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「生存」の人類・社会学研究会

2009年度グローバルCOEプログラム「生存学」創成拠点院生プロジェクト
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2010年度 「生存」の人類・社会学研究会
2011年度 「生存」の人類・社会学研究会




■ 計画 ■
◆研究課題:「障老病異」の生存実践を研究する人類・社会学者ネットワーク構築と調査方法論開発に向けた研究

◆プロジェクト研究メンバー:計6名 *所属などは2009年度当時
【研究代表者】
吉田 幸恵 立命館大学大学院先端総合学術研究科博士課程公共領域
【研究分担者】
冨田 敬大 立命館大学大学院先端総合学術研究科博士課程共生領域・日本学術振興会特別研究員DC
新山 智基 立命館大学大学院先端総合学術研究科博士課程公共領域・日本学術振興会特別研究員DC
有薗 真代 日本学術振興会特別研究員PD(立命館大学)
安部 彰  立命館大学衣笠総合研究機構ポストドクトラルフェロー
【総合アドバイザー】
永田 貴聖 立命館大学衣笠総合研究機構ポストドクトラルフェロー

≪研究に協力してくれる人々≫
佐藤 量 大阪市立大学都市研究プラザ・GCOE特別研究員
松田 有紀子 立命館大学大学院先端総合学術研究科博士課程共生領域

※事業推進担当者
天田 城介 (立命館大学大学院先端総合学術研究科准教授)

Ⅰ.研究内容等および「生存学」創成拠点にもたらす効果
①研究内容、目的、意義
 近年、人類・社会学分野の若手研究者たちが中心となり、「障老病異」に直面し、様々な問題を抱えている人々が展開する「生存」を確保するための日常的な実践に焦点を当てる研究の蓄積が徐々に進みつつある。この様な流れを念頭に置き、本研究は、「生存学」創成拠点において、主にフィールド調査に基づいた研究により、新たな展望を確立しつつある人類・社会学者たちが「『生存』の人類・社会学」という一つの学問領域を構築するため、調査方法論を開発するための場を設けることを目的とする。

②「生存学」創成拠点にもたらす効果
 これまで、本GCOE創成拠点においては、主に日本国内における「障老病異」に関する問題が中心に論じられてきた。中でも、医療、福祉、介護に従事する人々や、障害を持つ当事者が研究の担い手になる場を設けてきた。しかし、開発途上国など社会経済状況が不安定な中において、多くの人々が「障老病異」に関連する困難な状況に陥る過程、さらに、困難な状況を回避するための実践に焦点を当てた研究を蓄積する作業をこれまで以上に進める必要がある。
 本研究グループでは、上述した関連問題における国内・海外での事例研究と調査方法論の比較という問題の集約とデータベース化に取り組む予定である。結果として、国内及び、多様な困難な状況に置かれている人々による「生存」実践に注目する研究の蓄積と情報交換発信拠点、「『生存』の人類・社会学」が確立される予定である。

Ⅱ.研究計画・方法・研究成果発表の方法
 主に医療、福祉、難病施設などの社会関係、海外での現場に焦点を当て、調査を実施している本拠点関係院生を中心に構成した研究会を月1回のペースで開催する。その報告した成果、参照文献などを「『生存』の人類・社会学研究会」のHPに掲載することで、逐次更新を行い、情報の蓄積と共有化を推進する。
 また、1月には、他大学からの若手研究者を招請し、「障老病異」もしくは貧困や制度・社会体制の変化などにより、「生存」が脅かさせている人々が生存するために展開する実践に焦点を当てた事例研究、さらに、調査方法論の共有と意見交換を目的とするワークショップを開催する。
 具体的な招請者は、地域と近代の医学、さらに呪術などを混合した脱近代的な医療実践について人類学的に研究している研究者、経済の近代化によって、生業を失いつつある人々が、そこにやってきたNGOが展開する生計プロジェクトや、教育プロジェクトへの参加を通して新たな「生存」戦略を模索することに、NGOワーカー、研究者両方として関わっている研究者、地域医学と近代医学、また、保険制度などを活用し、医療へのアクセシビリティを考察している研究者、その他、コメンテーターとして、京阪神地域に在住する関連分野の次世代研究者2名以内である。このワークショップには本プロジェクトメンバーによる、以下の研究報告も含まれている。途上国で猛威を振るいながら対策が行き届いていない「顧みられない熱帯病」に対する国際NGO対策の変遷についての研究、モンゴルにおける経済システム転換以降の牧畜の生き残りについての研究、ハンセン病療養施設での療養者間の関係や自治活動を「生存戦略」として肯定的に解釈する研究などの報告である。
 ワークショップ開催後、HP上によるレポートの公開、報告者が使用した文献リストの登録などを行い、アウトリーチと情報共有に努める。


