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安楽死・尊厳死 euthanasia / death with dignity 2017


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※過去の法案、賛否両方の意見・声明などは『生死の語り行い・1――尊厳死法案・抵抗・生命倫理学』をご覧ください。

立岩 真也 2017/08/16 『生死の語り行い・2――私の良い死を見つめる本 etc.』Kyoto Books
立岩 真也・有馬 斉 2012/10/31 『生死の語り行い・1――尊厳死法案・抵抗・生命倫理学』,生活書院,241p. ISBN-10: 4865000003 ISBN-13: 978-4865000009 [amazon][kinokuniya] ※ et. et-2012.
立岩 真也・杉田 俊介 2017/01/05 『相模原障害者殺傷事件――優生思想とヘイトクライム』青土社,260p. ISBN-10: 4791769651 ISBN-13: 978-4791769650 1944 [amazon][kinokuniya] ※

立岩真也『生死の語り行い・2――私の良い死を見つめる本 etc.』表紙   立岩真也・杉田俊介『相模原障害者殺傷事件――優生思想とヘイトクライム』表紙   『生死の語り行い・1――尊厳死法案・抵抗・生命倫理学』表紙

◆2017/10/01 第12回市民講座
講演  斎藤 義彦さん(毎日新聞記者)
≪広がる「尊厳死・安楽死」−オランダの状況を中心に≫
日時: 2017年10月1日(日) 13時30分〜16時45分(開場13時)
会場: 江東区総合区民センター第2研修室(6F)
東京都江東区大島4−5−1 TEL:03−3637−2261
https://www.kcf.or.jp/sogo/access/
アクセス:都営地下鉄新宿線西大島駅(A4出口)1分/JR総武線亀戸駅北口より徒歩15分
資料代:500円
主催:臓器移植法を問い直す市民ネットワーク
連絡先:新宿区西早稲田1−9−19−207日消連気付 携帯080(6532)0916
e-mail:abdcnetあっとgmail.com ブログ:http://blog.goo.ne.jp/abdnet
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斎藤さんは、日本・アメリカ・ヨーロッパで、社会保障の状況、特に高齢者の「終末期医療」や「安楽死」の問題について精力的に取材し本にまとめられました。その中で市民が考える上での論点を提示されています。
今回は、ベルギー特派員時代に取材されたオランダの「安楽死」と高齢社会の関係、そして特に認知症の人々に対する「安楽死」問題を中心に語っていただきます。「延命医療」中止後の心停止ドナー移植の実態についてもお話しいただきます。
日本に伝えられた記事を読んで、数年前から齋藤さんのお話を聞きたいと考えていました。待ちに待った講演です。是非ご参加ください。

◆立岩 真也 2017/09/09 「長生きは幸せか 社会学者、立命館大教授 立岩真也さん」
 『中日新聞』『東京新聞』2017-9-9

立岩 真也 2017/08/16 『生死の語り行い・2――私の良い死を見つめる本 etc.』Kyoto Books

立岩真也『生死の語り行い・2――私の良い死を見つめる本 etc.』表紙

◆立岩 真也 2017/07/23 安楽死尊厳死について(インタビュー),MXテレビ
 放映は8月

◆京都市長寿すこやかセンター 2017/03 『終活――人生の終末期に向けての備え』 [PDF]

岡本 晃明 2017/05/03 「胃ろうは「延命治療」か 生きる選択 情報提供を」(取材ノートから)
 『京都新聞』2017-05-03朝刊
 講読・試読申し込み→http://ssl.kyoto-np.jp/koudoku/script/

