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全国「精神病」者集団ニュース 2000.4


last update:20101204


全国「精神病」者集団ニュース 2000年4月
  ごあいさつ
 桜の便りの聞かれる季節となりました。皆さまいかがお過ごしでしょうか。この季節特有の体調の乱れに苦しんでおられる仲間も多いことと存じます。今少しの辛抱と、この時期を無事やり過ごせることをお祈りいたします。
 朝日新聞によると新潟県の女性長期監禁事件に関連し厚生省精神保健課は以下の方針を明らかにしました。保健所などの自治体制が家族からの相談があったにもかかわらず、十分にその情報を生かせなかったとして、厚生省は3月6日、精神障害者を緊急に受け入れる地域の応急入院指定病院を現在の65から大幅に増やすと同時に、4月に施行される改正精神保健福祉法で初めて規定される「移送制度」について、運用態勢を早急に整えるよう、全国の障害保健福祉主管課長を集めた会議で指示しました。三觜文雄精神保健福祉課長は「新潟の事件では、警察の問題に焦点が当てられて隠れているが、保健所の介入にも手ぬるさがあったと考えている」とし、早急に態勢を整えるよう促しました。厚生省は移送態勢の整備には受け入れ病院の拡大も必要と判断。患者を受け入れる応急入院指定病院について、入院用ベットの確保や診療スタッフ数、脳波計や血液検査用の施設などについて定めた指定基準を緩和することを決め、将来的には、精神科を持つ公的医療機関すべてに指定を広げることを目標にする考えとのこと。
 私たち「精神病」者仲間のほとんどが、精神医療による心的外傷により「病状」を悪化させあるいは新たな障害を負わせられています。いわば精神医療によるPTSD(心的外傷後ストレス障害)に苦しんでいるのが私たち「精神病」者です。どういう形で精神医療に出会うかが、病気の予後およびその後の人生を決定してしまうのです。私たちが体験した残酷な精神医療を今後の仲間たちに体験させたくないという思いは私たち仲間すべてに共通した願いです。しかしながら、「誘拐と監禁」である強制移送とそれに連なる強制入院は仲間に新たにそして再々度心的外傷を与えるものです。
 厚生省の精神保健福祉法施行のための専門委員会(医療分野1999年10月1日)で参考人として意見を述べた、全国精神保健相談員会長の天野宗和氏および日本精神神経学会副理事長の森山公夫氏は、いずれも現場での職員の身体的危険を理由に強制移送制度に警察の協力が必要である旨要求しています。彼ら精神医療従事者の「精神障害者への偏見をなくそう」という言葉の空しさ。彼らこそが実は「精神障害者は危険だ」と確信しているのです。
 こうした人たちによってなされる強制移送と強制入院の実態が今こそ明らかです。
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北から 南から 東から 西から
八王子市による差別事件の簡単な総括
  東京 橋本山吹 進藤元
 お世話になっております。
 八王子市の生活保護ケースワーカーによる、精神障害者および生保受給者への差別発言事件に対して、わたしたちは抗議行動をつづけてきました。
 わたしたちの要求に対する、八王子市からの回答文が、去る一九九九年一二月に来ましたので、報告します。
 市当局は、この事件が精神障害者に対する重大な差別であることを、全く認めませんでした。実に許しがたいことです。
 しかし、わたしたちの抗議行動に対しては「何も言っていない」ととぼけていたのを、この文書では「ああ言った、こう言った」と書き、みずから嘘をついていたことを白状しているのです。
 そして、次の二点を認めさせることができました。
 生保受給者に医療機関を選ぶ権利があること。
 医療券は必ずしも市役所に取りに行かなくてもよいこと。
 今後、生保受給者の方々の上に同じような問題が起きないためには、最低でも、市当局がみずから認めたことを実行させるための、監視を怠ってはならないでしょう。
