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『医事法への招待――医療技術の進歩・高齢化社会と法』

中谷 瑾子 20010630 有斐閣,327p.


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■中谷 瑾子 20010630 『続 21世紀につなぐ生命と法と倫理――生命の終期に至る諸問題』,有斐閣,327p. ISBN-10: 4641027528 ISBN-13: 978-4641027527 6510 [amazon] ※ b be ml

■内容(「MARC」データベースより)
生命倫理の視点から生命の終期に至る諸問題を扱った論文を収録。「脳死・臓器移植の問題」「痴呆老人の多出とその介護をめぐる問題」「QOLの確保へむけて」を取り上げ、生命をめぐる法と倫理について考察。99年刊の続刊。

■目次

第1部 生命の終期に至る過程で生じる諸問題――高齢化社会における責任能力と法的責任
第2部 死・脳死・臓器移植をめぐる諸問題
 3 死をめぐる法的問題
 9 透析の導入――医師の裁量権と法律
第3部 QOLの確保へむけて
 13 らい予防法廃止への道程
第4部 資料編



 *初出の題と本書採録の題との異同は確認していない。題を変えたという記述はない。

◆中谷 瑾子 1984 「死をめぐる法的問題」,『クリニカ』11-6(トプコ出版部)→中谷[2001:55-66]

 「今日では、ペイン・クリニックの急速の進歩に伴い、癌の末期患者などの深い疼痛に対しても神経ブロック技法の開発、大量の経口鎮痛剤の投与などにより、多くの場合患者を痛みから解放することができるようになり、「死にまさる苦痛」の除去を必要とする場合は明らかに現象した。しかし、他方において医療の進歩は、レスピレーターによる延命を可能にしたと同時に、いわゆる植物状態患者を作り出すことにもなった。」(中谷[1984→2001:61]

 *下記の本に収録されている文章(最終講義の再録)でも同様の記述
中谷 瑾子 編 20010730 『医事法への招待――医療技術の進歩・高齢化社会と法』,信山社出版,362p. ISBN-10: 4797252510 ISBN-13: 978-4797252514 3780 [amazon] ※ b be ml
 →安楽死・尊厳死/→「植物状態」

◆中谷 瑾子 1998 「透析の導入――医師の裁量権と法律」,『臨牀透析』14-9→中谷[2001:173-185]

 図 各国における透析患者と移植患者との対比(1991年12月31日)
 (太田和夫 1994 『腎と透析』36-3:375-378 より引用) 中谷[1998→2001:174]

 6 宮崎県立病院人工透析拒否訴訟 中谷[1998→2001:181-183]

 →人工透析

◆中谷 瑾子 1996 「らい予防法廃止への道程」,『日本ハンセン病学会雑誌』65-2→中谷[2001:225-234](pp.2001年5月の熊本地方裁判所判決を受けた[追補])

◆あとがき
 「13章の「らい予防法廃止への道程」は、本書の中でやや異色の感があろう。癩予防法の廃止から社会復帰の支援の法整備への道程は、本書に収録されたとおりである。筆者は元厚生省医務局長大谷藤郎氏(藤楓協会)より、<0325<1994年6月、東京都東村山市にある国立癩診療所全生園(ぜんしょうえん)で開催された「癩予防法廃止へ向けて」と題するシンポジウムで「人権保護に向けて」のテーマで講演をするよう依頼を受けた。当時、全日本精神病院協会の顧問として、精神科指定医講習会で「人権保護について」と題して年2回講演をしていたので、旧知の大谷氏のご依頼でもあり、あまり考えることもなくお引き受けしたのである。しかし、筆者はその時まで「癩予防法」なるものを一度も見たことがなかった。そこで、癩予防法が収録されていると思われる六法全書を調べたが見当たらない。大六法全書にも、医療関係のやや特殊な医療六法にも収録されていない。いささか慌てて藤楓協会に依頼して、明治43年の「癩ニ関スル件」と昭和28年の「癩予防法」を入手して読んで、実態に即さない、憲法違反でさえある規定内容に驚いた。前記のシンポジウムでは、法規定そのものはひどいが、運用上改善されているのであり、法の廃止はとても困難なことを考えると「『名』を捨てて『実』を取る」の精神で臨んだらどうかとする意見が多かった。だが、私は、「『名』も『実』も取りましょう」と、全生園の収容者を励まし、この憲法違反の法律は何としても廃止しなければならないと必死に努力を重ねた。その後、努力の甲斐あって、第13章に記載されている通りの道程で「癩予防法」は廃止に至ったのである。廃止された後も、著名な法曹ですらこの「癩予防法」など見たことがない、とされる方々がほとんどであった。筆者は、大谷先生やその他国立療養所所長と共に、この法律の廃止に力を尽くすことができた唯一の法曹であることを誇りに思う。筆者は、近年、筆者の法曹人生50余年の経験の中で、唯一、社会に貢献できたと自負できることと考えているので、敢えて本書に収録することにした。」(中谷[2001:325-326])
 →ハンセン病

■言及

◆立岩 真也 2008 『…』,筑摩書房 文献表


UP:20071124 REV:
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