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財源・財政に関するニュース

財源・財政


 作成:橋口 昌治立命館大学大学院先端総合学術研究科

◆09年度税収、37兆円程度に 当初見通しから9兆円減
 http://www.asahi.com/politics/update/1129/TKY200911290176.html
 2009年度の税収は当初見込みの46兆円から、37兆円程度に落ち込む見通しとなった。10年度の税収も大幅な回復は見込めない。このため、仙谷由人行政刷新相は29日、10年度予算編成で、埋蔵金などの「税外収入」について10兆円を目標に積み上げをはかる考えを明らかにした。
 仙谷氏は同日のテレビ朝日の番組で09年度の歳入について「税収が37、38(兆円)、借金が53、54(兆円)になり、税収をはるかに上回る借金をしている」と明言。国の借金にあたる09年度の新規国債発行額は1次補正後の見込みの44兆円から50兆円を突破して、過去最高だった99年度の37.5兆円の1.4倍に膨らむ。1946年以来の借金が税収を上回る事態となる。
 来年度の税収を計算する土台となる09年度の税収が固まってきたことで、鳩山政権は10年度予算の骨格づくりを本格化する。10年度税収については、野田佳彦財務副大臣が28日、「40兆円を割るのは間違いない」と断言。各省庁の概算要求額は過去最大の95兆円に上っているのに対し、鳩山由紀夫首相は、国債発行の上限を44兆円とする目標を掲げている。
 今後は「事業仕分け」を踏まえた歳出の圧縮や、政権公約に掲げた主要政策の見直しが焦点となる。また財務省は税外収入の確保のため、「霞が関埋蔵金」といわれる特別会計の剰余金や積立金を、可能な限り活用する方向だ。

◆埋蔵金10兆円捻出を 仙谷氏、来年度予算で
 http://www.47news.jp/CN/200911/CN2009112901000152.html
 仙谷由人行政刷新担当相は29日、2010年度予算の財政規律維持に向けた政府の取り組みに関し「いわゆる埋蔵金をどれだけ掘り起こせるかだ。目標値は10兆円だ」と述べ、財源捻出のため特別会計の剰余金などにさらに切り込むべきだとの立場を表明した。テレビ朝日番組で語った。
 10年度概算要求は一般会計で過去最高の95兆円超に上っており、仙谷氏はこれまでに92兆円以下に圧縮したい意向を表明していた。
 仙谷氏の発言は、税収が38兆円程度に落ち込む見通しが強まる中、新規国債発行を44兆円以下に抑制する政府方針の実現には、税収と国債発行の上限を合わせた82兆円と92兆円との差額分をひねり出す必要があるとの考えを示したものだ。
 積極的な景気対策を求める亀井静香金融担当相は「特別会計は宝の山だ。20兆円くらいすぐ出てくる」と述べているが、埋蔵金で10兆円規模の財源を確保できる見通しは立っていない。
 国債発行の規模について、仙谷氏は「最大限頑張らなければならないが、あまり自信はない」と述べ、44兆円の突破もあり得るとの見方にも重ねて言及した。

◆公益法人、余剰金隠しか 検査院指摘後、基金に9割移す
 http://www.asahi.com/politics/update/1129/TKY200911280369.html
 文部科学省所管の財団法人日本語教育振興協会(東京・渋谷)が、2007年に会計検査院から指摘を受けた約2億円の内部留保額を下げる目的で、四つの基金を立ち上げ、留保額の9割近くをその基金に移していたことが朝日新聞の調べでわかった。基金の創設については文科省も認めていた。これまでに基金の支出はなく、基金を隠れみのにした内部留保隠しの疑いがある。
 内部留保は、総資産額から基金や固定資産などを引いた額で、企業の余剰金に当たる。財団など公益法人は営利を目的としないことから、国が内部留保の比率を年間支出の30%以下に抑えるべきだとの基準を定めている。しかし、協会は07年の会計検査院の調べを受け、147%の留保率があったと指摘された。協会は指摘後に基金を立ち上げていた。
 内部留保は「埋蔵金」として国の財源に使える可能性があるが、協会は来年度予算要求の無駄を洗い出す行政刷新会議の「事業仕分け」には取り上げられていない。
 協会関係者によると、協会は日本国内の日本語学校の新設や定員改正の際に教員数や校舎の面積が基準を満たしているかどうかの審査や認定などを行う団体。1989年に設立された。同省(当時・文部省)や法務省の補助事業として補助金が支出(法務省は97年度まで)されていた。協会の理事長ら幹部に文科・法務OBなどが就いている。
 協会は経費を各学校からの審査料や文科省からの補助金でまかなっているほか、各校が納める会費も充てている。各校からの入会金や審査料、更新料、会費などの収入は08年度で1億円以上ある。
 検査院は07年に協会を調べ、審査料収入により黒字だった審査事業などに文科省から毎年4千万円ほどの補助金が出ていたことから、07年度までの5年間で計約5千万円の補助金支出が無駄であったと指摘。内部留保額が約2億円あり、多すぎることも指摘した。
 協会は指摘後に07年度分の補助金のうち約800万円だけを同省に返還。「学生支援積立金」や「情報システム整備積立金」など4基金を設立し、各基金に内部留保額の9割近くの計約1億7千万円を繰り入れていた。協会によると、これまで基金の支出はなく、来年度も未定だという。
 協会は「内部留保は各校の会費が累積したものだ。基金は必要なので設立した。補助金も自主的に1年度分だけ返した。文科省のアドバイスを受けている」と説明する。一方、同省は「協会から自己収入で基金を立てるとの申し出があったので設立を認めた」と話した。
 検査院はこうした事実を把握しており、「検査の継続を検討したい」としている。
 北沢栄・元東北公益文科大大学院教授(公益学)は「内部留保を隠す目的で基金にしたとみられる。公益事業で過剰な内部留保がたまることもおかしい。検査院は余った金を国に返すように指摘すべきだ」としている。(前田伸也)

◆高校無償化:所得制限も 財源確保厳しく 財務相、導入示唆
 http://mainichi.jp/select/seiji/news/20091128ddm002010095000c.html
 藤井裕久財務相は27日の記者会見で、民主党がマニフェスト(政権公約)の主要項目に掲げた高校の実質無償化について、所得制限することが検討課題になるとの考えを示した。マニフェストに盛り込まれた「子ども手当」についても所得制限するかどうかが政府内で議論になっている。
 藤井財務相は高校無償化について「地方自治体で所得の低い方には(授業料減免などで)きちんと対応しているところがほとんど。(無償化は)所得の高い人だけという話もある」と述べ、所得制限の導入を示唆した。
 10年度予算の概算要求でマニフェスト関連は、高校無償化のための約4600億円など計6・9兆円。しかし、税収の大幅な落ち込みが確実な情勢で、財源の確保が厳しい状況になっている。
 藤井財務相は高校無償化について「事柄の本質は大事」と実現の方針は変えない姿勢だが、所得制限や地方負担を求め、国の支出を極力抑えたい意向とみられる。【平地修】

◆「医療費、国際的には低水準」厚労省、財務省に反論
 http://www.asahi.com/politics/update/1128/TKY200911280140.html
 厚生労働省は27日、医療予算の圧縮を求める財務省の見解への反論をまとめ、ホームページ(HP)上で公表した。日本の医療費の水準は国際的に低いと主張。鳩山政権が目指す医療再生のため、十分な予算の確保を求めた。年末の予算編成に向けて論争が始まった。
 発端は19日の野田佳彦財務副大臣の記者会見。物価や給与水準が下がる中で「ドクターだけ高止まりでいいのか」などと述べ、医療行為や薬の公定価格である診療報酬の引き下げを求め、財務省のHP上で見解を示す方針を表明した。
 これに対し、厚労省の政務三役は「正しい情報を伝えないといけない」と、反論をまとめるよう指示した。
 厚労省の見解では、日本の医療費が対GDP(国内総生産)比で経済協力開発機構(OECD)の30カ国の中で21位の低水準だと指摘。連立3党の政権合意の「医療費の先進国並みの確保を目指す」という記述を引用した。
 さらに、診療報酬を医師の給料に結びつけた財務省に対して、「診療報酬=医師の報酬ではない」と記載。「公立病院の総費用のうち医師の給料は1割だけ」というデータで牽制(けんせい)したうえで、診療報酬の配分見直しだけで財源をひねり出すのでは不十分だとしている。(中村靖三郎)

◆事業仕分け、1.7兆円捻出 目標の3兆円は届かず
 http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20091128AT3S2703D27112009.html
 政府の行政刷新会議の作業グループは27日、2010年度予算の概算要求の無駄を洗い出す「事業仕分け」を終えた。廃止や縮減などを求めた事業の削減総額は7000億円規模となった。国が財源を拠出する独立行政法人などの基金や、特別会計の積立金などからの国庫返納要求額は1兆円規模に上り、 1.7兆円の財源捻出(ねんしゅつ)効果を見込む。
 行刷会議は鳩山由紀夫首相も出席して30日に会合を開き、仕分け結果を大筋で了承する見通しだ。作業グループは11日から2度に分けて9日間議論して約 450事業を仕分け、100程度の事業について廃止や予算計上見送りを求めた。政府は約95兆円と過去最大に膨らんだ来年度予算の概算要求から、事業仕分けなどで3兆円超を削減する方針を示してきた。今後は査定での削減幅が焦点となる。(27日 22:30)

◆たばこ増税の見送り示唆 「影響大きい」と財務副大臣
 http://www.47news.jp/CN/200911/CN2009112701000684.html
 峰崎直樹財務副大臣は27日、政府税制調査会の会合後の記者会見で、たばこ税率の引き上げについて「国民生活にとって値上げは大変大きな影響を与える。来年の参院選で信を問うべきだ」と述べ、2010年度の実施を見送るべきだとの考えを明らかにした。
 ただ、たばこ増税をめぐっては、鳩山由紀夫首相が「あり得べし」と前向きな姿勢を表明しているほか、厚生労働省が健康面から増税を要望している。来月11日の税制改正大綱決定まで調整が続く可能性がある。
 峰崎氏は会見で「困った時のたばこ税という発想から変えていかないといけない」と述べ、将来は基幹税である所得税や消費税などの税率を引き上げることで財源を確保するべきだとの考えを強調。たばこ税の大幅増税は逆に税収減を招く恐れがあることや、たばこ事業法改正が浮上する可能性を踏まえ、慎重な判断を示したとみられる。
 この日の会合では、喫煙率を下げるため税率の大幅引き上げを求める声や、増税と引き換えに葉タバコ農家や小売店の経営支援が必要との意見も出た。
2009/11/27 22:03 【共同通信】

◆2次補正、規模で対立=国民新「11兆円」を主張−政府・与党
 http://www.jiji.com/jc/zc?k=200911/2009112601043
 追加経済対策を盛り込む2009年度第2次補正予算案の規模をめぐり、政府・与党内の意見集約が遅れている。亀井静香金融・郵政改革担当相ら国民新党幹部が11兆円の大型補正を強硬に主張し、財政規律を重視する菅直人副総理兼国家戦略担当相らと対立。当初月内を目指していた予算案の取りまとめは、来月上旬以降にずれ込むことは確実だ。
 与党3党の調整の場として設置された基本政策閣僚委員会の小委員会は26日夕、首相官邸で会合を開き2次補正の規模を協議。野田佳彦財務副大臣は「財政状況が厳しく、国債を増発すれば市場の信任を失う」と強調。2次補正の規模を1次補正見直しで確保した財源の範囲内である2兆7000億円に収める政府方針を説明した。
 これに対し、国民新党の下地幹郎政調会長は「財源を探さないで国債を出すのが嫌だから(大型の)予算をつくれないというのはだめだ」と猛反発。協議は物別れに終わり、結論は来週以降に持ち越した。
   国民新党が大型補正の財源に想定するのが、特別会計の「埋蔵金」などの税外収入。同日の会合でも下地政調会長が特別会計を見直す作業チームの設置を要求した。ただ、10年度予算も税収の落ち込みにより税外収入に大きく依存せざるを得ず、政府は貴重な財源を2次補正に回すのには慎重だ。(2009/11 /26-21:15)

◆農家戸別補償 地方・自己負担を検討
 http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2009112702000066.html
 財務省は二十六日、農林水産省が二〇一〇年度予算で要求している、農家への戸別所得補償制度についての査定方針を発表した。それによると農水省が、モデル事業としてコメ生産農家を対象にし全額国費負担としているのに対し、地方自治体の負担や農家の自己負担を検討する。
 コメ以外の農産物へ変更や、補償対象農家や実施地域の絞り込みも論点としている。
 農水省の概算要求額は関連事業含め五千六百十八億円。販売額が生産コストを下回った場合、その差額を補償する制度。
 財務省は、他の農家支援策では地方負担分があることを挙げ、全額国費負担に難色を示した。野田佳彦副大臣も同日の会見で「マニフェストには財源の負担割合は書いていない」と述べ、地方負担に加え、全額補償とせず差額の一部を農家が負担することも検討する方針を示した。
 財務省はまた、供給過剰となっているコメに対して政府が助成する必要性は乏しく、モデル事業としては疑問だとし、他の農産物を対象とするべきだと主張。コメで実施する場合でも主要産地に限定したり、大規模農家に絞り込むことで、歳出を抑制する考えだ。
 戸別所得補償制度は、民主党がマニフェストで掲げた目玉政策の一つで、農家の生産意欲を高めて食料自給率を向上させるのが狙い。

◆財政政策のあり方を提言−経済危機からの早期脱却と生活の安心・充実に向けて
 http://www.keidanren.or.jp/japanese/journal/times/2009/1126/03.html
日本経団連タイムス No.2976 (2009年11月26日)
 日本経団連は17日、政府の予算編成ならびに財政改革の取り組みを踏まえ、提言「経済危機からの早期脱却と生活の安心・充実に向けた財政政策を望む」を発表し、関係方面に建議した。
提言の概要は次のとおり。
■ 当面の予算編成にあたっての視点 1.経済危機からの早期脱却
2010年度予算の政府案を今年中に策定し、年度内に成立させることが重要である。
2009年度第二次補正予算において、雇用の安定・創出策など追加的な景気対策を講じるべきである。
2.生活の安心と安全の確保
社会保障分野での新規施策を通じて、制度の不備やほころびへの対応、セーフティネットの拡充を期待。あわせて制度横断的な視点に立って、適切かつ有効な仕組みにすべきである。
3.将来にわたる生活の充実に向けた投資
高齢化社会への本格的な対応、世界の低炭素社会の実現、生活の利便性の向上、競争力の強化などに向けて、雇用の創出・拡大が期待される分野の人材の育成、基幹的な空港・港湾等の整備、政府研究開発投資の拡充、イノベーション促進税制の拡充が必要である。
■ 財政政策に関する中長期的な課題
1.財政健全化への取り組み
デフレと低成長のもとでの財政健全化は困難であり、あらゆる政策手段を講じての、名目成長率の向上が必要。成長戦略を速やかに描き、経済成長力の強化による生活の充実を図るべきである。 あわせて直接税に依存する脆弱な財政基盤、社会保障費の増加といった課題に対応するため、税制抜本改革による安定財源の確保が必要。景気回復を前提に、かつ国民の理解を得ながら、段階的に消費税率を引き上げるべきである。 2.地方税・財政制度の抜本改革
まずは国から地方への補助金の見直しを機に、国庫補助負担金や地方交付税を改革し、さらに道州制推進基本法の制定による体制整備を行い、国と地方の税・財政制度を再編成すべきである。
■ 財政運営に関する課題
政府の歳出見直し、予算編成改革への取り組み姿勢を評価しつつ、透明度・実効性の高い財政運営を実現するための方策を提起している。
1. (1)費用対効果分析・コスト効率化の徹底、剰余金や積立金の必要水準など特別会計への踏み込んだ見直しが必要。
2. (2)縦割り行政の垣根を越えた電子行政の早期実現、予算編成・執行・決算までのPDCAサイクルの徹底、政策評価と予算編成の連携強化を図るべき。
3. (3)歳出増に対応した歳入確保策を含めた「歳出歳入改革法」(仮称)の制定等を通じた制度的な担保が必要。
4. (4)景気回復後を視野においた財政健全化目標を策定すべき。
【経済政策本部】

◆「地域主権」改革 地方も覚悟が問われる
 http://www.chugoku-np.co.jp/Syasetu/Sh200911260119.html
 「地域主権」という掛け声は大きいが、具体的な将来像がまだ見えてこない。自公政権が掲げた道州制を目指さないのであれば、新政権は、どんな国と地方のあり方を目指すのだろうか。
 鳩山由紀夫首相は、改革の司令塔となる「地域主権戦略会議」の設置を閣議決定した。きのうは全国の知事を招いた初の会議で、決意をあらためて示した。
 ただ民主党の政策集では、5〜10年かけて実現を目指す考えのようだ。来月中旬をめどにまとめる全体の工程表に注目したい。
 明治以来続く中央集権の「国のかたち」を大幅に変えることでもある。地方も、霞が関が握る権限と財源を積極的に引き取る覚悟があるのか、問われている。
 知事会議では、財源充実を求める声が相次いだ。特に歳入の柱である地方交付税。小泉政権の三位一体改革で削減されたうえ、行政刷新会議の事業仕分けで「抜本的見直し」と判定された。差し当たって来年度予算がどうなるか、不安は強い。
 首相は拡充に前向きだったが、実行はそう簡単ではあるまい。景気の悪化で税収が大幅に落ち込む中、財務省は地方への配分増には及び腰だ。ただこのまま地方を泣かすようでは、政権交代の意味も減じる。要望通りの増額に向けてリーダーシップ発揮のしどころではないか。
 中長期的な地方財源の強化も欠かせない。自公政権時代に設けられた地方分権改革推進委員会も今月、地方への税財源配分を厚くするよう勧告した。6対4となっている国と地方の比率を、5対5の対等にすべきだとする。仕事の量を考えると当然だろう。
 選挙で掲げた政策の実行も、知事会は求めている。
 「ひも付き補助金」を、自由に使える「一括交付金」に切り替える。国と地方の協議の場を法制化し、自治体と仕事が重なる出先機関を縮小する。法令で地方に枠をはめる「義務付け」を見直す…。政府は、当事者の意見も聞きながら具体化を急いでほしい。
 地方も、意識を変えなければなるまい。これまでは国のメニューを見ながら受け身の姿勢でもよかった。今後は、主体的に政策を立案し、優先順位を決めて実行しなければならなくなる。責任や失敗のリスクが増すことでもあり、消極的な首長や職員がいても不思議ではない。
 例えば事業仕分けで「地方移管」となった下水道整備。「自治体の判断で行える仕組みにすべきだ」と指摘されたが、地方には「補助金の形で国の予算を確保すべきだ」などと現状維持を求める声も根強い。
 都道府県に限った話ではない。市町村でも、合併で規模が拡大したのに県からの権限移譲に尻込みするケースは珍しくないという。
 住民も鍵を握る。首長や職員、議員に任せるだけでなく、わが町を住みよくするため、自分たちにもできることはないかを考え、汗を流す気構えが求められよう。

◆防衛予算を厳しく抑制 来年度、鳩山政権方針案
 http://www.asahi.com/politics/update/1125/TKY200911250238.html
鳩山内閣が検討している来年度の防衛力整備方針案が25日、分かった。基本原則として「マニフェスト財源捻出(ねんしゅつ)の必要性や中期防衛力整備計画策定による経費総額の見積もりがなされていないことなどを踏まえ、新規後年度負担額を厳しく抑制する」と明記。09年度まで7年連続で減少を続けている防衛予算の、更なる削減を目指す。
 前政権で年内に予定されていた新たな防衛計画大綱と中期防衛力整備計画の策定が、来年度に先送りになったことに伴う新たな方針。北沢俊美防衛相が、同日午前の基本政策閣僚委員会で示した。
 基本原則では、防衛予算削減のため「現有装備の改修による有効利用」を挙げた。ただ、「必要な人員は確保」し隊員数は維持するとした。
 一方、北朝鮮の弾道ミサイル発射に対処するための地対空誘導弾パトリオット3(PAC3)については、前政権と同様に追加配備する方針。ただ、追加配備には岡田克也外相らから慎重論も出ており、今後の議論の焦点になる。

◆環境税:鉄鋼業界が反発「業界負担、年間400億円超」
 http://mainichi.jp/select/science/news/20091126k0000m020056000c.html
 鉄鋼業界と直嶋正行経済産業相の懇談会が25日、東京都内で行われ、出席した宗岡正二・日本鉄鋼連盟会長(新日鉄社長)は、鳩山政権が検討中の環境税(地球温暖化対策税)について「業界で年間400億円を超える負担になり、反対せざるをえない」と話し、政府に再考を求めた。
 環境省が政府税調に提案した環境税は、原油などすべての化石燃料に対し、二酸化炭素排出量に応じて課税する。原料炭は免税されるが、宗岡会長は「他のエネルギーへの課税で400億円超の負担が生じる」との試算を示し、「競争力が損なわれる。財源確保のための課税と思われ、反対せざるを得ない」と強調した。
 また民主党が公約する国内排出量取引制度も「海外への国富流出を招く」と慎重な判断を求めたほか、13年以降の温室効果ガス削減の新たな国際枠組みについても、主要排出国の米国、中国を入れるようクギを刺した。
 直嶋経産相は懇談会後、記者団に対し「産業界に急な影響が出る対策は慎重に議論したい。ただ、温暖化対策税そのものはいずれ必要になる」との認識を示した。【柳原美砂子】

