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精神保健福祉法「改正」関連報道


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last update: 20170729


◇毎日新聞 2017/06/15 「<精神保健福祉法>継続審議へ 衆院審議入りできず」
◇共同通信 2017/06/08 「精神福祉法改正案に抗議集会――被害者家族『間違いだ』と批判」
◇東京新聞 2017/05/30 「石郷岡病院事件 『警察にも精神障害者差別の先入観』」
◇東京新聞 2017/05/29 「精神科病院への措置入院 委員不足で審査 要件不備状態2万5000件」
◇高知新聞(社説) 2017/05/22 「【精神福祉法改正】監視強化の不安拭えず」
◇民進党 2017/05/17 「【参院厚労委】廃案とすべき精神保健福祉法改正案を早期に抜本的に見直す修正を勝ち取る」
◇日本経済新聞 2017/05/17 「精神福祉法改正案、参院通過 措置入院患者の支援強化」
◇朝日新聞デジタル 2017/05/17 「『3年後に見直し』で合意 精神保健福祉法改正で与野党」
◇NHK News Web 2017/05/16 「措置入院患者の支援強化 精神保健福祉法の改正案を委員会で可決」
◇ロイター 2017/05/16 「精神保健福祉法改正案を可決」
◇公明党 2017/05/12 「患者本位の精神医療に」
◇カナロコ 2017/05/12 「警察関与『例外的』 精神福祉法巡り厚労相説明 措置入院患者支援」[外部サイト]
◇朝日新聞デジタル 2017/05/10 「措置入院患者の対応、警察通報より治療を優先」
◇しんぶん赤旗 2017/05/10 「精神障害者の医療――監視強化と人権侵害許されぬ」
◇ニュース屋台村 2017/05/08 「精神福祉保健法を治安維持に利用してはいけない『ジャーナリスティックなやさしい未来』第108回」
◇産経ニュース 2017/05/03 「野党が『共謀罪と一緒』と難クセで法改正の足引っ張り…抜け落ちた『再発防止』の観点」
◇朝日新聞デジタル 2015/05/03 「障害者手帳、あの日から見せられなくなった」
◇朝日新聞デジタル 2017/04/29 「措置入院後の支援期間、半年に 厚労省方針」
◇読売新聞(原昌平) 2017/04/28 「精神保健福祉法の改正案はなぜ、つまずいているか」
◇毎日新聞 2017/04/26 「措置入院終了後も支援 精神障害者巡り策定 /鳥取」
◇みわよしこ 2017/04/25 「治療を必要とする人から治療を奪う?――今回の精神保健福祉法改正案を成立させてはイケナイ理由」[外部サイト(YAHOO!ニュース)]
◇NHK News Web 2017/07/25 「相模原事件受けた法改正反対集会」
◇NHK News Web 2017/04/25 「精神保健福祉法改正案「偏見を生む」障害者団体などが反対訴え」
◇日本経済新聞 2017/04/24 
「精神保健福祉法の改正――強制入院なくす方策を」
◇福祉新聞 2017/04/24 「【精神保健福祉法】 改正趣旨を異例の削除 厚労大臣がおわび」
◇東京新聞 2017/04/24 「【社説】措置入院制度 治安の道具にするな」
◇沖縄タイムス 2017/04/23 「精神保健福祉法改正――『事件の再発防止』削除 政府迷走、廃案求める声も」[外部サイト(有料記事)]
◇毎日新聞 2017/04/21 「精神保健福祉法改正案、厚労相が陳謝――『混乱招き』」
◇朝日新聞デジタル 2017/04/21 「説明削除、改めて謝罪 塩崎厚労相」
◇NHK News Web 2017/04/20 「厚労相 精神保健福祉法改正案の概要資料修正を陳謝」
◇朝日新聞デジタル 2017/04/20 「塩崎厚労相が改めて謝罪 法案の説明文書削除で」
◇朝日新聞デジタル 2017/04/20 
「塩崎厚労相が改めて謝罪 法案の趣旨説明文を変更」
◇MEDIFAX Web 2017/04/20 「塩崎厚労相、20日に参院で資料修正を説明へ――精神保健福祉法改正案」[外部サイト(有料記事)]
◇民進党広報局 2017/04/19 「精神保健福祉法改正案の概要資料修正問題を厳しく追及」
◇しんぶん赤旗 2017/04/19 「精神保健福祉法改定案 厚労省が『概要』から相模原事件『削除』」
◇NHK News Web 2017/04/19 「精神保健福祉法改正案 厚労相の説明後に審議再開で与野党合意」
◇NHK News Web 2017/04/18 「民進 精神保健福祉法改正案 内容そのものも見直しを」
◇NHK News Web 2017/04/18 「厚労相 精神保健福祉法改正案の修正 丁寧に説明する考え」
◇MEDIFAX Web 2017/04/18 「精神保健福祉法改正案、資料修正で厚労省にヒアリング――民進党」[外部サイト(有料記事)]
◇YAHOO!ニュース 2017/04/14 「『立法事実がないのでは』 精神保健福祉法改正案で民進・牧山氏」
◇朝日新聞デジタル 2017/04/14 「厚労委、参院でも混乱 法案の趣旨説明文を変更」
◇YAHOO!ニュース 2017/04/13 「精神保健福祉法改正案、『大筋で評価できる』――全自病が見解」
◇朝日新聞デジタル 2017/04/13 「精神保健福祉法改正案 趣旨文の相模原事件への言及削除」
◇朝日新聞デジタル 2017/04/12 「警察の関与焦点に 措置入院後の支援巡る法改正案」
◇朝日新聞デジタル 2017/04/12 「措置入院後の警察関与で論戦 相模原事件の再発防止策」
◇東京新聞 2017/04/11 「『重度かつ慢性』新たな差別に」
◇MEDIFAX Web 2017/04/11 「措置入院患者の個別ケース検討会議『例外的に警察の参加も』堀江障害保健福祉部長」[外部サイト(有料記事)]
◇朝日新聞デジタル 2017/04/07 「精神保健福祉法改正案、審議入り 差別助長と反対論も」
◇NHK News Web 2017/04/07 「相模原殺傷事件受け 精神保健福祉法改正案が審議入り」
◇日本放送協会(NHK) 2017/04/05→再放送:2017/04/12 ハートネットTV「相模原事件を受けて 精神医療は今(2)――海外の事例『オープンダイアローグ』」
◇日本放送協会(NHK) 2017/04/04→再放送:2017/04/11 ハートネットTV「相模原事件を受けて 精神医療は今(1)――『措置入院』退院後の支援」
◇福祉新聞 2017/04/04 「<措置入院改革> 精神保健福祉法、治安優先の改正に反対」
◇東京新聞 2017/03/28 「措置入院患者を支援――相模原事件受け退院後強化」
◇東京新聞 2017/03/28 「精神医療を破壊する精神保健福祉法『改正』案」
◇福祉新聞 2017/03/27 「患者の権利擁護を――日弁連シンポジウム」[pdf][外部サイト]
◇TBSラジオクラウド 2017/03/27 荻上チキ・Session-22「相模原・障害者福祉施設襲撃事件をきっかけに政府が提出した精神保健福祉法改正案、その問題点とは?」[外部サイト]
◇カナロコ 2017/03/25 「精神医療で治安維持『筋違い』 精神保健福祉法改正案に反対集会」
◇読売新聞(原昌平) 2017/03/17 「相模原事件再考(下)『乱暴な正義』の流行が、危ない素地をつくる」[外部リンク]
◇読売新聞(原昌平) 2017/03/10 「相模原事件再考(上) 差別思想は、精神障害から生まれない」[外部サイト]
◇Video News 2017/03/01 「患者を一人の人間として扱う精神医療へ」[外部サイト]
◇毎日新聞 2017/02/21 「措置入院見直し――精神保健福祉法改正案、自公了承」
◇福祉新聞 2017/02/01 「通常国会が開会――福祉関係の提出予定法案は」


 
 
◆毎日新聞 2017/06/15 「<精神保健福祉法>継続審議へ 衆院審議入りできず」

 相模原市の障害者施設殺傷事件を受け、措置入院患者の支援を強化する精神保健福祉法改正案は15日、継続審議となる見通しとなった。16日の衆院本会議で決議される見込み。当初、事件の再発防止策としての側面が強調されたため、野党から「障害者の差別偏見につながる」との批判が噴出。先議の参院で審議が大幅に延び、衆院では審議入りできなかった。
 改正案は、措置入院した患者が退院後も継続的に医療などの支援を受け、社会復帰できるよう、関係自治体や医療機関などで「精神障害者支援地域協議会」を設置し連携する仕組みを設ける。措置入院を決めた都道府県や政令市は、入院中から退院後支援計画を作成し、退院後は居住先の保健所設置自治体が計画に基づき相談指導を実施する。(後略)【山田泰蔵】

 
 
◆共同通信 2017/06/08 「精神福祉法改正案に抗議集会――被害者家族『間違いだ』と批判」https://this.kiji.is/245470347766449660?c=113147194022725109

 相模原の障害者施設殺傷事件を受けて政府が成立を目指す精神保健福祉法改正案を巡り、「患者の監視強化につながる」と主張する当事者団体が8日、衆院議員会館で抗議集会を開いた。事件で重傷を負った尾野一矢さん(44)の父剛志さん(73)も参加。改正案が、退院後支援計画をつくる協議会に警察の参加を想定している点を「間違いだ」と批判した。(後略)

 
 
◆東京新聞 2017/05/30 「石郷岡病院事件 『警察にも精神障害者差別の先入観』」http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2017053002000136.html

 千葉市の精神科病院「石郷岡病院」で二〇一二年一月、男性の入院患者(33)が准看護師から暴行を受け、約二年後に死亡した。その後、准看護師二人が逮捕されたが、今年三月の千葉地裁判決では一人が罰金三十万円、もう一人は無罪だった。遺族は病院とともに、警察の動きの鈍さに不信を募らせる。国会で審議中の改正精神保健福祉法案には、措置入院患者の「支援」協議に警察が加えられるが、当事者団体の不信は強い。 (白名正和)

 
 
◆東京新聞 2017/05/29 「精神科病院への措置入院 委員不足で審査 要件不備状態2万5000件」http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201705/CK2017052902000110.html

 精神科病院に患者本人の同意なく入院させる措置入院や医療保護入院が適切かを審査する自治体の「精神医療審査会」について、委員の出席者数に関する法令要件を満たさずに開催されたケースが二〇一一年度以降の六年間に、十二道県と四政令市であったことが、分かった。全ての都道府県と政令市の約四分の一に当たる。厚生労働省などによると、開催要件に不備がある状態で少なくとも約二万五千件が審査された。
 審査会は精神障害者の人権に配慮し、対応をチェックする機関。定数五人のうち医療、保健福祉、法律の三分野から各一人以上の出席が必要だが、意見書提出を代わりとして認めていた事例もあった。相模原障害者施設殺傷事件を受け、措置入院の在り方などが議論されており、識者は「問題意識の欠如」と批判。厚労省は「委員が実際に出席するのが基本」と改善を求めている。
(中略)  同省や各自治体への取材によると、一一年四月〜一六年十二月に出席要件を満たさずに開催されたケースは北海道、岩手、岐阜、鳥取、徳島、香川など十二道県で確認された。政令市もさいたま、相模原、広島、福岡の四市で同様の事案があった。神奈川県は事案の有無を明らかにしていない。
 欠席する委員に意見書を提出してもらう形を了承したり、事前に意見を聞いているので問題がないと判断したりしていた自治体のほか、そもそも各分野の委員の出席が必要と理解していない自治体もあった。

 
 
◆高知新聞(社説) 2017/05/22 「【精神福祉法改正】監視強化の不安拭えず」http://www.kochinews.co.jp/article/100368/

