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安積遊歩インタビュー


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生を辿り途を探す――身体×社会アーカイブの構築

2017年10月30日
安積遊歩さんインタビュー
聞き手:白杉 眞

安積 ピアカウンセリングのことを知りたいって言ってた?

質問者 いろいろあるんですけど、なんやろ、ダスキンの海外行く事業ができたでしょう?

安積 行った?

質問者 行きました、行きました。

安積 何回生なの?

質問者 20、20…やすっち?と一緒ですよ。

安積 ああ本当!?なんとまぁ、いろいろみんなつながってるんだね。やすっちも行ったんだっけ?なんで知らないでいるっていうのすごいね。

質問者 25ぐらいだったと思いますね。

安積 ちょっとこないだあなた、じゃぁセンターに来てた?来てない?

質問者 来てました。うしろの方にいたんで。

安積 本当!?笑える。わたしは急いで帰ったじゃんね。もう、申し訳ないと思いながら。後ろ髪引かれる思い。やすっちのあまりのクライエンティングにちょっとまぁいいやとも思ったけど。もうちょっと自分たちでやるんだっていうのを、まぁいいや、それも置いといて。20何回生なの?

質問者 25ぐらいですね。

安積 ふーん。幸恵さんは行った?

岡本 わたしは行ってないです。

安積 今度、子連れで行かせてくださいって言ってみな。35になった?

岡本 なってないです。今、31。

安積 ほんとう。子どもと家族全体で行かせるという試みはどうでしょうかって提案してみ。あのね、やっぱり障害を持つ女性の家族みたいな、障害を持つ女性の子育てを子どもを連れて見るみたいな。そういうのもいいかもよ。自分で書いて、行かせてくださいって言ってごらん。わたしの友だちなんて35過ぎてたのよ。40近かったくせにね、がんばって書いて書いて通っちゃったから。ああいう民間のはね自分の熱意ってのが一番だよ、情熱というのが。国はダメだけど。あほくさいことばっかりだ。

質問者 行かはったんですか?

安積 第3回生。栄光の第3回生だ。なんでかって言うと、とにかくわたしはあまりにも英語ができないから、マイケルウィンターに強制送還の憂き目に会いそうだったわけ。英語ができなすぎて。わたしだってそんな別に英語ができないから、一瞬、ほんとに嫌だと思ったっちゃったんだけど、ロレインというね、すごいね今でも仲良くしている先生がアメリカ人、ミスタードーナツを教えてくれたわけ、リハビリテーション協会で。それ、もう入れた?それじゃめっちゃもう入ってるんだ全部。
 その人がフェミニストでレズビアンで、エコロジストで。いろんなボランティア、エイズの問題でもボランティアしてて。わたしが関心があることに、全部関心があって。すごいなんでもかんでもしゃべってくれるわけ。英語の勉強どころじゃないわけ。だからわたしは彼女にあっちにも連れてって、こっちにも連れてってと、こうね、性の問題とか、いろんなことについて質問をすると、全部に答えを返すわけ。最後にレズビアンだからさ、最後じゃない、最初の方で、レズビアンが差別されるっていう話はいっぱい聞いて、セクシャルとか、あのころはエイズがすごくなってたからね。エイズの原因はホモセクシュアルだぐらいの勢いだったから。で、もうサンフランシスコでジェームズ?が一物つけられたり、すごい大変な状況があったからそんなに差別されるのが嫌だったら、レズビアンやめればいいんじゃないって言ったら、めっちゃ議論になって怒られて。レズビアンがやめることができないのは、あなたが障害者をやめることができないのと同じように、これは自己選択と自己決定の問題なんだっていうふうに言ってきて。あのころ、選択的レズビアンというのもあったね。その比較的、レズビアンの中にセクシャリティがどうのの問題は、ジェンダーを考えれば選択的レズビアンというのはわたしの中では、ジェンダーから考えればすごい男社会だから、女同士がカップルをつくって男社会の中で生き延びようとするのは、すごくよく分かるんだけど、でもなんだ…今は選択的レズビアンとか、まったくセクシャルマイノリティーの間では選択的レズビアンというカテゴリーに対して異議を唱える人の方が多いね。選択的レズビアンというのがあるのかないのか。でもあの頃はあったわけ。かっこいいなと思ったけど。日本では障害を持っているということでの闘いに明け暮れて、地方出身とかね、障害を持っているとか、とにかくいろんな地方、福島県出身で東京に暮らしてたのもそれなりの差別だし。とにかく原子力発電所もあるし、ありとあらゆる差別と闘わなきゃならないのに、レズビアンにまでなる気は、それを引き受ける?差別と闘うということが本当に障害をかけてやってることだからさ。差別をなくすという闘い。???自分たちの命が根絶やしにされるか、差別が根絶やしになるか、自分たちの命が根絶やしになるような状況が。せっかくねぇ、優生保護法を廃止したのに出生前診断だからね。わたしとかさ、幸恵さんのような子どもたちが生まれなくなるよ、これから。99%だっていうから。一応、表向きはダウン症と、あとなんだっけ、なんとかかんとかということの出生前診断なんだけど、わたしの娘もそうだけど、お腹の中で骨折してることが分かってたから。あれで生むって言ったのは、やっぱりわたしが本当に確信犯というか、闘っていたからだと思うよ。これ飲むの?だからあれで生むなんてもう、とにかく障害があろうとなかろうと、産むというのは?があるんだけど、あまりに障害者差別が厳しいってね、女の人には見えるから99.9%。神経検定知ってるよね?知ってる??がつくってる。そこでこないだ産婦人科医とあれしたらさ、出生前診断を使って中絶する人たちが97とか98とか言われてたけど、たぶん医者自身でもそれ嘘で、100だろうなと言ったとか言わないとかって話を聞いたから。だってさ、わたしたちみたいに幸恵さんだって簡単に中絶するなんて絶対選ばないと思うけど、自分と同じ障害だったら。でも、ほんっとにすごい正直言って、ものすごい重度で寝たきりで40で産んだから、ものすごいやっぱり自分の中での一瞬の闘いはあったよね。でも画面を見たときに、本当に重度で寝たきりだったらという一瞬の闘いはあった、正直に。でも、それで医者に相談したらさ、あなた安積さん?。その医者がいい奴でさ。やっぱりフェミニズムっていうのは、フェミニズムだけじゃないね、差別への闘いってのはさ、共感されて広がっていくことでしか変えられない。人の力でしか変えられないから。彼女がいなかったら、彼女じゃなかったらさ、って本当に産まないという選択はなかったと思うけども彼女がいてくれたことで喜びを持って。中絶の方が出産より簡単だという間違ったイメージがすごくあるから、一生後悔すると思うよと言われて、その通りだと思って。重い障害を持った子どもだったらというのも、もちろん一瞬あったし、あと自分の命を失ってでも産むことになるかもしれないのかもしれないという恐怖、恐怖というか、もったいないみたいな。やっぱりもし産まれるんだったらねぇ、だから健常者の親が健常者の子どもを望むのがよく分かるんだけど、自分が得てきたものをすごくちゃんと伝えたいと思って。もうわたし自分と同じ障害であるということは、100%産んだかもしれないけど確信してたから。でもプラスアルファ、?障害、わたしだからさ、選ばれるかもしれないぐらいに思ったから。でも、なんかその、最近、子どもは親を選んで産まれてくるんだよ、みたいな結構スピリチャルなこう、なんというか、そういう医者のそういうところにも100%乗るつもりはないんだけどね、あんまり。あんまり役に立たないと思う。分かんないけど。子どもを同じ障害ぐらいだったら、絶対産むよね。だからやっぱり障害のない人たちは障害のないというところで、自分が得てきたものを継承したいって思うんだろうなということもちょっと分かる。でも、だから絶対自分の子が自分と同じ障害を持ってると思ったからこそ絶対産みたいと思ったしね。絶対手術はしないとか、絶対くだらないリハビリはさせないとか、ギブスはさせないとか。ギブスはさせない、レントゲンはさせないみたいなね。だからわたし骨形成不全症でさ、一回もレントゲンもギブスも、レントゲンはね、やっぱり医者といい関係をつくんなきゃなんないと思って。もうちょっと治ったころに一回ぐらいずつ連れてったんだけど、それも4,5回で終わっちゃったんだけど。娘になんで行かなきゃなんないの?って言われてそれもそうだと思って。危ないレントゲンにね、曝すなって。それも医者をいい関係をつくるというだけでも。でもな、今でもちょびっとあるね、医者って言うか、全ての人と関係をつくっていくというのは大事だから。だから野島さんに驚かれたよ。とむくんが札幌まで来てなおかつ今日も会うとか。わたしがこう丁寧に関係をつくろうとしているということが、ああいう子はすごい、素晴らしいみたいに言われて。そうですね、自分でもそう思うけど、やっぱり関係というのが、今日もここで呼んだのは二人、みんなが出会ったらいいなと思って。障害を持った人たちのやっぱりね、ネットワーク力というかねぇ、介助ということで人が必要だということが、今の社会にはものすごく大事なだよな。じゃなかったらさ、この若い人たちのバラバラさ。ねぇ、SNSとかでバラバラにされるのをどうやってつなげるのって感じだよね。本当に今はちょっといろいろね、わたしはネガティブな気持ちも、すごい、こう最近の日本の現実を見て、孤独という病のすごさに、もうね、のけぞっちゃってるんだけどね。やっぱりね、わたしからすれば、孤独は病なんだよ。だって小さい子どもか年寄りとかさ、障害持った人ってのはさ、孤独の中だと絶対育たないじゃん。孤独とか孤立とか。結構、重症な病。だから、重度健全者だよな、ほんとな。だれか言ってたけど。孤独、一人にならないと自分でいられないみたいに言う人結構多いじゃんね。うち、今日ね、うちシェアハウスしてっから。二人いるのね、男の人と女の人。沖縄の人がね、沖縄から来た子がいるんだけど、「もう一人の時間が必要なのーっ」て言うからさ、ね、それは孤独という病を得ながら生きてきたわけだからさ、すぐにさ、わたしみたいにいつでもだれかいた方がいいなんてなるわけないんだけど。だから、いいよって言って、もちろん一人で。でも家の中にはだれかいるいるからね、全くの孤独というわけじゃ全然ないし。家にいても全然もちろんいいよ、って言ってるけど、若い人が自分が他人にどう見られてるかってことでさ、もう苦しくって苦しくて、だったら一人でいた方がいいみたいな。ほんとにわたしの発想の中にはない、どうしようもない孤独さ加減を抱えさせられて、年寄りになったらどうすんの?って感じだね。だから障害を持ってるってことは、人と人をつなぐ、ほんとにこう、大事な大事な役割というかお仕事というか。人類のピアですよ、人類ピアカウンセリングをする役割だわなぁ。ほんとに。

