者にナンバー2・ザワヒリ容疑者
◆2011/06/16 毎日新聞 人権と外交:春なきアラブ/下 特別報告者が暴く闇 「テロ防止」の拘束横行
◆2011/06/17 yomiuri.co.jp 米軍、ザワヒリ容疑者の拘束・殺害目指す方針
◆2011/06/17 毎日新聞 アルカイダ:最高指導者にザワヒリ容疑者 武力闘争路線を継続
◆2011/06/17 毎日新聞 アルカイダ:最高指導者にザワヒリ容疑者 米、否定躍起「カリスマ性なし」
◆2011/06/17 Egyptian Gazette Disabled protest in Egypt continues
◆2011/06/20 nikkei.com エジプト、新外相にオラービー外務次官
◆2011/06/20 asahi.com 「ムバラク氏は胃がん」弁護士語る エジプト前大統領
◆2011/06/20 yomiuri.co.jp ムバラク前大統領は「胃がん」…弁護士明かす
◆2011/06/21 毎日新聞 エジプト:「ムバラク被告はがん」弁護士発言
◆2011/06/24 asahi.com ムスリム同胞団の幹部、エジプト大統領選に出馬の意向
◆2011/06/24 毎日新聞 エジプト:「太陽の船」発掘開始 2隻目、早大・吉村名誉教授ら
◆2011/06/25 asahi.com いでよ太陽の船 ピラミッド脇で発掘・復元作業始まる
◆2011/06/26 yomiuri.co.jp 親ムバラク派と反ムバラク派、カイロで衝突
◆2011/06/29 yomiuri.co.jp カイロ中心部、デモ隊と治安部隊衝突
◆2011/06/30 jp.wsj.com カイロの大規模デモに軍出動−9月の議会選挙実施に不安も
◆2011/06/30 毎日新聞 <エジプト>カイロでデモ、治安部隊と衝突…1000人負傷
◆2011/06/30 nikkei.com カイロ中心部でデモ隊と警官隊衝突 1000人超す負傷者
◆2011/06/30 毎日新聞 エジプト:カイロでデモ、1000人負傷 治安部隊衝突、前政権幹部の訴追要求
◆2011/07/01 ジャパンインターネットコムニュース Twitter、1日のツイート数が2億件を突破
◆2011/07/01 jp.wsj.com 米オバマ政権、エジプトとチュニジアのイスラム政党と接触
◆2011/07/01 AFP BB News 大腸菌、感染源はエジプト産香辛料か 欧州食品安全機関
◆2011/07/02 yomiuri.co.jp 米政府、エジプト「ムスリム同胞団」と接触開始
◆2011/07/04 nikkei.com 古代の宝物殿の門、エジプトで発掘
◆2011/07/04 nikkei.com エジプトでイスラエル向けガスパイプ爆破
◆2011/07/05 jp.wsj.com エジプト、9月の議会選延期を検討−世俗政党に有利に
◆2011/07/05 毎日新聞 エジプト:武装の男ら、パイプラインを爆破 反イスラエル背景か
◆2011/07/05 トラベルビジョン 外務省、ルクソールやアスワンなど「十分注意」に
◆2011/07/06 cnn.co.jp 大腸菌感染はエジプト産の種が原因か EUが禁輸措置
◆2011/07/06 asahi.com 欧州O104原因、マメ科植物の種か エジプトから輸入
◆2011/07/06 nikkei.com 欧州の大腸菌、感染源はエジプト産の種子か 欧州食品安全庁
◆2011/07/08 nikkei.com カイロで大規模デモ 元高官らの訴追遅れに不満
◆2011/07/09 asahi.com カイロ中心部の広場で大規模デモ 改革遅れに不満
◆2011/07/09 jp.wsj.com 【NewsBrief】エジプト市民の怒りが軍暫定政権へ
◆2011/07/09 毎日新聞 エジプト:弾圧者訴追求め、数万人参加デモ
◆2011/07/11 asahi.com 米国防長官「ザワヒリ容疑者はパキスタンに潜伏」と見方
◆2011/07/13 毎日新聞 エジプト:内閣改造へ
◆2011/07/14 cnn.co.jp 首都の広場に再びデモ隊集結、進まぬ改革に苛立ち エジプト
◆2011/07/14 yomiuri.co.jp エジプト議会選挙、最大2か月延期へ
◆2011/07/14 毎日新聞 エジプト:警察幹部669人をデモ弾圧で更迭
◆2011/07/14 毎日新聞 エジプト総選挙:軍が延期と報道
◆2011/07/15 jp.wsj.com 【NewsBrief】エジプト古美術品の密輸で4人を起訴=米当局
◆2011/07/15 jp.reuters.com ギリシャの銀行、欧州ストレステスト結果公表前に相次いで資本増強策を発表
◆2011/07/17 asahi.com エジプト3閣僚が辞任 前政権との関係批判、デモ再燃
◆2011/07/17 nikkei.com エジプト外相が辞任
◆2011/07/18 AFP BB News エジプト当局、ムバラク元大統領の昏睡報道を否定
◆2011/07/18 cnn.co.jp エジプトのムバラク前大統領、一時昏睡状態か
◆2011/07/18 cnn.co.jp エジプト首相が内閣改造 国民からの不満を受け
◆2011/07/18 asahi.com ムバラク前大統領、昏睡状態との情報 病院側は否定
◆2011/07/18 毎日新聞 エジプト:内閣改造へ 民主化勢力の懐柔狙う
◆2011/07/19 AFP BB News エジプト大富豪の一大計画、スイスの村を豪華リゾート地へ
◆2011/07/19 毎日新聞 NEWS25時:エジプト ムバラク氏昏睡と報道
◆2011/07/19 毎日新聞 エジプト:軍が内閣改造承認 国民の要求に配慮
◆2011/07/20 nikkei.com エジプトの新内閣発足延期 市民反発、首相は体調不良
◆2011/07/21 nikkei.com エジプト、シャラフ新内閣が発足
◆2011/07/22 毎日新聞 エジプト:新内閣が発足 旧閣僚残留で反発も
◆2011/07/23 yomiuri.co.jp エジプト主要閣僚交代…改革遅れにガス抜き図る
◆2011/07/24 cnn.co.jp カイロでデモ隊と住民が衝突、負傷者多数
◆2011/07/24 asahi.com エジプト軍支持者、青年のデモ隊と衝突 300人超負傷
◆2011/07/24 nikkei.com カイロでデモ隊数千人と軍支持者衝突、143人負傷
◆2011/07/24 yomiuri.co.jp デモ隊と軍支持の市民衝突、負傷者多数…カイロ
◆2011/07/25 毎日新聞 エジプト:カイロで衝突 負傷者309人に
◆2011/07/27 nikkei.com ムバラク氏が食事拒否 体重減り衰弱
◆2011/07/27 毎日新聞 エジプト:軍政へ抗議続く 「アラブの春」夏の陣 若者再び「聖地」に
◆2011/07/27 毎日新聞 エジプト:ムバラク前大統領「固形食拒む」 民主化勢力は批判「裁判回避の情報戦」
◆2011/07/31 毎日新聞 エジプト:保守系イスラム台頭 デモに多数 若者団体が警戒


 
 
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淡い夢に終わりかねない「アラブの春」専門家の見方

2011.06.02 Thu posted at: 11:57 JST

(CNN) 2月にエジプトのムバラク前大統領が辞任に追い込まれた時には、アラブ世界の平和的な民主化は間近かと思われた。だが、中東や北アフリカの国々では今も独裁者による反体制派の厳しい弾圧が続いている。

「(中東の)独裁者が自発的に舞台を降りるのは(ムバラクが)最後だ」と言うのは、ワシントンの保守系シンクタンク、アメリカンエンタープライズ研究所のマイケル・ルービン研究員だ。ムバラク前大統領は8月に裁判が予定されており、死刑宣告を受ける可能性もある。独裁者たちは「平和的に引退できる可能性はないと思っている」とルービン研究員は言う。

多くの専門家は、アラブ世界で全域が春を迎えるとの見方を疑問視している。国によって置かれた状況が大きく異なるためだ。リビアでは国家への帰属意識が「非常に低い」ことが反体制派の足かせになっていると米外交評議会のロバート・ダニン上級研究員は言う。部族意識が強すぎて統一戦線が張れないからだ。アメリカの同盟国であるバーレーンとイエメンでも、政府側と反体制派の衝突が続いている。

バーレーン政府は1日、3月に出された非常事態宣言を解除した。だが反体制シーア派勢力への弾圧は続いている。

こうした状況の中、欧米諸国、特にアメリカが民主化を求める圧力をどの程度かけるかは微妙なところだ。米海軍第5艦隊はバーレーンに司令部を置いている。もし現政権が倒れれば「間違いなくバーレーンはイランの勢力圏になる。米国は政権交代など受け入れられまい」とルービン研究員は言う。

また、イエメンもサレハ政権が倒れればアルカイダの本拠地となる危険性があるとルービン研究員は指摘する。



 
 
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エジプト前大統領、8月に初公判 デモ隊への発砲命令

2011.06.02 Thu posted at: 16:04 JST

カイロ(CNN) エジプトの司法当局は1日、今年1月から2月にかけての大規模な反政府デモの参加者に対する殺害謀議の罪で起訴されたムバラク前大統領の初公判が今年8月3日、首都カイロの刑事裁判所で行われると発表した。前大統領はデモ拡大を受け、今年2月11日に辞任している。

ムバラク前大統領は今年1月25日、カイロのタハリール広場に結集したデモ隊への実弾発砲を警官隊に命令した罪に問われているが、自らは無罪を主張している。前大統領の弁護士によると、ムバラク氏は起訴に対し非常に悲しんでいるが、後悔はしていないとの心境にあるという。

エジプト政変では、前大統領の息子であるアラー、ガマル両氏も不動産の低価格取得に絡む不正利益や汚職の罪で起訴されている。

ムバラク前大統領は心臓や血圧障害を訴えた今年4月中旬以降、東部シャルムエルシェイクの病院内で拘束されている。司法当局は先月31日、前大統領の病状が重いためカイロの刑務所病院への移送は不可能と判断していた。

ただ、法務省当局者は最近、生命維持装置を装着した被告が出廷した例に言及、前大統領の病状が改善すれば数時間の出廷は可能との見方を示していた。



 
 
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ムバラク前大統領、8月に初公判

2011年6月2日1時9分

エジプト司法当局は1日、治安部隊に発砲を命じ反体制デモ参加者を殺害した罪や不正蓄財の罪で起訴されたムバラク前大統領と息子2人の初公判を、8月3日にカイロの裁判所で行うことを決めた。エジプト国営テレビが伝えた。

ムバラク前大統領は東部シャルムエルシェイクの病院内で拘束中。5月28日、デモを妨害するため1月に携帯電話網とインターネットを切断、経済に損害を与えたとして、罰金2億エジプトポンド(約27億円)の判決を受けているが、発砲命令などの罪での審理は始まっていない。次男のガマル前与党政策委員長ら息子2人は、カイロの拘置所で拘束されている。(カイロ=貫洞欣寛)



 
 
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ムバラク前大統領初公判、8月3日に…長男らも

【カイロ=田尾茂樹】エジプトで反体制デモ参加者を意図的に殺害した罪や、不正蓄財の罪などで起訴された同国のムバラク前大統領(83)の初公判が、8月3日に開かれることになった。

半国営の中東通信が1日、伝えた。前大統領の長男アラア、次男ガマル両被告と、国外逃亡中のエジプト人実業家の公判も同じ日程だという。

前大統領は、デモ参加者殺害で有罪になれば、死刑となる可能性がある。前大統領を辞任に追い込んだデモでは、参加者846人が治安部隊の弾圧などで死亡したとされる。

検察当局によると、前大統領は首都カイロへの移送に耐えられる健康状態ではないとされ、東部シャルムエルシェイクの病院で治療を受けているという。

(2011年6月2日17時40分 読売新聞)



 
 
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デモ隊殺害関与で起訴のムバラク前大統領、8月3日に初公判

2011年06月02日(木)10時33分

[カイロ 1日 ロイター] エジプトの司法当局は1日、反政府デモ参加者の殺害に関与した罪などで起訴されたムバラク前大統領と息子2人の初公判を、8月3日にカイロの刑事裁判所で行うと発表した。

ムバラク被告は「殺害を事前に企てた」罪などに問われており、有罪の場合は死刑が科せられる可能性もある。エジプトの反政府運動では、840人以上が死亡した。

4月に拘束された際、事情聴取で心臓発作を起こしたムバラク被告について、検察当局は、まだ拘置所内の病院に移送できる状態ではないとし、当面は保養地シャルムエルシェイクの病院に滞在すると見通しを示した。

クリントン米国務長官は、ムバラク被告の公判が「適正な手続きで行われるよう望む」と述べた。



 
 
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ムバラク前大統領、8月に公判

2011/6/2 0:25

エジプトの裁判所は1日、反政府デモを受けて辞任したムバラク前大統領に、8月3日の公判に出廷するように命じた。前大統領はデモ隊の殺害を指示した罪で起訴され、有罪となれば最高刑は死刑。息子2人の公判も同時に始まる。ロイター通信などが伝えた。(カイロ支局)



 
 
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NEWS25時:エジプト 前大統領、8月に初公判

エジプトの民主化要求デモ参加者の殺害を指示した罪などで起訴されたムバラク前大統領(83)と息子2人の初公判が8月3日に行われることになった。国営の中東通信が1日、報じた。

ムバラク政権による長年の独裁政治に反発して1月25日に始まったエジプトの民衆蜂起では、当局の弾圧などで846人が死亡している。【カイロ】

毎日新聞 2011年6月2日 東京朝刊



 
 
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サウジなど湾岸産油国、相次ぎエジプトに金融支援

2011/6/3 0:11

【ドバイ=太田順尚】サウジアラビアなどペルシャ湾岸産油国が、エジプトへの資金支援を相次ぎ打ち出している。カタールはエジプトの複数のプロジェクトに総額100億ドル(約8100億円)を投資、サウジは約40億ドルの金融支援を表明した。湾岸諸国は、エジプトがイランに対抗する外交政策を変更し、地域の勢力バランスが崩れることを懸念。原油高で蓄えた資金を元手に支援し、路線継続を促す姿勢を鮮明にしている。

