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「日精協政治連盟の「政治献金」問題のその後――「同様な行為を再び行い」始めた日精協」

安原 荘一 20060110 『精神医療』4-41(116):93-5.

last update:20150201

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日精協政治連盟の「政治献金」問題のその後――「同様な行為を再び行い」始めた日精協
     七瀬 タロウ(=安原 荘一 精神医療ユーザー 日本解放社会学会)

1.日精協政治連盟の「政治献金」問題の現在
2003年の法案参議院審議段階において、日精協政治連盟から与党議員への過去5年間総額1億5000万円のへの「政治献金」問題は,衆議院審議のあった2002年度の政治献金報告書の公開(政府側は拒否)、仙波日精協会長の国会参考人出席要請(3回連続拒否)、木村義雄厚生労働副大臣が審議中に計110万円の「政治献金」の受け取った件(贈収賄罪で東京地検に告発)、上野公成内閣副官房長官関連休眠政治団体への計250万円の「政治献金」の「記載漏れ」(政治資金法違反で秘書3名を東京地検に告発)等の問題が国会やマスコミに大きく取り上げられた。

そしてそのためか、2003年度は衆議院選挙のあった年にもかかわらず、同政治連盟の政治献金総額はわずか150万円であった(詳しくは年表を参照)。それが、2004年度は10倍以上の1600万円となんと10倍以上の増額となった(詳しくは 毎日新聞10月1日参照)

さて、両事件は2005年1月にいずれも東京地検において不起訴処分となったが、ユーザーグループは両事件に関して検察審査会に審査申し立てを行い、2005年3月に東京第2検察審査会は以下の理由で「不起訴処分不当」の決定を上野公成政策秘書辻修治に対して下した(なお木村義雄の件は現在も検察審査会で審査中である。また2002年度の政治資金報告書に30箇所以上の「訂正印」を押して数次にわたって再提出していた件を2005年5月ユーザーグループの一人が政治資金規正法違反で木村氏を追加告発している)

2上野公成元政策秘書辻修治に対する「不起訴処分不当議決」の内容
以下の3点が東京第2検察審査会による「不起訴処分不当」議決理由である。「不正目的の為に隠匿」「名義借りや単独で金銭を管理」する等、今回疑惑はよりいっそう深まったといえる。
@.被疑者は,国会議員の政策秘書の立揚であり,各政治団体の代表者又は会計責任者である。政治資金規正法が制定された意義をわきまえていないはずがないし、遵守するのが当然である。被疑者は受け取ったお金を何か不正目的の為に隠匿する意図があったと考えられる。
A.政治資金収支報告書を提出するにあたり、献金を受けたメモを見ず、前年どおり記入するなど一般常識で考えても単なるミスで済まされることではない。また、名義借りや単独で金銭を管理するなど、不透明な金銭を作り、政策秘書として重責を坦う立揚として責任を問われるべきである。
B.提出した報告書を後から訂正すれば許されるというのであれば、違反者が後を絶たなくなる。政治資金規正法の不正を防止するためにも、更に捜査し追求すべきである。

3.2004年度日精協政治連盟「政治献金」額、2003年度の10倍以上!
               −「同様な行為を再び行い」出した日精協政治連盟
 以下毎日新聞 2005年10月1日より抜粋
 日本精神科病院協会(鮫島健会長、日精協)の政治団体「日本精神科病院協会政治連盟」が昨年、自民党の衆院厚生労働委員会所属議員ら少なくとも15人の政治家に対し、前年の10倍以上に上る計約1600万円を、パーティー券購入や献金の形で提供していたことが、政治資金収支報告書で分かった。(中略) 昨年の資金提供は、長勢氏(200万円)▽鴨下氏(120万円)、木村氏(200万円)など。医療観察法の対象病棟の建設が進まず、ようやく今年7月に施行されたが、長勢氏の事務所は「長年応援していただいており、特に意図はないと思う」と話している。日精協は「医療観察法とは全く関係がない」とコメントした。法の対象になる患者は、これまで民間病院にも入院することがあったが、日精協は02年「退院後事件を起こせば、病院が責任を問われる。国が処遇すべきだ」と法の成立を求めていた。
 市民団体「東京精神医療人権センター」(東京都新宿区)事務局長の小林信子さんは「長年のコンスタントな献金が、ほとぼりが冷めて戻ったのではないか」と話した。【青島顕】

 言うまでもないことであるが、医療というおよそ市民の生命・健康、そして人権にも直接関わる分野の政策が、政治献金やましてや「不透明なお金」の動き等によって左右されることは、決してあってはならないことである。検察当局の徹底的な再捜査の必要性、そしてまた「与党厚生労働族議員と日精協の永年の癒着関係」にメスを入れることなく、精神医療・福祉の「真の改革」など決してありえないことをユーザーの立場から重ねて強く主張したい。
なお以下日精協政治連盟の「政治献金」と日本の精神医療政策の関係を簡単な年表にまとめてみた。ご参照いただければと思う。

1999年 日精協政治連盟「政治献金」約1800万円
 5月 精神保健福祉法改正案成立
 8月10日 福祉ホームB型試行通知
2000年 同連盟「政治献金」約8200万円(選挙関連費6500万円)
 3月31日 省令 社会復帰施設に関して敷地内社会復帰施設のみならず、病棟転用型も認める。
 6月25日 衆議院総選挙
 11月2日 日精協「医療法特例堅持」の要望書
 11月30日 医療法改正案可決(いわゆる「精神科特例」は維持された)
2001年 同連盟「政治献金」約2680円万円(選挙関連費約1000万円)
 1月 保岡私的勉強会を受け、法務省厚生労働省合同検討会発足 
 6月 池田小事件
 8月2日 日精協「触法精神障害者特別立法」を求める声明
 8月8日 上野公成氏関係の休眠政治団体に4件計200万円
2002年 同政治連盟「政治献金」1900万円(この年国政選挙なし)
 11月6日 医療観察法成立の日精協決起集会。参加与党議員55名。木村厚生労働副大臣「法案成立に向けてがんばる」旨発言、11月と12月に計110万円の「政治献金」を受け取る。
 12月6日 衆院法務委員会 医療観察法強行採決(塩崎泰久修正案提出者に、同日100万円の「政治献金」。長勢元副法相は法務委員会との連合審査に加わる一方法務委員会可決の3日後に500万円の「政治献金」(後日「誤解を受ける」と返金)。
2003年 同連盟「政治献金」150万円(国会、各種マスコミで「日精協政治献金問題」が大きく取り上げられた。なお11月に衆院総選挙)
 5月19日 上野公成内閣副官房長官秘書3名を政治資金規正法違反の容疑でユーザーグループ5名が東京地検に刑事告発 6月3日参院法務委員会予告なしの「だまし討ち強行採決」
 7月1日 木村義雄氏日精協氏名不詳氏とともにユーザーが贈収賄罪で刑事告発。
 7月10日 衆院本会議で医療観察法案可決
2004年度 同連盟政治献金 1600万円(毎日新聞10月1日報道参照) 
2005年度 同連盟政治献金 現時点では不明 9月11日衆議院総選挙(自民党圧勝)
 7月15日 医療観察法強行施行
 10月 障害者自立支援法成立

参考文献等 『精神医療』no32 日精協の「政治献金」問題について 安原荘一
長野英子のページ http://nagano.dee.cc/


*作成:安田 智博
UP: 20150201 REV:
全文掲載  ◇安原 荘一 
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