表2:ALS患者のQOL評価の先行研究(発行年順)
著者(発行年) |
目的 |
調査対象者(人数、性別比率、平均年齢、病歴、状態、地域等) |
QOL指標 |
その他の指標(身体症状/運動・身体機能/心理学的苦悩等) ※ |
結論 |
Gelinas et al. (1998) |
人工呼吸器使用ALS患者のQOLとそのケア提供者の負担の相関性を含めた評価 |
患者7名(人工呼吸器使用)とケア提供者15名(配偶者)アメリカ(カリフォルニア・大西洋医療センター) |
SF-12 ALS Quality-of-Life Index(ALSQLI) |
The ALS Patient Caregiver Form(ALSPCF) |
・人工呼吸器を装着する決定を後悔している患者は一人もおらず、ほとんどの患者は大部分の時間を快適で満足に感じていた。・患者は家に帰ることができ、社会活動に参加できているときに最も大きな幸福感を感じていた。・ケア提供者は人工呼吸器装着の決定について不満足になる傾向があり、多大な欲求不満とルサンチマン、不幸感をあらわしていた。・ケア提供者の適応は数年後になってやっと生ずるが、まったく適応できないケア提供者も存在した。・患者とケア提供者が人工呼吸器を用いた療養生活にうまく適応する能力は、決定の事前に準備があったか否かではなく、患者とケア提供者のfriendshipの強さと、よい支援システムを活用可能かどうかに依存する。 |
Jenkinson et al. (2000) |
ALS疾患特異的な健康関連QOL指標ALSAQ-40の回答率、データの質、スコアの信頼性の評価。 |
500名からランダム抽出された250名。イギリス(MND協会) |
ALSAQ-40 |
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・回答率に悪影響はなかった。・ALSAQ-40の内的整合性にもとづく信頼性は極めて高い。・ALSAQ-40は、きわめて望ましいサイコメトリックな性質を示した。 |
Simmons et al. (2000) |
・QOL尺度の評価 |
96名男性52名/女性44名平均年齢57.8歳。全員が呼吸器未装着者。平均病歴は31.8ヶ月。アメリカ(ペンシルバニア州、ハーシー医療センター) |
MQOL SIP/ALS-19 |
Tufts Neuromuscular Quantitative Exam Idler Index of Religiosity(IIR) |
・対象者のQOLは、体力や身体機能尺度とは相関しておらず、心理学的・実存的・サポート要因の方がQOLを規定するのに重要な役割を果たしていた。・SIP/ALS-19は身体機能を評価するにはよいが、QOL全体のよい尺度とはいえない。MQOLはQOL全体の評価にとって有用である。 |
Robbins et al. (2001) |
・身体機能に特化したSIP/ALS-19の批判的検討。・SIP/ALS-19による評価を、MQOL、宗教性に関する指標、ALSFRSのそれぞれの評価と比較検討。 |
60名男性32名/女性28名、平均年齢58.5歳、ALSFRSスコア平均28.1。アメリカ(ペンシルバニア州、ハーシー医療センター) |
MQOL SIP/ALS-19 |
ALSFRS IIR |
・ALSFRSで測定された身体機能が悪化したが、MQOLで測定されるQOLは維持された。・これらの患者のQOLは、ALSによる容赦なき身体的衰弱によって規定されない。・研究対象になった患者は気管切開も呼吸器も使っていなかったため、気管切開・呼吸器使用患者のQOLが維持されるかどうかについてはコメントできない。・研究期間中にBiPAPが必要になった患者が4名。だが身体状態の変化にもかかわらずQOLは変化しなかった。 |
Clarke et al. (2001) |
(1)SEIQOLの内的整合性による信頼性と妥当性の評価。(2)ALSのQOLに関する簡潔な記述を提示することと、QOL・疾患の重篤度・心理学的苦悩の相関性の検証。 |
アイルランドALS/MND患者名簿[1]から募集。参加に同意した68名の患者の中から26名。(69.2%が男性、平均年齢63歳、平均病歴31.5ヶ月)。人工呼吸器使用率等は不明。 アイルランド |
SEIQOL |
