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『食品・薬品公害――消費者主権確立への闘いのすすめ』

高橋 晄正・藤木 英雄森島 昭夫・柳沢 文徳 19730410 有斐閣,374p.

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last update: 20180225

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■高橋 晄正・藤木 英雄森島 昭夫・柳沢 文徳 19730410 『食品・薬品公害――消費者主権確立への闘いのすすめ』,有斐閣,374p.  ASIN: B000J9OA8K 880 [amazon] b d07 m

■目次

 序章 消費者保護を考える
 1 食品・薬品公害とはなにか 2
 2 食品・薬品の法的規制と消費者保護 11
 3 消費者保護法のあるべき姿 17

 第1章 食品公害
 4 食品衛生の考え方 24
 5 食品衛生法と有害食品の規制 31
 6 食品添加物の安全性の確認 35
 7 食品添加物の毒性の解明 41
 8 環境汚染物質と食品 74
 9 PCBの毒性 85
 10 放射能汚染 97
 11 残留農薬 101
 12 中性洗剤ABSの毒性 107
 13 家畜などの飼料からくる食品の汚染 115
 14 輸入食品の有害性 121
 15 包装、容器、罐などに含まれる有害性 123
 16 合成食品の有害性―付・おもちゃの危険性 127
 17 冷凍食品の鮮度 131
 18 細菌性食中毒とその規制 136

 第2章 薬品公害
 19 薬とはなにか―薬の本質論 142
 20 薬品公害の現状 147
 21 薬事法と医薬品製造に対する規制 150
 22 薬効と副作用の解明 159
 23 新薬の検定 170
 24 医薬部外品 176
 25 化粧品 180
 26 農薬 183
 27 職場における化学物質による被害 189

 第3章 食品・薬品公害と行政
 28 食品公害と行政 194
 29 薬品公害と行政(1)―新薬の許可 203
 30 薬品公害と行政(2)―許可後の監視 208
 31 医療のしくみと薬品公害 212
 32 食品業に対する監視 217
 33 薬品業に対する監視 224

 第4章 食品・薬品の表示規制
 34 食品の表示および広告 232
 35 医薬品の容器等への記載と誇大広告 244

 第5章 食品・薬品公害に対する民事・刑事上の責任
 36 消費者保護を基本理念とする民事・刑事責任の原則 252
 37 食品・薬品公害に対する民事責任の根拠 261
 38 業務上過失致死傷の罪 270
 39 医薬品製造業者の過失責任 279
 40 薬品販売業者の過失責任 288
 41 医師・病院の過失責任 293
 42 食品製造業者の責任 300
 43 食品販売業者の過失責任 309
 44 食品・薬品の規制と国等の過失責任 312
 45 食品・薬品公害に対する行政罰 320

 第6章 食品・薬品公害の責任追及
 46 食品・薬品公害と消費者運動 328
 47 民事訴訟提起の準備 337
 48 因果関係の立証 344
 49 過失の立証 352
 50 告訴と告発 359
 51 消費者運動と犯罪 364

 索引
 全国消費者センター案内 326、373、374


■執筆者紹介(担当項目)(*「はしがき」より)

 高橋晄正 たかはしこうせい
 大正7年秋田県に生まれる。昭和16年12月東京大学医学部卒業
 現在 東京大学医学部講師(物療内科・内科学)
 主著 新しい医学への道(昭39・紀伊国屋書店)、現代医学概論(昭42・東大出版会)、計量診断学(昭44・同)、初等推計学(昭42・医学書院)
 担当 第2章、第3章(29〜31)

 藤木英雄 ふじきひでお
 昭和7年長野県松本市に生まれる。旧都立六中、旧一高を経て、昭和28年東京大学法学部卒業
 現在 東京大学法学部教授(刑法学)
 主著 経済犯罪(日経新書)(昭41)、刑法(全)(昭42・有斐閣)、過失犯の理論(昭44・有信堂)、刑法各論(昭47・有斐閣)
 担当 序章(1、3)、第5章(36、38、39、42、45)、第6章(48、49、51)