◆亀井氏、補正増額交渉を過激表現で指示 「腹にサラシ巻いていけ」
 http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/091125/stt0911251858007-n1.htm
 国民新党の亀井静香代表(郵政改革・金融相)は25日の党幹部会で、平成21年度第2次補正予算の編成に向け「民主党だけが政権を担っているわけじゃない。3党連立だ。国民新党の考えをどう反映させていくかが勝負だ」と述べ、民主党主導で2・7兆円規模で調整されている補正の増額を目指す考えを示した。
 亀井氏は11兆円規模を主張しており、「豊かな日本で国民生活の対症療法の財源は簡単に出てくる。金をつくるのが政治の責任だ」と強調。発言はエスカレートし、与党間の実務調整を担う下地幹郎政調会長に対して「腹にサラシを巻いていきなさい。オレより先に首を切られろ」と、過激な表現でハッパをかけた。

◆たばこ1本20円値上げを 超党派の禁煙議連
 http://www.47news.jp/CN/200911/CN2009112501000506.html
 超党派の「禁煙推進議員連盟」(会長・尾辻秀久自民党参院議員会長)は25日、国会内で総会を開き、喫煙率の低減や財源確保などのため、たばこ1本当たり20円の引き上げが必要だとの決議を了承した。今後、各党に賛同を呼び掛ける。
 たばこ税をめぐっては、長妻昭厚生労働相が「ヨーロッパ並みの金額にする必要がある」と発言。長浜博行厚労副大臣も、価格をまず1箱当たり600円にした上で毎年100円ずつ800円まで値上げする案を示している。
 同議連はここ数年、10円の引き上げを提言してきたが、「政府内で浮上している600円よりも高い価格を目指すべきだ」として、1本20円の引き上げで、1箱当たり約700円とするのが妥当との結論に達した。
2009/11/25 17:44 【共同通信】

◆所得税、バブル後最低に=13兆円程度、「基幹税」軒並み減−09年度
 http://www.jiji.com/jc/zc?k=200911/2009112500998
 国の2009年度税収で、所得税の税収が想定を大幅に下回り、バブル経済崩壊後の最低水準となる13兆円程度に落ち込む見通しとなった。昨年来の世界同時不況を背景に企業業績や雇用環境が急速に悪化したためで、法人税もほぼ半減、消費税も1割程度減るなど「基幹税」が軒並み見込みを下回るもよう。この結果、全体の税収も想定した46.1兆円から大きく下振れし、37兆〜38兆円程度にとどまる見通しだ。
 政府は税収見通しをさらに精査した上、年明けの通常国会に提出する09年度第2次補正予算案に盛り込む。税収の落ち込みは国債増発で補う方針で、09年度の国債発行額は過去最大の50兆円超に膨らむ。国債発行額が税収を上回る1946年度以来の異例の事態となる。(2009/11/25-20:11)

◆子ども手当:「所得制限を」57% 一律支給支持は15%−−毎日新聞世論調査
 http://mainichi.jp/life/edu/news/20091125ddm001010021000c.html
 毎日新聞は21、22日に実施した全国世論調査で、鳩山政権の目玉政策である「子ども手当」の賛否などを聞いた。世帯の所得にかかわらず中学卒業まで1人月2万6000円(来年度は同1万3000円)を一律支給するとの政府方針について尋ねたところ「一律支給でいい」との回答は15%にとどまった。(5面に質問と回答)
 同じ設問で「所得制限を設けるべきだ」との回答は57%で、「子どもの人数によって(支給額を)変えるべきだ」の20%と合わせ、何らかの制限が必要だと考えている人が8割近くを占めた。子ども手当の支給そのものへの賛否では、賛成が54%で、反対の39%を上回り、9月の世論調査結果(賛成58%、反対39%)と賛否の割合はほとんど変わらなかった。
 少子化対策として最も優先すべき政策については「保育所の整備」との回答が28%と多く、「子育てしやすい職場作り」の26%、「産科・小児科医療の充実」の23%が続いた。「子ども手当などの経済支援」は14%で、子育てに関する各種サービスや環境整備を重視する傾向がうかがえる。【山崎友記子】

◆消費税上げ「容認」が61%…読売世論調査
 http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20091124-OYT1T01048.htm
 読売新聞社の全国世論調査(14〜15日実施、面接方式)で、社会保障制度を維持するため、消費税率引き上げはやむを得ないと思う人は61%で、「そうは思わない」37%を大きく上回った。
 消費税率引き上げを容認する人は、前回2008年7月調査の47%から14ポイント増え、同じ質問を始めた04年7月以降で最高となった。
 増え続ける社会保障費の財源として、消費税率引き上げは欠かせないという認識が広まっているようだ。
 「今後4年間は消費税率を引き上げない」という鳩山内閣の方針で、今の社会保障の水準を維持できないと思う人は62%に上った。
 少子化対策・子育て支援で重視すべき方法を聞くと、「保育所の増設や育児休業制度の拡充など子育て環境を整備する方法」が68%に上り、「それぞれの家庭に直接、給付金を支給する方法」は28%だった。
 後期高齢者医療制度に関しては、「今の制度をさらに手直しして続ける」47%と「今の制度のままでよい」16%とを合わせ、現行制度の根幹は維持すべきだと思う人が63%となった。「今の制度を廃止し、新しい制度を作る」は32%だった。
(2009年11月24日19時09分 読売新聞)

◆子ども手当 5.5兆円負担は 恒久財源のメドなく
 http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2009112402000049.html
 中学卒業まで1人当たり月2万6000円を支給する子ども手当が、マニフェスト予算見直しの俎上(そじょう)に載ってきた。鳩山政権の「一丁目一番地」の看板政策だが、財源難の折、地方や事業主にも負担を求めるかどうかが焦点だ。5.5兆円に上る財源論争を整理してみた。
 問 なぜ、地方や事業主負担論が出てきたのか。
 答 子ども手当は現行の児童手当を廃止し、創設される。初年度の二〇一〇年度は半額の月額一万三千円を支給し、厚生労働省は財源として二・三兆円を概算要求した。
 児童手当は給付総額約一兆円のうち、国が約二千六百九十億円、地方が約五千六百八十億円、事業主が約千七百九十億円をそれぞれ負担している。同程度の負担を子ども手当でも、という発想で、財務省には地方や事業主負担の維持を求める意見が強い。藤井裕久財務相は「協議の焦点になる」と言っている。
 問 地方は反対を強めているが。
 答 民主党はもともと、子ども手当は「全額国費」とうたってきたから「話が違う」というわけだ。原口一博総務相は「地方負担を求めるなら、もう一回選挙をやるべきだ」と繰り返している。
 長妻昭厚労相も全額国費で一〇年度予算の概算要求をしている。しかし、一〇年度の半額支給分だけでなく一一年度以降の恒久財源のめども立っていないから、問題決着には至らない。
 問 所得制限の論議はどうなっている。
 答 高額所得者には必要ないとの意見が、連立を組む社民党にある。これを理由に藤井氏がマニフェスト予算検討の「論点になりうる」と挙げた。一方、鳩山首相は「設けないのが基本理念」と否定的。菅直人副総理兼国家戦略担当相も慎重だ。しかし、税収不足も深刻化してきて、この問題はくすぶっている。
 問 所得制限となれば、手当をもらえない世帯は不満を持つ。
 答 民主党は所得制限しないと約束してきたからね。もし、設けることになっても、線引きは難しい。
 児童手当の場合、夫婦と子ども二人の世帯で年収八百六十万円未満が支給対象だった。同じ線引きにすれば、児童手当と何が違うのかとの議論になる。
 逆に新たな所得制限を設けるには、各世帯の所得を把握して支給を開始するまで事務作業に時間がかかる。そうなれば、来夏の参院選前の来年六月に予定している第一回支給が危うくなる、と懸念する声も政府にある。
 問 今後の見通しは。
 答 担当閣僚の長妻氏でさえ、「私としては(全額国費、所得制限なしの)概算要求を貫いていく」と言うのが精いっぱいだ。事業仕分けなどによる歳出削減と財源確保をにらみながら、決着は年末にずれ込むのではないか。

◆道州制:経団連が漫画で解説
 http://mainichi.jp/select/seiji/news/20091122k0000e020022000c.html
 日本経団連の広報機関・経済広報センターが道州制の意義を解説した漫画の冊子「やっぱりいいね!道州制」を発行した。経団連の御手洗冨士夫会長をモデルにした「道州教授」が主人公。御手洗会長の提唱する道州制実現に向けて世論を喚起する狙いだ。
 冊子はA5判32ページ。発行部数は2万部で、公民館や図書館などのほか、国会議員らに配布する。地方に権限や財源を移譲する道州制の意義を「道州教授」が説明する内容。「道州制は全く白紙の状態だ」と国政での議論の停滞を嘆く場面もあり、道州制導入までの工程を明記した基本法の制定を訴えている。御手洗会長は「究極の行財政改革は道州制」が持論。【三沢耕平】

◆国家戦略室、暫定税率見直しで協議 環境税も検討に着手
 http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20091120AT3S2000Z20112009.html
 政府の国家戦略室は20日、衆院選マニフェスト(政権公約)の主要予算の見直し作業で、廃止を公約で明記したガソリン税などの暫定税率のあり方をめぐって協議した。廃止に伴う代替財源として導入を求める声がある環境税の是非の検討にも着手した。
 同日は菅直人副総理・国家戦略相ら戦略室の政務三役が財務、総務、環境各省の関係者らから意見を聴いた。総務省が暫定税率が国税、地方税などに入り組んでいる仕組みを説明。環境省は「地球温暖化対策税」を提案した。協議後、菅氏は「(暫定税率廃止の)基本原則からスタートした議論をしている」と指摘。環境税を導入する場合の時期に関しては「制度変更、税収にもかかわる」と述べるにとどめた。
 暫定税率を廃止すれば、年間約2兆5000億円の税収減となる。うち約8000億円は地方自治体に回る財源のため、自治体からの強い反発も予想される。(00:04)

◆雇用調整助成金の要件緩和へ=経済対策、来週中にも策定−政府
 http://www.jiji.com/jc/zc?k=200911/2009112000735
 政府は20日、2009年度2次補正予算案に盛り込む追加経済対策の具体案の検討に入った。菅直人副総理兼国家戦略担当相と各省庁の副大臣、政務官らで構成する経済対策検討チームは同日の会合で、各省庁から提出された対策案を集約。09年度末に期限切れを迎える日本政策投資銀行による企業の資金繰り支援の延長や、企業に雇用維持を促すため社員の休業手当を補てんする雇用調整助成金の支給要件緩和などが検討された。来週中の対策取りまとめを目指す。
 菅国家戦略担当相は会合終了後、経済対策の規模について「1次補正予算の見直しで生まれた財源を充てる」と述べ、2兆7000億円程度とする考えを改めて強調。亀井静香金融担当相が主張する大規模な財政出動に対しては「(悪化している)財政全体のことも考えないといけない」と述べた。規模については引き続き協議を進める。(2009/11/20-23:23)

◆病床ある診療所は診療報酬多く 厚労省が検討
 http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20091120AT3S2001I20112009.html
 厚生労働省は20日、入院用の病床がある「有床診療所」に支払う診療報酬を増やす方向で検討に入った。同日開いた中央社会保険医療協議会(中医協、厚労相の諮問機関)で「へき地や離島で地域医療を支える役割は大きい」との意見でほぼ一致した。今後、診療所の収入の大部分を占める入院基本料を上げる案などを議論する見通しだ。
 有床診療所は病院より規模が小さいが病床のある医療機関。全国に1万1000施設あるものの、20年以上ほぼ一貫して減り続けている。中医協では「病院とほぼ同じ役割を果たしている」との指摘や、「地域の安全網としての機能をもっと評価すべきだ」といった意見が相次いだ。
 厚労省は同日、新薬の特許期間中は製薬会社の発売時の価格を維持する薬価維持特例制度の導入案を中医協に提示した。製薬会社が新薬の開発コストを早期に回収できる環境を整える狙いがある。中医協では「財源は限られている」との慎重論も出た。(20日 22:47)

◆税調、租特の本格協議を開始  省庁との調整難航も
 http://www.iwate-np.co.jp/newspack/cgi-bin/newspack_s.cgi?s_economics_l+CN2009112001000727_1
 政府税制調査会は20日、2010年度税制改正で特定の業界などに税制上の特例を認める租税特別措置(租特)の延長や拡充を求める各省庁との本格的な協議を開始した。税調は、租特の廃止で財源確保を目指しているが、各省庁の激しい抵抗が予想されるため、調整は難航しそうだ。
 19日の会合が国会の緊迫化で中止になったため、この日は経済産業省と環境省の要望に対する協議を1日ずらして実施。経産省が要望する中小企業の投資促進税制の延長や、環境省が求めるエコカー減税の対象自動車の追加などについて議論。
 税調は、各省庁が延長や拡充などを要望した国税分の租特の198項目のうち、ほぼ半数の93項目の減税措置を原則認めないとする見直し案を各省庁に提示するなど、既得権への切り込みを図っている。

◆戦略室、公約の予算圧縮検討 高校無償化も対象に
 http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20091120AT3S1903D19112009.html
 政府の国家戦略室は19日、衆院選マニフェスト(政権公約)の見直し作業で新たに、子ども手当と公立高校授業料の無償化を対象に取り上げた。所管する厚生労働、文部科学両省の政務三役はそろって異論を唱え、地方自治体もしわ寄せを警戒する。公約実現の前に、限られた財源の壁が立ちはだかっている。
 議論が白熱したのは2010年度予算の概算要求が2兆2554億円に達した子ども手当だった。「子ども手当は一丁目一番地の政策。圧縮をお願いされる会議ではない」。菅直人副総理・国家戦略相らとの協議を終えた長浜博行厚労副大臣は予算縮小論をけん制した。(12:33)

◆失業給付切れ100万人 年末までの試算 小池議員、全国延長給付を要求
 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik09/2009-11-20/2009112001_02_1.html
 日本共産党の小池晃政策委員長は19日の参院厚生労働委員会で、毎月15万人ずつ失業給付が切れ、年末までに100万人近くに達する恐れがあるという深刻な事態を示し、政府が雇用保険の「全国延長給付」を発動するよう求めました。
 政府発表によると、今年6月から12月までに失業給付が切れる人は非自発的離職者で最大39万人、自発的離職者で最大54万人に上ります。
 雇用保険法は、失業の悪化が「政令で定める基準」に該当する場合、厚生労働相は所定日数を超えて給付を行う措置(全国延長給付)を決定できると定めています。「基準」は閣議決定で変えられ、現行でもすべての受給資格者を対象に最大90日延長できます。
 小池氏が「政府は『財源が大変』だというが、失業給付の積立金はどれだけあるのか」と質問すると、厚労省側は「2010年度末の残高が4兆4000億円の見込み」と回答。小池氏は「それだけお金がある。アメリカでは11月5日に失業給付期間を最大20週間140日延長する法案が可決された。全国延長給付は政治決断で実施できる」と迫りました。
 長妻厚労相は「年末が心配だという気持ちは同じだ」としつつ、「限られた財源の中で慎重な判断が必要だ」とのべるにとどまりました。
 小池氏は、ハローワークで職業紹介だけでなく生活支援など複数の手続きができる「ワンストップサービス」について、11月30日だけの開催予定になっているとし、「到底1日で解決するとは考えられない」と質問。長妻厚労相は「実施状況をみて、1日に限らずどう開催していくのか決定していく」と答えました。小池氏は「あらゆることをやる立場で臨むべきだ」とのべました。

◆県、就職できない来春の高卒者支援 給与1年分助成へ
 http://www.sakigake.jp/p/akita/politics.jsp?kc=20091120b
 来春卒業予定の県内高校生を対象にした就職支援の一環として、県は19日までに、県内就職できなかった生徒が卒業後に専修学校や企業などで1年間、就職に向けてスキルアップするための給与や学費を助成する方針を固めた。今月27日招集予定の12月定例県議会に提出する2009年度一般会計補正予算案に、関連事業費計1550万円を盛り込む。
 県は経済団体に事業委託し、県内就職できなかった新規卒業者を、研修生などとして約1年間をめどに受け入れてくれる県内企業を調査、開拓する。就業期間の給与は、県が全額助成を予定。卒業生は次年度の就職活動でアピールできる職能の向上に努められるほか、企業にとっても労働力を確保できるメリットがある。場合によっては正式雇用も期待される。
 今回の補正予算案に調査費として約750万円を計上。調査員6人が年度内に受け入れられる企業などをまとめる予定。対象人数など詳細な制度設計は、調査結果や労働者派遣法などを踏まえて行い、新年度からの企業研修開始を目指す。調査費や事業費は、国の交付金による緊急雇用創出臨時対策基金を活用する。
 このほか、県内就職できなかった高校生が、就職に役立つ専門知識を身に付けるため、県内の専修学校に進学する場合も入学金・年間学費の一部を助成する。世帯年収500万円以下という所得制限を設け、入学金・年間学費の合計が60万円以上の場合は10万円、60万円未満は5万円を助成する。ただし、専修学校側も同額を助成することが条件となる。県の事業費は約800万円で、国の地域活性化経済対策臨時基金を財源とする見込み。
(2009/11/20 08:43 更新)

◆診療報酬、3%下げ要求/財務省が査定方針
 http://www.shikoku-np.co.jp/national/main/article.aspx?id=20091119000311
 財務省は19日、マニフェストを実行する2010年度予算編成の査定方針を明らかにした。医療費の伸びを抑えるため薬価の引き下げで診療報酬全体を3%程度削減する改定を厚生労働省に要求。実現すれば、約1兆円の医療費減額になる。農家への戸別所得補償制度をコメ以外でまず実施することや、高速道路無料化の大幅縮小も求める。
 税収急減による深刻な財源難から、政府は国家戦略室主導で公約関連予算の見直しに着手している。財務省が予算編成過程で具体的な査定方針を明らかにするのは異例。
 診療報酬では、開業医と勤務医の収入格差の是正や、収入の多い診療科の報酬引き下げにより、医師の技術料など「本体部分」の伸びをゼロ以下に抑えるべきと主張。特許の切れた先発医薬品の価格は、後発医薬品に合わせて下げる。
 野田佳彦財務副大臣は、農林水産省による概算要求額が5618億円に上る戸別所得補償について「麦や大豆からやり、コメが過剰な状況を変えるのが妥当ではないか」と強調。
 国土交通省が試行経費として6千億円を要求した高速道路無料化では、期間や地域を限定し大幅縮小を求めていく。
 子ども手当に関しては、地方自治体や企業に支給財源の負担を求める意向を示した。

◆阪大、退職金前払い制度導入へ 軽い負担で常勤増狙う
 http://www.asahi.com/edu/news/OSK200911190051.html
 大阪大学が、退職金を前払いする正職員制度を、国立大で初めて来年度から導入する方針を固めた。退職金の負担を軽くしてフルタイムで働ける常勤職員を増やす狙いだが、当初は現在の非正職員を対象に採用し、5年間で試験に合格しなかった非正職員は契約を更新しないため、「体のいい雇い止めだ」との反発が出ている。
 教員をサポートする事務系と技術系の職員が対象。定年時の退職金に代わって、9万円〜12万5千円の特別賞与を年2回の賞与に上乗せする。60歳定年制など他の待遇は普通の常勤職員とほぼ同じ。
 当初5年は現在約370人いる非正職員から募集。筆記試験や面接で選考する。将来は外部からも採用する方針。看護職員を対象に退職金の前払い制度がある国立大はあるが、「事務系職員を対象にしたのは国立大で初めて」(文部科学省)という。
 阪大によると、04年4月に「国立大学法人」になった際、国が負担する退職金の財源手当ては当時の定員枠が上限になったため、正職員を増やして退職金を積み立てると負担が膨らむ。大学関連予算が伸び悩むなか、負担が少ない制度を導入することにしたという。
 当面は非正職員を対象にすることについて、阪大は「有期雇用の非正職員たちの地位を安定させたい」(人事課)と説明する。対象者は毎年受験できるが、15年3月までに合格できない場合は契約を更新しない考え。
 対象者の大半は40〜50歳代の女性。現在は「異動なし」で週30時間勤務が原則だが、新制度では「異動あり」の週40時間勤務となることも、「育児や介護との両立が難しくなる」と不安の声があがる一因だ。
 阪大は11月下旬の役員会で新制度を正式に決定する考え。非正職員たちを支援する阪大教職員組合は、大学側に新制度を撤回するように求めている。(堀篭俊材)
     ◇
 〈退職金前払い制度〉 退職金を在職中に賞与や賃金に上乗せする制度。企業や団体は、退職金を毎年少しずつ支払うことで、将来の退職金支払いに備えた長期にわたる運用や積み立ての負担を軽くできる。日本の退職金制度は賃金の後払いの性格を持つとされ、労働者を定着させる制度として広がったが、終身雇用制が揺らぐなか、松下電器産業(現パナソニック)が98年度から始めるなど多くの企業で前払い制度の導入が相次いだ。

◆税収:38兆円下回る 予算編成に難問 国債再増発も
 http://mainichi.jp/select/seiji/news/20091119ddm008010012000c.html
 今年度の税収が当初の見通しより7兆〜8兆円低い38兆円程度に落ち込む見通しとなり、国債発行額が初めて50兆円を超えることが確実になった。政府が現在検討中の09年度第2次補正予算の規模によっては、更なる国債増発につながる可能性もある。来年度の税収も大幅に落ち込む見通しで、景気回復と財政規律の両立をどう図るか、来年度予算編成で政府は難問を突きつけられている。
 今年度の税収の落ち込みについて政府は、国債発行額を増やして歳入減を穴埋めする考えだ。09年度予算の1次補正後の国債発行の予定額は44兆円。税収の落ち込みが8兆円になり、国債ですべて賄えば発行額は52兆円に達する。
 一方、政府は09年度2次補正に反映させる経済対策の策定作業を進めている。取りまとめ役の菅直人副総理兼国家戦略担当相は当初、1次補正予算の執行停止で財源を確保した2・7兆円を上限に、2次補正を策定することで、国債の増発を防ぐ意向だった。しかし、亀井静香金融・郵政担当相が「規模を(先に)決めるべきではない」と主張し、上限は白紙に戻った。
 菅氏は経済対策を検討する18日の会議で、各省の副大臣らに「財政出動が大きければ大きいほどいいというのは恐竜時代の考え方。金ではなく知恵で勝負してほしい」と話し、積極的な財政出動を主張する亀井氏をけん制した。しかし今後の調整次第では、2次補正の規模が2・7兆円を超える可能性がある。
 また、今年度税収が38兆円程度にとどまることで、来年度も40兆円を割り込む可能性が高まっている。鳩山政権の政権公約(マニフェスト)を盛り込んだ来年度予算の概算要求額は過去最高の95兆円。政府は国債発行額を目標の44兆円以下に抑えるため、行政刷新会議による仕分け作業で無駄の洗い出しを進めている。
 国家戦略室は18日、マニフェスト関連予算に関する各省からのヒアリングを開始。菅氏は「予算縮減が目的ではない」とするものの、無駄の削減などによる財源確保が進まなければ、マニフェストの見直しも、検討課題になりそうだ。【平地修】

