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エジプト・アラブ共和国 2011年2月16日〜28日

アフリカアフリカ Africa 2014

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○最新のニュース・企画案内 → エジプト・アラブ共和国

○外務省 各国・地域情勢 エジプト・アラブ共和国

◆2011/02/16 NIKKEI NET エジプト軍、改憲に向け専門家委員会を設置
◆2011/02/16 NIKKEI NET 赤十字受け入れ、エジプトに要請 国際委員会事業局長
◆2011/02/16 NIKKEI NET エジプト元高官、資産凍結協議へ 20日にEU外相理事会
◆2011/02/16 NIKKEI NET ムバラク前大統領の健康悪化説を否定 関係筋「健在」
◆2011/02/16 NIKKEI NET 「ムバラク前大統領は元気」関係筋が健康悪化説を否定
◆2011/02/16 NIKKEI NET 米女性記者に群衆が性的暴行 エジプトで取材中
◆2011/02/16 cnn.co.jp 米CBSテレビの女性記者、エジプトで襲撃される
◆2011/02/16 yomiuri.co.jp 意識不明?健康?ムバラク氏の健康状態で臆測
◆2011/02/16 asahi.com エジプト憲法改正案「10日以内に」 軍声明
◆2011/02/16 asahi.com ごね続けたムバラク氏 辞任演説のはずが…原稿書き換え
◆2011/02/16 asahi.com エジプト、ネット世代の「革命」 連帯も世界規模
◆2011/02/16 jp.wsj.com ムスリム同胞団が持つ二面性−改革派と守旧派
◆2011/02/16 毎日新聞 中東激震:私はこう見る SNSが引き金 日本エネルギー経済研究所・保坂修司さん
◆2011/02/16 毎日新聞 EU外相:チュニジア訪問、290億円支援表明
◆2011/02/16 毎日新聞 エジプト:野党から閣僚起用へ 首相、「挙国一致」アピール
◆2011/02/16 毎日新聞 エジプト:非常事態解除後に選挙
◆2011/02/16 毎日新聞 衝撃・連鎖崩壊:中東はどこへ行くのか/下 エジプト若者の選択は
◆2011/02/16 毎日新聞 エジプト:「革命は続く」18日に大規模デモ 「若者連合」幹部、内閣刷新要求
◆2011/02/17 NIKKEI NET エジプト、抗議デモ死者365人 保健省
◆2011/02/17 NIKKEI NET EU外交代表、22日にエジプト訪問
◆2011/02/17 NIKKEI NET アラブ連盟、3月2日に外相級会合 デモ対応焦点
◆2011/02/17 cnn.co.jp エジプト死者数365人に、デモ続く中憲法改正に向け前進か
◆2011/02/17 cnn.co.jp エジプトで横行する女性への暴行、デモに隠れた現実露呈
◆2011/02/17 yomiuri.co.jp エジプト、憲法改正協議開始…6項目を対象に
◆2011/02/17 yomiuri.co.jp エジプト、デモの死者少なくとも365人
◆2011/02/17 asahi.com 米CBS女性記者、エジプトで暴行される
◆2011/02/17 asahi.com エジプト政変の死者365人、負傷者5500人
◆2011/02/17 asahi.com 「エジプト軍、非常事態令を解除」 大統領選前に
◆2011/02/17 NIKKEI NET エジプトの資産不正流用に注視を 米金融機関に財務省勧告
◆2011/02/17 NIKKEI NET イスラエル外相「イラン艦艇がスエズ運河通過へ」
◆2011/02/17 NIKKEI NET バーレーンデモ排除、死者4人 イラン艦船はスエズ通過中止
◆2011/02/17 NIKKEI NET ツタンカーメン父像が返還 エジプト、博物館の収蔵品
◆2011/02/17 ANNニュース 米CBS女性記者に性的暴行か エジプト取材中に(02/17 16:05)
◆2011/02/17 NIKKEI NET バーレーン首都でアラブ緊急外相会議へ
◆2011/02/17 毎日新聞 エジプト:米CBS女性記者、集団暴行の被害 カイロ取材中
◆2011/02/17 毎日新聞 中東激震:私はこう見る 旧体制残るエジプト カイロ大教授、ハッサン・ナファさん
◆2011/02/17 毎日新聞 エジプト:軍、デモ主導者と再対話へ 「若者連合」、政治犯釈放を要求
◆2011/02/17 毎日新聞 エジプト:憲法改正 大統領選の立候補要件、任期など対象 改憲委のサレハ氏語る
◆2011/02/17 毎日新聞 エジプト:デモ犠牲者365人に
◆2011/02/17 毎日新聞 中東激震:私はこう見る 中東研究所、エフゲニー・サタノフスキー所長
◆2011/02/18 cnn.co.jp エジプト検察、汚職捜査でムバラク政権の閣僚を拘束
◆2011/02/18 cnn.co.jp エジプト観光地再開へ、遺跡の盗掘も新たに判明
◆2011/02/18 asahi.com ツタンカーメン王像、一部発見 盗難の4点回収
◆2011/02/18 asahi.com ムバラク政権の閣僚ら4人拘束 汚職容疑でエジプト検察
◆2011/02/18 asahi.com 米、エジプト民主化支援に125億円 高官を現地派遣へ
◆2011/02/18 yomiuri.co.jp スエズ運河職員1500人、待遇改善求めデモ
◆2011/02/18 yomiuri.co.jp 盗難のファラオ立像発見…デモ広場に放置
◆2011/02/18 yomiuri.co.jp エジプト民政化支援、米1億5000万ドル拠出
◆2011/02/18 yomiuri.co.jp エジプト前内相・前観光相ら4人逮捕
◆2011/02/18 yomiuri.co.jp 米秘密報告書、エジプトなどの民衆蜂起を予期
◆2011/02/18 yomiuri.co.jp エジプト前閣僚ら4人、公金不正流用などで逮捕
◆2011/02/18 yomiuri.co.jp エジプト軍、大統領選に候補擁立せず
◆2011/02/18 NIKKEI NET [FT]中国人がエジプトに触発されない理由
◆2011/02/18 NIKKEI NET パナソニック、中東出張自粛6カ国追加
◆2011/02/18 NIKKEI NET エジプト大統領選、軍「候補擁立せず」
◆2011/02/18 NIKKEI NET 湾岸外相、緊急協議へ 米はバーレーンに自制促す
◆2011/02/18 NIKKEI NET エジプト当局、前内相ら4人拘束 汚職関与の疑い
◆2011/02/18 NIKKEI NET イラン艦船、スエズ運河の通航申請 エジプト政府に
◆2011/02/18 NIKKEI NET エジプトで「勝利集会」 デモ隊・野党、軍に民主化圧力
◆2011/02/18 yomiuri.co.jp エジプトお祭りムード…「勝利集会」に数十万人
◆2011/02/18 毎日新聞 EU外相:21日にエジプトを訪問
◆2011/02/18 毎日新聞 イラン:軍艦、スエズ通過断念
◆2011/02/19 NIKKEI NET エジプト、イラン軍艦のスエズ通航許可 イスラエル反発
◆2011/02/19 NIKKEI NET イスラエル和平「エジプト国民が決める」 ムスリム同胞団
◆2011/02/19 NIKKEI NET IMF、エジプト支援に前向き
◆2011/02/19 cnn.co.jp エジプト、イラン艦のスエズ通航許可 イスラエル反発
◆2011/02/19 yomiuri.co.jp イラン軍艦船、スエズ運河通過へ…緊張の火種に
◆2011/02/19 yomiuri.co.jp エジプト軍、ストを事実上禁止…政変後も頻発
◆2011/02/19 yomiuri.co.jp ムバラク政権崩壊後、初の政党創設認可
◆2011/02/19 asahi.com エジプト、イラン艦のスエズ通航承認 イスラエルは非難
◆2011/02/19 毎日新聞 中東激震:私はこう見る イスラエル国家安保会議、ウジ・ダヤン元議長
◆2011/02/19 毎日新聞 エジプト:政権崩壊1週間 民主化へ喜びと覚悟 十数万人、再結集
◆2011/02/19 毎日新聞 リビア:国内第2の都市、2万人デモ さらに4人死亡
◆2011/02/19 毎日新聞 エジプト:スエズ運河、イラン軍艦通過許可 イスラエル反発
◆2011/02/19 毎日新聞 エジプト:軍がフェースブック参加 市民要求吸い上げへ
◆2011/02/19 毎日新聞 エジプト:あすにも内閣改造 ムバラク政権色一掃狙う
◆2011/02/20 NHK NHKスペシャル:ネットが革命を起こした〜アラブ・若者たちの攻防〜
◆2011/02/20 NIKKEI NET イラン軍艦船、21日にもスエズ運河通過
◆2011/02/20 毎日新聞 エジプト:ムバラク氏一家、スイスで凍結の総資産数十億円
◆2011/02/21 日本/東京アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会 緊急シンポ「アラブ諸国での政変をどう見るか」
◆2011/02/21 NIKKEI NET イラン艦船のスエズ運河通過、2日遅れ
◆2011/02/21 NIKKEI NET 英首相、カイロ訪問 政変後初の外国首脳
◆2011/02/21 毎日新聞 エジプト:デモで閉鎖の博物館を再開
◆2011/02/21 毎日新聞 エジプト:スエズ運河、イラン軍艦通過へ 外交変化も
◆2011/02/21 毎日新聞 エジプト:イラン艦、スエズ通過延期
◆2011/02/22 NIKKEI NET [FT]ムバラク前大統領の財産巡り高まる圧力
◆2011/02/22 NIKKEI NET イラン軍艦船、スエズ運河に進入 イラン革命後初
◆2011/02/22 AFP BB News エジプト反政府デモ研究会に参加した47人を拘束、ジンバブエ
◆2011/02/22 AFP BB News イラン艦艇2隻がスエズ運河入り、シリア行きか
◆2011/02/22 yomiuri.co.jp エジプトの反体制デモ、死者384人に
◆2011/02/22 asahi.com ムバラク前大統領の資産凍結を要請 エジプト検察
◆2011/02/22 asahi.com イラン軍の艦船2隻、スエズ運河通過 革命以来初めて
◆2011/02/22 cnn.co.jp ムバラク前大統領の資産凍結、英首相が訪問 エジプト
◆2011/02/22 毎日新聞 エジプト:野党勢力から初の入閣内定
◆2011/02/22 毎日新聞 中東激震:私はこう見る ワシントン中東政策研究所、アシュ・ジェイン客員研究員
◆2011/02/23 NIKKEI NET イラン軍艦、スエズ運河を通航 イスラエル軍「挑発には対応」
◆2011/02/23 NIKKEI NET エジプト、野党から入閣 内閣改造、主要閣僚は留任
◆2011/02/23 NIKKEI NET エジプト産乾燥タマネギ、輸入価格1割高 輸送に遅れ
◆2011/02/23 yomiuri.co.jp エジプトの反体制デモ、死者384人に
◆2011/02/23 NIKKEI NET エジプト内務省施設が炎上 元警官ら復職求め抗議
◆2011/02/23 cnn.co.jp イラン軍艦がスエズ運河を通過 イスラエルは反発
◆2011/02/23 毎日新聞 イラン:艦船、スエズ入り
◆2011/02/23 毎日新聞 リビア:国境、避難民続々 エジプト人労働者ら
◆2011/02/23 毎日新聞 クローズアップ2011:中東デモ拡大 民意読めぬ独裁者
◆2011/02/24 NIKKEI NET エジプト暫定政府が初閣議 「ムバラク色」強く
◆2011/02/24 毎日新聞 イラン:艦船、スエズ運河通過 イスラエル「挑発行為だ」
◆2011/02/24 毎日新聞 中東激震:私はこう見る 鈴木恵美・早大研究院准教授/立山良司・防衛大学校教授
◆2011/02/24 毎日新聞 エジプト:暫定内閣を改造 警官デモ、内務省施設放火
◆2011/02/25 yomiuri.co.jp スエズ通過のイラン軍艦船、シリア北部到着
◆2011/02/25 NIKKEI NET 中東混迷、近畿の企業が警戒 出張自粛の地域拡大
◆2011/02/25 毎日新聞 中東激震:私はこう見る リザ・ウィディヤルサ講師
◆2011/02/25 毎日新聞 中東デモ:各地でうねり エジプトデモ1カ月
◆2011/02/26 Human Rights Watch リビア:治安部隊が西部都市でデモ隊に発砲
◆2011/02/27 NIKKEI NET エジプト、大統領任期4年に短縮 エジプト憲法改正案
◆2011/02/27 NIKKEI NET リビア、150万人の外国人労働者が出国できず
◆2011/02/27 AFP BB News 北アフリカ反政府デモの恩恵、スペインへの観光客増える
◆2011/02/27 毎日新聞 中東激震:私はこう見る バラク・シーナー氏/ミルザ・アリ・モハメド氏
◆2011/02/27 AFP BB News リビアから大勢の外国人が出国、救出遅いとの批判も
◆2011/02/28 NIKKEI NET 次期大統領選にムーサ氏が出馬 エジプト
◆2011/02/28 asahi.com エジプト元外相、大統領選出馬表明 今年後半にも選挙
◆2011/02/28 asahi.com ムバラク氏と家族、出国禁止 資産も凍結 エジプト検察
◆2011/02/28 yomiuri.co.jp アラブ連盟のアムル・ムーサ氏、出馬意向
◆2011/02/28 yomiuri.co.jp ムバラク一家の渡航禁止・資産凍結…検察当局
◆2011/02/28 毎日新聞 エジプト:改憲草案を承認 国民投票、民政移管へ
◆2011/02/28 毎日新聞 フランス:チュニジア旅行、旧政権から便宜 外相が引責辞任
◆2011/02/28 毎日新聞 エジプト大統領選:ムーサ氏が出馬の意向


 
 
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エジプト軍、改憲に向け専門家委員会を設置

2011/2/16 0:01

【カイロ=岐部秀光】エジプトでムバラク政権崩壊後の実権を握る軍最高評議会は15日、憲法改正に向けた専門家委員会を設置し、10日以内に改正案をまとめるよう指示した。委員長にはムバラク政権下で司法の独立を訴えてきた元判事のタレク・ビシュリ氏が就任した。

委員会は8人で構成。ムバラク政権下で非合法だった事実上の最大野党勢力「ムスリム同胞団」の代表も加わった。同胞団は15日までに、選挙実施をにらんで政党を結成すると発表。政治組織として今後、発言力を増すことを目指している。

15日の初会合には最高評議会のタンタウィ議長も出席。「一刻も早く権限を民主的に選ばれた政府に手渡したい」との軍の考えを伝えたという。

軍最高評議会が停止を発表した現行憲法では、ムバラク氏の長期政権を支えるために野党勢力が事実上、大統領選に候補者を立てることが不可能だった。改正案作成後に国民投票を実施し、6カ月以内の議会・大統領選挙実施につなげる。



 
 
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赤十字受け入れ、エジプトに要請 国際委員会事業局長

2011/2/16 0:03日本経済新聞 電子版

赤十字国際委員会(ICRC)のクレヘンビュール事業局長は15日、東京都内で日本経済新聞記者と会い、エジプトに対して赤十字による服役囚訪問を受け入れるよう要請していることを明らかにした。同事業局長は「チュニジアの新政府は刑務所訪問を受け入れると確約したが、エジプト軍最高評議会はまだ対応を検討中の段階だ」と説明。「赤十字の刑務所訪問を繰り返し受け入れることで、エジプトは国際社会にも、自国民にも透明性を示すことができる」と対応を促した。



 
 
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エジプト元高官、資産凍結協議へ 20日にEU外相理事会

2011/2/16 0:30

【ブリュッセル=瀬能繁】欧州連合(EU)は20日夜に外相理事会を開き、エジプトの元政府高官の資産凍結問題を協議する。アシュトン外交安全保障上級代表の報道官が15日明らかにした。エジプト当局はすでに独仏英など一部のEU加盟国に資産凍結を要請しており、ショイブレ独財務相は「迅速に決定されるだろう」と語った。

EU加盟27カ国は15日の財務相理事会で資産凍結問題を議論したが、結論は外相理事会にゆだねる方針で一致した。EU議長国ハンガリーのマトルチ国家経済相は記者会見で「エジプトの民主的な体制移行を歓迎する」と述べるにとどめた。



 
 
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ムバラク前大統領の健康悪化説を否定 関係筋「健在」

2011/2/16 9:58

【カイロ=共同】11日に辞任した後、健康状態の悪化が伝えられていたエジプトのムバラク前大統領について関係筋は15日、ロイター通信に対し「彼(ムバラク氏)は健在だ。家族と(東部)シャルムエルシェイクの邸宅におり、電話を受けている。私も(15日)午後3時に電話で話した」と述べた。

ムバラク氏をめぐっては、独立系のアルマスリ・アルヨウム紙が昏睡(こんすい)状態で治療を受けているなどと報道。政府系アルゴムフリア紙も同氏がうつ病を患っているなどと、相次いで急激な健康悪化説を伝えていた。



 
 
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「ムバラク前大統領は元気」関係筋が健康悪化説を否定

2011/2/16 11:05

【カイロ=岐部秀光】ロイター通信によると、健康状態の悪化説もあったエジプトのムバラク前大統領について関係筋は15日、同氏が紅海沿岸のリゾート地シャルムエルシェイクの別荘に家族とともに滞在し、健在であると述べた。「彼は元気だ。電話を受けており、私も午後3時ごろに電話で話した」と明らかにしたという。

アラビア語紙アシャルクルアウサトは15日、ムバラク氏の病状が悪化しているが、当人が国外での治療を拒否していると報じていた。ムバラク氏は国営テレビで即時辞任を拒否する演説をして以来、国民の前に姿をみせていない。



 
 
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米女性記者に群衆が性的暴行 エジプトで取材中

2011/2/16 11:58

【ニューヨーク=共同】米CBSテレビは15日、同局の女性海外特派員ララ・ローガン記者がエジプトのムバラク前大統領の辞任当日にカイロのタハリール広場で取材中、群衆に襲撃され性的な暴行を受けたことを明らかにした。

CBSによると、襲撃は11日に発生。看板番組「60ミニッツ」の取材班とともに200人以上に囲まれた後、ローガン記者は取材班から引き離されて暴行を受けた。女性のグループと、エジプト軍兵士約20人が救出。翌朝の便で帰米し、治療を受けている。



 
 
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米CBSテレビの女性記者、エジプトで襲撃される

2011.02.16 Wed posted at: 09:44 JST

(CNN) 米CBSテレビのララ・ローガン記者(39)が先週、エジプト・カイロ市内で群衆に取り囲まれ、性的暴力などを受けていたことが分かった。同社が15日の声明で明らかにした。

声明によると、ローガンさんは11日、スタッフとともに、市中心部のタハリール広場でムバラク大統領辞任のニュースを取材していた。興奮した約200人の群衆が取材班や同行の警備チームを取り囲んだ。ローガンさんは取材班とはぐれて殴られ、性的暴力を受けたが、女性グループや約20人のエジプト軍兵士に助けられた。取材班と合流してホテルへ戻り、12日に帰国して入院したという。

ローガンさんは南アフリカ出身で2002年からCBSの番組で記者を務め、08年から外交問題担当の責任者。今月3日には、カイロで取材中に拘束された。



 
 
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意識不明?健康?ムバラク氏の健康状態で臆測

【カイロ=工藤武人】エジプトのムバラク前大統領(82)の健康状態を巡り、様々な臆測が飛び交っている。

同国の独立系紙アルマスリ・アルヨウムは16日、ムバラク氏は膵臓(すいぞう)がんを患っており、11日に辞任して東部の保養地シャルムエルシェイクに移って以降、出国を拒み続け、回想録執筆に意欲を示していると報じた。同紙は14日には、ムバラク氏の健康状態が極度に悪化し、「意識不明」だと伝えていた。重度のうつ状態に陥っているとの報道もある。

