ジンバブエ連立政権、閣僚ポストの配分めぐり暗礁
* 2008年10月13日 05:32 発信地:ハラレ/ジンバブエ
【10月13日 AFP】ジンバブエの野党、民主変革運動(MDC)党首のモーガン・ツァンギライ(Morgan Tsvangirai)議長は12日、与党、ジンバブエ・アフリカ民族同盟愛国戦線(ZANU-PF)のロバート・ムガベ(Robert Mugabe)大統領が連立政権の主要ポストに与党議員を指名したため、連立合意を撤回すると警告した。
ジンバブエ政府は11日、ムガベ大統領が国防と内務、外務、司法、地方政府、通信など14省にZANU-PFの議員を指名したと発表した。これは、 1980年の独立以来、権力の座にあるムガベ大統領が、軍や警察など国の安全保障機関への実質的支配権を維持することを意味する。
ツァンギライ議長は、ムガベ大統領が発表した閣僚名簿に固執するならば、連立合意そのものを交渉し直す用意があると述べた。(c)AFP/Fanuel Jongwe
EU、閣僚ポスト配分問題でジンバブエ大統領を批判
ハラレ(AP) ジンバブエのムガベ大統領が、連立政権の主要閣僚ポストを最大野党・民主変革運動(MDC)に割り当てることに消極姿勢を示している問題で、英国をはじめとする欧州連合(EU)は13日、ムガベ大統領を非難した。
EUの会合に出席したミリバンド英外相は、記者団に対し、EUがムガベ政権による権力掌握を支持しない方針を明言。野党が勝利した今年3月のジンバブエ大統領選の結果の尊重を求めているのが「国際社会の一致した反応」であると述べた。
ミリバンド外相はまた、ジンバブエ与野党の仲介役になっている南アフリカのムベキ前大統領が、先月合意された連立政権樹立に向けて問題を解決することに期待感を示した。
EU各国の閣僚らはムガベ大統領とMDC指導者のツァンギライ議長に対し、歩み寄りを促す声明を発表する予定。声明の草稿は、両者に挙国一致内閣で合意し、改革推進と人道危機対策に取り組むよう求めている。
ツァンギライ氏は11日に発表された閣僚名簿で、主要ポストに与党ジンバブエ・アフリカ民族同盟愛国戦線(ZANU―PF)の党員が指名されたことを批判。MDCに割り当てられた閣僚ポストは重要度が低いと主張し、12日にMDCが連立政権から離脱する可能性を警告した。
連立政権をめぐる与野党間協議、不調に終わる ジンバブエ
* 2008年10月15日 09:42 発信地:ハラレ/ジンバブエ
【10月15日 AFP】14日に南アフリカのターボ・ムベキ(Thabo Mbeki)前大統領の仲介で行われた、ジンバブエのロバート・ムガベ(Robert Mugabe)大統領と野党・民主変革運動(Movement for Democratic Change、MDC)党首のモーガン・ツァンギライ(Morgan Tsvangirai)議長との連立政権のポスト配分をめぐる協議は、7時間にわたったものの互いの意見の相違を埋められず不調に終わった。一方で、連立合意を維持するため、協議は継続されることになった。
ツァンギライ議長は協議終了後、今回は結論は出なかったものの、15日の午前10時から引き続き協議を行うと語った。ムガベ大統領側も同様のコメントを出した。
ツァンギライ議長は12日、ムガベ大統領が連立政権の主要ポストに与党・ジンバブエ・アフリカ民族同盟愛国戦線(ZANU-PF)議員を指名したため、連立合意を撤回すると警告していた。
MDC側は、ムガベ大統領が軍や警察、そのほかの治安機関を実質的支配下に置くことは連立合意の精神に反することだとし、同大統領に対し協議の行き詰まり打開を求めている。(c)AFP/Godfrey Marawanyika
年間インフレ率2.3億%のジンバブエ、新5万ドル札発行
* 2008年10月15日 00:19 発信地:ハラレ/ジンバブエ
【10月15日 AFP】激しいインフレに苦しむジンバブエで14日、新5万ドル札が発行された。新札には、透かしなどの偽札対策がとられていないという。
ジンバブエの年間インフレ率は2億3100万%に達している。(c)AFP
ジンバブエの連立政権協議が不調
2008年10月18日12時36分
【ナイロビ=古谷祐伸】ジンバブエからの報道によると、3月の大統領選後の政情混乱の打開に向け、与野党で続けられている連立政権協議は、17日までの集中会合で合意が得られず、不調に終わった。仲介役の南アフリカ前大統領のムベキ氏は同日、両者が20日のアフリカ南部諸国の会合で話し合いを続けるとしており、交渉決裂との見方を否定した。
ムガベ大統領の与党「ジンバブエ・アフリカ民族同盟愛国戦線」(ZANU―PF)と、最大野党「民主変革運動」(MDC)とその分派は、9月中旬、連立政権作りで事態を解決することに合意。MDCのツァンギライ議長が首相に就任することが決まっていた。だが財務相や警察を管轄する内務相など、主要閣僚ポストの配分をめぐり交渉が難航していた。
ジンバブエの連立政権協議、野党党首は欠席 スワジランド
* 2008年10月21日 01:37 発信地:ムババーネ/スワジランド
【10月21日 AFP】アフリカ諸国首脳は20日、ジンバブエの連立政権をめぐる特別会議をスワジランドの首都ムババーネ(Mbabane)で開始したが、ジンバブエの野党、民主変革運動(Movement for Democratic Change、MDC)のモーガン・ツァンギライ(Morgan Tsvangirai)議長は渡航書類の到着が遅れたことに抗議し欠席した。
ツァンギライ議長はロバート・ムガベ(Robert Mugabe)ジンバブエ大統領ならびに各国首脳4人と会談する予定だった。ジンバブエの連立政権をめぐる交渉は5週間にわたり行き詰まっている。
MDCはツァンギライ議長が緊急渡航書類を受け取ったのは19日午後だったとし、これは連立合意で首相就任が予定されている人物に対する「侮辱だ」と述べた。
ツァンギライ氏に対しては、1年近く通常のパスポート取得が認められておらず、1回の渡航ごとに緊急渡航書類が必要となる。(c)AFP/Sibongile Khumalo
ジンバブエ連立交渉、野党党首不在で次週に延期
* 2008年10月21日 08:41 発信地:ムババーネ/スワジランド
【10月21日 AFP】20日にスワジランドの首都ムババーネ(Mbabane)で開かれたジンバブエの連立政権をめぐる特別会議で、アフリカ諸国首脳らはジンバブエの野党、民主変革運動(Movement for Democratic Change、MDC)のモーガン・ツァンギライ(Morgan Tsvangirai)議長に対し出席するよう説得に努めたが、失敗に終わった。これにより連立交渉は依然暗礁に乗り上げたままとなった。
今回の会議でロバート・ムガベ(Robert Mugabe)ジンバブエ大統領ならびに各国首脳らと会談する予定だったツァンギライ議長だが、渡航書類の到着が遅れたことに抗議し会議への参加を取りやめていた。
ジンバブエの連立政権をめぐっては、ムガベ大統領とツァンギライ議長の直接交渉が前週、警察など治安部隊を管轄する内務省を始めとする閣僚ポストの配分をめぐり決裂。以来、アフリカ諸国の首脳が仲介に乗り出している。
9月15日の連立政権についての合意では、ツァンギライ議長は首相に就任する予定だが、今回の会議では進展はなかった。次回の会議は1週間後にジンバブエで開かれる予定。(c)AFP/Alexandra Lesieur
ジンバブエの食糧不足深刻 WFP、140億円援助訴え
2008年10月21日23時15分
【ナイロビ=古谷祐伸】世界食糧計画(WFP)はこのほど、深刻な食糧不足に苦しむジンバブエが09年4月までに1億4千万ドル(140億円)分の援助を必要としている、と発表した。
現地では猛烈なインフレが進んでおり、物価上昇率は年率2億3100万%にも達する。WFPは、ジンバブエ南部を中心に多くの農民が肥料や種すら買えず、家畜と交換でわずかな食糧を手に入れてしのぐ状態にあると警告。今後、500万人に援助が必要になるとみている。
ジンバブエでは、白人が所有する土地を強制収用する土地改革が本格化。農業知識のない新農場主らのために生産量が落ち、干ばつやエイズ患者の増加も相まって食糧不足が深刻化した。政府が6月から約3カ月間、NGOに対し「野党寄りだ」と批判して活動を禁じたことが、危機に拍車をかけたとされる。
3月の大統領選から政情不安も続き、連立政権作りで9月に与野党が合意したものの詰めの交渉が難航。経済立て直しは手つかずの状態だ。
ジンバブエで象牙3.7トン競売に、売上額に落胆の声も
* 2008年11月04日 10:30 発信地:ハラレ/ジンバブエ
【11月4日 AFP】ジンバブエで3日、中国と日本の業者限定の象牙の競売が行われ、象牙3.7トンが48万7162ドル(約4800万円)で競り落とされた。CITESが発表した。
今回の競売は、「ワシントン条約(Convention on International Trade in Endangered Species、CITES)」の締約国が承認し、南部アフリカ4か国で実施されている中国と日本のバイヤー向けに行なわれたもの。
ジンバブエ政府関係者は今回の売上げについて、「もっと値がつくと思っていた。バイヤーが限られているとこういうことになる」と述べ、象牙の価格が思うように伸びなかったことに落胆をあらわにした。
競売では各国政府が所有する象牙在庫108トンが、日本と中国向けに競売にかけられる。自然保護運動家らからは、規制当局の目を盗んで密猟者が違法品をすべりこませる機会になるのではないかとの懸念の声も上がっている。
