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遷延性意識障害/((遷延性)植物状態)

prolonged coma / (prolonged vegetable state)


 ◆カレン・クインラン Karen Ann Quinlan事件(1975〜1985)
 ◆ナンシー・クルーザン事件


◆「遷延性意識障害 「尊厳ある生」平等に」(取材ノート)
 『京都新聞』2005年11月4日掲載 社会報道部・岡本晃明
 「「全国遷延(せんえん)性意識障害者・家族の会」が11月6日、結成1年の総会を大阪で開く。
 長い間、全国組織がなかった。24時間態勢で続く介護に追われ、家族の社会活動に大きな制約があった。病院から見放され「医療と福祉の谷間」にいた人々であり、全国規模の実態調査さえなかった。
 呼び掛けても反応がなく微動も自発呼吸もできない人を含む最重度の障害。会は「植物状態」という言葉に大きな抵抗感があるとし、遷延性意識障害と呼ぶよう求めている。
 [略]」

◆守田 憲二 2003?- 「遷延性意識障害からの回復例 1970年代/1980年代/1990年代/2000年代」http://www6.plala.or.jp/brainx/recovery1970.htmhttp://www6.plala.or.jp/brainx/recovery1980.htmhttp://www6.plala.or.jp/brainx/recovery1990.htmhttp://www6.plala.or.jp/brainx/recovery2000.htm

◆日本脳神経外科学会植物状態患者研究協議会
 「植物状態の定義」 1972年

 useful life を送っていた人が脳損傷を受けた後で以下に述べる六項目を満たすような状態に陥り、ほとんど改善がみられないまま満三カ月以上経過したもの。
 (1) 自力移動不可能。
 (2) 自力摂食不可能。
 (3) 尿失禁状態にある。
 (4) たとえ声は出しても意味のある発語は不可能。
 (5) 「眼を開け」「手を握れ」、などの簡単な命令にはかろうじて応ずることもあるが、それ以上の意思の疎通が不可能。
 (6) 眼球はかろうじて物を追っても認識はできない。

 中山 研一・石原 明 編 1993 『資料に見る尊厳死問題』、日本評論社
 p.128に掲載
 他に、この定義について福間[1987:97]

……

 脳死状態とは異なる。脳に何らかの重い障害を受け昏睡、つまり意識を失い、外界からの刺激に全く反応しない状態におちいった後、呼吸活動や眼の対光反射など生命徴候だけはもどったものの、外部との意思の疎通がまったくあるいは通じない状態が続くこと。

 日本:13年くらい前の統計 約2000人 若年層・頭部外傷が多い
 昨年 7000 脳血管障害 高齢者
 試算によれば10年で倍 この増加率で21世紀初頭に20000人(大井[1987:98])