カタールのアティーヤ国際協力相は5月末、エジプトのアブルナガ国際協力相と会談し、同国との合弁プロジェクトに総額100億ドルを投資することを約束。そのうちエジプト北部アレクサンドリア近郊など2カ所に90億ドルを投じる港湾整備事業では、100万人分の雇用創出を目指し、反政府デモの背景となった失業対策を本格支援する。

サウジもエジプトの金融当局を通じた10億ドルの資金支援や、5億ドルの長期低利融資などを含む総額40億ドルの金融支援の実施を表明。サウジの不動産開発企業も、エジプトのシャラフ首相に約70億ドルを投じ、低中所得層向けの住宅20万戸を整備する計画を提案した。

エジプトの暫定政権はパレスチナ自治区ガザの封鎖を緩和し、イランとの関係改善を示唆するなど対外政策で独自色を出し始めている。湾岸産油国は、エジプトが親イスラエル・反イランの政策を転換すれば、敵対するイランが勢力を増し、地域が不安定になると懸念。エジプトへの支援を打ち出している米欧や国際通貨基金(IMF)、世界銀行などと歩調を合わせつつ独自の支援策を示し、エジプトに外交路線の維持を促している。

多額の支援を後押ししているのが、1バレル100ドルを超す原油高だ。資金的に余裕がある湾岸諸国はエジプトへの支援に加え、サウジが自国の反政府デモの火種を消すため住宅整備などに約1300億ドルを拠出する大型懐柔策を打ち出すなど、オイルマネーを中東混乱を受けた地域や国内の安定のために振り向けている。

リーマン・ショック前の原油高では、オイルマネーは米シティグループや英バークレイズなど米欧企業の株式所得などに向かった。中東の混乱はマネーの流れも変えている。



 
 
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フェイスブック:民主革命支えた 独裁崩壊、カイロで「変化」実感

昨年末からの中東民主革命では、ツイッターやフェイスブックなどが活躍した、と言われている。本当だろうか。「だってエジプトの識字率は5〜6割。ツイートだって読み書きできなきゃ無理だぜ」と言いたくなった。ツイッターを始めたばかりの私は、結構使いこなしているアイフォーン(米アップル社の多機能携帯電話)と、買ったばかりのデジタル一眼レフを手に、15年ぶりにカイロに向かった。【カイロで田嶌徳弘】

1996年秋までの4年間、私は本紙特派員としてカイロに家族で住んでいた。90年代、ムバラク体制は盤石だった。大統領には何度か暗殺の危機があったが、その都度乗り切ると、事実上の独裁者として君臨した。今回、デモの拠点となったカイロ市内のタハリール広場からの映像が流れるたび、民主革命の出発点となったチュニジアのように簡単には政権を手放すことはないだろうと思っていた。ところが、「9月の任期まで務める」という大統領テレビ演説の直後、猛反発した国民が全土で100万人規模のデモを起こす。そして2月11日、ムバラク大統領はついに退陣を表明した。30年間、君臨した男が民主的なデモで倒されるなんて、エジプトってそんな国だったっけ? トルコ航空機でカイロに着いたのは、その1週間後だった。

◇「人の和」結ぶ

ロンドンに住むレバノン系英国人のジャーナリストに読むべきツイートを教えてもらった。おお、確かに新聞やテレビには出てこない情報があふれている。だが、エジプトの国民の多くはこんな情報を取ることができないはずだ。識字率の高くない国では、最も影響を与えるメディアはテレビだ。ムバラク政権は90年代から、新聞には反政府的な記事も許してきた。しかし、テレビだけは許さなかった。今回も国営放送はデモを報じなかった。報じたのは「アラブのCNN」と言われる放送局アルジャジーラだった。

エジプト政府はアルジャジーラの記者を逮捕し、機材も没収した。さらに、その放映を妨害して見ることができないようにした。そのたびにアルジャジーラは新たな記者を送り込み、ツイッターを使ってテレビを見ることのできる新しい周波数を伝えた。年配の人たちも、息子や娘たちから「この周波数に変えればいいよ」と教えてもらえたという。アルジャジーラの映像にはタハリール広場に集まる人たちの姿が24時間映し出されていた。

カイロ滞在中、タハリール広場に毎日出向き、いろいろな人たちの話を聞きながら、毎日ツイートした。その1週間、いわゆる「イスラム過激派」の“におい”は全くしなかった。民主的な選挙が行われればイスラム過激派が台頭すると、日本の新聞、テレビで中東専門家は危惧していた。だが、エジプトの若者たちは、欧米やアジアの若者たちと何も変わらない。

私が出会った若い人たちにとって、ツイッターやフェイスブックはもう当たり前のツールだった。タハリール広場から宿泊しているホテルに歩いて戻る途中、若い女性から「そこ踏まないで。ペンキ塗りたてだから」と言われた。見れば、数人の若者が歩道のへりをペンキできれいに塗っていた。みなフェイスブックでの呼びかけで集まった大学生たちだという。15年前の経験でいえば、カイロの町はゴミだらけだった。でも、人々は本来はきれい好きで、自分の家はきれいに掃除している。民主革命後、エジプトは変わったのだ。その大学生たちは道路にペンキを塗り、町をきれいにしていた。「だって私たちの国だから」。エジプトの人たちは初めて、そう感じたのだと思う。

カイロだけではない。1日だけ立ち寄ったエジプト第2の都市アレクサンドリアでも、若者たちはペンキを塗っていた。古代遺跡の町ルクソールでも同じようだったと、米国人旅行者から聞いた。

夜はビールを飲めるバーに通った。ラドワ(29)という女性と知り合った。私がアイフォーンでツイッターをチェックしていたら、声をかけてきた。「もっと知りたかったら、この人をフォローしたほうがいい」と言って、何人ものアドレスを教えてくれた。ムバラク退陣後もツイッターは活躍しているようだ。秘密警察が過去の資料をひそかに焼却処理しようとしたところ、それを知った人がツイッターで呼びかけ、抗議のデモが起きて阻止できた。エジプト政府はもはや思い通りには物事を進めることができなくなっていた。

もう一人、カイロで知り合った人がいる。「アラブ世界の村上春樹」のような存在の作家、アラア・アスワニさん(53)だ。アスワニさんは何年も前から新聞のコラムで政府を批判し、今回の革命を予期していた。ただ、欧米でも人気のあるベストセラー作家だけに、政府が逮捕したりすることはなかった。アスワニさんはタハリール広場に毎日行き、デモに参加した。政府が狙撃兵を使ってデモ隊を狙った。近くにいた2人の男性が撃たれて亡くなった。そのとき、アスワニさんは確信したという。「国民に銃を向けたとき、ムバラクは終わった。そしてその通りになった」と話してくれた(★注)。

天の時、地の利、人の和という。天も地もあった。最後の「人の和」を結びつけたのがツイッターとフェイスブックだった。

◇「9・11の時代」終わる

カイロで私は、91年、北アフリカのアルジェリアで行われた極めて民主的な国政選挙のことを思い出していた。開票が進むと、国会の議席の8割をイスラム原理主義勢力が占めるということがわかった。軍はクーデターを起こし、選挙を無効にした。だが、欧米諸国は非難せず、軍の行為に目をつぶった。民衆はこれを、民主的な方法では政権は代えられないというメッセージと受け止めた。ならばテロしかないではないか。

実際、アルジェリアではその後、政府とイスラム過激派との間で壮絶な戦いが続き、何万人もの人が亡くなる。94年のクリスマスイブ、過激派組織が首都アルジェでエールフランスの旅客機を乗っ取った。失敗に終わったが、そのグループは旅客機をパリ上空で爆破させる計画だった。

9・11米同時多発テロの首謀者とされるウサマ・ビンラディン容疑者は、その流れに乗って90年代後半から数々のテロ攻撃を仕掛ける。本人と何度も単独インタビューしている英インディペンデント紙のロバート・フィスク記者によれば、彼は「(親欧米で独裁的な)エジプトやチュニジアの政権を倒す」と話していたという。だが、それらの政権はテロでは倒すことができなかった。倒したのはイスラム過激派でも何でもない、国民のデモだった。そしてビンラディン容疑者は5月1日、米軍に殺害された。

「9・11の時代」は終わった。アラブの人たちはテロ以外のやり方があるということを知ってしまった。ビンラディン容疑者のできなかった革命を、ツイッターやフェイスブックを使った若者たちが成し遂げてしまったことになる。過激思想に傾倒していた若い人たちがエジプトで起きた革命を目のあたりにしたら、何をなすべきか、明らかだろう。もう9・11のような事件は起きないと、私には断言できる。そこに大義がないからだ。

15年前、私はフィスク記者から、ビンラディン容疑者の連絡先を聞いた。同じやり方でインタビューを申し込んだが、返事はなかった。ビンラディン容疑者は今回のエジプトの革命を知っていたはずだ。殺される前に、その感想だけは聞きたかった。

==============

★注=アスワニさんのインタビューを掲載した毎日RTの記事はURL「http://mainichi-rt.com/icon/2011/02/28/」で読めます。

毎日新聞 2011年6月4日 東京朝刊



 
 
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IMF、エジプトに30億ドル融資枠 民主化を支援

2011/6/6 1:36

【カイロ=花房良祐】国際通貨基金(IMF)は5日、エジプトに対して30億ドル(約2400億円)の融資枠を設定することで同国と合意したと発表した。ムバラク政権崩壊後の経済の混乱で財政が悪化しているエジプトの民主化を支援する。期間は1年間で、ラドワン財務相によると金利は1.5%。エジプトは次期財政年度(2011年7月〜12年6月)の経済対策の原資にする。

IMFはエジプトの財政について、消費税の導入や、食料と燃料に対する補助金削減などの改革が必要とも指摘した。

エジプトは政変後の混乱で主要産業の観光業が打撃を受け、生産活動も回復していない。公務員給与を増やしたことで歳出も増加し、今年度と来年度で合計120億ドルの財政の穴埋めのため、支援を要請していた。



 
 
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エジプト世論は将来を楽観視、根強い米国への不信感

2011.06.07 Tue posted at: 18:31 JST

(CNN) ムバラク政権崩壊後のエジプトの将来について、大半の国民は全般的に明るい見通しを持っていることが、調査会社ギャラップの世論調査で分かった。米国に対しては根強い不信感が表れていた。

調査は15歳以上の約1000人を対象に面談形式で実施され、5日にカイロ市内の会合で結果が発表された。ギャラップは4年前から毎年同国で世論調査を行ってきたが、ムバラク前大統領の退陣後では初の調査となり、結果には社会、宗教、政治改革に関する国民の意識の変化がはっきりと映し出された。

発表によると、自分たちが憲法を立案する場合、その条項に言論の自由を加えると答えた人は全体の92%に上った。67%の人が信教の自由、55%が集会の自由を含めると回答した。

自分の宗教団体を信頼している人は92%、エジプトにとって宗教が重要だと考える人は96%に上り、69%の人が宗教指導者に新政権の顧問役を果たしてほしいと答えた。宗教指導者が全権を担うべきだとの回答は14%、果たすべき役割はないとの回答は9%にとどまった。

政権交代につながった民主化デモではツイッターやフェイスブックなどのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)が大きな力を発揮したといわれるが、実際にSNSから情報を得ていた人は8%で、大半の人は衛星テレビのアルジャジーラや国営メディアのニュースを頼りにしていた。

米国の今後の動きについては、エジプトの将来に影響を及ぼそうとするだろうと予想する人が88%に上る一方、エジプトの政治団体を支援することには75%が反対していた。不信感の原因としては米国のイスラエル支持を挙げた人が多かった。米国がイスラエルに入植地拡大の停止を促し、イラクとアフガニスタンから撤退すれば対米感情は改善するとの回答が全体の6割を超え、ほぼ3分の2を占めた。



 
 
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エジプト、夜間外出禁止令を15日に全面解除

2011/6/7 1:46

【カイロ=花房良祐】エジプトでムバラク政権崩壊後に実権を握る軍最高評議会は6日、首都カイロなどで発令していた夜間外出禁止令を15日に全面解除することを決めた。AFP通信によると、軍当局は「(デモを続ける国民に)日常生活に戻ることを促すため」と話した。

エジプトでは1月末の騒乱の際に夜間外出禁止令を導入。その後、徐々に時間は短縮されてきたが、カイロや第二の都市アレクサンドリアでは治安維持のために午前2時から同5時まで外出が禁止されていた。



 
 
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三菱東京UFJ銀、エジプト大手と提携 進出企業の取引支援

2011/6/7 12:07

【カイロ=花房良祐】三菱東京UFJ銀行は6日、エジプト大手民間銀行コマーシャル・インターナショナル・バンク(CIB)と業務提携した。三菱東京UFJ銀がCIBにエジプトに進出する日本企業を紹介し、法人取引を支援する。政変後のエジプト経済は混乱しているものの潜在成長力は高いとみており、同行の中東事業の強化につなげる。同行がエジプトの銀行と提携するのは初めて。

CIBは日本企業の担当者を行内に設け、三菱東京UFJ銀の助言を受けながら日本企業に対応する。将来的には人材交流などを含む関係の強化も視野に入れる。エジプトで邦銀は連絡事務所の開設にとどまり、銀行業務は手掛けていない。CIBと提携することで取引先の日本企業の現地での活動を支援する。

エジプトに進出している日本企業は商社や製造業など約60社。政変後も人口増や中間層の拡大に着目して味の素やユニ・チャームなどが進出計画を進めている。



 
 
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米、日欧にエジプトの債務免除要請 中東安定を後押し

2011/6/11 2:00

【ワシントン=矢沢俊樹】オバマ米政権が日本や欧州諸国にエジプトへの公的な債務の免除を要請し始めたことが明らかになった。中東・北アフリカの民主化と安定化で鍵を握るエジプトの再建を後押しするため、先進各国に応分の負担を求める。日本政府は大幅な負担増に直結する債務免除に慎重な半面、新規融資など一定の金融支援は避けられないとの判断から検討を急ぐ。

