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遠隔情報保障

聴覚障害/ろう(聾) 障害学生支援(障害者と高等教育・大学)



○生存学HP内関連ファイル

■事項

聴覚障害・ろう(聾)

○目次

■概説
■関連する事項・人物・著作・組織
■報道・ニュース等
■文献



■概要

聴覚障害者の情報保障手段として, すでに多くの現場においてパソコン要約筆記が利用されている.しかし, 要約筆記には独自の技術が必要であり, 習熟した技術を有する要約筆記者の数は十分ではない.その結果, 現在のところ, 十分なサービスが実現できていないということが指摘されている.現在, 様々なグループによって遠隔支援(インターネット)による要約筆記実験が進められている.また、遠隔による手話通訳の実験も進められている。


◇モバイル型遠隔情報保障システムについて 2009/04/06 携帯電話を活用した聴覚障がい者向け「モバイル型遠隔情報保障システム」の導入実験開始について 〜誰もがより快適に学べ、働ける環境づくりを目指して〜
[外部リンク]http://www.softbankmobile.co.jp/ja/news/press/2009/20090406_01/
(上のサイトより引用)

携帯電話を活用した聴覚障がい者向け「モバイル型遠隔情報保障システム」の導入実験開始について 〜誰もがより快適に学べ、働ける環境づくりを目指して〜
2009年4月6日
国立大学法人 筑波技術大学
ソフトバンクモバイル株式会社
NPO法人長野サマライズ・センター
国立大学法人 群馬大学
国立大学法人 筑波技術大学(所在地:茨城県つくば市、学長:村上 芳則)、ソフトバンクモバイル株式会社(本社:東京都港区、社長:孫 正義)、NPO法人 長野サマライズ・センター(所在地:長野県塩尻市、理事長:堀内 征治)、国立大学法人 群馬大学(所在地:群馬県前橋市、学長:?田 邦昭)の4者は、2009年4月6日(月)より、聴覚障がいをお持ちの方を対象とした「モバイル型遠隔情報保障※システム」の実用化と普及を目指し、企業や教育機関など、実際に使用が想定される環境下において、導入実験を開始します。

本システムにより、教室や体育館などLAN環境のない場所や、パソコンを持ち込むことが難しい環境下でも聴覚障がいをお持ちの方が要約筆記を利用できるようになり、情報保障を得る機会が大幅に拡大します。

「モバイル型遠隔情報保障システム」とは、聴覚障がいをお持ちの方が学校の講義などを受ける際に、2名の通訳者が連携しながら話者の言葉を要約してパソコン画面に字幕化する「パソコン要約筆記」を、携帯電話を使って遠隔で行うシステムです。従来の要約筆記では通訳者が学校の講義などに同席することが必要でしたが、本システムでは、携帯電話を通じて、話者の音声を遠隔地にいる通訳者に送信し、そこから字幕データを受信することで、聴覚障がいをお持ちの方が、通訳者が立会わなくても要約筆記を利用できるようになります。

現在は、画面が大きく、通話とインターネットアクセスが同時に可能なiPhone?(アイフォーン) 3Gでの実用化を予定しております。4者は、今後も更なるシステムの向上を目指し、引き続き研究を進めていく予定です。

今後は、4者が共同で本システムの実用化と普及に向けた取り組みを実施することで、聴覚障がいをお持ちの方の情報保障に寄与することを目指します。また、新たに他の企業でも導入できるように、本システムの利用マニュアルや各種ノウハウ等を各者のウェブサイトを通じて公開し、企業における情報保障への取り組みのモデルケースとして提案していく予定です。

[注]
※ 情報保障:身体的な障がいにより情報を収集することが困難な方に対し、代替手段を用いて情報を提供することにより「知る権利」を保障すること。

本導入実験の実施内容は以下のとおりです。

1. 目的
聴覚障がいをお持ちの方の情報保障に寄与することを目指しています。

2. 活動内容
「モバイル型遠隔情報保障システム」の実用化に向けて、企業や教育機関など、使用が想定されるさまざまな環境下で導入実験を行います。

3. 場所
ソフトバンクモバイル株式会社本社、筑波技術大学、群馬大学、長野県内の小学校

4. 期間 2009年4月〜2010年3月末

5. 体制
ソフトバンクモバイル株式会社 企業内導入実験、小学校導入実験支援、iPhone 3G貸出
筑波技術大学、群馬大学 大学内導入実験
NPO法人長野サマライズ・センター 小学校内導入実験、通訳業務

