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水俣病・2009

2001 2006 2007
4月 5月 6月 7月 9月 10月 11月

 
■4月

◆水俣病事件の中の科学と科学者 vers.@最首塾―最首悟の科学的方法論に迫る―
話者:中野浩さん
日時:4月18日(土) 13時半開場、14時〜17時
場所:文京区民センター(部屋はセンター入口の掲示板でご確認ください)。
資料代:1,000円(学生その他特別な事情のある方500円)
連絡先:丹波博紀 (090-9971-6642)

◆NHK<ラジオ深夜便>
http://www.nhk.or.jp/radiodir/pro/shinya.html
■4月22日(水曜)〜23日(木曜)
▼4時台
〔こころの時代〕
特集・100年インタビュー(1) 水俣病患者から教わったこと
熊本学園大学教授 原田正純

■4月23日(木曜)〜24日(金曜)
▼4時台
〔こころの時代〕
特集・100年インタビュー(2) 水俣から世界へ発信すること
熊本学園大学教授 原田正純

 
■5月

◆飲水思源 川本輝夫さん逝去10年の集い

日にち 2009年5月2日(土) 午後1時開場
     午後1時30分開会 午後4時30分終了予定
会場  東京水道橋 全水道会館4F 大会議室
参加費 500円 (学生・生徒・幼児無料)

プログラム  (演題は一部仮題です)
    司会 細谷 孝 (中央大学)

上映 『ミナマタ 井戸を掘ったひと/回想 川本輝夫』
       土本典昭監督 1999年作 42分
お話 映画と川本さんのこと 土本基子
お話 チッソ本社前座り込みでの川本さんとの出会い 旗野秀人
インタビュー 夫・川本輝夫との日々 川本ミヤ子
お話 父の生涯から受け継ぐこと 川本愛一郎
お話 その後の未認定闘争 川本さんから引き継ぐもの 高倉史郎
挨拶 大村トミエ 加藤たけ子 ほか
報告 国会審議の最新情報  要請葉書の協力呼びかけ
          終了後、懇親会(午後5時-7時、有料) 予定

主催:5.2集い実行委員会 
113-0024 東京都文京区西片1-17-4-202 東京・水俣病を告発する会 気付
問い合わせ:03-3814-5639 03-3312-1398 (いずれも昼留守録)
y-kbt@nifty.com

◆ひとり芝居「天の魚」(『苦海浄土』原作)東京大学公演のお誘い
企画・運営: 「不知火グループ」
 Homepage:http://www.geocities.jp/saishjuku/tennoio_2009/tennoio.html
 E-mail:saishjuku@yahoo.co.jp(送信時は@を半角に直してください)
 TEL:090-9971-6642 (世話人 丹波博紀)
制作: 東京不知火座

『苦海浄土』原作のひとり芝居「天の魚」を2009年5月13日(水)から15日(金)にかけて東京大学駒場キャンパス内で公演します。

「天の魚」は、故・砂田明さんが『苦海浄土』に触発され、その一章を仮面劇としたものです。砂田さんは亡くなられるまで全国各地で計556回も「天の魚」を演じられました。今回は砂田さんの弟子の川島宏知さんによる「天の魚」を公演します。

本公演の演出は、砂田版「天の魚」の演出をされた岡村春彦さんにお願いしました。また、(石牟礼道子さんに当たる)“あねさん”の声役は、砂田エミ子さんにお願いする予定です。

私たちはこの公演を川島さんが今後「天の魚」をもって全国行脚する際の門出となるよう準備しています。

入場は無料です(カンパをお願いする場合あり)。18時スタートです。

なお、毎日の芝居後には一時間のアフタートークを行ない、ゲストとして加藤登紀子さんなどがお越しくださいます。

みなさん、是非ともお越しください。

         記

・日程: 2009年5月13日(水)〜15日(金)
・時間: 17時30分開場、18時00分〜20時30分
 (芝居は1時間20分を予定、休憩10分を挟んでアフター・トークを1時間予定)
*整理券を16時45分から配布
 (整理券はあくまで入場時の混乱を防ぐために配ります)
・座席数: 200席(予定)+立ち見  (車椅子等でのご入場、可能にする予定。詳細はお尋ねください)。
・会場: 東京大学駒場キャンパス 駒場小空間(多目的ホール)
・入場料: 無料(会場にてカンパをお願いする場合あり)
・アフタートーク・スケジュール:

