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エジプト・アラブ共和国 2011年2月1日〜5日

アフリカアフリカ Africa 2014

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○外務省 各国・地域情勢 エジプト・アラブ共和国

◆2011/02/01 NIKKEI NET 「シリアは安定」 アサド大統領
◆2011/02/01 NIKKEI NET エジプト情勢で来日を延期 インドネシア外相
◆2011/02/01 NIKKEI NET オバマ政権、エジプト暫定政権樹立を支持か 米紙報道
◆2011/02/01 NIKKEI NET NY金反落、エジプト不安が一時後退
◆2011/02/01 NIKKEI NET EU外相ら、エジプト政権「秩序ある移行」支持
◆2011/02/01 NIKKEI NET イスラエル首相、エジプトのイスラム国家化に懸念
◆2011/02/01 NIKKEI NET エジプト軍「実力行使せず」 デモ拡大で声明
◆2011/02/01 NIKKEI NET 野田財務相、エジプト政情不安の影響「注視したい」
◆2011/02/01 NIKKEI NET 米の元大使がエジプト入り ムバラク政権に改革圧力か
◆2011/02/01 NIKKEI NET 米グーグル、エジプトの「ツイッター」遮断に対抗
◆2011/02/01 NIKKEI NET エジプト出国、邦人のチャーター機3機がローマ到着
◆2011/02/01 NIKKEI NET 「現状、原油調達に心配ない」エジプト情勢で出光取締役
◆2011/02/01 cnn.co.jp 混乱続くエジプト 副大統領が野党と協議開始か
◆2011/02/01 cnn.co.jp 携帯電話遮断、買い物に長い列 デモ拡大のエジプト
◆2011/02/01 cnn.co.jp グーグル幹部、デモ激化のエジプトで消息絶つ
◆2011/02/01 asahi.com エジプト情勢影響、世界で原油高騰 ガソリンも値上がり
◆2011/02/01 asahi.com エジプト情勢「民主的政権に平和的推移を」1日の菅首相
◆2011/02/01 asahi.com 社説 エジプト危機−ムバラク氏は即時辞任を
◆2011/02/01 時事通信社 強まる住民の連帯感=略奪防止に「自警団」−エジプト
◆2011/02/01 時事通信社 食糧難、パン争奪で死者=備蓄に走る市民−エジプト
◆2011/02/01 時事通信社 熱気覆う中心部の広場=100万人行進へ続々集結−カイロ
◆2011/02/01 時事通信社 「100万人行進」へ集結=カイロ中心部、朝から5000人−エジプト
◆2011/02/01 時事通信社 野党との対話焦点に=民主的選挙へ改憲も−エジプト
◆2011/02/01 NIKKEI NET エジプト邦人旅行客「1日中に退去」 前原外相
◆2011/02/01 asahi.com エジプト野党勢力、軍と連携方針 暫定政権樹立めざす
◆2011/02/01 asahi.com エジプトからの政府チャーター機、180人乗せローマ着
◆2011/02/01 asahi.com エジプト軍「平和的デモなら発砲しない」 野党決行へ
◆2011/02/01 asahi.com エジプトのツイッター、投稿は電話で 専用番号に伝言
◆2011/02/01 asahi.com エジプト、最後のネット接続業者停止 国際電話で利用も
◆2011/02/01 jp.reuters.com スエズ運河の船舶航行、1日も平常通り=管理当局
◆2011/02/01 時事通信社 アラブ民主化にウィキリークス?=候補推薦締め切り−ノーベル平和賞
◆2011/02/01 時事通信社 国際電話でツイッター=ネット遮断のエジプト向け−米グーグル
◆2011/02/01 時事通信社 エジプト軍、民衆に武力行使せず=「デモの権利容認」、中立鮮明に
◆2011/02/01 時事通信社 改革努力は不十分=元大使がエジプト入り−米
◆2011/02/01 時事通信社 軍部、「天安門」型解決拒否=反大統領デモ拡大も−エジプト
◆2011/02/01 時事通信社 ムバラク政権が新内閣=野党側、軍との協議模索−エジプト
◆2011/02/01 時事通信社 邦人チャーター機が出発=カイロ空港
◆2011/02/01 時事通信社 ムバラク政権に改革要求=首脳会議でAU幹部
◆2011/02/01 時事通信社 シナイ半島にエジプト軍=情勢悪化でイスラエル容認
◆2011/02/01 時事通信社 EU、「秩序ある移行」促す=ムバラク・エジプト政権に
◆2011/02/01 時事通信社 重武装の海兵隊派遣=在カイロ大使館を警備−米国防総省
◆2011/02/01 時事通信社 邦人チャーター機が到着=ローマ空港
◆2011/02/01 時事通信社 イスラム過激派台頭に警戒感=エジプト情勢を注視−イスラエル首相
◆2011/02/01 NIKKEI NET エジプト国債、S&Pも格下げ
◆2011/02/01 NIKKEI NET トルコ首相、エジプト大統領にデモ要求受け入れ求める
◆2011/02/01 NIKKEI NET ヨルダン首相が辞任 アブドラ国王、新首相を任命
◆2011/02/01 NIKKEI NET エジプトデモが飛び火、パレスチナは選挙実施を発表
◆2011/02/01 NIKKEI NET エジプト100万人デモ 野党、大統領退陣「4日までに」
◆2011/02/01 NIKKEI NET [FT]盛り返す民主主義 世界の大国に戸惑い
◆2011/02/01 毎日新聞 エジプト:反政府デモ 足止め観光客ら安堵の帰国
◆2011/02/01 毎日新聞 未来工業:エジプトへの社員旅行中止
◆2011/02/01 毎日新聞 経済ナビ:エジプト情勢緊迫化 揺れる世界市場 株下落、金・原油は上昇
◆2011/02/01 毎日新聞 エジプト:反政府デモ EUが平和的対話促す 民主化と改革支援−−外相会議
◆2011/02/01 毎日新聞 エジプト:反政府デモ イスラエル、ムバラク政権支持要請 米欧など十数カ国に
◆2011/02/01 毎日新聞 エジプト:反政府デモ1週間 市民生活混乱、医療も停滞 略奪横行、パン求め行列
◆2011/02/01 毎日新聞 エジプト:反政府デモ エルバラダイ氏、求心力は 反政府派、まとまり欠き
◆2011/02/01 毎日新聞 エジプト:反政府デモ開始1週間 きょう100万人規模 野党勢力ら宣言
◆2011/02/01 毎日新聞 インドネシア:外相が来日延期
◆2011/02/01 毎日新聞 エジプト:反政府デモ 和平後初めてシナイに国軍 イスラエルも容認
◆2011/02/01 毎日新聞 エジプト:反政府デモ 「イスラム支配」懸念 イスラエル首相「安定の危機」
◆2011/02/01 毎日新聞 原油先物相場:ロンドン 北海原油100ドル突破−−08年9月以来
◆2011/02/01 毎日新聞 エジプト:反政府デモ 「武力行使せず」軍が容認、政権窮地に 大統領、対話を指示
◆2011/02/01 トラベルビジョン エジプト、滞在中の旅行者2000名以上か−渡航延期で各社ツアー催行中止
◆2011/02/02 ロイター 米グーグル幹部がエジプトで行方不明、ツイッターで政府批判か
◆2011/02/02 cnn.co.jp ムバラク大統領が9月辞任を表明 市民は即時辞任を要求
◆2011/02/02 cnn.co.jp 米大統領、エジプトに政権移行促す 不出馬働きかけも
◆2011/02/02 NIKKEI NET エジプト新内閣「失望的」 英首相が指摘
◆2011/02/02 NIKKEI NET エジプト大統領演説へ、次期選挙不出馬か 現地報道
◆2011/02/02 NIKKEI NET エジプト大統領、声明発表へ 国営テレビ
◆2011/02/02 NIKKEI NET NY金が小反発 4月物終値1340ドル
◆2011/02/02 NIKKEI NET NY原油反落、終値90.77ドル
◆2011/02/02 NIKKEI NET 米大統領が不出馬求める 特使がムバラク大統領に伝達
◆2011/02/02 NIKKEI NET ムバラク大統領が不出馬表明 即時辞任は拒否
◆2011/02/02 NIKKEI NET NY原油反落、3営業日ぶり
◆2011/02/02 NIKKEI NET 米大統領、エジプト政権移行「即時の対応を」
◆2011/02/02 NIKKEI NET 官房長官、中東の政情不安「安定が日本経済に望ましい」
◆2011/02/02 NIKKEI NET 米グーグル幹部が行方不明 カイロで
◆2011/02/02 NIKKEI NET 官房長官「政治的安定望む」 ムバラク大統領不出馬で
◆2011/02/02 NIKKEI NET [FT]原油価格、北海ブレント100ドル台でも安定傾向(社説)
◆2011/02/02 NIKKEI NET 官房長官、エジプト政権移行「米国と同じ認識」
◆2011/02/02 NIKKEI NET 仏大統領「早期の政権移行求める」 エジプト情勢で
◆2011/02/02 NIKKEI NET 菅首相「地域の安定強く望む」 エジプト大統領の不出馬表明で
◆2011/02/02 NIKKEI NET エジプト反体制派、「ムバラク後」にらみ新体制議論
◆2011/02/02 NIKKEI NET トルコ首相「早期の権力移行を」 エジプト情勢
◆2011/02/02 NIKKEI NET 欧州諸国、ムバラク大統領に距離
◆2011/02/02 NIKKEI NET EU首脳、中東情勢を緊急協議へ 難民流入などに警戒感
◆2011/02/02 NIKKEI NET エジプト反体制派、大統領派と衝突 負傷者多数
◆2011/02/02 yomiuri.co.jp 米大統領、エジプトの政権即時移行求める
◆2011/02/02 yomiuri.co.jp カイロ市内のデモ、大統領支持派も応戦
◆2011/02/02 yomiuri.co.jp 反・親ムバラク派対立、デモ隊同士が衝突
◆2011/02/02 yomiuri.co.jp イエメン大統領、今任期限りで引退する意向
◆2011/02/02 asahi.com カイロで「100万人行進」デモ 夜通し続く見込み
◆2011/02/02 asahi.com ムバラク大統領が引退表明 オバマ氏は即時退陣促す
◆2011/02/02 asahi.com 「大統領の譲歩、今さら」 エジプトのデモ、冷めぬ熱気
◆2011/02/02 News Week 日本版 エジプト:軍とイスラム勢力にまつわる「誤解」 酒井啓子 ◆2011/02/02 News Week 日本版 ムバラクが犯した9つのミス
◆2011/02/02 毎日新聞 エジプト:反政府デモ 「武力行使せず」軍が容認、政権窮地に 大統領、対話を指示
◆2011/02/02 毎日新聞 エジプト:ムバラク大統領不出馬 「あなたの政権、終わりだ」米が退場を促す
◆2011/02/02 毎日新聞 エジプト:100万人デモ 野党、退陣まで対話拒否
◆2011/02/02 毎日新聞 クローズアップ2011:エジプトデモ 「革命」への熱狂 女性も声上げ
◆2011/02/02 毎日新聞 エジプト:混乱 米、深まる困惑 民主化要求/大統領進退には不介入
◆2011/02/02 毎日新聞 エジプト:新内閣、軍主導色濃く
◆2011/02/02 毎日新聞 エジプト:民主政権へ移行を EU、外相会議総括で言及
◆2011/02/03 cnn.co.jp ムバラク大統領支持派と反政府派衝突、 死者3人 負傷者600人超
◆2011/02/03 cnn.co.jp エジプト民衆デモへの暴力に、国外から非難の声
◆2011/02/03 NIKKEI NET 米格付け大手2社、エジプト銀を格下げ
◆2011/02/03 NIKKEI NET NATO、エジプトに平和維持部隊派遣も
◆2011/02/03 NIKKEI NET 大統領派と衝突で1人死亡 エジプトデモ、600人以上負傷
◆2011/02/03 NIKKEI NET 日本人カメラマンが負傷 エジプト、大統領支持派が暴行
◆2011/02/03 NIKKEI NET 国民の亀裂表面化、大統領派に危機感 エジプトのデモ衝突
◆2011/02/03 NIKKEI NET エジプト衝突、米国務長官が原因の徹底調査要求
◆2011/02/03 NIKKEI NET イスラエル、エジプトのイスラム原理主義台頭に警戒
◆2011/02/03 NIKKEI NET エジプト・カイロ日本祭り中止 大規模デモが交流に影響
◆2011/02/03 NIKKEI NET エジプト衝突、死者3人 さらに発砲で4人死亡の情報
◆2011/02/03 NIKKEI NET エジプト、にらみ合い続く イエメンでは最大のデモ
◆2011/02/03 NIKKEI NET FAO食料価格指数、2カ月連続で最高値 1月
◆2011/02/03 NIKKEI NET エジプトの国連職員、350人退避へ
◆2011/02/03 NIKKEI NET エジプト首都で衝突再燃 デモ隊と大統領派、発砲も
◆2011/02/03 NIKKEI NET エジプト中銀、6日から銀行業務再開
◆2011/02/03 NIKKEI NET イエメンでも2万人デモ 大統領の即時退陣要求
◆2011/02/03 NIKKEI NET 欧州5首脳、ムバラク大統領即時退陣求め共同声明
◆2011/02/03 NIKKEI NET 20年間の非常事態宣言、アルジェリアで撤回法案
◆2011/02/03 NIKKEI NET 日経平均、反落で始まる 主力株に利益確定売り
◆2011/02/03 NIKKEI NET 日経平均、反落で始まる エジプト情勢受け買い見送り
◆2011/02/03 NIKKEI NET 日経平均、小幅安で推移 好決算が下支え
◆2011/02/03 NIKKEI NET 日経平均、午前終値24円安 エジプト混乱で模様眺め
◆2011/02/03 yomiuri.co.jp 国連事務総長・英首相が懸念表明…エジプト情勢
◆2011/02/03 yomiuri.co.jp エジプト、大統領側が実力行使か…混乱激化も
◆2011/02/03 yomiuri.co.jp エジプト衝突、米「政府扇動ならすぐ停止を」
◆2011/02/03 yomiuri.co.jp 外国人記者ら、大統領支持派が襲撃…エジプト
◆2011/02/03 yomiuri.co.jp エジプト衝突、3人死亡…負傷1500人報道も
◆2011/02/03 yomiuri.co.jp エジプト大統領派が反体制派に発砲か
◆2011/02/03 asahi.com エジプトのデモ隊を襲撃 数百人けが 政権関与の説
◆2011/02/03 asahi.com ムバラク大統領支持者が発砲、4人死亡 エジプト
◆2011/02/03 asahi.com 米「非道な暴力、強く非難」 エジプト政権に圧力強める
◆2011/02/03 asahi.com 外国記者、次々襲われる ムバラク氏支持派がスパイ扱い
◆2011/02/03 asahi.com ムバラク大統領派がデモ隊襲撃 死者7人 発砲も
◆2011/02/03 asahi.com イエメン大統領「2年後退陣、世襲しない」 在位32年
◆2011/02/03 News Week 日本版 ムバラク支持派は政府の「刺客」?
◆2011/02/03 News Week 日本版 ムスリム同胞団は前ほど怖くない
◆2011/02/03 毎日新聞 エジプト:反政府デモ イラン、米介入を警戒 次期政権、イスラム系望む
◆2011/02/03 毎日新聞 エジプト:反政府デモ 北朝鮮市民も携帯で情報入手−−当局ピリピリ
◆2011/02/03 毎日新聞 エジプト:デモ隊衝突 オバマ大統領、強く暴力非難
◆2011/02/03 毎日新聞 エジプト:反政府デモ 7人死亡、1500人負傷 大統領派が発砲か
◆2011/02/03 毎日新聞 エジプト:反政府デモ ムバラク派が乱入 衝突で負傷者多数
◆2011/02/03 毎日新聞 エジプト:「ムバラク時代」終焉 行方は国軍次第
◆2011/02/03 毎日新聞 エジプト:反政府デモ 解放広場、民衆熱く メッセージ投げかけ
◆2011/02/03 毎日新聞 エジプト:反政府デモ 東京大大学院・山内昌之教授、日本大・横田貴之准教授の話
◆2011/02/03 毎日新聞 エジプト:ムバラク大統領引退「勧告」 米、混乱恐れ方針転換
◆2011/02/03 毎日新聞 エジプト:反政府デモ 両派石投げ合い血まみれ、一帯で銃声
◆2011/02/03 毎日新聞 エジプト:反政府デモ ムバラク大統領、米の威借り国民締め付け
◆2011/02/03 毎日新聞 エジプト:反政府デモ 板垣雄三・東京大名誉教授の話
◆2011/02/04 NIKKEI NET [FT]頭の痛いリスクのパズル 最後の1片は地政学
◆2011/02/04 NIKKEI NET 親政府デモ参加、携帯で呼び掛け エジプト当局主導か
◆2011/02/04 NIKKEI NET 米大統領「エジプトの暴力終結を祈る」
◆2011/02/04 NIKKEI NET ロシア大統領、ムバラク大統領と電話協議
◆2011/02/04 NIKKEI NET エジプト首相、デモ隊との衝突調査を約束
◆2011/02/04 NIKKEI NET エジプト大統領選、9月までに実施 副大統領声明
◆2011/02/04 NIKKEI NET 「混乱恐れ退陣できず」 ムバラク氏が米テレビと会見
◆2011/02/04 NIKKEI NET エジプト大統領支持メッセージ強要 英携帯大手が抗議
◆2011/02/04 NIKKEI NET エルバラダイ氏支持せず エジプト大統領選で最大野党
◆2011/02/04 NIKKEI NET 早期の政権移行求める 独スペイン首脳会談、エジプト情勢で
◆2011/02/04 NIKKEI NET エジプト国債、フィッチも格下げ
◆2011/02/04 NIKKEI NET ヨルダン国王、同胞団幹部と会談 改革遅れ認め協調呼び掛け
◆2011/02/04 NIKKEI NET エジプト大統領支持メッセージ「強要」に抗議 英ボーダフォン
◆2011/02/04 NIKKEI NET エジプト、外国人記者への襲撃・拘束相次ぐ
◆2011/02/04 NIKKEI NET エジプト大統領「今辞任すれば混乱」 米テレビの取材に応じ
◆2011/02/04 NIKKEI NET 米国務長官、エジプト政府に野党側との即時交渉を要求
◆2011/02/04 NIKKEI NET 米政府、エジプト大統領の即時退陣を要求 米紙報道
◆2011/02/04 NIKKEI NET エジプト政権と米、大規模集会控え激しい駆け引き
◆2011/02/04 NIKKEI NET ネット遮断で経済損失73億円 OECDが試算
◆2011/02/04 NIKKEI NET 民主化デモ連鎖「イスラムの目覚め」 イラン最高指導者
◆2011/02/04 NIKKEI NET エジプト政権移行「もっと現実的に」 前原外相
◆2011/02/04 NIKKEI NET エジプト、大規模デモ 大統領退陣求め「最後通告」
◆2011/02/04 NIKKEI NET エジプトに「迅速な政権移行」呼びかけ EU首脳会議
◆2011/02/04 NIKKEI NET EU、エジプト政権移行に直接関与へ 臨時首脳会議
◆2011/02/04 NIKKEI NET エジプト、各地で大規模デモ 大統領に即時辞任迫る
◆2011/02/04 NIKKEI NET 「カイロの騒乱、主因は治安部隊」 国連人権高等弁務官
◆2011/02/04 cnn.co.jp 「いま辞任すれば混乱引き起こす」 ムバラク大統領
◆2011/02/04 NIKKEI NET 民主化デモ「イスラムの目覚め」 イラン最高指導者が歓迎
◆2011/02/04 asahi.com ヨルダン国王、イスラム組織と会談 強まる政府批判受け
◆2011/02/04 yomiuri.co.jp 携帯に匿名メッセージを送りつける当局とは
◆2011/02/04 yomiuri.co.jp エジプト首相、デモ隊への襲撃を「謝罪」
◆2011/02/04 yomiuri.co.jp ムバラク大統領、即時退陣拒否…「混乱起きる」
◆2011/02/04 yomiuri.co.jp EU外相、ムバラク大統領の即時退陣を促す
◆2011/02/04 yomiuri.co.jp エジプトで記者襲撃、米「最も強い表現で非難」
◆2011/02/04 yomiuri.co.jp オバマ政権、ムバラク氏の即時退陣案協議…米紙
◆2011/02/04 yomiuri.co.jp エジプト当局の匿名メッセージ、携帯大手が批判
◆2011/02/04 yomiuri.co.jp 不都合な事実伝える…外国人記者への暴行頻発
◆2011/02/04 yomiuri.co.jp 19年も非常事態宣言、アルジェリア解除へ
◆2011/02/04 asahi.com エジプト「追放の金曜」 4日、全土で大規模衝突の恐れ
◆2011/02/04 asahi.com ボーダフォンがエジプトに抗議 大統領支持メールめぐり
◆2011/02/04 asahi.com 米、エジプト側と即時退陣・暫定政権を協議 米紙報道
◆2011/02/04 asahi.com ムバラク氏「大統領飽きたが、今去れば混乱」 米TVに
◆2011/02/04 asahi.com 政権の宣伝もうやめた エジプト国営TVキャスター辞職
◆2011/02/04 asahi.com 「現実的な政権移行を」エジプト情勢で前原外相
◆2011/02/04 asahi.com ヨルダンでも反政府デモ エジプトデモに連帯表明
◆2011/02/04 毎日新聞 エジプト:反政府デモ ネット遮断、損害73億円−−OECD試算
◆2011/02/04 毎日新聞 エジプト:反政府デモ 権力の即時移譲、EU外相も促す−−ムバラク大統領に
◆2011/02/04 毎日新聞 エジプト:反政府デモ 内戦の可能性低く
◆2011/02/04 毎日新聞 エジプト:反政府デモ 市民に新たな分断 大統領派、内実さまざま
◆2011/02/04 毎日新聞 エジプト:反政府デモ 大統領支持派、治安機関が扇動か 押収品に警官の身分証
◆2011/02/04 毎日新聞 エジプト:反政府デモ 衝突、首相謝罪 国軍介入の動き
◆2011/02/04 毎日新聞 エジプト:カイロで外国人襲撃相次ぐ
◆2011/02/04 毎日新聞 米国:エジプト暫定政権案「即時移行を」 上院決議
◆2011/02/04 毎日新聞 エジプト:混乱、ムバラク大統領強気 「公職うんざり」でも「すぐ辞められぬ」
◆2011/02/05 NIKKEI NET エジプト、大統領退陣へデモ 10万人以上が集合
◆2011/02/05 NIKKEI NET 前通産相に出国禁止措置 エジプト当局、銀行口座凍結も
◆2011/02/05 NIKKEI NET エジプト、全土で大規模デモ 大統領へ即時退陣迫る
◆2011/02/05 NIKKEI NET EU、エジプト政権移行に直接関与へ 首脳会議で方針
◆2011/02/05 NIKKEI NET NY金、反落 4月物は1349.0ドルで終了
◆2011/02/05 NIKKEI NET NY原油、続落 3月物89.03ドルで終了、供給懸念が後退
◆2011/02/05 NIKKEI NET 米大統領「ムバラク大統領は国民の声聞き決断を」
◆2011/02/05 NIKKEI NET ムバラク大統領、即時辞任応じず 混迷長期化も
◆2011/02/05 NIKKEI NET 政権、反体制派と対話急ぐ エジプト抗議デモ不発
◆2011/02/05 NIKKEI NET デモ取材中に銃撃、エジプト人記者死亡
◆2011/02/05 NIKKEI NET エジプト北部でパイプライン爆破 「テロ」と国営テレビ
◆2011/02/05 NIKKEI NET エジプト、外国人16万人以上が出国 カイロ空港
◆2011/02/05 NIKKEI NET エジプト北部でパイプライン爆発
◆2011/02/05 NIKKEI NET エジプト副大統領 暗殺未遂と米メディア 否定報道も
◆2011/02/05 NIKKEI NET ヨルダンへのガス供給停止 パイプライン爆発
◆2011/02/05 NIKKEI NET エジプト、実権をスレイマン副大統領に 構想が浮上
◆2011/02/05 cnn.co.jp オバマ米大統領、ムバラク氏は国民の声に耳を傾けるべき
◆2011/02/05 cnn.co.jp イラク首相が報酬半減、エジプト情勢受けたデモ多発で
◆2011/02/05 yomiuri.co.jp 「決別の金曜」20万人デモ、エジプト緊張山場
◆2011/02/05 yomiuri.co.jp アル・ジャジーラのカイロ支局襲撃…当局関与?
◆2011/02/05 yomiuri.co.jp エジプト副大統領、有識者と打開策協議へ
◆2011/02/05 yomiuri.co.jp 決別の金曜日、混乱なく…首相は大統領辞任否定
◆2011/02/05 yomiuri.co.jp ムバラク氏の権限移譲、象徴化案…米紙
◆2011/02/05 yomiuri.co.jp 国営テレビ「カイロの街は静かです」…抗議辞任
◆2011/02/05 yomiuri.co.jp エジプトでパイプライン爆発・炎上…テロか
◆2011/02/05 yomiuri.co.jp エジプト権力移譲案、副大統領が軍首脳と協議
◆2011/02/05 asahi.com カイロ 広場に数十万人市民 野党側「追放の金曜日」
◆2011/02/05 asahi.com ムバラク大統領の退陣は求めず EU27カ国首脳会議
◆2011/02/05 asahi.com イエメンの世襲否定表明を歓迎 米大統領が電話会談
◆2011/02/05 asahi.com エジプトのデモ「退陣まで続ける」 政権側と持久戦
◆2011/02/05 asahi.com オバマ氏「ムバラク氏は正しい決断を」 政権移行促す
◆2011/02/05 asahi.com エジプトのパイプライン爆発 「テロ」「事故」の報道
◆2011/02/05 asahi.com パン値上がり、ガソリン不足…カイロ、デモの影響深刻
◆2011/02/05 毎日新聞 エジプト:反大統領デモをイランのハメネイ師称賛 「イスラムの目覚め」
◆2011/02/05 毎日新聞 エジプト:政府「反逆者に立ち向かえ」 メッセージ無断送信、ボーダフォンが抗議
◆2011/02/05 毎日新聞 エジプト:スレイマン氏がEU外相と協議
◆2011/02/05 毎日新聞 エジプト:EU、ムバラク大統領に即時退陣促す−−首脳会議
◆2011/02/05 毎日新聞 エジプト:軍と内務省、確執浮上
◆2011/02/05 毎日新聞 エジプト:野党足並みに乱れ 一部は政権と対話 デモ隊と共闘見えず
◆2011/02/05 毎日新聞 クローズアップ2011:エジプト安定、高いハードル
◆2011/02/05 毎日新聞 エジプト:デモ、各地に拡大 「追放の金曜」首都、軍厳戒
◆2011/02/05 毎日新聞 ギリシャ:パパンドレウ首相、エジプト訪問へ
◆2011/02/05 毎日新聞 EU:中東政策、民主化支援強化 エジプト援助凍結も
◆2011/02/05 毎日新聞 オバマ米大統領:ムバラク・エジプト大統領に、改めて早期退陣要求
◆2011/02/05 毎日新聞 エジプト:居座るムバラク氏 首相「即時辞任ない」 盟主の自負、米に憤り


 
 
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「シリアは安定」 アサド大統領

2011/2/1 0:32

【エルサレム=共同】シリアのアサド大統領は、31日付の米紙ウォール・ストリート・ジャーナルとのインタビューで「われわれはアラブ諸国の大半よりも難しい事情を抱えているが、それでもシリアは安定している」と言明、反米姿勢を掲げる自らの政権は「人々の信念と密接に結び付いている」として、反政府デモが起きる可能性を否定した。

シリアではこれまで、チュニジアやエジプトから波及した反政府活動は伝えられていない。

アサド氏は「エジプトは米国から財政支援を受けていたが、われわれは経済制裁下にある」とし、「私は大統領就任以来、改革を進めてきた」と強調した。

アサド氏は30年近く権力を握った父ハフェズ・アサド前大統領の死去を受け、2000年に後継大統領に就任。反体制派を締め付け、与党バース党の実質的な一党支配を続けている。



 
 
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エジプト情勢で来日を延期 インドネシア外相

2011/2/1 1:06

外務省は31日、インドネシアのマルティ外相が2月2日から4日まで予定していた来日を延期すると発表した。緊迫したエジプト情勢を受け、同国に滞在する約6000人のインドネシア人の安全確保を優先する。マルティ外相は来日中、前原誠司外相との戦略対話や講演を予定していた。



 
 
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オバマ政権、エジプト暫定政権樹立を支持か 米紙報道

2011/2/1 1:34

ムバラク大統領退陣を求める抗議デモが続くエジプト情勢に関し、米紙ワシントン・ポストは31日、これまでムバラク政権を支援してきた米政府が、エジプトの暫定政権樹立を支持する方針へと転換したと伝えた。

オバマ大統領は中東の各国首脳らと電話会談し、「エジプト国民の願いに応える政府への秩序ある移行」を支持したという。同紙は米政府高官の話として「『移行』という言葉は、9月に予定されているエジプト大統領選挙までに暫定政権を樹立することを示している」と報じた。



 
 
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NY金反落、エジプト不安が一時後退

4月物7.2ドル安

2011/2/1 6:26

【NQNニューヨーク=古江敦子】1月31日のニューヨーク金先物相場は反落した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心である4月物は前週末比7.2ドル安の1トロイオンス1334.5ドルで終えた。前週末に強まったエジプト情勢への過度な不安が金先物市場ではいったん和らいだといい、逃避資金の受け皿となりやすい金に売りが出た。

エジプトの反政府デモは続いているが、懸念されていた周辺の中東諸国へのデモの広がりは現時点ではみられない。原油などの物資輸送路であるスエズ運河は封鎖されておらず、世界経済への影響は懸念したほど大きくならないとの見方が強まった。投資家のリスク回避姿勢がひとまず後退し、金に売りが出た。

ただ、売り一巡後は原油先物相場の上昇につれて下げ幅を縮めた。通常取引終了にかけて、エジプト情勢への懸念がやや蒸し返されたとの声も聞かれた。

銀は続伸した。プラチナは4営業日ぶりに反落した。



 
 
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EU外相ら、エジプト政権「秩序ある移行」支持

自由で公正な選挙促す

2011/2/1 9:57

【ブリュッセル=瀬能繁】欧州連合(EU)は31日の外相理事会で、エジプトのムバラク政権に対し「広範な基盤を持つ政府への秩序ある移行」を求める方針で合意した。ムバラク政権退陣の是非についての直接の言及は避けたものの、民主化と改革を進め「自由で公正な選挙」の実施を促した。

「秩序ある移行」への支持は、オバマ米大統領と同じ表現だ。EUはまずムバラク政権に「野党側との開かれた真剣な対話」(アシュトン外交安全保障上級代表)の開始を要請。そのうえで9月に予定されているエジプト大統領選で民主的な本格政権樹立を求める立場を強く示唆した。

チュニジア情勢に関してEU外相理事会は、国外逃亡したベンアリ前大統領夫妻がEU域内で保有している資産を凍結することを決めた。

また、ベラルーシのルカシェンコ政権による野党弾圧への抗議の一環として、同国の大統領を含む政権幹部へのビザ発給停止などの制裁復活を決めた。だが、ベラルーシ外務省は「対抗措置をとる」との声明を発表、EUとの関係悪化が長引く可能性が出てきた。



 
 
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イスラエル首相、エジプトのイスラム国家化に懸念

2011/2/1 10:21

イスラエルのネタニヤフ首相は31日エルサレムで、混乱が続くエジプト情勢について「我々が恐れているのは過激なイスラム体制が生まれる状況だ」と語り、イスラム原理主義勢力が主導権を握ることへの強い警戒感を示した。アラブ諸国で初めてイスラエルと平和条約を締結したエジプトは戦略上の重要なパートナー。米欧がムバラク政権に厳しい目を向ける中で同政権存続への期待を示したといえそうだ。

イスラエルを訪問したドイツのメルケル首相との記者会見で述べた。ネタニヤフ首相は「抗議デモが宗教的な過激主義に基づかないとしても、混乱の中でイスラム組織が国を乗っ取ることもありうる。実際にイランで起きた」と指摘した。

そのうえで「30分ごとに報告を受けている」と述べ、エジプトの情勢に重大な関心を寄せていることを明らかにした。イスラエル政府はこれまでエジプトでのデモについて論評を避けてきた。

抗議デモを続ける反大統領派の中では、穏健派の原理主義組織であるムスリム同胞団が最大の動員力を持つとみられる。

一方、31日付のイスラエル紙ハーレツは、同国外務省が欧米や中国などに駐在する外交官に対し、ムバラク体制の存続を働き掛けるよう指示を出したと報じた。ムバラク体制の安定が中東と西側諸国の利益であるとして、大統領への批判を抑制するよう働き掛けることを命じたという。(カイロ=松尾博文)



 
 
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エジプト軍「実力行使せず」 デモ拡大で声明

副大統領は野党と交渉表明

2011/2/1 10:27

【カイロ=花房良祐】ムバラク大統領に対する退陣要求デモが続くエジプトで31日、政権存続を左右する存在として注目されていた軍がデモ隊への実力行使をしないとの声明を発表した。スレイマン副大統領は同日「憲法改正も含めた交渉を野党と直ちに開始する」と野党との対話方針を初めて表明した。一方、反政権側は、野党各勢力が同日の会合で現政権に代わる“受け皿”作りを議論したほか、1日にはカイロ市内で100万人規模のデモを計画している。

エジプト情勢は、政権と野党勢力による話し合いで米欧などが期待する「秩序ある移行」に向かうか、デモに伴う混乱拡大で政権が短期間に崩壊し権力の空白が生じるかどうかの瀬戸際の局面に入ってきた。

エジプト軍は31日、「平和的な表現の自由を保障する。軍は民衆に武力を行使しない」との声明を発表した。1日の100万人デモの直前になって軍がデモ隊への実力行使をしないと表明したことで、ムバラク政権を取り巻く情勢は厳しい方向に傾いた。

スレイマン副大統領は31日のテレビ演説で、将来の憲法改正などに向け、野党と話し合うと表明した。現憲法によると、大統領選への無所属候補の出馬は人民議会(国会)などの議員計250人以上の推薦が必要で、野党勢力の代表格になりつつあるエルバラダイ前国際原子力機関(IAEA)事務局長の立候補は事実上不可能だ。副大統領はこうした問題点を議論することを示唆した。

一方、AP通信によると野党勢力は31日、各勢力の代表者ら30〜40人が集まり“ムバラク後”をにらんだ会合を開いた。野党の中心的存在であるイスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」に対しては欧米諸国が強い警戒感を持っていることを踏まえ、同胞団は野党勢力内の協議では主導権をとらずに存在感を薄め、政権移行への欧米の支援を得たい考えとみられる。

カイロ中心部では31日夜もデモ隊が夜間外出禁止令を無視してムバラク大統領の退陣を求めた。各国はエジプトにいる自国民の待避を続けたり、自国大使館の警備を強化するなど、不測の事態への備えを急いでいる。



 
 
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野田財務相、エジプト政情不安の影響「注視したい」

与謝野経財相「混乱、長引かないこと期待」

2011/2/1 10:39

エジプトの政情不安の市場への影響について1日の閣議後の記者会見で閣僚の発言が相次いだ。野田佳彦財務相は、日本でも株安など影響が出ていることについて「大きな影響が出ないように、願いを込めながら注視をしたい」と述べた。与謝野馨経済財政相は「目に見える影響は株式相場などに出ているが、混乱はそんなに長引かないだろうと期待している」と述べた。自見庄三郎金融相は「エジプトは中東の大国であり、世界に対する影響や市場の動向は引き続き注視していきたい」と述べた。

海江田万里経済産業相はエジプトが日本のインフラ輸出プロジェクトの有望な交渉相手である点を踏まえ「どういう政権が生まれるのか、あるいは今の政権が続くのか注視しなくてはいけない」と述べた。



 
 
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米の元大使がエジプト入り ムバラク政権に改革圧力か

2011/2/1 11:46

【ワシントン=弟子丸幸子】米国務省によると、フランク・ウィズナー元駐エジプト米大使がエジプト政府関係者らと協議するため、31日にカイロ入りした。米政府がムバラク大統領に改革圧力をかけるために派遣した事実上の特使との見方が出ている。クローリー国務次官補は同日の記者会見で、ウィズナー氏のカイロ入りを確認。「私人の立場」による訪問と強調しながらも、米政府が報告を受ける予定であることを明らかにした。

一方、ギブズ大統領報道官は同日の記者会見で、米政府は民主化に向けた「秩序ある移行」を求めると改めて強調。ムバラク大統領の退陣の必要性については「エジプト人が決めることだ」と繰り返すにとどめた。エジプト情勢を受け原油価格が上昇していることには「市場を注視している」と述べるとともに「スエズ運河の混乱は生じていない」と指摘した。

報道官は、ムバラク政権エジプトについて「明らかにまだやるべきことがある。エジプトの(政権)運営のあり方が変わらねばならない」と語り、国民の要望に応える努力が不十分との認識を示した。



 
 
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米グーグル、エジプトの「ツイッター」遮断に対抗

2011/2/1 12:11

【シリコンバレー=奥平和行】インターネット検索最大手の米グーグルは31日、ネット接続や携帯電話網が一部遮断されているエジプト向けに、固定電話経由で簡易ブログ「ツイッター」にメッセージを残せるサービスを始めたと発表した。

グーグルは自社ブログで3本の専用電話番号を公開。利用者は固定電話からこの番号に電話をかけてメッセージを録音することができる。録音されたメッセージは、同じ番号に電話をかけて聞けるほか、ツイッターの専用ページを訪れてメッセージを再生することもできるという。

グーグルは今月買収したIT(情報技術)ベンチャー企業である米セイナウやツイッターと共同で新サービスを開発した。

ムバラク大統領の退陣を求める抗議デモが続くエジプトでは、市民はツイッターや交流サイト(SNS)の「フェイスブック」をデモ参加の呼びかけなどに利用。当局はこうした動きを封じるため、通信事業者にネット接続や携帯電話網の遮断を命じた。

グーグルは31日に中東・北アフリカ担当のプロダクトマネジャーとセイナウの共同創業者の連名でブログにメッセージを公開。新サービスの概要を説明した上で「エジプトの人々は非常に困難な時を迎えているが、このサービスがネットを使い続けるための一助となることを期待している。我々の考えはエジプトの人々と同じだ」と述べた。



 
 
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エジプト出国、邦人のチャーター機3機がローマ到着

2011/2/1 11:44 (2011/2/1 12:55更新)

外務省によると、エジプトの反政府デモ拡大でカイロ国際空港に足止めされていた日本人観光客を乗せた日本政府のチャーター機3機が1日未明(日本時間同午前)までにローマ空港に到着した。チャーター機は計463人の日本人を輸送した。日本人観光客は今後、旅行会社などを通じて日本への帰国便を確保することになるもようだ。



 
 
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「現状、原油調達に心配ない」エジプト情勢で出光取締役

97%をサウジなどから輸入

2011/2/1 16:30

出光興産の曽根田満取締役は1日の決算会見で、エジプトの政情不安が中東諸国に飛び火し同社の原油調達に影響を及ぼす可能性について「今の状況では心配はしていない。従来通りきちっと(輸入を)維持できる」との見解を示した。

同社は輸入原油の97%をサウジアラビアやクウェートなどの中東諸国から手当てしているという。〔日経QUICKニュース〕



 
 
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混乱続くエジプト 副大統領が野党と協議開始か

2011.02.01 Tue posted at: 09:29 JST

カイロ(CNN) 国民から退陣を求められているエジプトのムバラク大統領が、改革に向け野党との協議に応じる意向を示した。スレイマン副大統領が31日明らかにした。

スレイマン副大統領は国営テレビで、ムバラク大統領から複数の政党と協力して「憲法改革と法律制定」に取り組むよう指示されたと述べた。スレイマン氏は一連の改革案を「早急に」準備するとしている。同氏の事務所によれば、既に野党との協議は始まっているとのことだが、どの政党が参加しているかなどは分かっておらず、野党関係者からの反応もない。

一方、抗議デモはさらに拡大し、参加者らは2月1日にカイロとアレクサンドリアで数百万人規模のデモ行進を行うと呼びかけている。

これに対し、情報省は国内の携帯電話サービスを今後数時間にわたり停止することを明らかにした。同省によると、インターネット・サービスプロバイダーのNoorグループも閉鎖されたといい、実質的に国内は完全にオフラインとなった。また、鉄道の運行が無期限停止されたため、タハリール広場などに人々が集まることは困難となっている。

こうしたなか治安活動に当たっている軍は、国民の要求を正当なものとみなし、国民に対して暴力を行使することはないとの立場を明らかにしている。

一連の混乱による犠牲者数を把握するのは困難だが、国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)」によると、これまでにカイロの病院で80人、アレクサンドリアで36人、スエズで13人の死亡が確認されたという。



 
 
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携帯電話遮断、買い物に長い列 デモ拡大のエジプト

2011.02.01 Tue posted at: 10:16 JST

カイロ(CNN) ムバラク大統領の退陣を求める抗議デモが各地で拡大し、混乱が続くエジプトでは、市民の生活や経済活動にも大きな影響が出ている。

国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)」は、多くの生活必需品が底をつきつつあると指摘。カイロやアレクサンドリアでは燃料不足によりガソリンスタンドが閉鎖され、ATM(現金自動出入機)も利用できない。パン屋やスーパーでは買い物客が行列をなしているが、客が購入する食料品の量に制限を設ける店も多い。

店舗の略奪や、無人となった警察署から武器が奪われる事態も相次いでいる。街から姿を消した警察に代わり、自警団が軍と協力して地域の警備に当たっているようだ。

情報省は国内の携帯電話サービスを今後数時間にわたり停止することを明らかにした。同省によると、インターネット・サービスプロバイダーのNoorグループも閉鎖されたといい、実質的に国内は完全にオフラインとなった。また、鉄道の運行が無期限停止されたため、タハリール広場などに人々が集まることは困難となっている。

国内経済に与える打撃も大きい。31日には証券取引市場や銀行も閉鎖された。国内情勢の混乱を受け、米格付け大手ムーディーズはエジプト国債格付けの引き下げを発表した。

スレイマン副大統領は、一連の混乱により国内経済には690億エジプトポンド(約9657億円)の損失と6カ月間の遅れがもたらされるとの見通しを示している。

混乱が続くなか、国外からもムバラク大統領の退陣を求める声が高まっている。AFP通信によると、アラブ連盟のムーサ事務局長は31日、「ひとつの時代から別の時代」への平和的な権力移行が必要だと呼びかけた。

米国のクリントン国務長官は30日のテレビ番組で、民主主義体制への秩序ある移行を望むとの見解を示している。



 
 
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グーグル幹部、デモ激化のエジプトで消息絶つ

2011.02.01 Tue posted at: 14:25 JST

ニューヨーク(CNNMoney) 反政府デモが激化しているエジプトで、インターネット検索大手米グーグルの幹部、ワエル・ゴニム氏が消息を絶っている。友人のハビブ・ハダド氏が31日に明らかにした。

ゴニム氏はグーグルの中東・北アフリカ担当マーケティング責任者。会議に出席するためエジプトの首都カイロを訪れていたが、同地で25日、ムバラク大統領の退陣を求める反政府デモが始まった。ハダド氏によると、28日を最後に同氏からの連絡が途絶え、「日増しに不安が増している」という。

ゴニム氏はミニブログのツイッターでエジプトの緊迫した状況を伝え、27日には「エジプトのために祈る。政府は明日、国民に対する戦争犯罪を計画しているらしく、とても不安だ。われわれはみな、死ぬ覚悟ができている」と書き込んだ。

この日はハダド氏とも電子メールとブラックベリーでやり取りし、28日には妻とエジプトにいる兄弟に連絡があったという。

しかしそれを最後に連絡が途絶えたことから、妻やグーグルの社員が友人や知人に同氏の消息を尋ねるメールを送っているという。



 
 
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エジプト情勢影響、世界で原油高騰 ガソリンも値上がり

2011年2月1日20時36分

緊迫するエジプト情勢の影響を受け、商品市場で石油価格の上昇が止まらない。世界の3大指標は軒並み上昇し、欧州の北海ブレント原油は2年4カ月ぶりに1バレル=100ドルを突破した。昨年末から上昇が続く国内のガソリン価格への影響も心配される。

1月31日のロンドン市場では、北海ブレント原油の先物価格が前週末より1.59ドル高い101.01ドルをつけた。2008年9月以来の高値水準だ。ニューヨークのWTI原油先物価格も92.19ドルと2日続けて上昇。東京でも取引されている中東ドバイ原油も94.8ドルと3日連続の値上がりで、じりじりと100ドルに迫っている。

実は、石油価格はエジプトの混乱前から上昇基調にあった。「世界の景気回復による需要増による上昇に加え、昨年11月に米国が大規模な金融緩和をしたことで、投機マネーも流れ込んでいるようだ」(大和総研・浜口政己シニアストラテジスト)