ナミビアでは前月28日に競売が実施され、象牙約7トンが約110万ドルで、ボツワナでは同31日に実施され44トンが710万ドルで落札された。今月6日には南アフリカで51トンが競売に掛けられる。(c)AFP
象牙4tの競売、日中の業者が独占―ジンバブエ
モバイル版URL : http://rchina.jp/article/25500.html
2008年11月3日、アフリカのジンバブエで同国が所有する象牙の在庫約4tが、日本と中国のバイヤー限定の競売に掛けられ、およそ50万ドル(約4900万円)で落札された。国際オンラインが伝えた。
今回の競売は、ワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約:CITIES)の委員会が07年、全体会議で承認したもの。会議では、ナミビア、ボツワナ、ジンバブエ、南アフリカ共和国の4か国が在庫として所有する象牙約100tの輸出が許可された。収入はゾウの保護や生存環境の改善にあてるとされている。日本と中国は、この会議で唯一象牙の輸入を許可された。
南部アフリカにおける象牙の競売は、今回で3か国目。先週は、ナミビアで7t、ボツワナで44tが競売に掛けられた。次は南アフリカ共和国で51tが競売に掛けられる予定。これらの象牙は全て、自然死したゾウから採取したものだという。(翻訳・編集/NN)
ジンバブエ大統領、オバマ氏に書簡=対米関係修復の用意
【ロンドン7日時事】ジンバブエからの報道によると、ムガベ大統領は7日付の国営紙ヘラルドでオバマ次期米大統領あての書簡を公表、大統領選での勝利を祝福するとともに、「米国との関係を修復する用意がある」と表明した。
同大統領は書簡で「二国間関係の改善に努める用意があることを確約する」と明言。その上で「途上国のわれわれは、社会を発展させる政策の遂行に向け、あなたの政府と仕事ができることを期待している」と呼び掛けた。(2008/11/07-20:28)
南部アフリカ開発共同体「ジンバブエは即時連立政権樹立を」
* 2008年11月11日 00:33 発信地:ヨハネスブルク/南アフリカ
【11月11日 AFP】ジンバブエの連立政権合意が10日、崩壊寸前にある。9日に南アフリカのヨハネスブルク(Johannesburg)で開かれた南部アフリカ開発共同体(Southern African Development Community、SADC)の緊急会合で、各国首脳はジンバブエ与野党党首を説得できない一方で、忍耐の限界を示した。
12時間におよぶ非公開の協議でも、ジンバブエのロバート・ムガベ(Robert Mugabe)大統領による、野党・民主変革運動(Movement for Democratic Change、MDC)モーガン・ツァンギライ(Morgan Tsvangirai)議長への歩み寄りをもたらすことはできなかった。
SADCのトマス・サロマン(Tomaz Salomao)事務局長は、ジンバブエがSADCの支援継続を希望するならば連立政権を「即時」樹立するようにと呼び掛けた。(c)AFP/Aderogba Obisesan
ジンバブエでコレラまん延の恐れ、約300人が死亡
* 2008年11月22日 05:25 発信地:ハラレ/ジンバブエ
【11月22日 AFP】国連(UN)は21日、ジンバブエで約300人がコレラで死亡したと発表した。ジンバブエ保健当局は前例のない全国規模の感染と格闘している。
スイス・ジュネーブ(Geneva)に拠点を置く国連人道問題調整部(UN Office for the Coordination of Humanitarian Affairs、OCHA)は声明で「コレラ感染は全国に拡大している。全地域から感染の報告を受けている」と述べた。18日までのコレラ感染の疑いがある事例は6072件、死者は294人に上っている。
ジンバブエの保健当局は、21日までに国内10州のうち9州で感染が確認されたと述べた。
OCHAによると、南マタベレランド(Matabeleland South)州Beitbridgeの保健施設では、1日当たり200人が入院しているという。(c)AFP/Godfrey Marawanyika
カーター氏らの入国拒否 政治混乱が続くジンバブエ
2008.11.22 23:39
カーター元米大統領、アナン前国連事務総長らは22日、滞在先の南アフリカの最大都市ヨハネスブルクで記者会見し、大統領選をめぐる政治混乱が続くジンバブエの人道状況を調査するため入国を計画していたが、ジンバブエ側が査証発給を拒否、入国を断念したことを明らかにした。
ジンバブエは政治混乱に加え、超インフレで経済も崩壊状態となり、衛生インフラが老朽化。首都ハラレではコレラが流行し、AP通信によると、294人が死亡した。カーター氏は「ジンバブエ政府の指導者らが、国民を助けることに関心を持っていないことは明らかだ」と述べ、強く非難した。(共同)
アナン前国連事務総長らにビザ発給拒否 ジンバブエ
2008年11月23日22時17分
【カイロ=井上道夫】アナン前国連事務総長、カーター元米大統領らは22日、滞在先のヨハネスブルクで記者会見し、人道状況を調査するためジンバブエに入ろうとしたところ、同国に査証(ビザ)の発給を拒否され、入国を断念したと発表した。AP通信などが伝えた。
査証を発給しない理由についてジンバブエ政府系紙は18日付の記事で「ジンバブエ政府は、与野党間の協議が続いていることや、農繁期で忙しいため、訪問時期を先延ばしすることを求めた」と説明。一方で、「人道支援と言いながら、訪問目的が野党支援の可能性がある」とする当局者のコメントも掲載した。
これに対しアナン氏は「(発給拒否に)正当な理由がない」と述べ、カーター氏も「ジンバブエ政府の指導者が国民を助けることに関心を持っていないことは明らかだ」と批判した。
大統領選をめぐる混乱が続くジンバブエでは、9月に与野党が連立政権樹立に合意したが、閣僚ポストの配分で対立が続いている。
アナン、カーター両氏らの人道調査団を拒否と、ジンバブエ
ヨハネスブルク(CNN) アナン前国連事務総長は22日、ジンバブエ政府が同氏、カーター元米大統領を含む人道調査団の入国を拒否したと述べた。ジンバブエでは今年3月の大統領選後、連立政権樹立をめぐる与野党間の対立が続き、政局の緊迫や経済疲弊に直面している。
アナン氏はヨハネスブルクでの記者会見で、調査団はジンバブエに週末に入国予定だったが、同国政府の非協力的な姿勢で断念したと述べた。一方、ジンバブエ外務省当局者は、入国の延期を求めただけで拒否したわけではないと反論。アナン氏は訪問の目的と時期について事前に相談していなかったと主張している。
カーター氏らは、ジンバブエで国民の窮境や最近判明したコレラ流行などの実態を調査し、援助の方途を検討する予定だった。
ジンバブエの国営紙ヘラルドは調査団の入国について、連立政権の閣僚ポストの配分をめぐって長期独裁政権を敷くムガベ大統領、与党ジンバブエ・アフリカ民族同盟愛国戦線(ZANU―PF)と対立する最大野党・民主変革運動(MDC)を側面支援するのが目的と主張している。与野党間の権力闘争が長引き、連立政権合意が崩壊する危機にも直面している。
ジンバブエでコレラ流行、死者294人
2008年11月25日20時16分
【カイロ=井上道夫】国連人道問題調整事務所(OCHA)はアフリカのジンバブエでコレラが流行し、今年1月から今月18日までに294人が死亡した、と発表した。
感染は首都ハラレを中心に広がっており、感染が疑われる患者は約6千人に達した。清潔な飲み水を確保できない貧困層が大多数を占めているという。
コレラ流行のジンバブエ、首都で給水停止
* 2008年12月02日 04:18 発信地:ハラレ/ジンバブエ
【12月2日 AFP】コレラ感染が拡大するジンバブエで、国営メディアが1日に報じたところによると、首都ハラレ(Harare)での給水が停止された。また、保健相は、感染防止のため握手をしないよう呼びかけた。
ハラレでは過去数年間、崩壊寸前の経済状況のため、広範囲で電力不足となり給水ポンプが停止し、断続的に給水が止まることがあった。
しかし、今回のハラレ全域での給水停止は、周辺の未処理の水の流れを止める目的があるとみられる。ハラレはコレラ流行の中心地で、8月下旬以来425人の命が奪われている。その大部分は前月1か月で亡くなっている。
給水が完全に停止したため、住民の多くは驚いて容器を手に井戸や貯水タンクに水を探しに出ている。ロバート・ムガベ(Robert Mugabe)大統領統治下での生活苦に新たな困難が加わった。
水を見つける望みを込めて庭に井戸を掘りつつ、トイレ代わりに別の穴を掘るという手段に出る住民もおり、コレラ感染拡大の原因となった衛生状態の悪さに拍車を掛ける恐れがある。
一方、政府系日刊紙ヘラルド(Herald)によると、水を消毒する薬品を入手できないため、ジンバブエ水道当局は給水を停止したと報じている。(c)AFP/Godfrey Marawanyika
ジンバブエでコレラに続き炭疽病まん延の危険性、英援助団体
* 2008年12月02日 00:20 発信地:ハラレ/ジンバブエ
【12月2日 AFP】コレラが流行し数百人の犠牲者が出ているジンバブエで、今度は北部で炭疽(たんそ)病の感染が確認され、これまでに3人が死亡し、家畜が全滅する恐れがあると英国際援助団体セーブ・ザ・チルドレン(Save the Children)が1日、明らかにした。
セーブ・ザ・チルドレンの声明によると、ザンベジ渓谷(Zambezi Valley)で子ども2人と大人1人が死亡、周辺地域の家畜6万頭が感染の危機にあるという。
炭疽病は感染力が強いものの、通常家畜にのみ被害を及ぼす。だが、感染した動物を飼育したり食べたりすることで、人間にも感染することがある。