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■ 活動/成果 ■
◆ワークショップ開催◆
テーマ フィールドワークの「生存学」
日時:2010年2月27日土曜日 午後1時~6時
場所:立命館大学衣笠キャンパス 末川記念会館第3会議室
京都府京都市北区等持院北町56-1
URL:http://www.ritsumei.jp/campusmap/pdf/kinugasa_map.pdf

□司会□
永田 貴聖(立命館大学衣笠総合研究機構ポストドクトラルフェロー)

○スケジュール○
13:00~13:10 趣旨説明(永田貴聖)

13:10~14:00 報告① 玉置 真紀子(江戸川大学非常勤講師)
「正三角形を描く-先住民族住民組合とフィリピンNGO、日本NGOの取り組み」
 ミンダナオ島山岳部の先住民族ティボリとマノボ住民からなるB村を舞台に、フィリピンの先住民族支援NGOの活動と、そのNGOとパートナーシップを結ぶ日本のNGOの活動を報告する。開発援助の現場に長期に関わることで見えてきたもの、気づいたことを、現時点で成功事例とされるプロジェクトと偶然に左右された事例から紹介し、三者それぞれの「プロジェクト」に対する認識を明らかにする。そのうえで2009年11月よりB村で始まった植林プロジェクトの5年後、10年後をともに考えたい。

14:10~15:00 報告② 浜田 明範(産業能率大学兼任講師)
「2つの相互性を往復する:ガーナ南部における健康保険の受容をめぐって」
 2004年、ガーナ共和国は構造調整以降初めての大規模な医療費制度改革として国民健康保険計画を導入した。これを受けて、ガーナ南部の農村地域ではわずか4年の間に人口の60%強が加入するという驚異的なスピードで健康保険が普及している。本発表では、当該地域で暮らす人々がどのように健康保険を経験しており、その経験が貯蓄や社会関係のあり方とどのように関連しているのかを具体的な事例に即して報告する。

当日配布資料(PDFファイル)
15:10~16:00 報告③ 東 賢太朗(宮崎公立大学専任講師)
「呪いには虫の糞がよく効く―呪術のリアリティからアクチュアリティへ」(仮)
 これまで、呪術研究において盛んに行われてきた呪術についての主知主義的アプローチは、呪術的な「知識」についてある程度の知見に達していると考える。しかしながら、それらの立場は、実際に呪術的な実践が展開される現場の淡々とした、それでいて切実な「行為」の側面を軽視しがちではなかっただろうか。
 本発表では、フィリピン地方都市におけるある1名の女性呪医による病治しの活動から、一見して非合理な呪術的行為が日々継続していく状況を提示する。その上で、「物語り論」や「プラグマティズム」によりながら呪術的行為が発生し持続する動態について分析し、最終的に呪術的な行為をアクチュアリティという思想的ポテンシャルへと連結することを試みる。

16:10~17:00 コメント
天田 城介(立命館大学先端総合学術研究科准教授)
※玉置さんの報告へのコメント
山崎 吾郎(日本学術振興会特別研究員PD・大阪大学)
※浜田さんの報告へのコメント
渡辺 公三(立命館大学先端総合学術研究科教授)
※東さんの報告へのコメント

17:00~17:30 質疑応答

18:00~ 懇親会(大学付近)

◆主催:
立命館大学グローバルCOEプログラム「生存学」創成拠点/立命館大学生存学研究センター
「生存」の人類・社会学研究会(立命館大学グローバルCOEプログラム「生存学」創成拠点院生プロジェクト)

◆事前申込み不要・無料
◆お問い合せ先
永田(E-mail:ant05003[アットマーク]fc.ritsumei.ac.jp)
※お願い:駐車場がございませんので、ご来場の際は公共交通機関をご利用ください。


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◆研究会開催◆


【ブルーリ潰瘍問題調査報告】トーゴ共和国・ベナン共和国の実態
-病院施設の現状、in-hospital education(病院内教育)支援、NGOの取り組みを中心に-

報告者:新山 智基(立命館大学大学院先端総合学術研究科・日本学術振興会特別研究員DC)

日時:2010年3月29日月曜日 午後4時~5時半
場所:立命館大学・衣笠キャンパス 創思館412号室
京都府京都市北区等持院北町56-1
URL:http://www.ritsumei.jp/campusmap/pdf/kinugasa_map.pdf
※報告終了後、大学付近で懇親会を予定

◆主催:
立命館大学グローバルCOEプログラム「生存学」創成拠点/立命館大学生存学研究センター
「生存」の人類・社会学研究会(立命館大学グローバルCOEプログラム「生存学」創成拠点院生プロジェクト)

◆事前申込み不要・無料
◆お問い合せ先
永田(E-mail:ant05003[アットマーク]fc.ritsumei.ac.jp)
※お願い:駐車場がございませんので、ご来場の際は公共交通機関をご利用ください。


*作成:永田 貴聖
UP: 20091117 REV :20100111, 0119, 0120, 0126, 0202, 0321, 0416, 0617, 0723, 20111014
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