質問者 そういのが、ヒューマンをつくってみた、そういう活動名は?

安積 ヒューマンケア協会をつくったときは、中西さんに誘われて、それでなんかその前に結婚差別をめっちゃ受けてたから、もうあんまり、なんていうかな…。障害者の活動の分野じゃなくて、フェミニストがおもしろいと思って。アメリカで、英語しゃべれるようになったじゃない? だから日本語教師になろうとか、それからアメリカとかヨーロッパのフェミニストのグループに顔を出したり。まだまだ日本のフェミニズムって自分の中できちっと?してないからさ、それからマクロビオティックって、やっぱりこのなんていうんだろうね、食べ物も完全に優生思想に支配されてて、食べ物が優生思想に支配されているってどういうことかよくわかんないだろうけど、やっぱり大企業のコントロールの中に食べ物がものすごくあるわけだ。だから皆こう癌とか成人病とか、めっちゃくちゃさ、そこに小児糖尿病とかとにかくなんというのかな、よく考えられない状況を食べ物が、アメリカの資本が戦後ね、小麦粉とミルクをぶわーっと日本に入れて、日本があまりにも忍耐強くて賢いというかね、人を殺しても、めちゃくちゃ日本人、中国、アジアの人たちをしまくって。それで17カ国に大東亜共栄圏構想なんてさ、旗上げちゃったわけだよね。アジアを支配するみたいな。そういうことに対して、アメリカが恐れて、『アメリカの小麦戦略』という本もあるんだけど、読んでみ。すごいから。という日本が、日本がとうか、わたしたちの身体がどんなふうにこう、大企業や資本によって、だって食べ物で身体ってつくられてるわけだからね。わたしたち障害を持って生まれてくるけれど、まったく悪くないという現実に100%立ってるんだけど、他人からコントロールされるというのが嫌なわけ。それは他人からのコントロールを受け入れるということは優生思想に完全に巻き込まれてると思うから、マクロビオティックというか、玄米とかね、そういう食べ物の食べ方とかも考えながら。忙しかったから、中西さんに誘われたとき。自立生活センターつくろうとか言われて。

質問者 ほかにだれがいはった?日比野さんとか?

