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病棟転換型居住系施設

精神障害/精神医療:2013  2014  2015

last update:20150301

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◆「精神病院病棟転換型施設に反対を コミュニティ」
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◆病棟転換型居住系施設を考える会(声明等↓)
 http://blog.goo.ne.jp/tenkansisetu
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■新着情報


◆2015/03/10 障害連事務局FAXレター No.327
 入院はいやだ――病棟転換居住系施設問題 院内集会パート3/…

◆2015/02/13 京都府議会の二月定例会にて敷地内グループホームの条例改正案が提案される
 京都府条例第39号議案[PDF]

▽2015/02/24 京都府条例第39号議案「病棟転換型住居」についての緊急要望書
代表幹事 京都精神保健福祉推進家族会連合会  会長 野地芳雄
京都ユーザーネットワーク  代表 松井秀彦 公印略
京都精神診療所協会  会長 丸井規博 公印略
京都精神保健福祉士協会  会長 西村睦美 公印略
京都精神保健福祉施設協議会  会長 加藤博史 公印略
病棟転換型住居を考える京都実行委員会  代表 原龍治 公印略

京都府条例第39号議案「病棟転換型住居」についての緊急要望書

地域の智恵と力で地域創生を目指した日々のご活躍に敬意を表します。
つきましては、2月府議会直前に上記議案が突如提案されていることを知りました。
昨年6月ごろから、厚生労働省の長期入院を解消するため、病棟の一部を住居化する提起を受け、家族会をはじめとする5団体が、昨年8月26日山田京都府知事に、病棟転換住居を認めないよう要望しました。その際、国からの通達がないので、今は、お話できないと回答を受け、京都府を信頼し、その時期を待っていました。
私たちが「病棟転換型住居」に反対する理由は次のとおりです。
@厚生労働省の長期入院者の退院促進と地域での生活を目指す方針を評価し共に、共に11年来の取り組みを行ってきたこと
A日本の精神病床が、1万人当たり精神病床数が28であること。諸外国の5〜7の精神病床数に比べて、異常に多いという実情があること
B精神障害者と家族の多くが、地域の支援で自立生活を強く願っていること
C退院して地域で生活し、通院医療を受けることで、本人の自立度が高まっていること
D退院促進をはかることで、医療費の入院費が大幅に抑制され国の財政にも寄与すること。
E障害者の権利条約、障害者差別解消法、障害のある人もない人も安心して暮らせる京都府条例との整合性に全くそぐわないこと
F平成27年から29年度の第4期福祉計画の中にも、新規事業として「病棟転換住居」の提案が記載されていないと聞いていること。同審議会の趣旨に照らしても大きな問題を含んでいること。

以上の諸点及び、京都府と障害者団体との今日までの信頼関係にも問題を内包した第39号議案の提案について、私共の要望の意味するところをご賢察頂き、議事運営のルールによる最大限のご尽力を賜りますよう心から要請するものです。
以 上


▽京都府議会のページ
http://www.pref.kyoto.jp/gikai/katsudo/tere/h2702-te/1502gian.html

▽2015/02/13 議案39号:障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業の人員等の基準等に関する条例一部改正の件

▽2015/02/20 「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準について」の一部改正について
[外部サイト(pdf)]

▽2015/02/10 神奈川県の方針
本県としては、今回の病院敷地内における障害者グループホームに係る特例については、平成27年4月1日施行の条例改正では見送ることとしたい。
[外部サイト(pdf)]

▽2015/01/15 敷地内グループホームのパブリックコメントの公表
[外部サイト(pdf)]

▽2015/01/10 障害者総合支援法の基準省令の一部改正の交付通知
[外部サイト(pdf)]


◆2015/03/03 病棟転換居住系施設問題 院内集会パート3

精神科病院の中に「退院」させようというおかしさ───そのあまりの理不尽さに対し、
昨年6月26日、日比谷野音での緊急集会に、障害当事者をはじめとする3,200人が集まりました。
それでもなぜか、精神科病棟を住まいと言い換えるための施策を強行しようとする厚生労働省。
その名は「地域移行支援型ホーム」───省令改悪による病院敷地内グループホームの新設です。
また、1月27日に閣議決定された「認知症施策推進総合戦略(オレンジプラン)」では、
直前まで地域包括ケア中心で議論がまとまっていた当初案が、
突如として、認知症の人を精神科病院へ入院を進める精神医療関与強化へと変質しました。
病院に留め置かれ続ける精神障害のある人たち、病院の新たな収入源と目されている認知症の人
たち…。
住まいは普通の場所に!障害者・高齢者を狙う「収容ビジネス」にSTOP!!

◇日時:3月3日(水)12時〜14時
◇場所:衆議院第一議員会館(〒100-8981 東京都千代田区永田町二丁目2-1)
    ▽会場ウェブページ http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_annai.nsf/html/statics/kokkaimap.htm
◇内容:
 ○基調報告「精神科病棟転換型居住系施設の問題本質はどこにあるのか」長谷川利夫(杏林大学教授)
 ○特別報告「認知症の人こそ地域で」上野秀樹(内閣府障害者政策委員会委員、敦賀温泉病院医師)
 ○リレートーク〜精神障害、認知症の当事者、家族の声〜
※会終了後、DVD「やればできるさ!〜STOP! 精神科病棟転換型居住系施設」(40分)を上映します。

◇参加費:無料

◇主催・お問合せ:病棟転換型居住系施設について考える会
 電話:090-4616-5521(長谷川利夫)
 メール:hasegawat@ks.kyorin-u.ac.jp
 ホームページ http://blog.goo.ne.jp/tenkansisetu

▽チラシ
http://dpi.cocolog-nifty.com/website/work/20150303_syuukai.pdf

◆2015/02/02 『障害連事務局FAXレター』 No.324
 病院内に居住系施設をつくらせない!――1.29地域で暮らすための勉強会―


◆2015/01/25 『精神医療』77 2015/01(批評社)
 特集 精神科病棟転換型居住系施設の争点――脱施設化か、再施設化か?
 批評社 143p. ISBN-10: 4826506139 ISBN-13: 978-4826506137 [amazon][kinokuniya] ※


■目次

概要
声明・抗議文
集会
報道
文献の記述など
その他


■概要


◆2012/05/** 日本精神科病院協会「我々の描く精神医療の将来ビジョン」

◆自由民主党第46回衆議院議員選挙(平成24年度)公約
142 精神保健医療福祉の推進
 精神疾患が医療計画における5 疾患の一つとして位置づけられたことを踏まえ、国民の精神保健医療福祉に貢献するために、精神科医療の一層の推進と質の向上を推進します。
 特に精神科救急医療、自殺、うつ病、身体合併症、児童思春期、認知症など精神科医療に対する新たな社会的ニーズの広がりと深刻化に対応して、精神科医療への適切な評価、精神科疾患に対する正しい知識の普及や早期発見・早期治療の促進を図るための啓発運動、児童や職場などにおけるメンタルヘルス教育、診断法・治療法等に関する研究の推進を支援します。
 また、地域社会において障害があっても安定した生活を営むことのできる共生社会の実現を目指し、障害者の自立及び社会参加の支援等を促進します。
 さらに、長期在院者対策として、地域生活をサポートするサービスの提供や受け皿の整備のため、地域での住居の確保や介護精神型老人保健施設等により精神科病床の適切な機能分化等による精神科医療福祉の効率化と質の向上を図るために努力します。

◆2013/10/17 厚生労働省社会保障審議会 「第6回精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針等に関する検討会議事録」

◆2013/12/18 「良質かつ適切な精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針案」とりまとめ
 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000032502.html

◆2014/02/03 第11回内閣府障害者政策委員会

◆2014/03/28 第8回精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針等に関する検討会の開催について(「長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策に係る検討会」に改称)
 開催案内:http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000040319.html

◆2014/04/08 第1回長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策に係る検討会作業チーム
 開催案内:http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000042787.html

◆2014/04/25 第2回長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策に係る検討会作業チーム
 開催案内:http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000043874.html

◆2014/05/12 第2回長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策に係る検討会
 資料:http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000042361.html

◆2014/05/20 第3回長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策に係る検討会作業チーム
 開催案内:http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000045738.html

◆2014/05/29 第4回長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策に係る検討会作業チーム
 開催案内:http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000046312.html

◆2014/06/05 第5回長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策に係る検討会作業チーム
 開催案内http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000047012.html

◆2014/06/17 第3回長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策に係る検討会
 開催案内http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000047857.html

◆2014/07/01 第4回長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策に係る検討会
 開催案内http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000048941.html

◆2014/07/14 長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策の今後の方向性
 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000051136.html

◆2014/07/30 社会保障審議会障害者部会(第57回)の開催について
 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000051045.html



■声明・抗議文


◆2013/11/23 「病棟転換型居住系施設」について考える会 声明文
 本年6月に改正された精神保健福祉法では、厚生労働大臣が「精神障害者の医療の提供を確保するための指針」を定めることとし、その策定のために「精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針等に関する検討会」が設置され議論が行われてきています。
 さる10月の同検討会では、「病棟転換型居住系施設」導入を求める声が飛び出しました。
 「病棟転換型居住系施設」は、今ある精神科病院の精神病床を介護精神型施設、宿泊型の自立訓練施設などにしていくものです。
 言うまでもなく、精神科病院に入院している人が帰るべき場所は、「地域」です。現在ある病棟に手を加え、それを「施設」としてもそこは「地域」ではありません。
私たちは、精神科病院に入院している人々を地域に返すことをしないで、このような施設を導入していくことに危険を感じています。
 また、精神科病院のなかで増加しつつある認知症の方々も、真に地域で暮らせるようにしていかなければなりません。
 私たちは、「病院から地域へ」という我が国の医療の方向性と逆行する「病棟転換型居住系施設」導入の動きに反対し、市民一人一人が、真に地域で生活ができる社会が一日も早く実現するよう強く求めます。
 賛同者数(個人賛同 261名   団体賛同 23団体 :2014年1月12日現在)


◆2013/11/23 精神保健従事者団体懇談会 「第7回精神保健フォーラム宣言」
「特に、改正法第41条の大臣指針を策定するための検討会で議論になっている「病棟転換型居住系施設」構想については、これが真の地域移行とは程遠い姿となる可能性が大きく、当事者の意思確認の方法等も不透明であることから、重大な危惧を表明せざるを得ません。」


◆2013/12/15 病棟転換型居住系施設を考える会による賛同呼びかけ

 病棟転換型居住系施設について考える会 個人賛同及び団体賛同を掲載!!賛同頂ける方、団体を呼び掛けます!私たち「病棟転換型居住系施設を考える会」では、以下の声明文に賛同する仲間たちと共に、精神科病院に入院している人たちが真に地域に帰るために様々な活動を行っていきます。
 2013年12月14日現在で賛同者は、個人賛同 177名、団体賛同 5団体 です。
 沢山の方々にご賛同頂いてきていますが、様々な団体の方々からも賛同したいとの声も寄せられています。
 そこで、今までの個人賛同に加え、団体単位での賛同も含めて12月20日までを第2次締切としさらなる賛同を呼びかけたいと思います。
 窓口は、杏林大学保健学部作業療法学科教授の長谷川利夫です。
 ご賛同頂ける方、団体の皆様は、
「精神病院病棟転換型施設に反対を」のフェイスブックのダイレクトメール 或いは
 hasegawat@ks.kyorin-u.ac.jp (杏林大学 長谷川利夫宛て)へ公開を前提で
 個人の方はお名前(漢字、ふりがな)、あればご所属、お立場等を、
団体様につきましては、団体名(漢字、ふりがな)代表者お名前(例:理事長 山田花子)をお知らせ頂ければ幸いです。
 何卒よろしくお願い申し上げます。 」


◆2014/02/02 日本病院・地域精神医学会 「病棟転換型居住系施設」構想についての声明

 2013年6月、精神保健福祉法が改正され、これにより国は「良質かつ適切な精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針」を策定することになり、昨年厚労省内に検討会が設置された。この検討会ではある構成員から、今ある精神科病院の病棟をグループホーム、アパート、介護精神型老人保健施設等に転用できる病棟転換型居住系施設の導入が主張された。
 議論は決着を見ず、最終的にまとまった指針案では「病床を転換することの可否を含む具体的な方策の在り方について」本年2014年に新たに立ち上げる検討会で引き続き議論していくことになった。
 我が国の精神医療は、隔離収容政策が長く続き、精神病床数も35万床と際立って多い。この中には長期入院者も多く含まれ、その人たちが地域に帰ることは喫緊の課題である。
 しかしながら、このような病棟転換型居住系施設を認めてしまえば、長期入院患者は同じ場に留まったままで「退院」したことになってしまう。これは、精神科病院の病棟の看板に付け替えにすぎず、真の地域移行とは程遠いものである。
 我が国は本年(EUを含む)151か国目の批准国として障害者権利条約を批准し、今月発効する。
 同条約第19条では、障害のあるすべての人に対し、「他の者と平等の選択の自由をもって地域社会で生活する平等の権利」を認めており、精神科病院に長期入院を強いられてきた方々を引き続き転換施設に居住させることが許されないのは自明のことである。
 私たちは日本病院・地域精神医学会は、2006年には、病院敷地内居住施設の建設あるいは既存病棟の転換に対して反対の見解を出した。今回の病棟転換型居住系施設は、病棟そのものを居住系施設に転換するものであり断じて容認することができない。本学会は、このような時代に逆行した「病棟転換型居住系施設」に対して反対し、よりスムーズに地域移行がなされるよう強く求める。
以 上


◆2014/02/07 日本弁護士連合会 良質かつ適切な精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針案に関する意見書

2014年1月8日、厚生労働省は良質かつ適切な精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針(案)に関する意見募集を行いました。
当連合会は、本件について意見を取りまとめ、2014年2月7日に厚生労働省 社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課企画法令係へ提出しました。
(中略)2 病床転換型施設によって地域移行を代替させるべきではない。


◆2014/03/12 日本障害者協議会「病床転換型居住施設」に反対する声明

 2014年、日本も障害者権利条約(以下、権利条約)の締約国となりました。この何年かをふり返ると、その条約締約のために障害者基本法を改正し、分け隔てのない社会の実現の重要性が明確にされ、障害者差別解消法も成立しました。
 そのような中、現在、精神科病院の社会的入院の解決の方便として、「病床転換型居住施設」即ち、精神科病院の中に"住まい"を取り込もうとする政策が議論されていることに強く異議を表明します。
 精神障害者の多くが、いまだ根強い社会の偏見や差別の中で、住むところや働く場を得ることが困難な現状にあり、30万人以上の人たちが精神科病院の中で非人間的な状況に押しやられています。精神科病院内には行動制限最小化委員会が増えているにも関わらず、隔離・身体拘束はむしろ増加傾向にあるのです。
 その上、「病床転換型居住施設」という病床の看板のすげ替えに過ぎない、真の地域移行とはかけ離れた病院への囲い込みの政策が、厚生労働省の検討会や社会保障審議会障害者部会で「地域移行」の一つのあり方として議論されていることに、違和感を禁じ得ません。
 「病床転換型居住施設」の是非についての議論を閉ざすべきではないという意見がありますが、地域資源や地域サービスが絶対的に不足する中で検討が行われた場合、結論が一定の方向に導かれるものとなることは明白です。「病室で一生を終えるより、病院内であっても自分の部屋を持って一生を終えた方がマシ」という検討会での発言を肯定する向きもありますが、これは現状と乖離した、甚だしく差別的な考え方でありましょう。
 さらに、障害者政策委員会でも指摘されたように、病院内で生活が完結することが容易に推測され、これは精神障害者を「二級市民」と見なし差別的に扱うものであり、差別解消法や障害者基本法等の目的にも明らかに反するものです。
 この病床転換型居住施設提案の背景には、社会的入院の解消が思うように進まないこと、一方で、精神科病院の経営問題があることは明らかです。しかし、権利条約を批准した今日では、精神障害者の人権が守られ、インクルーシブ社会に向けた政策が推進されなければなりません。
 また、精神科病院入院患者の意向を調査した上で、この制度を導入するという意見があります。しかし、長年社会的入院を強いられてきた当事者に対し、唐突に意向を聞いても、情報が圧倒的に不足している状況では、的確な意思表明をすることは困難です。それでも敢えて意向を聞くのであれば、望めば退院後の生活を支える条件を示して聞くべきです。現に、精神保健福祉法第一条(目的)には「障害者総合支援法と相まって」と明記されているのです。