5月13日(水)
 アフタートーク: 加藤登紀子(歌手)×最首悟(元東京大学教養学部助手)
 テーマ: 『苦海浄土』と東京大学 二つの“1969”
  *加藤登紀子さんの歌あり
5月14日(木)
 アフタートーク:  立岩真也(発題、社会学者)×鬼頭秀一(応答、環境倫理学/科学技術社会論)
 テーマ: “1969”から考え継ぐ
5月15日(金)
 アフタートーク: 今福龍太(文化人類学者)×星埜守之(仏文学者)
 テーマ: 石牟礼道子文学と群島-世界論

◆ティモシー・ジョージ氏講演会 ご案内

日本の環境を見つめ続けてきたアメリカ人歴史学者が、水俣病を通して「アメリカ からみる日本環境 史」をテーマに講演します。貴重な機会ですので、ぜひご参加ください。
講師は日本語の堪能な方なので、通訳はありません。参加無料です。
詳細は以下をご覧ください。
宮坂研究室HP:http://www.clg.niigata-u.ac.jp/~miyasaka/

新潟市と、新潟青陵大学で二度の講演会が開催されます。

(1)新潟市主催の講演会「水俣病  ―アメリカからみる日本環境史−」
日 時 : 平成21年5月23日(土) 午後3時〜4時30分
会 場 : 新潟市立中央図書館 「ほんぽーと」 多目的ホール
新潟市中央区明石2−1−10(旧長嶺小学校跡地)
定 員 : 70名
申し込み :5月22日(金)までに、
新潟市保健所健康衛生課 新潟水俣病健康福祉係へ電話で。
025−212−8169(直通)

(2)新潟青陵大学主催の講演会「アメリカにおける日本環境史の研究」
日 時:5月25日(月)16:30より
会 場:新潟青陵大学・短期大学部 5301講義室 (受付:6号館)
定 員:200名
申し込み:5月22日(金)までに、ウェブサイトから、

http://www.n-seiryo.ac.jp/other/kouza/open09zenki/application.html?kz_id=901 16


講師:ティモシー・ジョージ氏(T i m o t h y S . G e o r g e)
米国・ロードアイランド大学歴史学部助教授。
スタンフォード大学(A . B .),ハワイ大学 (M . A .)で歴史を学び, さらにハーヴァード大学で修士(A . M .)と博士号(P h . D .)を取得。

専門は日本近現代史,アジア史。
家族とともに住み込んでの綿密な調査に基づいて書かれた水俣病に関する博士論 文は, 2 0 0 1年にハーヴァード大学出版局から刊行され,高い評価を受けている (Minamata: Pollution and the Struggle for Democracy in Postwar Japan)。

この他にも,足尾鉱毒事件や田中正造の思想,自由民権運動についての優れた著 作や, ジョン・ダワー M I T教授との共著などがある。   
2 0 0 4 - 2 0 0 5年にかけて母校ハーヴァード大学歴史学部で 客員助教授として現代日本史やアジアの環境史を講義。

 
■6月

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◆講演会・・水俣の眼で見た
           チッソ分社化法案と将来の課題!
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 通常国会に与野党は「水俣病被害者救済特別措置法案」を提出し、与野党協
議が進められている。会期延長を前に蒲島知事や宮本市長はそれぞれ上京して、
環境省やチッソ本社、与野党国会議員に各被害者団体の意見を伝えた。「環境
省は、地域指定解除の削除に対し否定的であり、チッソは水俣からの撤退はな
い!と表明。被害者団体の反応は賛否両論」とのマスコミ報導に対し、最近、
是非今延長国会で成立させたいとの動きがある。このような状況でも水俣市民
の反応は鈍い。なぜだろう?
「水俣病被害者措置法案」という名前から、水俣病患者の問題で、市民には関
係ないと思っている人が多いのではないか。
 私達は水俣の魚を食べた市民全体が被害者であると理解しているが、環境省
や県の担当者から市民には法案の説明はない。
 チッソの分社化の問題も、後藤会長が、「水俣には広大な土地と豊富な電気
と水があり、水俣からの撤退はない。」と表明したと報道され、安心していい
のだろうか。確かに多くの工場が潰され空き地はあるかもしれない。しかし水
俣は交通の便が悪く、市場に遠いなどの問題点がある。豊富な電気にしても、
騙されてはいけません。昔はそうでしたが、今はそのほとんどが九電に売電さ
れているのです。
 出水市や八代市でもこの不況で工場が次々に閉鎖され、工場敷地、建物を残
し、固定資産税などを優遇しても新たに進出する企業はなく、人口流出が心配
されている。
 地域指定解除も患者団体だけでなく、今後身体の調子が悪くなったらどうす
ればいいのか。本当に法案が成立すると、水俣病問題の全面解決につながるの
か。
水俣の商店街や市民生活に及ぼす影響は?など等、法案の行方を心配されてい
る市民がおられるのではないでしょうか。そこで私達は、チッソ分社化につい
ての講演会を計画しました。多くの皆様のご参加をお願いします。