ALSFRS Hospital Anxiety and Depression Scale(HADS) |
・ALSFRSの疾患重篤度と抑鬱レベルの間には相関性は見られなかった。抑鬱レベルは低かった(だが、研究参加に同意した患者はそもそも抑鬱レベルが低いという可能性もあり、この結果がALS患者全体を代表しているとは言えない(157))。・SEIQOLを完成させた21名の患者にとって、QOLと疾患重篤度、QOLと抑鬱ないし不安の間に相関性は見られなかった。またSEIQOLと病歴の間にも相関性は見られなかった。・SEIQOLはALSの人のQOL評価の有用なツールたりうるが、重度のALS患者には、SEIQOLを完成させることはできないかもしれない。 |
Neudert et al. (2001) |
健康関連QOL指標とSEIQOLというQOL測定に対する異なるアプローチについての患者の選好の同定。どのQOL指標を患者は主観的に妥当だと感じるか。 |
1998年4月〜1999年5月にミュンヘンのルードヴィッヒ・マクシミラン大学神経内科神経疾患外来に訪れた42名の患者(性別、年齢、病歴情報はなし)。ドイツ |
SIP SF-36 SEIQOL |
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・患者はSEIQOLを、SIPおよびSF-36よりも妥当な指標だと感じていた。・「健康関連QOL」という語は、健康は重篤な疾患をもつ患者の個人的なQOLに関連していない以上、適切ではない。SF-36およびSIPに関しては、「包括的健康状態」という表現が適切である。・とくにSIPは、SEIQOLおよびSF-36に比べて、患者に対して非常に大きな感情的苦痛を与えていた。・SIPおよびSF-36のALSの健康関連QOLは、疾患の進行に伴ってほぼ直線的に下降傾向を示すが、臨床的経験および論文データは患者のQOLは必ずしも直線的コースを辿らない、ということを示している。・SEIQOL-DWはポジティブな介入という面をも持ちうる。 |
Kiebert et al. (2001) |
健康状態に関する患者の報告と健康関連QOL(HRQL)の評価。様々な段階のALS患者の健康状態の自己評価の検証。 |
77名(男性49名、助成28名、平均年齢58.1歳、診断からの平均期間25.3ヶ月、平均病歴43.6ヶ月)イギリス(王立MNDケア&研究センター、王立大学病院、ロイヤルプレストン病院) |
ALSAQ-40EUROQOL EQ-5D |
Standard gamble(SG)――期待効用理論に基づき健康状態効用を算出する方法。 |
・SGには「すぐに死ぬ」といった選択肢も含まれるため、患者に脅威を与えうるが、対面的インタビューにより高い回答率が得られた。・ALSAQ-40の活用を支持する経験的エビデンスが得られた。・患者のHRQLは疾患の重篤度が増すとともに低下するが、患者が自らの健康状態に与えている価値は健康状態が深刻に障害されても比較的高いレベルのままだった。 |
Goldstein et al. (2002) |
self-generated QOLの評価と、身体的損傷・機能的状態についての当人の報告・心理学的福利・認知的機能についての当人の報告との相関性および社会的支援との相関性の検証。 |
31名(男性19名、助成12名、22名が結婚しパートナーと同居、4名はシングル、2名は離婚、3名がパートナーと死別)イギリス(王立MNDケア&研究センター) |
SEIQOL SIP |
ALSSS HAD Close Persons Questionnaire (CPQ) Short Inventory of Minor Lapses (SIML) |
・SEIQOL上でのQOL全体の評価は、ALSSSないしSIPのサブスケールスコアのどれとも相関していなかった(被調査者の64.5%が「健康」を、重要なQOL相関カテゴリーとして指定していたにも拘らず)。 ・QOLスコアは信頼できる感情的支援の存在と、プラス方向(正)での相関があった。QOLスコアはまた、感情的状態とではなく、日常的な認識の障害に関する当人の評価と、反対方向(負)の相関があった。 ・個人の自らのQOL評価は、その身体的損傷や機能的制約と単純に等しいということはありえず、支援システムが重要であるだろう、という近年の認識を支持する結果だと言える。 |