◆子ども手当:再検討を OECD提言「重点、就学前教育に」
 http://mainichi.jp/select/seiji/news/20091119ddm008010015000c.html
 先進30カ国でつくる経済協力開発機構(OECD)は18日、日本の政策課題達成に向けた提言を発表し、民主党が公約した「子ども手当」について、「目的と対象を再検討すべきだ」と指摘した。就学前教育・保育や、幼児を持つ母親への支援を優先すべきだとの考えを示している。
 鳩山政権は、中学生以下1人につき月額2万6000円(10年度は半額)を支給する方針。しかし、OECDによると、日本の就学前教育に対する公的負担の割合は加盟国中、最低水準。保育サービスの不足や保育料の高負担により、3〜5歳の幼児を持つ母親の就労率も最低水準にあるという。
 同日、東京都内で会見したグリアOECD事務総長は「女性が仕事と家庭を両立できるようにすれば、経済の生産性や競争力が向上し、出生率も上昇する」と指摘。財源が限られる中、保育サービスや就学前児童の教育に重点を置くべきだと強調した。【柳原美砂子】

◆扶養控除縮小に異論噴出 政府税調、所得課税見直しで集中討議
 http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20091118AT3S1702J17112009.html
 政府税制調査会は17日、2010年度税制改正の柱である所得課税の見直しなどを巡って集中討議した。子ども手当の創設に伴い、一般の扶養控除や 16〜22歳の子どもがいる世帯に適用する特定扶養控除の縮小などを話し合った。だが、家計の負担増につながることから委員からは異論が相次ぎ、子ども手当の財源の確保に不安を残した。
 「扶養控除の廃止をなぜ前倒しするのか」。17日の税調では委員から一般扶養控除の廃止に反対論が噴出した。民主党は衆院選前に扶養控除廃止は11年度からとしていたのに、10月に峰崎直樹財務副大臣が廃止時期前倒しを示唆したためだ。(10:02)

◆障害者への控除は維持へ=「透明化法」など本格議論−税調
 http://www.jiji.com/jc/zc?k=200911/2009111701015
 政府税制調査会(税調)は17日、2010年度税制改正に向け、所得税や租税特別措置(租特)透明化法案などの本格審議に入った。この日の会合で古本伸一郎財務政務官は所得税の扶養控除見直しに関連し、「障害者の皆さまなどについては現行の水準を存続させようと基本的に考えている」と述べ、障害者への控除は原則維持する方向を示した。  現行の一般扶養控除は16歳未満か、23歳以上70歳未満の扶養親族に対し、38万円を課税所得から控除する制度。親族が障害を持つ場合は、同居の有無や障害の度合いに応じて控除額が加算される。特定扶養控除対象者(16歳以上23歳未満、控除額63万円)に関する議論は積み残した。
 政府は10年度の子ども手当創設に合わせて扶養控除を廃止する方針を示している。障害者世帯への対応は別途検討する考えを示したものだが、古本政務官は、どこまで控除の対象に含めるかは「今後の議論」と述べるにとどめた。(2009/11/17-23:30)

◆所得税法の消費税増税規定 財務相「修正がスジ」 佐々木議員に
 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik09/2009-11-18/2009111802_02_1.html
 日本共産党の佐々木憲昭議員は17日、衆院財務金融委員会で、2011年度からの消費税増税にレールを敷く所得税法の付則104条への認識をただし、藤井裕久財務相は「修正するのがスジだと思っている」と表明しました。
 佐々木氏は鳩山由紀夫首相が消費税について、総選挙中「4年間はあげる必要はない」と述べ、3党合意も「(政権担当期間中に)税率引き上げは行わない」としていることを指摘。3月に成立した所得税法付則104条に2年後までに消費税増税法案を国会に提案することが規定されているとして、「4年間は上げないという立場とは矛盾する。修正を考えないのか」と質問しました。
 藤井財務相の答弁を受けて佐々木氏は、「(付則に規定された)期限が来る前に、修正を内閣として行うべきだ」と求めました。
 また佐々木氏は、04年に改正(06年4月施行)された保険業法によって自主的な互助会・共済の維持が困難になっている問題について、鳩山首相が「民間の助け合い、互助の精神はなくてはならない」などと述べてきたことを示し、政府の認識をただしました。
 亀井静香金融担当相は「問題点を精査して法改正を含めて検討したい」と表明しました。

◆寡婦控除:未婚の母子家庭にも適用を 母3人が人権救済申し立て
 http://mainichi.jp/select/wadai/news/20091118ddm041040067000c.html
 所得税法上の「寡婦控除」が受けられないのは人権侵害だとして、非婚の母子家庭の母親3人が17日、日本弁護士連合会に人権救済を申し立てた。寡婦控除を巡る申し立ては初めて。寡婦控除は、夫と死別か離別した人で、子どもや扶養親族がいる場合などに適用され、年間所得から27万〜35万円を控除できるが、結婚歴がなければ適用外。

◆「景気刺激策の継続必要」 米財務長官、金融取引税に反対の意向
 http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20091109AT1F0900609112009.html
 ガイトナー米財務長官は7日、20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議閉幕後の会見で「政府は政策で民間主導の経済成長への橋渡し役を務める必要がある」と述べ、景気回復が確実になるまで各国が景気刺激策を続けるべきだとの考えを示した。
 ブラウン英首相が金融破綻リスクの軽減策の一つとして金融取引税を提唱したことには「必要なのは金融破綻のコストを納税者が負担せずに済む仕組み」と指摘。個々の取引に課税する金融取引税は必要ではないと反対する考えを示唆した。
 政策を危機対応から平時に戻す出口戦略の時期については「早くブレーキを掛けると失業率の上昇や企業破綻、財政赤字拡大を招き、危機の最終的なコストが膨らむ」と指摘した。
 G20各国は「成長が引き続き政策の優先事項であるとの認識で合意した」とも述べた。
(セントアンドルーズで、吉田ありさ)(11:22)

◆枠組み作り「現実的・漸進的に」=財政再建で目標策定へ−野田副大臣
 http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2009110800026
 【セントアンドルーズ(英国)時事】野田佳彦財務副大臣と白川方明日銀総裁は7日夕(日本時間8日早朝)、当地で開催された20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の終了後に記者会見した。野田副大臣はG20が合意した政策の枠組み作りについて、「当初からあまりに野心的な進め方を追求するのではなく、現実的なプロセスとして開始し、漸進的に対話を深めていくアプローチが望ましい」との見解を示した。
 野田副大臣は、来年1月末までに政策の枠組みと計画を提示するとした合意内容を、「具体的な手順が決まったことは大きな前進」と評価。その上で「政策を相互に点検する際、あまりにきっちりやると困る国もある」とし、相互評価の枠組みに柔軟性を持たせる必要性を強調した。(2009/11/08-05:16)

◆地方交付税も仕分け対象に…行政刷新会議
 http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20091107-OYT1T00085.htm
 政府の行政刷新会議は6日、2010年度予算概算要求の無駄を洗い出す11日からの「事業仕分け」で、地方自治体へ配分する地方交付税を対象とする方針を決めた。
 仙谷行政刷新相が6日夜、原口総務相と電話して合意した。地方交付税のうち、主に特別地方交付税を対象とする方向だ。特別地方交付税は本来、災害など特別の財政需要が生じた自治体に交付されるものだが、政府が主導する政策の実施のために配分されるケースがあり、「事実上のひも付き補助金になっている」という指摘があった。 (2009年11月7日08時15分 読売新聞)

◆住民税「特別徴収」へ会議 27市町村県庁で結成
 http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kochi/news/20091106-OYT8T01139.htm
 会社員らの個人住民税(県民税、市町村税)を事業所が従業員に代わり、給与天引きで納税する「特別徴収」を進めようと、高知市などを除く県内27市町村の税務担当者らが6日、県庁で県住民税特別徴収推進会議を結成した。完全に徴収できれば、県全体で約3億4000万円の増収が見込めるという。
 県の推計では、県内約33万人の納税者のうち約18万5000人が特別徴収対象者。しかし特に零細事業者では手続きが複雑でやりにくいなどの理由で、実際に特別徴収しているのは9割の約16万8000人にとどまっている。特別徴収なら収入率はほぼ100%となるが、個人が申請して納める形なら収納率が92・5%に落ちてしまうという。
 会議は、5県税事務所のうち、中央西管内の高知市やいの町など7市町村を除く27市町村で設立。特別徴収を完全実施している安芸市の事例を紹介し、歩調を合わせて事業所に呼びかける方針などを確認した。
(2009年11月7日 読売新聞)

◆10年度税制改正:政府税調、慎重姿勢 減税に「財源提示が先」
 http://mainichi.jp/select/seiji/news/20091107ddm002020048000c.html
<世の中ナビ NEWS NAVIGATOR 経済>
 政府税制調査会は6日、各省庁から提出された10年度税制改正要望について、2日間の聞き取り調査を終えた。環境税の創設やたばこ税増税、中小企業の法人税減税など、マニフェスト(政権公約)に盛り込まれた大型案件も並び、自動車関係の暫定税率廃止とともに税制改正の主要テーマだ。聞き取り調査では、新規の増減税に慎重な税調幹部と要求省庁側の温度差が鮮明になった。税調は、12月上旬の税制改正決着を目指すが、議論は難航が必至だ。【斉藤望、寺田剛】
 「日本の会社の99%は中小企業。中小企業の法人税減税はマニフェストにも掲げた重要な経済政策だ」。増子輝彦副経済産業相が5日の政府税調で、中小企業の法人税の税率を18%から11%に引き下げる要望を行った。これに対し、峰崎直樹副財務相は、「中小企業減税は、必要な財源を見つけてから実行することが民主党の方針。財源の提示が不十分」と難色を示した。
 馬淵澄夫副国土交通相は同日、低迷する住宅市場を刺激するため、親が子供の住宅購入資金を援助した場合の贈与税減税を求めたが、小川淳也総務政務官が「人口減少の時代に住宅新築の促進がいいのか」と疑問を呈した。
 各省の税制改正要望は減税案が大半。新規の減税額は要望ベースで6000億円に達する。税調は新規の減税には必ず既存の政策減税の廃止・縮小で財源を確保する「ペイ・アズ・ユー・ゴー」原則を求めているが、徹底されなかった。このため、税調は5日、減税措置の廃止・縮減の追加提出を各省庁に求めた。
 今年度の国の税収は40兆円を割り込むことが確実。来年度税収も厳しい見通しで、減税要求には簡単には応じられない状況だ。
 ◇環境税、具体論乏しく
 増税要求に対しても政府税調は慎重だ。田島一成副環境相が5日に説明した地球温暖化対策税(環境税)は、肝心の税率や税の使い道を示さず、あいまいな内容にとどまった。峰崎副財務相は「新税を作るのには関係者の意見聴取が必要。拙速にやるべきでない」と慎重論を繰り返した。税調や財務省には、環境税が創設されなければ、2・5兆円の減税につながる自動車関係の暫定税率の完全撤廃は避けるべきだ、との意見もくすぶる。
 たばこ税増税では、長浜博行副厚生労働相が6日、私見とした上で「(1箱300円のたばこを)初年度に600円に設定し、(さらに)毎年100円ずつ段階的に上げていくという考え方もある」と発言した。「初年度600円」という、価格をいきなり2倍にする提案に、峰崎副財務相は「大胆な意見だ」と苦笑。古本伸一郎財務政務官は「たばこ事業法で定められた業界や農家への配慮が必要だ」などと、大幅増税にクギを刺した。
 ◇公開議論、結論へ険しい道
 聞き取り調査を終えた政府税調は今後、本格的な議論に入り、12月上旬に税制改正の答申を鳩山由紀夫首相に提出する見通し。しかし、税調の議論をどうまとめるかの手続きは、明らかになっていない。新政府税調は公開の場で、税調メンバーの副大臣同士が議論するだけに、利害対立を含むテーマでは収拾がつかなくなる恐れもある。峰崎副財務相は「多数決では決めない」と話すが、結論を出す方法については具体的に示していない。
 前政権では、自民党税調が各省庁や業界の要望を「電話帳」と呼ばれる厚い冊子に取りまとめ、数人の幹部が密室の議論でマル、バツを付けて、事実上決着させてきた。税制改正が決着しなければ、来年度の税収見通しも決められないため、年内の予算編成に黄信号がともることになる。

◆菅国家戦略担当相:経済財政の検討会を次々と開く
 http://mainichi.jp/select/seiji/news/20091106k0000m010060000c.html
 菅直人副総理兼国家戦略担当相が、経済財政に関する検討会を次々と開いている。9月下旬に発足させた「予算編成のあり方検討会」、市場関係者の話を聞く10月からの「マーケット・アイ・ミーティング」に続き、同月末には「財政に対する市場の信認確保に関する検討会」を始めた。今後の政策に生かす方針だが、「菅さん向け勉強会」(民主党議員)を通じて市場に情報発信することで、野党などからの「マクロ経済政策が見えない」との批判をかわす狙いもありそうだ。
 5日の「第6回マーケット・アイ・ミーティング」。エコノミストの勝間和代氏らを講師に招き、デフレ克服などについて意見を聞いた。勝間氏は「財政再建の特効薬はデフレを止めること。そのために日銀と共通目標を立てて、物価コントロールをお願いしたい」などと指摘した。
 この会合は、雇用や景気の現状を聞き、経済政策の参考にするのが目的だ。財政政策については、予算のあり方検討会で、予算執行状況を10年度予算からネットで公開するなどの改革をまとめた。11年度以降の複数年度予算導入にも一定の方向を示した。経済財政諮問会議の休止(来年度に廃止)で不足していた日銀との対話も始める方向だ。
 しかし、国債増発が避けられない中、財政再建目標の策定が不可欠とみられるが、菅氏は、当面は先送りする考えだ。検討会を開くことで、市場に安心感を与えようとの思惑のようだが、経済財政運営の司令塔としての菅氏の手腕は依然として未知数のようだ。【秋本裕子】

◆たばこ税など増収策本格審議へ 政府税調、財源確保目指す
 http://www.47news.jp/CN/200911/CN2009110601000696.html
 政府税制調査会は6日、2010年度税制改正要望に関する各省庁からの意見の聞き取りを終えた。この日の会合では、たばこ税率の引き上げを要望した厚生労働省の長浜博行副大臣が、個人的な見解として「(1箱当たりの価格を)600円に設定してから段階的な値上げも考えられるのでは」と大幅増税の必要性を指摘した。
 景気低迷による税収の落ち込みを穴埋めするため、税調は12月中旬ごろの取りまとめに向け、財源確保に向けた審議を本格化させる。
 マニフェスト(政権公約)で10年度からの実施を掲げた揮発油税などの暫定税率撤廃については、一部先送りや「地球温暖化対策税」への衣替えを検討。公約になかった所得税の特定扶養控除縮小などの増収策を幅広く議論する。
 09年度の税収は30兆円台後半に落ち込む可能性があり、10年度も大幅な増収を見込むのは難しいとみられている。
 たばこ税をめぐっては、長妻昭厚労相が「ヨーロッパ並みの金額にする必要がある」と発言している。長浜氏は、価格をまず600円にした上で毎年100円ずつ800円まで値上げする案を示した。
 税調は、財務、総務両省の副大臣らによる「企画委員会」を10日に開き、租税特別措置(租特)の新たな見直し基準を提示した上で各省庁から再提出を求めるほか、来年の通常国会に提出予定の租特透明化法の骨子を策定。17日以降に集中審議に入る。
2009/11/06 21:02 【共同通信】

◆環境税巡り各省思惑 環境・来年度に導入を、経産・産業界反対
 http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20091106AT3S0501N05112009.html
 ガソリンや軽油といった化石燃料の利用に課税する「地球温暖化対策税(環境税)」を巡り、関係各省の思惑が交錯している。環境省は5日の政府税制調査会で、2010年度から原則すべての化石燃料に課税することを要求。税収の急減に悩む財務省も前向きに検討する構えだ。一方、産業界の強い反対を受けた経済産業省は慎重な姿勢を崩しておらず、落としどころはまだ見えない。
 「経済活性化と二酸化炭素(CO2)削減を期待できる最重要な政策手段だ」。5日の税調で、環境省の田島一成副大臣は温暖化対策税の導入を強く求めた。(10:05)

◆IMF「日本の財政赤字悪化」 09年GDP比10.5%を予測
 http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20091103AT3S0300Q03112009.html
 【ワシントン=御調昌邦】国際通貨基金(IMF)は3日、日米欧に新興国を加えた主要20カ国(G20)の財政見通しを発表した。日本については 2009年の財政赤字が国内総生産(GDP)比で10.5%と予測し、前回7月の試算から赤字幅が0.2ポイント拡大するとした。14年の財政赤字も前回比0.4ポイント悪化の8.0%と試算。将来の財政再建の必要性を強調する内容となった。
 IMFは10月に公表した世界経済見通しに基づいて財政面を分析。日本の14年時点の一般政府の債務残高は対象となった20カ国で最も高いGDP比245.6%。前回より6.4ポイント悪化した。
 日本は英国やアイルランドなどとともに、大規模な財政調整が必要になると指摘された。社会保障費の増加を背景に「特に日本は財政支出増加の圧力を受け続ける」という。(00:54)

◆暫定税率撤廃、一部先送りも 財源難、地方への配慮か
 http://www.47news.jp/CN/200910/CN2009102901001028.html
 峰崎直樹財務副大臣は29日、政府税制調査会の会合後に記者会見し、マニフェスト(政権公約)で2010年度からの実施を掲げていた揮発油税などの暫定税率撤廃について「(10年度から)全部一気にできるかはこれからの議論だ」と述べ、撤廃時期を11年度以降に一部先送りする検討に入ることを明らかにした。
 暫定税率を全廃すれば約2兆5千億円の税収が失われるため、歳出膨張で既に深刻化している財源難を考慮したとみられる。暫定税率は自動車取得税や軽油引取税などの地方税にも上乗せされており、地方自治体への配慮が必要との判断も背景にありそうだ。
 峰崎氏はまた、鳩山政権が導入を検討している「地球温暖化対策税」については「相当時間をかけないといけない課題だ。来年度からは難しい」と述べ、10年度からの導入を見送る考えを示した。温暖化対策税をめぐっては、藤井裕久財務相が暫定税率を含めた揮発油税などからの衣替えも念頭に、早期導入に積極的な姿勢を示していた。
 自動車関係の暫定税率による09年度の税収の上乗せ分は、国税で約1兆6800億円、地方税で約8千億円の計約2兆4800億円に上る。
 この日の税調では、10年度税制改正に関する意見聴取が行われ、全国知事会などの地方団体が暫定税率撤廃に伴う地方税の減収分について代替財源を示すよう相次いで要望した。
 知事会は炭素含有量に応じて軽油やガソリンに課税する地方税の「地方環境税」の創設を求めており、税調は新税による財源捻出も視野に入れながら暫定税率の段階的な撤廃を検討する可能性がある。
2009/10/29 22:31 【共同通信】

◆連立与党、税制改正で意見割れる 扶養控除廃止や環境税巡り
 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20091108AT3S0800608112009.html
 8日のNHK番組で、税制改正に関する連立与党の意見が割れた。子ども手当の創設と併せて所得税の扶養控除を廃止することに異論が出た。化石燃料の使用に課税する地球温暖化対策税(環境税)の導入に関しても温度差がみられた。
 所得税の扶養控除について、峰崎直樹財務副大臣(民主党)は「一般扶養控除は廃止して子ども手当に振り替える。手当がもらえず増税になってしまう方々への配慮は何らかの形で考える」と語った。これに対し社民党の阿部知子政審会長は「扶養控除と子ども手当を引き換えようというのはこそくな考え方だ」として扶養控除の廃止に否定的な考えを示した。
 揮発油税などの暫定税率は廃止する方向で一致したが、環境税の導入について、阿部氏は「低炭素社会をつくるための課税を(国民に)納得してもらい、(暫定税率の廃止と)同時にしていい」と主張した。一方、国民新党の下地幹郎政調会長は「暫定税率の廃止で可処分所得が増える。同じ時期に環境税が期待を薄めないようにする工夫が必要」と導入に慎重な考えを示した。 (16:08)