 精神疾患で措置入院となった患者の支援強化を柱とする精神保健福祉法改正案が参院で可決された。与党は衆院審議を経て今国会での成立を目指す。
 昨年7月に相模原市の知的障害者施設で起きた入所者殺傷事件を受けた改正で、犯罪防止の側面が色濃い。障害者らの当事者団体や野党は「治安維持を優先した警察監視を強める」と反対を訴える。
(中略)  凄惨(せいさん)な事件の検証を踏まえた見直しで、地域支援の充実を目指す方向性は評価されよう。障害者の人権擁護や、社会参加の促進という障害者支援の本旨に沿った制度設計でなければならない。
 改正法案も目的を「病状の改善など健康の保持と増進」と明記。人権尊重や退院後の地域生活への移行促進をうたう。
 だが、厚労省は法案の説明資料で「改正の趣旨」を「同様の事件が発生しないよう」と記載し、当事者団体や野党が猛反発。委員会審議の途中で削除、厚労相が陳謝した。
 支援計画を策定するために都道府県などに設置する地域協議会のメンバーに、障害者団体や家族会などに加え警察が入ることにも懸念が向けられる。精神障害者らに対する「監視強化」への危惧だ。患者らが監視におびえ、治療を受けなくなる恐れも考えられる。
 新たな患者支援の仕組みを整備すること自体にも、日本精神神経学会はその充実を歓迎しながらも「患者管理、リスク管理」が目的化しかねない危険性へ留意を訴える。自治体や地域関係者への負担が増すことも想定され、国にはその手だても求められよう。
 委員会審議で厚労省は「犯罪防止目的ではない」と釈明したが、法案への不安、不信は拭えていない。野党が「法案出し直し」を求める中で与党は採決に踏み切った。
 精神疾患の患者当人が当惑し、障害者に日々寄り添い、地域生活をサポートしている家族や支援者を疑心暗鬼にさせている。そんな法律に実効性を期待できるだろうか。政府、与党には、衆院審議で修正も視野に入れた丁寧な議論を求める。

 
 
◆民進党 2017/05/17 「【参院厚労委】廃案とすべき精神保健福祉法改正案を早期に抜本的に見直す修正を勝ち取る」https://www.minshin.or.jp/article/111769

 相模原市の障害者支援施設で2016年7月、46人が殺傷される痛ましい事件が起きた。犯行と精神障害との関係はこれから裁判で争われることになっているにもかかわらず、安倍政権は「措置入院(※)歴がある精神障害者」と決めつけて、入院措置解除後のフォローを都道府県に義務付ける法案(精神保健福祉法改正案)を提出した。

※入院させなければ自傷他害のおそれのある精神障害者を、精神保健指定医2人の診断の結果が一致した場合に都道府県知事が決定して入院させること。

 安倍総理は今年1月の施政方針演説で、「昨年7月、障害者施設で何の罪もない多くの方々の命が奪われました。決してあってはならない事件であり、断じて許せません。精神保健福祉法を改正し、措置入院患者に対して退院後も支援を継続する仕組みを設けるなど、再発防止対策をしっかりと講じてまいります」と述べている。
(中略)
 4月7日に参議院で審議が始まってから1カ月以上にわたり、民進党は廃案を目指して法案の問題を追及してきたが、与党の強い要求により、5月16日、参院厚生労働委員会で採決が行われることになった(写真は法案について質問する足立信也参院議員)。民進党は仮に法案が成立しても、早期に抜本的な見直しが行われるよう、与党に修正案(内容は下記の通り)を提案。修正案は与党の合意を得て可決された。民進党は修正案には賛成したが、重大な問題がある法案本体には反対した。
 法案は、与党等の賛成によって参院で可決された。民進党は引き続き衆院で法案の問題点と政府の対応を厳しく追及していく。

修正案のポイント

(1)政府がこの法律について見直しする期限を、法施行後「5年以内」から「3年を目途」に前倒しする。

(2)「必要に応じて」を削除し、「必ず」所要の措置を講ずるものとする。

(3)政府に対し、精神科病院に入院している者及び退院した者の権利の保護の観点から、措置入院者等及び医療保護入院者の退院後の医療その他の支援の在り方等について検討することを義務付ける。特に、以下の3点について検討することを義務付ける。
・個別ケース検討会議への参加を含む、措置入院者等及びその家族による退院後支援計画の作成に関する手続への関与の機会の確保
・措置入院者等及びその家族による退院後支援計画の内容・実施についての異議又は修正の申し出の手続の整備
・非自発的入院者に係る法定代理人又は弁護士の選任の機会の確保

 
 
◆日本経済新聞 2017/05/17 「精神福祉法改正案、参院通過 措置入院患者の支援強化」http://www.nikkei.com/article/DGXLZO16533570X10C17A5CR8000/

 相模原市の障害者施設殺傷事件を受け、措置入院患者の支援強化を柱とした精神保健福祉法改正案が17日、参院本会議で自民、公明両党などの賛成多数により可決された。行政が個々の患者の「退院後支援計画」を策定し、継続的なサポート体制を構築する内容。(中略)
 厚生労働省は当初、法改正の趣旨について「二度と同様の事件が発生しないよう法整備する」と説明。当事者団体や野党から「精神科医療を治安維持の道具に使うべきではない」との指摘が続出し、法案審議の途中で再発防止に関する文言を説明文書から削除する異例の措置を取った。精神疾患の当事者らから「行政による監視強化だ」と批判が出ている。〔共同〕

 
 
◆朝日新聞デジタル 2017/05/17 「『3年後に見直し』で合意 精神保健福祉法改正で与野党」http://www.asahi.com/articles/ASK5K1W6ZK5KUBQU002.html

(中略)
 法案は5年以内に「必要と認めたときは見直す」としているが、措置入院後の継続支援に警察が関与する仕組みに「精神障害者の監視や差別助長につながる」と反発する民進が見直し項目を具体的にするべきだと主張。3年後めどの見直し項目として@措置入院後の支援計画を作る手続きに患者本人や家族も参加する機会の確保A計画への異議、修正に関する手続きの整備B弁護士の選任機会の確保――が盛り込まれた。
 民進は修正後の法案に反対したが採決には応じた。法案が犯罪防止を目的とするものではないことなどを強調した付帯決議も自民党や公明党などによる賛成多数で可決した。一方、当事者団体の「全国『精神病』者集団」は法案について「治安・社会防衛目的の法改正で、看過できない欠陥がある」と批判する緊急声明を出した。

 
 
◆NHK News Web 2017/05/16 「措置入院患者の支援強化 精神保健福祉法の改正案を委員会で可決」http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170516/k10010983921000.html

 相模原市の知的障害者施設での殺傷事件を受け、措置入院患者の支援強化などが盛り込まれた精神保健福祉法の改正案は参議院厚生労働委員会で、修正を加えたうえで採決が行われ、自民・公明両党と日本維新の会などの賛成多数で可決されました。
 相模原市の知的障害者施設での殺傷事件を受けて、措置入院患者の退院後の支援強化などが盛り込まれた精神保健福祉法の改正案をめぐっては、厚生労働省が改正案の概要資料から犯罪の再発防止のための法整備だという趣旨の文言を削除したことなどに、民進党などが反発を強めていました。
(中略)
 改正案は17日の参議院本会議で可決され、衆議院に送られる見通しです。

 
 
◆ロイター 2017/05/16 「精神保健福祉法改正案を可決」http://jp.reuters.com/article/idJP2017051601002077

 精神疾患で自分や他人を傷つける恐れがあるとして措置入院となった患者の支援強化を図る精神保健福祉法改正案が16日、参院厚生労働委員会で自民、公明両党などの賛成多数により可決された。(中略)与党は参院を通過させ、衆院での議論を経て今国会での成立を目指すが、当事者団体や野党は「監視強化につながる」と反発している。

 
 
◆公明党 2017/05/12 「患者本位の精神医療に」https://www.komei.or.jp/news/detail/20170512_24153

(前略)
 山本さんは、措置入院の退院後支援に向けて自治体が作成する支援計画について、本人が拒否した場合、退院できなくなるといった懸念の声があることから、本人の同意を得ることに努めるよう求めた。
 これに対し、塩崎恭久厚労相は、懸念されるような措置入院の延長は認められないとした上で、対応策について「退院後支援のガイドラインに明記したい」と答えた。

 
 
◆朝日新聞デジタル 2017/05/10 「措置入院患者の対応、警察通報より治療を優先」http://www.asahi.com/articles/ASK596VSXK59UBQU00R.html

 相模原市での障害者殺傷事件を踏まえた措置入院制度の強化策をめぐり、塩崎恭久厚生労働相は9日の参院厚労委員会で、入院中の患者の薬物使用や所持が判明した場合、自治体や病院から警察に通報するより、治療を優先させる新ルールを検討すると表明した。
 共産党の倉林明子氏の質問に答えた。審議中の精神保健福祉法改正案では措置入院後の患者の継続支援に警察が関与するとしており、防犯が重視されるとの懸念が出ている。塩崎氏は「治療継続で改善が認められる場合は通報しなくていい」との専門家の意見を紹介し、「意見を踏まえ、検討を進めたい」とした。
(後略)

 
 
◆しんぶん赤旗 2017/05/10 「精神障害者の医療――監視強化と人権侵害許されぬ」http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-05-10/2017051001_05_1.html
 安倍晋三政権が提出し、参院で審議中の精神保健福祉法改定案に対し、障害者や医療の関係者などから「精神障害者の監視強化につながる」などの批判が上がっています。改定案の柱は、精神障害のある人が、自分自身や他人を傷つける恐れがあると診断された際、本人の同意なしに強制的に入院させる仕組み(措置入院制度)の強化です。安倍政権は、昨年起きた相模原市の障害者施設での殺傷事件の「再発防止」を改定の口実にしていますが、それは全く理由にならず、精神障害者の人権を侵害する法案の危険性が審議の中で浮き彫りになっています。

提案理由削除の異常事態
(中略)
 改定案の中身が明らかになると、多くの関係者から「“精神障害者は犯罪者だ”とする偏見を前提としたものだ」などの反対意見が続出しました。そんな中、塩崎恭久厚生労働相は改定案審議の最中の4月半ば、参院厚労委員会で突然、改定趣旨から「二度と同様の事件が発生しないよう」の文言削除を表明しました。改定理由の「核心」部分を消し去ることは、前代未聞です。改定案提出の根拠を根本から失わせるものであり、本来なら法案の撤回と、出し直しが必要なケースです。それを押し通そうというのは、あまりに乱暴です。
 そもそも相模原事件と精神障害者の医療支援体制を結びつけること自体が大問題です。相模原事件の被告に措置入院歴があることと事件との因果関係は明らかになっていません。事件についてのきちんとした検証や真相解明がなされないまま、措置入院制度を強化すれば「再発防止」につながるという発想は、精神障害者を“危険な存在”とみなす誤った考えに根ざしています。障害者への差別と偏見を助長することにつながる法案は、廃案こそ必要です。与党は今週中にも参院厚労委での採決を狙いますが、許されません。

人権保障の施策拡充こそ
 精神障害者に対する医療提供の拡充はその病状の改善など精神的健康の保持増進を目的とすることを出発点にすべきです。退院後の地域での生活への移行促進は、人権の尊重・保障が大前提です。
 政府は、精神障害者を監視するシステムづくりを断念し、国連の障害者権利条約に基づく権利擁護の仕組みを盛り込んだ体制づくりこそ急ぐべきです。

 
 
◆ニュース屋台村 2017/05/08 「精神福祉保健法を治安維持に利用してはいけない『ジャーナリスティックなやさしい未来』第108回」http://www.newsyataimura.com/?p=6587

事件防止の改正案
 今年2月の通常国会で上程された精神保健福祉法の改正案は、昨年7月に発生した神奈川県相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」での惨事を受けての再発防止という目的が明記されたことで、政府の治安維持目的があらわになった。精神保健の専門家や日本精神神経学会は一斉に反発し、同学会は「犯罪の防止を目的として精神保健福祉法の改正を行うべきではありません」との見解も発表している。
 政府は理由部分を修正しているものの、やはりどんな言葉で繕おうにも、改正案をめぐっては、「治安維持」の思惑と周辺の忖度(そんたく)が入り交じっているようで、不気味悪な印象のまま、懸念は拭えない。
(中略)
 事件の再発防止を優先すれば、その理由により、精神疾患者への人権の蹂躙(じゅうりん)が行われることが予想される。治療が二の次にされてしまう環境をつくってしまうことになる。犯罪者でもなく、ただ体調不良の延長で精神疾患になった人が本人の同意なく、自由を奪われるケースもあるのである。

本人の同意なく
 今回の改正案の中で特徴的なのは、「措置自治体による退院後支援計画の作成」「機銃先の保健所設置自治体による退院後支援計画に基づく相談指導」「退院後支援計画期間中の移転時に自治体間で退院後支援計画の内容等の通知」「入院時の退院後生活環境相談員の選任」の4点。
 好意的に捉えれば、入院中から退院後に至る自治体を中心とした地域支援の充実、とも言えるかもしれないが、前提が「事件の再発防止」となるならば、すべては「管理」である。
 特に退院後支援計画を作るための個別ケース会議の参加者について、厚労省は「必要に応じて本人も参加」する、としているのは、必要がなかったら本人不在で計画を立てることも可能との意味であり、本人抜きで支援計画を作ることは、精神保健分野では違和感を覚える。「欠席裁判」で、望まぬ医療を受け入れなければならない当事者の人権は、どのように守っていけばよいのだろうか。

