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ニキ リンコ

にき・りんこ

自閉連邦在地球領事館附属図書館(館長 リンコ ニキ Lingko "NeatKey" NIKI)
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last update: 20140820

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■著書

◆ニキ リンコ 20080825 『スルーできない脳――自閉は情報の便秘です』,生活書院,456p. ISBN-13: 9784903690247 ISBN-10: 4903690245 2100 [amazon][kinokuniya] ※ a07. m.

◆ニキ リンコ 20071129 『自閉っ子、えっちらおっちら世を渡る』,花風社,296p. ISBN-10: 490772571X ISBN-13: 978-4907725716 1680 [amazon][kinokuniya] ※ a07.

◆ニキ リンコ 20070627 『自閉っ子におけるモンダイな想像力』,花風社,329p. ISBN-10: 4907725701 ISBN-13: 978-4907725709 1680 [amazon][kinokuniya] ※ a07.

◆ニキ リンコ・仲本 博子 20060331 『自閉っ子、深読みしなけりゃうまくいく』,花風社,251p. ISBN-10: 4907725671 ISBN-13: 978-4907725679 1575 [amazon][kinokuniya] ※ a07.

◆ニキ リンコ 20050717 『俺ルール!――自閉は急に止まれない』,花風社,316p. ISBN-10: 4907725655 ISBN-13: 978-4907725655 1600+ [amazon][kinokuniya] ※ a07.

◆岡野 高明・ニキ リンコ 20021210 『教えて私の「脳みそ」のかたち――大人になって自分のADHD、アスペルガー障害に気づく』,花風社刊,315p. ISBN-10: 4907725485 ISBN-13: 978-4907725488 1680 [amazon] ※ a07.

■訳書

◆Willey, Liane Holliday 2001 Asperger Syndrome in the Family: Redefining Normal, Jessica Kingsley Publishers=20070320 ニキ リンコ 訳,『私と娘、家族の中のアスペルガー――ほがらかにくらすための私たちのやりかた』,明石書店,290p. ISBN-10: 4750324965 ISBN-13: 978-4750324968 2100 [amazon][kinokuniya] ※ a07.

◆McKean, Thomas A. 1994 Soon Will Come the Light : A View from Inside the Autism PuzzleFuture Horizons Inc=20031107 ニキ リンコ 訳,『ぼくとクマと自閉症の仲間たち』,花風社,286p. ISBN:4-907725-56-6 1680 [amazon][kinokuniya][BK1] ※ a07.

◆Kida, Thomas 2006 Don't Believe Everything You Think: The 6 Basic Mistakes We Make in Thinking, Prometheus Book =20110215 ニキ リンコ 訳 『ヒトは賢いからこそだまされる――ニセ科学から衝動買いまで』,生活書院,464p. ISBN-10:4903690687 ISBN-13:978-4903690681 \2415 [amazon][kinokuniya] ※ ss

◆Kilcarr, Patrick J. & Quinn, Patricia O. 1997 Voices from Fatherhood: Fathers, Sons and ADHD, Brunner/Mazel Trade=20020710 ニキ リンコ 訳,『自分で自分をもてあましている君へ――あきらめないよ、ADHDの君の将来』,花風社, 319p. ISBN:4-907725-44-2 1680 [amazon][kinokuniya][kinokuniya][BK1] ※ adhd. a07.

◆Willey, Liane Holliday 1999 Pretending to be Normal: Living with Asperger's Syndrome, Jessica Kingsley Publishers Ltd., U.K.=20020606 ニキ リンコ訳, 『アスペルガー的人生』,東京書籍,254p. ISBN-10: 4487797233 ISBN-13: 978-4487797233 2100 [amazon][kinokuniya] ※ a07. 〔10〕

◆Lawson, Wendy 1998 Life behind Glass: A Personal Account of Autism Spectrum Disorder,Southern Cross University Press
=20010519 ニキ リンコ 訳 『私の障害、私の個性。』,花風社,219p. ISBN-10: 4907725256 ISBN-13: 978-4907725259  1680 [amazon][kinokuniya] ※ a07

◆Weiss, Lynn 1992 Attention Deficit Disorder in Adults,Taylor Publishing=20010228 ニキ リンコ訳, 『片づかない!見つからない!間に合わない!』 ,WAVE出版,398p. ISBN-10:4872900944 1500 [amazon][kinokuniya] ※ adhd. a07.

◆Solden, Sari 1995 Women with Attention Deficit Disorder: Embracing Disorganization at Home and in the Workplace, Underwood Books=20000531 ニキ リンコ訳,『片づけられない女たち』,WAVE出版,392p. ISBN:4-87290-074-X 1680 1680 [kinokuniya][bk1] ※ adhd a07.

