『「つきあい」の戦後史――サークル・ネットワークの拓く地平』
天野 正子 20050401 吉川弘文館,286,6p.
■天野 正子 20050401 『「つきあい」の戦後史――サークル・ネットワークの拓く地平』,吉川弘文館,286,6p. ISBN-10: 4642079408 ISBN-13: 978-4642079402 \2940 [amazon]/[kinokuniya] ※
■内容
戦後の歴史的空間が生んだサークルとネットワーク。
メンバーの自由な「つきあい」から、教育、反戦、アジア、女性など多様な主題と取り組み、時代への深い問いかけをしてきた。
その軌跡を追い、共同性の新しい形を探る。
■目次
はしがき
序章 「つきあい」が思想をつむぐ
1 小集団のもつ意味
2 「つきあい」は何を生み出すか
3 つきあいとコミュニケーション
4 どんな小集団をとりあげるか
5 時期区分の基準
1 「助け合い」と「文化」が結ぶ――第一期 サークル揺籃期(一九四五~五四年)
1 敗戦の刻印――第一期のサークル見取り図
2 群れて生きる――受難の体現者「パンパン」
3 動けぬつきあいと「ぐるみ」闘争――炭住の主婦会
4 つきあいが学校を創る――鎌倉アカデミアと京都人文学園
5 はだしの研究者たちのつきあい――民科「婦人問題研究会」
6 家族のサークル化――『たいまつ』
7 もう一つの科家族サークル――「筑豊文庫」
8 秘密がつなぐつきあい――中井正一と山代巴の地域文化運動
9 書くことをめぐるつきあい
(1)自己教育の世界
(2)存在の表現――「生活をつづる会」
(3)投稿者・読者・編集者を結ぶ人生雑誌サークル――「縁の会」
2 「危機」意識と「異質性」が結ぶつきあい――第二期 サークル開花期(一九五五~六四年)
1 高度成長期の刻印――第二期のサークル見取り図
2 「まちのすみ」から世界へ――「杉の子会」
3 語るものをもちすぎたもののつきあい――「原水禁広島母の会
4 女性読者のジャーナリズム参加――「希交会」と「草の実会」
(1)『レイテ新聞』から「ひととき」欄へ
(2)「お手伝いさん」のジレンマ――「希交会」
(3)話し合いと行動の間――草の実会
5 差異を交流の契機へ
(1)共有と占有の間―『サークル村』と『無名通信』
(2)差異と持続――山脈の会
(3)土着と離脱――エミールの会
(4)「つきあい」の質を問う―仲間の自死とむきあう「『坂ちか子』刊行委員会」
3 終焉と出発――第三期 つきあいの多元化へ(一九六五~七四年)
1 ポスト高度成長期の刻印――第三期のサークル見取り図
2 「記憶」を軸としたつきあい
(1)シベリア抑留者のつきあい――アンガラ会
(2)シングル化時代の先駆け――独身婦人連盟
3 アジアへの視線――アジア女性交流史研究会
4 ライフスタイルを変える「百姓」ネットワーク――「健全な農産物をつくる会」
5 「さなざまな」リブのつきあい方式
終章 もう一つのプロローグ――脱力型サークルの時代へ
注
主要参考・引用文献
あとがき――「わたしとは人びとのつきあいの総和である」
索引
■引用
■書評・紹介
■言及
*作成:三野 宏治