『回生を生きる――本当のリハビリテーションに出会って 増補版』
鶴見 和子・大川 弥生・上田 敏 20070801 三輪書店,319p.
■鶴見 和子・大川 弥生・上田 敏 20070801 『回生を生きる――本当のリハビリテーションに出会って 増補版』,三輪書店,319p. ISBN-10: 489590279X ISBN-13: 978-4895902793 2100 [amazon]/[kinokuniya] ※ r02.
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「回生」を生きた豊かな十年 上田 敏
回生の花道(初版序文) 鶴見和子
第一部 回生を生きる 鶴見 和子・上田 敏・大川 弥生
序 章 不思議なご縁――三十八年ぶりの出会い 鶴見 和子・上田 敏 17-28
第一章 私の脳卒中体験(一)
第二章 私の脳卒中体験(二)
第三章 本当のリハビリテーションに出会って(一)
第四章 〈インタビュー〉本当のリハビリテーションとは何か 上田 敏
第五章 本当のリハビリテーションに出会って(二)
第六章 〈インタビュー〉鶴見さんのリハビリテーションを担当して 大川弥生
第七章 本当のリハビリテーションに出会って(三)
第八章 目標指向的リハビリテーション・プログラムと内発的発展論
―社会学とリハビリテーション医学との対話
終 章 今後の計画
鼎談のあとに 上田 敏
第二部 新しい宇宙をひらく―三年後の対談 鶴見和子・大川弥生
第一章 呪縛からの解放
第二章 自己決定の日々
第三章 わがうちの埋蔵資源発掘し
―お仲間の患者さんたちへのアドバイス
対談のあとに―「回生を生きる」ことのお手伝いができた幸せ 大川弥生
特別寄稿 二人の医療家への感謝 鶴見俊輔
◆鶴見 和子・大川 弥生・上田 敏 199805 『回生を生きる――本当のリハビリテーションに出会って』,三輪書店,237p. ISBN-10: 4895900800 ISBN-13: 978-4895900805 [amazon]/[kinokuniya] ※ r02.
■引用
◆「回生」を生きた豊かな十年 上田 敏 6-11 二〇〇七年六月
「鶴見和子さんは二〇〇六年七月三十一日、宇治の「京都ゆうゆうの里」で大腸癌のため<0007<に八十八歳の生涯を閉じられた。辞世の歌は七月二十四日の
「そよそよと宇治高原の
梅雨晴れの風に吹かれて
最後の日々を妹と過ごす
であったとのことである(鶴見和子「遺言」、藤原書店、二〇〇七年)」([7-8])
◆序章 不思議なご縁――三十八年ぶりの出会い 鶴見 和子・上田 敏 17-28
「上田 […]実は昨年(一九九六年)の末、三十数年ぶりに鶴見さんから突然『回生』という歌集を贈っていただきました。鶴見さんのような有名な方から本を贈っていただくというのは大変光栄なことだと思ったんたですが、しかし一体何の関係があるんだろうと思って読み出したら、ああ、脳卒中をなさったのかと。それでみんな私も知っている病院ですから、あの病院に入ったのか、この病院に行ったのかと。そのうちに、かなり後のほうですけれども、私の名前が突然出てきましてね、なんだこれが関係があるのか、それで私にまで贈っていただいたのかということがわかりました。
鶴見 私『回生』という歌集を出しましたけれど、あれは全人間的な「回生」ではないんです。つまり命をとりとめた、一度死んで生き返ったという、それだけのことなんです。私の全人間的な回生は今年が「回生元年」なんです。一九九五年の元旦に上田先生から速達をいただいたんです。先生が「一度診てあげたい」とおっしゃってくださった。もうこんなに素晴らしいことはなかったんです。それでご指定の病<0023<院に伺いますといって、入院させていただいて、それから歩けるようになったんです。
人間は歩かなきゃ「人間」じゃないと思うんです註4)。この回生第一歩というのは、上田先生との再びの出会いで始まったんです。だから今年が「回生元年」で、歌集『回生』は「回生前期」なんですよ。」(鶴見・上田[1998:13-14→2007:23-24])
「註4 「歩かなきゃ『人間』じゃない」というのは文字どおりにとれば問題発言である。歩けない人でも立派に人間であることはいうまでもない。ただ鶴見さんにとっては「本当のリハビリテーション」によって新しい人生が開けたこと全体の一つのシンボルとしての発言と理解したい。なお鶴見・上田「患者学のすすめ」藤原書店、六三−六六ページ参照。」(鶴見・上田[1998:28→2007:28])
■言及
◆立岩 真也 20100701 「留保し引き継ぐ――多田富雄の二〇〇六年から」,『現代思想』38-9(2010-7): 資料