ジンバブエのセーブ・ザ・チルドレン責任者Rachel Pounds氏は、深刻な食料不足で、住民は炭疽病で感染死したと知っていてもその動物の肉を食べざるを得ない状況にあるという。
ジンバブエでは8月下旬から全国でコレラの感染が確認されており、政府統計によるとこれまでに425人が死亡、1万1000人以上が感染しているという。(c)AFP
コレラ死者500人近くに、軍兵士が略奪も 混迷深まるジンバブエ情勢
* 2008年12月03日 06:43 発信地:ハラレ/ジンバブエ
【12 月3日 AFP】コレラ感染が拡大しているジンバブエで2日、コレラによる死者が計500人近くに上っている。また、軍兵士が略奪行為をはたらいたとの非難の声が上がっており、崩壊寸前の経済状況や大統領選挙をめぐる政情不安に加え、新たに情勢悪化への懸念が高まっている。
給水停止から2日目を迎えた首都ハラレ(Harare)では、市内の主要病院の職員らが欠勤。ほかにも、ブラワヨ(Bulawayo)とムタレ(Mutare)の2都市で病院職員が仕事を休んでいるという。
世界保健機関(World Health Organization、WHO)は、迅速な治療が行われなければ、コレラ感染は今後も急速に拡大すると警告した。WHOによると、コレラによるこれまでの死者数は483人に上っている。
国連(UN)のElisabeth Byrs広報官によると、感染被害が最も出ているのは首都ハラレのBudiriro地区で、約5829件の感染とみられる事例が報告されているという。
給水停止でハラレの住民らは水の入手が困難になっており、マンホールを開け、水道管から水を得ようとする住民も出ている。その一方、闇市では、25リットルの水が25ドル(約2300円)で販売されているという。
一方、ハラレで1日、不法な外為ディーラーの取締り中に、複数の店舗で軍兵士による略奪が起きた。軍の広報官はAFPに対し「何があったにしても軍の公式な行動ではない」と語った。
野党、民主変革運動(Movement for Democratic Change、MDC)のモーガン・ツァンギライ(Morgan Tsvangirai)議長は1日夜、セネガルの首都ダカール(Dakar)で記者団に対し、「ジンバブエは崩壊しつつある」と語った。(c)AFP/Godfrey Marawanyika
コレラ死者484人に ジンバブエ
2008.12.3 01:01
世界保健機関(WHO)は2日、経済が崩壊状態に陥って久しいジンバブエでのコレラ大流行で、8月からの患者数が約1万1700人に達し、うち484人が死亡したと発表した。
英BBC放送(電子版)などによると、同国でこれほどの規模のコレラ感染が起きるのは1993年以来。
ジンバブエでは、政治や経済の混乱に伴い衛生インフラが老朽化。首都ハラレでは多くの地域で水道水が使えず、住民らは汚染された井戸水などを飲んでいるという。(共同)
ジンバブエが非常事態宣言 コレラがまん延
【ロンドン=岐部秀光】ロイター通信などによると与野党対立による政治混乱が続くアフリカ南部ジンバブエでコレラがまん延し政府は4日までに国家非常事態を宣言した。政府による白人農家からの一方的な土地の接収などで経済混乱に陥った同国は超高率のインフレに直面。医療などの公共サービスにも重大な影響が出ている。政府は非常事態宣言とともに国際社会への人道支援を訴えた。
同国では首都ハラレなどで食料や飲料水が不足。8月以降、1万2000人以上がコレラに感染し、500人以上が死亡した。ジンバブエ政府は「ムガベ政権を敵視する欧米主要国による制裁が経済危機を招いた」と主張している。
3月の選挙を機に対立が深まった与野党による連立政府樹立に向けた協議は、権限配分を巡る対立が解けず暗礁に乗り上げている。 (00:56)
コレラ感染拡大で支援要請=「非常事態」とジンバブエ政府
【ロンドン4日時事】ジンバブエからの報道によると、同国政府は4日までに、国内でコレラ感染が拡大している問題について「国家の非常事態だ」と危機感を表明、国際社会に緊急援助を要請した。同国ではコレラ感染でこれまでに560人以上が死亡したとされる。(2008/12/04-22:34)
ジンバブエでデモ、機動隊が鎮圧 コレラ死者は560人超に
* 2008年12月04日 08:21 発信地:ハラレ/ジンバブエ
【12月4日 AFP】ジンバブエの首都ハラレ(Harare)で3日、銀行預金の引き出し制限に抗議する労働組合員らによる抗議デモがあり、警棒などで武装した機動隊が出動し、抗議デモ参加者ら数十人を拘束した。
また、同国の医療システムが崩壊している現状を訴える請願書を届けようとしていた医師や看護師らも警官隊に解散させられた。
■コレラの死者は565人に
世界保健機関(World Health Organization、WHO)は、ジンバブエでのコレラによる死者が、2日から81人増え、565人となったと発表した。また、報告例は1万2546件に上っている。
ジンバブエの政治危機が悪化するなか、コレラの流行以前から基本的な医薬品や医療設備の不足、頭脳流出などで疲弊しきっていた同国の医療システムは、コレラ感染の拡大で機能停止に陥りつつある。(c)AFP/Godfrey Marawanyika
コレラまん延で非常事態宣言 政治、経済混乱のジンバブエ
ハラレ(CNN) 政治情勢の混乱が続き、衛生保健政策の欠如からコレラがまん延するジンバブエで4日、政府が非常事態宣言を出した。政府系日刊紙ヘラルドによると、コレラの死者は560人を超えている。
同紙によれば、パリレンヤトワ保健・児童福祉相は、国連機関や外国大使館、NGO(非政府組織)が参加した支援者会合で、「病院はもはや機能を果たしていない。スタッフが出勤し医療システムが復活するよう、皆さんの支援が必要だ」と訴えた。
国連人道問題調整事務所(OCHA)が3日発表したところによると、コレラの伝染は国内10州のうち9州に広がり、少なくとも565人が死亡、発症者は1万1000人を超えた。首都ハラレでは発症者の4分の1以上が死亡している。OCHAはまん延の原因として、「飲料水と衛生関連物資の不足、医療システムの崩壊、政府の対応能力の欠如」を挙げた。
同国では長期独裁政権を敷くムガベ大統領の下、年間インフレ率が世界最悪の2億3100万%を記録するなど、経済も崩壊状態にある。ジンバブエ準備銀行(中銀)は先週、預金者が銀行口座から引き出せる額の上限を50万ジンバブエドル(約23円)から10億ジンバブエドル(約4600円)に引き上げた。これを受けて4日、ハラレ市内の銀行には長蛇の列ができ、路上では装甲車が警戒に当たった。一方で、上限額の設定などに抗議するデモが全国各地で発生、逮捕者も出るなど、情勢は混迷を深めている。
ジンバブエのコレラ死者565人 政府、支援呼びかけ
2008年12月5日18時44分
【ナイロビ=古谷祐伸】経済崩壊と食糧危機の状態にあるアフリカ南部ジンバブエで、コレラの流行が深刻化している。国連は3日、8月以降の死者が565人に上り、感染者数は1万2500人強と発表。4日付の政府系紙「ヘラルド」は、政府が緊急事態を3日に宣言し、国際社会の支援を求めたと伝えた。
世界保健機関(WHO)によると、事態が深刻なのは首都ハラレ。177人が死亡し、約6500人の感染が確認されている。また干ばつ被害や年率2億3100万%を記録した物価上昇による食糧難で、500万人が食糧援助を必要としている上、医薬品代や医療従事者の給料を支払えず、公立病院の大半が機能停止していることが、流行に拍車をかける。
AFP通信によると、政府は11月29日から首都ハラレで水道水の供給を一時止めたほか、国民に対して握手しないよう呼びかけるなど、苦肉の策がとられているという。
ジンバブエが非常事態宣言、コレラの死者560人以上に
2008年12月5日
[ハラレ 4日 ロイター] コレラのまん延で560人以上が死亡したジンバブエは、政府が国家非常事態を宣言するとともに、国際社会に支援を要請した。
隣国の南アフリカ政府は、状況を極めて憂慮していると表明。不法入国者を含む多くの人が、国境を越えてジンバブエから南アフリカに流れ込んでいるとみられる。
ムガベ大統領の独裁的支配に対する西側諸国による制裁もあり、経済が混乱している同国では、医療システムがコレラのまん延に対して十分に機能していない。
医師や看護師への給与のほか、薬品を買うための資金も足りていない状況だという。
英首相、コレラ流行のジンバブエに「国際支援必要」と
ブラウン英首相は6日、経済崩壊と食糧危機に加え、コレラの大流行によって打撃を受けているジンバブエについて、ムガベ大統領に対抗するため国際緊急支援が必要だとの見解を表明した。
首相は声明の中で、コレラの感染が国境を越えて拡大する恐れがあるため、ジンバブエの国内問題ではなく国際問題だと指摘。「ジンバブエの政府制度は今や崩壊しており、国民を保護できる、もしくは保護に積極的な国家はない」と危機感を示した。
ジンバブエではコレラによる死者が600人を超えており、同国政府は3日に緊急事態を宣言した。感染者の多くは治療を求めて隣国に逃れており、感染拡大のリスクが一層高まっている。
ブラウン首相は、国連安全保障理事会がムガベ政権への対応を協議することを提案。また、水質検査および水補給の装置を適切に提供すると同時に、ジンバブエの首都ハラレに支援団体の調整機関を設立することが急務だと指摘した。
ジンバブエ情勢をめぐってはライス米国務長官も、コレラの流行がムガベ政権の終えんを示唆する最新の兆候だとコメントしている。
「悪政」でコレラが深刻化=大統領に辞任圧力-ジンバブエ
