HOME
>
全文掲載
>
『詳論 相談支援』
「障害者ケアマネジメント体制支援事業実施要綱」
厚生労働省 20030528 障発第0528001号
萩原 浩史
20191210
『詳論 相談支援――その基本構造と形成過程・精神障害を中心に』
,生活書院,資料
Tweet
last update:20200719
障害者ケアマネジメント体制支援事業の実施について
障発第0528001号
平成15年5月28日
厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長
障害者のニーズに即した形で地域生活の実現を促進するためには、公的サービス等の社会資源の充実とともに、障害者がこれらを有効に活用できるようにするための相談支援体制の整備が重要な課題である。
しかしながら、地域で生活している、又は生活しようとする障害者にとっては、様々な生活ニーズを満たすためのサービス実施主体が区々であり、また、実際のサービス内容についても、サービスを提供する側の視点と利用する側の視点が一致しない場合もあり、単に相談支援体制を充実するだけでは、障害者の真意に沿った効果的なサービスの利用が実現できない場合もある。
このため、障害者本人の意向を最大限尊重し、社会参加の促進、自立能力の向上、権利擁護等の視点に立脚しつつ、一人ひとりの生活に必要な福祉・保健・医療・教育・就労などのサービスを総合的に提供するための障害者ケアマネジメントの手法を進めることが必要であり、国においては、平成9年度から6年間に渡る「障害者ケアマネジメント体制整備推進事業」によって、障害者ケアマネジメントの手法の全国的に普及に努め、平成14年3月に「障害者ケアガイドライン」をお示ししたところである。
このような障害者ケアマネジメントの普及を目的とした国の試行的事業は、平成14年度をもって終了し、平成15年度からは、新たに「障害者ケアマネジメント体制支援事業」によって、各都道府県・指定都市(以下「都道府県等」という。)において一層の充実を図っていただきたい事項を中心として支援を行っていくこととした。
具体的には、
① 「障害者ケアマネジメント体制整備検討委員会」に代わり、各都道府県等における障害者ケアマネジメントの実施、各都道府県等が主導する専門職員等の研修の企画・立案、各障害保健福祉圏域における支援ネットワークの形成・維持等について推進することを目的として、「障害者ケアマネジメント推進協議会」を設置する。
② 「障害者ケアマネジメント従事者養成研修」を「障害者ケアマネジメント従事者研修」と改称し、従来の新規研修に加えて、すでに国、各都道府県等の研修を終えて第一線で活躍している障害者ケアマネジメント従事者を対象として、スキルアップのための「上級研修」を新たに実施する。
などとしている。
今般、別紙のとおり「障害者ケアマネジメント体制支援事業実施要綱」を定め、平成15年4月1日より実施することとしたので、ご了知の上、関係諸機関に対し本事業を周知するとともに、積極的な活用に努められたい。
なお、平成14年4月18日障発第0418002号厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長通知「平成14年度障害者ケアマネジメント体制整備推進事業の実施について」は廃止する。
(別紙)
「障害者ケアマネジメント体制支援事業実施要綱」
1 目的
本事業は、様々な生活ニーズを有する在宅の身体障害児(者)(以下「身体障害者」という。)、知的障害児(者)(以下「知的障害者」という。)及び精神障害者の生活を支援するため、各都道府県・指定都市(以下「都道府県等」という。)における障害者ケアマネジメントの実施、各都道府県等が主導する専門職員等の研修の企画・立案、各障害保健福祉圏域(以下「圏域」という。)における支援ネットワークの形成・維持等について推進するとともに、障害者ケアマネジメント従事者研修において、新規研修及びスキルアップのための上級研修を行うことにより、人材の養成に努め、各都道府県等における障害者ケアマネジメントが一層発展するよう支援することを目的とする。
2 実施主体
事業の実施主体は、都道府県等とする。
3 実施内容
(1)都道府県等障害者ケアマネジメント推進協議会
① 都道府県等は、身体、知的、及び精神の各障害分野の学識経験者等で構成される都道府県等障害者ケアマネジメント推進協議会(以下「推進協議会」という。)を設置する。
② 推進協議会は、次の役割を担うこととする。
平成14年度までの都道府県等における「障害者ケアマネジメント体制整備推進事業」を踏まえ、「障害者ケアマネジメント推進協議会」による新たな支援体制を構築し、障害者ケアマネジメントの一層の推進を図る。
具体的内容は、以下のとおりである。
ア 圏域ごとの連絡調整会議の総合調整
各圏域ごとの連絡調整会議を都道府県レベルにおいて総合調整するとともに、各圏域の連絡調整会議が円滑に運営されるよう支援する。
イ 市町村が実施する事業への支援
管内の市町村におけるケアマネジメントの手法を用いた事業が、円滑に実施されるよう支援する。
ウ 専門職員等の人材確保のための研修の推進
(ア)障害者ケアマネジメント従事者の数的確保とともに質的向上を図る。
(イ)障害者ケアマネジメント従事者のスキルアップのための上級研修のあり方、実施方法等を検討し支援する。
エ 新たな社会資源の開発等
各圏域の連絡調整会議の総合調整を通じ、各圏域において不足している社会資源の改善、開発等について都道府県レベルで調整する。
オ 障害者ケアマネジメント利用者に係る権利擁護の推進
ケアマネジメントにおける苦情解決システム構築への支援を行う。
カ その他、推進協議会で検討が必要と判断された事項
(2)障害者ケアマネジメント従事者研修
① 研修として、新規研修及びスキルアップのための上級研修を実施する。
② 研修は、国の研修内容を反映させ、実際に障害者ケアマネジメントを担う人材を養成するために、国が実施する障害者ケアマネジメント従事者指導者研修を受講した者が中心となって実施する。
③ 研修対象者について
ア 新規研修対象者は、障害者ケアマネジメントを担当する市町村職員及び各自治体が実施する各種の相談支援事業等に熱意を持って従事している者を優先する。
イ 上級研修対象者は、かつて都道府県等における研修を集利用した者の中から、身体・知的・精神の三障害に関する広い見識と相談支援事業について一定の実務経験を有する者とする。
ウ 障害者であって、前記「ア」、「イ」の要件を満たす者が受講を希望する場合は、選考に当たって、特段の配慮をお願いしたい。
④ 研修期間及び研修内容については、障害者ケアマネジメント従事者指導者研修に準じて実施することとし、障害者ケアマネジメント従事者の研修として、十分な内容・質をもったものとなるよう留意することとする。
⑤ 新規研修及び上級研修を修了した者には、修了証書を授与することとする。
なお、平成14年度までに「障害者ケアマネジメント従事者養成研修」を修了している者については、新たに「新規研修」を受講しなくても、「上級研修」を修了することにより、「上級研修」の修了証書を授与することとする。
4 事業報告書の提出
本事業の報告、評価等については、別途通知する様式により、平成16年4月30日までに事業報告書を提出すること。
5 経費の負担
この実施要綱により行う事業全般に要する経費については、別に定めるところにより国庫補助を行うこととする。
*作成:松本 彩見
UP:20191129 REV:20200719
◇
萩原 浩史
◇
『詳論 相談支援』
◇
精神障害/精神医療
◇
障害者と政策
◇
全文掲載
TOP
HOME (http://www.arsvi.com)
◇