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『医事法への招待――医療技術の進歩・高齢化社会と法』

中谷 瑾子 編 20010730 信山社出版,362p


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■中谷 瑾子 編 20010730 『医事法への招待――医療技術の進歩・高齢化社会と法』,信山社出版,362p. ISBN-10: 4797252510 ISBN-13: 978-4797252514 3780 [amazon] ※ b be ml

■内容(「BOOK」データベースより)
日本で初めて「医事法」講座を開設した中谷教授プロデュースの平成7年の「医事法特別講座」を、笑いと涙、感動まで、紙上に再現。

内容(「MARC」データベースより)
医学の進歩が人の健康・生命の保護、或いは刑事法学に与えた影響、将来への波及効果、問題点などを研究する医事法。法・医・文学の研究者が共同で担当した大学の講義録。高齢化社会、精神傷害者と責任能力、医療事故等を扱う。

中谷瑾子[ナカタニキンコ]
1950年9月慶応義塾大学法学部法律学科(旧制)卒業。慶応義塾大学法学部助手を経て1962年4月慶応義塾大学法学部教授。1987年4月杏林大学社会科学部教授。1991年4月大東文化大学法学部教授。現在、慶応義塾大学名誉教授、法学博士、弁護士

■目次

高齢化社会の医療と法律
衛生行政と衛生法規
らい予防法の廃止に向けて
ローマ法王回勅『生命の福音』について
日本人の死生観と遺体観
精神障害者と責任能力
医療事故の現状と真相究明――生命の値段
科学鑑定の現状と真相究明――科学の進歩は犯人を追い詰めるか
法医解剖の現状と真相究明
エイズについて
科学技術の進歩と刑事規制の行方――慶応義塾大学での最終講義 中谷 瑾子 331-358

■引用

中谷 瑾子 20010730 「科学技術の進歩と刑事規制の行方―慶応義塾大学での最終講義」,中谷編[2001:331-358]
 「今日では、安楽死の方はペイン・クリニックスというものが発達しまして、いわゆる死の苦しみというものが非常に軽減されました。これは大きなことですよね。したがって、安楽死はそれほど問題ではなくなったといえます。今日ではむしろ、延命治療の進歩が産んだ「鬼子」ともいわれる「植物状態患者」に人間の尊厳にふさわしい死をという「尊厳死」がクローズアップされてきました。即ち、そういう意識不明の状態が続いて改善の見込みが殆どない(蘇生するのは一万人ないし二万人に一人といわれる)時に、レスピレーターを取りつけてまでも生き長らえることを望むのか、それともそのような状態になってまで生きたくはない、そうなったらばむしろ自然に死を待つことにして欲しいという、いわゆるリヴング・ウィル、生前発効の遺言とでも訳しましょうか[…]。「尊厳死」は、安楽死と違って死が目前に迫ってはいない、しかも苦痛に喘いでいるわけでもない。それでもなおかつ生命を短縮することの是非、人間は人間らしく尊厳を保って死を迎えたいということが許されるかどうかということなのです。これは安楽死について皆さんご存じのように、例のナチス・ドイツの「生きるに値しない生命の毀滅」というあの考え方に繋がるのではないかという、そういうおそれがないわけではありません。今、苦痛があるわけではない。むしろ昏睡状態にある。かつ、今すぐ死ぬわけでもないといった場合に、なお人間らしい尊厳を保ちながら死を迎えたいという死の選択が許されるか。これも、自己決定権との関連で問題になってくることだと思いますが、アメリカでは、ほぼ半数の州で自然死法ないし尊厳死法という名の、これを認める立法をしているのです(補注7参照)。」(中谷[2001:350])
「補注7 その後、この種の立法はほぼ全州に広がった。」(中谷[2001:350])
「[追記] 本稿は、一九八七年一月、慶應義塾大学を選択定年で退職するに際しての最終講義の録音反訳に二〇〇一年一月の段階での必要最小限の補注を付したものである。」(中谷[2001:358])
 →安楽死・尊厳死/→「植物状態」

■言及

◆立岩 真也 2008 『…』,筑摩書房 文献表


UP:20071123 REV:
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