安積 うん、中西さんね、いっぱい誘ってたわけ。3、4人、5、6人、10人。中西さんの誘いに応じたのが、わたしと樋口さんと阿部〔司〕さんというわたしと一緒にアメリカに行った。彼は銀行で翻訳の仕事をしてたから、そんなにいっぱいは関われなかったけど。後何人か。ピアカウンセリングをアメリカで学んできたから、遊歩さんやって、やろうよっていうふうに、ピアカンという言葉をそれは彼がそこでさ、すごく言ってきて。わたしもいろいろ忙しいけど、フェミニズムもね、ピアカウンセリングだしね。やっぱりピアというところの、やろうかな、と思って。結婚差別でさ、福島の人たちからポーンと東京に飛んで、この間東京に26年暮らして、今度はもう原発が爆発したら、もう絶対日本は終わりと思って。娘の命を助けなきゃってんで、ニュージーランドにも行けるというこの身軽さね。すごいね。自分にとってなにが一番大事かというのが、たいていいつもよく分かってるべな。よかったよかった。アメリカに行ったときも。アメリカに行ったときは、本当に障害者運動が大事だと思ってたから。そこで学んで、日本にね、なんか丸山さん、福祉専門官知ってる?丸山さんが中西さんに、自立生活センターと言うのがあるんだよということをそそのかしたんだけど。丸山さんは、そそのかしたといったけど、言ってね、伝えてくれて。丸山さんは、それをなんだっけな、『われら自身の声』 (DPI日本会議の機関紙)とかなんとかっていう雑誌に書いてて。わたしは福島の片田舎だったけど、それを呼んで、丸山さんという名前だけは知っていて。でもわたしは本当にね、自分がね行けるとかそういうふうにまぁ、やっぱり福島っていう保守性の中で、なかなか思えなかったから。ある日突然、ミスタードーナツから申込書が来たわけ。自分が出してないのに、なんであっちから来るんだなんて喜んじゃったらさ、わたしのすごい大事な介助って言わないんだ、たまに闘う県人者?の仲間がわたしのために取り寄せただけだったのが、あとで分かってずっこけたけど。でも、とにかくあの、アメリカに行くときも、絶対これで世界を変えようと思ったし、東京に行くときも、今度こそ自分の人生は自分のものだから、自分のために生きようと思ったんだけど、でも中西さんに誘われるうちにおもしろそうだな、ということと、やっぱりね、アメリカで学んだんだから、学んだことをちょっとやってみたいなという、やっぱり好奇心で。そうそう、わたしのライフワークじゃない、わたしの人生の一番のあれは好奇心なんだよ。それと社会変革への意志だったんだけどね。最近、ほんと社会変革への意志はもうちょっとこう、疲れ果ててきてる、ちょびっとね。

質問者 じゃぁヒューマンつくるために東京に出て行って?

安積 反対、反対。わたしが東京に行ったのは結婚にめっちゃひどい差別を受けて、でも福島には結婚差別されて相手の親に殺すって言われて。わたしの本読んでくれなかった? 読んでない? 『癒しのセクシー・トリップ』とか。そこに書いたんだけど、ものすごい差別されたもんだから、もうなんちゅうのかな、こんなとこにいたら殺されるということを本当にほら、交通事故に遭ってひき逃げされて4ヵ所ぐらい骨折したのね。鼻もちょっと曲がってるの。そのときの交通事故のせい。とにかく交通事故に遭ってひき逃げして「お前を殺してやる」と言われて、その通りになったわけ。で、入院中に殺されそうになって、ひき逃げ事故と彼らの言ってたことが本当イコールかどうか分かんないんだよ。ひき逃げ事故は単に事故かもしんないんだけど、ま、とにかく、この社会からわたしたちは殺される存在なんだということの中で、ではなんで殺されたい、殺さるかもしれないような結婚に自分はまい進したのかって読んでみたら、いろんなフェミニズムの本を読んでみたわけ、ね。
 ロレインにも話は聞いていたよ。レズビアンの彼女にも。結婚制度というのは日本の、女性のためにあるもんでは全くないとは聞いてはいたけど。それでも結婚して。自分のために生きようってアメリカですごい思ったわけ。障害者運動で他の障害者のためにも生きようとかさ。他の障害を持った人が幸せになんない限りわたしの幸せはないぐらいに、宮沢賢治だったんだけど(笑)。宮沢賢治って知ってる?世界にたった一人でも不幸な人がいるんなら、それは幸せな社会とはいえないというね。でも、なんつうか人類ってさ、同じことを思うんだね。キューバのゲバラも同じようなことを言ったんだよね。ま、とにかくだ、わたしもそういう気分はあるからさ、すべての人が幸せになんない限り自分が幸せだなんて、今はすべての人だけじゃなくてすべての命と拡大しちゃったからさ。気持ちがね、肉食反対だし。
 ま、とにかくそれで、ニューマンケアに誘われたのは、結婚差別でものすごく落ち込んだけど、やっぱりあまりの好奇心で骨折が治ってから東京に出ようと思ったわけ。そしてさっき言ったように、フェミニズムのグループと付き合ったり日本語の教師になる勉強を始めたり、英語をキープするというんで。障害者運動とは半年ぐらいめっちゃ遠ざかっていたわけ。そしたら中西さんが、ちょっとガンガン電話がくるようになって、結構しつこかったから。好奇心も駆りたてられて、行ってみたら。おもしろそうだったから、一緒にやることにした。おもしろかったよ、中西さんタバコばっかり吸ってたから、わたしはどこでも何でも言いたいことを言う人だったけど、アメリカに行ったらもっと言えるようになったから。そんなにタバコ吸いたかったらゴミ袋かぶって吸え!とかさ。自分のゴミ袋の中で窒息してでも吸いたい、それぐらいの意志を持ってとかね。そういうふうに言いながらも、ピアカウンセラーで優しいから、どうやったら止めるのって言って、結婚したらぼく止めれるとか言うからさ。結婚しようとかさ、だれにでも言って歩いてるからさ、わたしがそのね、中西さんと結婚してもいいという人を探してこようと思って、今のゆきこさんに声かけたら二人は、わたしキューピットなのよ一応。でもね、あまりそれを言わない方がいいんだなってことがよく分かったから、これもカット。わたしタイまで行って中西さんのゆきこさんに聞いたんだから。タイにあの人働いていたから、ゆきこさん。「ゆきこさん結婚する気ないの?」「あるわよ」。「だれでもいい?」って言ったら「だれでもってことはないけど」「障害持った人もいいよね?」「もちろんよ」「あのさ…」とか言って中西さんを紹介したの。ね。タバコ止めてほしくてさ、結婚までお世話したってすごいよね。すごいピアカウンセラーでしょ?