「モバイル型遠隔情報保障システム」のイメージ
本実証実験への参加背景
筑波技術大学
聴覚及び視覚障がい者のために創られた国立大学法人で、世界の聴覚及び視覚障がい者の高等教育をリードする大学として、高い評価を得ています。速記による字幕提示手法を15年程前から導入し、聴覚障がい学生の講義保障を実現しています。さらに、遠隔による各種の講義保障システムも構築し、学内や学外で利用しています。

ソフトバンクモバイル
ソフトバンクグループCSR基本方針「あすのインターネット社会へ」に則り、重点テーマの一つに掲げる「夢と志を持つ次世代の育成」への取り組みを強化しています。なかでも、携帯電話やインターネットが障がい児の学習や自立に果たす役割の可能性に着目し、移動体通信事業者としての独自性を活かした社会貢献活動に取り組んでいます。

長野サマライズ・センター
パソコンなどのIT機器やIT技術を活用して、障がい者・高齢者などの社会参加をサポートする活動を実施しており、「パソコン要約筆記の連携入力」手法を用いて県内の各種教育機関や行政機関において多くの支援実績があります。

群馬大学
聴覚障がい児の教育に関する研究や、大学内での質の高い情報保障を実現しています。また、最近は工学的なシステムを積極的に取り入れ、遠隔地連携入力による講義保障にも積極的に取り組んでいます。

以上

*Apple、Appleのロゴは、米国および他国のApple Inc.の登録商標です。iPhoneはApple Inc.の商標です。
*iPhone商標は、アイホン株式会社のライセンスに基づき使用されています。
*iPhone 3Gは単独の通信業者のサービスでのみお使いいただけるよう設定されている場合があります。
*SOFTBANKおよびソフトバンクの名称、ロゴは、日本国およびその他の国におけるソフトバンク株式会社の登録商標または商標です。
*プレスリリースに掲載されている内容、サービス/製品の価格、仕様、お問い合わせ先、その他の情報は、発表時点の情報です。その後予告なしに変更となる場合があります。また、プレスリリースにおける計画、目標などは様々なリスクおよび不確実な事実により、実際の結果が予測と異なる場合もあります。あらかじめご了承ください。


◇遠隔手話通訳について
遠隔手話通訳とは、テレビ電話などを利用して手話を必要とするろう者、聴覚障害者に手話通訳を行うものである。

これまでは、耳の聞こえる人とコミュニケーションをするためにはFAXやメールで何度もやりとりしたり、延々と筆談をしたり、手話通訳者を伴って行くという方法がほとんどであった。また、手話通訳者が常駐している福祉事務所窓口などに行くのがほとんどである。 福祉事務所窓口に手話通訳者が常駐し通訳するサービスは、多くの自治体で行われているが、対応時間の制限や通訳の質のばらつき、など様々な課題があった。また、常駐していない自治体もあり、いつでも手話通訳が利用できるわけではない。

しかし最近はITが発達してきたため、ITを利用した手話通訳の試みもされている。

アメリカ合衆国では遠隔による手話通訳サービスが普及しており、日本でもさまざまな試みがされている。たとえば、特別非営利活動法人シュアール([外部リンク]http://www.shur.jp/)、プラスヴォイス([外部リンク]http://www.plusvoice.co.jp/index.php) などが取り組んでいる。
最近は、東日本大震災を受けて、被災地の聴覚障害者支援に、日本財団が遠隔情報コミュニケーション支援事業([外部リンク]http://plusvoice.jp/nf-support/)を導入している。

◆NEC社会起業塾生が遠隔手話通訳の社会実験実施中
[外部リンク]http://www.kigyo-kaigyo.jp/news_DEkbiWIZ6.html
(上のHPより引用)
Skypeを利用した遠隔手話通訳実験
特別非営利活動法人シュアールが24時間対応の遠隔手話通訳の実証実験を行います。シュアールはNEC社会起業塾生のひとつであり、NECは技術面での協力を行います。

遠隔手話通訳とは、テレビ電話のように聴覚障がい者に手話通訳を提供するものです。現在、店舗や窓口に通訳奉仕員が常駐して翻訳するサービスは多くの自治体で行われていますが、対応時間の制限や通訳の質のばらつき、利用する際の負担等が問題になっていました。

今回の実証実験では、WiMAXを利用して聴覚障がい者自身がノート型パソコンを持ち歩き、通訳を「携帯」して24時間利用できるシステムの構築を目指しています。これにより、緊急事態など、短時間での通訳が要求される場面への対応が可能となります。

■関連する事項・人物・著作・組織



■報道・ニュース等
◇2011/12/26 (信濃毎日新聞)携帯端末 県内でも浸透  便利さ半面 危うさも
[外部リンク]http://www.shinmai.co.jp/photo/201112/11122601.htm
(上のHPより引用)
スマートフォン(多機能携帯電話)やタブレット型端末の普及が急速に進み、ビジネスや学習、生活など多方面で利用の幅が広がっている。