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チッソ分社化についての講演会
   日時  2009年6月21日(日)14時〜16時まで
   場所  水俣市公民館ホール  入場無料(資料代 200円)
   講師  花田 昌宣  (熊本学園大学・教授)
   主催   水俣とチッソ分社化を考える会
        代表  坂本 龍虹(63−0470)
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■7月

◆水俣セミナー
第94回 2009年7月3日(金)
川本愛一郎講演会
「水俣病患者・川本輝夫を父として」
(作業療法士、水俣病患者家族、水俣市)

時間 : 午後6時30分開場、7時開会〜9時終了

講師は、水俣市の南隣鹿児島県出水市の市立病院リハビリ技師長職を46歳で投げ 打って、看護師の妻とともに先進的なデイサービスセンター2ヶ所を運営する作 業療法士です。利用者の老人たちに慕われるその姿は、水俣病患者運動の傑出し たリーダーで、多くの患者のためにその生涯を賭けた父のようだと、二人を知る 人たちは言います。最近のチッソ分社化を含む解決策への怒りを露わにする講師 が、じっくりと語ります。

会場 ● 環境パートナーシップオフィス
      渋谷区神宮前5-53-67 コスモス青山B2F、青山ブックセンター隣り
交通 ● JR渋谷駅より徒歩15分、地下鉄表参道駅より徒歩10分
参加費 ● 1000円(高校生以下700円)
      *申込み不要です。直接会場へお越し下さい。
主催・問い合わせ ● 水俣フォーラム(TEL:03-3208-3051)

◆慶應大学経済学部での最首悟さん講義「『私』―60年代 その収斂と発散―」、来週も続きます!!

上記講義は本来26日(金)のみでしたが、急きょ二週続けての講義になりました。今日は造船疑獄(1954)から日大バリケード(1968)まで話が進みました。

来週、プラハの春や東大闘争、臓器移植、水俣病問題等が話題に上がると思います。

60年代史と最首さんの個人史がオーバーラップされており、最首さんの問題意識の所在が大変わかりやすく提示される名講義です。

日にち:2009年7月3日(金)
時間:9:00〜12:00
場所:三田キャンパス 西501号室

 
■9月

NHK<ラジオ深夜便>
http://www.nhk.or.jp/r1/shinya/pro/2pro.html
にて、放送されます。

■9月8日(火) アンカー:水野節彦
▼9月9日午前1時台
ニュース・円株
◇特集・100年インタビュー アンコール(1)
水俣病患者から教わったこと
熊本学園大学教授 原田正純
(H21.4.23放送)
ニュース・円株

■9月9日(水) アンカー:宮川泰夫
▼9月10日午前1時台
ニュース・円株
◇特集・100年インタビュー アンコール(2)
水俣から世界へ発信すること
熊本学園大学教授 原田正純
(H21.4.24放送)
ニュース・円株


 
■10月

水俣学研究センターに所蔵の新日本窒素労働組合の資料
http://www3.kumagaku.ac.jp/minamata/topics/index.php?id=t4ad6bfc2013bf