◆「税金をもっと上げて」、ドイツ人富裕者グループが財産税の再導入を求める
 http://www.afpbb.com/article/economy/2655621/4798164
 【10月23日 AFP】裕福なドイツ人のグループが、ドイツを金融危機から立ち直らせる力になりたいと、財産税の導入を求める活動を展開している。独紙ターゲスシュピーゲル(Tagesspiegel)が伝えた。
 嘆願書にはこれまでに44人が署名した。この嘆願書はグループのウェブサイトに掲載されている。
 署名した1人、元医師のディーター・ケルムクール(Dieter Kelmkuhl)さん(66)の試算によると、50万ユーロ(約6900万円)以上の資産を持つドイツ人220万人が今年と来年、その財産の5%の税金を納めれば、国庫に1000億ユーロ(約14兆円)を提供できるという。
 グループは1997年に廃止された財産税を再導入し、税率は最初の2年間は5%、その後は廃止時の税率だった1%にすることを提案している。ドイツはキャピタルゲインには現在も25%の税金をかけている。
 ケルムクールさんは、ドイツ国内で貧富の差が拡大し国の財政も厳しい中、政府が金融機関の救済や景気回復のため数十億ユーロ(数千億円)の支出に踏み切ったことをみて、「今こそ富裕層が祖国を助ける時だ」と考えたのだという。
 米国には約700人の裕福な米国人が所属する団体「公平な経済のための連合(United for a Fair Economy、UFE)」が存在するが、ケルムクールさんはドイツ版UFEが誕生することを望んでいるという。
 ペーター・フォルマー(Peter Vollmer)さん(69)は、自分には必要ない多額の資産を相続したので請願書に署名したと語っている。(c)AFP

◆外為17時 円、3日続落 財政不安で、一時91円93銭近辺に下落
 http://www.nikkei.co.jp/news/market/20091023m2ASS0IMF06231009.html
 23日の東京外国為替市場で、円相場は3日続落。17時時点では前日の同時点に比べ38銭の円安・ドル高の1ドル=91円80〜83銭近辺だった。23日のアジアの株価指数が軒並み上昇し、「投資家がリスクを取りやすくなる」との見方から高金利通貨に対して円売りが進行。対ドルでも円安につながった。日本の財政悪化懸念を材料に海外投資家が持ち高調整の円売りを進めたことも、円を押し下げた。16時過ぎには91円93銭程度まで下落し、9月 22日以来、約1カ月ぶりの円安値を付けた。
 亀井静香郵政・金融担当相は23日午後、BS11の番組で2009年度第2次補正予算の規模について「(執行停止で確保を目指す)3兆円だなんてばかげたこと。10兆円ぐらいいけばよいと思う」と発言。日本の財政赤字拡大の思惑が一段と膨らみ、円売りを誘った。チャート上の節目とされていた91円74銭前後の水準を超えて円安が進むと、短期筋による損失覚悟の円売り・ドル買いも巻き込んで下げ足を速めた。9〜17時の円の高値は91円37銭近辺で、値幅は56銭前後だった。
 円は対ユーロでも3日続落。17時時点では同1円01銭の円安・ユーロ高の1ユーロ=137円91〜95銭近辺だった。アジア株高で「投資家がリスク資産投資を活発化させる」との見方から低金利の円を売り、高金利のユーロを買う動きが進んだ。日本の財政悪化懸念も円売りを誘った。9〜17時の円の安値は 137円99銭近辺、高値は137円42銭近辺だった。
 17時過ぎにはユーロ圏の経済指標が改善したことを背景に、138円台に円安・ユーロ高が進んだ。
 ユーロは対ドルで続伸。17時時点は同0.0047ドルのユーロ高・ドル安の1ユーロ=1.5021〜24ドル近辺で推移している。「投資家がリスクを取りやすくなる」との見方がユーロ買い・ドル売りにつながった。ユーロは朝方に1.5061ドル近辺まで上昇。もっとも、来週の米国債入札で米長期金利の上昇観測が広がっていることはユーロ売り・ドル買いの材料となり、ユーロの上値は限られた。〔NQN〕(23日 17:43)

◆社民・福島党首:所得税の最高税率上げ求む−インタビュー(Update2)
 http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920019&sid=aX2njcq_YaBY
10月22日(ブルームバーグ):社民党党首の福島みずほ少子化担当相は、ブルームバーグ・ニュースの単独インタビューに応じ、日本の所得再分配政策は十分に機能してないとして所得税の最高税率(現行40%)引き上げなどを検討する必要があるとの認識を明らかにした。今後、政府税制調査会などを通じて連立政権内で実現を求めていくという。
  インタビューは21日行った。福島氏は「日本の所得再配分はうまくいっていない。米国のオバマ大統領も富める者のみを優遇する社会は長続きしないと言っている」と指摘。格差是正の具体策の一つとして所得税の最高税率を挙げ、「11年前に戻すだけで随分変わる。政府税制調査会の中で主張していきたい」と述べた。
  所得税の最高税率は1999年にそれまでの50%から37%に引き下げられ、その後、2007年の税率構造見直しで40%となっている。社民党は衆院選の政権公約(マニフェスト)に、高額所得者の所得税の最高税率を50%に戻すことを明記している。同党は、高額所得者の税率引き上げで、2500億円が確保できるとも試算している。
  社民党のマニフェストは「大企業・金持ち優遇の不公平をただす」方針を掲げ、法人税の基本税率(現行30%)の引き上げ、株式の配当・譲渡益にかかる税率を10%とする現行の証券優遇税制の即時廃止なども盛り込んでいる。
  厚生労働省は20日、全人口の年間可処分所得の中央値の半分にも届かない所得しか得られていない人の割合を示す「相対的貧困率」が07年に15.7%に達したと発表。7人に1人以上が貧困状態にあることが分かった。福島氏は日本社会の現状について「貧困率が高く格差が拡大している」との認識も示した。
  一方、福島氏は消費税率(5%)の引き上げについては「可処分所得がますます低くなって困る人が出てくる」と述べ、反対する姿勢をあらためて強調した。
(…)
-- 取材協力:白木真紀Editor: Hitoshi Sugimoto, TakeshiAwaji
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 広川高史 Takashi Hirokawa thirokawa@bloomberg.net
更新日時: 2009/10/22 14:46 JST

◆母子加算復活で正式合意 財務相と厚労相 財源58億円
 http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/091022/fnc0910221252016-n1.htm
 長妻昭厚生労働相と藤井裕久財務相は22日午前、今年3月末に廃止した生活保護世帯への「母子加算」について、年内の復活について正式に合意した。財務相が今年度分の満額支給に必要な58億円を予備費から充てることを認めた。政府は23日に閣議決定し、12月初旬にも支給が再開する。
 母子加算は18歳以下の子供がいて、かつ生活保護を受けている母子家庭に月約2万円を支給する制度。鳩山由紀夫首相が、重点施策として年内復活を目指していた。しかし、財務省は厳しい財政事情を考慮し、高校生の就学費などを受け取っている世帯を対象から外し財源を32億円まで圧縮するよう主張していた。
 長妻厚労相と藤井財務相がこの日、財務省内で会談し、最終的な合意に至った。長妻厚労相は会談後、記者団に対し、「就学費は母子家庭以外の世帯も含めて導入された制度で、母子加算とは趣旨が違う」と説明した。ただ、概算要求にも盛り込また平成22年度以降の母子加算の取り扱いについては「高校授業料の無料化などと整合性を考える」として今後の検討課題とした。

◆09年度補正予算:埋蔵金温存 予算の「見栄え」優先 変わらぬ財政悪化
 http://mainichi.jp/life/today/news/20091022ddm008020069000c.html?link_id=RLH02
 ◇今年度国債増
 政府が、09年度補正予算の財源となっていた「埋蔵金」約3兆円の10年度当初予算への持ち越しを検討するのは、来年度の国債発行を極力抑えたいとの思惑がある。その分、09年度の国債発行額が膨らむことになり、「見栄え」の問題に過ぎない。多額の国債発行で財政の悪化は進むことには変わりない。
 「今年度の税収は40兆円を割り込む可能性がある」。藤井裕久財務相は20日の会見で、46兆円を見込んでいた税収が経済危機の影響で大幅に落ち込む見通しを示し、落ち込み分は「国債の増発をもって対応する」と明言。国債発行額は初めて50兆円を超える見通しになった。この時期に財務相が言及するのは異例だ。
 一方、来年度予算を巡っては、今月15日に各省が提出した概算要求の総額は、子ども手当などの新政策を盛り込んだため、過去最大の95兆円に膨らんだ。来年度も大幅な税収増は見込めないが、鳩山由紀夫首相は国債発行を今年度補正後の44兆円以下に抑える方針で、財源確保が大きな課題になっている。
 政府が決定した09年度補正予算の2兆9259億円の減額分は、「本来なら今年度の国債発行を抑えるのが財政の常識」(財務省幹部)。しかし国債発行の増加を抑制せずに、「埋蔵金」の財政投融資特別会計の積立金を補正の歳入額から減らし、来年度予算に回す方針だ。来年度の国債発行を抑えられるが、「来年度予算の見栄えをよくするためのつけ替えに過ぎない」との批判も出そうだ。
 菅直人副総理兼国家戦略担当相は、09年度の国債発行が膨らむことは「前政権の負の遺産」と言う。しかし、今年度の国債発行を抑制しようとせずに、前政権に責任を押しつけることは、庭先を掃く行為に過ぎず、「責任政党」としての姿勢が問われることになりかねない。【平地修】

◆埋蔵金:3兆円温存 国債抑制に充てず 政府検討
 http://mainichi.jp/select/biz/news/20091022k0000m010142000c.html
 政府は09年度補正予算の財源として活用する予定だった約3兆円の「埋蔵金」を使わず、来年度予算の財源に転用する方向で検討に入った。政府は補正予算のうち歳出約3兆円の減額を決めている。補正予算の財源の大半は国債や、特別会計の積立金などの「埋蔵金」。埋蔵金を使えば、その分だけ国債発行を抑制できる。従来の予算編成では国債発行を極力抑えようとしてきており、「埋蔵金」を温存して、来年度から始める鳩山政権の目玉政策の一つである子ども手当などの財源とするのは異例の対応といえる。
 自民党政権時の今年5月に成立した09年度補正予算の一般歳出は14.7兆円。財源は国債発行(約10.8兆円)と、「埋蔵金」とされる財政投融資特別会計の積立金(約3.1兆円)、経済危機に対応するための予備費(8500億円)を充てた。しかし、政権交代後、鳩山政権は補正予算を全面的に見直し、16日に総額2兆9259億円を削減することを決めた。
 約3兆円の歳出削減に伴い、政府は来年の通常国会に提出する予定の09年度2次補正予算案で歳入も見直す。その際、埋蔵金約3兆円は歳入に計上せず、ほとんどを国債発行で賄う見込みだ。
 46兆円を見込んでいた09年度の税収は、経済危機の影響で40兆円を割り込む見通し。国債増発は不可避の情勢で、補正予算での埋蔵金の活用を見送ることは国債発行額を更に上ぶれさせる要因になり、今年度の国債発行は50兆円を超えるとみられる。
 藤井裕久財務相は20日の会見で、「補正予算の3兆円の削減分は、国民により近いものに振り分ける」と述べ、子ども手当などの政策に充てる方針を示している。【平地修】

◆首相「出来る限り切り込む」…行政刷新会議初会合
 http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20091022-OYT1T00489.htm
 政府は22日午前、「行政刷新会議」(議長・鳩山首相)の初会合を首相官邸で開き、税金の「無駄遣い根絶」に向けた洗い出し作業を始めた。
 当面、概算要求で95兆円超に膨れ上がった2010年度予算案を「事業仕分け」の手法で見直す作業を進め、「子ども手当」など、民主党が衆院選で政権公約(マニフェスト)として掲げた新規政策の財源確保を目指す。
 事業仕分けは、予算の中の事業ごとに、「必要か不要か」「国がやるべきか地方がやるべきか」などを判定する作業だ。初会合では、省庁を3グループに分け、国会議員と民間人の十数人で構成する「仕分けチーム」をそれぞれに設置した。
 同会議は今後、仕分けチームで各省庁から概算要求について聞き取りをした後、事業仕分けの対象事業を200〜300程度選定する。11月中に仕分け作業を公開で実施し、11月末までに結果をまとめて来年度予算編成作業につなげる考えだ。
 鳩山首相は冒頭のあいさつで、「税収が大幅に落ち込む懸念がある中、真に必要な予算に重点的に配分するため、歳出削減に向け、出来る限り切り込まなければいけない」と強調した。
 初会合に続いて行われた各省の副大臣・政務官と仕分けチームの国会議員への説明会で、首相は「『必殺仕分け人』という思いを持って頑張ってほしい」と激励した。仙谷行政刷新相は「『わが省』は禁句だ。内閣の一員として取り組んでほしい」と述べ、各省の官僚に仕分けチームのメンバーへの事前説明などをさせないよう副大臣らにクギを刺した。
 政府は子ども手当などマニフェストに掲げた新規政策の実現に必要な財源は10年度で7・1兆円と見込んでおり、うち4兆円を10年度予算のムダ削減と埋蔵金などで賄うとしている。 (2009年10月22日11時43分 読売新聞)

◆住民税の扶養控除廃止も検討へ 所得税に連動し方針転換
 http://www.47news.jp/CN/200910/CN2009102101000732.html
 政府は21日、子ども手当創設に伴い2010年度中にも廃止することを検討している所得税(国税)の扶養控除に加え、住民税(地方税)の扶養控除も廃止を検討する方針を固めた。今後、政府税制調査会で議論する。廃止されれば、約6千億円の地方税収増が見込まれる。
 民主党はこれまで住民税控除は維持する方針だったが、税制全体の整合性を維持するため、住民税も見直す必要があると判断した。
 住民税は「地域の会費」の位置付けで、所得税が非課税の低所得者からも「広く薄く」徴収する制度設計となっている。これに対し所得税の控除だけが廃止されると、住民税は免除される所得水準なのに所得税は課税されるという逆転が一部で生じ「制度の趣旨が根本から崩れる」(総務省)との懸念が出ている。
 峰崎直樹財務副大臣も20日の政府税調後の記者会見で、扶養控除について「所得税で廃止すれば、(住民税での議論は)避けて通れない」としていた。
 政府は、10年度に創設予定の子ども手当の財源に充てる目的で、所得税の配偶者控除と扶養控除の廃止を検討中。このうち扶養控除の廃止は、10年度中に前倒しする案が浮上している。
 これに対し税調メンバーの小川淳也総務政務官は21日の会見で、子ども手当の財源について「全額国費負担とすべきだ」と述べ、地方税の控除廃止に伴う自治体の増収分を充てることには否定的な立場を示した。

◆特別会計も無駄削減 行刷相、来年度予算の財源に
 http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20091020AT3S2000S20102009.html
仙谷由人行政刷新相は20日の閣議後の記者会見で来年度予算について「(一般会計・特別会計全体の)208兆円を対象に切り込んでいく」と述べ、特別会計も含めた無駄の削減で財源を確保したい考えを示した。行刷相は「公益法人に流れている埋蔵金のようなものは有効な資産として、次の予算でも使う措置がとれるものはとる」と発言。特別会計の見直しなどで税収や国債発行で補いきれない歳出の財源を捻出(ねんしゅつ)する方針だ。
 行政刷新会議が無駄を洗い出すために始める「事業仕分け」で特別会計や公益法人なども点検していく方針。仙谷行刷相は国会議員を中心に進める事業仕分けの結果について「法律的な意味での拘束力はない」と指摘。不要な事業と仕分けした場合にも「国家戦略局(室)や財務省、官邸、私どもなりの政治的な価値判断が大きく左右する」と述べ、2段階で事業の存廃を決める認識を示した。(14:01)

◆「番号制度」4年で実現の方向性 政府税調
 http://www.47news.jp/CN/200910/CN2009102001000857.html
 峰崎直樹財務副大臣は20日に開かれた政府税制調査会の会合後の記者会見で、税と社会保障制度に共通した番号を個人につけて所得を把握しやすくする「番号制度」について「(鳩山政権の)4年の間には実現の方向性をつけないといけない課題の一つだ」と述べ、導入に向けた議論を本格的に進める方針を示した。
 税調の会合では、番号制度の仕組みや背景などについて財務省が説明したが、出席者による意見のやりとりはなかった。
 民主党は、衆院選のマニフェスト(政権公約)で番号制度導入を掲げている。峰崎氏は「経済団体などで早く導入すべきではないかという意見が強くなってきている」との認識を示した。
 鳩山由紀夫首相は、税調に対する諮問で、低所得層を支援する「給付付き税額控除」の創設など所得税改革の検討を指示。給付付き税額控除の実施には、納税者の所得を把握して不正受給を防ぐため税と社会保障共通の番号が欠かせないとの意見がある。
 番号制度は、税務当局が納税関連の資料を一元管理することで所得を把握する「納税者番号」と、年金や介護など社会保障の情報を管理する「社会保障番号」に共通番号を導入する仕組み。20日の税調では、財務省がプライバシーの保護や共通番号の決定方法が課題になると説明した。

◆概算要求、雇用と地域立て直しがベース=平野官房長官
 http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-12025220091020
2009年 10月 20日 12:05
[東京 20日 ロイター] 平野博文官房長官は20日の閣議後の会見で、2010年度概算要求に関する閣僚からの発言に関して「雰囲気としては、全体の経済の状況が非常に厳しいという話だった」と述べ、「政府としても経済状況、さらに雇用の状況をしっかり見極めていかなければならないというのが閣僚全体の認識。特に雇用問題と地域経済を立て直していくということをベースに考えていくべき」だと述べた。
 日本航空(9205.T: 株価, ニュース, レポート)の経営再建問題に関する今朝の前原誠司国土交通相と藤井裕久財務相の会談に関しては「国土交通相と先ほど会った。財務相と会ったことの報告をいただいたが、具体的なことの発言は差し控えたい」と述べるにとどめた。
 子供手当ての財源を地方にも負担してもらうとの考え方について閣僚間でも意見の違いがあると見られていることについて、「閣内での見解の違いではなくて、基本的には直接に家計に渡るようにすることが大事だということ」として、「渡し方のあり方や財源の捻出についてはこれから具体的に検討する」とした。
 その上で(財源や渡し方は)「担当の部局が検討したらよいということで、色々な仕組みを広く考えたらよい。一つは地方に負担いただくこともあるかもしれない。あるいは全額国が負担することが要望としては強いかもしれないが、これから検討すること」だと述べた。

◆安心で信頼できる社会保障制度の確立に向けて(日本経団連)
 http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2009/083.html
2009年 10月 20日
(2) 安定財源の確保に基づく中長期的な持続可能性の確立
少子高齢化が急速に進む中で、社会保障制度の持続可能性を高めるためには、負担の先送りや現役世代に対する保険料への過度な依存を避け、国民全体で社会保障制度の財源を支える仕組みへと抜本的に見直していくことが必要である。
今後の制度の基本的な在り方として、自助努力では賄いきれないリスクは保険による相互扶助を基本とする一方、保険原理を超えたリスクへの対応や世代間扶助にあたっては、税による公助を基本とし、社会保障給付に対する公費の投入を高めていく方向で、再設計していくべきである。
歳出を徹底的に見直し、無駄を排除するなかで財源を捻出することは必要である。しかし、制度の抜本改革を具体化し、中長期的に持続可能な制度を確立していくためには、裏付けとなる財源の明確な設計が最も重要であり、問題が先送りに陥ることのないよう、冷静な判断をもって、実効性ある財源論を行うべきである。
経団連としては、経済情勢に配慮しつつ、税体系の抜本改革等を通じ、個人や企業の活力を阻害することなく、かつ景気変動に対して安定した収入が得られるよう、消費税を主たる財源として社会保障費用を賄う方向での歳入改革を行う必要があると考えている。政府は、税制抜本改革の道筋について、今後5年間程度のスケジュールを明確に示した上で、着実かつ段階的に実現を図るべきである。その際、少子化対策、医療・介護、年金を含め、制度横断的な観点から財源確保の在り方を検討する必要があることは言うまでもない。

◆予算編成:ネットで公表、透明化も…検討会が論点整理
 http://mainichi.jp/select/seiji/news/20091020k0000m010102000c.html
 政府の「予算編成のあり方に関する検討会」(座長・菅直人副総理兼国家戦略担当相)は19日、実質的な複数年度予算の導入や、予算編成過程・予算執行に関する情報をインターネットで公表する提言を盛り込んだ「論点整理」をまとめた。一部は10年度予算編成での導入を目指し、閣議決定も視野に入れている。
 論点整理は▽複数年度を視野に入れたトップダウン型の編成▽編成・執行の透明化▽年度末の予算の使い切りなど無駄な執行の排除▽政策達成目標制度の導入−−の4項目が柱。
 10年度編成では、政府として最優先する政策をいつまでに達成するかを明示する「政策達成目標」を定めて公開する。また、予算閣僚委員会で大局的な方針を示すトップダウン方式を目指すほか、各省の副大臣・政務官を中心とした「予算執行監視チーム」の設置も検討している。
 11年度以降は「中期財政フレーム」を策定し、13年度まで3年間の歳入見込みと各分野での歳出の骨格、歳出削減策をまとめることで、実質的な複数年度予算とする。予算執行のネット公開は、具体的な使い道や無駄を国民がチェックできるようにするのが狙いだ。
 ただ、公開範囲や具体的な実施時期には触れていない。【野原大輔】

◆鳩山首相、赤字国債の増発に慎重「世論調査が指針」
 http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/091019/plc0910192001012-n1.htm
 鳩山由紀夫首相は19日夜、報道各社の世論調査で衆院選マニフェスト(政権公約)実現よりも赤字国債増発を慎重にすべきだとの回答が多数を占めたことについて、「子供たちにツケを回してはいけないという気持ちは大切にしたい。むやみに発行される状態は何としても避けなければいけない」と述べた。首相官邸で記者団に答えた。国債増発に慎重な考えを示したものだ。
 首相は「国民は柔軟だ。マニフェストだけにこだわるのも国民に失礼な話になるかもしれない。柔軟に考える工夫が必要だ。(世論調査は)そういう指針を与えてくれた」と語った。
 首相は15日には「国民がマニフェスト実現よりも国債をこれ以上発行してはいけないというなら、そういう方向もある」と述べ、判断を世論に委ねる姿勢を示していた。

