HOME
>
BOOK
>
『精神疾患言説の歴史社会学――「心の病」はなぜ流行するのか』
佐藤 雅浩 20130328 新曜社,520p.
last update:20240520
このHP経由で購入すると寄付されます
■佐藤 雅浩 20130328 『精神疾患言説の歴史社会学――「心の病」はなぜ流行するのか』,新曜社,520p. ISBN-10: 478851334X ISBN-13: 978-4788513341 \5200+税
[amazon]
/
[kinokuniya]
※ m
■内容
(「BOOK」データベースより)
近代日本の“時代の空気”が見えてくる。神経衰弱、ノイローゼ、ヒステリー、そしてうつ病などの「心の病」は、いかにして“流行病”となったか。精神疾患をめぐる新聞記事などを丹念にたどり、専門家・メディア・大衆の欲望が織りなす言説のなかから、“人間”と“社会”の関係性を読み解く、気鋭の力作。
■目次
序 章
第一章 精神疾患言説の歴史を分析するということ
一 先行研究の検討
二 本書の社会学的意義
三 本書の視角─精神疾患と構築主義
四 本書の基本仮説
五 本書の分析対象─マスメディアにおける大衆的な精神疾患言説
六 分析視角と方法
七 分析指標
八 本書の構成と時代区分
第二章 明治の新聞における精神疾患言説─狂気と神経病をめぐって
一 明治初頭の「狂気」に関する言説
二 発狂の原因論─その類型と属性
三 神経病と文明開化─西洋医学的知識の受容と抵抗
四 明治前半における精神疾患と医学の表象
五 明治二〇年代における報道内容の変化─衛生記事の増加
六 大津事件と衛生報道
七 小 括
第三章 帝国日本の神経病と神経衰弱─日露戦争以降の精神疾患言説
一 日露戦争と敵将の神経衰弱
二 神経衰弱言説の構成過程─専門家先導型の精神疾患言説
三 ヒステリー言説の構成過程─逸脱報道先行型の精神疾患言説
四 神経衰弱とヒステリー言説の比較
五 「神経衰弱」と「ヒステリー」流行の構造的背景
六 社会問題化の文脈
七 婦人欄と神経病─ホームドクターとしての医師
八 精神医学への批判と懐疑
第四章 外傷性神経症概念の盛衰と心因論の興隆
一 外傷性神経症とは何か
二 日本における外傷性神経症研究の受容と展開
三 外傷性神経症研究の実施要因─災害補償、産業衛生、労働運動
四 外傷性神経症研究の衰退
五 「神経衰弱」と「ヒステリー」における病因論の転換と継承
第五章 高度経済成長の病─ノイローゼの時代
一 ノイローゼ流行の背景
二 ノイローゼ言説の特性
三 社会不安とストレス
四 逸脱報道への適用
五 ノイローゼを病む─読者投稿の分析から
六 ノイローゼのゆくえ─身体症状の前景化、逸脱報道からの撤退
第六章 結 論
一 発症モデルの変容に見る近代日本の精神観と社会観
二 各時代の言説空間
三 大衆化された精神疾患言説の普遍的構造
四 医学的知識の大衆化要因
五 結 論
注
あとがき
参考文献
事項索引
人名索引
装幀─難波園子
■引用
精神疾患言説の歴史社会学―序章
本書の目的
本書は、近代日本(一九世紀後半から二〇世紀後半)の精神疾患に関するマスメディア報道を主たる分析対象として、精神疾患に関する大衆的な言説の構成と変容の過程、およびその動因を社会学的に考察するものである。
本書の目的は、(一)こうした言説の変容過程を通時的に記述し、近代日本における大衆的な精神疾患言説の実態、およびその社会史的背景を考察すること、(二)精神疾患に関する言説が、専門家間での議論を超えて、広く一般社会に広まる理由を、比較歴史社会学の視点から分析すること、以上二点にある。これらの研究課題を包摂する概念として、本書では、「精神疾患言説の歴史社会学」という用語を用いる。
■言及
◆立岩 真也 2013/12/10
『造反有理――精神医療現代史へ』
,青土社,433p. ISBN-10: 4791767446 ISBN-13: 978-4791767441 2800+
[amazon]
/
[kinokuniya]
※ m.
*作成:
矢野 亮
UP: 20131102 REV: 20131119, 20240520(中井)
◇
「精神障害/精神医療」
◇
身体×世界:関連書籍
◇
BOOK
TOP
HOME (http://www.arsvi.com)
◇