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2011「関西・大阪を讃える:そして刊行を祝す」再掲01

「身体の現代」計画補足・783

立岩 真也 2022
https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi/posts/3112675715666061

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■定藤邦子『関西障害者運動の現代史――大阪青い芝を中心に』,生活書院,pp.3-9
 http://www.arsvi.com/b2010/1103sk.htm
 に収録されている
■2011/03/31 「関西・大阪を讃える――そして刊行を祝す」,定藤[2011:3-9]
 を断続的に再掲していきます。本買ってくださいませ。

 すこし「青い芝の会」のことを知っている人は、第1章は飛ばして、後で読んでください。第2章から本格的に関西の話、おもに大阪の話が始まる。関西はおもしろい。こういうことに関わってきた人なら皆知っている。しょぼい、けどすごい、すごいけどしょぼい、つらいけどおもしろい、おもしろい、けどつらい、そんなことがいろいろと起こった。「ここはぜひとも詳しく、できるだけ詳しく」と著者の定藤さんにお願いしたきたのでもあるが、例えば、『さようならCP』の上映運動や『カニは横に歩く』の製作活動(第2章第5節、一〇〇頁)、そして和歌山身体障害者福祉センター糾弾闘争(第3章4節1の(2)、一五四頁)、川崎バス闘争(第3章4節4の1の(4)、一七一頁)、そして大阪青い芝の会(他)に関わることになった人たちのそれまでの暮らしのことその後のことが詳しく記されている。
 そうしたことがあったことをいくらかの人は知ってはいる。しかし、私も含めて、詳しくは知らない。関わった人にはもういない人もいるし、忘れていることもある。その時に何が具体的に勝ち取られたのかと言えば、それほどの「獲得物」はなかったと言えるのかもしれない。しかし、とにかくなされたことがあった。それを行なった人たちがいた。私たちはそれらに対する、その人たちに対する敬意を感じ、その敬意を持ち続け、それを伝え続けるためにも、それらを記録し、読み、知らねばならないと思う。また、私は追悼するという行ないがどんな行ないであるのかわかっていないのだが、亡くなった後も人や人の行ないは記憶され讃えられるべきであると思う。この本は、そのための本でもある。


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◆立岩 真也 2020/11/11 「私たちはそういうことにあまり慣れてないのだが」DPI日本会議,ご寄付、ご支援について
◆立岩 真也 2021/03/10 『介助の仕事――街で暮らす/を支える』,ちくま新書,筑摩書房,238p.


 生存学研究センターのフェイスブックにあるこの文章と同じものは
http://www.arsvi.com/ts/20222783.htm
にもある。


UP:2021 REV:
博士号取得者  ◇立命館大学大学院先端総合学術研究科  ◇生を辿り道を探る――身体×社会アーカイブの構築  ◇『介助の仕事――街で暮らす/を支える』  ◇立岩 真也  ◇Shin'ya Tateiwa 
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