◆チッソ労組の資料公開へ 水俣病被害者支援の記録
(2009/10/11 16:21『共同通信』)
http://www.47news.jp/CN/200910/CN2009101101000192.html
水俣病の原因企業チッソの労働組合でありながら、水俣病被害者を支援
してきた「新日本窒素労働組合」の資料約10万点が、来年1月から熊本
学園大水俣学現地研究センター(熊本県水俣市)で一般公開される。
資料は、機関紙や写真などのほか、被害者がチッソを相手に損害賠償を
求めた裁判で、労組が原告の陳述書作成に協力したり、法廷で証言したり
した記録など、水俣病に関連したものも数多く含まれている。
資料の寄贈を受けた同センターの事務局長の花田昌宣教授は「チッソの
社会的責任を内部から追及し、被害者を支えた労組の資料は一級の価値が
ある」としている。一労組の資料がほぼ完全に残っている例はほとんどな
く、労働運動の記録としても貴重だという。
新日本窒素労働組合は1946年に結成。当初は水俣病問題に距離をお
いていたが、60年代前半、社と賃上げをめぐって激しく対立したことを
契機に、68年に「何もしてこなかったことを恥とし、水俣病と闘う」と
する「恥宣言」を採択。裁判での証言のほか、チッソ工場の正門前で慰霊
式を行うなど、被害者支援を続けてきたが、分裂などで組合員が減少、最
後の2人が2005年に退職し、組合は解散した。


【参考】
◆「新日本窒素労働組合60年の軌跡」−水俣病とむきあった労働者−
http://www3.kumagaku.ac.jp/minamata/topics/index.php?id=t4aa9a33263869
http://karaimo.exblog.jp/12654811/

(3)■【資料公開記念巡回展】新日本窒素労働組合60年の軌跡」−水俣病とむきあった労働者−
▼開催スケジュール
◇東京展 2009年10月30日(金)〜11月8日(日)
法政大学市ヶ谷キャンパス ボアソナードタワー14F 博物館展示室
・シンポジウム 11月8日(日)14:00〜17:00 外濠校舎 5階S505号室 

・映像シンポジウム 11月3日(火)13:30〜17:00ボアソナードタワー14F 資格過程共同実習室
◇大阪展 2009年11月17日(火)〜11月29日(日)
リバティおおさか大阪人権博物館 特別展示室
・シンポジウム 11日29日(日)14:00〜16:00 大阪人権博物館 リバテ
ィホール
・記録映像上映 特別展示室にて常時開催
http://www3.kumagaku.ac.jp/minamata/topics/index.php?id=t4aa9a33263869

なお、<水俣学研究センター>のホームページ
http://www3.kumagaku.ac.jp/minamata/index.html
からは、水俣学講義をライブ映像で観ることができます。
「水曜日第2時限(10:40〜12:10)」のようです。


◆【水俣セミナー緊急企画】

坂本美代子、小笹恵 講演会
「私たちは、なぜチッソに行くのか」

日時 ● 2009年10月29日(木) 午後6時30分開場、7時
〜9時
会場 ● 新宿区立新宿消費生活センター分館4階
新宿区高田馬場4−10−2
交通 ● JR「高田馬場駅」戸山口より徒歩2分
JR、地下鉄、西武新宿線「高田馬場駅」早稲田口より徒歩4

料金 ● 大人1000円(予約不要)
お問い合わせ ● 水俣フォーラム TEL:03-3208-3051
FAX:03-3208-3052
http://www6.ocn.ne.jp/~mf1997/

(企画要旨)
74歳の坂本美代子さんは水俣生まれ。両親姉弟は認定患者で、
自身も関西訴訟最高裁判決で勝訴の上、今月6日には行政認定
を取得。54歳の小笹恵さんの両親は水俣の対岸、獅子島生まれ
。水俣に移って発病したが同判決で勝訴。しかし、坂本さん、
小笹さんは「まだ、まったく償われていない」と、チッソに直
接話をするため、28日に急遽、大阪から上京することとなりま
した。一見、解決したかのようにみえるお2人を突き動かすも
のは何か。じっくりとお話をうかがいます。
(坂本美代子 さかもとみよこ:水俣病患者、大阪府在住)
(小笹恵 おざさめぐみ:水俣病患者、大阪府在住)

◆展覧会:新日本窒素労働組合60年の軌跡(東京、大阪、熊本、水俣)

