『〈始まり〉のアーレント――「出生」の思想の誕生』
森川 輝一 20100715 岩波書店,416p.
last update:20110511
■森川 輝一 20100715 『〈始まり〉のアーレント――「出生」の思想の誕生』,岩波書店,416p. ISBN-10:4000244590 ISBN-13: 978-4000244596 \3360 [amazon]/[kinokuniya] ※ ah02 p
■内容
内容紹介
豊饒な可能性を湛え、つねにわれわれの思索にインスピレーションを与えつづける思想家ハンナ・アーレント――その思索の起源に溯り、初期アウグスティヌス論以来の一貫した思想の発展過程に即して、草稿をふくむ主要なテクストの精読から、その〈始まり〉を明らかにする。アーレント研究の新たな地平を切り拓く新鋭の登場。
内容(「BOOK」データベースより)
「自由」や「複数性」といった概念を懐胎した、アーレントを貫く原理である「出生」の思想とは何か。「世界への愛」が、ここから開かれる。
■目次
第1章 アーレント解釈史を捉え直す―何が問われ、何が問われてこなかったのか
裁断されるアーレントの思想―現代政治理論の隘路の中で
拡散するアーレント像―一九九〇年代以降のアーレント解釈 ほか
第2章 自己・他者・世界をめぐる問いの始まり―アウグスティヌス論とパーリア論
『アウグスティヌスにおける愛の概念』―その問いの構造
『アウグスティヌスにおける愛の概念』におけるアーレントの探究―隣人の意義をめぐって ほか
第3章 「制作」の暴力性―全体主義論の生成過程(1)
アーレントの全体主義論の特質―その問いの射程と構造
「人種帝国主義」論から『全体主義の起源』初版まで―近代人のニヒリズム ほか
第4章 「制作」から「労働」へ―全体主義論の生成過程(2)
「制作」と「労働」―過程を支配するhomo faberと過程に支配されるanimal laborans
「組織化された孤絶」の破壊力―『全体主義の起源』第二版における全体主義理解 ほか
第5章 出生について―政治的なるものの「始まり=原理」
「出生」の思想の誕生―「始まり」の時間性
自由の「始まり=原理」―『アウグスティヌスにおける愛の概念』を新たに反復する ほか
■引用
■書評・紹介
■言及
*作成:大谷 通高