商品市場の価格は卸売りを通じ、国内のレギュラーガソリンの価格にも影響する。実際、レギュラーガソリンは昨年11月から上昇している。石油情報センターによると、1月24日時点の1リットルあたりの全国平均は137.8円で、前週より0.7円上昇し、8週連続の値上がりとなった。

同センターは「商品市場の高騰が長引けば小売価格にも影響はありうる」としている。



 
 
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エジプト情勢「民主的政権に平和的推移を」1日の菅首相

2011年2月1日20時7分

菅直人首相が1日夕、首相官邸で記者団の質問に答えた内容は、以下の通り。

「はいこんにちは」

【社会保障改革の集中検討会】

−−社会保障改革の集中検討会メンバーが決まった。この人選の狙いと期待することは。

「一番のねらいは国民的な議論にしていきたいと。そのために各界のですね、経済界労働界、あるいはマスコミとか、そういうみなさんに参加をしてもらったと、そういうことですね」

−−一方でメンバーの中に柳沢元厚労大臣が起用されたことを受けて、公明党の山口代表は「自公政権の政策に白旗を揚げ、政権交代が必要なかったと認めているに等しい」と批判している。これらの批判にはどのように答えていくか。

「今申し上げたような国民的な議論をするということの目標の中で、やはり議論の中身を、なんといいますか聞いてもらって、評価をしてもらいたいと、こう思います」

【与野党協議】

−−自民党は、社会保障と税の一体改革について、政府・与党案を出すことが先だと主張し、与野党協議への歩み寄りはなかなか見られない。この改革に「政治生命をかける」と言っていた総理だが、率直にこの現状をどう思っているか。

「この社会保障と税の一体改革というのは、国民にとって大変重要な課題ですから、これからも真摯(しんし)に野党の皆さんにも、話し合いを呼びかけていきたいと、こう思っています」

−−今日もその歩み寄りという点では予算委員会でも、かなり意見が離れているというか、野党側と意見が食い違っている印象もあったが、総理自身はどのように感じているか。

「与党、政府与党として、4月の段階で、社会保障改革の中身を、6月には、税も含めたですね、内容を提示するということを申し上げているので、できるだけ早い時期に与野党協議に入れればとは思いますけれども、こちらがそういうものを先に、先にというか出すようにという、そういう意見ですから、それを出す中で、与野党協議が始められるのかどうか、そういうことを含めて、しっかり、丁寧に、進めていきたいと思っています」

【マニフェスト見直し】

−−予算委員会でマニフェストの点検に関する議論の中で、総理は2012年度以降の子ども手当について「さらに広げるか、もうこの程度しか無理なのかも含めて検証する」と答弁したが、子ども手当の満額支給を見直すこともあり得ると言うことなのか。

「どのテーマということではなくてですね、マニフェストについて、いつも国会でも申し上げているように、ちょうど9月ごろに折り返し地点になりますので、そのころまでにはですね、もうすでに済んでいるもの、着手したもの、まだできていないものをこうしっかりとですね、そういう状況も含めて、全体を検証しようということを申し上げているわけです」

【エジプト民主化運動】

−−エジプト情勢について。米政府がムバラク政権の交代に対して支持する流れがあるが、日本政府としての見解はどうか。

「これは、かなり長い間の政権ですので、国民の皆さんとですね、十分こう、コミュニケーションした中で、民主的な、政権という形に、平和的に、推移していくのが好ましいと、このように思っています」

(秘書官「はい、それでは終了いたしします」)



 
 
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社説

2011年2月1日(火)付

エジプト危機−ムバラク氏は即時辞任を

つい1週間前まで、エジプトは冬の観光シーズンを迎えて外国人観光客でにぎわっていた。今は国外への避難を求める外国人が空港に殺到している。

30年続いた非民主的な強権支配に、民衆の怒りが一気に噴き出した。事態が数日の間にこれほど切迫すると誰が予測しただろう。

民主化を要求する民衆と、居座るムバラク大統領との間で、エジプト危機はますます深まっている。

デモ隊と治安部隊の衝突は先週末に激化し、警察の銃撃などで100人の死者が出ているとの報道がある。

政府は夜間外出禁止令を出して軍を出動させた。警察や治安部隊は治安維持の任務を解かれた。

警察が姿を消した後、一部では略奪が起こったが、即座に地域の住民たちが自主的に自警団を組織して町を守る動きが広がっている。

ただし、警察不在の状態が長引けば国民生活は早晩、危機に直面する。学校も、銀行も、政府機関も、閉まったままだ。都市部では食料やガソリンなどの不足が出始めている。

政府はデモに参加する人々の連絡を絶つため、インターネットを停止し、一時は携帯電話も止めた。しかし民衆を止めることはできなかった。

民衆パワーは、自分たちで地域の安全を守ることでも発揮されている。エジプトでの社会のつながりを感じさせるとともに、民衆の間での対立とならないのは、民主化が幅広い国民の支持を得ている証しでもある。

ここまで国民の支持を失ったムバラク大統領には、国を危機に陥れた責任がある。今秋の任期満了を待つことなく、直ちに辞任すべきだ。

国の再出発は全政治勢力が参加する暫定政府に委ね、できるだけ早期に大統領選挙と議会選挙をして、民意を問うべきである。

ムバラク政権の一番の支援者だった米国も、エジプトでの民主的な政権への「移行」を支持した。日本政府も明確な意思を伝えるべきだ。

情勢の激化の速さは予想を超えている。これ以上の流血と混乱を避けるため、国際社会はムバラク政権に強く、迅速に働きかけてほしい。

民主化を求めるデモ隊は政府が抑えつけようとしないかぎり、平和的に訴えている。心配なのは、警察に代わって配置されている軍との衝突だ。

軍はデモ隊への武力行使を否定しているが、今後、情勢がさらに緊迫しても不介入の方針を貫くべきだ。

ムバラク大統領も、今回指名された副大統領も軍出身である。民主化は、ムバラク退陣だけでなく、軍主導体制の終わりを意味する。

ムバラク政権と軍の双方に、国際的な圧力が必要だ。軍が民衆に銃を向ける事態だけは避けねばならない。



 
 
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強まる住民の連帯感=略奪防止に「自警団」−エジプト

2011年1月31日6時6分

【カイロ時事】ムバラク大統領独裁打倒デモの混乱が深まるエジプトで、無政府状態の様相を呈す中、略奪被害を防ぐ「自警団」が各地で結成されるなど住民の連帯感が強まっている。

首都カイロなどでは午後4時から翌日午前8時までの外出禁止令が敷かれ、警察機能が完全停止したため治安が極端に悪化した。バイクに乗り、銃やナイフを手にした暴徒が夜間に出没し、30日の国営テレビによると、カイロなどで約770人が略奪容疑で拘束された。

英植民地時代に開発されたカイロの高級街ザマレク地区では、住民が自警団を結成。ナイル川中州の同地区と周辺を結ぶ橋に、シフトを敷いて交代で鉄パイプやこん棒、銃を所持した自警団を配置し、「略奪団」の侵入を防いでいる。

一方、車両荒らしや空き巣被害が起きている地域もある。ザマレクに住む自警団の一人、カリムさん(22)は「治安悪化で不安だが、自分たちで守るしかない」と強調した。

信号がほとんどないカイロでは、警官が手信号で交通整理をしていたが、こうした警官も姿を消した。これに代わって住民ボランティアが交差点で活躍、デモで燃やされた車両を移動したり、散乱したゴミを拾ったりするなど住民の自治意識が芽生えている。 

[時事通信社]



 
 
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食糧難、パン争奪で死者=備蓄に走る市民−エジプト

2011年2月1日20時6分

【カイロ時事】大統領独裁体制の打倒を目指すデモが続くエジプトでは食糧の入手が困難になってきた。経済活動がまひし、商業活動や物流に影響が出ている。主食のパン価格が首都カイロでは4倍に高騰するなど品薄気味。1日付の独立系紙アルマスリ・アルヨウムによると、パン購入をめぐるトラブルで客が銃で撃たれるなど4人が死亡する事件も発生した。

報道によれば、パン屋の店主が値上げに反発したとみられる何者かに撃たれて死亡した事件も起きている。食卓には欠かせないアラブパンを1人で10枚買おうとした客が別の客とトラブルになり、射殺された事件も伝えられる。

市民は外出禁止の時間帯に入る午後3時を前に商店に殺到する。各地の商店の棚は米やパンなど主食を中心に売り切れが続出。ガソリンスタンドには約200メートルの長蛇の列ができ、ボンベ入りのガスなどの燃料も売り切れた。

パン価格は、通常1枚約4円が4倍に高騰。米やトマトなど野菜も3倍近くに値上がりした。金融機関をはじめ業務を停止した企業は多い。市民は給料日だった1月31日の月末に給与を得られなかった。

カイロ市内の主婦ルカイヤさん(50)は「給与も支払われず、デモが長期化すれば食料が入手できなくなる。先行きが心配だ」と話した。 

[時事通信社]



 
 
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熱気覆う中心部の広場=100万人行進へ続々集結−カイロ

2011年2月1日19時6分

【カイロ時事】「エジプト国民の願いは一つだ。大統領辞任と自由を」−。ムバラク独裁政権打倒要求デモが続くエジプトで1日、反体制政治グループ「4月6日運動」などが「100万人行進」を呼び掛けた首都カイロ中心部のタハリール広場には徹夜組を含めて続々と民衆が集結、広場を埋め尽くした。

デモ開始から8日目。民衆は口々に「エジプトの歴史を塗り替える日だ。100万人が大統領を引きずり下ろす」と叫び、広場は熱気に包まれている。参加者は「きょうが辞任の最後のチャンスだ」「独裁者は国を去れ」と大統領辞任を要求するプラカードを掲げた。

広場で夜を明かした大学生ハーレドさんは「大統領は地獄に落ちろ。指導者を自らの手で選べる国がほしい」と訴えた。夜にはデモ参加者たちで踊ったり、サッカーをしたりして、独裁政権終結前夜のようなお祭り騒ぎだったという。

石油関連企業に勤めるサフワットさん(51)は「民衆の力を結集して独裁体制を打倒する日がやってきた。独裁者として君臨する指導者は必要ない」と語気を強めた。 

[時事通信社]



 
 
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「100万人行進」へ集結=カイロ中心部、朝から5000人−エジプト

2011年2月1日18時6分

【カイロ時事】エジプトのムバラク大統領退陣を要求する反政府デモが続くエジプトの首都カイロ中心部で1日朝、野党勢力による大規模デモ「100万人の行進」の呼び掛けに呼応し、参加者が集結を始めた。午前中で約5000人が既に集まっている。1月25日から続いている大規模デモは、大きなヤマ場を迎えようとしている。

中心部のタハリール広場では、展開している軍の兵士が、爆発物などを持っていないか人々の身体検査を行っているが、デモは規制していない。

軍は31日、「民衆に対して武力を行使しない」と宣言する声明を出し、中立の姿勢を打ち出した。野党側はこれに自信を得ているとみられ、デモが予想以上に拡大する可能性もある。 

[時事通信社]



 
 
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野党との対話焦点に=民主的選挙へ改憲も−エジプト

2011年2月1日15時6分

【カイロ時事】独裁批判デモで退陣要求を突き付けられているエジプトのムバラク大統領は31日、混乱収拾を狙い、スレイマン副大統領に憲法改正や立法機関改革をめぐる野党勢力との対話を直ちに開始するよう指示した。大規模デモを主導する野党勢力との話し合いで、民主化や独裁終結を迫る民衆の要求にどこまで応えられるかが焦点となりそうだ。

辞任圧力の高まりを受けてムバラク大統領は、新内閣樹立や野党勢力との対話など相次いで譲歩を強いられた。反大統領派の最有力指導者エルバラダイ前国際原子力機関(IAEA)事務局長は今年秋の大統領選出馬も視野に、出馬要件の緩和など民主的な選挙に向けた憲法改正の必要性を訴えており、民衆の不満解消にはムバラク大統領が一段と踏み込んだ譲歩を行うことが不可欠だ。

憲法によれば、大統領選出馬には1年以上の政党幹部職経験や、無所属の場合は人民議会などの政治家250人の署名が必要。大統領与党の国民民主党(NDP)が権力を独占する中、野党系や無所属候補の立候補は事実上不可能で、これが独裁批判を招く要因の一つとなっていた。

野党勢力は、1981年に発令され、拷問や令状なしの逮捕など強権発動を支えてきた非常事態宣言の解除を要求している。また、非合法ながらも野党勢力の一角を占め、デモで存在感を示している穏健派のイスラム原理主義組織ムスリム同胞団が、合法化と政治参加容認を求めてくる可能性もある。 

[時事通信社]



 
 
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エジプト邦人旅行客「1日中に退去」 前原外相

2011/2/1 22:10

前原誠司外相は1日の記者会見で、エジプト情勢に絡み「1月31日に1492人いたパック旅行客は550人まで減った。全員に近い方に1日中に国外に出ていただく手はずを整えた」と述べた。商用機が飛ぶ方向で、チャーター機の追加手配はしない。約700人が残る在留邦人にも駐エジプト大使館を通じて退去を呼びかける。

政府は既にチャーター機を3便飛ばし、合計463人が利用。1人約3万4000円の費用は利用者から徴収する。外相は政府専用機も準備していたと明らかにしたうえで「チャーター機の方が早く退去できる蓋然性が高かった」と述べた。

菅直人首相は同日、記者団に「国民と十分コミュニケーションした中で、民主的な政権という形に平和的に推移していくのが好ましい」と語った。



 
 
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エジプト野党勢力、軍と連携方針 暫定政権樹立めざす

2011年2月1日3時3分

【カイロ=石合力、ワシントン=望月洋嗣】ムバラク大統領の退陣を求めているエジプトの野党勢力は31日、現政権を排除し、軍との間で暫定政権樹立を目指す方針を固めた。米政府は30日、政権移行を支持すると表明、ムバラク氏に退陣を促した。野党勢力は2月1日に100万人規模のデモを構えており、最大の後ろ盾だった米国がムバラク政権を見放したことで、エジプト情勢は重大局面に入った。

インターネットを通じてデモを呼びかけた市民グループや最大野党ムスリム同胞団幹部など複数の野党勢力によると、軍との直接協議に向けて、同胞団、各野党、民主化指導者エルバラダイ前国際原子力機関(IAEA)事務局長のグループの幹部ら約10人が近く委員会を設立する。野党勢力は、国民の間で人気の高い軍の支持を取り付け、エルバラダイ氏を軸に野党結集を目指す狙いだ。

退陣要求を拒むムバラク大統領は31日、新内閣で、タンタウィ国防相を副首相兼務とすることを発表。軍の引き締めを図る措置とみられる。

野党勢力が2月1日に予定している100万人規模のデモ行進で、参加者は抗議活動の中心になっているカイロ中心部のタハリール広場に結集する。副大統領指名や新内閣の樹立で「延命」を目指すムバラク政権に対し、民衆側の退陣要求はさらに高まっており、一連のデモで最大規模になるとみられる。同広場には抗議行動が始まって7日目の31日も10万人以上が集まり、野党勢力は全土で無期限ゼネストを呼びかけた。

オバマ政権は「ムバラク後」の動きが不透明なため、特定の野党勢力への支持は避けているが、「政権移行」への支持表明は、30年にわたってムバラク政権を支えてきた米国の対エジプト政策の転換を意味する。

カイロ市内では31日、一部商店が営業を再開したものの、銀行や株式市場は営業を停止したままで、事実上のゼネスト状態になっている。



 
 
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エジプトからの政府チャーター機、180人乗せローマ着

2011年2月1日10時37分

【ローマ=南島信也】カイロ国際空港で足止めされていた日本人観光客約180人が乗った日本政府派遣のチャーター機の第1便が、1月31日深夜、予定より約8時間遅れてローマ・フィウミチーノ空港に到着した。残る300人以上を乗せた第2、第3便も1日未明に到着、乗客は同日に日本への帰途に就く。

ローマに降り立った日本人観光客らは、カイロ空港内で不安や空腹に耐えながら数日間過ごしたため、みな疲れ切った様子だった。

大津市の船越豊さん(66)は妻としこさん(66)と、結婚40周年の記念に10日間のエジプト観光ツアーに参加したが、1月29日にカイロ空港に到着した時には暴動ですでに治安が悪化。空港から一歩も外に出られず、2日間を空港内で過ごした。豊さんは「今はとにかく疲れた。全く情報が入ってこなかったので、どんな状況にあるのかさえ分からなかった」と話した。

昨年末に定年退職し、その記念にとツアーに参加した滋賀県の山本修三さん(61)と妻の操さん(61)は、旅の前半は順調だったが、カイロに戻ってから足止めされ、空港に3泊した。パンや水、非常食を分けてもらい飢えをしのいだという。修三さんは「チャーター機がいつ飛ぶのか分からず、不安だった。もう一度きちんとエジプトに行きたい」と語った。



 
 
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エジプト軍「平和的デモなら発砲しない」 野党決行へ

2011年2月1日11時45分

【カイロ=貫洞欣寛、玉川透】ムバラク大統領の退陣を求め、エジプトの野党勢力が呼びかけている100万人規模のデモを翌日に控えた1月31日、スレイマン副大統領は「野党勢力との対話を始めるよう大統領の指示を受けた」と述べた。だが、野党側からは「交渉には応じない」との声が上がっており、デモは決行される見通しだ。今後のカギを握る軍は同日、平和的なデモに対しては武力行使をしない姿勢を示した。

エジプト軍の報道官は同日、「市民は正当な要求を掲げており、平和的に行動する限り軍は発砲しない」との声明を発表。ただ、野党勢力から「軍は市民側についた」と歓迎する声が出る一方、「軍がつくったバリケードを越えて大統領府への行進などを始めれば発砲するとの脅し」(元空軍将校)との見方もある。軍の動向が今後の情勢を大きく左右しそうだ。

スレイマン副大統領は「すべての野党勢力との対話を始め、憲法や法制度の改正について検討する」と語り、昨年11〜12月に行われた総選挙についても、不服申し立てがあった選挙区で選挙をやり直すと述べた。この総選挙では野党候補に対する警察の干渉が激しく、「不正選挙」との批判が相次いでいた。

発言は事態収拾を探るための妥協案と見られるが、カイロ中心部でデモを続ける「4月6日運動」など複数の野党勢力は「求めるのは大統領の辞任であり、交渉には一切応じない」としている。

野党勢力のなかには、1日のデモでカイロ中心部のタハリール広場から、大統領府に向かうことを呼びかけるグループもあり、さらに緊張が高まりそうだ。

緊迫した情勢が続くなか、「ポスト・ムバラク」をにらんだ動きも新たに浮上した。

元エジプト外相でアラブ連盟のアムル・ムーサ事務局長は31日、「次の時代への平和的な権力移譲が必要だ」と述べ、ムバラク大統領に退陣を要求。「アラブ連盟での任期はあと2カ月で終わる。同じ職に戻るつもりはない」と語り、近くエジプト政界に復帰する可能性を示唆した。

イスラエルへの批判的な発言などで大衆に人気があるムーサ氏が政界復帰すれば、元国際原子力機関(IAEA)事務局長の民主化運動指導者エルバラダイ氏と並んで政局の核となる可能性がある。



 
 
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エジプトのツイッター、投稿は電話で 専用番号に伝言

2011年2月1日18時5分

【ニューヨーク=山川一基】米グーグルは31日、ネット接続などが極めて困難になっているエジプト向けに、パソコンがなくても電話から音声で米簡易投稿サービス「ツイッター」に投稿できるサービスを始めたと発表した。

グーグルの公式ブログで公開された3本の国際電話の一つにエジプト市民が電話してメッセージを吹き込むと、その音声を再生できる専用ページのアドレスが「つぶやき」として投稿される。世界中の人は専用ページ(http://twitter.com/speak2tweet)で聞くか、同じ番号に電話して留守番電話のように聞くこともできる。

グーグルが買収したばかりの子会社とツイッターが協力した。子会社創業者とグーグルの中東担当者は連名で「エジプトの人々がこの難しい状況下でも、世界とつながり続けるための一助になればと思っている。我々の思いはエジプトの人々と共にある」とブログに書き込んだ。



 
 
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エジプト、最後のネット接続業者停止 国際電話で利用も

2011年2月1日19時32分

【ワシントン=勝田敏彦、ニューヨーク=山川一基】反政府デモが続くエジプトで、唯一サービスを続けていたインターネット接続業者ヌーアが1月31日、サービスを停止し、同国内ではインターネットがほぼ完全に利用できなくなった。一方、市民の情報発信・交換を助ける国際的な支援の輪も広がってきている。

エジプトでは28日未明からほとんどのインターネット接続が遮断されているが、インターネット関連の米調査会社レネシスによると、エジプト時間の31日午後11時ごろから、ヌーアとインターネットとの間の接続が相次いで失われ、エジプトはネット空白地帯になった。

同国内のネット利用者の8%が使っているヌーアがこれまで遮断されていなかったのは、証券取引所など経済に影響を与える顧客がいるため、などとうわさが流れているが真相は不明だ。

またレネシスによると、欧州とアジアを結ぶインターネット回線はエジプトを通っており、特にエジプトの光ファイバー網経由で各国につながっているペルシャ湾岸諸国への影響も懸念されるという。

英BBC(電子版)によると、電話線は使えるので、外国の接続業者に国際電話をかけてダイヤルアップのインターネット接続をする人が多い。また接続業者は接続料金を無料にするなどして支援している。またファクスによる情報の回覧も行われている。

一方、米グーグルは31日、エジプト向けに、パソコンがなくても電話から音声で米簡易投稿サービス「ツイッター」に投稿できるサービスを始めたと発表した。

グーグルの公式ブログで公開された3本の国際電話の一つにエジプト市民が電話してメッセージを吹き込むと、その音声を再生できる専用ページのアドレスが「つぶやき」として投稿される。世界中の人は専用ページ(http://twitter.com/speak2tweet)で聞くか、同じ番号に電話して留守番電話のように聞くこともできる。

グーグルが買収したばかりの子会社とツイッターが協力した。子会社創業者とグーグルの中東担当者は連名で「エジプトの人々がこの難しい状況下でも、世界とつながり続けるための一助になればと思っている。我々の思いはエジプトの人々と共にある」とブログに書き込んだ。



 
 
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スエズ運河の船舶航行、1日も平常通り=管理当局

2011年2月1日

[イスマイリア(エジプト) 1日 ロイター] スエズ運河を管理する当局は1日、スエズ運河の船舶航行は平常通りと発表した。当局の関係者は「船舶の航行は正常だ。きょう運河を航行する船舶は65隻。前日は40隻だった」と述べた。



 
 
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アラブ民主化にウィキリークス?=候補推薦締め切り−ノーベル平和賞

2011年2月1日15時6分

【ロンドン時事】平和や人権の促進に貢献した人物・団体に贈られるノーベル平和賞の今年の候補推薦が1日、締め切られる。昨年は中国の民主活動家で収監中の劉暁波氏が受賞し、同国の人権状況に改めて国際社会の注目が集まった。今年はエジプトの民主化に貢献した人や内部告発サイト「ウィキリークス」の名前も下馬評に挙がっている。

ノーベル平和賞は毎年10月に発表され、12月に授賞式がオスロで行われる。同賞の選考に当たるノルウェーのノーベル賞委員会は2月1日までに同委員会に推薦状が届いた人物・団体に関して協議を行い、その年の受賞者・団体を9月までに決める習わしだ。

推薦ができるのは各国の政府関係者や国会議員、大学の教授、過去の受賞者ら数千人。ノーベル賞委員会自体も選考の初会合(2月28日を予定)の際に新たな候補者・団体を追加することが認められている。昨年は過去最高の237の人物・団体が推薦された。

候補推薦は大きなニュースに左右される傾向があり、AFP通信によれば、今年の候補になり得る中で有力なのは、チュニジアやエジプトなどアラブ諸国の民主化に向けた動きを受けて、これに影響を与えた人物が考えられるという。 

[時事通信社]



 
 
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国際電話でツイッター=ネット遮断のエジプト向け−米グーグル

2011年2月1日13時6分

【シリコンバレー時事】米インターネット検索最大手グーグルは31日、反政府大規模デモを誘発しているとしてネット回線が全面的に遮断されているエジプト向けに、国際電話で受け付けた通話を録音し、それを文字に自動変換して簡易ブログ「ツイッター」に投稿できる新サービスを始めたと発表した。同国市民は、ネットが使えなくても、電話で最新情報を世界に発信できる。

グーグルはツイッターを運営しているツイッター社(本社サンフランシスコ)と協力し、これまでに買収した新興企業のノウハウを活用。エジプトの市民向けに「スピーク・ツー・ツイート」のサービス名で、中東バーレーンのほか、イタリア、米国計3カ国に特設電話回線を設置した。

関係者によると、エジプト市民らが近況や主張を「留守録」に吹き込んだ直後に、アラビア語や英語などの文字に変換される仕組みという。エジプト内外のツイッターの登録会員は、「#Egypt(エジプト)」と打ち込めば、逐次、市民の「肉声」を共有できることになる。また、留守録を直接聞くこともできる。 

[時事通信社]



 
 
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エジプト軍、民衆に武力行使せず=「デモの権利容認」、中立鮮明に

2011年2月1日11時6分

【カイロ時事】ムバラク独裁政権打倒要求のデモで混迷するエジプト情勢をめぐり、同国軍は31日、「平和的な手段による表現の自由はすべての人々の権利だ。偉大なる民衆に対して武力を行使することはない」との声明を出した。国営テレビが伝えた。1日には大規模デモ「100万人の行進」が予定されており、政権の屋台骨を支える軍部が中立姿勢を鮮明にしたことで、大統領はデモ収拾に向け、一段の譲歩を迫られそうだ。

声明は「軍は民衆の正当な要求を認識している」と、デモの継続を容認する姿勢を明確にした。また「街頭での軍の展開はあなた方の安全や治安のためだ」と強調した。大統領は、28日に起きた大規模デモに対して大量の警官隊を動員して弾圧したが失敗していた。

一方、スレイマン副大統領は31日、大規模デモ収拾に向け、ムバラク大統領が憲法や立法機関の改革に関して野党勢力との対話を直ちに開始するよう指示したと語った。さらに副大統領は、大統領与党、国民民主党(NDP)が圧勝した昨年12月の人民議会選に関する異議申し立てを裁判所で審理する意向も示した。 

[時事通信社]



 
 
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改革努力は不十分=元大使がエジプト入り−米

2011年2月1日10時6分

【ワシントン時事】ギブズ米大統領報道官は31日の記者会見で、エジプトのムバラク大統領が反体制デモを受けて新内閣を組閣したことに関し、「(閣僚の)任命ではなく、具体的な行動が必要だ」と述べ、同大統領の改革努力は依然として不十分だとの見方を示した。

同報道官は「カイロからの映像を見れば、一層の措置を取るべきなのは明白だ」と指摘。また、米政府が求める「秩序ある移行」は、エジプトの「変革」を意味するとし、政権交代の必要性については「米国が決めることではない」と強調した。

一方、クローリー国務次官補(広報担当)は、エジプトに深い人脈を持つフランク・ウィズナー元駐エジプト米大使が、同国の政権や野党関係者らと協議を行うため、同日カイロ入りしたことを明らかにした。 

[時事通信社]



 
 
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軍部、「天安門」型解決拒否=反大統領デモ拡大も−エジプト

2011年2月1日9時6分

【カイロ時事】ムバラク独裁政権を支えてきたエジプト軍は31日、大統領辞任を要求する1日の大規模デモを前に、デモの権利を認めるとともに「民衆に対して武力行使しない」との声明を出し、民衆寄りとも受け止められる立場を表明した。中国の体制が民主化運動を弾圧した1989年の天安門事件のような流血を伴う解決策を拒否したもので、これによりデモ拡大など反大統領運動が勢いづく可能性もある。

ムバラク大統領は、軍出身のスレイマン情報長官を副大統領に登用するなど軍部掌握に努め、軍幹部と協議する映像が国営テレビで流された。しかし、軍部が民衆感情を強く意識した声明を出したことで、大統領はデモ封じ込めに向けた策が限られそうだ。

独裁体制を支えてきた権力の一部である軍部の対応をめぐっては、大統領の出動命令後も街頭の兵士が外出禁止令を破ったデモ隊と友好的に接するなど、国民の好感を得ており、民衆に銃を向けることはないとみられてきた。一方で、25日のデモ開始から時間が経過するにつれて大統領は権力に固執、民衆のいら立ちも増す中、軍に対し、大統領側に立つのか民衆側に立つのか迫る声が強まっていた。 

[時事通信社]



 
 
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ムバラク政権が新内閣=野党側、軍との協議模索−エジプト

2011年2月1日0時11分

【カイロ時事】混迷を深めるエジプトのムバラク政権は31日、新内閣を組閣した。反政府デモ隊への強圧的な対応で批判されていたアドリ内相を更迭し、警察幹部のワグディ氏を任命。デモ隊側の要求の一つである内相交代を受け入れ、事態収拾を図ろうとした形だ。

ただ、外相をはじめ多くの閣僚は留任。この日も首都カイロ中心部に集まったデモ隊には、あくまでムバラク大統領退陣や全閣僚の交代を求める声も強く、新内閣組閣によってどこまで抗議行動を鎮められるかは不明だ。

一方、穏健派イスラム原理主義組織ムスリム同胞団ら野党勢力は、軍と「今後の情勢」を協議する方向で検討を始めた。大統領退陣を求め、軍側との直接協議を示唆するなど、政治的な駆け引きが始まっているもようだ。

また、AFP通信によると、政府は全ての列車の運行を停止した。2月1日に予定される大規模デモ「百万人の行進」の拡大を防ぐ狙いがあるとみられる。

カイロ中心部では、デモ隊が31日からの無期限ゼネストを呼び掛けた。当局側は規制を強化しているが、市民は夜間外出禁止令を無視。全土で25日に始まった反体制の抗議運動は、7日目に突入し、大きなうねりに発展している。

無期限ゼネストや「百万人の行進」に市民らが呼応するかどうかは現時点で不透明だが、当局側の対応次第でデモの勢いがさらに強まる可能性がある。 

[時事通信社]



 
 
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邦人チャーター機が出発=カイロ空港

2011年2月1日6時6分

【カイロ時事】エジプトの反政府デモに伴う混乱でカイロ空港に足止めされていた日本人観光客を乗せた日本政府のチャーター機1機が31日夜、同空港を離陸、ローマに向かった。残る2機も順次出発する。

3機には計540人が搭乗している。ローマからは各旅行会社がツアー客の日本への便をそれぞれ手配し、順次帰国するという。 

[時事通信社]



 
 
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ムバラク政権に改革要求=首脳会議でAU幹部

2011年2月1日7時6分

【ロンドン時事】エチオピアの首都アディスアベバで開かれていたアフリカ連合(AU)首脳会議は31日、2日間の討議を終えて閉幕した。ソマリアやスーダン問題に議論が集中する中、混迷を深めるエジプト情勢をめぐっては、AU幹部がムバラク政権に対し改革の必要性を訴えた。

現地からの報道によると、AU平和安全保障委員会のラマムラ委員は記者団に対し、「(エジプトの)経済・社会改革を求める国民の声に応えるため、変化が必要とされている」と指摘。ベンアリ政権が崩壊したチュニジアに関しては、「人々の願いを反映する方向に動いている」との見解を示した。ただ、これらの問題についてAU全体としての総括は行われなかったもよう。 

[時事通信社]



 
 
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シナイ半島にエジプト軍=情勢悪化でイスラエル容認

2011年2月1日8時6分

【カイロ時事】イスラエル政府は31日までに、シナイ半島でのエジプト軍増強に同意した。AFP通信がイスラエル軍放送の報道として伝えた。同半島でエジプト軍が増派されるのは、1979年のイスラエル・エジプト平和条約締結以来、初めてという。

エジプト情勢が混乱し、周辺の治安状況が悪化したことを受けた措置。シナイ半島経由で、パレスチナ自治区ガザへの密輸が増加するのを防ぐ目的もあるとみられる。エジプト軍は、兵士800人を紅海沿岸のリゾート地シャルムエルシェイク周辺に展開する。 

[時事通信社]



 
 
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EU、「秩序ある移行」促す=ムバラク・エジプト政権に

2011年2月1日8時6分

【ブリュッセル時事】欧州連合(EU)は31日の外相理事会で、反政府デモに揺れるエジプトのムバラク政権に対し、あらゆる政治勢力との真剣な対話を呼び掛けるとともに、「秩序ある(政権の)移行」に着手するよう促す声明を採択した。

声明は、ムバラク政権は民主化の取り組みを進め、自由で公正な選挙を実現すべきだと強調。また、市民による集会・表現の自由を尊重し、遮断されたインターネットや通信網を早急に復旧させるよう求めた。 

[時事通信社]



 
 
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重武装の海兵隊派遣=在カイロ大使館を警備−米国防総省

2011年2月1日8時6分

【ワシントン時事】米CNNテレビは31日、米国防総省がエジプトの治安情勢悪化を受け、在カイロ米国大使館の警備を強化するために、重武装の海兵隊約10人を派遣したと報じた。

反政府デモの混乱に乗じた過激派による米大使館攻撃を防ぐとともに、ムバラク大統領退陣を強く求めない米政権に対するデモ参加者の不満の矛先が大使館に向くことを警戒した措置とみられる。 

[時事通信社]



 
 
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邦人チャーター機が到着=ローマ空港

2011年2月1日9時6分

【ジュネーブ時事】在ローマ日本大使館によると、エジプトの反政府デモによる混乱でカイロ空港に足止めされていた日本人観光客を乗せた日本政府のチャーター機3機が31日夜から1日未明(日本時間同日午前)にかけ、相次いでローマ空港に到着した。 

[時事通信社]



 
 
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イスラム過激派台頭に警戒感=エジプト情勢を注視−イスラエル首相

2011年2月1日9時6分

【カイロ時事】イスラエルのネタニヤフ首相は31日、エルサレムで開かれたドイツのメルケル首相との共同記者会見で、イランのイスラム革命を念頭に、「混乱状態にあっては、組織されたイスラム勢力が国家を掌握し得る」と述べ、混乱が拡大すれば、イスラエルと良好な外交関係を維持するエジプトでもイスラム過激派が台頭しかねないとの懸念を表明した。

1979年のイスラム革命前のイランは親米国家で、中東で唯一のイスラエルの友好国だったが、革命を経て、イスラエルとイランの関係は極度に悪化。核開発疑惑のあるイランは現在ではイスラエルにとって最大の仮想敵国となった。

ネタニヤフ首相は会見で、30分ごとにエジプト情勢の最新情報を得ていると述べ、事態の推移を注視していることを強調した。 

[時事通信社]



 
 
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エジプト国債、S&Pも格下げ

2011/2/1 22:24

【ロンドン=共同】米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は1日、反政府デモが続くエジプト国債の長期信用格付けを1段階引き下げたと発表した。自国通貨建ては「BBプラス」、外貨建ては「BB」とした。いずれも投機的とされる水準。

政治的な混乱が続けば経済成長が損なわれ、財政規律が緩む恐れがあるとし、3カ月以内に追加格下げの可能性があるとした。

1月31日には、米ムーディーズ・インベスターズ・サービスが同国の国債の格付けを「Ba1」から「Ba2」に1段階引き下げた。



 
 
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トルコ首相、エジプト大統領にデモ要求受け入れ求める

2011/2/1 22:37

【ドバイ=太田順尚】トルコのエルドアン首相は1日、エジプトの混乱拡大について「人々の叫びを聞き、混乱の早期回復を願っている」と述べ、ムバラク大統領にデモ参加者の要求を受け入れるよう求めた。同首相は8〜9日に予定していたカイロ訪問を取りやめると表明した。

同首相は「市民の支持なしに権力を持つことはできない」と退陣を求める声に応じないムバラク大統領を批判。「変化を求める人々の要求に応えるよう」促した。



 
 
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エジプトデモが飛び火、パレスチナは選挙実施を発表

2011/2/1 23:41

エジプトで過去最大規模の反体制デモが実施された1日、その余波が周辺国にも及んだ。ヨルダンでは国王が首相を更迭し、反体制デモの発端となったチュニジアではユダヤ教の宗教施設が放火された。パレスチナ自治政府も住民の不満解消を狙い地方選挙を実施するとの声明を発表した。中東諸国で続発している反体制運動が広がり、地域の安定性が大きく揺らいでいる。

AP通信によると、パレスチナ自治政府の当局者は「できるだけ早期に地方選挙を実施する」との方針を明らかにした。アッバス議長はイスラム原理主義組織ハマスが圧勝した2006年の選挙以来、自らが率いるファタハの勝算がないため選挙を回避してきた。チュニジアやエジプトでの反体制運動の広がりを懸念し、自治区住民の不満解消を狙った措置とみられる。

ロイター通信によると、チュニジアでは、1日、ユダヤ教の宗教施設が何者かに放火された。同国では1月にベンアリ政権が崩壊し、新たな政治体制を構築する途上にある。混乱に乗じたイスラム原理主義の台頭を懸念する声も出始めた。



 
 
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エジプト100万人デモ 野党、大統領退陣「4日までに」

2011/2/1 21:57 (2011/2/2 1:09更新)

【カイロ=花房良祐】ムバラク大統領の退陣を求める動きが広がるエジプトで1日、野党勢力による「100万人デモ」の呼びかけに応じて過去最大級のデモが実施された。カイロ中心部では同日夕方までに数十万人が抗議集会に参加。ロイター通信は全国で推定100万人以上が参加したと伝えた。野党側は4日と期限を区切って大統領の退陣を迫るなどエジプト情勢は重大な局面を迎えた。

エルバラダイ国際原子力機関(IAEA)前事務局長は1日、「4日までの大統領の出国が対話の条件」と語り、ムバラク大統領の退陣と出国が先決であるとの考えを表明した。同時に退任後の政権内の腐敗などを巡る厳しい責任追及を避け、権力の円滑な移行が必要との認識を示した。野党指導者は同日、反政権で結束するため意見の擦り合わせを急いだ。

カイロでは1日、アラビア語で「解放」を意味するタハリール広場に市民が続々と集結。広場には多数の戦車が配置されているが兵士はデモ隊の集合を制止していない。第2の都市アレクサンドリアでも10万人以上が集まるなど全国で一斉に集会が開かれた。この日のデモに関して同日夕方までに各地で治安部隊などとの大きな衝突が起きたとの報道はない。一方でAFP通信は1月25日に始まった一連のデモで約300人が死亡したとの国連推計を報じた。

当初は若者が簡易ブログ「ツイッター」などで広めた退陣要求を掲げたデモは、国民的な運動に拡大。インターネットの接続は依然として制限されており、市民はテレビ報道や復旧した携帯電話で連絡を取り合い集会情報を入手している。

米国務省は1日、エジプトでのデモの拡大を受け、緊急要員以外の在カイロ米大使館員ら同国に滞在する政府関係者と家族全員に出国命令を出したと発表した。米政府はチャーター機や米軍機などによる米国民の出国支援を続けている。



 
 
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エジプト:反政府デモ 足止め観光客ら安堵の帰国

足止めされた日本人観光客ら339人を乗せたカイロ発のエジプト航空機が31日午後5時ごろ、成田国際空港に到着した。乗客によると、着陸時には拍手と歓声がわき、機内は安堵(あんど)の空気に包まれたという。

エジプトを巡る10日間のツアーに参加した千葉県松戸市の会社員、沼田綾子さん(34)と、同僚で横浜市の常世田(とこよだ)幸さん(32)は、カイロ空港で2日間過ごした。ツアー会社が差し入れたサンドイッチや持参のカップラーメンで空腹をしのぎ、カイロ市内観光は取りやめた。「市内の考古学博物館を訪ねるのを楽しみにしていたので残念です」と疲れた表情で話した。

カイロなどを巡るツアーに母親と参加した神奈川県横須賀市の小島慶子さん(29)は、アスワンで群衆と警官隊が衝突する場面に遭遇した。「催涙弾のガスで涙が止まらなくなり、『生きて帰れないかも』と考えた」と振り返った。【山田泰正、奥村隆】

毎日新聞 2011年2月1日 東京朝刊



 
 
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未来工業:エジプトへの社員旅行中止

岐阜県輪之内町の電設資材メーカー、未来工業は31日、デモが続くエジプトへの社員旅行を中止することを決めた。2月6日と7日に4泊6日の日程で出発する予定だった。旅行は「めざせ世界一のQ日」と題して、現地でクイズを出し、全問正解者に1年間の休日を贈る予定だった。

毎日新聞 2011年2月1日 1時56分



 
 
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経済ナビ:エジプト情勢緊迫化 揺れる世界市場 株下落、金・原油は上昇

エジプトの政情不安を受け、市場が動揺している。投資家がリスクを避けるため、株式市場から資金を引き揚げ、安全資産とされる円や債券を買っているためだ。31日の東京株式市場は、日経平均株価の終値が前週末比122円42銭安の1万237円92銭と大幅続落し、昨年12月30日(1万228円)以来、約1カ月ぶりの安値となった。一方、日産自動車が現地工場を一時休止したり、観光ツアーが中止になるなど、日本経済や観光への影響も出始めている。

31日の東京株式市場は、東証1部上場銘柄の7割以上の株価が下落した。前週末の米ニューヨーク市場でダウ工業株30種平均の終値が1万1823ドルと今年最大の前日比166ドルの大幅安となった流れを引き継ぎ、香港や韓国、インドなどアジア市場も軒並み下落した。

外国為替市場では円高が進んだ。一時1ドル=81円92銭をつけ、東京市場としては5日以来約4週間ぶりに82円台を突破した。リスク回避姿勢を強める投資家が先週末から米国債を買い進めたことで米長期金利が下落し、日米金利差が縮小したため、ドルを売って円を買う動きが広がった。中東に近い欧州のユーロも売られ、31日午後5時現在、前週末比1円50銭円高・ユーロ安の1ユーロ=111円73〜77銭になった。

また、債券を買う動きも強まり、東京債券市場では、長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りが一時1・195%まで低下し(価格は上昇)、約2週間ぶりに1・2%を下回った。

一方、商品市場では、中東の供給不安が拡大したことから原油先物価格が高騰。前週末のニューヨーク市場では一時1バレル=89・73ドル、31日の早朝時間外取引では一時90ドル台をつけた。31日の東京工業品取引所でも原油先物価格は急騰。一時1キロリットル=5万320円と昨年4月30日以来約9カ月ぶりに5万円の大台を突破した。

日興コーディアル証券の上西晃国際市場分析部長は「OPEC(石油輸出国機構)の増産示唆を受け、原油価格は下落基調だったが、今回のエジプトの混乱で目先の流れが変わった」と指摘する。

安全志向の高まりから金にも資金が流入。28日のニューヨーク市場では4月物の金先物価格が一時1トロイオンス=1346・6ドルと前日比26・8ドル上昇し、31日の東京市場でも金先物価格は一時3572円と前週末比68円高となった。

ただ、市場では「政情不安が中東全体へ波及する可能性は低く、原油高や円高は一時的」(大手証券アナリスト)との見方もあり、エジプトや中東の政治状況を注視している。【田所柳子、大久保渉】

◇日本企業・観光に影響

日本企業の活動や観光にも影響が出始めている。日産自動車は31日から1週間、カイロ郊外のギザにある組み立て工場の生産休止を決定。スポーツタイプ多目的車(SUV)「エクストレイル」や乗用車「サニー」などを年間約1万台生産しているが、日本人3人を含む駐在員4人は近く国外に避難させる。スズキも、30日から小型商用車を生産している合弁工場の操業を停止。いすゞ自動車は30日、小型トラックなどを生産する合弁工場の生産を停止し、今後の対応を検討している。

日立製作所、東芝、ソニーは駐在員や出張者にデモに近づかないことなどを指示。ソニーはエジプト国内の53の小売店の営業を休止した。グループ全体で計21人がカイロなどに滞在する東京電力も、早期帰国を検討。丸紅は、駐在員と家族9人に国外への退避を指示。三菱商事は駐在員3人、双日は駐在員1人を自宅待機にしている。

観光では、旅行代理店大手のJTBは29日、行き先にエジプトを含むすべてのツアーについて、2月末出発分までの中止を決め、約3000人がキャンセルを余儀なくされた。業績への影響は「現時点ではそれほど大きくない」(同社)が、旅行需要が増える春休みやゴールデンウイークまで混乱が続くことを心配している。

同様に、2月4日出発分までのツアー中止を決めていた近畿日本ツーリストは31日、混乱収拾には時間がかかると判断し、中止対象を3月4日出発分まで拡大した。【谷多由、宮崎泰宏、米川直己、寺田剛】

毎日新聞 2011年2月1日 東京朝刊



 
 
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エジプト:反政府デモ EUが平和的対話促す 民主化と改革支援−−外相会議