 本来、生活保護とは、社会の底辺で、貧困にあえぐ人、障害や病に苦しむ人、そうした人々の生きる権利を保障するための制度であるはずです。
 そうした人々に福祉を提供する責務を負った、ケースワーカーや保護課の責任者が、こんな劣悪な人権意識の持ち主であるという事実に、暗澹とさせられます。
 わたしたち社会的弱者の側が、差別に抗して声を上げていくこと、生活に立脚したたたかいこそが、このような日本社会の状況を変えるための一歩であると考えさせられます。
 貧しい人や苦しむ人、小さき人、そうしたひとりひとりのための政治であることを祈ります。
 今後もご支援をお願いいたします。ともにたたかいましょう。
二〇〇〇年二月
資料 役所からの文書
一一八事保収第一八九七号
平成一一年一二月九日
橋本山吹様
進藤元様
八王子市福祉事務所長
三宅壯三
抗議文及び要求項目について
平成一一年一一月二五日付けのこのことについては、下記のとおり回答します。

一.抗議文について
(一)本文上段より六行目「勝手なことをするな、前の病院に行け」については、「前の病院の主治医と話をしたほうがいいのではないですか」と話をした。
(二)本文上段より一〇行目「自費で払えるなら生保を受ける権利はない」については「自費で払うと生活を圧迫するので、生活保護では考えられない」と話した。
(三)本文上段より一四行目「前の病院の医師の意見を聞いて、その病院に変わるのかを決めるのは自分だ」については、「どの病院に決めるかは、前の病院の医師の意見を自分できいて、自分(本人)が決めて頂くことになる」と話した。
(四)本文上段より一六行目「薬は医者の診立てで出したものだから黙って従え」については、「きつい薬であったらお医者さんに相談して下さい」と話した。
(五)本文上段より一七行目「春田氏が許可しないと医療券は発行しないと言い張る」については話していません。なお、すでに申し出のあった医療機関への医療券は交付の手続きをいたしました。
(六)本文上段より二一行目「『キチガイ』扱い」については、そのような扱いをしたことはありません。
(七)本文上段より二三行目「実情に配慮した対応と、担当者の意識の向上に努める」については、例えば医療券は来所して頂き交付を受けることが原則となりますが、来所できなければ他の方法も考えております。
また、日頃より職員の意識の向上に努めておりますが、今後も引き続き意識の向上に努める考えです。
(八)本文上段より二九行目「ああ、とうぞ遺書を書いて下さいよ」については、「そんなことは言わないで下さい」と話した。
(九)本文二枚目上段より四行目「権利がほしかったら義務を果たせ」については、「何か変化があったら連絡して下さい。これが義務です」と話した。
二.要求項目について
(一)一については、差別しておりません。
(二)二については、認めます。
(三)三については、福祉事務所に来所し医療券の交付を受けることが原則ですが医療機によっては、本人の福祉事務所への連絡により直接送付することがあります。
(四)四、五については、認めません。
(五)六については、既に申し出のとおり交付の手続きを行いました。
(六)「?謝罪文を市報に?」については、抗議文の回答のとおり認めません。
(編注 要求項目
一 今回の事件は精神障害者に対する差別事件であることを確認し、謝罪すること。
二 生活保護受給者には診療機関を選択する権利があることを確認すること
三 医療券の発行にあたっては、役所に来る必要はなく、直接医療機関に行けばよいことを確認すること。
四 春田氏は本人に直接謝罪すること。
五 春田氏に対し厳正な処分をすること。
六 日野市立病院にかかるための医療券の手続きをこの場ですること。)
進藤元さん頑張って下さい
  愛知 ASKA
 初めまして、初めてニュースに投稿させていただきます愛知県の〇の会のメンバーの一人です。
 私は、今年初めてのニュースに載っていた「八王子福祉事務所の差別事件報告」を、ハハーどこにでもあるもんなんだなあと思って読ませていただきました。