■認定制度のこと

質問者 JILに認定制度ができたでしょう?

安積 あぁ、あれもね、わたしがつぶしたっていう気持ちがちっとはある。認定制度をつくった方がいいという盛り上がりがでてきて、でもね、わたしはピアカウンセラーがやっぱりヒエラルキーをつくるっていうのは絶対よくないと思って。バカげてると思って。認定制度のシステムもくだらないなと思ったけど、ピアカウンセラーって自分がほんとうに名乗りだして、名乗ることが有効で、ほんとうにお互いにそれを認め合える関係の中でピアカウンセラーと名乗ればいいのであって、国家のお墨付きとか、自立生活センターのお墨付きとかまったく要らないから、何回やったんだべな。何年までって書いてある?何年か認定制度?

質問者 一応、2004年にできてまだ98年。

安積 6年ぐらいでつぶしたんだ、やった。

質問者 あれはなんでつくろうという話になったんですか?

安積 いやだ、つくろうっても別にわたしの中ではないよ。ただあまりにも厚労省とかが、ピアカウンセリングを浅野さんなんかがね、わたしの話を聞いてピアカウンセリングという文言を、あの人は知的障害者のね?それがピアカウンセリングという文言をつくったり、厚労省がなにかこう、そういうのを利用してきそうだなという感覚があって、中西さんたちが、やっぱり男はすぐに対抗するからさ、ピアカウンセラーのヒエラルキー、認定制度をつくった方がいいんじゃないかみたいなことを、言ってきたんだよね。言ってきたってか。わたしも最初のうちは、あまりにも障害を持った人たちが意志を持ってこの世界を本当にいいものにしたくて活動してるってことに対する評価があまりにも低いから、ちょっとは生活保護だけでさ、ずっとみんな生活してたから。まぁピアカウンセラーということでお金が出るのもいいのかな、みたいな。だから、それがアメリカなんかさ、"Tax payer"税金を払う人になるために、なることがやっぱりこの社会に混ざることだみたいなね、資本的主義的ね、ちょっと。わたしの中ではアホだなって、今でもやっぱり。アホだというか、そういうふうにはなりたくないぐらいの気持ちはあるんだけど。かといって、あまりにシステムが強固だから、そこから外れるとやっぱりさらに認められない。命が命そのものとして大事にされるみたいなさ。だれもそれが、モデルがないからさ。だからヒエラルキーをちょびっとつくって、でやっぱりピアカウンセリングの大事なんだみたいなさ、そう言う方が効果的かなみたいなことを思ったよね。思った正直言って。そんな、大そうなときには、めっちゃ反対しなかったから。でも、やっていく中でピアカウンセリングというのは本当にどうやって助け合うか、どうやって聞くということがどんなに大事かとかね。わたしのやっていたピアカウンセリングは、その再評価カウンセリングをわたしは学んでやってたから、感情に対する理解とかね、そういうほんとうにいろんな観点、やっぱりわたしは今でも当たり前だけど、人間とはどういう者かというときに感情と思考と行動。やっぱり常にこう、あっての人間だと思うんだよね。感情と思考と、何?ちっちゃい子はもう感情と行動、ね。もちろん考えてるけど、それをなかなか言語化なかなかしにくい、できない状況にいるわけだけど。だけど感情だけは、だれでもとにかく、もちろんあるわけじゃない。快不快とかをちゃんと言えるということが、他の人々をなんというかな、つながりをほんとうにつくっていくわけで。とにかく、ピアカウンセリングというのは大事だな、思ってたからこそ、これをやっぱりこの社会のシステムの中で汚したくないというか、汚したいとかじゃなくて、なんだろうな、巻き込まれてね、ぐちゃぐちゃにしたくないなという感じがして、止めよう止めようってこう何回かね。やっぱりそこでお金をもらうためにピアカウンセラーの認定書をもらうんだとかさ。まぁだから、ピアカウンセラーの認定の条件に二人は自分にとっての大事なピアカウンセラーがいることとかさ、そういうことを言ったんだけど、そういうのって確かめるのが難しいじゃんね。その人との関係性をレポートにして出せとかさ、そういう、それもまた今度、個人情報保護法みたいな、プライバシーみたいな、なんかどうでもいいことの中に消え去ってだれていくからさ。また回数だけ。何回上級コースに出たかとかさ。何回どうだったか、こうだったか、というだけになるからね。初級何回出たかとか。まぁ、ほんとうにシステムというのは、ほんとうにいい聴き手になってほしくて学びの場を与えたとしても、今度はシステムになると、その学びの場を何回クリアしたらどうだ、こうだみたいな。

質問者 認定をなくすときに、どういう働きかけをしたのかとか?

安積 わたしと野上さんとか樋口さんとか、結構同じ考えだったから、わりと結構あっさりもう止めようとか言って。やっぱりお金お金っていうね、障害者をつくったってしょうがないわ、やっぱり。もう、まだまだ生活保護とって、ほんとにやりたい、障害持った人がさ、やるという、やっているというような自立生活センターの状況があった時代でもあったかから、2001年になくなったんだか?

質問者 2004年。

安積 2004年。だからやっぱりこう、本当に分かんないよ。お金に対する価値観が障害を持った人たちの間でも、むっちゃがめつくなってさ、他人の話を聞くどころじゃなくて、自分の名誉とかそういうものに流れることは止めた方がいいよねっていうのは結構。毎回認定委員会でレポートを読むんだけどさ、そのレポートなんかを読んで、自分は何回出ましたみたいな、自分は何回出たということがパスポートになっちゃうみたいな。

質問者 認定委員会の委員だったんですか?

安積 うん、うん、そうそうそう。うん、そうだよ。自分でつくったんだから(笑)。そりゃそうだ。ピアカウンセリングつうのも本当にヒューマンケアを通じて、言葉をばらまきまくったんだから。

質問者 それじゃあ樋口さんも野上さんも、みんな??

安積 あとだれだっけ?亡くなった成川さん。なんか頸椎の人とか。おさむさんとか中西さんなんかも、たまに来てたと思うな、おさむさんもいたな。ねぇ、うん。ピアカウンセリングの教えるクラスとか、そういうのに積極的に参加してんのよ、中西さんなんかもさ。来てなんだかんだ言うからさ、そういうのもちびっとね、ほんとに男社会だな、みんなって思ったね。止めよう止めようと言って。でも、わたしたちがピアカウンセリングの委員会は結構女性が中心でわたしたちが力があったから。力というか、わたしたちの考えが通ったから。

質問者 そのときの委員長は?

