『未来派左翼〈上〉――グローバル民主主義の可能性をさぐる』
Negri, Antonio 2006 Goodbye Mr. Socialism,Giangiacomo Feltrinelli Editore
=20080330 廣瀬 純 訳,日本放送出版協会,214p.
last update:20111129
■Negri, Antonio 2006 Goodbye Mr. Socialism,Giangiacomo Feltrinelli Editore
=20080330 廣瀬 純 訳 『未来派左翼〈上〉――グローバル民主主義の可能性をさぐる』,日本放送出版協会,214p. ISBN-10:4140911069 ISBN-13:978-4140911068 \966 [amazon]/[kinokuniya] ※ ah02 dr01 cg01 v02 w01 w0111 ngo
■内容
出版社/著者からの内容紹介
左翼の逆襲が始まった。
「壁」崩壊、ユーゴ紛争、ワーキングプア問題......。ネグリは時代の危機をどう捉えたか?
内容(「BOOK」データベースより)
左翼に延命の途はあるのか?疲弊した左翼をいかに再生するか?左翼政権を支えた社民的な思考モデルが時代遅れになる一方で、シアトルやジェノヴァの抗議デモ、メキシコのサパティスタの蜂起など、グローバル資本に対抗する新しいうねりが生じている。ベルリンの壁が崩壊した一九八九年以降、全世界が“帝国”化へ向かうなかで起きた様々な出来事を考察し、現状に即応できない社会主義・社民的思考に引導を渡すとともに、「みんなでひとつになる」ことを目指す柔軟な闘争形態に、グローバル民主主義への新たな希望を見出す。
出版社からのコメント
さらば、社会主義。
左翼に延命の途はあるのか? 疲弊した左翼をいかに再生するか?
左翼政権を支えた社民的な思考モデルが時代遅れになる一方で、シアトルやジェノヴァの講義デモ、メキシコのサパティスタの蜂起など、グローバル資本に対抗する新しいうねりが生じている。
ベルリンの壁が崩壊した1989年以降、全世界が<帝国>化へ向かうなかで起きた様々な出来事を考察し、現状に即応できない社会主義・社民的思考に引導を渡すとともに、「みんなでひとつになる」ことを目指す柔軟な闘争形態にグローバル民主主義への新たな希望を見出す。
著者について
●[著者]
アントニオ・ネグリ(Antonio Negri)
1933年生まれ。元パドヴァ大学社会科学研究所教授。70年代にはアウトノミア運動の中心人物となる。79年、テロ事件にかかわった容疑により逮捕・投獄されるが、フランスに亡命。現在は、完全に自由の身となり、研究・著述を続けている。主な著書に『マルチチュード(上)(下)』(NHKブックス)など多数。
●[編者]
ラフ・バルボラ・シェルジ(Raf Valvola Scelsi)
1957年、ミラノ生まれ。ベルガモ大学で教鞭をとるほか、出版業でも働いている。
●[訳者]
廣瀬 純(ひろせ・じゅん)
1971年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科修士課程(芸術学)修了。パリ第三大学映画視聴覚研究科DEA課程修了。現在、龍谷大学経営学部専任講師。専攻は、映画論、現代思想、仏西伊語圏地域研究。仏・映画批評誌『Vertigo』編集委員。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ネグリ,アントニオ
1933年生まれ。元パドヴァ大学政治社会科学研究所教授。70年代にはアウトノミア運動の中心人物となる。79年、テロ事件にかかわった容疑により逮捕・投獄されるが、フランスに亡命。現在は、完全に自由の身となり、研究・著述を続けている
廣瀬 純
1971年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科修士課程(芸術学)修了。パリ第三大学映画視聴覚研究科DEA課程修了。現在、龍谷大学経営学部専任講師。専攻は、映画論、現在思想、仏西伊語圏地域研究。仏・映画批評誌『Vertigo』編集委員
シェルジ,ラフ・バルボラ
1957年、ミラノ生まれ。ベルガモ大学で教鞭をとるほか、出版業でも働いている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
■目次
はじめに
Ⅰ さらば社会主義
第1章 社会主義はなぜ頓挫したのか――壁崩壊から考える
歓喜の体験
計画経済はなぜ失敗したのか
ソ連崩壊の理由①:内部不均衡
スターリン主義をどう捉えるか
ソ連崩壊の理由②:自由の喪失
ソ連指導部の愚行
「歴史をつくる」という試み
社会主義に関する二つの「もし」
社会主義からコミュニズムへ
「新たな平等主義」の到来
アーレントの問題点
第2章 〈共〉はいかに発見されたか――パリのストライキから考える
「みんなでひとつになろう!」
〈共〉はどこから生まれるのか
都市の政治的変容
〈共〉と〈公〉の違い
〈私物化=民営化〉に抗する連帯
「囲い込み=締め出し」のための装置
共有財としての〈知〉
左翼はどう反応したか
〈共〉の司法的構築――国家管理を超えて
第3章 〈帝国〉時代の戦争をどう捉えるか――ユーゴ紛争から考える
ユーゴ紛争と左翼
抵抗、階級闘争としての戦争
暴力的だったガンジー主義
偽造された非暴力概念
戦争が警察的行動へ変貌する
ダレーマ首相の背信行為
反戦運動から〈共〉の運動へ
Ⅱ マルチチュード出現!
第4章 運動はどう変化したのか――シアトルのデモから考える
シアトルが可能にした〈もうひとつの世界〉
労働概念の刷新
労働による超過的価値形成
ヘゲモニー争いを超えた運動形態
知性の解放を目指す運動
身体に根ざした理性の概念
「女性たちに名誉を!」という罠
インターネットの政治的可能性
運動と政党の関係とは?
尺度の消滅
第5章 ネットは運動にどう影響したのか――サパティスタの蜂起から考える
「もうひとつの近代」とは何か
資本主義的開発へのアンチテーゼ
伝統的左翼の権力観を超えて
〈知〉の運動の限界
反動的コミュニティ主義とどう違うのか
愛と清貧
愛をめぐるパラドクス
同化政策の機能不全
運動におけるネットの意味
なぜ左翼は民主主義的ビジョンを失ったのか
民主主義的参加への〈脱出〉
ルラ大統領のつまずき
第6章 なぜ暴力は正当化されるのか――ジェノヴァのデモから考える
ジェノヴァの二つの意義
組織化をめぐる実験の場
デモ行進の象徴的意味
個人主義か、それとも特異性の共有か
「暴力のない世界」というナンセンス
〈知〉の収奪への抵抗
移行期をどう生きるか
第7章 労働はどう変貌するのか――移民問題から考える
アルバニア移民はどう扱われたか
二重の国境
地中海から来た人たちの末路
同化モデルの欠如
移民たちをめぐる社会不安
新たな協働形態という課題
市民所得の重要性
〈政治的構成〉の不在
NGOの問題点
多様な労働特性をどう組織化するか
プロレタリア・インターナショナリズムは再生できるか
■引用
■書評・紹介
■言及
*作成:樋口 也寸志