 私はありがたいことに保護のお世話にはなっていません。しかし、仲間の中には、好きでなったわけでもないこの病気のおかげといろいろな事情で、保護のお世話になっている、否お世話といういい方はやめましょう、これは権利ですから、保護にかかっている人が多くいます。
 そして、そのことや病気のことでいろんな差別を受けていることがよくあります。私も病気のことで嫌な思いをしたことがありますが。
 普通では通らないことでも病者に対しては、平気でいろんなことをします。そして都合が悪くなると、私たち病者はまともではないように思っているらしく、お茶を濁してごまかします。
 社会では「ノーマライゼーション」だの「バリアフリー」だの言っているときに、とんでもない話です。このような事件はとても許せません。
 進藤元さん頑張って下さい。
  二〇〇〇年三月
お手紙から
  東京 S
山本真理様
 大阪で、お会いできて嬉しかったです。泣いたのは、嬉しかったから・・・。勝手に思い込まれて迷惑かもしれないけれど、自分に精神医療ユーザーという自覚ができてからあらためて他者(ひと)を求めていました。
 東京に戻り、一緒に行った人が買ったニュースを読みながら、「自分が病気であるか、ないか」という問いは、仲間たちとのこのようなつながりの中においては、小さなものになるのかもしれない、と思いました。また、連帯を分断するものになるだろう、と思いました。
 それでも、自分にとっては、「病気ではない」という宣言が重要なこと。わたしの回復はそこから始まっていると思います。
 大阪でも話しましたが、昨年一一月、十代のとき閉鎖病棟で出会った友人が、転院した別の病院の非常階段から飛び降りて自殺しました。
 以前だったら、病院で知り合った人たちが自殺したとき、「それは病気のため・・・・」とわたしは思い、「また一人・・・・」と思い、「自分もいつかそうなるのだろうか・・・・」と思いました。
 でも今は、「違う、病気のためではない。精神医療によって殺されたんだ」と思います。医者が言うように、「彼女の病気が重かった」とは思えません。
 わたしと彼女の何が違っていたか?
 「病気」が違うとは、とても思えないのです。
 他にも、そのように思えるケースがたくさんあります。社会の中で仕事をしながら苦しんでいる人でも、措置入院になっている人でも。
 あまりの無力感です。
 彼女が死んでから、わたしは東京の精神病院を五〇ケ所近く訪ね歩きました。連絡をして行ったのではなく、ただ見に行きました。外来に来たような感じで、ジュースを飲んだりして、敷地内を少し歩いて。
 結論としてわたしが感じたのは、死んだ友人はJと言いますが、「第二、第三のJは出る」ということです。
 わたしは、自分が今いる地点を超えたいと思います。
 活動する上での、自分のスタンスのようなものを持ちたいし、仲間を持ちたいと思います。
 状況としてわたしは孤立していないけれど、今いる地点を何かの形で抜け出ないと、苦しい、と思います。
 ニュースの、大野さんと赤堀さんの部分は、スゴイ・・・・・です。
 山本さんの大阪での話は、とても「わかる!」ものでした。「キチガイ」が怒っている、ということへの驚きと感動。運動とセルフヘルプのバランスの問題。
 会のあと、わたしが個人的なことをどんどん質問したのに、それに答えてくださって、ありがとうございます。
おわび
 昨年一二月号まで二回にわたり連載しておりました「分裂病自己免疫疾患論」は連載が続く予定でしたが、筆者の都合で第二回で終了となりました。
 本来ニュース前号でお知らせすべきところでしたが、ニュース担当者のミスで前号にお知らせするのを失念してしまいました。筆者および読者の皆さまにはご迷惑をおかけいたしました。
 なお「分裂病免疫疾患論」に対するご感想ご意見などございましたら、ニュース窓口までお手紙あるいはメールでお寄せ下さいませ。筆者ご本人に転送させていただきます。
私の一人暮らし
  福岡 K