安積 樋口さんだったんじゃないかな。分かんないね、忘れた。認定員会と、JILの中のピアカウンセリング委員会は違うもんね。

質問者 認定委員会の代表者みたいのがいたんですか?

安積 全然、忘れた。そういうどうでもいいこと、全然記憶にないんだよ(笑)。もうね、そういうことはあまり本質的ではないということをいっぱい書いて。わたしたちが、本当につけなきゃいけない力は、やっぱり人と人と本当に助け合えて、対等なんだということを、障害を持った人の方が多分、重度健全者よりはつけられるから。つまりもう助け合うということに価値がないというふうに小さいときから障害持ってないと、ある意味教えられるわけじゃん。とにかく競争して一番になること。少しでも成績とか収入とかが高い方が幸せなんだって、まったくその情報を教えられている人たちより、わたしたち障害を持った人たちはまったく違うよと。そんな。そういう幸せっていうのは、まったく本質的じゃないから。これだけ自殺者が出て、これだけの破壊が行われてて。やっぱりわたしたちが伝えるべきことは、わたしたちが生きられなかった時代、つまり先住民の人たちの文化を見ると思うんだけど、先住民の文化の中でこれだけお互いに殺し合うなんていう、近代人とか言うけどさ。とにかくこんな殺し合って、いつまでも、人類全体を命全体を滅亡しそうなさ、核をつくり、そこの中でやっぱりわたしたちの存在こそが、わたしたちが生きられなかった時代、つまり自然の脅威って、自然の。でも生きられるようになったということは、すごく大きいことじゃん、ね。それを核戦争とか、さらなる産業革命、進歩とかそういう幻想をやめて、今持っているものでどれだけ分かち合って、どれだけ助け合って生きれるかをわたしたちこそが教える人になんないと。もう本当にわたしたちを抹殺するということをさ、重度健常者社会はめっちゃは考えてるね。孤独という病に冒された人たちは。本当にわたしたちを抹殺でしかないからね、これからは。だってどう考えてもおかしいでしょ?やまゆり園事件がさ、親が名乗りをあげなかったという事態ね、本当に障害を持った子どもは本当に恥で、死んでくれていいんだという社会を本当に現したことだなと思うんだよね。
なんの考えっていったって死刑だよ。出生前診断というのは、胎児に対する死刑制度だからね。ねぇ…。中絶のビデオ観たことある『沈黙の叫び』という20分ぐらいのビデオがあるんだけど、アメリカの医師が中絶しまくって、何万件もやって、実際中絶ってどうなんだろうと思って自分がやってきたことをビデオに撮った。何十年も前の、だから映像はあまり良くないかもしれないけど。なんだっけあと、フェミニストと一緒に撮ったんだよ、そのお腹の中の赤ちゃんが中絶されるときに、どういうふうに動くか。めっちゃ逃げ回ってるからね。それをさ、もうぐっちゃんぐっちゃん、ぐっちゃんぐっちゃんつぶしていくわけ。

質問者 なんかそれ観たことある。

安積 あるでしょ?それが障害持ってるというだけで、やり続けているっていうのは、障害を持っている、イコール死刑という社会じゃん。やまゆり園事件もそうでしょ?障害、イコール死刑、それで親が名乗りをあげない?こんなバカな社会、ほんと疲れる。ほんと最近疲れてるんだよね。それで、北海道にいるからさ、ミサイルが飛んできたとか、なんていうの、軍需産業と人と助け合えないことだけをよしとする、殺し合うことだけをよしとする社会に。まだまだ死んでるんだなと思って。だから先住民の文化の方がものすごく、お互いに助け合って大事にしようと、ただそこで、やっぱり科学的なのがなかったから、障害を持った人に対してある意味残酷にならざるをえなかったことがあると思うんだよね。自分で生き延びてくださいって。だからアイヌ、北海道だからアイヌの人たちと付き合うと、アイヌの人たちはすべての命は神様からくるみたいになってるから、ちっちゃい子たちに神様があまりに可愛くて嫉妬して命が取られないように、ちっちゃい子どもたちのことをね、汚い言葉で呼ぶんだって。名前で。名前じゃないんだな。ちっちゃい時は3歳、5歳、6歳くらいまではちゃんとした名前がないの。「くそ」とかさ。汚い言葉で呼んで、神様に嫉妬されないようにするんだって。可愛い、おもいしろいね。5歳とか6歳まで生き延びたら、正式な名前が与えられるみたい。おもしろくない?でもわたしたちが医学ちゅうのを作って、生まれた時から生き延びれる子は生き延びれるわけよ。ましてや医療的ケア、医療的ケアがあって、どんどん生き延びれるから出生前診断も本気だよね。そりゃなぜかといったら命がお金でしか、ナンバー、数字でしか換算されない社会だからさ。でもありえないよ。絶対さ、お金が足りん。医療的ケアで生き延びてる子どもたちってのは今ね、介助者が足りなくてほんとうに足りなくて、大変だ大変だと言ってるけど、そのうち出生前診断をゴンゴン普及させてるわけだから、そんなには大量に生まれなくなるでしょう。そう思うけれどもそれが自然の采配のすごさで、そう言いながら生まれてくるとは思うけどね。でも家庭優生思想が怖いから。わたしの友だちなんて両方とも障害者で、だからある意味これはすごいと思うの。両方とも障害者だから。一緒に殺されたんだよ、子どもをね。生まれて未熟児だったから、保育器に入れればいいのに、両方とも障害者だから医者にずっと反対されてたのね。産むな、産むなって。ところが頑張って産んだわけ。そしたら奥さんの方が大変だったからそっちにかかりっきりになったからって、未熟児、低体重児を1時間放置して死んでから会わせたの。それ福島ね、福島でのほんとうの話。だけど彼はめちゃくちゃ怒ってたけどさ、ほんとうに誰もどういうふうにさ、それを追求できるかっていったら、できないわけ。二人とも生活保護でさ、ケースワーカーにだって反対されていたわけだから。
 だからこんなに生きづらい社会の中で、障害持った人が結婚したいとかさ、彼の名前に変えたいのなんて、軽く言われるとさ、もうちょっといろいろなこともっと勉強して体験して、それから結婚ということを一生懸命考えてね、なんて言いたくなるんだけど。岡本さんもごめんね。通称名乗ってる?通称なの?前の名前なの?彼の名前?彼の名前の方が好きだったから?

