『脳卒中を生きる意味――病いと障害の社会学』
細田満和子 20061108 青海社,405p. 3360
■細田 満和子 20061108 『脳卒中を生きる意味――病いと障害の社会学』,青海
社,405p. ISBN:4902249227 3360 [amazon]/[kinokuniya]
商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
人は絶望からなぜ立ち上がれるのか?
気鋭の社会学者が、脳卒中の絶望の中から再び生きようとする人々にとって、出会いが意味するもの、変容がもたらすこと、そして限りない希望を描きだす。
■目次
序章
脳卒中を〈生きる〉ということ―問題の所在 1
第1節 脳卒中の今 2
第2節 問題の所在 6
第3節 痛みと苦しみを〈生きる〉 13
第4節 「絶望」から「希望」へ―「新しい自分」を見出す 18
第5節 本書の構成と意義 23
第T章 病いを〈生きる〉という経験―課題と方法 33
第1節 医療と病いの捉え方 35
A 〈生きる〉というテーマ 35
B 疾患と病い 38
C 医療社会学から健康と病いの社会学へ 41
第2節 先行研究の検討 48
A 病人役割とその限界 48
B 適応モデルとその限界 54
C 構築主義とその限界 58
第3節 病いを〈生きる〉ことを捉える枠組み 63
A 病いの経験 63
B 〈生〉の全体性 66
C 「変容」への着目 71
D 契{モメ}機{ント}としての「出会い 74
第4節 調査の概要―27人のプロフィール 78
A 対象者との「出会い」 78
B 3つの患者会 82
C 27人の特徴 85
第U章 〈生きる〉ことの危機―自明な世界の崩壊 97
第1節 脳卒中の発症 99
A 突然の発症 99
B 自明な世界の崩壊 104
第2節 危機の諸相 107
A 生命の危機―第1の位相 107
B コミュニケーションの危機―第2の位相 112
C 身体の危機―第3の位相 117
D 家庭生活の危機―第4の位相 123
E 社会生活の危機―第5の位相 132
第3節 人として〈生きる〉ことの危機 140
A 〈生〉の統合性の喪失 140
B 未来を絶たれる―「治りません」 147
C 死への衝動 150
第V章 病いの現れ―〈生きる〉ための試行錯誤(1) 161
第1節 生命の危機からの試行錯誤―第1の位相 163
A 救命救急医療 163
B リハビリテーション医療 166
C 訓練室での訓練 170
D スケジュール外の病院での訓練 175
E 回復への「希望」を持つ 177
第2節 コミュニケーションの危機からの試行錯誤―第2の位相 182
A 言語訓練 182
B 「治る」ということ 186
第3節 身体の危機からの試行錯誤―第3の位相 189
A 入院中のリハビリ訓練の困難 189
B 入院中の試行錯誤 192
C 退院後の試行錯誤 195
D 身体の回復 201
E 回復の再定義 213
第4節 家庭生活の危機からの試行錯誤―第4の位相 220
A 采配する家族 220
B 家族の形を変える―介護の形 225
C 家族のために働く―経済的状況 230
第5節 社会生活の危機からの試行錯誤―第5の位相 234
A 復職 234
B 通勤のための試行錯誤 239
C 仕事をするための試行錯誤 243
第W章 病いの受け容れ―〈生きる〉ための試行錯誤(2) 253
第1節 生命の受け容れ―第1の位相 255
A 受け容れるということ 255
B 「障害受容」の陥{かん}弄{ろう} 257
C それぞれの受け容れ 260
第2節 コミュニケーションの困難の受け容れ―第2の位相 265
A コミュニケーションのための道具 265
B 話せないことを受け容れる 268
第3節 身体の受け容れ―第3の位相 273
A 移動のための試行錯誤 273
B 身体の可能性を見出す 280
C 新しい身体に「慣れる」 284
第4節 家庭生活の受け容れ―第4の位相 287
A 家族が生き方を変える 287
B 家族をかえりみる 292
第5節 社会生活の受け容れ―第5の位相 300
A 職業生活の回復の困難―復職への障壁と断念 300
B 復職してからの困難 303
C 新しい生活 307
第X章「出会い」と「変容」―「新しい自分」になる 319
第1節 「出会い」―重要な他者との相互行為 321
A 医療専門職との出会い」―フォーマル/インフォーマルな関係 321
B 家族―改めて「出会う 327
C 同病者―仲間 331
第2節 他者の「変容」 337
A 医療専門職が変わる―制度外で支援すること 337
B 家族が変わる 340
C 同病者の中で変わる 342
第3節 「新しい自分」になる 347
A 「笑える」ようになる―「命日」と「誕生日」 347
B 「変容」と「持続」 354
終章 再び〈生きる〉ために 363
第1節 〈生〉の統合化―危機の中から立ち上がる主体 365
第2節 病いの経験―多様性に開かれる契{モメ}機{ント} 370
第3節 「弱い主体」が〈生きる〉 373
第4節 人々の声に基づく制度と社会の改革へ 377
おわりに 385
参考文献 388
索引 398
*作成:植村要*/青木慎太朗
*http://www.ritsumei.ac.jp/acd/gr/gsce/g/uk01.htm