◆私的年金に税制支援を…経団連が社会保障提言
 http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20091019-OYT1T00929.htm
 日本経団連は19日、社会保障制度に関する提言をまとめた。
 基礎年金をすべて税金でまかなう「全額税方式」への移行に向けて具体的な検討を早く始めることや、確定拠出年金など私的年金に対する税制面の支援などを求めた。
 「子ども手当」については、「子育て世代への経済的支援を拡充すべき」と支持するとともに、歳出と歳入のバランスをとる必要があると指摘。社会保障制度の主な財源には消費税をあてるべきだとしたうえで、「今後5年間程度のスケジュールを明確に示し、段階的に税制改革の実現を図るべき」と提言した。
(2009年10月19日19時04分 読売新聞)

◆税収40兆円切れば赤字国債も 菅戦略相
 http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20091019AT3S1900I19102009.html
 菅直人副総理・国家戦略担当相は19日午前、2010年度予算編成について「税収が40兆円を切ったときに、穴埋めに国債発行が必要になる」と述べ、歳入不足を補うため、赤字国債の増発もあり得るとの認識を示した。都内で記者団に語った。
 仙谷由人行政刷新担当相が一般会計予算の歳出総額を「92兆円くらいで収めたい」と発言したことに関しては「イメージはある程度、藤井裕久財務相や行刷相と共有している。ただ、数字までは合意しているわけではない」と説明した。(11:36)

◆「子ども手当」支給で世帯収入は 家族構成や年収で増減
 http://www.hokkaido-np.co.jp/cont/kurashi-senka/73481.html
(北海道新聞 2009/10/18)
 新政権が政策の柱とする「子ども手当」。施行されれば中学卒業までの子どもに1人当たり年額31万2千円が支給されます(初年度は半額)。一方で所得税の配偶者控除と一般扶養控除、児童手当が廃止される見通しで、家族構成や働き方、年収によって手取り収入の増減が分かれます。

 試算は片働き・共働き別、年収別に家族構成を設定し、第一生命経済研究所が行いました。前提は▽所得税の配偶者控除と一般扶養控除、児童手当は廃止▽特定扶養控除(16歳以上23歳未満)は現状維持−などです。所得制限の議論などもあり、実際の施行方法によって異なります。
「片働き」では減収も
 試算の結果、中学生以下の子どもがいる全世帯で増収となりました。配偶者控除廃止の影響を受ける片働き世帯より、もともと同控除のない共働き世帯の方が恩恵が大きくなります。また、従来の児童手当の支給対象外だった中学生のいる世帯で大きな増収となります。
 年収別では、低所得層ほど増収になる傾向です。所得制限で児童手当が支給されていなかった高所得層も、手当の恩恵を受けます。収入にほぼ変化がないのは、共働きで子どもがいない場合や共働きで子どもが16歳以上23歳未満の場合などです。
 減収になるのは、片働きで子どもがいない世帯や、片働きで高校生以上の年齢の子どもがいる世帯の多くです。子ども手当の支給対象とならないうえに、控除廃止の影響も受けるためです。ただし子どもが高校生の場合、公立高校授業料の無償化や私立高校生に対する助成(年額12万〜24万円)が実施されれば学費負担は減ります。
 同研究所主席エコノミストの永浜利広さんは「子を持つことで金銭的メリットが発生するため、出産を迷っている層が子を持つ契機になる」と分析しています。
専業主婦の就労促進
 一方、片働き世帯の配偶者が3歳未満の子どもを保育所に預けて新たに働きに出る場合、どの程度の年収を得れば、世帯全体の収入がプラスになるのでしょうか。子ども手当を加えた新たな収入から、保育料や増税分を差し引いて試算しました。
 配偶者の年収が約70万円の場合、元の世帯年収が500万円までなら増収になります。700万円以上の世帯は保育料(所得税額で決定)が高いため減収になります。配偶者の年収が約80万円を上回れば、おおむね増収が見込まれます。
 同研究所副主任エコノミストの有馬めいさんは「専業主婦だった女性の労働参加が進む可能性がある。保育料の低い低所得層ほど、子どもを預けて働こうという意欲が高まる」と話します。
 就労促進には、認可保育所の整備や雇用の確保が大前提で、立体的な子育て支援が望まれます。

◆扶養控除、財源難で廃止前倒し
 http://osaka.yomiuri.co.jp/mama/society/ms20091015kk03.htm
民主党が公約していた所得税の控除見直しのうち、子どもを持つ家庭の税負担を軽減する扶養控除が2011年1月にも廃止される可能性が出てきた。鳩山政権は当初、子ども手当の満額支給(月額2万6000円)が始まる11年度以降に廃止する方針を示していたが、財源確保が難航し、早期廃止を検討せざるを得なくなったという事情がある。
(笹子美奈子)

 民主党はこれまで、高所得層に有利な「控除」から直接家計に支給される「手当」への円滑な転換を図るため、子ども手当が満額支給される11年度以降に、所得税の扶養控除と配偶者控除を廃止する方針を示してきた。
 しかし、峰崎直樹財務副大臣は10日、記者団に対し、「子ども手当の財源として見合いになってくる扶養控除(の廃止)は国民にはわかりやすい」と説明し、藤井財務相も扶養控除の先行廃止の可能性を認めた。
 扶養控除の先行廃止が浮上した背景には深刻な財政難がある。10年度予算の一般会計総額が概算要求段階では過去最大規模に達し、既存予算の組み替えで財源をひねり出すのは難しい。さらに、景気低迷で税収が25年ぶりに40兆円割れする可能性もある。
 このため、年換算で約8000億円の税収増が期待できる扶養控除廃止は有力な財源確保策となる。
 扶養控除を廃止しても子ども手当の支給で収入増となるケースが多く、子ども手当の対象とならない高校・大学生の子どもがいる家庭も、16〜22歳の子どもが対象の特定扶養控除は存続され、負担は変わらない。このため、峰崎副大臣らは国民の理解は得られるとみている模様だ。
 しかし、病気や就職先が見つからないなどの理由で働いていない23歳以上の扶養親族(障害者やお年寄りを除く)がいる世帯では、負担増となるケースも出てくるとみられ、議論は簡単ではない。来年夏の参院選に向け、与党内で扶養控除廃止の先送り論が強まる可能性も否定できない。
 一方、約6000億円の税収増が見込まれる配偶者控除(控除額38万円)の廃止には、「子どもがいない専業主婦世帯を狙い撃ちした増税として批判される」との懸念が強く、具体論は来年夏の参院選後に先送りされる見通しだ。
(2009年10月15日 読売新聞)

◆福島氏、財源確保は「所得税・法人税率引き上げで」
 http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20091017AT3S1700F17102009.html
 福島瑞穂消費者・少子化担当相(社民党党首)は17日午前のTBS番組で、鳩山政権の政策に必要な財源確保の方法について「所得税や法人税の最高税率を 11年前に戻せば4兆2千億円捻出(ねんしゅつ)できる」と述べ、所得税や法人税の最高税率引き上げを政府税制調査会で検討すべきだとの考えを示した。同時に「低所得者に高負担になるので社民党は消費税という形はとらない」と消費税増税には反対する立場を強調した。(11:09)

◆税制政策会議の設置検討=与党から初の意見聴取−財務省
 http://www.jiji.com/jc/zc?k=200910/2009101300881
財務省は13日、参院議員会館で、与党議員から意見を聞く初の政策会議を開いた。席上、財務省側は「税制について、与党と話し合いをする場を検討している。財務省と(地方税を所管する)総務省が合同で政策会議を開いてもよい」と語り、「税制政策会議」の新設を検討する方針を示した。
 会議には議員約80人が参加。財務省からは藤井裕久財務相ら政務三役が出席した。会議では、議員から格差是正に向け所得税の最高税率引き上げを求める声が出たが、古本伸一郎政務官は「最高税率はいじらず、所得控除のあり方を見直す」と述べ、中・低所得者に有利とされる控除方式への切り替えなどで対応すると説明した。(2009/10/13-20:14)

◆介護職の賃金アップ浮上=雇用改善の目玉に−財源探し難航も・政府
 http://www.jiji.com/jc/zc?k=200910/2009101000204
 戦後最悪の水準が続く失業率改善の切り札として、介護職員の処遇改善が注目を浴びている。賃金水準の低さが指摘される介護職員の賃金を増額することにより、就職先としての魅力を高め、介護分野の人材確保を図る狙いがあり、政府は年末に向け検討を本格化させる。ただ、8000億円規模に上るとされる財源の検討は手付かずの状態で、議論が迷走する可能性もある。(2009/10/10-15:09)

◆「扶養」、来年度廃止も 所得税控除で財務副大臣
 http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20091010AT3S1000I10102009.html
 峰崎直樹財務副大臣は10日午前、所得課税の見直しに関し、2010年度税制改正でまず扶養控除の廃止を検討する考えを示した。10年度から廃止する可能性について「十分あり得る」と述べた。配偶者控除の廃止については「慎重に検討する」という。都内で記者団に語った。峰崎氏は8日に発足した政府税制調査会で中心的な立場にある。
 所得税の扶養控除は、所得金額から扶養親族1人当たりで38万円を控除する仕組み。
 民主党は当初、11年度から子ども手当を完全実施(10年度は半額)するのに伴って、配偶者控除と扶養控除を廃止する方針を示していた。扶養控除を廃止すると約8000億円の財源が浮く。扶養控除廃止を先行実施し、10年度実施分の子ども手当などの財源に充てる狙いがあるとみられる。(10日  11:33)

◆首相、所得課税の抜本見直し諮問 「減税要望は財源確保策を」
 http://www.nikkei.co.jp/senkyo/2009shuin/elecnews/20091008AS3S0802V08102009.html
 鳩山由紀夫首相は8日、新政府税制調査会の初会合で、所得課税を柱とした税制の抜本見直しを諮問した。所得税の減税と給付金を組み合わせた「給付付き税額控除」の検討を指示。各省に月末までに税制改正要望の提出を求め、減税を要望する場合は相当分の財源確保策も示すよう要請した。酒税・たばこ税は健康への影響を踏まえた税制見直しを提起した。
 新税調は各省庁からの税制改正要望に基づき年内に改正案を決定。首相は会合で「少子高齢化と人口減少という厳しい環境下で、社会保障と合わせて税制をどうしつらえるかが最大のテーマ。納税者の立場で議論を進めてほしい」と語った。

◆連合、所得税最高税率の引き上げ要望 財務相に
 http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20090930AT3S3001I30092009.html
 連合の古賀伸明事務局長は30日、衆院議員会館に藤井裕久財務相を訪ね、2010年度税制改正に関する要望書を提出した。所得格差を是正するため、税制の所得再分配機能を強化するよう要請。具体的には所得税の最高税率を引き上げて累進性を高めることを提案した。一方で、課税最低限に満たない低所得者向けに、給付付き税額控除を検討するよう求めた。
 要望書ではこのほか、税の徴収の公平性を高めるため、個人の所得額を把握する納税者番号制度を導入するよう提言した。古賀氏は「納税者の立場に立つ基本的方向を大事にしてほしい。それが自民党政権との最も大きな違いだ」と強調。財務相も「(要望書は)我々の考え方とほとんど同じだ」と応じた。
 民主党の支持母体である連合は自民党政権時代にも毎年、財務省に翌年度の税制改正に関する要望書を提出してきたが、財務省側は大臣でなく主税局長が対応してきた。(00:35)

◆7月の税収26.8%減 所得税伸びず、法人税は還付超過(J-CASTニュース)
 http://www.j-cast.com/2009/09/02048715.html
2009年9月2日
2009年7月末の「租税および印紙収入、収入額」によると、一般会計税収は前年同月に比べて26.8%減の3兆4337億円となった。財務省が9月1日に発表した。
夏のボーナスが減ったことで所得税が19%減の2兆5107億円にとどまったことや、企業業績の落ち込みで3月期決算の還付金が膨らんだ結果、法人税が7821億円の還付超過となったことが原因。

◆後期高齢者医療:制度廃止に慎重姿勢示す 日本医師会長(毎日新聞)
 http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090903k0000m040079000c.html
2009年9月2日
 日本医師会の唐沢祥人会長は2日、定例の記者会見で、後期高齢者医療制度について「老齢医学の分野は(一般の医療と)別の意味で取り組む必要がある。ある年齢になった人を支える制度として大事だ」と述べ、民主党が公約する制度廃止に慎重な姿勢を示した。中川俊男常任理事は「制度というのは長続きさせるべきで、(民主党に)混乱しないよう配慮を求めたい」と語った。
 同医師会は75歳以上の医療について、一般とは別の制度とし、財源の約9割を公費負担とする案を提示している。唐沢会長は現行制度についても「十分だとは思っていない」との見解を示した。【清水健二】

◆2010年度予算概算要求 各省庁が削減可能と判断した経費総額、現時点で約1,600億円(FNN)
 http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00162191.html
2009年9月2日
民主党を中心とした政権の発足に備え、霞が関の省庁では、対応を始めているところも出てきている。
2010年度予算の概算要求で、無駄として削減できると各省庁が判断した経費の総額が、明らかになっている範囲で、6省であわせておよそ1,600億円になったことがわかった。
しかし、無駄の削減で9兆円の財源を捻出(ねんしゅつ)したい民主党との開きは大きく、今後、大幅な調整作業が予想される。

◆国民医療費:07年度34兆1360億円 過去最高に(毎日新聞)
 http://mainichi.jp/life/money/news/20090903k0000m020053000c.html
2009年月日
 厚生労働省は2日、日本の総医療費を示す07年度の国民医療費が前年度より1兆84億円(3.0%)増えて34兆1360億円と過去最高になったと発表した。国民所得に対する比率は9.11%(前年度8.87%)、国民1人当たりの医療費は26万7200円(同25万9300円)で、いずれも過去最高。前年度は診療報酬がマイナス改定されたため、ほぼ横ばいだったが、07年度は高齢化や医療の高度化の影響で2年ぶりに増加した。
 年代別にみると、65歳未満は16兆3921億円(前年度16兆43億円)、65歳以上が17兆7439億円(同17兆1233億円)でほぼ半々となった。ただ国民1人当たり医療費では、65歳未満は16万3400円(同15万8200円)なのに、65歳以上は64万6100円(同64万3600円)と約4倍だった。
 財源別にみると保険料は前年度比3.5%増の16兆7898億円(全体の49.2%)。税金は3.3%増の12兆5271億円(同36.7%)、患者の自己負担は0.9%増の4兆7996億円(同14.1%)だった。【鈴木直】

◆民主党の政権公約/県への影響分析を指示(四国新聞社)
 http://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/administration/article.aspx?id=20090902000127
2009年9月2日
 民主党のマニフェスト(政権公約)が実行された際の県政への影響などを検証しようと、香川県政策課は1日、各部局の担当者を集めた連絡会を開催。9日までに想定される問題点やその対応策などを取りまとめて報告するよう要請した。
 マニフェストの内容を「ムダづかい」や「子育て・教育」など8つに分類。その上で▽公共事業見直し▽子ども手当の財源▽農業の戸別所得補償制度―など100項目以上をリストアップし、実際に政策が実行された場合の県政運営上の課題や問題点、対応策などをまとめる。
 連絡会は、知事部局のほか、香川県教委や香川県警本部、病院局などから15人が出席。政策課の担当者が「新聞報道などから情報を収集するだけでなく、課題や問題点などを予測して作成してほしい」と求めた。
 公共事業や高速道路の無料化、道路特定財源など多くの項目が関係する土木部の関係者は「未確定な部分が多いが、幅広く情報収集して県の事業への影響などをシミュレーションしていきたい」と話していた。

◆マニフェスト一部凍結要求へ 社民、連立入りで民主に(共同通信)
 http://www.47news.jp/CN/200909/CN2009090201000068.html
2009年9月2日
 衆院選で圧勝した民主党は2日夕、連立政権樹立に向け、社民、国民新両党との3党による正式協議に入る。社民党は(1)民主党が衆院選マニフェスト(政権公約)に明記した衆院比例代表定数の80削減方針凍結(2)3党間の連絡調整機関設置―などを連立参加の条件として強く求める方針で、国民新党も同調する構えだ。
 連絡調整機関について社民党は、同機関での合意がなければ閣議決定できない仕組みにするよう求める考えだが、民主党は「政府と与党の二元体制になりかねない」(幹部)と否定的で、どこまで要求が受け入れられるかは見通せない。
 連立協議は、民主党の直嶋正行政調会長、社民党の阿部知子政審会長ら政調会長レベルでスタートする。衆院選公示前にまとめた「3党共通公約」をたたき台に、外交・安全保障分野も含め協議し、最終的には幹事長も入れて合意を目指す。
 社民党は、共通公約の内容についても実現に向けて優先順位を付けるよう求める方針で、秋の臨時国会では生活保護の母子加算復活を要請。来年の通常国会に向けては、製造業派遣を原則禁止するための労働者派遣法改正、後期高齢者医療制度と障害者自立支援法の廃止などの実行を求める。
 民主党の看板政策である「子ども手当」創設は「所得制限もなく、ばらまきだ」(社民党幹部)として、連立入りの条件とはしないまでも反対の立場を表明。高速道路無料化も「余計な財源が必要で、地球温暖化対策に逆行する」(同)と再考を促す。外交・安保では日米地位協定改定や、自衛隊海外派遣のための恒久法は制定しないことなどを訴える考えだ。

◆社説:新政権に望む 生活第一の道筋を示せ(毎日新聞)
 http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20090902ddm005070134000c.html
2009年9月2日
 過去最悪の完全失業率、止まらない現金給与の減少、デフレの到来を思わせる物価の下落。
 民主党を中心とした政権はこうした厳しい経済環境の中で発足する。民主党は自公政権の失敗を教訓に、「暮らしのための政治を」ということで、生活重視のマニフェストを国民に示してきた。国民の期待の大きさもあり、最初から手腕を問われることになる。
 今の日本経済の困難は大幅な需要不足に象徴されている。輸出の急減も大きな要因だが、国内的には家計にかかわる雇用や所得に改善の兆しの見えないことが重くのしかかっているのだ。
 マクロでみれば4〜6月期の実質成長率が年率換算した前期比で3・7%と5四半期ぶりにプラス成長に戻り、鉱工業生産も7月まで5カ月連続で上昇している。しかし、水準そのものはまだ低い。国民生活に安心をもたらすものではない。しかも、企業が元気になれば家計も潤うという、80年代末のバブル経済期までのパターンはすっかり崩れている。供給側に着目した成長戦略では活路を見いだせない。
 政権交代はこうした経済政策の転換への期待でもある。
 家計の状況は民主党がマニフェストを策定した時より厳しくなっている。何をおいても、広い意味での雇用対策を早手回しに講ずる必要があるのだ。
 需要不足対策で最も有効なのは失業を減らすこと、言い換えれば、仕事を作ることなのだ。雇用創出も公共事業に限らない。民間の努力も求められる。能力のある労働力が余剰状態にあることは社会的に非効率である。働きたい人が働けることになれば効率は上がるうえ、消費も増える。民主党は政権を取った以上、このような視点から有効な政策策定に汗をかかなければならない。
 新政権は、09年度補正予算を全面的に見直すと同時に、自公政権下で進められてきた10年度予算編成を白紙からやり直す。09年度補正に盛り込まれている各種基金の洗い直しは当然のことだ。国立メディア芸術総合センターの建設凍結も国民の納得が得られるだろう。予算は政権の政策意思そのものだ。編成手法も10年度からは、国民生活のニーズに基づいた優先順位による案件採択を明確にすべきだ。一律削減が基本の概算要求基準は、役割が終わっている。
 必要な施策実現に向け、財源確保も軽視してはならない。税制の所得再配分機能が低下していることは間違いない。国民負担、企業負担を含め、新税調では広く議論すべきだ。それが、国民の安心を支える。

◆7月末税収実績は前年比26.8%減、法人税は還付超過に=財務省(ロイター)
 http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK029839320090901
2009年9月1日
 [東京 1日 ロイター] 財務省が1日に発表した7月末の税収実績は3兆4337億円となり、前年比で26.8%減少した。所得税が同2割、法人税が還付超過になったことが影響した。
 4月からの累計は5兆4572億円となり、同23.4%減となった。2009年度予算額46兆1030億円に対する進ちょく割合は11.8%と、前年同月の16.1%を下回った。
 7月の所得税は2兆5107億円と前年比19.0%減少。大半を占める源泉分が同21.8%減となったことが影響した。7月の源泉分は主に6月に支給された給与等に対する課税のため、ボーナスを含めた所得の減少に加え、3月決算法人の配当所得が減ったことも響いた。
 法人税は7821億円の還付超過となった。前年同月は1039億円の還付超過。還付超過額が拡大しているのは、7月に出る還付金は3月決算法人の大企業向けであることから、企業収益の悪化が影響した。
 消費税は9168億円と前年比4.4%減少。揮発油税は2177億円と前年比2倍となった。かつては揮発油税の4分の1が特別会計に組み入れられたが、09年度からは全額を一般会計に組み入れることになったことなどが要因。

◆「国家戦略局に民間人登用を」 経済同友会の桜井代表幹事(産経新聞)
 http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090901/stt0909011956016-n1.htm
2009年9月1日
 経済同友会の桜井正光代表幹事は1日、産経新聞のインタビューに応じ、民主党が新政権で設置する国家戦略局や行政刷新会議について「民間人が相当に入っていくべきだと思う。中に入って、どう変革を起こせるのかはまだ見えないが、(同友会としての協力は)ケース・バイ・ケースでの対応になる」と述べ、新政権への人的支援に意欲を示した。
 民主党が政権移行チームの設置を見送るなど、新政権の先行きが見えにくい点には「不安がないといえばうそになる。新しい政権をこれから作っていく段階。今すぐにダメとはならない」と、中長期で新政権に対応する考えを示した。
 民主党の政策面に対しては、子ども手当などで必要となる財源17兆円について「無駄の排除などで賄うというのは、一般常識では難しい」と指摘。消費税増税などの税財政と社会保障の制度設計を早急に取り組むべきだとの考えを示した。
 また、民主党が内需主導型経済成長を志向していることにも「子ども手当などで可処分所得を増やすだけでは自立型の経済成長につながらない」と、投資減税などによる産業界への支援を求めた。