【ロンドン9日時事】経済崩壊と食糧難に見舞われるジンバブエで、コレラの流行が深刻化、国民生活が一層の困窮に陥っている。事態を放置し、効果的な対策を打とうとしないムガベ大統領に対し、国際社会は批判を強化。欧州連合(EU)議長国フランスのサルコジ大統領は「話し合いの時期は過ぎた。ムガベ氏は去らなくてはならない」と厳しい表現で辞任を迫った。
国連の最新統計によれば、ジンバブエでの8月以降のコレラによる死者は589人、感染者は1万3960人に上った。インフラ整備の遅れで安全な飲料水の確保が困難な上、医療設備や職員の不足により公立病院の大半が機能停止に陥っていることが流行に拍車を掛けており、世界保健機関(WHO)は「(3000人が感染死した)1992年以来で最悪の状況」と危機感を示した。(2008/12 /09-16:58)
ジンバブエ大統領に国際社会が辞任圧力
* 2008年12月09日 01:49 発信地:ハラレ/ジンバブエ
【12月9日 AFP】欧州各国首脳は8日、コレラの流行や深刻な食糧不足による国民の困難を無視しているとしてジンバブエのロバート・ムガベ(Robert Mugabe)大統領に対する辞任圧力を強めた。
ボツワナやケニアなどアフリカ諸国や米国は前週、ムガベ大統領は辞任すべきとの見解を示していた。欧州連合(EU)やフランス、英国もそれに続いた。
ニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)仏大統領はパリ(Paris)で、もはや交渉の余地はないとし「ムガベ大統領は辞職すべきだ」と発言した。
ジンバブエは深刻な食糧不足に直面しており、国連(UN)は人口の半数が十分な食料を得られなくなると警告している。また、コレラの流行によりこれまでに600人近くが死亡している。
かつては力強かった経済もここ10年ほどで衰退し、医療機関ではコレラの流行に対抗するための薬品や設備、人員までもが不足している。
米国のコンドリーザ・ライス(Condoleezza Rice)国務長官は前週、「ロバート・ムガベ大統領が辞任すべき時はとうに過ぎている」と述べた。また、コフィ・アナン(Kofi Annan)前国連事務総長は前週末、ジンバブエ現政権は危機を終わらせる能力がないと述べていた。
ジンバブエの経済は10年近く減退しており、インフレ率は推定2億3100万%と世界最悪となっている。
また、コレラの流行は国民の日常の困難に拍車を掛けており、保健相が8日に家族間の集まりでも危険性があると警告するなど、日常生活のあらゆる場面に忍び寄っている。(c)AFP
コレラ原因は欧米に、軍事介入の理由に利用と ジンバブエ閣僚
(CNN) コレラ感染者の増加が懸念されているアフリカ南部ジンバブエのヌドロブ情報広報相は9日、コレラ感染拡大の封じ込めに成功していると発表、コレラを引き起こした原因は西欧諸国で、さらに軍事介入の言い訳に利用していると非難した。欧米諸国は、人権侵害などを理由にジンバブエに経済制裁を科している。
ヌドロブ情報広報相は、国際社会によるジンバブエ批判に強く反論。「水を浄化するのに必要な水処理薬品は十分にあり、水道管を購入する外貨もある」「経済制裁を通じてコレラ菌や炭そ菌で我が国を汚染する西側諸国は、これらの災害をとっかかりにして軍事介入を正当化しようとしている」と述べた。
ジンバブエはムガベ大統領による長年の独裁政権下にあり、政治情勢の混乱が続いているだけではなく、経済的にも崩壊状態に陥っている。また、首都ハラレでは水道水が行き渡らずに衛生状況が悪化、コレラ感染者が8月から1万人を超えている。世界保健機関(WHO)は9日、最大で6万人の感染者が出ると警告している。
ジンバブエ政府は4日、コレラまん延で非常事態宣言を発令。パリレンヤトワ保健・児童福祉相は、国連機関や外国大使館、NGO(非政府組織)が参加した支援者会合で国際的な支援を訴えていた。
これまでに、英国のブラウン首相が国際緊急支援が必要だと表明したほか、ケニアはアフリカ連合(AU)や国連の部隊による武力介入も呼び掛けている。
ジンバブエ大統領、欧米諸国の辞任圧力を拒否
* 2008年12月10日 01:32 発信地:ハラレ/ジンバブエ
【12月10日 AFP】ジンバブエのロバート・ムガベ(Robert Mugabe)大統領(84)は9日、同国保健相がコレラ対策でさらに国際支援を呼びかけるなか、高まる欧米諸国からの辞任圧力を拒否した。
欧州諸国は8日、フランスのニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)大統領が、ムガベ大統領の辞任を求める動きに歩調をあわせたことを受け、ジンバブエに対する制裁を強化した。
ムガベ大統領の報道官を務めるGeorge Charamba氏は、欧米諸国が、ジンバブエを国連安全保障理事会(UN Security Council)に持ち込むために、コレラ流行と食糧不足によってムガベ政権が機能不全に陥ったと主張していると非難した。(c)AFP/Godfrey Marawanyika
コレラ感染が深刻化するジンバブエ、大統領が突如コレラ根絶宣言
* 2008年12月11日 21:51 発信地:ハラレ/ジンバブエ
【12月11日 AFP】コレラ感染が深刻化しているジンバブエで11日、ロバート・ムガベ(Robert Mugabe)大統領は、同国におけるコレラは根絶されたと宣言した。
ムガベ大統領は、国内向けのテレビ放送のなかで、「喜ばしい報告がある。世界保健機関(World Health Organization、WHO)などの支援により、わが国の医師らは、コレラを完全に封じ込めた」と語った。
また、英国のゴードン・ブラウン(Gordon Brown)首相や、ニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)仏大統領、ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領らが辞任を要求していることを非難。「コレラが流行していたから軍事介入を検討していたのだろうが、コレラはもう存在しないし、戦争の恐れもない」と述べ、要求には断固として応じない姿勢を強調した。
特にかつての宗主国である英国のブラウン首相に対しては、「狂牛病が発生したから、英国は戦争の危機にあり、介入しなければならないといえるのか。ブラウン首相の頭はどうかしている。医師に見てもらうべきだ」と厳しく反論した。
一方、国連(UN)が同日発表した数字によると、ジンバブエのコレラ死者数は783人に増加。さらに、1万6403人にコレラ感染が疑われており、依然として同国ではコレラ感染の拡大が懸念されている。(c)AFP
ジンバブエのコレラ死者が800人近くに=WHO
2008年12月11日
[ジュネーブ 10日 ロイター] コレラがまん延しているジンバブエで、現時点で死者の数が774人、感染者は1万5219人にまで膨れ上がっていることが分かった。世界保健機関(WHO)が10日、明らかにした。
WHOのスポークスマンは、8日までの調査で、今回のコレラによる死者数が、9日に発表していた589人から200人近く増えたと発表した。
WHOは9日、同国のコレラ感染者は最悪の場合、6万人に上る可能性があるとの医療関係者など専門家の見方を発表していた。
WHOは、同国の病院や医療施設は感染者らを救命するための薬が提供できない状態だとしている。
コレラ禍を「阻止」=欧米が侵略画策と非難-ジンバブエ大統領
【ロンドン11日時事】コレラの感染拡大が深刻化しているジンバブエからの報道によると、同国のムガベ大統領は11日、テレビ演説で「われわれはコレラ(の流行)を食い止めた」と宣言するとともに、欧米諸国がコレラ流行を口実にジンバブエ侵略を企てていると非難した。(2008/12 /11-20:33)
超インフレのジンバブエ、5億ドル札を導入=価値は900円ほど
【ハラレ12日AFP=時事】今年8月に大幅なデノミ(通貨呼称単位の変更)を行ったジンバブエは依然として世界最高水準のインフレ、現金不足に見舞われており、中央銀行は12日、新たに5億ジンバブエドル札を導入した。価値は10米ドル(約900円)程度という。
中央銀行は新札導入について「国民の利便のため」と説明。5億ドル札のほか2億ドル札も導入した。これにより今年発行された新紙幣は29種類に達した。
ジンバブエでは7月、インフレ率が2億3100万%と推計されたが、現在はもっと高いとみられている。今月4日に1億ドル札(写真)が導入され、当初は14米ドル(約1250円)相当の価値があったが、約1週間後の今では50セント(約45円)以下の値打ちしかない。
現金不足のため国内の銀行では1週間に1度しか現金を引き出せない上、引き出し限度額も設けられている。銀行での行列は日常風景となり、人々は何時間もかけて現金を引き出すものの、それでも1日の必要額には足りない。翌日の引き出しのため、銀行前で野宿する人々もいる。
かつて穀倉地帯だったジンバブエは現在、食料不足に陥っている。また、コレラ感染が拡大し、国連によれば8月後半以降だけで既に800人近くが死亡している。 〔AFP=時事〕(2008/12/12-20:21)
「コレラは旧宗主国、英国による大量虐殺」 ジンバブエ閣僚
(CNN) コレラ被害が増加し続けているアフリカ南部、ジンバブエのヌドロブ情報広報相は13日まで、コレラの感染拡大は「計算され、人種攻撃的な、米国や欧州各国の協力を得た旧宗主国、英国の力によるもので、我が国の侵略を目指したものだ」と強く非難した。さらに記者団に対しても、スーダンのダルフール紛争やコンゴ民主共和国(旧ザイール)で死にかかっている人々を撮影し、その写真をジンバブエのコレラ犠牲者として伝えていると断定、「武力報道だ」と責め立てた。