10月30日(金)から11月8日(日)まで法政大学市谷キャンパスにて開かれます。
シンポジウム(11/8)には原田正純さんなどもいらっしゃいます。

http://www6.ocn.ne.jp/~mf1997/09info/2009/090924_001.html

 
■11月
◆ノーモア・ミナマタフォーラム in 横浜「日本の水俣病そして中国」

写真展:「水俣を見た7人の写真家たち」
展示:「中国の水銀汚染」
日時:2009年11月3日〜29日(AM9:00-PM18:00)
場所:JICA(国際協力機構)横浜 1F
http://www7b.biglobe.ne.jp/tanaka-f/jica-yokohama-tenn/newpage2.html

◆宮本成美さんの水俣学講義ライブ中継

「東京で見えたもの」
2009年11月4日
10:40〜12:10
講義中のみ下記のURLで見れる。

http://www3.kumagaku.ac.jp/minamata/

◆原爆の図・丸木美術館では11月7日に「ひとり芝居 天の魚(てんのいを)」
(原作 石牟礼道子『苦海浄土』)の公演を開催します。

この作品は石牟礼さんが描いた水俣病患者の世界を、東京の舞台人として活躍して
いた故砂田明さんが演劇化した舞台で、砂田氏は1993年に志半ばで倒れるまで556
回の公演を重ね、81年には紀伊国屋演劇特別賞を受賞しています。

今回の舞台は砂田さんの弟子・川島宏知による、14年ぶりの復活となります。この
間、数箇所で公演され、丸木美術館にも来ていただくことになりました。四半世紀
前、丸木では砂田さんの「天の魚」の公演も行われました。砂田さんの「天の魚」
との対比はあまり意味がないことかも知れませんが、「それを超えた」という評も
聞かれます。

美術館に併設された古民家(野木庵)での公演です。劇場とは異なる雰囲気の中で
水俣を体で感じていただければと思います。

今回の公演は10月24日(土)から開催される
=====
中村正義展 美の秩序に挑んだ画家
http://www.aya.or.jp/~marukimsn/kikaku/2009/2009masayoshi.htm
=====
にちなんだ企画です。(12月12日土曜日まで)

丸木美術館には「水俣の図」がありますが、それは「水俣」を描いた絵画作品とし
て、おそらく最大のものであり、最も知名度の高い作品のひとつといえるでしょう。
また、もう一人、「水俣」を描いた稀有な作家として、中村正義の名前をあげるこ
とができます。

彼は水俣病に現代文明の将来に対する不安と怖れを見出したような作品を何点か残
しています。今展に出品される未完成作の《おそれ C》は、グロテスクな顔をした
妖しい群像の背景に、廃液の垂れ流しによって水俣病を発生させたチッソ工場が無
気味なシルエットを浮かび上がらせています。

この公演が行われる11月7日には、併せて「水俣の図」の前で水俣の現状について
東京・水俣病を告発する会の久保田氏に講演していただきます。

おそらく紅葉がきれいなこの時期、ぜひ都幾川のほとりの静かな美術館へ。またい
らっしゃれなくても、お知り合いの方に紹介していただければうれしいです。どう
ぞ、このメールの転送を歓迎してください。
よろしくお願いいたします。

ひとり芝居 天の魚(てんのいを)
石牟礼道子『苦海浄土』より 

2009年11月7日〔土〕
原爆の図 丸木美術館 
埼玉県東松山市下唐子1401 TEL 0493-22-3266

入場料/前売 2,000円 当日・2,500円 全席自由
(丸木美術館友の会会員は各500円割引)
※入場券にて中村正義展を開催中の丸木美術館の展示もご覧いただけます。

出演/川島 宏知
講演/久保田 好生「水俣病の今」
原作/石牟礼道子 構成・脚色/砂田明 演出/岡村春彦 
潤色/川島宏知
主催/東京不知火座・原爆の図丸木美術館


●当日のスケジュール
15:40 久保田好生 講演「水俣病の今」
(丸木美術館館内《水俣の図》前にて)

16:45 川島宏知 ひとり芝居「天の魚」
(丸木美術館隣「野木庵」にて)
18:15 終了予定

※丸木美術館へのご来館は市内循環バスが便利です。
【行き】15:05 高坂駅(東武東上線)西口→丸木美術館北(約20分)
【帰り】19:16 丸木美術館北→高坂駅西口(約20分)