一方、汎アラブ紙アッシャルクルアウサト(電子版)は15日、ムバラク氏と同日、電話で会話した人物が、同氏は「元気だった」と話したと伝えた。

ムバラク氏は昨年ドイツで胆のう摘出手術を受けており、同国への出国が取りざたされている。

(2011年2月16日20時25分 読売新聞)



 
 
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エジプト憲法改正案「10日以内に」 軍声明

2011年2月16日0時2分

【カイロ=古谷祐伸】ムバラク前大統領の退陣後にエジプトの全権を握った軍の最高評議会は15日、同日から10日以内に憲法改正案をまとめると発表し、そのための検討組織も任命した。

評議会のタンタウィ議長の声明によると、現行憲法のうち改正対象は六つの条文。具体的には、大統領が何回でも再選できる規定や、ムバラク氏の与党以外からの立候補を事実上禁じた大統領選資格に関する規定、テロ対策を名目に基本的人権の制限を認めてきた規定、憲法改正のための規定など、いずれも野党勢力などから批判の対象になってきた条文だ。

改正案をまとめる組織は法律を専門とする文民8人からなり、トップのタレク・ビシュリ氏は司法の独立を守り、政府批判もしてきたことで国民の支持が高い元裁判官。ムバラク氏を退陣に追い込んだ民衆デモにかかわった最大野党勢力のムスリム同胞団のメンバーも含まれている。

デモを呼びかけ、ムバラク氏退陣後に軍と意見交換したという若者グループのリーダーらによると、憲法改正のための住民投票は2カ月以内に実施するとの説明があったという。

評議会は声明で、6カ月以内の民政移管を目指す意向も改めて表明した。



 
 
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ごね続けたムバラク氏 辞任演説のはずが…原稿書き換え

2011年2月16日1時30分

【カイロ=古谷祐伸】エジプトの民衆デモで退陣したムバラク前大統領(82)は、最後まで辞任を拒みつづけ、結果として軍部に引導を渡された−−。そんな内幕を、側近や米政府関係者らの証言に基づき、AP通信や米紙ワシントン・ポストが報じた。

ムバラク氏は10日のテレビ演説で、副大統領に一部の権限を譲る一方で、「外国の圧力には屈しない」「危機を解決する明確な方針がある」として辞任は拒んだ。ところが翌11日昼ごろ、カイロからシナイ半島のリゾート地シャルムエルシェイクへ脱出。数時間後、スレイマン副大統領によって退陣が発表された。

AP通信によると、ムバラク氏は10日夜の演説で辞任を表明するはずだったが、演説原稿は土壇場で何度も書き換えられ、結局は強気の姿勢を示すものに変わった。家族が危機を乗り越えられると主張し、ムバラク氏が信じたためだという。

だが、これで国民の怒りが爆発し、中立を保っていた軍部も動いた。ワシントン・ポストによると、演説の数時間後に軍幹部がムバラク氏に会い、「自発的に辞めるか、追放されるか」を選ぶよう迫った。ムバラク氏は荷物をまとめ、家族と軍のヘリに乗ったという。

11日午前11時半ごろ、大統領府から2機の軍用ヘリが飛び立つのを、朝日新聞記者が目撃しており、ムバラク氏が乗っていた可能性が高い。

副大統領による大統領退陣の発表は、1分間もない短いものだった。閣僚会議の会場にあったムバラク氏の巨大な肖像画も、13日に取り外された。



 
 
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エジプト、ネット世代の「革命」 連帯も世界規模

2011年2月16日8時13分

エジプトの「革命」を突き動かしたのは、若き「ギール・インターネット(インターネット世代)」だった−−。祖国で立ち上がった若者たちに、日本など世界各国で暮らす同世代も連帯し、支えた。

今回のムバラク前大統領退陣で一躍脚光を浴びたのが、国外から「フェイスブック」でデモを呼びかけ、帰国時に治安当局に拘束されたワエル・ゴネイム氏(30)。インターネット検索大手グーグルのドバイ駐在幹部だ。

来日16年目の私大講師アルモーメン・アブドーラさん(36)は、国外に暮らし、社会的にも経済的にも困っていないであろう彼が、祖国を変えようとリスクを冒して立ち上がった姿に感銘を受けたという。

「社会的問題に対する関わり方を見直さなければいけない。手本を見せられた」

「変化を好まず、何事にも受け身」。ムバラク治世しか知らない祖国の一般的な若者像を、アルモーメンさんはこうとらえてきた。

だが今回、若者たちはITを駆使して積極的に動き、力を合わせた。そんな姿に新たな国民性を見いだしたという。日本に住む自らも、在日エジプト人によるデモの呼びかけに加わった。

東京都内の大学院に通うリーム・アフマドさん(27)はゴネイム氏だけが「革命」を動かしたのではないと思う。

ネット社会の波は、アラブにも届いていた。お金が無くても若者は携帯電話を持ち、ネットカフェに足を運ぶ。もともとエジプト人は議論好き、おしゃべり好き。当局が言論を統制しても、その国民性は縛られることなく、ネットなどで発揮されていた。

同じ「アラビア語」でつながるチュニジアで1月中旬に革命が起きると、そのノウハウはすぐに伝わった。

デモの民衆が集った広場の名はタハリール−−アラビア語で「解放」を意味する場所だった。(高橋友佳理)



 
 
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ムスリム同胞団が持つ二面性−改革派と守旧派

2011年 2月 16日 20:45 JST

【カイロ】29歳の好青年、モアズ・アブデル・カリムは、カイロで最近のデモを計画した若き活動家の一人だが、ムスリム同胞団の新しい側面の代表と言える。女性の権利、宗教的自由、政治の多元的共存についての彼の考え方は、西側の民主主義的価値と一致する。彼は、エジプトで民主主義と人権を勝ち取ることに取り組んでいる。

ムスリム同胞団が持つもうひとつの顔は、昨年1月に最高指導者に就任した保守派で66歳の獣医、モハメド・バディだ。バディ氏は最近、ムスリム同胞団がユダヤ人に対して「聖戦の御旗を引き続き掲げる」方針を明らかにするとともに、ユダヤ人は同胞団にとって「第一、かつ最大の敵」だと述べている。彼は米国の「帝国主義」に反対し、イスラム国家建設の必要性を唱えている。

1979年のイラン革命以来、この地域で最も劇的となった市民蜂起を受けて、ムバラク大統領が今月11日に辞任。ムスリム同胞団はエジプト政治の重要な役割を担おうとしている。そこで多くの人が抱く疑問は、「誰の同胞なのか」ということだ。

1月25日から始まったデモを組織するうえで重要な役割を演じ、在任期間29年のムバラク大統領を辞任に追い込んだのは、カリム氏と、彼よりもさらに若く寛容な仲間達だ。しかし、依然として、ムスリム同胞団の指導部の大半を占めるのは、保守的で反西側の守旧派だ。

バディ氏は昨年9月、同胞団のウェブサイトの記事の中で、米国についてこう書いている。「モラルと人間の価値を擁護しない国が人類を導くことは不可能だ。アッラーの思し召しによれば、そのような国に富は根付かない」

バディ氏の文章はこう続く。「レジスタンスがユダヤ・米国の尊大と専制に対する唯一の解決だ。アラブとイスラムの人々に必要なことは、レジスタンスの支持である。・・・ガザのムジャヒディン(聖戦士)の兄弟に告ぐ。辛抱し、聖戦を貫け。そうすれば、アッラーとともに生きられるということが分かるだろう」

カリム氏は14日、世俗派数グループの若きリーダーとともに記者会見を行い、エジプトの民主主義移行の進め方について意見を述べ、軍の協力を称賛した。彼らの第一の主張は、広範な野党勢力を含む統一政府の実現だ。

ムスリム同胞団は、12日に自由公正な選挙を求めた同様のメッセージを発表している。同胞団は、同組織の政権奪取に対する懸念を和らげるために、大統領選挙で候補を擁立せず、議席の過半数取得を目指さない方針も示した。

しかしながら、エジプト人も海外も慎重な見方を崩していない。ムスリム同胞団が今後、新たに得る政治的利益をどのように利用するのか、また同組織の穏健派が影響力を維持できるのかが不透明なためだ。

米ケント州立大学の政治学教授で、エジプトで長年ムスリム同胞団の研究を行ったジョシュ・スタシェル氏は、「同胞団の全容は明らかになっていない。大きな集団で、さまざまな意見が存在する。イスラエルを常に非難する者もあれば、イスラエルに関心を示さず、識字率の向上に熱心な向きもある」と述べた。

イスラエルは、ムスリム同胞団に穏健派がいるとするなら(イスラエル政権幹部の多くはこのことに疑問を抱いている)、その穏健派が急進派に駆逐される可能性を懸念している。

ムスリム同胞団の保守派はここ何年も、反イスラエル的なコメントを出し、イスラム原理主義組織ハマスに資金援助を行ってきた。イラク、アフガニスタンの米兵士に対する攻撃を支持する発言も行っている。

米国は、静観する構えのようだ。オバマ大統領はフォックス・ニュースのインタビューで、ムスリム同胞団の反米姿勢は認識しているとしながらも、同胞団はエジプトで大多数の支持を得ておらず、政治プロセスに含まれるべきとの見方を示した。大統領は、この問題を「ムスリム同胞団か、エジプト市民の抑圧かの二者択一にしないことが重要だ」述べている。

非合法のムスリム同胞団は、若年層と年配者、改革派と強硬派の対立を抱えている。エジプト政府が国家の脅威として留意してきたのは強硬派だ。

しかし近年、同胞団の中でも現実路線の陣営が、世俗的な野党活動家と手を結んだ。彼らがムバラク大統領を辞任に追い込んだことで、守旧派との権力争いに有利に働いたもようだ。

1990年代にムスリム同胞団を去り、中道党を結成したエッサム・スルタン氏は、「ムスリム同胞団自体に革命の功績はないが、一部派閥にはそれがある。彼らは総じて近代的な考え方を持っている。このことで、同派閥は高い評価を得るべきだ」と述べた。

一部の派閥が勢いを得たことにより、ムスリム同胞団の穏健派が影響力を不動のものにできるのかどうか、また、彼らの政策は具体的にどのようなものになるのか−−はまだわからない。

ムバラク大統領の辞任がまだ不透明だった9日、ムスリム同胞団の指導評議会(Guidance Council、12人で構成)の改革派のひとり、エッサム・エルエリァン氏は声明を発表、同胞団はイスラム国家の創設を求めておらず、男女平等とキリスト教徒を認め、イスラエルとのキャンプデービッド合意を破棄しない方針だと明らかにした。これとは異なる信条を過去に示した者は誤解されており、ムスリム同胞団を代弁していないとエルエリァン氏は述べた。

ムスリム同胞団は、1928年にスエズ運河の町イスマイリアで22歳の学校教師が創設した。同組織は1940年代、英国の占領と闘うために暴力も行使した。

1952年には、青年将校らと協力して国王を追放。ガマール・アブドゥル・ナセル氏を大統領の座に就けたが、その2年後にはナセル大統領暗殺の企てに関与したとされた。ナセル大統領はムスリム同胞団に対して厳しい弾圧を行い、指導部を投獄、党員は国外追放された。

ムスリム同胞団は1972年に正式に暴力を放棄したが、一部は武力的な道に進んだ。一部の元党員は、1981年のサダト大統領暗殺に関与したグループを創設、別のメンバーはアルカイダと組んだ。

1970年代末から1980年代初め、左派の古参メンバーとイスラム学生活動家は、大学を舞台に互いに激しく対立した。この対立などで、エジプトの野党は影響力を失っていった。

しかし、2005年の議会選挙でムスリム同胞団は大勝利を収め、88議席と過去最高の議席を獲得した。同胞団は公式には非合法組織であるものの、無所属として候補者擁立を許された。

政治から距離を置く強硬派と比べ、多くのムスリム同胞団の議員は現実主義だ。他のグループとの交渉に積極的で、譲歩も厭わない。議会で非常事態法の延長に注力したことで、世俗主義の野党指導者から賛同を得た。

また、ムスリム同胞団の議員は、司法の独立を主張し、報道の自由を推進。出版規制もせず、女性にイスラム的な服装を強制することもしなかった。

エジプト政府は、ムスリム同胞団の議会での成功に対して、非情な弾圧で応酬した。強硬派の指導者ではなく、穏健派を弾圧したのである。

逮捕された数百人には、教育や医療改革法案の作成を手掛けた18人のムスリム同胞団議員が含まれていた。指導評議会のメンバー12人のうち、現実主義者のリーダー格も逮捕された。

穏健派の逮捕によって生じた力の空白は、守旧派によってすぐに埋められた。守旧派は2007年、穏健派の主張を大部分なぞった政策要綱を発表した。

要綱は、女性とキリスト教徒に大統領への立候補資格を認めない内容だった。宗教的な評議会が法律の署名を行うことも求めていた。

同胞団の内部では、守旧派と改革派の対立が表面化し始めた。穏健派は、政策要綱は素案に過ぎず、正式に採用されることはないと批判した。

関係筋によると、2008年に行われた指導評議会の選挙は強硬派が圧勝し、改革派の当選は1人にとどまった。

この時期、ネットを通じて他のグループの活動家との関係が構築された、とムスリム同胞団の青年部のカリム氏は言う。「新たなメディアによって、他との連携ができた。人権問題や政治問題など、共通点があるということに気が付いた」とカリム氏は述べた。

従来、ムスリム同胞団と世俗主義政党の連携は、トップダウン型で、政治的な必要性に迫られた短命の性格を帯びていた。しかし現在、ムスリム同胞団と協力関係にある若い活動家は、直近の連携はもっと有機的なものだとしている。

守旧派が指導部で影響力を増すなか、カリム氏と若い幹部の不満は膨らんでいった。カリム氏らは、世俗主義活動家のように民主主義を求めて抗議しなければ、国民の支持を失うと年配者に訴え始めた。

08年11月、ムスリム同胞団の当時の最高指導者マハディ・アキフ氏は、「エジプトでみられる専制」に対抗するため、「全政治勢力および市民社会の結集」を呼びかけた。

アキフ氏からはコメントは得られていないが、内部関係者によると、指導部が若年幹部の離反を招くリスクを認識したことが転換点となった。

2010年2月、野党グループの連携を促すため、エルバラダイ氏がエジプトに戻った時、ムスリム同胞団はエルバラダイ氏を支持、正式に連携を決めた。

1月のチュニジア暴動後、カリム氏を含むムスリム同胞団の青年らは他の青年活動のリーダーと密かに会い、エジプトで同様の蜂起を計画することを決めた。

カリム氏を含む青年リーダー12人は、治安部隊を出し抜くためにはどのようにデモを実施したらよいか、2週間密談を重ねた。

当初、ムスリム同胞団の指導部は、青年達の努力にお墨付きを与えなかった。しかし最終的には、個人参加の扱いでデモを許可。また、過去のムスリム同胞団ならやっていそうな、「イスラムこそが解決手段」といった宗教スローガンを掲げることや、コーランをかざすことを控えることでも合意した。

記者: CHARLES LEVINSON



 
 
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中東激震:私はこう見る SNSが引き金 日本エネルギー経済研究所・保坂修司さん

◇日本エネルギー経済研究所、中東研究センター研究理事・保坂修司さん

ムバラク政権崩壊の根本には腐敗や失業問題など政治的・経済的要因があったが、これは最近始まったわけではない。なぜ今、崩壊したかを考えた場合、数年前との大きな違いはソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の「フェースブック」や簡易ブログ「ツイッター」の有無だ。

エジプトはインターネット利用率は20%程度だが、利用者の多くがSNSなどを使い、その存在感は大きい。チュニジアのベンアリ政権が崩壊した直後の1月15日、フェースブックで最初のデモ呼びかけがあり、情報はアラビア語衛星放送や海外メディアなどに取り上げられながら雪だるま式に増幅した。SNSと伝統的なメディアが一緒になり大規模な運動を作った。あくまで「引き金」だが、短期間に政権を倒す発信力がSNSにはある。

反政府デモの周辺国への影響は、一概には言い難い。チュニジアでは抗議の焼身自殺をした青年、エジプトではグーグル幹部のように英雄視される象徴的な存在がいた。他国では現段階では象徴的な存在は見当たらないが、予測は難しい。

エジプトの今後は比較的、楽観している。(革命で反米イスラム国家となった)石油の豊富なイランと違い、観光などが柱のエジプトでは、西側との関係や政情安定が重要との共通認識がある。

中東での親米・親イスラエル体制に亀裂が入るとの懸念もあるが、従来、和平プロセスは停滞していたのだから、むしろエジプトの新体制で対応に変化が出た方が、和平が動き出す可能性もある。エジプトに民主的な政体ができることは長期的に見れば米国にとっても悪くないはずだ。【聞き手・服部正法】

毎日新聞 2011年2月16日 東京朝刊



 
 
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エジプト:野党から閣僚起用へ 首相、「挙国一致」アピール

【カイロ樋口直樹】ロイター通信は14日、エジプト暫定内閣を率いるシャフィク首相が近く内閣改造を行い、野党勢力のメンバーを受け入れる考えをヘイグ英外相に伝えたと報じた。旧政権から引き継がれたシャフィク内閣に国民の不信感が根強いため、野党側を取り込むことで「挙国一致内閣」をアピールする狙いがあるとみられる。

同国はムバラク政権の崩壊で反政府デモが収束する一方、待遇改善を求める公務員デモが全国的に続発するなど依然として不安定な状況が続いている。政権崩壊を受け実権を握った軍最高評議会は、暫定内閣の改造に加え、民主化プロセスの核となる憲法改正作業を加速させることで、国民の不満解消を図ろうとしているようだ。

軍最高評議会側の求めに応じて意見交換した若手活動家らによると、評議会は10日以内に改憲草案をまとめ、2カ月以内に国民投票にかける考えを示したという。

軍側は16日にも再び、若手活動家代表らと会談する予定。代表の中には、旧政権に拘束され「英雄」視されたインターネット検索最大手グーグル幹部、ワエル・ゴニム氏(30)も含まれている。旧政権が既成の野党勢力との対話に軸足を置いた結果、若者を中心とする民心から遊離してしまったことが、若手活動家を重視する背景にある。

一方、AP通信などによると、14日には全国各地で公共交通機関や救急車の運転手、警察官らが賃上げなどを求めてデモを展開した。旧政権の崩壊によって長年にわたって積もった不満が一気に噴き出した格好だ。

事態を重くみた軍最高評議会は14日夕、ストの中止を呼び掛ける声明を発表した。集会の禁止令には至らなかったが、祝日の15日をはさんでデモやストライキが拡大した場合、軍側が厳しい対応に出る可能性もある。

毎日新聞 2011年2月16日 東京朝刊



 
 
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エジプト:非常事態解除後に選挙

【カイロ伊藤智永】エジプトの軍最高評議会議長で国家元首のタンタウィ国防相は15日、憲法改正委員会の初会合にアナン参謀総長と共に出席し、新政権樹立に向けた人民議会選と大統領選は、ムバラク前大統領以来30年間続く非常事態令を事前に解除し、自由で公正な状態で実施する方針を明らかにした。これまで示していた6カ月を待たず、できるだけ早期に民政移管させる考えも表明した。改憲委メンバーの一人が毎日新聞の取材に明らかにした。