◆Gerland, Gunilla 1997 A Real Person=20000430 ニキ リンコ訳,『ずっと「普通」になりたかった』,花風社,286p. ISBN:4-907725-14-0 1785 [amazon][kinokuniya][kinokuniya][bk1] ※

■ニキさんより

Date: Fri, 24 Sep 2004 23:52:48 +0900
From: "NIKI"
Subject: [jsds:9809] 明日から毎日朝刊で週一連載

ごぶさたしております、たぶん自閉スペクトラム(誤診じゃないかぎり)のニキで
す。
本日は図々しくも宣伝に参りました。

明日の25日から、毎日新聞朝刊の生活家庭面で、毎週土曜日の「みんな一緒」という
コーナーで、コラムの連載をさせていただくことになりました。タイトルは『自閉姫
の見聞記』といいます。10回前後ってことなんですが、何回になるのやら。

書いてる本人がへらへらとシマリのないシオタレた書き手ですので、そのキャラを反
映して、何となくシマリのない話になると思います。勇ましい話にはなりませんので
あしからずご了承くださいませ。

それにしても、元がほわんとしたキャラの人間にとって、アンクルトムにもならず、
かといって自分のキャラも失わないというのは、実に危ない綱渡りだと痛感する毎日
です。

ニキ リンコ


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■引用

◆ニキ・リンコ 2000 「訳者あとがき」,Gerland[1997=2000:281-286] [3]

 「障害をもって生まれながら、何も知らず、健常児として育つ。それはときに、二重の意味で屈辱的な経験になることがあります。一つは、人と同じことができないのに、理由がわからないので、自分(p.282)のせいだと思ってしまう屈辱。もう一つは、みんなとの能力の差を埋めようとせっかく自分で工夫したやり方を不自然だ、卑怯だと思いこんでしまう屈辱です。
 自閉症スペクトル上の人々には、「暗黙の約束」を読みとる勘がありません。そんな私たちにとっては、記憶力と論理に頼り、計算に従って演技をするのは、生活のために必要な工夫なのです。車椅子や点字と同じ、自然で、正当なことなのです。なのに、このままではダメだ、普通にならなくてはと思い詰めて、自分を見失う。そこまでの犠牲を払って努力したのに今度は「他の人間をかたどった、安っぽいまがいもの、でき損ないの複製になってしまった」意識にさいなまれる。」(ニキ[2000:282-283])

 「[大学を]中退して放り出された先は、バブル崩壊前夜、八〇年代末の日本でした。「モノより心」「本当の自分」といった言葉があちこちで聞かれ始めたころです。「自分探しゲーム」「癒しブーム」に明け暮れた日本の九〇年代は、私にとって本当に奇妙な時代でした。「ありままの自分」なん言われたって、ありのままでは生活していけなかったではないか。私に必要なのは、「癒し」などではなく、力をつけることなのに。
書籍や雑誌の世界で、次々とこころの病理がテーマとして流行し、消費されるようすも不可解でした。みんな、あんなに正常なのに、仕事にも就けるのに、なぜ多重人格や連続殺人の本に熱中するのだろう? 次々と流行する異常心理の本に、私など手も届かないほど正常な人たちが「自分を重ねて読みました」とか「この主人公は私です」などというコメントを寄せているのを、私は悪い夢か何か(p.283)のようにぼんやり見ていました。」(ニキ[2000:283-284])
 「「本当の私に出会う」なんてフレーズは恥ずかしいと思っていました。でもその一方で、自分のどこがおかしいのか、納得したかったのも確かです。なぜみんなが怒るときに怒れないのか。なぜみんなが笑わないときに笑ってしまうのか。なぜこんなに疲れてしまうのか……。」(ニキ[2000:284])
 「意外に思われるかもしれませんが、診断は大きな救いでした。自分にも障害があると知って、二重の屈辱から解放されたのですから。みんなと同じことができないのは自分のせいではないことがわかったし、勘でわからないことを計算で補うのはごまかしでも何でもなく、自分に合ったやりかたなのだと割り切れるようになったからです。」(ニキ[2000:285])

◆ニキ リンコ 20020606 「訳者あとがき」,Willey[1999=2002:246-248]
 「本当は生まれつきの障害で、児童精神科の担当する領域なのに、大人たちが(それも、しばしば自分の子どもや孫の診断をきっかけに)診断を受けに来る。歴史の流れの中で見れば、今は、子どものときに診断の機会を逸した人々が一斉に診断を求める、いわば過渡期にあたるのかもしれません。
 大人になってから診断を受けた人が、診断によって安心する、ときには救われた思いを味わうことは、決して珍しいことではありません。でもどういうわけか、このような反応はとかく奇異なものとして見られがちです。そればかりかときには、「自分から障害者になりたいのか」と批判されることさえあります。<0246<」(Willey[1999=2002:246])