 写真説明= ホテルで胃ろうから朝食を取る京都市のALS患者の増田英明さん(東京都内)
 「梅酒を知人宅に届けてきた。青かった実もわが家の台所の隅で年を経て、琥珀(こはく)色になった。年ごとに出来はさまざま。ガラス瓶から、さわやかな風味のものを選んだ。
 知人は、胃ろうを使っている。おなかに小さな口。晩酌にしますと、喜んでくれた。
 経管栄養の一種である胃ろうは、口で味わうことや食べることと両立しうる。胃ろうでまずは全身の栄養状態を回復し、口からのみ込むリハビリにつなげる例も多い。胃ろうを脱却した人もいる。食べると食べられないの間に、胃ろうで使う小さな器具が、明確な線を引くわけではない。症状や状態によって、その境界線や適応はさまざまなケースがありうる。
 京都市が、終活として「事前指示書」を配っている。そこには、終末期の「延命治療」として、「胃ろうによる栄養補給」を希望する・しない・その他−から選択する欄がある。胃ろうの説明として「終末期の状態では、供給された栄養を十分に体内に取り入れることができないため、徐々に低栄養になります」と記載されている。
 脳卒中や事故、神経難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)などで医師から「余命わずか」「終末期」と告知されたが、経管栄養や人工呼吸器とともに長く暮らす人を何十人も取材してきた。京都市の説明は正しくない。少なくとも、どんな疾患や身体状況にもあてはまる説明ではない。
 市の関連リーフレットには、胃ろうがリハビリにつながるとの説明もない。楽しい晩酌も、胃ろうや人工呼吸器を「延命治療」と呼ぶことに反対する患者や遷延性意識障害家族の思いも、刑法の問題も書いてない。
2017/05/08 人工呼吸器も、車椅子に積んで花見に行けるほど小さくなった。鼻マスク式の呼吸器を日に数時間使い始め、息苦しさが減り眠れると話す京都のALS患者にも会った。その人が穏やかに眠る横で呼吸器が刻むリズムを、在宅ヘルパーと一緒に頼もしく聞いた。人工呼吸器もリハビリの一環と話す医師もいる。胃ろう同様、「延命」状態などとその人のことを思わない。
 厚生労働省の終末期ガイドラインが求めるのは医療チームの丁寧な説明と対話だ。病名告知もなく、京都市が提供できる福祉も医療的ケア支援も案内せずに事前指示書を配るのは、自治体としてバランスを欠くのではないか。
 哲学者の故鶴見俊輔さんは1992年、京都からの自衛隊のPKO初派遣に寄せて、隊員の「揺れる権利」を訴えた。それが個人の自由を保障することなのだと。特攻隊員は「志願」だったが、その権利はなかったと。終末期でも同じと思う。情報が多ければ、たくさん迷う。死という何より重い問いに、生きる手段と多くの支援情報を届け、迷い、揺れる時間を医師や家族が支える。行政がすべきは、その基盤づくりだろう。」

◆増田英明(日本ALS協会) 2017/04/27 「終末期医療のリーフレットと「事前指示書」(終末期の治療を断る書面)を京都市が配布している件について」
 ※記者室で読んだコメント

 「これは、胃ろうや呼吸器を使って生きる重度障害者に対する差別と私は考えます。 リーフレットの中身を見ると、私達ALS患者にとっては生きる意欲を削ぎ取り、不安と恐怖を与えて早く、事前指示書を書けと言っている。
 私は朝、目が覚めた時、今日も頑張ろう、生と死の狭間で1日1生、毎日を精一杯過ごしています。私達の命を軽視しています
 今回の事例は相模原事件と同じ回路ではないでしょうか。生きていても社会の役にたたないと言って生きる権利を奪わないでほしい。ALS患者の生きる場所は無くなるのでしょうか。」