改憲委は、委員長に「司法の独立」推進で著名な元判事、タレク・アルビシュリ氏が就き、他に学者と元判事が各3人、現在は非合法ながら事実上の最大野党である穏健派イスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」代表1人の計8人で構成。顔ぶれから、憲法改正によって、同胞団は合法化される公算が大きい。同胞団は、改憲後に政党を結成する方針で、本格的な政界再編に突入する。

同日の初会合では、25日までに改憲草案を作ることで合意。軍は、2カ月以内に国民投票で信任を問う。タンタウィ氏は民政移行の段取りを「改憲草案作成→国民投票の実施→憲法改正→人民議会選→大統領選」と説明した。

毎日新聞 2011年2月16日 東京朝刊



 
 
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衝撃・連鎖崩壊:中東はどこへ行くのか/下 エジプト若者の選択は

◇軍主導かイスラムか第3の道か

憲法停止、議会解散、国防相の国家元首就任−−ムバラク前大統領に代わりエジプトの実権を掌握した軍最高評議会の13日の声明には、刺激的な文言が並ぶ。西側民主主義に慣れた外部の目には「独裁が軍政に変わっただけ」と見えなくもない。

「最大援助国の米国ですら、内部で何が起きているのか知るのは困難」(西側軍事専門家)と言われる秘密主義のエジプト軍。その意図を推し量るのは容易ではない。「居座り」への懸念も残る。

だが、国民に銃口を向けることはなかった一連の騒乱を巡るエジプト軍の対応や実権掌握後の公式声明を見る限り「速やかな民政移行を目指しているように見える」(外交筋)。停止されたとはいえ、憲法は国軍を「国民に属する」(180条)と規定する。ムバラク独裁体制の屋台骨であった軍だが、国民一般の信頼は厚い。「クーデターをやる気なら、もっと早い段階でムバラク氏を追い落としていたはず」(同専門家)という。

中東には、軍主導で民主化を実現したトルコがある。軍が何度もクーデターで実権を握りながら、イスラム政党が大衆化した現在の国家像に結実した。

一方、エジプトで軍部の動向と共に注目されているのが、穏健派イスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」だ。親米路線を堅持したムバラク政権が崩壊しただけに、イスラエルや米国は、今後同胞団が台頭して、イランのような宗教指導者が率いる「イスラム国家」になるのではと警戒する。

だが、現段階では同胞団は政治関与に極めて慎重な姿勢で、大統領選への候補擁立や政権参加は行わない意向だ。最高幹部の一人バイユーミ氏(75)は毎日新聞に「我々が目指すのは民主的国家だ」と明言している。

イラン側は、政権打倒を「王政を民衆が倒した79年のイラン・イスラム革命の再来」と歓迎。だが、エジプト国民の反応は冷たく、イラン型を目指す可能性は低い。

トルコの軍主導でも、イランのイスラム型でもない「第3の道」をエジプトは歩むのか。一つの指標は、今回の反政府デモを主導した若者たちだ。インターネットで連絡を取り合い、「独裁者打倒」の旗印の下に、多様な国民をまとめることに成功した。軍部も彼らを重視し、14日には若者の代表と軍関係者が面談、憲法改正のスケジュール案という重要情報を提示した。

ただ、政治経験に乏しいと見られる若者たちからは、明確な新国家像や実現の具体的行程に関する発言は聞こえてこない。エジプトは中東で「第3の道」への挑戦を始めたばかりなのかもしれない。【カイロ和田浩明】

毎日新聞 2011年2月16日 東京朝刊



 
 
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エジプト:「革命は続く」18日に大規模デモ 「若者連合」幹部、内閣刷新要求

【カイロ和田浩明】エジプトのムバラク大統領(当時)に対し、即時辞任を求めて今月初めに反政府デモグループの全国的な連合組織として結成された「革命の若者連合」幹部、ハリド・サイード氏(27)が15日、毎日新聞と会見した。実権を掌握した軍部と16日に面談し、内閣刷新や新憲法の導入、野党弾圧に使われてきた非常事態令の解除などを求めることを明らかにした。「革命はこれからも続く」とも語り、18日に大規模デモを実施して要求受け入れを迫る考えだ。

サイード氏らはすでに13日に軍政関係者と1回目の会合を持った。この際、軍側は憲法改正の日程など重要情報を伝達しており、6カ月以内の民政移行を目指す上で、同連合を主要な交渉相手と見ている模様だ。

同連合は、1月25日からの反政府デモを主導した若者団体「4月6日運動」や「自由と正義」など5団体で構成する。国際原子力機関(IAEA)前事務局長のエルバラダイ氏の支援者や、穏健派イスラム原理主義組織で最大野党勢力の「ムスリム同胞団」の関係者らも含まれる。

サイード氏は、軍出身のシャフィク首相が率いる現内閣について、「腐敗した与党国民民主党(NDP)関係者が含まれており許容できない」と発言。与党とつながりのないテクノクラート(政策能力を持つ高級技術官僚)が新内閣を組織し、民政移行まで暫定的に行政を担当させるべきだと主張した。

憲法については「部分的な改正ではなく、三権分立を強化した新憲法が必要」との認識を示した。サイード氏によると、軍側は初会合で、憲法改正は民政移行期を念頭に置いた暫定的なもので、議会、大統領選挙の後に新憲法を導入することに問題はないとの認識を示したという。

軍政側は内閣改造で野党勢力を受け入れる考えで、憲法についても司法関係者らを指名した改憲委員会で25日までに草案を提示する予定だ。非常事態令は、軍最高評議会議長で国家元首に就任したタンタウィ国防相が、選挙前に解除したい意向を示している。

毎日新聞 2011年2月16日 東京夕刊



 
 
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エジプト、抗議デモ死者365人 保健省

2011/2/17 10:20

エジプト国営テレビによると、同国保健省は16日、1月25日から始まったムバラク前大統領退陣を求める抗議デモによる混乱で365人が死亡、5500人が負傷したと発表した。保健省はいくつかの病院からの回答を待っているとしており、死傷者数はさらに増える可能性がある。(カイロ支局)



 
 
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EU外交代表、22日にエジプト訪問

2011/2/17 10:23

欧州連合(EU)のアシュトン外交安全保障上級代表が22日にエジプトを訪問する。EU当局者が16日明らかにした。EUは20〜21日の外相理事会で元エジプト政府高官の資産凍結問題を協議する予定で、アシュトン氏はその後直ちにエジプトに向かう。

EUは4日の臨時首脳会議でアシュトン氏をエジプトに派遣する方針を決めたものの、エジプトが受け入れに反対し、宙に浮いていた。アシュトン氏は民主化移行や貿易・投資などの支援策をエジプト当局と協議する見通しだ。(ブリュッセル支局)



 
 
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エジプト死者数365人に、デモ続く中憲法改正に向け前進か

2011.02.17 Thu posted at: 09:29 JST

カイロ(CNN) エジプトではムバラク政権崩壊後に全権を掌握した軍が憲法改正に向け動き出す一方、各地で依然デモが相次いでいる。また国営テレビによると、ファリド保健相は一連のデモの死者数が365人に上ったと発表した。

ムバラク大統領を退陣に追い込んだデモで指導的役割を担ったとされる活動家のワエル・ゴニム氏によると、軍は10日以内に憲法改正案をまとめるために「非政治的な独立憲法委員会」を組織した。憲法改正案がまとまった後、2カ月以内に住民投票にかけられるという。

ゴニム氏は14日、若者リーダー7人とともに軍最高評議会の代表者2人と会談し、憲法改正の日程を確認した。同氏によれば、軍は国を支配することを望んでおらず、文民による政治がエジプトにとって唯一の選択肢であるとの認識を持っているという。

一方、各地では依然デモが相次いでいる。国営メディアによると16日、首都カイロとアレクサンドリアの間にある溶接工場付近で約200人が待遇改善を求めるデモ行い、軍の兵士らに追い払われた。

15日には、中部の都市の警察署で警察官3000人が待遇改善を求めるデモを行った。デモ隊の代表者と当局者が会談し、政策見直しと内務相への要求提示が約束されたという。

また最高裁判所の前では、ムバラク政権時にムスリム同胞団員であることを理由に逮捕された男性の妻や娘など女性数百人が、公正な裁判を求めるデモを行った。

こうしたなか、軍は経済復興策として1000億エジプトポンド(約1.4兆円)を調達するためのキャンペーンを始めることに合意した。



 
 
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エジプトで横行する女性への暴行、デモに隠れた現実露呈

2011.02.17 Thu posted at: 14:41 JST

エジプト在住のCNN女性カメラマン、メアリー・ロジャーズのコラムより抜粋。

カイロ(CNN) エジプトの反政府デモを取材していたCBSの女性記者が性的暴行を受けた。今回のデモではほかにも女性が暴行される事件が起きており、この国で女性に対する暴力がなくならない現実を見せつけた。

首都カイロでは反政府デモが広がる以前から、女性に対する性的嫌がらせが横行していた。私自身はタハリール広場でデモの取材をしていたこの数週間で嫌がらせを受けたことはほとんどなかったが、一度だけ痴漢に遭った。暴徒に下着をはぎ取られそうになった同僚もいる。

カイロの女性は街の中、混雑したバスの中、職場、学校、そして診療所でも性的嫌がらせに遭っている。

エジプトの女性団体が2008年に1010人を対象に実施した調査では、外国人女性の98%、エジプト人女性の83%が性的嫌がらせを受けたことがあると答えた。

嫌がらせの形態は、汚い言葉を浴びせたり、痴漢やストーカー行為、公然わいせつをしたりなどさまざまだ。時には身の危険を伴うこともある。ある女性は「通りを歩いていたら車が猛スピードでこちらに向かってきた。男は直前でよけて止まり、そして笑った。一種のナンパだったというのはあとで知った」と振り返る。

エジプトでなぜこれほど性的嫌がらせが横行するのか。理由はいろいろあるかもしれないが、人権の軽視を挙げる声は多い。

女性団体の関係者は政変が起きる以前、エジプトは治安よりも政治の方に関心があるのだと語っていた。政府は社会悪への対応よりも、政情不安を防ぐことの方に力を入れていたと指摘する。

過去30年でイスラム教の保守的な解釈が湾岸諸国から広がったことが一因とする見方もある。こうした解釈では女性の役割を制限し、そこから踏み出す女性を非難する。

女性団体の関係者は言う。「400万人のエジプト人が湾岸諸国を訪れ、オイルマネーと、女性の地位に関してあまり開かれていないオイルカルチャーを持ち帰った。それが、女性に高い敬意を払ってきたエジプト本来の文化を変えてしまった」。

こうした風潮に対抗し、意識を高めるために何ができるのか。性的嫌がらせに対する法律ができるのはまだ先になりそうだ。エジプトは現在、新政府の樹立、憲法改正、経済再建、雇用対策など、さらに大きな課題を抱えている。

この国ではこれまで、女性が被害に遭っても不安や恥じらいのあまり、声を上げることはほとんどなかった。しかしその状況は変わりつつある。2008年には女性の胸を触った男が3年間の重労働を言い渡された。1人の女性が勇気を出して告訴した結果だった。

この事件が報道されて性的嫌がらせの問題が脚光を浴び、自分たちで啓発パンフレットを作って配るなどの活動に乗り出した若者のグループもある。

性的嫌がらせに対抗できるのはきっと、政権を崩壊させたのと同じピープルパワーなのかもしれない。しかし男性の態度が変わらない限り、真に女性の身の安全が保証されることはない。

本記事はメアリー・ロジャーズの寄稿であり、著者個人の見解を示したものです。



 
 
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エジプト、憲法改正協議開始…6項目を対象に

【カイロ=田尾茂樹】ムバラク政権が崩壊したエジプトで15日、軍最高評議会が設置した憲法改正案の起草委員会が初会合を開き、大統領選で与党以外の候補擁立を不可能にしていた条文など計6項目を改正対象とすることを確認した。

10日以内に改正案をまとめる方針。

委員会は計8人で、憲法裁判所の判事や法学者のほか、最大野党勢力のイスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」のメンバーも加わった。6項目は大統領選に関する規定のほか、大統領の無制限再選を可能にする規定や、司法機関による投票監視を廃した人民議会(国会)選規定など。

軍最高評議会は、2か月以内に改正案の是非を問う国民投票を実施する意向を示しており、15日の声明では「平和的で自由な選挙を経て、6か月以内に民政移行を実現する」と強調した。軍政長期化への国民の懸念を払拭する狙いとみられる。

(2011年2月17日00時24分 読売新聞)



 
 
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エジプト、デモの死者少なくとも365人

【カイロ=田尾茂樹】エジプト国営テレビなどによると、同国のファリド保健相は16日、1月25日に始まった反体制デモの参加者と警官隊の衝突などで、少なくとも365人が死亡し、5500人が負傷したと明らかにした。

ムバラク政権崩壊後、当局が死傷者数を公表したのは初めて。

保健相によると、医療機関からの報告などをもとに集計作業を進めているといい、死者数はさらに増える可能性がある。

AFP通信が人権団体の情報として伝えたところによると、デモ開始以降の行方不明者も数百人に上る。人権団体メンバーは「軍が拘束を続けている」と訴えている。

エジプトでのデモに伴う死者数については、国連が2月1日に「死者300人程度、負傷者3000人以上」との推計を明らかにしている。

(2011年2月17日11時11分 読売新聞)



 
 
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米CBS女性記者、エジプトで暴行される

2011年2月17日6時53分

【ワシントン=望月洋嗣】米CBSテレビは15日、同局女性特派員のララ・ローガンさんがエジプトのタハリール広場で今月、一連の騒乱を取材中に暴徒に襲撃され、性的な暴行を受けたと報じた。

ローガンさんは、ムバラク前大統領の辞任が発表された11日、報道番組「60ミニッツ」の取材班とともに200人を超す人々に囲まれた後、1人だけ引き離されて暴行されたという。その後、女性の集団と約20人の兵士に救出され、12日朝の便で帰米した。現在も入院しているという。



 
 
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エジプト政変の死者365人、負傷者5500人

2011年2月17日10時50分

【カイロ=貫洞欣寛】エジプト保健省は16日、ムバラク大統領を辞任に追い込んだ一連の政変での死者は少なくとも365人、負傷者は5500人にのぼると発表した。国営テレビなどが伝えた。現段階での暫定的な数値で、今後の調査で増える可能性があるという。

1月25日に反政権デモが起きて以来、首都カイロや北部アレクサンドリア、東部スエズなど各地で、デモ隊に対して治安部隊が催涙ガス弾やゴム弾、一部では実弾を発砲して死傷者が出た。2月2日にはムバラク支持を掲げるグループが、カイロでデモ隊を襲撃。保健省はこの時の死者数を24人としている。



 
 
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「エジプト軍、非常事態令を解除」 大統領選前に

2011年2月17日11時2分

【カイロ=貫洞欣寛】ムバラク大統領の退陣を受け、全権を掌握したエジプト軍最高評議会が任命した憲法改正委員会の委員が16日、「軍部は6カ月以内に予定している大統領選と議会選の前に、30年前に発令されたままの非常事態令を解除すると確約した」と述べた。

最大の野党勢力ムスリム同胞団から憲法改正委に参加しているサレハ氏が、ロイター通信に語った。軍最高評議会も11日の声明で「混乱が収束すれば、非常事態令を解除する」との考えを示していた。

非常事態令はムバラク氏が1981年、サダト大統領暗殺事件を受けて大統領に就任した直後に発令。令状なしでの市民の拘束や、行動、言論の自由を制限する内容で、ムバラク政権は「統治の道具」として解除しないまま利用してきた。



 
 
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エジプトの資産不正流用に注視を 米金融機関に財務省勧告

2011/2/17 20:24

【ワシントン=共同】米財務省は16日、米金融機関に対し、エジプトの国家資産が不正流用される兆候を見逃さないため、同国の「政治的人物」の関連取引を注視するよう勧告した。ロイター通信が報じた。

勧告は、ムバラク前大統領ら政権を追われた国家指導層の名指しは避けたが、関連口座に注意を払うよう要請。「国家資産の着服や、収賄などによる違法な収入」の可能性がある取引を監視するよう求めた。

エジプト政府は米国と英国、フランスに対し、複数のエジプト元高官の資産凍結を要請したとされる。



 
 
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イスラエル外相「イラン艦艇がスエズ運河通過へ」

2011/2/17 10:34

【カイロ=松尾博文】イスラエルのリーベルマン外相は16日「イランの艦艇が今夜、スエズ運河を通過して地中海に抜け、シリアに向かおうとしている」と述べた。イスラエル紙イディオト・アハロノトによると、フリゲート艦と輸送艦各一隻。イラン艦艇がスエズ運河を通過するのは1979年のイラン革命後では初めて。

在米ユダヤ人との会合に出席した外相は「イスラエルがこうした挑発行為を黙認できないことを国際社会は理解しなければならない」と警告した。イラン政府系のファルス通信は1月、士官候補生を乗せた海軍艦艇がスエズ運河経由で地中海に向かう航海訓練に出発したと報じていた。

エジプトのスエズ運河庁は同日、イランからはまだ通過申請を受けていないとしたうえで「いかなる国籍の船舶でも、エジプトと交戦状態にない限り通過を認める」との声明を発表した。



 
 
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バーレーンデモ排除、死者4人 イラン艦船はスエズ通過中止

2011/2/17 21:00

【カイロ=花房良祐】中東各国で反政府デモの混乱が広がるなか、ペルシャ湾の島国バーレーンでは17日未明、治安当局がデモ隊を強制排除し、死者は同日昼時点で計4人となった。北アフリカのリビアでも16日、北東部ベイダで4人が死亡した。一方、混乱に乗じてシリアに向かっていたイラン軍艦船はスエズ運河の通過を取りやめた。

バーレーン当局は17日未明に首都マナマの真珠広場で徹夜組の数百人を催涙弾などで強制排除した。AFP通信によると、4人が死亡し、95人が負傷した。内務省報道官は「対話の機会が尽きた」と排除の理由を述べた。デモは収束したが、野党幹部は「国の安定に破滅的な影響を与える」と反発を強めており、再度デモを行う構えだ。

リビアでは15日夜から16日未明にかけて北東部ベンガジで発生した数百人規模のデモがベイダにも波及し、4人が死亡した。ロンドンに拠点を置く反体制派が明らかにしたもので、交流サイト「フェイスブック」では17日に開く反政府集会への参加を呼び掛けている。

一方、シリアに向かっていたイラン軍艦船は17日、スエズ運河を通過しなかった。挑発行為として懸念が高まったが、運河当局者は日本経済新聞に「イラン軍艦船はエジプト政府の通航許可を得ていない」と話した。ロイター通信は同日、イラン軍艦船が運河通航を中止したと報じた。



 
 
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ツタンカーメン父像が返還 エジプト、博物館の収蔵品

2011/2/17 22:21

【カイロ=共同】エジプトのザヒ・ハワス文化財担当国務相は17日、先月末の反政府デモの騒乱時から所在が分からなくなっていた、首都カイロのエジプト考古学博物館の収蔵品である古代エジプトのツタンカーメン王の父、アメンホテプ4世の像が返還されたと発表した。

発表によると、博物館が面しているタハリール広場で反政府デモに参加していた16歳の少年が、ごみ箱付近に落ちているのを見つけ家に持ち帰っていた。収蔵品が盗まれたとのニュースを知った家族らが気付き、16日夜、博物館側に返還したという。



 
 
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米CBS女性記者に性的暴行か エジプト取材中に(02/17 16:05)