 以前結婚していたとき(健常者の人)非常に具合が悪く、連れ合いがほとんど収入がなかったので、私は大量の薬を飲んで仕事をして子どもを育ててきました。
 その頃は副作用のアカシジアもひどく、強いお薬だったので苦しくて毎日自殺のことを考えていました。でもその連れ合いがギャンブルで多大な借金を作ったし、娘も一応自立できるまでになってやっと離婚できて、もう一〇年ほど障害年金と生活保護で一人暮らしをし、結婚していたときよりもズーッと友人も多く、時々孫も泊まりに来て楽しいし、とにかく過保護だった監視のひどかった親もなく、とっても人生の内で最高に幸せな時期だと思っています。
 孤独はもともと一人っ子だったせいもあって大好きです。始終友人から電話もあるし、週に一度はプロテスタント(洗礼は一生受けないつもりです)の自由な教会に行っているし、障害者問題の会も月一回ほど開いているし、今ほど充実して楽しい日々はありません。
 私に言わせればどちらがまともかと思う世の中ですが、とにかく貧乏でも毎月安定した収入が入ることと、自分の趣味(絵画、音楽、洋裁)等に打ち込めて幸せな老後を送っております。
 大家さんや娘からアホだのバカだの言われていますが、マイペースでやるしかないし、学生運動の頃の貧しさ悲惨さよりズッとゴージャスな日々です。
 若い頃友人のひどい裏切りにあって一ヶ月も眠れずあまりに苦しかったので(亡霊ばかり見えていて、存在の不快で全身かきむしって血だらけでした)、二度自殺未遂しましたが、何とか生き延びて、今、良いお医者様にも出会えて、かなり強い睡眠薬を飲まないと眠れませんが、眠れさえすれば日々喜びに満ちて、鉄格子のない二間のアパートで感謝して目覚める毎日です。でも時々トラウマの発作が出て、苦しくて涙が止まらなくて感情がコントロールできないときは、お薬を飲んで自己管理しています。ここ一〇年ほど外来で何とかこの地域で生きています。やはりひとりぼっちはいけないと思います。友人は宝だと思います。
 いまだに反権力なので、この頃やっと不敬絵画一〇〇号「俺たちに明白はある」を完成しました。天皇とかにいたずらしているのできっと落選すると思いますが、とにかくこういう表現したこと自体が楽しいです。だってこんな作品だってあるんだって出品すること自体が喜びです。
 日常生活では、五二歳だというのに、大のキムタクファンでロックやクラシックやとにかく音楽好きなのでこの頃は、Doragon Ashとかで、一人で踊って体をほぐしています。時々孫二人と遊んでいると同次元なので楽しくて仕方ありません。こんなに幸せな精神障害者はあつかましいのかななんて思っています。
 私の若い頃からの夢は性器的結合を乗りこえた愛というものだったので、今は全く性的な欲望がなく、私なりの「エロス的文明(H・マルクーゼ)」の日々というところです。世の人々はよく食べよく吐いているみたいですが、私は一日に一?二度の食事しかしません。あんまり食べると苦しいので、粗食が一番だと思っています。
 体験的にいわせてもらえば、健常者といわれる人々の方が私にとっては不思議な存在でした。とにかく嘘が苦手なので平気で嘘つく健常者の神経が分かりません。
 今は中井久夫先生がいわれたように中世アラビア風の自己治療をしているような毎日です。
一人暮らし
  埼玉 F
 一人暮らしの食事等家事労働等のこと松ぼっくりの会員に聞いてみました。
 生活保護の人二人、一人は糖尿病なので甘いもの食べない。簡単なものお茶漬けとか、ハムとかですますとのこと。もう一人は一人暮らしが長くて、カレーはたくさん作って冷凍しておくとか、カレーは何日食べても飽きがこないとか。ご飯も二日分四合炊くとか、たくさん炊くと固くてうまいご飯ができるとのこと。もう一人はパンを買ってきて食べることが多いとか。一人分一回ご飯炊くと一合じゃ多すぎるから一合の六分目じゃないかと思うとか。昔はご飯炊いて作ったが、面倒くさくてパン屋さんからハムサンドを買ってくるとか。