関係者によると、5月末までに米国のガイトナー財務長官とクリントン国務長官が連名で主要8カ国(G8)と債権国である北欧諸国に書簡を送り、債務問題を巡る救済策を訴えた。米政府は内政の混乱で対外債務の支払い能力が大幅に低下したエジプトの情勢を考慮し、一律の債務免除に照準を定めている。負担軽減で浮いた資金を、国内の雇用促進やインフラ投資に振り向けさせるよう主張している。

エジプト中央銀行によれば昨年6月末時点の対外債務(民間債務含む)残高は337億ドル(約2兆7000億円)、うち日本の債権残高は40億ドルで国別トップ。日本の財務省によればエジプト向け円借款は昨年3月末時点で約3000億円。

書簡では国ごとの要請額は明示していない。米は既に債務免除と新規の投融資を柱とする最大20億ドル規模の支援を決定。日欧などにも同様の措置を促したとみられる。

ただ、いったん事実上の債務免除に応じれば、政府や銀行による新たな資金の供与が難しくなるなどの理由から、日欧は米が求める一律の救済に現時点で慎重だ。代替策として、日本は独自に長期・低利資金を融通する円借款や世界銀行などの国際機関を経由した新規融資を検討する方向だ。

ムバラク政権が崩壊した後のエジプトでは、暫定政権が従来の親米・親イスラエル路線に修正を加える動きも示している。米が支援を急ぐ背景には、中東・北アフリカで民主化を定着させるとともに親米勢力をつなぎ留める狙いがうかがえる。中国などが資金援助などをテコに中東諸国の囲い込みを強めていることへの危機感もある。



 
 
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エジプト:国軍が「処女検査」? デモ参加女性に 人権団体が批判

◇「兵士の暴行無実を証明」

【カイロ和田浩明】エジプトを暫定統治する国軍が、カイロ市内でデモに参加していた女性に対し「処女検査」を行った疑いが浮上している。国軍側は公式には否定しているが、軍幹部の一人は米CNNテレビの取材に対し「拘束した女性を兵士が性的に暴行していないことを証明するために実施した」と証言。国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは「女性に政治活動をさせないための差別的ないやがらせ」と強く批判し、責任者の処罰を求めている。

アムネスティによると、国軍は今年3月9日、カイロ中心部のタハリール広場でデモに参加していた女性18人を拘束。殴打したり電撃を加え、うち17人に問題の検査を行った。

米FOXテレビによると、検査は白衣姿の男性が扉や窓を開け放った部屋で実施し、男性兵士が周囲からのぞきこんだり写真を撮影していたという。

女性らは同11日に軍事法廷で裁かれ、13日には拘束を解かれた。うち数人は、風紀びん乱罪などで有罪判決を受けた。

軍幹部の一人は地元紙の取材などに対し「市民と軍を分断するために作られたでっち上げ」と反論した。だがCNNテレビで検査の実施を匿名で証言した別の軍幹部は女性たちについて「我々の娘とは違う。(広場の)テントで男性デモ参加者と一緒に寝ていた」と批判。検査の実施理由については「(拘束中に)兵士が性的に暴行したと批判されないよう、すでに処女でないことを証明するためだった」と語った。

アムネスティは「倒錯した正当化だ。女性たちが受けた検査は拷問以外の何物でもない」と激しく批判している。

エジプトはムバラク政権が2月に崩壊後、軍最高評議会が統治しており、早期の民政移管方針を表明している。

毎日新聞 2011年6月15日 東京夕刊



 
 
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アルカイダの指導者にザワヒリ容疑者を後継指名

2011年6月16日20時21分

国際テロ組織アルカイダは16日、米軍に殺害されたオサマ・ビンラディン容疑者の後継指導者にエジプト人のアイマン・ザワヒリ容疑者(59)を選んだ、との声明を出した。

長年「アルカイダのナンバー2」と呼ばれてきたザワヒリ容疑者の後継指名で、アルカイダはテロ戦術を続けると見られ、ザワヒリ容疑者が自らの指導力を示すため新たなテロを行う可能性もある。ザワヒリ容疑者はアフガニスタンかパキスタンに潜伏しているとみられる。

インターネットのイスラム系サイトに16日に掲載された「アルカイダ総指導部」名義の声明は「協議に基づき、アイマン・ザワヒリ師を新たな指導者に指名した。我々は神の助けを得て異教徒の侵略者との戦いを続ける」としている。



 
 
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ビンラーディン後継、ザワヒリ容疑者を任命

【カイロ=田尾茂樹】国際テロ組織アル・カーイダは16日、イスラム過激派のウェブサイト上で、米軍に殺害された指導者ウサマ・ビンラーディンの後継指導者として、エジプト人の副官で2001年の米同時テロの計画立案に関与したとされるアイマン・ザワヒリ容疑者(59)を任命したと発表した。

アル・カーイダ「指導部」名で出された声明では、「イスラム教徒の地を侵略する米国やイスラエルと、その支援者」に対して「聖戦」を続けると予告し、テロ攻撃を続行させる構えを改めて示した。

ザワヒリ容疑者は学者一族出身の外科医。1980年代後半にアフガニスタンに侵攻した旧ソ連軍との戦闘に参加し、ビンラーディンと出会ったとされる。パキスタンとアフガニスタンの国境地帯に潜伏中とも言われるが、所在は分かっていない。

(2011年6月16日20時34分 読売新聞)



 
 
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アルカイダ新指導者にナンバー2・ザワヒリ容疑者

より強硬路線に傾く可能性も

2011/6/16 19:54

【ドバイ=太田順尚】国際テロ組織アルカイダは16日、5月に米軍にパキスタンで殺害されたウサマ・ビンラディン容疑者の後継指導者を、ナンバー2のアイマン・ザワヒリ容疑者に決めたとの声明を出した。同容疑者はアルカイダの理論的支柱で、後継候補の本命だった。複数の対米テロに関与したともされ、アルカイダはより強硬路線に傾く可能性がある。

アルカイダ系のウェブサイトに掲載された声明は「アルカイダの幹部は協議の末、ザワヒリ師を指導者に決めた」と指摘。「ザワヒリ師の指導の下、侵略者の米国と、そのしもべであるイスラエルに対する容赦ない聖戦を続ける」と強調し、テロによる対米強硬路線を継続する姿勢を示した。

ザワヒリ容疑者はエジプト出身で、60歳前後とされる。外科医の修士号を持つ傍ら、エジプトのイスラム過激組織の指導者を務めた。アフガニスタンで対ソ連戦に参加した際、ビンラディン容疑者と知り合い、アルカイダ創設初期から勢力拡大に貢献。1998年のケニアとタンザニアの米大使館爆破事件などに関与したとされ、米国から最重要テロリストの1人として指名手配された。

現在はアフガニスタンとパキスタンの国境地帯に潜伏しているとされるが、聖戦を呼びかける声明を頻繁に出し、アルカイダの「顔」の役目を果たしている。イスラム教の発祥の地であるアラビア半島の出身でなく、カリスマ性もビンラディン容疑者に劣るとされるが、理論家で資金調達能力にたけ、イエメンやイラクなどのアルカイダが支持したとみられる。



 
 
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米軍、ザワヒリ容疑者の拘束・殺害目指す方針

【ワシントン=黒瀬悦成】マレン米統合参謀本部議長は16日の記者会見で、米軍が殺害した国際テロ組織アル・カーイダ指導者ウサマ・ビンラーディンの後継に選ばれた副官のアイマン・ザワヒリ容疑者について、「(ビンラーディンと)同様の目に遭わせる」と語って、拘束または殺害に全力を挙げる方針を表明した。

ザワヒリ容疑者についてはゲーツ国防長官も「試練にさらされるだろう」と述べ、アル・カーイダ内で指導力を発揮できるかは疑問との見方を示した。ザワヒリ容疑者はエジプト出身で、ビンラーディンの母国サウジアラビアやイエメン出身の構成員との間に溝があるとされている。

(2011年6月17日18時15分 読売新聞)



 
 
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アルカイダ:最高指導者にザワヒリ容疑者 武力闘争路線を継続

【カイロ和田浩明】国際テロ組織アルカイダは16日、米軍特殊部隊が5月にパキスタンで殺害した最高指導者ウサマ・ビンラディン容疑者の後任に、ナンバー2でエジプト人のアイマン・ザワヒリ容疑者(59)が就任したと発表した。現在の潜伏地は不明。米欧や中東の世俗政権に対するテロ攻撃を主張してきた人物で、アルカイダは武力闘争路線の継続を明示した。

今回の発表は、インターネットのイスラム過激派サイトに「アルカイダ聖戦組織総司令部」名で掲載された。「ジハード(聖戦)はイスラム教徒の土地の占領者と、イスラム教を放棄した支配者に対し、終末の日まで続く」と宣言。パレスチナ占領を続けるイスラエルやその後ろ盾である米国、米国の支援を受ける中東の政権に対するテロを継続する意向を示した。

ザワヒリ容疑者は、組織の活動を対米欧テロに拡大し、「棄教者」とみなしたイスラム教徒も標的にするよう主張。01年9月の米同時多発テロの首謀者の一人とされる。ただ、ビンラディン容疑者のようなカリスマ的資質を欠いているとされ、米主導の対テロ戦争で大幅に弱体化したアルカイダの再拡大を図れるかを疑問視する専門家もいる。

ザワヒリ容疑者は98年の東アフリカ米大使館連続爆破テロ事件で米当局に起訴され、米連邦捜査局(FBI)が逮捕につながる情報に2500万ドル(約20億円)の懸賞金をかけている。

エジプトの首都カイロ生まれのザワヒリ容疑者は、医学生時代にイスラム過激思想に心酔し、過激派「イスラミック・ジハード」を設立。81年のサダト・エジプト大統領暗殺事件に関連して逮捕・投獄された。84年に出獄後、アフガニスタンに侵攻した当時のソ連に対抗するイスラム教徒の武力闘争を現地で支援。ここでビンラディン容疑者と出会った。

毎日新聞 2011年6月17日 東京朝刊



 
 
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アルカイダ:最高指導者にザワヒリ容疑者 米、否定躍起「カリスマ性なし」

【ワシントン白戸圭一、古本陽荘】国際テロ組織アルカイダの最高指導者にアイマン・ザワヒリ容疑者が就任したことを受け、米政府は主にイスラム教徒に向けアルカイダが「過去のもの」であることを強調している。エジプトやチュニジアで独裁政権が打倒されたことを踏まえ、平和的な運動こそが体制変革につながるとのメッセージを広め、テロリストを志願する若者を減らそうとの戦略だ。

カーニー米大統領報道官は16日の記者会見で、ザワヒリ容疑者の組織継承について、「まったく驚いていない。アルカイダのイデオロギーは破綻したものだ」と一蹴。新たに就任した国務省のヌーランド報道官は同日の会見で「変革のための平和的行動は、アルカイダの生み出したものよりはるかに多くのことをイスラム教徒にもたらしている」と述べ、中東の民主化運動がテロによる変革要求に取って代わるとの見方を強調した。

さらに米政府は、先月2日にアルカイダの最高指導者、ウサマ・ビンラディン容疑者を殺害して以降、イスラム教徒の若者を魅了してきたアルカイダの「カリスマ性」を否定する戦略も追求しているとみられる。

ビンラディン容疑者の殺害後には、パキスタン国内の潜伏先から大量のポルノビデオを押収したことが米メディアにリークされ、同容疑者の「俗人ぶり」が強調された。

16日に退任前の最後の定例会見に臨んだゲーツ米国防長官は「ビンラディン容疑者は組織発足時から指導者だったという特別な事情でカリスマ性があったが、ザワヒリ容疑者にはない」と述べ、ザワヒリ容疑者による組織継承を機にアルカイダにまつわるカリスマ性は一層低下するとの見方を示した。

毎日新聞 2011年6月17日 東京夕刊



 
 
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エジプト、新外相にオラービー外務次官

2011/6/20 10:28

エジプトの中東通信によると、暫定内閣のシャラフ首相は19日、アラブ連盟事務局長に7月に転出するナビル・アラビ外相の後任に、ムハンマド・オラービー外務次官(経済関係・国際協力担当)を充てる人事を内定した。

オラービー氏は駐ドイツ大使を務めたほか、クウェートやロンドン、ワシントンの大使館での勤務経験がある外交官。

(カイロ=共同)



 
 
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「ムバラク氏は胃がん」弁護士語る エジプト前大統領

2011年6月20日23時23分

2月に退陣したエジプトのムバラク前大統領について、同氏の弁護士が20日、「胃がんにかかっている」と述べた。AFP通信などが伝えた。

ムバラク氏は治安部隊にデモ参加者への発砲を命じたなどとして起訴され、8月3日に初公判を迎える予定。心臓の不調などを訴えてエジプト東部の病院で拘束されている。弁護士の発言は、容体悪化の情報を流して初公判でムバラク氏の出廷を避けるための戦術の可能性もある。一方で同氏は昨年3月、「胆嚢(たんのう)の手術」を名目にドイツで入院しており、当時からがんの可能性がささやかれていた。



 
 
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ムバラク前大統領は「胃がん」…弁護士明かす

【カイロ=田尾茂樹】民衆デモで2月に辞任に追い込まれたエジプトのムバラク前大統領(83)の弁護士は20日、前大統領が「胃がんを患っている」と明らかにした。

ロイター通信などが伝えた。進行度は不明。前大統領はデモ隊殺害などの罪に問われ、8月3日に初公判の予定だが、病状次第では公判日程に影響が出る可能性もある。

前大統領は汚職などの容疑で4月に拘束されたが、心臓の不調を訴え、国内東部シャルムエルシェイクの病院で治療を受けている。

(2011年6月20日23時58分 読売新聞)



 
 
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エジプト:「ムバラク被告はがん」弁護士発言

【カイロ和田浩明】ロイター通信によると、民主化デモ参加者を殺害した罪などで起訴されたエジプトのムバラク前大統領に関し、弁護士が20日、「がんを患っている」と発言した。前大統領は体調不良でエジプト東部の保養地シャルムエルシェイクの病院に入院中で、8月3日に裁判が始まる予定だ。