アメリカCBSニュースは、エジプトのカイロで取材していた女性特派員が群衆から殴打されたり性的な暴行を受けたと発表しました。

CBSニュースの声明によると、ムバラク前大統領が辞任した今月11日の夜、カイロのタハリール広場で取材中だったララ・ローガン記者(39)が、200人以上の暴徒に囲まれて殴打や性的な暴行を受けました。ローガン記者は、一緒にいた撮影クルーや警備スタッフからは引き離されていたということです。女性グループと兵士約20人がローガン記者を救出しました。ウォールストリート・ジャーナルなどは、関係者の話として「ローガン記者がほかのスタッフとはぐれていたのは20分から30分間で、レイプはされていない」と報じています。ローガン記者はイラクやアフガニスタンなど紛争地帯での取材経験も豊富なCBSの看板特派員です。エジプトでは先月30日以降、少なくとも140人のジャーナリストが暴行を受けてけがをしたほか、1人が死亡しています。



 
 
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エジプト:米CBS女性記者、集団暴行の被害 カイロ取材中

【カイロ和田浩明】米CBSニュースは15日、同社の女性記者が、エジプトのムバラク前大統領が11日に辞任した際に反政府デモ隊が集まっていたカイロ中心部を取材中に、暴漢の集団に拘束され性的暴行を受けたと発表した。同記者は米国に戻り病院で治療を受けているという。

CBSによると、被害を受けたのは国際報道担当のベテラン、ララ・ローガン記者。人気番組「シクスティ・ミニッツ」のため、ムバラク辞任に沸くタハリール広場を取材中だった。約200人の群衆に取り囲まれて取材クルーと離れ離れになった後、性的暴行を受け殴られるなどした。女性グループや軍兵士に助けられたという。

毎日新聞 2011年2月17日 東京朝刊



 
 
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中東激震:私はこう見る 旧体制残るエジプト カイロ大教授、ハッサン・ナファさん

◇カイロ大教授(政治学)ハッサン・ナファさん

ムバラク前大統領の辞任後にエジプトの実権を掌握した軍部を、国民は基本的に信頼している。軍は反政府デモ隊への発砲命令を拒否し、権力にしがみつこうとしたムバラク氏に引導を渡した。与党国民民主党の長期支配を許したとして評判の悪かった憲法の停止や大統領の翼賛機関化した議会の解散など前向きの措置をとっている。

だが、まだ不十分だ。与党関係者が多数いる現内閣を国民が歓迎する新内閣に置き換えるべきだ。

ムバラク氏は退陣したが、腐敗した旧体制は残ったままだ。軍部に過去と決別して大幅な刷新を行う意図があるか明確でない。約束した改革を素早く進めていくかどうか、注視する必要がある。

軍部は難しい状況に置かれている。大衆の道具にも旧体制の道具にもならず、国防という本来の任務を果たし、米欧などの要求にも配慮しなければならない。

今回のエジプトの「革命」で、政権側は弾圧の標的を最後まで特定できなかった。インターネットで連携した若者たちも非常に重要な役割を果たした。彼らは世界を知り、エジプトの状況の悪さを承知していた。だが、若者だけでは何も起きなかった。彼らとデモに参加した一般国民を結びつけたのは、腐敗し弾圧を繰り返した旧体制に対する怒りだ。

若者たちの背景や思想はさまざまだ。ムバラク打倒という唯一の目的を達成した今、今後の方向性について意見の相違がある。対立が激化すれば軍部や旧体制に悪用されかねない。【聞き手・カイロ和田浩明】

毎日新聞 2011年2月17日 東京朝刊



 
 
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エジプト:軍、デモ主導者と再対話へ 「若者連合」、政治犯釈放を要求

【カイロ伊藤智永】エジプトの軍最高評議会は16日、インターネットなどを通じて反政府デモを主導した若手活動家らによる新しい全国的組織「革命の若者連合」の代表らと2回目の対話を行う。若者連合側は、政治犯の釈放や非常事態令の解除、独立した政治結社の自由などを要求。軍側がどこまで応じるかが注目される。

1回目の対話は、ムバラク前大統領辞任2日後の13日に行われた。軍側はコメントしていないが、早い段階に軍側の呼びかけで始まったことや、軍側は初めから「10日で憲法改正草案をまとめる」といった重要な政治日程をいち早く明かし、若者らがネット上で追認していること、対話が継続していることなどから、軍側は若者代表との会合を民主化への不可避な手順として重視しているようだ。

さらに軍側は、議会選前の非常事態令解除や、ムバラク体制末期の閣僚が残留している内閣の早期改造など、若者連合の要求の一部を先取りして実行する方針を内外にほのめかすなど、柔軟姿勢を見せている。

ただ、軍側が自らの役割を、次期大統領選出までの限定的な役割としているのに対し、若者連合側は、全政治犯の釈放や与党の排除、全面的な改憲など、より徹底した民主化措置に直ちに着手するよう求め、双方の思惑には落差がある。

軍と若者の交渉が、民主化への実効的な政治チャンネルに発展するのか、民主化の注目点になっている。

毎日新聞 2011年2月17日 東京朝刊



 
 
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エジプト:憲法改正 大統領選の立候補要件、任期など対象 改憲委のサレハ氏語る

◇改憲委のソブヒ・サレハ氏語る 軍幹部「権力求めていない」

【カイロ和田浩明】エジプトの軍最高評議会が設置した憲法改正委員会(改憲委)が審議する6条項が明らかになった。改憲委委員のソブヒ・サレハ氏(57)が15日、毎日新聞との単独会見で明らかにした。長期独裁の温床だった大統領選挙の立候補要件や大統領の任期など国民の反感が強い条項を改正する本格作業に16日着手、10日以内に改正草案をまとめる。

サレハ氏によると、軍最高評議会のアナン参謀総長は改憲委に対し「我々は軍人であり、権力を求めていない」と明言したという。

軍部側が「国民の要求」として提示した改正対象は▽大統領選の立候補要件(76条)▽大統領の任期(77条)▽議会選挙の監視(88条)▽人民議会(国会)議員の罷免手続き(93条)▽改憲手続き(189条)の5条。テロ対策で基本的人権の制限を認める179条は削除対象になっている。

現行憲法は与党国民民主党の事実上の一党支配を長期化させたとの批判が根強い。憲法改正は、ムバラク前大統領を辞職に追い込んだ抗議デモでの主要要求事項の一つだった。

サレハ氏は穏健派イスラム原理主義組織で最大野党勢力「ムスリム同胞団」の幹部も務める。ムバラク前政権下で非合法化されていた同胞団関係者が改憲委という重要組織に任命されたことについて、同氏は「多様な国民の意見を反映させようとする軍部の意識の表れだ」と評価した。

サレハ氏によると、8人の改憲委メンバーは15日、国防省でタンタウィ国防相、アナン参謀総長らと初会合。国家元首に就任したタンタウィ氏は憲法改正や議会・大統領選挙を早期に実施して民政移行を加速したい考えを表明した。

毎日新聞 2011年2月17日 東京朝刊



 
 
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エジプト:デモ犠牲者365人に

【カイロ伊藤智永】エジプト国営テレビは16日、保健省の調べで、1月25日から始まった民主化デモによる犠牲者は365人、負傷者は約5500人に上ると伝えた。なお集計中で、さらに増える可能性があるという。

毎日新聞 2011年2月17日 東京夕刊



 
 
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エジプト検察、汚職捜査でムバラク政権の閣僚を拘束

2011.02.18 Fri posted at: 10:05 JST

カイロ(CNN) エジプトの検察当局は、デモで崩壊した旧ムバラク政権の内相など閣僚3人と旧与党の幹部1人を拘束した。国営メディアが17日に伝えた。

報道によると、拘束されたのは旧ムバラク政権のアドリ前内相、マグラビ前住宅相、ガラーナ前観光相と旧与党・国民民主党(NDP)幹部の4人。汚職事件の捜査に関連して15日間の拘束を命じられたという。

ムバラク政権を崩壊させた反政府デモでは、警察の腐敗や不正を批判する声も強かった。内務省は警察を統括しており、アドリ前内相は不当利得行為や資金洗浄にかかわった疑いで事情聴取を受けていたとされる。マグラビ前住宅相ら3人は公金不正使用などの疑いがかけられている。

2月11日の政権崩壊後、エジプトの検察当局はナジフ前首相など旧政権関係者数人と実業家2人についても出国を禁じ、資産を凍結している。

米政府当局者は、米国に対してもエジプト前政権関係者の資産を凍結するよう要請があったことを明らかにした。



 
 
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エジプト観光地再開へ、遺跡の盗掘も新たに判明

2011.02.18 Fri posted at: 12:06 JST

カイロ(CNN) エジプトのハワス文化財担当相は17日、反政府デモの混乱で閉鎖していた観光地を20日に再開すると発表した。「世界中の観光客に早く戻って来てほしい」と期待を表明している。

発表によると、古代ファラオの遺跡やコプト教、イスラム教などの施設をすべて再開する。閣僚や観光警察と治安対策について協議して決めたという。

エジプトではデモの混乱に乗じて首都カイロの考古学博物館が荒らされ、文化財の盗難や破壊に対する懸念が広がっていた。

ハワス氏は17日、古代遺跡も荒らされていたことが分かったと発表。王家の墓があるサッカラや、ピラミッドのあるアブシールで墓から偽扉など数点が持ち去られているのが見つかったといい、紛失品目を調べるための委員会を設置した。

テルバスタなどでは、遺跡を盗掘しようとしていたとして軍が数人を拘束した。ほかにも遺跡が荒らされたとの報告が多数入っているという。

一方、考古学博物館から持ち去られた収蔵品は13日の時点で17点とされていたが、うち数点はその後の捜索で館内などから見つかった。「女神に運ばれるツタンカーメン王の像」は女神の一部が見つかったが、ツタンカーメン王の部分はまだ見つかっていない。



 
 
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ツタンカーメン王像、一部発見 盗難の4点回収

2011年2月18日10時35分

【カイロ=前川浩之】カイロのエジプト考古学博物館から、民衆デモの最中に収蔵品18点が盗まれた事件で、エジプト考古省は17日、女神に運ばれるツタンカーメン王の像の一部を発見したと発表した。

同省によると、博物館のフェンスの脇に落ちていたという。見つかったのは女神部分のみで、王部分ははぎ取られていた。

このほか、多神教から一神教に宗教改革をしたことで知られる、アメンホテプ4世(別名アクエンアテン)が供物のトレーを捧げる、石灰岩製の立像も回収した。近くのタハリール広場のごみ箱に落ちているのを少年(16)が発見、親戚の大学教授を通じて返還されたという。

これで、盗まれた18点中計4点(一部のみを含む)が見つかったことになる。考古省のザヒ・ハワス大臣は声明で、残りの所蔵品の発見に全力をあげたうえで、修復を命じたと強調した。



 
 
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ムバラク政権の閣僚ら4人拘束 汚職容疑でエジプト検察

2011年2月18日11時3分

【カイロ=貫洞欣寛】エジプト検察当局は17日、アドリ前内相、ガラーナ前観光相らムバラク政権時の閣僚3人と与党・国民民主党のエッズ前組織委員長の計4人を拘束した、と発表した。4人には汚職の容疑があり、今後捜査するという。

また、軍幹部はロイター通信に、次期大統領選で軍部からは候補を擁立しない考えを示した。ムバラク政権の崩壊を受けて全権を握る軍最高評議会が、腐敗の是正や民選政府の樹立など、市民や野党勢力の要求に応じたかたちだ。

一方、ムバラク氏を退陣に追い込んだデモを続けてきた若者グループ「4月6日運動」やムスリム同胞団などは18日、「勝利の行進」と名付けたデモを行う予定。デモでは「革命の勝利」を祝うとともに、軍最高評議会に対し、政治犯の釈放や迅速な民主化などを求める予定だ。



 
 
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米、エジプト民主化支援に125億円 高官を現地派遣へ

2011年2月18日20時4分

【ワシントン=望月洋嗣】クリントン米国務長官は17日、エジプトの民主化移行を支援するため、1億5千万ドル(約125億円)の経済援助を行う方針を示した。バーンズ国務次官らを来週、現地に派遣し、エジプト側と援助資金の効果的な支出の方法を話し合うという。

クリントン長官は「秩序ある民主化移行を確実にするには多大な仕事がある」とし、特に経済対策を支援していく方針を明らかにした。米政府はエジプトに対し、年13億ドルの軍事援助も行っている。



 
 
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スエズ運河職員1500人、待遇改善求めデモ

【カイロ=長谷川由紀】AP通信によると、エジプトのスエズ運河で働く職員約1500人が17日、同国北部のスエズやイスマイリヤ、ポートサイードで、待遇改善などを求めてデモを行った。

ムバラク前大統領の辞任を受けて全権を掌握した軍最高評議会は、国民に対し、ストやデモの停止を呼びかけ、正常化を図っているが、銀行員のストで銀行業務が再びストップするなど、社会の混乱が続いている。

前大統領を退陣に追い込んだ反体制派は18日、首都カイロで「勝利の行進」と名付けたデモを呼びかけており、当局は神経をとがらせている。

(2011年2月18日00時19分 読売新聞)



 
 
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盗難のファラオ立像発見…デモ広場に放置

【カイロ=新居益】エジプトのザヒ・ハワス考古相は17日、首都カイロのタハリール広場のそばにある考古学博物館から、ムバラク前大統領の辞任を求めるデモの最中に盗まれた収蔵品18点のうち、古代エジプトのファラオ(王)、アメンホテップ4世(アクエンアテン)の立像(石灰岩製)が見つかったと発表した。

同相によると、タハリール広場でデモに参加していた16歳の少年が、立像を同広場にあるゴミ箱のそばで見つけ、自宅に持ち帰った。少年の母親らが収蔵品ではないかと考えて同博物館の関係者に連絡し、所在不明となっていた立像と判明した。立像は16日、博物館側に引き渡された。

AP通信によると、盗まれた18点のうちこの立像以外に、3点が博物館の敷地内で発見されている。

(2011年2月18日06時01分 読売新聞)



 
 
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エジプト民政化支援、米1億5000万ドル拠出

【ワシントン=山口香子】クリントン米国務長官は17日、エジプトの民政移行と経済支援のために1億5000万ドル(約126億円)を拠出する方針を表明した。

ウィリアム・バーンズ国務次官らを来週エジプトに派遣し、支援の効果的割り当てなどについてエジプト当局と協議する。

クリントン長官は記者団に対し、「民主制への秩序ある移行を確実にするには、多くの作業がある。また、エジプトは今後、経済的課題に直面する」と述べ、支援の意義を強調した。

オバマ米政権は、2012会計年度(11年10月〜12年9月)予算で、エジプト向け軍事支援13億ドル(約1088億円)と経済支援2億5000万ドル(約209億円)を計上しているが、今回の支援は、これとは別枠となる模様だ。

(2011年2月18日11時04分 読売新聞)



 
 
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エジプト前内相・前観光相ら4人逮捕

【カイロ=田尾茂樹】エジプト検察当局は17日、崩壊したムバラク政権の前閣僚ら4人を公金不正流用などの疑いで逮捕した。

半国営中東通信などが伝えた。

逮捕されたのは前内相のハビブ・アドリ、前観光相のゾヘイル・ガラーナ、前住宅相のアハメド・マグラビ、旧与党の国民民主党幹部で、鉄鋼最大手エッズのオーナー、アハメド・エッズの4容疑者。4人は容疑を否定しているという。

検察当局は、4人を含む前閣僚や財界有力者を対象として不正蓄財などの捜査に着手しており、4人は既に海外渡航を禁じられ、資産も凍結されていた。

(2011年2月18日11時05分 読売新聞)



 
 
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米秘密報告書、エジプトなどの民衆蜂起を予期

【ワシントン=山口香子】オバマ米大統領の指示で作成された中東情勢に関する秘密報告書が、中東諸国は大規模な政治改革を断行しない限り民衆蜂起の寸前にあると指摘し、特にエジプトは危険性が高いと名指ししていたことが分かった。

米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)が16日、政権高官の話として報じた。

同紙によると、18ページからなる報告書は大統領が昨年8月に作成を指示したもので、特に4か国について蜂起の可能性を指摘した。エジプト以外の国は明らかでないが、同紙は高官の説明からヨルダン、バーレーン、イエメンと推測している。高官は、若者層拡大、経済停滞、インターネット普及など各国共通の状況について、「トラブルの条件がそろった状態だ」と指摘。オバマ大統領は特に、ムバラク前大統領の後継問題が表面化していたエジプトを懸念していたという。

(2011年2月18日17時28分 読売新聞)



 
 
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エジプト前閣僚ら4人、公金不正流用などで逮捕

【カイロ=田尾茂樹】エジプト検察当局は17日、ムバラク政権時の前閣僚ら4人を公金不正流用などの疑いで逮捕した。半国営中東通信などが伝えた。

逮捕されたのは、前内相のハビブ・アドリ、前観光相のゾヘイル・ガラーナ、前住宅相のアハメド・マグラビと、旧与党の国民民主党幹部で鉄鋼最大手エッズのオーナーであるアハメド・エッズの4容疑者。4人は容疑を否定しているという。

検察当局は、4人を含む前閣僚や財界有力者を対象として不正蓄財などの捜査に着手しており、4人はすでに海外渡航を禁じられ、資産も凍結されている。

(2011年2月18日18時42分 読売新聞)



 
 
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エジプト軍、大統領選に候補擁立せず

【カイロ=田尾茂樹】ロイター通信によると、エジプト軍幹部は17日、半年以内にも実施される予定の大統領選で、軍が立候補者を擁立しない方針を明らかにした。

軍の統治が民政移行までの期間にとどまると強調することで、民主化に取り組む姿勢を示し、国内の安定回復に向けた国民の協力を促す狙いとみられる。

デモを静観した軍に対しては、国民の信頼が厚い一方、反体制派内には、軍が、次期大統領選で軍出身のスレイマン副大統領を推すとの見方も出ている。

軍は、今回の方針発表で、軍が実権を握り続けることに対する国民の警戒感を和らげる思惑とみられるが、軍出身のスレイマン副大統領を擁立するのかどうかは不明。

(2011年2月18日19時15分 読売新聞)



 
 
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エジプト大統領選、軍「候補擁立せず」

2011/2/18 1:17

【カイロ=花房良祐】エジプトでムバラク政権崩壊後の全権を掌握した軍の幹部は17日、6カ月後に実施する予定の大統領選挙に、軍が候補者を擁立しない方針を明らかにした。ロイター通信が報じた。候補者を擁立しないことで反政権デモに参加した民衆や野党陣営に民主化に取り組む姿勢を示す狙いとみられる。

エジプト軍は同国の一連の抗議デモを武力鎮圧せず、ムバラク前大統領に引導を渡したとして国民の信頼が高いため、エナン参謀総長の出馬も取りざたされていた。ムバラク前大統領の辞任後も反体制派のなかには軍が実権を実際に手放すかについて懐疑的にみる向きもあった。軍はこうした批判をかわすために候補者を擁立しないことを決めたもようだ。



 
 
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湾岸外相、緊急協議へ 米はバーレーンに自制促す

2011/2/18 1:31

【カイロ=花房良祐】中東各国で反政府デモの混乱が広がるなか、湾岸アラブ諸国は17日夜、バーレーンで緊急外相会合を開く。関係国で対策を協議する。バーレーンでは17日未明、治安当局がデモ隊を強制排除、市内に戦車など投入し断固たる姿勢を鮮明にした。これに対し、クリントン米国務長官は同日、バーレーンのハリド外相に電話し、自制を求めた。

ロイター通信などが伝えた。バーレーンでは17日未明に当局がデモ隊を制圧した際に4人が死亡、95人が負傷した。内務省報道官は「対話の機会が尽きた」と排除の理由を説明。治安を維持するためあらゆる措置をとる考えを示した。

