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「日本ALS患者の自立生活について」

安・孝淑  2010/11/26
第1回障害学国際研究セミナー
主催:韓国障害学研究会・立命館大学生存学研究センター 於:韓国・ソウル市

last update:20101203

 ■ALSとは。


運動神経源疾患の一つである筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic Lateral Sclerosisv ALS Lou Gehrig) 進行の早い神経退行性疾患で、四肢の筋力弱化が見られた後に、最終的には呼吸機能麻痺が原因となり死亡することの多い疾患である。(lee,2008.11)
韓国では2008年を時点に約2300人がこの疾患を痛んでいると調査されている。(韓国健康保険審査評価院2009.)

●家族の中のALS患者→ほかの家族の中で、一人、もしくはすべてが少しずつ、 介護を担当してきた

             ↓  
変化する家族の形→色んな生き方(大家族→核家族、2人家族、独居)
   
●韓国では、ALS患者が一人で住むようになったとの話も聞けないし、一人で住んでいたALS患者が死んだこともある。(lee、2003)
●日本では多いALS患者が自立生活をしていた。韓国のALS協会→驚きながらも情報不足
日本ALS患者の自立生活の歴史
1993年以降一日最大24時間の介助を得られる地域が出ていた。
実際資料で確認できた自立生活をしたALS患者- 松本茂さん、
一九九三年にいくつかの制度を併用して24時間介助を得るようになった。(立岩、2004)
その以降、障害福祉サービスと介護保険などをあわせてALS患者の自立可能になる。
■現在、自立ALS患者が使っている制度
alskatei

■制度の中身

alsseido alsseido2


■介護保険
居宅サービス
通所介護(デイサービス)、通所リハビリテーション(デイケア)
訪問サービス
訪問介護(ホームヘルプサービス)、訪問入浴介護
訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導
短期入所サービス
短期入所生活介護、短期入所療養介護
施設サービス
指定介護老人施設(特養)、介護老人保健施設、指定介護療養型医療施設
*そのほか
特定施設入居者生活介護、特定福祉用具販売、福祉用具貸与
地域密着型介護予防サービス
夜間対応型訪問介護、認知症対応型通所介護、
小規模多機能型居宅介護認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
地域密着型特定施設入居者生活介護
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護

■事例
日本福島県佐川さん   
1996年ALS発病。2002年BIPAP装着
2002年9月17日から在宅療養、ヘルパーによる24時間介護
2003年3月6日気管切開し、7月23日からまた在宅生活
1日に利用できた社会資源
介護保険2.5時間、支援費で7時間と1.5時間、残りの13時間はNPO自立生活センターが支払える範囲で金額を納めてくれる。(JALSA63号)
ALS患者が自立生活に必要な要件
1.障害者支援と介護保険の制度にALS患者が対象になること。
2.ALS患者の介護ができるヘルパーとその人を育成するための施設。
(ヘルパーがたん吸引になること)
3.ALS患者とのコミュニケーションのための装置。
参考文献
ALS / LIVE TODAY FOR TOMORROW. http://www.als.gr.jp/
日本ALS 協会事務局 20040902『JALSA63号』,日本ALS 協会
Lee jounghee, 2003, 『その日が私に来るとしても』,生活聖書
leeyunkyung・imnanyoung・kimsounhyun 2008.「筋萎縮性側索硬化症患者の適応過程」、『筋冠絶健康学会誌』15(2)、140-154
立岩 真也 20041115 『ALS――不動の身体と息する機械』 医学書院,

*作成:安・孝淑 
UP: 20110112 REV: 
グローバルCOE「生存学」創成拠点 国際プログラム(2010年秋期)  ◇ALS  
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