ムバラク被告は大統領時代の10年3月、ドイツで胆のう摘出手術を受けた。主治医が膵臓(すいぞう)がんの専門家だったことなどから、がん説が何度か中東メディアで報じられていた。

毎日新聞 2011年6月21日 東京朝刊



 
 
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ムスリム同胞団の幹部、エジプト大統領選に出馬の意向

2011年6月24日19時11分

エジプト最大の野党勢力で、民衆革命後に合法化された穏健イスラム勢力ムスリム同胞団の元幹部らが今秋にも予定されている革命後初の大統領選に無所属で立候補する意向を示した。一定の支持を得ることも予想され、世俗勢力からは、社会のイスラム化が進むことへの懸念も広がっている。

同胞団は、急激なイスラム化を望まない世論に配慮して、次の大統領選には候補者を立てないと発表していた。出馬を表明したのは医療組合幹部などを歴任した医師アブデルメナム・フトゥーハ氏(59)ら。同氏は宗教、性別による差別に反対し、政教分離を説くなど、進歩的な立場を取る。同胞団は、組織の決定に違反したとして19日に同氏を除名した。

フトゥーハ氏は地元メディアに対し「私はすべてのエジプト人のための候補者だ。同胞団メンバーを含む多数の支持を得る自信がある」と語った。



 
 
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エジプト:「太陽の船」発掘開始 2隻目、早大・吉村名誉教授ら

【カイロ和田浩明】約4500年前の古代エジプトの大型木造船「太陽の船」の発掘作業が23日、カイロ近郊ギザのクフ王のピラミッド脇で始まった。早稲田大学の吉村作治名誉教授らが作業にあたり、今後4〜5年かけて完全復元に取り組む。吉村名誉教授は「ようやく実物が見られて感無量。革命後の国づくりに取り組むエジプトに少しでも貢献したい」と語った。

「太陽の船」は、古代エジプト王が死後に太陽神となり天空を移動するために使用すると考えられていた。1隻目(全長約42メートル、杉製)は54年に発見、復元されてピラミッド脇の博物館に展示されている。今回発掘するのは2隻目で、87年に吉村名誉教授らがレーダーを使用して存在を確認していた。発掘は資金難で中断したが、日本企業の援助で08年から早稲田大学古代エジプト調査隊などがエジプト政府と共同で発掘と復元に向けた準備を進めていた。

毎日新聞 2011年6月24日 東京夕刊



 
 
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いでよ太陽の船 ピラミッド脇で発掘・復元作業始まる

2011年6月25日18時44分

カイロ郊外ギザにあるクフ王のピラミッド近くに埋められている約4500年前の「第2太陽の船」を発掘・復元するために、巨大な石のふたを取り外す作業が23日、現地で始まった。作業を指揮する吉村作治・早大名誉教授は「これから4年ほどかけて全体を発掘・復元したい」と話している。

「太陽の船」は、古代エジプトのファラオ(王)が乗り、永遠に航行を続けるため、ピラミッド脇に埋められている。二つあるうち「第1の船」はエジプト政府の手で発掘・復元され、ピラミッド脇にある博物館に展示されている。「第2の船」は吉村名誉教授らが1987年に地中レーダーを使って存在を確認。2008年から復元に向けた本格的な作業が始まった。

幅5メートル、長さ30メートル、深さ3.5メートルほどの穴に分解されたかたちで埋まっており、重さ約20トンの石のふた約40枚が覆う。復元後は、日本の援助でギザに建設中の考古学博物館に展示される見通しだ。



 
 
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親ムバラク派と反ムバラク派、カイロで衝突

【カイロ=長谷川由紀】エジプトの首都カイロで24日夜、民衆デモを受けて2月に辞任したムバラク前大統領の支持者と反ムバラク派の市民が衝突、AP通信によると約20人が負傷した。

前大統領は、不正蓄財の罪などで起訴され、8月3日に初公判が開かれる予定。

(2011年6月26日09時21分 読売新聞)



 
 
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カイロ中心部、デモ隊と治安部隊衝突

【カイロ=長谷川由紀】エジプトの首都カイロ中心部で28日夜から29日にかけデモ隊と治安部隊が衝突し、保健省によると1036人が負傷した。

目撃者らによると、2月にムバラク前大統領を辞任に追い込んだ民衆デモで死亡した犠牲者を追悼する集会で衝突が発生。その後、数千人規模に膨れあがったデモ隊がタハリール広場や内務省などに移動し、治安部隊が催涙弾を発射するなどした。民衆デモを主導した若者らの間では、ムバラク氏ら旧政権幹部の訴追手続きが遅れていることなどで不満が高まっている。

(2011年6月29日23時32分 読売新聞)



 
 
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カイロの大規模デモに軍出動−9月の議会選挙実施に不安も

2011年 6月 30日 8:14 JST

【カイロ】エジプトでは29日午後、今年2月のムバラク大統領の退陣以降最大規模の暴動に軍隊が出動した。新しく組織された文民警察が新たな暴動に対処しきれず、同国の民主化への移行も遅れる恐れがある。

デモは28日夕から29日午前にかけて行われ、2月の反政府運動で死亡した人たちの肉親らを中心とした約5000人が参加し、治安部隊を圧倒した。保健相の発表によると、投石や催涙弾などで1000人以上が軽傷を負ったが、29日午後の時点で入院していたのは16人だけだった。エジプト国営通信MENAによると、警察は40人を逮捕した。これには米国、英国籍各1人も含まれている。

新たな暴力行為、それに軍隊の支援がなければ警察もカイロ市街を警備できないとみられることは、エジプトの暫定政権にとって大きな挫折といえる。暫定政権は9月に予定されている議会選挙前に、国内の治安を回復すること優先課題となっている。ここ数カ月にわたり社会不安と派閥間の抗争を背景に、政治指導者の中には、大統領選挙が予定されている今年11月までにエジプトが民主化プロセスを完了することはできないのではないか、との見方が出ている。同国の警察が今後予定される議会選挙に向けて十分な治安維持ができるのかどうかが、暫定政権の不安の種になっている。

政治目標に反対する最近のデモと異なり、今回のデモは警察が再び大衆の怒りの対象となった。ムバラク大統領を退陣に追いやった抗議行動の根源には同国警察の残忍性と腐敗への怒りがあった。

しかし、これらの抗議行動は警察が道路警備を、国民にもっと信頼されている軍隊に任せ、国民の前から徐々に姿を消していってから転換点を迎えた。それ以降、内務省は内部からの改革によって国民の信頼を得ようと努めている。同省は通常警察とともに、治安部隊となる中央保安軍(CSF)、それに批判を浴びた国家治安局の後身である国土治安局を監督する。

エジプトの民主活動家でブロガーのワエル・アッバス氏は、これらの法執行機関の改革が不十分であることをここ数日の出来事は物語っているとし、「現在の内務省は完全に解体し、非武装化すべきだ」と述べた。同氏は内務省本部前のタハリール広場での前夜の抗議集会に参加していた。

以前の抗議行動と違って、同広場での集会に参加した人たちの中にムバラク退陣を実現した反政府運動に関係している人はあまりいないようだ。一部の目撃者の話では、多くは戦いたくて仕方がない若者たちに見えるという。

情報が交錯しているため、今回の暴動がどのように起きたのかははっきりしない。内務省のフェイスブック公式ページなどによると、大統領を退陣させた反政府運動で警察によって殺された「殉教者」の肉親らが28日夕刻、カイロ郊外の劇場での慰霊祭に集まった。警察は肉親以外の人が劇場に入るのを阻止しようとし、警官隊と肉親らとの間で小競り合いが発生。警官は群衆を抑えるために携帯武器を使用した。

内務省は、反政府運動で死亡した人々の肉親らを攻撃した「暴力団」がいたとしている。肉親らはその後内務省前で抗議集会をするためにナイル川を渡った。集団の数は数千人に膨れ上がり、これに対してCSFが投石をしたという。午後10時ごろまでには人々はタハリール広場近くまで逃げ、CSFに対して逆に投石を行った。接近戦は少なくとも29日午前3時まで続き、いったん鎮まったあと、軍隊が介入してくるまで再び続いたという。

記者: Matt Bradley



 
 
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<エジプト>カイロでデモ、治安部隊と衝突…1000人負傷

(毎日新聞 - 06月30日 11:55)

【カイロ和田浩明】エジプトの首都カイロ中心部で28〜29日にかけ、治安関係者の訴追を求める数千人のデモ隊と治安要員が衝突し、国営中東通信などによると1000人以上が負傷した。2月にムバラク独裁政権を崩壊させた民衆蜂起以降、首都での大規模騒乱はおおむね収束していたが、蜂起を武力弾圧した前政権幹部の処分が進まないことに、一部国民の不満が爆発した形だ。

内務省やデモに参加した複数の市民団体によると、衝突はタハリール広場で28日夜に始まった。2月の蜂起で死亡したデモ参加者の追悼集会を巡って混乱が発生したのがきっかけとみられる。

治安部隊は催涙ガス弾やゴム被覆弾を発射し鎮圧を図ったが、デモ隊側は石や火炎瓶を投げて反撃した。1度の衝突での負傷者数としては、先の蜂起以来、最悪となった。

エジプトではムバラク政権が崩壊し、軍最高評議会が暫定統治している。先の蜂起に対する弾圧で830人以上が死亡し、ムバラク前大統領らは参加者に対する殺人罪で起訴されたが、蜂起を主導した若者団体などからは「(前政権幹部に対する)訴追のペースが遅い」などと批判が出ていた。

軍部は早期に総選挙を行い民政に移行する方針を打ち出しているが、実施の遅れやトラブルへの懸念も浮上している。



 
 
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カイロ中心部でデモ隊と警官隊衝突 1000人超す負傷者

2011/6/30 9:42

【カイロ=共同】エジプトの首都カイロ中心部のタハリール広場周辺で28日夜から29日にかけ、アドリ元内相ら前政権高官らの訴追の遅れに抗議するデモ隊と警官隊の大規模な衝突があり、中東通信が伝えた保健省の情報では、1036人が負傷した。うち120人が病院に運ばれ、残る負傷者は現場で手当てを受けた。

エジプトでデモ隊と警官隊が衝突するのは数週間ぶりで、2月のムバラク政権崩壊後、衝突による負傷者としては最大規模。

デモ隊が警官らに石や火炎瓶を投げたのに対して、警官隊は催涙弾やゴム弾を発射、広場は29日午後も騒然とした雰囲気が続いた。軍は「治安を脅かす試み」と非難する声明を出した。

デモに参加しているのは、前政権崩壊をもたらした同広場での反政府デモによる死者の遺族ら。29日、追悼集会で座り込みをしていた参加者が内務省前などに移動、数千人が警官隊と衝突した。デモに外部の人間が入り込み、衝突を扇動したとの情報もある。

ゴム弾で頭を撃たれ負傷した弁護士アハメド・アブドルナビさん(23)は「軍の役割はもう終わりにすべきだ」などと、政権崩壊後の軍による暫定統治に不信感をあらわにした。

エジプト政府が依頼した調査によると、ムバラク前大統領が辞任を表明するまでに、市民ら約850人が死亡している。



 
 
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エジプト:カイロでデモ、1000人負傷 治安部隊衝突、前政権幹部の訴追要求

【カイロ和田浩明】エジプトの首都カイロ中心部で28〜29日にかけ、治安関係者の訴追を求める数千人のデモ隊と治安要員が衝突し、国営中東通信などによると1000人以上が負傷した。2月にムバラク独裁政権を崩壊させた民衆蜂起以降、首都での大規模騒乱はおおむね収束していたが、蜂起を武力弾圧した前政権幹部の処分が進まないことに、一部国民の不満が爆発した形だ。

内務省やデモに参加した複数の市民団体によると、衝突はタハリール広場で28日夜に始まった。2月の蜂起で死亡したデモ参加者の追悼集会を巡って混乱が発生したのがきっかけとみられる。

治安部隊は催涙ガス弾やゴム被覆弾を発射し鎮圧を図ったが、デモ隊側は石や火炎瓶を投げて反撃した。一度の衝突での負傷者数としては、先の蜂起以来、最悪となった。

エジプトではムバラク政権が崩壊し、軍最高評議会が暫定統治している。先の蜂起に対する弾圧で830人以上が死亡し、ムバラク前大統領らは参加者に対する殺人罪で起訴されたが、蜂起を主導した若者団体などからは「(前政権幹部に対する)訴追のペースが遅い」などと批判が出ていた。

毎日新聞 2011年6月30日 東京夕刊



 
 
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ジャパンインターネットコムニュース

Twitter、1日のツイート数が2億件を突破

米国 Twitter は2011年6月30日、現在ミニ Blog サービス「Twitter」へのツイート(投稿)数が1日当たり2億件を超えるようになったと発表した。これらのツイートを紙に置き換えると1日で1,000万ページになり、トルストイの『戦争と平和』に換算すると8,163冊に相当する。これを積み上げると高さ1,470フィート(約448m)に達し、地上高世界第2位のビル「台北101」に迫る。すべてのツイートを読むには、31年かかるという。

これまで1日当たりのツイート数は、2009年1月200万件、2010年3月5,000万件、2010年6月6,500万件、2011年2月1億4,000万件と増えてきた。2011年3月11日には1億7,700万件となり、同日の東日本大震災とそれにともなう津波の影響か1秒当たりのツイート(投稿)数(TPS:Tweets per second)が合計5回にわたり 5,000TPS を超えるなど急増した。

