『法思想史講義 下』
笹倉 秀夫 20071105 東京大学出版会,392p.
last update:20111118
■笹倉 秀夫 20071105 『法思想史講義 下』,東京大学出版会,392p. ISBN-10:4130323415 ISBN-13:978-4130323413 \3990 [amazon]/[kinokuniya] ※ l05 s p w01 l03 u03 j08 g03 lj01 ki03 hf01 mj03 mk17 wm06 fm05 rj04
■内容
出版社/著者からの内容紹介
「近代法」誕生の地である西洋の法思想を、古代から現在まで大胆に通観した決定版テキスト。下巻は絶対王政期から現代までを論じ、デカルト、ホッブズ、ヘーゲル、マルクス、ヴェーバー、フロム、フーコー、ロールズなど重要な思想家と彼らが生きた時代・社会を鮮明に描き出す。
内容(「BOOK」データベースより)
近代の胎動、発展、そしてポストモダンへ。デカルト、ホッブズ、ヘーゲル、マルクス、ヴェーバー、フーコー、ロールズ…。近代はどこから来て、どこへ行くのか?西洋法思想史の決定版通史。
出版社からのコメント
古代ギリシアから説き起こした西洋法思想の流れは、下巻でいよいよ近代に突入します。私達が身を置く社会は、どこから来て、どこへ行くのでしょうか。9・11テロ後の社会状況まで見据えて正義の原理を探究する本書は、未来を占う良き羅針盤となることでしょう。
上・下巻を通した3000年の歴史を通観して改めて思うこと、それはひとりひとり小さな存在に過ぎない人間が作り出す、歴史のダイナミズムの雄大さです。学ぶことの醍醐味に満ちたスケールの大きな本書を、是非御一読ください。【担当編集者】
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
笹倉 秀夫
1947年兵庫県に生まれる。1970年東京大学法学部卒業。早稲田大学法学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
■目次
はしがき
凡例
緒論
第4部 近代の形成・展開
9 近世の国家と社会
9‐1 君主による統合
9‐2 社会全体の変化
9‐3 身分制的自由
10 近代社会の思想
10‐1 〈デカルト〉対〈ベーコン〉・〈ヴィーコ〉
10‐1‐1 デカルト
(1)数学的哲学
(2)個人の位置
10‐1‐2 ベーコン
10‐1‐3 ヴィーコ
10‐2 ホッブズ革命
10‐3 ロック
(1)社会論
【補論】労働と理性・文化
(2)寛容思想
10‐4 スピノザ
10‐5 その他の近世自然法学
(1)グロティウス
(2)プーフェンドルフ
(3)トマジウス
(4)ヴォルフ
10-6 トピカ的な法学
【補論】実定法学と近世法思想
10‐7 自由主義対民主主義
10‐7‐1 モンテスキュー
10‐7‐2 ルソー
(1)『人間不平等起源論』
(2)『社会契約論』
(3)『エミール』――ルソーの自由主義
10‐8 ドイツ観念論
10‐8‐1 カント
(1)道徳論
(2)法論
(3)国家論・国際社会論
10‐8‐2 ヘーゲル
(1)『法の哲学』の思想
(2)若きヘーゲル
10‐8‐3 ドイツ観念論
10‐9 功利主義
10‐9‐1 ベンサム
10‐9‐2 ミル
11 近代法・近代法学の形成)
11‐1 近代法と近代社会
11‐1‐1 近代法
(1)民法
(2)憲法と民法の対比
11‐1‐2 近代法と近代社会
11‐2 近代法学の形成
11‐2‐1 パンデクテン法学
(1)パンデクテン法学者たち(サヴィニー・プフタ・イェーリング・ヴィントシャイト)
(2)精神史的位置
(3)社会的・政治的位置
11‐2‐2 パンデクテン法学外の動き
(1)刑法学(フォイエルバッハら)
(2)公法学(ゲルバー・ラーバント)
(3)英米への影響(オースティン・ラングデル)
第5部 近代の変容・現代
12 近代法・近代法学の変容
12‐1 社会的背景
12‐2 近代法の修正・近代法学の改造
12‐2‐1 近代私法から社会法へ
【補論】均文的正義と配分的正義
12‐2‐2 近代法学の批判・改造
(1)法の歴史的・社会学的研究(ギールケ・エールリヒ・アメリカ法学)
(2)利益法学(ヘック)
(3)自然法論の再生
(4)批判的法実証主義(ケルゼン・ハート)
(5)政治的法理論(シュミット・ナチス法学)
【補論】「法実証主義」と「概念法学」
13 もう一つの〈近代〉とその変容
13-1 社会史上の構造転換
13‐2 女性の1920年代
13‐2‐1 アメリカ
13‐2‐2 ヨーロッパ
【補論】日本
13‐3 前史=19世紀前半と後半(ヴィクトリア時代)
13‐3‐1 近代家族と家父長主義
13‐3‐2 19世紀前半
13‐3‐3 19世紀後半(ヴィクトリア時代)
(1)女性の家庭回帰
(2)伝統回帰の現象
13‐4 1930年代以降
【全体的中間考察】〈西洋〉の変容と持続
14 「近代の疎外」との対峙
14‐1 マルクス
14‐1‐1 マルクスの思想形成
(1)マルクスとドイツ観念論
(2)マルクスとフォイエルバッハ
(3)マルクスの疎外論
14‐1‐2 史的唯物論の素描
(1)史的唯物論の基礎
(2)近代資本主義の構造
(3)近代資本主義の形成・展開
14‐2 自由主義と民主主義の再結合へ
(1)ミル
(2)ラスキ
14‐3 ヴェーバー
【補論1】官僚制について
【補論2】マルクスに対するヴェーバー
14‐4 フロム
14‐4-1 学史的位置
14‐4‐2 現代社会論
【補論】大衆社会化現象
14‐5 フーコーと「紀律化」
14‐5-1 フーコーの議論
14‐5‐2 私見
15 社会主義
15-1 社会主義思想の形成
15‐2 スターリニズム
15‐2‐1 スターリニズムの問題点
15‐2‐2 スターリニズムの要因
(1)スターリンの性格・思想
(2)スターリン個人を超えた要因
(3)マルクス・レーニンらの問題点
15‐2‐3 スターリン批判とその後
15-3 まとめ
16 近時の主な法思想
16‐1 価値相対主義
16‐1‐1 価値相対主義者たち
【補論】価値相対主義の検討
16‐1‐2 価値相対主義と自由民主主義
16‐2 「実践哲学の復興」
16‐2‐1 総論
16‐2‐2 思想家たち
(1)運動を準備した人々
(2)ロールズ
【補論1】(正義の構造)から見たロールズ
【補論2】ポパーと「実践哲学の復興」
16‐3 ポストモダニズム
16‐3‐1 自然科学上の新モデル
16‐3‐2 現代哲学の新動向
16‐3‐3 以上に対するポストモダニズムの位置
16-3‐4 現代社会論上のポストモダニズム
16‐3-5 法学におけるポストモダニズム
16‐3-6 まとめ
17 最近の社会と法
17‐1 構造の変容
17‐1‐1 IT革命
17‐1‐2 グローバリゼーション
17‐1‐3 国家結合と国際結社
(1)EU(ヨーロッパ連合)
(2)非国家的公益団体の活動
17‐2 ごく最近の動き
(1)アメリカの動き
(2)テロリズム
(3)一般的社会変容
事項索引
人名索引
■引用
■書評・紹介
■言及
*作成:竹川 慎吾 更新:樋口 也寸志