【ブリュッセル福島良典】欧州連合(EU、加盟27カ国)は31日、ブリュッセルで外相会議を開き、反政府デモ隊と治安部隊の衝突が続くエジプト情勢への対応を緊急協議した。ムバラク大統領に野党勢力との「平和的な対話」を通じた「広範な支持基盤を持つ政府への秩序ある移行」を促し、民主化と改革を支援する姿勢を打ち出す。だが、デモ隊が退陣を求める大統領の去就については加盟国間で意見が割れているため、外相会議で採択する総括文書では踏み込んだ言及は見送られる見通しだ。

外相会議でEUはムバラク大統領に暴力回避を求めた英仏独3カ国首脳の共同声明を踏まえ、デモ隊と治安部隊の衝突による死傷者の増加や当局の強圧姿勢に懸念を表明。拘束したデモ参加者を即時釈放し、民主化と社会・経済改革を希求するデモ隊の要請に平和的な手段で応えるよう促す見通しだ。

欧州にとって北アフリカ・中東は安全保障上の要衝。欧州はイスラム原理主義と不法移民の流入に対する「防波堤」として独裁政権を支援してきたが、チュニジア政変で「失敗」(ビルト・スウェーデン外相)が露呈した。

EUにとっての最悪のシナリオは北アフリカ・中東諸国の不安定化で「防波堤」が崩れ、欧州に不法移民が殺到する事態だ。混乱に乗じてイスラム原理主義が勢力を拡大することへの警戒もある。一連の反政府デモを受け、EUは民主化を後押しする姿勢を打ち出す一方、政情の早期安定を呼びかける方針だ。

毎日新聞 2011年2月1日 東京朝刊



 
 
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エジプト:反政府デモ イスラエル、ムバラク政権支持要請 米欧など十数カ国に

【エルサレム花岡洋二】エジプト情勢を巡り、イスラエル政府は31日までに、中東全域を安定させるためにムバラク政権への批判を控えるよう、欧米諸国に働きかけた。イスラエル紙ハーレツが報じた。イスラエルにとり、エジプトはアラブ世界で最初(79年)に平和条約を結んだ、安全保障上で極めて重要な隣国で、その体制維持を望む“本音”が浮き彫りになった。

またイスラエルのペレス大統領が31日、エルサレムで行われた式典あいさつでエジプト情勢に初めて言及。ムバラク大統領について「敬意を持ち続けている。行いがすべて正しかったとは言わないが、中東での平和を保ってくれたことに関して感謝している」と、擁護した。

ハーレツ紙の取材に応じたイスラエル政府高官によると、同国外務省は、米国や欧州数カ国のほか、カナダ、中国、ロシアなど十数カ国にある大使館を通じ、エジプト政権が安定することの重要性を各国政府に説いた。

また高官は同紙に「米国と欧州各国は世論に引きずられ、真の国益を考えていない。たとえムバラク政権に批判的だとしても、友人たちに孤立感を持たせてはならない」と語った。他の“友人”として、親米国のサウジアラビアとヨルダンの名を挙げた。

イスラエルのネタニヤフ首相は30日、「30年続いた平和な2国関係を持続することが私たちの目標だ」と閣議で発言。しかし踏み込んだ発言を個別にしないよう、閣僚に指示していた。

毎日新聞 2011年2月1日 東京朝刊



 
 
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エジプト:反政府デモ1週間 市民生活混乱、医療も停滞 略奪横行、パン求め行列

【カイロ樋口直樹】ムバラク・エジプト政権の打倒を訴える大規模デモの発生から1週間。夜間外出禁止令の拡大や略奪の横行、交通規制などで、市民生活には計り知れない影響が出ている。31日には一時撤収していた警官が街頭に戻るなど、治安の改善の兆しも見られたが、大多数の市民は、混乱の余波をまともに浴びている。旅行のキャンセルも相次ぎ、基幹産業の観光業への影響も甚大だ。

「父が友人からもらったものです」。カイロ西部ショブラで暮らす女性会社員(32)宅を訪ねると、玄関脇に刃渡り50センチほどの大刀が立てかけられていた。「護身用です。いつ強盗に押し入られるかわからない」と女性は話す。今のところ、商店の品ぞろえに大きな変化はないが、強盗団の出没や、自警団などによる厳しい交通規制が続けば、野菜など生鮮食料品の運搬に支障が出るのは避けられない。「子供の病院を予約していたが午前8時までの夜間外出禁止令のため連れて行くことができなかった」と表情は曇ったままだ。

女性宅の近くのパン屋の前には、数十人もの長蛇の列ができていた。近所の住民は「みんな買いだめに必死なんだ」と話した。買い物客にカメラを向けると、「撮るな」と抗議された。カイロの病院につとめる女性産婦人科医(31)は「病院への行き帰りの道中が怖くて、出勤できずにいる」と打ち明けた。

内務省は、31日、警官を再び職務に戻した。街角には、交通整理にあたる警官のほか清掃人の姿も見られるようになった。しかし、依然として多くの住宅地などで自警団が独自の交通規制を行っているのが実情だ。

銀行や証券取引所は依然として営業を停止している。ガソリンが売り切れたスタンドや現金自動受払機を破壊されたままの銀行もある。数日前に略奪にあったカイロ中心部の大型モールからは、今も煙が立ち上っている。

エジプトの主要な外貨収入源である観光業への打撃も深刻だ。日本人専門の旅行会社で働く女性(23)によると、1月28日から2月初めまですべての予約がキャンセルされた。女性は「客足の回復には1年ぐらいはかかる」と途方にくれた。

毎日新聞 2011年2月1日 東京朝刊



 
 
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エジプト:反政府デモ エルバラダイ氏、求心力は 反政府派、まとまり欠き

【カイロ和田浩明】エジプトで続く反政府デモで、前国際原子力機関(IAEA)事務局長、エルバラダイ氏(68)の反政府勢力内での求心力が焦点となってきた。反政府グループは「ムバラク政権打倒」では一致しているものの基本政策ではバラバラ。各グループには、同氏の知名度を利用してとにかく政権を倒し、その後の選挙で主導権を握ろうとの思惑も見え隠れする。

◇高い知名度 「暫定指導」に期待

一連の反政府デモを主導してきたグループ「4月6日運動」の創立者の一人、アハマド・マヘル氏は30日、毎日新聞にエルバラダイ氏は「有力な首相候補」と述べたが、大統領候補としては言及しなかった。

また、エルバラダイ氏の支援組織として昨年発足した「変革を求める国民協会(NAC)」の世話役、ハッサン・ナファ氏も取材に「彼は強力な指導者候補だが、候補者は彼だけではない」と語った。一部には、反政府各派がエルバラダイ氏を交渉役とすることで一致したとの報道があるが、ナファ氏によると、30日の民主化勢力の会合でその案を協議したが結局、合意に至らなかったという。

マヘル、ナファ両氏の発言は、民主化勢力がエルバラダイ氏支持で一致していないことを示唆している。

◇イスラム政党と政策合意困難か

一方、エジプトで最大の反政府勢力は穏健派イスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」だ。政治的に非合法化されているが、慈善事業などを通じ都市部から農村部まで細かなネットワークを作っている。昨年11月の人民議会(国会)選挙前、ムスリム同胞団はエルバラダイ氏との連携姿勢を示した。同胞団のガマル・ナセル報道担当は、エルバラダイ氏を「野党勢力の代表として推す」と暫定指導に前向きの姿勢を見せた。

ただ、過去の選挙戦で「イスラムこそ解決策」と宗教色の強いスローガンを掲げてきただけに、世俗(非宗教)派の反政府デモ参加者の間には、距離を置く人も目立つ。また、「ムバラク打倒」ではエルバラダイ氏と共闘しつつあるが、同氏が志向する欧米型民主主義と政策面でどこまで折り合えるかは未知数だ。

30日にタハリール広場に姿を見せ参加者に語りかけたエルバラダイ氏について、デモ参加者は、「カリスマ性がない」(ハニー・サイードさん=40歳建設会社経営)▽「デモが始まって6日目に現場に来た。もうすこし早い方がよかった」(マルワ・フセインさん=33歳女性ジャーナリスト)−−といった声もある。ほぼ全員が、「今はムバラク政権打倒に集中すべきだ。リーダーは、自分たちの手で、民主的選挙で選びたい」と語った。

毎日新聞 2011年2月1日 東京朝刊



 
 
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エジプト:反政府デモ開始1週間 きょう100万人規模 野党勢力ら宣言

【カイロ樋口直樹】大規模な反政府デモが続くエジプトで、ムバラク大統領の退陣を求める野党勢力らのデモ隊は31日、無期限のゼネストを呼びかけ、デモ開始から1週間の節目に当たる2月1日に100万人規模のデモ行進を実施すると宣言した。ムバラク大統領は汚職の追放やインフレ対策などを約束したが、沈静化の気配はみられない。

大統領は31日、新内閣を発足させた。主要閣僚のうち内相や財務相などを事実上更迭し新内閣には参加させなかった。一方、タンタウィ国防相は副首相兼務に昇格し、アブルゲイト外相は留任した。アドリ前内相はデモ隊に強硬姿勢を取ったとして、反体制派が解任を要求していた。ロイター通信によると、一連のデモの死者は138人に達した。

一方、AFP通信によると、治安当局は31日、中東の衛星テレビ・アルジャジーラの英語サービスの記者6人を一時、拘束した。

カイロ中心部のタハリール広場では31日にかけ数百人のデモ参加者が夜間外出禁止令を無視して抗議。夜が明けると数万人が集まり、新内閣を「変わらぬ顔ぶれ」などと非難した。北東部スエズでも約1000人が抗議行動を繰り広げた。

カイロ市内などでは31日、一時撤収していた警官が任務に戻った。しかし学校や銀行、証券取引所などは閉鎖したままで、夜間外出禁止令は同日から「午後3時〜午前8時」に拡大された。市民らは日中デモに参加、夜間は自警に参加し、疲労も見え始めている。

毎日新聞 2011年2月1日 東京朝刊



 
 
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インドネシア:外相が来日延期

外務省は1日未明、2〜4日に予定されていたインドネシアのマルティ・ナタレガワ外相の来日を延期すると発表した。政情が緊迫するエジプトに滞在するインドネシア人約6000人の安全確保に向けた対応に専念することが理由。外相来日時に予定されていた前原誠司外相との第1回戦略対話も延期される。【西岡省二】

毎日新聞 2011年2月1日 東京夕刊



 
 
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エジプト:反政府デモ 和平後初めてシナイに国軍 イスラエルも容認

【エルサレム花岡洋二】エジプト軍は30日、約800人の部隊を同国東部でイスラエルと国境を接するシナイ半島南部に配置した。シナイ半島は79年に両国が締結した平和条約で非武装地帯とされており、エジプト軍の展開は条約締結以降、初めて。今回は、エジプト情勢の混乱を憂慮するイスラエルが承諾した。AP通信の取材に、複数のイスラエル政府関係者が事実関係を認めた。

エジプトはシナイ半島の砂漠地帯で武装勢力が活動を活発化すること、イスラエルはパレスチナ自治区ガザ地区への武器密輸が増加することを懸念しており、思惑が一致した。

毎日新聞 2011年2月1日 東京夕刊



 
 
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エジプト:反政府デモ 「イスラム支配」懸念 イスラエル首相「安定の危機」

【エルサレム花岡洋二】イスラエルのネタニヤフ首相は31日、エルサレムで開かれた記者会見で、エジプト情勢と関連して「混乱の中でイスラム主義組織が一国を支配下に治めることはありうる。イランなどで実際に起きたことだ」と述べた。エジプトで最大の反政府勢力である穏健派イスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」が政権につくことへの懸念を表明した形だ。

イスラエルを訪問したメルケル独首相との会談後、共同会見に臨んだネタニヤフ首相は、79年にイスラム革命のあったイランを引き合いに「イスラム急進派による圧政は、人権を侵し、平和と安定を危険にさらす」と主張した。首相は前日、事態の推移を見守るため、エジプト情勢に関する発言を控えるよう閣僚に指示したばかりだった。

一方、メルケル首相は30日にエジプトのムバラク大統領と電話協議し、人権や報道の自由、公正な選挙など各分野の問題点を指摘したことを明らかにした。その上で「ある国には表現の自由や民主的な選挙が大事だと説き、別の国では説かないなどと、適用する価値観を使い分けることはできない」と語った。

イスラエルのメディアは、ムバラク大統領を「見捨てた」などと欧米諸国を批判している。メルケル首相は、これに反論し、ネタニヤフ首相の姿勢とも一定の距離をおいた。

両首相は会談でエジプト情勢の他、中東和平交渉について協議した。メルケル首相は、イスラエルによる入植活動の停止を求めたことを明かした。

毎日新聞 2011年2月1日 東京夕刊



 
 
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原油先物相場:ロンドン 北海原油100ドル突破−−08年9月以来

【ロンドン会川晴之】週明け31日のロンドン原油取引市場は、欧州の原油取引の指標となる北海ブレント原油先物3月渡しが1バレル=100ドルを突破した。100ドル台に乗せたのは、08年9月以来。エジプト情勢緊迫化で中東からの石油供給への不安が広がった。

終値は前週末比1・59ドル高の1バレル=101・01ドル。一時は101・73ドルまで上昇した。

これに連動して、31日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場も、指標となる米国産標準油種(WTI)の3月渡しの終値が前週末比2・85ドル高の1バレル=92・19ドルと約2年4カ月ぶりの水準まで急騰した。一時は1バレル=92・84ドルをつけた。WTIは国際的な原油相場への影響力が最も大きい。エジプトは主要産油国ではないものの、タンカー輸送の要衝であるスエズ運河を保有する。

毎日新聞 2011年2月1日 東京夕刊



 
 
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エジプト:反政府デモ 「武力行使せず」軍が容認、政権窮地に 大統領、対話を指示

【カイロ樋口直樹】エジプト国軍は31日、ムバラク大統領の退陣を求める反政府デモ参加者に対し、平和的な抗議である限り、武力を行使しないとの声明を発表した。国営テレビが伝えた。国家の屋台骨である軍部が抗議デモを事実上容認したことで、ムバラク政権は窮地に立たされた。反政府勢力側が1日に計画する100万人規模のデモ行進にも拍車がかかりそうだ。一方、ムバラク政権側は野党勢力との対話に応じると表明した。

国軍の報道官は、抗議デモの要求は「正当な」ものであり、国軍は「民衆に対し武力を行使しない」と言明。「平和的な表現の自由はすべての人に保障されている」と述べた。ただし、「社会の安全や財産を脅かす行為はすべきではない」と略奪行為などには強い対応を取る姿勢を示した。

内務省指揮下の警察部隊は先週、実弾射撃を含む強硬手段でデモ隊を排除しようとして流血の惨事を招いた。国軍はその後、治安警察に代わって街頭に展開。夜間外出禁止令を無視して首都カイロのタハリール広場に繰り出すデモ参加者も制止せず、地域の自警団と共に警戒に当たるなど、市民との信頼関係を強めてきた。

一方、スレイマン副大統領は31日、ムバラク大統領から「すべての政治勢力とただちに対話を始めるよう」要請されたと国営テレビで語った。憲法改正などの協議に応じる方針という。ロイター通信は、スレイマン氏が既に野党勢力との協議に入ったと伝えた。

反政府勢力側は今秋に予定される大統領選に向け、ムバラク氏の多選を招いた立候補要件の見直しなどを要求している。

ムバラク氏はこれに先立ち、内相のすげかえを含む新内閣を発表した。だが、デモ参加者らは納得せず、31日夜になっても数千人がタハリール広場に集い、ムバラク氏自身の辞任を要求している。最大の同盟国である米国からの民主化要求圧力に加え、政権の命運を握る軍部がデモ隊への実力行使を行わないと言明したこともあり、ムバラク氏はいっそうの譲歩を余儀なくされた格好だ。

毎日新聞 2011年2月1日 東京夕刊



 
 
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エジプト、滞在中の旅行者2000名以上か−渡航延期で各社ツアー催行中止

2011年2月1日(火)

エジプトで反政府デモが続く中、日本時間1月29日付けで外務省がエジプト全土を対象に渡航情報を「渡航の延期をお勧めします」に引き上げ、旅行大手各社が募集型企画旅行の催行を中止している。日本旅行業協会(JATA)によると、日本時間31日現在で会員各社から連絡のあった現地滞在中の旅行者はおよそ2000名。FITの旅行者を含めると2000名以上が現地にとどまっている可能性がある。一方、外務省がチャーターを設定するなど対応を急いでいることもあり、現地時間31日にはジェイティービー(JTB)と阪急交通社のみで700名強が出国できる見通しだ。

JTBでは、2月28日出発までの中止を決定。31日現在で518名が滞在中で、帰国に向けた説明や手続きを進めているところ。31日には400名が出国できる予定で、3月1日以降の出発分の催行可否は2月22日に判断するという。エイチ・アイ・エス(HIS)は2月15日まで催行を取りやめた。30日現在で約140人が滞在中で、2月16日以降の催行は「今週中に決定する」方針。

また、阪急交通社では、3月3日までの催行中止を決定。現地には418名が滞在中で、31日にはこのうち334名が外務省のチャーターや第3国経由で出国する。3月4日以降の対応は現在検討中。このほか、近畿日本ツーリスト(KNT)は3月4日、日本旅行は2月28日まで催行中止。日本旅行は90名が現地滞在中で、KNTは30日のエジプト航空(MS)便ですべての旅行者が帰国できたという。

なお、MSでは、帰国便の日付変更や発券済みの予約キャンセルについて、ウェブサイト上で対応状況を説明。帰国便の日付を変更する場合は、変更希望日と便名をFAXかメールで送付するよう求めている(◆リンク)。また、JATAでは、まだ現地滞在中の旅行者数を報告していない会員や2月中にエジプト旅行の実施を確定している会員に対して早急な報告を求めている。

http://www.travelvision.jp/news/detail.php?id=47624



 
 
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米グーグル幹部がエジプトで行方不明、ツイッターで政府批判か

(ロイター - 02月02日 09:37)

[サンフランシスコ 1日 ロイター] インターネット検索サービス大手の米グーグルは1日、エジプトに滞在していた同社の中東・北アフリカ地域担当マーケティング部門責任者と連絡が取れない状態が続いており、捜索を開始したことを明らかにした。

事情に詳しい関係筋によると、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイに駐在するWael Ghonim氏は、「個人的な理由」でエジプトの首都カイロを訪問。1月27日夜から行方不明となっている。

簡易ブログ「ツイッター」では先週、ユーザー名をWael Ghonimとする人物がエジプト政府を批判する投稿をしていたことが明らかになっている。1月27日の投稿では「エジプト政府が取り始めた対応策はばかげており、国民による抗議活動を拡大させるだけだ」と政府を強く非難していた。

一方、グーグルは声明で「当社にとって社員の安全は非常に重要」と強調。同氏の所在について情報提供を求めた。カイロにある同社オフィスは現在、安全確保のため閉鎖されている。

グーグルは1月31日、大規模な反政府デモが続いているエジプトで、インターネットに接続しなくても「ツイッター」に投稿できるサービスを立ち上げたと発表。同国ではデモ拡大を受けて、各地でインターネットが使用できなくなっている。



 
 
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ムバラク大統領が9月辞任を表明 市民は即時辞任を要求

2011.02.02 Wed posted at: 09:25 JST

カイロ(CNN) 国民による大規模デモで退陣を迫られているエジプトのムバラク大統領(82)が1日夜、今年9月に予定される大統領選で後継者に権限を譲ると表明した。即時辞任を求めるデモ参加者からは「不十分」との声が上がっている。

ムバラク大統領は「私の責務はまずわが国の安定と治安を回復させ、平和的な権力移行を達成することだ」「国民の要求がかなえられるような移行の道を探る」と述べた。

一方、首都カイロ中心部のタハリール広場では、大統領の発表後も数千人規模のデモ隊が「ムバラクよ去れ」「国民は大統領への裁きを求めている」などと叫び続けた。

米ワシントンでは、オバマ政権の対エジプト政策にかかわる当局者がムバラク大統領の決意を「正しい方向への重要な一歩だ」と評価した。米政府は大統領に対し、自身や息子のガマル氏が次期大統領選に出馬しないことを明言するよう求めていた。

ムバラク大統領は新たに任命したスレイマン副大統領に、改革へ向けた野党との協議を指示した。これに対し、ムスリム同砲団など6党の野党勢力は1日、大統領退陣や暫定政府発足、憲法起草委員会の設立など5つの要求事項を挙げたリストを共同で提示していた。

http://www.cnn.co.jp/world/30001679.html



 
 
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米大統領、エジプトに政権移行促す 不出馬働きかけも

2011.02.02 Wed posted at: 11:18 JST

ワシントン(CNN) オバマ米大統領は1日、エジプトのムバラク大統領が9月の大統領選に出馬しないと表明したことを受け、直ちに政権の移行に着手する必要があると指摘した。

オバマ大統領はホワイトハウスで記者団に声明を発表し、米国は今後も長年の同盟国であるエジプトと、同国のデモ参加者の切望の両方を支持すると表明。「われわれは偉大な国の歴史における新しい章の始まりを目の当たりにしている」と述べた。

ムバラク大統領と電話で会談したことも明らかにし、「現状を維持することは不可能であり、変化が必要であることは(ムバラク大統領も)認識している」と指摘。政権の移行は「有意で平和的なものでなければならず、今すぐ始める必要がある」と強調した。

さらに、政権移行のプロセスには国内の幅広い層の意見や野党勢力も取り入れ、自由で公正な選挙を行う必要があると述べ、「新政権は民主主義の原則に根差すと同時に、エジプトの人々の切望に応える必要がある」とした。

複数の筋がCNNに語ったところでは、これに先立ちオバマ大統領はフランク・ワイズナー元駐エジプト大使を特使として派遣し、ムバラク大統領に対し次期大統領選への不出馬を発表するよう求めていたという。これまで米国にとってエジプトはアラブの重要な同盟国であり、中東和平プロセスに欠かせないパートナーだったが、今回の働きかけは、この外交政策の大きな転換を意味する。

http://www.cnn.co.jp/world/30001683.html



 
 
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エジプト新内閣「失望的」 英首相が指摘

2011/2/2 0:06

【ロンドン=岐部秀光】キャメロン英首相のスポークスマンは1日、エジプトのムバラク大統領が任命した新しい閣僚について「失望的」と指摘し、英政府として大統領に対する批判のトーンを強めた。

同スポークスマンは特にエルバラダイ前国際原子力機関(IAEA)事務局長が閣僚に含まれていないことに懸念を表明。「ムバラク大統領はエジプトの人々が訴えている実際の目に見える包括的な変化の要求に応えるべきだ」と指摘した。

欧州の主要国首脳は混乱拡大後、ムバラク大統領と電話会談などを通じて民主的な政治体制への抜本的な変化を求めたが、聞き入れられないことにいらだちを強めているもよう。ムバラク氏に対する欧米からの圧力は今後、一段と増す見通しだ。



 
 
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エジプト大統領演説へ、次期選挙不出馬か 現地報道

2011/2/2 4:29

【カイロ=共同】ロイター通信によると、中東の衛星テレビ、アルアラビーヤは1日、エジプトのムバラク大統領が同日夜、テレビで演説する見通しだと伝えた。演説についての公式発表はない。

同テレビはまた、情報源は明示しないまま、ムバラク氏が演説で、9月に予定される大統領選に出馬しない意向を表明すると報じた。生活改善などを求める国民の要求に応えるため、大統領選までは政権を維持する意向。

スレイマン副大統領は事態収拾に向け、野党勢力との接触を始めたという。



 
 
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エジプト大統領、声明発表へ 国営テレビ

2011/2/2 4:58

【カイロ=共同】エジプトの国営テレビは1日夜(日本時間2日未明)、ムバラク大統領が間もなく声明を発表すると伝えた。



 
 
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NY金が小反発 4月物終値1340ドル

2011/2/2 6:20

【NQNニューヨーク=川内資子】1日のニューヨーク金先物相場は小反発した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心である4月物は前日比5.8ドル高の1トロイオンス1340.3ドルで終えた。外国為替市場でのドル安を受けて、ドルの代替資産との位置付けがある金への買いがやや優勢となった。

ユーロ圏の景気回復観測などを背景に、ドルがユーロなどに対して下落したことが金の買いを誘った。世界的な景気回復で需要が増えるとの見方から銅先物相場が上昇。商品市場全般に投資資金が流入するとの見方も、金の支援材料になったとの声があった。

ただ、相場は安く推移する場面が目立った。エジプトの反政府デモが市場の一部が懸念したほど拡大していないため、投資家が金に逃避させていた資金をいったん引き揚げる動きが出たという。

銀は3日続伸。プラチナは大幅に反発した。



 
 
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NY原油反落、終値90.77ドル

2011/2/2 6:28

【NQNニューヨーク=川内資子】1日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は3営業日ぶりに反落した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の3月物は前日比1.42ドル安の1バレル90.77ドルで取引を終えた。エジプト情勢の混乱が市場の一部が警戒したほど深刻化しないとの見方から、売りがやや優勢となった。

原油先物はエジプトの反政府デモが原油供給に悪影響を及ぼすとの懸念などから最近まで急上昇し、3月物は前日に約2年4カ月ぶりの高値を付けていた。

1日にエジプトで実施されたデモがさほど大規模にならなかったと伝わり、デモが周辺の産油国に拡大したり、原油など物資輸送の経路であるスエズ運河が封鎖されたりする可能性が低下したとの見方を誘った。原油の供給懸念がやや和らぎ、持ち高調整や利益確定目的の売りが優勢となった。

ただ、1日発表になった主要国・地域の1月の購買担当者景気指数(PMI)が堅調な結果となったため、景気回復に伴い原油需要が増えるとの見方から買いも入り、下値は堅かった。

この日から3月物が期近となったガソリンとヒーティングオイルはともに上昇した。



 
 
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米大統領が不出馬求める 特使がムバラク大統領に伝達

2011/2/2 7:00

【ワシントン=共同】複数の米メディアは1日、オバマ米大統領がエジプトのムバラク大統領に対し、9月に予定される大統領選に出馬しないよう働き掛けていたと報じた。

米政府は1月31日、ワイズナー元駐エジプト大使を特使として派遣。報道によると、元大使がエジプト政府にオバマ氏のメッセージを伝達した。

ただ即時の退陣は迫らず、自由で公正な選挙実現に向けた努力を求めたという。



 
 
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ムバラク大統領が不出馬表明 即時辞任は拒否

エルバラダイ氏「演説はまやかし」

2011/2/2 6:16 (2011/2/2 10:17更新)

【カイロ=花房良祐】退陣要求デモが続くエジプトのムバラク大統領は1日夜、国営テレビを通じて演説し、「平和的な権力の移譲を保証することが自分の最大の責任だ」と述べ、今年9月に予定されている次期大統領選挙への不出馬を表明した。独裁体制を30年近く維持してきた大統領は、連日の大規模デモで引退表明に追い込まれた。ただ野党側が求める即時辞任は拒否しており、事態の収拾につながるかは不透明だ。

1日にはエジプト全土で過去最大の100万人規模の抗議集会が開かれ、ムバラク氏の即時辞任を求めていた。ムバラク氏は演説で「国のためにキャリアを終える」と話した一方で、情勢の安定のために任期が切れる9月まで大統領職を続ける考えを示した。

ムバラク氏は「死ぬときは国土に眠る」とも述べ、野党勢力の出国要求も拒絶した。同日深夜、大統領の演説内容が伝わると、徹夜組のデモ隊が陣取るカイロ中心部では一部で抗議の声が上がった。

ムバラク氏は一方で民主化策も提示。大統領選への立候補要件の緩和や任期・当選回数に絡む憲法改正を実施すると話した。現憲法では無所属候補の出馬は人民議会などの議員計250人の推薦が必要で、ハードルが極めて高い。改憲で民主的な選挙に向け譲歩した格好だが、エルバラダイ国際原子力機関(IAEA)前事務局長は中東の衛星テレビ局に「演説はまやかしで、(大統領は)辞任が必要」と改めて批判した。

ムバラク氏は抗議デモについて「政治勢力に利用されている」と指摘。辞任を前提条件として対話を拒絶する野党を批判し、改めて政権との交渉を呼びかけた。

1日の演説前にムバラク氏はウィズナー米特使(元駐エジプト大使)と会談。ロイター通信によると、米国は「秩序ある権力の移行」を望んでおり、大統領の演説には米国の意向が反映されていることがうかがえる。ただエジプト国民が不出馬表明で納得する公算は小さく、抗議デモが今後も続く可能性は否めない。



 
 
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NY原油反落、3営業日ぶり

2011/2/2 10:25

【NQNニューヨーク】1日のニューヨーク原油先物相場は3営業日ぶりに反落した。取引の指標となるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の3月物は前日比1.42ドル安の1バレル90.77ドルで取引を終えた。エジプト情勢の混乱が市場の一部が警戒したほど深刻化しないとの見方から、売りが優勢となった。

原油先物相場はエジプトの反政府デモが原油の供給に悪影響を及ぼすことへの懸念などから急上昇し、3月物は前日に約2年4カ月ぶりの高値を付けていた。



 
 
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米大統領、エジプト政権移行「即時の対応を」

2011/2/2 11:21

【ワシントン=弟子丸幸子】エジプトのムバラク大統領の不出馬表明を受け、オバマ米大統領は1日、「秩序ある移行は今始めなければならない」と述べ、ただちに政権移行のプロセスに着手するようムバラク氏に求めた。オバマ氏はあわせて政権移行時の治安を維持するため、エジプト軍当局にも協力を促した。

オバマ氏はホワイトハウスで記者団を前に声明を読み上げた。政権移行は「有意義かつ平和的でなければならない」と指摘。ムバラク氏とテレビ演説後に電話で会談し、政権移行プロセスの即時開始を含めて米国の考えを直接伝えたことを明らかにした。

オバマ氏は「偉大な国の歴史の新たな一章の幕開けだ」と語り、エジプトが歴史的転換点にあると強調。エジプト国民に向けては「指導者を決めるのは他国の役割ではない」と呼び掛けた。「米国はエジプトへの協力と友情の手をさしのべ続ける」と語るとともに、必要な支援を提供する用意があると表明した。



 
 
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官房長官、中東の政情不安「安定が日本経済に望ましい」

2011/2/2 12:11

枝野幸男官房長官は2日午前の記者会見で、エジプトやヨルダンなど中東で大規模なデモが相次いでいることについて「産油国が多く、政治的、社会的に安定していることが日本経済や世界経済にとって望ましい」との認識を示した。そのうえで「それぞれの国に事情はあるが、社会生活、経済生活に影響を及ぼすことのないように期待し、情勢を注視していく」と語った。

エジプトのムバラク大統領が次期大統領選への不出馬を表明したことに関しては「幅広い支持を得る民主的な政府に平和的に推移し、政治的安定と平静な市民生活が図られることを期待する」との認識を重ねて示した。〔日経QUICKニュース〕



 
 
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米グーグル幹部が行方不明 カイロで

2011/2/2 12:23

【ロサンゼルス=共同】米インターネット検索最大手グーグルは1日、同社の幹部が1月27日の夜にカイロ中心部で目撃されたのを最後に行方不明になったと発表、情報提供を呼び掛けた。エジプトのムバラク大統領の退陣を求めるデモに伴う混乱や、同国政府がネット規制を強化したこととの関連は不明。

ロイター通信は消息筋の話として、同幹部はドバイ在住で中東と北アフリカ地域のマーケティングの責任者を務めており、個人的な用件でカイロを訪問していたと伝えた。グーグルは社員の安全確保のため、カイロのオフィスを一時閉鎖した。

エジプト政府がネット規制を強めたのを受け、グーグルはこのほど、市民が電話して伝言を録音すれば、短文投稿サイト「ツイッター」にメッセージとして掲載するサービスを開始。反政府デモを勢いづかせたツイッターの利用者を支援する姿勢を明確にしている。



 
 
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官房長官「政治的安定望む」 ムバラク大統領不出馬で

2011/2/2 12:33

枝野幸男官房長官は2日午前の記者会見で、エジプトのムバラク大統領が退陣を表明したことに関して「他国の元首の出処進退に言及すべきではない」と述べた上で「必要な政治的、経済的改革が実行されることを期待する」と語った。

政情不安が続くイスラム諸国に関しては「それぞれの国が政治的、社会的に安定していることが日本経済、世界経済に望ましい」と述べ、事態の沈静化を期待する考えを示した。



 
 
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[FT]原油価格、北海ブレント100ドル台でも安定傾向(社説)

2011/2/2 14:00

(2011年2月2日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

市場は数字に意味を求める傾向がとりわけ強い。原油価格が今週1バレル100ドルの心理的に大きな節目を突破したことで、将来に対する予言にあふれているのも驚くには当たらない。原油高は景気回復の脅威と見る向きもある。

■持続可能な価格帯

最近の原油価格上昇には供給不安が一役買っている。アラスカのパイプラインで1月、原油漏れに伴い操業が一時停止した。エジプトの反政府デモは世界を驚かせた。スエズ運河とエジプト港湾施設の信頼性に対する不安は石油アナリストの心に重くのしかかる。原油価格上昇に伴いタンカー会社の株価も急騰した。

北海ブレント原油は31日以降、1バレル101ドル前後で取引されている。数字の3けたがもたらす心理的な重要性を別とすれば、現在の価格水準は、2010年年間をほぼ通して取引されていた同70〜90ドルから大きくかけ離れているわけでは決してない。過去2カ月間の上昇傾向にもかかわらず、2008年の同148ドルと比べれば今でも安定価格帯の方がはるかに近い。

短期的な価格変動を無視するなら、現在の相場水準は中期的に持続可能な価格帯に属していると信じる根本的な理由がある。高成長を続ける地域で拡大する石油需要によって価格は上昇傾向を続けている。国際エネルギー機関(IEA)は世界の石油需要が1日当たり140万バレル増えると予想する。しかし原油相場が昨年の価格帯を上回り続ける事態となれば、供給は無限とされこれまで利用されてこなかった多くの非在来型石油資源の利用が経済的と判断されるようになる。

■脅威は中央銀行の金利引き上げ

世界の企業や経済はこうした資源の利用に伴うコスト増に慣れる必要があるが、それを不可能と判断する理由はない。エネルギー効率を高めるには多くのことができる。前回の石油価格高騰の際に明らかになった様に、石油を利用する側は動機さえあればそれに適応する方法を見いだすものだ。そもそも世界が気候変動問題を解決しようとするなら、今日の相場水準を大きく超える炭化水素価格に適合する必要がある。

それでも原油価格の急激な上昇は、痛みを伴い、不安定要因となる。貧困国の社会不安をあおるような食料価格のインフレを引き起こす可能性がある。しかし、あらゆる兆候から判断して、先進国を取り巻く状況は原油高騰がインフレスパイラルと景気後退の同時進行をもたらした1973年とは大きく異なる。今週、各国の調査から製造業がコスト高にもかかわらず力強い成長を示していることが明らかになった。

原油高が現在もたらす景気回復に対する最大の脅威は、各国中央銀行が原油価格が主導するインフレに不安を感じて金利を上げてしまうことだ。不吉な予言は、それを自らの手で実現してしまうときのみ真実となる。



 
 
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官房長官、エジプト政権移行「米国と同じ認識」

2011/2/2 16:41

枝野幸男官房長官は2日午後の記者会見で、米国のオバマ大統領がエジプトのムバラク大統領に対し政権の即時移行を求めたことについて「エジプト政府と国民による対話の早急な開始と、必要な政治的、経済的改革の実施を重視しており、米国とほぼ同様な認識にたっている」と述べた。

エジプト情勢を巡る米国など関係国との電話などを通じた首脳会談の可能性については「関係国との情報交換は適宜している。今後も必要に応じてそのレベルを上げることも含めて対応したい」と語った。〔日経QUICKニュース〕



 
 
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仏大統領「早期の政権移行求める」 エジプト情勢で

2011/2/2 20:13

【パリ=古谷茂久】フランスのサルコジ大統領は2日、エジプトのムバラク大統領が1日に行った演説内容に関して声明を発表し、エジプトの現政権に対し即時の政権移行を求めた。声明は「エジプト国民が示した変化と革新への希望に応えるため、遅滞なく(政権の)具体的な移行プロセスが進むことを望んでいる」などとし、ムバラク大統領を名指しはしないものの早期退陣を求めた。また「(政権移行の)過程が非暴力で進むことを望む」などと強調した。



 
 
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菅首相「地域の安定強く望む」 エジプト大統領の不出馬表明で

2011/2/2 20:28

菅直人首相は2日、エジプトのムバラク大統領が9月に予定される次期大統領選に不出馬を表明したことに関して「エジプトも含め、地域が安定することを強く望む」との考えを示した。首相官邸で記者団に語った。

枝野幸男官房長官は同日の記者会見で、オバマ米大統領がムバラク氏に早期の政権移行を求めたことについて「米国とほぼ同様の認識に立っている」と述べた。前原誠司外相はエジプト政府と国民の対話のプロセスの早急な開始に期待する談話を発表した。



 
 
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エジプト反体制派、「ムバラク後」にらみ新体制議論

2011/2/2 22:24

【カイロ=松尾博文】エジプトのムバラク大統領退陣を求める反体制派は、大統領による次期大統領選への不出馬表明にもかかわらず、抗議を続ける構えを崩していない。4日に大統領府への抗議デモを計画、大統領に即時辞任を迫る方針だ。大統領支持派と反体制派の亀裂も表面化。事態の軟着陸が一段と難しさを増すなか、政権は重大な判断を迫られている。

再選断念について、政府系紙ジュムフリヤは2日、「大統領は抗議に勇気を持って応えた」と称賛。政府は同日、夜間外出禁止令の時間を短縮、インターネットの接続も再開した。銀行についても6日からの営業再開を発表するなど、締め付けを緩めて混乱の幕引きを急いでいる。

しかし、英BBC放送によると、アハラム政治戦略研究センターのラーシド研究員は「大統領演説は都合の良いことだけしか触れていない」と指摘、反体制派は即時辞任を求める姿勢を変えていない。

反体制派は2日もカイロ中心部に集まり抗議を継続。広場になだれ込んだ大統領支持派との衝突も発生した。ラクダや馬に乗る一団もあり、石を投げたり、こん棒での殴り合いも発生した。

ただ、混乱の長期化で経済活動は停滞、市民にも疲れの色が濃くなっている。デモの勢いがどこまで続くのか占う機会となりそうなのが4日。ネット上では「金曜日(4日)は大統領府に集まろう」との呼びかけが広がっている。カイロ北東部の大統領府に大規模デモ隊が殺到した場合、大統領を警備する軍はデモ隊がなだれ込むのを許すのか、銃口を向けるのか重大な決断を迫られる。

一方、反体制各派はここ数日、ムバラク氏退陣後の統治体制をめぐる統一方針作りの議論を加速。各派が横断的に参加する移行政府の樹立や自由選挙に道を開く憲法改正、議会の解散と再選挙などの手順や日程について議論しているもようだ。

エルバラダイ国際原子力機関(IAEA)前事務局長の側近は、現政権や反体制各派代表による委員会の下で憲法改正や議会選挙を実施したうえで3カ月後をめどに移行政権樹立を求めていることを明らかにした。

中東の衛星テレビ局アルアラビーヤによると、世俗政党である新ワフド党報道官は2日、同党が民族主義者政党などと協議、ムバラク政権が提案している対話の開始に合意したと述べた。この協議には大統領即時辞任を求めるエルバラダイ氏やイスラム原理主義組織のムスリム同胞団は参加しておらず、政権との距離をめぐり反体制派内でも意見の相違が表面化しつつある。



 
 
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トルコ首相「早期の権力移行を」 エジプト情勢

2011/2/2 22:43

【ドバイ=太田順尚】トルコのアナトリア通信によると、同国のエルドアン首相は2日、「人々はムバラク大統領が別のやり方を選ぶと期待している」と述べ、9月の大統領選を待たずに権力を移譲するよう求めた。同首相は「現体制のままでは、短期間のうちに民主化されるという保証がない」と指摘。「暫定政権下で権力移行が行われることが重要だ」と述べた。



 
 
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欧州諸国、ムバラク大統領に距離

2011/2/2 23:06

【ロンドン=岐部秀光】欧州主要国は、9月の任期末まで続投すると述べたエジプトのムバラク大統領に対し一段と距離を取り始めた。フランスのサルコジ大統領は2日、即時の政権移行を求める声明を発表。キャメロン英首相も同日、議会で「エジプトの“秩序ある権限移譲”への変化は今すぐに始まらなければならない」と述べ、退陣に向けた道筋を明確に示すよう求めた。

サルコジ仏大統領は声明で、「エジプト国民が示した変化と革新への希望に応えるため、遅滞なく(政権の)具体的な移行プロセスが進むことを望んでいる」などとし、ムバラク大統領を名指しはしないものの早期退陣を求めた。また「(政権移行の)過程が非暴力で進むことを望む」などと強調した。

エジプトの旧宗主国である英国ではキャメロン首相が混乱拡大後にムバラク氏に直接電話し、実質的な民主体制への移行を急ぐよう求めたが、不十分な対応に失望を表明。首相は1日に国家安全保障会議(NSC)を開き、大統領批判のトーンを強めた。

クレッグ副首相もエジプトでのデモを共産体制の終わりを象徴するベルリンの壁崩壊に例えて「感動的なこと」と述べた。ドミニク・アスキス駐エジプト大使はカイロでエルバラダイ前国際原子力機関(IAEA)事務局長を含む野党勢力と接触を始めた。

英国は穏健路線のムバラク大統領を就任以来支えてきた。フセイン政権時代のイラクやシリアなどの反米政権に対抗し、中東和平を進めるうえでエジプトの役割を重視したためだ。だが民主化の遅れでエジプト民衆の不満が英国に向かい、イスラム原理主義勢力の過激主張が通りやすい環境を生んだ。長期の強権体制が続くことの弊害を重視する見方が強まっている。



 
 
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EU首脳、中東情勢を緊急協議へ 難民流入などに警戒感

2011/2/2 23:24

【ブリュッセル=瀬能繁】4日にブリュッセルで開く欧州連合(EU)首脳会議で、中東情勢を緊急議題に取り上げることが決まった。一方、国連や米政府などはエジプトでの暴力行為の広がりに非難を強めている。

EUのファンロンパイ大統領は各国首脳への書簡で「中東情勢やEUへの影響について意見交換する」方針を伝えた。4日の首脳会議ではエネルギー政策や技術革新、債務危機への対応などを話し合う見通しだった。

訪英中の潘基文・国連事務総長は2日、キャメロン英首相と会談後、エジプト情勢に懸念を示し、政権とデモ参加者の双方に自制を促した。



 
 
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エジプト反体制派、大統領派と衝突 負傷者多数

4日も大規模デモ計画、大統領の即時辞任求める

2011/2/2 20:51 (2011/2/3 1:41更新)

【カイロ=花房良祐】ムバラク大統領が即時辞任を拒否したエジプトで2日、カイロ中心部で反体制派と大統領支持者が衝突した。現地報道によると100人以上が負傷した。反体制派は4日のイスラム教の金曜礼拝後に再び大規模デモを計画。米国やフランスなどが政権移行へ即時の対応を求めるなど、国際社会の圧力も強まっている。

AFP通信によると、2日にはカイロ中心部の「タハリール広場」に徹夜組を含めて数千人のデモ参加者が集結。一方、情勢の安定を求める大統領支持者も同広場で数千人規模の集会を開催し、双方が投石するなど衝突した。米CNNテレビによれば火炎瓶による火災が発生、軍が放水した。

大統領支持者は政権側が動員し、事態収拾を目指したとの指摘もある。当初は静観していた軍が混乱拡大に伴い威嚇発砲したとの報道があったが、同日軍は国営テレビを通じ発砲を否定した。大統領支持者は北部アレクサンドリアとスエズでも集会を開いた。

野党勢力の一部はムバラク大統領の任期満了に伴う引退表明を評価。小政党が2日、政権との協議に応じる構えをみせるなど野党の足並みにも乱れが生じている。

政府と軍は事態の落としどころを探っている。ラドワン財務相は同日、英ラジオに「大統領が権力にとどまりたくないことは明らかだ」と話し、国営テレビは人民議会(国会)が70日以内に民主化に向けて憲法を改正する方針と報道。軍報道官は「市民の要求は満たされた」として、反大統領デモの中止を呼びかけた。

当局は2日、夜間外出禁止令を午後5時からとして3時間縮小。接続が遮断されていたインターネットもカイロなどで同日から回復し始めた。



 
 
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米大統領、エジプトの政権即時移行求める

エジプトのムバラク大統領(82)は1日午後11時ごろ(日本時間2日午前6時ごろ)、国営テレビを通じて演説し、今年9月に予定される大統領選に立候補しない意向を明らかにした。

演説を受けて、オバマ米大統領は1日、ホワイトハウスで声明を発表し、「秩序ある移行は、今始まらなければならない」と述べ、すぐに政権移行プロセスに着手するよう求めた。