緊急外相会合では混乱を抑えるための方策で各国が歩調を合わせるとみられる。

一方、17日シリアに向かっていたイラン軍艦船は同日夕現在、スエズ運河の通過は確認されていない。混乱に乗じた挑発行為との懸念が高まったが、運河当局者は日本経済新聞に「イラン軍艦船はエジプト政府の通航許可を得ていない」と話した。



 
 
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エジプト当局、前内相ら4人拘束 汚職関与の疑い

2011/2/18 10:30

【カイロ=花房良祐】ムバラク政権が崩壊したエジプトで検察当局は17日、アドリ前内相ら元閣僚3人と最大手鉄鋼会社会長のアハマド・エッズ前国民民主党(NDP)組織委員長を拘束した。AFP通信などが伝えた。資金洗浄や汚職などの経済犯罪に関与した疑い。4人は容疑を否認しているもよう。ムバラク政権崩壊後は腐敗や抑圧に加担した元幹部の責任を追及する動きが続いている。

このほかに拘束されたのはマグラビ前住宅・施設相とガラーナ前観光相。ムバラク政権下で不正利益を得たと批判されていた。エッズ前組織委員長は失脚した前大統領の次男ガマル氏に近く、不正と批判された議会選などを差配した。アドリ氏は12年にわたり内相を務め、治安部隊を指揮。デモ隊鎮圧にもあたった。



 
 
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イラン艦船、スエズ運河の通航申請 エジプト政府に

2011/2/18 11:48

【カイロ=花房良祐】イラン軍艦船がスエズ運河を通航してシリアに向かう構えを見せている問題で、エジプト外務省は17日、同船舶から通航の許可を求める申請を受け取ったことを明らかにした。AP通信が伝えた。外務省と国防省が今後、許可の手続きを進める。イラン軍艦船は紅海から地中海に向かっているもようで敵対するイスラエルが挑発行為として非難していた。



 
 
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エジプトで「勝利集会」 デモ隊・野党、軍に民主化圧力

2011/2/18 20:09 (2011/2/18 23:29更新)

【カイロ=花房良祐】ムバラク政権が崩壊したエジプトで18日、カイロ中心部のタハリール広場で市民が集まり、ムバラク前大統領辞任を祝う「勝利集会」を開いた。AFP通信によると数十万人が参加、権力を握った軍最高評議会への民主化要求を掲げた。軍は早期の民主化を約束しているが、デモ隊や野党勢力は非常事態法の解除や政党結成の規制緩和などを求めており、圧力をかけ続ける方針だ。

同日のタハリール広場では、国旗を手にした市民らが互いに政権崩壊を祝福。政権崩壊後も軍の戦車が広場周辺に配置されているが、緊迫した雰囲気はない。

野党勢力の中には軍が権力を握っていることについて「旧体制に戻る」(エルバラダイ前国際原子力機関=IAEA=事務局長)との懸念が根強い。ムバラク前大統領の腹心だったスレイマン副大統領の処遇も明らかになっていない。野党勢力やデモ隊は集会を開くことで軍をけん制する狙いがある。



 
 
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エジプトお祭りムード…「勝利集会」に数十万人

【カイロ=工藤武人】エジプトの首都カイロのタハリール広場で18日、ムバラク前大統領辞任(11日)から1週間を記念した集会が開かれ、数十万人が参加した。

ムバラク氏辞任を求めるデモを主導した若者グループなどが、休日でもある18日に「革命勝利集会」として参加を呼びかけた。金曜礼拝の後、ムバラク氏辞任を祝い、デモの最中に死亡した365人を悼んだ。広場には、「解放」など政変を祝う横断幕が掲げられた。親子連れでの参加者も多く、お祭りムードに包まれた。

集会は、政変後に全権を掌握した軍に対し、非常事態の解除や政治犯釈放、ムバラク氏に任命された内閣の退陣などの要求も掲げた。ただ、集会参加者の大半は軍への信頼を表明しており、軍も広場と周辺に治安部隊を展開してデモ参加者を誘導するなど、秩序ある集会を認めた。同様の集会は北部アレクサンドリアなど地方都市でも実施された。

(2011年2月18日23時55分 読売新聞)



 
 
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EU外相:21日にエジプトを訪問

【ブリュッセル福島良典】中東歴訪中の欧州連合(EU、加盟27カ国)のアシュトン外務・安全保障政策上級代表(外相)は16日、訪問先のヨルダン・アンマンで、エジプトを21〜22日に訪問すると発表した。民政移行への支援を表明する。

チュニジアからエジプトなどに波及した民衆蜂起の連鎖を受け、アシュトン氏は14日から北アフリカ・中東諸国を歴訪中。エジプトでアシュトン氏は全権を掌握した軍最高評議会や主要政治勢力と会談、民政移行手続きを支援する姿勢を打ち出す見通し。

エジプト当局はEU加盟国に対してムバラク前政権の元高官ら7人の資産を凍結するよう要請しており、EUは20〜21日にブリュッセルで開く外相会議で協議する。

毎日新聞 2011年2月18日 東京朝刊



 
 
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イラン:軍艦、スエズ通過断念

【カイロ鵜塚健、エルサレム花岡洋二】イランの軍艦2隻が17日、エジプト政府が管理するスエズ運河を通過しようとしたが結局、計画を断念し引き揚げた。AP通信が報じた。

イラン軍の2隻は護衛用艦艇と補給船。紅海から同運河を抜け、イランと関係の深いシリアの港に向かう予定だった。

地中海にはイスラエルの艦船も展開しており、同国に対するイランの示威行為だった可能性が高い。

毎日新聞 2011年2月18日 東京朝刊



 
 
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エジプト、イラン軍艦のスエズ通航許可 イスラエル反発

2011/2/19 9:57

【カイロ=花房良祐】エジプト政府は18日、イラン軍の艦船2隻のスエズ運河の通航を許可した。ロイター通信が伝えた。イラン軍艦船が運河を通航するのは1979年のイラン革命以降、初めて。イランと敵対するイスラエルは挑発行為と非難しており、地域の緊張が高まる可能性もある。

軍艦船の通過にはエジプト外務省と国防省の事前の許可が必要。エジプト運河庁は16日、同国と交戦国でない限り、艦船の通過は認めるとの声明を発表していた。

イラン軍艦船が運河を通航する日時は不明。航行するのはフリゲート艦と輸送艦の計2隻で、地中海に抜けてから友好国のシリアに向かうもよう。イラン政府系メディアは1月下旬、同国海軍の士官候補生がスエズ運河経由で地中海に向けて訓練航海に出発したと報じていた。



 
 
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イスラエル和平「エジプト国民が決める」 ムスリム同胞団

2011/2/19 10:01

【カイロ=花房良祐】ムバラク政権が崩壊したエジプトの穏健派イスラム原理主義組織ムスリム同胞団のエリアン広報担当は18日、イスラエルとの平和条約の維持について「エジプト国民全体が決めることで、同胞団の考えを押しつけない」と話した。同胞団は反イスラエルを公言しており、民主化して同胞団が選挙で台頭すれば平和条約が脅かされるとの懸念も米国などで浮上していた。

ロイター通信が報じた。エリアン氏は「同胞団ではなく、エジプト人の立場が重要だ」とも話した。民主的な人民議会(国会)選挙に向けて内外の懸念を打ち消す狙いとみられる。ただ平和条約についての同胞団の明確な立場については言及しなかった。

イスラエルと敵対するパレスチナ過激派ハマスはムスリム同胞団を源流としており、イスラエルや米国は同胞団が今後のエジプト情勢に与える影響を注視している。



 
 
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IMF、エジプト支援に前向き

2011/2/19 19:49

【ワシントン=大隅隆】国際通貨基金(IMF)のマスード・アフメド中東・中央アジア局長は18日、「エジプト当局が財政支援を有用と決断するなら、IMFもその用意がある」と明らかにした。ムバラク大統領退陣後の新しい政治体制に基づく経済再生を財政面で支援する意向だ。



 
 
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エジプト、イラン艦のスエズ通航許可 イスラエル反発

2011.02.19 Sat posted at: 14:32 JST

(CNN) エジプト政府は18日、イランが申請していた同国軍艦船2隻のスエズ運河通航を承認した。エジプトなどの国営メディアが報じた。通航の日時は伝えられていない。イラン軍艦船の同運河通過は1979年のイラン革命以降初めて。

核開発問題などでイランと敵対するイスラエルのリーベルマン外相は、イラン軍艦船の通航は中東情勢を悪化させることを狙った挑発行為と批判した。イスラエル国防省当局者はイラン軍艦船の動向を注視していると述べた。

同運河を通過するイラン軍艦船はフリゲート艦「アルバンド」と補給艦の計2隻。いずれもミサイルで武装し、地中海を通りシリアに向かっているとされる。イランのファルス通信によると、2隻は約1年にわたり同国貨物船やタンカー護衛を目的とした士官候補生の訓練や情報収集活動を行ってきた。

米国務省のクローリー次官補(広報担当)は、目的地はシリアとするイランの説明に疑問を表明。2隻が積む荷物の中身や本当の目的地などへの懸念を示した。米ホワイトハウスのカーニー報道官はイランはこれまで中東で責任ある行動を取ってこなかったと述べた。

エジプトは1978年、イスラエルとの平和条約締結につながった米キャンプ・デービッド合意でイスラエルを含むすべての国による自由なスエズ運河通航権を認めた。これ以前にはイスラエル軍艦船の通過を許可していなかった。

ムバラク大統領辞任を受け全権を引き継いだエジプト軍の最高評議会はキャンプ・デービッド合意を含む国際条約や義務を順守するとの政策方針を表明していた。

スエズ運河は国際航路の要衝で、1日当たり数百万バレルの原油が同運河を通じて欧州や北米へ輸出されている。



 
 
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イラン軍艦船、スエズ運河通過へ…緊張の火種に

【カイロ=工藤武人】エジプト政府は18日、イラン軍の艦船2隻のスエズ運河通過を許可した。

エジプトの半国営中東通信が伝えた。艦船は紅海を航行中とみられ、近日中にスエズ運河を通過する可能性がある。イランと敵対するイスラエルや米国は監視・警戒を強めており、中東で民衆蜂起が連鎖する中、2隻の動向は新たな緊張の火種になっている。

イラン軍艦船がスエズ運河を通過すれば、1979年のイラン革命後初となる。

艦船はフリゲート艦と補給艦で、同運河から地中海に抜けシリアに向かうとみられる。イランのファルス通信は18日、2隻の航行は、海賊被害が相次ぐソマリア・アデン湾でのイラン船舶護衛に備えた「訓練」が目的と伝えた。

(2011年2月19日18時44分 読売新聞)



 
 
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エジプト軍、ストを事実上禁止…政変後も頻発

【カイロ=新居益】エジプトの軍最高評議会は18日、「違法行為の継続は許容しない」との声明を発表し、政変後も頻発しているストを事実上禁止した。

同国では政変後、製造業や金融など幅広い業種でストが実施され、経済活動が停滞している。同評議会は、民主化の機運に乗じたストに警告を発したとみられるが、19日も一部の大規模工場ではストが続いている。

(2011年2月19日21時12分 読売新聞)



 
 
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ムバラク政権崩壊後、初の政党創設認可

【カイロ=工藤武人】カイロの裁判所は19日、1996年から政党としての認可を繰り返し申請してきた政治団体、ワサト党の政党創設を認めた。

ロイター通信が伝えた。11日のムバラク政権崩壊後、エジプトで政党創設が認可されたのは初めて。

ワサト党はイスラム原理主義組織ムスリム同胞団の元メンバーらが結成した。ムバラク政権下では政党として認められなかった。

(2011年2月19日21時12分 読売新聞)



 
 
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エジプト、イラン艦のスエズ通航承認 イスラエルは非難

2011年2月19日10時41分

【エルサレム=井上道夫、テヘラン=北川学】イラン軍艦船のスエズ運河通航計画で、エジプトの中東通信は18日、同国政府がイラン側の通航申請を承認したと伝えた。イスラエルは「挑発行為だ」(リーベルマン外相)と強く非難している。

スエズ運河を軍艦船が通航する場合、エジプト国防省の事前承認が必要。イラン政府の在カイロ利益代表部が、核や化学物質を積んでいないと説明した上で、承認を求めていた。同運河をイラン艦船が通過すれば、1979年のイラン革命後、初めてとなる。

イスラエルのメディアによると、艦船は護衛や偵察などに用いられるフリゲート艦と補給艦の2隻。18日現在、紅海を航行中とみられ、2、3日中にもスエズ運河を通り、地中海に入る可能性がある。

イランのファルス通信は18日、軍艦船は海賊が出没するソマリア沖のアデン湾での「訓練航海」のため、海軍の士官候補生を乗せて1月下旬にイランを出港したと伝えた。



 
 
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中東激震:私はこう見る イスラエル国家安保会議、ウジ・ダヤン元議長

◇まだ革命とは言えず

エジプトでの動きの根底には、(民衆が突き付けた)経済的な課題がある。しかし、イラン・イスラム革命(79年)のことを忘れてはならない。当初イランでは、民衆が国王を追放し、世俗派が力を得たようにもみえたが、やがてイスラム勢力が支配した。

イスラエルはエジプトの民主化を歓迎するが、イスラム原理主義勢力が権力を握り、イランと手を結んで(イスラエルと対立する)「悪の枢軸」に転じることを警戒している。民主主義は単に選挙や多数決を意味するのではない。文化や教育がもたらす普遍的な価値観の共有や人権の尊重が重要だ。イランや(パレスチナ自治区)ガザで民主化に期待したのは間違いだった。

エジプトでは静かな軍事クーデターが起きたのだ。まだ革命とは言えない。貧しい人たちが政権を転覆させたが、軍が権力を掌握した。今後の方向性は幾通りか予測できる。

一つは軍事政権の継続。もう一つは混とんと危機だ。いずれにしろイスラエルは新たな状況に備える必要がある。

イスラエルとエジプトの平和条約は、両国にとり戦略的な宝だ。エジプトが今後、わずかでも条約に違反しないよう警戒しなければいけない。米国には、対エジプト経済支援継続の条件として、条約の順守を約束させるよう求めたい。

(東で国境を接し平和条約を結ぶ)ヨルダンとの関係強化も必要だ。一方でパレスチナとの対立は、アラブ世界に広がる民主化要求運動とは何ら関係がなく、仮にパレスチナ問題が解消しても、いま中東で起きている問題の解決にはつながらない、との視点も大事だ。【聞き手・花岡洋二】



 
 
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エジプト:政権崩壊1週間 民主化へ喜びと覚悟 十数万人、再結集

【カイロ伊藤智永】エジプトのムバラク政権崩壊から1週間後の18日、反政府デモの拠点となったカイロ中心部タハリール広場に、日常生活に戻っていた十数万人の市民が再び結集した。一人一人の顔に、自分たちの手で民主化への「切符」を勝ち取った誇りと自信があふれている。「自分たちはいつでもこの広場に戻って来られる」。デモを主導し、この日の集会を呼び掛けた若手活動家は、軍に委ねた民主化の実現に向け、遅れや後退を許すまいと覚悟を新たにしていた。

3週間前はデモ弾圧の流血、2週間前は軍に守られながら政権とにらみ合う緊迫、1週間前はムバラク氏辞任の歓喜。週替わりで表情を変えてきた「21世紀アラブ民主化の聖地」が、今週は平和と追悼の場になった。国内を二分した後の、国民再結集の集会だ。

政府は今週、反政府デモで死亡した犠牲者を現時点で365人と発表。保健省は、補償のための特別委員会を設置し、犠牲者1人当たり毎月1500エジプトポンド(約2万2000円)の特別年金を遺族に支給すると発表した。この日の集会を前に遺族感情を慰めるため急いだとみられる。

広場には午前から数万人の市民が地方からも続々と集結。不測の事態を避けるため、ベレー帽とセーターの軍服を着た兵士が3列に並んで広場の中央を囲み、群衆を平和的に分断する態勢を整えた。

集会には、民主主義ならではのさまざまな立場の人々が集まった。若手活動家グループは巨大な横断幕を掲げ、「新たな暫定政権の即時樹立、非常事態令の解除、全政治犯の釈放、与党・国民民主党(NDP)の解散」など徹底的な民主化の早期実現を要求し、軍の「暫定的」民主化を「不十分だ」と突き上げる。

この日の集会のためカタールから帰国した世界的に著名なイスラム法学者、アル・カラダウィ師は「若者が革命を成し遂げた。若者はこの統一を守ってもらいたい」と演説した。

カイロまで車で1時間半かけてやって来た写真店経営、アブドアルハミドさん(37)は「民主化の要求項目を確認するために来た。エジプトは、民衆が自分たちで国を守った。軍隊や犠牲者に感謝している。跳び上がりたいような気持ちだ。宗教差別のない国になってほしい」と語った。

夫や子供2人とカイロ近郊のタンタから参加した主婦イメルさん(30)は「子供がいるので、今日初めて広場に来た。皆と勝利を祝いたかった。公正できれいな選挙を一番望んでいる。国が良くなれば、この子たちの将来も安心だ」と語った。市民デモ開始から1カ月の25日にも大規模集会が計画されている。

毎日新聞 2011年2月19日 東京朝刊



 
 
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エジプト:スエズ運河、イラン軍艦通過許可 イスラエル反発

【カイロ和田浩明】エジプト当局はイラン海軍艦艇2隻のスエズ運河通過を許可した。国営メディアが18日報じた。イラン側が通過を断念したとの報道もあったが、結局は許可申請を行い受け入れられた。AP通信によると、イラン軍艦船がスエズ運河を通過して地中海に達するのは、79年に起きたイランのイスラム革命以来初めて。

2隻はフリゲート艦と補給艦で、紅海で待機中とみられる。イスラエルと敵対するシリアが行き先のため、イスラエルは「挑発行為だ」などと反発している。

毎日新聞 2011年2月19日 東京夕刊



 
 
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エジプト:軍がフェースブック参加 市民要求吸い上げへ

◇デモ始めた若者と対話希望。どんな質問にも24時間以内に答えます

【カイロ伊藤智永】エジプトの軍最高評議会が、中東全域で反政府デモの原動力の一つとなっているインターネットの交流サイト「フェースブック」に独自のページを開設し、市民との直接対話に乗り出している。

17日に登場した最初のページは、アラビア語で「本日から息子たちと意見交換ができてうれしい。どんな質問にも24時間以内に答えます」と宣言。「エジプトの人々、特に(反政府デモを始めた)“1月25日の若者たち”との対話を希望します」と呼び掛けた。

軍はデモを主導した若手活動家グループとの会合も実施。民主化への不満がたまれば、またデモが再燃しかねないことから、できるだけ要求に配慮しようと懸命なようだ。

毎日新聞 2011年2月19日 東京夕刊



 
 
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エジプト:あすにも内閣改造 ムバラク政権色一掃狙う

【カイロ伊藤智永】エジプト軍・政府が、民主化の徹底と加速を催促する市民の要求に追われている。軍は18日夜、1月25日の反政府デモ開始以来閉鎖されていたパレスチナ自治区ガザ地区との境界の町ラファの検問所を再開した。政府は「旧政権の顔ぶれが残留した」と評判の悪い内閣を20〜21日にも一新する方針だ。いずれも18日、カイロ市・タハリール広場の大集会で、若手活動家グループらが要求として掲げていた。

内閣改造と関連してエジプト検察当局は17日、アドリ前内相、マグラビ前住宅相、ガラーナ前観光相の3閣僚と与党・国民民主党(NDP)幹部1人の計4人を逮捕したと発表した。いずれも汚職絡みの容疑だ。政府の腐敗根絶は、反政府デモで、ムバラク氏辞任に次ぐ要求に掲げられ、市民の関心は非常に強い。中でもアドリ氏は、警察に反政府デモの弾圧を命じた責任者として、市民から「殺人」の容疑も指弾されている。

