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シングル単位の社会論

〜ジェンダーフリーな社会へ〜

伊田 広行 1998.4.20 世界思想社 2300円+税
http://www.sekaishisosha.co.jp
(本の注文ができます)

この本の紹介の作成:片山尚志(立命館大学政策科学部4回生) 掲載:20020805



■目次

はじめに

1章 まず感覚的な全体像から
2章 家族単位のどこが差別的か
 2−1 家族単位は素晴らしいという常識
 2−2 家族単位の性差別
  2−2−1 家族が単位となっている
  2−2−2 家族単位の原理的意味
  2−2−3 家族単位の具体的意味
 2−3家族単位の変化の歴史〜専業主婦型からパート妻型家族単位へ
3章 どうすべきか〜カップル単位からシングル単位へ
 3−1 シングル単位の原理と全体像〜シングル単位とは何か
 3−2 シングル単位の具体的内容
  3−2−1 家族関連法のシングル単位化
  3−2−2 社会保障・社会福祉制度のシングル単位化
  3−2−3 労働領域におけるシングル単位化
 3−3 シングル単位の未来性
  3−3−1 社会の構造変化がシングル単位化を求める
  3−3−2 シングル単位化は経済にマイナスか
 3−4 シングル単位の世界観
4章 家族単位/シングル単位概念がなぜ重要か〜フェミニズムの説得力や政策提起力を高めるアプローチ
 4−1 反フェミニズム
 4−2 「単位」論の説得力
5章 フェミニズムの正当性の哲学的・思想的考察
 5−1 “神の法則”はないし、二分法把握には限界がある
 5−2 善悪をいえるか〜フェミニズムの正当性の根拠
 5−3 幻想とニヒリズム
 5−4 二分法フェミニズムに未来はあるか

【要約】
■はじめに■
 本書の主張を結論から言うと、「カップル(家族)単位社会を、シングル(個人)単位の社会へ変える事が、男女平等を進めること」だという事だ。
 我々がいかに秩序によって感じ、思考し、行動していることか。秩序に沿った思考を幻想=物語と言う。それは操られたものであり、フィクションである。 でも僕らはその中で幸せを感じる。「お母さんの幸せ」「お父さんの幸せ」とはそういうものである。根拠を問いただしても、根拠なんて無い。正しい事の保証なんて無い。自然なんて無い。本能、絶対的正義、神が与えてくれる人生の目標なんて無い。その中で、さて、性差別をどう考えるか。(p.3)
 この本は、今の差別的な社会秩序の変革という目標を実現する為に、あるいはそれに近づく為にとられる戦略・戦術のあり方を書いたフェミニズムの本である。女性差別の無い社会とはどんなものかを、具体的に示してある。(p.1-2)


■1章 まず感覚的な全体像から■

 <家族>というものを考えるとき、驚くほど「家族肯定」「異性愛肯定」が溢れている。性差別を問題にしながらも、「この人とは特別の関係」というようなある種のユニット・単位的見方を、僕ら自身が思考の最初からとってしまっていることはよくある。
 しかし、それは思考の中断の結果でしかない。この「出発点以前」の認識を本書では問題にしたい。(p.9-10)

■2章 家族単位のどこが差別的か■ 

2−1 家族は素晴らしいという常識
 
 不満はあるものの、多くの人の考えの背景には、家族は素晴らしいものという基本テーゼがある。経験上、嫌な家族を通過した人も、「夢見る理想の家族像」を持ってる事が多い。これは近代社会が、男女二分法の上に「異性愛で恋愛し結婚するのが幸せ」と決め付けたが故に仕方の無い事である。したがって家族問題を考えるというようなときにも、古い「家」制度は悪い・古いが、民主的家族は男女平等で良いものである、との考えが主流である。(p.19)

2−2 家族単位の性差別
 2−2−1 家族が単位となっている。

 今の社会の基本的仕組みは、この家族を<世帯、夫婦>を、社会の「単位」として組み込んでいる。社会構成は、2段階ではなくて、≪国家−家族−個人≫の3段階レベルから成り立っているのである。
行政や立法といった国家領域でも、企業活動の市場領域でも、人々の意識や暮らしの生活領域でも、すべて家族は1ユニットとみなされている。本著では、これをカップル単位制(結婚強制社会)であると主張している。(p.22)