◆経済3団体トップ 『財政再建へ道筋を』(東京新聞)
 http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2009090102000057.html
2009年9月1日
 日本経団連、日本商工会議所、経済同友会の経済三団体トップが三十一日、それぞれ記者会見し、民主党が圧勝した衆院選の結果について、「本格的な政権交代が可能な時代に入ったという意味で歴史的な意義がある」(御手洗冨士夫経団連会長)などと、一定の評価をする考えを示した。
 御手洗会長は民主党の躍進の原因について「アメリカでも起こったように、多くの国民が変化を強く求めたため」と分析。経団連は「自民党一辺倒」とされ、民主党との距離が遠い点については「これまで以上に(民主党と)政策対話を繰り返すことで理解を深め、穴を埋めていきたい」との考えを示した。
 日本商工会議所の岡村正会頭は、民主党の経済政策が家計の可処分所得の増加による「内需」を重視している点に触れ、「日本は資源を持たない国だから外需を無視しての成長はありえない」とし、外需も加えた「内外需一体の成長戦略を」と訴えた。
 経済同友会の桜井正光代表幹事は、民主党が「責任政党になった責任感に期待したい」としながらも、「政権公約をみると政策的にはまだ不十分な点が多い。危機的な財政状況に対する財政再建の道筋を明確にし、歳出歳入の一体改革の姿を示してほしい」と注文をつけた。

◆選挙:衆院選 財政再建のメッセージを−−伊藤元重・東京大大学院教授(毎日新聞)
 http://mainichi.jp/select/seiji/09shuinsen/news/20090901ddm008010060000c.html
2009年9月1日
 民主党の勝利は、自民党政治や経済の現状に対して、国民の閉塞(へいそく)感が強まり、不安を感じながらも変化を求めた結果だ。ただ、民主党のマニフェストには財源面で不安があり、そのまま具体化できるとは思えない。
 最も注目しているのは財政再建への対応。支出の無駄をなくす一方、必要な財源を手当てするには、特別会計の見直しも含めて、新設する国家戦略局の下に財政政策を一元化する必要がある。財政再建には、そうしたステップを踏んだ上で、増税も議論しなければいけない。
 年金問題をはじめとする将来不安を解消しなければ、子育て支援を実行しても消費は盛り上がらず、民主党が主張する内需拡大による経済成長も見えてこない。来年までに財政再建の中長期的なメッセージを出すことが重要だ。
 成長には規制緩和や貿易自由化、海外資本の受け入れ拡大、環境や情報技術などの産業活性化が不可欠だ。民主は(業界との)しがらみが比較的少なく、対処できるはずだ。市場と対話し、官僚組織を使いこなしながら進めてほしい。【聞き手・小倉祥徳】

◆総選挙結果をうけて反貧困ネットワークの声明
<以下、転載・転送歓迎>
声  明
2009年8月30日
反貧困ネットワーク
代表 宇都宮健児、事務局長 湯浅誠

 歴史的選挙と言われた衆議院議員選挙の大勢が決した。
 私たちはまず、政権交代を歓迎する。この間、日本社会の中には貧困が拡大したが、与党・政府には貧困問題と向き合う十分な意思が欠如していたからである。労働者派遣法に象徴される数々の規制緩和や、社会保障費2200億円抑制などの「構造改革」が断行され、人々の暮らしは圧迫され続けたが、その実態は「経済成長さえ果たせば解決する問題」と放置され、さらには「自助努力が足りないだけ」と自己責任論で抑圧された。少なからぬ人々にとって、この間の状態は端的に「踏んだり蹴ったり」であり、痛みだけを一方的に押し付けられた。11年連続3万人超の自殺者、1000万人を越える年収200万円未満のワーキング・プア、派遣切り被害者、ネットカフェ難民、ホームレス、餓死者等々は、この間の政治が、人間らしい暮らしを保障するという最も基本的な任務を果たしてこれなかったことを告発している。その意味で、今回の選挙結果は、抑圧され続けた人々からの与党・政府に対する「しっぺ返し」だった。
 当然ながら、次期与党・政府には、こうした生活破壊の流れを転換し、人々の生活を再建し、守る役割が期待される。またそうでなければ、政権交代の内実はなかったことになり、肩透かしを食らった有権者は次なる審判を下すことになるだろう。
 しかし、その舵取りは容易ではない。失業率は戦後最悪の5.7%、有効求人倍率0.42倍(正社員0.24倍)という厳しい状況下で、生活の建て直しをいかに目に見える形で行うか、新政権は早々にその力量を試される。
 与党・政府に最も必要なことは、人々の暮らしの実情から目を離さないことである。民主党は、2007年参議院選挙で「国民生活第一」を掲げて大勝した。今回の総選挙では、あらゆる党が生活再建を競い合った。民主党はその中で、人々から生活を預けられたのだ。責任は重い。
 鳩山由紀夫・民主党代表は、今年6月の党首討論で、自殺や生活保護母子加算の問題を取り上げて、「一人一人が居場所を見つけられる国にしよう」と呼びかけた。一人一人が居場所を見つけられる国とは、この上なく大切なことであり、そして困難なことである。私たちは、その提言がいかに現実化していくのかを注視している。
 「郵政選挙」と言われた前回総選挙の際、大勝した自民党は「官から民へ」を掲げていた。今回、民主党も「官から民へ」を掲げて政権交代を果たした。両者が異なるのは、前者の「民」が製造業大企業等だったのに対して、後者の「民」が、2007年以降、明確に国民生活を指し示していた点である。
 「経済成長さえすれば、人々の暮らしは楽になる」――この約束は、90年代からの「雇用なき景気回復」、低下し続ける労働分配率、高騰し続ける社会保険料等々によって、事実として果たされなかった。もはや、経済成長率と暮らしの安心度数は独立した変数である。もう誰も、経済成長が十分条件であるかのような幻想には騙されない。
 では、民主党の約束(マニフェスト)はどうか。ただでさえ厳しい世界経済状況の中、いかにして暮らしの建て直しを果たすのか。私たちは、それをもっとも目に見える形で示せるのが貧困問題への取組だと考えている。
 OECDは、日本の貧困率を14.9%と発表している。実に7人に1人以上が貧困状態にある。多くの人々にそこまでの実感がないのは、日本で「貧困」といえば、依然としてアフリカ難民キャンプのような飢餓状態が想像されているからだ。そして、それと背中合わせの関係に立っていたのが「一億総中流」幻想だった。貧困ラインが飢餓状態に固着していたため、そこまでではない自分は「中流」だと、少なからぬ人々が自らを慰めた。この背景には、敗戦後の焼け野原から復興し、高度経済成長を遂げた「上昇気流」がある。「いずれよくなる」。現時点では厳しくても、多くの人たちがそう思えた。
 しかし、時代は変わり、欧米に対して「追いつけ追い越せ」だった日本は、今や新興国に追われる立場にあり、少子高齢化の中、人口減少社会に入った。かつてのような高度経済成長が再び訪れることはないし、「一億総中流」幻想はすでに過去のものだ。年収300万円未満世帯は、この10年で370万世帯増加している。低成長時代にも人々の暮らしを確保する、智恵のある政治が求められている。中間層だけを想定した政策は、もはや機能しない。
 OECDの貧困率は相対的貧困率であり、それは一言でいえば、生活に追いまくられて余裕のない状態、社会生活で引け目を感じる状態である(平成20年国民生活基礎調査結果に当てはめると、平均世帯人数2.7人で年収224万円以下)。日々の食事はなんとかなっていても、修学旅行に行けない、必要な教材をそろえられない子どもたち、また、職場で仲間として受け入れられず、病気をしても生活のために仕事を休めない労働者たち、地域で不幸があっても香典を包めない、子や孫にお年玉をあげられない高齢者たち、気兼ねなく外を出歩けない障害者たちなど、この社会の中に安心できる「居場所」を見出せない人たちである。
 この人たちが生活に追いまくれられる状況から脱し、「一息つけて未来を描ける」生活状態を確保すること、学校・職場・社会からの孤立状態を解消すること、賃金や所得保障によって所得を増やすとともに、再分配や支え合いによって支出を減らすこと、それが鳩山代表の言う「友愛」社会の実現ということだろう。OECD貧困率の政府としての公認、最低生活基準(憲法25条)による貧困率の測定、それに基づく貧困率削減目標の定立と、教育・住宅・労働・医療・年金・介護等々にまたがる総合的な対策。それが、厳しい経済情勢の中でも人々の暮らしを支えようとする政府のあるべき姿勢を示し、自分たちも「すべり台」社会を転落してしまうのではないかという人々の将来不安を取り除く。「国民生活第一」を掲げて政権交代を果たした与党の拠って立つ基盤は、ここにこそある。貧困問題は、来たる政権の存立根拠と基盤を補強する課題に他ならない。
 私たちは、次期政権の動向を注視している。私たちが次期政権の応援団となれるような、批判勢力とならずにすむような、ビジョンの提出と諸政策の実施を期待する。
以上

◆焦点:新政権の家計支援策で期待される内需刺激効果(ロイター)
 http://www.asahi.com/business/news/reuters/RTR200908310057.html
2009年8月31日
[東京 31日 ロイター] 衆院選で民主党が大勝し、同党中心の新政権による家計支援を軸とした内需刺激策が動き出す。公約通りに政策が実行されれば、教育やレジャーなどサービス消費の拡大が見込まれるほか、ガソリン税の暫定税率廃止や高速無料化に伴う物価下落が、個人消費を刺激する可能性がある。
 ただ、年金や医療・介護、雇用問題などの将来不安が解消されなければ、増えた収入は結局のところ貯蓄に回ってしまう懸念もあり、民主党のチャレンジが結実するには課題が多い。
 <家計支援策で可処分所得押し上げ、一定のプラス効果も>
 民主党は「子ども手当」、公立高校授業や高速道路料金の無料化、暫定税率廃止などを通じて、資産配分を内需主導に転換し、少子高齢化などの問題に対応する姿勢を示している。
 家計から消費に回すことのできる「可処分所得」の押し上げが期待される中、メリルリンチ日本証券・チーフ日本エコノミストの吉川雅幸氏は、こうした施策が実現すれば「マクロ的には、2010年度で1.5%ないし1.6%は可処分所得を押し上げる」と語り、消費を中心に景気に対して一定のプラス効果を持つと分析する。
 物への支出に限らず、サービスへの支出も期待される。4─6月期国内総生産(GDP)の約6割を占める国内個人消費(298兆円)の内訳をみると、最大のウエートを占めるのは医療・介護・輸送・教育などを含む「サービス」の168兆円。これに対して、自動車やパソコンを含む「耐久財」は38兆円にとどまり、消費支出における耐久財の割合は意外に小さく、消費のサービス化が進んでいることが分かる。
 例えば、今春から始まった「休日1000円」の高速道路料金の値下げについて、国土交通省では、約2年間の経済波及効果をおよそ1.7兆円と見込む。観光消費のほか物流コスト削減といった直接効果もあるだけに、首都高や阪神高速など一部を除く高速料金が無料化された場合のインパクトは軽視できない。
 余暇活動や関連産業に関する「レジャー白書」によると、2008年の余暇市場規模は約73兆円で前年比2.4%減となった。白書をまとめた日本生産性本部余暇創研・主任研究員の柳田向也氏は「家計支援策によって、旅行需要が刺激されれば、地域への波及効果が大きいだけに期待できる」と指摘する。
 教育関連への支出効果も期待できる。バークレイズ・キャピタル証券・チーフエコノミストの森田京平氏は、「子ども手当」という名前から「親が子供のための支出義務を感じるならば、特に教育関連の支出が伸びやすい」とみている。

 <ガソリン値下げ・高速無料化で消費刺激の声>
 民主党の家計重視の政策が、物価の下落を招く可能性もありそうだ。実際にガソリン税の暫定税率が廃止されると、ガソリンは1リットル約25円、軽油は約17円の値下げ圧力がかかるほか、高速道路の無料化も物価の押し下げ要因となる。消費者物価指数(生鮮食品を除く総合、コアCPI)への影響について、バークレイズ・キャピタル証券の森田氏は、2010年度は0.6%ポイントの押し下げ効果があるとし、2010年度を中心に物価下落率が大きくなるとみている。
 こうした動きは、消費にはプラスに働くとみられている。UBS証券・シニアエコノミストの会田卓司氏は「物価下落は家計の実質所得の増加につながり、消費活動を支え、需給ギャップを埋める方向に作用する」との見方を示す。景気後退や厳しい雇用・所得環境の下で、現状では需要が供給を大きく下回る状況だが、家計支援策や循環的な景気回復が消費者センチメントの改善につながれば、物価下落が需要を刺激することでギャップは縮小し、成長押し上げが想定されるためだ。
 個人消費を起点とした景気回復を模索する民主党の政策は、教育や陸運などの企業に恩恵をもたらす。企業は過剰な設備・雇用の調整になお注力しているが、消費拡大に伴う波及効果で、企業活動にもプラスのモメンタムが生まれる可能性もある。
 カリヨン証券・チーフエコノミストの加藤進氏は「国内需要を中心に成長していけば、従来までは輸出に多くを依存してきた企業も、ある程度国内需要で収益を上げていく方向にシフトしていくだろう。結果的には内需政策による刺激に加え、世界経済が回復し外需が回復していけば、内外需の両輪そろって国内経済を支える姿になっていく」との見通しを示している。

 <将来不安の解消や企業活性化策も重要課題に>
 一方で、高速無料化なら競合するフェリーや鉄道、公共事業削減ならば建設業、規制強化ならば人材派遣業というように、政策によっては逆風を受ける業界も出てくる。家計をサポートしても公共投資を激減させ、徹底した見直しで予算執行が滞るような事態となれば、意図せざる財政緊縮策となり、マクロ経済的には景気刺激効果が相殺されるおそれもある。
 また、物価下落が消費喚起に結びつかないまま、企業収益の圧迫要因としてクローズアップされる展開になる可能性もある。このケースでは企業の期待成長率を押し下げ、マイナス方向のスパイラルに陥るリスクも否定できない。こうした点を踏まえ、UBS証券の会田氏は「家計部門から振り子を戻し、いかに企業活動を活性化するかが論点になることが、来年の参院選では重要だ」と指摘。規制緩和、税制改革、産業育成、金融システム改革など、企業活動を主眼とした政策に力を入れる必要性が出てくると主張している。
 将来不安の解消も大きな課題だ。ロイターが8月に実施した個人投資家調査では、「将来不安がなくなれば、少子化も解決の糸口が見える」(40代男性)、「失業や老後の生活不安から過度に貯蓄をしなくて済む社会にする必要がある」(40代男性)、「消費を高めるためには将来の不安要素を軽くすることが必要」(30代女性)──といった声が相次いだ。
 バークレイズ・キャピタル証券の森田氏は「もともと消費に慎重な現役世代の年金負担が高まると、家計支出を刺激することにはならない。失業率が戦後最悪に達する中で雇用問題もある」として、先行き不安の解消が必要だと指摘する。
 大和住銀投信投資顧問・投資戦略部・チーフエコノミストの大中道康浩氏も「子ども手当が消費に回るには、やはり将来不安がなくなる必要があり、そうならないと貯蓄性向が上がるだけだ」と述べ、短期間に将来不安が解決することは難しいとみている。
 家計収入がせっかく増えても、その大部分が貯蓄に回ってしまっては消費刺激効果も生まれない。消費をテコにした成長戦略を描くには、年金、医療・介護などの制度改革も重要な要素となる。民主党の内需刺激策が思うような成果を上げるには、政策のバランス確保や将来不安の抑制・解消などクリアすべき課題も多い。
 (ロイター日本語ニュース 寺脇 麻理記者;編集 田巻 一彦)

◆〔クロスマーケットアイ〕「日本買い」急速に萎む、短期筋の売買に振らされる(ロイター)
 http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK029683520090831
2009年8月31日
(…)
 総選挙の結果はほぼ事前の情勢調査通りとなり、株価にある程度は織り込まれていたため、材料出尽しになったとの見方もある。国内での大きなイベントが通過し、先行きについては慎重な見方も増えてきた。東海東京証券マーケットアナリストの鈴木誠一氏は「政権が本格的に始動する10月以降の株高持続は疑問だ」という。「93年の政権交代期も新党ブームは一時的で、結果的にはマーケットに押しつぶされる形となった。今回も政権が動き出せば、政策実行力が問われる。ネックとなるのは財源だ。市場は短いタームでの結果を求める。国債増発は容易ではなく、政策が遅れるようなことになれば市場は嫌気するだろう」と話している。
 三菱UFJ証券投資情報部長の藤戸則弘氏も「組閣以降は民主党のマニフェストに掲げられている政策がどの程度実現できるのかを見極められる段階に入る。財源問題があるほか、国家戦略局をベースにした予算編成も12月までには時間が乏しく、官僚の出してきた案をやや修正する程度になる可能性も大きい。そうなれば期待が大きい分、失望も大きくなるだろう」と指摘している。
(…)
 ドイツ証券・チーフ金利ストラテジストの山下周氏は「民主党は、年末の第2次補正予算や来年度予算に、政権公約の支出を具体的に組み込んでいくことになるだろう。問題は財源のねん出であり、第1次補正予算の速やかな執行停止や経費節減などをどれだけ具体的に実行できるかを見極めたい」と指摘する。
(ロイター日本語ニュース 橋本 浩記者 編集 宮崎 亜巳)

◆地方財政と分権 片山教授が講演
 http://mytown.asahi.com/okayama/news.php?k_id=34000000908310005
2009年8月31日
◆全国オンブズ岡山大会
 全国市民オンブズマン岡山大会が29、30の2日間、岡山市北区の岡山大学で開かれた。北海道から沖縄までの全国各地で活動するオンブズマン組織から有志が参加。道路特定財源が一般財源化されても、変わらずに道路をつくり続けるという地方財政の現状などが報告された。
 大会では、岡山市出身で元鳥取県知事の片山善博・慶応大教授による記念講演「末期的な自治体財政から真の地方分権を考える」もあった。
 片山教授は財政破綻(はたん)した夕張市の状況などを説明した上で、「地方自治体の財政破綻を防ぐためには住民投票を導入し、住民が判断する仕組みをつくればいい。自治体の議会が予算をしっかりとチェックすることも重要だ」と話した。道路については「景気対策のばらまきで『早く、大量に』と求められた結果、用地買収が簡単な山奥に道路ができる。借金は増え続けるが、国は責任を取らない」と説明した。
 参加者らは熱心にメモをとるなどして聴き入っていた。(保田達哉)

◆政権選択選挙/どの党に農政を託すか(日本農業新聞)
 http://www.nougyou-shimbun.ne.jp/modules/news1/article.php?storyid=1006
2009年8月26日
 総選挙は投票日が近いが、日本農業新聞の読者対象の意識調査によると、農業者の心をしっかりつかんだ政党はない。民主党への熱が米国との自由貿易協定(FTA)締結騒動でやや冷めて、自民党が盛り返したためだ。それでも民主への風はまだ吹き続けている。支持政党は自民が45%で民主の27%を大きく上回るものの、比例区では民主に投票する人が自民を上回る。新政権の枠組みも自民中心より民主中心が多い。農業者の心は揺れている。農業・農村政策の公約を熟考したい。
 揺れる心は、各党の農政公約への反応に表れた。自民の「農業所得の増大」は4割が、民主の「戸別所得補償」は5割が不可能とみている。だから「どの政党の農政に期待するか」でも、自民、民主ともに3割、「どの政党にも期待していない」も3割と割れている。前回調査より民主がやや期待度を落とした。FTAの影響とみられる。
 それでも農政への期待度では、自民と民主で支持政党ほどの差はない。自民を支持しつつも現農政への反発感を抱いている。これは前回の参院選から続いている。同選挙でJAグループの政治運動組織が推した主に自民の候補者の当選率は52%に下がった。
 しかし、郵政民営化を問い自民が圧勝した前回の衆院選は92%、その前は76%だった。自民が敗北、民主が躍進した前々回の参院選は75%、その前は90%と、自民苦戦の選挙でも7割以上が当選していた。
 前回の参院選で当選率が下がったのは、経営規模による選別政策への反発だった。経営規模は小さくても自民を長く支持してきた農業者が、冷たくあしらわれたことに反発した。小泉構造改革、市場主義優先による地方の疲弊、米価の下落も手伝った。いわゆる「地方の反乱」だ。
 その受け皿になったのが、民主の公約の柱になった戸別所得補償制度だ。農業に1兆円を用意するという。その額や名称の聞こえはいい。生産物の価格が生産費を割った時の差額を穴埋めするのだが、制度の具体的な内容が見えない。財源問題もからんで、実現可能とみている人は2割しかいない。
 自民は、参院選で反発を買った政策支援農家の面積、年齢要件を撤廃し、マニフェスト(政権公約)で従来どおり小規模農家を支援の対象にする姿勢に変えた。さらに「農業所得の増大」を打ち出した。それでも期待する人は3割しかいない。他の各党も農政公約では独自色を出しているが、農政への不信感、不安感は根強い。
 農村は高齢者が多いだけに農業政策だけでなく年金、医療、福祉など社会保障への関心が高い。政権交代も懸かっている。それだけに「投票に行く」意向の人が97%と高い。各種の世論調査でも同様である。より信頼感ある農業・農村政策を見極めたい。