欠員以外にも、NDPと関係の深い閣僚が多く、デモの初期に本部ビルを焼き打ちにするほどNDPを嫌っている市民からは「同じ顔ぶれで民主化などあり得ない」との不信が渦巻いている。デモが終息した後、全土に広がった警察や公共交通機関など公務員のストも、閣僚が残留したことに対する不満が動機の一つだ。

ロイター通信によると、ある政府高官は18日、「早期の内閣改造は、公務員ストや市民デモの職場復帰を促す顔ぶれにしたい」と語ったという。

ラファ検問所は、反政府デモの影響で閉鎖されていた。イスラエルによる「ガザ封鎖」の悪夢を想起させることから、ムバラク前政権のイスラエル偏重外交に不満な市民感情を刺激し、民主化運動の要求項目に「往来の早期再開」が含まれていた。ただエジプト国営放送によると、段階的な運用再開となる見込みで、当面は、市民の不満を和らげる象徴的な再開にとどまりそうだ。

毎日新聞 2011年2月19日 東京夕刊



 
 
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イラン軍艦船、21日にもスエズ運河通過

2011/2/20 20:32

【カイロ=花房良祐】スエズ運河庁は20日、日本経済新聞に「エジプト政府はイランの軍艦に通航の許可を出したが、まだ通過していない」と述べた。ロイター通信は21日にイラン軍艦船が運河を通過すると伝えた。イランのフリゲート艦と補給艦は友好国のシリアに向けて航行中とされる。同国軍艦のスエズ運河の通過は1979年の革命以降、初めてとなる。

イラン国営テレビは20日、2隻のイラン軍艦船がスエズ運河を通過したと報じたが、これを否定した格好。ただ、21日にも通過する見通しとなり、イランと敵対するイスラエルのネタニヤフ首相は20日「国防費を増やさなくてはいけない」と言及。イランの挑発行為に強い態度で対応する方針を示し、今後緊迫感が高まる可能性がある。

イランメディアは先月、ソマリア海賊問題などに対処するための訓練と報じていたが、反イスラエルの最強硬派としての立場を誇示し、中東地域の反政府デモの混乱に乗じて影響力を拡大する思惑があるとみられる。



 
 
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エジプト:ムバラク氏一家、スイスで凍結の総資産数十億円

【カイロ伊藤智永】スイスで凍結されたエジプトのムバラク前大統領一家の資産総額が数十億円規模に上ることが分かった。AP通信がスイス外務省高官の話として伝えた。

スイス政府はムバラク氏が辞任した11日、「あらゆる資産の最大3年間凍結」を発令。しかし、資産額など詳細は明らかにせず、専門家の間では「反政府デモが拡大する間に、欧州にある資産は湾岸諸国に移され、スイスには残っていない」との見方も出ていた。

英紙ガーディアンはムバラク氏の辞任前、スイスの銀行口座や英ロンドンの不動産など一家の資産について最大約700億ドル(約5兆8000億円)との推定額を報道。これがデモ終盤で市民の怒りをあおったが、実際には3ケタ少ない額だった可能性がある。

毎日新聞 2011年2月20日 東京朝刊



 
 
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イラン艦船のスエズ運河通過、2日遅れ

2011/2/21 10:06

【カイロ=共同】ロイター通信によると、エジプトのスエズ運河庁当局者は20日、イラン海軍の艦艇2隻の通過の見通しについて予定より「48時間遅れる」と述べた。

2隻はフリゲート艦と補給艦で、21日午前6時(日本時間同日午後1時)ごろに通過する予定だった。

エジプトとイランは国交がなく、イラン艦艇のスエズ運河通過は1979年のイラン革命以来初めて。2隻は訓練目的でシリアに向かうとされているが、イランと敵対するイスラエルは「挑発的」と反発している。



 
 
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英首相、カイロ訪問 政変後初の外国首脳

2011/2/21 22:37

【ドバイ=太田順尚】英国のキャメロン首相は21日、エジプトの首都カイロを訪問し、全権を掌握する軍最高評議会のタンタウィ議長らと会談した。政変後、外国首脳として初めてカイロを訪れた首相は、議長らに非常事態宣言の早期解除や、速やかな民政移行を促した。首相は野党勢力の指導者らとも会談する予定だが、ロイター通信によると、事実上の最大野党勢力だったムスリム同胞団の代表に会う予定はないという。



 
 
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エジプト:デモで閉鎖の博物館を再開

【カイロ伊藤智永】エジプトの民衆デモの混乱の中、破壊や盗難が起きて閉館していたカイロのエジプト考古学博物館が20日、約3週間ぶりに再開した。

同博物館は、反政府デモの拠点となったタハリール広場に面し、王家の財宝を展示。政府の発表によると、反政府デモと治安部隊が最も激しく衝突した1月28日、博物館の天井窓から泥棒が侵入。70点が損傷し、「女神に運ばれるツタンカーメン王の像」など18点が盗まれたが、うち4点が部分的に戻っている。

毎日新聞 2011年2月21日 東京朝刊



 
 
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エジプト:スエズ運河、イラン軍艦通過へ 外交変化も

【エルサレム花岡洋二】エジプトからスエズ運河通過の許可を得たイラン海軍の艦船2隻が、21日にも通過する見通しとなった。エジプト当局者が20日、ロイター通信に明かした。イラン艦船がスエズ運河を通り地中海へ到達するのは、79年のイラン革命以後では初めて。エジプトが外交政策を、対イスラエル協力からイラン寄りへとシフトする可能性を示唆する動きで、イスラエルは反発している。

2隻はフリゲート艦と補給船。同通信などによると、20日に紅海のスエズ湾に到着し、翌日運河を通って地中海へ抜ける。約1年間、シリアの港に停泊しながら訓練するという。イスラエル海軍も地中海に展開しており、緊張が高まりそうだ。

エジプトは79年、革命後のイランと外交関係を断絶し、イスラエルとは平和条約を結んだ。建前上、交戦国の艦船などではない限り、運河を通過させない根拠はないが、これまでイスラエルに配慮し、イラン艦船の通過を許可していなかったとみられる。今回の計画が浮上した段階で、イスラエルのリーベルマン外相は「挑発行為だ」として、許可しないよう求め、ムバラク政権崩壊後のエジプトの対応が注目されていた。

イスラエルのネタニヤフ首相は20日の閣議で「イランの動きを深刻に受け止めている」と強く非難。今回の艦船の動きや中東情勢をかんがみて、軍事費を増強する必要があると改めて説明した。

イスラエル紙ハーレツは「エジプトはイスラエルとの間にできた戦略的な協力関係にこだわらず、対イラン関係も築くつもりだという信号を送っている」と論じた。

イスラエルは最近では09年6月に、核兵器搭載能力のある潜水艦を訓練のため、地中海からスエズ運河経由で紅海に移した。イスラエルは紅海側にも軍港を持つが、潜水艦は配備していなかった。当時は、イランをけん制することが目的だったとみられている。

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■ことば

◇スエズ運河

1869年にフランス人技師、レセップスが手がけて開通。全長約190キロ。アフリカ大陸を回らずに欧州とインド・西太平洋を結べる海上交通の世界的要衝。1956年、エジプトのナセル大統領(当時)の国有化宣言によって第2次中東戦争が起きたが、その後国有化が国際的に承認された。

毎日新聞 2011年2月21日 東京朝刊



 
 
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エジプト:イラン艦、スエズ通過延期

【エルサレム花岡洋二】エジプトのスエズ運河を21日にも通過する見通しだったイラン海軍艦船2隻は、予定を2日間延期することとなった。エジプト当局者が20日、ロイター通信に明かした。

艦船2隻は、21日朝(日本時間同日午後)にも運河に入る予定だった。イスラエルが強く反発している。

毎日新聞 2011年2月21日 東京夕刊



 
 
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[FT]ムバラク前大統領の財産巡り高まる圧力

2011/2/22 0:00

(2011年2月21日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

エジプトの実権を握った軍の指導部がムバラク体制下の汚職疑惑について取り締まりに乗り出す中、統治問題に取り組む活動家たちは、退陣させられたホスニ・ムバラク前大統領とその一族が追及の対象から外されていることを懸念している。

■軍の追求、ムバラク氏一族に及ばず

政府は前閣僚数人を追っているものの、独裁を敷いた前大統領とその親族、側近らの調査が行われないことは、元空軍司令官であるムバラク氏が軍指導部と取引した可能性を示唆していると、活動家たちは主張している。

「現政府がムバラク一族には手を出せないと考えていることが、いよいよはっきりしてきた。一族がこのまま聖域扱いされるよう、軍がムバラクやその親族と取引した可能性は極めて高い」。銀行に勤める傍ら、汚職と闘う運動を手がけるモハメド・ハリル氏はこう語る。

2月18日に1週間前のムバラク氏の大統領辞任を祝い、さらなる変革を求めるためにカイロ中心部のタハリール広場に集まった多くの人は、エジプトが抱える最大の問題の1つに汚職を挙げた。

銀行員のディア・サリム氏は言う。「多額のお金が盗まれた。もし世界が自由と民主主義、信義の原則と価値観を持っているのなら、我々がお金を取り戻せるよう手助けしてくれるはずだ」

■政府、前内相ら数人の資産凍結要請

エジプト政府は欧州その他の国々に対し、ハビブ・アドリ前内相ら数人の所有資産を凍結するよう要請した(アドリ氏からコメントを得ようとしたが、連絡がつかなかった)。また、政府は先週、アドリ氏を含む前閣僚3人と鉄鋼王のアハメド・エッズ氏を拘束し、経済犯罪の裁判にかけるまで15日間拘留すると発表した。

活動家たちは、こうした動きとムバラク氏の財産を巡る疑惑を考えると、エジプト当局は一体どうやってムバラク氏本人と彼に最も近しい側近らを無視し続けられるのか、と訴える。

スイス当局は既に、ムバラク氏とつながりのある資産を凍結しており、18日には、前大統領とその親族、および名の知れた5人の関係者の銀行口座に数千万ドルのカネがあることを発見したと発表した。

また、エジプト国内外の監視団体は、彼らが捜査対象とすべきだと考える前大統領の親族および側近18人のリストを配布している。

「何らかの取引があるのか、軍が単にムバラク氏のことを元軍人として尊敬しているだけなのか、私には分からない」。こう話すのは、腐敗と闘う市民団体「エジプシャンズ・アゲンスト・コラプション」の共同創立者であるエンジ・エル・ハダド氏。「しかし、彼らは国民の要求に基づいて権力の座に就いた。そして国民はお金がどこに行ったのか知ることを要求している」

■ムバラク一族と親密な企業に注目

エジプトのアハメド・シャフィク首相は19日、ムバラク氏の財産についてどんな行動が取られているのか知らないと述べ、そのプロセスはエジプト軍指導部が手がけているとつけ加えた。

軍にもムバラク氏にも連絡がつかなかった。また、アブデル・メグイド・マハムド検事総長は、取材依頼に返答しなかった。

多くの外国人投資家にとって優先事項は、一連の取り締まりがムバラク一族と親密な関係にあるエジプトの有名企業に打撃を与えるか否か、与えるとすればどんな打撃かを見極めることだ。

エッズ氏が率いるエジプト最大の鉄鋼メーカー、エッズスチールは20日、会社は正常に営業していると述べた。国営メナ通信社によると、エッズ氏に対する主な嫌疑は、国有製鉄所の経営権を不法に手に入れたことだという。前大統領の息子、ガマル・ムバラク氏と親密な関係にあったエッズ氏は、不正行為を一切否認し、嫌疑が晴れることを確信していると語っている。

■海外投資家はしばらく様子見か

カイロに本拠を置く投資銀行EFGエルメスは、同社のプライベートエクイティ部門の18%を所有するガマル氏との関係を説明することを余儀なくされた。エジプト政府から特権を与えられたことを否定し、ムバラク一族のために資産を運用したことはないとする声明を発表したにもかかわらず、ロンドン市場に上場されている同社の株式は先週、11%下落した。

「今、魔女狩りの動きが多少ある。革命はまだ終わっていない」。カイロの投資銀行ベルトン・フィナンシャルで調査部門を率いるアンガス・ブレア氏はこう語る。「こうした企業の大半は正常に営業を続けていく。要は認識の問題で、一部の投資家はしばらく様子見し、まず何が起きるか見極めようとするだろう」

政府がムバラク一族を追及する場合、どれだけ早くその決断を下すかも、状況を左右する可能性がある。

■「資産回収、不可能ではない」

資産回収を専門とするPCBリティゲーションのスティーブン・フィリップソーン氏は、政府のリストにムバラク氏の名前が載っていないことは、同氏の資産回収の努力を妨げはするが、不可能にするものではないと言う。

「どんな訴訟でも、課題の1つは民間の告訴人を見つけることだ。告訴人がいないと、被害者がいないために事件を起訴に持ち込むのが難しくなる」とフィリップソーン氏。とはいえ、ムバラク氏と軍の間で取引が行われたとしても、別の政府が権力の座に就き、資産に対する請求を行えば効果がなくなると、つけ加えた。

By Michael Peel and Charles Clover

(翻訳協力 JBpress)



 
 
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イラン軍艦船、スエズ運河に進入 イラン革命後初

イスラエル「挑発行為」と批判

2011/2/22 13:35

【カイロ=花房良祐】ロイター通信は22日、イラン軍艦船がスエズ運河に進入したと報じた。運河当局者によると午前5時45分に艦船が運河に入り、地中海方面に向かっているという。イラン軍艦船の運河通航は1979年のイラン革命後初めて。イランと敵対するイスラエルは挑発行為だとして批判しており、地域の緊張が一段と高まりそうだ。

艦船はフリゲート艦と補給船の計2隻とされ、訓練で友好国シリアへ航行中。同運河の軍艦船通過にはエジプト政府の許可が必要で、同通信によると同政府は18日に許可していた。



 
 
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イラン艦艇2隻がスエズ運河入り、シリア行きか

2011年02月22日 15:44 発信地:カイロ/エジプト

【2月22日 AFP】イラン海軍の艦艇2隻が22日、地中海と紅海を結ぶスエズ運河(Suez Canal)に入った。運河当局者が語った。シリアでの軍事演習に向かっているとみられているが、イスラエルは挑発行為だと非難している。

運河当局者によると、イラン海軍のアルバンド(Alvand)級フリゲート艦(1500トン)と支援艦ハールク(Kharg、3万3000トン)が午前5時45軍(日本時間同日午後零時45分)ごろ、スエズ運河に入った。イランの艦艇がスエズ運河を通過するのは1979年のイラン革命後初めて。

スエズ運河の通航には通常12〜14時間かかる。艦艇はシリアへ向かっているとみられるが、シリアに到着するためにはイスラエルのそばを通過することになる。

エジプト半国営の中東通信(MENA)によると、艦艇側は運河の通航申請の際、兵器や核物質、化学物質などは積んでいないと述べたという。

イラン国営ファルス(Fars)通信によると、Alvandは通常であれば魚雷と対艦ミサイルを搭載している。また、Khargは乗員250人、ヘリコプター3機を搭載する能力がある。いずれもイラン革命以前に発注され、1970年代に英国で建造された。(c)AFP



 
 
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エジプトの反体制デモ、死者384人に

【カイロ=田尾茂樹】エジプト保健省は22日、ムバラク政権を崩壊させた1月25日からの反体制デモに伴う死者は384人、負傷者は6467人に上るとの集計を発表した。

同省は医療機関などからの情報を基に集計を続けており、死者数はさらに増えるとみられる。

(2011年2月22日22時43分 読売新聞)



 
 
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ムバラク前大統領の資産凍結を要請 エジプト検察

2011年2月22日20時27分

【カイロ=井上道夫】エジプト国営テレビは21日、同国検察当局が、ムバラク前大統領と妻、息子2人らの海外資産の凍結手続きを取るよう外務省に要請したと報じた。地元メディアは、数十億ドル(10億ドル=約831億円)にのぼる可能性があると伝えた。

ムバラク氏の資産総額は明らかになっていないが、AP通信によると、スイス政府は18日、関連資産数千万スイスフラン(1千万スイスフラン=約8億7800万円)を凍結したことを明らかにした。同国政府は国内法に基づき、独自にムバラク氏や親族、側近らの資産を調査している。



 
 
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イラン軍の艦船2隻、スエズ運河通過 革命以来初めて

2011年2月22日20時45分

【テヘラン=北川学、エルサレム=井上道夫】ロイター通信によるとイラン軍の艦船2隻が22日、スエズ運河を通過し、地中海に入った。イラン軍艦船が同運河を通過するのは、1979年のイラン革命以来、初めて。イランと敵対するイスラエルが警戒態勢に入り、2隻の航路を監視していた。

イランが派遣しているのは、護衛や偵察などに用いられるフリゲート艦と補給艦とみられる。イランのファルス通信によると、海賊が出没するソマリア沖のアデン湾での「訓練航海」のため、海軍の士官候補生を乗せて1月下旬にイランを出港。その一環として、スエズ運河を抜けて地中海に向かったという。

スエズ運河を軍艦船が通航するためには、エジプト国防省の承認が必要。中東通信は18日、在カイロ・イラン利益代表部が提出した通航申請を国防省が承認したと報じた。



 
 
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ムバラク前大統領の資産凍結、英首相が訪問 エジプト

2011.02.22 Tue posted at: 17:28 JST

カイロ(CNN) エジプトの国営ニュースサイトによると、同国の司法当局は21日、ムバラク前大統領と家族らの資産凍結を要請した。

凍結の対象は、前大統領本人のほか、スザンヌ夫人、長男アラー氏夫妻、次男ガマル氏夫妻の資産。

30年間にわたり政権を掌握していた前大統領は、今月11日、反政府デモに倒されて辞任した。スイス政府はその日のうちに、前大統領一族が同国内に保有していた資産の凍結を発表した。

前大統領の資産をめぐっては巨額の不正蓄財を批判する声が高まっているが、暫定内閣のシャフィク首相は19日、「報道されていること以外は知らない」と強調し、資産の処分などはすべて軍最高評議会が決めると述べた。前大統領の弁護士は20日、国内外で資産に関する「根拠のないうわさ」が報道されていると訴えていた。

一方、首都カイロでは21日、英国のキャメロン首相がタンタウィ軍最高評議会議長と会談し、民政移行を支援するとの姿勢を伝えた。さらにシャフィク首相や「野党勢力のメンバー」とも会談すると述べたが、非合法政党のムスリム同胞団と接触するかどうかは明らかでない。



 
 
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エジプト:野党勢力から初の入閣内定

【カイロ伊藤智永】エジプト政府は21日、内閣改造に着手し、1953年の共和国創設以来、初めて野党勢力からの入閣が内定、連立政権を組むことになった。

地元紙などの報道によると、副首相に起用される憲法学者のヤヒア氏は、民主化勢力の指導者、エルバラダイ前国際原子力機関(IAEA)事務局長を支持するグループ幹部の一人。他に、国民進歩統一党(タガンマア党)からゴウダット氏が社会連帯相、新ワフド党のムーニル幹事長が観光相に内定した。

毎日新聞 2011年2月22日 東京朝刊



 
 
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中東激震:私はこう見る ワシントン中東政策研究所、アシュ・ジェイン客員研究員

◇米は同盟国に改革促す

米国は中東で(民衆蜂起の)展開を注視する必要があるが、同盟国には改革への措置を促していく。同盟国が「革命」を恐れているのならば逆に、より多くの権限を議会に委譲し、国民に政治参加させることが必要だ。こうした準備ができていない国への働き掛けを強めるだろう。