 2−2−2 家族単位の原理的意味

 今の社会が家族を単位としていると、どう差別的なのだろうか。家族単位の意味を5つ挙げ、この制度が「性分業の強制」を意味する事を主張している。

@個人は部分、標準家族外差別
 家族単位の秩序は「標準たる異性愛」以外の差別を内包している。
A男女二分法発想、性分業の肯定
 性役割の強制が生じる。
B結婚の必然視、結婚=幸福視
 家族単位は、男女は結婚して初めて幸福になるとし、それとの対非で、離婚者やシングル・ペアレントやその子、親のいない子、非婚者、同性愛者などを「不幸」とする。
C問題が問題とならないという問題
 「性分業の問題」という問題が問題にならない。
D「愛」=「一心同体」による抑圧と干渉
 その単位内では、家族よりも小さい「自分」というものがなくなり、「あなた」と「私」は一体なので、あなたの為という事で干渉や抑圧が構造化される。
 結局、家族が単位ということの原理的意味としては、性差別や抑圧関係が必ず存在することになり、しかもそれが性差別として問題にすらならない。(p.26-32)

 2−2−3 家族単位の具体的問題

  本章では、どのように家族を単位として組み込み、性役割・性分業・性差別を再生産しているかを見る。社会の領域は、主に下の3つであるが、この3領域を家族単位は貫いている。

a)労働(職場)領域の家族単位
 @男性世帯主の年功型家族賃金
     妻に家の事を任せた男たちの能力主義的働き方
     男性の長時間労働化、会社人間化
     年功型家族賃金・各種扶養手当による同一(価値)労働同一賃金原則違反
 A女性は年功システム(日本型能力主義)から排除
     女性は二流の労働力扱い
 Bパートも年功システムからは排除、女性役割と両立する形

b)家族領域の家族単位
 @経済格差による権力関係
 A愛の名による干渉・強制・依存
 B役割の強制、女性役割の疎外感
 C夫婦や親子の間で楽しくかつ平等な関係が保てなくなる。
 D家事労働の無償性の維持

c)国家領域の家族単位
 @家族関連法が家族単位
     家族後との戸籍、家族同氏、婚外子差別、離婚における有責主義、家族の相互扶養義務、家庭内暴力
 A社会保証制度が家族単位、救貧主義
     「被扶養の既婚女性を組み込んだ標準世帯」以外の家族と個人に不利益
     当事者の権利保障(普遍主義)ではなく、家族・女性任せの設計(自助責任)
     女性の経済的自立抑制
 B税制度が家族単位
     扶養控除などによる格差(扶養家族ある家族への税優遇)
     贈与税や相続税における家族優遇政策
 C103万円の壁
     「103万円の壁」制度による女性の自立抑制 (p.33-81/図表4〜7)

2−3 家族単位の変化の歴史〜専業主婦からパート妻型家族単位へ〜

 男女の性の違いによる社会的配置の違いや家族のあり方は、歴史的に変化する。「常に男が女を支配する」的な単純な図式で同一のものととらえるべきではない。それでは、経済的・社会的構造と性差別との関係が見えてこない。性秩序の変化は以下のような視点で捉えるとよい。
@広義の資本主義の視点
A思想や行為の視点 
B階層分化と階層間闘争の視点
Cジェンダー視点、フェミニズム視点
D単位視点
(p.82-83)

 これらを踏まえ、家族単位の歴史を概観する。

・戦前・・・農業生産が基本。家族は清算の単位であり、それに応じた家族意識と政策が伴っていた。
・専業主婦型家族単位製・・・男が長時間労働で家族を養い、女性は家事労働に専念、という「専業主婦型家族単位制」。資本型性別秩序の基            本になる。
・大量生産・大量消費という生産システム・・・高度成長期という資本主義の段階。女性や外国人労働力は経済主流に組み込まれなかった。
・資本制が求めた「男は外、女は専業主婦」
・多品種少量生産・・・これがパート労働の増加を引き起こす。「パート妻型家族単位」。
・消費水準を上げなくてはよい家族になれない
・女性の階層間格差
・家族状況の差
・従来の家族規範の崩壊