同国は1965年まで英国の支配下に置かれていた。人権侵害で国際非難を集めるムガベ大統領の独裁政権下で経済が疲弊しているだけではなく、今年8月からコレラ感染が拡大。世界保健機関(WHO)によれば、死者は既に800人近くに達しており、最大で6万人の感染者が出ると懸念されている。
首都ハラレでさえ水道インフラが整っておらず、コレラの感染拡大が食い止められていない状態に、英国のブラウン首相が緊急的な国際支援が必要だと表明。ケニアがアフリカ連合(AU)や国連による武力介入を呼び掛けるなど、国際的な孤立状態を深めている。
しかし、ムガベ大統領は11日、ジンバブエ国内にコレラは発生していないと発言。西側諸国が侵入するための口実と各国を非難していた。国連の潘基文・事務総長は「とても同意出来る見方ではない」と一蹴(いっしゅう)している。
ヌドロブ情報広報相の欧米非難に、米国務省のマッキンターフ報道官は12日、「明らかに馬鹿げている」と反論。「ムガベ大統領に、(コレラの感染拡大を食い止めるための)意味ある行動をとる考えが全くないことが明らかになった」と弾劾した。
ヌドロブ情報広報相は、ジンバブエ国内における衛生システムはきちんと機能しているとも主張、あくまでも世界各国が非難するようなコレラ被害は生じていないとの姿勢を崩していない。
ジンバブエのコレラ感染、難民越境し南ア側に拡大
2008年12月13日23時37分
【メシナ(南アフリカ北東部)=古谷祐伸】ジンバブエで深刻化するコレラの流行が隣国の南アフリカ側にも拡大している。食糧難などで逃げてくるジンバブエ人らの難民キャンプで感染が広がっているためだ。
ジンバブエ国境から10キロ南の南アフリカ・メシナの一角にある広場は、ジンバブエ人約2千人の難民キャンプと化している。南ア政府がここで、半年間の滞在許可を出しているためだ。
国際NGO「国境なき医師団」の仮設診療所前で12日、座り込んでいたタインダさん(21)が突然脇の方へ走りだし、吐いた。目の周りがくぼんでいた。「2週間前に150キロ離れた村から逃げてきた。昨夜から下痢がひどい」と言う。コレラと診断されて点滴を受け、駆けつけた救急車でメシナ病院へ運ばれた。
メシナ病院では、3週間前からコレラ患者の臨時入院施設を設けている。12日は約20人が入院していた。担当のムチェンベレ医師は「患者の大半はジンバブエ人。ピークは過ぎたが、油断はできない」と言う。12日までに、一帯で696人の感染が確認され、10人が死亡した。南ア政府は11日、国境地域を災害地域に認定した。
一方、ムガベ大統領は11日、「世界保健機関(WHO)などの助けで、コレラはおさえこんだ」と、沈静化していることを訴えた。だが、国連の調べで、ジンバブエ国内では、10日までに783人の死亡と1万6千人以上の感染が確認され、人数は増え続けている。援助関係者は、感染が拡大しやすい雨期の開始を心配している。
新5億ドル紙幣、ジンバブエで流通開始 それでも価値は千円以下
* 2008年12月13日 16:56 発信地:ハラレ/ジンバブエ
【12 月13日 AFP】ジンバブエの中央銀行は12日、新5億ジンバブエ・ドル紙幣の流通を開始した。同国のインフレ率は世界で最も高く、通貨価値の激減により紙幣不足に悩まされている。この新紙幣は、米ドルに換算すると約10ドル(約910円)ほどの価値だという。(c)AFP
ジンバブエ政権、コレラ流行は英国による「ジェノサイド」
* 2008年12月13日 05:10 発信地:ハラレ/ジンバブエ
【12月13日 AFP】ジンバブエのロバート・ムガベ(Robert Mugabe)政権は12日、「ジェノサイド的」コレラ感染の拡大は、旧宗主国である英国のせいだと述べた。一方、国連(UN)の潘基文(パン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長は、ムガベ大統領に「未来を見る」よう呼び掛けた。
世界保健機関(World Health Organization、WHO)はコレラによる死者は792人に上ったと発表、支援団体は数か月にわたり感染拡大が続く恐れがあると警告した。
シカニソ・ヌドロブ(Sikhanyiso Ndlovu)情報広報相は会見で、「コレラは、悔い改めない旧宗主国による計算づくで人種差別的な攻撃で、ジンバブエ侵略のため欧米諸国の支持を得ている」とし、「コレラ大流行は、英国によるジンバブエ国民に対する深刻な生物・化学兵器であり、ジェノサイドのような猛攻だ」と述べた。
ムガベ大統領は11日、テレビ演説で「コレラは根絶された」と宣言したが、このことについてGeorge Charamba大統領報道官は12日、「皮肉」だったと説明した。(c)AFP
ジンバブエ大統領、改憲案を公表 連立政権樹立に道
ハラレ(CNN) ジンバブエの与党、ジンバブエ・アフリカ民族同盟愛国戦線(ZANU―PF)のムガベ大統領は13日、野党の民主変革運動(MDC)との連立政権樹立に道を開く憲法改正案を、官報で公表した。
大統領とMDCのツァンギライ議長は、今年3月の大統領選と6月の同決選投票で争い、与野党の対立は死者が出る事態まで悪化した。両者は南アフリカのムベキ大統領の仲介で、連立政権樹立に向けた基本合意に署名したものの、これまでの組閣人事は失敗に終わっている。
改憲案には、ツァンギライ氏の首相就任を可能にする内容が盛り込まれている。憲法規定に基き、改憲案は官報での発表から30日以内に議会に提示されることが義務付けられている。さらに議会通過後には、大統領の署名が必要。
MDCの関係者は大統領のこうした動きについて、官報での公表が自動的に改憲案通過を意味するものではないと述べ、慎重姿勢を示した。
ジンバブエ:コレラ深刻化 死者775人、感染1.6万人に
【ヨハネスブルク高尾具成】アフリカ南部ジンバブエでコレラ禍が深刻化し、国連は9日現在の統計で、8月以降の死者数が775人、感染が疑われるのは1万6141人と発表した。世界保健機関(WHO)は感染者が最大6万人に膨れ上がる危険性も指摘した。
政府は国際社会に支援を要請したが、3月の大統領選後も与野党対立による政治混乱が続いており、英米仏などはムガベ大統領の失政が原因と非難を強めている。
ジンバブエではごみや汚水の処理システムが崩壊状態で、給水停止や井戸水が枯れた地域での安全な水の確保が難しい。また公立病院は薬剤不足に加え、給料未払いで医師や看護師が出勤を拒否し、医療施設としての機能が停止している。
国外へ脱出する国民も増え、周辺国への感染拡大も懸念される。
毎日新聞 2008年12月14日 東京朝刊
ジンバブエ:コレラ被害で日本の医療チーム先遣隊が出発
アフリカ南部のジンバブエでコレラの感染被害が深刻化している問題で、日本赤十字社の緊急医療チーム先遣隊2人が15日、成田国際空港から首都ハラレへ向けて出発した。
先遣隊として派遣されたのは、菅井智国際救援課長(46)と松本彩香国際救援課主事(27)。入手困難なガソリンの確保や活動場所の調整を担当する。菅井課長は「現地の状況を確認し、医療チームがスムーズに活動できるように準備したい」と話した。
17日に医療ベッドや簡易手術器具などの緊急資機材、18日には医師3人、薬剤師1人を含む10人の医療チームが出発する。【駒木智一】
毎日新聞 2008年12月15日 20時25分(最終更新 12月15日 20時30分)
ジンバブエのコレラによる死者978人に 国連
* 2008年12月16日 05:15 発信地:ジュネーブ/スイス
【12月16日 AFP】国連人道問題調整部(UN Office for the Coordination of Humanitarian Affairs、OCHA)は15日、ジンバブエでのコレラによる死者は978人に上り、依然として1万8413人に感染の疑いがあると発表した。
被害が最も大きいのは首都ハラレ(Harare)で、これまでに208人が死亡、8454人に感染の疑いがある。
南アフリカ国境のベイトブリッジ(Beitbridge)では91人が死亡、3546人の感染者がいるとみられる。
米国と英国は国連安全保障理事会(UN Security Council)で、ジンバブエのロバート・ムガベ(Robert Mugabe)大統領への圧力を強めるよう呼び掛けると見られる。だが、ジンバブエ政府は自国は国際安全保障への脅威ではないとし、安保理での協議をけん制している。(c)AFP
ジンバブエのコレラ死者、1000人に近づく 国連発表
(CNN) 国連人道問題調整事務所(UNOCHA)は15日、アフリカ南部ジンバブエ国内でコレラによる死者が978人に上り、1000人の大台に近づいたと発表した。
国連は今年8月から統計を取っており、感染疑い例はこれまでに1万8413人を記録したとしている。
ジンバブエのヌドロブ情報広報相は先日、コレラの感染拡大が旧宗主国の英国による「大量虐殺」だとコメントし、米英両国の反発を招いた。
また、独裁政治で国際社会から批判の矛先を向けられているムガベ大統領は11日、ジンバブエ国内のコレラ感染を封じ込めたと発言。大統領報道官は、西側諸国がジンバブエ侵略を計画しているとの認識から、大統領が野党や援助団体に対する「皮肉」を語ったと説明した。英当局者は、感染対策能力を備えた現地政権の不在に憂慮を表明した。
ジンバブエのコレラ死者数は978人=国連
2008年12月16日
[ジュネーブ 15日 ロイター] 国連人道問題調整事務所(OCHA)は15日、ジンバブエでのコレラによる死者が978人になったと発表した。
OCHAは、同国でコレラ感染が疑われる人の数は1万8413人としている。
ジンバブエ:コレラ深刻化 日赤先遣隊が現地へ
アフリカ南部のジンバブエでコレラの感染被害が深刻化している問題で、日本赤十字社の緊急医療チーム先遣隊2人が15日、成田国際空港から首都ハラレへ向けて出発した。
