『遺伝子技術の社会学』
柘植 あづみ・加藤 秀一 編 20070910 文化書房博文社,237+18p.
■柘植 あづみ・加藤 秀一 編 20070910 『遺伝子技術の社会学』,文化書房博文社,ソキウス研究叢書・テクノソサエティの現在1,237+18p. ISBN:9784830110856 (4830110856) 3570 [amazon] ※ b g01 ms
■紹介
◆文化書房博文社 http://user.net-web.ne.jp/bunka/syoseki_syousai.asp?isbn=ISBN978-4-8301-1085-6
「本書は、遺伝子に関する知識や技術が私たちの生活や意識に浸透し、大きな影響を与えつつある社会的状況を踏まえ、【遺伝子技術】を社会科学・人文科学研究の観点から検討し、まとめたものである。」
◆紀伊國屋書店 http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4830110856.html
編者
柘植あづみ[ツゲアズミ]明治学院大学社会学部社会学科
加藤秀一[カトウシュウイチ]明治学院大学社会学部社会学科(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
■目次
序 文 柘植あづみ
第一章 遺伝子決定論、あるいは〈運命愛〉の両義性について
――言説としての遺伝子/DNA 加藤秀一
序
1 「DNA神話」の現在
(1)〈何の〉遺伝子/DNAか?
(2)企業・製品のDNA
(3)民族のDNA
2 遺伝子決定論とは何か
(1)遺伝子本質主義と遺伝子決定論
(2)遺伝子決定論とは何か
(3)遺伝子決定論/本質主義……ある事例
(4)遺伝子決定論批判……細胞の復権
3 遺伝子決定論/本質主義の大衆的意味
(1)発生生物学と実践的遺伝学
(2)遺伝子と差別の現実
(3)非決定論的認識と決定論的行動
4 遺伝子決定論/本質主義の深奥
(1)肯定としての〈運命愛〉
(2)決定論の魅惑:二つの理由
(3)遺伝子と平等
第二章 遺伝子・患者・市民 松原 洋子
はじめに
1 遺伝性疾患患者・家族のアドボカシー
2 断片化する身体
3 ジェネティック・シティズンシップの将来
おわりに
コラム1 遺伝子を扱うルールの形成
――その望ましいあり方 島次郎
○遺伝子はどこまで特別な存在か
○遺伝子を適正に扱うための土台と柱
○個別の細則だけ行政指導=社会の合意形成はなされていない
コラム2 生命倫理問題とは
――ヒトES細胞をめぐる議論を例に 西川伸一
○対立する議論、宗教の教義と寛容
○さまざまな考えを前提として尊重する
第三章 遺伝子組換え問題をめぐる消費者の弱点
―― 先端技術リスクの当事者として 藤川賢
序
1 遺伝子組換え作物の普及と議論
(1)組換え作物の研究開発と普及
(2)情報と議論
(3)安全性試験と実質的同等性
2 食品安全性問題に関する消費者への期待と役割
(1)消費者への期待の高まり
(2)遺伝子組換え作物の争点の拡がり
(3)科学的な選択の強要もしくは慎重論の弱点
3 消費者の社会的選択と不安
(1)先端的科学研究と消費者への期待
(2)個人化させられる消費者
(3)リスクと不安
4 不確実性に当事者として対応する
(1)消費者の無責任性と自立的判断の変容
(2)積極的な判断保留の可能性
(3)当事者意識の意味
むすび
コラム3 遺伝子組み換えの科学技術と倫理 柿原泰
○科学技術の専門家としての倫理
○アシロマ会議
○科学技術の公共的理解に向けて
第四章 ディスアビリティとインペアメントの間
―― 遺伝子技術をめぐる「当事者」へのインタビュー調査 大瀧敦子
1 分析枠組みとしてのディスアビリティとインペアメント
2 共通体験としての「無力化(disabling)された自己」
(1)受容の中で線引きされる体験
3 無力化からの解放の手法
(1)女性であるゆえの揺らぎと困難性
(2)「患者」と「障害者」の間――インペアメントを生きる
4 まとめに代えて
コラム4 「卵を提供すること」について考える
――医学研究のために卵を提供する可能性のある人へのヒアリング調査から
齋藤有紀子
○厚労省吉村班と、総合科学技術会議
○卵提供者ヒアリングの概要
○当事者の声
○あらためて見えたこと
コラム5 「オーダーメイド医療」からみえる科学性と不確実性 武藤香織
第五章 遺伝子化された生を越える 柘植あづみ
1 病気/障害の経験
2 病気/障害と治療
3 遺伝病へのまなざし
4 結論
解説――あとがきにかえて 加藤秀一
引用・参考文献
索引