オバマ米大統領は、ムバラク大統領が大統領選への出馬断念を発表した後、約30分間同大統領と電話で会談した。

声明で、「(ムバラク氏は)現状の継続は不可能で、変化が必要なことを理解している」と述べた。エジプト軍に対し、変革が平和的に進むよう尽力を求めた。

米紙ワシントン・ポスト(電子版)は1日、9月の大統領選まで政権を担う「移行政府」の早期発足が望ましいとする米政権幹部の発言を報道。エジプト国内各派の代表で構成し、軍の支持を受けた政府を求める立場を伝えた。(ワシントン、山口香子)

(2011年2月2日15時47分 読売新聞)



 
 
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カイロ市内のデモ、大統領支持派も応戦

【カイロ=工藤武人】エジプト反体制デモの拠点、カイロ中心部のタハリール広場では、ムバラク大統領の次期大統領選不出馬表明から一夜明けた2日も数千人が詰めかけ、大統領の即時退陣を叫んだ。

カイロ郊外ギザから来ている高校臨時教員アフメド・ハミドさん(37)は、「30年間何もしなかった大統領が残り数か月で改革なんかできるはずがない」と述べ、ムバラク氏が9月に予定される大統領選まで居座りをはかるのは許せないと憤っていた。

一方、2日の広場周辺には大統領支持派も大挙押し寄せ、「大統領を辞めさせようなんて外国の犬だ」などとまくし立て、反体制派とつかみ合い寸前の口論を繰り広げる姿が見られた。

大統領支持派は、食料品などへの手厚い補助金を出してきたムバラク政権の恩恵を受ける低所得者層が中心とされる。大統領の再選出馬断念で、危機感を強めているようだ。

(2011年2月2日22時14分 読売新聞)



 
 
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反・親ムバラク派対立、デモ隊同士が衝突

【カイロ=田尾茂樹】エジプトのムバラク大統領が9月の大統領選への不出馬を表明したことを受け、大統領を支持する市民らが2日、各地でムバラク体制の存続を求めるデモを行った。

カイロ中心部のタハリール広場では、一部が反体制派のデモ参加者と衝突、ロイター通信によると数十人が負傷した。一連の反体制デモが始まってから市民同士の衝突は初めて。

カイロでは1日夜の大統領の演説直後から「ムバラク支持」を訴えるデモ隊の姿が見られた。2日にはタハリール広場に、反体制デモの参加者が前夜から残っていたところ、大統領支持派が各地から集結、双方の投石が始まり、こん棒などで殴り合いとなった。周辺に配置された軍の兵士は威嚇射撃を行い、両者の引き離しを図っている。

反体制派は、4日のイスラム教の金曜礼拝後の大規模デモを呼びかけているが、大統領支持派の動き次第では衝突が激化する可能性もある。1月28日未明から遮断されていた国内のインターネットは、2日正午前から徐々に復旧し、外出禁止時間も短縮されるなど、正常化の動きが出始めたなかで衝突が起きた。

(2011年2月2日23時44分 読売新聞)



 
 
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カイロで「100万人行進」デモ 夜通し続く見込み

2011年2月2日1時3分

【カイロ=貫洞欣寛、玉川透】ムバラク大統領の退陣を求める抗議行動が激化しているエジプトで1日、野党勢力が呼びかけた「100万人行進」が首都カイロで行われた。口々に政権打倒を叫びながらカイロ中心部に向かう人々に対し、政権側は広場周辺に軍を展開し、鉄道やバスなど公共交通を遮断するなどして対抗したが、広場は各地からの数十万人規模の市民で埋まった。

スレイマン副大統領は事態打開のため、野党勢力との対話を模索する姿勢を見せたが、野党勢力は拒否。デモは日没後も続く見通しで、事態は緊迫度を増している。

軍はデモ隊に対し、平和的行動が続く限り武力行使をしないとの声明を出しており、デモを包囲しつつも静観している。野党勢力が「100万人行進」の会場としているカイロ・タハリール広場周辺は、コンクリート製のバリケードが設置され、多数の兵士が戦車などとともに配置されている。兵士が検問を実施、爆発物や銃器などの持ち込みに目を光らせているが、デモ参加者の広場への通行を阻止していない。

広場では「ムバラクは去れ」といったプラカードや横断幕、国旗を手にした人々がめいめいにシュプレヒコールを上げたり、国歌を歌ったりした。1日夕の段階では大きな混乱は報告されておらず、参加者の多くはこのまま、広場で夜を明かすとみられる。

一方、大統領府や国営テレビなどの主要施設の警備が強化された。軍はタハリール広場でのデモは許すものの、大統領府などに向かった場合は阻止するものとみられる。

野党勢力の中には、1日のデモでタハリール広場から大統領府に向かうことや、別の日に大統領府前でデモをすることを呼びかけるグループもあり、さらに緊張が高まる可能性もある。最大野党のムスリム同胞団は流血の可能性が高まるとして、抑制的な行動を呼びかけている。

野党勢力の結集の軸と目されている民主化運動指導者のエルバラダイ氏は1日、衛星テレビ局アルアラビアなどで「ムバラク氏は今日、あるいは金曜日(4日)までに去るべきだ」「ムバラク氏が安全に去ることを支持する」と述べ、改めてムバラク氏に退陣を求めた。

政権側は1月31日午後から国内の鉄道を運休し、カイロと各都市を結ぶ幹線道路を閉鎖。都市間バスの運行も停止した。地方からのデモ参加者の増加を防ごうとした。また、国営テレビ前では1日、ムバラク政権の与党・国民民主党支持者らによるとみられるムバラク氏支持を訴えるデモもあった。

デモは北部の第2の都市アレクサンドリアなど複数の都市でも行われ、AFP通信によるとアレクサンドリアでは数万人が集まり、ムバラク氏退陣を求めた。



 
 
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ムバラク大統領が引退表明 オバマ氏は即時退陣促す

2011年2月2日11時44分

数十万人のデモ隊から即時退陣要求を突きつけられたエジプトのムバラク大統領(82)は1日夜(日本時間2日朝)、9月の次期大統領選に出馬しない考えを示した。任期中は大統領職にとどまる意向を示し、即時退陣は拒否した。これを受けて、オバマ米大統領は「秩序ある移行を今、始めなければならない」とする声明を発表し、ムバラク氏に即時退陣を促した。米国がムバラク氏に対し、改めて「引導」を渡した形だ。

    ◇

【カイロ=貫洞欣寛】ほぼ30年にわたって強権支配を続けるムバラク氏は、自身による統治の継続の断念に追い込まれた。その一方、同氏は演説で、9月までの任期を全うし、現体制の維持を図りたいとの思惑を強くにじませた。野党勢力が強く求めている即時辞任を否定したことで、空前の規模にまで広がったデモが収束する気配はない。

ムバラク氏は演説で、「私は義務と責任を途中で放棄することはない」と述べてあくまで即時退陣する意思のないことを明言。「平和的な権力移行を目指す」として、現在は与党・国民民主党(NDP)に極端に有利になっている大統領選の立候補資格に関する憲法規定を、9月の大統領選に向けて改正するよう、議会に指示すると述べた。

大統領選に立候補するためには、議員65人以上の署名を集める必要がある。だが、政権側の選挙干渉などにより、議席はNDPがほぼ独占しており、野党や無所属の候補が立候補するのは現状ではほぼ不可能だ。

NDPによる選挙制度の改正は、与党に有利なものとなる可能性が高く、スレイマン副大統領を後継者とし、NDP中心の現体制を維持する狙いがうかがえる。

ムバラク氏はまた「エジプトは私の母国である。私はここで死に、歴史に評価される」と述べ、国外亡命を否定。さらに、対話を拒否しているとして野党勢力を批判した。

これに対し、反政権デモを主導する野党勢力「4月6日運動」や、最大の野党勢力ムスリム同胞団の広報担当者はそれぞれ「我々が求めるのはムバラク氏の即時退陣であり、デモを続ける」と述べた。

エジプト全土では1月25日から、反ムバラク政権デモが続き、1日には数十万人がカイロ中心部の広場に集まった。

衛星テレビ局アルジャジーラによると、北部アレクサンドリアでは2日未明(日本時間同日朝)、反ムバラクとムバラク支持のデモ隊が衝突、銃声が聞かれ、軍の戦車が両者に割って入ったという。

    ◇

【ワシントン=望月洋嗣】オバマ米大統領は1日、ムバラク大統領に新政治体制への「秩序ある移行を今、始めなければならない」と呼びかけ、即時退陣を促した。オバマ大統領はムバラク氏のテレビ演説後に同氏と電話会談し、こうした意向を伝達。ムバラク氏は変化の必要性を認めたという。

オバマ氏はホワイトハウスで声明を読み上げ、「政権の座にある者は人々の意思に従うべきだ」「数千年の歴史の中でエジプトにはいくつも変革期があったが、エジプトの人々の声は、今はその時だと言っている」と指摘。ムバラク氏の退陣によって、幅広い野党勢力が参加する政治プロセスを実現し、自由で公正な選挙を実施するよう求めた。

米メディアによると、米政府の非公式の特使であるウィズナー元駐エジプト米大使は1日、ムバラク氏と会談し、「米政府はムバラク氏の任期は終わったと見ている」と伝達。9月の大統領選への不出馬表明を迫ったという。

米国務省によると、スコビー駐エジプト米大使は1日、民主化指導者のエルバラダイ国際原子力機関(IAEA)前事務局長と接触し、米国が「秩序ある政権移行」を支持する考えを伝えたという。



 
 
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「大統領の譲歩、今さら」 エジプトのデモ、冷めぬ熱気

2011年2月2日14時15分

【カイロ=前川浩之、玉川透】「ムバラクにごまかされるな」「勝利は近いぞ」−−。数十万人規模の反政府デモを成功させた熱気が冷めやらぬなか、エジプトの民衆は翌2日未明になってもカイロ中心部のタハリール広場で「ムバラクはエジプトを出ていけ」と気勢を上げ続けた。

「今さらもう遅い」。ムバラク大統領が1日夜の演説で提案した次期大統領選不出馬などの「譲歩」に対し、貿易会社を営むアブドルサミアさん(27)は「デモが始まったばかりなら受け入れたかもしれないが、大勢の人がデモで死んだ。ムバラクは刑事責任に問われてもおかしくない」と切り捨てた。

3人の子どもを育てる主婦アマーニ・ユースフさん(40)も、長男ブラヒーム君(10)を眺めながら「戒厳令下にあるムバラクのエジプトではこの子の未来がない。仕事だって見つからないし、何より自由がない」と力を込める。夫(49)や母(60)と共に一家6人、広場で夜を過ごすと覚悟を決めており、「ムバラクが去るまで、私たちも帰りません」。

1日の「100万人行進」に続いて、4日の金曜礼拝後に計画されている大規模デモが、大統領の辞任を決定づけると期待する民衆も少なくない。無職のアブラヒムさん(30)は「次の金曜日(のデモ)が、過去最大の『怒りの日』となるだろう。軍はムバラクの愚かな駆け引きに巻き込まれず、我々の味方をしてくれることを祈る」と話した。



 
 
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エジプト:反政府デモ 「不出馬は解決じゃない」怒りやまぬ民衆

【カイロ和田浩明】エジプトのムバラク大統領が1日深夜(日本時間2日朝)、次期大統領選挙への不出馬を表明し、約30年続いた強権体制が終わりを迎えることになったが、反政府デモ参加者の間では「すぐ政権を去るべきだ」「実行するか信用できない」と激しい批判が噴出した。

午後11時過ぎ、車のラジオから流れるムバラク演説が終わった直後。カイロ中心部のタハリール広場に集まった数千人のデモ参加者の集団の中から「ウォー」という地鳴りのような声が響いてきた。怒っている。

北部シャルキーヤ県から来たという農業技術者、ナバウィ・アブルヘアさん(58)は、「本当に頑固な男だ。不出馬なんて解決じゃない」と吐き捨てた。

「ニカブ」と呼ばれる保守的な女性イスラム教徒が身に着ける目だけを出したベール姿の女性(47)は、「30年間やらなかったことをなぜ今やれる? うそつきよ」とムバラク氏をこき下ろした。

出入り口を戦車や装甲車が固めるタハリール広場には「国民は政権の排除を要求する」と英語で手書きされた巨大な横断幕が掲げられていた。あちこちで暖を取るための火がたかれ、芝生にテントを張って泊まり込む人もいる。性別も職業も年齢も雑多な反政府デモ参加者の今の狙いはただ一つ。ムバラク大統領の退陣だ。「去れ、去れ」とのシュプレヒコールが上がる。

「大統領は現実から遮断されているとしか思えない。デモで100万人が『ノー』をつきつけたのに」。ビジュアルアーティストのシャミア・アジズさん(29)は憤まんやるかたない様子だ。

現場で10〜50歳代の男女各10人、合計20人に演説の評価を聞いたが、ほぼ全員が大統領の演説に不満を表明。否定的でなかったのは、「今、ムバラク大統領がいなくなれば国が混乱する。改革のチャンスを与えるべきだ」と話した40歳代の女性1人だけだった。

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◆エジプト情勢を巡る最近の動き

12月 6日 人民議会(国会)選挙の結果が確定。与党・国民民主党(NDP)が議席を総議席の約7割から8割超に伸ばし一党支配強まる

  17日 チュニジアで青年(26)が政府に抗議して焼身自殺し、同国内でデモ、暴動が広がる

1月14日 チュニジアでベンアリ政権崩壊

  17日 カイロの人民議会前で男性が焼身自殺図る

  25日 カイロやスエズなど各地で数万人規模の反体制デモ

  26日 デモがシナイ半島北部や南部アシュートなどに拡大。内務省がデモ禁止の声明

  27日 エルバラダイ氏が帰国

  28日 金曜礼拝後に大規模デモ

  29日 ムバラク大統領がスレイマン氏を副大統領に任命。夜間外出禁止令が出たがデモは継続

  30日 エルバラダイ氏がデモ参加、「数日内に変革」と演説

  31日 大統領、全政治勢力との対話を表明

2月 1日 「100万人」デモ。ムバラク氏が次期大統領選不出馬を表明

毎日新聞 2011年2月2日 東京夕刊



 
 
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エジプト:ムバラク大統領不出馬 「あなたの政権、終わりだ」米が退場を促す

【カイロ和田浩明、ワシントン草野和彦】エジプトのムバラク大統領が1日、次期大統領選への不出馬を表明したのは、退陣を求める全国的な反政府デモが激化する中、最大の援助国・米国から退場を促されたことが決定的だったようだ。

AP通信によると、オバマ米大統領が派遣したウィズナー特使(元駐エジプト大使)は31日、ムバラク大統領に「あなたの政権は終わりを迎えつつある」との米国政府の見解を伝達、民主的政権に向けた「秩序ある移行」を促した。

1日には全国で「100万人規模」が参加した過去最大の反政府デモが発生。退陣圧力は、さらに高まった。

一方、ムバラク大統領の決断の裏には、政権を支えてきた国軍関係者の関与の可能性も見え隠れする。サミ・アナン軍参謀総長は反政府デモの拡大を受け、訪問先の米国から帰国している。アナン氏はマレン米統合参謀本部議長とエジプト情勢について協議したと報じられており、この際に「ムバラク退場」に向けたシナリオが言及されていた可能性もある。

さらに、英サンデー・タイムズ紙によると、29日に副大統領に指名されたスレイマン前情報長官(軍情報部出身)は、就任直後にムバラク氏に混乱収拾のため退陣を迫った。

同日に全閣僚更迭を発表したムバラク氏は、副大統領の他、首相と副首相も国軍出身者で固め、政権維持の可能性を追求した。しかし、変革を求める国民、情勢安定化のため民主化促進を求める米国の内外からの圧力には抵抗しきれなかった。

オバマ米大統領は1日、不出馬表明の演説を終えたムバラク氏と電話で協議。その後、ホワイトハウスでエジプト情勢に関する声明を読み上げた。この中でオバマ大統領は、ムバラク氏に「(民主的な政権への)秩序だった移行は今、始めなければならない」と伝えたと述べ、反政府勢力との対話を含む政権移行措置を加速させ、「自由で公正な選挙」につなげるように促した。一方で、暫定政権の必要性などには触れず、「エジプトの指導者はエジプト国民だけが決めることができる」と述べるにとどまった。

オバマ政権筋によると、ムバラク氏の不出馬表明に先立ち、ウィズナー米大統領特使がムバラク氏や後継者と目されていた次男ガマル氏が次の大統領選に出馬しないよう促したという。

毎日新聞 2011年2月2日 東京夕刊



 
 
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エジプト:100万人デモ 野党、退陣まで対話拒否

【カイロ和田浩明】反政府デモが続くエジプトで1日、野党勢力の呼び掛けで全土で「100万人規模」が参加したと推計(ロイター通信)される過去最大のデモが、首都カイロを含む主要都市であり、ムバラク大統領に退陣を迫る動きは大きな山場を迎えた。当局は参加者の首都入りを制限するため鉄道運行を休止するなどの措置を取る一方、政治、経済改革に向けた野党勢力との対話姿勢を示し、硬軟両面の対応で臨んだ。だが、野党側は「退陣するまで対話に応じない」と拒否した。

カイロでのデモの起点となったタハリール広場には、正午(日本時間午後7時)前から集まり、「ムバラク政権打倒」を叫んで気勢を上げた。広場周辺では自警団が参加者を身体検査し、「平和的な抗議」の徹底を図った。国軍も展開するが、31日に「発砲せず」の方針を表明しており、静観の構えを続けている。エジプト第2の都市アレクサンドリアや、北部スエズ、南部アシュートやルクソールでも大規模デモが発生した。

エジプト鉄道当局は31日、鉄道運行の中止を発表。当局者は地元紙に「デモ参加者のカイロなどへの移動を阻止する」と説明した。また、中東の衛星放送アルアラビーヤによると、カイロとスエズを結ぶ主要道路も1日封鎖された。国軍は同日、スエズ運河に並行するパイプライン沿いへの要員配置を増強した。

スレイマン副大統領は31日、憲法改正や失業問題などで野党側と対話する方針を表明した。だが、野党側は1日、政権に(1)大統領退陣(2)新政府樹立(3)新憲法制定(4)人民議会(国会)開催−−の要求を突き付け、「大統領が退陣するまで対話に応じない」と拒んだ。

今年9月に予定される大統領選挙を巡り、現行憲法の規定では立候補要件が厳しいため、スレイマン氏だけでなく、民主化勢力指導者として浮上しているエルバラダイ前国際原子力機関(IAEA)事務局長の出馬も困難だ。エルバラダイ氏に対しては、高い組織力を持つ穏健派イスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」が支持を明示しているが、他の民主化勢力との間で支持は一本化されていない。

一方、ピレイ国連人権高等弁務官は1日、25日以来のデモで「死者300人、負傷者3000人以上、何百人もの逮捕者が出た可能性がある」との声明を発表。米国務省は1日、緊急要員以外の在カイロ米大使館員や家族らの出国を命じた。

毎日新聞 2011年2月2日 東京朝刊



 
 
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クローズアップ2011:エジプトデモ 「革命」への熱狂 女性も声上げ

ムバラク体制を揺るがす震源地、カイロ中心部のタハリール(解放)広場は1日、その名前が示すように「革命」への熱狂に包まれていた。野党勢力が呼びかける「100万人行進」への参加者であふれかえったが、戦車で広場を取り囲む国軍兵士らは31日の「不干渉」宣言通り、事態の成り行きを見守るだけだ。人々は「今こそ自らの命運を自らの手に」とムバラク政権の打倒を訴えた。【カイロ樋口直樹】

戦車の脇から広場に入った記者を取り囲んだのは、兵士ではなく、「組織委員会」の名札を付けた大勢の若者だった。「身分証を見せて」「抗議は平和的に」とくぎを刺して身体検査を行う。続々と押し寄せるデモ参加者もすべて身分証明書を掲げて広場に入ってきた。体制側につけ込むすきを与えないための野党勢力側の知恵だ。上空には監視用の軍ヘリが低空で飛び回るが、広場に悲壮感はない。

「カム、カム、カム……」

小太鼓を打ち鳴らし、手をたたきながら若者たちがデモ参加を呼びかける。「お前(ムバラク大統領)が去るまで我々は去らない」

広場には大小無数のプラカードや横断幕が翻りシュプレヒコールが響く。若者だけでなく、民族衣装姿のお年寄りから女性や子供まで幅広い層が思いの丈を声に出す。

北部マンスーラから車で3時間かけて駆けつけたシェリーフさん(18)は「エジプトのために死にたい」と書いたプラカードを掲げた。2年前、警察から窃盗の疑いをかけられ、手ひどい扱いを受けた。今も頭や首に傷痕が残る。政府には怒りと絶望感を募らせていたという。「今こそ自由で民主的な国をつくるチャンスなんだ」と声をからす。

ごみを詰め込んだポンコツ車には「NDP(国民民主党)本部」との看板が掛けられていた。ムバラク体制を支えてきた巨大与党の本部を揶揄(やゆ)したものだ。道行く人々がツバを吐き、足で蹴った。

北部のデルタ地帯から初めてデモに参加した会計士、アハマドさん(50)は「ムバラクが出ていくまで私たちの生活は良くならない」と訴えた。

同広場には大勢のイスラム聖職者の姿もあった。イスラム教スンニ派最高権威機関アズハルの学生、ムハンマドさん(25)は「イスラムはすべての人々の政治参加を説いている。エジプトには自由で民主的な政治体制が必要」と静かに語った。

「ムバラクをつるせ」。誰かが叫ぶ。すると「ムバラクは兄弟だ。引退させればそれでいい」と応酬する。政権交代のあり方やムバラク氏の処遇などをめぐっては多様な意見があった。拡大する抗議デモや民衆に好意的な軍部、欧米からの民主化圧力にさらされた政権は「野党勢力との対話」を余儀なくされている。だが、デモ参加者は「ムバラク打倒」の一点で結集しながらも、それぞれが抱くエジプトの将来像は一様ではない。

午後4時半ごろから多くのデモ参加者が広場を離れ始めた。人々の表情に表現の自由を得た満足感とともに、疲労の色も浮かぶ。「平和的なデモの答えはどう出るのか」。多くの参加者の胸にはこんな思いが浮かんだに違いない。

◇失業、低賃金に不満 高率インフレ悲鳴 富の偏在、怨嗟の的

エジプトで高まる一方のムバラク大統領退陣要求の原動力は、高失業率や低賃金、大統領周辺への富の集中などへの強い不満だ。

「仕事」「自由」「国民」「尊厳」。カイロ・タハリール広場で、デモ参加者の政府への要求は4項目。筆頭は「仕事」だ。

「大学を出ても仕事がない」「給料が安い」。3割超ともいわれる高失業率に悩む24歳以下の若年層に話を聞くと、必ず飛び出す話題だ。同広場でデモに参加する大学生、マフムード・サラハディーンさん(23)は「まともな職が見つかる可能性は低い」と肩を落とす。

公務員の最低賃金は月約300エジプトポンド(約4200円)。賃上げ要求デモは昨春ごろから頻発し、今回の反政府デモの要求にも「最低賃金1200エジプトポンド(約1万6800円)へ引き上げ」が含まれていた。

仕事のない若者は、結婚資金集めにも苦労する。エジプトでは結婚に際し、男性側が住居や家具を用意する習慣がある。会社員のモハメド・サフワドさん(25)は「最低でも15万エジプトポンド(約210万円)はかかる。とてもためられない」とため息まじりに語った。

近年の経済成長は5%前後と比較的順調だが、インフレ率は年率10%前後と高い。砂糖やトマトなど国民が好んで口にする品目の値上がりも続く。騒乱が長引けば、生産や物流の混乱で品不足が悪化するのは必至だ。

日々の生活で苦闘する庶民の怨嗟(えんさ)の的になっているのが、大統領周辺で巨万の富を築いていた実業家たちだ。大統領の長男アラア氏は大実業家として知られる。また、デモ発生後に与党・国民民主党(NDP)から離党した鉄鋼王アハマド・エッズ氏も大統領の次男ガマル氏と近く、コネクションを駆使して国内鉄鋼市場の6割以上を占有するに至った。

29日には一部実業家の家族が私有ジェット機で大挙して出国したと報じられた。「やつらは国の富を独り占めする盗賊だ」。菓子職人のハニー・バハティーンさん(43)は吐き捨てるように言った。【カイロ和田浩明】

毎日新聞 2011年2月2日 東京朝刊



 
 
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エジプト:混乱 米、深まる困惑 民主化要求/大統領進退には不介入

【ワシントン草野和彦】大規模な反政府デモが続くエジプト情勢を巡り、米国はエジプト国民の声を反映する政権への「秩序ある移行」を求めている。だが、デモ勢力と同調して「ムバラク退陣」を公に支持することは避けている。「ムバラク後」を視野に入れつつも、急激な政権崩壊に伴う政治空白の混乱や、米国やイスラエルの意向に反する政権の誕生を警戒しており、困惑を深めているのが実情のようだ。

ギブス米大統領報道官は31日、エジプトには「変化」が必要だとしながらも、ムバラク大統領の退陣は「米国が決めることではない」と「不介入」の立場を強調した。「米国側の発言が(エジプトの)不安定な状況に拍車をかけないことが大事」だからだ。

米国の圧力でムバラク大統領が退陣すれば、政治空白が生まれ、それに乗じてイスラム過激派の勢いを増す可能性がある。オバマ政権の最大の懸念だ。「米国は混乱と暴力、秩序の崩壊を望んでいない」。ホワイトハウス高官は、毎日新聞の取材にこう語った。

オバマ政権が、エジプト情勢への対処に慎重なのは、一歩誤れば中東政策全般に重大な影響が及ぶと懸念しているからだ。ムバラク政権を早々に見放せば、他の親米政権の米国に対する不信感を招く恐れがある。

オバマ大統領とバイデン副大統領は先週末から31日にかけ、英国やイスラエル、トルコといった同盟国に加え、サウジアラビア、バーレーンの各指導者とも電話でエジプト情勢を協議。協力関係の維持も伝えたようだ。

一方でホワイトハウス高官は「(中東の)指導者たちは、国民の声に耳を傾ける必要がある」と指摘。エジプトのように手遅れにならないうちに、民主化を推進するように求めている。

毎日新聞 2011年2月2日 東京朝刊



 
 
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エジプト:新内閣、軍主導色濃く

【カイロ和田浩明】エジプトで31日発表された新内閣は、軍人出身の副大統領と首相、さらに国防相が副首相を兼任するという、国軍主導での治安維持と混乱収拾を意識した布陣となった。経済自由化志向の閣僚は排除され、ムバラク政権を背後で支えてきた国軍が、直接政治力をも発揮する舞台が整った。

スレイマン副大統領は軍情報畑から93年に情報長官に就任。シャフィク首相は元空軍司令官だ。タンタウィ副首相は91年から国防相を務めている。いずれも軍出身者ではムバラク大統領に最も近いとされる。国民に人気の国軍の権威を前面に押し出し、治安維持の意図を明示した形だ。

今回の騒乱では当初、治安部隊を擁する内務省が対応したが抑え切れず、大統領の指示で国軍が展開した。地元メディアによると、アドリ前内相がこれに反発、治安要員の引き揚げを命じたとの情報もある。

米国のエジプト研究者マシュー・アクセルロッド氏によると、国軍は内務省の暴力的な取り締まり手法には否定的とされる。今回、新内相には内務省系のマフムード・ワグディ氏が指名されたが、国軍側には、タンタウィ氏に副首相を兼任させることで大統領直下の幹部を国軍関係者でまとめ、内務省をけん制する意図がにじむ。

タンタウィ氏は「権力に執着を見せないタイプ」(エジプト軍に詳しい元外交筋)であることも、ムバラク氏が要職兼任を許容した背景にあると見られる。

一方、新内閣からは、経済自由化を推進し、国外脱出した大統領の次男ガマル氏と近い閣僚も姿を消した。内部告発サイト「ウィキリークス」が暴露した07年4月付の米公電は、エジプト人民議会(国会)議員の情報として、ガマル氏とスレイマン氏が対立していると指摘していた。今回、ムバラク大統領の指名で副大統領に就任したスレイマン氏が、ガマル派の影響力を排除した。

毎日新聞 2011年2月2日 東京朝刊



 
 
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エジプト:民主政権へ移行を EU、外相会議総括で言及

【ブリュッセル福島良典】欧州連合(EU、加盟27カ国)は31日にブリュッセルで開いた外相会議で、エジプトのムバラク大統領に対し「自由で公正な選挙」に向けた「民主的改革への秩序ある移行」を求める議長総括文書を採択した。反政府デモが始まって以来、EUとして政権の「移行」に言及したのは初めて。

EU筋によると、大統領の去就については一部加盟国から「退陣が望ましい」との声が出る一方、英仏などは「時間を与えるべきだ」と主張したという。アシュトン外務・安全保障政策上級代表(EU外相)は会見で「将来の指導者を決めるのはエジプト国民だ」と指摘、9月の大統領選挙を前倒しする必要があるか否かも「決めるのはEUの役割ではない」と述べるにとどめた。

大国エジプトが不安定化すれば、混乱が北アフリカ・中東全域に拡大する恐れがある。EUは「自由で公正な選挙」による民主化と、「EUのパートナーとしての安定したエジプト」を求め、つじつまを合わせた。

とはいえ、「自由で公正な選挙」がエジプトで実施されればイスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」の台頭が予想される。EUは「エジプトが過激主義者の手に落ちる事態」(ヘイグ英外相)を回避したいのが本音だ。

毎日新聞 2011年2月2日 東京朝刊



 
 
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ムバラク大統領支持派と反政府派衝突、 死者3人 負傷者600人超

2011.02.03 Thu posted at: 09:43 JST

カイロ(CNN) ムバラク大統領の退陣を求めるデモが続くエジプトの首都カイロ中心部のタハリール広場で2日、大統領を支持するグループがデモ隊と衝突した。国営ナイルテレビが保健相の話として伝えたところによると、この衝突で3人が死亡、639人が負傷した。また、これまで8日間のデモの死者数が300人に上ったとの情報もあるが、CNNではこの数字を確認できていない。

混乱は3日未明になっても収まる気配はなく、大統領反対派と支持派が石やコンクリートの塊、火炎瓶などを互いに投げ合ったり、殴り合ったりしている。銃声も鳴り響いている。平和的なデモに対し暴力を行使しないと宣言している軍は、介入することなく事態を静観している状況だ。

大統領支持派のうち、自発的に参加している者がどれだけいるかは不明だ。私服警官が関与しているとの情報もある。CNNは国営石油企業の社員3人から、抗議活動への参加を強要されたとの話を聞いた。しかし、政府当局はこうした疑惑を否定し、大統領支持派の行動は自発的なもので政府が組織したものではないと主張している。

カイロで取材に当たっているCNNのアンダーソン・クーパーは、大統領支持派に近づこうとした際に攻撃を受けたと報じた。中東の衛星テレビ局アルアラビアの記者らが襲われたという情報もある。

http://www.cnn.co.jp/world/30001688.html



 
 
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エジプト民衆デモへの暴力に、国外から非難の声

2011.02.03 Thu posted at: 11:18 JST

(CNN) ムバラク大統領の退陣を求めるデモが続くエジプトで2日、大統領を支持するグループがデモ隊と衝突し、3人が死亡、639人が負傷したと伝えられた。こうした状況を受け、エジプト政府の対応などをめぐり各国から非難の声があがっている。

米国のギブズ大統領報道官は、エジプト国民には変革が必要であり、移行を有意義なものとするためには反対勢力を取り込んで自由で公正な選挙を目指すべきだと主張。クローリー国務次官補(広報担当)は、「エジプト国民を暴力で脅すことはやめるべきだ。自制を強く求める」と述べた。

英国のキャメロン首相は「もし(ムバラク)政権が何らかの形で暴力を支援、許容していたとすれば、それは全く許されないことだ」と非難した。

ドイツのベスターベレ外相は、デモ隊に暴力を行使しないようエジプト治安部隊に呼びかけた。

サルコジ仏大統領は、フランスは自由で民主的な多様性社会を求めるエジプト国民を支援すると述べた。

国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長は、カイロでの暴力は「受け入れられない」とし、「秩序ある平和的な移行」の重要性を訴えた。

イスラエルのネタニヤフ首相は、30年以上にわたり同国との和平関係を支えてきたムバラク大統領が去った後の政権に懸念を示している。

チュニジアの政変に端を発した民衆デモは、エジプト以外の中東各国にも飛び火している。ヨルダンのアブドラ国王は1日、改革要求のデモを受け、内閣のメンバーを更迭し、新首相を任命した。シリアでもフェイスブックで同様のデモが呼びかけられている。

イエメンでは、32年間権力を握っているサレハ大統領が2日、2013年の任期終了後は大統領選に出馬せず、息子への権力委譲もしないと発表した。



 
 
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米格付け大手2社、エジプト銀を格下げ

2011/2/3 1:15

米格付け大手のムーディーズ・インベスターズ・サービスとスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は2日、ナショナル・バンク・オブ・エジプトなどエジプトの銀行格付けをそろって引き下げた。今週に入りエジプトの信用格付けを引き下げたことを受けた措置。混乱の拡大による政府の銀行支援能力の低下や銀行資産の劣化の恐れを指摘した。

ムーディーズは5銀行の預金格付けを1〜2段階引き下げ、「Ba1(ダブルBプラス)」にそろえた。S&Pは2銀行の信用格付けをともに「ダブルBプラス」から「ダブルB」に1段階引き下げた。両社とも格下げ方向での見直しを継続する。(欧州総局)



 
 
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NATO、エジプトに平和維持部隊派遣も

2011/2/3 1:47

【ワシントン=大石格】米政府筋は2日、オバマ政権が北大西洋条約機構(NATO)加盟国とエジプトへの国連平和維持隊の派遣が必要かどうかの協議を始めたことを明らかにした。米軍は在留米国人の保護のために海兵隊を派遣済みだが、国連平和維持活動(PKO)にはエジプト政府の要請が必要だ。



 
 
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大統領派と衝突で1人死亡 エジプトデモ、600人以上負傷

2011/2/3 6:35

【カイロ=共同】エジプト保健省は2日、首都カイロ中心部タハリール広場で起きた反政府デモの野党勢力と大統領支持派の衝突で、女性1人が死亡、約610人が負傷したことを明らかにした。国営テレビが報じた。

一方、衝突があった広場近くでは同日夜、ツタンカーメン王の黄金の仮面などを収蔵するエジプト考古学博物館に向け、近隣のビルから火炎瓶のようなものが複数投げ付けられたが、博物館には届いておらず、被害は出ていない。

死亡した女性は広場近くの橋から転落した。衝突は日没後に終息したが、同日夜になっても野党勢力の一部が広場に残っている。現場のデモ参加者によると、大統領支持派も再び集結する動きがあるという。



 
 
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日本人カメラマンが負傷 エジプト、大統領支持派が暴行

2011/2/3 7:05

【カイロ共同】エジプトのムバラク大統領の即時辞任を求める反政府デモの野党勢力と大統領支持派が衝突したカイロ中心部のタハリール広場周辺で2日、日本人の男性フリーカメラマン2人が大統領支持派から暴行を受け、1人が顔などに軽傷を負った。

AP通信によると、ほかにも米CNNテレビの著名キャスターやAPの記者らが大統領支持派から暴行を受けたほか、ベルギーの記者が治安当局に身柄を拘束された。

大統領支持派は別の日本人カメラマンに「おまえたちが『革命、革命』と騒ぎ立てるのでこんなことになった」などと叫んでおり、外国が反政府デモをあおっているとの認識があるとみられる。

負傷したカメラマンの知人によると、カメラマンは40歳代後半で、同広場周辺で大統領支持派に隠していたカメラが見つかり、約20人に取り囲まれ鉄パイプで殴られたり、蹴られたりした。もう1人の日本人は大統領支持派の男から、いきなり頭部を木の棒で殴られたが、けがはなかったという。



 
 
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国民の亀裂表面化、大統領派に危機感 エジプトのデモ衝突

2011/2/3 10:19

【カイロ=松尾博文】ムバラク大統領の退陣を求める抗議デモが続くエジプトで2日、反体制派と大統領支持者が衝突した。大統領が再選断念を表明したにもかかわらず、反体制派はあくまで即時退陣を求める構え。大統領支持者の行動には抗議デモの高まりに対する政権側の危機感が見え隠れする。国民の間に生じた亀裂は事態の収拾を一段と難しくしている。

大統領支持者のデモは1日から首都カイロや北部のアレクサンドリアで始まった。1日は小規模だったが、大統領が同日夜、次期大統領選挙への不出馬を表明。2日のカイロのデモは参加者が数千人に増え、「大統領よ、あなたが必要だ」などのスローガンを叫んだ。

デモは政権が組織したとの見方がある。AFP通信は、参加者に100エジプトポンド(1400円)を支払っているとの目撃証言を伝えた。反体制派がタハリール広場で拘束した複数の大統領支持者は、政権与党である国民民主党(NDP)の党員証を持っていたという。

デモには反体制派のデモに危機感を強める大統領派の存在感を示す狙いがあるとみられる。反体制派の中心拠点となりつつあるタハリール広場を制圧し、抗議デモの勢いをそぎたいとの思惑が過激策に走らせた可能性もある。

反体制派は大統領の再選断念を評価せず、政府との対話は「即時退陣を条件」とする構え。イスラム教の休日で金曜礼拝のある4日に再び大規模デモを呼びかけている。反体制派は2日の衝突について「政府は恐怖心をあおろうとしている」(エルバラダイ前国際原子力機関=IAEA事務局長)と反発を強めている。

首都中心部で起きた衝突は、内戦さながらにバリケードを築き、国民同士が憎しみをぶつけ合う様子が衛星テレビを通じて詳細に伝えられた。今回の衝突に刺激を受けて、双方の行動が激しさを増す恐れがある。



 
 
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エジプト衝突、米国務長官が原因の徹底調査要求

オバマ大統領、ヨルダン国王と電話会談

2011/2/3 10:38

【ワシントン=弟子丸幸子】クリントン米国務長官は2日、エジプトのスレイマン副大統領に電話し、ムバラク大統領支持派と反体制派の衝突が起きた背景の徹底調査と責任の所在の追及を求めた。エジプト政府が大統領派を動員したとの見方を踏まえたもの。ギブズ大統領報道官は同日の記者会見で「もし暴力を扇動したのが政府ならば、ただちに停止すべきだ」と強調した。

一方、オバマ大統領は同日、ヨルダンのアブドラ国王と電話会談し、エジプト情勢について協議した。エジプトの民主化運動がヨルダンを含めて中東全域に影響を与えているため、対応を話し合ったとみられている。

ギブズ報道官は記者会見で「ムバラク大統領には自分がどのような人物であるかを世界に示すチャンスがある」と語り、ただちに政権移行のプロセスに着手するよう求めた。



 
 
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イスラエル、エジプトのイスラム原理主義台頭に警戒

首相、軍備増強を示唆

2011/2/3 10:47

【ドバイ=太田順尚】イスラエルのネタニヤフ首相は2日、エジプトのムバラク大統領が再選断念を表明したことを受け、「イスラエルの力を強めなければならない」と述べ、軍事力増強に乗り出す可能性を示唆した。戦略上の重要な友好国であるエジプトで、イスラム原理主義勢力が主導権を握ることへの強い警戒感を改めて示した。

議会での演説で述べた。同首相は、エジプトにどのような政権ができても1979年に両国が締結した平和条約を尊重することを期待すると語り、中東でイスラエルを承認する数少ない国であるエジプトの戦略的重要性を強調した。

その上で、イスラエルと敵対するイランやレバノン、パレスチナ自治区ガザではイスラム勢力が民主的手段で主導権を握ったものの、民主的に運営されていないと警告。イランが「エジプトを(イスラエルと敵対するイスラム原理主義組織ハマスが主導する)ガザのようにしたがっている」と強い警戒を示した。

同首相は「この不透明な状況下で安定や安全を維持するには、力を強めなければならない」と述べた。



 
 
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エジプト・カイロ日本祭り中止 大規模デモが交流に影響

2011/2/3 11:40

ムバラク大統領支持派と反体制派の衝突などエジプト国内の混乱が続く中、同国と日本の交流事業などにも影響が出始めた。日本文化を紹介するイベントが中止となり、遺跡発掘もストップ。関係者は「早く混乱が落ちついてほしい」と祈っている。

3月上旬に、カイロ郊外ギザのスフィンクス前広場などで開かれる予定だった「エジプト・カイロ日本祭り2011」は中止が決まった。安全が確保できない可能性があるためだ。

祭りで和太鼓演奏を披露する予定だった「豊山太鼓千響」の木村量興さんは「率直に言って残念」。すでに船便で太鼓を送ってしまっており、「しばらくは返ってこないでしょう」。イベントを企画した日本通運の担当者は「来年以降の実施を検討したい」と話す。

考古学者の吉村作治・早稲田大学名誉教授は1月20日から約40日間を予定していたカイロ近郊などでの遺跡発掘事業で、調査隊員4人を帰国させた。

吉村教授は「カイロ中心部から離れているため危険性はさほど感じないが、何が起こるか分からない」。混乱が落ち着き発掘を再開できるのは秋ごろとみる。

カイロと姉妹友好都市の提携を結んでいる東京都。4月末から都の主催で14歳以下の「東京国際ユース(U−14)サッカー大会」を開催予定で、招待状を昨年末にカイロの窓口に送ったものの現時点では正式な参加表明はないという。

カイロ選抜は2009年、10年と連続出場し、10年は3位の強豪。都の担当者は「政治の混乱が子供達のスポーツ交流に影響するのは避けてほしい」と話す。



 
 
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エジプト衝突、死者3人 さらに発砲で4人死亡の情報

大統領支持者と反体制派の対立激しく

2011/2/3 7:56 (2011/2/3 13:36更新)

【カイロ=松尾博文】エジプトのカイロ中心部で2日発生したムバラク大統領支持者と反体制派の衝突で、エジプト保健省は3人が死亡、600人超が負傷したと発表した。その後、大統領派が3日未明に発砲し反体制派4人が死亡したとの報道もある。ムバラク大統領の即時退陣を求める抗議デモは国民同士の衝突に発展、エジプト情勢は混迷を深めている。

スレイマン副大統領は2日夜、反体制派との対話を早急に開始する必要性を訴え、そのためにデモ終結を求めた。一方、反体制派側は衝突に政権が関与していると批判。反体制派指導者の一人であるエルバラダイ前国際原子力機関(IAEA)事務局長は2日、「警察が関与している証拠がある」と述べた。

衝突は2日午後、反体制派が抗議デモのために集まっていた中心部のタハリール広場に、馬やラクダに乗った大統領支持者がなだれ込む形で始まった。中東の衛星テレビ局アルアラビーヤは反体制派を広場から追い出すことが目的と伝えた。

殴り合いや投石が起こり、日没後も夜間外出禁止令を無視して続いた。何者かが火炎瓶数発を投げつけ、一部は広場に面するエジプト考古学博物館の敷地内で炎上した。威嚇発砲の銃声も響いた。

何者かが広場周辺のビルから火のついた布を群衆に投げつけ、自動車を燃やすなど深夜まで不安定な状態が続いた。ロイター通信は病院関係者の話として1500人以上が負傷したと報じた。

タハリール広場には1月25日の抗議デモ開始以降、反体制派が連日結集。広場には軍部隊が展開しているがデモには介入することはなく、これまで比較的平穏にデモが続いてきた。今回の衝突でエジプト情勢は新たな局面に入った。



 
 
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エジプト、にらみ合い続く イエメンでは最大のデモ

2011/2/3 20:12

【カイロ=松尾博文】ムバラク大統領に対する抗議デモが続くエジプトで、反体制派が4日に大規模デモを実施する。大統領に即時退陣を迫る構え。大統領支持者と反体制派の衝突で多数の死傷者が出た首都カイロでは3日も両派のにらみ合いが続いた。イエメンでも同日、サレハ大統領の退陣を求めるデモに過去最大規模となる2万人以上が参加した。

カイロ中心部のタハリール広場では3日未明、大統領支持者による発砲で少なくとも4人が死亡、2日からの衝突での死者は7人となった。軍部隊が両者の間に緩衝地帯を設置し、3日午前の段階で衝突は起きていない。しかし、大統領支持者がナイフなどの武器を持って集まっており、至近距離でのにらみ合いが続いている。

反体制派は4日、イスラム教の金曜礼拝後に大規模デモを計画、大統領府への行進を呼びかけている。大統領支持者の襲撃に反発する反体制派は大統領退任を求める動きを強めている。穏健派イスラム原理主義組織のムスリム同胞団は3日の声明で政権打倒を明言。政府が呼びかける対話には大統領退陣まで応じない姿勢を改めて示した。