講師紹介
久保田 好生(くぼたよしお)
1970年「東京・水俣病を告発する会」発足に大学生として参加。以後、自主交
渉川本刑事裁判や棄却取消御手洗訴訟の事務局などをつとめた。現在、同会の季刊
誌「水俣支援」の編集チーフ。「公害労災職業病補償研究会」事務局。職業は高校
教員。

<最首さんの「天の魚」 丸木美術館公演にあたってのよびかけ>

広島・長崎について、「過ちは二度と犯しませんから」と私たちは誓った。軍部
と国家権力にうかうかと騙され、朝鮮半島・中国からニューギニアに至るまで侵略
した民族として、二度と愚かな残虐な戦争は起こさないと誓ったのである。その誓
いには当然にも、この戦争による被害者への償いを可能な限り早期にそして十分に
行うという責務も込められてる。戦後は六十五年になろうとしている。しかるに政
府は、原爆症認定について、いまだに積極的ではない。どうしてそのようにしぶる
か、誰もが疑問に思う。しかしそのような政府を選んできたのは私たち自身なのだ。
戦後生まれた人たちは戦争に罪はない、しかし責任はあるとドイツ大統領のヴァイ
ツゼッカーは言った。戦争責任について、日々の暮らしのなかで、どのような位置
を占めているか、心を引き締めてゆかねばならないと思う。
そして水俣である。侵略の一半を担った野口コンツェルンすなわち朝鮮チッソは
、戦後水俣に引き上げて植民地支配のやり方をそのまま続けた。そして日本の復興
に大きく寄与したと自負している。水俣は広島・長崎と同じく、私たちの戦争責任
の問題であるのだ。水俣には在日朝鮮人として迫害を受け、原爆症にかかり水俣病
になった人がいる。そのような人達の苦しみについて、ほんとうに少なくとも心を
閉ざしてはならないのだ。戦争は終わっていない。広島・長崎は終わっていない。
水俣は終わっていない。
水俣病は脳を冒す。脳は全身の生理機能の連絡調整器官であって、その不調はさ
まざまな全身症状を引き起こす。劇症の悲惨さはハンセン病と同じ差別をもたらし
た。ゆるやかな波がある症状は金欲しさのニセ患者として差別された。働くにも働
けない、死ぬに死ねない、頭痛とカラス曲がり(筋がつる)の慢性症状の広がりが
どれくらいあるかわからない。水俣病の幕引きなどあるわけがないのだ。
水俣病はその悲惨さにおいて、原爆症と同じく目をそむけがちである。しかし人
は悲惨さのみのなかで暮らすわけではない。人は誰もが哀歓に生きる。悲惨さはそ
の哀歓を細やかにし、光輝かせることもある。石牟礼道子は水俣のそのような人間
像を営々と書き続けてきた。
一人芝居「天の魚」の漁夫、江津野老はその代表、その結晶ともいうべき人間像
で、悲惨さが哀歓によって、哀歓が悲惨さによって強められ、その相互作用の中か
ら愛しかるべき〈いのち〉、はかなき〈いのち〉、たくましい〈いのち〉、おおら
かな〈いのち〉が輝き出てくる。
石牟礼道子は、一日一日もう間がわるくて、かろうじて言葉を紡ぎ、言葉がなく
なると自分を焚いたと言う。揉み出されたようにして形をなした『苦海浄土』三部
作の中でも、胎児性水俣病の孫の杢太郎少年を語る江津野老に水俣は、ひいては人
間なるものが凝縮されている。  最首 悟(さいしゅさとる・評論家)

◆最首悟さん講演
石牟礼道子原作映像作品『しゅうりりえんえん』上映と講演のつどい

2009年11月19日(木) 19:00開演(18:30開場)
会場:なかのZERO 視聴覚ホール(本館地下2階)
入場料:1000円
定員:100名
*要申込・先着順

第1部 講演: 最首悟
第2部 映像作品上映『しゅうりりえんえん』、『道行』、『花を奉るの辞』

申込・問い合わせ:藤原書店
Tel:03-5272-0301

UP:20091112(森下直紀) REV:20091113, 1201
これからあること  ◇Archive  ◇水俣病
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