2011年上半期のツイートでよく使われた言葉「トレンド ワード」は以下の通り。

【世界的なイベントやニュース】

1位:AH1N1。豚インフルエンザの原因となるウイルス「A(H1N1)」

2位:Mubarak(ムバラク)。反政府デモの影響で失脚したエジプトの前大統領

3位:Easter(イースター)。キリスト教の祝日

4位:Cairo(カイロ)。反政府デモの起きたエジプトの首都

5位:#prayforjapan。東日本大震災に関するハッシュタグ

6位:Chernobyl(チェルノブイリ)。1986年に起きた原発事故の発生地

7位:Libia/Libya(リビア)。内戦中の国

8位:Fukushima(福島)。原発事故が発生中

9位:William & Kate(ウィリアム&ケイト)。ロイヤル ウェディングを行った英国のウィリアム王子とケイト夫人

10位:Gadafi(カダフィ)。リビアの政治的リーダー、カダフィ大佐

【ポップカルチャー】

1位:Rebecca Black(レベッカ・ブラック)。米国の歌手

2位:Femme Fatale(ファム・ファタール)。米国の歌手ブリトニー・スピアーズの新作アルバム

3位:Charlie Sheen(チャリー・シーン)。米国の俳優

4位:#tigerblood(タイガー・ブラッド)。チャーリー・シーンの「俺にはトラの血が流れている」という発言によって有名になったハッシュタグ

5位:Nate Dogg(ネイト・ドッグ)。米国の R&B 歌手

6位:Anderson Silva(アンダーソン・シルバ)。ブラジルの格闘家

7位:Tom & Jerry(トムとジェリー)。著名アニメ

8位:Mumford & Sons(マムフォード&サン)。英国のロックバンド

9位:Bieber alert(ビーバー・アラート)。米国の歌手ジャスティン・ビーバーや彼への熱狂ぶりへの呼称

10位:Queen Gaga(クイーン・ガガ)。米国の歌手レディ・ガガに対する呼称

2011年7月1日

http://mainichi.jp/select/biz/it/japan_internet_com/archive/2011/07/01/busnews_20110701_7.html



 
 
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米オバマ政権、エジプトとチュニジアのイスラム政党と接触

2011年 7月 1日 10:58 JST

オバマ米政権は、中東・北アフリカに広がった民主化運動である「アラブの春」を受けて、政治力をつけているイスラム政党への接触を図り始めた。中東の民主化により、米国はこれまで遠ざけてきた人気の高いイスラム運動を直接相手にしなければならないことに気付いたためだ。

クリントン国務長官は30日、訪問先のハンガリーのブタペストで記者団に対し、オバマ政権は今年9月に予定されているエジプトの大統領選ならびに人民議会選を控え、イスラム原理主義組織ムスリム同胞団のメンバーと「限定的な接触」を図っていることを明らかにした。

同長官は「非暴力を約束している平和的なすべての政党と接触するのは米国の国益に合致する」と指摘、「したがって、米国との話し合いを望むイスラム同胞団メンバーとの対話を歓迎する」と述べた。

オバマ政権は、チュニジアのイスラム政党エンナーダ(目覚め)にはもっと積極的に秋波を送っている。1月のベンアリ前大統領の退陣以降、エンナーダは西側との接触を求め、女性の権利を尊重するとともに、政権の座に就いても宗教法を導入しないと約束している。

エンナーダの指導者らは5月に、駐チュニジア米大使館の便宜を受けてワシントンを訪問し、国務省当局者や議会指導者らと会談した。同党のジェベリ事務局長はインタビューで、「我々は宗教政党ではなく世俗政党であると米側に説明した」と述べた。

米国がエジプトとチュニジアのイスラム政党にアプローチすることを決定したのは、両国で行われる議会選挙後にイスラム政党が重要な役割を演じる可能性が大きいことを反映している。世俗主義者が中東・北アフリカの民衆蜂起を主導したが、世俗主義政党は組織化に四苦八苦しており選挙では多くの議席を獲得できそうにない。

記者: Matt Bradley and Adam Entous



 
 
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大腸菌、感染源はエジプト産香辛料か 欧州食品安全機関

2011年07月01日 07:21 発信地:ローマ/イタリア

【7月1日 AFP】欧州食品安全機関(European Food Safety Authority、EFSA)は6月29日、欧州で48人の死者を出している腸管出血性大腸菌(EHEC)の感染源について、エジプトからフランスとドイツに輸出されたフェヌグリークと呼ばれる香辛料の可能性があるとの見方を示した。

EFSAの声明によると、欧州疾病予防管理センター(European Centre for Disease Prevention and Control、ECDC)と共同で実施したリスク評価で、2009年から2010年にかけてエジプトから輸出されたフェヌグリークが感染に関係している可能性があることが示された。ただ、陽性反応が1件も出ておらず、「フェヌグリークが例外なく全ての感染例の原因なのかどうかは、依然として不確かな部分が多い」という。

EHEC感染による死者はドイツを中心にこれまでに少なくとも48人に上っているが、現時点で感染源は有機栽培のスプラウト(新芽野菜)と特定されている。

また、フランスでも新芽野菜を食べた10人が症状を訴え、病原性大腸菌の感染が確認された。同国当局は英国の業者が関係しているとの見方を示している。(c)AFP



 
 
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米政府、エジプト「ムスリム同胞団」と接触開始

【ワシントン=山口香子】米政府が、エジプトのイスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」と接触を始めたことが明らかになった。

クリントン米国務長官が明らかにした。米国は、ムバラク前政権崩壊後の同胞団の台頭に警戒感を抱いていたが、9月に予定されるエジプト人民議会(国会)選挙で同胞団が一定議席を確保することが確実なため、同胞団との関係構築へ動いたものとみられる。

(2011年7月2日17時56分 読売新聞)



 
 
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古代の宝物殿の門、エジプトで発掘

2011/7/4 12:06

【カイロ=共同】エジプトとフランスの発掘隊は3日までに、エジプト南部ルクソールで古代エジプト末期王朝時代の宝物殿の門などを発掘したと発表した。

門は第25王朝時代(紀元前747〜同656年)のファラオ(王)、シャバカのころのもので、色鮮やかな浮き彫りが施されていた。

このほか現場からは新王国時代のトトメス3世のころの神殿や、プトレマイオス朝時代の外壁も見つかったという。



 
 
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エジプトでイスラエル向けガスパイプ爆破

2011/7/4 22:59

ロイター通信などによると、エジプト北東部のシナイ半島北部で4日未明、イスラエルとヨルダン向け天然ガスのパイプラインが武装集団に爆破され、ガスの輸送が停止した。フランス公共ラジオによると、現場では炎が上がったが負傷者は伝えられていない。

エジプト治安当局者によると、現場はスエズ運河から約60キロ東のガス関連施設。機関銃を持った男らがトラックで近づき、爆発物を仕掛けた。

シナイ半島北部のパイプラインは反政府デモが拡大していた2月5日に爆破され、4月27日にも再び爆発、炎上しており、今年3度目の被害。地元県知事は4月の爆発も「破壊活動」との認識を示していた。(カイロ=共同)



 
 
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エジプト、9月の議会選延期を検討−世俗政党に有利に

2011年 7月 5日 12:47 JST

【カイロ】エジプト軍最高評議会が、9月に予定されている人民議会選挙の延期を検討していることが明らかになった。延期されれば、新生の政党に組織化の時間を与えることになり、世俗派の政治家にとっては有利に働く。

2月にムバラク政権の崩壊を受けて、エジプトを暫定統治している軍最高評議会のメンバーだったアフメド・ワフダン退役将軍が4日明らかにしたもので、ワフダン氏は「選挙は1〜3カ月間延期される可能性が極めて大きい、ただし、3カ月間以上になることはない」と述べた。同氏は、現最高評議会メンバーと定期的に非公式な接触を行っている。最高評議会に近い軍当局者も、選挙延期を検討していることを確認した。

世俗派は議会選ではすでに組織化されているイスラム政党が勝利するのではないかと懸念し、選挙前に新憲法草案を策定するよう求めて8日にカイロでデモを計画している。

エジプトでは、新たに発足した世俗政党や若者を中心とした民主化運動組織が、早期選挙となれば83年前に設立されたムスリム同胞団などイスラム政党にとって有利になると不満を唱え、選挙の延期を一貫して求めてきた。

ムスリム同胞団は、選挙前の憲法草案策定について、憲法でイスラムの役割を低減させようという策略だとして強く反対している。しかし、選挙の延期に関しては、憲法草案策定が選挙後に行われる限り反対はしないとの立場をとっている。ムスリム同胞団が創設した新党「自由公正党」のカタトニ事務局長は、「我々はすでに選挙の準備を整えているが、延期されれば準備はさらに進む」と述べる一方、「憲法草案の策定が(選挙より)先になれば、我々にとっては大きな問題を生む」と語った。

記者: Matt Bradley



 
 
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エジプト:武装の男ら、パイプラインを爆破 反イスラエル背景か

【カイロ和田浩明】エジプト北東部シナイ半島で4日、イスラエルとヨルダンに天然ガスを輸出するパイプラインが爆破された。このパイプラインの爆破は、親イスラエルだったムバラク前大統領を退陣に追い込んだ民衆蜂起が1月下旬に起きて以来、3度目。エジプトでは従来根強かった反イスラエル感情が強まっており、一連の事件の背景になっている可能性もある。

現地関係者などによると、現場はスエズ運河の東約60キロのナグハ付近。午前1時ごろ、武装した男数人が車で乗りつけ、施設を爆弾で爆発させた。けが人は報告されていない。

パイプラインは2月5日と4月27日にも爆破され、ガス輸出が停止。6月上旬に再開されたばかりだった。

エジプトはイスラエルと79年に平和条約を締結したが、パレスチナ問題などをめぐり国民の反イスラエル感情は強い。イスラエルへのガス輸出には、ムバラク時代から「不当に安価で売られている」との批判があり、シャラフ首相は4月、輸出契約見直しを公言した。イスラエルはガス需要の約4割をエジプトからの輸入に頼る。

シナイ半島では、中央政府と対立する遊牧民ベドウィンの活動も活発で、過去にはパイプライン爆破事件への関与も指摘された。

毎日新聞 2011年7月5日 東京朝刊



 
 
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外務省、ルクソールやアスワンなど「十分注意」に

2011年7月5日(火)

外務省は7月4日付で、エジプトの一部地域の渡航情報を引き下げた。対象地域はシナイ半島の紅海、アカバ湾に面した沿岸地域とルクソール、アスワン、アブシンベル、ハルガダの各都市で、「渡航の是非を検討してください」を「十分注意してください」とした。

外務省では、デモなどの発生により今年1月にはエジプト全土に対して「渡航の延期をお勧めします」を発出していた。しかし、今回の対象地域ではデモや集会などはほぼ発生しておらず、さらに主要な観光名所やリゾート地が多い場所柄、観光警察などによる治安維持にも回復が見られることから、引き下げを決定した。

ただし、今後の情勢次第ではデモや集会が再発したりする可能性もあるとし、注意を喚起。特に地方都市への幹線道路では、車両移動中の犯罪被害やデモ隊などによる道路封鎖などの可能性も考えられるといい、都市間の移動は観光警察による護衛などがない車両の利用は避けるように求めた。

なお、今回対象となっていないシナイ半島のその他の地域は「渡航の延期をお勧めします」、さらにカイロを含むそれ以外の全土は「渡航の是非を検討してください」を継続設定している。

http://www.travelvision.jp/news/detail.php?id=49498



 
 
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大腸菌感染はエジプト産の種が原因か EUが禁輸措置

2011.07.06 Wed posted at: 09:40 JST

(CNN) ドイツを中心に腸管出血性大腸菌「O(オー)104」の感染が広がった問題で、欧州連合(EU)当局は5日、エジプト産のスプラウト(新芽野菜)の種が感染源だったとの見方を強め、同国からの種の輸入を禁止した。

さらに、エジプトの特定の業者を通じて2009〜11年の間に輸入されたすべての種について、検査と廃棄を指示した。禁輸措置は全EU加盟国を対象に、10月末まで実施する。

これに先立ち欧州食品安全庁(EFSA)は同日、エジプトから輸入されたスプラウトの種が、フランスとドイツで広がった病原性大腸菌の感染源になった可能性が高いとの結論をまとめた。

種は業者が出荷する以前に菌に感染していた公算が大きいとし、生産または流通の過程で糞便に汚染されたとの見方を示したが、どこで感染したかは依然として不明だとしている。

問題の業者から輸入したスプラウトの種の流通先はまだ調査中だが、これまで考えられていたよりはるかに多くのEU加盟国に行き渡った可能性があるとした。

EFSAによると、管出血性大腸菌の感染によりこれまでにドイツで48人、スウェーデンで1人が死亡。EU加盟国とノルウェー、スイスで4178人の感染が確認されている。

ドイツでは5月に感染が広がり、フランスでも6月24日にボルドーで集団感染が報告された。

欧州委員会によると、5日の禁輸措置の対象となった種のエジプトからEUへの輸入量は、2010年の1年間で4万9000トン、約5600万ユーロ相当だった。スプラウトの種の大半はインドと中国から輸入しているという。



 
 
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2011年7月6日12時40分

欧州O104原因、マメ科植物の種か エジプトから輸入

欧州全域で多数の死者・感染者を出した腸管出血性大腸菌(O〈オー〉104)について、欧州連合(EU)の欧州食品安全機関(EFSA)は5日、エジプトから輸入されたマメ科の植物フェヌグリーク(コロハ)の種子が原因になった可能性が高いと発表した。

フェヌグリークは、もやしのように新芽を食べるほか、種子は香辛料として、葉はハーブとして使われる。

今回疑われている特定の業者が扱った種子以外にも汚染が広がっている可能性があるため、EUの欧州委員会は同日、2009年から今年にかけてエジプトから輸入された野菜や果物などの種子を廃棄し、10月末まで輸入禁止とするよう加盟国に求めた。



 
 
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欧州の大腸菌、感染源はエジプト産の種子か 欧州食品安全庁

2011/7/6 9:56

【ブリュッセル=瀬能繁】欧州連合(EU)の欧州食品安全庁(EFSA)は5日、域内で感染が拡大している腸管出血性大腸菌「O104」の感染源について、エジプト産の「コロハ(フェヌグリーク)」というマメ科植物の種子の可能性が最も高いとの見解をまとめた。これを受け、執行機関である欧州委員会は同種子を回収・処分するとともに、エジプト産の種子、果物、胞子の輸入を一時的に禁止すると発表した。

コロハはカレーのスパイスなどに使われる食材で、モヤシなどの発芽野菜の生育のためドイツやフランスが種子を輸入したという。欧州委の禁輸措置はひとまず10月末までを期限とする。