◆ニキ・リンコ 20021031 「所属変更あるいは汚名返上としての中途診断――人が自らラベルを求めるとき」,石川・倉本編[2002:175-222]* [3]
*石川 准・倉本 智明 編 20021031 『障害学の主張』,明石書店,294p. \2600

*障害というラベリングによって安心すること
 香山リカの、「糖尿病」と告知されて「うれしく思う人」はいない、という指摘を受けて、「発病(事実)に対する反応」と「診断(情報)に対する反応」を区別していない。」(p.196)、「筆者なら、「発病は嬉しくないが、診断されたことは嬉しい」と思うだろう」(注よりp.215)、「長年「何かおかしい」と思いながら正体がわからなかった者にとっては、名前がつくことは大きな救いになりうる。「名前があったのか!」という表現は、定番といえるほどよく目にするものである」(p.196)

*説明を求める思いを持つこと自体を否定されるとき
 「なぜ自分から障害者になりたがるのか」という問いの陰には、「『障害者』というレッテルは誰にとっても常にマイナスのものであるはず」という素朴な前提がある。実際には、社会的に「障害者」としての承認を求めることは、決して「障害者」というレッテルに付随する蔑視を自ら求めることでもなければ、肯定することでもないのに、先の疑問はこの二つを区別せず、あたかも診断を求める者が自ら蔑視を求めているかのような印象を作り出しており、無意識なら不注意、意図的なら卑怯である。事実のレベルでは障害者としての承認を求めつつ、重度障害も含めた「障害」全体に対するスティグマは拒絶するという姿勢もあるはずである。身に合わない「健常者」というレッテルに苦しみ続けるか、差別もコミで障害者として認めてもらうかという二者択一に追い込まれる必要はなかろう」(p.202)

*「故意に手を抜く健常者」から「それなりにがんばってきた障害者」へ、「ダサい健常者」から、「自閉者としてはこれが普通」への変更は、転落ではなくヨコ方向への移動でしかないばかりか、質的にいえば「怠惰」「悪意」「横着」という汚名の返上である。新しい所属先、帰属意識の獲得であり、身の丈に合い、実感に添った自己像を新たに形成するきっかけでもある。そして、これまでの違和感が錯覚でもなければ嘘ではなかった、妄想でもなければ幻覚でもなかったという認識であり、自分は自分の感覚を当てにしても良いのだという保証でもある」(p.203)

 「「障害者になる」という表現には二通りの意味がある。一つは受傷や発症により何らかのインペアメントを持つようになることであり、もう一つは社会的に「障害者」として認められることである。「なぜ自分から障害者になりたがるのか」という言辞は、この二つをあえて区別せずに用いることで、意味を二重写しにする悪意を含んでいる。つまり、実情の方は、最初からインペアメントを持っていた者が内実に合わせたラベルを得ようとしているのに対し、あたかも自傷か何かによってインペアメント自体を得ようとしているかのような連想が働く表現だといえる。
 また、社会的に「障害者」としての承認を求めることは、決して「障害者」というレッテルに付随する蔑視を求めることでもなければ、肯定することでもない。先の疑問はこの二つをも区別せず、あたかも診断を求める者が自ら蔑視を求めているかのような印象を作り出しており、無意識なら不注意、意図的なら卑怯である。〈事実〉のレベルでは「障害のある人」としての承認を求めつつ、重度障害も含めた「障害」全体に対するスティグマは拒絶するという姿勢もあるはずである。身に合わない「健常者」というレッテルに苦しみ続けるか、差別も〈コミ〉で障害者として認めてもらうかという二者択一に追い込まれる必要はない。」(ニキ[2002])


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■言及

◆立岩真也 2014/08/26 『自閉症連続体の時代』,みすず書房,352p. ISBN-10: 4622078457 ISBN-13: 978-4622078456 3996 [amazon][kinokuniya] ※
◆立岩 真也 2008- 「身体の現代」,『みすず』2008-7(562)より連載 資料,
◆立岩 真也 2004/06/25 「ニキリンコの訳した本たち・2」(医療と社会ブックガイド・39),『看護教育』45-06:(医学書院)
◆立岩 真也 2004/04/25 「ニキリンコの訳した本たち・1」(医療と社会ブックガイド・37),『看護教育』45-04:(医学書院)


UP: 20040229 REV: 0302 0506,0826,0925,1103 20090415, 0505, 09, 20101122, 20110513, 20110820, 20140820
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