 福間[1987:94-128,145-157]…比較的詳しい


■文献

  *現在、他に何冊か注文中

◆佐々木 栄一郎・佐々木 澄子 1976 『植物人間からの生還――生きててよかった』,日新報道出版部
◆藤田 真一 19771210 『植物人間の記録』,朝日新聞社,438p. ASIN: B000J8SIZM 1300 [amazon] ※ b pc02
◆安井 信郎 1977 『パパは生きている――植物人間から奇跡的に甦ったある科学者の手記』,風媒社 ※
◆梶田 欽志 1978 『サッちゃんの青い空――植物人間との闘い』,渓声社
◆福間 誠之 1978 「植物状態患者――京都第一赤十字病院入院患者の原因疾患と予後分析」,『病院』37-8:647-653→福間[1987]
◆福間 誠之 1981 「植物状態患者と安楽死」,『現代看護』3-11:1497-1506→福間[1987]
◆福間 誠之 1984 「植物状態」,『看護学雑誌』48-4:453-456→福間[1987]
◆中谷 瑾子 1984 「死をめぐる法的問題」,『クリニカ』11-6(トプコ出版部)→中谷[2001:55-66]* *中谷 瑾子 20010630 『続 21世紀につなぐ生命と法と倫理――生命の終期に至る諸問題』,有斐閣,327p. ISBN-10: 4641027528 ISBN-13: 978-4641027527 6510 [amazon] ※ b be ml
 「今日では、ペイン・クリニックの急速の進歩に伴い、癌の末期患者などの深い疼痛に対しても神経ブロック技法の開発、大量の経口鎮痛剤の投与などにより、多くの場合患者を痛みから解放することができるようになり、「死にまさる苦痛」の除去を必要とする場合は明らかに現象した。しかし、他方において医療の進歩は、レスピレーターによる延命を可能にしたと同時に、いわゆる植物状態患者を作り出すことにもなった。」(中谷[1984→2001:61]
◆三木 妙子 19950215 「イギリスの植物状態患者トニー・ブランド事件」,『ジュリスト』1061:050-060 ※COPY
◆宮城 和男 19961115 『がんばれ朋之!18歳――植物状態からの生還[265日の記録]』,あけび書房,205p. ISBN-10: 4871540006 ISBN-13: 978-4871540001 1680 [amazon] ※ pc02.
◆佐々木 賢太郎 19970313 『お母さん、ごめん――尊厳死の願いを無視された植物人間=妻の悲劇』,マガジンハウス,319p. ISBN-10: 4838705816 ISBN-13: 978-4838705818 2400 [amazon] ※ d01.et.pc02.
◆亀井 智泉 20021016 『陽だまりの病室で――植物状態を生きた陽菜の記録』,メディカ出版,270p. ISBN-10: 4840404984 ISBN-13: 978-4840404983 1995 [amazon] ※ pc02.
◆中谷 瑾子 20010730 「科学技術の進歩と刑事規制の行方―慶応義塾大学での最終講義」,中谷編[2001:331-358]*
*中谷 瑾子 編 20010730 『医事法への招待――医療技術の進歩・高齢化社会と法』,信山社出版,362p. ISBN-10: 4797252510 ISBN-13: 978-4797252514 3780 [amazon] ※ b be ml
 「今日では、安楽死の方はペイン・クリニックスというものが発達しまして、いわゆる死の苦しみというものが非常に軽減されました。これは大きなことですよね。したがって、安楽死はそれほど問題ではなくなったといえます。今日ではむしろ、延命治療の進歩が産んだ「鬼子」ともいわれる「植物状態患者」に人間の尊厳にふさわしい死をという「尊厳死」がクローズアップされてきました。即ち、そういう意識不明の状態が続いて改善の見込みが殆どない(蘇生するのは一万人ないし二万人に一人といわれる)時に、レスピレーターを取りつけてまでも生き長らえることを望むのか、それともそのような状態になってまで生きたくはない、そうなったらばむしろ自然に死を待つことにして欲しいという、いわゆるリヴング・ウィル、生前発効の遺言とでも訳しましょうか[…]。「尊厳死」は、安楽死と違って死が目前に迫ってはいない、しかも苦痛に喘いでいるわけでもない。それでもなおかつ生命を短縮することの是非、人間は人間らしく尊厳を保って死を迎えたいということが許されるかどうかということなのです。これは安楽死について皆さんご存じのように、例のナチス・ドイツの「生きるに値しない生命の毀滅」というあの考え方に繋がるのではないかという、そういうおそれがないわけではありません。今、苦痛があるわけではない。むしろ昏睡状態にある。かつ、今すぐ死ぬわけでもないといった場合に、なお人間らしい尊厳を保ちながら死を迎えたいという死の選択が許されるか。これも、自己決定権との関連で問題になってくることだと思いますが、アメリカでは、ほぼ半数の州で自然死法ないし尊厳死法という名の、これを認める立法をしているのです(補注7参照)。」(中谷[2001:350])
「補注7 その後、この種の立法はほぼ全州に広がった。」(中谷[2001:350])
「[追記] 本稿は、一九八七年一月、慶應義塾大学を選択定年で退職するに際しての最終講義の録音反訳に二〇〇一年一月の段階での必要最小限の補注を付したものである。」(中谷[2001:358])


REV:......20071123,25, 20160530
安楽死・尊厳死
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