◆「09衆院選」税財政 負担増に耐えうる再構築を(愛媛新聞)
 http://www.ehime-np.co.jp/rensai/shasetsu/ren017200908261971.html
2009年8月26日
毎年の売上高が50兆円の企業なのに80兆円の経費がかかる赤字経営が続き、巨額の借金を返すあてがない―。  財政危機の説明で使われるたとえ話だ。借金を意味する国と地方の長期債務残高は、2009年度末に800兆 円を超える見通し。金額は先進国のなかで最悪とされる。
 では、日本は赤字の国なのか。貿易や投資のやりとりを示す経常収支は毎年、黒字を確保する。日本には負債だけでなく資産もある。民間部門を含めた資産は5千兆円を超え、政府がいう800兆円を含めた負債を差し引いても約240兆円の純資産が残る。これは世界随一の規模だ。
 日本は借金も財産もトップクラスというわけだ。政府の財布は赤字だが、国民はしっかり稼いでいるから、国全体では黒字との見方ができる。それでも危機の深刻さが叫ばれるのは、均衡財政の実現こそが財務省の省益だからだ。
 国家は企業と違って倒産はしない。問題は借金の大きさではないはずだ。経済成長が見込めず、肝心の資産も利益を生みにくくなっている。巨大な借金と資産を維持する基礎体力が、政府も国民も弱っていることの方が深刻だ。
 日本の一般政府総支出は先進国でも最低の部類に入る。もともと小さな政府だったのに、さらに小さくしたのが小泉改革だ。緊縮財政と規制緩和政策をとる口実に、借金大国の宣伝は利用され、社会保障まで削ったために「超低福祉」の国になってしまった。
 医療や介護、教育は所得の大小に関係なく需要がある分野だ。そこに競争原理を導入したから、国民は慎重になった。生活と老後の不安を解消し、基礎的消費の回復を目指す政策転換が必要だ。
 一方、日本は「低負担」の国でもある。国民所得に占める税負担の割合は25%で、社会保障負担率などを勘案すると、米国より多いが、欧州先進国と比べるとかなり低い。やはり福祉の充実に応分の負担が伴うとの覚悟はいる。
 増大する社会保障費を補うため、自民党は公約に景気回復後の消費税引き上げを明記する。同時に「中福祉・中負担」を掲げるが、具体的な制度設計の説明は乏しい。対して、民主党は増税を当面封印するものの、年金財源に消費税をあてる考えを持つ。
 日本の税収に占める消費税の割合は21%。実は「高福祉・高負担」のスウェーデンと大差がない。両国の根本的な違いは税の集め方、支出のあり方だ。そこで、硬直化した予算の組み替えを先行させるという民主党の主張に注目が集まるのは納得がいく。
 ただ政府の財政再建のためだけの増税には、国民は納得しない。負担増に耐えうる税財政の再構築を、ためらわず議論するときにきている。

◆未就職者の採用増で助成金、政府(日本経済新聞)
 
2009年8月26日
 政府が7月に省庁横断で立ち上げた「若年雇用対策プロジェクトチーム」による重点雇用対策の最終案が明らかになった。対策は約20項目で、企業の採用抑制で学校を卒業しても未就職の若者を雇った事業主を助成する新制度を創設する。フリーターらの安定雇用を目指し、仕事探しから職場定着まで一貫して支援する「担当者制」もハローワークなどで拡充する。
 最終案は26日に発表する。若年雇用対策チームは7月末に設置し、林芳正経済財政担当相の下で内閣府や厚生労働省、経済産業省、文部科学省などの担当者が集まって対策をまとめた。

◆政策財源、当面国債で 次期政権に増税求めず−榊原英資早大教授
 http://www.worldtimes.co.jp/today/kokunai/090825-5.html
2009年8月25日
 榊原英資早稲田大学教授(元財務官)は24日までにインタビューに応じ、衆院選後の新政権が実行する政策の財源について「当面は国債発行で賄える」との考えを明らかにした。消費税増税は「将来的にどうしても必要なら次の選挙で国民の了解を得て実施すべきだ」とした。主なやりとりは次の通り。
◇    ◇
 ―新政権の財源についての考え方は。
 今の財源の議論はあまり意味がない。一般財源の40%は国債であり、国債は本来の財源だ。例えばあと20兆円新規発行して、現在1・3%台の10年債金利が2%くらいに上昇したとしても、そう高くはない。中期的には国債発行だけではもたないから、まず無駄を省く。もし民主党が政権を取れたとしたら最初の4年間でやればいい。
 ―消費税増税については。
 年金や医療を組み替えていくと、将来的には増税が必要かもしれない。どうしても必要なら次の選挙で国民の了解を得て増税すべきだ。
 ―政治の役割とは。
 官僚では変えられない制度設計の変更。一つ挙げるなら官僚の人事だ。基本的に1〜2年で交代している事務次官や局長も、総理大臣が代わらない限り異動しない制度にすべきだ。
 ―年金・医療制度については。
 今の年金制度は複雑すぎる。保険料でなく税金で徴収し、何歳になればいくら払うという賦課方式がいい。国税庁がやれば社会保険庁もいらなくなり、行政改革にもなる。医療保険もその方向に移行すべきだ。
 ―ほかに新政権に求める具体的政策は。
 (使途を限定して地方自治体に配る)ひも付き補助金を全廃し自主財源として配分するなど、地方分権はその一つ。子ども手当もいいと思う。出生率はある程度上げなければならない。民主党寄りになるが、暫定税率の撤廃や高速道路の無料化による景気浮揚効果は非常に高い。

◆政権交代で地方財政への逆風懸念 県内自治体(陸奥新報)
 http://www.mutusinpou.co.jp/news/2009/08/7930.html
2009年8月25日
 衆院選の投開票が30日に迫り、本紙など報道各社の世論調査で民主党の圧勝が伝えられたことを受け、政権交代に伴う地方財政への“逆風”を心配する声が県内自治体から出始めた。民主党が打ち出した政権公約(マニフェスト)は、軽油引取税などの暫定税率廃止や大型公共事業の全面見直しなど、いずれも自治体財政や地域経済に直結する。首長や財政担当者らは、さまざまな不安を感じながら選挙戦の行方を見守っているようだ。
 「これだけの税収減をどう穴埋めしてくれるのか」。県税務課は24日、同党がマニフェストに掲げる暫定税率の廃止で、県税収入が少なくとも約100億円減少すると試算した(2007年度決算ベース)。県税収入の約8%に相当し、厳しい県財政にとっては「非常に大きい」(同課)数字だ。
 マニフェストによると、地方税収の減少を補うため、国直轄事業の地方負担金は廃止する方針だ。
 県財政課は「(補てんがなければ)いろいろな事業にしわ寄せがくるだろう。民主党は地方に配慮すると言っているが…」と対応を注視する。
 衆院選公示前の先月、県内市町村がそれぞれ県に提出した来年度の重点事業要望は、多くが道路整備だった。軽油引取税などは今年4月、道路特定財源から一般財源化されたものの、現状は「主に道路に充てられている」(県土整備部)。このため、「暫定税率廃止で道路整備に影響するのではないか」(平山誠敏五所川原市長)との懸念も広がる。
 道路予算の減少は、公共事業への依存度が高い県経済の足を引っ張りかねない。「地元の建設業者に影響があるだけでなく、回り回って税収も減る」と津軽地方の自治体財政担当者。
 同党は目玉政策の「子ども手当」の財源を、09年度補正予算に景気対策のため盛り込まれた基金(4.3兆円)の執行凍結で捻出(ねんしゅつ)する方針。
 これに五所川原市は「すでにほぼ景気対策観点の事業は動いてしまっている。まだ未着手のものと言えば地域医療再生臨時交付金があるが、何とか残してほしい」(財政部)と危機感を強める。つがる西北五広域連合が予定する中核病院建設で、財政負担の軽減が見込める基金への期待は大きい。
 黒石市には定額給付金など経済対策関連で計13億5000万円が国から交付された。市は、自公政権の継続で予定される地域活性化・公共投資臨時交付金を来年度予算に当て込んでいるが「凍結されたらどうすればいいのか」(鳴海広道市長)と困惑顔だ。

◆9月に第3次勧告=分権委、「義務付け」改革を先行−地方税財政提言は10月に(時事通信)
 http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009082500858
2009年8月25日
 政府の地方分権改革推進委員会(委員長・丹羽宇一郎伊藤忠商事会長)は25日の会合で、国が地方の事務を法令で細かく規定している「義務付け・枠付け」の見直しに関する提言を、第3次勧告として9月中に政府に提出することを決めた。地方税財政改革に関する提言は第4次勧告として10月中に行う。
 同委は当初、両方の提言を一括して3次勧告にまとめる予定だったが、衆院選後に政権交代の可能性が高まる中、「政局も政策も次々と動いていくので、案ができたものは即刻勧告していきたい」(丹羽委員長)とし、検討作業が進んでいる義務付け・枠付けの見直しについて先行して勧告することにした。
 分権委は、保育所の設置基準といった国の義務付け・枠付けのうち、早急に見直すべき対象として1035項目を挙げ、具体的な改革内容を示す方針。
 政権奪取を狙う民主党は「行政刷新会議」(仮称)を設けて地方分権改革を推進するほか、「象徴的な義務付けは政権獲得後、直ちに見直しに取り組む」(玄葉光一郎分権調査会長)方針を示している。同委はこうした動きを考慮し、「新政権発足後、間髪入れないくらいの時期に3次勧告を行う」(丹羽委員長)としている。
 このほか同日の会合では、全国知事会長の麻生渡福岡県知事らが税財政改革について意見を表明。地方消費税の拡充や地方交付税の増額などを改めて求めた。

◆政調会長が国家戦略局担当相兼務 民主が検討(共同通信社)
 http://www.toonippo.co.jp/news_kyo/news/20090825010008662.asp
2009年8月25日
 民主党は25日、衆院選で政権獲得した場合、予算編成や外交・安全保障の基本方針を策定するため首相直属として内閣に設置する「国家戦略局」の体制具体化に着手した。トップには新設の戦略局担当相を充て、党政調会長が兼務する方向で検討。政調会長は官房長官との兼務案もあるが、閣内の総合調整に当たる官房長官とは別に、政策立案の司令塔役を設ける考えが強まっている。
 戦略局内の議論については、現在の経済財政諮問会議のように議事録を公開する案と、会議自体は非公開にした上で閣議や閣僚懇談会を経て内容を公表する案が検討されている。
 民主党は早期設置を優先し、9月半ばの初閣議で内閣官房組織令改正を決めて「国家戦略室」の形でスタートさせる方針。戦略局での議論を経て、2009年度補正予算を組み替えて4兆円程度の主要政策経費を捻出するための第2次補正予算案を提出する考えだ。
 戦略局スタッフは、国会議員から10人弱が参加。学者のほか官僚からも、民主党の政権公約を支持する経済、財政、外交の専門家を“一本釣り”して起用。地方自治体代表も加え、計30人程度となる見通しだ。
 10年度予算案については、麻生内閣が既に決めた概算要求基準を全面的に見直す。一般会計と特別会計を合わせた207兆円の総予算について、戦略局であらためて編成方針を策定する。

◆くらしと政治:’09衆院選/4 年金・税(毎日新聞)
 http://mainichi.jp/life/housing/news/20090824ddm013100052000c.html
2009年8月24日
 ◇老後の安心、ほど遠く
 ◇保険料など負担ずしり/「生活保護より少ないとは」
 今年6月、仙台市内で暮らす元会社員の美也子さん(63)=仮名=の元に、住民税や国民健康保険料など計40万円以上の請求書が次から次へと届いた。「年金の180万円から差し引くと残りは140万円。1カ月12万円弱で、どうやって暮らしていけばいいの」
 美也子さんは独身。高校卒業後、60歳までの42年間、二つの会社に事務職として勤めた。06年に退職。両親の介護をしながらハローワークに通い5、6社の面接を受けたが、年齢を理由に断られ、やむなく年金のみで暮らす生活に入った。父を06年秋に、母を今年春に亡くし、1人の老後が気になり始めたころだった。
 月々の年金額は会社員時代の手取りの半分以下だ。会社員のときは税、保険料が天引きされていたので負担を感じなかったがいまは身にしみる。パソコンでつけている家計簿をみると平均生活費は月約17万円。足りない5万円は蓄えをあてているが、いつまでも続けられない。「節約しかない。食費を削り、美容室もカットだけにして……」
 とりわけ気になるのは国民健康保険料だ。介護保険料とあわせると年約26万円になる。税金の総額13万円より多い。美也子さんは小さな新聞の切り抜きを大事に保存している。昨年6月1日付で、民主党の鳩山由紀夫幹事長(当時)が「たばこを増税すべきだ」と語ったものだ。「喫煙する人としない人の保険料が変わらないのはおかしい。まずはたばこ税を増やし保険料の財源にすべきだ」と考えている。消費税の引き上げには「上げる口実に高齢者が使われているようで……」と不信感を抱いている。
 美也子さんは幸い元気だ。自宅もある。しかし病気や要介護になったら、自己負担が加わる。待機者が多い特別養護老人ホームには入れまい。有料老人ホームも自分の年金額では厳しい。気は重くなるばかりだ。「税金をこれまでより多くとるなら、将来の大きな方向性を示してほしい」
  ◇  ◇
 「国に詐欺にあったような気がします」。埼玉県富士見市の洋子さん(58)=仮名=の怒りは収まらない。04年秋、職人だった夫が64歳9カ月で亡くなった。夫は国民年金約24年、厚生年金約10年と計30年以上年金に加入した。社会保険事務所で手続きをしたところ、遺族厚生年金は毎月約1万円支給されることになった。だが、国民年金加入者だけが対象の寡婦年金は加入期間が25年に1年たりないためもらえず、一時金17万円が出ただけだ。洋子さんが国民年金を受け取るのは7年後だが、額は月5万〜6万円。働き続けなければ生活できない。「国民の義務と思って保険料を納めてきた。住居費を含めてとはいえ、生活保護の人のほうが多いのは納得がいかない」
  ◇  ◇
 年金のみで生活する高齢者世帯は6割を超える。昨年秋以降の不況は、年金の不足分を補う雇用を大きく揺るがし、これからの年金受給世代を不安にさせている。神戸市の会社員、孝一さん(58)=仮名=は、最近、60歳から65歳までの年金額が、年約100万円しかないと知った。07年に定率減税が廃止されて税負担が増えたうえ、昨年から年収も4割減った。住宅ローンもまだ1000万円以上残っている。同じ会社の再雇用は難しい状況で、年金生活への不安は尽きない。
 もう一つ気になるのは民主党が目玉政策に掲げる「子ども手当」の創設だ。専業主婦の妻(54)、社会人の長女(28)、大学をやめて職業訓練校に通う次男(20)との4人暮らし。子ども手当創設で配偶者控除が廃止されれば、年4万〜5万円の税負担になる見込みだ。年数万円でも、いまは痛い。車も手放してしまったから、高速道路の無料化は何のプラスにもならない。
 「いかにも選挙向けの約束ではなく、日々の生活に困る人の将来の生活保障をどうするのかが聞きたい。だれもが陥る可能性があるのだから」【有田浩子】=つづく

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 ■私も一言
 ◇北海道・女性40代
 将来、年金がもらえるか不安。周りの生活保護世帯のほうがはるかによい生活をしているように思えて仕方がない
 ◇千葉県・男性50代
 職を失って8カ月。高額な税に苦しみ、年金保険料の免除を申請している。このうえ消費税を上げることになったら税金に殺される
 ◇東京都・男性60代
 意欲はあるが仕事は少なくなっている。年金は少ないし医療費は増える一方。消費税が上がったらお手上げだ
 ◇大阪府・女性60代
 年金保険料の未払い期間がみつかった。払ったことは証明できたが不足分がいつ支払われるか不明
 ◇福岡県・女性60代
 離婚後も子ども2人が成人するまで働き続け欠かさず保険料を納めてきたが年金は月額8万9000円。安心なんて遠い老後の毎日だ

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 ■年金と税に関する主な動き
06年 4月 たばこ税の税率を1本1円引き上げ(児童手当の対象年齢拡大で)
   12月 政府・与党は2010年をめどに三つの共済年金を廃止し公務員らを厚生年金に加入させる一本化の方針を決める
07年 1月 所得税の定率減税を廃止。同年6月から住民税の定率減税も廃止。国から地方へ3兆円の税源移譲(三位一体改革)。住民税率10%に統一
   12月 宙に浮いた5000万件の年金記録問題で年金記録の持ち主を見つける「ねんきん特別便」の送付始まる
08年10月 厚生年金保険料の算定基準となる標準報酬月額の改ざん約75万件に
   12月 与党は社会保障費の自然増に充てるたばこ値上げを見送る
09年 4月 基礎年金の国庫負担割合(現行3分の1)を2分の1に引き上げ
    5月 年金の世代間格差広がる。厚生年金の場合、保険料負担に対する受給額は1940年生まれの6.5倍に対し75年生まれは2.4倍
    7月 国民年金の納付率は、過去最低の62.1%に

◆防衛産業、撤退相次ぐ 予算削減で装備品の発注減(朝日新聞)
 http://www.asahi.com/national/update/0820/TKY200908200165.html
2009年8月24日
 写真:同時に12機のF2戦闘機が生産できる最新の組み立てライン。動いていない機械が多い=愛知県豊山町の三菱重工業小牧南工場で同時に12機のF2戦闘機が生産できる最新の組み立てライン。動いていない機械が多い=愛知県豊山町の三菱重工業小牧南工場で
 防衛費が抑制され自衛隊装備品の発注が減るなかで、防衛産業が苦境にあえいでいる。戦闘機関連では03年度以降、燃料タンクやタイヤなどの下請け20社が防衛部門から撤退中か既に撤退。戦車など陸上戦闘車関連では13社が倒産、35社が廃業や撤退したことが防衛省のまとめでわかった。「防衛生産・技術基盤が崩壊しかねない」との危機感が生産現場で高まっている。
 装備品の仕事だけで成り立っている国内の防衛産業はほとんどない。景気動向に応じて民間と防衛の両方の仕事のバランスを取るところが大半だ。防衛部門の苦境が、日本経済全体に悪影響を与える可能性も含んでいる。
 政府は04年に「防衛計画の大綱」を見直し、戦闘機や戦車、護衛艦などの保有数を削減した。防衛費もここ7年連続で減少。そこに装備品のハイテク化に伴う単価の高騰が追い打ちをかけ、発注数量が落ち込んでいる。主要装備品の購入にあてる正面装備費は冷戦が終わった90年度の約1兆700億円から、09年度は6850億円と3割強減だ。
 例えば戦闘機。国内での生産は戦後、途切れることなく続いてきた。しかし保有数が300機から260機に削減。老朽化したF4の後継を選ぶ次期戦闘機(FX)選定の混迷もあって、F2の最終号機が11年に完成した後、国内生産に初めて「空白」が生じるのが確実だ。空白期に生産ラインや技術者をどう維持し、乗り切るかが大きな課題だ。
 民間部門が大きい大手に比べ、下請け各社は防衛事業への依存度が高く、実情はより厳しい。また04年の大綱見直しで保有数が大幅減になった戦車や火砲のほか、発注数が少ない上に主要メーカーが多い艦艇の関連企業も苦しい。
 事態の深刻さを受け、防衛省も動き出した。戦闘機について6月、「生産基盤の在り方に関する懇談会」を設置。民間有識者を交え実態調査に着手した。
 防衛産業に詳しい軍事ジャーナリストの清谷信一氏は「大胆な統合再編を重ねてきた欧米企業と違い、日本では市場規模に比べて企業、とくに主要メーカーの数が多すぎる」と指摘する。「大手も政府も痛みを覚悟して早く再編に踏み切らなければ、みんなが共倒れになる」と話す。
     ◇
 愛知県にある戦闘機生産の拠点・三菱重工業小牧南工場。日米共同開発された航空自衛隊のF2戦闘機の組み立てが、流れ作業で進む。同時に12機を生産できる最新設備だが、稼働しているのは現在、1機分だけ。残りは休眠状態にある。
 「フル稼働していたのは02年まで。作業員が機体にウンカのように群がっていた光景がなつかしい」と同工場の幹部はふり返る。
 戦闘機の新規発注は激減、同工場では今、自衛隊機の定期修理が中心だ。幹部は「自動車メーカーが新車を作らず、車検整備だけやっているようなもの」と苦笑する。
 瀬戸内海に面する岡山県玉野市の三井造船玉野事業所。海上自衛隊の護衛艦20隻を建造した実績をもつ。
 ドックの一つで、海上自衛隊の海洋観測艦(3200トン)1隻が建造されている。同社によると、00年ごろまでは途切れず海自艦艇を受注していたが、同艦は7年ぶりの受注だったという。
 同社の防衛省からの受注は、長く総売上額の20%前後で推移してきたが、04年度以来、4年連続ゼロ。08年度もわずか3%。担当幹部は「幸い商船の受注が好調で助かっている」と話す。