忖度は必要ない
(中略)
 さらに改正案で管理強化するのは自由が失われた文化をつくるだけ。精神保健で少しずつ積み上げてきた治療優先の考えや人権意識を大事にしたい。ここで厚労省の首相官邸に対する忖度は絶対に必要ない。厚労省は医療の本質、医療の王道を進むべきである。(引地達也)

 
 
◆産経ニュース 2017/05/03 「野党が『共謀罪と一緒』と難クセで法改正の足引っ張り…抜け落ちた『再発防止』の観点」http://www.sankei.com/premium/news/170503/prm1705030017-n1.html

 相模原市の障害者施設殺傷事件を受けて進められていた、措置入院患者の支援を強化する精神保健福祉法改正の実現が揺らいでいる。精神疾患患者の支援に警察が関与するとした改正案に対し、野党が共謀罪の構成要件を厳格化した「テロ等準備罪」と同一視する“戦術”で、「監視につながる」と反発しているためだ。厚生労働省は法案の趣旨説明をやり直して謝罪する異例の事態に陥ったが、「法案の中身は変わっていない」と説明を続け、今国会での成立を図る構えだ。(社会部 天野健作)

厚労省が趣旨換え
 「混乱を招き、ご迷惑を掛けたことをおわびする」。塩崎恭久厚生労働相は4月20日の参院厚労委員会で謝罪し、法改正案の趣旨説明をやり直した。
 改正案の概要資料には当初、「事件の再発防止」という趣旨が盛り込まれていた。ところが、精神保健福祉法は「精神的健康の保持増進」が目的で、事件防止で改正を行うことに日本精神神経学会など医療関係者らが強い懸念を表明。こうした背景を踏まえ、厚労省は改正案提出後に突如、文言を削除した。
 殺人罪などで起訴された元施設職員の植松聖(さとし)被告(27)は事件前、施設の襲撃を予告し、措置入院になったが、退院後は十分な支援がなく社会から孤立していた。
 改正案では、措置入院患者が退院後も継続的に行政や医療から支援を受け、社会復帰できる仕組みを設けた。その中では、警察が情報共有のあり方を協議する「代表者会議」に年に数回参加することとともに、犯罪行為に及ぶ疑いのある事例や薬物依存の可能性がある場合の対応策を助言することが想定されている。
 相模原の事件では、植松被告が措置入院の際に、「大麻精神病」と診断されていたが、病院や相模原市は、大麻使用について警察に情報提供されなかった反省がある。

勢いづいた野党
 概要資料から「再発防止」の文言が削除されると、野党側は「立法の根拠がなくなった」と勢いづいた。
 「『北海道へ行く飛行機に乗ったつもりが、沖縄へ行くことになりました』というものだ」と批判したのは社民党の福島瑞穂氏。福島氏は20日の厚労委員会で、「(再発防止に関する)文言を削除すれば、趣旨と法案の中身が一致しない。法案は言葉を換えれば『監視するぞ』というものだ。警察が入りうるという仕組みについては、極めて問題である。趣旨を変えるのであれば法案を取り下げ、廃案しかない」と訴えた。
 民進党の大西健介氏も19日の衆院厚労委員会で「(組織犯罪処罰法改正案が)テロを防ぐために共謀罪が必要で国民が賛同してくれるだろうとやっている。相模原の事件があったから法改正するといえば通りやすいんだと、そういう姑息(こそく)なことが透けてみえる」と追及した。
 これに対し、事件の再発防止検討チーム座長で成城大法学部の山本輝之教授は参院厚労委員会で「『支援に名を借りた監視の制度を創設するものだ』という批判があるのは承知している。法改正は従来定められていた退院後の相談指導をより具体的に制度化するもので、患者が地域に孤立することがないよう、安心して暮らせる制度を創設するものだ。批判は制度の内容を誤解したものだ」と反論している。

遺族に顔向けできるのか
 犯罪防止の視点が抜け落ち、人権問題に矮小(わいしょう)化されつつある低調な国会の議論は、19人殺害という凶悪事件の教訓を何らくみ取っていない。措置入院制度の改正でお茶を濁そうとする姿勢ばかりが垣間見られる。
 「提案型」を標榜(ひょうぼう)していたはずの民進党は、法改正案の趣旨変更という厚生労働省の“失態”を突くばかりだ。警察の関与についても「監視強化」と不安をあおるだけで、人命が置き去りにされているように感じる。
 欧米の多くでは重大な触法行為を犯した精神障害者に対し、裁判所が専門病院への強制入院を命じる「治療処分」が制度化されている。事件の再発防止を考慮するなら、こうした司法の関与を含めた刑法の抜本的見直しも議題となっていいはずだ。
 厚労省主導による再発防止には限界がある。昨年末に最終報告を公表した再発防止の有識者検討チームには、法務省や警察庁も加わっていた。しかしながら報告には司法の関与について明記されず、医療や自治体に責任を押しつけた形だ。
 これまでの議論には、犯罪防止の「切り札」が全く見当たらない。政治と立法の不作為で、事件の被害者や遺族にどう顔向けできようか。


「相模原殺傷事件」 平成28年7月26日、障害者施設「津久井やまゆり園」(相模原市緑区)で入所者が次々と刃物で刺され19人が殺害された。神奈川県警は元職員の植松聖被告(27)を逮捕。横浜地検は28年9月から5カ月間の鑑定留置を実施、刑事責任能力があるとの精神鑑定結果が出て、今年2月、殺人罪などで植松被告を起訴した。植松被告は事件前、施設の襲撃を予告し、措置入院になっていた。

 
 
◆朝日新聞デジタル 2017/05/03 「障害者手帳、あの日から見せられなくなった」http://digital.asahi.com/articles/ASK515V54K51OIPE021.html?rm=733

「みる・きく・はなす」はいま ゆがむ事実
 障害者46人が殺傷された相模原事件。人の命に優劣をつける考え方が事件の背景にあると指摘された。ところが、政府は再発防止策として、むしろ精神障害者の「監視」を強めるような法改正案をまとめた。障害がある人たちは「むしろ偏見を助長する」と批判する。
 3月。たにぐちまゆ(44)は大阪・梅田の映画館で、楽しみにしていたアニメを友人と見た。統合失調症の精神障害があり、障害者手帳を窓口で見せれば、割引が受けられる。でも、あの日から手帳を見せられなくなった。
 「こわいと思われるんじゃないかって」
 昨年7月26日。相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者19人が殺された。逮捕、起訴された植松聖(さとし)被告(27)は「障害者は生きていてもしかたがない」と語り、パーソナリティー障害と診断された。事件後、ネット上には「精神障害者はみんな病院に入れておけばいい」といった言葉があふれた。たにぐちは、「精神障害者=危険な存在」という偏見が再び噴き出したと感じた。
 たにぐちまゆは仮名だ。十数年前に結婚した妹は、夫に「姉は修道院にいる」と言った。「妹に差し障りがあるといけない」と実名を伏せて暮らす。その頃から「たにぐち」と名乗り、自らの障害をブログやSNS、講演で語る。少しでも精神障害への偏見がなくなればと考えるからだ。
 昨夏の事件で、いままでの積み重ねを壊された思いがした。「氷を解かすように少しずつやってきたのに……」。彼女が心配するのは、世間の「視線」だけではない。人の命に優劣をつける考え方こそ問題のはずなのに、国の再発防止策はむしろ、たにぐちら障害者を「危険視」して管理しようとする方向に進んでいるからだ。
 政府は今年2月、相模原事件を受けて、精神保健福祉法改正案を国会に提出した。精神疾患で自分や他人を傷つける恐れがある人を強制入院させる「措置入院制度」について、警察や自治体の関与強化が柱となった。これに先立ち、厚生労働省の有識者チームは、植松被告は事件の約5カ月前に措置入院先から退院していたことを踏まえ、行政や医療機関が退院後に十分支援していれば、「事件の発生を防ぐことができていた可能性がある」と指摘。法改正に道筋をつける報告書をまとめた。
 しかし、有識者チームの一人は「措置入院制度の改正を議論した認識はないが、政府の意向を受けて『制度的な見直し』が報告書に盛り込まれた」と指摘。あるメンバーは「医療や福祉的な支援があれば事件を防げたと考えていた人はいないだろう」と話す。
 国の統計では精神障害者の犯罪率は障害がない人より低い。一部の野党は改正案を「精神医療を犯罪防止に使うのはおかしい」「警察の関与は監視につながる」などと批判する。
 「措置入院制度に不備があったから事件が起きたという理屈は、政府による問題のすり替えだ」と、刑法学者で九州大名誉教授の内田博文(70)は改正案に反対する。「誤った政策を通じて偏見が社会に広まれば、市民が差別の担い手になる。差別された人たちは社会の反発を恐れ、声を上げられなくなる」
 影響力がある人の誤解を招く発信も、差別や偏見を呼び覚ます恐れがある。
 元民放アナウンサーの長谷川豊(41)は昨年9月、ブログに書き込んだ。「自業自得の人工透析患者なんて、全員実費負担にさせよ! 無理だと泣くならそのまま殺せ! 今のシステムは日本を亡(ほろ)ぼす」
 患者団体などから「透析患者らへの偏見を助長する」と批判され、長谷川は後に会見で謝罪。4月に改めて取材すると「自業自得の人と本当に困っている人をひとくくりにしたつもりはなかったが、そうみなされる隙があったと反省している」と語った。
 「精神障害が相模原事件の原因ではありません」
 4月30日、神戸市の繁華街。身体障害があり、車いすに乗る石地(いしじ)かおる(49)は月1回、「障害者は力が弱く、価値の小さな存在との印象が社会全体で作り上げられ、命を軽視する思考につながった」と訴える。
 道行く人に「障害をもって生まれてきたんやから、しゃあないやろ」と言われたことも。「障害者は目の前にいない方がいいと、心の中で思う人は多いのでしょう」と石地は言う。でも「見えない壁」をなくす希望は捨てていない。
 「直接相手と向き合って、私はあなたと同じ人間だと伝え続ける。偏見をなくすにはそれしかない」 =敬称略(保坂知晃)

 
 
◆朝日新聞デジタル 2017/04/29 「措置入院後の支援期間、半年に 厚労省方針」http://digital.asahi.com/articles/ASK4X7X3CK4XUBQU01D.html?rm=369

 相模原市での障害者殺傷事件を踏まえた精神疾患患者の措置入院後の支援継続策で、厚生労働省は、支援期間を原則6カ月以内とする方針を固めた。退院から半年以内に再入院する患者が多いため、その期間に限定する。支援の継続を「監視につながる」と懸念する声に配慮する狙いもある。
 参院で審議中の精神保健福祉法改正案が今の国会で成立すれば、今秋にも定める自治体向けのガイドラインに盛り込む。退院した患者の4割は1年以内に再入院する。うち8割は半年以内に集中していることから、6カ月とした。支援が終わる前に、自治体の判断で例外的に1回のみ延長できるようにもする。
 法案に盛り込まれた新しい仕組みでは、保健所がある自治体に設置される「精神障害者支援地域協議会」が、措置入院中の患者の退院後の支援計画を策定。自治体が患者の地域生活を医療や福祉面で支援する。
 ただ、協議会には警察も参加するため、野党は国会審議で「退院後もずっと監視される」と問題視。また、支援を担うことになる自治体からは、人手不足や財政負担を懸念して支援期間を限定するよう求める声が出ていた。 (井上充昌)

 
 
◆読売新聞(原昌平) 2017/04/28 「精神保健福祉法の改正案はなぜ、つまずいているか」https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20170428-OYTET50006/

 国会で審議されている精神保健福祉法の改正案が、迷走しています。
 主な内容は、措置入院制度の強化と退院後のフォローです。政府はもともと、法改正の趣旨(目的)を説明した資料の冒頭で、昨年7月に起きた相模原市の知的障害者施設殺傷事件を挙げ、「二度と同様の事件が発生しないよう、以下のポイントに留意して法整備を行う」と書いていました。つまり、事件の再発防止です。
 それでは、治安目的の法改正になるという批判が障害者関係の団体や野党議員から強まり、答弁に困った塩崎恭久・厚生労働大臣は、その部分の趣旨説明を削除して陳謝しました。提出した法改正案の趣旨を審議中に削るのは、おそらく前代未聞です。
 けれども、法改正案の本文は変わっていません。では、何のための法改正なのか、やっぱり精神障害者を危険視して閉じ込め、監視を強める制度づくりではないか、との議論が続いています。政府は「監視するわけではない。支援の強化が必要だ」と説明しています。
 支援の強化? 本当の支援ならよいのですが、精神科の入院患者や地域で暮らす精神障害者を支援するために、政府は、はたしてどれだけのことをしてきたでしょうか。入院患者の人権を守るしくみは整っているのでしょうか? 退院支援を本気で進めてきたでしょうか? 地域生活を支える福祉に力を注いできたでしょうか? そのアンバランスに、つまずきの要因があると思います。