 権利条約の締約国となった今、日本の精神保健福祉政策は、社会環境や法制度、社会サービスのすべてに障害者の人権の確保と尊厳の尊重の原則を取り入れ、政策決定の過程に当事者参画が保障される方向へと切り替えていくべきです。また、そのための住宅や相談や介助など、必要な社会資源の整備は緊急の課題です。
 権利条約は、「他の者との平等を基礎にして」を謳い、「特定の生活様式(施設)で生活する義務を負わないこと」を高らかに宣言しています。このようなインクルーシブの理念に逆行する動きは、絶対に許すことはできません。

 日本障害者協議会は、以下のような重大な問題を孕み、障害者権利条約の理念と条文に逆行する「病床転換型居住施設」に強く反対します。



1. 病床転換型居住施設は、障害者権利条約の理念や条文に直接違反しているばかりか、障害者基本法第一条(目的)、第三条(地域社会における共生等)及びそれを受けてつくられた障害者基本計画に反しているので絶対に認められない。

2.現在、精神科病床・病棟の多くは街中から離れていたり、閉鎖的な環境のまま、呼称だけ病床から住居に変えても地域移行とは言えない。患者自身が、退院し、地域で暮らしている、という実感は持てない。さらに真の地域移行に向けて努力してきた患者・関係者の取り組みを妨げることになる。

3.病床転換型居住施設が実行されれば、病院及び施設に居住する精神障害者が隔離され続ける。これは問題の本質的な解決にはならず、断じて地域社会での共生とはならない。

4.病床転換後の居住施設が個人の住まいではなく、入所施設、介護施設として運用されれば、門限になったら鍵を掛ける等の管理的運用が予想され、直接的な人権侵害になりかねない。

5.病床削減による精神科病院の減収を精神障害者の地域生活を犠牲にして補おうとするのは、精神障害者の人権(地域移行の権利)を侵す行為であり、日本国憲法にも抵触する。

6.居住施設を設置し運営することは、本来的に医療の役割ではなく、精神科病院が行う必然性も正当性もない。

7.精神科病院は、他科の病院に比べ、医師、看護師などのスタッフの基準が低く、入院患者の多くは、劣悪な入院生活を強いられている。このこと自体が既に差別的取り扱いである。その上に居住施設を新設することは、そこに住まざるを得ない「二級市民」としての精神障害者を生み出し新たな障害者差別を積極的につくり出すことになる。

 http://www.jdnet.gr.jp/opinion/2013/140312.html


◆2014/03/24 全国「精神病」者集団 「病棟転換型居住系施設」構想への反対声明

「病棟転換型居住系施設」構想への反対声明

 私たち全国「精神病」者集団は、精神障害者個人及び団体の全国組織として、今年で結成40周年を迎える。
 2013年6月、精神保健福祉法が改正され、国は「良質かつ適切な精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針」を定めることになり、2013年7月に「精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針等に関する検討会」を設置した。第6回検討会の席上で構成員から精神科病院の病棟をグループホーム、アパート、介護精神型老人保健施設等に転用できる病棟転換型居住系施設の導入が提案された。当該検討会で最終的にまとめられた「良質かつ適切な精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針案」では、「病床を転換することの可否を含む具体的な方策の在り方について」2014年に新たに立ち上げる検討会で引き続き議論していくこととされた。
病棟転換型居住系施設の狙いは、表向きは入院医療の必要性がないのに長期入院している社会的入院患者の退院を促進するための段階論に位置づくものとされているが、要は精神科病院の経営に配慮しながらの健康保険費の抑制である。そこに患者の視点があるとは、到底言えない。
また、地域移行に向けた段階論として提案されたのならば、最終的な目標となる完全地域移行状態までのロードマップとその中で病棟転換型居住系施設がいかなる位置付けであるかが示されていなければならず、段階論の体をなしてさえいない。すると、単に新規に施設を提案するものに過ぎず、結果的に地域移行は見込めないといわなければならない。
そして、新規施設の設置は、施設を維持するための供給体制を必要とし、再び施設化社会へと逆行していくことになる。
障害者権利条約19条は、障害者が、他の者との平等を基礎として、居住地及びどこで誰と生活するかを選択する機会を有すること、並びに特定の生活様式で生活するよう義務づけられないこと旨を規定している。ここでいう特定の生活様式とは、障害者運動の動向から考えて当然ながら施設が含まれる。
 障害者がどこで誰と生活するかを選択する機会を有することは、人権の問題である。病棟転換型居住系施設構想は、精神科病院によって制限されてきた精神障害者の地域生活の権利を、再び新規施設によって制限しようとするものである、障害者の権利を抑圧する結果を招く。
 そのため、私たち精神障害者は病棟転換型居住系施設に断固として反対の意志を表明する。


◆2014/05/25 全国「精神病」者集団 2014/05/25 「病棟転換居住系施設阻止の申し入れ」

厚生労働大臣 田村憲久様
厚生労働省援護局障害保健福祉部長 蒲原基通様
長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策に係る検討会作業チーム座長 樋口輝彦様

 私たち精神障害者は人間です。他の人と同じように暮らす権利があります。私達精神障害者は病院資本の利益のために存在するのではありません。私たちは社会の中で人として生きる権利があります。その権利を病院の経営のために奪われることはあってはなりません。
 誰もが人として暮らせる社会に向けて、長期入院の方たちが一刻も早く、自分なりの生活を社会で送ることができるよう、敷地内および病棟転換施設を一切作らず、まっとうな退院促進事業を行い、とりわけ個別の長期入院患者さんに退院に向けた活動資金、退院準備金を支給することを求めます

追記
 全国「精神病」者集団は昨年5月の拷問等禁止条約委員会に日本の精神医療の問題を訴え全面的批判の勧告を引き出しましたが、7月の自由権規約の政府報告書審査に向けてもこの病棟転換居住系施設の問題を訴えます。すでに日本の精神医療が入院に偏っていることについては自由権規約委員会から日本政府は質問を受けています


◆2014/06/05 日本弁護士連合会 精神科病院の病床を居住系施設に転換することに反対する会長声明
 http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/statement/year/2014/140606.html

◆2014/06/15 第 30 回 DPI 日本会議全国集会 in 静岡 参加者一同「精神科病院の「病棟転換型居住系施設」に反対する緊急アピール」
 私たち DPI 日本会議は、すべての障害者の権利と地域社会における自立生活の確立を目 指して活動している障害当事者団体である。
病院の敷地内で暮らすことが地域移行と言えるのであろうか。DPI 日本会議は 2006 年〜2007 年にも、厚生労働省の精神科病院敷地内「退院支援施設」構想実態化を阻止すべく運 動に力を注ぎ、退院支援施設への移行は「社会的入院者」の解消には繋がらないことを訴 えてきた。
 厚生労働省は本年 3 月に設置した「長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策 に係る検討会」において、精神科病院の病棟を居住系施設に転換するための協議を再び進 めている。
 日本は 34 万床もの精神科病床があり、これは人口比で全世界の 4 倍の精神科病床となっ ている。1 年以上の長期入院を続けている人は 20 万人以上おり、地域での受け皿さえ整え ば地域移行できる社会的入院が 5〜15 万人いるとも言われている。これは、経営の都合で あると検討会の場において経営側は発言している。この突出して多い精神科病床を削減し、 地域移行を進めることが日本の大きな課題である。
 しかし、現在検討されている「病棟転換型居住系施設」は、病院内の病棟を介護型施設、 宿泊訓練、グループホームやアパート等に転換するというもので、生活の場は病院の敷地 内にとどまるものである。にもかかわらず、数字上は 34 万床の精神科病床は削減され、地 域移行が進んだと見なされる実態の伴わない見せかけの政策である。
 我が国が本年批准した障害者権利条約では、第 19 条で「全ての障害者が他の者との平等 の選択の機会を持って地域社会で生活する平等の権利を有することを認める」「特定の生活 施設で生活する義務を負わない」と明記されている。「病棟転換型居住系施設」は、第 19 条が脱施設収容政策を求めている点と、事実上地域生活への選択ができない状況の中で進 められている点から、この規定に反するものである。「病棟転換施設」問題は、障害者権利 条約批准の価値を大きく損ねるものであり、精神障害者はもとより障害者全体に関わる重 大問題である。真に地域移行を進めるためには、地域福祉サービスの拡充、住環境整備等 の地域の社会基盤整備と、ピアサポートをはじめとする当事者エンパワメントの拡充が不 可欠である。見せかけだけの地域移行ではなく、長年続けてきた大規模収容型施策から地 域社会基盤整備へと政策の転換が必要である。
 DPI 日本会議は、障害者権利条約の理念に反する「病棟転換型居住系施設」に断固反対 するとともに、地域の社会基盤整備を推し進めるように強く求める。
2014 年 6 月 15 日 第 30 回 DPI 日本会議全国集会 in 静岡 参加者一同
認定 NPO 法人 DPI(障害者インターナショナル)日本会議
〒101-0054 東京都千代田区神田錦町 3-11-8 武蔵野ビル 5 階
TEL: 03-5282-3730 FAX:03-5282-0017 www.dpi-japan.org


◆2014/06/30 「精神科病棟転換型居住系施設」問題を考える緊急の集い参加者一同 アピール

 精神科病棟転換型居住系施設について。病院は治療の場であって、生活の場ではありません。長い社会的入院の果てに、さらに病院敷地内の施設という看板の架け替えに過ぎない環境に精神障害者を囲い続けることに反対します。
 病棟転換型居住系施設という特殊な形態でなければ退院が出来ないというのは、精神障害者差別です。社会の支援基盤を整備することにより、他の科の病院と同じように、精神科の患者も普通に地域に退院できるようにしてください。病院敷地内に「退院」はあり得ません。
 障害が重くても、適応ができないとされていても、当事者が安心して暮らせる社会が求められています。それは精神科病棟を造り替えることではなく、社会を造り替えることで実現します。
 社会的入院という不条理の上に、病院敷地内への「退院」という新たな不条理を重ねることのないよう求めます。私たちは精神科病棟転換型居住系施設に反対します。
2014年6月30日
「精神科病棟転換型居住系施設」問題を考える緊急の集い
参加者一同


◆2014/07/03 「病棟転換型居住系施設について考える会」緊急声明

厚生労働省で昨年来開かれてきた「長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策に係る検討会」(「精神障 害者に対する医療の提供を確保するための指針等に関する検討会」から改称)は、2014 年 7 月 1 日、精神科病院 への患者の囲い込みを続ける、きわめて深刻な人権侵害であるという強い意見を圧殺し、ついに病棟を転換し居住 施設にすることを容認する具体的な方策を取りまとめた。
今回検討会でまとめられた具体的な方策が病床削減を実現するものとする考え方は、 まったくの誤りである。病棟を転換し「病床を削減した」などということは 絶対に許されてはならない。
提案された病棟転換施設が精神科病院へ患者の囲い込みを継続させ、障害者権利条約、例えば第 19 条“自立した生活及び地域社会への包容”、 特に同条(a)“特定の生活施設で生活する義務を負わないこと”等々 数多くの条項に違反するものであることは明白である。
当会では、本年 5 月 20 日の議員会館で院内集会、6月 26 日には日比谷野音にて 3,200 人の障害当事者や家族、現場の関係者を中心とする参加者と共に緊急集会を開催し、 病棟転換に反対する緊急アピールを採択して厚生労働省に申し入れを行ってきた。
しかしながら、構成員の大半が医師やサービス提供者で占められた検討会において 病棟転換を容認する「具体的方策」なるものの取りまとめは強行された。 私たちは、このことに対し厳重に抗議する。
検討会取りまとめの文書では「障害者権利条約に基づく精神障害者の権利擁護の観点も踏まえ」、 「不必要になった建物設備等の居住の場として活用」することが記載された。
そもそも「障害者権利条約に基づいて病棟を転換する」ことなど論理上有り得ないことであり、 「病棟を居住の場にすること」はあってはならない。権利条約はそのようなことを求めていない。
私たちは国際社会から一層の非難を重ねることになる人権侵害の道を歩み始めるこの政策について断固として中止を求める。
それはいかなる条件付けを行おうとも歩み出してはいけないものであると確信する。
また「検討会取りまとめ文書」で提案された試行事業について 「この事業を自治体と連携して試行的に実施し運用状況を検証すべき」と記載されたが、 試行事業そのものも実施すべきではない。

なによりも、このような精神障害当事者に関る重要施策が、25 人の構成員のうち 精神障害者 2 人、家族 1 人、一方で医師は半数以上の 13 人という偏った構成の検討会において 決定がなされたことについて、その正当性につき重大な疑義が生じている。今後、 国や自治体において障害者施策を検討する委員会等においては、少なくとも半数以上を 当事者・家族委員とし、当事者・家族の意見が反映されるよう強く求める。
私たちは、引き続き、わが国の大多数の良識ある普通の人々と共同し、過剰な病床を抱える 精神科病院の延命と福祉の名を借りた新たな隔離施設をつくり出そうとする 本事業が撤回されるまで行動を続けることを決意する。

2014年7月3日

病棟転換型居住系施設について考える会


《連絡先》長谷川利夫(杏林大学保健学部作業療法学科教授)
〒192-8508 東京都八王子市宮下町 476 杏林大学 保健学部 精神障害作業療法学研究室内
電話 042-691-0011(内線 4534、メール stopbttk@yahoo.co.jp

▽病棟転換型居住系施設について考える会ブログ 緊急声明(2014年7月3日)
http://blog.goo.ne.jp/tenkansisetu/e/91ee73231a749a7e20d6df5b0e3b7c8a

◆2014/07/31 東京弁護士会会長・中正彦「精神科病院の病床を居住系施設に転換することに反対する会長声明」
 http://www.toben.or.jp/message/seimei/post-370.html



■集会


◆2014/05/20 STOP精神科病棟転換型居住系施設!!院内集会[東京]

 ※病棟転換型居住系施設を考える会より

ご存知ですか
* 世界の5分の1の精神科病床が日本にあることを!
(世界の精神科病床は185万床,そのうち日本の精神科病床は35万床)
* 先進諸国の精神科在院日数は20日前後,日本では1年以上入院者が20万人以上!
* 少ない医療従事者の配置.医師の配置基準は一般医療の3分の1!
ぜひ ご参加ください!
作りすぎた精神科病棟(病床)を住まいや福祉施設に転換する動きがあります.
それは社会的入院の解決ではありません.そして,増税された消費税で904億円
の基金(新たな財政支援制度)が設けられ,その対象事業の中の「病床の機能分
化・連携―精神科長期療養患者の地域移行」を謳いつつ,医療機関の病床転換の
費用が想定されています.
本集会では,精神科病棟転換型居住系施設のどこに問題があるのかを明らかに
し,長期入院を経て退院した人たちの生活ぶりや退院後の気持ちなどをお伝えし
ます.そして,現在審議中の「地域における医療及び介護の総合的な確保の促進
に関する法律案(地域介護施設整備促進法案)」について,徹底した国会審議を
求めて企画しました.