■3章 どうすべきか〜カップル単位からシングル単位へ■

3−1 シングル単位の原理と全体像〜シングル単位とは何か〜
 
 家族を単位としている限り、性分業は「必然」であり、かつ「差別でない」と正当化されるので、共通単位をシングルに変革するべきである。シングル単位の制度改革は、税、社会保障、労働、家族関連法などをトータルに変革し、片働き夫婦のみを優遇する制度を是正することにある。近代的な性秩序を解体し、その上で、ジェンダーに関係ない社会作りを目指すことが、シングル単位化という主張である。 

3−2 シングル単位の具体的内容
 3−2−1 家族関連法のシングル単位化
民法改正への筆者の基本的立場・・・「女性の被扶養者=弱者化」の構造変革。
・個人籍
 異性愛家族単位戸籍の廃止(個人籍)、同姓や事実婚を届出婚と差別しない→婚外子差別をなくす
・夫婦別姓 
 個人の自由に任せる。届出のあとも変更を自由にできるようにする。
・離婚の自由
 有責主義→破綻主義→積極的破綻主義へ。夫婦の一方が望めば、一年の別居程度で離婚成立。
・婚姻最低年齢・・・男女平等に18歳に統一
・再婚禁止期間・・・廃止
・家庭名暴力・・・「夫婦間暴力法」の制定
・同性愛差別の禁止(p.125-135)

 3−2−2 社会保障・社会福祉制度のシングル単位化
 各人は、個人として、社会的に強制された役割に自由を制限されることなく生きる権利がある。それを満たすためには家族という中間組織を通さない《国家ー個人》関係で制度設計する。つまり、家族を持っても持たなくてもいい、介助義務を特別に課さない、独身でも離婚してもどんな生き方をしても損をしないような、平等な社会制度を目指すのがシングル単位。(p.137)
 社会保障は、いつでも誰でも生涯においてかつ全生活過程において平等にニーズが保障されるため、皆が所得に応じて負担も負う、国家全体をひとかたまりとする全員加入の社会保険のようなものになる。その意味で、シングル単位社会において、そうした社会保障と税の本質は同じである。そこでは「弱者救済性」はほんの一部の限定的な原理となり、普遍主義・社会手当て原理が基本となる。それは、福祉、医療保険、手当、教育、住宅、家族政策、男女平等などに及ぶもっとトータルな、包括的な社会関連システムの一部を担うものとなる。(p.137-138)
 以下、本書が主張する社会保障・社会福祉制度、そして税制度における個人単位化される項目を列挙する。
○社会保障・社会福祉制度
・当事者の権利保障
・介護・育児の賃労働化
・公的介護保険
・オーフス方式
・全員保育所加入制度
・男性の育児・介護休業・時短の取得
・欠損家族概念の廃止
・単身家庭支援策
・児童手当の充実
・児童扶養手当改革
・個人単位年金化(第3号被扶養者廃止)
○税制度
・相続税の廃止→贈与税への一本化   
・扶養控除の廃止 
・「103万円の壁」廃止

 3−2−3 労働領域におけるシングル単位化
「基本視点=家庭賃金から個人賃金へ」がキーワード。シングル単位の具体的な労働政策見取り図を示す。1)男女雇用機会均等法→男女雇用平等法 2)家庭賃金→男女平等個人賃金 3)家族的責任の視点 4)時間外・休日及び深夜業の男女共通の法的規制 5)パート労働問題の解決を目指す 6)職業に関する教育を充実させ、根本的な新規学卒者対策を行う 7)労働問題に関する実効性のある苦情処理機関を設置する 8)「103万円の壁」廃止