岡本 仕事をやる時は、そのまま山口?で、やってた時もあったんだけど。

安積 ああ、そうかそうか最近は変えた?結婚とは何かって、今からでもぜんぜん遅くないから勉強していいよ。わたしの知り合いなんて、結婚したほうが税金払わなくてすむからって、なんだっけ、源泉徴収、毎年結婚して離婚して結婚して離婚して、毎年繰り返してる。10回やってる人がいるけど。税金払わなくてもいいように。そういうふうに利用するならいいけれど、結婚幸せみたいなこと考えなくていいから。結婚とか制度は、ある意味ほんとうにひどいから、ある意味ね。制度で苦しめられてるのにさ、学校制度だって何だって。学校の制度もほんとひどいよ。特別支援とか勝手に(隔離)?分離教育しててどうすんのって。

白杉氏 また話が戻るんですけど、ピアカウンセラーの認定委員会ができて、よかった点てありますか?

安積 6年しかないんだから、あんまりないんじゃない。わからないわたし。一人苦しんでる人はいるのはいる。なまじっか自分はピアカウンセラーだって、言うことによって、偉そうになっちゃう気持ちを自分で抑えがたくて、苦しんでるように見える人を知ってるけどね。

白杉氏 逆にこれはやっぱり失敗やったなと?

安積 失敗というか、わたしの中では認定委員会も6年だけだったから、プライアルとしてはおもしろかったと思うし、わたしの中ではすごくね、ヒエラルキーに見えて、今言ったような話、助け合うとかそういうことにポイントというか、ほんとうにそこが大事にされていない社会の中で、あれを作っちゃったっていうのは、大変だったなと思うけど、そのことを6年で学んだということで、やっぱりそれはそれでよかったと思うよ。自分のことが賢いな、とみんなが思えたということ。思ったと思うよ。自分たちのこと樋口さんとか野上さん?とかわたしとかは、男社会の競争原理主義とかね、そういうことに巻き込まれないでよかったんじゃないってふうに。

白杉氏 やめようかと言ってた時に反対意見てありますか?

安積 だからグズグズ6年くらいは続いたのは、そういうことなんじゃない。反対意見というか、わたしも周りの助け合う社会を作るというのは、ものすごい大変なことじゃない。あっというまにシステムに飲まれるからね。過労死寸前までみんな働かされたりとかさ、数人せっかく作ったのにという意見も、もちろんあったし、でも6年やったからさ。たぶん厚労省とかも、ここにいっぱい?口出してこない、これないとかね。それで6年やって潰したらさ、ピアっていうのはヒエラルキーに乗っかりたくないんだってことも、わかったんじゃないかな。これでさ、知的障害者の方のピアカウンセラーまでも認定するなんて、いうところまで事業を大きくしてやってたら、わたしの中では、もっと大変だったんじゃないかなと思うけどね。もっと大変になってたかも。
 知的障害の重度のやまゆり園で亡くなられた19人みたいなさ、ほんとう命の原点っていうかさ、その人たちと今は言葉なき動物とやっぱり世界中で今、絶滅しつつあるいろんな生物たち、そこまでさ、想像力が飛ばせるというのが、わたしたち障害者のすごくいいところだと思うから。

白杉氏 今、ピアカウンセラーって普通に使われるじゃないですか。それが今の状況をどう思っているんだろうって。行政とか普通にピアカウンセラーって使うじゃないですか。そういう今のこの状況をどう思ってるんですか?

安積 正直言って使いたい人は使ったらいいけど、自分がそこで利用されているという、自覚を持ったらいいだろうなと思うんです。助け合う社会じゃなくて競争、排除する社会に組みさせられるような使われ方をしてるんだったら、やめるといいのにねって思うよ。別にでもひとりひとりがあまりに懸命に生きてんだろうから、とにかく自殺しないで生きててほしいと思う。妄想で殺されることなく。日常を省みながらガンガン、ガンガンお酒、タバコ吸いながらピアカウンセラーでござるなんて言ってるよりは、それをやんなきゃ生き延びられないくらい自分はつらいんだと、そういうふうにピアカウンセラーを名乗るたび、自分のつらさを思い出してとどまるような使われ方をしてほしいけどね。でもね、焦ってもしょうがないんだよ。ほんとう立岩?なんてね、あんなに頭良くったって酒飲みまくってるし、タバコも吸いまくってるのか?いやーもう馬鹿だね。
 いろんな人にあったけどすごい、賢いなと思ったのは辛淑玉。知ってる?辛淑玉って。『女に選ばれる男たち 男社会を変える』の本で対談してから、読んで。辛淑玉は賢いは。あの人はもうね、わたしの言いたいことビチビチビチってすぐわかったから。白杉さんもわかりなよ。わたしの言いたいこと。
 自分の命を清酒会社とか製薬会社とか、そんなタバコ産業とかに刺されてどうするのって。まずほんとうに社会を良くしたい、闘いたいと思うんだったらまず自分の命ね、ほんとうにお酒とかタバコの依存を減らして、やめて社会に向き合う。あんたの命を奪い取ることをさ、本望としている大企業、そこに完全に巻き込まれてるんじゃんね。そこで、ピアカウンセラーとか研究者とか、言ったってさみしい悲しい。お酒とかね、ほんとうに自分がもしいっぱい吸ってたとしたら、いっぱいだったら少なくすむだとか、ピアカウンセラーって名乗るたびに、自分と自分の命を大事にする仕事が必要なんだなと思い出すための名乗りはいいと思うね。ほんとうに助け合う社会にシフトしたいなというふうに、ピアカウンセラーと名乗るたびに、ある種わたしは、今はそういうふうに使っているからさ、肩書き何しますかって言われたら、人権活動家とか人権だけになっちゃうから、生命権活動家にしようかなとかね。全ての動物や植物や絶滅危惧種も全部、助かってほしいとすごい思ってるから。人権活動家は最近使わないで、ピアカウンセラーって名乗るたびにピアカウンセラーにしてって思う時に、ほんとうに助け合う社会を作りたいって、熱情と愛をね、そこに表現している気がする。気がするというか表現している。

白杉氏 これからピアカンを、どう受け継いでいってほしいとか思いはありますか?