O104による死者はドイツを中心に約50人に達している。感染源はこれまで不明だったものの、食品安全の専門家らでつくるEFSAが暫定的な結論を出した。

ただ、仏AFP通信によると、エジプト農業省はエジプト産コロハが感染源との見方について全面否定している。2009年にコロハの種子を輸出したエジプト企業は「輸出先はドイツやフランスではなくオランダ」と説明しているという。

O104の感染者は欧州の14カ国で4千人超、大半はドイツで確認された。感染源をめぐってはこれまでドイツの一部当局が「スペイン産野菜」と発表、風評被害が広がった。今後の動向次第では、感染源の可能性を指摘されたエジプトとEUの間の外交問題に発展する可能性もある。



 
 
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カイロで大規模デモ 元高官らの訴追遅れに不満

2011/7/8 23:10

反体制デモにより2月にムバラク前政権が崩壊したエジプトの首都カイロ中心部のタハリール広場で8日、前政権高官らの訴追が進まないことに不満を抱く市民や活動家が大規模デモを行った。

同国最大のイスラム勢力として絶大な組織力を誇る穏健派イスラム原理主義組織、ムスリム同胞団も参加を表明している。

AP通信などによると、今月に入って裁判所が汚職などの罪に問われていた前政権の3閣僚に無罪を言い渡したことや、反体制派デモ参加者の殺害に関与したとされる警察幹部が保釈金を支払って釈放されたことで市民らの不満が高まっていた。

エジプト政府が依頼した調査によると、ムバラク前大統領が辞任を表明するまでに市民ら約850人が治安部隊との衝突などにより死亡している。

同広場周辺では6月28日の夜から29日にかけてもデモ隊と警官隊の大規模な衝突があり、千人以上の負傷者が出た。(カイロ=共同)



 
 
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2011年7月9日0時27分

カイロ中心部の広場で大規模デモ 改革遅れに不満

エジプトの首都カイロ中心部のタハリール広場で8日、ムバラク前政権崩壊後の改革の遅れに不満を募らせる市民たちの大規模なデモがあった。2月の民衆革命を主導した若者グループや、最大の野党勢力で革命後に合法化された穏健イスラム勢力・ムスリム同胞団などが参加。前政権を支えた元高官らの訴追などを求めて気勢を上げた。

広場の周辺では6月末にもデモがあり、治安部隊と衝突して千人を超える負傷者が出た。(テヘラン=北川学)



 
 
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【NewsBrief】エジプト市民の怒りが軍暫定政権へ

2011年 7月 9日 13:25 JST

【カイロ】エジプトでは8日、数万人の市民がカイロ市内を行進、ムバラク政権を放逐した2月以来の大規模な抗議行動となった。市民の不満は今、これまで不可侵とみなされていた革命の後ろ盾となった軍隊に向けられている。

暑さの中、デモ隊は政治や経済の幅広い要求を連呼しながらムバラク政権崩壊のシンボルとなったタハリール広場に集まった。

今回のデモでは、5カ月前に暫定政権を握ったエジプト軍最高評議会(SCAF)への民衆の敬意が薄れてきていることが初めて明確に示された。

デモ隊は、市民に対する軍事裁判の廃止や前政権の権力乱用に対する訴追、最低賃金の引き上げ、警察組織の改革といった重要な改革を軍指導部が怠っていると批判した。

先週は、2月に警官に殺害されたデモ参加者の家族がタハリール広場で警官への厳罰を求める抗議運動を行い、警官隊が催涙ガスなどで鎮圧を図った。さらに港湾都市スエズでは今週、デモ参加者殺害の罪に問われている複数の警察官が保釈された。これを受け、裁判所の周辺で死亡した市民の家族らが抗議行動を行った。

殺害されたデモ参加者やその遺族への支援は最近、対立する政治団体をつなぎ合わせるスローガンになっている。先週のタハリール広場での衝突の映像がテレビで放映されたことに刺激を受けて8日のデモに参加した人々も多かったとみられる。今回のデモは憲法改正を求める目的で1カ月前から計画されていたが、この目的は先週、改革の実現に変更された。デモには警察や軍の姿はほとんど見られなかった。

複数の世論調査によると、エジプト人の多くは依然として軍隊を好意的にみている。しかし、改革が進まないことから、文民主導の暫定政権に移行すべきとの意見が強まっているとの声もあった。

記者: Matt Bradley



 
 
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エジプト:弾圧者訴追求め、数万人参加デモ

【カイロ和田浩明】エジプト各地で8日、数万人が参加した大規模デモが行われた。ムバラク前政権を崩壊させた民衆蜂起を弾圧した治安関係者らの訴追の促進を求めたもの。

カイロ・タハリール広場にはイスラム教の金曜礼拝に合わせ数万人が集結した。北部のアレクサンドリアやスエズでも同様のデモが行われた。高い動員力を持つ穏健派イスラム原理主義組織ムスリム同胞団も参加し、2月の蜂起以降では最大規模のデモとなった。

毎日新聞 2011年7月9日 東京夕刊



 
 
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2011年7月11日11時57分

米国防長官「ザワヒリ容疑者はパキスタンに潜伏」と見方

パネッタ米国防長官はアフガニスタンを訪問した9日、同行記者団に、国際テロ組織アルカイダの後継指導者となったザワヒリ容疑者がパキスタン北西部の部族地域に潜んでいると見られると語った。

ロイター通信などによると、パネッタ氏はアルカイダ指導者だったオサマ・ビンラディン容疑者の殺害で「アルカイダ打倒が手の届くところまで来た」と明言。10〜20人の主要メンバーを拘束・殺害できれば、米国に対する攻撃を行う能力を壊滅できると述べた。そのうえで、パキスタンにザワヒリ容疑者を標的にするよう求めた。



 
 
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エジプト:内閣改造へ

【カイロ和田浩明】エジプトのシャラフ首相は11日、国営テレビで演説し、1週間以内に内閣を改造すると発表した。1〜2月の民衆蜂起の参加者殺害に絡み、起訴されたムバラク前大統領や関与したとされる治安関係者の刑事裁判実施が遅れているとの批判が国民の間で高まり、首都カイロや北部スエズで抗議デモが続いており、これに対応した措置だ。

首相は内閣改造を「革命の目的を実現するためだ」と説明。イサウィ内相に対し、15日までに民衆蜂起の弾圧に関与した幹部を内務省内から排除するよう指示したと述べた。司法当局にも容疑者の訴追を加速するよう求めたという。一部の県知事を7月中に置き換える意向も示した。

エジプトは2月のムバラク氏退陣後、軍最高評議会が暫定統治しているが、蜂起を主導した若年層を中心に旧政権関係者の処罰が不十分との批判が拡大。ムバラク政権末期に任命され残留している閣僚の排除、デモの規制撤廃、軍事法廷での民間人訴追の中止などを求める声も根強い。

毎日新聞 2011年7月13日 東京朝刊



 
 
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首都の広場に再びデモ隊集結、進まぬ改革に苛立ち エジプト

2011.07.14 Thu posted at: 12:50 JST

カイロ(CNN) エジプトでムバラク前政権を崩壊させた反政府デモの中心地となった首都カイロのタハリール広場に、民主化を求める活動家など数千人が再び集結し、テントを張って座り込みを続けている。

デモ隊は、改革が進まないことに不満を募らせ、すべての要求が満たされるまで立ち退かない構えを示している。多くは長期の座り込みに備えてテレビやノートパソコン、本、寝袋、着替えなどを持ち込み、主催団体は消火器数十台を運び込んだ。

テント村周辺では物売りの屋台が飲料や軽食などを販売し、音楽やお笑いなどのパフォーマンスも行われて活動家を楽しませるなど、お祭り的な雰囲気も漂う。広場の中心部には床屋が店を構えた。

あちこちで政治論議が盛んに行われ、同国を暫定統治する軍最高評議会のタンタウィ議長やシャラフ首相の退陣を求める声が広がっている。

民主主義、憲法、法律などの書籍を集めた「自由」のテントや、広場の様子を映した画像や映像が見られるメディアテントも設置された。

交通は遮断され、広場の入口にはバリケードが築かれて、ボランティアが入場者の所持品などをチェックする。

デモ主催団体は、内相の即時辞任、デモ参加者を殺害したとされる警察官の裁判迅速化、軍による統治の終結、非常事態法の撤廃、最低賃金導入などの経済改革を訴えている。

最高評議会は4月に、国の経済利益を損なうような抗議活動を禁止する法律を導入しており、広場での座り込みは同法に違反する可能性もある。

しかしデモ隊は、政府に対する圧力をさらに強める構えを崩していない。広場の一画にある政府庁舎を2日間にわたって封鎖し、首相府へのデモ行進の計画も発表された。

シャラフ首相は9日のテレビ演説で、デモ参加者殺害の罪に問われた警察官全員の免職処分を命じたと発表。11日には内閣改造を17日までに実行すると表明した。13日には内務省が、警察幹部587人の免職を発表している。

しかしテントの中でインターネットのニュースをチェックしていた男性は「国を浄化するための時間を6カ月も与えたのに、何も変わっていない」と不満を口にした。

一方、警察官組合の代表者は首相の決定について、「われわれはスケープゴートにされた」「罪に問われた警察官のほとんどは命令に従っていたか、警察署を守っていた」と反発する。

エジプト国内ではアレクサンドリア、スエズ、ポートサイドの各都市でもデモ隊が抗議行動を続けている。



 
 
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エジプト議会選挙、最大2か月延期へ

【カイロ=田尾茂樹】エジプト政府系の中東通信は13日、ムバラク政権崩壊を受けて2月に解散された人民議会(国会)の選挙が、予定の9月から最大2か月延期されると伝えた。

軍幹部が「選挙は10月か11月に行われる」と明らかにした。立候補受け付けなどの手続きは9月に始めるという。11月までに実施予定だった大統領選も延期される公算が大きい。

議会選では、旧政権下で最大野党勢力だったイスラム原理主義組織ムスリム同胞団の新党「自由公正党」が躍進するとの見方が強く、政治参加を目指す若者グループなどは「準備期間が短い」と延期を求めていた。

(2011年7月14日18時26分 読売新聞)



 
 
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エジプト:警察幹部669人をデモ弾圧で更迭

【カイロ和田浩明】エジプト内務省は13日、警察幹部669人を、ムバラク前政権を崩壊させた民衆蜂起の参加者殺害に関与した疑いなどで更迭すると発表した。首都カイロなどで続く反政府デモに配慮した措置と見られる。殺人容疑で訴追される可能性がある幹部も含まれている。

毎日新聞 2011年7月14日 東京夕刊



 
 
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エジプト総選挙:軍が延期と報道

【カイロ和田浩明】エジプト国営中東通信は13日、同国を暫定統治する軍最高評議会が、9月に予定されていた議会選挙を10月か11月に延期すると報じた。総選挙についてはムバラク前政権を崩壊させた民衆蜂起を主導した若者団体や新興政党などが「準備期間が不十分」として延期を要求していた。エジプトでは旧体制下で最大野党勢力だった穏健派イスラム原理主義組織、ムスリム同胞団が組織力に勝っているため選挙でも有利になるとの観測がある。

毎日新聞 2011年7月14日 東京夕刊



 
 
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【NewsBrief】エジプト古美術品の密輸で4人を起訴=米当局

2011年 7月 15日 14:51 JST

米国土安全保障省の当局者は、エジプト古美術品の密輸とみられる行為を摘発したことを明らかにした。検察当局が5月初めに提出し、14日公表した起訴状によると、4人の男が2008年10月−09 年11月に古美術品を米国に密輸したほか、マネーロンダリング(資金洗浄)もしていた。

起訴状によると、ニューヨークのエジプト古美術品コレクター、ジョセフ・ルイス容疑者が、3人の古美術品ディーラーと共謀し、密輸をした。密輸品には、7世紀の石棺、舟、ライムストーンの彫像、古銭数千枚が含まれる。移民・税関執行局によると、これらの品は推定250万ドル(2億円弱)に相当する。

エジプトのザヒ・ハワス考古相は、声明で、「最近の記憶で有数の大がかりかつ重大な古美術品密輸だ」と述べた。同相は、米当局による古美術品の真偽判定を助けるため、専門家の派遣を申し出たという。

記者: Keith Johnson



 
 
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ギリシャの銀行、欧州ストレステスト結果公表前に相次いで資本増強策を発表

2011年 07月 15日 23:30 JST

[アテネ 15日 ロイター] ギリシャの銀行は、15日の欧州銀行監督機構(EBA)による欧州の銀行ストレステスト(健全性審査)の結果公表を前に、相次いで資本増強に向けた対策を打ち出した。

ピレウス銀行(BOPr.AT: 株価, 企業情報, レポート)は15日、エジプト子会社の売却に向けて交渉中であることを発表、アルファ・バンク(ACBr.AT: 株価, 企業情報, レポート)は株主割当増資の実施に関して株主の了承を得たことを明らかにした。前日にはEFGユーロバンク(EFGr.AT: 株価, 企業情報, レポート)がトルコの関連会社売却で交渉していることを明らかにしている。

メリット証券のアナリスト、ニコス・クリストドウロウ氏はこうした動きについて「流動性増加に向けた戦略的な措置」とし「これらの銀行はギリシャの債務問題解決のためになる計画への準備を進めている」との見方を示した。



 
 
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2011年7月17日22時52分

エジプト3閣僚が辞任 前政権との関係批判、デモ再燃

エジプトのオラビ外相とラドワン財務相、サイヤード通産相が、17日までに相次いで辞任した。オラビ氏らに対しては、市民デモで退陣に追い込まれたムバラク前政権と「関係が深い」との批判が出ていた。

エジプトでは前政権関係者の責任追及や、民主化の早期進展などを求める市民デモが今月から再燃。シャラフ首相は内閣改造で市民の要求をある程度反映させることで、デモの沈静化を図ろうとしている。(カイロ=貫洞欣寛)



 
 
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エジプト外相が辞任

2011/7/17 20:03

エジプトの中東通信によると、同国暫定内閣のオラービー外相は16日、シャラフ首相に辞表を提出、受理された。首相は18日にも内閣改造を行う見通し。AP通信によると、オラービー氏についてはムバラク前政権に近いとの批判も出ていた。エジプトでは、前政権崩壊後の改革の動きが遅いとして、軍最高評議会への市民の不満が高まっており、外相を含めた内閣改造で批判をかわす狙いとみられる。