○労働領域に関する個人単位化
・年功制の廃止
・家族賃金→個人賃金
・同一価値労働同一賃金原則
・パート差別禁止
・配偶者手当廃止
・セクシャルハラスメント禁止
 
3−3 シングル単位の未来性
 3−3−1 社会の構造変化がシングル単位化を求める
 現在、社会構造(経済と家族の現実)はどんどん変化している。ということは、昔の社会構造の時に有効だった解決策、つまり家族を単位とするやり方が、変化したあとの社会構造に有効だとは限らないということだ。実際、経済成長・企業成長を前提とした日本的年功製システムの維持、男性が一家を養い、会社人間に集中し、女性に家庭を任せる家族単位制度の維持は難しくなっている。
 では、どうすべきか。分かり易く言うと、家事労働と称して無償でしていたことを、職業化(賃金労働化)する。ここで必要なのは、「家事労働の評価」ではなく「再生産の社会化=個人単位化」であり、社会全体をシングル単位化する。家事労働をめぐる差別問題を解決するにはこれ以外にない。(p.174-180)

 3−3−2 シングル単位かは経済にマイナスか
 このモジュールでは、「なぜ社会保障は公的・普遍主義的・個人単位的になされなければならないか」を論じている。
・公的負担縮小論の台頭
・「反公的保証論」
・公的福祉と経済との関係
・私的福祉(家族単位)と公的福祉(個人単位)の社会全体への影響の評価
・個人単位の相互の権利保障制度
 結論は、社会保障は弱者救済という自助原理と社会的扶養原理の二原理の並列的なものではなく、国民経済の中で、生産と再生産の全体をどのように行うかという調整(再分配)のあり方の問題である。(p.184-193)

3−4 シングル単位の世界観

 シングル単位は「幻想を幻想として意識する」生き方である。幻想をひっぺがえし、幻想から距離をおき、達成義務から離れ、自分の選択肢の一つとしてとらえなおすことこそが自由だといっている。人の可能性のすべてを持っている我々が、女や男という欠落のある存在に分けられる必要がないというとき、ジェンダーという仮定=幻想から超越するプロセスを肯定するとき、僕らの探している方向性が見えてくる。


■家族単位シングル単位概念がなぜ重要か〜フェミニズムの説得力や政策提起力を高めるアプローチ■

4−1 反フェミニズム

 フェミニズム、女性学関連の文献は1980年代はじめ以降急に増えたが、日本社会に定着してはいない。フェミニズム的見解を聞いたり読んだりした後でも根強く次のような意見が残る。
・「今の分業制が必ずしも悪いと思わない。男・女にはそれぞれ長所短所がある。」
・「共働きには、家事がおろそかになる。だから夫婦で分業したほうがスムーズにいくと思う。」
・「会社側からすれば、結婚すれば辞める女性を採用したくないのは当然。女性の就職難はしかたないとおもう。」
・「女性には女性本能があるので、女性の本分は家庭の管理にある。」
・「女性が専業主婦でいいならいいんじゃないか。」
・「人間は一人で生きられない。だから個人の自立などを言い、家族をばらばらにする主張は間違いだ。」
・「子供のことを考えると、愛情ある両親に育てられるのがいい。家族を尊重するべき。」
・「男らしさと女らしさを相互に尊重し合うことが大切である。女性が男性のようにあるのもよくないし、逆に男性が女性のようになるのも良いと思わない。」

 こうしたよくある反発意見には誤解や不勉強、無知理論的矛盾や不徹底があるが、世間では多数の感覚である。例えば、性差別・性分業には一般的に反対しながらも、現実的には女性が低賃金であるという理由で、結果的に男女性分業を実践してしまう夫婦は多いだろう。それに対し、女性の低賃金をなくせと主張するだけでは、理論的には循環論でしかなく、実践的には性分業、性差別保存論となる。これでは性分業の見直しにならない。
 企業や国家政策も含めて、総合的に家族単位を意識し、個人単位視点を持たない限り、性分業を選ばざるを得ない。

