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そろいでもってます

立岩 真也 2011/07/25
『そよ風のように街に出よう』81:-


 *『そよ風のように街に出よう』はとてもおもしろい雑誌なので、ぜひ買ってくださいませ。
 *この文章は、八〇号記念特集にということで依頼をいただいたのですが、原稿をお送りするのが遅くなってしまい、載らず、八一号に掲載させていただくことになった、という由来のものです。

 私が自慢できることは数少ないのですが、その一つが、本誌を創刊号からそろいでもっていることです。(もう一つ自慢できるのは、『(季刊)福祉労働』もそろいでもっていることです。あとは、中学生の時に「鼓童」(当時の名称は「鬼太鼓座」)にスカウトされたことがあること、そのぐらいです。)一九八〇年代のなかばに、みな送ってくださいとお願いして、「0号」はコピーで、どさっとそれまでのを購入したはずです。本誌があることはもっと前から知っていたから注文したのですが、最初にどこで見たかとか、だいたいなんでも覚えてないです――『福祉労働』を神田三崎町の現代書館に直接うかがって、まとめて買ったのはなぜか記憶にありますけれど。
 この雑誌がどうして「お金的に」成り立ってきたのか、みなさんと同じく私も不思議なのですが、聞いてわかったらどうなるというものでもないでしょうから、それはよし、ともかくごくろうさまです、ありがとうございますと言うしかなく、いま私は、「もらったものについて」という文章を書かせてもらい、一回書くと一〇冊いただいているわけです。
 その文章は、二〇〇七年十一月に出た七五号に原稿依頼をいただいて、その時には、誰にもそんなつもりはなかったのですが、一回で終わらず、だらだらと続き、本号に掲載されたのがもう六回目になってしまいました。題名は、本誌に関わる人たちを含む人たちから何をもらってきたのか、というようなつもりの題名です。
 なんでも覚えているなんてことはできないし、忘れた方がよいこともたくさんありますが、なかには覚えておいて知っておいてもらった方がよいこともあるように思います。本誌が始まる前から始まって、本誌が始まり、そして続いてきたその間のできごと、人々が考えたり言ったり書いたりしたことには、忘れない方がよいことがあると私は思っていて、私のその行ったり来たりの文章では、その中味というよりは、「予備知識」みたいなことをちょっと書いてみたりしています。見ていただけたらありがたいです。話の順序とかでたらめなのですが、そのうち、整理しなおして、来年あたりには出るだろう本の一部にしてもらおうかと思っています。横塚晃一(一九三五年〜一九七八年)の不朽の名作『母よ!殺すな』(初版一九七五年)を増補・復刊させた(二〇〇七年)生活書院から出してもらうことになろうかと思います。もしそんなことになりましたら、そちらもよろしく。
 本誌のバックナンバー他は、現在、みな「(立命館大学)生存学研究センター」(別の名前もあります)という――ほんとうに――怪しい「研究拠点」の書庫に置いてあって、見てもらえるようになっています。あと昨年は、こちらで働いてもらっている青木千帆子さんが「共同連」(旧「差別とたたかう共同体全国連合」)の資料を収集・整理してくれまして…、といった話はきりがなく、マニアというかおたくというかの世界に入っていきますので、やめますが、最後に、資料等々、捨てるのであれば「ください」(あるいは購入させてください)。今年、いま記した生活書院から関西の障害者運動の歴史についての本を出すことになる定藤邦子さんやら、昨年から楠敏雄さんへの聞き取り調査を始めた岸田典子さんらもこちらの関係者(大学院生他)です。たんに大切に保管させていただくだけでなく、有効に利用させていただきます。よろしくお願いいたします。


UP:201011 REV:20101201
『そよ風のように街に出よう』  ◇病者障害者運動史研究  ◇障害者(運動)史のための年表  ◇立岩 真也  ◇Shin'ya Tateiwa
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