相模原事件の原因を取り違えていないか
 このコラムでも以前に書いたように、相模原事件の原因は精神障害ではなく、知的障害者の生存権を否定する差別思想と見るべきです(「 相模原事件再考(上)(下) 」参照)。差別的な考え方を社会からなくしていく取り組みが肝心であり、精神障害者への対策で防ごうというのは的外れです。
 植松聖被告は捜査段階の精神鑑定で「完全責任能力があった。自己愛性パーソナリティー障害などがある」と判断されたと報道されています。鑑定の具体的内容は公表されていませんが、かりに、今回の鑑定が正しいとしても、パーソナリティー障害は思考特性や行動特性の「傾向・程度」であって、差別思想に直結するわけではありません。はたしてパーソナリティー障害が犯行原因だとする鑑定になっているのかどうかも不明です。なのに、精神障害のせいだと決めつけて法制度を作ったら、偏見を助長することになります。

精神保健福祉法の目的は、事件防止ではない
 精神保健福祉法は、その目的を次のように定めています。
 第1条 この法律は、精神障害者の医療及び保護を行い、障害者総合支援法と相まつてその社会復帰の促進及びその自立と社会経済活動への参加の促進のために必要な援助を行い、並びにその発生の予防その他国民の精神的健康の保持及び増進に努めることによつて、精神障害者の福祉の増進及び国民の精神保健の向上を図ることを目的とする。
 つまり目的は、精神障害者の福祉の増進、国民の精神保健の向上であり、そのために行うことは医療、保護、援助、保健予防活動です。社会防衛(治安対策)は、まったく登場しません。
 措置入院は、自傷または他害のおそれのある精神障害者を対象に、行政権限(知事または政令市長の命令)で行われますが、法律の目的に照らすと、医療や保護を行うのは、患者本人のためと解釈されています。他害行為についても、それを防ぐほうが本人の利益になる、という考え方によって強制入院が正当化されるという解釈が一般的です。実際の運用はともかく、少なくとも建前上は、治安対策のための法律ではないわけです。
 にもかかわらず、法改正にあたって事件の再発防止を掲げたら、おかしい。この矛盾を突かれて、塩崎大臣が確かにまずいと判断したから、改正案の趣旨から再発防止目的を削除したわけです。
 とはいえ、法改正案は、政府が相模原事件の検証と再発防止策を検討するために精神科医などの専門家を集めたチームの報告をベースに作られました。しかも、昨年9月の中間とりまとめの段階で、検討チームがいったん合意した内容を、塩崎大臣が指示して、自分の意向に合うよう大幅に書き換えさせてから受け取ったといういきさつがあります。再発防止目的の言葉を削っただけで法案の性格が変わるものではないでしょう。

措置入院の解除が遅くなるおそれ
 改正案の内容のうち、措置入院開始の妥当性に対する精神医療審査会による審査の新設、措置入院の診療ガイドラインの整備、院内での退院後生活環境相談員の選任はよいでしょう。
 次に、行政(保健所設置自治体)が中心になって、本人、家族、医療・福祉・市町村など関係機関の担当者を集めて個別ケース検討会議(調整会議)を開き、退院後支援計画を作成する、となっています。これは原則として入院中に行われます。この点はどうでしょうか。
 支援計画の作成はよいことだと思いますが、精神保健福祉法は、措置入院患者に自傷他害のおそれがなくなれば、直ちに退院させなければならないと定めています。人身の自由を奪う理由がなくなるからです。現状でも、措置入院は1か月未満あるいは3か月未満の短期で終わるほうが一般的です。
 ところが、個別ケース検討会議の日程調整や支援計画の作成に時間がかかると、措置解除(退院)が遅れかねません。現実には、支援計画ができるまで解除しない、簡単には退院させない、という運用に傾くのではないでしょうか。自傷他害のおそれの有無についての精神保健指定医の判断も主観に左右されるので、その判断時期がこれまでより遅くなることも考えられます。
 行政の担当者も病院のスタッフも、退院後に何かあった時に責任を問われたくないと考えがちだからです。実際、相模原事件では、植松被告が犯行の約5か月前に措置入院してから13日間で退院し、その後のフォローも不十分だったとして、塩崎大臣は、行政や病院の対応を問題にしたのです。

生活の安定と孤立防止は、幅広く必要
 改正案では、退院後も、医療その他の援助を継続的に受けられるよう、個別ケース検討会議を開いてフォローする、本人が引っ越しても、その地域の担当行政へ引き継ぐとしています。フォローの期間は、支援のガイドラインで6か月程度になる見込みですが、個別の状況によって延長はありえます。生涯にわたって続く可能性も否定できません。
 医療の利用が必要な場合は多いかもしれませんが、病状が悪化せずに地域で暮らすために、より重要なのは、生活の安定と孤立の防止です。それが結果的に、自傷・自殺や他害行為を防ぐことにもつながります(相模原事件の植松被告は退院後、両親宅を訪れたり、事件前夜に女性と食事したりしており、必ずしも孤立していたとは言えません)。
 生活の安定を図り、孤立を防ぐための支援は、措置入院の経験者に限らず、ほとんどの精神障害者に必要です。措置入院になるかどうかは、その時の状態によるのであって、障害のタイプが本質的に違うわけではありません。また、支援と言うなら、本人の了解なしの支援はありえません。
 ところが、厚労省が作った案は、措置解除された人だけに綿密なフォローをする内容で、本人の意向との関係もあいまいです。だから、支援という名の監視にならないかという懸念が生じるのです。
 精神障害者の地域生活支援は、かつてに比べると広がったものの、まだまだ不十分です。とくに福祉への費用投入額は、医療に比べてわずかです。しかも、障害年金も生活保護も、締めつけられる傾向にあります。そういった福祉の底上げが遅れているのに、措置解除後のフォローばかりを強調するのでは、説得力が乏しいわけです。

警察に氏名や病状が伝わる可能性
 もうひとつ大きな問題は、警察との関係です。
 法改正案では、行政が中心になって精神障害者支援地域協議会を設け、2種類の会議を開きます。措置入院の運用や支援体制などを全般的に話し合う関係機関の「代表者会議」と、個別ケース検討会議(調整会議)です。警察は、前者の代表者会議に出席するけれど、個別ケース検討会議には原則として出席しないと厚生労働省は説明しています。
 そうすると、個々の患者の氏名や病状といった個人情報・プライバシー情報は、警察に伝わらないように聞こえますが、実はそうではないのです。
 「たとえば自殺のおそれが認められるとか、繰り返し応急の救護を要する状態と認められるといったような場合で、保護を行ったり地域生活の継続を支える観点から警察の協力が必要になる場合には、例外的に個別ケース検討会議に参加することもありうる」と、厚労省の堀江 裕(ゆたか) ・障害保健福祉部長は、参議院の質疑で答弁しました。自殺防止や応急救護に警察がどう役立つのか、よくわかりませんが、これは例示なので、ほかの場合でも警察が参加する可能性があります。
 例外的なら本当に限定されるのか。精神科の入院は本人の同意に基づく任意入院が原則なのに、強制入院がほぼ同程度の人数にのぼること、例外的であるべき隔離、身体拘束が多数行われていることを考えても、例外はすぐに一般化する可能性があります。すでに兵庫県、広島県、宮城県では、措置入院に関する個別ケースの会議に警察が参加していることも、参議院の質疑で明らかにされました。
 一方、代表者会議では、個別事例を扱わないとされていますが、厚労省は「確固たる信念を持って犯罪を企画する者」「入院後に薬物使用が認められた場合」をグレーゾーン事例と呼び、「該当する場合は行政・医療・警察が個別に連携して対応する」としています。
 また、2種類の会議の具体的な運用は、自治体や協議会の判断にゆだねられるので、厚労省がガイドラインを示しても、その範囲内の運用になるとは限りません。

監視の不安は、病状の悪化を招きかねない
 警察への情報提供が、なぜ問題なのでしょうか。
 警察に情報が伝わる可能性は、患者の不安を高めます。それでなくても精神障害者の中には、警察に監視されているという妄想を持つ人が珍しくないのに、妄想が現実化してしまいます。病状の悪化につながりかねません。薬物依存の場合、違法薬物の使用が医療機関から警察に伝わって処罰につながるようでは、医療スタッフと信頼関係を築けず、治療の妨げになります。
 そもそも精神障害の有無、その病状は、高度なプライバシー(センシティブ情報)です。公的機関だからといって、明確な利用目的と本人の同意がない状況で情報を伝えるのは、行政機関の個人情報保護法の考え方に照らしても、適切と言えないでしょう。
 それでも事件を防げるなら、と考えるなら、まさに治安目的の制度になってしまいます。
 刑務所を出所した人の中には、再犯のおそれのある人がいるでしょうが、警察への情報提供は基本的に行われません。仮出所した人の再犯防止は法務省の保護観察所が担当しますが、刑期を終えた人の動向を権力機関が監視する制度はありません。人権上、問題があるからです。満期出所した人への地域生活定着支援事業は、純粋に福祉的支援です。
 それに比べ、少なくとも心神喪失者等医療観察法の施行(2005年7月)の後、措置入院になった患者は、重大な他害事件を起こしたわけではありません。性質として凶悪な行為をする「サイコパス」なら、最初から刑事処罰の対象です(ほとんどの精神障害者の実像とは、まるで違います)。
 警察への連絡は、犯罪としてぜひとも処罰すべき案件がある場合、他者または本人の生命・身体に具体的な危険が生じた場合、本人が自主的に希望した場合に、限定すべきでしょう。

患者の味方になる人を付けよう
 精神保健福祉法による入院には、大きな欠陥があります。措置入院・医療保護入院といった強制入院は、人身の自由を奪うものなのに、患者の味方になる人が付く制度がありません。また、任意入院の場合を含めて精神科の入院中には、保護室などへの隔離、身体拘束、通信・面会・外出の自由の制限など、人権の制限がしばしば行われ、病院職員による虐待事件も少なからず起きているのに、患者の権利を守る人が付くしくみがないのです。
 本人・家族・代理人が退院請求、処遇改善請求をすれば、行政から独立した精神医療審査会が審査する制度はありますが、請求自体が少なく、ろくに機能していません。
 権利擁護があまりにも不備なのです。しかも強制入院や隔離、身体拘束は、この十数年、増え続けています。支援を強調するなら、それらの改革こそ、最優先で取り組むべき課題です。
 措置入院制度を見直すなら、患者の付添人として弁護士と、病院からも行政からも独立した精神保健福祉士を必ず付けるしくみを導入してはどうでしょうか。患者が自分の味方と思える人を付けるほうが、入院中からの退院支援、退院後の継続的支援、精神的な安定に結びつくでしょう。
 措置入院患者を危ないと見る発想が法改正案の背景に漂っているのを改め、患者本人を本気で支援する姿勢に転換することです。

 
 
◆毎日新聞 2017/04/26 「措置入院終了後も支援 精神障害者巡り策定 /鳥取」https://mainichi.jp/articles/20170426/ddl/k31/010/464000c


 政府の精神保健福祉法改正案に合わせ、措置入院を終えた場合も行政などが精神障害者らと関わりを持ち続けることを明文化したマニュアルを県が策定した。今月以降に措置入院となった患者が対象。
 昨年7月に相模原市の障害者支援施設で起きた入所者殺傷事件を受け、国は開会中の通常国会に精神保健福祉法の改正案を提出。措置入院を終えた後も、患者ごとの「退院後支援計画」を定めて支援を続けるよう都道府県に求めている。
 県は昨年10月、措置入院を受け入れている病院や社会福祉法人の代表者らを交えた検討委員会を発足させ、3月下旬までにマニュアルを整えた。患者の入院中に医師や市町村の担当者らが調整会議を開き、病状などに応じて退院後の支援計画を定めることにした。
 退院した人には、県の福祉保健事務所などが必要に応じて訪問看護などのサービスを紹介。3カ月ごとに支援状況を確認し、調整会議で継続の適否を判断する。対象者が支援を拒否した場合は、定期的に連絡を取り、病状などを確認するという。
 精神保健福祉法の改正案を巡っては、退院した患者の管理につながるとの批判も挙がるが、県障がい福祉課は「患者が退院した後も地域で安心・安全に過ごせるようにするもの。退院した人の生活を不当に制約する意図はない」と話している。(李英浩)