4−2 単位論の説得力

 家族単位批判視点には2つの優位性がある。

○社会の諸問題を適切に表現する。

○社会が反フェミニストに対して論理説得的

 すなわち、家族単位批判視点では、性差別しているつもりのない人(フェミニズムの主張が理解できない人、あるいはフェミニズムの主張を浅いレベルでしか分かっていないのに十分理解したつもりになっている人)に、問題の所在を分かりやすく説明しうる性格を持つ。

■5章 フェミニズムの正当性の哲学的、思想的考察■

5−1 “神の法則”はないし、二分法把握には限界がある

 世の中に、生物学的性差(セックス)は明らかに存在する。しかし、フェミニストたちが明らかにしてきたように、多くの性差はジェンダーと呼ばれる社会的に作られた幻想である。ジェンダー二分法には限界があり、それを乗り越えて“シングル”という人間概念を対置する必要がある。

5−2 善悪を言えるか〜フェミニズムの正当性の根拠〜
・善悪というものはあるか――当事者限定的な意味で善悪を規定できる。
・自立概念は間違いか――善悪は立場の違いに因るものである。
・マイノリティには闘争心がある。
・人権侵害があるところから議論がはじまる。

5−3 幻想とニヒリズム
 「何のために生きているか」に対して神が答えも与えてくれないとするなら、僕等は無意味と無根拠に耐え、ニヒリストになるしかないのか。フェミニズムなんてものも無意味で無根拠で、ニヒリズムに敗北するしかないのか。
 筆者は次のように主張する。

 男女二分法、家族共同体といった幻想の縛りから解き放たれるためには、僕らは確かにいったんは無根拠に直面し、支えとなる物語を失った不安と孤独に耐えなければならない。
 しかしそのあとに、各人は価値をどこかの地点・立場に立って主張することができるし、また責任を引き受けなければならない。社会を一気に変革したり世の中から差別をなくすことはできないが、それは身近なところで差別を無くせないということにはならないのだ。性差別、男女の権力関係を問題にしたい人たちは、ジェンダー秩序社会の構成当事者としての利害の損得を持つ。その立場から、フィクション(幻想)たるジェンダー秩序を批判するという判断を下すことができる。皆を差別と戦わせることはできないが、自分が差別と戦うことはできるジェンダーから完全に自由になることはできないが、制度や意識においてジェンダー支配を減らすことはできる。

5−4 二分法フェミニズムに未来はあるか

 「女性尊重」フェミニズムの見解は、本書においてことごとく反論されている。以下、再度まとめてみる。

@女性性を高く評価するというが、女性が劣立化された根本的反省が無く、性のステレオタイプを温存する。
A女性に本質的なものを求めることは、社会的構造に規定されている面を無視している。
B本質的で絶対的な真の女性特有の認識などありえない。差異は多様である。
C「女性の真の本質」という論理は、秩序維持の手段でしかない。
D子供を育てられる環境、家族構成は変更可能かつ個人差が大なので、歴史的・文化的・社会構造的条件によっては子供の発達も変更可能かつ個人差が大であるといえる。
E自然/文化、男性/女性の二項対置は普遍的なものでない。
F自然を女性のみと結びつけるロマン主義は根拠がなく、かつ性差別と分断を再生産する。
G良質なフェミニズムは女性だけに訴えてきたのではなく、両性役割の変更、それに基づくシステム全体の変革と新しい男女関係の確立を求めてきた。
H現在の日本において、女性性、母性の擁護や家族の擁護は秩序維持的である。
I「女性性の尊重」という概念は、フェミニズムを後退、分裂、無力化させるものである。

結論=二分法フェミニズムに未来は無い。


……以上。コメントは作成者の希望により略、以下はHP制作者による……

■書評・紹介・言及

◆立岩 真也・村上 潔 20111205 『家族性分業論前哨』,生活書院,360p. ISBN-10: 4903690865 ISBN-13: 978-4903690865 2200+110 [amazon][kinokuniya] ※ w02, f04


UP:2000 REV:20120116

伊田 広行  ◇家族  ◇女性の労働・家事労働・性別分業  ◇フェミニズム  ◇2002年度講義関連  ◇BOOK
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