一方、イエメンの首都サヌアでは3日、野党勢力がサレハ大統領の即時退陣を求めて大規模デモを実施した。南北イエメン時代を含め30年以上大統領職にある大統領は2日、2013年の大統領選への不出馬を表明したが野党は納得していない。エジプトの抗議デモに呼応する形でデモが拡大している。



 
 
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FAO食料価格指数、2カ月連続で最高値 1月

2011/2/3 20:22

【ジュネーブ=藤田剛】国連食糧農業機関(FAO)が3日発表した2011年1月の食料価格指数は前月比3.4%高の230.7ポイント(02〜04年=100)となり、過去最高値を更新した。7カ月連続で前月を上回り、この間の上昇率は37.2%に達した。特に乳製品や油糧種子、砂糖の値上がりが目立つ。中国などの新興国で消費が拡大する一方、天候不順などで生産が伸び悩んだ。

FAOは「食料価格への上昇圧力は依然として強く、数カ月間は高水準で推移する」と予測。食料価格の上昇は新興国のインフレに拍車をかけており、貧困層の生活を圧迫してエジプトやチュニジアの騒乱の一因になっているとされる。

食料価格指数は穀物、食肉、砂糖、乳製品、油糧種子の国際取引価格からFAOが毎月算出している。これまでは食料危機が懸念された08年6月が過去最高値だったが、10年12月にこれを更新した。FAOは11年1月から食肉価格の算出方法を変更し、過去にさかのぼって指数全体も改定。新指数では、11年1月に過去最高値を更新したことになる。

1月の品目別の指数を見ると、南半球で生産が減っている乳製品が前月比6.2%高、新興国で需要が急拡大する油糧種子が5.6%高となった。砂糖は5.5%高、穀物は2.9%高で、食肉のみが横ばいだった。

食料価格の上昇は、今年フランスで開催する主要8カ国(G8)と20カ国・地域(G20)の首脳会議(サミット)で重要議題となる予定。4日にはディウフFAO事務局長とルメール仏食料・農業・漁業相がローマで会見を開き、詳細を説明する。



 
 
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エジプトの国連職員、350人退避へ

2011/2/3 20:27

【カイロ=共同】AP通信によると、国連キプロス平和維持軍の報道官は3日、エジプトに駐在している国連機関の職員350人が同日から、キプロスかアラブ首長国連邦(UAE)のドバイにチャーター機で退避することを明らかにした。

一部はエジプトに残るが、その他の職員と家族は退避。キプロスでは家族も含めて約600人を収容するホテルを準備しているという。



 
 
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エジプト首都で衝突再燃 デモ隊と大統領派、発砲も

2011/2/3 22:48

【カイロ=松尾博文】ムバラク大統領の支持者と反体制派の衝突で多数の死傷者が出たエジプトの首都カイロで3日、衝突が再燃した。軍部隊が両派を引き離す措置をとったものの互いに投石をやめず、同日午後には発砲を伴う衝突となった。イエメンでも同日、サレハ大統領の退陣を求めるデモに過去最大規模となる2万人以上が参加した。

エジプト政府は水面下で野党指導者との接触を始めたが、反体制派が計画する4日の大規模デモを前に情勢は緊迫している。カイロ中心部のタハリール広場では大統領支持者による発砲などで2日から3日にかけ少なくとも7人が死亡した。衝突を静観してきた軍は3日に入り戦車を使って両派を分ける緩衝地帯を設けた。しかし、中東の衛星テレビ局アルアラビーヤによると、同日午後広場には激しい銃声音が一帯に響いた。犠牲者の有無などは不明。

反体制派は4日、イスラム教の金曜礼拝後に大規模デモを計画、大統領府への行進を呼びかけている。穏健派イスラム原理主義組織のムスリム同胞団は3日の声明で政権打倒を明言した。

一方、スレイマン副大統領やシャフィク首相が3日、一部野党の代表や抗議デモ指導者と接触。憲法改正に向けた対話を開始した。

AP通信によると、このほかスレイマン副大統領はムバラク大統領の次男、ガマル氏が次期大統領選に出馬しないとの見通しを示した。



 
 
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エジプト中銀、6日から銀行業務再開

2011/2/3 23:04

【カイロ=共同】ロイター通信によると、エジプトの中央銀行は3日までに、反政府デモによる混乱で1月30日以降停止していた国内の銀行業務を6日から再開することを明らかにした。

資金を国外に退避させる動きも予想され、各行では大量の資金が必要になるとみられるが、中央銀行は十分な供給が可能としている。

同様に1月30日から停止している証券取引は7日に再開の予定だが、取引時間が短縮される見通し。



 
 
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イエメンでも2万人デモ 大統領の即時退陣要求

2011/2/3 23:07

【ドバイ=太田順尚】イエメンの首都サヌアなどで3日、サレハ大統領の即時退陣を求める大規模なデモがあり、過去最大規模となる2万人以上が参加した。AFP通信によると、南部アデンでは警官がデモを阻止しようとし、デモ参加者2人が負傷。エジプトの抗議デモに呼応する形で抗議の動きが広がっている。

野党勢力は3日を「怒りの日」と名付け、過去最大規模のデモを呼びかけていた。参加者らは「政権交代を」「独裁にノー」などと叫び、大統領の即時退陣を要求。アデンでは警官が催涙ガスを使用し、威嚇射撃を行った。サヌアでは、親大統領派によるデモも行われたが、衝突や死傷は伝えられていない。

イエメンはアラブ最貧国とされ、チュニジア政変後デモが頻発。政府は公務員給与の引き上げや減税などを打ち出したものの、南北イエメン時代を含め30年以上大統領職にあるサレハ大統領の長期独裁に批判が向いた。大統領は2日、事実上2013年の大統領選に出馬しない意向を表明したが、野党は納得せず、予定通りデモを行った。

イエメンは、北部のイスラム教シーア派反政府勢力との衝突や、南部の分離独立運動などを抱える一方、近隣国からイスラム過激派が流入し、国際テロ組織アルカイダの拠点となっている。そうした中、米国などの支持を背景にサレハ大統領が進める治安対策には国内でも一定の評価があるとされ、抗議行動が拡大するかどうかは不透明だ。



 
 
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欧州5首脳、ムバラク大統領即時退陣求め共同声明

2011/2/3 20:23 (2011/2/3 23:35更新)

仏サルコジ大統領、独メルケル首相、英キャメロン首相、イタリアのベルルスコーニ首相、スペインのサパテロ首相の欧州5カ国首脳は3日、連名でエジプトのムバラク政権に対し、「試練を乗り越えるには、迅速で秩序だった政権移行しかない」との声明を出した。国連の潘基文事務総長も同日、ロンドンでの記者会見で、「多くの人々が政府の改革を求めている。早ければ早いほどいい」と語り、速やかで平和的な政権移行を求めた。

5首脳は声明で「エジプトの政治危機を悪化させる暴力を使うすべての人々を糾弾する」と批判した。欧州連合(EU)のアシュトン外交安全保障上級代表も同日、「死傷者を生んだ責任者は裁判にかけられるべきだ」との声明を発表。「市民を守るのは軍の責任だ。ジャーナリストに向けられた脅迫や攻撃は受け入れられない」などとした。(パリ=古谷茂久)



 
 
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日経平均、反落で始まる 主力株に利益確定売り

2011/2/3 9:03

3日の東京株式市場で日経平均株価は反落で始まった。前日に200円近く上昇したが、この日は目新しい買い材料が乏しく、トヨタやホンダ、ソニーなどの主力株に利益確定目的の売りが先行した。政情不安の続くエジプトで2日、デモ隊と大統領派が衝突するなど混乱が収まらず、買いを見送る投資家も多いという。〔日経QUICKニュース〕



 
 
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日経平均、反落で始まる エジプト情勢受け買い見送り

2011/2/3 9:12

3日の前場寄り付きの東京株式市場で日経平均株価は反落して始まった。前日終値を20円程度下回る1万0400円台前半で推移している。前日に200円近く上昇したが、この日は目新しい買い材料が乏しく、トヨタやソニーなどの主力株に利益確定目的の売りが先行した。政情不安の続くエジプトで2日、デモ隊と大統領派が衝突するなど混乱が収まらず、買いを見送る投資家も多いという。

2日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸したが、上げ幅はわずかで、ナスダック総合株価指数は小反落した。米国株の動きが鈍かったため、東京市場でも買いを見送ろうという空気が広がっている。円相場が1ドル=81円台半ばで高止まりしていることも、輸出関連株への重荷になっている。

東証株価指数(TOPIX)も反落で始まった。

前日に2010年4〜12月期決算を発表したパナソニックが安い。ファナックが売られ、三菱UFJが下げた。半面、エルピーダが買われ、ファストリが高い。高岳、富士電HDも上昇した。〔日経QUICKニュース〕



 
 
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日経平均、小幅安で推移 好決算が下支え

2011/2/3 10:11

3日の前場中ごろの東京株式市場で日経平均株価は小安い水準で推移している。円相場が1ドル=81円台半ばに高止まりしており、トヨタやソニーなど輸出関連の主力株に利益確定目的の売りが目立つ。日本企業の2010年4〜12月期決算がおおむね良好なため、売り急ぐ投資家はみられないが、3日は香港や上海などアジアの主要株式市場が春節(旧正月)に伴う休日で休場のため、外国人投資家の動きが鈍いという。

10時時点の日経平均は前日終値を20円程度下回る1万0440円近辺だった。政情不安の続くエジプトで2日、デモ隊と大統領派が衝突するなど混乱が収まらず、模様眺めを決め込む投資家は多い。ただ、次世代送電網(スマートグリッド)関連銘柄の一角などを物色する動きは活発で、個人など目先筋の買い意欲は根強いという。

10時現在の東証1部の売買代金は概算4510億円、売買高は同6億878万株。東証1部の値下がり銘柄数は892、値上がりは541、横ばいは225だった。

東証株価指数(TOPIX)も小安い。

ファナック、パナソニック、キヤノンが売られ、みずほFG、三菱UFJが安い。半面、ファストリが買われ、東芝、三菱電も高い。大崎電が上昇し、エルピーダも上げた。

東証2部株価指数は小動き。ラピーヌ、ニフティが高い。半面、ソディック、山洋電が安い。〔日経QUICKニュース〕



 
 
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日経平均、午前終値24円安 エジプト混乱で模様眺め

2011/2/3 11:14

3日前場の東京株式市場で日経平均株価は反落した。前引けは前日比24円58銭(0.24%)安の1万0432円78銭だった。前日に200円近く上昇したが、この日は目新しい買い材料が乏しく、トヨタやホンダなどの主力株が利益確定目的の売りに押された。政情不安の続くエジプトでは2日にデモ隊と大統領派が衝突するなど混乱が収まらず、模様眺めを決め込む投資家も多い。

円相場が1ドル=81円台半ばに高止まりし、輸出関連株の重荷になった。日本企業の2010年4〜12月期決算がおおむね良好なため、売り急ぐ投資家はみられなかったが、3日は香港や上海などアジアの主要株式市場が春節(旧正月)に伴う休日で休場のため、外国人投資家の動きが鈍いという。欧州の金融政策の行方を占う上で注目される欧州中央銀行(ECB)理事会の開催を現地時間3日に控え、「積極的に動きにくい」(明和証券の矢野正義シニア・マーケットアナリスト)との声も聞かれた。

東証1部の売買代金は概算6905億円、売買高は同9億2107万株。東証1部の値下がり銘柄数は867、値上がりは596、横ばいは196だった。

東証株価指数(TOPIX)は小反落。

ファナック、リコーが売られ、三菱UFJ、三井住友FGも下げた。パナソニック、シャープが安い。半面、ソニー、日立、三菱電が買われ、三井物も高い。ファストリが急伸し、富士電HD、大崎電も上昇した。

東証2部株価指数も小幅に反落した。山洋電、FDKが安い。半面、ニフティ、セルシスが高い。〔日経QUICKニュース〕



 
 
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国連事務総長・英首相が懸念表明…エジプト情勢

【ロンドン=大内佐紀】潘基文(パンギムン)国連事務総長とキャメロン英首相は2日、英首相官邸で会談後、記者団に対し、反体制派とムバラク大統領支持派が衝突したエジプト情勢について、強い懸念を表明した。

事務総長は「エジプトでの暴力を憂慮する」と述べ、「平和なデモへの攻撃は許されない」と政権側を暗に非難した。首相も、「仮にエジプトの政権が武力行使に関与しているとすれば、許されることではない」と述べた。

(2011年2月3日00時40分 読売新聞)



 
 
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エジプト、大統領側が実力行使か…混乱激化も

【カイロ=長谷川由紀】エジプトの首都カイロ中心部で2日、ムバラク大統領の即時退陣を求める反体制デモ参加者と大統領支持派の市民が衝突したことで、ムバラク退陣を巡る同国の混乱は新たな局面を迎えた。

反体制派は、大統領を支持する警察など体制側が実力行使に出たとみており、今後、一般市民を巻き込んだ対立が激化する恐れが出てきた。

衛星テレビ「アル・アラビーヤ」は、ムバラク政権与党「国民民主党」(NDP)が2日、国営テレビ職員に対し、大統領を支持するデモに参加するよう呼びかけていたと報じた。地元メディアなどによると、衝突現場となったカイロ中心部のタハリール広場では、複数の反体制デモ参加者が「ムバラク支持のデモ隊には、私服警官が交じっていた」と語った。

(2011年2月3日10時26分 読売新聞)



 
 
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エジプト衝突、米「政府扇動ならすぐ停止を」

【ワシントン=山口香子】ギブス米大統領報道官は2日の記者会見で、エジプトで反体制派とムバラク大統領支持派が衝突し、多数の負傷者を出したことについて、オバマ政権として「非道な暴力を強く非難する」と表明。

さらに、「(エジプト)政府が暴力を扇動しているなら、すぐに停止すべきだ」と述べた。

クローリー米国務次官補(広報担当)によると、クリントン国務長官は2日、エジプトのスレイマン副大統領と電話会談し、デモ隊に対する暴力を捜査し、責任者を処分するよう働きかけた。

(2011年2月3日10時51分 読売新聞)



 
 
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外国人記者ら、大統領支持派が襲撃…エジプト

【カイロ=田尾茂樹】AP通信などによると、エジプトで衝突を取材している外国人の取材記者らが2日、大統領支持派に相次いで襲撃され、一部の記者らは警察に逮捕された。

うち1人は、米CNNテレビの人気キャスター、アンダーソン・クーパー氏で、同氏は2日、カイロのエジプト考古学博物館近くで取材中、頭を10回ほど殴られた。けがはなかった模様。一緒にいたスタッフも殴られ、テレビカメラが壊された。

また、AP通信や米ABCテレビ、英BBCテレビなどの記者らも暴行を受けたという。また、ロイター通信によると、イスラエル人の記者4人がカイロで、外出禁止令に違反したとして警察当局に逮捕され、ベルギー人記者1人もスパイ容疑で逮捕された。

(2011年2月3日11時54分 読売新聞)



 
 
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エジプト衝突、3人死亡…負傷1500人報道も

【カイロ=田尾茂樹】エジプトの首都カイロで2日に発生した、ムバラク大統領の即刻退陣を求める反体制派のデモ参加者と大統領支持派との衝突で、保健省は、3人が死亡、639人が負傷したと発表した。

ロイター通信は、医療関係者の話として、負傷者数は1500人以上と報じた。

3日未明(日本時間3日午前)に入ってからも、首都中心部のタハリール広場には両派がとどまっており、同通信などが目撃情報に基づいて伝えたところでは、大統領支持派の側から反体制派に対し、自動小銃によるとみられる銃撃があった。これで、新たに4人が死亡したとの情報もある。

大統領支持派のデモは政府が組織するとみられ、同派が巻き返しを図っている可能性がある。反体制派は、大統領支持派に私服警官が交じっていると批判したが、内務省はこれを全面否定している。大統領支持派のデモは、北部アレクサンドリアでも行われた。

(2011年2月3日13時53分 読売新聞)



 
 
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エジプト大統領派が反体制派に発砲か

【カイロ=田尾茂樹】エジプトの首都カイロ中心部で2日に発生した、ムバラク大統領の即時退陣を求めるデモ参加者と大統領支持派の市民との衝突は3日も続き、AFP通信などによると、死者は計7人、負傷者は1500人以上に上った。10人が死亡したとの情報もある。

混乱が続く中、国営テレビは同日、スレイマン副大統領が野党勢力との対話を行ったと伝えた。

中心部のタハリール広場では、3日も、双方が投石を行った。広場にはなお反体制派の数千人がとどまっている。3日午後には、大統領支持派が広場の反体制派に向けて発砲した模様だ。

大統領支持派のデモ隊が広場に向かったため、衝突の拡大を避けようとする軍は戦車で大統領支持派の広場突入を阻止し、両派の引き離しを図った。

(2011年2月3日22時02分 読売新聞)



 
 
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エジプトのデモ隊を襲撃 数百人けが 政権関与の説

2011年2月3日1時27分

【カイロ=貫洞欣寛、玉川透】エジプトの首都カイロ中心部で2日午後2時(日本時間午後9時)すぎ、ムバラク大統領の即時退陣を求めてタハリール広場でデモを続けていた野党勢力を、大統領支持を訴えるグループが包囲し、襲撃した。投石やこん棒、火炎瓶を使った大規模な衝突となり、数百人が負傷した模様だ。

ムバラク大統領は1日夜のテレビ演説で9月の大統領選に出馬しないことを表明したが、即時辞任は否定。これに対し、野党勢力は即時辞任を求め、イスラム教の集団礼拝がある4日に再び大規模なデモを呼びかけていた。デモのさらなる拡大を阻止するため、ムバラク政権が襲撃に関与したとの指摘が相次いでいる。

ムバラク大統領の即時退陣を求める野党勢力の「100万人行進」が前日に開かれたタハリール広場には、2日も即時辞任を求める数千人がとどまっていた。複数の目撃者が朝日新聞の取材に語ったところによると、ムバラク派が広場を包囲。内部にいた野党勢力の人々の脱出を許さず、投石などで攻撃を続けた。衛星テレビ局アルアラビアは、同局の記者が襲われた、と報じた。

目撃者の一人は、広場内で投石して野党勢力のデモ隊に包囲された私服の男が「自分は警官だ。勘弁してくれ」と叫ぶのを見た、と語った。衛星テレビ局アルジャジーラは、デモ隊を襲った男が警察官の身分証明証を持っていたと報じた。内務省は私服警官の関与を否定している。

タハリール広場周辺には2日朝からムバラク派が広場に現れ、緊張感が高まっていた。カイロ中心部の国営テレビ周辺やカイロ西部モハンデシーン地区などではこの日、ムバラク氏支持を訴える人々が続々と集まり始めていた。午後2時ごろにはモハンデシーン地区などから数千人のムバラク派がタハリール広場に徒歩で向かい、騒乱に加わった。エジプトでは、貧困層に金銭を配って動員する官製デモが以前から起きており、ムバラク派の行動も、同様に動員された可能性がある。

タハリール広場周辺から制服警官は撤収しており、代わりに配置されているエジプト軍は2日夕現在、衝突を制止せず静観を続けている。威嚇射撃をしたのではとの情報もある。

エジプトの民主化運動指導者で国際原子力機関(IAEA)の前事務局長エルバラダイ氏は「これはエジプトに対する犯罪だ」と政権を批判した。

カイロでは2日朝、ムバラク支持デモへの参加を呼びかける差出人不明の携帯メールが一斉に発信され、政権側の巻き返しが始まったとみられていた。

現場で騒乱を目撃した政府系シンクタンク、アハラム戦略研究センターのナビール・アブドルファッタル研究員は朝日新聞に「前日から、このようなことが起きる兆候が見えていた。体制エリートによってカネで雇われた貧しい人々や犯罪者らが、体制を維持するために暴れている」と指摘した。

タハリール広場に面し、「ツタンカーメンの黄金のマスク」などが所蔵されているエジプト考古学博物館に対し、火炎瓶が投げ込まれたとの情報もある。



 
 
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ムバラク大統領支持者が発砲、4人死亡 エジプト

2011年2月3日12時48分

中東の衛星テレビ局アルアラビアによると、ムバラク大統領支持者と反政権派のデモ隊が衝突しているエジプトの首都カイロ中心部で3日未明、大統領支持者がデモ隊に対して発砲し、4人が死亡した。数人が負傷している。



 
 
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米「非道な暴力、強く非難」 エジプト政権に圧力強める

2011年2月3日11時4分

【ワシントン=望月洋嗣】エジプトでの衝突で多数の死傷者が出たことについて、ギブズ米大統領報道官は2日の会見で「非道な暴力を強く非難する」と述べた。また「エジプト政府が暴力を引き起こしたなら、すぐにやめるべきだ」とし、ムバラク大統領支持派による暴力を強く牽制(けんせい)した。

ギブズ報道官は米国がエジプトに圧力をかける手段として、軍事費などの援助見直しに再び言及。今回の暴力にムバラク政権が関与している場合は、削減を検討する考えを示した。また、「今こそ移行の時だ」とし、ムバラク大統領に退陣を改めて迫った。

一方、米国務省によると、クリントン国務長官は2日、エジプトのスレイマン副大統領と電話会談し、今回の暴力事件に関する捜査と、責任者の処分をするよう求めた。国務省高官は暴力事件に責任があるのは「政府の支持者であることははっきりしている」と指摘。「エジプト政府内には、野党勢力の反政府デモを最終的にしのげるという考えがあるようだが、それは誤った認識だ」と述べた。



 
 
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外国記者、次々襲われる ムバラク氏支持派がスパイ扱い

2011年2月3日12時10分

【ワシントン=望月洋嗣】エジプトの首都カイロなどで取材中の外国メディアの記者らが2日、ムバラク大統領支持者に「外国のスパイ」などとして相次いで襲撃や取材妨害を受けた。

米CNNによると、人気キャスターのアンダーソン・クーパーさんら同社のスタッフ3人がカイロで取材中に襲われ、殴られた。また、米ABCの記者らが乗った車が群衆に取り囲まれ、車のガラスを割られた。英BBCなどのスタッフも襲われたという。

アラブ首長国連邦ドバイを拠点とする衛星テレビ局アルアラビアは事務所を襲撃され、記者の一人が病院に搬送されたという。



 
 
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ムバラク大統領派がデモ隊襲撃 死者7人 発砲も

2011年2月3日13時56分

【カイロ=前川浩之、貫洞欣寛】ムバラク大統領の即時退陣を求めるデモが続いていたエジプトの首都カイロのタハリール広場や広場周辺で3日未明、大統領支持者が野党勢力のデモ隊に発砲し、4人が死亡した。衛星テレビ局アルアラビアが伝えた。エジプト保健省によると、2日のムバラク派のデモ隊襲撃では少なくとも3人が死亡、負傷者は600人以上に上った。

デモ隊は3日未明になっても広場の中央部や周辺にとどまり、ムバラク派とにらみ合いを続けた。広場の北にあるエジプト考古学博物館周辺では石や火炎瓶を投げるなどの小競り合いが起き、3日未明には断続的に銃声が響いている。広場周辺に展開している軍は介入を控え、静観している。

スレイマン副大統領は2日夜、国営テレビを通じ、「対話をするために、デモ行動の中止を求める」とする声明を発表。事態の沈静化を図った。国営テレビはムバラク派のデモに参加した人たちの声を繰り返し報道。「ムバラク大統領は国を愛している」「エジプトに安定をもたらすのはムバラク大統領だ」とのインタビュー映像を流し続け、平静を取り戻すよう呼びかけている。

今回の襲撃には、政権側の関与がちらつく。ムバラク派のデモには、馬やらくだに乗って棒を振り回し、野党勢力を攻撃する人たちが多数いた。大規模デモにより観光客が激減し、不満を強めていたギザのピラミッドの観光客向けのらくだ乗りらが参加したとみられる。

ギザ近郊に住む関係者が朝日新聞に明らかにしたところでは、2日朝、地元の与党議員がギザを訪問。「観光客が来ないのは、野党勢力のデモのせいだ」として襲撃への参加を促した。100エジプトポンド(約1300円)の報酬も渡したという。

襲撃を受け、野党勢力側はデモのための再結集をフェイスブックなどを通じて訴えている。最大野党勢力のムスリム同胞団は3日、スレイマン副大統領とシャフィク首相を認めないとの見解を発表。イスラム教の集団礼拝がある4日の金曜日を次のデモの山場とみており、ネットでつながる若者主体の「4月6日運動」は「我々の良心こそ最大の武器だ」などとする声明を発表、さらなる連帯を訴えている。



 
 
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エジプト:反政府デモ イラン、米介入を警戒 次期政権、イスラム系望む

【テヘラン鵜塚健】エジプト情勢を巡る米国の「介入」にイランが神経をとがらせている。オバマ米政権がムバラク大統領退陣を事実上求め、次期政権をみすえて動き出したことを強く警戒。引き続きエジプトとの盟友関係を築きたい米国と、イスラム色の濃い親イラン政権への移行を望むイランとの間で、今後綱引きが激しくなる可能性もある。

「元大使を派遣するなど、エジプト国民をかく乱するような試みは、エジプトやイスラム世界の人々の怒りと憎悪を招くだけだ」。イラン外務省のメフマンパラスト報道官は2日、ウィズナー元駐エジプト米大使がムバラク大統領と接触し、エジプト内政に「介入」したことに不快感を示した。

エジプト情勢に関し、イラン政府は当初、静観を続けていた。しかし、ムバラク政権が不安定化するに従い、今後をにらんだ米国側の発言、動きが相次ぐ中、次第にいら立ちを見せている。

イラン国会のラリジャニ議長も1日、「(米国が)エジプト国民を自由にすれば、彼らは本当の民主主義を生み出すだろう」と発言。クリントン米国務長官が先に、ムバラク政権に対して「イランのような『えせ民主主義』ではない真の民主主義への移行」を求めたことへの反論だった。

イラン国営通信によると、イラン国会は1日、エジプトでの反政府デモを支持する決議を採択。

決議文では、欧米諸国やイスラエルがエジプト国民を妨害していると非難した。

イランでは今月1日から11日までが、イスラム革命(79年)を記念する重要な期間に当たる。

イラン政府は、エジプトなど中東諸国で起こる反政府デモを「イランと同様のイスラム主義を求める市民革命」と位置づけ、反米姿勢を強調することで、国威発揚と国民の引き締めにつなげたい狙いもある。

毎日新聞 2011年2月3日 東京夕刊



 
 
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エジプト:反政府デモ 北朝鮮市民も携帯で情報入手−−当局ピリピリ

【ソウル大澤文護】米政府系の自由アジア放送(RFA)は2日、北朝鮮国内で、エジプトの大規模反政府デモに関する情報が携帯電話を通じて広まっていると報じた。同放送によると、北朝鮮事情に詳しい米国人事業家は「海外に滞在する北朝鮮関係者が、国内の家族や知人に知らせ、その情報が携帯電話で北朝鮮各地に広まった」と話した。また、この事業家は、昨年、金正日(キムジョンイル)総書記から三男正恩(ジョンウン)氏への権力継承方針を明らかにした北朝鮮当局が長期独裁を続けてきたムバラク政権の動向に「極めて神経をつかっていると感じられる」とも語った。

北朝鮮では相当数の住民が携帯電話を持ち、国外情報を入手しているといわれる。一方、韓国の聯合ニュースは「海外にいる北朝鮮関係者が、100%盗聴されている電話を使い、家族に、海外の反政府デモの情報を伝えるとは考えにくい」という脱北者の疑問の声も紹介している。

毎日新聞 2011年2月3日 東京夕刊



 
 
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エジプト:デモ隊衝突 オバマ大統領、強く暴力非難

【ワシントン草野和彦】エジプトで起きたデモ隊の衝突について、ギブス米大統領報道官は2日、オバマ大統領が暴力を強く非難していることを指摘したうえで、「もし暴力が(エジプト)政府によって扇動されているのならば、すぐにやめるべきだ」と警告した。

クローリー米国務次官補(広報担当)は2日、クリントン長官がエジプトのスレイマン副大統領に電話し暴力の責任を明確にするよう求めたことを明らかにした。一方でギブス報道官らは2日、ムバラク大統領の即時退陣には言及しなかった。

毎日新聞 2011年2月3日 東京夕刊



 
 
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エジプト:反政府デモ 7人死亡、1500人負傷 大統領派が発砲か

【カイロ樋口直樹】エジプトの首都カイロで2日発生したムバラク大統領の即時退陣を求める反大統領派デモ隊と大統領支持派の衝突は3日に入り激化、デモ隊が集まる市中心部のタハリール広場で大統領支持派からの発砲があった模様だ。ロイター通信によると、発砲で反大統領派4人が死亡し13人が負傷した。他の衝突で死亡した3人を含め、両派衝突での死者は7人となった。スレイマン副大統領は2日、野党勢力との対話の条件としてデモ参加者に帰宅と夜間外出禁止令の順守を求めたが、数千人が同広場周辺で夜を明かした。

ロイター通信が病院当局者の話として伝えたところでは、両勢力合わせて1500人以上が負傷した。

米CNNなどは、3日未明に「激しい銃撃音が続いている」と報じている。各メディアは大統領支持派側が発砲したとの見方だ。

広場周辺では、両派が火炎瓶や石を投げ合い、周辺の建物の一部が引火した。ツタンカーメン王の黄金マスクなどを収蔵するエジプト考古学博物館に向けても火炎瓶のようなものが投げられたが、博物館側は「被害はない」としている。また、大統領支持派の暴行で取材中の外国メディアの記者にも負傷者が出た。

◇「もう十分」割れる民衆

【カイロ樋口直樹】「私は昨日まであちら(反ムバラク大統領派)側にいた。でも、これ以上の混乱は望まない」。タハリール広場で地元紙記者のマフムード・カラハさん(33)は2日、大統領支持派の中に身を置いた。「我々の要求を受け入れ、大統領は昨夜、不出馬表明した。混乱を収拾すべき時だ」と言う。

一口に大統領支持派と言っても内実はさまざま。現政権下で甘い汁を吸ってきた取り巻きから、退役軍人、大統領の安定した政治手腕を評価する人々まで幅広い。私服の治安関係者が含まれているとの情報もある。だが、カラハさんのように、事態収拾のために“転向”した人もいる。

2日、タハリール広場に集まった大統領支持派は数千人。広場中心に陣取る約1万人の反大統領派を囲み、「帰れ、帰れ」とシュプレヒコールを続ける。無職のアル・アフマドさん(27)は「大統領の任期終了まで数カ月。このままでは働くこともできない」と訴える。

射撃場勤務のマフムード・アリさん(24)によると、ムバラク氏の不出馬表明に広場のデモ隊の反応は二つに割れた。「多くは即時辞任を求めて不満を口にしたが、是認した人も少なくなかったはずだ。私も『もう十分だ』と思った」と話す。

一方、反大統領派側には「今すぐ辞任させなければ、9月の大統領選までにどんな巻き返しがあるか分からない」との不信感もある。

毎日新聞 2011年2月3日 東京夕刊



 
 
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エジプト:反政府デモ ムバラク派が乱入 衝突で負傷者多数

【カイロ樋口直樹】エジプトのムバラク大統領(82)の次期大統領選(今年9月予定)への不出馬表明から一夜明けた2日、首都カイロの中心部でムバラク氏の即時退陣を求めるデモ隊と大統領支持派のデモ隊が衝突し、多数の負傷者が出た。

ロイター通信などによると、午後3時(日本時間同日午後10時)ごろ、中心部のタハリール広場に結集していた反政府勢力に対し、大統領支持派のデモ隊がむちや棒を持って突入。支持派の中にはラクダや馬に乗った者もいた。一部は私服警察官との情報もあるが、ワグディ内相は警察の関与を否定した。国軍は衝突に関与していない。

ムバラク氏の大統領選不出馬表明を受け、国軍は2日、デモ参加者に「通常の暮らし」への復帰を呼びかける声明を発表していた。また、カイロや北部のアレクサンドリア、スエズの計3都市で同日、「午後3時〜翌朝8時」とされてきた夜間外出禁止令の適用時間が「午後5時〜翌朝7時」に短縮。カイロでは遮断されていたインターネットの接続が回復するなど、政権側は「締め付け」を緩和する構えも見せていた。

一方、反政府勢力はイスラム教の金曜礼拝のある4日に全土で新たな大規模デモを計画している。ムバラク氏に批判的な国際原子力機関(IAEA)前事務局長、エルバラダイ氏が4日までにムバラク氏の退陣を要求するなど、「即時退陣」を求める声は根強い。

欧米諸国は早期の権力移譲をムバラク氏に求めているが、エジプトのアブルゲイト外相は2日、「内政干渉」だとして要求を拒否する声明を出した。

チュニジアの政変に端を発した中東民主化の波は「アラブの盟主」を自任するエジプトをのみ込み、拡大の様相を呈している。

20年に及ぶ強権支配を続けるイエメンのサレハ大統領は2日、2013年予定の次期大統領選への不出馬と、息子への権力継承を行わない考えを示した。同国でも大統領の即時退陣を求める抗議行動が続いていた。

毎日新聞 2011年2月3日 東京朝刊



 
 
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エジプト:「ムバラク時代」終焉 行方は国軍次第

ムバラク・エジプト大統領の次期大統領選不出馬表明で、30年に及ぶ強権体制は終焉(しゅうえん)し、「ムバラク後」を見据えた動きが加速する。デモを展開してきた反政府グループや現政権の屋台骨である国軍は今後どう出るのか。市民が望む「民主化」をかなえる新指導者は登場するのか。混迷する「アラブの盟主」の行方を検証した。【カイロ和田浩明、樋口直樹】

ムバラク大統領の次期大統領選への不出馬宣言から一夜明けた2日。カイロのタハリール広場には数千人が残り、即時退陣要求を続けていた。無職のアブアンマルさん(45)は「政権の抑圧装置は機能中だ。9月の大統領選まで待てば報復が始まる」と語り、「ムバラクを辞めさせるのが肝心」と述べた。反政府側は当面、デモを継続するとみられる。

一方、同日朝はカイロ市内の複数地点で数百〜数千人のムバラク支持者もデモを展開した。支持派のタクシー運転手、サイード・イブラヒムさん(46)は「大統領はデモ隊の望みをかなえようとしている」と語り、デモ隊を「裏切り者だ」と批判した。

また、デモに参加しない一般市民には不安の声も聞かれる。少数派のキリスト教徒のビデオ編集者、ムニールさん(30)は「変革は歓迎だけど、ムバラクが今去れば国が混乱する。イスラム原理主義者が出てくるかも」と懸念する。それぞれの立場によって、大統領不出馬宣言の受け止め方も違っているのだ。

米国が望む「秩序ある移行」を実現するには、国軍の動向が鍵。騒乱後に副大統領、首相、副首相の要職を確保し、不出馬宣言にも影響力を行使した形跡がある。元陸軍少将で、アハラム政治戦略研究所の軍事問題専門家、ムハンマド・カドリ・サイード氏は「軍は今、国民を保護する側に回っている。今後、反政府側の要求を大統領に伝える役割を果たすのでは」と分析した。

◇大統領選候補、高まる関心

ムバラク政権の終焉が確実になったことで、次期大統領選候補と目される顔ぶれに関心が集まっている。ムバラク大統領が事実上の後継候補として副大統領に据えたオマール・スレイマン前情報長官(75)に対し、反政府デモに参加したモハメド・エルバラダイ前国際原子力機関(IAEA)事務局長(68)▽アムル・ムーサ・アラブ連盟事務局長(74)▽野党「ガッド党」の創設者、アイマン・ヌール氏−−らの名前が挙がっている。

スレイマン氏は情報機関のトップとして、複雑な中東和平交渉や対テロ対策に従事。米国の信頼が厚く、イスラエルとも太いパイプを持つ。軍部が大統領候補として重視する軍歴を持っていることも強みだ。現政権の中枢にいただけに、政権の継続性を嫌う人々からの受けはよくない。

スレイマン氏の対極にいるのがエルバラダイ氏だ。ムバラク政権と厳しく対峙(たいじ)するが、国際的な知名度とは裏腹に国内基盤は強くない。カイロ出身ながら国外での生活が長く、欧米的な価値観はエジプトの伝統的な価値観と一致しないところもあるといわれる。

エジプトやアラブ諸国の人気では、ムーサ氏が抜群だ。01年にアラブ連盟の事務局長に就任。前回05年の大統領選挙時にも有力候補として名前が挙がったが、立候補を見送った。人気の理由は、米国やイスラエルへの率直な批判姿勢にある。

ガッド党のヌール氏は若手を代表する指導者として知名度が高く、米国とのパイプも持つ。宗教勢力と一定の距離を置き、政教分離を掲げている。

最大の野党勢力は穏健派イスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」。慈善事業などで高い組織力を誇る。

◇9月大統領選、出馬資格緩和か 野党、憲法改正を要求

ムバラク大統領は、野党側が求める憲法改正に応じる姿勢を示している。焦点は、大統領選挙の立候補資格規定(76条)と多選可能規定(77条)だ。

エジプトの大統領候補として名前が挙がる野党側のエルバラダイ氏、与党側のスレイマン副大統領は、現在の憲法では立候補が困難。憲法76条によると、政党所属候補の場合、5年以上存続し、人民議会(国会)か大統領の助言機関の諮問評議会に3%以上の議席を有する政党の幹部を1年以上務めている必要がある。無所属の場合は、国政、県政レベルの議員250人以上の支持を得る必要がある。

憲法改正要求のもう一つの焦点は、多選禁止規定の導入だ。77条が大統領の任期を6年と定めているが上限はなく、ムバラク長期政権につながった。

改正の発議は大統領か国会議員の3分の1の賛成で行われる。さらに、国会での予備審議で2分の1、本審議で3分の2の賛成を得て国民投票にかけられる。

野党勢力は立候補規定緩和など憲法改正を要求、政府側も応じる姿勢。中東の衛星放送アルアラビーヤによると、人民議会(国会)のスルール議長は2日、「70日以内の(改正)完了が可能」と語っている。

毎日新聞 2011年2月3日 東京朝刊



 
 
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エジプト:反政府デモ 解放広場、民衆熱く メッセージ投げかけ

1月25日にエジプト国内各地で始まった反政府デモは日を重ねるごとに規模が拡大し、長期戦の様相を呈してきた。うねりの発信源はカイロ中心部のタハリール広場。アラビア語で「解放」を意味するこの場所は、面積が東京ドームとほぼ同じだという。拳を突き上げる大人たち=写真<中>=に交じって、子供たちも思い思いの言葉と仕草でメッセージを投げかけている。

最近、日本でも流行中のブレイブボードを乗りこなす少女が振るのはエジプト国旗<下>。体を左右にくねらせ得意げな様子だ。地面に広げた国旗の上で少年はプラカードを掲げ<上>、ミルク片手の赤ん坊は「(ムバラク大統領)ゲット・アウト(出ていけ)」と背中で語る<上>。腹が減っては戦はできぬ。弁当片手に熱心に語り合う男女のひざ元で、抱かれた子供がうとうと<下>。夢見ているのはエジプトの明るい未来か。【朴鐘珠】(写真はいずれもAP)

毎日新聞 2011年2月3日 東京朝刊



 
 
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エジプト:反政府デモ 東京大大学院・山内昌之教授、日本大・横田貴之准教授の話

◇中東長期政権に警鐘−−山内昌之・東京大大学院総合文化研究科教授

エジプトは歴史的にもアラブ世界の中心的存在で、政治、経済、外交、安全保障面でも軸となってきた故に、ムバラク大統領の不出馬表明の衝撃の大きさは言うまでもない。

アラブ世界には、大統領を置く共和制と国王らのいる君主制が併存するが、大統領はむしろ終身的な世襲王制の特徴を持ちエジプトはその代表だった。

君主制国家では国王の世襲や終身制は正統性を持つが、共和国の大統領の終身化などは本来あり得ない。エジプトでは、非常事態令の延長などでムバラク氏の統治が約30年続いた。この権力の集中と永続性は異常である。さらに次男ガマル氏に権力を継承させようとした。シリアでは、アサド親子の権力継承で約40年の支配が続いている。

いま、アラブで存続した独裁体制に終止符が打たれようとしている。衝撃的余波は、エジプト以上に抑圧的支配を徹底してきたリビアやシリアにも及ぶのではないか。歴史と民主化の流れは避けられない。少なくとも、政権の長期化と世襲化に対する大きな警鐘となり、各国首脳は非常に警戒しているはずだ。長期の独裁という意味ではイエメンも激変する可能性が高い。

王制国家は、その土地の人々により承認され支えられてきた歴史を持つが、こういう時代になると、王制的支配への懐疑心が湾岸諸国を中心に生まれるかもしれない。特に地元出身の国民は少なく、出稼ぎ労働者らが市民権を取得して国民になるケースも多く、差別や所得格差への不満が引き金となることはあり得る。

市民に抑圧を強いてきた国は、エジプトの影響を恐れているだろう。サウジアラビアはその一つかもしれない。権力の継承ルールも不安定で、一部の王族による腐敗や利益の不当な取得があり、貧困層への利益配分がなされていない。深刻な影響は免れないと思う。

エジプト国内では、(事実上の野党である)イスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」がイスラム政治の極端な主張を抑えながら、国際的にも安心感があるエルバラダイ前国際原子力機関事務局長と組む形で、次の人民議会選挙では、2、3割の支持を得て政治の重要なファクターになるだろう。

トルコの与党・公正発展党(AKP)は、「世俗主義と議会制民主主義」という国是を尊重し欧米と協調しながら、イスラム主義を世俗主義体制と共存させている。外交ではイランともイスラエルとも友好的な「ゼロプロブレム外交」を展開している。新生エジプトがこうした現実感覚を持つことを国際世論は期待しているのではないか。【聞き手・田中龍士】

◇収束には即時退陣必要−−横田貴之・日本大准教授(中東地域研究)

米欧が「ポスト・ムバラク」で動く中、ムバラク大統領が退陣せざるを得ないのは半ば既定路線と言える。だから、このタイミングで次期大統領選への不出馬を表明しても、遅きに失した感は否めない。即時退陣と、民主化に向けた大幅な譲歩が示されない限り、事態は収束しないだろう。

エジプトでは過去にも数回、反政府運動が盛り上がりを見せたことはある。この際は「引き際」を熟知する政治勢力メンバーが運動をけん引したから、いずれも尻すぼみに終わった。

しかし、今回は大学生ら世俗派の若者たちが主役だ。経済成長の恩恵を受けられず、高い失業率に苦しめられて、不満は鬱積していた。

昨年11月の人民議会選挙では野党を推す声が完全に封じ込められ、もはや通常の手段で政治的な意思を表明するのは不可能と悟った。そこにチュニジアの政変が起きて触発された。インターネットを通じて抗議の声が拡大する一方で、実は(政治的な駆け引きに慣れた)ムスリム同胞団など野党勢力は当初、静観の構えを見せていた。これほどの動きになるとは想定していなかったのだ。

「ポスト・ムバラク」の人選としては、エルバラダイ氏が筆頭だ。エルバラダイ氏を早くから支持するムスリム同胞団のウェブサイトでは最近、米国を意識した発言が目立ち始めており、早くも「政権運営」を意識しているかのようだ。詳細は不明だが、これまでに締結した国際条約・協定を「尊重する」との書き込みまである。同胞団では世代交代がみられ、改革派や現実派の発言力が増しており、裏方としてエルバラダイ氏を担いで支持を集める狙いのようだ。

ただ、ムバラク大統領という「共通の敵」を失い、自由選挙が実現するとなれば、野党勢力がエルバラダイ氏の下に結集するとは考えにくい。各党が動き出し、多数の候補者が乱立する事態になるかもしれない。【聞き手・前田英司】

毎日新聞 2011年2月3日 東京朝刊



 
 
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エジプト:ムバラク大統領引退「勧告」 米、混乱恐れ方針転換

◇「新生エジプト」関係模索

【ワシントン草野和彦】アラブ社会で約30年にわたって米国の盟友だったエジプトのムバラク大統領に、オバマ米政権は1日、事実上の「退陣勧告」を突きつけた。これまでムバラク氏に対する立場表明に慎重だったオバマ政権だが、「変化」を求めるエジプト国民の圧倒的な声に引きずられ、同氏が今後も長く政権の座に居座れば、かえって混乱を招くと判断したようだ。ただオバマ大統領は「エジプトの将来に関する疑問はうやむやのまま」と述べ、不安を抱えた決断だったことを認めている。「新生エジプト」との関係構築はこれから手探りで取り組むことになる。

「秩序だった移行は今、始めなければならない」。オバマ大統領は1日の声明で、民主的な政権に移行する取り組みにすぐに着手するよう、ムバラク氏に求めたことを明らかにした。対照的にエジプト国軍の冷静な対応をたたえ、エジプトの若者に「声は聞こえている」と語りかけた。

オバマ政権筋や米メディアによるとムバラク氏との電話協議や声明発表を決めたのは、ムバラク氏の不出馬演説を聞いた後だった。

演説に先立ち、オバマ政権の「特使」であるウィズナー元駐エジプト米大使が、ムバラク氏と向き合っていた。9月の大統領選に関し、ムバラク氏と後継者と目されていた次男ガマル氏が出馬しないことを促すと同時に、9月を待たずに退陣することも議論された。