○日時:5月20日(火)正午〜午後2時
※衆議院第2議員会館1階ロビーで、11時30分より通行証をお渡しします

○場所:衆議院第2議員会館・第一会議室(B1)
(〒100-0014 東京都千代田区永田町1丁目7番1号)

○参加費:無料
○定員:80名 (介助者も含む)
※事前の申し込みをお願いします。

○申込み方法:
下記必要事項をご記入の上、メール stopbttk@yahoo.co.jp あてにお申し込みください。

○参加申込み記入事項
お名前(ふりがな):
介助者(人数をご記入下さい): 名
ご所属:(さしつかえなければお書きください)
ご連絡先(メールアドレス、電話番号等):

※配布資料(テキスト部分のみ)をデータで受け取りたい方はその旨明記ください。

○プログラム(予定):
基調報告 精神科病棟転換型居住系施設の問題の本質はどこにあるのか
私たちの声・意見を聴いてください 社会的入院を経験した当事者の立場から
家族の立場から 法律家の立場から 医師の立場から
◇問い合わせ先:
病棟転換型居住系施設を考える会 (杏林大学 保健学部精神障害作業療法学研究室内)
メール stopbttk@yahoo.co.jp

▽病棟転換型居住系施設を考える会ブログ
http://blog.goo.ne.jp/tenkansisetu/e/b931c4c43743a97895930cd4296a4a48

病棟転換型居住系施設を考える会 声掛け人代表
池原毅和(弁護士),伊澤雄一(全国精神障害者地域生活支援協議会),上野秀樹(海上寮療養所),加藤真規子(こらーるたいとう),関口明彦(全国「精神 病」者集団),高木俊介(たかぎクリニック),長谷川利夫(杏林大学),増田一世(やどかり出版),八尋光秀(弁護士),山田昭義(DPI日本会議),山本 深雪(大阪精神医療人権センター,大阪精神障害者連絡会),渡邊乾(全国精神医療労働組合協議会)

当日17時よりこの問題に関する作業グループの会議が厚生労働省で開かれます
厚生労働省前行動も予定しておりますのでよろしくお願い致します


★この精神科病棟転換施設にストップをかけようという5月20日の院内集会の録画です。(ユーストリーム)
長期入院から退院され規則も拘束もない自由な生活を得たご本人の話は胸を打ちます。是非ご覧ください。
http://www.ustream.tv/recorded/47781491

 資料:http://www.yuki-enishi.com/senryaku/senryaku-24.pdf


◆2014/06/13 テーマ:「病棟転換型居住系施設」問題についてPSWとして考える会

日時:2014年6月13日(金)19:00〜20:50
講師:吉池 毅志氏(大阪人間科学大学 准教授/NPO大阪精神医療人権センター)
会場:ウィングス京都 2階 セミナー室
京都市中京区東洞院通六角下る御射山町262  
地下鉄烏丸御池駅(5番出口)または地下鉄四条駅・
阪急烏丸駅(20番出口)下車徒歩約5分
※一般来館者用の駐車場はありませんので、電車・バスをご利用ください。
参加費:¥500(当協会会員は無料)

 今回この会を企画するに至ったのは当協会総会にて「このままでいいのか」との声があったためです。社会的入院を解消・社会的復権を支援する専門職として
PSWは国家資格化されました。しかしながら依然として社会的入院は解消せず、退院できないまま精神科病棟で一生を終える方が多くおられるのも事実です。こ
の現状を解決するための方法として私たちはこれを良しとするのでしょうか。 
 また、日本は2014年1月障害者権利条約に批准しておりますが、その条約に照らしても、「病棟転換型居住系施設」は問題があると言えないでしょうか。
 この様々な論点のある課題に真摯に向き合うためにも、経過やその問題点をきちんと知り、様々な意見を交わす場を企画しました。多く方の参加をお待ちしております

お問い合せ
京都精神保健福祉士協会 事務局
電話  075−411−1011
FAX 075−411−1020


◆2014/06/26 6・26集会 日比谷野音 病棟転換居住系施設を許すな

 日時 6月26日 午前11時 開場 12時より午後3時まで
 場所 日比谷野外音楽堂

[ビラ(濃色バージョン)]
[ビラ(淡色バージョン)]

 中継:http://www.ustream.tv/channel/marcocavallo?utm_campaign=ustre.am&utm_source=ustre.am%2F1dWWq&utm_medium=social&utm_content=20140625075109
 (06/26 00:00 ては 05/20 の院内集会を映しています。たぶん集会が始まったら集会の中継になるのだろうと。)

STOP!精神科病棟転換型居住系施設!! 6.26 緊急集会 生活をするのは普通の場所がいい 
https://www.facebook.com/deinstitution/timeline
https://www.facebook.com/events/1424807661130481/
◆2014/06/13 『6・26集会速報 No 1』
 [外部サイト]

◆2014/06/13 『6・26集会速報 No 2』
 [外部サイト]

◆2014/06/14 『6・26集会速報 No 3』
 [外部サイト]

◆2014/06/15 『6・26集会速報 No 4』
 [外部サイト]

◆2014/06/17 『6・26集会速報 No 5』
 [外部サイト]

◆2014/06/20 『6・26集会速報 No 7』
 [外部サイト]

◆2014/06/23 『6・26集会速報 No 8』
 [外部サイト]

◆2014/06/24 『6・26集会速報 No 9』
 [外部サイト]

◆2014/06/25 『6・26集会速報 No 10』
 [外部サイト]


◆2014/07/01 長野県では、病棟転換居住系施設を作らせないために、県知事宛と県議会宛の請願署名運動が始まりました

締め切りは9月16日
送付先は
380-0928
長野市若里7-1-7
長野県社会福祉総合センター2階
NPO法人ポプラの会

長野県民以外でも署名できるそうです
以下呼びかけ文
長野県民の皆様へ
『自分らしく地域社会の中で暮らしたい』
―精神科病棟転換型居住系施設は要りませんー
ご存知ですか?
世界の精神科病床の約 5 分の 1 に当たる 35 万床が日本にあり、約 32 万人の方々が入院をし ています。そのうち 1 年以上入院している方は約 20 万人、さらに 10 年以上の入院者は約 7 万人もいます。日本だけに精神障がい者が多いわけではありません。入院治療の必要性が薄いにも かかわらず、入院者をめぐる社会的諸事情により退院ができない「社会的入院」といわれる状況の方々が異常に多い結果です。これは国による長期の隔離・収容政策によるものです。また、日本では、精神科病院のほぼ 9 割が民間経営になっていることも特徴です。
国は、2004 年に「精神保健医療福祉の改革ビジョン」の中で「入院医療中心から地域生活中 心へ」をうたいましたが、現在まで地域移行は遅々として進んでいません。その背景には、いつまでも家族に依存した福祉施策、精神科医療改善の遅れ、生活や就労の場及び所得などの保障 施策の不備、地域社会の中で支援する人材育成の遅れなどがあります。
厚生労働省で昨年来開かれてきた「長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策に係る検討会」は、本年 7 月 1 日、退院を促し病床を削減するため、作り過ぎた精神科病床を居住 施設に転換することを容認する報告書をまとめました。しかも先の国会で成立した「地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律」の中の「新たな財政支援制度」の基金 904億円(消費税増税分で設けられた基金)の対象事業に、「病床転換型居住系施設」の費用がす でに盛り込まれています。いくら条件を付しても、病院経営のために、空いた病棟を「有効活用」して、病院の敷地内に退院させる構想は、病院側の論理であり、患者不在、当事者不在です。長期入院者がそのまま病院内に留まり続け、さらに退院意欲や機会を失い、地域で暮らすことが困 難になることが強く懸念されます。
障害者権利条約 19 条には 「障害者が、他の者との平等を基礎として、居住地を選択し、及びどこで誰と生活するかを選択する機会を有すること並びに特定の生活施設で生活する義務を負 わない」 とあり、いくら条件を整えようと、当たり前の社会生活から遠く隔たっており、「病床転換型居住系施設」はとうてい容認することはできません。
今、私たちが皆さんにご理解いただきたいこと
私たちは、精神障がい当事者、家族、地域移行(退院促進)及び地域生活の支援者、そして一般 市民です。今回の問題に対して、それぞれの立場からお伝えしたいと思います。

<当事者>
精神障がい者もひとりの人間です。地域で人間らしく暮らす自由と権利を奪わないで!
大堀 尚美 私は、人間として生まれてきたからには、管理される場所で暮らし続け一生を終えたくありませ ん。適切な治療を受けた後は、地域で待っていてくれる人や家族のもとへ戻り、鍵のかけられな い、管理されない自由のある場所で暮らしたいのです。私は今、数回の入院から退院して、地域 で暮らせる幸せを感じています。大空の下で胸いっぱいに息をするとき、生きていることを実感し ます。行きたい場所を決め、会いたい人に、会いたいときに会って話すことができたとき、自由で いることの幸せを実感します。入院している人たちは、そんな当たり前の暮らしを、諦めざるを得 ない状況に置かれているのです。
精神疾患は誰でもなりうる病気です。例えば、うつ病は日本人の 5 人に1人が罹患しています。 でも、人々の支援や医療・福祉等によって克服し社会参加もできます。退院して地域で暮らせる はずの仲間たちが一日も早く病院内の施設から解放され、夢と希望をもって生きることができるようにお力を貸してください。

<地域生活支援者>
長期入院の経験談を聞いてください
太田 廣美
○入院生活では与えられた食事だったが、今は好きなものを買ったり、ホームのメニューを要望 できたりするので食事を楽しむことができる。仕事に行かない日は、友人と一緒に買い物に 出かけ、外食をしたり自由に行動できたりするのが嬉しい。病院では 10 人部屋で、気を遣っ て生活していた。今は、ホームのひとり部屋で自分の好きな時に寝たり起きたり出来、のんび りできるのがなによりいい。(入院経験 40 年 女性 74 歳)
○病院では看護師さんに希望を言い、看護師さんから医師にきいてもらい許可が出てから外出 し、外出先から帰ると何か持っていないかチェックを受けた。グループホームではいつでも出 かけられ、買ってきた食べ物は部屋へ持っていってもいいし、食べることもできる。入院中は趣味活動ができないが、グループホームでは部屋にミシンを持ち込んで洋服が作れたりする。(入退院繰り返し 30 年 女性 76 歳)
○グループホームではボランティアさんが来て、きれいな押し花で飾るものを作ったり、編み物(アクリルタワシ)を教えてもらったり、2 週間に1度移動図書館で絵本などを借りて読んでいる と心がなごむ。花に水をくれたり、散歩もいい。また、グループホームのメンバー会は司会や 記録を決めてやる。自分は記録をしたことがある。計画を立てたり、話し合ったりすることが楽 しい。風呂掃除やごみ出しもあるが、一緒にやってくれる仲間がいるのでできる。(入院経験20 年 女性 63 歳)
○風呂は一人でゆっくり入れる。入るのも自由でこんな良い所はない。病院では 12 人がイモ洗 い状態で入っていた。30 分間で入って、男性と交代になった。グループホームでは、怒られ ることがない。病院では喧嘩したり、お金遣いが荒かったり問題を起こせば、閉     鎖病棟に入れ られてしまうので、1 日ベッドで静かにして過ごしていた。(入院経験 43 年 女性 71 歳)
住む場と必要な支援が受けられれば、地域で「自分らしい生活」を送れます。長期入院されていた方もグループホームやアパートなどでいきいきと生活されています。
長野市で 20 年以上精神障がい者の地域生活を支援してきて、当事者の皆さんの「地域で暮らしたい」思いをしっかり受け止め、「退院してよかった」の声を出来る限り多くの人に届け、偏見や 無理解の壁を少しでも取り払うことが何より大切だと実感しています。

<市民の立場から>
1億人の断念と希望
戸崎 公恵
8年前、「7万人の断念と希望」というタイトルで精神障害当事者の取材記事を雑誌に掲載した。 当時恥ずかしいことに「社会的入院」という言葉すら知らなかった。取材させてもらった当事者会「ポプラの会」とは今も交流し、個人的な関係も深まった。当事者同士の結婚も見守った。二人は ルンルンの時もあれば、体調を崩す時もあった。それは障害の有無にかかわらず当たり前の生 活に他ならない。
「病棟転換型居住系施設」の事を知ったのは、今年1月の新聞社説だった。長期入院している 人達が本来送るはずの社会生活が前提になく、病院経営に焦点を当てた論説に不快感が残っ た。「どう死ぬかではなく、どう生きるかでしょ」と友人でもある当事者の言葉にハッとした。民意不 在でどんどん法律が変えられていく中、各々がどう生きたいのか「1億人の断念と希望」がこの施 設反対運動にかかっている。

<支援専門職>
長野県の精神保健福祉関係者、支援者、家族のみなさまへ
宗利 勝之(相談支援専門員、精神保健福祉士)
「なぜ精神障がい者だけが、退院しても病院で暮らさなければならないのか」という疑 問が頭に浮かんでは消えることを繰り返しています。初めて「病棟転換型居住系施設」推 進の話を聴いた時には、何かの悪い冗談かと思いました。そして、「まさかこんなバカげた方針が採用されるはずはない」と我が国の精神保健福祉関係者の良識を信じていたのです。
私は 7 年半、国・県の事業で東信地域の退院支援をコーディネーターとして取り組んで きました。2004 年に「条件が整えば退院可能な 7 万人の地域移行を実現する」と決めたことは、国による精神障がい当事者に対する社会的入院解消の約束だったはずです。病棟転換型居住系施設が実現するということは、「10 年たって地域社会に精神障がい者の居場所 はないと」と断言するようなものです。確かに、まだまだ取り組みが進んでいないにせよ、あきらめていいものでしょうか。私は、これ以上、当事者の気持ちを踏みにじるような取り組みには加担できません。私だけでなく、県内の精神保健福祉関係者の中には、同じよ うな思いを抱いている人が少なくないはずです。ご家族も、病院に居てくれれば安心という思いと、引き取るのは無理だけど本音では地域社会で当たり前の生活をさせてあげたいという思いが葛藤しているものと思います。これまで精神障がい者は抑圧された状況で、 満たされない思いを抱きながらも、自ら声を上げることがありませんでした。しかし今回は、反対を表現しています。私たち精神保健福祉関係者や家族も一緒になって支援者として声を上げる必要があります。この様な施策を受け入れてしまえば、今後県内の精神保健福祉関係者は、治療や福祉の専門職として、身近な社会生活の応援者として、信頼を失い、当事者に二度と受け入れてもらえなくなるでしょう。精神保健福祉の関係者は、誰よりも 当事者の意見に耳を傾け、反対の声に応えていかねば、その存在価値を永久に失ってしま うことでしょう。
この機会に、県内の私たち精神保健福祉の関係者と障がい当事者、家族がしっかりした見識を持って、「受け入れられないものは受け入れられない」と意思を表明し、誰もが生き る場となる地域社会を創り上げるため、さらに力を結集していきましょう。
どうか「長野県に病棟転換型居住系施設はいらない」と伝える活動に共鳴してください。