Bromberg et al. (2002) |
患者およびケア提供者のQOL評価――身体機能中心のQOL指標との比較を通して、SEIQOLの有効性を評価する。 |
患者25名とその配偶者である13名のケア提供者。患者平均年齢56歳。平均病歴は27.6ヶ月(最長102ヶ月)。ケア提供者は平均58歳。対照群として五組の健康なカップル。呼吸器・PEGの使用率等は不明。 アメリカ(ユタ大学) |
SEIQOL-DW SIP/ALS-19 |
ALSFRS |
・ALS患者にとって重要なQOL領域は、身体的機能とは結びついていない。逆に、ALS患者の機能レベルはケア提供者にネガティブなインパクトを与える。 ・ALS患者の高いスコアは、患者がQOLの判断基準を変化させているというレスポンスシフトを示している。それは進行性疾患と付き合うポジティブな過程と見なしうる。 ・ケア提供者の低いスコアは、ケア提供者が期待を変えることを強いられるという逆のレスポンスシフトを反映していると思われる。 ・SEIQOLのようなオープンQOLスケールは、患者とケア提供者のレスポンスシフトをより理解するために有用である。 |
Green et al. (2003) |
健康関連QOL(HRQL)の評価。 |
77名(Kiebert et al. (2001)と同じ) |
ALSAQ-40 EUROQOL EQ-5D |
SG |
・MND患者から健康状態についての評価を得ることは有用かつ実践的である。 ・健康状態がきわめて悪い場合でさえ、患者は自らのHRQLに高い価値を与えているというエビデンスが得られた。 |
Trail et al. (2003) |
QOL評価、抑鬱の程度、治療選択肢への態度に関する患者およびケア提供者の比較。 治療選択肢はPEG、BIPAP、侵襲性人工呼吸器。 |
27名の患者と19名のケア提供者。患者は男性18名、女性9名。ケア提供者は女性10名、男性9名。患者の平均年齢57.2歳、ケア提供者は56.9歳。平均病歴は2.7年。 2名がPEG使用、4名がBIPAPを使用。侵襲性呼吸器使用者はなし。 アメリカ(テキサス、ベイラー医科大学) |
MQOL-SIS |
Appel ALS Rating Scale(AALS) ALSFRS Beck Depression Inventory-U(BDI-U) |
・MQOL-SISによる測定では患者とケア提供者のQOLレベルは顕著な違いは見られず、適度の高さを保持していた。 ・ケア提供者のQOLに対する患者の認識の方が、患者のQOLに対するケア提供者の認識よりも7ポイント高かった(患者はケア提供者のQOLを過大評価し、ケア提供者は患者のQOLを過少評価する傾向が見られる)。 ・抑鬱に関しては特筆すべき結果ではないが、僅かにケア提供者のほうがより抑鬱度が高かった(Rabkin et al 2000とは逆)。抑鬱は身体障害に必ずしも関係していなかった。 ・治療方針についての認識(患者/ケア提供者): PEGは肯定が52%/58%、BIPAPは肯定が56%/63%(否定は3%/32%)、侵襲性の人工呼吸器は肯定15%/5%(侵襲性人工呼吸器に関してRabkin et al.2000と整合)。 ・QOL、抑鬱、治療選択への態度を決める要因は、ALSの進行を通して患者とケア提供者にその都度、検討される必要がある。保健医療専門職は、患者とケア提供者とではその必要と目的が異なることを認識すべき。両者に対して、専門職は、状況に適した参照と介入によってフォローされる問題に焦点化した議論のための、教育と機会を提供すべきである。 |
Kaub-Wittemer et al. (2003) |
NIV使用患者と侵襲性人工呼吸器装着患者のQOLの比較。 および両者のケア提供者のQOLの比較。 |
NIV使用患者32名、侵襲性呼吸器使用者21名。NIV患者のケア提供者は31名が配偶者で1名は娘(女性の比率は75%)。侵襲性呼吸器使用患者のケア提供者は20名すべて配偶者(女性の比率は90%) ドイツ |
Profile of Mood States(POMS) Munich Quality of Life Dimensions List(MLDL) |