 他の人はワカメを塩出ししてゆでて三杯酢にして食べるとか、自炊した方が安上がりだとのこと。外食ファミレス。中食弁当を買ってくる。内食ご飯だけ炊いてスーパーでおかずを買ってくるとかだそうです。
 私の経験。一人暮らし自炊の経験あり。友達から魚とか肉をビニール袋に入れて冷凍して小分けにしておくと便利。玉子も安くて重宝。カップラーメンにプラスして入れる餅をゆでて入れて食べると腹持ちがいい。
 普通はめん類で簡単に野菜など入れて、最後に生玉子を入れると結構おいしい。
 ご飯派、めん類派、パン派これらを一週間組み合わせれば、たまにスーパーで切り身の魚を買ってきて、フライパンで焼くと手軽に調理できるとのこと。
 掃除や洗濯、気が向けばやればよい。
 一人暮らしなことは、気軽におっくうがらず楽しみながら、とくにメニューを決めずとも、その日の気分でスーパーに行って、安くてうまそうなものに、チャレンジするのも良い。
 みそ汁はハイミーなど化学調味料を入れるとおいしくなる。ワカメかあり合わせのネギやタマネギ。タマネギはけっこう日持ちする。ニンニクも体にいいので火にあぶって豪快に食べる。そういったものかな。
 あと一人暮らしで淋しいとき生活保護でもNTTの電話三年三六回払いで取り付けられます。この電話も話し相手を作って、グチを聞いてくれる仲間を作って、あと趣味を持つ。私はハーモニカやカシオの電子ピアノ一本の指でつま弾いています。
 淋しいのは誰でも同じで、趣味を持つ。俳句や短歌あるいは将棋でも囲碁でもいい。お金のかからない一人でも二人でもできる趣味。私は日記を書くことがストレス発散になっています。近所に友達を作る。何かの趣味を持つ友だ。ただテレビを見て新聞読んでも淋しさはいえません。共有する趣味を持つ仲間がいるのが救いです。
 あと他の病気になったとき。電話があれば救急車を無料で呼べます。電話があると重宝です。生保の人も三年三六回払いで可能です。生保でそれをやった人がいます。
 とりあえずしたためました。
投稿の呼びかけ
 一人暮らしをしている仲間から、以下の問題提起がありました。
@一人暮らしの中で食事作りなど家事労働についてどう取り組んでいるか。
A孤独さについてどう耐えているか
B精神病以外の病気になったとき、どのように対処しているか(一人で寝込んでしまったときなど)
 全国には一人暮らしをしている仲間が多いことと思います。この三点に限らず一人暮らしで直面している困難な点、あるいは私はこうしたら解決できた、という例などご投稿いただきたいと存じます。
 このテーマは普遍的な問題ですので、継続して投稿を呼びかけたいと思います。
病という罰
  愛知 N
この愚かな他愛のないシゾをみよ
このダラシのないボンヤリとしたシゾをみよ
自分が何者で 何を行っているか分からない このシゾ私をみよ
それほどまでに退行したこの人間のクズ
生きる値打ちがないどころか 自分でそれを計る考えさえももたぬ
                       この人間のクズ シゾの私
でも しかし
この太陽の光の下で 何も打算をできぬ
平和な顔で 日なたぼっこしている 平和の子よ
主は 彼を あわれんだ そして 平和の子らとした
思えば 分裂病とゆう現象は 彼の前世あるいは病に
なる前の 悪い行いによって 主によって罰せられたも
のであった
彼の罪によって 主は生かされた そこに罰が残った
彼の世話人、親、兄弟は、彼のために苦労のまきぞえ
をくった
彼が罰に日々苦しむ間中ーー
それは あたかも 主が そのように思い
そのように行ったかのように 私には 思える
私は主を ほめたたえる
  シゾ N
投稿
  東京 K
 私は、大田区に実家があって、昭和五〇年に二〇歳で発病しました。最初に松沢病院に行き、そこに入院できず、実家から遠く離れた八王子の盆地にある病院に入院しました。実に片道四時間はかかる場所で、電車賃も大変でした。