だがムバラク氏が演説で表明したのは、自身の不出馬だけだった。オバマ大統領は、クリントン国務長官ら安全保障担当チームとホワイトハウスの危機管理室で演説とエジプト国民の反応を見守った後、次の対応を協議。アラブ社会全体に広がる抗議行動も踏まえた上で、ムバラク氏との電話協議に臨んだ。

ここに至るまでの米国の対応は、早すぎる事態の展開を把握することで精いっぱいだったのが実情だ。先月30日、クリントン長官が初めて「秩序だった移行」に言及した後も、ホワイトハウス高官は「(長官が求めたのは)移行政権を意味しない」と述べ、ムバラク政権と国民の自主性を重んじていた。移行体制が整わないままにムバラク政権が崩壊し、政治空白が生じることを恐れたからだ。

31日、エジプトの屋台骨の国軍が反政府デモ参加者には武力行使しないと発表したころから潮目が変わり、ムバラク政権が長期間持つことはないと感じたようだ。ただ、ウィズナー氏が1日にムバラク大統領に会う直前までムバラク氏に伝えるメッセージは決まっていなかったといい、オバマ政権のしゅんじゅんぶりがうかがえる。

オバマ政権は今もムバラク氏の即時退陣までは求めていないが、同氏退陣を訴える前国際原子力機関(IAEA)事務局長のエルバラダイ氏に接触。改革派の指導者らを取り込み、軍部の支持を得た移行政権を模索していると伝えられる。

とはいえ、移行政権や新政権がこれまで同様、米国の同盟国イスラエルとの協力関係を維持するのかなど不透明な部分は多い。ブルッキングス研究所のスティーブン・グランド氏は、現在の動きを「中東の新たな夜明け」と位置付け、今後5〜10年間は米国が取り組む課題になるとみる。

毎日新聞 2011年2月3日 東京朝刊



 
 
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エジプト:反政府デモ 両派石投げ合い血まみれ、一帯で銃声

【カイロ和田浩明】エジプト・カイロでは2日、ムバラク大統領の即時退陣を求めて市中心部タハリール広場に集まっていたデモ隊に大統領支持派が事実上の「攻撃」を仕掛け、流血の惨事となった。市中心部ではこん棒などを持った両派の数万人が入り乱れ、相手方を激しく殴打。路面からはがしたコンクリート片や石を投げ合い、血まみれの負傷者が仲間に抱えられ次々と後方へ運ばれている。市中心部では煙も上がっている。

AP通信によると、反政府側デモ隊約1万人が集結していたところに、大統領支持派約3000人が襲いかかった。馬やラクダに乗り、手にむちや棒を持って襲いかかった支持派もいたが、反政府側参加者に馬上から引きずり下ろされ、路上で激しく殴打された。

一帯では時折、銃声が響き渡っており、兵士が事態沈静化のために空へ向けて発砲しているとの情報がある。

毎日新聞 2011年2月3日 東京朝刊



 
 
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エジプト:反政府デモ ムバラク大統領、米の威借り国民締め付け

【カイロ樋口直樹】約30年にわたりエジプトを率いてきながら、大規模な反政府デモを受けて次期大統領選への出馬を断念したムバラク大統領。第4次中東戦争(73年)の「英雄」として、81年に暗殺されたサダト大統領の後を継ぎ、イスラム過激派との対決や米イスラエルとの良好な関係で、治安の安定や国際的な地位向上を図ってきた。こうした光の陰では治安重視の強権政治がまかり通り、政治腐敗や経済の停滞によって最後には前例のない大規模反政府デモで大統領職の断念に追い込まれた。

熱狂的演説や派手な振る舞いでエジプト国民の心をつかんだ前任のナセル、サダト大統領と異なり、ムバラク大統領は地味な存在だった。大統領が最も頼りにしたのは、米国との強力な同盟関係だった。国民に根強い反イスラエル感情にもかかわらず、同国との和平を忠実に守ったのも、イスラエルの安全を重視する米国の中東戦略に沿ったからだ。

見返りは巨額の援助と政権への後ろ盾だ。安定した治安と高い国際的な地位は対外的にはエジプトの名声を高めたが、国民の不満は募る一方だった。不満には強力な治安機関で対処した。野党や一般市民への取り締まりにも容赦なく、エジプトの暗部を形成した。

今回の反政府抗議デモに際しても、ムバラク氏は米国の強力な後ろ盾で乗り切るつもりだったとみられる。だが、行き過ぎた人権侵害や民主化の遅れは米国でも覆い隠すことができなかった。

毎日新聞 2011年2月3日 東京朝刊



 
 
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エジプト:反政府デモ 板垣雄三・東京大名誉教授の話

◇「パレスチナ抑圧」への批判−−板垣雄三・東京大名誉教授(中東イスラム研究)

今回のエジプトでの大規模な反政府デモは、チュニジア政変の影響との指摘もあるが、実際には04年ごろからムバラク退陣と「タグイール(変革)」を求める運動が公然と表れており、タグイールへの思いは民衆の間で共有されていた。

背景として大きいのは、パレスチナ問題におけるエジプトの立ち位置の問題だ。(反イスラエル抵抗闘争の)第2次インティファーダ(00年)が目の前で鎮圧され、「9・11」(01年)を境にアフガニスタン、イラクでの戦争が展開される。08年にはイスラエルのガザ侵攻でパレスチナ人が多数犠牲になった。そういう流れの中で、イスラエルと特殊な関係を結び、協力する国のあり方への批判が、民衆の間にたまってきていたと考えるべきだ。

エジプトは、ウラービー大佐が率いる革命が自由と独立のエジプトを目指したが、英国につぶされて植民地化された(1882年)。しかし、エジプト人の民族意識は勃興していく。英国からの独立を目指して全土で民衆蜂起した1919年革命を経て、英仏イスラエル軍の侵攻を失敗させ「タハリール(解放)」を実現したスエズ動乱(1956年)という歴史、エジプト人が持つ愛国感情の文脈で見ると、ムバラク政権は「自由と独立」でなく、米国やイスラエルと一緒になって、パレスチナ人やイスラム教徒を抑圧する側になってしまったと映るのだ。ムバラク政権は、エジプトの近現代史上の迷妄の時代というのが一般の人の感覚ではないか。

今回の動きを、日常生活などへの不満の破裂とのみでとらえるべきではない。【聞き手・服部正法】

毎日新聞 2011年2月3日 東京朝刊



 
 
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[FT]頭の痛いリスクのパズル 最後の1片は地政学

2011/2/4 0:00

(2011年2月3日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

グローバルな投資家はこの4年間、21世紀の金融界がそれまで無視してきた様々な種類のリスクについて厳しい補習講座を受けてきた。まず、2007年にサブプライムローンが焦げ付いた時、バンカーたちは「信用リスク」の概念を再発見した。

■地政学リスクに直面する投資家

次に、2008年にリーマン・ブラザーズが破綻すると、市場参加者は再び「流動性リスク」と「カウンターパーティーリスク」に慣れることになった(言い換えれば、金融機関が資金を調達できなかったり、取引相手を信用できなかったりする時に生じる問題のこと)。

その次に、投資家は「ソブリンリスク」に見舞われた。昨年、西側諸国の政府が発行する債券が常に安全な投資先であるとは限らず、ユーロ圏でさえ安全と言い切れないことがはっきりしたからだ。

そして今、ニューヨークのヘッジファンド、コンビナトリックス・キャピタルのCEO(最高経営責任者)、ロバート・ジェンキンズ氏によれば、投資家は「このパズルの最後の1片である地政学リスク」に直面している。

具体的に言えば、エジプトの混乱が勢いを増すのを見て、市場は今、政治紛争や政変は時として全く予想しなかった方法で勃発する、ということを思い出しているのだ。「(リスクに関する)補習講座の最後の授業にようこそ」とジェンキンズ氏。

■紛れ込んだ安心感払拭したエジプト動乱

エジプトの混乱は確かに、多くの投資家と銀行にとって警鐘となった。というのも過去数年間、市場による地政学リスクの値付けには一種の安心感が紛れ込んでいたからだ。この2年間で投資家が新興国の資産に熱心に飛びついたこともあり、新興国の地政学リスクについては特にその傾向が著しかった。

その結果、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場によって判断されるソブリン債のデフォルトリスクは、ブラジルやトルコなどの新興国の方がユーロ圏周縁国よりも低くなっていた。

実際、エジプト国債のCDS価格が最近、2倍に跳ね上がって約3.4%になる前(つまり市場が事実上の全面停止に陥る前)、一部の市場指標はエジプトがポルトガルなどよりも良い投資先だと示唆していた。

だが、それより微妙なもう1つの問題は、欧米の金融危機の規模と複雑さのせいで、多くの資産運用会社と銀行の担当者がほかのことに気を取られ、より深遠な地政学のトレンドについて熟考できなかったことだ。

「正直言って、我々は最近、地政学の研究にできる限り投資してきたとは言えない状況だ」。あるシニアバンカーは先週ダボスでこう認め、「債務担保証券(CDO)のようなものを理解するだけで手いっぱいだった」とジョークを飛ばした。

■拡大する政治的ドミノ倒し

その結果、エジプトで起きた出来事は大半の欧米人投資家の意表を突くことになった。実際、意外なあまり、世界最大級のヘッジファンドのトップがカイロの混乱を「アラブ世界のフラッシュクラッシュ」と呼ぶほどだ。2010年5月にアルゴリズムを使った取引プログラムの機能不全で、株価が突如、衝撃的な急落を見せた米国株式市場のフラッシュクラッシュになぞらえたものだ。

これは完璧な比喩ではない。米国のフラッシュクラッシュは1日しか続かなかったが、エジプトの情勢は何週間も続く可能性がある。

しかし、エジプトの混乱は米国市場のフラッシュクラッシュと同様に、大半の部外者にはとてつもなく不可解なプロセスのおかげで、突如どこからともなく勃発したように見えた(もっともエジプトでは、やはり米国のフラッシュクラッシュと同様に、内部関係者は長らく潜在的な問題について警告していた)。

どちらの出来事も「感染」の危険性を明らかにした。2010年5月のフラッシュクラッシュの最中に市場を震撼(しんかん)させたのは、近代金融システムの複雑な相互接続性を実は誰も理解していないという認識だった。一方、エジプトの激変は、アラブ世界全土であといくつ政治的なドミノ倒しが起きるのかという疑問を呼び覚ました。

■リスクに関する補習講座は続く

今のところ、投資家はまだ「封じ込め」が優位に立つ方に賭ける気でいるようだ。エジプトの株式市場は最初に混乱が発生した時に約14%急落したが、欧米市場は今週、大幅高を演じている。

しかし、1つ明白なのは、リスクを分析するアナリストたちが今、世界を概観する方法を見直しているということであり、地政学リスクの専門家の元にはにわかに問い合わせが殺到している。

新たに生まれた地政学リスクに対する関心は、アラブ世界だけに向けられているわけではない。あるリスクコンサルタントが先週ダボスで述べたように、投資家は一見「安定した」西側民主主義国に関する核となる仮定も見直している。これらの国々では、最近の金融危機がぞっとするような長期的な財政問題を生んだからだ。

「誰もが今、『もし仮にこうなったら』というシナリオを検討している」と、このコンサルタントは言う。リスクに関する補習講座はまだ終わっていないのかもしれない。

By Gillian Tett in New York

(翻訳協力 JBpress)



 
 
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親政府デモ参加、携帯で呼び掛け エジプト当局主導か

2011/2/4 0:56

【カイロ=共同】「本日午後、ムバラク支持のデモを行う」。エジプトの首都カイロで2日に死傷者を出した反政府デモ隊とムバラク大統領支持派の衝突で、当局が支持派デモに参加するよう携帯電話の短文通信、ショートメッセージサービス(SMS)で一斉に市民に呼び掛けていた疑いが浮上、携帯大手のボーダフォン(英国)が3日、抗議の声明を出した。

支持派には多数の警官が紛れ込んでいたとされ、衝突に当局が関与した疑いが出ている。

ボーダフォンなど主要な携帯会社の携帯には2日朝、「エジプトの愛国者」などを名乗る差出人から支持派デモに参加を呼び掛けるSMSが届いた。「正直で忠誠心がある男たちは犯罪者と戦え」などと書かれていたという。

ボーダフォンはこうしたSMSについて「受け入れられない」と当局に抗議している。



 
 
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米大統領「エジプトの暴力終結を祈る」

2011/2/4 1:10

【ワシントン=御調昌邦】オバマ米大統領は3日、キリスト教に関連した朝食会であいさつし、エジプトでムバラク大統領の支持者と反体制派の衝突で多数の死者が出ていることに関連し、「暴力の終結を祈る」と述べた。「エジプトの人々の権利や希望が実現し、より良い日々がエジプトと全世界に訪れることを祈る」とも指摘した。



 
 
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ロシア大統領、ムバラク大統領と電話協議

2011/2/4 1:19

【モスクワ=石川陽平】ロシア大統領府によると、メドベージェフ大統領は3日、エジプトのムバラク大統領と電話で協議し、カイロで続く政治混乱について、平和的、合法的に早急に解決するよう求めた。同時にカイロのロシア大使館と同地に滞在するロシア国民の安全確保も要請した。



 
 
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エジプト首相、デモ隊との衝突調査を約束

2011/2/4 1:29

【カイロ=花房良祐】エジプトのシャフィク首相は3日、デモ隊との衝突で死傷者が出た事態は「重大な誤りだ」と遺憾の意を表明し、事実関係を調査すると発表した。首相は「抗議活動をしている人々は守られねばならない」と述べた。ただ、大統領支持派のデモについては「計画されたものか否かは定かではない」と語り、政権側の関与は否定した。



 
 
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エジプト大統領選、9月までに実施 副大統領声明

2011/2/4 1:47

エジプトのスレイマン副大統領は3日午後(日本時間4日未明)、大統領選挙を9月までに実施することを明らかにした。



 
 
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「混乱恐れ退陣できず」 ムバラク氏が米テレビと会見

2011/2/4 6:13

【ワシントン共同】エジプトのムバラク大統領は3日、カイロで米ABCテレビと会見し「62年間の公職生活にうんざりしている」と述べる一方で「今辞めれば混乱が生じる」と指摘し、現時点では退陣できないとの考えを強調した。オバマ米大統領との電話首脳会談でも、即時退陣はできないと伝えたという。

ムバラク氏は、オバマ氏について「とても良い人だ」と述べる一方、電話会談でオバマ氏に「あなたはエジプトの文化を理解していない」と伝えたと語った。

反政府デモの拡大後、ムバラク氏が外国メディアとの会見に応じるのは初めて。

ムバラク氏は、大統領支持派と反政府デモ隊が衝突し多数が死傷する事態について「とても悲しい。エジプト人同士が戦うのは見たくない」と述べた。



 
 
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エジプト大統領支持メッセージ強要 英携帯大手が抗議

2011/2/4 6:44

【ロンドン共同】携帯電話大手の英ボーダフォンは3日、反政府デモが続くエジプト政府当局から、ムバラク大統領支持を促すメッセージの契約者への送信を強要されたと抗議する声明を発表した。

AP通信によると、メッセージは「誠実で忠実な者たち」に対し、「国民と名誉を守るため(反政府デモを続ける)反逆者と犯罪者に立ち向かう」よう大統領支持の集会への参加を求める内容。ボーダフォン以外の携帯電話会社からも同様のメッセージが契約者に送られたという。

メッセージは、エジプトの政府当局が作成し、デモが始まって以来、発信され続けている。



 
 
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エルバラダイ氏支持せず エジプト大統領選で最大野党

2011/2/4 7:26

【カイロ共同】エジプトの穏健派イスラム原理主義組織ムスリム同胞団の幹部アブデル・アブルフォトフ師(59)は3日、インタビューに応じ、ムバラク大統領に辞任を求める野党勢力を束ねる国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ前事務局長に関して「特定の人物を支持することはない」と述べ、大統領選の候補になっても支持しない考えを示した。

「誰もが候補になるべきだ」と強調。2005年人民議会選で定数454のうち88人を当選させるなど、事実上の最大野党であるムスリム同胞団も候補を立てる可能性があり、大統領辞任要求では利害が一致している野党勢力が「ムバラク後」をめぐりけん制し合う構図が浮かび上がった。

対米関係やイスラエルとの平和条約については「真にエジプトのためになるのか、議会で話し合うべきだ」と明言。条約破棄や親米路線の修正など、関係見直しも選択肢として示した。

ムバラク大統領が次期大統領選に不出馬を表明したことについては「権力にしがみつきたいだけだ」と断言、即時辞任をあらためて求めた。

大統領派と反政府デモ隊との衝突は大統領が仕掛けたと指摘。「真のエジプト国民なら、(市民同士の争いを扇動することで)国を壊して去るべきではない」と話した。



 
 
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早期の政権移行求める 独スペイン首脳会談、エジプト情勢で

2011/2/4 9:48

【パリ=古谷茂久】スペインのサパテロ首相とドイツのメルケル首相は3日、マドリードで会談し、エジプトのムバラク政権に対し早期の政権移行を求めることで一致した。会談後の記者会見でサパテロ首相は「エジプトは平和的な合意を経て早期に民主化すべきで、それはエジプトの政権の義務でもある」などと語った。メルケル首相は「エジプトにとって重要なことは、速やかに政治的な対話を開始することだ」と述べた。

またメルケル首相は「デモ隊に対する攻撃はいますぐに止めなければならない。エジプト政府はそのための責任を負っている」と話し、大規模デモに伴う混乱に懸念を示した。スペインと独、仏、英、イタリアの5カ国は3日、ムバラク政権に対し迅速な政権移行を求める共同声明を発表している。



 
 
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エジプト国債、フィッチも格下げ

2011/2/4 9:50

【ロンドン=共同】欧州系格付け会社フィッチ・レーティングスは3日、エジプト国債の格付けを1段階引き下げたと発表した。自国通貨建ては「BBプラス」、外貨建ては「BB」とした。いずれも投機的とされる水準。

フィッチは野党勢力と大統領支持派の衝突が続けば追加格下げの可能性があるとした。

今週に入って米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスとスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)がエジプト国債の格付けをそれぞれ1段階引き下げている。



 
 
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ヨルダン国王、同胞団幹部と会談 改革遅れ認め協調呼び掛け

2011/2/4 9:51

【エルサレム=共同】ヨルダン国営ペトラ通信によると、アブドラ国王は3日、首都アンマンで穏健派イスラム原理主義組織ムスリム同胞団や同胞団の政治部門の野党、イスラム行動戦線の幹部らと会談し「改革の歩みが遅く、つまずいている」ことを率直に認めた上で、政治・経済改革に向けた協調を呼び掛けた。

国王が同胞団の幹部と会談するのは異例。ヨルダンではエジプト騒乱などに触発された反政府デモが繰り返されており、事態の沈静化のため歩み寄りを図った形だ。

行動戦線のマンスール代表は先に、新首相に任命されたバヒート氏から新政権への参加を打診されたが、断ったことを明らかにしている。

国王は「政策決定への市民参加(の機会)を増やす政治改革」を進めるため、国民が協力して取り組む必要があると述べ、野党勢力が要望している選挙制度改革への意欲を示唆。「経済改革も政治改革なしでは実現できない」と強調した。国王は1日、国民の不満解消を狙ってリファイ首相を更迭したが、野党勢力はデモ継続を主張している。



 
 
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エジプト大統領支持メッセージ「強要」に抗議 英ボーダフォン

2011/2/4 9:57

【ロンドン=共同】携帯電話大手の英ボーダフォンは3日、反政府デモが続くエジプト政府当局から、ムバラク大統領支持を促すメッセージの契約者への送信を強要されたと抗議する声明を発表した。

AP通信によると、メッセージは「誠実で忠実な者たち」に対し、「国民と名誉を守るため(反政府デモを続ける)反逆者と犯罪者に立ち向かう」よう大統領支持の集会への参加を求める内容。ボーダフォン以外の携帯電話会社からも同様のメッセージが契約者に送られたという。

メッセージは、エジプトの政府当局が作成し、デモが始まって以来、発信され続けている。



 
 
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エジプト、外国人記者への襲撃・拘束相次ぐ

2011/2/4 10:10

【カイロ=花房良祐】ムバラク大統領への退陣要求デモが続くエジプトで外国人記者への襲撃や拘束が相次いでいる。AFP通信などによると3日、フランス人6人が当局に拘束されたほか、米CNNやロイター通信などのジャーナリストもカイロ中心部のタハリール広場で取材中に大統領支持者に暴行を受けた。当局の海外メディアへの圧力の一環とみられ、欧米はエジプト政府への批判を強めている。

大統領支持者は海外メディアがムバラク大統領に批判的だとして敵視している。タハリール広場周辺では海外メディアはホテルなどで部屋を借りて取材を続けているが、暴徒がホテルに侵入して外国人記者を探し回る姿も見られるという。ギリシャ人記者が凶器で足を刺されたとの目撃情報もある。

エジプトでは大規模デモが発生して以降、インターネットが規制されたり携帯電話が通じなくなったりするなど当局が情報操作を試みている。



 
 
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エジプト大統領「今辞任すれば混乱」 米テレビの取材に応じ

2011/2/4 10:46

【カイロ=花房良祐】ムバラク大統領は3日、米ABCテレビの取材に応じ「今辞任すれば混乱につながる」と話し、今年9月の任期満了まで務める意向を明らかにした。4日には大規模な抗議集会が計画されており「混乱か安定か」の選択肢を示すことで反政権派を分断し、抗議機運を沈静化させたい考えとみられる。スレイマン副大統領は、今後5〜10日以内に反政権側との対話を終え8月か9月に大統領選を実施したいとの日程案を示した。

一連のデモが発生してからムバラク大統領が外国メディアの取材に応じるのは初めて。大統領は「62年の公職生活にうんざりしている」と語り、権力に執着しているわけではないと強調した上で、混乱回避のためには当面なお職にとどまるべきだと考えているとした。

民主化圧力を強めるオバマ米大統領と電話協議した際に「私が今辞任したらどうなるか分かっていない」と反論したことも明らかにした。

これに先立ち、スレイマン副大統領は同日の国営テレビで、大統領選を「8月か9月に行う」と表明。憲法改正後に大統領選をするためには、野党勢力との対話は「5〜10日以内に終えなくてはいけない」とも述べた。

デモが始まった1月25日から100万人の旅行客が出国し、10億ドル(約820億円)の収入が失われたとした。騒乱の代償を示すことで日常生活への復帰を促した。

2月3日夜もカイロ中心部で反体制派数千人が泊まり込み、ムバラク大統領の退陣を求めた。銃声が散発的に聞こえたが負傷者の有無は不明。



 
 
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米国務長官、エジプト政府に野党側との即時交渉を要求

2011/2/4 10:57

【ワシントン=弟子丸幸子】エジプトでムバラク大統領支持派と反体制派の衝突が激化していることを受け、クリントン米国務長官は3日、記者団に「エジプト政府にただちに真剣な交渉を開始することを促す」と述べ、野党側との即時の交渉入りを要求した。デモ参加者や報道陣が攻撃対象となっている現状に関して「(市民を)守る責任は軍を含め、政府にある」と語り、ムバラク政権の対応を批判した。

クローリー国務次官補は同日の記者会見で、デモ参加者や記者が標的になったことは「偶然に起きたとは思わない」と言明。米政府はエジプト政府が大統領派の動員に関与している可能性があるとみて、ムバラク政権への不信感を強めている。

クリントン長官はエジプトのスレイマン副大統領が言及した「自由かつ公正」な大統領選挙の実施は「絶対不可欠だ」と指摘。「エジプトの人々が期待しているのは、具体的な変革を生み出すことだ」と語った。



 
 
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米政府、エジプト大統領の即時退陣を要求 米紙報道

2011/2/4 11:04

米紙ニューヨーク・タイムズは3日付電子版で、オバマ米政権がエジプトのムバラク大統領の即時退陣と、スレイマン副大統領が率いる与野党相乗りの暫定政権樹立に向け同国政府高官と協議に入ったと報じた。一方、ムバラク氏は今年9月の任期満了まで職にとどまる意向を表明。4日には反政権派による大規模な抗議集会が計画されており、政権移行の見通しが立たないなか、政権支持派と反政権派の間で再び衝突が起きる恐れもある。

【ワシントン=弟子丸幸子】ニューヨーク・タイムズが米政府当局者ら複数筋の話として伝えたところによると、発足を目指す暫定政権はスレイマン副大統領をトップとし、現政権・与党側と、有力野党でイスラム原理主義組織の「ムスリム同胞団」も含めた各派で構成する構想という。暫定政権は9月に予定する大統領選までの期間を想定。民主的な大統領選を実施するための憲法改正などに取り組む。

米政府高官は今回の提案について、エジプト政権側と協議している複数の選択肢の1つだと述べた。このほか9月の大統領選の前倒しなども検討しているとみられる。

オバマ政権は従来、ムバラク大統領に「秩序ある移行」への着手を促していたが、即時辞任までは要求していなかった。ムバラク政権側が動員したとみられる大統領支持派と反体制派による衝突拡大を受け、早期の事態収拾が必要との判断に傾いたものとみられる。

ただ、ムスリム同胞団が暫定政権に参加するかどうかは不透明で、同胞団の動向が当面の最大の焦点となりそうだ。

スレイマン氏が暫定政権を率いるのは、治安安定のカギを握るエジプト軍当局からの支持を得ているためとみられる。エナン参謀総長やタンタウィ国防相がスレイマン氏を支えているとされる。



 
 
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エジプト政権と米、大規模集会控え激しい駆け引き

2011/2/4 12:30

【カイロ=花房良祐】エジプト情勢をめぐってオバマ米政権がムバラク大統領の即時辞任と与野党相乗りによる暫定政権の早期樹立を視野に動き出したが、ムバラク氏は3日、米ABCテレビの取材に対し、国内の安定確保のため今年9月の任期満了まで続投する考えを改めて示した。4日には大規模な抗議集会が計画される中、両国政府が激しい駆け引きを繰り広げている。

ムバラク大統領はABCの取材に対し、即時辞任は拒否し、その理由として10年以上にわたり繰り返してきた「安定のために体制維持が必要」との従来からの説明を繰り返した。

ムバラク大統領に引導を渡すとすれば腹心のスレイマン副大統領となりそうだが、同氏は3日の国営テレビのインタビューでは「ムバラク大統領の残り任期は改革のための時間。混乱は容認できない」と強調。「ムバラク大統領と彼の功績を尊敬している」と述べ、現時点で大統領を支える姿勢を変えていない。

スレイマン氏は、憲法改正の期限など民主化のスケジュールも具体的に示した。反政権派のみならず米国にも改革に取り組んでいる姿勢をアピールしたかったもようだ。

シャフィク首相は、大統領支持者との衝突で反政権派に犠牲者が出たことを謝罪。反政権派結集の象徴であるカイロ中心部の広場に出向いてデモ参加者と対話する用意も表明した。

ただ、オバマ政権が促した現政権とムスリム同胞団を含む野党が相乗りする暫定政権の樹立には障害が多い。反政権派の最有力組織である穏健派イスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」は3日夜、スレイマン副大統領の対話提案を早々に拒否した。

ムバラク大統領は同日の米ABCテレビの取材に対し、カイロ市内で起きた政権支持派と反政権派の衝突に関し、同胞団が対立激化の背景にあるとの認識を示したが、こうした大統領の発言が同胞団のさらなる反発を招く可能性もある。



 
 
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ネット遮断で経済損失73億円 OECDが試算

2011/2/4 19:04

【パリ=共同】経済協力開発機構(OECD)は3日、エジプト政府が反政府デモの妨害を目的にインターネットや携帯電話を遮断したことによる経済的損失が9千万ドル(約73億円)に上るとの試算を示した。

1日当たり1800万ドルの損失と計算、長期的に影響がさらに広がる可能性があるとしている。

エジプトでは、先月28日から今月2日ごろまでネットが遮断されたほか、携帯電話も一時使用不能となった。



 
 
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エジプト政権移行「もっと現実的に」 前原外相

2011/2/4 20:23

前原誠司外相は4日の記者会見で、反政府デモが続くエジプト情勢を巡り、米国などがムバラク大統領の即時退陣を求めていることについて「もっと現実的に考えるべきだ」と指摘した。ムバラク氏が退陣した場合の新大統領の選出方法に関して「国民が納得する選挙制度を検証しないといけない。それをやらずにトップが去った場合、職務執行代行者になし遂げられるのか」と述べ、政権移行は冷静に進める必要があるとの考えを示した。

エジプトへの日本人旅行客については、カイロで入院中の1人を除く全員が6日までに国外に出るとの見通しを示した。



 
 
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エジプト、大規模デモ 大統領退陣求め「最後通告」

2011/2/4 20:24

【カイロ=花房良祐】29年間にわたり長期政権を率いるムバラク大統領への抗議デモが続くエジプトで4日、退陣に向けた「最後通告」ともいえる大規模なデモが始まった。カイロ中心部のタハリール広場に同日昼、数千人が集合。反体制派は「退陣の金曜日」と名付け、1日に続いて全土で100万人規模のデモを呼びかけている。

デモ隊の一部は厳重な警備が敷かれる大統領府に行進する構えを見せ、緊張が高まっている。

反体制派は「今日がムバラク大統領の最後の日だ」と気勢を上げた。ロイター通信は4日、大統領支持派が幹線道路に陣取り反体制派の集結を防ごうとしているとの目撃情報を伝えた。現地時間同日昼すぎの段階で大きな衝突は起きていない。

反体制派も広場周辺で身分証明書の提示を求め、大統領支持派が紛れ込むのを警戒している。タンタウィ国防相は4日、同広場を視察。警備体制を確認したもようだ。

政権側と反体制派の溝は埋まっていない。ムバラク大統領は3日、辞任は混乱を招くとして任期満了まで職にとどまることに理解を求めた。

一方、穏健派イスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」幹部は4日、中東衛星テレビ局に大統領の即時辞任が政権との対話条件と改めて主張した。ムバラク大統領が辞任しない限りデモが続く可能性もある。

1日には全土で100万人規模の抗議デモが発生したが、ムバラク大統領は次期大統領選への不出馬を表明したのみで即時辞任は拒否した。ただ一部の市民や観光産業に従事する関係者は都市機能のマヒにつながっている抗議デモにいらだちを強め、大統領側も「混乱より安定が重要」として沈静化を図っている。



 
 
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エジプトに「迅速な政権移行」呼びかけ EU首脳会議

2011/2/4 20:43

【ブリュッセル=瀬能繁】欧州連合(EU)は4日の臨時首脳会議で、エジプトに「迅速で秩序ある政権移行」の開始を呼びかける特別声明をまとめ発表する。大統領支持者と反体制派の衝突を受け、「最も強い表現で暴力を非難する」として双方に強い自制を促す。

「迅速で秩序ある政権移行」との表現は独仏英など欧州5カ国首脳が3日にまとめた声明を踏襲した。ムバラク政権に野党側との対話を加速し、民主化に向けた憲法改正、9月の大統領選挙に向けた選挙制度改革を早期に実現するよう強く圧力をかける狙いがある。

一方、カイロ市内での衝突が再燃するなど治安情勢の悪化をEUは懸念している。声明は「自由で平和的にデモをする権利がある」とエジプト当局をけん制する一方、すべての当事者に発砲などの「暴力回避」を要請。欧州のジャーナリストが当局に拘束され、メディアへの攻撃を「受け入れられない」と訴える。

EUは大統領選への選挙監視団の派遣など民主化プロセスを全面的に支援する方針だ。同時に経済開発への支援、貿易上の優遇措置など「既存の制度を使ってあらゆる支援策を検討する」(EU筋)という。

EUにとってエジプトは中東・北アフリカの安定の要。スエズ運河を経由した原油の安定供給は不可欠で、多くの欧州企業が進出している。対エジプト支援検討の背景には、民主化への移行が失敗すればイスラム原理主義勢力が台頭し、地域情勢が不安定になりかねないとの判断もある。



 
 
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EU、エジプト政権移行に直接関与へ 臨時首脳会議

2011/2/4 22:15

【ブリュッセル=瀬能繁】欧州連合(EU)は4日の臨時首脳会議で、エジプトの政権移行プロセスに直接関与していく方針を決めた。近くアシュトン外交安全保障上級代表をエジプトに派遣するとともに、民主化に向けた包括的な支援策をまとめる。貿易・投資促進策も打ち出す予定で、エジプトの混乱収拾で指導力発揮を狙う。

首脳会議の議長総括はエジプトのムバラク政権に「迅速で秩序ある政権移行」を求める立場を重ねて強調。大統領支持者と反体制派の衝突を受け、「最も強い表現で暴力を非難する」として双方に強い自制を促す。

アシュトン氏はエジプトだけでなくチュニジアも訪問する計画。包括支援策は(1)民主的な制度の強化(2)民主的統治の促進(3)自由で公正な選挙の支援−−など。議会や選挙制度の改革につながる憲法改正に助言するほか、9月の大統領選挙への監視団派遣などを検討するとみられる。

一方、カイロ市内での衝突が再燃するなど治安情勢の悪化をEUは懸念している。声明で「自由で平和的にデモをする権利がある」とエジプト当局をけん制する一方、すべての当事者に発砲などの「暴力回避」を要請。欧州のジャーナリストが当局に拘束されるなか、メディアへの攻撃やインターネットの遮断などを「受け入れられない」としている。

EUにとってエジプトは中東・北アフリカの安定の要。スエズ運河を経由した原油の安定供給は不可欠で、多くの欧州企業が進出している。民主化に直接関与していくことで、イスラム原理主義勢力の台頭を防ぐ思惑もありそうだ。



 
 
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エジプト、各地で大規模デモ 大統領に即時辞任迫る

2011/2/4 22:36

【カイロ=花房良祐】29年間にわたり長期政権を率いるムバラク大統領への抗議デモが続くエジプトで4日、退陣に向けた「最後通告」ともいえる大規模なデモが始まった。カイロ中心部のタハリール広場に同日昼過ぎ、数万人が集合した。反体制派はこの日を「退陣の金曜日」と名付け、100万人規模のデモを呼びかけている。

一部は厳戒態勢が敷かれる大統領府に行進する構えを見せているが、同日昼過ぎ時点でまだ行進は確認されていない。

反体制派は「今日がムバラク大統領の最後の日だ」と気勢を上げた。北部アレクサンドリアや東部スエズなどでも数千人が集まった。

これに対して大統領の支持者もカイロで数千人規模の集会を開いたが、これまでのところ反体制派との大きな衝突は起きていない。反体制派は広場の周辺で身分証明書の提示を求めるなど、大統領の支持派が紛れ込むのを警戒している。

政権側と反体制派の溝は深いままだ。ムバラク大統領は3日、即時の辞任は混乱を招くとして任期満了まで職にとどまることに理解を求めた。一方、イスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」幹部は4日、中東衛星テレビに大統領の即時辞任が政権との対話条件と改めて主張。大統領が辞任しない限りデモが続く可能性もある。

一部の市民や観光関係者は都市機能のマヒを招くデモにいら立ちを強める。大統領側も「混乱より安定が重要」と強調し、沈静化を図っている。



 
 
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「カイロの騒乱、主因は治安部隊」 国連人権高等弁務官

2011/2/4 23:10

【ジュネーブ=藤田剛】ピレイ国連人権高等弁務官は4日の国連欧州本部での会見で「カイロ中心部で起こった騒乱の主因は治安部隊」と述べ、エジプト政府に早期の改善を求めた。「暴力行為が誰によって計画・実行されたのかを調査する必要がある」と指摘し、治安部隊の関与を示唆した。拘束されている外国人記者に関しては「即時に無条件で解放すべきだ」と訴え、報道やインターネットへの規制を批判した。



 
 
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「いま辞任すれば混乱引き起こす」 ムバラク大統領

2011.02.04 Fri posted at: 09:37 JST

カイロ(CNN) エジプトのムバラク大統領は3日、米ABC局のインタビューに応じ、首都カイロで起きている暴動の責任は野党勢力「ムスリム同胞団」にあると非難した上で、今すぐ大統領職を辞任したいが国家を混乱に陥れたくないのでそれはできないと語った。

インタビューは厳重に警備された大統領官邸で行われた。ムバラク氏は「人々が私のことをどう思おうと気にしない」「私は今、自国のこと、エジプトのことを心配している」「昨日(2日の暴動)のことは大変残念だ。エジプト人同士の争いは見たくない」などと述べた。

また、エジプト政府が暴動を扇動しているとの疑いがあることに対しては、これを否定し、ムスリム同胞団に責任があると非難した。

オバマ米大統領に関しては、非常に良い人だとしながらも内政干渉されることに不快感を示した。ムバラク氏はオバマ氏に「あなたはエジプトの文化を理解していない。いま私が辞めたらどうなるか分かっていない」と伝えたという。オバマ氏はムバラク氏の即時退陣を求めている。

ムバラク氏はまた、大統領選に再出馬しないと明言。息子のガマル氏を後継にする意思もないと述べた。インタビューにはガマル氏も同席していた。

米政府はこのインタビューについてコメントしていない。

ムバラク大統領は次期大統領選に出馬しない意向を先週明らかにしていたが、デモ隊は即時辞任を要求している。2日にはタハリール広場などでデモ隊と大統領支持派が衝突し、保健省によると少なくとも8人が死亡、836人が負傷した。

現地を取材している海外ジャーナリストや人権活動家も、大統領支持派とみられる者たちから暴行を受けている。こうした大統領支持派の中には政府に雇われた人間も含まれていると指摘されている。

米国務省はジャーナリストへの暴行を公式に非難した。また同省当局者らはCNNに対し、エジプト内務省がジャーナリストへの暴行に関与しているとの情報を得たと話している。

クリントン国務長官はこうした暴動はいかなる状況でも受け入れられないとして、政府と各種政党などが「平和的で秩序ある移行に向けて」早急に対話を始めるよう求めた。

エジプトのシャフィク首相は一連の暴動について謝罪を表明し、スレイマン副大統領が野党勢力と対話を行うと述べている。しかし、ムスリム同胞団などの主要な野党勢力は対話への参加を拒否している。



 
 
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携帯に匿名メッセージを送りつける当局とは

【ロンドン=鶴原徹也】携帯電話大手ボーダフォン・グループ(本社・英国)は3日、声明を発表し、エジプト当局がデモ発生以来、ボーダフォンなど同国の三つの携帯通信網を使い、ボーダフォンの抗議にもかかわらず、国民の携帯電話に匿名のメッセージを発信してきたことを公表し、「承服できない」と批判した。

声明はメッセージ内容に言及していないが、ロイター通信によると、ムバラク大統領を支持する内容のものという。

(2011年2月4日00時31分 読売新聞)



 
 
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エジプト首相、デモ隊への襲撃を「謝罪」

【カイロ=田尾茂樹】エジプト国営テレビは3日、スレイマン副大統領が、野党勢力との対話を行ったと報じた。

副大統領はまたムバラク大統領からの権力継承がとりざたされてきた次男ガマル氏についても「次期大統領選には出ない」と明言した。

また、シャフィク首相は同日、国営テレビに対し、ムバラク大統領支持派が反体制派を襲撃したことについて「すべてを謝罪する」と語り、背後関係を調査する考えを示した。反体制デモの参加者数千人がとどまるカイロ中心部のタハリール広場を訪れ、反体制派と直接対話する用意があることも明らかにした。

検察当局は、前内閣の閣僚や政府幹部の不正蓄財などについて捜査するため、海外渡航を禁じ、銀行口座を凍結した。政権側の動きは、イスラム教の集団礼拝が行われる4日の金曜日に反体制派が計画する大規模デモを前に、国民の反発をかわす狙いとみられる。

(2011年2月4日01時28分 読売新聞)



 
 
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ムバラク大統領、即時退陣拒否…「混乱起きる」

【ワシントン=山口香子、カイロ=田尾茂樹】エジプトのムバラク大統領は3日、カイロで米ABCテレビのインタビューに答え「私が今辞めれば、大混乱が起きる」と語り、即時退陣に応じない考えを示した。

野党勢力は4日も大統領即時退陣を求めて「決別の金曜日」と銘打ち大規模デモを計画しており、事態収拾の道筋は見えない。

ムバラク大統領は同インタビューで「62年間の公職にうんざりしている。もう去りたい」と述べる一方、「私はエジプトのことを心配している。決して逃げない」と強調した。また、次男のガマル氏について「後継大統領にしようと考えたことは一度もない」と言明した。

一方、スレイマン副大統領は3日、国営テレビで、野党勢力で最大の組織力を持つ非合法のイスラム原理主義組織・ムスリム同胞団とも対話する方針を表明した。副大統領は「同胞団にとっても、対話への参加は有益だ」と呼びかけた。

(2011年2月4日11時20分 読売新聞)



 
 
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EU外相、ムバラク大統領の即時退陣を促す

【ブリュッセル=工藤武人】欧州連合(EU)のアシュトン外交安保上級代表(EU外相)は3日、エジプトのスレイマン副大統領に、「秩序ある移行に向け、具体的かつ断固とした方策が今すぐ必要だ」と電話で伝え、ムバラク大統領の即時退陣を促した。

EUによると、上級代表は、反体制派とムバラク大統領支持派の衝突は「平和的なデモ参加者への攻撃」との認識を示して、「重大な懸念」を表明。デモ参加者が「集会の自由の権利」を行使できるよう安全確保に万全を期すよう要請した。

(2011年2月4日11時54分 読売新聞)



 
 
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エジプトで記者襲撃、米「最も強い表現で非難」

【ワシントン=山口香子】カイロ中心部で大統領支持派とみられる市民による記者の襲撃が相次いだことについて、クリントン米国務長官は3日、「最も強い表現で非難する」と述べ、エジプト政府に対し、報道の自由を尊重し、取材の安全を保証するよう要求した。

(2011年2月4日13時39分 読売新聞)



 
 
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オバマ政権、ムバラク氏の即時退陣案協議…米紙

【ワシントン=山口香子】米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は3日、オバマ米政権がエジプト政府高官との間で、ムバラク大統領を即時退陣させスレイマン副大統領を長とする暫定政府を発足させる政権移行案を協議していると報じた。

実現すれば、スレイマン副大統領が軍の支援を受けて速やかに憲法改正手続きに着手し、ムスリム同胞団も交えた野党勢力と選挙制度の協議も行うという。

ただ同紙は、スレイマン氏や軍がムバラク氏を見限る兆候はまだないとする高官の発言も伝えており、流動的な要素もある。現行の憲法規定では、大統領の職務を副大統領が直ちに引き継ぐことができず、米国が描くシナリオを制約する可能性もある。

(2011年2月4日14時21分 読売新聞)



 
 
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エジプト当局の匿名メッセージ、携帯大手が批判

【ロンドン=鶴原徹也】携帯電話大手ボーダフォン・グループ(本社・英国)は3日、声明を発表し、エジプト当局がデモ発生以来、ボーダフォンなど同国の三つの携帯通信網を使い、ボーダフォンの抗議にもかかわらず、国民の携帯電話に匿名のメッセージを発信してきたと公表し、「承服できない」と批判した。

声明はメッセージ内容に言及していないが、ロイター通信によると、ムバラク大統領を支持する内容のものという。

(2011年2月4日19時05分 読売新聞)



 
 
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不都合な事実伝える…外国人記者への暴行頻発

【カイロ=小西太郎】反体制派などのデモが続くエジプトで、大統領支持派による外国人記者への暴行や拘束が頻発している。

大統領側に不都合な事実も伝える海外報道機関への不満が高まっているようだ。

記者(小西)は3日、カイロ中心部タハリール広場での取材を終えて大統領支持派の集結場所に近いホテルに戻る際、支持派の群衆に取り囲まれ、「フィルムを出せ。デジタルカメラならデータを消せ」と強要された。押し問答のうちに人だかりが膨れあがり、危険が増したため、データを消去してようやく解放された。別の場所でも「お前はサハフィ(記者)か」と殺気だった約20人に詰問された。

AP通信などによると、同広場周辺では、米CNNや米紙ニューヨーク・タイムズ、英BBC、仏紙ル・モンドなどの記者らが暴行や拘束、機材破壊などの被害を受けた。衛星テレビ「アル・ジャジーラ」や「アル・アラビーヤ」など中東メディアの記者も襲われた。国際的なジャーナリスト団体によると、3日までに計26人が暴行されるなどし、3人が行方不明となっている。

(2011年2月4日22時46分 読売新聞)



 
 
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エジプト「追放の金曜」 4日、全土で大規模衝突の恐れ

2011年2月4日1時43分

【カイロ=前川浩之、貫洞欣寛】ムバラク大統領の即時退陣を求める野党勢力のデモ隊を、ムバラク派が襲撃し大規模な衝突が起きたエジプトの首都カイロ中心部タハリール広場周辺では、3日も散発的な衝突が続いた。衛星テレビ局アルジャジーラによると、一連の衝突の死者は13人、負傷者は1200人に上った。野党勢力は4日を「追放の金曜日」と名付け、再びムバラク氏の退陣を求める大規模デモを計画しており、全土で激しい衝突に発展する可能性がある。