 森島昭夫 もりしまあきお
 昭和9年 平壌市に生まれる。昭和33年東京大学法学部卒業
 現在 名古屋大学法学部教授(民法学)
 主論文 「薬品の製造者責任―アメリカ判例を中心に」ジュリスト427号(昭44)、「自動車の製造者責任」同432号、439号(昭44)、「薬禍と民事責任」法律時報45巻1号、4号(昭48)。
 担当 序章(2)、第3章(32、33)、第4章、第5章(37、40、41、43、44)、第6章(46)

 柳沢文徳 やなぎさわふみよし
 大正7年 長野県上田市に生まれる。昭和16年12月千葉医科大学卒業
 現在、東京医科歯科大学医学部教授(農村厚生医学研究施設長・公衆衛生学)
 主著 食品衛生学(昭33・積文堂)、合成洗剤の科学〔共著〕(昭37・学風書院)、食品衛生の考え方(NHKブックス)(昭40)、農村保健〔共著〕(昭44・医学書院)
 担当 第1章(9を除く)、第3章(28)

 藤原邦達 ふじわらくにさと
 昭和2年 長崎県福江市に生まれる。昭和27年大阪大学工学部卒業
 現在 京都市衛生研究所主幹(衛生化学担当)
 主著 食品公害と市民運動(昭45・新時代社)、PCB〔共著〕(昭47・朝日新聞社)
 担当 第1章(9)、第3章(28)

 藤木美加子 ふじきみかこ
 昭和8年 台北市に生まれる。昭和31年東京大学法学部卒業
 現在 弁護士
 担当 第6章(47、50)


■引用

 「以上のような論理構築によって、客観的に"新の薬効"を知るための臨床試験の標準の形式は、「二重盲検のもとでの対照試験」といわれるものです。それはつぎのように展開されます。

 すでに述べたような手続によって承諾のえられている対象集団に、最高の看護と標準の治療をおこなった上で、それを乱数表その他で二分割し、一方には新薬を追加し、他方には新薬と形・色・味などが区別できないように作ってあるニセ薬(プラシーボ)を追加して観察をはじめます。

 この場合、心理的な期待効果の影響を避けるために、病人にも受持医にも、慎重に新薬の検定をはじめることは通知しても、どの人にホンモノが与えられ、どの人にニセ薬が与えられているかは知らせることなく、その暗号表は管理者(たとえば医長など)が保管することにします。管理者は毎日報告される自覚症状や他覚所見を詳しく点検し、少しでも異常を訴える人を発見したときには、暗号表を開いて新薬の副作用ではないかを確かめ、必要と認めたときにはその処方を中断し、観察対象から除いて、治療対策を実施することにします。」(p.173)


 「それら(引用者―精神安定剤)のなかまのうち、バランスやコントールなどは抗不安剤といわれる部類に属し、はっきりしたノイローゼに使うべきものなのですが、これが誤って日常の人間関係の煩わしさに由来するイライラ状態にまで拡大して使用されたことは不幸なことでした。そのなかのメブロバメート系(アトラキシンなど)のものはひどい耽溺性をもち、しだいに増量するようになり、やがてやめようとすると幻覚、狂躁その他の精神病状態になることがわかって、先般自由に買えないようになりました。

 いわゆる精神安定剤のいま一つの部類は精神病の患者に使うもので、抗精神病薬といわれ、有名なものではクロールプロマジンなどがあります。わが国では、精神病の患者をそうした薬漬けにし、ますます精神を荒廃させてしまっていることはご存知のとおりです。人間の精神は、おたがいに交流しあうことによって昂揚しえているものですから、幻想や狂躁のひどいときに一時的にそうした薬を使うことはあっても、必要でなくなったらすぐにやめて、社会のなかの正しい人間関係に戻さなければならないのです。」(p.166)


UP:20080312 REV: 松枝亜希子 植村要, 20101028, 20180225
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