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Arendt, Hannah

ハンナ・アレント


◆1929
1996 (1929) Love and Saint Augustine, edited and with an interpretive essay by Joanna V. Scott and Judith C. Stark (Chicago & London:The University of Chicago Press).
◆1951
1968 (1951) The Origins of Totalitarianism, 3rd. ed. (New York:Harcourt Brace Jovanovich).
◆1953
 "Karl Marx and the Tradition of Western Political Thoght"=20020719 アーレント研究会 訳,『カール・マルクスと西欧政治哲学の伝統』,大月書店,361+2p. 4500 ※ cf.Marx, Karl
◆1954
 1994 (1954) ”Understanding and Politics in ed. by Jerome Kohn, Essays in Understanding 1930-1954 (New York and London:Harcourt Brace & Company).
◆1958 The Human Condition=1994 志水速雄訳,『人間の条件』,ちくま学芸文庫
 1998 (1958) The Human Condition, 2nd ed. with an introduction by M. Canovan (Chicago and London:The University of Chicago Press). 志水速雄訳『人間の条件』(ちくま学芸文庫、一九九四年)。
◆1963
1963 On Revolution, New York:Penguin Books=1995 志水速雄訳,『革命について』,ちくま学芸文庫
◆1965
1965 Men in the Dark Times (New York:Harcourt, Brace & World, Inc). 阿部斉訳『暗い時代の人々』(河出書房新社、一九八六年)。
◆1968
1968 Between Past and Future, enlarged ed.(New York:Penguin Books). =1994 引田・斎藤訳『過去と未来の間』,みすず書房,448p. 4800 ※
◆1972
Crises of the Republic, New York: Harcourt Brace Jovanovich=1973 高野フミ訳,『暴力について』,みすず書房
◆1994
Essays in Understanding 1930-1954, edited by Jerome Kohn, Harcourt Brace & Company
 =20021021 齋藤 純一・山田 正行・矢野 久美子 訳,『アーレント政治思想集成1──組織的な罪と普遍的な責任』,みすず書房,285p. 4800 ※
 =20021125 齋藤 純一・山田 正行・矢野 久美子 訳,『アーレント政治思想集成2──理解と政治』,みすず書房,309+6p. 4800 ※

◆Arendt and Jaspers 1992 Correspondence 1926-1969, ed. by L. Kohler and H. Saner, trans. by Robert and Rita Kimber (New York and London:Harcourt Brace Jovanovich).

◆Beiner, Ronald 1995 ”Love and Worldliness:Hannah Arendt's Reading of Saint Augustine, in ed. by Larry May and Jerome Kohn, Hannah Arendt:Twenty Years Later (Cambrdige and Massachusetts:The MIT Press).

Benhabib, Seyla 1992 "Models of Public Space: Hannah Arendt, the Liberal Tradition, and Jurgen Habermas", In Craig Calhoun ed., Habermas and the Public Sphere, (Studies in contemporary German social thought), MIT Press.
=1999 「公共空間のモデル──ハンナ・アレント、自由主義の伝統、ユルゲン・ハーバマス」,Calhoun ed.[1992=1999:69-101]*
*Calhoun, Craig ed. 1992 Habermas and the Public Sphere, MIT Press=19990910 山本 啓・新田 滋 訳,『ハーバマスと公共圏』(抄訳),未来社,348p. 3500 ※

Benhabib, Seyla 1994 (1990) ”Hannah Arendt and the Redemptive Power of Narrative, in ed. by Lewis P. Hinchman and Sandra K. Hinchman, Hannah Arendt:Critical Essays (New York:State University of New York Press).

Benhabib, Seyla 1996 The Reluctant Modernism of Hannah Arendt (London:Sage Publications). 大島かおり訳(第一章のみ抄訳)「パーリアとその影──ハンナ・アーレントのラーエル・ファルンハーゲン伝記(上)」,『みすず』第四六六号、二〇〇〇年一月。


◆Bernstein, Richard J. 1977 ”Hannah Arendt:The Ambiguities of Theory and Practice, in ed. by Terrence Ball, Political Theory and Praxis:New Perspectives (Menneapolis:University of Mennesota Press).