 
 
◆NHK News Web 2017/07/25 「相模原事件受けた法改正反対集会」http://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20170425/5720801.html

相模原市で起きた障害者殺傷事件を受け、措置入院から退院した患者の支援の強化などを盛り込んだ法律の改正案について、障害者の団体が25日集会を開き、「精神障害が犯罪につながるかのような印象を与え、障害者への偏見を生む」などとして、反対の声をあげました。
去年7月に相模原市の知的障害者施設で起きた殺傷事件では、措置入院した被告が退院後に犯行に及んだことから、政府は自治体に退院した患者の支援計画の作成を義務づけ、情報共有や社会復帰支援を強化する精神保健福祉法の改正案をいまの国会に提出しています。
これについて25日、全国14の障害者団体などが東京都内で集会を開き、およそ250人が参加しました。
この中で、障害者団体の佐藤聡事務局長が「精神障害によって事件が引き起こされたことを前提としているかのようで、障害者への偏見を助長する」と指摘しました。
また、大阪の精神障害の女性は「退院後、どこに住んで何をしているか、自治体に情報が引き継がれていくのは、人権無視で監視されているようです」と訴えました。
集会では、さまざまな障害者団体が法案に反対を表明し、国会に働きかけていくことを確認しました。
京都から参加した精神障害の男性は「精神障害者は犯罪をすると決めつけるような法改正はやめてほしい。犯罪防止は措置入院とは別の仕組みで考えるべきだ」と話していました。

 
 
◆NHK News Web 2017/04/25 「精神保健福祉法改正案「偏見を生む」障害者団体などが反対訴え」https://www3.nhk.or.jp/news/html/20170425/k10010961021000.html

 相模原市で起きた障害者殺傷事件を受け、措置入院から退院した患者の支援の強化などを盛り込んだ法律の改正案について、障害者の団体が25日集会を開き、「精神障害が犯罪につながるかのような印象を与え、障害者への偏見を生む」などとして、反対の声を挙げました。
 去年7月に相模原市の知的障害者施設で起きた殺傷事件では、措置入院した被告が退院後に犯行に及んだことから、政府は自治体に退院した患者の支援計画の作成を義務づけ、情報共有や社会復帰支援を強化する精神保健福祉法の改正案を今の国会に提出しています。
 これについて25日、全国14の障害者団体などが東京都内で集会を開き、およそ250人が参加しました。この中で、障害者団体の佐藤聡事務局長が、「精神障害によって事件が引き起こされたことを前提としているかのようで、障害者への偏見を助長する」と指摘しました。
 また、大阪の精神障害の女性は、「退院後、どこに住んで何をしているか、自治体に情報が引き継がれていくのは人権無視で監視されているようです」と訴えました。集会では、さまざまな障害者団体が法案に反対を表明し、国会に働きかけていくことを確認しました。
 京都から参加した精神障害の男性は、「精神障害者は犯罪をすると決めつけるような法改正はやめてほしい。犯罪防止は措置入院とは別の仕組みで考えるべきだ」と話していました。

 
 
◆日本経済新聞 2017/04/24 「精神保健福祉法の改正――強制入院なくす方策を」http://www.nikkei.com/article/DGKKZO15651290T20C17A4CR8000/

 精神障害者を本人や家族の同意なく都道府県知事の権限で強制的に入院させる「措置入院」制度をめぐり、退院後の支援を手厚くする精神保健福祉法改正案が国会で審議中だ。一方で日本の精神科医療は入院中心主義からの脱却が迫られている。竹端寛・山梨学院大学教授に課題を聞いた。
 ――法案は相模原市の障害者施設殺傷事件の再発防止策とされます。
 「事件の原因は(被告の)精神障害でなく障害者差別思想だ。だがそれに向き合わず、措置入院のみの問題に矮小(わいしょう)化された。医療に治安的な役割を担わせても問題は解決しない」
 「日本の精神障害者対策予算の9割は医療で、大半は病院に回る。地域での支援に充てる財源を増やすべきだが、障害者のごく一部に治安対策として予算をつけるにすぎない。退院支援には警察の関与も検討されているが、医療継続の名目で監視を続ける性格が強い。本人との信頼関係を築けるのか疑問だ」
 ――そもそも改正法案を検討した厚生労働省の検討会では、強制入院のあり方そのものが課題になっていました。
 「強制入院には措置入院のほか、家族などの同意に基づき入院させる医療保護入院があり、こちらが大半を占める。措置入院は『自傷・他害の恐れ』が要件とされるが、医療保護入院は根拠が曖昧で、乱用につながっている。ただ改正法案では解決策は示されず、家族の同意が得られない時には市町村長の同意で安易に入院させられる方向が盛り込まれている」
 ――強制入院をどう考えますか。
 「『無理やり病院に連れていかれた。話も聞いてもらえず、説明もなく服を脱がされ、注射され、縛り付けられた。屈辱的だった』。そんな体験を多く聞いてきた。適切な医療を提供し社会復帰を促進するためには、医療に不信感を抱く出会いを極力減らすべきだ」
 「フィンランドで定着した『オープンダイアローグ』と呼ばれる実践例は、急性期の兆候があった時に本人がSOSを訴えると、24時間内に対応して信頼関係を築きつつ不安や葛藤を話せる仕組みだ。強制入院の前段階で対応することで投薬や入院が劇的に減った。イタリアやスウェーデンでは急性期に駆け込める有床診療所が中学校区域ごとにある。半日から1週間の宿泊も可能で、大半の人はそれで落ち着く」
 「日本は事前対応の仕組みを充実させず、事後対応に終始している。事後対応も不十分だ。その結果、終日閉鎖された病棟にまだ18万人もの人がいる。その最少化と強制入院しなくてもよい仕組み作りこそ急務だ」
 ――なぜ施策が進まないのでしょう。
 「強制入院は必要悪と認識されているのでないか。精神科医療は本来、他国のように公立病院が担うべき。日本は安易に民間病院に頼ってきたため既得権益が生じ、脱入院化で先進諸国に大きく後れをとった。厚労省は『重度かつ慢性』の患者は長期入院患者の削減目標の対象から外す、と言い出している。これも背景は同じだ。重い症状の精神障害者も地域で支え続ける訪問型支援があり、そこに予算を重点的に振り替えるべきだ」
 「限界を超える前の対応は本人のためであり、社会的なコスト面でもはかに効率的。他国の先例が示しており、この流れは世界標準といえる」
 ――精神科医療には何が求められますか。
 「障害者権利条約がうたう『保護の客体から権利の主体へ』を実現すること。安心して治療が受けられる環境をつくり社会復帰の手助けをするのが、医療や福祉従事者の役割だ。精神障害は社会との関係性の中で起きる苦悩という側面がある。社会は問題を我が事として受け止めてほしい」
(聞き手は編集委員 田原和政)
 たけばた・ひろし 大阪大大学院修了。博士(人間科学)。専門は福祉社会学、障害者・高齢者政策。医療・福祉現場の実践事例研究にも携わる。著書に「権利擁護が支援を変える」など。42歳。

 
 
◆福祉新聞 2017/04/24 「【精神保健福祉法】 改正趣旨を異例の削除 厚労大臣がおわび」[外部サイト][全文掲載(未収録)]

 
 
◆東京新聞 2017/04/24 「【社説】措置入院制度 治安の道具にするな」http://www.asahi.com/articles/DA3S12902045.html


 精神障害者の監視ネットワークづくりではないかとの懸念が拭えない。今国会で審議されている厚生労働省の精神保健福祉法改正案のことだ。医療を治安維持の道具として利用するのは許されない。
 法案の最大の焦点は、措置入院制度の見直しだ。精神障害のために自傷他害のおそれがあると診断された患者を、行政権限で強制的に入院させる仕組みをいう。
 見直しの主眼は、措置が解除されて退院した患者を医療や保健、福祉の支援につなぎ留める体制づくりにある。
 確かに、患者の地域での孤立を防ぎ、社会復帰を後押しする手だては制度上担保されていない。入院形態を問わず、退院後の支援の空白を埋める取り組みは大切だ。
 だが、さる一月の国会施政方針演説で、安倍晋三首相は相模原市の障害者殺傷事件に触れ、こう述べている。「措置入院患者に対して退院後も支援を継続する仕組みを設けるなど、再発防止対策をしっかりと講じていく」
 政府の真の狙いが犯罪抑止にあるのは間違いあるまい。精神障害者をあたかも犯罪者予備軍とみなす無理解や偏見が底流にないか。そういう疑念を招くような法案は、直ちに取り下げるべきだ。
 現に想定されている支援体制も、患者を追跡し、監視する全国ネットワークというほかない。
 かいつまんでいえば、行政は病院などと協力し、患者が希望するか否かにかかわらず、措置入院中に退院後支援計画をつくる。退院した患者はどこに住んでも、その支援計画がついて回り、地元の行政が面倒を見にやって来る。
 さらに、犯罪行為に走りかねない思想信条を抱いていたり、薬物依存だったりする場合に備え、警察と連携する段取りになっている。患者に寄り添うべき医療や福祉を、患者を疑ってかかる治安対策に加担させる構図といえる。
 これでは患者の自由も、プライバシーも奪われかねない。精神障害者全体への差別を助長するおそれもはらんでいるのではないか。
 見直しの出発点は、障害者殺傷事件を受けて厚労省有識者チームがまとめた提言だ。真相究明を待たず、容疑者の措置入院歴にこだわり、精神障害によって犯行に及んだとの推測を基に議論した再発防止策にほかならない。
 だが、容疑者は刑事責任能力ありと鑑定された。よしんば責任無能力だったとしても、異例の一事件が立法事実になり得るのか。共生の理念は治安とは相いれない。

 
 
◆毎日新聞 2017/04/21 「精神保健福祉法改正案、厚労相が陳謝――『混乱招き』」https://mainichi.jp/articles/20170421/ddm/008/010/127000c

 相模原市の障害者施設殺傷事件を受けた精神保健福祉法の改正案をめぐり、塩崎恭久厚生労働相は20日の参院厚生労働委員会で、審議開始後に改正案の概要を記した説明資料を修正したことについて「混乱を招いた」と陳謝した。
 当初の資料には法改正の趣旨について「二度と同様の事件が発生しないよう法整備を行う」との記載があり、野党などから「犯罪防止が改正の趣旨なら障害者の差別偏見につながる」との批判が噴出した。これを受けて厚労省が審議入り後の13日に当該部分を削除したところ、さらに反発を招き審議が中断していた。
 塩崎氏はこの日、削除の理由について「犯罪防止のための法案との誤解を招かないため」と説明。改正案について「結果として再発防止に資するもの」と強調した。【山田泰蔵】

 
 
◆朝日新聞デジタル 2017/04/21 「説明削除、改めて謝罪 塩崎厚労相」http://www.asahi.com/articles/DA3S12902045.html

 参院で審議中の精神保健福祉法改正案の概要説明文書の一部を厚生労働省が削除した問題で、塩崎恭久厚労相は20日の参院厚労委員会で、「混乱を招いたことをおわびする」と改めて謝罪した。野党は削除が分かった13日以降、審議を拒否していたが、謝罪を受けて審議再開を受け入れた。
 削除したのは、議員説明に使う法案の概要説明文書で、相模原市の障害者殺傷事件に言及し「二度と同様の事件が発生しないよう法整備を行う」などと記した部分。塩崎氏は「犯罪防止のための法案との誤解を招かないようにする観点から削除した」と説明した。

 
 
◆NHK News Web 2017/04/20 「厚労相 精神保健福祉法改正案の概要資料修正を陳謝」http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170420/k10010955131000.html

 相模原市の知的障害者施設での殺傷事件を受けた法改正に関する概要資料を厚生労働省が修正したことをめぐって、塩崎厚生労働大臣は参議院厚生労働委員会で、誤解を招かないよう一部文言を削除したが混乱を招いたとして陳謝し、修正への理解を求めました。
 相模原市の知的障害者施設での殺傷事件を受けて、措置入院患者の支援強化などが盛り込まれた精神保健福祉法の改正案をめぐっては、厚生労働省が改正案の概要資料から犯罪の再発防止のための法整備だという趣旨の文言を削除したことに野党側が反発し、趣旨説明のやり直しなどを求めていました。
 塩崎厚生労働大臣は20日の参議院厚生労働委員会で、「法案は措置入院患者の退院後の医療などの支援の充実を図り、結果として再発防止に資するものであり、犯罪防止のための法案との誤解を招かないようにする観点から一部文言を削除した」と述べました。
 そのうえで「概要資料の記載を見直したことで混乱を招きご迷惑をおかけしたことについて重ねておわびする。厚生労働省としても今回のことを深く反省し、丁寧に説明をしていきたい」と陳謝し、修正への理解を求めました。