 院長は、松沢の医長を努めた人で、感じのよい先生でした。その病院で八ヶ月入院して後退院しました。そして一ヶ月後に薬を取りに行ったときに、病院の患者さんに、二日後に来てくれないかと頼まれました。ので、病院に行ったら、病院側は、一週間に二回も病院に来たという理由で、再入院することになり、これをきっかけに、五回も入院しました。通算一四年になり、しかも、この病院では治らないと思い、他の病院に、一〇日ほど入院しましたが、その病院で死ぬほどの状態に陥り、またもとの病院に戻ってきて、しばらくして退院となり、一二年たちましたが、花の二〇代を病院で過ごして、今思うとぞっとします。
 現在は家の近くの病院で薬をもらい、元気よく生活し、作業所という精神障害者のメンバーの集まった職場で働いています。
お手紙から
  福岡 K
 昨年来はわざわざお便りありがとうございました。
 私たち「クイナの会」もドジドジしながら何とか続いております。
 お元気でお過ごしでしょうか? お互い様かとも思いますが、お身体を壊さないように継続していただければと思っております。「全家連」もとっておりましたが、天皇在位にはペコペコするし、電気ショックは認めるし、もう腹が立つので、当事者の苦しみを理解できる情報源としては貴社しかありません。
 先日ある健常者の方から私を通じて絆社へということでカンパをいただきましたので同封させていただきます。
 「クイナの会」は太宰府病院改築の決まった一九九六年九月二七日に当事者、牧師さん、当時市議だった方(六?七名)で作った集団です。福岡に「W」というのが以前からありまして、私や友人もそこに行っていたのですが、余りにも健常者の引き回し団体で嫌になって、今私たちにとって民主的(?)な勉強、いこいの場を作ったわけです。
 わたし自身は分裂病(ひどい不眠)で一人暮らしで、おまけに孫二人も時々泊まりに来るし、絵や詩や洋裁など趣味だらけで、私の一生の中では多分(障害年金二級と保護)一番安定して楽しい毎日を送っております。友人(クイナのメンバー)のY君から中井久夫先生を紹介していただいたのは私にとってとても大きな出会いでだったと思います。他の精神科医の方の本も貸しあったり買ったり、お互いに勉強している会です。
 福岡には「患者の権利オンブズマン」という団体もありますが、私たちも半年に一度くらいのペースで、県立太宰府病院を監視(見学)してゆくつもりです。
 次回は四?五月になりますので(だいたい月一回集まっている)それまでに、元太宰府にいられたF医師に再度お会いして話し合う予定です。
 昨年一〇月一九日(火)に見学に行ったときは、二班に分けて末次院長(かなりはしゃいでいましたが)が保護室やできあがった病室を案内してくれたのですが、建物は一二〇億円もかけているので、たしかにつるつるピカピカでしたが、緑も少なく、とくに保護室の患者さんたちのおとなしさ、静けさにはちょっとゾッとしました。ほとんどの方が横になっていられましたが、多分薬でおとなしくされているのだろうと、ちょっと不気味で新しい分余計に無機的な感じでした。
 救急病棟としての機能でしょうが、私立で悪質な病院は多いし、暴きにくいので、県立をまず徹底的に情報公開せよという姿勢で臨んでいます。
 メアリー・オーヘイガンの「精神医療ユーザーのめざすもの」を最近買いました。医者はいろいろ分類したがりますが、全て個人的な体験で、ある程度共通性があるものだと思っています。もうお読みになったかもしれませんが、私の気になる中井久夫先生の文のコピーとY君のレジュメを同封しておきます。
 この頃の絆社ニュースでは「分裂病自己免疫疾患論」(宮崎E氏の)がおもしろいと思いました。これからはどちらが(健常者)がまともか。世の中どんどん変なカルト社会問題が起きるでしょうね。
 私自身今ちょっと油絵に取り組んでいますので長々となりましたがこの辺で。今後ともよろしくお願いいたします。自分自身がくたびれない程度、友人同士でピアカウンセリングしております。
 ではくれぐれもお大事に。
明日あると
 信じて歩むこのみちを
       京都 M

本の販売
 以下の3冊の本を郵送で販売いたします。
※『精神医療ユーザーのめざすものーー欧米のセルフヘルプ活動』