<当事者の会>
私たちの運動にご理解とご協力をお願いします
山本 悦夫(NPO法人ポプラの会)
私は、最高7年間の入院生活を余儀なくされた一人です。9回の入退院を繰り返しまし た。気が付いたら両親が亡くなり姉と二人きりになってしまい、帰るところがなく、その ままでは社会的入院になるところでした。でも現在の私は、退院して結婚もし、社会的使 命を持った事業を運営しています。毎日、充実した日々を送っています。ですから、精神 科の患者に対しても一般病棟と同じように、治療が済めば「退院」に結び付けてください。 病院内で非人間的な一生を終えるのではなく、地域社会の中で普通に暮らしたいと思うの は当たり前の願いです。今回の様な退院患者を病院の敷地内に押しとどめる様な施策は、 精神障がい者への差別です。
私にとって精神科病院は辛かった。社会から遮断された密室の世界。お金のない人は指 をくわえている世界、いつの間にか非人間的な扱いに慣れてしまう世界、こんな精神科病 院に風穴を開けてほしいのです。
私は長野県に精神科病棟転換型居住系施設を作ることに反対です。長野県では長野県民 に生まれてきて良かったと思えるような政策を展開してほしいのです。県民の皆さん、こ の運動を応援してください。
「精神科病棟転換型居住系施設」ではなく、総合的、地域移行施策の充実を 長野県は、2007 年より、国に先駆けて精神障害者退院支援コーディネーター設置等事業を実 施し、精神科入院者の退院促進、地域移行に積極的に取り組み、実績を積み重ねてきています。
「退院してよかった!」という多くの声が聞かれます。 行政には、病院敷地内の居住施設へ退院するのではなく、その人の望む地域生活の実現に向け、地域の福祉サービスや在宅医療の充実を財政面、制度面から後押ししていただきたいと 思います。長野県では「精神科病棟転換型居住系施設」の試行事業を行わず、総合的な地域移行施策を当事者はじめ、家族・関係者の声を反映させ充実させていただきたいと願っています。


◆2014/08/04 埼玉県精神障害者社会福祉事業所運営協議会 「病棟転換型居住系施設問題と権利を考える」研修会

埼玉県精神障害者社会福祉事業所運営協議会 会長 佐藤三枝子
 「病棟転換型居住系施設問題と権利を考える」研修会の開催について(ご案内)
 日頃より当協議会の運営につきまして、日ごろ格別の御協力を賜り厚く御礼
申し上げます。
 さて、当協議会では別紙のとおり、「病棟転換型居住系施設問題と権利を考
える」研修会を開催する
ことになりましたので、ご案内申し上げます。是非とも御出席をいただきます
ようお願い申し上げます。
 なお、出席につきましては申込書により  8 月 25 日( 月 )ま
でにご回答ください。

1 日  時  平成26年 9月 2日(火) 午後1時半〜午後5時 (受
付13時より)
2 会  場  埼玉県立精神保健福祉センター 研修室
        〒362-0806 埼玉県伊奈町小室818−2 
        (埼玉新都市交通伊奈線丸山駅下車徒歩10分程度)
        п@048‐723‐1111
3 内  容  「病棟転換型居住系施設問題と権利を考える
     〜 退院しても病院なんですか 〜」
        講義、グループワーク (詳細は別紙をご参照ください)
4 参 加 費  無料   
5 後  援 埼玉県精神障害者団体連合会、 埼玉県精神障害者家族会連合会
  埼玉県精神障害者地域生活支援協議会、 きょうされん埼玉支部
  埼玉県セルプセンター協議会
6 申込方法  別紙申込票をFAXかメールにて申込みください。
7 申込・問合先  埼玉県精神障害者社会福祉事業所運営協議会 研修委員
          埼玉県立精神保健福祉センター 自立訓練担当 鶴岡
           :048−723−1111  
FAX:048−723−1561
e-mail: tsuruoka.mari@pref.saitama.lg.jp

埼玉県精神障害者社会福祉事業所運営協議会 平成26年度 第1回全体研修会
病棟転換型居住系施設問題と権利を考える〜 退院しても病院なんですか? 〜

 「今、障害をもった人ももたない人も同じ人間として共に生きていこうとす
る原則が壊されようとしています。それは厚労省の検討会におけるこの言葉から
始まりました。
「病院で死ぬということと、病院内の敷地にある自分の部屋で死ぬことには大
きな違いがある」 私たちはまず「死ぬ」という言葉を用いていることに驚きま
した。障害を持った人たちは「死ぬ」のではく「生きたい」のです。障害をもっ
ていようといなかろうと、精神障害だろうと何の障害だろうと。」
5.20院内集会「基調報告」(長谷川利夫/杏林大学教授より)

耳にしたことはあるけれど実際は病棟転換型居住系施設とはどんなものなの
か、この病棟転換型居住系施設の問題に明るい講師をお招きし、この問題につい
ての改めて理解を深めるとともに、当事者の声や6.26の集会の報告、埼精社協の
現状を聞き病棟転換型居住系施設と権利について考えてみませんか。まだ暑さの
残る時期かとは思いますが、どうぞご参加ください。

日  時 : 平成 26年 9月 2日 (火) 
午後1時半〜午後5時 (受付13時)
場  所 :埼玉県立精神保健福祉センター 研修室
     埼玉県伊奈町小室818−2(ニューシャトル丸山駅下車徒歩10分程度)
      п@048-723-1111
講 師 :杏 林 大 学  長谷川 利夫 教授
メッセージ :あげお福祉会  当事者 田村 久夫 さん
参加費 :無料
後 援  埼玉県精神障害者団体連合会、 埼玉県精神障害者家族会連合会
    埼玉県精神障害者地域生活支援協議会、 きょうされん埼玉支部
    埼玉県セルプセンター協議会
申込み   平成 26年 8月 25 日 (月) までに 
        別紙申込書によりお申し込みください。
参加申し込み書
FAX:049−723−1561 (鏡文不要)
e-mail: tsuruoka.mari@pref.saitama.lg.jp
自立訓練施設 けやき荘 精社協研修担当 鶴岡  宛 

埼玉県精神障害者社会福祉事業所運営協議会 平成26年度第1回全体研修会
病棟転換型居住系施設問題と権利を考える
〜 退院しても病院なんですか? 〜


◆2014/08/11 きょうされん北海道支部 「STOP!精神科病棟転換型居住系施設in北海道〜自分の住むところぐらい自分で決めさせてよ〜」

 空いた病棟をグループホームに変えた施設が、本当に退院し、地域社会で暮らすといえるのでしょうか? みなさんとともに、この問題について考えます。
・と き 2014年8月11日(月)受付13時30分〜14時〜16時30分
・ところ 東区民センター2F大ホール 札幌市東区北11条東2丁目
・参加費 無料
・プログラム
14:00 開会挨拶
14:10 学習会&現状報告 北海道立精神保健福祉センター 所長 田辺 等 先生
14:55 指定発言 当事者・家族・支援者それぞれの立場から
15:20 休憩
15:35 フロアー発言
16:15 まとめ&緊急アピール
16:30 終了(後片づけ)

お問合せ先
きょうされん北海道支部 事務局
電話 011−743−3009


◆2014/08/23 愛知障害フォーラム 「共に考えましょう 病棟転換居住系施設」
共に考えましょう 病棟転換居住系施設
2014年 8月23日(土) 午後1時半から4時
会場 健身会館3階第会議室
基調講演 病棟転換居住系施設がもたらすもの
山田昭義氏(6・26緊急集会代表呼びかけ人 DPI前議長)
主催 ADF(愛知障害フォーラム)地域集会(連絡先052-411-2890 堀場)
企画運営団体 愛知県精神障害者家族会連合会


◆2014/09/13 精神科病棟転換型居住系施設」問題を考える集いパートU
平成26 年9 月13 日(土)
午後1 時半より受付
午後2 時から4 時
会場 福岡県教育会館3F 第1 会議室

住所:福岡市東区馬出4 丁目12−22
電話:092−631−4600
地図は以下
http://f-k-k.jp/access.html

参加費: 300 円 当事者無料
主 催: 精神科病棟転換問題を考える会
共 催: 福岡市精神保健福祉協議会
    こころの病の患者会うさぎの会

 7月1日、厚生労働省の検討会では、精神科病棟転換型居住系施設の試行を決めました。多くの関係者や全国各地の新聞社説などの反対の世論を押し切っての決定でした。我が国が1月に批准した国連の障害者権利条約の第19条では、障害のあるすべての人に対し「他の者との平等の選択の自由をもって地域社会で生活する平等の権利」を認めており、これに真っ向から反する内容です。
 福岡でもこの一連の動きに対応して6月30日につどいを開催しました。
 緊急の呼びかけにもかかわらず、熊本、東京からも含め94名の参加があり、反対の声明が確認されました。さらに地域移行は、様々な支援を受けながら地域生活の場での生活を始める中でしか進まないことを実際の取り組みの報告を受けながら確認しました。
 今後、国は施行のための予算化や自治体レベルでの試行のための準備など進められます。試行も導入を前提としての取り組みです。やはり試行自体を具体化させない取り組みを地方で起こすことがこれから大切になってきます。
 こうした状況の中、この問題の内容や経過、今後についてなどをさらに多くの人たちと学習する企画を計画しました。講師は、厚生労働省でこの問題を検討していました「長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策に係る検討会」の構成委員である伊澤雄一氏に来ていただきます。この検討会は、半数以上が医師という偏った構成の中、伊澤氏は一貫して反対の姿勢でした。
 伊澤氏の最新情勢の情報も交えながら、各方面の関係者の意見交換を踏まえながら、今後の取り組みを考えていきたいと思います。
 お誘いあわせの上、ぜひご参加ください。
問い合わせ先092-577-5281木もれ日 野澤
申し込み先FAX092-865-8685さざなみAloha


◆病棟転換型居住系施設を考える東京集会「地域でいきるための勉強会」参加者一同→東京都知事 2015/01/29 「決議文」

         2015年1月29日
東京都知事 舛添 要一殿
              決議文
 精神科病棟転換型居住系施設構想は、断じて、精神障害者の人権を保障するものではありません。否、むしろ社会的入院を容認し、固定化させる危険性を持つものといえます。社会的入院者の人々は、人生被害者ともいうべき人々であり、社会的入院を容認するということは、精神障害者への人権蹂躙ともいうべき行為です。東京都におかれましては、断じて精神科病棟転換型居住系施設を認めることがないよう、強く要望します。
 社会的入院の解消、社会的入院者の人々の復権には、精神障害者が地域社会において、自立した人間として、安心して療養し、学び、働き、家族を形成していくことを保障する環境整備こそ、最重要課題です。
 精神障害者が地域社会において、自立した生活をおくるための予算は、精神医療への予算と比較すると、96%対4%と著しく少ないのが現状です。この配分を50%対50%へと改革して下さいますよう強く要望します。
 具体的には以下のことを要望します。
@1年以上の入院となった社会的入院者の退院・地域移行・地域定着支援にむけた活動費を支給して下さい。交通費、体験宿泊外泊費用などです。そして入院中から移動介助など介助者を使うことができるようにして下さい。
A精神障害者本人、特に1年以上の入院となっている社会的入院者本人からの申し出、主張、希望を把握するアドボカシー制度を早急につくること。
B東京都条例にある、障害者欠格条例を撤廃すること。
C精神科医療のあり方を根本的に見直して下さい。東京都の新規措置が際立って多いこと。精神科救急のあり方が、精神科病院の偏在も影響して、東部で暮している人々が遠く八王子・青梅方面の精神科病院に搬送され、治療の一貫性を保つことができないことです。これでは安心して療養することはできません。
D精神科の治療を受けている人が 他科の治療を受けなくてはならない時、拒否されることがないように協力システムの強化・拡充をはかること。
E心身障害者医療費助成制度の対象者に、精神障害者も入れること。
F交通費の助成制度を身体障害者・知的障害者と同等にすること。他障害と同等の割引にすること、介助者の交通費無料化などです。

病棟転換型居住系施設を考える東京集会
「地域でいきるための勉強会」参加者一同
集会賛同団体 賛同人一覧
◇賛同団体:きょうされん東京支部、全国「精神病」者集団・東京、DPI日本会議、ヒューマンケア協会  NPOこらーるたいとう、NPO障害者権利擁護センターくれよんらいふ 、東京都精神障害者就労系事業所連絡会(通称じゅさんれん)、国立武蔵病院(精神)強制隔離入院施設問題を考える会、心神喪失者等医療観察法(予防拘禁法)を許すな! ネットワーク、心神喪失者等医療観察法をなくす会、NPO多摩草むらの会、訪問看護ステーションKAZOC、全国精神医療労働組合協議会、怒っているぞ!障害者切り捨て!全国ネットワーク、東京都精神障害者家族会連合会(東京つくし会)、東京都地域精神医療業務研究会、あおば福祉会、NPO法人エルブ、社会福祉法人つくりっこの家、摂食障害の自助グループNABA(ナバ)、全国ピアサポートネットワーク、おりふれの会、NPO法人自立生活企画( 順不同 2015年1月29日現在)
◇賛同個人:池原毅和(弁護士) 中島直(精神科医) 盛田容子(怒っているぞ!障害者切り捨て!全国ネットワーク)、小松久子(都議・生活ネット)、中田新生(あおば福祉会)、三村豊(あおば福祉会)、備前郁美(あおば福祉会)、小林美名子(あおば福祉会)、田中直樹(あおば福祉会)、島本禎子(あおば福祉会)、桑野祐次(医療法人社団一陽会陽和病院精神科リハビリテーション病棟看護師長)、加藤真規子(こらーるたいとう) 、猿渡達明、西沢光治、小佐野啓、竹沢幸一、小堺亮、番場昭子(横浜生活保護利用者の会)、竹内三枝、高田哲夫、岩城明子、飯田文子、山井、安藤裕子、山内、大西連(認定NPO法人自立生活サポートセンターもやい理事長)、関口加津子、林貞雄、深澤智<子、佐藤昭、布川政人、斉藤明子、吉田勉(順不同 敬称略 2015年1月29日現在)

◆2015/01/29 「地域で暮らすための勉強会 精神科病棟転換型居住系施設を考える東京集会」資料 32p.
[外部サイト(pdf)]

◆2015/01/29 「地域で暮らすための勉強会 精神科病棟転換型居住系施設を考える東京集会」

☆わたしたち抜きに、私たちのことを決めないで!
☆東京に、絶対に病棟転換型居住系施設を作らせない!
☆医療97%、福祉3%という偏った予算配分を変えるべき!
◇プログラム:長谷川利夫氏、伊澤雄一氏による基調講演
リレートーク(精神障害がある人々、障害がある人々、家族、医療従事者、社会
福祉従事者、市民の体験や活動)などを予定