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・ケアを得ている患者がポジティブに評価している一方で、集中的かつ持続的なケア提供を強いられる家族ケア提供者の評価は相対的にネガティブである。 ・NIV装着患者とLTMV-TPPV装着患者のケア提供者の意識の比較では、前者の97パーセントが「再び装着する」と答えているのに対して、LTMV患者のケア提供者で再度装着を選択すると答えたのは50パーセント。 ・NIV使用のALS患者のほとんどは、気管切開を拒否したが、TV装着患者の81パーセントが再び呼吸器を選択すると答え、80パーセント以上が他の患者にも同じように勧めると答えた。 ・LTMV装着患者のケア提供者の30パーセントは、患者よりも自分のQOLの方が「低い」と感じていた |
Chio et al. (2004) |
ALSにおけるQOLの規定因をSEIQOLとMQOLの二つのスケールを用いて評価。 |
80名 イタリア(トリノ大学) |
MQOL SEIQOL-DW |
ALSFRS Mini-Mental Status Examination(MMSE) Pathological Laughing and Crying Scale(PLACS) Zung Depression Scale (ZDS) BHS Social Support Questionnaire(SSQ) Social Withdrawal Scale(SWS) IIR Psychological Questionnaire(PSQ) |
・SEIQOLおよびMQOLいずれのスケールについても、QOLの最も重要な説明変数は、社会的支援の質についての患者の認識だった。 ・ALS患者のQOLは主に、心理学的要因・支援に関する要因・スピリチュアルな要因によっているため、健康関連QOLはALS患者のQOLを評価するにはふさわしくない。 ・患者のQOLの向上にとって最も重要な課題は、過重な負担を負っているケア提供者家族に対する社会的サポートである |
Van den Verg et al. (2005) |
ALS患者とケア提供者のQOLに、多領域専門職ALSケアの与える効果の検証 |
208名(男性が61.9%、平均年齢59,1歳) オランダ(ユトレヒト大学)
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SF-36 |
ALSSS ALSFRS |
・多領域ALSケア専門職 = リハビリ医学におけるコンサルタントによって率いられたALSチーム(少なくとも1名の理学療法士を含む)、作業療法士、言語療法士、栄養士とソーシャルワーカー。 ・多領域ALSケアを受ける患者群は、SF-36のメンタルサマリースコアでは他の一般的ケアの患者群よりもよいメンタル面でのQOLを示した。 ・QOLの差異は、社会機能とメンタルヘルスの要素で最も著しかったが、補助機械器具の存在とは独立していた。SF-36の身体サマリースコア、VASあるいはALS患者のケア提供者のQOLにおいて、顕著な違いはみられなかった。高レベルのケアは、ALS患者のメンタルなQOLを改善する。 |
Lo Coco et al. (2005) |
健康関連QOL(WHOQOL-BREF)と個人的QOL(SEIQOL)により患者と近親者ケア提供者のQOLを比較。 |
37組の患者-ケア提供者カップル(患者は男性3.1対女性1、ケア提供者は1対3.6。平均年齢は患者が61.3歳、ケア提供者54.7歳。病歴平均16ヶ月。全員がPEGも呼吸器も使用しておらず、全員が家族と同居。対照群として7組の健康なカップル。 イタリア(パレルモ大学) |
WHOQOL-BREF[1] SEIQOL-DW |
ALSFRS |
・ケア提供者は患者に比較して身体的・心理学的WHOQOL領域で高いスコアを示したが、QOL全体のスコアは、両者で顕著な差異はなかった。 ・ALSFRSで測定した身体的機能障害は、患者のSEIQOL-DWスコアと緩やかに連関していたが、ケア提供者の個人的QOL(SEIQOL)スコアと顕著な連関はなかった。SEIQOLのキューで最も頻繁にノミネートされたのは、患者とケア提供者両者にとっての健康(身体的ないし心理学的)や家族に関連していた。 ・スピリチュアリティを重要な要素としてあげた患者とケア提供者のQOLは相対的に良かった。 ・身体的・心理学的なWHOQOL-BREFによる評価では、ALSは患者およびケア提供者両者にネガティブなインパクトを与えていた。しかし、低いQOLを示したケア提供者が、身体的・心理学的に最も障害の重い患者を世話している人である、というわけでは必ずしもない。 |