◆Bowen−Moore, Patricia 1989 Hannah Arendt's Philosophy of Natality (London:Macmillan Press).

◆Boyle, Patrick S.J. 1987 ”Elusive Neighborliness:Hannah Arendt's Interpretation of Saint Augustine, in ed. by James W. Bernauer, S.J. Amor Mundi:Explorations in the Faith and Thought of Hannah Arendt (Boston, Dordrecht & Lancaster:Martinus Nijhoff Publishers).

◆Canovan, Margaret 1998 ”Introduction to The Human Condition.

◆Dietz, Mary 1995 ”Feminist Receptions of Hannah Arendt in Feminist Interpretations.

◆Disch, Lisa J. 1994 Hannah Arendt and the Limits of Philosophy (Ithaca & London:Cornell University Press).

◆Honig, Bonnie 1993 Political Theory and the Displacement of Politics (Ithaca:Cornell University Press).

◆Kateb, George 1984 Hannah Arendt:Politics, Conscience, Evil (Oxford:Martin Robertson).

◆King, Richard H. 1984 ”Endings and Beginnings:Politics in Arendt's Early Thought Political Thoery 12/ 2 (May).

◆Mayer, Robert 1991 ”Hannah Arendt, National Socialism and the Project of Foundation The Review of Politics 53 (Summer).

◆Scott, Joanna V. 1988 ”A Detour Through Pietism:Arendt on St. Augustine's Philosophy of Freedom, Polity 20/ 3 (Spring).

◆Scott, J.V. and Stark, J.C. 1996 ”Rediscovering Hannah Arendt, an interpretive essay to Love and Saint Augustin.

◆Villa, Dana R. 1999 Politics, Philosophy, Terror:Essays on the Thought of Hannah Arendt (Princeton:Princeton University Press).

◆伊藤洋典 1991 「ハンナ・アレントにおける政治概念の基底−「世界」概念の構造と「活動」の観点から」『法政研究』第五八巻第一号。
◆千葉眞 1994 「愛の概念と政治的なるもの−アーレントと集合的アイデンティティーの構成−」『思想』八四四号(一〇月)。
岡野 八代 19951231 「アレント──公的空間の再興」 藤原・飯島編[1995:234-250] ※
岡野 八代 19970205 「ハンナ・アレントとフェミニズム──「闘争の場」としての政治」,『思想』1997-02:102-126 ※
◆堀江 宗正 19981122 「仕事=作品としての生──リクールとアレントの行為理論・物語理論」,日本社会学会第71回大会報告  ※98
◆志水 紀代子 19991125 「『暗い時代』の人間性──H.アーレントの「友愛(友情)について」」,大越編[1999:011-047]*
大越 愛子・志水 紀代子 19991125 『ジェンダー化する哲学──フェミニズムからの認識論批判』,昭和堂,274p.2400 ※
◆矢野 久美子  200003 「もうひとつの物語論、あるいはハンナ・アーレントの「身ぶり」について」,『国際交流研究』2
岡野 八代 200005 「暴力論再考──アーレントに抗して、アーレントとともに」,『情況』第2期11-4
岡野 八代 2000 「人間の条件と物語論の接点」,『立命館法学』2000年6号(274号),:298-
 http://www.ritsumei.ac.jp/kic/ja/lex/00-6/okano.htm
◆伊藤 洋典 20010914 『ハンナ・アレントと国民国家の世紀』 木鐸社,228+2p. 3000 ※
◆情況出版編集部 編 20011116 『ハンナ・アーレントを読む』,情況出版,271p. 2600 ※
◆杉浦 敏子 20021230 『ハンナ・アーレント入門』 藤原書店,219p. 2400 ※

◆市村 弘正 1998 『敗北の二十世紀』(世織書房)
◆市村 弘正 19870200=19960615 『増補「名づけ」の精神史』,平凡社ライブラリー,185p. ISBN-10: 4582761526 ISBN-13: 978-4582761528 854+税 [amazon]