安積 それもね、こないだも言わなかったけど、えっちゃんなんかとはさ?なんだっけ?霊験と降臨とか。独特の言い回しで、いいことにしようと思ったけど、なんだったっけ?あの単語がよくわからないんだ。わたし仙台で読んだときの英語なんだったっけ?レジエンシーなんだっけ?英語でカリスマがきたみたいな。そういった。男の人ってそういう世界を止めるために、ブラックユーモアというか、秘密で言ってるのかなと思って、いいことにしたんだけど、でもなんか、あのやすっちの話を聞いてると、本気でなんか負けようとしている感じがあるから、すごい人と自分がすごくない人みたいなことを、そういう社会を止めるためにやってるんだ。ひとりひとりがほんとに大事でいい人なんだとかさ、それがやっぱりもうちょっとね対等性とか愛情を受け継いでてほしいのはそこだね。人間の対等性というか、わたしも大事だからあなたを大事にしたい。あなたが大事だからわたしもわたしのことを大事にするという。そういうとこを受け継いでいってほしいね。誰かが誰かより偉い人で、誰かが誰かよりそうでもない人だったってそんなこと言ってたらさ、障害の重い人たちがさ、いつまで経ったって大事な人になれないじゃん。比較競争をどうやってやめていくか、スーパーレジントだっけ?降臨?とか。すごい冗談なんだろうなと。冗談じゃなく追求している感じもして、なんだこりゃみたいな。でもおもしろかったけどね。とにかく、くっついてってほしいのはわたしがすごい大切だから、あなたのことも大事したい。あなたのこともすごい大事だから、わたしも自分のこと大事にするみたいな、そういうことをやりたくて、わたしたちがやってきたんじゃないのって、そこをわかってほしい。
 子どもなんてほんとうわかってるからね。ちっちゃい子なんて分かってるよね。「おかあさんだいじ」、そして「ぼくのことすき」うちの妹の子どもたち3人ともみんな6歳くらいまで、自分のこと好きだったんだけど、学校に行くようになったら、ものの見事に自分が嫌いになってくね。大阪はどうかわかんないけど、ほんとうに学校とかね幼稚園とか、競争が激しいところ。保育園なんて競争させようとしても2、3歳でかけっこで一番嬉しいで、みたいにしても誰も嬉しくないから。転んだ子がいたらみんな集まっちゃうからさ。一番二番になんの意味もないって、わかるわけじゃん。ちっちゃい子がちっちゃい子のまんまで、知性を持って社会を作るというのは、これだけの医学や科学がそういう力を持ちながら、実現してないからね、人類は。だからほんとうになんていうのかなぁ、間に合うのかどうかって気がしてる。
 わたしたちが障害持った人たちが、ほんとうに助け合うことが大事なんだということで介助医療?制度も作ってきたし、駅にエレベーターもつけてきたし、ほんとうにやってきたけど駅にエレベーターつけたら今度は最近ね、地下鉄にエレベーターついてるんだけど、もちろん遠回りすればエレベーターの遠いとこにあるじゃん。わたしだってエレベーター乗るんだけど、めんどくさい時は昔みたいに臨時階段共闘会議?っていうんだけど、みんなに持ってもらって。そうするとさ、みんな健常者の重度化が進行してる感じがするからさ、高校生でさえもさ。昔は高校生なんて結構ね喜んでバババってきたんだけどさ、「すみません」とか言ったらさ、こないだね、バッチリ化粧した絶対高校生だったんだけどさ、「エレベーターあっちにありますよ。あっち」みたいな。「それが返事かいっ」みたいな。でもあまりに遠いから、「ここ上がったらすぐのところに用事あるから、そこに上がりたいから手伝ってくれる」って、全然めげないからね、わたしもね。会話して、「えー、ちょっとあんたやったら?」みたいな、二人でいたからお互いにやらせようという、「ところが、二人とも必要なんです!」とか言ってさ(笑)。「えー!?」みたいな感じ。とにかく、つながりを持ち続けるって大事だよね。その子たちがグズグズ言ってる間に後ろから男性の、男の人がきて「僕も手伝います」って言ったから「よかったじゃん」みたいな。「いや3人必要です。これでパーフェクトですので」って、上がってきたけど。
とにかくだよ。ピアっていうのは、人類というか人間とかそういったすべての命のピアって考えた方がいいと思うね。どっかのピアだけだったらさ、どこかを排除しちゃうからね。ある意味で。ピアじゃない人たちは、"Ally"というんで、それもまた最高の仲間っていう考え方。"Ally"って知ってる?ゲイの人に対してヘテロの人が"Ally"だし、ヘテロの人に対してゲイの人が"Ally" 障害持ってる人に対して、障害のない人が"Ally"だし、お互いがいないと成り立たないような仲間を"Ally"と呼ぶ。
 辺野古なんかにいくと、ほんとうにもうわたしは普通に、ほんとうにこれは危機だと思うね。とにかくこれは海だよ。あれだけの素晴らしい命に満ちた海を、ボンボコボンボコ土砂?それもいろんなとこの山を削ってだよ。ボンボコボンボコ入れて。ほんとうになんちゅうかな、目の前でそういうこと起こってるからさ。考えてもいいはずなのに、若い機動隊のお兄ちゃん、警察のお兄ちゃん、アルソックのお兄ちゃん、おじちゃん。ほんとうに考えられなくなって、完全にお金だけの世界に生きてるから。障害者が出まくんなきゃなんないというのも、あんなとこに人出をかけるより、僕たちの介助をしろっていった方がまだ全然、いい世界作れるから。とにかく障害持った人たちは出まくって、介助者をつけまくって、介助という仕事の大事さをいって、農業、林業、介助ですよ。介助ってのは人と関わる仕事。保育士でももちろんね。お年寄りのケアマネとか、ほんとうに大事だけど。もう医学、科学、軍事産業これくらいでストップしていいよね。全部ストップしていいから。どうやって助け合う社会を作るかって。
 ガンなんてね。ガンの遺伝物質、どんどん新しいのが出てきているというけどね、ほんとうはそんなことやり続けてたらね、今度抗生物質耐性菌って知ってる?聞いたことある?どういうのかって言うと、結局どんどん、どんどん抗生物質、飲ませているでしょう。それに対して体がそれを抗生物質でやられないようにって、抗生物質が効かない菌をどんどん産み出しているから、ガンが撲滅されたとしても2050年には抗生物質耐性菌がすごくて、ちょっとした風邪とかでも抗生物質耐性菌で死亡する人の方が2050年には増えるって、国連が予想してるのに全く無関心だから。日本は特に。どこから抗生物質が入ってきてるかってこと。豚牛鶏、その体内の生体濃縮でね、めっちゃ牛や豚とか鶏にガンガン抗生物質を入れてるわけ。なんでかというと、密飼いといってすごい狭いところに閉じ込めて、ものすごい量の抗生物質を餌に加えて肉にして、人間でいえば5歳児を60キロにして食ってるんだからね。今のブロイラーとか。5歳児を60キロに肥満させて、そしたらやっぱり病気でさ、2、3歳児で死ぬから、どんどん、どんどん抗生物質を餌に混ぜて、鶏とか牛とか豚の作られ方を見てごらん。絶対食べれないから。『アースリングス』というビデオを、ユーチューブで見てください。『アースリングス』ユーチューブで探して。『アースリングス』だけじゃなくていいよ。ポール・マッカートニーが、肉食はやめようってキャンペーンやってるから。ポール・マッカートニーの肉食反対キャンペーンってのも検索すればすぐに出るから。だから鶏豚牛の作られ方。牛乳なんてね、これ飲んでないから賢い、よかったけど。これに牛乳なんて一個も入ってないから。入ってる牛乳も、妊娠中にずっと絞り続けるわけ。普通だったら妊娠中はおっぱいでないでしょう。妊娠中もひどいし、妊娠中にずっとおっぱいを絞られるってことは、寿命がすごい短くなる。お母さん、ずっと一年に一頭産まされるから、妊娠中におっぱい絞らないと牛乳が取れないわけ。ほんとうはさ、産まれてからおっぱいって出るわけじゃん、子どもを育てるために。でも生まれた瞬間に子どもを離して、子どもはまた別のミルクで育てられる。濃縮の加工した。お母さんはまた次の妊娠に向けて、1週間くらい休めるのかな。わかんないけど、ものすごいひどい。妊娠しててもおっぱいを絞られまくって。妊娠中のおっぱいを飲んでるから、抗生物質もガンガン入ってるってこと。牛乳はなるべくおやめになった方がいいよ。牛乳にはほんとうにね、今晩か明日にでも検索してみて。もうすごいから。