先遣隊として派遣されたのは、菅井智国際救援課長(46)と松本彩香国際救援課主事(27)。入手困難なガソリンの確保や活動場所の調整を担当する。菅井課長は「現地の状況を確認し、医療チームがスムーズに活動できるように準備したい」と話した。
17日に医療ベッドや簡易手術器具などの緊急資機材、18日には医師3人、薬剤師1人を含む10人の医療チームが出発する。【駒木智一】
毎日新聞 2008年12月16日 東京朝刊
ジンバブエ、安保理協議の動きをけん制
* 2008年12月16日 00:06 発信地:ハラレ/ジンバブエ
【12月16日 AFP】ジンバブエのロバート・ムガベ(Robert Mugabe)政権は15日、自国は国際安全保障への脅威ではないと述べ、同国を国連安全保障理事会(UN Security Council)での議題にする動きをけん制した。
米国と英国は、安保理でムガベ大統領への圧力を強めるよう呼び掛けると見られる。経済の疲弊やコレラの流行など、ジンバブエの危機的状況に対し、国際社会からムガベ大統領への辞任圧力が高まっている。
国連安保理は15日、非公開協議を行う。米政府は前週、ジンバブエの苦境に直接的な責任があるとするムガベ大統領への対抗策を講じるよう、安保理メンバーに圧力を掛けると述べている。
一方、ジンバブエのシカニソ・ヌドロブ(Sikhanyiso Ndlovu)情報広報相は、政府系日刊紙ヘラルド(Herald)に対し、欧米諸国がジンバブエを議題にするのは「不適切だ」との見解を示した。(c)AFP
コレラの死者978人に ジンバブエ
2008.12.16 18:15
【ロンドン=木村正人】アフリカ南部ジンバブエでコレラが大流行し、死者が978人に達したと、国連人道問題調整事務所が15日発表した。感染の疑いがある患者は1万8413人にのぼり、被害はさらに拡大する恐れが強い。国連安全保障理事会も同日、ジンバブエ問題を協議し、野党との協力を拒絶し「政治の空白」をもたらしているムガベ大統領を非難した。
同事務所によると、これまでは上下水道の整備が進んだ都市部で発生することは少なかったが、今年は首都ハラレで大量発生し、患者の50%が集中している。
ハラレなどで医療支援を続ける非政府組織(NGO)「国境なき医師団」の説明では、飲み水を供給する上水道が停止。住民は井戸を掘って飲み水を得ているが、下水道が詰まったり破裂したりしているため、汚水があふれて井戸に流れ込んでいる。ゴミの回収もストップ。賃金が未払いになっている公立病院の医師や看護婦がストライキを行っており、医療も機能停止している。
世界保健機関(WHO)も「(3000人が死亡した)1992年以来で最悪」と危機感を示した。
同国では今年3月の大統領選をきっかけに、独裁体制の維持を図るムガベ政権が野党勢力を弾圧。南アなど周辺諸国の仲介でムガベ大統領は9月に野党との連立政権樹立に合意したが、主要閣僚の配分をめぐり交渉は行き詰まった。こうした政治の混乱がコレラ禍を拡大させている。
ジンバブエ政府、「テロ」があったと主張 空軍トップへの銃撃で
* 2008年12月17日 02:22 発信地:ハラレ/ジンバブエ
【12月17日 AFP】ジンバブエ政府は16日、欧米諸国がロバート・ムガベ(Robert Mugabe)大統領(84)への外交圧力を強める中、空軍トップが銃撃されたとして、同国がテロの標的になっていると主張した。
ジンバブエ政府高官は、空軍トップのPerrance Shiri司令官が13日、同氏の所有する農場へ向かう途中で銃撃され腕を撃たれたと述べ、同国政府要人らに対するテロ行為があったと語った。
一方、ジンバブエのコレラによる死者が1000人近くに上る中、国連(UN)の潘基文(パン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長は、一時は植民地独立後のモデルケースとして評価されたこともあったジンバブエの現在の政治的・衛生的危機について、絶望的な評価を述べた。
また、かつての宗主国である英国は、独立以来28年間にわたって政権の座についているムガベ大統領が、ジンバブエの現状から目を背けていると非難した。(c)AFP
コレラ死者、1000人超に=さらに感染拡大の恐れ-ジンバブエ
【ロンドン18日時事】国連人道問題調整事務所(OCHA)は18日、アフリカ南部ジンバブエでのコレラによる死者が同日までに1111人に達したことを明らかにした。感染した疑いがある患者は2万581人に上っており、OCHAは「事態は極めて深刻で感染は拡大し続けている」と強い危機感を訴えた。
声明によると、最も被害が深刻な首都ハラレでは224人が死亡、9072人が感染しているとみられている。ハラレ西方のチェグツ地区でも新たな発生が確認され、121人が死亡した。
ムガベ大統領の強権体制下、経済が壊滅状態のジンバブエでは衛生・保健サービスが機能せず、今年8月以降はコレラ禍が深刻化。世界保健機関(WHO)は、有効な対策を講じない限り、感染者が6万人に達する恐れがあると訴えている。(2008/12/18-19:46)
ジンバブエのコレラ死者1000人超える=国連
【ジュネーブ18日AFP=時事】国連人道問題調整事務所(OCHA)は18日、ジンバブエでコレラによる死者が1000人を超えたことを明らかにした。感染は依然、広がり続けているという。(写真は南アフリカ共和国との国境の病院にあるコレラ患者用テントで横たわるジンバブエの男性ら)
OCHAの最新情報によると、死者は1111人、感染した疑いがある人は2万581人に達した。首都ハラレの状況が引き続き最悪で、224人が死亡、感染したとみられる人は9072人に上る。また、首都に接するチェグトゥ地区で新たに感染が広がっているという。
OCHAは世界保健機関(WHO)の調査結果として、飲料水不足と衛生施設の不備などが感染拡大の主な原因とする一方、状況改善につながらない要因として医療関係者のストライキも挙げた。OCHAによると、経済混乱に伴う紙幣不足で医療関係者は銀行で給料を引き出せず、職場への出勤が重荷になっているという。
ジンバブエの近隣諸国では南アフリカ共和国で11人が死亡、ボツワナ、モザンビーク、ザンビアでも感染例が報告されている。 〔AFP=時事〕(2008/12/18-20:02)
ジンバブエのコレラ死者1000人超える
2008.12.18 22:06
国連緊急援助調整官室(OCHA)は18日、経済が崩壊状態に陥っているジンバブエのコレラ大流行で、今年8月からの患者数が12月17日現在で約2万600人に達し、うち1111人が死亡したと発表した。
コレラは衛生インフラの老朽化が著しい首都ハラレを中心にジンバブエの広い地域で流行、南アフリカやボツワナ、ザンビアなど隣国にも広がっている。
コレラ流行に対するジンバブエのムガベ政権の無策ぶりに、欧米諸国や隣国からの批判が日増しに高まっている。(共同)
ジンバブエのコレラ死者数、1000人超える
2008年12月19日
[ハラレ 18日 ロイター] 国連人道問題調整事務所(OCHA)は18日、ジンバブエでのコレラによる死者が1111人になったと発表した。首都ハラレ西部地区では少なくとも378人以上が新たに集団感染し、121人が死亡した。
OCHAによると、同国でのコレラ感染者数は8月以降で少なくとも2万0580人に上るという。
一方、隣国の南アフリカは、与党アフリカ民族会議(ANC)のジェイコブ・ズマ議長(党首)がジンバブエへの軍事介入を否定。同国が政治的に行き詰まり、体制崩壊に陥らないよう、外交的な支援を行う考えを明らかにした。
また、アメリカ政府も同様に政治的なサポートを続けるとしているが、独裁的支配を続けるムガベ大統領が野党との連立協議に応じる見込みは極めて少ないとしている。
ジンバブエ:コレラ深刻化 緊急チーム成田空港を出発 日赤、感染症対策で初 /千葉
アフリカ南部のジンバブエでコレラの感染被害が深刻化している問題で、日本赤十字社の緊急医療チーム本隊10人が18日、成田国際空港を出発した。日赤の緊急医療チームが感染症対策のために派遣されるのは初めてで、19日には香港、南アフリカ経由でジンバブエの首都ハラレに到着する。
チーム本隊は医師3人、看護師3人、薬剤師1人などで構成。15日には先遣隊として日赤の菅井智国際救援課長(46)ら2人が出発している。本隊は先遣隊と現地で合流し、ハラレを中心に来年1月17日まで活動する予定。
チームリーダーを務める名古屋第二赤十字病院の白子順子医師(49)は「コレラは適切な処置で助かる病気。死者が増え続けているのは医療スタッフも医薬品も足らないということ。一人でも多く、救える人を救いたい」と話した。【黒川将光】
毎日新聞 2008年12月19日 地方版
ジンバブエ:コレラ深刻化 日赤医療チーム、対策で現地へ /愛知
アフリカ南部のジンバブエでコレラの感染被害が深刻化している問題で、日本赤十字社の緊急医療チーム本隊10人が18日、成田国際空港を出発した。日赤の緊急医療チームが感染症対策のために派遣されるのは初めてで、19日には香港、南アフリカ経由でジンバブエの首都ハラレに到着する。
ジンバブエでは15日までにコレラで970人以上が死亡、1万8000人以上が感染。患者は今も増え続けているという。緊急医療チームはその救援のため派遣される。
チーム本隊は医師3人、看護師3人、薬剤師1人などで構成。15日には先遣隊として日赤の菅井智国際救援課長(46)ら2人が出発している。さらにERUと呼ばれる仮設診療所用資材14トンも現地へ送っている。本隊は先遣隊と現地で合流し、ハラレを中心に来年1月17日まで活動する予定。