米国が直面する課題はイスラム過激派だ。イランやパレスチナ自治区ガザ地区では、エジプトのムバラク政権退陣を祝う動きが出ている。エジプトに影響力を行使する機会をうかがう勢力は、協力相手を探している。穏健派イスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」は過激思想の一部を共有しており、やっかいな存在になる可能性がある。

ムバラク政権退陣は米国にとって、政権移行にうまく対処できれば建設的で(両国関係やエジプトの)安定化につながる展開だといえる。国民を代表し、国民が支持する政権が米国のパートナーになることは、長期的には極めて有益だ。今回の政変が米国の影響力低下を示しているという意見には反対だ。米国はこれからもエジプト国軍や暫定政権、新政権に巨大な援助を続けていく。そうして足場を築けば、米エジプト関係の方向性に影響力を持つことができる。重要なのは、秩序ある政権移行やイスラエルとの平和条約維持などの要望を継続して伝えていくことだ。【聞き手・ワシントン草野和彦】

毎日新聞 2011年2月22日 東京朝刊



 
 
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イラン軍艦、スエズ運河を通航 イスラエル軍「挑発には対応」

2011/2/23 3:43

【カイロ=花房良祐】イラン軍艦船が22日、スエズ運河を通過し、地中海に抜けた。AFP通信によると、イスラエル軍高官は同日、「イラン軍艦船の挑発には直ちに対応する」と述べており、地域の緊張が高まる可能性が出ている。イラン海軍の艦船がスエズ運河を通過するのは1979年のイラン革命後初めて。

イラン軍艦船は魚雷や対艦ミサイルを搭載したフリゲート艦と補給艦の計2隻とされ、訓練で友好国のシリアに向かって航行中という。エジプト運河庁によると2隻は3月3日ごろ運河に戻る予定で、紅海経由でイランに帰国するもよう。

イランはイスラエルを敵視するパレスチナ過激派ハマスやレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラを支援している。イスラエル側には軍艦船が過激派への武器の輸送を企図しているとの懸念もある。

スエズ運河の通過にはエジプト政府の許可が必要で、18日に許可が下りていた。エジプト運河庁は16日、同国と交戦国でない限り、艦船の通過は認めるとの声明を発表していた。



 
 
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エジプト、野党から入閣 内閣改造、主要閣僚は留任

2011/2/23 10:50

【ドバイ=太田順尚】エジプトのムバラク政権崩壊後の実権を握る軍最高評議会は22日、シャフィク暫定内閣の改造を行い、観光相などに野党から入閣した。一方、外相や内相、財務相などの主要閣僚は留任し、穏健派イスラム原理主義組織のムスリム同胞団などからは批判が出ている。

観光相に野党の新ワフド党のムニール・アブデルヌール幹事長を任命。新設された副首相に憲法学者のヤヒヤ・ガマル氏が任命された。野党の国民進歩統一党からも入閣した。報道管理などをしていた情報省は廃止された。主要閣僚留任に反発する若者グループやムスリム同胞団は、25日に大規模なデモを行うよう呼びかけている。

ムバラク前大統領は辞任前の1月29日にナジフ内閣の全閣僚を更迭し、同31日、シャフィク内閣の閣僚を任命していた。



 
 
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エジプト産乾燥タマネギ、輸入価格1割高 輸送に遅れ

2011/2/23 23:17日本経済新聞 電子版

インスタントラーメンやカレールーなど加工食品に使う乾燥タマネギの輸入価格が上昇している。エジプト産は2月下旬時点で1トン6700ドル前後(船賃込み)と、前年同期比1割高い。エジプト情勢が一時緊迫し、輸送に遅れが生じた。

雨が少ないエジプトでは、乾燥タマネギの生産が盛んだ。粉末状やスライス状に加工して輸出している。日本の2010年の同国産乾燥タマネギの輸入量は1119トンと、輸入量全体の2割を占め…(有料購読記事です)



 
 
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イラン軍艦船、スエズ運河を通過…地中海に

【カイロ=工藤武人、テヘラン=久保健一】ロイター通信などによると、イラン軍艦船2隻が22日、エジプトのスエズ運河を通過し、地中海に入った。  イラン軍艦船の同運河通過は1979年のイラン革命後初めて。エジプトのムバラク政権崩壊に伴う中東の地政学的変化を示すもので、地域の2大軍事大国であるイランとイスラエルの緊張が高まるのは避けられない。

2隻はフリゲート艦と補給艦とされ、イスラエル沖を通ってシリアに向かう見通し。イラン側は「航海演習」と説明している。

イランの狙いがムバラク政権崩壊直後の混乱に乗じた運河通行の既成事実化にあるのは明白だ。イスラエル海軍当局者は同国紙マアリブに「ムバラク時代なら、エジプトが通過を認めることはありえなかった」と述べた。実際、エジプト当局は昨年6月、イラン船の運河通過を認めなかった。エジプトとイランは79年のイラン革命直後から断交状態が続いている。

(2011年2月23日00時35分 読売新聞)



 
 
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エジプト内務省施設が炎上 元警官ら復職求め抗議

2011/2/23 23:14 (2011/2/24 1:04更新)

【カイロ=花房良祐】ムバラク政権が崩壊したエジプトで23日、カイロ中心部で前政権下で失職した警察官らが復職などを求めて抗議集会を開き、火炎瓶を投げつけるなどして周辺の自動車約6台が炎上、内務省施設にも延焼した。同施設には犯罪者の資料を保管していたという。

目撃者によると内務省周辺に数百人が集まり、抗議。治安当局により多数が拘束されたという。火災発生後、周辺では私服警官や軍が厳重な警備を敷いた。

エジプトでは政権崩壊後、国営企業や公務員らによるストライキが頻発。暫定政権への抗議デモも散発的に続いており、経済活動が本格的に復旧できない状況が続いている。



 
 
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イラン軍艦がスエズ運河を通過 イスラエルは反発

2011.02.23 Wed posted at: 11:42 JST

(CNN) スエズ運河当局者らによると、イラン軍の艦艇2隻が22日、1979年のイラン革命以降初めて同運河を通過した。イランと敵対するイスラエルはこれに強く反発している。

スエズ運河を管理するエジプトでは先週、ムバラク政権崩壊後の暫定当局が通過を許可する立場を示していた。

通過したのはシリアへ向かっているフリゲート艦と補給艦。イランのファルス通信が同国当局者らの話として伝えたところによると、両艦は同国の貨物船や石油タンカーを海賊の攻撃から守る訓練を目的に、1年余りにわたる情報収集の任務に就いている。

イスラエルのネタニヤフ首相は20日、イランが艦船を送り込むことで地域での影響力拡大を狙っていると警戒感を示し、スエズ運河を通過した場合は「重大」に受け止めると述べていた。

スエズ運河は紅海から地中海へ抜ける海上交通の要衝。数百万バレルの石油が毎日ここを通過して欧州や北米へ運ばれる。1888年のコンスタンティノープル協定で自由航行が保障され、イスラエル軍の艦船についても1978年の米キャンプ・デービッド合意で通航権が認められた。ムバラク大統領辞任を受け全権を引き継いだエジプト軍の最高評議会は、キャンプ・デービッド合意を含む国際条約や義務を順守するとの政策方針を表明している。



 
 
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イラン:艦船、スエズ入り

【エルサレム花岡洋二】イランの海軍艦船2隻は22日朝(日本時間同日午後)、紅海からエジプトのスエズ運河に入った。同日中に通過し、地中海に到達する見通しだ。エジプト当局者が22日、ロイター通信に明かした。

イラン艦船の通過は、79年のイラン革命以降初めて。地中海に海軍を展開するイスラエルは反発している。

艦船は、フリゲート艦と補給船。エジプト当局から通過許可を得て待機していたが、予定日を何度も変更していた。艦船は、イランの友好国シリアの港に停泊しながら訓練する予定。エジプトは79年、革命後のイランと外交関係を断絶しイスラエルとは平和条約を結んだ。建前上、交戦国の艦船などではない限り運河を通過させない根拠はないが、イスラエルに配慮し、イラン艦船の通過を許可していなかったとみられる。

毎日新聞 2011年2月23日 東京朝刊



 
 
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クローズアップ2011:中東デモ拡大 民意読めぬ独裁者

◇側近政治/演説、怒りに火

チュニジア、エジプト、リビアと北アフリカで相次ぐ反体制の動きは、独裁政権側が情勢の急激な変化に追いつけず、タイミングも内容も民意と大きくずれたリーダーのテレビ演説が逆に民衆の怒りをあおり、自ら墓穴にはまっていくパターンで共通する。強圧的な統制で情報を独占していたつもりが、最終局面では正確な情報が入らず、身動きが取れなくなっていく逆説的な展開だ。リビアのカダフィ大佐も瀬戸際に立つが、中東最長の長期独裁の果てを予測するのは難しい。

「新聞もテレビも邪魔だから見ないようにしている」。エジプトのムバラク前大統領の口癖だった。情報は質量とも、側近からの報告で十分、というおごりだ。反政府デモに譲歩する形で任命したスレイマン副大統領も、情報庁長官として信頼を得た人物。スレイマン氏は野党勢力との対話の場を公開するなど、情報の出し方に意を砕いた。

しかし、大規模デモが続いた18日間に3度行われたムバラク氏の演説は、事態の悪化に弾みをつけた。

1度目はデモ5日目の1月29日。全閣僚更迭と改革を約束したが、強硬姿勢も強調。直後に、怒った民衆数万人がカイロ中心部のタハリール広場に加わった。2月1日に次期大統領選に立候補しないとしながらも、「十分な年月をエジプトと国民にささげてきた」と辞任を拒否したため、国民の怒りは収まらなかった。

3度目は2月10日。デモの犠牲者を悼み、若者のエネルギーをたたえたが、辞任は拒否。退陣表明を期待して広場に集まった市民の怒りは頂点に達し、翌日の辞任発表は、スレイマン氏が代読するしかなかった。

「同じ内容でも2日早く言っていたら展開は違っただろう。最後は、広場の空気をつかめていなかった」(外交筋)とみられる。

チュニジアのベンアリ前大統領も、デモ発生6日目の1月13日、テレビで2014年任期満了での退任と改革メニューを約束した翌日、ゼネストが起き、全土に非常事態を宣言。軍に退陣を迫られ、国外へ逃げた。

「我が国はチュニジアやエジプトと同じ失敗は繰り返さない」。リビアの最高指導者カダフィ大佐の次男で有力後継者のセイフ氏は、21日未明のテレビ演説で強調したが、同じ坂を転げ落ちている。改革と同時に武力弾圧を公然と宣告したのが裏目に出て、東部の町に続き首都トリポリでも民衆蜂起を呼び起こしたからだ。同日夜には軍を本格投入せざるを得なくなり、軍からも離反者が出る泥沼にはまっている。

これまでのアラブ世界では、力で抑え込むメッセージを出せば、民衆は沈黙した。怖いもの知らずの若者が、押し返せば独裁者は倒せるという「目的地」を知った今、もはや脅しは利かないのに、独裁者側は長い「成功体験」から、同じ手法を繰り返している。

チュニジアはデモのきっかけとなった青年の焼身自殺から29日、エジプトはデモが始まって18日で政権が崩壊。リビアは22日で8日目。変化の速度は加速しつつある。【カイロ伊藤智永】

◇リビア カダフィ後、閣僚が軸?

41年に及ぶ「カダフィ支配」が終焉(しゅうえん)した場合、リビアはどうなるのか。中東最長の独裁体制は、チュニジアやエジプト以上に強権的で、「カダフィ後」の国づくりは「再建」というより、むしろ「新生」の様相を色濃くしそうだ。

リビアの政治情勢に詳しい福富満久・国際金融情報センター主任研究員は、「カダフィ後」の国づくりを担う可能性として、(1)現・元閣僚ら従来の指導者層(2)軍部(3)在外のリビア知識人−−を挙げる。カダフィ大佐の後継者と目されてきた次男セイフ・アルイスラム氏は21日の演説で「最後の一人まで戦う」と対決姿勢を鮮明にし、「馬脚を現した。後継の線は消えた」(福富氏)。

最も現実的なのが(1)のケースだ。マハムーディ全人民委員会書記(首相)ら現閣僚やガネム前首相が軸になるとみられる。ただ、「いずれもカダフィ体制下の有力者」(外交筋)であり、長期独裁への不満を爆発させている国民が受け入れるかどうかは微妙だ。

(2)のリビア軍にはエジプト軍のように「救国」の背景はなく、兵士も「失業対策で集められたようなもの」(福富氏)だ。このため軍単独では難しいが、政治勢力と協力して国づくりを進める道はある。

◇民主化旗手は不在

(3)を巡ってはこれまで、カダフィ体制に不満を抱く知識人が多数、欧米に流出してきた。エジプトのエルバラダイ前国際原子力機関(IAEA)事務局長のように現体制崩壊にあわせて帰国し、民主化の「旗手」となる可能性はあるが、今のところ有力人物は浮上していないという。【前田英司】

毎日新聞 2011年2月23日 東京朝刊



 
 
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エジプト暫定政府が初閣議 「ムバラク色」強く

2011/2/24 11:16

【カイロ=花房良祐】ムバラク政権が崩壊したエジプトで暫定政府は23日、前日に内閣を改造してから初めての閣議を開いた。野党など各勢力との対話促進や国内の治安維持対策などについて話し合った。改造内閣では初めて野党にも閣僚ポストを配分し、権力を握った軍最高評議会は挙国一致を印象付けようとしているが、外相や財務相など主要ポストは旧政権与党の国民民主党(NDP)が独占しており批判が強まっている。

改造内閣ではムバラク政権時代の野党だった新ワフド党から幹事長が観光相に就いた。一方、穏健派イスラム原理主義組織ムスリム同胞団などは「ムバラク色」が強いとして内閣改造を批判。25日に大規模なデモを呼びかけた。

チュニジアでは政変後にベンアリ前大統領の側近だったガンヌーシ首相ら与党・立憲民主連合(RCD)の面々が暫定政権に居残り、首相に対する退陣要求デモが続いている。エジプトも政変後にシャフィク首相らムバラク政権時代の幹部が留任しており、抗議デモが再燃する恐れもある。



 
 
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イラン:艦船、スエズ運河通過 イスラエル「挑発行為だ」

【エルサレム花岡洋二】イラン海軍の艦船2隻は22日午後(日本時間同日夜)、エジプトのスエズ運河を通過し、地中海に到達した。ロイター通信によると、2隻はフリゲート艦と補給船で、シリア沖で訓練する。

イスラエルのヤアロン首相代理は同国メディアに「イランの挑発行為だが、イスラエルにとってただちに脅威とはならない」と語った。別のイスラエル海軍当局者によると、海軍は2隻の動きを追うが、近接することはないという。

イラン艦船がスエズ運河を通過するのは79年のイラン革命以後では初めて。政権が崩壊したエジプトの対イラン政策が変わった兆候ではないかと、イスラエルや米国が警戒している。

イラン国営通信によると、ムサビ陸軍准将は22日、「イスラエルはイランの軍艦がスエズに入ったことに衝撃を受けている」とし「高慢な外国勢力は、イラン軍がイスラム共和国の理想を守る準備を整えていることを知るべきだ」と強調した。

一方、クローリー米国務次官補(広報担当)は22日、艦船通過がエジプトとイランとの問題であるとの認識を示しながらも、イランの活動に「懸念」を示した。

毎日新聞 2011年2月24日 東京朝刊



 
 
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中東激震:私はこう見る 鈴木恵美・早大研究院准教授/立山良司・防衛大学校教授

◇エジプト新政権、漸進的に−−鈴木恵美・早大研究院准教授

「ムバラク・エジプト大統領辞任後」の民政移管の過程で進められる憲法改正で、大統領選の立候補要件の緩和とともに重要なのが、宗教を基盤とする政党の禁止条項の行方だ。宗教政党は現在、憲法と政党法で二重に禁止されているが、憲法の禁止条項が撤廃されれば、事実上の最大野党である(穏健派イスラム原理主義組織の)ムスリム同胞団の活動に対する規制が緩むことになる。

非合法組織として弾圧されてきた同胞団は、これまで外野に過ぎなかったから、宗教上の理念にのっとった「イスラム国家樹立」などの急進的な発言をぶち上げてきた。しかし、政治活動ができる可能性が現実味を帯びてきた今、徐々に柔軟になってきている。

数年前にメディアにリークされた同胞団の「国家ビジョン」は、三権の上に宗教界が君臨するイラン型だった。大統領は男性のイスラム教徒でなければならない、との条件もあったから、国民が猛反発して、同胞団はあわてて撤回した。この教訓から、同胞団は当面、緩やかに政治参加して国際社会の警戒を解こうとするだろう。だから、新政権が急進的になるとは思わない。

軍はデモの中止を求めているが、不満を封じようとしたりすれば国民との信頼関係は崩れ、「革命」が破綻してしまう危険もはらんでいる。【聞き手・前田英司】

◇中東和平、ハマス対話課題−−立山良司・防衛大学校教授

パレスチナを巡る中東和平で、エジプトが米国やイスラエルと歩調を合わせてきた従来の路線が変わろうとしている。

年間約13億ドルもの軍事支援を受ける米国との関係を考えれば、エジプトが米国の同盟国・イスラエルとの平和条約を破棄するなど劇的な方針転換を行うとは考えにくい。一方で、ガザ地区封鎖の緩和やイスラエルの入植問題に対しては、エジプトはより厳しい対応を取るだろう。しかし、イスラエルが現ネタニヤフ政権で入植活動の停止や和平交渉で大幅譲歩をするとは考えにくい。イスラエルへの国際的圧力は増し、米国の立場も難しくなる。

ムバラク政権が制限してきた人や物資の出入りが緩和され、ガザ地区内のインフラ復興とともにハマスが国際社会で自由に活動する状況が生まれる可能性がある。

中東和平交渉は、ハマスを事実上無視し、ハマスと対立するパレスチナ穏健派ファタハとイスラエルを中心に進められてきたが、今後はハマスとの対話が課題になる。ハマスの除外を支持してきた日本や欧州連合も対応が迫られる。ハマスとファタハの対立から、パレスチナ自治区のガザ地区とヨルダン川西岸は分断されている。分裂解消へ関係改善を働きかける新たなプロセスが求められそうだ。【聞き手・田中龍士】

毎日新聞 2011年2月24日 東京朝刊



 
 
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エジプト:暫定内閣を改造 警官デモ、内務省施設放火

【カイロ伊藤智永】エジプトで23日、待遇に不満を持つ警官がデモを行い、内務省関連の施設に放火した。AP通信が伝えた。

エジプトでは22日、暫定内閣の改造が行われ、初めて野党勢力から入閣するなど新たに11人が起用されたが、シャフィク首相以下、財務・外務・内務・国防など主要ポストを中心に、大半の閣僚は留任した。

内閣改造は、ムバラク前政権と同じ顔ぶれが続くのはおかしいという市民の批判を受け、内外に挙国一致を印象づける狙いだ。だが、一部交代にとどまったため、反政府デモを主導した若手グループは納得せず、徹底した民主化を求めて数千人がデモを行った。

毎日新聞 2011年2月24日 東京朝刊



 
 
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スエズ通過のイラン軍艦船、シリア北部到着

【カイロ=田尾茂樹】シリアからの情報によると、22日に1979年のイラン革命後では初めて、スエズ運河を通過したイラン軍艦船2隻が24日午後(日本時間同日夜)、シリア北部のラタキア港に到着した。

2隻はフリゲート艦と補給艦とされ、イラン側は「航海演習」と説明していた。

これまでイランは、2006年にイスラエルと交戦したレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラへの支援物資を、シリアなどを経由して陸路で輸送してきたとされる。今後は、スエズ運河を通過する地中海ルートが確保されることで、ヒズボラに対する支援もさらに拡大する可能性があり、イスラエルとの緊張が高まるのは必至とみられている。