タハリール広場では3日、野党勢力のデモ隊数千人がフェンスなどを使ったバリケードをつくり、立てこもった。一方、ムバラク派も数千人が広場北側に陣取っており、一触即発の状態となっている。

両派が衝突した際に静観を続けたエジプト軍は3日、両派の間に100メートルほどの緩衝地帯を設け、分離した。それ以上の積極的な仲介はしていない。両派が再び衝突した場合、軍の動向が事態の行方に大きな影響を与える。

野党勢力が計画している4日のデモは金曜礼拝後に行われる予定。1月28日の金曜礼拝後に行われたデモでは、住宅街など各地のモスクで住民らが礼拝を終えた後にデモを始めた。これに対し、各地に展開した警察が催涙ガス弾で各地のデモ隊を分離した。

4日のデモでは、政権側がムバラク派を各地に展開して阻止する可能性がある。そうなれば、衝突がタハリール広場からエジプト各地に拡大する懸念が高まる。

デモ隊への襲撃をめぐって、政府報道官はロイター通信に対して、政府の関与を否定したが、朝日新聞の取材では、私服警官がムバラク派の襲撃に加わっていたとの目撃者の証言が相次いでいる。シャフィク首相は3日、「襲撃について調査をする用意がある。野党勢力とも対話の準備がある」との声明を国営テレビを通じて発表した。

カイロ市内では外国人がカメラを持っていただけで、ムバラク派とみられる男たちに取り囲まれたり、警察署に連行されたりすることが頻発、緊張した状態となっている。

一方、国営テレビは同日、スレイマン副大統領が、9月の大統領選に出馬しないことを表明したムバラク大統領に加え、後継と目されていたムバラク氏の次男ガマル氏も立候補しないと述べたと、伝えた。



 
 
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ボーダフォンがエジプトに抗議 大統領支持メールめぐり

2011年2月4日10時7分

【ロンドン=橋本聡】携帯電話の大手、英ボーダフォンは3日、エジプト当局がムバラク大統領を支持するメールを携帯電話会社に流させたとして、抗議した。

2日、大統領支持デモの日時場所を伝えるメールがボーダフォンなど3社の携帯電話網で流れたが、このメールはエジプト当局の指示によるものだったという。ボーダフォンは声明の中で、当局の指示を「容認できない」としている。



 
 
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米、エジプト側と即時退陣・暫定政権を協議 米紙報道

2011年2月4日11時52分

【ワシントン=望月洋嗣】米紙ニューヨーク・タイムズ電子版は3日、オバマ米政権が、ムバラク大統領の即時退陣とスレイマン副大統領が率いる暫定政権の発足をエジプト政府側と協議している、と報じた。暫定政権にはムスリム同胞団を含む野党勢力の幅広い参加を求め、9月の大統領選に向けて、憲法改正などを進める構想という。

米政府高官は同紙に対し、この案を含むいくつかの政権構想をムバラク氏周辺と協議していると説明。また、スレイマン氏も軍部もムバラク氏を見限る様子はないとする米政府当局者もおり、事態は流動的という。

ホワイトハウスによると、バイデン米副大統領は3日、スレイマン氏と電話会談し、民主的な政府への移行に向け、野党勢力と「信頼性があり包括的な交渉」を直ちに始めるよう求めた。



 
 
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ムバラク氏「大統領飽きたが、今去れば混乱」 米TVに

2011年2月4日12時34分

【カイロ=貫洞欣寛】エジプトのムバラク大統領は3日、カイロの大統領府で米ABCテレビとのインタビューに応じ、いま辞任すれば「(最大野党勢力の)ムスリム同胞団が権力を掌握し、エジプトが混乱に陥る」と述べて、改めて即時辞任しない考えを示した。同時に、次期大統領選で次男ガマル氏を後継者にする考えがないと言明した。一方、スレイマン副大統領は同日夜、国営テレビを通じて、野党勢力との対話を進めたい考えを示した。

ムバラク政権は、野党勢力が4日に再び大規模デモを計画するなか、即時退陣を迫る米国などを牽制(けんせい)すると同時に、野党勢力との対話路線を強調して事態の収拾を探っているとみられる。ただ、野党勢力はあくまで大統領の即時辞任を求め、大規模デモを決行する考えだ。

反政権デモが起きてからムバラク氏が外国メディアのインタビューに応じるのは初めて。同氏は「私は大統領の座にいることに飽き飽きした。すぐに職を去りたいが、自分が今去れば混乱に陥る。ムスリム同胞団に牛耳られる」と述べ、エジプトの安定のためには任期満了まで大統領を務めることが必要だとの認識を示した。

米国は以前からエジプトの民主化を求めながらも、イスラム組織のムスリム同胞団が勢力を伸ばすことには警戒感がある。同胞団が政権を握れば、エジプトの対イスラエル協調路線が崩れる可能性が高いからだ。ムバラク氏は、米国に「混乱と同胞団を取るか、自分を取るか」と迫ったかたちだ。

カイロ中心部で起きたムバラク派と反政権デモ隊の衝突については「エジプト人同士が争うのは見たくない」としながらも、政府に責任はないとの立場を強調した。

スレイマン氏は3日夜、国営テレビのインタビューで非合法のムスリム同胞団を含む野党勢力に対話を呼びかけていることを明らかにした。スレイマン氏は反政権デモについて「若者の要求は正当であり、大統領も改革の実現のために動いている」と理解を示した。そのうえで、「国家にあなた方の要求を実現させる機会を与えてほしい。座り込みを終えるべきだ」と語り、ムバラク氏が大統領職にとどまることを正当化すると同時に、デモ終結を呼びかけた。

また、2日のムバラク派と反政権デモ隊の衝突事件について「誰が背後にいるのか調査し、責任者を処罰する」と述べた。



 
 
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政権の宣伝もうやめた エジプト国営TVキャスター辞職

2011年2月4日15時10分

【カイロ=北川学、前川浩之】「政権の『プロパガンダ(宣伝)マシン』にはなりたくなかった」−−。反政権デモが続くエジプトで、国営テレビの女性キャスターが3日夜、米CNNなどに電話出演し、報道統制への抗議のため辞職したと語った。一方で、外国人記者や人権活動家への嫌がらせも多発。「追放の金曜日」と名付けられた野党勢力の大規模デモを4日に控え、政府批判の広がりを抑え込む動きとみられる。

シャヒラ・アミンさんは英語放送「ナイルテレビ」のニュースキャスター。2日、ムバラク大統領派が反政権デモ隊を襲撃した現場に居合わせた。アミンさんによると、ムバラク派が最初に投石し、衝突が拡大した。それを伝えようとしたところ、「政権のイメージがゆがめられる」と局側に反対され、同夜、辞職したという。

アミンさんは「エジプトの記者たちは拘束を恐れ、真実を伝えることを恐れている。私は辞めることができて、とても自由になれたと感じる」と話した。

国営テレビは2日の襲撃について「政治、経済、社会改革を要求する人々と、治安回復を求める人々の間で衝突があった」と伝えたが、政権の関与を疑う声があることには触れていない。

一方で、外国人ジャーナリストらが襲われる事例も多発している。中東ドバイの衛星テレビ局アルアラビアによると、同局の記者とカメラマンが2日、ムバラク派のデモを取材中に取り囲まれ、暴行を受けた。同局は「私服警官の仕業」としている。同局のカイロ支局も投石され、窓ガラスが割れたという。

AFP通信によると、ほかにも衛星テレビ局アルジャジーラの記者3人が当局に拘束されたほか、米ワシントン・ポスト紙や英BBC、仏テレビ局フランス24の記者やスタッフが拘束されたり、ムバラク派にカメラを取り上げられたりした。

エジプトのスレイマン副大統領は3日夜、国営テレビのインタビューで「友好国の衛星テレビ局が若者らを駆り立てており、そうした国を非難する」と述べ、非を外国メディア側になすりつけた。

人権活動家らへの抑圧も起きている。国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)」によると、事務所があるカイロ市内のビルに3日、武装した数人の男が現れ、パソコンなどを押収。HRWの米国籍の調査員や、別の人権団体アムネスティ・インターナショナル所属の調査員2人を拘束、エジプトの人権派弁護士や人権活動家ら十数人も一緒に連行された。男の一人は軍服姿で、残りは内務省の治安機関員とみられるという。



 
 
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「現実的な政権移行を」エジプト情勢で前原外相

2011年2月4日20時12分

エジプト情勢について、前原誠司外相は4日の会見で「(エジプトの)国民の皆さんの気持ちも分からないでもないが、現実的な政権移行を冷静に考えるべきだ」と述べ、ムバラク大統領の即時の辞任に慎重な考えを示した。

前原氏は「欧米はムバラク大統領の即時の退陣を求めているが、もっと現実的に物事を考えるべきだ。新たな元首を選ぶにも、国民が納得する選挙のあり方も検証されないといけない」と述べ、公正な選挙制度の整備といった政権移行準備が整わないままムバラク大統領が即時辞任すれば混乱が拡大しかねないとの見方を示した。(大島隆)



 
 
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ヨルダンでも反政府デモ エジプトデモに連帯表明

2011年2月5日0時15分

【アンマン=井上道夫】ヨルダンの首都アンマンでも4日正午過ぎ(日本時間午後7時過ぎ)から、市中心部のフセイニモスク前に住民数百人が集結。経済改革やイスラエルとの関係見直しを迫るプラカードを掲げながら街をデモ行進した。

市民らがフェイスブックなどを通じて呼びかけた。参加者らはエジプトでムバラク政権打倒を目指す民衆との連帯を表明し、「ムバラク政権を倒すことは中東の民主化につながる」と声をあげた。

大学教授のイブラヒムさん(47)は「ヨルダン政府は市民のための政治をしていない。根本的な改革が必要だ」と強調。近郊のパレスチナ難民キャンプから参加したという27歳のホテル従業員は「政府は生活苦にあえぐ住民を見殺しにしている」と訴えた。



 
 
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エジプト:反政府デモ ネット遮断、損害73億円−−OECD試算

【ロンドン会川晴之】経済協力開発機構(OECD、本部・パリ)は3日、反政府デモの拡大を阻止するため、エジプト政府がインターネットを遮断したことによる経済的損害が9000万ドル(約73億円)にのぼると発表した。ハイテク企業などへの影響が大きく、1日当たり1800万ドルの損失と試算した。エジプトの1日当たりの国内総生産(GDP)の3〜4%に当たるとしており、長期化した場合は、大きな影響が出ると指摘した。

毎日新聞 2011年2月4日 東京朝刊



 
 
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エジプト:反政府デモ 権力の即時移譲、EU外相も促す−−ムバラク大統領に

【ブリュッセル福島良典】欧州連合(EU、加盟27カ国)のアシュトン外務・安全保障政策上級代表(外相)は3日、エジプトでの衝突激化を受け、ムバラク大統領に対して、デモ隊に死傷者を出した責任者の法的処罰を求め、権力の即時移譲を促す声明を発表した。

アシュトン氏は声明で「死傷者を出した責任者は法に基づいて裁かれなければならない」と指摘し、ジャーナリストへの脅迫や暴行を「受け入れられない」と非難した。さらに「エジプト当局に今、民主的改革への移行に着手するよう呼び掛ける」と述べた。

一方、アシュトン氏は2日、チュニジアのオウナイス外相、イエメンのキルビ外相とブリュッセルで相次いで会談し、両国の民主化と改革を支援する姿勢を強調した。

アシュトン氏はオウナイス外相との共同記者会見で、チュニジアの次期大統領選挙の準備や民主体制への移行、汚職対策などを支援する考えを明らかにした。また、キルビ外相には、暴力の回避、民主的な選挙の実施、国民和解などを促した。

毎日新聞 2011年2月4日 東京朝刊



 
 
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エジプト:反政府デモ 内戦の可能性低く

【カイロ和田浩明】エジプトのムバラク大統領支持派と反大統領派がカイロ中心部タハリール広場で衝突したことで、いっそうの治安悪化が懸念されている。イラクやレバノンでは宗派間対立やイスラム過激派の台頭で、過去に内戦状態に陥ったが、エジプトでもこうした状況は発生するのだろうか−−。

イラクでは03年の米主導のイラク戦争でフセイン独裁政権が崩壊。人口の6割を占め、戦後に政治的主導権を握ったイスラム教シーア派と、2割で主導権を失ったスンニ派の宗派間対立が激化した。06〜07年には一時、月3000人以上が死亡する内戦状態に。北部に自治区を持つクルド人(人口の15〜20%)は、フセイン時代にアラブ人主体の中央政府が弾圧、戦後も両者の緊張状態は続く。

公認分だけでイスラム教やキリスト教などの18宗派がひしめく「モザイク国家」レバノンでは、宗派間対立で75〜90年まで内戦が続いた。その後も、イランやシリアの支援を受け強力な軍事力を持つシーア派組織ヒズボラが台頭し、親米のスンニ派などと衝突を繰り返している。

一方、アルジェリアでは90年の総選挙でイスラム原理主義派が圧勝したが、世俗主義の国軍が実権を掌握。イスラム過激派のテロと軍の弾圧で約10年間で15万人が死亡した。

エジプトの場合、こうした騒乱を生んだ宗派・民族対立はほとんどない。人口の98%がアラブ人で、9割をスンニ派が占める。約1割のキリスト教の一派コプト教徒との間に緊張関係はあり、1月に北部アレクサンドリアの教会前のテロで20人以上が死亡した。だが、今回の反政府デモで教会幹部は教徒に参加しないよう勧告。イスラム教徒とコプト教徒の衝突は伝えられていない。

今回の衝突は、反大統領派の間で「デモを抑え込むため大統領派が仕掛けた」との見方が支配的だ。反大統領派は1日の抗議デモに全国各地で推定100万人を動員するなど支持者の幅を拡大、攻撃されない限り平和的な抗議活動を続ける姿勢だ。こうしたことから今回の衝突が引き金となり大規模な内戦に発展する可能性は低いとみられている。

毎日新聞 2011年2月4日 東京朝刊



 
 
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エジプト:反政府デモ 市民に新たな分断 大統領派、内実さまざま

◇800円渡され参加/上司に脅され…

【カイロ樋口直樹】エジプトのムバラク大統領の即時辞任を求める抗議デモ隊の牙城、カイロ中心部のタハリール(解放)広場は3日、大統領支持派と繰り広げた激しい衝突の結果、戦場の様相を示していた。わずか2日前に広場を包んだ「革命」への高揚感は消え、怒りと憎悪と疑心に支配されていた。ムバラク氏の事実上の引退宣言で収束に向かうともみられた混乱は、市民の間に新たな分断を生み出している。

広場に向かう道は、こぶし大の石やレンガの切れ端、火炎瓶の残骸で埋まっていた。こん棒を持って広場の入り口に立ちふさがる教師、ムハンマドさん(35)と土木労働者、アシュラフさん(33)はいずれも、大統領支持派の投石で頭にけがをしながら、広場に向かう人々に厳しい視線を向けていた。

「おかしなやつらが入り込むのを防いでいる。彼ら(大統領支持派)は故意に混乱を起こそうとしている」。ムハンマドさんが語ると、仲間は「ムバラク(大統領)が辞めるまで、タハリールを守り抜く」と悲壮な表情で語った。

大統領支持派の内実はさまざまで、取り巻きのほか、空軍司令官だったムバラク氏と中東戦争を戦った退役軍人、政治手腕を評価する人々らがいる。だが、衝突の背後に、巻き返しを図ろうとする政権側の意向が隠されていることを疑わない者はいない。

「この身分証明書を見ろ。やっぱり私服警官だったんだ」。血まみれの中年男を取り囲む人の輪から怒りの声が上がる。リンチに遭って顔を真っ赤に腫らせた男は、うつむいたまま何も言わない。疑いをかけられた別の男が必死で「いや、おれは関係ない。身分証を見てくれ」と言い“ぬれぎぬ”を訴える。誰の目もギラギラしている。

広場にこもる地元ジャーナリスト、ナハスさん(41)は衝突が始まった2日午後、20代とみられる大統領支持派の若者が、反大統領派に捕まるところを目撃した。「なぜ我々を攻撃するのか」との問いに、男は「50エジプトポンド(約800円)を渡され、メシを食わせてもらってデモに参加した」と語り、政権に近い側からカネで釣られたことを認めたという。

また、教育問題に取り組む非政府組織(NGO)メンバーのシュリーンさん(37)によると、労働省で働くいとこの家族(50代女性)は、ムバラク氏の「引退宣言」の直前に上司から電話で、「大統領への忠誠を示すため(大統領支持派の)デモに参加せよ」と命令された。拒否すると、「あしたから職を失うぞ」と脅され、やむなく参加したという。

だが、大統領支持派のデモ参加者のすべてが「動員」されたわけではない。

「大統領は引退を表明した。尊厳を持って送り出すべきだ」。会社員、ターメルさん(40)は話す。また、同僚のアハマドさん(30)は「あくまで大統領の即時辞任にこだわれば、社会の世論は二分されてしまう」との懸念を語った。

反大統領派には「今すぐ大統領を辞任させなければ、どんな巻き返しと弾圧があるか分からない」という強い不信感と恐怖感がある。「我々の恐れは現実のものになろうとしている」。反大統領派の一人が深いため息をついた。

毎日新聞 2011年2月4日 東京朝刊



 
 
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エジプト:反政府デモ 大統領支持派、治安機関が扇動か 押収品に警官の身分証

◇米も疑念

【カイロ和田浩明】エジプトの首都カイロ中心部のタハリール広場で2日から3日未明にかけて起きた反ムバラク大統領派と大統領支持派の暴力的衝突は、多数の死傷者を出し、新たな混乱を招いている。先月25日以来続く反政府騒乱で初めて大規模展開した大統領支持派とは何者なのか。証言などによれば、治安機関による扇動も疑われている。

衝突時、広場内には少なくとも数千人の反大統領派がいたが、目撃者によると大統領支持派は次々と乱入、石や火炎瓶を投げつけたという。反大統領派はその後、出入り口にバリケードを築き、新たな攻撃に備えている。

広場に集まった大統領支持派も数千人。数人に話を聞くと「タクシー運転手」「無職」といった「一般市民」だと話した。その中のムハンマド・ハムディさん(51)は「我々一般市民は混乱が心配」とも言っていた。これに対し、反大統領派という人たちは、「彼らは与党や治安機関の人間」と警告した。

中東の衛星放送アルジャジーラ英語版は2日、反大統領派が大統領支持派のデモ参加者から押収した警官の身分証だとされるカードの映像を放映。反大統領派のデモ参加者の男性は3日、取材に「警官2人を拘束し国軍に引き渡した」と語った。

今回の衝突に治安機関が組織的に関与した可能性を疑うのは、反大統領派だけではない。「秩序ある移行」を求める米国も、明らかに疑念を抱いている。ギブス大統領報道官は「暴力行為が政府により扇動されているなら、すぐにやめるべきだ」と述べた。

毎日新聞 2011年2月4日 東京朝刊



 
 
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エジプト:反政府デモ 衝突、首相謝罪 国軍介入の動き

【カイロ樋口直樹】エジプトのシャフィク首相は3日、国営テレビで会見し、カイロ中心部タハリール広場で2日に起きたムバラク大統領支持派と反大統領派の衝突について謝罪、真相究明の調査を約束し、事態収拾のため全野党勢力に対話を呼びかけた。3日も衝突は続き、国軍が介入の動きを見せ始めた。反政府勢力は4日、イスラム教の金曜礼拝に合わせて再び大規模デモを計画している。

シャフィク首相は衝突を「甚だしい間違いだった」と謝罪、調査で「誰が背後にいるのか明らかになる」とも述べた。エジプト当局者が公式に謝罪するのは極めて異例。反大統領派は、大統領支持派が暴力を扇動したと主張し、支持派の中に警察などの身分証保持者がいたとして120人を拘束した。内務省は警察の関与を否定したが、検察当局は既に更迭されたアドリ前内相ら4人の前閣僚・幹部の出国を禁止し、資産を凍結した。

一方、スレイマン副大統領は国営テレビで、ムバラク大統領の次男ガマル氏が次期大統領選(9月予定)に出馬しないと明言。野党側が要求する大統領選立候補要件の緩和などの憲法改正も受け入れると表明した。国軍はタハリール広場に「緩衝地帯」を設け、双方の分断を図った。火炎瓶などを投げる大統領支持派を戦車が排除する一幕もあった。英BBCはエジプト退役軍人の話として、双方の衝突がさらに過熱すれば「軍は支持派に銃を向ける」と伝えた。

毎日新聞 2011年2月4日 東京朝刊



 
 
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エジプト:カイロで外国人襲撃相次ぐ

【カイロ樋口直樹】ムバラク・エジプト大統領の進退を巡り、反大統領派と大統領支持派の衝突が続く首都カイロで3日、外国人への襲撃や拘束が相次いだ。多くのケースは大統領支持派による外国メディアへの嫌がらせとみられる。

AP通信によると、両派が衝突を繰り返すカイロ中心部タハリール広場周辺などで3日、多数の外国人ジャーナリストらが大統領支持派らにこん棒で殴られたり、治安要員に拘束されたりした。中には、米紙のニューヨーク・タイムズやワシントン・ポスト、中東の衛星テレビ局アルジャジーラの特派員らも含まれていたという。

ロイター通信によると、国際的人権団体「アムネスティ・インターナショナル」や「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」の職員らも拘束された。このほか、取材用機材を押収された例もあった。拘束された人の多くはその後、解放された模様だ。

背景には、外国メディアの報道が反大統領派を後押しし、政情の不安定化を招いている、との大統領支持派側の不満がある。

混乱の陰に「エジプトの不安定化を狙う外国の陰謀がある」と考える市民も少なくない。略奪を防ぐために組織された各地の自警団は、通行車両の検査を一層強化しており、権限を越えて身分証やパスポートの確認、撮影にまで踏み込み始めた。3日には、外国人という理由だけで、身分証を提示しても警察や軍部の詰め所へ連行される人々の姿が散見された。

毎日新聞 2011年2月4日 東京夕刊



 
 
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米国:エジプト暫定政権案「即時移行を」 上院決議

【ワシントン草野和彦】今期限りの引退を表明したエジプトのムバラク大統領に対し、米上院は3日、暫定政権への権限移譲を求める決議案を採択した。オバマ政権は、大統領選や議会選挙の実施を早めるように促しており、これに同調する議会の動きは、米国の「総意」として「早期退陣」への圧力を強めていることを示した。

◇スレイマン氏と国軍は慎重姿勢

決議を主導したのは、オバマ政権に近い民主党のケリー議員と、共和党の重鎮のマケイン議員。決議は、ムバラク氏に対し「民主的な政治システムへの平和的で秩序ある移行」への即時着手を求め、その中に「(反政府勢力を取り込んだ)包括的な暫定政権への権限移譲」も含まれた。

またクローリー国務次官補は同日、大統領選や議会選挙に関し、「より早くエジプト国民に進展があることを示せば、それだけ(事態収拾には)よい」と述べた。

さらに「ムバラク氏には『時間を浪費する余裕はない』と伝えている」ことを明らかにした。

米国が「ムバラク即時退陣」を公に求めないのは、大統領支持派の反発や、他の親米アラブ諸国の懸念を招くためで、暫定政権の準備を進める一方で、自主的な退陣を促そうとしているようだ。

その選択肢の一つとして、米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は3日、国軍の支持のもとでスレイマン副大統領率いる暫定政権を発足させ、ムバラク氏が即時に権限を移譲する案が、米国とエジプト当局の間で議論されていると報じた。

穏健派イスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」を含む野党勢力と共に選挙制度改革にも取り組む内容だが、現時点ではスレイマン氏と国軍は、ムバラク氏を見捨てる意思は見せていないという。

毎日新聞 2011年2月4日 東京夕刊



 
 
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エジプト:混乱、ムバラク大統領強気 「公職うんざり」でも「すぐ辞められぬ」

◇「追放の金曜」緊張

【カイロ樋口直樹】今年9月のエジプト大統領選への不出馬を表明したムバラク大統領(82)は3日、「長年の公職にうんざりしている。すぐに辞任したいが、国家が混乱に陥る恐れがあるため、それはできない」と述べ、改めて即時退陣を拒否した。米ABCテレビに答えた。大統領は亡命の可能性も否定した。4日のイスラム教の金曜礼拝後に「追放の金曜日」と銘打った大規模デモを予定している反大統領派は同日までの辞任を求めており、情勢は緊迫の度を強めている。

ムバラク氏は、国軍部隊に厳重に守られたカイロの大統領宮殿で取材に応じた。1日深夜の事実上の引退宣言以来、インタビューに応じたのは初めて。

ABCが報じた要約によると、13人の死者を出した2日からの反大統領派と大統領支持派の衝突を巡り、ムバラク大統領は政府の責任を否定する一方、最大の野党勢力である穏健派イスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」を非難。「エジプト人同士の戦いを見たくはない」と述べた。

反大統領派の批判には「気にしない」と語った。

取材には、後継者と目されていた次男ガマル氏(47)も同席。ムバラク氏は「息子に後継させようとは全く思っていない」と話した。

「早期の政権移行」を求める最大の同盟国・米国に裏切られたと思うか、との質問にムバラク氏は、オバマ米大統領を「とてもよい人物だ」と表現。早期引退を促された際、オバマ氏に「あなたはエジプトの文化も、私が今辞任したら何が起こるかも理解していない」と話したことを明らかにした。

◇副大統領「選挙前倒しも」

一方、ムバラク氏が息子の代わりに事実上の後継者に選んだスレイマン副大統領(75)は3日、国営テレビのインタビューに答えた。大統領選を「8月か9月に行う」と述べ、選挙を可能な限り早期に実施すると強調した。

また、ムバラク氏が厳しく批判してきたムスリム同胞団に政府との協議に応じるよう呼びかけたことや、反大統領派デモに実力を行使しないよう軍部に命じたことを明らかにした。非合法化されている同胞団への対話の公式提案は極めて異例。ただ、同胞団はムバラク氏の辞任まで交渉に応じない構えだ。

毎日新聞 2011年2月4日 東京夕刊



 
 
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エジプト、大統領退陣へデモ 10万人以上が集合

2011/2/5 0:24

【カイロ=花房良祐】29年間にわたり長期政権を率いるムバラク大統領への抗議デモが続くエジプトで4日、退陣に向けた「最後通告」ともいえる大規模なデモが始まった。ロイター通信によると、カイロ中心部のタハリール広場に同日、10万人以上が集合した。反体制派はこの日を「退陣の金曜日」と名付け、100万人規模のデモを呼びかけている。

一部は厳戒態勢が敷かれる大統領府に行進する構えを見せていたが、軍が広場の周辺を厳重に警備している。4日夕方の時点で、行進や大統領の支持者らとの大きな衝突は起きていない。

反体制派は「今日がムバラク大統領の最後の日だ」と気勢を上げた。北部アレクサンドリアや東部スエズなどでも数千人が集まった。

大統領の支持者もカイロで数千人規模の集会を開いた。反体制派はタハリール広場の周辺で身分証明書の提示を求めるなど大統領の支持派が紛れ込むのを警戒している。

政権側と反体制派の溝は深いままだ。ムバラク大統領は3日、即時の辞任は混乱を広げるとして任期満了まで職にとどまることに理解を求めた。一方、イスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」幹部は4日、中東衛星テレビに大統領の即時辞任が政権との対話条件と改めて主張。大統領が辞任しない限りデモが続く可能性もある。

一部の市民や観光関係者は都市機能のマヒを招くデモにいら立ちを強める。大統領側も「混乱より安定が重要」と強調し、沈静化を図っている。



 
 
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前通産相に出国禁止措置 エジプト当局、銀行口座凍結も

2011/2/5 0:49

【カイロ=花房良祐】中東衛星テレビのアルアラビーヤは4日、エジプト検察当局がラシード前通商産業相に対して出国禁止と銀行口座凍結の措置を決めたと報じた。前通産相はムバラク大統領の次男ガマル氏と連携する経済自由化路線の象徴的な閣僚だった。大統領への退任圧力により、政府内でかつての「改革派」が急速に力を失っている。

前通産相は一連のデモを受けた内閣総辞職の際に更迭されていた。このほか要職を務めていた与党国民民主党(NDP)から離党を余儀なくされた鉄鋼王アハマド・エッズ氏も同様の措置を受けている。公的資産の持ち出しなどの疑いをかけられているもよう。

「改革」を進めてきた政府・与党幹部らは関連のビジネスを手掛け、不当に利益を得ていると市民から非難され、一連の反政府運動の標的になっている。



 
 
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エジプト、全土で大規模デモ 大統領へ即時退陣迫る

2011/2/5 1:26

【カイロ=花房良祐】29年間にわたり長期政権を率いるムバラク大統領への抗議デモが続くエジプトで4日、退陣に向けた「最後通告」ともいえる大規模なデモが始まった。ロイター通信によると、カイロ中心部のタハリール広場に同日、推定約20万人が集合した。反体制派はこの日を「退陣の金曜日」と名付け、100万人規模のデモを呼びかけている。

一部は厳戒態勢が敷かれる大統領府に行進する構えを見せていたが、軍が広場の周辺を厳重に警備している。4日夕方の時点で小競り合いを除けば、行進や大統領の支持者らとの大きな衝突はみられない。反体制派は「今日がムバラク大統領の最後の日だ」と気勢を上げた。北部アレクサンドリアや東部スエズなどでも数千人が集まった。

大統領の支持者もカイロで数千人規模の集会を開いた。反体制派はタハリール広場の周辺で身分証明書の提示を求めるなど大統領の支持派が紛れ込むのを警戒している。

政権側と反体制派の溝は深いままだ。ムバラク大統領は3日、即時の辞任は混乱を広げるとして任期満了まで職にとどまることに理解を求めた。一方、イスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」幹部は4日、中東衛星テレビに大統領の即時辞任が政権との対話条件と改めて主張。大統領が辞任しない限りデモが続く可能性もある。

一部の市民や観光関係者は都市機能のマヒを招くデモにいら立ちを強める。大統領側も「混乱より安定が重要」と強調し、沈静化を図っている。



 
 
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EU、エジプト政権移行に直接関与へ 首脳会議で方針

2011/2/5 1:33

【ブリュッセル=瀬能繁】欧州連合(EU)は4日の臨時首脳会議で、エジプトの政権移行プロセスに直接関与していく方針を決めた。近くアシュトン外交安全保障上級代表をエジプトに派遣するとともに、民主化に向けた包括的な支援策をまとめる。貿易・投資促進策も打ち出す予定で、エジプトの混乱収拾で指導力発揮を狙う。

首脳会議の議長総括はエジプトのムバラク政権に「秩序ある移行プロセスをいま始めなければならない」と即時移行を求める立場を重ねて強調。大統領支持者と反体制派の衝突を受け、「最も強い表現で暴力を非難する」として双方に強い自制を促す。

アシュトン氏はエジプトだけでなくチュニジアも訪問する計画。包括支援策は(1)民主的な制度の強化(2)民主的統治の促進(3)自由で公正な選挙の支援ーーなど。議会や選挙制度の改革につながる憲法改正に助言するほか、9月の大統領選挙への監視団派遣などを検討するとみられる。

一方、カイロ市内での衝突が再燃するなど治安情勢の悪化をEUは懸念している。声明で「自由で平和的にデモをする権利がある」とエジプト当局をけん制する一方、すべての当事者に発砲などの「暴力回避」を要請した。欧州のジャーナリストが当局に拘束されるなか、メディアへの攻撃やインターネットの遮断などを「受け入れられない」としている。

EUにとってエジプトは中東・北アフリカの安定の要。スエズ運河を経由した原油の安定供給は不可欠で、多くの欧州企業が進出している。民主化に直接関与していくことで、イスラム原理主義勢力の台頭を防ぐ思惑もありそうだ。



 
 
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NY金、反落 4月物は1349.0ドルで終了

2011/2/5 6:09

【NQNニューヨーク=横内理恵】4日のニューヨーク金先物相場は反落した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心である4月物は前日比4.0ドル安の1トロイオンス1349.0ドルで取引を終えた。原油相場の下げが重荷となった。

朝方に米労働省が発表した1月の雇用統計で、非農業部門の雇用者数の増加幅が前月比で市場予想を大幅に下回った。発表直後は景気不透明感が強まったとして、金が買われる場面があった。

その後、エジプトのムバラク大統領が早期に退陣すると一部で報じられたことなどを受け、原油の供給が減少するとの懸念が後退したとして原油相場が下落。金もつれ安した。

銀とプラチナは続伸した



 
 
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NY原油、続落 3月物89.03ドルで終了、供給懸念が後退

2011/2/5 6:13

【NQNニューヨーク=横内理恵】4日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は続落した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の3月物は前日比1.51ドル安の1バレル89.03ドルで取引を終えた。エジプトのムバラク大統領が、早期に退陣するとの思惑が広がった。エジプト情勢をめぐる緊張が収まれば、原油供給減少への懸念が後退するとの見方につながった。

大規模な反大統領デモが続くエジプト情勢への不透明感を背景に、原油相場は高く始まった。午前中に一部メディアがムバラク大統領の早期退陣の可能性などを報じると、売りが優勢になった。週末を控えて持ち高調整の売りも出やすかった。

1月の米雇用統計では非農業部門雇用者数の前月比での伸びが市場予想に届かなかった一方、失業率は低下した。ただ米北東部での悪天候も影響したため、実勢を反映していない可能性もあるとして、原油相場の反応は限られた。

ガソリンは反落、ヒーティングオイルは続落した。



 
 
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米大統領「ムバラク大統領は国民の声聞き決断を」

2011/2/5 8:43

【ワシントン=弟子丸幸子】オバマ米大統領は4日、カナダのハーパー首相との会談後の共同記者会見で、エジプト情勢について「ムバラク大統領が最後に正しい決断に行き着くことを期待する」と述べた。「(ムバラク氏は)国民の声を聞き、今後の進路について判断を下す必要がある」と語った。エジプト国内で高まる即時退任論を念頭に、権限移譲や進退も含めた決断を事実上、促したものとみられる。

オバマ氏は「政権移行のプロセスを今すぐに始めなければならないことは明白だ」と強調。その過程では「野党側の幅広い代表を交渉に含めるべきだ」と述べ、穏健派のイスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」に交渉参加を呼び掛ける可能性を示唆した。

オバマ氏は報道陣や人権活動家、デモ参加者が大統領支持派による暴力の標的になっていることを「容認できない」と強く非難。「人々の権利を守る責任はエジプトの政府にある」と語り、暴力阻止に全力を挙げるよう求めた。



 
 
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ムバラク大統領、即時辞任応じず 混迷長期化も

2011/2/5 10:47

【カイロ=花房良祐】エジプトのムバラク大統領の即時辞任を求めて4日全土で起きた抗議集会は日没後も夜間外出禁止令を無視して続いた。ただ大統領は9月の任期満了まで続投する構えを崩しておらず、抗議活動は事実上不発に終わった。今後も抗議活動を続ける予定の反体制派と政権側の主張は平行線をたどったままで、混迷は長期化の様相を呈してきた。AFP通信はスレイマン副大統領が5日、事態打開を目指して有識者と会合すると報じた。

大統領に辞任を求める「退陣の日」と名付けられた4日のデモは、依然として大きな動員力を見せつけた。ただ参加者は100万人規模を動員した1日からやや減少したもようで、市民の一部には「デモ疲れ」も出ている。一部が呼びかけていた大統領府への行進は実施されず、大きな衝突もなかった。

カイロ中心部では大統領辞任まで抗議を続けるとするデモ隊が残留。デモ隊は6日以降に再び抗議集会を開くとしている。シャフィク首相は「平和的な集会は強制排除しない」と発言。当局は5日から、夜間外出禁止令を3時間短縮して午後7時から午前6時までとすると発表した。

政権内ではムバラク大統領の“名誉ある引退”を確保するために落としどころを探る動きが続いているもよう。スレイマン副大統領は5日、シンクタンク研究員らと会い、現行憲法の規定に照らして大統領が今後取り得る選択肢について話し合う。



 
 
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政権、反体制派と対話急ぐ エジプト抗議デモ不発

2011/2/5 11:10

【カイロ=松尾博文】エジプトのムバラク大統領退陣を求める反体制派が4日全土で展開した抗議デモは、大統領を退陣に追い込むまでに至らず、事実上不発に終わった。反体制派は今後、求心力をいかに維持するかが問われそうだ。一方、政権側は事態の沈静化に向け反体制派取り込みの動きを加速する構えだ。

首都カイロでは中心部のタハリール広場に20万人が集結した。これに対しスレイマン副大統領は事前にデモへの非介入を約束。軍部隊が広場に入る参加者を厳しく確認したことで大きな混乱はなく、反体制派が呼びかけていた大統領府への行進もなかった。

反体制派は来週も3回の大規模な抗議集会を計画。政府が呼びかける対話に応じる条件として、大統領の即時退任を求める方針を変えていない。

しかし、混乱の長期化で市民生活は影響を受けている。一部では、ムバラク大統領が表明した次期大統領選への不出馬を前向きに評価する見方も出ている。政府は来週初め、銀行や証券取引所を再開する予定。日常生活が正常化に向かう中、反体制側が従来のようなデモの機運を保つことは難しくなる可能性がある。

政権側はスレイマン副大統領を中心に、事態収拾に向けた反体制派との対話を急ぐ考えだ。現政権下で7月までに出馬要件の緩和など憲法改正を終え、8〜9月に大統領選を実施する政府案の具体化に理解を求めるものとみられる。

一方、AP通信によると、反体制派指導者の一人であるエルバラダイ前国際原子力機関(IAEA)事務局長が4日、ムバラク大統領が退陣した場合、軍関係者を含む2、3人で構成する「大統領評議会」を設置し、新たな政権への移行を進める構想を示した。同評議会には、スレイマン副大統領の参加も容認する考えという。

ムバラク大統領が職にとどまりながらも実権はスレイマン副大統領に移す構想を提案する動きも一部の知識人の間であり、政府と反体制派の間で事態収拾に向けた駆け引きが活発化している。



 
 
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デモ取材中に銃撃、エジプト人記者死亡

2011/2/5 12:37

【カイロ=共同】エジプトで4日、反政府デモの取材中に撃たれ入院していたエジプト人記者が病院で死亡した。AP通信が伝えた。同記者は1月28日に首都カイロで撃たれ、病院で治療を受けていた。

1月25日にエジプトで反政府デモが発生して以降、ジャーナリストの死亡が確認されたのは初めて。

中東の衛星テレビ、アルアラビーヤによると、保健省は4日、今月2日からの反政府デモと大統領支持派の衝突による死者が計11人になったと明らかにした。



 
 
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エジプト北部でパイプライン爆破 「テロ」と国営テレビ

イスラエル向け

2011/2/5 16:55

【カイロ=松尾博文】エジプト国営テレビによると、同国北部のシナイ半島で5日、エジプトからイスラエルに天然ガスを輸出するパイプラインが爆破された。国営テレビはテロ行為が原因としている。パイプラインに沿って複数の場所で爆発が続いているという。反政府デモによる混乱に乗じたイスラム系過激派組織による犯行の可能性がある。

イスラエルにとり、エジプトは天然ガスの主要輸入相手国。反イスラエルの立場をとる過激派組織はウエブ上でパイプラインの攻撃を呼びかけていた。



 
 
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エジプト、外国人16万人以上が出国 カイロ空港

2011/2/5 19:12

【カイロ=共同】エジプトの中東通信は4日、同国の大規模反政府デモが1月25日に始まって以来、首都カイロの国際空港から16万人以上の外国人が出国したと伝えた。北部の大都市アレクサンドリアなどからの出国者は含まれておらず、実際に出国した外国人はこれを大幅に上回るとみられる。

出国した外国人で最も多いのは米国人。入国者は4割減少した。現在の入国者は報道関係者が中心だが、当局によりカメラなどが押収されているという。

一方、エジプトのスレイマン副大統領は3日、100万人の観光客がエジプトを出国したと指摘。観光業だけでも10億ドル(約820億円)の損失が出たとし、このままデモが続けば「国が破壊されてしまう」と述べた。



 
 
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エジプト北部でパイプライン爆発

2011/2/5 21:03

【カイロ=松尾博文】ムバラク大統領の退陣を求める抗議デモが続くエジプトで5日朝(日本時間同日午後)、ヨルダン向けの天然ガスパイプラインが爆破された。混乱に乗じたイスラム系過激派組織による犯行の可能性がある。反体制派は5日もカイロ中心部のタハリール広場で抗議行動を続けたが、大統領支持派などとの衝突は起きていない。

エジプト国営テレビによると、爆破地点は北東部のアリーシュ近郊。複数の場所で火災が起きた。当局はヨルダン向けに加え、イスラエル向けのガス供給も停止した。イスラエルはエジプトにガス消費量の4割を依存する。供給停止が長期化すれば周辺国に影響が及ぶ。

一方、ムバラク大統領はシャフィク首相や財務相、中央銀行総裁らを集めた会議を開催。通常通り職務を遂行している姿をアピールした。政府はデモを受けて休業している銀行を6日から再開させる予定だ。

スレイマン副大統領は5日、事態打開に向け一部野党や有識者のグループと会談する。有識者らは大統領が職にとどまりながら副大統領に実権を移す構想を提案するとみられる。4日にはムバラク大統領の辞任を求める「退陣の日」と名付けられたデモが発生。ただ大統領は9月の任期満了まで続投する構えを崩しておらず、抗議活動は事実上不発に終わっている。

5日、爆発後に炎が上がるエジプト北部ガス基地=AP



 
 
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エジプト副大統領 暗殺未遂と米メディア 否定報道も

2011/2/5 22:07

【カイロ=花房良祐】米FOXニュースは4日、エジプトのスレイマン副大統領が過去数日の間に暗殺未遂に遭ったと報じた。米当局者の話として伝えた。先月末にスレイマン氏が副大統領に指名された直後に、車列が組織的に攻撃され、ボディーガード2人が死亡したという。犯人像は明らかになっていない。

ただ、中東の衛星テレビはエジプト当局が事件の発生自体を否定したと伝えており、情報が錯綜(さくそう)している。エジプトではムバラク大統領の退陣要求デモが続き、スレイマン副大統領らが事態収拾に向けた協議を続けている。



 
 
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ヨルダンへのガス供給停止 パイプライン爆発

事故との情報も

2011/2/5 22:35

【カイロ=松尾博文】エジプト北部で5日朝(日本時間同日午後)、ヨルダン向けの天然ガスパイプラインが爆発した。国営テレビはテロ行為が原因と伝えたが、事故との情報もある。当局はヨルダンに加え、イスラエルへのガス供給も停止した。

ヨルダン国営ペトラ通信によると、同国国営電力会社首脳は同日、エジプトで起きた天然ガスパイプラインの爆発によりガス供給が1週間止まるとの見通しを示した。エジプトから通告を受けた。ヨルダンは電力需要の8割でエジプト産ガスを燃料としている。国営電力会社は発電燃料を天然ガスから石油に切り替える作業に着手した。

イスラエルのネタニヤフ首相は同日、関係閣僚と対応を協議、「ガス供給の停止による停電は起こらない」との声明を発表した。



 
 
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エジプト、実権をスレイマン副大統領に 構想が浮上

大統領は象徴的存在 任期途中の辞任せず

2011/2/5 22:54

【カイロ=松尾博文】ムバラク大統領の退陣を巡り混乱が続くエジプトで、大統領が職にとどまりながら実権はスレイマン副大統領に移す構想が浮上している。副大統領は5日、同案を推す有識者グループや一部野党代表と会談した。大統領は任期途中の辞任を拒否、反体制派の有力組織であるムスリム同胞団は即時退陣を主張しており、構想が実現するかどうかは不透明だ。

構想は大統領権限を副大統領に委任できる憲法条項を利用してスレイマン副大統領が実権を握り、大統領は象徴的存在として肩書は保持しながら一線を退く。大統領の「名誉ある引退」を保証することで事態を打開する試みで、米紙は副大統領とエジプト軍が米政府と協議していると報じた。

シャフィク首相は4日、「大統領は副大統領に権限を委譲しない」と述べ、構想の実現に否定的な見方を示した。大統領は次期大統領選挙への出馬を断念したが、任期途中の辞任は拒否している。

反体制派は5日もカイロ中心部のタハリール広場で抗議行動を続けたが、大統領支持者などとの衝突は起きていない。

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オバマ米大統領、ムバラク氏は国民の声に耳を傾けるべき

2011.02.05 Sat posted at: 11:58 JST

ワシントン(CNN) オバマ米大統領は4日の記者会見で、エジプト政府と野党勢力との協議はまだ初期段階と述べる一方、単なる「改革のふり」では深まる同国の危機は解決できないと釘を刺した。

オバマ大統領は、エジプトの現政権は権力の移譲を即座に開始し、自由かつ公正な選挙を実施しなければならないと指摘。また、政府と野党の協議については、多く野党勢力の参加が不可欠だと述べた。

また、ムバラク大統領が9月の選挙を待たずに即座に辞任する必要があるかとの質問に対し、オバマ大統領は、ムバラク氏は顧問に相談し、さらにエジプト国民の声に耳を傾ける必要があると回答した。

オバマ大統領は、ムバラク氏はプライドの高い人だが愛国者でもあるとし、過去の実績と今後の最良の進路について自ら判断する必要があると語った。さらに「秩序ある権力移譲プロセスに暴力や抑圧は無用だ。世界が(エジプトの動向を)注視している」と付け加えた。

米政府は、数日前からエジプト政府に野党勢力との協議を行うよう促してきた。ムバラク氏が何の下準備もなしに即座に辞任すると、秩序ある民主主義への移行が困難になる恐れがあるとの判断からだ。政府と野党の協議は始まったばかりだが、オマル・スレイマン副大統領は協議に前向きだという。

また、米上院は3日夜、自由、公正、かつ国際社会の信頼を得られる選挙の年内実施に必要な改革を実行するために、エジプトの野党勢力、市民社会、軍と協力して、暫定政府への権限移譲を含む、民主的政治システムへの秩序ある平和的な移行を即座に開始するようムバラク氏に求める決議を満場一致で可決した。



 
 
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イラク首相が報酬半減、エジプト情勢受けたデモ多発で

2011.02.05 Sat posted at: 14:17 JST

バグダッド(CNN) イラクのマリキ首相は4日、首相として受け取る報酬を今月から半額にすることを決めたと述べた。エジプトやチュニジア情勢に鼓舞される形でイラクでも貧弱な公共サービスに反発する抗議デモが多発しており、首相の報酬半減の宣言には国民の不満をかわす狙いがある。

首相は報酬の半額は国庫に返還するとし、イラク国民の全階層における生活水準の差異の解消に役立つだろうとの声明を発表した。首相の報酬額は伝えられていない。

イラクでは先月30日から、貧困のまん延、45%にも達する失業率、食糧不足、不安定な電力、水道供給などに抗議する数千人規模のデモが発生している。

4日には国内3カ所で数百人規模の抗議デモが起き、首都バグダッドの中心部では約200人がアラブ世界で高まる反政府行動に共感し、イラクが抱える問題が未解決であることへの反発を口にした。デモ隊は、エジプトやチュニジアの民主主義と平和への支持を主張し、イラク内での変革も要求した。

バグダッド北部にあるイスラム教シーア派が多数派の地区でも数百人がデモ行進し、電力、水道供給での改善を求めるとともに、政府の腐敗体質を糾弾した。



 
 
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「決別の金曜」20万人デモ、エジプト緊張山場

【カイロ=田尾茂樹】エジプトのムバラク大統領の辞任を求め、反体制派が「決別の金曜日」と銘打って呼び掛けたデモが4日、同国各地で行われ、ロイター通信によると、カイロ中心部では同日午後までの参加者は推定20万人に達した。

4日は国際原子力機関(IAEA)前事務局長のムハンマド・エルバラダイ氏が大統領に突きつけた辞任期限でもある。反体制派は大統領の即時辞任を政権との対話の条件としており、エジプト政情の緊張は最大の山場を迎えた。

カイロ中心部タハリール広場では、集まった市民が「ムバラクを倒せ」「今日が最後の日だ」と叫んだ。国営テレビによると、同日午前にはタンタウィ副首相兼国防相が姿を現し、反体制派に対話を呼び掛けた。

(2011年2月5日01時02分 読売新聞)



 
 
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アル・ジャジーラのカイロ支局襲撃…当局関与?