チームリーダーを務める名古屋第二赤十字病院の白子順子医師(49)は「コレラは適切な処置で助かる病気。死者が増え続けているのは医療スタッフも医薬品も足らないということ。一人でも多く、救える人を救いたい」と話した。【黒川将光】
毎日新聞 2008年12月19日 地方版
ジンバブエ、コレラによる死者1000人超える 国連
* 2008年12月19日 00:41 発信地:ジュネーブ/スイス
【12月19日 AFP】国連人道問題調整部(UN Office for the Coordination of Humanitarian Affairs、OCHA)は18日、ジンバブエでコレラの感染が拡大を続けており、これまでに1111人が死亡、依然として2万581人に感染の疑いがあると発表した。
依然首都ハラレ(Harare)で被害が最も大きく、死者は224人に上り、9072人に感染の疑いがある。
OCHAは世界保健機関(World Health Organization、WHO)の調査から、感染拡大の主因は飲料水の不足と公共衛生の不備だと述べた。
また、医療関係者のストで状況改善の兆しはみられないとした。
ジンバブエでは、紙幣不足のため銀行から給料を引き出すことができず、医療関係者にとって「出勤することが金銭的にも大きな負担となっている」と指摘した。
コレラはアフリカ南部の近隣諸国にも広がっており、南アフリカでは11人が死亡したほか、少数ながらボツワナやモザンビーク、ザンビアでも感染例が報告されているという。(c)AFP
ジンバブエのコレラ犠牲者増え、千人超える UNOCHA
(CNN) アフリカ南部のジンバブエを襲うコレラ禍で、国連人道問題調整事務所(UNOCHA)は17日、犠牲者は1111人、感染者は2万581人に達したと報告した。15日の発表数字より、死者は133人増えている。
同事務所は今年8月からコレラ犠牲者の統計を開始している。最大の感染地域は首都ハラレで、死亡者は328人、患者は9700人以上。国内だけでなく、南アフリカ、ボツワナやモザンビークなど隣接国にも感染が及んでいる。
ムガベ大統領の長期独裁政権が続くジンバブエでは、経済が崩壊状態で、野党締め付け、人権侵害で政治混乱も続き、国際社会は経済制裁も打ち出している。コレラ流行は、保健政策の無策が大きな原因となっている。同国政府は、コレラまん延は植民地統治の弊害とも論点をすり替え、国際社会の批判を集めた。
「ジンバブエはわたしのもの」ムガベ大統領
* 2008年12月20日 00:36 発信地:ハボローネ/ボツワナ
【12月20日 AFP】ジンバブエのロバート・ムガベ(Robert Mugabe)大統領は19日、与党ジンバブエ・アフリカ民族同盟愛国戦線(ZANU-PF)の年次会合で、「ジンバブエはわたしのものだ」と述べ、辞任要求には決して屈しないと宣言した。
ムガベ大統領は会合で、「わたしは絶対に、絶対に屈しない。ジンバブエはわたしのものだ。わたしはジンバブエ人だ。ジンバブエはジンバブエ人のものだ。ジンバブエは決して英国と英国人のものではない」と主張した。また、国民が要求しないかぎり辞任しないと述べた。
一方、野党・民主変革運動(Movement for Democratic Change、MDC)のモーガン・ツァンギライ(Morgan Tsvangirai)議長は同日、ボツワナで記者団に対し、MDCメンバーの拉致がただちに止まらなければ、ZANU-PFとの連立政権協議を中止すると警告した。
ツァンギライ議長は「これまでにメンバー42人以上が拉致された。ただちに拉致がなくなり、2009年1月1日までに拉致されたすべてのメンバーが解放されるか、この件が法の裁きを受けなければ、MDC評議会に対し、ZANU-PFとの協議と接触を全面禁止する措置を要求することになる」と警告した。(c)AFP
「ジンバブエは私のもの」と宣言、辞任圧力高まるムガベ大統領
ハラレ(CNN) 経済崩壊、人権侵害や野党弾圧、コレラ禍などで国際社会からの辞任圧力が高まるアフリカ南部、ジンバブエのムガベ大統領(84)は19日、批判勢力には決して屈しないと退任する考えはないことを明らかにした。与党のジンバブエ・アフリカ民族同盟愛国戦線(ZANU―PF)の集会で演説した。
旧宗主国・英国がジンバブエの資源を狙い、再び征服を試みていると非難、「ジンバブエは私のものであり、いかなるアフリカ諸国も私の手から国を引き離そうとしてはいない」とも強調した。その上で、ジンバブエ国民が見捨てるまで、指導者であり続けると宣言した。
ムガベ氏は、1980年の独立以来、ジンバブエの実権を握り続けている。しかし、白人農園を強制収用し、農業技術が乏しい黒人農民に再配分する強硬策などを打ち出して以来、経済が悪化の一途をたどった。人権侵害や野党弾圧に反発する国際社会は経済制裁で締め付けてもいる。
同国では今年3月、大統領選があり、ムガベ氏が再選したが、欧米社会は野党迫害などもありこの選挙結果の正当性を認めていない。与野党間の連立政権交渉も権力闘争で対立が依然続いている。
今年8月以降には、首都ハラレを中心に保健対策での無策が原因とみられるコレラ感染が急激に広まっている。ライス米国務長官は今月初旬、ジンバブエの苦境を長期独裁政権を維持するムガベ大統領の失政の反映であるとし、「とうに退陣すべき指導者である」と糾弾していた。
世界最悪のインフレ率にギネスを模した認定証、ジンバブエ人活動家ら
* 2008年12月20日 09:30 発信地:プレトリア/南アフリカ
【12月20日 AFP】南アフリカに在住するジンバブ人の活動家グループ「Revolutionary Youth Movement of Zimbabwe」は18日、ジンバブエが独立以来世界最悪のインフレ率を更新してきたことを憂い、南アフリカ・プレトリア(Pretoria)のジンバブエ大使館にギネス世界記録(Guinness World Records)の「認定書」を模した賞状を贈ることを明らかにした。
ジンバブエのGideon Gono中央銀行総裁は2008年だけで、27の新額面紙幣を導入したが、2億3100万%とされる世界最悪のインフレ率に、紙幣の印刷が追いつかない状況が続いている。(c)AFP
ジンバブエ:連立協議は不調 米がムガベ大統領退陣を要求
【ヨハネスブルク高尾具成】アフリカ南部ジンバブエで、与野党の連立政権樹立に向けて進められていた協議について、フレーザー米国務次官補は21日、「ムガベ(大統領)のもとで協議は不可能だ」と述べ、ムガベ大統領に事実上退陣を要求した。今年3月の大統領選以降続く同国の混乱は収まらず、確実に越年する情勢だ。
訪問先の南アフリカ・プレトリアで次官補は、ムガベ氏と連絡が全く取れないことを強調し、「彼は(連立政権樹立の)約束を守っていない」と強く批判。米国が連立協議を支持してきた姿勢を見直す考えを示した。
一方、ムガベ氏は19、20の両日、与党「ジンバブエ・アフリカ民族同盟愛国戦線」の年次総会で、「ジンバブエは私のものだ。絶対に屈しない」と訴え、国際社会による圧力も意に介さない姿勢を見せた。
ムガベ氏に対し、最大野党「民主変革運動」のツァンギライ議長は19日、隣国ボツワナで、同党メンバーらの拉致・行方不明者が続出していることを受け、地元記者らに「新年までに解放されない場合、連立政権に向けた協議を中止する」と語った。
3月の大統領選ではツァンギライ氏がリードしたが、過半数に達せず決選投票に。その後、野党弾圧を理由に、ツァンギライ氏が決選投票を辞退し、ムガベ大統領が連続5選を決めた。
9月に隣国・南アフリカのムベキ前大統領の仲介で、「ムガベ大統領、ツァンギライ首相」の線で連立政権樹立に向けた協議が始まったが、暗礁に乗り上げたままだ。ジンバブエは年率2億%を超すインフレに加え、8月以降のコレラ禍で死者1100人以上(国連発表)が出る深刻な状態が続いている。
毎日新聞 2008年12月22日 12時40分(最終更新 12月22日 14時22分)
ジンバブエ大統領、「政府は主要経済部門を接収管理」
2008-12-22 09:56:25 cri [A A A]
ジンバブエのムガベ大統領は20日、西側諸国による制裁でジンバブエの経済問題が深刻化していることに対応するため、政府は経済革命委員会を設立し、「革命的行動」をとって全ての重要な経済部門を接収管理すると発表しました。
ムガベ大統領は20日、与党のZANUーPF・ジンバブエ・アフリカ民族同盟愛国戦線の大会で演説し、「政府は採鉱、製造と銀行業など主要経済部門の運営を全面的に接収管理することを含めた景気対策を検討しているが、ZANUーPFの政治局はこれら対策の実施に同意している」と述べました。
ジンバブエ与野党の連立合意、「支持しない」と米当局者
南アフリカ・プレトリア(CNN) フレイザー米国務次官補(アフリカ地域担当)は21日、アフリカ南部ジンバブエの与党、ジンバブエ・アフリカ民族同盟愛国戦線(ZANU―PF)のムガベ大統領と、野党の民主変革運動(MDC)が連立政権樹立に向け今年9月15日に結んだ合意を、今後支持しないと発表した。フレイザー次官補は、ムガベ大統領が政権を維持している状態で、実効性のある連立政権を樹立するのは不可能だとしている。
フレイザー次官補はライス米国務長官の要請でアフリカ南部を訪問し、ムガベ政権に対する米国の政策変更について表明。同次官補は当地で行われた記者団との懇談会で、連立合意不支持に転換したことを明らかにするとともに、「(ジンバブエでは)新たに選挙を実施する必要性があるものの、現状では不可能だ」とコメントした。
ジンバブエでは今年3月の大統領選でムガベ大統領とMDCのツァンギライ議長が争い、両者とも得票率が規定に届かなかった。与党支持者が野党支持者を襲撃しているとの理由で、同議長は6月の決選投票から撤退。両者は連立政権樹立に向けた基本合意に署名したものの、これまでの組閣人事は失敗に終わっている。