◇参加費:無料 ◇事前申し込み:不要

障害者権利条約が日本においても批准され、今年の2月から発効しました。政府
は権利条約批准のために国内法を整備したといいますが、障害がある人々に対す
る隔離・収容主義は続いています。政府は精神科病院で入院治療の必要性がなく
社会資源の不足など社会的な理由で退院できずにいる人々を一生閉じ込めるため
に、精神科病棟をグループホームなど居住系施設に転換し活用することを可能と
する方針を強引に決定してしまいました。この方針に反対する闘いが、6月26日
の日比谷野外音楽堂への3200人の結集に引き続き、全国で粘り強く行われています。
 東京都八王子市・青梅市周辺は実は世界一の精神科病床の多い地域です。そこ
に人生被害者ともいうべき精神障害がある人々が置き去りにされているのです。
45年、30年、15年、10年と精神科病院に隔離されてしまったのは、明らかに国の
責任なのです。わが国の高度成長期に、生きづらさを抱えた人々を、どんどん民
間精神科病院を増やして、そこに丸投げしてしまったのです。
 2015年1月29日、八王子市にある「いちょうホール」へ、精神障害があ
る人々、特に社会的入院者の人々に連帯するみなさんに結集して頂きたいので
す。それぞれの思いや体験、提言を交流し、闘いを継続・発展させていきたいと
願っています。 

◇主催:精神科病棟転換型居住系施設を考える東京集会実行委員会

◇連絡先:※こらーる・たいとう (〒131-0033 墨田区向島3−2−1向島パークハイツ1F)
TEL 03-5819-3651 FAX 03−5819−3652
※長谷川利夫(杏林大学保健学部作業療法学科教授)
〒192-8508 東京都八王子市宮下町476 杏林大学 保健学部 精神障害作業療法
学研究室内
TEL.042-691-0011(内線4534) 〔携帯電話〕090-4616-5521
E-mail hasegawat(@)ks.kyorin-u.ac.jp (@)を@に変えてメール下さい
※きょうされん東京支部 (〒183-0056 東京都府中市寿町3-3-6 ワークセン
ターこむたん内)
TEL 042-306-8633 FAX 042-367-4288 E-mail tokyo(@)kyosaren.or.jp
※ヒューマンケア協会 (〒192-0046 東京都八王子市明神町4-14-1 1F)TEL
042-646-4877 FAX 042-646-4876

◇賛同団体:きょうされん東京支部、全国「精神病」者集団・東京、DPI日本会
議、ヒューマンケア協会(順不同20141204現在)

★賛同の呼びかけ★
賛同団体・賛同人の呼びかけをしております。ご賛同いただける方は下記までお
願いします。
賛同金:団体 一口 3,000円 個人 一口1,000円
団体名またはお名前(個人の場合)とふりがな、連絡先(ご住所、電話番号、
メールアドレス、公表の可否)を上記連絡先までお知らせください。
<賛同金振込先>ゆうちょ銀行【店名】〇二八(ゼロニハチ)支店【預金種目】普通
【口座番号】4195912【名義】瀧柳洋子(タキヤナギヨウコ)
※振込時に、ご氏名、団体名のあとに(び)を必ずご記入下さい。(例)山田太郎(び)

◆2015/01/17 学習講演会 わたしたちは地域で暮らしたい――病棟転換型『住居』を考える

学習講演会 わたしたちは地域で暮らしたい〜 病棟転換型『住居』を考える 〜
講師:増田 一世 氏(公益社団法人やどかりの里 常務理事)
日時:2015年1月17日(土)午後1:30〜
場所:キャンパスプラザ京都 4階 第2講義室

京都の皆さんのまとまり,行動力,発言力にはいつも勇気づけられています.
こころの健康政策構想実現会議の100万人署名の時には本当にありがとうございました.
このたびの病棟転換居住系施設問題にも,以前から訴え続けてきた抜本的な精神医療改革,精神保健福祉改革が求められているのだと思います.
ぜひ京都の皆さんのエネルギーを全国に広げていただきたいと願っています.

1月にお目にかかることを楽しみにしています.
増田 一世(公益社団法人やどかりの里)

【主催】
「病棟転換型住居を考える」
京都実行委員会
【連絡先】
つくしハウス
担当:白坂
電話075-366-6064
fax: 075-366-6065

増田一世(ますだかずよ)氏プロフィール

1978(昭和53年)明治学院大学社会学部社会福祉学科卒業.精神医学ソーシャルワーカーを目指し,やどかりの里の研修生となり,精神障害者とのグル―プ活動に従事する.精神障害者への援助活動の傍ら,出版事業を行う.1979(昭和54)年やどかりの里職員.1985(昭和60)年やどかりの里理事.1989(平成元)年やどかり出版代表.1997(平成9)年精神障害者福祉工場「やどかり情報館」を開設し,やどかり情報館館長.2001(平成13)年やどかりの里常務理事. 精神障害者とともに働きながら,地域づくり,人づくりに注目した事業展開を目指している.

<対外的な活動>
日本障害者協議会常務理事.日本健康福祉政策学会理事.ヘルスケア関連団体ネットワーキングの会共同代表.こころの健康政策構想実現会議共同代表.埼玉県セルプセンター協議会会長.さいたま市障害者政策委員会委員. 埼玉いのちの電話評議員など.
<主な著書>
プラクティス・1 共生・共創・協働の社会1 もう1つの価値(単著) やどかり出版 2005年
これでいいのか障害者自立支援法(共著) 1.2 2006年
社会福祉方法原論の展開(共著)高菅出版 2007年
変わる 変える 創る  これからの地域実践・運動・組織 (共著) やどかり出版,2010年
病棟から出て地域で暮らしたい(共著) やどかり出版 2014年


■報道


◆2013/11/28 「当事者や専門職は反発 精神科病棟の「施設」転換構想」
 中日新聞 2013年11月28日
 http://www.chunichi.co.jp/article/living/life/CK2013112802000001.html

 「精神科病棟の一部を、介護施設などの「居住系施設」に転換し、長期入院患者の受け皿とする構想が浮上している。精神疾患の当事者や専門職からは「真の地域移行とは程遠い」と反対の声が上がっている。
 「精神障害者と地域の分断を固定化するもの。受け入れられない」。精神障害者の当事者団体、全国「精神病」者集団の山本真理さんは構想に憤る。
 構想は今後の精神科医療の指針を議論するため、七月に厚生労働省が開いた検討会で委員の一人が提案。十月の検討会でも長期入院患者の意向を踏まえて、議論を進めるべきだとの意見が相次ぎ、にわかに注目を集めるようになった。
 具体的な検討はまだだが、病院の敷地内にありながら病棟でないという位置付けのようだ。山本さんは「介護報酬や総合支援法に基づく報酬が入り、医療機関の実入りは減らない。訪問サービスなどを受けて地域で生活する体験をせず入院患者の意向調査をしても、地域移行の希望が出にくい。地域に戻らない見せ掛けだけの退院が増える」と危ぶむ。
      ◇
 精神科の専門職団体などが参加する精神保健従事者団体懇談会が二十三日、東京都内で開いた精神保健フォーラムでも「病床転換型居住施設」が話題に。
 検討会委員で、NPO法人じりつの岩上洋一代表理事は「長期入院患者は毎年二万人、病院の中で死んでいく。これを避けたい。入院している人の意向を聞き、議論すべきだ」と主張。同じく委員で、精神科病院院長の千葉潜(ひそむ)医師は「長期入院の人向けの施設は将来不要になる。それを新たに造ることに国は金を出さない。病床転換は最善でないが議論はすべきだ」と訴えた。
 参加者からは転換への反対意見や、「長期入院患者がどうすれば地域で生活できるかの議論を進めるべきだ」との指摘があった。
 フォーラムは病棟転換型施設について「真の地域移行とは程遠い姿となる可能性が大きく、当事者の意思確認の方法も不透明。重大な危惧を表明せざるを得ない」との宣言文を採択した。
◇居住が退院の壁に
 2012年の厚労省の調査では、国内の精神科病床は約34万床。約30万人が入院し、約半数は65歳以上の高齢者。認知症や、統合失調症などで若いころから長期入院している人などが含まれる。1年以上の入院者(認知症除く)の8割が統合失調症。86%が退院困難といい、その理由の61%は症状が重いため、33%は居住の支援がないためだった。
 国は1960年代、精神疾患患者を社会から隔離する受け皿として、精神科病床を増やす政策をとった。だが、近年は患者の社会復帰を促す方針に転換。病状の落ち着いた退院患者の受け皿に、施設や住宅を造る計画は各地にあるが、偏見もあり、住民の反対で頓挫することも多い。症状から、身体や知的の障害者と共通の住居では対応の難しい患者もいる。
 一方、病院側には現在の建物や人材を有効活用したい思惑もある。病棟転換型施設構想の背景には、さまざまな事情が絡んでいる。(佐橋大)」

◆記事不明 http://mxt.nikkei.com/?4_18891_1005468_1
(2013年12月10日 日本経済新聞)

◆2014/01/24 「精神科医療―病院と地域の溝うめよ」(社説)
(2014年1月24日 朝日新聞)
http://www.asahi.com/articles/DA3S10941670.html?ref=editorial_backnumber
 精神疾患で入院している患者は日本に約32万人。入院患者全体のほぼ4人に1人にあたる。
 そして年間2万人が病院で人生を終える。何年も入院生活を続け、年老いた統合失調症の患者も多いとみられる。
 こんな状況をいつまでも放置しておくわけにはいかない。
 病院から地域へ。
 日本の精神科医療に突きつけられてきたこの課題について、厚生労働省が近く新たな検討会を立ち上げる。
 議論の中心テーマは、既存の精神科病院の建物を居住施設に「転換」して活用するかどうかである。
 日本には精神科のベッドが突出して多い。人口あたりで見ると、先進国平均の約3・9倍になり、入院期間も長い。
 厚労省は10年近く前、大きな方向性を打ち出した。
 入院は短く、退院後は住みなれた地域で、訪問診療や看護、精神保健の専門職に支えられて暮らす――。
 しかしこの間、入院患者の数に大きな変化はない。改革の歩みはあまりに遅い。
 背景には、精神科病院の9割が民間という事情がある。単にベッドを減らせば、入院の診療報酬に支えられてきた経営が行き詰まる。借金は返せなくなり、病院職員も仕事を失う。
 そこで病院団体側は、病院の一部を居住施設に転換できるよう提案し、国の財政支援を要望している。
 これに対して、地域への移行を望む患者や支援者は「看板の掛け替えに過ぎず、病院が患者を囲い込む実態は変わらない」と強く反発してきた。
 この対立の構図に、いま変化が起きている。患者の退院と地域移行の支援で実績を上げてきた団体が、「転換型」の議論に意欲を示しているからだ。
 病院のままでは、入院患者に外部の専門家からの支援を届けにくい。居住施設になれば、患者に接触してその要望を聞き取るのが容易になり、本格的な地域での暮らしにつなげやすい。そんな考え方が背景にある。
 むろん制度設計や運用次第で「看板の掛け替え」に終わる危険性も否定できない。反対する側が抱く不信感の源がどこにあるのか、丁寧にひもとく作業が大前提となる。
 新年度の診療報酬改定でも、退院促進や在宅医療を充実させる方向が打ち出された。これを追い風に、病院中心から地域中心への流れを加速させたい。
 病院と地域の溝を埋め、患者が元の生活に戻りやすくする知恵を今こそ絞るべきだ。

◆2014/01/30 浜田陽太郎*「精神科医療から見える社会」(社説余滴)
 『朝日新聞』2014/01/30 http://digital.asahi.com/articles/DA3S10952075.html
 *社会保障社説担当
 写真・図版:略

 「猛省しないですむ人はこの国にはほとんどいない。もちろん、私もその一人です。だから、自己批判がないなかで誰かが悪という構造には、全くなじめません」
 戦争や原発事故の論評ではない。精神科医療について、患者の地域生活を支えるNPO「じりつ」を運営する岩上洋一さん(47)が語る言葉だ。
 これが、社説「精神科医療 病院と地域の溝うめよ」(24日付)を起案するきっかけになった。
 日本では、精神科病院に長く入院し、そこで人生を終える患者が多い。そんな状況を踏まえ、社説では「既存の精神科病院の建物を『転換』して居住施設にるかどうか」という問題を扱った。
 もとは病院団体側が経営上の理由もあり出した案だ。これに対して、地域で障害者の生活支援に取り組む人たちが「病院が患者を囲い込み、隔離・収容する実態は変わらない」と猛反発するのは、よくわかる。病院で働いた実体験、失望や怒りに裏打ちされた不信感は強固なのだ。
 しかし、病院を飛び出し、地域で活動する人たちの熱意と知恵を政策に生かさなければ、硬直した状況は動かない。確信した岩上さんは、思い切った行動に出た。
 厚生労働省が有識者を集めた会議で「病院で死ぬことと、病院の敷地内でも自分の部屋で死ぬのは大きな違いがある。患者のために、少しでも良い選択肢をつくろう」と「転換型施設」の議論の必要性を正面から訴えたのだ。
 そのとき、よどんでいた会議の空気が変わったのが、傍聴席にいた私にも分かった。
 「転換型」の細部を評価するのに、私の取材の蓄積はまだ足りない。ただし、「民主主義の作法」として、相手の立場を理解しようと努め、具体的な解決策を模索する姿勢には、強く共感する。
 岩上さんが「猛省」を促す矛先は、精神障害者が地域で暮らす空間をつくれなかった社会にも向くはずだ。むろんメディアの責任は重い。
 ジャーナリストの武田徹さんは、著書「『隔離』という病(やま)い」で、ハンセン病患者を差別する法律が戦後50年余りも生き延びた背景として、日本社会に宿る「排除し、隔離し、忘れてしまう三段ロケット式思考」をあげた。
 精神科医療でも同じことが繰り返されていないか。この問題もまた、隔離という日本社会の「病い」と、私たちが向き合う覚悟を問うている。(はまだようたろう 社会保障社説担当)」(全文)
 cf.http://viva-jiritsu.org/

◆2014/02/07 「精神障害、退院後の受け皿検討へ 入院の長期化解消に向け ―厚生労働省」(時事通信・官庁速報)
 厚生労働省は、精神障害者が退院した後の受け皿づくりについて、有識者らから成る検討会を設置する方針を決めた。精神疾患で入院する患者は、一般病院の患者より入院が長引く傾向がある。そのため、入院患者を対象に退院を促し自立した生活が送れるようサポート体制を整備する考え。病院の敷地内に退院した患者向けの居住施設を建てることの可否など、具体的な改善策を話し合う。
 精神疾患による入院患者は、2011年時点で約32万人。うち約6万5000人が10年以上の長期入院患者だ。政府は04年、長期入院者が退院しやすいよう地域の支援体制を強化する方針を打ち出した。しかし、「当時と状況はほぼ変わらない」(担当者)のが現状。長期の入院患者は、退院しても家族や知り合いがおらず、退院に前向きになれないケースも多いという。一方、全体の入院患者数は人口減に伴い減少傾向にあり、ベッドに空きが出てきている。検討会では、これらの状況を勘案し、空き病棟を居住施設に転換するといった活用が可能かどうかを議論する。また、空き病棟だけでなく、病院の敷地内に居住施設を建設することの可否も話し合う。地域の関係事業者らをどう巻き込んでいくかや、精神障害者向けの地域の施設整備の在り方もテーマとする。病棟の転換などは、「なじみの医師たちが近くにいる場所で、地域の人の協力も得やすい状況をつくりつつ、最終的に地域に出ていくことを目指す形があってもいい」と前向きな意見がある。一方、「病院内の施設に移るのでは退院したとは言えず、単なる看板の掛け替えになってしまう」との反対もあり、検討会では慎重に議論を進める方針だ。