日本自立生活センター→京都市長 2017/04/27 「終活リーフレットの配布中止を求める要望書」

京都市長 門川大作様
終活リーフレットの配布中止を求める要望書
日本自立生活センター
代表 矢吹文敏

 私たちは、どんな重い障害があっても地域で尊厳ある生を送り続けることを目指している障害当事者団体です。
 4月より京都市において配布されはじめた「終活リーフレット」について、私たち障害者の心を深く傷つけるものでありましたので、ご意見申し上げます。
 私たちのまわりには、人工呼吸器や胃瘻などの医療機器を使用しながら地域で生活している仲間がたくさんいます。私たちは、これまで、自分の「命」や、仲間の「生きる」ことに向き合ってきました。尊厳のある生であり、大切な命であると訴えてきました。
 今回、突然だされた、「終活リーフレット」に私たちは、深く傷つけられました。人工呼吸器や胃瘻などを使用する者たちの「生」は、ムダであり、死の選択をすべきだ。と言われ、そのメッセージを行政が社会にばらまいたように受け取りました。
 私たちはこれまで、自分たちの命の選別を幾度となく、問われてきました。障害者なんて生まれてこなければよかった、と。そして社会は常に、障害者を排除したいメッセージであふれています。こうした否定的なメッセージを受けながら、それでも、私たちは「生きる」ことを選んでいます。自分のおかれた状況と仲間、家族、支援者、医療関係者などとともに悩みながら、生きてきました。
 今回の「終活リーフレット」は、このように生きてきた私たちの「命」を否定しているものと受け止められます。私たちに対して、なぜ「死ぬ」という選択肢をとらなかったのか、と言われた気になりました。
 「生きる」ということ、「命」というものについて、これまで真剣に考えてこず、まったく経験や知識や情報がない人たちに、自分の命の選択をさせていいのでしょうか。
 今、行政が行うことは、拙速な「死」のすすめではなく、どんな状態にあってもすべて市民が尊厳ある生を送り続けることを支援することではないでしょうか。
 今回の「終活リーフレット」及び事前指示書は、あまりにも安直です。行政がこのように、尊厳ある生ではなく、市民に死をすすめるようなメッセージを出すべきではないです。
 「終活リーフレット」の配布の中止を求めます。

◆2017/04/27 「終末期「事前指示書」回収を 京都、障害者団体が市に意見書」  『京都新聞』2017-04-27
 http://www.kyoto-np.co.jp/local/article/20170427000165
 写真:終末期医療の事前指示書などの配布中止や回収を求める意見書を市の担当者に提出した日本自立生活センターのメンバーら(京都市中京区)
 「京都市が配布している終末期医療の「事前指示書」と関連リーフレットに対し、障害者団体「日本自立生活センター」(南区)は27日、「上から目線の一方的なもので、あまりにも安直で不適切」として、配布の中止と回収を求める意見書を市に提出した。
 事前指示書とリーフレットは、人工呼吸器や、胃ろうなどの人工栄養法に関する希望を医師や家族らと共有できるよう、4月から区役所などで配布している。
 意見書は、「早くから遺言を書いておきなさいと督促するもので、元気な健常者の発想以外、何ものでもない」と指摘。若い頃から人工呼吸器や胃ろうを使う重度障害者は医師や家族、支援者とともに悩みながら生きてきたとして、「行政が行うことは、拙速な死への勧めではなく、すべての市民が尊厳ある生活を送り続けることの支援ではないか」と訴えている。
 同センターの矢吹文敏代表らは「かかりつけ医や家族、宗教家らから考えようと言われるのはまだ分かるが、行政から言われる筋合いはない。障害者の意見を聞くなどして丁寧に仕上げた形跡もなく、対応を求めたい」と話している。
 【 2017年04月27日 23時17分 】」(全文)

◆2014/04/24 「終活冊子 京で物議 延命治療諾否 事前選択促す 京都市、今月から配布 法律家 「弱者切り捨て」抗議へ」
 『京都新聞』2017年04月24日(月)付朝刊
 ※依頼により掲載します。