フレイザー次官補は外遊中、ジンバブエ周辺諸国の指導者らと意見を交換。各国指導者はムガベ大統領の権力掌握への懸念と、連立合意の支持の間で身動きが取れなくなっている。同次官補は、アフリカ各国の指導者らが結束し、ムガベ大統領に辞任圧力をかけられる状況になるまで、あと数週間かかると見ている。
ジンバブエではコレラの感染拡大も問題となっており、国連によると、ここ数カ月の死者は1000人を突破した。ジンバブエ当局の無策ぶりを受け、ブッシュ米大統領など各国首脳はムガベ大統領に退陣を要求。ジンバブエ経済も崩壊状態にある。
フレイザー次官補によると、国連安全保障理事会は来月ジンバブエ情勢について協議する。ジンバブエに最大の影響力を持ち、連立協議を仲介した南アフリカは今年末で非常任理事国の任期が終了するため、追加制裁決議を阻止することはできない。
国連、ジンバブエ「550万人が食糧支援必要」
* 2008年12月23日 04:47 発信地:ハラレ/ジンバブエ
【12月23日 AFP】食糧問題を担当する国連(UN)のオリビエ・デシューター(Olivier De Schutter)氏は22日、ジンバブエの人口の半数が食糧支援を必要としていると発表した。一方、ジンバブエには同日、コレラ対策を支援するための物資の第一便が現地入りした。
ロバート・ムガベ(Robert Mugabe)大統領に対する欧米諸国からの辞任圧力が高まる中、今回の食糧に関する国連の発表は、コレラの大流行と世界最悪のインフレ率に直面しているジンバブエがさらなる危機に直面していることを示した。
国連高官4人の共同声明でデシューター氏は「推定550万人が食糧支援を必要としている」と述べた。
また、健康問題担当のAnand Grover氏は、ジンバブエの医療制度ではコレラの流行を制御することはできないと述べた。同国でのコレラによる死者は1120人以上に上っている。
一方、コンドリーザ・ライス(Condoleezza Rice)米国務長官は、ムガベ大統領に対する圧力を一層強めるため、同盟国に対しジンバブエ政府への制裁を働きかけると述べた。(c)AFP
ジンバブエ制裁強化を協議 米国務長官
2008.12.23 21:00
フランス公共ラジオによると、ライス米国務長官は22日、フランス通信(AFP)のインタビューに答え、コレラの流行などで人道危機の深まるジンバブエのムガベ政権に対する制裁強化を同盟国と協議する意向を示した。
ライス長官は「(経済の崩壊やコレラの流行などは)ジンバブエの国内問題だとしても、同国内部で起こっている事態は想像を絶している」と指摘。「国際社会がムガベ政権への制裁を強化するときが来た」として、特に英国やアフリカの同盟国と歩調をそろえて、人道危機への無策ぶりの際立つムガベ政権に圧力を強める考えを示した。(共同)
ジンバブエ大統領、「米国と西欧は能なしのバカ」と発言
ハラレ(CNN) コレラ被害や経済疲弊で国際的な注目を浴びているアフリカ南部ジンバブエのムガベ大統領が23日、「米国と西欧諸国は能なしのバカ」などと発言した。死去した軍高官の葬儀で語ったもので、英国から独立した28年前から生じている経済問題も人道問題も、欧米による制裁が原因だと非難している。
ジンバブエは人権侵害でも国際的な非難を受けているムガベ大統領の独占政権下にある。年間インフレ率は2億3000万%と経済が崩壊状態であるだけではなく、国連によれば今年8月からのコレラ死者が1000人を超えている。
今年9月15日には、大統領選挙結果で対立していた与野党が連立政権樹立で合意し、ムガベ大統領の続投と野党・民主変革運動(MDC)のツァンギライ議長が首相に就任した。
しかし、米国のフレイザー米国務次官補(アフリカ地域担当)が21日、ムガベ大統領が権力を持った状態においては、連立政権の樹立は不可能だと発言した。また、ツァンギライ議長は19日、新年までに人質となっている党員42人を解放もしくは、公平な裁判の場に連れ出さなければ、連立政権には参加しないと表明している。
フレイザー国務次官補の発言を受けたムガベ大統領は、「我が国の政府には、ブッシュ米大統領や彼の政権は含まれていない。何の関係もないし、彼のことなんか知りもしない」と反論。「言いたいことは言わせておけばいい。彼らはまったくの無関係。能なしでバカだ」と述べた。
また、ブッシュ大統領がムガベ大統領に対して退陣を迫っていることについても、ブッシュ氏が来年1月20日に大統領の職を退くことに触れ、「死にかけたウマの最後の悪あがきだ。日が沈む政権に注意を払うつもりはない。ジンバブエの運命はジンバブエ人が決める」と続けた。
コレラ・食糧危機・経済破綻…大統領への辞任圧力強まる ジンバブエ
2008.12.24 21:38
【ロンドン=木村正人】アフリカ・ジンバブエのムガベ大統領に対する欧米の辞任圧力が強まっている。ムガベ氏が野党との連立合意を守らないため、行政機能が停止し、ゴミや下水があふれてコレラが流行、死者は1000人を突破した。感染者は南アフリカなど周辺国にも広がった。ムガベ氏の悪政がもはや国内問題では済まなくなったとして、欧米はアフリカ諸国にも制裁強化を呼びかけている。
ジンバブエの与野党による連立合意を見守ってきたライス米国務長官はフランス通信(AFP)に対し、「ジンバブエへの制裁を強化するときが来た」と述べ、ムガベ氏側近の渡航制限や関係が深い企業への制裁強化を欧州連合(EU)加盟国やアフリカ諸国と協議する考えを示した。
EU議長国・フランスのサルコジ大統領も「話し合いの時期は過ぎた」と、ムガベ氏に辞任を迫っている。
これに対し、ムガベ氏は与党、ジンバブエ・アフリカ民族同盟愛国戦線の年次総会で「ジンバブエは私のものだ」と、1980年の独立以来続く独裁政権へのすさまじい執念を見せた。
同国では今年3月に大統領選が行われたが、ムガベ政権が野党勢力を弾圧。ムベキ前南ア大統領の仲介により、ムガベ氏が大統領に留まり、最大野党、民主変革運動(MDC)のツァンギライ議長が首相に就任する連立合意が9月に成立した。しかし、報復を恐れるムガベ氏が軍や治安組織の権限掌握に固執したため、交渉は頓挫した。
実勢で年率150億%の超インフレで同国経済は完全に破(は)綻(たん)。国連人道問題調整事務所のまとめでは、コレラによる死者は1123人、感染者は約2万1000人に達した。感染は南ア、ボツワナ、ザンビア、マラウイにまで広がっている。さらに、ジンバブエでは人口の半数に相当する550万人への食糧支援が必要だと、国連が指摘した。
国際シンクタンク「国際危機グループ」(本部・ブリュッセル)の報告では、女性人権活動家が失跡するなど野党勢力への弾圧は続いており、スタインバーグ会長代理は産経新聞に対し電話で「どれほどひどい犠牲を国民に強いても、ムガベ氏が欧米の圧力に屈して辞任することはあり得ない。与野党が関与しない中立の暫定政府を設置するなど特別な解決策が必要だ」と語った。
「政府転覆計画」の罪で人権活動家を訴追 ジンバブエ
ジンバブエ・ハラレ(CNN) ジンバブエの裁判所は24日、自宅から何者かに連れ去られ行方不明になっていた人権活動家ジェスティナ・ムココ氏ら32人の釈放を命じる決定を言い渡した。ムココ氏は、ムガベ政権転覆を計画した罪に問われている。
ムココ氏は人権団体「ジンバブエ・ピースプロジェクト」の代表。12月3日に自宅から連れ去られて行方不明になり、野党、民主変革運動(MDC)や人権団体アムネスティ・インターナショナルの訴えを受けて裁判所が警察に捜索を命じていた。
弁護士によると、ムココ氏は警察に連行されて拷問を受けていたとの情報があり、釈放後、ほかの8人とともに病院に運ばれた。
残る23人は人権活動家や野党関係者で、10月に両親とともに連れ去られていた2歳の男の子も含め、即時釈放が認められた。
国営ヘラルド紙の報道によると、ムココ氏はムガベ政権を転覆させる目的で人材を集め軍事訓練を受けさせようとした罪に問われている。公判のため29日に入院先から治安裁判所に出廷する予定で、死刑を言い渡される可能性もある。
MDCは、ムココ氏らが政府の転覆を図っていた事実はなかったと主張。同氏の訴追はムガベ大統領が非常事態宣言を発令する前触れだと指摘した。
ジンバブエ、コレラによる死者が1500人以上に
* 2008年12月29日 19:56 発信地:ジュネーブ/スイス
【12月29日 AFP】世界保健機関(World Health Organization、WHO)は29日、ジンバブエでのコレラによる死者が8月以降1500人を超えたと発表した。
WHOの広報担当官によると、8月以降にジンバブエで確認されたコレラによる死者は1564人で、感染者は2万9131件にのぼるとみられる。
国連(UN)が6日前に発表した数字では感染例2万3712件、死者1174人で、WHO発表のほうが約400人多い結果となった。(c)AFP
ジンバブエのコレラ死者、1500人突破と WHO
(CNN) 世界保健機関(WHO)は29日、アフリカ南部ジンバブエのコレラ感染者が前日までに2万9131人に達し、1564人が死亡したと発表した。コレラ被害は同国全土に広がっており、隣国の南アフリカにも影響が及び始めている。
経済が疲弊し、ムガベ大統領の独裁政権下にあるジンバブエでは、8月からコレラ感染者が増加。首都ハラレですら上下水道が整備されておらず、感染拡大は収まる気配を見せていない。
コレラ感染者は最大で6万人に達するとの予測もある。
国際援助団体、子どもたちのための国際NGOセーブ・ザ・チルドレンによると、ジンバブエの人口1200万人のうち、500万人が食糧不足に苦しんでいるとして、年明けにも1万8000トンの食糧を送る。