Simmons et al. (2006) |
・患者に評価されたQOL総体を反映するALS疾患特異的QOL指標(ALSSQOL)の開発 |
342名(男性226名、女性116名、27〜87歳、病歴60ヶ月以内が84%、120ヶ月以内が95%。最長237ヶ月) アメリカ(ハーシー医療センター) |
ALSSQOL MQOL SEIQOL-DW WHOQOL-BREF |
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・従来の身体的機能に特化したSIP/ALS-19およびALSAQ-40ではALS患者のQOL全体を評価することはできず、他方、非身体的因子に配慮したSEIQOLでは、対象者が大量である場合の有用性に問題がある。 ・ALSSQOLは、ALS患者の生活全体のQOLの評価にとって重要な非身体的な因子に配慮しつつ、大量の対象者間での比較可能性を備えたQOL指標である。 |
Gauthier et al. (2007) |
ALS患者とケア提供者のカップルにおける9ヶ月間のQOLの改善と抑鬱の評価。それらをALSFRSと比較。 |
31組のカップル(患者の男女比率は21名/10名、ケア提供者は9名/22名、平均年齢は患者58.8歳、ケア提供者54.5歳。関係は、配偶者が25組、子が3組、親が1組、他の親戚ないし友人が2組) 侵襲性人工呼吸器使用者は2名、PEGないしRIG使用者は6名、NIV使用者は8名。 イタリア(トリノ大学) |
MQOL |
ZDS Caregiver Burden Inbentory(CBI) Self-Perceived Burden Scale(SPBS) |
・ALS患者・ケア提供者カップルに、9ヵ月をおいてインタビューを実行。ALSFRSのベースラインでの中間値は28.7で、第二回目のインタビューでは24.1.患者のMQOLスコアは僅かに上昇(6.8から7へ)。患者のZDSスコアも僅かに上昇(43.8から45.7)したが、まだ抑鬱の範囲にとどまっていた。 ・ケア提供者のMQOLは低下し、ZDSは上昇(38.9から42.2)。CBIスコアは、50.3から55.8へと上昇。 ・患者のQOLと抑鬱は固定していたが、ケア提供者の負担と抑鬱は大きく上昇していた。 ・患者はケア提供者が時間と共に負担を増していっていることに気づいているようだったが、明確にSPBS指標にはあらわれなかった |
De Groot et al. (2007) |
SF-36の異なる要素に対するALSの影響に関する、クロスセクショナリーかつ進行期間を通した調査。 |
74名(男女比は47名/27名、平均年齢59.9歳、診断時の平均年齢58.3歳。1名が調査中に死亡。SF-36を完成させた患者は62名) オランダ(北西地域) |
SF-36 |
ALSFRS |
・身体的健康は悪化しても、メンタルヘルスは固定している。 ・ALSの重篤度とHRQOLとの間には多様な相関がある。 ・身体的そしてメンタルなヘルスの多様なパターンは、HRQOLの経験におけるフレーム転換を示唆している。 |
Foley et al. (2007) |
(1)ALS患者の感受するQOLの「意味」に関する質的な探究。 (2)患者のヘルスケアについての経験が個々人の主観的なwell-beingにいかなる影響を与えるかの探究 |
5名(詳細な情報は不明)アイルランド |
現象学的方法(SEIQOLによる調査で用いたQOLドメインに基づく) |
ALSFRS-R |
・9個の主題が抽出された(信念の重要性、コントロールを探究すること、尊厳の重要性、アイデンティティ保持の希求、家族の重要性、喪失感、利他性と支援の重要性、ALSとの闘い、人生への感謝)。 ・疾患の進行により身体能力が喪失していくが、QOLはALSに罹患したときから変わっていないと対象者の多くが感じていた。 ・ヘルスケアサービスと支援がwell-beingに貢献していると感じていた。 ・今回の対象者は多領域のヘルスケア専門職の支援を受けており、また(IMNDAが仲介する)ボランタリーセクターからのサービスを活用できる立場にあるという点が留意されるべきである。 |