『パラサイト社会のゆくえ』
山田 昌弘 200410 ,ちくま新書,187p.
Last update:20110124
■山田 昌弘 200410 『パラサイト社会のゆくえ』,ちくま新書,187p. ISBN-10: 4480061959 ISBN-13: 978-4480061959 \714 [amazon]/[kinokuniya] p0206
■内容(「MARC」データベースより)
親に基本的生活を依存する独身者を著者が「パラサイト・シングル」と呼び始めてから、七年あまりがすぎた。この言葉はすっかり定着したが、実はこの間にパラサイトたちは密かに変容していた!かつては、「本当は自立できるのにリッチな生活をしたいから」パラサイトしたのだが、現在では「正社員にもなれず、自立したくても自立できない」貧乏パラサイトが主流となっているのだ。この九〇年代後半のパラサイトたちの変容の背景には、日本社会の地殻変動がある。自殺者数の増加、離婚率の高まり、青少年犯罪の増加などさまざまなデータ・現象を手がかりに、日本の家族のゆくえを多面的に分析する。
■目次
はじめに―社会学ほどやりにくい商売はない
序章 パラサイト・シングルの変質―一九九八年問題
Ⅰ 永久就職は今や昔―平成結婚事情
1章 「離婚、一分四九秒に一組」
2章 二〇五〇年にお年寄り三五%超す
3章 四人に一人「できちゃった婚」①
4章 四人に一人「できちゃった婚」②
5章 卵子バンク開設へ
6章 バレンタイン、手作りで「友チョコ」
7章 大学、短大、増える募集停止
Ⅱ 欲しいモノがない―子ども社会の変容
8章 三人に一人は夢がない
9章 パラサイト親子の背後に祖父母あり
10章 「お年玉二年連続減少」
11章 子どもの学力低下、四人に三人が「不安」
12章 「不登校」という言葉に潜む責任回避
13章 「なんちゃって制服」増殖
14章 別学?共学?やまぬ論争
15章 ハリー・ポッターに見る理想の学校・家族
Ⅲ パラサイト社会の裏側
16章 中年女性がプリモプエルにはまる理由
17章 「若年フリーター増に警鐘」①
18章 「若年フリーター増に警鐘」②
19章 中年男性の自殺急増
20章 「犬だって鍼灸」―ペット狂騒曲
21章 家族を映す年賀状
22章 年金、年金、また年金①
23章 年金、年金、また年金②
24章 「中高年独身者の五七.四%が将来に対して不安」
おわりに―努力すれば報われる社会の再興は可能か
あとがき
■著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
山田 昌弘
1957年東京都生まれ。1986年、東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。現在、東京学芸大学教育学部教授。専門は家族社会学・感情社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
■紹介・言及
橋口 昌治 200908 「格差・貧困に関する本の紹介」, 立岩 真也編『税を直す――付:税率変更歳入試算+格差貧困文献解説』,青土社
*更新:樋口 也寸志