◆2014/02/10 福祉新聞「精神病床の転換案「権利条約に合わぬ」 障害者政策委で反発」

 「内閣府が3日に開いた障害者政策委員会(委員長=石川准・静岡県立大教授)で、「精神病床を居住系施設に転換することを検討してはどうか」との案が厚生労働省で出ていることが問題になった。  厚労省の北島智子・精神・障害保健課長が出席し経緯を説明したが、政策委員会では「障害者権利条約に反する発想だ」と異論が相次ぎ、石川委員長は「結論を出す前に意見交換したい」とした。  精神保健福祉法が昨年6月に改正され、厚労大臣が「良質かつ適切な精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針」を定めることになったため、厚労省は昨年7〜12月、医療、福祉などの関係者を集め指針案を検討した。  入院期間を短くし、長期入院患者も地域生活に移行できるようにと議論した中で、「病院で死ぬことと病院内の敷地にある自分の部屋で死ぬことには違いがある」と病床転換案が浮上。賛否両論あったが「可否も含めて検討する」と昨年末に決着した経緯がある。  北島課長は「地域移行の受け皿づくりを議論したい」と理解を求めたが、政策委員会の委員らは「敷地内で生活が完結するようでは地域移行と言えず、病院との違いはない」「精神障害者を二級市民扱いした考え方だ」などと強く反発した。  政策委員会は、障害者制度改革の一環で障害者基本法改正時に規定された組織。権利条約の実施状況を監視する役割などを持つ。病床転換案は、条約が「どこで誰と暮らすか選択できる」「特定の施設で生活するよう義務付けられない」と地域で暮らす権利を定めていることと合わないとして問題視された。」

◆2014/05/19 「精神科病院 暮らしの場ではない」(社説)
 『東京新聞』2014年5月19日
 http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014051902000146.html

 「精神病床が多すぎるというなら、その一角を住居に転換してはどうか。入院患者は効率よく“地域”に移ることができる。厚生労働省の検討会でそんな構想が議論されている。人権意識が疑われる。
 日本の精神病床は三十四万床を超え、人口当たりでは先進国平均の四倍近い。心の病の多発国なのか。答えは「ノー」である。
 在宅で療養できるのに、多くの患者が病院生活を送っているからだ。人間らしさを奪う社会的入院の蔓延(まんえん)は、国際的にも批判されてきた。
 最近の統計では、入院患者は三十二万人。二十万人は一年以上入院している。そのうち三割は十年以上に及ぶ。高齢化も進み、年間二万人が病院で最期を迎える。
 十年前、厚労省は病院から地域へと患者の生活の場を移す方向性を打ち出した。しかし、この間の統計は、改革の失敗を物語る。
 そこで、去る四月、地域移行の手だてを考える検討会を新しく立ち上げた。最大の論点は、精神科病院の病棟を居住施設に転換するという構想の可否である。
 病院側は推進の意向を示す。精神科病院のほぼ九割が民間経営という事情を抱えているからだ。
 入院患者は主要な収入源だ。病床を安易に減らすと、経営が傾きかねない。既存の病棟を退院先の受け皿として生かせば、利点は大きい。そんな思惑がうかがえる。
 裏返せば、そこに社会的入院の原因が浮かぶ。財政難を言い訳にして、精神医療を民間に任せ、患者の隔離と収容をせきたてた戦後の国策が背景にある。それを後押ししたメディアの責任も重い。
 この構想の根底には、患者の人権より病院の営利を優先させる危うい発想がある。看板を掛け替え、患者を囲い込むトリックではないか。障害当事者や支援者側がそう反発するのは当然のことだ。
 「いつ病気やけがをしても安心です」。そんな宣伝文句で、病院内のマンションが売り出されたとしよう。普通の感覚では遠慮したい物件だろう。障害者にとって便利なはずと見なすのは差別に通じる。
 退院患者を病院内に押しとどめるような環境づくりは、障害者の自立と社会参加を保障する障害者権利条約の理念を損ねることになる。地域から切り離す行為に変わりはないからだ。
 診療報酬も退院を促し、在宅医療を手厚くする方向になった。精神科医や看護師ら専門職の方こそ病院を出て、地域に分け入り、患者を支えて回るべき時代である。」(全文)

◆2014/05/19 「精神科病棟をアパートに改修 患者共生、名ばかり」
 『北陸中日新聞』2014年5月19日朝刊
 http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20140519152520757
 http://www.facebook.com/l.php?u=http%3A%2F%2Firyou.chunichi.co.jp%2Farticle%2Fdetail%2F20140519152520757&h=AAQFcCcSg

転換型施設の推進案浮上

画像:大阪府高槻市にある精神科病院のベッド。胴体と手を縛る拘束具が付いている[略]

 精神障害者の医療方針をめぐる議論で、精神科病院の病棟をアパートなどに改修する「病棟転換型居住系施設」(転換型施設)を推進しようという提案が問題視されている。障害者を入院・隔離する旧来のあり方から、地域生活中心に移すという精神医療の世界的な流れに逆行する恐れがあるためだ。「患者を手放したくないという病院側の思惑が背景にある」という指摘も出されている。 (白名正和)
 「町の中で一般の市民たちと一緒に暮らすことが地域移行。病棟をアパートなどに変える転換型施設では結局、患者は病院から抜け出せない」。精神障害者の自助団体・全国「精神病」者集団山本真理さんは明確に問題点を指摘する。
 障害者を病院に隔離せず地域社会で治療する考え方は、欧米諸国では1960年代ごろから広まった。
 日本ははるかに立ち遅れていたが、厚生労働省は2004年9月、「精神保健医療福祉の改革ビジョン」を取りまとめ、地域生活の重視を打ち出した。
 そうした流れの中、昨年10月の厚労省の検討会で、一部の委員から「転換型施設」という方策が提案された。既存の精神科病院の病棟を介護施設や自立訓練施設、グループホーム、アパートに改修するという。
 「要は病院の敷地内で、精神障害者を移動させて『退院おめでとう。ここがあなたの生活する地域だ』ということに等しい。これのいったいどこが、地域移行なのか」(山本さん)
 反発は当事者や医師らを中心に広がり、同年11月には「病棟転換型居住系施設について考える会」が結成された。発起人の長谷川利夫・杏林大教授(精神医療)は「障害者が各人の意思で居住地を選択できると定めた障害者権利条約、障害者基本法に違反する恐れがある」と懸念する。
 転換型施設を提案した委員は検討会で、障害者が最終的に病院で死ぬことと病院敷地内の自分の部屋で死ぬことには大きな違いがあると発言した。だが、長谷川教授は「何も違わない。障害者の面倒を見る側の論理でしか物事を考えられない。今回の問題を象徴した言葉だ」と批判する。
 検討会は6月に意見をまとめる方針だが、財源の話はすでに進んでいる。医療や介護サービスの提供のための新たな財政支援制度として約900億円の基金をつくるという流れで、この一部が転換型施設の実現に充てられる可能性が濃い。
 財源は消費税増税の増収分。この「地域医療・介護総合確保推進」法案は今国会に提出されており、すでに衆院を通過している。
 厚労省精神・障害保健課の担当者は「法案と転換型施設は別の論議。ただ、結果として転換型施設の実現に基金を活用するかもしれない」とあいまいに説明する。長谷川教授は「厚労省では、すでに転換型施設を進める考えが決まっているのでは」と案じる。山本さんは「消費税で精神科病院の経営を支援することになるので、国民の理解も得られない」と批判する。

医療費を減らし患者丸抱え 国と病院は勘定ずく 

写真:精神科病院の業界団体「日本精神科病院協会」が入っているビル=東京都港区で[]略

 転換型施設をめぐる議論には前触れがある。全国の精神科病院でつくる業界団体「日本精神科病院協会」(日精協)は12年5月、転換型施設と同じように病棟を別施設に変える「介護精神型老人保健施設」の設置を提案していた。
 同年末の自民党の総合政策集でも、同じ言葉が登場する。「介護精神型老人保健施設等により、精神科医療福祉の効率化と質の向上を図る」とある。ちなみに日精協の「日本精神科病院政治連盟」は同年、安倍首相の政治資金管理団体に350万円、現厚労相の田村憲久議員のそれには30万円を献金している。
 日精協の担当者は、取材に対し、「献金と今回の転換型施設の議論は無関係」と前置きした上で、「施設の転換にもさまざまな形がある。患者を縛らない自由度の高い内容であれば、問題ではないという考え方もある」と語っている。
 一方、障害者の地域生活を30年以上サポートするたかぎクリニック(京都市)の高木俊介院長は「転換型施設論議の根本には、日精協が提案した介護精神型老人保健施設がある。政治家に話を通していたのではないか」と疑う。
 「国は医療費も病床数も減らしたい。大手病院は経営の面から患者を手放したくない。病棟の改修であれば双方が丸く収まる」
 日本の精神科病床は約34万4千床と、世界中にある185万床の約5分の1が集まる。大半が民間病院で、医療体制を変えにくい一因となっている。
 入院患者は約32万人で、1年以上の入院は約20万人。平均入院期間が20日前後の欧米諸国と比べて、異様に長い。治療の必要がないのに病院にとどめられる「社会的入院」も少なくないとみられている。
 これには日本の精神医療の特異な歴史が関係している。かつては自宅で隔離する「私宅監置」が中心で、敗戦時の病床数は全国で約4千床。1950年に強制入院や費用の国庫負担を盛り込んだ「精神衛生法」が制定され、民間病院が増加した。64年には、統合失調症の青年がライシャワー・アメリカ大使を刺傷する事件が起き、強制入院を支持する風潮が強まった。
 58年に通知として出された「精神科特例」も大きく影響する。一般病院より医師や看護師の配置基準を下げる内容で、病院数の拡大を促すとともに、医療の質の低下を招いた。
 宇都宮市の民間病院で患者2人が看護職員らからリンチを受け、殺された「宇都宮病院事件」(83年)など、著しい人権侵害事件も起きてきた。長谷川教授によると、01年には大阪府内の病院で、患者が約10年間、長さ2メートルの腰ひもで窓枠につながれていた事態が発覚している。

写真:精神障害者の地域移行を支える「こらーる・たいとう」のミーティング。お互いの近況などを話し合う=東京都墨田区で[略]

 厚労省の方針から10年たっても、地域移行はなかなか進んでいない。障害のある当事者たちの自助団体でNPO法人の「こらーる・たいとう」(東京都)は、04年から地域移行の支援に取り組んでいる。
 定期的に共有スペースに集まって「今度旅行に行く」「最近寝られない」という近況報告をしたり、病院訪問、地域との交流などを積極的に実施している。
 加藤真規子代表は「入院中心の医療では、人間関係が病院の中だけで完結してしまう。障害者本人たちのためにはならない」と話すが、こういった活動はまだ限定的でしかない。
 前出の高木院長は強調する。「精神科医療に本来、医者はいらないと思う。長くやってきた経験から分かる。生活をサポートしてくれる人がいれば十分。病院への隔離はもうやめて、精神医療と福祉の改革に踏み切らないといけない」

デスクメモ
 集団的自衛権の行使容認や労働法制の骨抜きなど大テーマが続く。少数者の人権侵害などかき消されそうになるが、彼らへの長い迫害が社会にまん延してきたようにも見える。そもそも戦争もブラック企業も、人を人ではなく、機械扱いして成り立つからだ。考える会は20日昼、衆院第2会館で集会を開く。(牧)」

◆2014/05/22 <精神病床の削減、どうやって実現?>医療介護キャリアブレインCBニュース(メール版)
 厚生労働省の「長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策に係る検討会」の作業チームが、3回目の会合を開いた。この日の議論では、長期入院している精神障害者を地域社会に戻すためには病床削減が不可欠とする意見が大勢を占めた一方、その実現の難しさを指摘する声も上がった。【ただ正芳】
 この日は、厚労省がこれまでの作業チームでの議論を整理。「精神医療の将来像と具体的な方策」として提示した。
 このうち、精神医療の将来像では、長期入院する精神障害者の地域移行を進めるため、必要のない病床は削減するとしている。その上で、病床で勤務していた医療スタッフについては、急性期病床や地域医療など、必要な医療に集約するとした。また、具体的な方策では、入院患者の退院に向けた意欲の喚起や、病床削減を推し進めるための財政的方策の実現など示した。
 そのほか、今後の論点としては、▽「生活の場」に近い病床や患者が退院した後の精神病床の在り方▽長期入院精神障害者の住まいの確保―などを挙げた。
「病床を削減しても食べていける裏付けを」
 この日の議論では、病床削減の必要性は認めつつも、その実現の難しさを指摘する声が上がった。千葉潜委員(青仁会青南病院院長)は、長期入院している精神障害者をグループホームに移行させた場合、赤字経営を強いられる可能性が高いとする試算を紹介。それでもあえて入院患者の地域移行を進める病院は、精神医療の改革を意識した良質な病院であるとし、「そうした病院が病床を減らしても食べていけるような裏付けがなければ、長期入院する精神障害者の地域移行は進まない」と訴えた。
 葉梨之紀委員(日本医師会常任理事)も、現行制度では民間の精神科病院が自ら病床を削減するのは、ほぼ不可能に近いとし、「削減を進めるための、なんらかの新たなモデルが必要」と述べた。また、野沢和弘委員(毎日新聞論説委員)は、今後の議論の前提として、病床転換型居住系施設の定義を明確にする必要があると指摘した。

◆2014/05/29 精神科病床を大幅削減へ 長期入院解消で厚労省 (共同通信)
 厚生労働省は29日、全国に約34万床ある精神科病床を今後、大幅に削減する方針を固めた。医療上の必要性は低いのに地域で受け皿がないため長期入院する「社会的入院」の解消に向け、新たに「地域移行支援病床」という区分を設定。2016年度以降の診療報酬改定などで病床削減と患者の退院を誘導し、先進国の中で突出して多い精神科の入院患者を減らす考えだ。
 精神障害者の長期入院問題に関する有識者検討会に同日、構造改革案として示した。検討会は地域移行に向けた対策を6月中にも報告書にまとめる。