(2011年2月25日00時34分 読売新聞)



 
 
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中東混迷、近畿の企業が警戒 出張自粛の地域拡大

2011/2/25 5:55

エジプト、リビアなど中東情勢の混迷の影響が近畿経済にも広がっている。旅行会社はエジプト向けなどのツアーを中止。パナソニック、シャープなどメーカーは出張自粛の地域を拡大、商談を延期したり、営業拠点の開設を見合わせたりする企業もある。原油価格の上昇が近畿経済に与える影響を懸念する声も出ている。

出張の自粛・禁止は大手メーカーなどで拡大している。パナソニックは1月末までにエジプトへの出張禁止とチュニジア、ヨルダン、イエメンへの出張自粛を決定。22日までにリビア、モロッコなどへの自粛も通達した。現在、11カ国への出張を自粛・禁止する。

シャープは2月1日にエジプトへの出張を禁止。22日にはリビアなど4カ国は全土、サウジアラビアなど5カ国は一部地域を出張禁止または自粛対象とした。

プラント配管の関連品製造のオクダソカベ(大阪府東大阪市)は、アラブ首長国連邦(UAE)での石油化学プラント向けの商談のため、夏前にも奥田保幸社長が現地へ出張する予定だったが、延期する。兵庫県内のある上場メーカーは「エジプトのカイロに営業拠点を設けるはずだったが、混乱のため見合わせている」と打ち明ける。

エジプトの大手タイルメーカーの国内総代理店で、内装用高級タイルを手掛けるセラミカ・クレオパトラ・ジャパン(大阪市)は現地のストライキの影響で製造元の工場が止まり3月末〜4月上旬にかけて国内で施工開始する予定だった物件に影響が出そうだという。

石油パイプラインの継ぎ手などを生産する淡路マテリア(兵庫県洲本市)は「バーレーンの反政府運動の高まりが気がかり」。真珠取引業者で構成する日本真珠輸出組合(神戸市)は「真珠の有力生産国のサウジアラビアの価格動向が神戸の取引に影響を与える可能性もある」と指摘する。

旅行会社への影響も深刻だ。JTB西日本は中東情勢の悪化を受けて、3月末出発分までエジプトやチュニジア方面への海外旅行の催行中止を決めた。予約客には電話などで個別に事情を説明しており、1〜3月の関西発で約600人に影響が出る計算になる。

この時期のエジプトは過ごしやすい気候で高齢者から卒業旅行の大学生まで幅広い人気がある。JTB西は8日間で25万〜40万円のツアーを中心に販売するが「要望に応じて欧州旅行などへの振り替えを提案している」。



 
 
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中東激震:私はこう見る リザ・ウィディヤルサ講師

◇人事刷新、警察強化を−−アル・アザール・インドネシア大学、リザ・ウィディヤルサ講師(中東研究)

ムバラク大統領が退陣したエジプトと、32年に及んだスハルト政権が崩壊した13年前のインドネシアは共通点が多い。共に「開発独裁」と呼ばれる開発と安定を優先した強権政治で成長を実現したが、経済格差拡大と汚職のまん延に国民の怒りが爆発した。民族や宗教、性別、職業、年代に関係なく、あらゆる国民が反政府デモに参加し、権力者を退陣に追い込んだ点も同じだ。

しかし、インドネシアでは「スハルト後」の準備が不十分で、失脚後もスハルト氏の影響力が残り、改革推進に時間がかかった。ムバラク政権を倒した勢力は大統領選や議会選に備え、早期に必要な人材を準備すべきだ。ムバラク氏に近い人物を再び政権に入れてはいけない。

次に重要なことは法執行機関である警察の強化だ。インドネシアでは政変後も汚職や人権侵害、職権乱用などの悪弊が残った。警察改革は今も進まず、犯罪を取り締まるべき警官の給与や捜査費用が安いために十分な捜査は行われていない。

逆に警察内でワイロが横行し、職務への責任感も乏しい。インドネシアと同じ過ちを繰り返さないため、エジプトはこの機会に警官の待遇を改善して意識改革を進め、国民の信頼を回復する必要がある。

イスラム勢力に関しては両国で大きな違いがある。インドネシアは世界最多のイスラム教徒を抱えるが、イスラム政党はより穏健で、シャリア(イスラム法)導入も求めていない。エジプトでは最大の野党勢力「イスラム同胞団」はシャリア導入を主張しており、総選挙後に実権を握れば、世俗政党や民族主義者との対立が激化する可能性がある。【聞き手・佐藤賢二郎】

毎日新聞 2011年2月25日 東京朝刊



 
 
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中東デモ:各地でうねり エジプトデモ1カ月

◇うねる中東

エジプトのムバラク政権崩壊のきっかけとなった大規模デモ発生から25日で1カ月になる。「アラブの盟主」での政変は、中東各地で民主化を求める巨大なうねりとなって、独裁政権を揺さぶり続けている。中東各国の動きをまとめた。【カイロ伊藤智永、マナマ鵜塚健】

◇政府「ガス抜き」必死

◆エジプト

365人の犠牲を出して政権を崩壊させたエジプトでも事情は変わらない。全権は軍が握っても、内閣はムバラク前大統領の辞任前と同じシャフィク首相が率いている。

反政府デモを主導した若者グループは、(1)新内閣の樹立(2)全政治犯の釈放(3)非常事態令の解除(4)パレスチナ自治区ガザ地区との自由往来(5)与党国民民主党(NDP)の解散−−を要求。政府は22日に内閣を改造したが、主要閣僚は留任した。

若者グループの呼びかけで22日にカイロ中心部タハリール広場で開かれた抗議デモは、平日の日中にもかかわらず数千人が参加。政府も不穏な空気を警戒し、政治犯487人中222人を近く釈放すると発表したり、ムバラク氏家族の資産凍結を欧州各国に要請するなど、「ガス抜き」に努めているが、小出しの印象がある。

◇期待しぼみ、不満再燃

◆チュニジア

中東連鎖のきっかけとなり、219人が死亡したチュニジアでは、1月14日にベンアリ前大統領が亡命して1カ月が過ぎ、当初の期待より民主化が不十分だという失望から、2月19、20日に首都チュニスで大規模デモが再燃した。ロイター通信によると、20日は4万人が集まり、治安部隊が空へ警告射撃も行ったという。

市民の不満は、政府の実態は変わっていないという点だ。暫定政府のガンヌーシ首相はベンアリ体制の首相で、主要閣僚も残留。全閣僚が、市民の風当たりが強い絶対多数与党・立憲民主連合を離党し目先を変えようとしたが、逆に怒りをあおった。

◇「王家解体」に転化

◆バーレーン

バーレーンは、ハマド国王を頂点とする支配層がイスラム教のスンニ派で、貧困層の大半はシーア派だ。今月14日に始まったデモで、シーア派住民は首都マナマの真珠広場で「差別撤廃」「生活改善」を求めて声を上げた。

治安当局は当初、武力での排除を試み、これまでに7人が死亡した。軍と警察が広場を撤収した19日以降、市民は広場を占拠して平和的デモを続け、参加者は連日増えている。

ハマド国王が「身内」にメスを入れる改革に二の足を踏む中、在職40年のハリファ首相を巡り、不正蓄財の規模は「(エジプトの)ムバラク前大統領以上」とささやかれ、デモの目標は「王家解体による再出発」に転化した。

米国はバーレーンに海軍第5艦隊司令部を置いており、情勢を注視するが、「出口」は見えない。

◇かぎ握る部族の意向

◆イエメン

「アラブ最貧国」とされるイエメンでは、反政府運動のエネルギーは強く、今月11日から首都サヌアや南部アデンで連日大規模デモが続く。32年間にわたり強権支配を続けるサレハ大統領は次期大統領選不出馬を表明し、世襲も否定したが、「即時退陣」を求める市民との溝は埋まらない。

大統領支持派と反対派の衝突でこれまでに15人が死亡し、大統領は23日、治安部隊に市民の保護を命じたが、事態沈静化の気配はない。今後の情勢は、国政に影響力を持つ各部族の意向がかぎを握るとの見方もある。

◇政権内からも批判

◆アルジェリア

アルジェリアでは、エジプトでデモが燃えさかっていた2月初め、政府はデモや集会を規制する非常事態令の解除方針を示していた。イスラム原理主義政党伸長を嫌った軍が、1992年に政変を起こした時に発令してから19年。99年に文民政権となっても野党弾圧に使われてきた。

ところが、エジプトでムバラク前大統領が退陣に追い込まれた翌12日、首都アルジェで3期目在任12年のブーテフリカ大統領の退陣などを求める反政府デモが発生すると、数千人の警官が約1000人を拘束し鎮圧。野党側の不信は一気に高まった。その後も集会は続き、政権内からも事態の収拾を求めて批判が出始めた。これまでの死者は8人に上る。

政府は22日、非常事態令の解除を決定。不満が大きい失業対策も打ち出したが、あくまで大統領の退陣を迫る反政府側の不満は解消されていない。

◇弾圧、懐柔策 「応戦」激しく

◆イラン

イランでは14日以降、アフマディネジャド政権に反対するデモが散発的に起こったが、警察、軍、革命防衛隊から成る治安部隊が徹底的に弾圧。3人が死亡した。抑圧的な体制に若者らは不満を募らせるが、運動を拡大、持続するすべは見いだせない。

政府や国会は、デモを主導する改革派指導者のムサビ元首相やカルビ元国会議長の訴追を示唆し、運動母体の弱体化を進める。

◆サウジアラビア

サウジアラビアでは、3月11日を「怒りの日」としてデモが計画されている。アブドラ国王は先日、懐柔策として8800億円規模の経済対策を発表、神経をとがらせている。

毎日新聞 2011年2月25日 東京朝刊



 
 
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エジプト、大統領任期4年に短縮 エジプト憲法改正案

2011/2/27 0:26

【カイロ=花房良祐】エジプトで憲法改正を検討する専門家委員会は26日、大統領の任期を6年から4年に短縮する改正案を明らかにした。最大2期までとして3選を禁止する。従来の憲法は再選の制限がなく、5期目で29年政権にあったムバラク前大統領の独裁体制を生む一因となっていた。エジプト紙アルアハラムなどが伝えた。

このほか大統領選挙への立候補要件も緩和。無所属候補はこれまで人民議会などの議員250人の推薦が必要だった。ロイター通信によると改正案では議員30人の推薦か、市民3万人の署名を要件とする。

改正案は2カ月以内に国民投票にかける方針。野党勢力は民主化プロセスが遅いと実権を握る軍を批判、25日にはカイロ中心部で数千人が抗議し、一部で軍警察と小競り合いが発生していた。



 
 
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中東激震:私はこう見る バラク・シーナー氏/ミルザ・アリ・モハメド氏

◇民主化へ市民社会育成支援を−−英王立統合防衛安保研究所、バラク・シーナー氏

日本では戦後、「民主化の奇跡」が起きたが、その土壌として以前から自由主義の啓発が行われていた。しかし、中東には民主化の土台となるべき市民社会がない。米欧諸国がエジプトなどで今焦点を当てるべきは、選挙を急ぐことではなく、民主化への移行に向けて市民社会の育成を支援することだ。

米欧諸国は、中東で野党勢力への支援を縮小し、リベラルな市民の声を育ててこなかった。民主化促進を唱えるのは安上がりだが、市民社会を育てるには人的投資を含めて長い時間と多大な努力が必要だからだ。

市民社会不在の中で選挙を行えば、人々は部族、民族、宗教などの分断線に沿って投票するだろう。イラク戦争後に行われた議会選挙の結果がそうだった。

米欧諸国は、中東の諸問題の根源はイスラエル・パレスチナ紛争にあると言い立ててきたがナンセンスだ。中東の問題は、宗教や部族的な抗争、ナショナリズムなどが交錯し、エジプトやリビアにも以前からこうした問題が存在していた。

リビアのカダフィ大佐は、部族間の分断などを利用して生き残ってきたが、彼の危機への対応は対立勢力を一時的に結束させる効果を生んでいる。【聞き手・笠原敏彦】

◇エジプト改革へ軍に圧力必要−−トリニダード・トバゴ イスラム指導者、ミルザ・アリ・モハメド氏

トリニダード・トバゴはカリブ海で最大のイスラム人口(約11万人)を抱えている。イスラム世界と言っても、地域によって違いがあり、西欧に住むイスラム教徒の多くは所得も教育レベルも中東の同胞より高く、政府を批判する自由もある。カリブ海のイスラム教徒は表現の自由のありがたみをかみしめながら、若者の情熱を認識して建設的な社会改革に利用すべきだ。世界のイスラム教徒は階級や経済格差の解消に向け協力すべきだ。

エジプトはトルコ型国家を目指すだろう。穏健派イスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」はこの15〜20年、貧困層に食事や仕事を与え続けたことで都市部で一定の支持を集めるが、政治的に大きな役割を持つようになるとは思わない。米国、イスラエルが妨害するし、エジプト国民自身が世俗主義の政府を望んでいるからだ。彼らは女性の権利が奪われることやイスラム法導入には抵抗がある。

完璧な民主主義国など存在しないが、民主主義は多数の犠牲の上に少数が利益を得ることを防ぐ。選挙、憲法改正、政治改革が行われるまで、国際社会とエジプト内の宗教・人権団体が、エジプト軍に圧力をかけ続けることが必要だ。【聞き手・國枝すみれ】

毎日新聞 2011年2月27日 東京朝刊



 
 
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次期大統領選にムーサ氏が出馬 エジプト

2011/2/28 10:42

【カイロ=押野真也】エジプトの中東通信は27日、アラブ連盟のムーサ事務局長が同国の次期大統領選に立候補することを決めたと発表した。退陣したムバラク大統領の後継を決める選挙で、立候補を表明したのはムーサ氏が初めて。

ムーサ氏は駐インド大使や外相などを歴任し、2001年にアラブ連盟の事務局長に就任した。国民の人気も高く、海外での知名度も高い。国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ前事務局長などとともに、次期大統領の有力候補の一人とされてきた。

ムバラク政権崩壊後に全権を掌握した軍最高評議会は憲法を改正し、大統領選の立候補要件の緩和や多選禁止などを定めた後、約6カ月後に選挙を実施すると既に発表している。



 
 
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エジプト元外相、大統領選出馬表明 今年後半にも選挙

2011年2月28日10時20分

【カイロ=石合力】民衆デモがムバラク大統領を退陣に追い込んだエジプトで、野党勢力に加わったアムル・ムーサ元外相(アラブ連盟事務局長)が27日、大統領選への立候補を正式に表明した。AP通信などが伝えた。有力政治家の立候補表明は初めて。大統領選は、憲法を改正して立候補の要件を大幅に緩和したうえで、今年後半にも直接選挙で実施される見通し。

ムーサ氏は27日、民政移管まで全権を握る軍最高評議会が指名した憲法改正委員会が26日に、与党側に極めて有利だった立候補規定の改正案をまとめたことを受け、記者団に「候補者の一人になるだろう」と語った。特定の政党との結びつきはないが、「詳細についてはこれから決めていく」と述べた。

ムーサ氏は外相、アラブ連盟事務局長としてイスラエルのパレスチナ占領に批判的な立場を取り、国民の人気、知名度が高い。野党側の候補としてはエルバラダイ前国際原子力機関(IAEA)事務局長の名も挙がっているが、国外での生活が長かったこともあり、国民的な人気は広がっていない。

憲法改正案は、長期多選を防ぐことなども規定。3月中にも国民投票にかけられる見通しだ。



 
 
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ムバラク氏と家族、出国禁止 資産も凍結 エジプト検察

2011年2月28日21時0分

【カイロ=古谷祐伸】エジプトの検察当局は28日、民衆デモを受けて辞任したムバラク前大統領と家族に対し、海外渡航の禁止を命じた。資産も凍結した。

ムバラク氏は、退陣を求めるデモが激しさを増した2月11日に辞任を表明。カイロの大統領府からシナイ半島のリゾート地シャルムエルシェイクに移動した。動静は明らかになっていないが、重病説なども流れた。

エジプトでは政変後、ムバラク時代の閣僚や有力者に対する訴追の動きが強まっている。海外渡航禁止を命じられた後に汚職の罪などで逮捕された元閣僚が複数いる。検察報道官によると、ムバラク氏と家族も告訴されているが、詳細は明かされていない。



 
 
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アラブ連盟のアムル・ムーサ氏、出馬意向

【カイロ=長谷川由紀】アラブ連盟のアムル・ムーサ事務局長(74)は27日、反体制デモ拡大で辞任に追い込まれたエジプトのムバラク前大統領の後継を決める次期大統領選に立候補する意向を表明した。

半国営「中東通信」が伝えた。ムーサ氏は「私は(大統領選に)出るつもりだ。適切な時期に発表する」と述べた。同氏が明確に出馬の意思を表明したのは初めて。

大統領選の候補には、ノーベル平和賞受賞者のムハンマド・エルバラダイ前国際原子力機関(IAEA)事務局長ら複数の名前が取りざたされているが、ムーサ氏はムバラク政権下の1991年から2001年まで外相を、その後、アラブ連盟事務局長を務めた行政・外交手腕の評価が高く、有力候補の一人とされている。

(2011年2月28日14時14分 読売新聞)



 
 
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ムバラク一家の渡航禁止・資産凍結…検察当局

【カイロ=長谷川由紀】エジプト検察当局は2月28日、反体制デモの拡大を受けて辞任したムバラク前大統領と家族について、海外渡航を禁じ、資産を凍結する措置を取った。

ロイター通信などが伝えた。

ムバラク氏と家族に対する訴えについて調査するためとしているが、具体的な内容は明らかにしていない。

ムバラク氏夫妻と2人の息子夫婦の資産は総額約700億ドル(約5兆8000億円)に上るともされ、スイス政府は既に一家の資産を凍結している。同氏は2月11日の辞任後、同国東部の保養地シャルムエルシェイクの私邸に滞在しているとされる。

(2011年2月28日21時17分 読売新聞)



 
 
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エジプト:改憲草案を承認 国民投票、民政移管へ

【カイロ大前仁】エジプトの憲法改正委員会(改憲委)は26日、大統領任期を現行の6年から4年に短縮し、3選を禁止(現行は多選禁止条項なし)する条項を柱とする憲法改正草案を軍最高評議会に提出し承認された。2カ月以内にこの草案を国民投票にかけ、改正憲法に従って議会選や大統領選を実施し民政移管を進める。

改正案では11項目を国民投票にかける。現憲法では大統領選の出馬条件として人民議会(国会)など250人の議員の支持を義務づけていたが、30人まで縮小。大統領が就任後60日以内に副大統領を任命する条項も加えた。

毎日新聞 2011年2月28日 東京朝刊



 
 
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エジプト大統領選:ムーサ氏が出馬の意向

【カイロ大前仁】エジプトの中東通信は27日、ムーサ・アラブ連盟事務局長(74)が次期大統領選に立候補する意向を固めたと報じた。ムーサ氏は長年にわたり外相を務めた人気政治家。

ムーサ氏は「出馬する意向で適切な時期に発表する」と中東通信に語った。一方でロイター通信は側近の話として出馬を決めていないと報じた。

大統領選ではエルバラダイ前国際原子力機関(IAEA)事務局長(68)らも有力候補とみられている。

毎日新聞 2011年2月28日 東京夕刊



*このファイルは文部科学省科学研究費補助金を受けてなされている研究(基盤(B)・課題番号16330111 2004.4〜2008.3)の成果/のための資料の一部でもあります。
 http://www.ritsumei.ac.jp/acd/gr/gsce/p1/2004t.htm

UP:2011 REV:
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