オラービー氏は外交官出身で、アラブ連盟事務局長に転出したナビル・アラビ氏の後任として今月就任したばかりだった。(カイロ=共同)



 
 
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エジプト当局、ムバラク元大統領の昏睡報道を否定

2011年07月18日 11:41 発信地:カイロ/エジプト

【7月18日 AFP】エジプト保健省は17日、ホスニ・ムバラク(Hosni Mubarak)前大統領(83)が昏睡(こんすい)状態に陥っているとの報道を否定した。

反体制デモ参加者の殺害指示や汚職の罪で起訴され、2週間後に公判を控えているムバラク氏の健康状態については、国営テレビが同氏の弁護士の話として、「完全に昏睡状態にある」と伝えた。

これに対し、アデル・アダウィ(Adel Adawi)保健相は中東通信(MENA)に、ムバラク氏は現在もシャルムエルシェイク(Sharm El-Sheikh)の病院に入院中だが容態は安定していると語り、昏睡状態説を否定した。

ムバラク氏は、2月11日の同氏退陣につながった反体制デモ参加者の殺害指示や不正蓄財の容疑に関する検察の事情聴取中に心臓発作を起こして以来、シャルムエルシェイクの病院に入院している。(c)AFP



 
 
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エジプトのムバラク前大統領、一時昏睡状態か

2011.07.18 Mon posted at: 10:49 JST

カイロ(CNN) 今年2月に退陣し、エジプト東部シャルムエルシェイクの病院に入院しているムバラク前大統領(83)が17日、一時的に昏睡(こんすい)状態に陥ったとみられる。

担当弁護士がCNNに語ったところによると、ムバラク氏は同日正午ごろに昏睡状態となった。一方、入院先の病院責任者はCNNに、同日夜までには意識が戻ったと語っている。同責任者によると「昏睡状態は長くは続かず、現在容体は安定している」という。

同弁護士は先月、同氏が昨年6月にドイツの病院で極秘のがん手術を受けたとも話していた。

エジプト検察は同氏の病状について、うつ状態や過労、不整脈、重度の低血圧などを訴え、心臓発作の危険性が高まっていると説明してきた。

ムバラク氏はデモ弾圧を指示した罪などで起訴され、汚職罪に問われた2人の息子とともに来月初公判が予定されている。有罪となれば死刑を言い渡される可能性がある。同弁護士によれば、本人は訴追を「非常に遺憾」とし、デモ隊への発砲を許可した事実はないと主張している。



 
 
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エジプト首相が内閣改造 国民からの不満を受け

2011.07.18 Mon posted at: 12:32 JST

カイロ(CNN) エジプト暫定内閣のシャラフ首相が17日、内閣改造に踏み切った。同国ではムバラク政権崩壊後の民主化の遅れに対し、国民が不満を募らせている。

財務省報道官によると、辞任したラドワン財務相の後任には、副首相に任命されたばかりのハゼム・べブラウィ氏が就く。オラビ外相も就任後わずか1カ月足らずで16日に辞任していた。

首相報道官によれば、サイヤード通産相らも辞表が受理されて交代。保健相、運輸相も新たに任命された。

同国では、暫定内閣の閣僚らが前政権と深いつながりを持ち、デモ弾圧に加担したなどとする不満が高まっている。カイロ中心部のタハリール広場ではデモが再燃し、数千人がテントを設営して抗議する事態となっている。



 
 
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2011年7月18日3時2分

ムバラク前大統領、昏睡状態との情報 病院側は否定

エジプト国営テレビは17日、市民によるデモで2月に退陣に追い込まれたムバラク前大統領(83)が、東部シャルムエルシェイクの病院で昏睡(こんすい)状態に陥ったと伝えた。ムバラク氏の弁護士が述べた。だが、国営テレビはその後、病院長がムバラク氏の昏睡を否定したとも報道し、情報が錯綜(さくそう)している。

ロイター通信は、病院筋の話として「ムバラク氏は時折、昏睡状態に入るものの容体は安定している。以前からこういう状態だ」と伝えた。

ムバラク氏は心臓の不調などを訴えて、東部シャルムエルシェイクの病院に入院。胃がんと伝えられるなど、容体悪化の情報が流れていた。



 
 
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エジプト:内閣改造へ 民主化勢力の懐柔狙う

【カイロ和田浩明】エジプトのシャラフ首相は17日、国を暫定統治する軍最高評議会に内閣改造案を提出した。承認され次第、新内閣が発表される。改造規模は15人前後で、ムバラク前政権との関連を批判されていた閣僚らが対象になる見込み。

2月のムバラク政権崩壊後の改革の遅れに不満を募らせ、抗議集会を続ける国民の懐柔を図るのが狙いだが、軍最高評議会そのものにも批判が強まっており、混乱収束の見通しは不透明だ。

首相はすでにオラビ外相の辞表を受理し、経済政策と民主化移行を担当する副首相2人を任命した。

ただ、改革の遅れで国民の批判を受けている法相や内務相ら5閣僚が留任予定。うちギンディ法相やイサウィ内相に対しては、ムバラク氏を退陣に追い込んだ民衆蜂起の武力弾圧の関係者や、汚職容疑の元政府幹部の訴追が遅いとの不満が国民の間にある。ヘイカル情報相にはメディア統制への懸念が出されている。

エジプトでは現在、軍最高評議会が民政移行の準備を進めているが、ムバラク前大統領を退陣に追い込んだ民衆蜂起への武力弾圧で800人以上のデモ参加者を殺害した容疑者らの刑事訴追が遅れており、国民の批判が拡大。シャラフ首相は11日、1週間以内の内閣改造と、訴追や改革の加速を国営テレビでの演説で公約していた。

民主化勢力の間には、デモ参加者が軍事法廷で審理されていることへの反発も根強い。

毎日新聞 2011年7月18日 東京朝刊



 
 
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エジプト大富豪の一大計画、スイスの村を豪華リゾート地へ

2011年07月19日 13:17 発信地:アンデルマット/スイス

【7月19日 AFP】牧草が風で揺れ、山の頂を雪が覆うスイスでは、アンデルマット(Andermatt)のようにコンクリートの軍事施設が連なるような場所は人気の観光スポットにはなりづらい。

だが、アンデルマットの軍事施設が大幅に縮小されるなか、エジプトの億万長者サミー・サウィリス(Samih Sawiris)氏がこれら施設を買い上げ、富裕層や著名人たちのための豪華な遊び場に作り替える計画を始めた。

「最初彼らは、私はクレージーだと思っていたようだけれど、やがて私がこの計画を実現できるように協力してくれた」と、サウィリス氏は語る。

エジプトの通信会社オラスコム(Orascom)の創設者を父に持つサウィリス氏は、山肌が露出し、岩が多いスイス中部アンデルマットの村の景観を変え、曲がりくねったゴッタルド(Gotthard)峠を通ってしかたどりつけないこの村を魅力的なリゾート地に変える計画だ。

サウィリス氏は、この取引は「最高の取引」だったと考えている。プロジェクトのウェブサイトによると、サウィリス氏はアンデルマットの施設用地130万平方メートルを取得するのに、3600万スイスフラン(約35億円)を投じた。

2013年までに最初の5つ星ホテルと数戸の別荘を建設する予定で、その後10年以内に計800室以上のホテル6つとマンション490戸、それにビル42棟、別荘20〜30戸を建設する。

マンションは現在分譲中で、価格は1戸あたり100万スイスフラン(約9700万円)を超える見通しだ。18ホールのゴルフ場のための芝生の植え付けも始まっており、交通の利便性向上のための道路や橋の建設も進んでいる。

さらに、国際会議やコンサートなどを行う600人収容の施設や、2000台分の駐車場、スポーツ施設や娯楽施設の計画もある。スキー場は改修し、アンデルマットとスキー場を結ぶケーブルカーも建設する。

全体で2500人の新規雇用が生み出されるという。アンデルマットの住民1500人も、軍事施設が縮小することによる収入減を補うことができると、この計画に期待を寄せている。

■元村長も歓迎

アンデルマットの元村長、カール・パレッティ(Karl Paletti)氏は、サウィリス氏が計画地にアンデルマットを選んだことは村にとって幸運だったと語る。

「われわれは軍にとても依存しており、軍が去る以上、(プロジェクトへの協力は)唯一の選択肢だった」とパレッティ氏は語り、同プロジェクトで職を見つける住民が増え、村からの住民の流出が止まったと指摘した。

富豪や著名人が外部から訪れることで村の特徴が失われるのではないかとの質問にパレッティ氏は、「最終的には外部からの人と住民の比率は良いバランスになると思う」と答えた。

もっとも、当初はサウィリス氏の建設計画への反対運動もあった。計画当初、畜産農家が牧草地をゴルフ場に変えることに反対したが、サウィリス氏は交渉の末、農家との合意をとりつけた。

以後、サウィリス氏の会社は1億8500万スイスフラン(約180億円)を計画に投じた。総費用はさらにかかる見通しだ。

エジプトやアラブ首長国連邦(UAE)、オマーン、モロッコなどの各地にリゾート施設を作ってきたサウィリス氏は、アンデルマットを選んだ理由について「都市化によって損なわれていないきれいで小さな村で、自然がとてもそばにある」からだと語る。

これまでのところ、サウィリス氏の計画は成功を収めているようにみえる。1億1500万スイスフラン(約110億円)分の住宅がすでに売れ、さらに2200万スイスフラン(約20億円)分の注文が入っている。オラスコムによるとスイス、欧州、エジプトからの買い手が大半を占めているという。(c)AFP/Andre Lehmann



 
 
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NEWS25時:エジプト ムバラク氏昏睡と報道

1〜2月のエジプトの民衆蜂起で、参加者の殺害を命じた罪で起訴されたムバラク前大統領(83)が「昏睡(こんすい)に陥った」との情報を国営テレビなどが17日、一斉に報じた。入院先の病院は否定した。

高齢でがん説もあり健康状態への懸念が深まるが、情報源が前大統領の弁護士だったため、民主化勢力からは「8月3日に開始予定の公判を回避するための情報戦術」との臆測も出た。【カイロ】

毎日新聞 2011年7月19日 東京朝刊



 
 
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エジプト:軍が内閣改造承認 国民の要求に配慮

【カイロ和田浩明】エジプトを暫定統治する軍最高評議会は18日、シャラフ首相が提出した内閣改造案を承認した。27人の閣僚中、財務、外務など14人を更迭してムバラク前政権との関与が相対的に薄い人材を起用するなど国民の要求に配慮した。だが、退陣圧力を受けていた司法相や内相は留任、民主化勢力からは早くも反発が出ている。

毎日新聞 2011年7月19日 東京朝刊



 
 
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エジプトの新内閣発足延期 市民反発、首相は体調不良

2011/7/20 9:42

【カイロ=共同】エジプト政府筋は19日、同日に行われるとみられていたシャラフ暫定内閣改造に伴う新閣僚の就任宣誓は、数日間延期されるとの見方を示した。ロイター通信が伝えた。

シャラフ首相は17日に新閣僚名簿をまとめたが、エサウィ内相らが留任したことに民主化を求める市民勢力が反発。新任閣僚の就任辞退などもあった上、首相は18日、血圧低下など体調不良を訴え病院に搬送された。

容体は安定しているというが、職務復帰には数日かかるとみられ、新内閣発足はその後になる見通し。



 
 
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エジプト、シャラフ新内閣が発足

2011/7/21 22:33

エジプトのシャラフ暫定内閣の改造に伴う新閣僚の就任宣誓式が21日行われ、シャラフ氏を首相とする新内閣が発足した。ムバラク前政権の高官らを排除し、改革の遅れに対する市民の反発を和らげる狙い。

新内閣では、前政権に近いとの批判で辞任したオラービー外相の後任にサウジアラビア大使や世界銀行理事代理を務めたムハンマド・カメル・アムル氏が就任。政治担当副首相にアリ・セルミ氏、財務担当副首相にハゼム・ベブラウィ氏が決まり、軍最高評議会のタンタウィ議長の前で就任宣誓を行った。

シャラフ首相は17日に新閣僚名簿をまとめたが、エサウィ内相らの留任に若者グループらが反発。シャラフ首相自身が18日、血圧低下などの体調不良を訴え病院で手当てを受けたことで宣誓式は延期されていた。(カイロ=共同)



 
 
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エジプト:新内閣が発足 旧閣僚残留で反発も

【カイロ和田浩明】エジプトを暫定統治する軍最高評議会は21日、シャラフ改造内閣の就任宣誓式を行った。民衆蜂起で崩壊したムバラク前政権との決別を求める国民の声に応えた形だが、旧政権関係者や退陣要求に直面する閣僚が残留しており、首都カイロなどで座り込みを続ける民主化勢力は反発している。

宣誓式は当初18日に予定されていたが、シャラフ首相の体調悪化で延期されていた。

新閣僚は副首相や財務相などで、ムバラク前大統領とのつながりが相対的に薄い人々が選ばれている。しかし、民衆蜂起の武力弾圧に関与した治安関係者の訴追の遅れにより、司法相や内務相ら批判の矢面に立つ閣僚は留任している。

ムバラク退陣を実現した若者団体などの民主化勢力は改造が不十分だとして、イスラム教恒例の金曜礼拝が行われる22日に大規模デモを呼びかけている。

軍最高評議会は「早期の民政移行」を実現する意向を表明している。

しかし、旧政権の残党排除での対応の遅れが批判されているうえ、9月に予定されていた議会選挙も「年末までの実施」(軍幹部)に先送りされた。

毎日新聞 2011年7月22日 東京朝刊



 
 
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エジプト主要閣僚交代…改革遅れにガス抜き図る

【カイロ=田尾茂樹】エジプトのシャラフ首相は21日、外相や財務相らを交代させる内閣改造を行った。

ムバラク政権崩壊後に軍が暫定統治するエジプトでは、改革の遅れに不満を抱く若者らが7月上旬からカイロ中心部で座り込みデモを続けており、主要閣僚の交代により若者らのガス抜きを図り、事態収拾を目指すのが狙いだ。