◆2014/05/29 精神科病床を大幅削減へ 長期入院解消で厚労省 (佐賀新聞)
 厚生労働省は29日、全国に約34万床ある精神科病床を今後、大幅に削減する方針を固めた。医療上の必要性は低いのに地域で受け皿がないため長期入院する「社会的入院」の解消に向け、新たに「地域移行支援病床」という区分を設定。2016年度以降の診療報酬改定などで病床削減と患者の退院を誘導し、先進国の中で突出して多い精神科の入院患者を減らす考えだ。
 精神障害者の長期入院問題に関する有識者検討会に同日、構造改革案として示した。検討会は地域移行に向けた対策を6月中にも報告書にまとめる。
 厚労省案によると、地域移行支援病床では、生活能力を向上させる訓練を提供。現在は許可が必要な外出を自由にし、より「生活の場」に近い病床として、患者の退院を促す。
 患者が退院して不要になった病棟については、福祉施設などへの転換を認める。ただ「単なる看板の掛け替え」との批判があるため、(1)外出の自由(2)外部の福祉サービスの利用が可能(3)プライバシーの尊重―を条件とし、病院とは異なる環境を担保する。
 現在、入院医療に携わっている医師や看護師ら病院職員については、退院患者を地域で支えられるよう、訪問診療・看護や外来の診療所への配置転換を促すほか、手厚い人員が必要な急性期患者への対応に集約する。
 精神科病院に1年以上の長期間入院している患者は約20万人に上り、10年以上も約6万5千人いる。認知症による入院も増えており、長期入院のうち約3万人は認知症患者。

◆2014/06/05 精神病床削減後の建物など、どう活用?- 厚労省検討会 (医療・介護キャリアブレイン)
 厚生労働省の「長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策に係る検討会」の作業チームが5日、5回目の会合を開いた。この日の会合では、精神病床を削減した後の元病棟や、その跡地をどのように活用するかについて、集中的に議論された。
 前回の作業チームの会合で厚労省は、病床削減を進めた結果、使わなくなった元病棟やその跡地について、「居住の場」とすることを念頭に議論を進めることを提案。「居住の場」として活用する条件として、利用者の外出の自由の確保やプライバシーの尊重などを示した。また、重度かつ慢性の疾患がないのに、入院期間が1年を超える患者が利用する精神病床を、「地域移行を支援する病床」と位置付け、生活能力の向上を目指した訓練などを充実させる案も示した。
 この日の会合で千葉潜委員(青仁会青南病院長)は、「元病棟も、ただのビル。土地にも(元病棟の敷地だからといって)色は付いてない」と指摘。その上で、病床削減後の元病棟やその跡地の活用法については、適当ではない事例だけを規制し、それ以外の活用法は規制しない方針で臨むべきと主張した。
 一方、伊澤雄一委員(NPO法人全国精神障害者地域生活支援協議会代表)は、日本が障害者の権利に関する条約を批准している以上、あらゆる権利侵害の可能性を取り除いていく必要があると指摘。元病棟やその跡地を、退院した人の「居住の場」として活用した場合、何らかの権利侵害が発生する可能性があるとし、反対する姿勢を示した。
 岩上洋一委員(NPO法人じりつ代表理事)は、長期入院精神障害者の地域移行支援は、国民・国家の課題として取り組む手だてが必要と指摘。具体的には、厚労省の障害保健福祉部だけでなく、老健局や社会・援護局、保険局、さらには内閣府までが連携し、精神病床に入院する患者の介護保険の利用誘導や保健所の精神保健医療業務の強化などを目指すべきと訴えた。

◆2014/06/12 「精神病棟の居住施設転換――患者囲い込み続く懸念」
 『読売新聞』2014年6月12日

 「精神科の長期入院を解消する手段として「病棟の一部を老人保健施設や居住施設に転換する」という構想が浮上し、厚生労働省の検討会で議論が行われている。病棟を模様替えした施設に住んで、患者が「地域生活」に移行したことになるのかが問題だ。
 ◇
 日本の精神病床は34万床あり、30万人余りが入院している(2012年調査)。経済協力開発機構(OECD)に加盟する先進・中進国の中で、人口比でも絶対数でも突出して多い。
 しかも1年以上の長期入院が20万人。うち5年以上の入院も11万人を超す。多いのは統合失調症、次いで認知症の患者で、65歳以上が半数を占める。
 おおもとの原因は、政府が高度成長期に隔離収容主義の下で膨大な精神科病院を民間に建てさせたことにある。結果として長期入院になった患者たちは、必ずしも病状が重いわけでない。長い入院に伴う生活力と意欲の低下、退院後の生活の場を確保できていないといった事情が大きい。
 政府は、そうした社会的入院の解消を02年末に打ち出したが、なかなか進まなかった。病院は、ベッドが空くと収入が減るため、退院支援にあまり積極的にならず、空きが生じたら新たな入院患者で埋める傾向があるからだ。公立病院主体だった欧米と違い、民間病院は容易に減らせない。
 そこで今回浮上したのが<病棟を居住系施設に変えれば、ベッド数と入院患者数を減らせる>という構想だ。福祉関係の検討会委員からの提案だったが、日本精神科病院協会(日精協)の方針でもある。
 河崎建人たつひと・日精協副会長は「病床数を適正化して急性期医療に力を注ぎたい。長期入院患者が退院しやすい生活支援の場をつくるため、病棟転換という選択肢があってよい」とする。
 何に転換するのか。老人保健施設、宿泊型訓練施設、グループホーム、共同住宅などが挙がっている。
 厚労省は今月中にも検討会の議論をまとめ、来年度の予算や障害福祉サービスの報酬改定に反映させたい考えだが、批判も多い。
 懸念の一つは、病院内に住んで本当に自由な暮らしができるか。竹端たけばた寛・山梨学院大教授(福祉政策)は「病院のソフトな支配下にある施設では、本当の地域移行とは言えない。また隔離・拘束や外出制限がなくても、街から遠いと社会生活は難しい」と指摘する。日精協の調査では精神科病院の6割は山林か農地に囲まれた場所にある。
 そもそも長期入院がよくないのは、それぞれの人生を実現する時間が奪われるからだ。ハンセン病の隔離政策が「人生被害」と呼ばれたのと同様に、長すぎる入院は人権侵害である。幸福追求権を取り戻すには、実際に社会とかかわれる場でないといけない。
 もう一つの懸念は、ハコモノを居住場所として残したら、病院による囲い込みが続きかねない点だ。病院内の施設だと、空きが生じるたびに次の退院患者で埋め、その分、新たな入院を招くのではなかろうか。
 地域に退院の受け皿はないのか。08年の総務省調査では全国の空き家は756万戸(総住宅数の13%)に及ぶ。その後も公営住宅を含めて空き家は増え、高齢者住宅も大量に造られた。それらを活用し、在宅生活を支える医療・福祉サービスを確保することこそ、正面の政策のはずだ。
 もちろん病院経営の軟着陸も考える必要はあるが、仮にベッドを単純に半減させれば、今の職員数でも配置の密度は倍になる。入院料を倍にすれば収入は変わらない。そうした道筋を厚労省が明示すべきだろう。純粋な病床数の縮小に助成金を出す方法もある。
 病棟転換の施設は「現実的でよりましな方法」なのか、「看板の掛け替え」にすぎないのか。精神医療福祉の大きな分岐点である。(大阪本社 編集委員 原昌平)」

◆2014/07/24 NHK<精神科病床が住居に? 長期入院は減らせるか>
 7月24日(木)午後7:30〜 NHK総合 再放送その深夜0:10〜
 http://www.nhk.or.jp/gendai/yotei/#3534
 「当事者不在のまま進められてきた政策に翻弄され、 数10年にわたる長期入院を余儀なくされてきた患者たちの実態を取材。病床削減に取組む地域の実例も交えながら、今後の精神科医療のあり方を考える」
 コメンテーター:伊藤哲寛

 6.29 〜7.8
◆「精神科病棟の居住化/「地域移行」に逆行する」
 『沖縄タイムズ』社説

◆「精神病棟転換/患者のためになるのか」
 『信濃毎日新聞』社説

◆「精神科病棟の転換容認「敷地内退院」では理念ゆがむ」
 『愛媛新聞』社説

◆「病院の住居化 生き直す機会奪われる」
 『東京新聞』『中日新聞』社説

◆「精神科病床転換/根本的な解決にはならない」
 『河北新報』社説

◆2014/05/19 「精神科病院 暮らしの場ではない」(社説)
 『東京新聞』2014年5月19日
 http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014051902000146.html

◆2014/05/19 「患者共生名ばかり」
 『東京新聞』2014年5月19日
 http://www.yuki-enishi.com/senryaku/senryaku-23.pdf

◆2014/06/10 「60歳からの青春〜精神科病院40年をへて〜」・NHK「ハートネットTV」放映予定
 http://www.nhk.or.jp/hearttv-blog/700/188176.html
 番組プロデューサーからの呼びかけ
 「「60歳からの青春〜精神科病院40年をへて〜」というタイトルの緊急企画です。……」

◆2014/07/01 精神科病棟の居住施設転換を容認 長期患者の退院促す
『西日本新聞』2014年07月01日
http://qnet.nishinippon.co.jp/medical/health/20140701/20140701_0002.shtml

 厚生労働省は1日、精神科病院の長期入院患者の退院を促すため、病棟の居住施設への転換を条件付きで認める方針を固めた。精神障害者の地域生活復帰を図
る対策を議論してきた有識者検討会が同日、報告書をまとめ、多数意見として病棟転換の容認を盛り込んだ。

 病棟転換をめぐっては、「単なる看板の掛け替え」「病院が患者を囲い込み、精神障害者の隔離を続けるだけ」と反対運動が起き、議論の焦点になっていた。
厚労省は、来年度の障害福祉サービスの報酬改定や、省令改正などで制度的な対応を図る

◆2014/07/02 精神病床「住居化」、条件付きで容認へ 厚労検討会
『朝日新聞』2014年7月2日

 精神科病院の病床を減らして居住施設に転換する政策案について、厚生労働省の有識者検討会は1日、条件付きで認めることを決めた。同省は病院敷地内にグ ループホームをつくれるよう制度改正を進める。ただし強い反対意見がでたことをふまえ、対象を現在の入院患者に限定し、まず試行的に実施して運用状況を確 認することとした。
 転換案は、長期入院患者が退院して地域で暮らす地域移行が進まない状況を受けて浮上した。しかし障害者団体などが「一生を病院敷地内で過ごすことになり かねない」と反発した。
 この日の検討会でも反対意見が相次いだ。これを受け、今回の措置は対象を原則、現在の入院患者に限る例外的なものと確認。さらに居住施設に住むかどうか 本人の選択の自由を保障▽外出の自由を確保▽病院と明確に区別▽地域移行に向けたステップとして利用期限を決める▽プライバシーの尊重――といった条件付き で、転換を容認することを決めた。
 (中村靖三郎)

◆2014/09/12 『生活をするのは普通の場所がいい STOP! 精神科病棟転換型居住系施設!! NEWS』17号 2014年9月12日

https://jp.mg5.mail.yahoo.co.jp/neo/launch?.rand=2gpaqsjjjk8th#tb=qadjiqoc


◆2014/12/22 関西テレビで病棟転換型グループホームの特集>
 2014年12月22日(月)関西テレビ「スーパーニュースアンカー」18時台精神科病院から退院して地域で暮らすことについての特集が予定されています。
(※急な出来事等があれば放送日時変更あり)

10/3に開催した「病棟転換型居住系施設を考える会・大阪」で入院体験をお話しされた精神障害当事者島田さんと下村さんへの取材が放送されます。
NPO大阪精神医療人権センターの山本深雪さんも出てくるようです。
10/3の集会でも撮影が行われていました。
時間枠は10数分ぐらいだと思いますが、近畿圏の方、ぜひご覧ください。

スーパーニュースアンカー 
18時台の特集バックナンバーはこちら
 http://www.ktv.jp/anchor/today/

NPO大阪精神医療人権センターのブログより
 http://blog.canpan.info/advocacy-osaka/archive/629



■文献の記述など


◆立岩 真也 2014/11/23 「病院と医療者が出る幕でないことがある」,精神保健従事者団体懇談会・第7回精神保健フォーラム

◆2013/12/10 立岩 真也 『造反有理――精神医療現代史へ』,青土社,433p. ISBN-10: 4791767446 ISBN-13: 978-4791767441 2800+ [amazon][kinokuniya] ※ m.

 「[…]病院・医療はこのままの状態では手を引こうとはしない。収入になるならだが、お客が減るとして、減る分をどこかからもってこようとする力は働く。一つ、「移行」について、いったいどれだけのことができるかは別に、またやる気があるかどうかは別に、仕事・収入を維持しようとするなら、それを病院が担おうとすることはありうるし、実際にある。そしてそのことに関わって、政治力があるというだけでなく、治安、結局は医療の監督下にあるということが監督する立場にある行政機関にとって都合がよいという事情も働いているのであれば、病院の敷地内に「移行」のための施設ができるといったことが起こる。そしてもう一つは、新たな客層を採り入れていくことである。実際、日本精神科病院協会がこのところ力をいれてきたのは認知症であり、精神病院はその人たちの受け皿として機能しようとするだろうし、実際すでにしている。そしてより声をあげにくい、出るに出られない人が残る。
 それは結局、本人の苦痛のためでなく――苦痛を軽減するのに入院はほとんどの場合必要とされない――本書で(3)(4)(5)と述べてきたもの、手間がかかること、奇矯であること、危険であることによる。だからここでも何も終わっていない。そして社会防衛批判はまだあるが、それはある人たちからは――「正直」であることがよいと言う人たちからは――正面から誹謗されるか、聞き流される。そして精神医療・疾患に関わる無難な言説の流行はその主題を回避したところで起こったし、私も本書で回避した。だからこれらも継続し、残っている。
 「造反」側は今どうなっているのか。よく知らない。ただ[…]」(立岩[2013:353-354])

◆2014/01/22 長谷川 利夫 「急浮上する「病棟転換型居住系施設」の問題」,『おりふれ通信』
 http://orifure-net.cocolog-nifty.com/

◆2014/02/14 長谷川 利夫 「朝日新聞よ、お前もか――急浮上する「病棟転換型居住系施設」の問題点」

◆立岩 真也 2014/**/** 「病院と医療者が出る幕でないことがある」『精神医療』

◆2014/**/** 池原毅和 「障害者権利条約から見た病床転換型居住系施設の問題点」www.yuki-enishi.com/senryaku/senryaku-18.pdf

◆2014/05/01 立岩真也 「精神医療現代史へ・追記2」『現代思想』42-8(2014-5):8-21

◆2014/05/01 『現代思想』2014年5月号 特集:精神医療のリアル DSM−5時代の精神の<病>

 この件についての言及ある文章
◇立岩真也 「精神医療現代史へ・追記2」 8-21
大熊一夫  「いまだ収容ビジネスの呪縛から逃げられぬ日本 司法精神病院の廃絶に取り組み始めたイタリア」 50-55
浅野弘毅 「精神科病院に「住む」ということ――「病床転換型居住系施設」構想批判」 98-104

◆2014/05/25掲載 「ペッペ・デラックア 病棟転換居住施設にコメント」
 https://www.youtube.com/watch?v=gX2wdZWhI-A&feature=youtu.be

◆2014/06/01 立岩 真也 「精神医療現代史へ・追記3――連載 100」
 『現代思想』41-(2014-6):-

◆2014/06/06 竹端寛/福祉社会学 精神病棟転換型施設を巡る「現実的議論」なるものの「うさん臭さ」
 http://synodos.jp/welfare/9018

◆2014/06/17 障害連事務局FAXレター No.307 2014.6.17(火)