 
 
◆朝日新聞デジタル 2017/04/20 「塩崎厚労相が改めて謝罪 法案の説明文書削除で」http://www.asahi.com/articles/ASK4N6X9NK4NUBQU013.html

 参院で審議中の精神保健福祉法改正案の概要説明文書の一部を厚生労働省が削除した問題で、塩崎恭久厚労相は20日の参院厚労委員会で、「混乱を招いたことをおわびする」と改めて謝罪した。野党は削除が分かった13日以降、審議を拒否していたが、謝罪を受けて審議再開を受け入れた。
 削除したのは、議員説明に使う法案の概要説明文書で、相模原市の障害者殺傷事件に言及し「二度と同様の事件が発生しないよう法整備を行う」などと記した部分。塩崎氏は「結果として再発防止に資するものであり、犯罪防止のための法案との誤解を招かないようにする観点から、一部文言を削除した」と説明した。

 
 
◆朝日新聞デジタル 2017/04/20 「塩崎厚労相が改めて謝罪 法案の趣旨説明文を変更」http://www.asahi.com/articles/ASK4N4VWRK4NUTFK00K.html

 参院で審議中の精神保健福祉法改正案の概要説明文書の一部を厚生労働省が削除した問題で、塩崎恭久厚労相は20日の参院厚労委員会で、「混乱を招いたことをおわびする」と改めて謝罪した。野党は削除が分かった13日以降、審議を拒否していたが、謝罪を受けて審議再開を受け入れた。
 削除したのは、議員説明に使う法案の概要説明文書で、相模原市の障害者殺傷事件に言及し「二度と同様の事件が発生しないよう法整備を行う」などと記した部分。塩崎氏は「結果として再発防止に資するものであり、犯罪防止のための法案との誤解を招かないようにする観点から、一部文言を削除した」と説明した。

 
 
◆民進党広報局 2017/04/19 「精神保健福祉法改正案の概要資料修正問題を厳しく追及」https://www.minshin.or.jp/article/111503

 相模原市の障害者支援施設で2016年7月、46人が殺傷される痛ましい事件が起きた。犯行と精神障害との関係はこれから裁判で争われることになっているにもかかわらず、安倍政権は「犯人=措置入院(※)が必要な精神障害者」と決めつけて、精神障害者の措置入院の仕組みを強化する法案(精神保健福祉法改正案)を提出した(写真は法案資料修正について説明を聞く18日の厚生労働部門会議の様子)。
 安倍総理も今年1月の施政方針演説で、「昨年7月、障害者施設で何の罪もない多くの方々の命が奪われました。決してあってはならない事件であり、断じて許せません。精神保健福祉法を改正し、措置入院患者に対して退院後も支援を継続する仕組みを設けるなど、再発防止対策をしっかりと講じてまいります」と述べている。
 法案は、原則として措置入院中に措置入院者の退院後支援計画を作成することとしており、計画ができるまで退院できず、精神科病院への囲い込みにつながるおそれがあるという問題がある。一方的な決めつけで、精神障害者の人権を侵害するおそれのある法改正を行うことは問題であり、民進党は4月11日の「次の内閣」で反対することを決定した。
 民進党が参院厚生労働委員会で厚労省にこの問題をただしたところ、厚労省は13日、「改正の趣旨を法案の内容に即したものにすることで、より分かりやすくするため」といった理由で、法案の概要資料から事件に関する記述を削除することを含め、5カ所の修正を提示した(PDFダウンロード参照)。審議が始まってから法案の資料を修正することは極めて異例。
 大串博志政務調査会長は18日の記者会見で「総理が国会で言ったことすら取り消してもらわなければならない」と事態の深刻さを語った。同日の厚生労働部門会議では、厚労省から修正の経緯や内容についてヒアリングを行った。会議冒頭、足立信也ネクスト厚生労働大臣は「われわれとしてはゼロからやり直し、法案の趣旨説明からやり直すことになっている」と異例の事態になっていることを説明。出席議員からは「看板を変えるなら中身はだめだということ」といった批判が相次いだ。
 民進党は引き続き、根幹に関わる部分が修正された本法案の問題点と政府の対応を厳しく追及していく。

※入院させなければ自傷他害のおそれのある精神障害者を、精神保健指定医2人の診断の結果が一致した場合に都道府県知事が決定して入院させること。

 
 
◆しんぶん赤旗 2017/04/19 「精神保健福祉法改定案 厚労省が『概要』から相模原事件『削除』」http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-04-19/2017041916_01_1.html

 厚生労働省は13日、国会で審議中の精神保健福祉法改定案の説明資料(法案の概要)の「改正の趣旨」に掲げた、相模原市の障害者支援施設での殺傷事件に関わる一文をはじめ数カ所を削除しました。異常な事態に、「法案の根幹部分であり、国は出直すべきだ」などと批判が高まっています。(西口友紀恵)
 もっとも重大なのは法案概要の冒頭部分の削除です。当初は、「相模原市の障害者支援施設の事件では、犯罪予告通り実施され、多くの被害者を出す惨事となった。二度と同様の事件が発生しないよう、以下のポイントに留意して法整備を行う」とのべていました。同省が議員への法案の説明に使い、ホームページに掲載してきたものです。
 同法案は、相模原事件の被告に措置入院歴があったことを理由にあげ、主に措置入院制度の強化を図るとしています。
 事件直後、安倍晋三首相は「再発防止」「措置入院後のフォローアップの強化」などを指示。検証・検討チームなどの議論を経て2月、改定案が出されました。退院後の「支援計画」作成には本人や家族の参加が欠かせませんが、「概要」では「必要に応じて」参加するとした一方、警察の参加を盛り込みました。

「基礎失われる」
 障害当事者はじめ医療関係者らは、「被告は精神鑑定で責任能力が問えるとされた。事件と精神障害の因果関係もはっきりしていない現状で、精神障害者に対し“支援”という名の監視を強める法案だ」と訴えています。
 精神保健福祉法は法の目的で、精神障害者の福祉増進と国民の精神保健の向上をうたっています。
 杏林大学の長谷川利夫教授(保健学)は「改定案は法の目的にない犯罪防止、治安目的の役割を持たせることになる」と強く批判してきました。
 この問題で、長谷川さんは「削除されたのは事件の再発防止と位置付けた改定案の根幹をなす部分だ」と指摘します。参考人として同委員会に出席した池原毅和弁護士は「法案自体の基礎が失われることになる。出直すべきだ」と批判しました。
 厚労省は「支援計画」への本人・家族の参加問題で批判を受けた「必要に応じて」という言葉も削除しています。

根底に人権軽視
 塩崎恭久厚労相は委員会で「削除は法案の内容に即して分かりやすくするためで、法案の内容に変更はない」と繰り返しました。
 長谷川さんは「これまでの国会での議論を無視しており、ひいては国民を愚弄(ぐろう)するものです。概要を変えたのだから出直し、ゼロから始めるべきだ」と話します。
 さらに、「改定案を進める政府の根底には、障害当事者・家族の人権を軽視する思想があると思います。国民は今後の動きを厳しく見ていく必要がある」と語ります。

日本障害者協議会 緊急アピール 立法根拠失う
 精神保健福祉法改定法案の概要から相模原市の障害者施設での殺傷事件と同様の事件に関する部分が削除された問題で日本障害者協議会(藤井克徳代表)は17日、「法案は施政方針との整合性を欠き、立法根拠を失う」とする緊急アピールを発表しました。
 アピールは、社会保障審議会障害者部会の審議をへて閣議決定された内容が修正されるのは「前代未聞の出来事」だと批判。安倍晋三首相が1月20日の施政方針演説で、同法改定で再発防止対策を講じると明言したことにふれ、法案趣旨の削除が成立すれば、施政方針の当該部分の有効性が問われることになると指摘します。
 そのうえで、精神障害者の差別・偏見を助長し権利侵害の危険性のある法案と、当事者参画のもとでの再検討を求めています。

 
 
◆NHK News Web 2017/04/19 「精神保健福祉法改正案 厚労相の説明後に審議再開で与野党合意」http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170419/k10010953791000.html?utm_int=news-n

 相模原市の知的障害者施設での殺傷事件を受けた精神保健福祉法改正案の資料を厚生労働省が修正したことをめぐって、参議院厚生労働委員会は理事懇談会を開き、20日に塩崎厚生労働大臣から経緯の説明を受けて審議を再開することで与野党が合意しました。
 相模原市の知的障害者施設での殺傷事件を受けて、措置入院患者の支援強化などが盛り込まれた精神保健福祉法の改正案をめぐっては、厚生労働省が改正案の概要資料から犯罪の再発防止のための法整備だという趣旨の文言を削除したことに野党側が反発し、趣旨説明のやり直しなどを求めていました。
 19日に開かれた参議院厚生労働委員会の理事懇談会で、野党側は「修正した経緯について、塩崎厚生労働大臣から謝罪と経緯の説明が必要だ」と主張しました。
 これに対して、与党側は「塩崎大臣にしっかり説明させたい」と応じる意向を示し、20日、一般質疑を行ったあと、塩崎大臣から文言の一部を削除した経緯の説明を受けたうえで、審議を再開することで与野党が合意しました。

 
 
◆NHK News Web 2017/04/18 「民進 精神保健福祉法改正案 内容そのものも見直しを」http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170418/k10010953011000.html

 厚生労働省が、相模原市の知的障害者施設での殺傷事件を受けた精神保健福祉法の改正案の概要資料から、犯罪の再発防止のための法整備だという趣旨の文言を削除したことを受けて、民進党の会合で法案の内容そのものも見直すべきだという指摘が相次ぎました。
 相模原市の知的障害者施設での殺傷事件を受けて、措置入院患者の支援強化などが盛り込まれた精神保健福祉法の改正案をめぐっては、概要資料の「二度と同様の事件が発生しないよう法整備を行う」などの文言に対し、「犯罪予防と結びつけるのはおかしい」といった指摘が相次ぎ、これらの文言は削除や修正されました。
 これについて、18日開かれた民進党の厚生労働部門会議で、厚生労働省の宮川総括審議官は、「混乱する事態を招き、おわび申し上げたい。深く反省し、丁寧に説明に努めて参りたい」と陳謝しました。
 このあと、出席者からは「概要資料を修正し、法案の大前提が変わったのであれば、条文も見直すべきだ」、「看板だけ変わって中身が変わっていない。改正の趣旨は安倍総理大臣の施政方針演説でも説明してきており、法案の中身を変えなければおかしい」などと、法案の内容そのものも見直すべきだという指摘が相次ぎました。

 
 
◆NHK News Web 2017/04/18 「厚労相 精神保健福祉法改正案の修正 丁寧に説明する考え」http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170418/k10010952341000.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=twitter

 塩崎厚生労働大臣は、措置入院患者の支援強化などを盛り込んだ精神保健福祉法の改正案をめぐり、厚生労働省が法改正の趣旨を説明する概要資料を修正したことに野党側が反発していることについて、修正の趣旨を丁寧に説明していく考えを示しました。
 相模原市の知的障害者施設で起きた殺傷事件を受けた精神保健福祉法の改正案をめぐっては先週の審議で、野党側から、法改正の趣旨を説明する概要資料の冒頭に、事件の再発防止を目的とする趣旨の文言が盛り込まれていることについて、「精神科医療と、犯罪予防を結びつけるのはおかしい」という指摘が相次ぎました。
 これを受け、厚生労働省は概要資料から、この文言を削除して修正しましたが、野党側は法案の趣旨説明のやり直しなどを求めています。
 塩崎厚生労働大臣は閣議のあとの記者会見で、「国会提出前の事前説明に使っていた概要資料の内容と、委員会で答弁した内容に差があるという指摘や、法案と関係がない文言は削除すべきという指摘があったことを受けたものだ」と述べました。
 そのうえで、「法改正の趣旨は、措置入院患者の退院後の医療などの支援の充実を図ることだ。犯罪防止ための法案との誤解を招かないようにすることが大事だという判断から修正した。さらに丁寧な説明を心がけていかなければならない」と述べました。

民進 大串氏「法案自体成り立たないという議論に」
 民進党の大串政務調査会長は記者会見で、「安倍総理大臣は施政方針演説で、『相模原市の障害者施設で起きたような痛ましい事件が、二度と発生しないように法律を改正する』と言い、厚生労働省もそう説明してきたが、先週に入って、ころっと説明が変わった。安倍総理大臣が、国会で言ったことすら取り消さないといけない事態になってる。法案の趣旨や目的が、そもそも変わっているのであれば、この法案自体が成り立たないという議論になってくる」と述べました。