政府系中東通信などによると、首相を含む28閣僚のうち、新任は、経済政策担当(兼財務相)と民主化担当(兼公営事業相)の副首相2人を含む計14人。新外相には、元駐サウジアラビア大使のムハンマド・アムル氏が起用された。しかし、改革に消極的だとして辞任要求が出ていた法相、内相や前政権の一部閣僚は残留した。

若者らは逆に反発を強め、22日もカイロ中心部の広場に続々と集結、内閣刷新を求めてデモを行った。

(2011年7月23日00時52分 読売新聞)



 
 
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カイロでデモ隊と住民が衝突、負傷者多数

2011.07.24 Sun posted at: 14:06 JST

カイロ(CNN) エジプトの首都カイロで23日、デモ隊と住民が衝突した。同国保健省によると、145人以上が負傷し、一部は病院に運ばれたという。

衝突は、カイロ中心部のタハリール広場で座り込みをしていたデモ隊が国防省に向かって行進している最中に起きた。棒やナイフを持った住民らがデモ隊を攻撃し、デモ隊も石を投げて応戦した。現場には10台以上の救急車が集まり、治安部隊が住民とデモ隊の間に入り、鎮静化を図った。治安部隊が催涙ガスを発射し、デモ隊がタハリール広場に引き返したことで騒ぎは収まった。

デモ隊の怒りの原因は、2月のムバラク政権崩壊後の改革の遅れだ。またデモ隊は行進しながら、軍最高評議会のタンタウィ議長の辞任も要求した。シャラフ首相は21日、現体制への国民の不満を抑えるべく内閣改造を行ったが、デモ隊の怒りを鎮めるには至らなかった。

衝突が起きた7月23日は、1952年のエジプト革命の記念日だった。



 
 
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2011年7月24日22時25分

エジプト軍支持者、青年のデモ隊と衝突 300人超負傷

エジプトで、ムバラク前政権を倒した市民デモを主導した青年グループと、政権崩壊後に全権を掌握したエジプト軍最高評議会の対立が深まっている。23日夜には青年グループが呼びかけたデモ隊と軍支持者がカイロで衝突、保健省によると309人がけがをした。

ムバラク前大統領ら旧政権幹部の訴追などを求め、2月のデモを主導した青年組織「4月6日運動」などが、タハリール広場での泊まり込みデモを今月8日から再開。軍評議会への改革圧力を強めるため、23日に軍評議会のある国防省へのデモ行進を発表していた。

同日夜、デモ隊は軍が設けたバリケードに阻まれたうえ、その周囲に軍支持者とみられる群衆も集まってデモ隊に投石。衝突に発展し、火炎瓶も飛ぶ事態となった。24日付地元紙ドストールは「旧与党の元議員2人が暴漢を動員してデモ隊を襲わせた」と報じた。



 
 
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カイロでデモ隊数千人と軍支持者衝突、143人負傷

2011/7/24 5:26

【カイロ=共同】エジプトの首都カイロで23日、2月のムバラク政権崩壊後の改革の遅れをめぐり、暫定統治を行う軍最高評議会を批判するデモ隊数千人と、軍支持者が激しく衝突、保健省によると、143人が負傷し病院で手当てを受けた。

エジプトでは、1〜2月の反政府デモを組織した若者グループが前政権高官らの訴追の遅れについて軍を批判。軍最高評議会は22日、若者グループの中核組織「4月6日運動」が対立を扇動していると批判するなど、民主化勢力と軍の溝が鮮明になっている。

デモ隊は、中心部タハリール広場の座り込み現場から軍評議会の本部がある国防省に向かおうとしてバリケードに阻まれた。軍支持者がデモ隊に投石を始めたため、衝突に発展した。

デモ隊は軍評議会のタンタウィ議長辞任を叫んだ。衝突では火炎瓶が投げられたり一部はナイフで切りつけるなどした。軍は事態の収拾を図るため、威嚇射撃をした。

議長は23日の国民向け演説で「自由で公正な選挙、新しい選挙を通じて民主的な国家を目指す」と強調した。



 
 
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デモ隊と軍支持の市民衝突、負傷者多数…カイロ

【カイロ=長谷川由紀】エジプトのカイロで23日夜、同国を暫定統治する軍最高評議会による改革の遅れに不満を抱くデモ隊と、軍を支持する市民らが衝突し、政府系アル・アハラム紙によると、300人以上が負傷した。

カイロ中心部のタハリール広場で座り込みを続ける若者ら数千人が、軍最高評議会が入る国防省の建物に向けデモ行進していたところ、市民がデモ隊を取り囲んで石や火炎瓶などを投げ、衝突したという。治安部隊が制止するため催涙弾を発射し現場は騒然となった。

2月にムバラク前大統領を辞任に追い込んだ反体制デモを主導した若者らは、旧政権幹部の訴追手続きや改革の遅れから最高評議会への批判を強め、デモを続行。6月末には治安部隊との衝突で1000人以上が負傷した。

(2011年7月24日19時46分 読売新聞)



 
 
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エジプト:カイロで衝突 負傷者309人に

【カイロ共同】エジプトの中東通信が伝えた同国保健省の情報では、首都カイロで23日起きた衝突の負傷者は24日夜までに309人となった。

衝突はムバラク政権崩壊後の改革の遅れについて、軍に抗議するデモ隊と軍支持者の間で発生。デモ隊の一部はカイロ中心部のタハリール広場で座り込みを続けている。

毎日新聞 2011年7月25日 東京夕刊



 
 
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ムバラク氏が食事拒否 体重減り衰弱

2011/7/27 9:38

【カイロ=共同】エジプトの中東通信によると、ムバラク前大統領がほとんど食事を拒否し、ジュースなどしか口にしていないことが26日、明らかになった。前大統領が入院中の東部シャルムエルシェイクの病院長が明らかにした。体重が大きく減少し、衰弱しているという。

ムバラク氏は反政府デモを受けて2月に辞任。8月3日には、治安部隊によるデモ隊参加者殺害に関与した罪などで初公判が行われる予定。健康状態が悪化すれば初公判の行方にも影響が出そうだ。

病院当局者は、ムバラク氏はうつ状態にあるが、容体は安定していると述べた。病院側は点滴を行うかどうか、近く判断するという。

インターネット上で26日、ムバラク氏が死亡したとの情報が流れたが、保健省は否定した。



 
 
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エジプト:軍政へ抗議続く 「アラブの春」夏の陣 若者再び「聖地」に

軍最高評議会が暫定支配するエジプトで、軍政と民主化を求める若者団体などの対立が深まっている。「アラブの春」の象徴として、ムバラク前政権を崩壊させた民主化蜂起の「聖地」となったカイロ中心部のタハリール(解放)広場には、7月上旬から若者らが座り込みを始めてテント村が立ち上がり、各種改革の遅れを批判することで、軍政に圧力をかけようとしている。夏を迎えたカイロで新たな戦いを始めた若者たちを取材した。【カイロ和田浩明】

26日午前10時、タハリール広場。すでに気温は40度超。約200メートル四方の広場の中心部を、数百の手製テントが埋め尽くす。入り口は座り込みを組織する22の若者団体や政党のメンバーが詰めて人の出入りをチェックしていた。毎日新聞の取材に若者たちは「要求が満たされるまでこの場にとどまる」と口々に決意を語った。

カイロ南方のヘルワンからやってきたというイスラムさん(24)。運転手として生計を立てるが、収入は旧政権時代の1日80エジプトポンド(約1048円)から25ポンド(約327円)に減った。「治安が悪化して観光客や外国の投資が減ったせいで、生活が悪くなっている」。800人以上が死亡した民主化勢力の武力弾圧でムバラク前大統領は刑事訴追されたが、他の旧政権幹部の訴追は進んでいないことも不安の種だと言った。

「我々の要求が満たされるまで、ここにとどまるよ」と語ったイスラムさんが指さした先には、巨大な看板に座り込みの要求一覧が掲げられていた。各派を代表する国民政府の樹立、反体制派の殺害に関与した治安幹部や腐敗した前政権指導者の訴追、民間人の軍事法廷での訴追中止など5項目だ。

テント村には若い女性の姿もある。その一人、カイロ在住のマルワさん(25)は夫と座り込みを始めたが、今は1人で残る。「帰って来い」と呼びかける家族を、「目的を果たすまではとどまる」と説得したという。5人家族の収入は亡父の年金月350ポンドほど。大半が家賃に消える。「革命後も生活は苦しいまま」と訴えた。

座り込みを組織している団体の一つ「ロータス」に所属するフリー女性記者のベッサムさん(36)によると、座り込みは8日から始まった。イスラム教恒例の礼拝がある金曜日には数万単位で人が集まるという。「軍政に圧力をかけ改革を進めなければ」と意気込む。

こうした若者団体の動きに、軍政も対抗。23日に交流サイト「フェイスブック」に掲示した声明で、中心的団体の一つ「4月6日運動」を名指しし「軍と国民の間にくさびを打ち込もうとしている」と批判した。最大野党の穏健派イスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」も軍政を支援する姿勢を強めており、一時は「ムバラク打倒」で団結した各派の連携は弱まっている。

23日にはカイロ市内で、軍を批判する若者勢力のデモ隊が、軍支持派と見られる勢力と衝突し300人以上が負傷するなど、治安に不安を抱かせる事態も生じている。

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◇ムバラク政権崩壊後のエジプト◇

2月11日 ムバラク大統領が辞任。全権限は軍最高評議会に移譲

 22日 改造暫定内閣が発足。野党勢から初入閣

3月19日 大統領3選禁止などを盛り込んだ憲法改正案を国民投票で承認

 28日 評議会が人民議会(国会)選挙を9月に実施すると発表

 30日 評議会が大統領選を10月か11月に実施すると発表

5月24日 検察がムバラク前大統領を訴追

6月29日 カイロで数千人が治安関係者訴追を求めてデモ

7月 8日 各地で大規模デモ、数万人参加

 13日 評議会が人民議会選を延期と地元報道

 23日 カイロで改革遅れを巡りデモ隊と軍支持派が衝突

毎日新聞 2011年7月27日 東京朝刊



 
 
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エジプト:ムバラク前大統領「固形食拒む」 民主化勢力は批判「裁判回避の情報戦」

【カイロ和田浩明】エジプトの国営中東通信は26日、ムバラク前大統領(83)が固形食を拒んでおり体重が減少、体力が大幅に落ちていると報じた。来月3日には、民衆蜂起を武力弾圧し参加者の殺害に関与した罪で裁判が始まる予定だが、事実なら延期される可能性もある。健康状態の悪化情報が相次いでいるが、民主化勢力は「裁判回避の情報戦」と批判している。

ムバラク前大統領は2月の退陣後、東部の保養地シャルムエルシェイクの病院で静養中。病院長は「固形食をとらず、少量の飲料だけを受け付ける」と説明。栄養補給のため点滴の実施も検討中だという。

政府幹部も「(健康状態は)悪化している」と発言。弁護士は「がんにかかっている」「昏睡(こんすい)状態に陥った」と発言している。

ムバラク前大統領の刑事訴追は民主化勢力の主要要求の一つ。裁判が延期されれば、反発した国民がデモや騒乱を引き起こす可能性もある。

毎日新聞 2011年7月27日 東京夕刊



 
 
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エジプト:保守系イスラム台頭 デモに多数 若者団体が警戒

【カイロ和田浩明】世俗的傾向が強いエジプトで、ムバラク前政権下では行動を規制されてきた、サラフィ主義者と呼ばれる保守的なイスラム原理主義勢力の活動が目立ってきた。29日に首都カイロのタハリール広場で数万人が参加した軍政への抗議集会で、サラフィ主義者らが「エジプトのイスラム化」を呼びかけた。前政権を崩壊させた民主化蜂起を主導した若者団体は「集会を乗っ取った」と反発、警戒感を強めている。

集会はイスラム金曜礼拝に合わせて実施。イスラム原理主義者たちの典型的な外観である、豊かなあごひげをたくわえた、コーラン(イスラム聖典)を持った男性が目立った。

29日の集会は、世俗系若者団体やサラフィ主義者などの各組織が団結し、エジプトを暫定統治する軍最高評議会に共通の要求を示すため計画。軍事法廷での民間人裁判の中止や軍政の権限制限、ムバラク前大統領の訴追手続きの加速などだ。

しかし、会場では「エジプトのイスラム化に賛成」とのスローガンを掲げた。サラフィ団体のホッサム・ボカリ氏は「精神的な表現に過ぎない」と語ったが、世俗的若者団体「4月6日運動」のムハンマド・イブラヒム氏は「事前合意を無視した」と批判。タハリール広場では7月上旬から世俗系政治グループが軍政に改革要求を行っていたが、サラフィ主義者とは距離を置いている。サラフィ主義者が集会に多数参加した背景には、新憲法制定に影響を及ぼしたい思惑があると見られる。

サラフィ主義者のアブドルメナム・アシャハト氏(41)は、現憲法(停止中)第2条が法律の根拠として定めるシャリア(イスラム法)について、「これを基本にすればエジプトの諸問題は解決できる」と主張した。

ただ、前政権の弾圧下で政治経験を積み上げた最大野党「ムスリム同胞団」には、「イスラム化」を前面に出せば一部国民の反発を招くことを熟知する現実派もおり、サラフィ主義者との全面的連携には慎重だ。

サラフィ主義の伸長で宗教教育の強化や女性差別などを懸念する世俗派の間には「イスラム原理主義者は敵だ」との考えもある。

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■ことば

◇サラフィ主義

アラビア語で祖先を意味する「サラフ」に由来し、預言者ムハンマドらが説いた初期イスラム教の原則への回帰を志向する思想。近代では西洋列強による植民地化に思想的に対抗する根拠の一つとしてイスラム圏に広がった。エジプトではムスリム同胞団の穏健派イスラム原理主義より保守的傾向が強く、世俗主義と対決的とされる。

毎日新聞 2011年7月31日 東京朝刊



*このファイルは文部科学省科学研究費補助金を受けてなされている研究(基盤(B)・課題番号16330111 2004.4〜2008.3)の成果/のための資料の一部でもあります。
 http://www.ritsumei.ac.jp/acd/gr/gsce/p1/2004t.htm

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