◆ジェイ、マーティン  1989(1978)  「ハンナ・アレントの政治的実存主義」今村、藤澤、竹村、笹田訳『永遠の亡命者たち』(新曜社)所収。

◆寺島 俊穂 1990 『生と思想の政治学』(芦書房)。

■引用(橋口昌治による)

 「ヴェルサイユ条約によってなされた規則の結果から明らかになったことは、ヨーロッパの現状の維持をも回復をも不可能にした多くの原因の一つが、西欧の国民国家体制は全ヨーロッパに拡大し得ないものであるという点にあることだった。つまりヨーロッパは百五十年以上にもわたって、全人口のほとんど四分の一については適用不可能な国家形態の中で生きてきたわけである。国民国家の原理の全ヨーロッパでの実現は、国民国家の信用をさらに落とすという結果をもたらしたにすぎなかった。国民国家の原理は該当する諸民族のごく一部に国民主権を与えたに止まり、しかもその主権はどこでもほかの民族の裏切られた願いに対立する形で貫徹されたため、主権を得た民族は最初から圧制者の役割を演ずることを余儀なくされたからである。被抑圧民族のほうはほかならぬこの規制を通じて、民族自決権と完全な主権なしには自由はあり得ないとの確信を強めた。従って彼らは民族的熱望を踏みにじられたばかりでなく、彼らが人権と考えたものまで騙し取られたと感じた。」(H・アレント『全体主義の起原U』p.244)

 「無権利者が蒙った第一の損失は故郷の喪失だった。故郷の喪失とは、自分の生れ育った環境――人間はその環境の中に、自分にこの世での足場と空間を与えてくれる一つの場所を築いてきたのだ――を失うことである。諸民族の歴史は個人や民族集団の多くの放浪についてわれわれに語っており、そのような不幸はそこではほとんど日常的といえる出来事である。歴史的に例がないのは故郷を失ったことではなく、新たな故郷を見出せないことである。(…)それは空間の問題ではなく、政治組織の問題だったのである。人々は長いあいだ人類を諸国民からなる一つの家族というイメージで思い描いてきたのだが、今や人類は現実にこの段階に到達したことが明らかとなった――だがその結果は、これらの閉鎖的な政治共同体の一つから締め出されたものは誰であれ、諸国民からなる全体家族からも、そしてそれと同時に人類からも締め出されることになったのである。」(p.275-276)

 「職業も国籍もまた意見も持たず、自分の存在を立証し他と区別し得る行為の成果をも持たないこの抽象的な人間は、国家の市民といわば正反対の像である――政治的領域においては市民たることはすべての相違と不平等を消し去る巨大な力として働き、すべての市民は絶えず平均化されてゆくのだから。なぜなら、無権利者は単なる人間でしかないといっても、人と相互に保証し合う権利の平等によって人間たらしめられているのではなく、絶対的に独自な、変えることのできない無言の個体性の中にあり、彼の個体性を共通性に翻訳し共同の世界において表現する一切の手段を奪われたことによって、共同であるが故に理解の可能な世界への通路を断たれているからである。彼は人間一般であると同時に個体一般、最も普遍的であると同時に最も特殊であって、その双方とも無世界的であるが故にいずれも同じく抽象的なのである。
 このようなカテゴリーの人間の存在は文明世界に対する二つの危険を孕んでいる。彼らが世界に対して何らの関係も持たないこと、彼らの無世界性は、殺人の挑発に等しいのだ――世界に対して法的にも社会的にも政治的にも関係を持たない人間の死は、生き残った者にとって何らの影響も残さないという限りで。たとえ人が彼らを殺しても、何ぴとも不正を蒙らず苦しみさえ受けなかったかのように事は過ぎてしまう。」(p.289)


UP:20030222 REV:0327,0630,0722,24 20040220 20050523 20090822
WHO ◇哲学/政治哲学/倫理学
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