 
 
◆YAHOO!ニュース 2017/04/14 「『立法事実がないのでは』 精神保健福祉法改正案で民進・牧山氏」https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170414-00017141-kana-l14

 民進党の牧山弘恵氏(参院神奈川選挙区)は13日の参院厚生労働委員会で、精神保健福祉法改正案について「そもそも立法事実がないのではないか」と指摘し、法改正の必要性を裏付ける根拠について参考人の見解をただした。
 牧山氏は「相模原殺傷事件の再発防止を立法事実として改正が提起されているが、容疑者は5カ月間の精神鑑定で刑事責任能力があるという結果が出た」と指摘。その上で「事件は精神障害者によって引き起こされたという決め付けは世論の一部にもある。今回の改正には立法事実がないのではないか」と質問した。
 これに対し、東京アドヴォカシー法律事務所の池原毅和所長は「全く異例な一事件でしかないので立法事実になり得ない。立法事実がないのに法律をつくるのは対象者の人権を不必要に制限し、必要のないことに税金を使うということ」と述べた。また、日本精神保健福祉士協会の田村綾子副会長は、事件の再発防止策をまとめた検討チームについて「メンバーに偏りがあり、措置入院後の支援が不十分だったから(事件が起きた)、という予測の下で立ち上げた」と批判した。

 
 
◆朝日新聞デジタル 2017/04/14 「厚労委、参院でも混乱 法案の趣旨説明文を変更」http://www.asahi.com/articles/DA3S12890595.html

 厚生労働省は13日、参院で審議中の精神保健福祉法改正案の趣旨説明文の一部を削除したと与野党に伝えた。審議途中で政府が一方的に変更するのは異例で、この日の参院厚労委員会は紛糾。塩崎恭久厚労相が謝罪した。介護保険法改正案の採決を強行した衆院に続く連日の厚労委の混乱となった。
 削除したのは、議員説明に使う法案の概要説明文書で、相模原市の障害者殺傷事件に言及し「二度と同様の事件が発生しないよう法整備を行う」と記した部分。同省ホームページにも載せていたが、厚労省の担当者は「誤解を招く表現だったので削った」とする。
 法案には精神障害者支援地域協議会に警察が関与する仕組みが入っている。これに野党などが「犯罪防止のための監視」につながるなどと批判していた。塩崎氏は委員会で事件をきっかけに改正するが、患者のための支援策だと強調。その上で「大変申し訳なく、反省している」とわびた。(井上充昌、水戸部六美)

 
 
◆YAHOO!ニュース 2017/04/13 「精神保健福祉法改正案、『大筋で評価できる』――全自病が見解」https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170413-20050000-cbn-soci

 全国自治体病院協議会(全自病)は13日、今国会で審議中の精神保健福祉法改正案に神奈川県相模原市の障害者施設殺傷事件の再発防止を図る方向性が示されていることについて、「改正案は、大筋で前向きに評価できる」とする見解を発表した。【新井哉】
 精神保健福祉法の改正案には、殺傷事件を踏まえ、措置入院者が退院後も医療などを継続的に受けられる仕組みを整備することが盛り込まれている。
 この改正案に関しては、措置入院者を受け入れる都道府県立病院などが全自病の会員となっていることを挙げ、「対象者の権利擁護に留意することを前提に、重点的に取り組むべき活動と考えている」とし、国会の審議で医療現場などの実態に即した議論を深める必要があるとした。
 また、措置入院者の退院後の支援が確実に行われるためには、「自治体の人員体制が質的、量的に速やかに整えられることが必要」と指摘。措置入院の「入り口」問題にも触れ、▽警察官への通報▽精神保健指定医による診察▽措置入院の判断−などで地域差があるとし、「自治体での運用の標準化」に関する検討を行うよう求めている。

 
 
◆朝日新聞デジタル 2017/04/13 「精神保健福祉法改正案 趣旨文の相模原事件への言及削除」http://www.asahi.com/articles/ASK4F7DNJK4FUBQU014.html

 厚生労働省は13日、参院で審議中の精神保健福祉法改正案の趣旨説明文の一部を削除したと与野党に伝えた。審議途中で政府が一方的に変更するのは異例で、この日の参院厚労委員会は紛糾。塩崎恭久厚労相が謝罪した。介護保険法改正案の採決を強行した衆院に続く連日の厚労委の混乱となった。
 削除したのは、議員説明に使う法案の概要説明文書で、相模原市の障害者殺傷事件に言及し「二度と同様の事件が発生しないよう法整備を行う」と記した部分。同省ホームページにも載せていたが、厚労省の担当者は「誤解を招く表現だったので削った」とする。
 法案には精神障害者支援地域協議会に警察が関与する仕組みが入っている。これに野党などが「犯罪防止のための監視」につながるなどと批判していた。塩崎氏は委員会で「事件を一つの契機に措置入院制度の問題点を見直すもの」として事件をきっかけに改正するが、患者のための支援策だと強調。その上で「大変申し訳なく、反省している」とわびた。
 一方、衆院厚労委では、丹羽秀樹委員長が理事懇談会で12日の採決について「円滑に行われなかったのは残念。私の至らないところもあり、ご迷惑をおかけした」と釈明。野党は受け入れ、14日に委員会を開いて正常化することになった。

 
 
◆朝日新聞デジタル 2017/04/12 「警察の関与焦点に 措置入院後の支援巡る法改正案」http://www.asahi.com/articles/DA3S12887046.html

 相模原市での障害者殺傷事件の再発防止策を盛り込んだ精神保健福祉法改正案で、精神疾患患者の措置入院後の継続支援に警察が関与する仕組みの是非が焦点に浮上した。一部の当事者団体が「監視と差別助長につながる」と反対。参院厚生労働委員会で11日に始まった本格審議でも、野党が相次いで懸念を示した。改正案では、患者が退院しても継続支援できるよう、保健所がある自治体に病院や保健所、警察などでつくる「精神障害者支援地域協議会」の設置を義務づける。警察は年に数回ある代表者会議に参加し、犯罪行為に及ぶ疑いがあるケースや薬物依存の可能性がある場合の対応方法を話し合うことにしている。これに対し、当事者団体の「全国『精神病』者集団」が反対を表明。11日の参院厚労委では社民党の福島瑞穂氏が「(患者への)ケアではなく犯罪防止になっている」と疑問視した。同法の趣旨である障害者福祉を超えて治安対策になるとの懸念だ。「警察に通知されたら犯罪者予備軍になってしまう。措置入院した人をずっと監視することは問題だ」とも指摘した。
 厚生労働省は、代表者会議で患者個人の情報は扱わないとする。だが、個々の患者の具体的な支援計画を作る協議会の調整会議に、警察が加わる可能性が出てきた。
 法案では盛り込まれていないが、厚労省の堀江裕・障害保健福祉部長は、民進党の川田龍平氏の質問に対して、自殺の恐れがある場合や繰り返し救護が必要な場合などは「例外的に警察が参加することもありえる」と答弁。川田氏は「別の法律を警察庁が検討すべきではないか」と述べ、障害者支援とは別の法体系にすることを求めた。 (井上充昌)

 
 
◆朝日新聞デジタル 2017/04/12 「措置入院後の警察関与で論戦 相模原事件の再発防止策」http://www.asahi.com/articles/ASK4C52GRK4CUTFK00G.html

 相模原市での障害者殺傷事件の再発防止策を盛り込んだ精神保健福祉法改正案で、精神疾患患者の措置入院後の継続支援に警察が関与する仕組みの是非が焦点に浮上した。一部の当事者団体が「監視と差別助長につながる」と反対。参院厚生労働委員会で11日に始まった本格審議でも、野党が相次いで懸念を示した。
 改正案では、患者が退院しても継続支援できるよう、保健所がある自治体に病院や保健所、警察などでつくる「精神障害者支援地域協議会」の設置を義務づける。警察は年に数回ある代表者会議に参加し、犯罪行為に及ぶ疑いがあるケースや薬物依存の可能性がある場合の対応方法を話し合うことにしている。
 これに対し、当事者団体の「全国『精神病』者集団」が反対を表明。11日の参院厚労委では社民党の福島瑞穂氏が「(患者への)ケアではなく犯罪防止になっている」と疑問視した。同法の趣旨である障害者福祉を超えて治安対策になるとの懸念だ。「警察に通知されたら犯罪者予備軍になってしまう。措置入院した人をずっと監視することは問題だ」とも指摘した。
 厚生労働省は、代表者会議で患者個人の情報は扱わないとする。だが、個々の患者の具体的な支援計画を作る協議会の調整会議に、警察が加わる可能性が出てきた。
 法案では盛り込まれていないが、厚労省の堀江裕・障害保健福祉部長は、民進党の川田龍平氏の質問に対して、自殺の恐れがある場合や繰り返し救護が必要な場合などは「例外的に警察が参加することもありえる」と答弁。川田氏は「別の法律を警察庁が検討すべきではないか」と述べ、障害者支援とは別の法体系にすることを求めた。(井上充昌)

 
 
◆東京新聞 2017/04/11 「『重度かつ慢性』新たな差別に」http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2017041102000145.html

 「重度かつ慢性」という規定に、障害者団体などが反発している。国は二〇一八年度からの障害福祉計画の基本指針を策定した。策定の議論では精神障害者で一年以上の長期入院者のうち、「重度かつ慢性」な人を除いた地域支援策が浮上した。裏を返せば、除かれた人は病院に閉じ込められたままとなる。障害者の地域移行は世界的な流れだ。「規定は新たな差別」という怒りの声が上がっている。(白名正和、橋本誠)

 
 
◆朝日新聞デジタル 2017/04/07 「精神保健福祉法改正案、審議入り 差別助長と反対論も」http://www.asahi.com/articles/ASK2X4W6ZK2XUBQU006.html

 相模原市で起きた障害者殺傷事件を受けた再発防止策を盛り込んだ精神保健福祉法改正案が7日、参院本会議で審議入りした。同法に基づく措置入院を解除された患者に支援を継続するよう自治体に義務づけるのが柱で、政府は今国会での成立を目指す。
 本会議で塩崎恭久厚生労働相は「措置入院から退院した患者に対して継続的な支援を確実に行えるようにする」と説明し、理解を求めた。これに対し、民進党の川田龍平氏は一定の評価をしつつ「犯罪防止が法改正の趣旨の一部というのは障害者の差別偏見につながり、筋違いだ」と述べた。
 法案では、保健所がある自治体に精神障害者支援地域協議会の設置も義務づけている。協議会では、措置入院している患者本人や家族を交えた調整会議(個別ケース検討会議)を開き、退院後の支援計画を作る。
 警察や病院、福祉事業所などが参加する代表者会議も開くことを義務づける。患者の薬物使用が分かった場合の情報共有や、固い信念で犯罪を企てる人の場合の対応方法を話し合う。措置入院や退院を判断する精神保健指定医は、資格の不正取得問題を受けて更新時の要件を厳格化する。
 成立すれば、1年以内に施行される。(井上充昌)

 
 
◆NHK News Web 2017/04/07 「相模原殺傷事件受け 精神保健福祉法改正案が審議入り」http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170407/k10010940411000.html(映像あり)

 相模原市の知的障害者施設で起きた殺傷事件を受けて、措置入院の患者が退院したあとの支援計画の作成の義務づけなどが盛り込まれた精神保健福祉法の改正案が参議院本会議で審議入りし、塩崎厚生労働大臣は、事件の再発防止に資するとして速やかな成立に理解を求めました。
 改正案は、相模原市の知的障害者施設で起きた殺傷事件を受けて、措置入院の患者を継続的に支援するため、退院後の支援計画の作成を自治体に義務づけることなどが盛り込まれていて、7日の参議院本会議で趣旨説明と質疑が行われ、審議入りしました。
 この中で、塩崎厚生労働大臣は「相模原市で起きた殺傷事件などを踏まえ、現行制度の検討を行った結果、措置入院について、患者が退院したあとの医療などの支援が不十分だといった課題に対応するためこの法案を提出した」と述べました。
 そのうえで、塩崎大臣は「措置入院者が退院したあとに医療などの継続的な支援を確実に受けられる仕組みを整備する。退院後の支援は患者の孤独を防ぎ、結果として事件の再発防止にも資する」と述べ、速やかな成立に理解を求めました。

 
 