【カイロ=末続哲也】カタールの衛星テレビ局「アル・ジャジーラ」は4日、自社のカイロ支局が暴徒らに襲撃され、支局内が焼けるなどしたと明らかにした。

エジプト当局やムバラク大統領支持派の関与が疑われるという。また、ロイター通信によると、アル・ジャジーラの支局長と記者1人が警察に拘束されている。

一方、AP通信によると、1月28日に反体制派デモの模様を撮影中、何者かに狙撃されたエジプト紙記者が4日、死亡した。

(2011年2月5日11時34分 読売新聞)



 
 
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エジプト副大統領、有識者と打開策協議へ

【カイロ支局】ロイター通信によると、エジプトのスレイマン副大統領は5日、国内の有識者と会談して政情不安の打開策を協議する。

会談に出席するのは著名政治評論家や法律家らで、ムバラク大統領が副大統領に権限を移譲し、9月の大統領選まで象徴的存在として職にとどまる案を提示するという。

(2011年2月5日12時11分 読売新聞)



 
 
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決別の金曜日、混乱なく…首相は大統領辞任否定

【カイロ=末続哲也】エジプトの首都カイロで4日、ムバラク大統領の辞任を求める「決別の金曜日」と銘打って行われたデモは推定20万人規模に膨れ上がったが、大きな衝突など混乱はなく終わった。

シャフィク首相は同日、中東の衛星テレビ「アル・アラビーヤ」のインタビューに答え、大統領の早期辞任の可能性を否定した。これに対し、即時辞任を求める反体制派は今後も定期的な大規模デモを呼びかける方針だ。

首相は、「ムバラク大統領は法的理由で(大統領職に)とどまる必要がある」と述べ、「ムバラク氏の存在は、国の安定のために重要だ」と強調した。

衛星テレビ「アル・ジャジーラ」によると、反体制派は4日、今後も毎週火、金曜日に大規模デモを行うとして参加呼びかけを始めた。シャフィク首相はテレビで、デモを平和的に続ける限りは強制排除や逮捕を行わない考えを表明。国営テレビは4日、夜間外出禁止の4時間短縮を発表した。

(2011年2月5日12時23分 読売新聞)



 
 
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ムバラク氏の権限移譲、象徴化案…米紙

【ワシントン=山口香子】ニューヨーク・タイムズなど米有力数紙の電子版は4日、大規模反体制デモに揺れるエジプトのスレイマン副大統領と軍首脳部が、ムバラク大統領の権限を副大統領に移譲したうえで、9月の大統領選までは象徴的存在として職にとどまらせる事態打開案を検討していると報じた。

スレイマン副大統領は5日に、国内の有識者や反体制派を集めた会議を開いて、この打開案を基に協議を行うという。

ニューヨーク・タイムズによると、検討されている案では、ムバラク氏は辞任せず大統領職にとどまるが、エジプト東部のリゾート地シャルムエルシェイクの別荘か、毎年医療検査を行っているドイツに滞在する。その間にスレイマン副大統領と軍部が中心となって、反体制派と選挙制度改革などについての協議を進め、9月の選挙実施を目指す。

(2011年2月5日13時45分 読売新聞)



 
 
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国営テレビ「カイロの街は静かです」…抗議辞任

【カイロ=末続哲也】エジプトで特に低所得者層に影響力が大きい国営テレビが、ムバラク大統領の肩を持つ「偏向報道」を際立たせているとして、反政府勢力が反発を強めている。

抗議して辞めていくテレビ局スタッフも続出している。

カイロなどでの大規模デモから一夜明けた5日。国営テレビの報道番組では、同テレビや国営紙の記者が電話出演し「国内情勢」を伝えた。

国営紙記者「(カイロの反体制派拠点)タハリール広場には外国人も交じり、混乱が続くように陰謀をたくらんでいる」

テレビ記者「広場で武器をもった人に脅され、帰宅を認められない人がいた」

画面には「外国人記者の拘束は事実でない」との字幕が現れる−−。

(2011年2月5日20時06分 読売新聞)



 
 
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エジプトでパイプライン爆発・炎上…テロか

【カイロ=林路郎】エジプト国営テレビは5日、シナイ半島にある同国産天然ガスのパイプラインが複数箇所でテロ攻撃を受けて爆破され、火災が発生したと伝えた。

同テレビは「外国勢力による攻撃」としている。エジプト当局は現場一帯で「非常事態」を宣言、安全措置としてイスラエルやヨルダン向けの供給を停止した。

パレスチナ自治区ガザに近いアリーシュで、シナイ半島を通ってヨルダンへ向かうパイプラインが標的にされた。一部のイスラム原理主義武装勢力は「イスラエル向けパイプラインを爆破せよ」と呼びかけていた。

ムバラク大統領退陣を求める反政府勢力の間では、延命を図る大統領周辺が、「原理主義の脅威」を印象づけるため爆破を自作自演したのではないかとの見方も出ている。反政府デモで存在感を増す原理主義組織ムスリム同胞団に対する国民の不信感をあおるのに好都合だからだ。

ガザ地区に近いエジプトのラファでも5日、キリスト教会が何者かに爆破された。教会は事件当時は無人で、死傷者はいない模様だ。

(2011年2月5日20時49分 読売新聞)



 
 
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エジプト権力移譲案、副大統領が軍首脳と協議

【カイロ=田尾茂樹】エジプトのスレイマン副大統領は5日、ムバラク大統領の即時退陣を求める反体制デモ沈静化に向け、新体制移行に関する協議に参加する有力者の人選に着手した。

副大統領はムバラク大統領の即時辞任を拒否する一方、大統領権限を縮小し、9月の大統領選まで名目だけの立場に祭り上げる考えだ。だが、これでも反体制派が納得する保証はない。

米紙ニューヨーク・タイムズなどによると、新体制への移行案は、副大統領と軍首脳が検討している。ムバラク氏は大統領職にとどまりつつ、エジプト東部シャルムエルシェイクの別荘か、毎年、医療検査で訪れるドイツに移り、大統領選実施に向けた憲法改正や選挙制度改革などは、副大統領と軍部が中心となって協議する構想だ。

(2011年2月5日21時35分 読売新聞)



 
 
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カイロ 広場に数十万人市民 野党側「追放の金曜日」

2011年2月5日0時30分

【カイロ=前川浩之、貫洞欣寛】エジプトのムバラク大統領の即時退陣を求める大規模デモが4日午後(日本時間同日夜)、カイロ中心部のタハリール(解放)広場であり、数十万単位の市民が集まった。野党勢力が「追放の金曜日」と名付けたデモは、1日にあった「100万人行進」を上回る規模となり、ムバラク氏の即時辞任を求める市民の声が高まっていることを示した。

タハリール広場では、エジプト軍が広場入り口に鉄条網を張って検問を設けており、一人ひとりを身体検査して、武器の持ち込みなどに目を光らせた。4日夕現在、軍はデモに静観の構えを続けている。タンタウィ副首相兼国防相は同日午前、広場に入り、野党勢力に対して「ムバラク大統領は今期限りで引くとあなた方に言った」などと述べ、4日のデモをもって事態の収束を図るよう求めた。

デモ参加者は増え続け、広場につながるナイル川に架かる橋まで一時、人があふれた。エジプト情報省は4日夕、広場への記者の立ち入りを許可制にすると急きょ発表。これ以上の盛り上がりを抑える狙いとみられる。

広場の近くには、ムバラク派も現れた。軍は広場周辺に戦車などを配置し、野党勢力との間に緩衝地帯を設けたが、広場北側では投石などによる衝突も発生し、けが人も出た模様だ。2日にはムバラク派の襲撃に伴い大規模な衝突が起きたが、4日夕現在、激しい衝突は伝えられていない。

衛星テレビ局アルアラビアによると、軍の現場司令官は野党勢力に対し「我々は市民を傷つけない。何者かが挑発しても乗るな」などと述べ、ムバラク派との衝突回避を訴えた。

衛星テレビ局アルジャジーラによると、元エジプト外相のムーサ・アラブ連盟事務局長がタハリール広場に姿をみせた。同氏はムバラク氏が退陣した場合、大統領選挙への出馬に意欲を示しているとされる。野党勢力が呼びかけたデモに加わったことで、民主化運動の指導者で国際原子力機関(IAEA)の前事務局長エルバラダイ氏らとともに、あらためて今後の動向が注目されそうだ。

野党勢力のうち若者主体のグループ「4月6日運動」は4日、フェイスブックを通じ、「我々自身による新しい国家を作り上げる。我々には自由を享受する権利がある」とする声明文を発表、あくまでムバラク氏の即時辞任を求める姿勢を確認した。

カイロ市内にはタハリール広場のほか、各地に多数の警察官が配置され、厳戒態勢が敷かれた。

一方、デモの影響で商店などの多くが閉店を続けていることに市民の不満も高まっており、事態の早期収拾を求める声も聞かれる。



 
 
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ムバラク大統領の退陣は求めず EU27カ国首脳会議

2011年2月5日3時29分

【ブリュッセル=井田香奈子】欧州連合(EU)27カ国の首脳会議が4日、ブリュッセルで開かれ、エジプトのムバラク政権に対し、広く支持される政府への移行プロセスを今すぐ始めるよう求める声明を出した。ムバラク大統領の退陣までは求めていない。

声明では、「デモ参加者やメディアへの攻撃は受け入れがたい」と強く批判した。

首脳会議に先立ち、キャメロン英首相は記者団に対し、「政府の支援による暴力がこのまま続けば、現政権は国際的な信頼性を失うだろう」と話した。メルケル独首相は「エジプト治安当局は抗議行動が自由に平和的に行われることを保障しなければならない」と述べた。

ただし、ムバラク大統領の退陣については、オランダのルッテ首相は「求めるのは余計でごうまんだ」と発言し、他の首脳もはっきりした言及を避けた。イタリアのベルルスコーニ首相は「大統領がとどまっても民主化できると期待する。西側からは、最も賢い人とみなされているのだから」と語った。

EUのアシュトン外交安全保障上級代表は3日午後、エジプトのスレイマン副大統領と協議し、「デモ参加者への暴力は受け入れがたい」と伝えている。

EUは従来、中東外交の足がかりとしてエジプトとの関係を重視する一方、同国内の民主化や人権問題には踏み込んでこなかった。イスラム原理主義の拡大を警戒し、政権の安定を優先してきた側面が強い。しかし「エジプト情勢はEUの近隣外交政策の失敗を示している」(EU対外活動庁高官)など、根本的な見直しを求める声も出ている。



 
 
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イエメンの世襲否定表明を歓迎 米大統領が電話会談

2011年2月5日3時36分

【ワシントン=望月洋嗣】オバマ米大統領は2日、イエメンのサレハ大統領と電話で会談し、サレハ氏が2年後に退陣し息子への権力継承もしないと表明したことを「重要な改革」と歓迎する意向を伝えた。ホワイトハウスが3日発表した。オバマ大統領はサレハ氏に対し、国民への約束を具体的な行動に移すように要請したという。

一方、米国務省によると、クリントン国務長官は3日、ヨルダンのアブドラ国王と電話会談。平和的な反政府デモを容認する方針や、新内閣を発足させた「改革」を支持する意向を伝えた。これに対しアブドラ国王は、政治改革の努力を急がなければならないとの認識を示したという。

エジプトの政情不安を受けて、米政府は周辺国への影響を強く警戒している。クローリー国務次官補は、「ヨルダンに対するメッセージは、エジプト、イエメンの場合と同じだ。我々に経済、社会の改革を示してほしいということだ」と話した。



 
 
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エジプトのデモ「退陣まで続ける」 政権側と持久戦

2011年2月5日10時45分

【カイロ=貫洞欣寛】ムバラク大統領の即時退陣を求める民衆デモ「追放の金曜日」が開かれた4日、カイロ中心部のタハリール広場では真夜中を過ぎても数万人規模の市民が残り、夜を徹してデモを続けた。野党勢力側は退陣までデモ継続の構えで、政権側との持久戦が続きそうだ。

4日の日中のデモには、ロイター通信の推定で20万人が参加した。軍が緩衝地帯を設けてムバラク支持派と分離し、カイロ西部などで開かれたムバラク支持集会のタハリール広場方面への移動を禁じたため、懸念された衝突は起きなかった。タハリール広場は4日夜になっても大勢の市民でごった返し、「政権打倒」「ムバラクやめろ」などとシュプレヒコールを繰り返した。デモを主導する市民団体「4月6日運動」とムスリム同胞団は「デモを大統領退陣まで続ける」としている。

金・土曜が休日のエジプトでは6日が平日にあたり、政府はこの日からの銀行や企業などの業務再開を検討している。4月6日運動の広報担当者は「6日以降もどれだけデモに残るかが勝負だ」と述べた。治安当局は、午後5時〜午前7時の夜間外出禁止令を5日以降は午後7時〜午前6時に緩和すると発表した。

ラドワン財務相はロイター通信に「デモによる損失は巨大だ。100万人の外国人観光客が国外脱出し、金融市場は止まっている」と述べ、事態の早期収束を求めた。

政権側は、デモをタハリール広場に限定する一方、損失を一般大衆にアピールして日常への回帰ムードを高め、デモへの支持の勢いを失わせる戦略とみられる。

事態収拾に政治協議を模索する動きも出た。民主化運動指導者で国際原子力機関(IAEA)前事務局長のエルバラダイ氏は4日、ムバラク大統領が即時辞任した後なら、スレイマン副大統領との交渉は可能との見方を示した。

シャフィク首相は4日夜、国営テレビに出演し、腐敗の根絶など市民の要求の多くを受け入れるとしたうえで、「6カ月待ってほしい。政府への信頼を取り戻してみせる」と述べた。

AFP通信によると、1週間前にデモを取材中、何者かに銃撃されたエジプト人記者が4日、死亡した。一連の反政権デモが始まって以来、報道関係者に死者が出るのは初めて。衛星テレビ局アルジャジーラによると、同局のカイロ支局が4日、暴漢に襲われ、局内を燃やされた上で放送機材も破壊された。ファイヤード支局長ら2人は警察に拘束されたという。



 
 
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オバマ氏「ムバラク氏は正しい決断を」 政権移行促す

2011年2月5日10時50分

【ワシントン=望月洋嗣】オバマ米大統領は4日、退陣を拒んでいるエジプトのムバラク大統領に対し「正しい決断に至るよう望んでいる」と述べ、対応の再考を求めた。野党も含めた政権移行の手続きは「いま始める必要がある」とした。

ホワイトハウスで、カナダのハーパー首相と会談した後の共同会見で語った。

オバマ大統領は、反政府デモ拡大後にムバラク氏と電話で2回、会談した際「弾圧や暴力、通信の遮断など、古いやり方は機能しない」「エジプトの人々の声を聴き、意味のある真剣な決断をする必要がある」と迫ったことを明かした。「エジプトがこの変革期を乗り切るうえで、(ムバラク氏が)どんな遺産を残せるか、自問してほしい」と述べ、速やかな政権移行による事態収拾を言外に促した。

9月の大統領選に出馬しないというムバラク氏の決断については「大きな心境の変化」と評価し、「彼自身もエジプト政府も反政府勢力も、どうすれば効果的かつ正統に政権移行を実現できるかを自問してほしい」と述べた。

ホワイトハウス前ではエジプト系米国人ら数百人が抗議集会を開き、「ムバラクよ時間切れだ。オバマ大統領、彼を追放して」などと声を上げた。



 
 
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エジプトのパイプライン爆発 「テロ」「事故」の報道

2011年2月5日22時36分

【カイロ=貫洞欣寛】エジプト国営テレビは5日、北部アリーシュ付近でイスラエルにガスを輸出するパイプラインで爆発があったと報じた。国営テレビは「テロリストによる破壊行為」との治安当局の見方を伝えたが、AP通信はガス会社の話として「ガス漏れが原因」としている。死傷者はいなかった。エジプト当局はガスの供給を緊急停止したという。ガス供給先のイスラエルやヨルダン政府は、対応に追われている。

イスラエルは、天然ガス使用量の約3割をエジプトからの輸入に頼っている。当面の使用分を備蓄しており、市民生活に影響がでることはないという。



 
 
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パン値上がり、ガソリン不足…カイロ、デモの影響深刻

2011年2月5日23時27分

【カイロ=玉川透、北川学】ムバラク大統領の即時退陣を求めるエジプトの民衆デモは5日、前日から夜を徹して続けられた。その一方、再開する商店も増えはじめ、街は日常の顔を取り戻しつつある。ただ、デモの影響で物価高や品不足は深刻だ。エジプトでは週初めとなる日曜日の6日を控え、市民は事態の早期収拾を願っている。

熟れたバナナの房が店先にぶら下がり、商品棚にはパック詰めされたニンジンやキュウリ、ニンニクが並ぶ。カイロ中心部の青果店は5日、3日ぶりに店を開けた。

ところが、近所の主婦らは店先をのぞくだけで、何も買わずに帰ってしまう。デモの影響で物流が混乱。仕入れ値が上がり、価格を3〜4倍に値上げせざるを得なかったからだ。

店先にたたずむ店主のロトフィさん(48)の表情は浮かない。「このままじゃ、全部捨てなくちゃいけなくなる……。全部デモのせいだ。一刻も早く終わってほしい」と怒りをぶつけた。

路上でバラの花束を売るアフマドさん(16)は、「食べ物は高くても買わずにはいられないが、心に余裕がないと花は売れない」とぼやく。いつもなら1日15束は売れていたが、最近は半分以下だという。

地元紙などによると、1月25日に反政府デモが始まって以降、主食のパン、米、マメの価格は最大で80%上昇。例えばエジプト料理でよく使われるトマトは1キロあたり4エジプトポンド(約56円)。デモが始まる以前の4倍に跳ね上がった。ムバラク政権はこれまで、補助金を使ってパンなどの価格を安く抑え、国民の不満を抑えてきた。

休業していたガソリンスタンドも、営業を再開するところが増えている。ただ、東部スエズの製油所からの陸路輸送が夜間外出禁止令の影響で滞った。1リットル1.75エジプトポンド(約25円)の価格はデモの前と変わらないが、品薄のため自発的に販売量を制限するところがほとんどだ。

カイロ市内のあるスタンドでは、車1台につき30リットルまでしか売らない。「何で満タンにできないんだ」と店員にかみつく客も少なくない。給油に訪れた商店経営サイードさん(51)は「友人の分もポリ容器で買いたいのに、どのスタンドでも断られた」と怒っていた。

店長(35)は「デモが長引けば、この先どうなるか分からない。みんなのためを思って販売を制限している」と話した。

市内では一時、略奪行為も横行したが、いまのところ収まっている。閉鎖されていた銀行業務は6日から再開される見通しだ。政府は国営テレビを通じ、タハリール広場を占拠するデモ参加者に対し、通常生活に戻るよう重ねて促している。



 
 
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エジプト:反大統領デモをイランのハメネイ師称賛 「イスラムの目覚め」

【カイロ鵜塚健】イランの最高指導者ハメネイ師は4日、金曜礼拝の演説でエジプトのムバラク政権を強く批判し、同国で続く反大統領デモを「イスラムの目覚めによるものだ」と称賛した。「ムバラク後」にイスラム主義の台頭を警戒する米国やイスラエルを刺激しそうだ。

テヘランからの報道によると、ハメネイ師はムバラク大統領を「米国に支配された指導者」と表現。イスラエルと平和条約を結んだエジプトが「パレスチナ住民の最大の敵」となったと非難した。

イランは11日がイスラム革命(79年)の記念日で、政府は国威発揚に努めている。ハメネイ師は、エジプトでの動きが「イスラム革命を手本にしたもの」と指摘した。エジプトでは今後、穏健派イスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」の影響力が強まるとの見方が出ており、米国やイスラエルは警戒している。

毎日新聞 2011年2月5日 東京朝刊



 
 
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エジプト:政府「反逆者に立ち向かえ」 メッセージ無断送信、ボーダフォンが抗議

【ロンドン会川晴之】英携帯電話会社のボーダフォンは3日、エジプト政府に対する抗議声明を発表した。反大統領デモが始まって以後、エジプト政府が、政府支持を呼びかけるショートメッセージサービス(SMS)を、同社に無断で携帯電話利用者に送っていたことを「受け入れがたい行為」と強く非難した。

エジプトの通信法は緊急事態時に、政府がこうした行為をとることを認めている。反大統領側はツイッターやフェースブックなど、インターネットや携帯電話の情報端末を利用して情報共有を図った。政府はこれに対抗し、携帯電話を利用した宣伝戦を仕掛けた形だ。

中東メディアによると、「正直で忠誠心ある者よ、反逆者や犯罪者に立ち向かえ」「母よ、父よ、姉妹よ、兄弟よ! すべての正直者よ! 我が国を守りたまえ」などのメッセージが送られた。

ボーダフォンによると、「被害」を受けたのは同社のほか、エジプトの携帯電話会社など3社。通信会社側は、こうした通信を阻止する手段が無いとしている。SMSは携帯電話に短文のメッセージを送受信するサービス。

毎日新聞 2011年2月5日 東京朝刊



 
 
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エジプト:スレイマン氏がEU外相と協議

【ブリュッセル福島良典】エジプトのスレイマン副大統領は3日、EUのアシュトン外務・安全保障政策上級代表(外相)と電話で協議し、民主化の行程表について対話に応じるよう全政治勢力に呼びかけていると明らかにした。

アシュトン氏の事務所によると、スレイマン副大統領は、今年9月に予定されている大統領選挙に向けて必要な改革を進めるため、憲法改革、経済改革、公共秩序の3委員会の設立作業に入っていると説明した。

アシュトン氏は「平和的な(反大統領)デモ隊に対する攻撃」に重大な懸念を表明した。

毎日新聞 2011年2月5日 東京朝刊



 
 
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エジプト:EU、ムバラク大統領に即時退陣促す−−首脳会議

【ブリュッセル福島良典】欧州連合(EU、加盟27カ国)は4日、ブリュッセルで首脳会議を開き、エジプトのムバラク大統領に対して、「広範な支持基盤を持つ政権」への権力の即時移行を求める宣言を採択した。事実上、大統領に速やかな退陣を促した形だ。

宣言でEUは大統領支持派による反大統領デモ隊への攻撃を強く非難する一方、エジプトの民主体制移行や「自由で公正な選挙」の準備、北アフリカ・中東諸国の改革努力を積極的に支援する姿勢を打ち出している。アシュトン外務・安全保障政策上級代表(EU外相)が近くチュニジアとエジプトを訪れ、支援策を協議する。

毎日新聞 2011年2月5日 東京朝刊



 
 
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エジプト:軍と内務省、確執浮上

【カイロ和田浩明】エジプトの治安維持にあたる国軍と内務省の間の確執が浮上している。軍出身のスレイマン副大統領は3日、内務省管轄の治安部隊や警察による反大統領デモへの強硬な対応に不満を表明。空軍司令官だったシャフィク首相もアドリ前内相の処罰の可能性に言及し、ワグディ内相に「平和的なデモは邪魔すべきでない」とクギをさした。

デモ発生当初、治安維持を担当していた内務省は弾圧したが事態収拾に失敗。その後、大統領命令で国軍が展開した。地元メディアなどによると、アドリ氏はこれに反発し現場から部隊引き揚げを命じた疑惑がある。

内務省は警察や治安部隊を駆使して野党勢力の暴力的弾圧を続けてきた。「軍内部にはこうした手法に嫌悪感がある」と指摘する専門家もいる。ムバラク大統領が1月29日に全閣僚を更迭し、副大統領、首相、副首相が軍出身者で固められ、軍側の政治力が強まった形になった。しかし、2日に起きた大統領支持派による反大統領派の攻撃は治安当局や与党関係者が扇動した疑いも出ており、確執は今後も続く可能性がある。

毎日新聞 2011年2月5日 東京朝刊



 
 
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エジプト:野党足並みに乱れ 一部は政権と対話 デモ隊と共闘見えず

【カイロ和田浩明】エジプトでムバラク大統領の退陣要求を強める野党勢力は、一部を除いて政府側の対話提案に慎重な姿勢を取っている。だが反大統領派が結集するカイロ中心部のタハリール広場に姿を見せる幹部も目立たず、デモ隊との共闘姿勢も見えにくい状況だ。

9月引退を表明したムバラク大統領や、事実上実権を掌握したと見られるスレイマン副大統領は、犬猿の仲だった穏健派イスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」を含め全政治勢力との対話を提案している。

これに対し、高い組織力を持ち、昨年11月の総選挙で全議席を失うまでは事実上の最大野党だった「同胞団」や、今回の騒乱前から「同胞団」と共闘姿勢を見せていたエルバラダイ前国際原子力機関(IAEA)事務局長は「ムバラク退陣まで対話拒否」の姿勢だ。

一方、スレイマン副大統領は、一部勢力と3日に対話を行ったと表明。反大統領デモを主導したグループ「4月6日運動」などとみられ、野党側の足並みの乱れも見られる。地元紙によると、既成野党のワフド党は、ムバラク氏の引退表明を「歓迎」し、一時は政府との協議を検討したが、2日に大統領支持派が反大統領派を攻撃した事件を受けて「対話拒否」に戻った。

タハリール広場のデモ隊の間では「我々はムバラク排除に集中すべきだ」(40代男性)との声が目立ち、野党勢力の動きへの関心は必ずしも強くない。

エルバラダイ氏は30日に同広場に姿を見せたが、演説を短時間で切り上げた。ワフド党は騒乱開始から10日目の3日になって、ようやく幹部会による広場でのデモ参加を議決した。野党勢力と「現場」との距離が目立っている。

毎日新聞 2011年2月5日 東京朝刊



 
 
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クローズアップ2011:エジプト安定、高いハードル

◇「非合法化」最大野党勢力が反発、憲法問題も

エジプトのムバラク大統領に対し、国内の反大統領派だけでなく、最大の同盟国・米国からも即時辞任を求める圧力が強まっている。米上院がムバラク氏に対し、暫定政権への権限移譲を求める決議を採択したことで、国軍出身のスレイマン副大統領を暫定大統領に据える構想が現実味を帯びてきた。だが、その実現には憲法上の制約のほか、最大野党勢力のイスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」の反発が障害となっており、一足飛びには進みそうもない。【カイロ樋口直樹】

◇スレイマン暫定大統領構想

反大統領派と大統領支持派の多くは、実はムバラク氏の退陣そのもので意見はほぼ一致している。対立点は「いつ」「どのように」退陣させるかだ。混乱を鎮めるため、反大統領派の即時辞任要求に応える必要があるが、事実上の引退宣言までした同氏を力ずくで引きずり降ろすことには、大統領支持派だけでなく一般国民にも抵抗がある。

「ムバラク大統領はエジプト国民の父であり、兄でもある。自ら引退を決意した大統領を侮辱することは許せない」。支持派の会社員(40)は、家父長を尊重するエジプトの伝統的価値観に触れてこう語る。国民の多くは、強権政治や経済の停滞、政治腐敗の横行に不満を持つ一方、同氏の長年の功績を認めるべきだとの感情も抱いている。暫定政権構想は、ムバラク氏が早期に辞任を表明し、腹心のスレイマン氏率いる暫定政府に権力を移譲、9月に予定される大統領選の準備に入るというシナリオだ。急激な政治変革を望まない大統領支持派にとっての妥協策でもある。

情報長官だったスレイマン氏は、先月29日の副大統領就任以後、発言力を強め、ムバラク氏の次男ガマル氏の次期大統領選不出馬を言明したり、民主化に欠かせない憲法改正の意向を示すなど、「変化」をアピールし、野党勢力に対話を呼び掛けている。

だが、野党勢力はまだ呼び掛けに応じていない。特にエジプト全土で影響力を持つ「ムスリム同胞団」の動向がカギになっている。スレイマン氏は原理主義勢力を厳しく監視してきた情報機関のトップだっただけに、政治的に非合法化されてきた同胞団側にアレルギー感情は強い。

一方、エジプトでは憲法上、大統領が辞任した場合、人民議会(国会)議長が臨時大統領となり、60日以内に新大統領を選出しなければならない(84条)。この場合、副大統領のスレイマン氏に速やかに権力を移譲できない。

ただ、大統領が在職中、病気など一時的な理由で職務を続けられなくなった場合には、副大統領か首相が職務を引き継ぐことができる(82条)。スレイマン氏への権力移譲は、ムバラク氏が何らかの理由を付けて「職務を続けられなくなった」と事実上の辞任表明を行うことで可能になるとみられている。

ムバラク氏は「今辞任したら、エジプトが混乱に陥る」として即時辞任を拒否。スレイマン氏や、政権の屋台骨を支える軍部も今のところ、ムバラク氏の意向を尊重する姿勢を崩していない。

◇「目に見える変化」「関係も良好」 米が後押し

米国は、エジプト民主化の象徴として「自由で公正な」次期大統領選挙を求め、反大統領デモの拡大と現在の混乱状況を抑えるため、「今、目に見える変化が必要」と考えている。その一つとして検討しているとされるのが、エジプト国軍をバックにした暫定政権の樹立だ。治安の保てる暫定政権に、国民の声を反映する選挙制度改革を敢行させ、大統領選挙へつなげる構想だ。

「オバマ政権にとって最悪のシナリオは、ソマリア的な状況」。ブルッキングス研究所のスティーブン・グランド氏は指摘する。求心力を失ったムバラク政権が、受け皿がないままに反大統領デモによって崩壊し、さまざまな勢力が暴力で権力を競う状態を指す。

混乱をエジプトで食い止め、中東地域全体に飛び火させないようにする必要もある。先手を打つようにオバマ大統領は2日にイエメンのサレハ大統領、クリントン国務長官は3日にヨルダンのアブドラ国王とそれぞれ電話で協議し、揺れる両国でも一層の改革を推進するよう求めた。

オバマ政権の構想を先取りしたのが、米上院で3日に採択された決議と言える。ムバラク氏に速やかな「民主的政治システムへの秩序ある平和的な移行」を求めたもので、それには反ムバラク派を取り込んだ包括的な暫定政権への権限移譲と、選挙制度改革での野党勢力や市民社会、軍との協力が含まれる。暫定政権を率いる役割を期待しているのが、スレイマン副大統領だ。バイデン米副大統領は3日、スレイマン氏に電話し、各勢力との交渉に即座に着手するように要請した。

エジプト情報機関のトップを長年務め、米国とも良好な関係にあるスレイマン氏について米政権は以前から「ポスト・ムバラク」候補の一人とみなしていた。中東和平交渉で重要な役割を果たしてきた人物でもあり、米国の同盟国イスラエルとの関係を損なうようなことはしないとの考えも働いているようだ。【ワシントン草野和彦】

◇前原外相「政権移行慎重に」

前原誠司外相は4日の記者会見で、米国などがエジプトのムバラク大統領の即時退陣を求めていることについて「新たな元首を選ぶにしても、国民が納得する選挙のあり方を検証しなければならず、そういったものをやらずにトップがいなくなった場合、職務執行代行者で成し遂げられるのか」と述べ、政権移行を慎重に行うべきだとの考えを示した。

性急な退陣でさらに混乱することへの懸念と過度に介入しない姿勢を強調した形だ。【西田進一郎】

毎日新聞 2011年2月5日 東京朝刊



 
 
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エジプト:デモ、各地に拡大 「追放の金曜」首都、軍厳戒

<追跡>

【カイロ和田浩明】エジプトの反大統領派は4日、イスラム教の金曜礼拝に合わせて「追放の金曜日」と銘打った大規模デモを実施し、カイロ中心部のタハリール広場には推定約20万人が集結した。ムバラク大統領に即時退陣を迫る今回のデモは各地に拡大したほか、タハリール広場の外には大統領支持派が集まっており、一部で緊張も高まっている。軍は流血の惨事に発展することを警戒して厳戒態勢を敷いた。

◇拳上げ「ムバラク去れ」

反大統領派の拠点となっているタハリール広場。金曜礼拝で人々は自然と高揚し、突然、国歌を斉唱する声も聞こえてきた。朝から続々と詰めかけ始め、広場の入り口では手荷物検査などを待つ長蛇の列ができた。

若者、老人、女性、親子連れ……。あらゆる階層の顔が見える。記者が警備の兵士にパスポートを提示すると、笑顔で肩をたたかれた。数回のチェックを受けて、ようやく広場内に入った。2日の大統領支持派による攻撃で負傷したのか、顔や頭に包帯を巻く人がいる。疲れ切ってしまい、芝生の上で眠り込む人も多い。

「人々は自由のために、ここに集まった。政府は国民の声を聞くべきだ」。礼拝が始まり、イスラム教の宗教指導者が説教を始めると、広場は巨大なモスク(礼拝所)と化した。人々は聖地メッカ(サウジアラビア)の方角を向き整然と並んで、ただ祈る。感極まり、おえつする男性も。静寂を破るのは、スピーカーから流れる聖典コーランの引用と、上空を旋回する軍ヘリコプターの爆音だけだ。

反大統領派の要求はムバラク大統領の「即時退陣」だ。しかし、今のところ大統領にその意思はない。

中東の衛星テレビ・アルジャジーラによると、ムバラク大統領の側近で事実上の後継者と目されるスレイマン副大統領は、全野党勢力への対話の呼び掛けに加え、半世紀以上にわたり非合法化してきたイスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」の政治的合法化を容認する考えも示唆して、懐柔姿勢を強めている。

だが、反大統領派の不信感は根深い。スレイマン副大統領についても「(ムバラク大統領と)同じシステムの人間。受け入れられない」(40代女性教員)との見方が大半だ。配管工のアハマド・アブドルアミさん(38)は「子供たちが自由に歩ける国にしたい。それまでここを離れない」と話した。

午後1時(日本時間午後8時)前。礼拝が終わると、広場は「変化」への期待感に満たされた。人々はアラビア語で「メルハル(去れ)」「バーテル(偽物め)」と叫び、拳を突き上げてデモが始まった。「民衆の力で独裁政権を倒せるとチュニジアから学んだ」。医師のアハメド・ナグラさん(29)はそう言って、「ムバラク大統領は自らの威厳を保つことしか考えていない。国民の尊厳などお構いなしだ。即時退陣しかない」と吐き捨てるように言った。

広場には、次期大統領選出馬に意欲を見せるムーサ・アラブ連盟事務局長が姿を見せた一方で、エルバラダイ国際原子力機関(IAEA)前事務局長は参加しなかった。

国軍はこの日、広場に有刺鉄線を張り巡らせるなどして、前日まで続いた大統領支持派の「再襲来」に警戒を強めた。タンタウィ国防相も状況視察に足を運んだ。大統領支持派は周辺から投石などを試みたが、広場内に目立った姿は見えなかった。それでも、デモ隊の中には自分の周りに石をかき集めたり、投石に備えてヘルメットをかぶる人がいた。「市民同士」の流血の記憶は生々しい。

デモは各地に拡大し、ロイター通信によると、北部アレクサンドリアやスエズでも数千人が集まった。スエズ運河沿いのイスマイリアでは約100人の大統領支持派もデモを繰り広げたが、軍が反大統領派の集結場所から分断し、激突は避けられた模様だ。

カイロのデモ隊は最終的に、同広場から約12キロ離れたカイロ東郊の大統領宮殿まで行進する構えも見せており、緊張は最高度に達している。

一方、AP通信によると、カイロ市内にあるアルジャジーラの支局が何者かに襲撃され、機材などを破壊された。同テレビは1月30日、エジプト当局から国内での放送や取材の許可を取り消されていた。

毎日新聞 2011年2月5日 東京朝刊



 
 
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ギリシャ:パパンドレウ首相、エジプト訪問へ

【ブリュッセル福島良典】ロイター通信によると、ギリシャのパパンドレウ首相は4日、EU首脳会議後の記者会見で、エジプトのムバラク大統領と会談するため、6日にもカイロを訪問すると述べた。

毎日新聞 2011年2月5日 東京夕刊



 
 
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EU:中東政策、民主化支援強化 エジプト援助凍結も

【ブリュッセル福島良典】欧州連合(EU、加盟27カ国)は4日、チュニジアからエジプトに波及した民衆蜂起の連鎖を受け、地域安定の観点から長年、独裁政権を支援してきた北アフリカ・中東政策の見直しに着手した。自由、人権などEUの価値観が軽視されていたとの反省に立ち、民主化への支援を強化し、開発援助を提供する条件として改革努力の徹底を求める。

EUは4日の首脳会議で採択した宣言で「チュニジア、エジプト両国民はEUの価値観と合致する民主主義への渇望を表明した」と強調。北アフリカ・中東諸国と新たなパートナー関係を構築し、「自由で公正な選挙」を通じた政治改革や人権・自由の尊重への取り組みを支援する方針を打ち出した。

見直しの柱は援助政策。宣言はエジプト政府が改革努力を怠れば13年までに計4億5000万ユーロ(約500億円)を予定している援助を凍結する可能性を暗に警告した。チュニジアの場合、非政府組織(NGO)などへの支援を強化する。

EUは04年、北アフリカ・中東など近隣非加盟国の生活水準を上げることで安定化を図り、イスラム原理主義や不法移民の流入に歯止めをかける「欧州近隣諸国政策」を始めた。だが、独裁体制下の国家に対する開発援助により、「大多数の市民の権利や暮らしを犠牲に独裁政権の長期化に手を貸した」(市民団体)形となった。

毎日新聞 2011年2月5日 東京夕刊



 
 
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オバマ米大統領:ムバラク・エジプト大統領に、改めて早期退陣要求

◇「国民の声聞くべきだ」

【ワシントン草野和彦】オバマ米大統領は4日、カナダのハーパー首相との共同記者会見で、エジプトのムバラク大統領について、「(政権内だけでなく)エジプト国民の声を聞く必要がある」と指摘し、「正しい結論に達することを期待する」と述べた。政権移行に向けた動きが活発化するなか、事態の早期収拾に向けた“名誉ある退陣”を改めて促した。

大統領は「ムバラク氏はエジプトのことに心を配っている。誇り高く、愛国者でもある」と語った。その上で、ムバラク氏が自問すべきことは「変革の時期を乗り切るための『遺産』をどのように残すかだ」とし、晩節を汚さないよう勧めた。また大統領は、政権移行への議論が始まっているとの認識を示す一方、政権が野党勢力の幅広い代表との交渉を行うことを改めて求めた。

毎日新聞 2011年2月5日 東京夕刊



 
 
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エジプト:居座るムバラク氏 首相「即時辞任ない」 盟主の自負、米に憤り

【カイロ樋口直樹】混迷が続くエジプトのムバラク大統領が、大規模な反大統領デモや最大の同盟国・米国の「即時退陣」要求をはねつけ、辞任を拒否している。内憂外患の窮地にありながら、今年9月までの任期の全うに固執するムバラク氏の胸中には、30年間にわたり「アラブの盟主」エジプトを率いてきた自負心と、盟友を簡単に切り捨てようとするオバマ米政権への反発が渦巻いているに違いない。

シャフィク首相は4日、中東の衛星テレビ局アルアラビーヤのインタビューで、「大統領の存在は国家安全保障の源だ」と語り、即時辞任はあり得ないとの見方を示した。

この日は反大統領派の呼びかけで、首都カイロ中心部のタハリール広場に推定約20万人が集結、大統領の辞任を要求。暴力的な衝突など大きな混乱はなかったが、首相の発言は米国などが求める新政権移行がこうちゃくしている印象を与えた。

9月に予定される次期大統領選まで7カ月。残り任期にこだわるムバラク氏の心境は、今月1日の退陣表明演説や、米ABCとの3日の会見から読み取れる。「私はエジプトを守るために30年間戦ってきた」との一言に、ムバラク氏の心中は凝縮されている。

エジプト空軍司令官だった同氏は、宿敵イスラエルとの第4次中東戦争(73年)で形勢を有利に導いた功績で一躍「英雄」になった。81年の大統領就任後も、前任のサダト大統領を暗殺したイスラム過激派組織との戦いに明け暮れた。「体を張って国を守ってきた」との強い自負心が、辞任要求をはねつけている。

オバマ米政権への憤りもある。暗に辞任を求めるオバマ大統領に対し、ムバラク氏は「エジプトの文化も、私が今辞任したら何が起こるのかも分かっていない」と反論した。米国から巨額の支援を受けてはいるが、中東におけるイスラム過激派の「防波堤」となり、国民の不評を押してイスラエルとの平和条約を守り続けたのは自分だとの意地が垣間見える。

辞任拒否の理由は、感情論だけではない。次期大統領選の行方を左右する、憲法改正論議への影響力の確保も念頭にあるとみられている。ムバラク氏の多選は、巨大与党に有利な厳しい立候補要件によるところが大きい。憲法改正に際し、同氏が土壇場で介入する可能性を指摘する専門家も少なくない。

ムバラク氏は退陣表明の時、「私とその他の者たちの評価は歴史が下すだろう」と語った。発言の裏には、自分が大統領を辞めれば、エジプトの治安も米国の中東政策も立ちゆかなくなるぞ、との脅しが隠されている。

毎日新聞 2011年2月5日 東京夕刊



*このファイルは文部科学省科学研究費補助金を受けてなされている研究(基盤(B)・課題番号16330111 2004.4〜2008.3)の成果/のための資料の一部でもあります。
 http://www.ritsumei.ac.jp/acd/gr/gsce/p1/2004t.htm

UP:2011 REV:
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