 「京都市は、人生の終末期の医療に備えて自らの希望をあらかじめ書きとめておく「事前指示書」を市民が作れるよう、関連リーフレットと併せ、各区役所などで4月から配布を始めた。人工呼吸器をはじめ、胃ろうなど人工栄養法や看取(みと)りの場所といった希望を事前に医師や家族らと共有する目的だが、終末期医療に詳しい医師や法律家から「人工呼吸器を使って生きる選択を難しくする」と撤回を求める声が上がっている。
 市の事前指示書はA4判1枚で、リーフレット「終活」とともに3万部を配布している。意識のない状態や重度認知機能低下の場合、「家族に延命治療の判断が求められる」とし、胃ろうや「延命のための人工呼吸器」、点滴による水分補給、最期を迎えたい場所など計10項目について希望する・しないなどを選択式で記す。「法的な拘束力はなく、内容はいつでも修正・撤回できる」と注釈を付ける。
 「尊厳死法いらない連絡会」の冠木克彦弁護士は「市の配布に大変ショックを受けている。事前指示書の押しつけは、差別や弱者の切り捨てにつながる。尊厳死や安楽死思想と同じ流れだ。胃ろうや人工呼吸器を使って長く生きる人はおり、生きている生命にこそ価値がある」とし、市に近く抗議文を出す構えだ。
 終末期医療を巡っては、治療の不開始(尊厳死)を書面で意思表示した場合、医師が殺人罪や自殺ほう助罪などに問われることを免責する法律はない。終末期の定義もあいまいだ。尊厳死の法制化を求める動きもあるが、日弁連は「終末期における医療・介護・福祉体制が十分に整備されていることが必須」で時期尚早とし、日本医師会も慎重意見を表明し、国レベルで決着が付いていない。(岡本晃明、日山正紀)
◇難病家族 「暮らせる社会が先」
 京都市が配布を始めた終末期医療の事前指示書。市は「市民が自分らしい最期を考えるきっかけづくり」と意義を強調するが、難病団体や医師は「事前指示書にはインフォームド・コンセント(説明と同意)による意思決定プロセスが欠けており、自治体は『死に方用意』を号令する前にすべきことがある」「国のガイドラインに反し、国も書面による尊厳死を容認しているかのような誤解を生じる」と批判している。
 市健康長寿のまち京都推進室は「高齢社会となり、万が一に備え終末期の尊厳ある生き方を考えたい市民が増えた。希望者が家族や医師らとともに、具体的に考える手だてにしてほしい」と説明する。
 ただ、市はこの事前指示書を使い、市民が終末期の医療を相談できるような連携体制を、市内の医師会や医療機関と築けていない。市民が書面を手にしても、身近なかかりつけ医に相談に応じてもらえるかわからない。一方、医療機関側にとっては、医師の関与なく記された書面によって治療を中止して死なせてよいか、他の医療機関との書面の共有など、運用上の課題がつきまとう。
 筋萎縮性側索硬化症(ALS)を発症した母が人工呼吸器を装着して自宅で暮らした日常を「逝かない身体」にまとめ、大宅壮一ノンフィクション賞を受賞したALS協会の川口有美子さん(東京都)は「事前指示書とは、病名が分かって主治医と相談しながら書き置くもの。あらかじめ書いておくのはリビングウィルといい尊厳死協会が推進するが、公的機関が推奨するのはおかしい」と批判する。
 医師から終末期だと告知されたが呼吸器を付けて10年以上暮らし、孫の顔を見た患者も、胃ろうを付けて晩酌を楽しむ患者もたくさんいるといい、川口さんは「長く生きられる人を死なせてはならない。家族が介護しきれない高齢者や難病患者の地域生活の受け皿作りなど、死に方用意の号令の前に自治体が先にすべき事がある」と話す。
◇病状説明なし あり得ぬ
 厚生労働省の「終末期医療に関する調査等検討会」委員だった川島孝一郎医師の話 意思決定には十分な情報提供が大事。病状と介護支援の説明もない「事前の指示」はあり得ず、京都市のパンフレットは厚労省の終末期医療の決定プロセスに関するガイドラインと矛盾している。胃ろうで暮らす人への生活支援情報もない一方、「延命治療」など使うべきでない言葉もある。国で決定されたもののように誤解を与える。
◇行政が旗振りに違和感
 難病や終末期医療に詳しい国立病院機構新潟病院の中島孝院長の話 事前指示書に関し、行政が旗振りするのは違和感がある。「患者のため」「命の尊厳のため」という言い方をするが、実際には医療費削減や家族の負担軽減のため、治らない患者の治療をしない、社会全体で延命させない流れを加速させかねない。患者から医師に一方通行の事前指示書を用いる前に、患者と医師がまず十分に話し合う事が必要で、対話で作りあげる事前ケア計画の導入の方がましだ。」

児玉 真美 2017/02/24 「ワシントンDCの「尊厳死法」施行」
 http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara2/65532905.html
児玉 真美 2017/02/22 「夫による認知症女性殺害事件で安楽死要件緩和を求める声が再燃(カナダ)」
 http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara2/65532302.html
児玉 真美 2017/01/24 「希望者急増中、カナダの安楽死合法化によって医療費1億ドル超の削減効果」
 http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara2/65497563.html
児玉 真美 2017/01/15 「カナダ・ケベック州も安楽死後臓器提供へ?」
 http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara2/65487801.html


UP: 201601 REV:.. 20170424, 30, 0828
安楽死・尊厳死 euthanasia / death with dignity  ◇安楽死・尊厳死:2016  ◇病者障害者運動史研究 
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