<誰かを紹介>
今日は命のピアとしてお話をしました。

白杉氏 この本は買って大丈夫ですか?

安積 いいです。いいです。買ってください。嬉しい。1500円です。全員まけるから。税金も日本政府嫌いだから。ここにね、幸恵さん?も読んでね。広島にも送ってるから、広島でよかったら買って。なぜかと言うか自分であまりにもね、最後の一言が格好いいと思ってね。「わたしたちはひとりひとりの存在そのもので、そして親になることでも、さらに助け合う社会を作るための最前線の戦士たちなのです。」かっこよくない?「最前線の戦士たち」親は、障害を持つ人たちは特にね、助け合う社会を作るための戦士だからね。殺すための戦士じゃないんだから。助け合う世界をどうやって作ったらいいかね。だから自立生活センターはその最前線だと思うから。がんばろうね。重度健常者(健全者?)の人たちへの呼びかけの最前線の基地です。助け合えるんだよ。
わたしと同じ障害で77歳なのね。長生きしている朗読家、京都弁で読む聖書とか、おもしろいんだ、彼女ね、深い信仰なんてないけど、一人暮らしして日曜日にお昼、教会にいくとご飯が出るってわかって、聖書に触れて聖書を読むようになって、朗読から。またどっかのね、作業所の資金作りに協力してこういうDVD出したんだよ。こういう人がこの近くに入院してるんだ。
<バスの説明>
わたし、これからその彼女に会いにいくんだよ。あとなんか聞きたいことある?あと大丈夫?

白杉氏 自分の生活の中でピアカンをどう取り込んでいるか、というか。どう役立たせるというか。

<電話応対>

安積 弱さこそが強さだったりするんだから。最後の質問、今言ったのなんだったっけ?

白杉氏 ピアカンを自分の生活にどう使っているかという。

安積 ピアカウンセリングを日常的に週に5、6…5,6回はおおげさか。やっぱり、2.3回、1,2回は短いけど5分とか10分テーマでやったり、やばいなと思うときには、とにかく命、大好きな木が傍にあるわけ。その大好きな木のところに抱きついて泣いて、よっぽど人がいないときね。電話では日常的に5、6分ずつは付き合ったり、最低でもだよ。週に3、4回、もっとやってるかもね。30分くらい会ってやるなんてことはしょっちゅうだし、一ヶ月に何回もやってるから。わたしのピアは障害者だけじゃないんだよ。放射能避難ピアカウンセラーとか、そのグループは二回やってるし、ピアっていうところで障害もつ子どもの親とかね、いろんなケアの中で日常の中で、だからあなたもメンズピアカンをやってもいいよ。メンズピアね。とにかく助け合うってことが、ほんとうに大事なんだという、その対等性を持って聞き合うんだと、そこをほんとうに大事にして、大学院生のピアでもいいし。障害があるなしに関わらず学生のピアカウンセリングっていうのは、やっぱりイギリスでは結構いじめを聞いてるし、ハイスクールのいじめを減らすのに役に立ったと聞いてる。いろんなピアでやったらいいのよ。京都でも親になる人、親同士のピアカンやろう。
 
岡本さん やりたいです。

安積 それで岡本さん、そんなところから始まって。今度、親同士のピアカンとか、やろうよ。基本のところのところにくるから。呼んで。一昨日かな、沖縄でも親同士のピアカンやりたいんだって。その人自身は障害がないから、障害を持つ子どもの親。ピアカンやりたいから、それ便利だよね。両方、子どもも障害持ってるから両方呼ばれる、どっちも呼ばれるなと思って。便利だと思えるまでには、やっぱりほんとうに時々はあまりの抑圧で、すさまじい孤独を感じるけどね。ほんとうに障害持つ子どもの親も、なんというラッキーなチャンスを手にしたんだろうなと思えない子が圧倒的だ。この話を愛情深く聞き続ける時にね、ものすごい一瞬つらくなる時もあるからさ。こっちの方が障害を持つ親が、子どもを産んでというので、まだ立場性がやっぱり、障害を持つ子どもの親が障害がない人が圧倒的に多いから、ちょっと説教したくなったり、そんなボヤボヤしている場合かなんて言いたくなる言葉を、ほんとうにそれは自分の感情に過ぎないからさ、置いとくときに一瞬つらさを感じるけど、やっぱり男性だね。男性の重度の孤独ぶり、障害を持ってる。特に中途障害はつらいね。中途障害の男性の凄まじい柔軟性のなさっていうのは。それって急にね、どうやってピアにね、なるかって真剣に悩んでやった方がいいよ。助け合うなんて言うのさえ、世界にいままで全くいなかったからね。そこが助け合わなかったら、生きられない世界に急にきたからさ。びっくりだわ、ね。

白杉氏 最後写メール撮ってもらっていいですか?

<写真撮影・雑談>




UP:20180123 REV:20220103
生を辿り途を探す――身体×社会アーカイブの構築  ◇声の記録(インタビュー記録他)  ◇安積 遊歩  ◇病者障害者運動史研究  ◇一覧 
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