 メアリー・オーヘイガン著 長野英子訳 中田智恵美監訳
 解放出版社 1800円プラス税90円
 郵送料無料でお送りいたします。1890円を郵便局でお振り込み下さい。
 書店で買うより郵便振替手数料70円分高くなります。
※『赤い鳥を見たか ある「殺し屋」の半生』
 飯田博久・飯田裁判を考える会著 現代書館 1500円プラス税75円
 こちらは郵送料もいただきます。郵送料含め1885円を郵便局でお振り込   み下さい。
※『精神医療』フォービギナーシリーズ
 長野英子著 現代書館 1200円プラス税60円
 精神医療の実態そして精神保健福祉法の本質にせまる本です。
  こちらは郵送料もいただきます。1570円を郵便局でお振り込み下さい。
  手紙で私書箱まであるいはメールでお申し込み下さいませ。本を発送する際に送料と代金をご請求しますので、同封の振替用紙でお振り込み下さい。
窓口から
☆二月例会

 二月例会は参加者がおらず流会となりました。
☆例会日程
四月二二日(土)夕食を食べながら交流
  二三日(日)会議
六月二四日(土)夕食を食べながら交流
  二五日(日)会議
いずれも場所は京都事務所です。事務所に宿泊できます。宿泊料は無料です。全国「精神病」者集団ニュースの読者の「精神病」者はどなたでも参加できます。
「精神病」者以外は参加できません。介護者の必要な方は介護者は同席できますが、介護者は会議には参加できません。参加希望の方は私書箱にお手紙下さるか(その際念のためお電話番号も明記して下さい)、メールでご連絡下さい。事務所の場所および電話番号等をお知らせいたします。夕食の準備等ありますしまた担当者の都合で流会になることもありますので、参加なさる方は必ずご連絡下さいませ。
☆全国「精神病」者集団機関誌「絆」販売
 全国「精神病」者集団の機関誌「絆」はこの一〇年以上発行されておりませんが、全国「精神病」者集団の歴史を知るにはいい資料です。この国の「精神病」者の闘いの歴史の一端を知るためにお読みいただければ幸いです。
 ご希望の方は私書箱に手紙でお申し込みいただくか、メールでお申し込み下さいませ。発送時に送料(一九〇円から二四〇円)と代金をご請求しますので、郵便局でお振り込み下さいませ。それぞれ定価の他に送料がかかります。
一九七七年第三回「精神障害者」全国総決起集会基調
                  定価二〇〇円
一九七九年第四回「精神障害者」全国総決起集会基調
討論資料              定価五〇〇円
「絆」第三号 一九八〇年発行 定価四〇〇円
「絆」第五号 一九八一年発行 定価四〇〇円
「絆」第六号 一九八一年発行 定価四〇〇円
「絆」第七号 一九八一年発行 定価四〇〇円
「絆」第八号 一九八二年発行 定価四〇〇円
「絆」第九号 一九八四年発行 定価四〇〇円
「絆」第一〇号 一九八五年発行 定価五〇〇円
「絆」第一一号 一九八九年発行 定価五〇〇円
編集後記
※このところ美容と健康のため、近くの県立温水プールに週一回ほど行っています。精神障害者手帳を使うと一回三〇〇円のところが一〇〇円ですみます。ほとんどメリットのない手帳ですが、とりあえずこれだけは得しています。もっとも私は非合法でバスを半額にさせてもいますが・・・・・。
※この手帳を申請する用紙に、家族の連絡先を書く欄があります。身体障害者にうかがうと身体障害者手帳の申請用紙には成人の場合は家族の連絡先欄はないそうです。明らかに「精神障害者」を子ども扱いした差別の欄だと思います。私は「家族はいない」と突っぱねてこの欄を空欄で出しました。健康保険を使い、三二条の外来公費負担制度を使い、障害年金を取っているので、私は「精神障害者」として行政に登録済みですが、個人情報はできるだけ行政に渡さない、登録させないということは重要だと思います。


*作成:桐原 尚之
UP: 20101204 REV:
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