長野市塩崎小は、総務省が全国10小学校で実施しているタブレット型パソコンを使った教育の実証研究に昨年10月から取り組んでいる。児童が端末に入力した答えなどを教室前方にある電子黒板に表示でき、全員で見ることが可能。校内の無線LANに接続し、どの教室でも使うことができるほか、社会科見学など校外授業でも活用できる。

若者にとっては交流や就職活動の情報収集に欠かせないアイテムでもある。17日に都内で開かれた長野など5県の合同就職説明会では、会場で企業の情報を検索したり、就活サイトに登録したりする学生の姿も見られた。

いつでもどこでも使える便利さの半面、危険性も。GPS機能を通じた位置情報の管理を徹底しないと端末所有者の行動が筒抜けになりかねない。有害サイトへのアクセスを排除する環境も従来の携帯電話に比べてまだ不十分だ。ネット問題に詳しい「青少年メディア研究協会」の下田博次理事長(69)は「(常に手元に置けるので)ネットやゲームへの依存症が高まる危険性もある」と指摘している。
[写真・文 大田一彰]


■文献
◇磯田 恭子 ・ 白澤 麻弓 ・三好 茂樹 ・ 蓮池 通子 ・ 河野 純大 ・ 中島 亜紀子 ・ 石野 麻衣子 ・ 萩原 彩子 ・ 大橋 弘依 ・ 関口 紘未 201112 「東日本大震災で被災した聴覚障害学生のための遠隔情報保障支援の実施」,『筑波技術大学テクノレポート 』19(1), 65-70.
([外部リンク]筑波技術大学情報リポジトリで全文閲覧可.PDFファイル)
◇三好 茂樹 ・ 河野 純大 ・ 白澤 麻弓 ・ 磯田 恭子 ・ 蓮池 通子 ・ 小林 正幸 ・ 小笠原 恵美子 ・ 梅原 みどり ・ 金澤 貴之 ・ 中野 聡子 ・ 伊福部 達 201012 「聴覚障がい者のためのモバイル型遠隔情報保障システムの提案と情報保障者による評価」,『ライフサポート』 22(4), 146-151.
◇河野 純大 ・ 三好 茂樹 ・ 磯田 恭子 ・ 蓮池 通子 ・ 白澤 麻弓 201007 「モバイル型遠隔情報保障システムの見学場面における評価」,『電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 』110(164), 65-68.
◇金澤 貴之 ・ 三好 茂樹 ・ 中野 聡子 201003 「遠隔通信技術を活用した聴覚障害学生支援システムの実運用に向けた課題」,『群馬大学教育実践研究』(27), 237-244.
([外部リンク]群馬大学学術情報リポジトリで全文閲覧可.PDFファイル)
◇金澤 貴之 ・ 中野 聡子 ・ 三好 茂樹 ・ 梅原 みどり ・ 小笠原 恵美子 201001 「遠隔通信技術を活用した聴覚障害児支援 : 携帯電話を利用した情報保障システムの活用可能性」,『特殊教育学研究』 47(5), 351. ([外部リンク]CiNiiで全文閲覧可.PDFファイル)
◇金澤 貴之 ・ 味澤 俊介 ・ 海野 雅史 [他] 2008 「遠隔通信技術を活用した聴覚障害学生支援--キャンパス間連係入力方式の導入事例から (特集 多様な学生への支援:ICTを活用した高等教育のユニバーサルデザイン--聴覚障害者への支援を中心に)」,『メディア教育研究 』5(2), 55-61. ◇小林 敏泰 ・ 村田 健史 ・ 木村 映善 200601 「遠隔パソコン要約筆記システムの開発」,『電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語』105(506), 55-59.
([外部リンク]CiNiiで全文閲覧可.PDFファイル)
◇金澤 貴之 ・ 味澤 俊介 ・ 海野 雅史 [他] 2008 「遠隔通信技術を活用した聴覚障害学生支援--キャンパス間連係入力方式の導入事例から (特集 多様な学生への支援:ICTを活用した高等教育のユニバーサルデザイン--聴覚障害者への支援を中心に)」,『メディア教育研究 』5(2), 55-61.
◇金澤 貴之 ・ 中野 聡子 ・ 三好 茂樹 ・ 梅原 みどり ・ 小笠原 恵美子 201001 「遠隔通信技術を活用した聴覚障害児支援 : 携帯電話を利用した情報保障システムの活用可能性」,『特殊教育学研究』 47(5), 351.
([外部リンク]CiNiiで全文閲覧可.PDFファイル)


UP:20120125 REV:20120201,0222(甲斐 更紗)
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