◆日本放送協会(NHK) 2017/04/05 20:00→再放送:2017/04/12 13:05 ハートネットTV「相模原事件を受けて 精神医療は今(2)――海外の事例『オープンダイアローグ』」http://www.nhk.or.jp/heart-net/tv/calendar/program/index.html?id=201704052000

 昨年7月、神奈川県相模原市の障害者施設で入所者19人の命が奪われた殺傷事件。事件を受け、今、転換期を迎えているのが、自傷・他害の恐れがある人に対し本人や家族の同意なしに、都道府県知事等の権限で強制的に入院させる「措置入院」に対する対応です。
 今回の事件で被告は事件前、一時措置入院となっていたものの、その後の状況を把握している人がいませんでした。そこで国は、すべての措置入院患者を対象に、退院後の”支援”を強化する方針を示しました。これに対し当事者たちからは、「監視につながる」など多くの懸念の声が挙がっています。本当に望まれる支援とはどのようなものか。2日間のシリーズで考えていきます。
 第2回は、そもそも精神科病院への入院を減らし、地域生活を基本に置こうという世界の精神医療の潮流に注目します。取り上げるのはフィンランド・西ラップランド地方で行われている、「対話による治療」”オープンダイアローグ”。その治療現場を世界で初めて取材、本人に寄り添った支援のスタイルを見つめ、日本の精神医療のあり方を考えていきます。

 
 
◆日本放送協会(NHK) 2017/04/04 20:00→再放送:2017/04/11 13:05 ハートネットTV「相模原事件を受けて 精神医療は今(1)――『措置入院』退院後の支援」http://www.nhk.or.jp/heart-net/tv/calendar/program/index.html?id=201704042000

 昨年7月、神奈川県相模原市の障害者施設で入所者19人の命が奪われた殺傷事件。事件を受け、今、転換期を迎えているのが、自傷・他害の恐れがある人に対し本人や家族の同意なしに、都道府県知事等の権限で強制的に入院させる「措置入院」に対する対応です。
 今回の事件で被告は事件前、一時措置入院となっていたものの、その後の状況を把握している人がいませんでした。そこで国は、すべての措置入院患者を対象に、退院後の'支援'を強化する方針を示しました。これに対し当事者たちからは、「監視につながる」など多くの懸念の声が挙がっています。本当に望まれる支援とはどのようなものか。2日間のシリーズで考えていきます。
 第1回は、全国に先駆け措置入院患者の継続支援を行っている兵庫県や、措置入院を経験した患者を取材。今後の支援のあり方について、ゲストとともに議論していきます。

 
 
◆福祉新聞 2017/04/04 「<措置入院改革> 精神保健福祉法、治安優先の改正に反対」http://www.fukushishimbun.co.jp/topics/16209

 神奈川県立の障害者支援施設「津久井やまゆり園」(相模原市)で昨年7月に発生した殺傷事件の再発防止策とされる精神保健福祉法改正案に関連し、反対集会が3月24日、参議院議員会館で開かれた。措置入院から退院した人のフォローを強化する改正内容を、弁護士、精神科医らが「治安維持を目的としたものだ。到底許されない」と批判した。

本来の目的に合わず
 病棟転換型居住系施設について考える会(連絡先=長谷川利夫・杏林大教授)の主催で、約100人が参加した。精神障害作業療法学が専門の長谷川教授は、「改正案の趣旨を読むと、同法を治安目的に用いている。本来の法の目的と合致しない」と憤った。
 退院後支援計画を作るための個別ケース会議の参加メンバーについて、厚労省の説明資料が「必要に応じて本人も参加する」としている点には「本人抜きで支援計画を作ることはあり得ない」と不快感をあらわにした。

管理の思想は危険
 改正案のベースとなった厚労省の再発防止検討チーム(座長=山本輝之・成城大教授)が昨年12月にまとめた最終報告に対し、日本精神神経学会法委員会は1月、「強い違和感」を表明したが、同委員会委員長の富田三樹生・多摩あおば病院長(東京)は「再発防止検討チームが組織された枠組みがそもそも問題だ」と政府の姿勢を批判した。
 特に事件直後、安倍晋三首相が措置入院の見直しを指示した点を問題視し、「今回の事件の本質はヘイトクライムだ。改正案はそれを隠ぺいするために行政が措置入院患者を一元管理するものであり、極めて危険だ」と警鐘を鳴らした。

患者の自尊心奪う
 「改正案は刑罰国家化を象徴している」と批判したのは、精神医療に詳しい池原毅和・弁護士(東京アドヴォカシー法律事務所)。一般の入院・通院患者にはお金をかけず、社会に迷惑をかけた人には治安維持のためにお金をつぎこむ構図が鮮明だと解説した。
 また、措置解除後に通院を強制された人の治療効果が高いとする海外の研究報告はなく、むしろ本人にぬぐいがたい心の傷を負わせると主張。患者が「良い患者」を演じないと治療が終わらない抑圧的な環境に置かれ、自尊心が奪われる点で改正案は問題だとした。
 このほか精神障害の当事者からは「医療保護入院した時、水を飲もうとしたらトイレの水を飲めと言われた。改正案に入院患者の権利を擁護する仕組みがないのは問題だ」「改正案により措置解除後のフォローを強化すると、障害者同士で監視し密告するような事態も起こりうる」といった声が上がった。
 昨年7月の殺傷事件では犯人が事件前に措置入院していたが、措置解除後の通院は途絶えた。この点を重くみた厚労省は2月末に国会提出した精神保健福祉法の改正案で、すべての措置入院患者に対し、退院後の支援計画を作ることを都道府県などに義務付けた。

 
 
◆東京新聞 2017/03/28 「措置入院患者を支援――相模原事件受け退院後強化」http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201702/CK2017022802000249.html

 相模原の障害者殺傷事件を受け再発防止策を検討している政府は二十八日、措置入院患者の支援強化を柱とする精神保健福祉法改正案を閣議決定した。植松聖(さとし)被告(27)は事件を起こす前に措置入院していたが、行政などから退院後の十分な支援を受けていなかったとする専門家の報告書がまとめられており、改正法案は、行政側が医療機関と協力し、患者ごとに「退院後支援計画」を策定するよう規定。政府は今国会に提出する。
 改正法案は、措置入院患者が退院後も継続的に医療などのサポートを受け、社会復帰できるような仕組みを整備する内容になっている。塩崎恭久厚生労働相は二十八日の会見で「精神障害者の方々への継続的な医療福祉の面での支援をしっかりやれるようにし、同じような事件が二度と起きないようにする」と述べた。
 具体的には(1)措置入院を決めた都道府県や政令市が、医療機関などと「精神障害者支援地域協議会」を設置し、患者の入院中から退院後支援計画を作成(2)患者の退院後は、帰住先の保健所設置自治体が計画に基づき相談指導を実施(3)患者が計画の期間中に転居した場合、移転元の自治体から移転先自治体へ計画の内容を通知−するよう定めている。

 
 
◆東京新聞 2017/03/28 「精神医療を破壊する精神保健福祉法『改正』案」http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2017032802000119.html

今国会に精神保健福祉法の「改正」案が提出されている。昨年7月、入所者19人が殺害された相模原障害者施設殺傷事件の再発防止を掲げ、提案された。だが、中身は事件の核心ともいえる「優生思想」についてはほぼ素通り。代わりに措置入院患者を退院後も永続的に監視することや、警察の介入が含まれている。後者は薬物患者を事実上、医療から排除しかねない。当事者団体などは強く反発している。 (沢田千秋、三沢典丈)

 
 
◆カナロコ 2017/03/25 「精神医療で治安維持『筋違い』 精神保健福祉法改正案に反対集会」http://www.kanaloco.jp/article/240038

 津久井やまゆり園(相模原市緑区)の殺傷事件を受け、政府が今国会に提出した「精神保健福祉法改正案」を巡り、同法案に反対する大学教授や支援団体が24日、参議員会館で集会を開いた。精神医療を治安維持の道具に使うのは筋違いと指摘、「精神障害がある人々に対する政府のヘイトクライム(憎悪犯罪)だ」などと訴えた。
 改正案は、措置入院患者の退院後支援計画を作成するなど、自治体や警察などによる継続的な関与を定めている。現在は参院で審議中で、集会は「可決される前に声を上げなければ」と企画、障害者や支援者ら約80人が参加した。
 登壇した池原毅和弁護士は「警察の介入は、福祉ではなく治安維持、監視が強化され、当事者の人権を踏みにじることにつながる」と批判。
 杏林大学の長谷川利夫教授は「措置入院と事件の関係が分からないうちから、再発防止策として精神障害者施策の検証にあたったことが不適切。改正法の成立自体が差別そのものだ」と訴えた。
 主催した「病棟転換居住系施設について考える会」は、20日付で反対声明を出している。

 
 
◆毎日新聞 2017/02/21 「措置入院見直し――精神保健福祉法改正案、自公了承」http://mainichi.jp/articles/20170222/k00/00m/040/001000c

 相模原市の障害者施設殺傷事件を受け、自民、公明両党の厚生労働部会は21日、措置入院患者の支援強化策を盛り込んだ精神保健福祉法改正案を了承した。政府は近く改正案を閣議決定し、今国会に提出する方針。
 改正案では、措置入院患者が退院後も継続的に医療などのサポートを受け、社会復帰できるような仕組みを整備。措置入院を決めた都道府県や政令市は「精神障害者支援地域協議会」を設置し、患者の入院中から医療機関などを交えた会議を開き、個別の支援計画を策定する。
 措置入院の要否を判断する「精神保健指定医」の制度も改善。資格の不正取得が相次いでおり、資質を担保するため指定医の指定・更新条件を見直す。
 同事件では、横浜地検が元施設職員、植松聖容疑者(27)を殺人罪などで起訴する方針。(共同)

 
 
◆福祉新聞 2017/02/01 「通常国会が開会――福祉関係の提出予定法案は」https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170201-00010000-fukushi-soci

 第193通常国会が1月20日に召集された。安倍晋三首相は「未来を拓く国会」と位置付け、将来にわたり持続可能な社会保障制度を構築する考えを強調した。薬価制度の抜本改革などで国民負担を軽減する一方、児童養護施設出身の学生向けに返還不要の奨学金制度を今年から始めるなど「子どもたちが夢に向かって頑張れる国創り」を打ち出した。会期は6月18日までの150日間。
 安倍首相が、同日の施政方針演説で提出予定の法案などについて意気込みを語った。
 神奈川県立の障害者支援施設「津久井やまゆり園」(相模原市)で昨年7月に発生した殺傷事件については、再発防止策として精神保健福祉法を改正する考えを表明した。措置入院患者に対し、退院した後も支援を継続する仕組みを設けるとした。
 河川の氾濫で浸水想定区域にある高齢者、障害者、乳幼児が利用する施設に避難計画の作成・訓練の実施を義務付けるため、水防法を抜本改正することも明言した。昨年8月の台風により岩手県で川が氾濫し、グループホームの高齢者が避難できずに亡くなったことが背景にある。  「保育所待機児童ゼロ」「介護離職ゼロ」関連では、保育士、介護人材の処遇改善に必要な経費を2017年度予算に盛り込んだことに触れたほか、都市公園に保育所や介護施設の建設を認める規制緩和(国家戦略特区)を全国展開するとした。
 このほか、社会保障関係の提出予定法案は次の通り。
 ▽雇用保険法等改正案=教育訓練給付及び育児休業給付の拡充
 ▽介護保険法等改正案=医療と介護を一体的に提供する介護医療院(仮称)の創設、社会福祉法改正による地域福祉計画策定の努力義務化
 ▽厚生労働省設置法改正案=医務技監を創設
 ▽医療法等改正案=検体検査の精度の確保、医療に関する広告規制の見直し
 ▽健康増進法改正案=受動喫煙防止対策の強化
 ▽児童福祉法等改正案=被虐待児の一時保護(親の意に反し一定期間を超えるもの)について家庭裁判所が審査する仕組みを導入。家裁が都道府県に対し保護者指導を勧告できるようにする
 ▽第7次地方分権一括法案=指定障害児通所支援事業者による業務管理体制の整備に関する届け出の受理の事務・権限を都道府県から中核市へ移譲
 ▽住宅セーフティネット法改正案=自治体による供給促進計画の作成、要配慮者の円滑な入居を促すための賃貸住宅の登録制度の創設



*作成:伊東香純
UP: 20170320 REV:20170327, 28, 31, 0403, 08, 12, 16, 19, 20, 23, 29, 0502, 03, 05, 15, 19, 22, 0613, 0729
精神障害/精神医療:2017  ◇障害者と政策:2017  ◇介助・介護  ◇病者障害者運動史研究全文掲載
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