結論持ち越す―病院内の居住施設、疑問の意見続出(検討会)―

 「病棟転換施設の話、もうやめにしましょうよ。今日出た意見は反対意見と条件付き容認意見ばかりでしたよ」との終了間際の発言は説得力があった。
 長期入院精神障害者の地域移行の「検討会」の3回目は6月17日(火)、定員の傍聴人数を大幅に上回るなか開催された。
 「病院が地域支援を行うと採算がとれない厳しい現実がある」や「長期入院者には高齢者が多く、地域の受け入れ態勢がないのが現実」あるいは「一定期間は病院内で地域移行支援を行う」などといった発言もあった。
 これに対して、「病院内の施設で暮らしたら、そこからもう抜け出せなくなってしまう」「病床削減を強く打ちだす必要がある」「再入院しなくても家族が安心できる地域システムが必要」などという意見が出された。
 消費税を財源とする基金のメニューにすでに「病棟転換施設は入っているのか」という質問に、厚労省は、「例えばという事で通所サービスなどを挙げているが、病棟転換施設については検討会の意向を聞いたうえで考える」とした。
 次回は7月1日。
(文:太田修平)

◆2014/06/24 DPI日本会議メールマガジン(14.6.24)第423号

☆──────「われら自身の声」を届けます!──────
   DPI日本会議メールマガジン(14.6.24)第423号
  DPI-JAPAN Mail Magazine

こんにちは、DPIメルマガ編集部です。
6月26日比谷野外音楽堂の緊急集会まであと2日になりました。
当日のプログラム(案)をご案内します。

当日は、念のため、日焼け・熱中症と雨天の両方に対策
(例:帽子、水、合羽など)のうえ、ぜひご参加ください。
また、手話・要約筆記による情報保障が付きます。
ぜひお知り合いの方をお誘いいただけますよう、お願いします。

▽6月26日(木)緊急集会のご案内(DPIブログ)
http://dpi.cocolog-nifty.com/vooo/2014/06/stop626-d05f.html

────────────────────────────
生活するのは普通の場所がいい
STOP!精神科病棟転換型居住系施設 6.26緊急集会
────────────────────────────
厚生労働省「長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策の関わる検討会」
では精神科病棟を居住施設に転換するかどうかの検討が進められており、
現在まさに山場を迎えています。

日本は突出して精神科のベッド(病床)数が多く、
日本の34万の精神科病床が全世界の精神科病床の20%を占めています。
地域に支援があれば退院できる「社会的入院」者は5〜15万人にものぼる
とも言われています。

今年、日本は国連障害者の権利条約を批准しました。今後、日本の
社会的入院の解消が、国際的に見ても大きな課題となることは間違いありません。

これに対し、厚生労働省は精神科の病棟を転換(看板の書き換え)をするだけで、
入院患者の数を減らす(地域移行をしたとみなす)政策を検討しています。
病院内の病棟を名前を変えただけで地域移行したとみなすこの政策は、
2006年に大きな問題になった「退院支援施設」と同じ「看板書き換え」
の政策であり、国連障害者の権利条約の理念に逆行するものです。

そこで、6月26日(木)に日比谷野音での緊急集会が決まりました。
権利条約に違反する病棟転換を許さないために、
ぜひ、みなさんのご参加をお願いします。
お知り合いの皆さんに声を掛け合って、ぜひまた日比谷野音を満杯にしましょう。

■日時:6月26日(木)12時〜15時(開場11時)
■場所:日比谷野外音楽堂(東京都千代田区日比谷公園1-5)
    地下鉄「霞ヶ関」「日比谷」「内幸町」各駅より徒歩2〜4分、
    JR「新橋」「有楽町」各駅より徒歩12分)
    会場地図 http://hibiya-kokaido.com/
■参加費:無料
■申し込み:申込不要、直接会場にお越しください
※手話・要約筆記による情報保障あり

■プログラム(案)※手話、PC要約筆記有り
11時  開場
12時  開会行事
    1.開会宣言
2.基調報告「なぜ、病棟転換型居住系施設を認めてはならないのか?」
     長谷川利夫(杏林大学保健学部作業療法学科教授)
3.来賓・連帯挨拶(共感と応援メッセージ)

・私たちの声を聞いて! リレートーク パート1 
   *長期入院を経験した人たちから
   *ご家族の立場から 
   *支援者の立場から
   *再び当事者の皆さんから
・私たちの声を聞いて! リレートーク パート2
   *障害の違いを乗り越えて!各分野・関係者からの訴え
   *障害者権利条約批准後、なぜ病棟転換なのか!これからの施策に係わる問題!

14時40分閉会行事
    1.集会アピール案・提案
   2.シュプレヒコール  
   3.行動提起
   4.閉会挨拶

※手弁当での集会開催に当たり、ぜひカンパのご支援をお願いいたします!
・一口 1000円 何口でも大歓迎
・振込先:郵便振替、口座番号 00510‐9‐85529
 加入者名 病棟転換型居住系施設について考える会

◇主催:病棟転換型居住系施設について考える会

◇連絡先・お問い合わせ:
長谷川利夫(杏林大学保健学部作業療法学科教授)
〒192-8508 東京都八王子市宮下町476 杏林大学保健学部 精神障害作業療法研究室内
電話 042-691-0011(内線4534)、携帯電話 090-4616-5521、メール
stopbttk@yahoo.co.jp

▽詳細はこちら(病棟転換型居住系施設について考える会ブログ)
http://blog.goo.ne.jp/tenkansisetu/e/cafd0c09e4bb53649a26414853f2d263


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ぶつぶつ

長期入院精神障害者の地域移行に向けた
厚生労働省の検討会を傍聴し、
4年前に観たお芝居『編み物クラブ』のことを
思い出しています。

これは英国の80年代の政府の方針による
精神科病院閉鎖により、
長期入院患者を地域に帰す過程を描いたものでした。

舞台の最後で主人公の看護師は病院閉鎖後、
ギリシャに移りそこでも精神科病院で働いていること、
「そこではまだ病院改革は行われておらず、
人々は病院の中で亡くなっている」ことを話していました。

なお、中国雲南省の精神科病院を描いた映画『収容病棟』
(東京ではシアター・イメージフォーラムにて、
6月28日(土)から上映)の情報もいただいたので、
共有させていただきます。

【寄付・募金のお願い】
●DPI日本会議への寄付・募金によるご支援はこちら
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※DPI日本会議は認定NPO法人に認定されており、募金・寄付は控除の対象になり
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◆障害連事務局FAXレター No.308 2014.6.26(木)

 「3200名参加 6.26緊急集会
 「病院より、地域で暮らしたい」

「病院はとても不自由だったが、退院して地域でやりたいことをやって暮らせていて満足だ」とは、長期に入院していて、いま地域生活をされている方の発言。当事者、家族、医療従事者など様々な立場の人が、病棟転換型施設のおかしさ、問題点を語った。一人ひとりの発言には胸にくるものがあった。
 生活をするのは普通の場所がいいSTOP!精神科病棟転換型居住系施設!!6.26緊急集会は、6月26日(木)日比谷野外音楽堂で、北は北海道から南は沖縄まで、全国各地から3200名が参加し、運動に弾みをつけた。
 駆けつけてくれた国会議員の人たちは、「これは権利条約に反するもの、政府をただしていきたい」と発言した。
 またJDやDPI、難聴者中途失聴者団体連合会、盲ろう者協会などからも、「連帯していきたい」旨のあいさつがあった。
 最後に、病棟転換型居住系施設は、「他の者との平等」を掲げる障害者権利条約に反し、この構想の検討をやめ、社会資源や地域サービスの構築を急ぐことを求めた緊急アピールを採択した。
(文;太田修平)」

◆障害連事務局FAXレター No.309 2014.7.2(水)
 「病棟転換居住施設、検討会認める

 最も警戒する結論となった。「病床削減や障害者権利条約の観点からどうか」という条件を付けながら、病棟転換居住施設を試行的に行う方向性が厚労省の検討会の報告書に盛り込まれることになった。
 7月1日(火)の検討会は報告書をまとめるための最後の議論を行った。
 当事者の委員や、家族の委員、地域で支援している事業者の委員たちは、この病棟転換居住施設について、「病院による精神障害者の囲い込みにつながり、権利条約の観点からもおかしく、看板のかけ替えで、長期入院者の解消に決してつながらない」と、最後までこの結論に異議を唱えた。
 また議論では、その他の委員からも、病棟転換居住施設は諸外国の例からもリスクが高い、ことの指摘がなされていた。
 しかし、病棟転換居住施設を認めるという内容の報告書が最終的にはまとめられたのである。
 今後、厚労省や関係者には、当事者や家族が強く警戒し反対していた経過をしっかり踏まえ、それを基本にこの問題への対応をすることを強く求めていきたい。
 思い切った地域の体制整備をすることこそが強く求められる。
 (文:太田修平)」

◆2014/07/10 DPI日本会議メールマガジン(14.7.10)第424号

☆──────「われら自身の声」を届けます!──────
   DPI日本会議メールマガジン(14.7.10)第424号
  DPI-JAPAN Mail Magazine
☆───────────────http://www.dpi-japan.org/

こんにちは、DPIメルマガ編集部です。

今号では、DPI日本会議が参加している、
「病棟転換型居住系施設について考える会(以下、考える会)」主催の6・26緊急集会の報告、
その後の厚労省検討会の動き、検討会の取りまとめ(案)に対する「考える会」緊急声明についてお知らせします。

6・26緊急集会は天候にも恵まれ、3,200人が参加しました。
また、当日カンパ664,371円、振り込みなど賛同カンパ208,182円を含めると
計872,553円が集まりました。
お声かけ、ご参加くださった皆様、カンパをお寄せいただいた皆様、
ご協力本当にありがとうございました。

日比谷野音ステージで行われたリレートークでは、実際に長期入院を体験された方がたをはじめ、
当事者団体・支援者・医療専門職・障害者団体・国会議員らが次々に反対の意見を述べました。
DPI日本会議を代表して平野みどりが、熊本県での差別禁止条例づくりに見られる障害種別を超えた連帯を紹介するとともに、
病棟転換型施設を長期入院者の地域移行とする案が障害者権利条約に反するものであると述べました。

▽病棟転換型居住系施設について考える会ブログ
6・26緊急集会 当日の様子と写真
http://blog.goo.ne.jp/tenkansisetu/e/22b3c84ee8b10b48165d657aed8b2203

6・26緊急集会の報告とお礼、緊急アピール
http://blog.goo.ne.jp/tenkansisetu/e/5a9ef8284b77a44ebe62edebb19deb31

しかし集会後の7月1日に開催された第4回「長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策に係る検討会」では、
検討会内外での多くの当事者・家族・支援者の反対の声にもかかわらず、
病棟転換型居住系施設を条件付けで容認する内容を含む「今後の方向性(取りまとめ)」(案)をもって終了しました。
下記に同検討会資料と、この取りまとめ(案)に対し「考える会」が7月3日に発表した緊急声明を紹介します。

▽厚生労働省 第4回 長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策に係る検討会 資料
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000050139.html

厚生労働省 「取りまとめ(案)」は残念な内容となりましたが、実際に病棟転換型居住系施設を実行するのは都道府県であり、
今後、地域において断固として病棟転換型居住系施設を作らせないための自治体への訴え、
病院敷地内ではない地域への退院移行施策の充実が鍵になります。
DPI日本会議ではこの問題に関して今後とも取り組みを進めていきます。
引き続きのご協力どうぞよろしくお願いします。

◆2014/07/15 障害連事務局FAXレター No 310 2014 7.15(火)

 「私たちの生活に関わる9項目を要望!
  7月7日(月)、障害者の地域生活確立の実現を求める全国大行動による厚生労働省との交渉が行われ、障害種別を超えて当事者が参加した。
 「あなた(厚労省の担当者)も病院に10年いてごらんなさい」という発言があったのは、病床転換型居住系施設の不可を求めた場面。病床転換は「精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針等に関する検討会」で提起されたもの。交渉でも厚労省はこれを認めるような説明をしたため、参加者は「調査でも8割が反対している。反対集会には約3000人集まった。これを無視するのか」「検討会には、なぜ精神障害者が2名しかいないのか」などと追求した。
 障害者総合支援法の「障害者の範囲」は、今後検討される難病法の指定難病と必ずしも同一の病名だけが対象になるのではなく、支援の必要性も踏まえて検討するという説明があった。「検討規定」については、厚労省内でも未だに話し合われていないことがわかった。参加者からは「知的障害、精神障害の当事者を十分に交えて検討をしてほしい」という要望が出された。
 その他、「私が入院するとヘルパーが転職せざるを得なくなる。入院中もヘルパーを使えるようにしてほしい」といった入院時のヘルパー利用の問題や、「コミュニケーション機器の値段は高い傾向にある。安価になるよう市場誘導をしてほしい」という意思疎通支援の課題も提起された。
 (文:西田・尾上(裕))」



■その他


◆2014/05/07 https://twitter.com/koji_onoue/status/463966730696396801
 「Koji Onoue ?@koji_onoue 「病棟転換施設問題」も取り上げられます!→5/10大阪精神医療人権センター主催 シンポジウム 〜「今、求められる『権利擁護制度』とは」: DPI Vooo! (a Voice Of Our Own) http://bit.ly/1pW7BPD

◆2014/05/07 https://twitter.com/koji_onoue/status/463968758030020608
 「Koji Onoue ?@koji_onoue 今年2/3の障害者政策委員会で「病棟転換施設」が取り上げられ、「特定の生活施設を義務づけるもので権利条約に反する」「障害者を2級市民とみなすもの」等との反対意見相次ぐ。結論までに政策委員との意見交換を確認 政策委員会議事録→ http://bit.ly/1ssa9DG

◆2014/05/07 https://twitter.com/koji_onoue/status/463968743962320897
 「Koji Onoue ?@koji_onoue 厚労省検討会では6月に結論を出す日程が示されています→「病棟転換施設」にストップを! 5月20日(火)STOP精神科病棟転換型居住系施設!!院内集会: DPI Vooo! (a Voice Of Our Own) → http://bit.ly/RaSYrR

◆2014/05/05 https://twitter.com/ragshun/status/463502804774973441
 「高木俊介 ?@ragshun 【現代思想 2014年5月号 特集:精神医療のリアル】 「DSM-5時代の精神の<病>」と現代思想らしい副題がついているが、実質は<精神科病棟転換型居住系施設反対特集>。... http://fb.me/40RgBpmCZ

◆2014/05/02 https://twitter.com/ttoo20/status/462480265856557056
 「ttoo20 ?@ttoo20 " 言うまでもなく、精神科病院に入院している人が帰るべき場所は、「地域」です。現在ある病棟に手を加え、それを「施設」としてもそこは「地域」ではありません。" 病棟転換型居住系施設について考える会http://blog.goo.ne.jp/tenkansisetu/e/b931c4c43743a97895930cd4296a4a48 … @hasegawakakuriさんから」


*作成:立岩 真也桐原 尚之
UP: 20140221 REV: 20140223 0326 0502, 09, 27, 28, 0607, 10, 14, 0813, 0918, 1220, 20150110, 0201, 19, 20, 0228, 0322
精神障害/精神医療:2013  ◇精神障害/精神医療:2014  ◇精神障害/精神医療:2015  ◇精神障害/精神医療 
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