◆《にっぽんの争点:国と地方》「分権」一色 表現には差(朝日新聞)
 http://www2.asahi.com/senkyo2009/news/TKY200908240053.html
2009年8月24日
 「国と地方の代表者が協議する機関の設置を法制化」(自民)
 「国と地方の協議の場を法律に基づいて設置」(民主)
 「国と地方の代表等が協議を行い、地方が権限を有する『分権会議』を法定」(公明)
 今回の各党のマニフェスト(政権公約)の地方関連部分には、似た言葉が並ぶ。国が地方の言い分を聞き置くだけというあり方を改め、地方側の権限を明確にした対等な協議の場をつくる。そんな全国知事会の要望を多くの党が受け入れたからだ。ほかにも権限の移譲に、国の出先機関の廃止・縮小――。「国の責任の放棄」にくぎを刺す共産を除けば、ほぼ分権一色だ。
 その背景には、橋下徹・大阪府知事や東国原英夫・宮崎県知事らの登場で、首長の声を無視できなくなったことがある。「協議の場」も橋下氏が強く主張。自民、民主とも07年参院選の政権公約では触れていなかったが、自民は早々と盛り込み、民主も公約を公表した後で追加した。
 ただ、子細に見ていくと、各党の違いが浮かぶ。
 例えば、不透明さを「ぼったくりバー」にたとえられた国直轄公共事業の費用の一部を地方が負担する制度。民主は「廃止」と記したが、自民は「抜本的に見直す」。国が使い道を限定して自治体に配る補助金についても、民主が「自由に使える一括交付金」に改めるとするのに対し、自民は「見直し」にとどめた。霞が関とタッグを組み、国の権限を力の源泉としてきた自民にとって、それを手放すのは簡単なことではない。
 逆に、民主が明記しなかったのが地方税拡充だ。自民は税制抜本改革の際に「地方消費税の充実」を図るとした。消費税論議を封印した民主には、そうした表記は難しい。
 道州制については、各党の違いがもっと鮮明だ。前向きなのは公明。おおむね10年後から移行するなどと時期やイメージを示した。自民は具体像は示していないが、17年までの導入をうたった。
 民主は小沢一郎代表のころ、市町村を再編した300の基礎自治体と国の2層構造にする案をまとめたが、道州制を唱える橋下知事らの動きにあわせて軌道修正。マニフェストには記さなかったが、政策集に「将来的な道州の導入も検討」と盛った。
 道州制に明確に反対しているのは共産と新党日本。「国の責任を投げ捨て、地方に押しつけるもの」(共産)、「不毛な論議」(新党日本)などと批判している。

■やる気・やり方、不透明
 地方分権は、これまでも有識者による委員会が勧告を重ねてきた。国の仕事を自治体に委ねる機関委任事務廃止など一部は結実したが、歩みは遅い。権限を奪われる霞が関の中央省庁と、自民の族議員が強く反発してきたからだ。
 「アバウトな公約で、実行されない政治を長年担当してきたのは自民党。どうやって信じればいいのか」。全国知事会が自民、民主、公明の3党を招いて7日に開いた公開討論会では、地方側から自民への不信の声が相次いだ。
 実際、自民の政権公約に記されたのは、地方分権改革推進委員会(委員長・丹羽宇一郎伊藤忠商事会長)などが勧告してきたものばかり。同党の菅義偉・選挙対策副委員長は、それを実現できていない理由について「政権与党としてできる部分とできない部分があった」と釈明したが、橋下知事は「なぜこれまでできなかったことが変わるのか。その点は腑(ふ)に落ちていない」と不信感を隠さなかった。
 一方の民主党。討論会では玄葉光一郎・分権調査会長が「地方分権改革推進委員会が勧告してきた以上のことをやる」と強調した。
 だが、地方側からは「無駄をなくして財源を確保すると言うが、できるのか」「(民主の公約に沿って)ガソリン税などの暫定税率を撤廃すれば地方税収が減ることが予想されるのに、穴埋め対策が明確でない」。自治体にとって、まず気になるのは懐具合。「三位一体改革」の名のもとに地方交付税を減らされた経験があるだけに、財源の充実どころか減りはしないかと不安をぬぐえないのだ。
 知事会によるマニフェストの評価では、こうした点が減点されたせいで、民主は自民よりも2点以上低い58.3点の評価に終わった。
 地方財政に詳しい神野直彦・関西学院大学教授は、自民の政権公約について、地方交付税の財源確保策などは「思い切ったことを言っている」と評価したうえで、「見直す」などの表現を「あいまいだ」と指摘した。民主については「地方の自主財源をどう充実させるのかが見えない」として「住民にとって、どの党が税金の使い道を分かりやすくし、自分たちの権限を増やしてくれるかを見極めることが大切だ」と呼びかける。

◆北ミサイル対策、PAC3を全国配備…防衛省方針(読売新聞)
 http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090822-OYT1T00024.htm
2009年8月22日
 防衛省は北朝鮮の弾道ミサイル対策強化のため、ミサイル防衛(MD)システムの地対空誘導弾パトリオット・ミサイル3(PAC3)を青森県三沢市の航空自衛隊第6高射群など、配備計画がなかった三つの高射群に順次、配備する方針を固めた。
 2010年度予算の概算要求で、配備に伴う経費を計上する。
 今春に北朝鮮が長距離弾道ミサイル発射を予告した際には、秋田、岩手両県に静岡県浜松市からPAC3を移動配備する対応を迫られたが、より機動的な対応を確保するため、全国的な配備が必要と判断した。
 PAC3は07年3月に埼玉県入間市の空自第1高射群に初めて配備され、教育用の高射教導隊(静岡県浜松市)に続き、第4高射群(岐阜県各務原市)でも今月21日に配備が完了。第2高射群(福岡県春日市)でも、来年度中に配備予定だ。
 一方、第6高射群、第3高射群(北海道千歳市)、第5高射群(那覇市)に配備済みのPAC2は高性能の弾道ミサイルに対処できない。これらの高射群へのPAC3配備は計画されていなかったが、防衛省は「北朝鮮がミサイルを発射する度にPAC3を遠路移動させる事態は避けたい」(幹部)として配備方針を決めた。
 ただ、一つの高射群にPAC3を配備するのに約600億円かかることもあって、30日の衆院選後に発足する新政権の予算編成方針次第では、計画に影響が出る可能性がある。

◆暮らし重視競う 総選挙公示 財源・手順、焦点に(朝日新聞)
 http://www.asahi.com/politics/update/0818/TKY200908180299.html
2009年8月19日
 自民、民主の二大政党が、景気や雇用対策など生活者重視の政策に重点を置き、財政出動をいとわず競い合う――。18日公示された総選挙の最大の争点は、それらの実現性だ。自民党が実績をたてに「継続」を唱えれば、民主党は「交代」による転換を求める。両党への他党の姿勢も明確になりつつあり、「政権選択」の形は整ってきた。
(…)

◆いま注目 共産党の財源論 二つの「聖域」にメス 12兆円(赤旗)
 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik09/2009-08-15/2009081501_01_1.html
2009年8月15日
「財源論で火花」「財源巡り激論」――新聞各紙にこんな見出しが躍っているように、各党が社会保障対策や子育て支援策を打ち出すなか、それを支える財源論が総選挙の大争点となっています。
 「景気回復後に消費税の引き上げをお願いしたい」(12日)。麻生太郎首相が2011年からの税率アップを露骨にいえば、民主党の鳩山由紀夫代表は「消費税をいつまでたっても上げないで済む日本ではない」(12日)と将来の引き上げを明言しています。
 そうしたなか、消費税増税に頼らない日本共産党の財源論が注目をあびています。共産党は、軍事費と大企業・大資産家という「二つの聖域」にメスを入れることを柱に、12兆円の財源を生み出すとしています。民放番組で、リポーターが「こういうことを言うのは共産党だけ。独自色ですね」と発言。ジャーナリストの鳥越俊太郎氏も「社会保障費を2200億円削る代わりに、そっち(米軍への“思いやり予算”)を削れよと思う」(12日)とコメントしました。
 自民党ばかりでなく、民主党も二つを不可侵の「聖域」にしているため、「子ども手当」の財源は、約600万世帯に負担増となる配偶者控除の廃止などの庶民増税に財源を求めるという、つじつまのあわないものになってしまうのです。
 財源をめぐる議論は、「日米軍事同盟絶対」「大企業・大資産家中心」という政治のゆがみをただすかどうかという、国のあり方と一体の問題です。

自公も民も消費税頼み
 浦野広明立正大学教授(税理士)の話 年金など社会保障のあり方に国民は強い関心をもっています。しかし、財源といえば、自民・公明両党は消費税増税を公約し、民主党も将来は消費税増税頼みです。
 自民党政治は一貫して“大企業・大資産家には減税、庶民には増税”でした。能力に応じた税負担という民主的税制の原則を踏みにじってきたのです。民主党も、この路線の延長線上にいます。
 日本共産党が主張しているように、軍事費と大企業・大資産家優遇税制という二つの聖域をただせば、消費税増税にたよらないで財源を確保することができます。
 自公、民主の各党は、この聖域にメスが入れられないために、結局、消費税増税に頼らざるを得ません。
 国民は、社会保障制度の改悪と増税に苦しめられてきました。増税なき社会保障充実こそ、多くの有権者が求めるものです。
 応能負担の民主的税制を築く道を開くか開かないか―。総選挙はそこが問われています。日本共産党はその展望を示しています。

◆党首討論 財源と安保の議論を深めよ(8月13日付・読売社説)
 http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20090812-OYT1T01225.htm
 有権者が政権を託す先を選択する際の指標とすべきは、やはり政策だ。自民、民主2大政党の党首が直接対峙(たいじ)して論戦を交わしたことで、選挙戦の論点もかなり明確になってきたのではないか。
 麻生首相と鳩山民主党代表の党首討論が、民間有識者で作る「新しい日本をつくる国民会議(21世紀臨調)」の主催で行われた。
 最も白熱したのは、財源に関する議論だった。
 首相は、民主党が政権公約に掲げる「子ども手当」などの財源が明確でないとして、「財源なきバラマキ」と批判した。
 鳩山代表は、不要不急な事業の中止などで捻出(ねんしゅつ)できると強調した。しかし、首相が指摘した通り、社会保障費は毎年約1兆円のペースで増え続ける。歳出削減だけで財源を確保できるのかどうか。
 一方、鳩山代表も、自民党が「可処分所得を10年で100万円増やす」としていることについて、「(衆院任期の)4年間で何をやるか言ってほしい」と批判した。
 首相は、実現に向けた具体的な道筋を示す必要がある。
 消費税に関する論議は、首相も鳩山代表も、政権公約の表現より踏み込んだ。
 首相は、国内総生産(GDP)の2%成長を前提に、消費税率引き上げを含む税制抜本改革に取り組むことを明言した。鳩山代表も「消費税をいつまでも上げないで済む日本でないことは十分認識している」と述べた。
 政権公約を現実的なものとするためにも、財源の裏付けは重要だ。さらに議論を詰めるべきだ。
 安全保障政策では、首相が、インド洋での海上自衛隊の給油活動について、鳩山代表の発言が揺れている点を批判した。
 鳩山代表は、来年1月の新テロ対策特別措置法の期限切れ後は活動を延長しない考えを改めて表明し、代替策としてアフガニスタンへの民生支援の充実を挙げた。
 だが民生支援は、警察改革、多数の学校建設など幅広い分野で既に実施している。単に給油活動から撤収するだけにならないか。
 ただ、鳩山代表は「外交や安全保障は、政権を取ったらすべてを変えるという発想は持たない。継続性が重要だ」とも述べた。そうであってほしい。
 両党首の一対一の討論は今回限りとなりそうだが、各党党首の公開討論会など様々な機会をとらえて、議論を深めてもらいたい。

◆マニフェストの財源 事業仕分けでムダを削減(公明新聞)
 http://www.komei.or.jp/news/2009/0813/15295.html低所得者に配慮した税制の抜本改革で確保めざす
2009年8月13日
 衆院選に向けて各党が発表したマニフェストでは、政策と並んで財源への関心も高い。政権与党にとっては、毎年の予算編成こそが財源の明示であり、ことさら強調する必要はないとも言えるが、政策を競うマニフェストでは、財源の裏付けがなければ、政策への信頼も失われかねない。民主党のマニフェストが「財源が無責任、極めてあいまいだ。聞こえのいいバラマキの話は極めて危ない」(麻生首相)と批判されているのは、このためである。
 公明党のマニフェストでは、事業仕分けによるムダの削減を挙げている。これで約2兆円(社会保障費を除く一般歳出の1割)を捻出する。公明党は前回の衆院選(2005年)で、マニフェストに事業仕分けを明記、翌年には行政改革推進法に基づき、事業仕分けを実行した。今年度予算では一般会計、特別会計合わせて約8800億円のムダを削減させた。公益法人についても3900億円のムダを排除した。
 この事業仕分けをさらに定着、強化させるため、政府の中に、民間、地方自治体を交えた「事業仕分実施機関」を設置し継続的に実行していく。具体的には必要のない国の地方への出先機関を廃止、縮小するほか、特別会計で毎年生み出される剰余金の積立金のうち、緊急性の乏しいものは他の緊急性の高い歳出に回すとともに、独立行政法人や公益法人を厳格にチェックしムダを排除していく。
 一方、防衛関係経費については、装備品の調達方法の改善や人件費の見直しに努め5年間で5000億円のコスト縮減をめざす。公共事業の単価の見直しや、国と地方を通じて会計処理を厳格にしていく。裏金づくりを根絶するため「不正経理防止法」(仮称)も制定する。
 公明党はマニフェストで基礎年金の加算制度の創設や児童手当の支給額倍増など、持続可能な社会保障制度を確立するためのさまざまな政策を打ち出しているが、その財源を確保するには、「給付付き税額控除」の導入など、低所得者に配慮した消費税を含む税制抜本改革が必要である。抜本改革は政府・与党の「中期プログラム」に示された方針・考え方に沿って、(1)全治3年の景気回復を前提に、(2)社会保障の機能強化や優先順位の具体化、(3)行政改革・行政のムダ排除の徹底、(4)消費税の使途の社会保障と少子化対策への限定、(5)消費税のみならず税制全体の改革―という五つの条件の下で、進めていく。

緊急の政策を先行実施
 もちろん、税制の抜本改革がなければ、重要政策が実現しないというのではない。事業仕分けや歳出削減で捻出した資金で、緊急性のある政策を先行実施していくのは当然である。
 財源論は単なる数字の合計であってはならない。経済成長によって企業や家計が潤うことが、税収の増加をもたらし財源を確たるものにする。成長を視野にムダの排除で、安心できる財源確保に努めていきたい。

◆【09衆院選】麻生VS鳩山、財源、消費税で応酬(産経新聞)
 http://sankei.jp.msn.com/politics/election/090811/elc0908112233019-n1.htm
2009年8月11日
 麻生太郎首相(自民党総裁)と民主党の鳩山由紀夫代表が11日夜、日本テレビ番組の収録で、政策の裏付けとなる財源や消費税率引き上げなどめぐり激しく応酬した。
 首相は、民主党が衆院選マニフェスト(政権公約)で示した「子ども手当」などの政策の財源について、「無駄遣いをなくすというが、具体的にどこからいくら削るのか見えず、極めて漠然としている」と批判した。一方で「3年たてば消費税を引き上げるような経済成長を果たさなければならない」と、経済成長に取り組む考えを訴えた。
 鳩山氏は「努力すれば1割ぐらいの無駄は減らせる。政府に入ってみないとわからないが、十分手当できる」と反論。「政治が信頼を回復しない限り増税は無理だ」と消費税率引き上げを改めて否定した。
 衆院選を前にした党首討論は初めて。番組には公明党の太田昭宏代表、共産党の志位和夫委員長、社民党の福島瑞穂党首、国民新党の綿貫民輔代表も出演した。

◆麻生首相、自民マニフェストで財源示せず(日刊スポーツ)
 http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp3-20090801-525799.html
2009年8月1日
 麻生太郎首相(68)が7月31日、自民党本部で自民党のマニフェストを発表した。10年で手取り100万円増、1人当たり国民所得を世界トップクラスにする、などの公約を盛り込み、景気対策を最重要点に掲げた。27日に発表された民主党マニフェストについて「財源を示さず無責任」と批判してきた麻生氏だが、この日発表されたマニフェストには具体的な財源の記述はなく、追及する報道陣からの質問にかみつくなど苦しい発表会となった。
 夕方のニュース時間帯に合わせて自民党本部で行われたマニフェスト発表会見。麻生首相は、紺のスーツに紺のネクタイで現れた。27日に発表された民主党のマニフェストに対し、「財源が無責任だ」(麻生氏)と批判してきただけに、会見には立ち見を含めて報道陣約400人が詰めかけた。麻生氏は冒頭、「マイナスをプラス、プラスをもっとプラスへ。改めるべきは改め、伸ばすべきは伸ばす」とし、「他党との違いは『責任力』だ」と訴えた。
 しかし、配られた自民党マニフェスト(要約版18ページ、詳細版34ページ)の中には「10年度後半に年率2%の経済成長」「200万人の雇用を確保」「経済成長戦略の着実な実施により、10年で家庭の手取りを100万円増」などの数字はあっても、その政策に必要な財源の記述は見あたらなかった。
 「責任力、財源の責任などかねがねおっしゃっていたが、自民党が財源に触れていない点、どう説明するか。費用がなければ赤字国債を当てるのか」と問われると、「園田(博之)政調会長代理の方からお答えしてあると思うので、あとで園田さんに聞いてください」と、あっさりバトンタッチ。肝心の園田氏も明快な回答はできず、赤字国債についても「景気回復のために重点投資するには歳出予算を組まざるを得ない。相当高くなる可能性がある。その場合、国債発行もやむを得ない」と回答。麻生氏はこの日の会見冒頭にも民主党のマニフェストに触れ「まったくの夢物語だ」と批判していただけに、歯切れの悪い展開となった。
 さらに、報道陣から「『10年で100万円』は実現すれば素晴らしいが、所得が伸び悩む中でどのようにアップするのか」と問われ「増えていないのではない。認識が違います。減ってるんです」と軽くかみついた。さらに「そこが一番気になっているところ」としながら、具体的な方法、財源は示せなかった。30日の選挙まで残り1カ月のタイミングで満を持して発表したマニフェストだったが、質疑応答では終始苦しい表情だった。

◆衆院選・自民、民主の財源確保策(時事通信)
 http://www.jiji.com/jc/v?p=ve_pol_election-syugiin090731j-05-w320
2009年7月31日
◎民主、「予算組み替え」説得力欠く=自民、消費税上げ明記
※記事などの内容は2009年7月31日掲載時のものです
 自民、民主両党のマニフェスト(政権公約)は、ともに子育て支援を前面に出すなど似た政策が並んだが、財源確保策は大きく異なる。民主は消費税増税を封印し、一般・特別会計の計206兆5000億円に上る予算の組み替えと無駄減らしを柱に据えたが、組み替えなどに説得力を欠く面は否めない。これに対して自民は、消費税率引き上げを明記し、違いを強調。「2011年度までに必要な法制上の措置を講じる」と改めて表明した。
 「本当に必要な事業かチェックしていけば、財源を見いだすことができると確信している」−。民主の直嶋正行政調会長は記者会見で、財源確保策を一通り説明し、胸を張った。中学生以下の子ども1人当たり月2万6000円支給する「子ども手当」や高速道路無料化など重点施策に必要な財源は16兆8000億円。そのうち9兆円余りを予算の「効率化」でひねり出すと説明した。
 ただ、そう簡単ではない。一般・特別会計総額のうち民主が見直しの対象にするのは約70兆円だが、その大半は、自治体の一般財源として配分する地方交付税、地方分の社会保障費や公共事業費、政府開発援助(ODA)などが占める。「削れる余地はそう多くない」(財務省幹部)のが実態で、「国の直轄公共事業がほとんどなくなる計算だ」(経済官庁幹部)などと疑問視する声も多い。特別会計の積立金など「埋蔵金」圧縮も調整は難航が必至だ。
 自民党の重鎮である与謝野馨財務相は、民主の財源論に関して「幻想や空想で遊んでいる」と厳しく批判。その自民は就学前3年間の幼児教育無償化を掲げ、消費税を財源に位置付けた。消費税は少子化対策を含む社会保障に全額を充てる。歳出削減も盛り込んだが、民主が具体的な数字を上げたのに対し、規模を示していない。
 巨額の財政赤字に苦しんだ米国は1990年、社会保障給付など義務的経費増加や減税を伴う政策を提案する場合、それに見合う安定財源も示すよう義務付ける原則を打ち出し、黒字転換に貢献した。
 日本の国と地方を合わせた債務残高は800兆円を超え、財政は危機的な水準。「無料化」「手当」「減税」を並べるのなら、自民、民主とも、その財源を明示し、将来の財政再建の道筋を示すことが必要だ。

◆民主、来年度から「公立高無償化」 学費分12万円支給
 http://www.asahi.com/politics/update/0720/TKY200907190390.html
2009年7月20日
 民主党は、総選挙で政権交代が実現した場合、来年度からすべての国公立高校生の保護者に授業料相当額として年間12万円を支給し、事実上無償化する方針を固めた。私立高生の保護者にも同額を支給し、年収500万円以下なら倍の24万円程度とする。高校進学率が98%まで達する中、学費を公的に負担すべきだと判断したといい、マニフェスト(政権公約)に盛り込む考えだ。
 民主党はかねて高校無償化を主張していたが、不況が深刻になり、高校進学を断念したり、入ったものの中退したりする生徒が増える中、具体案を詰めて優先課題に位置づけた。多くの企業が業績を落とし、収入が減って不安が広がっており、所得制限をかけず支給するよう判断したという。15日の「次の内閣」の会合でも衆院選の主要政策とすることを確認した。
 実現には年間約4500億円の追加予算が必要と試算しており、国の事業の無駄を洗い出し、不要と判断したものを廃止・縮小することで財源の確保は可能としている。
 ただし、同党は一方で、高速道路無料化、ガソリン税などの暫定税率撤廃といった「目玉政策」も来年度から実施する方針だ。これらに7兆円程度を見込んでおり、全体の予算編成の中で本当に財源が確保できるか、現段階では不透明だ。
 他にも、中学生までの子どもがいる家庭に対し、月2万6千円の「子ども手当」を支給する方針で、政権公約では来年度に半額支給からスタートさせるとしているが、その財源確保策として配偶者控除を廃止するため、妻が専業主婦で子どものいない65歳未満の世帯は負担増となる。
 親の年収が400万円以下の学生に生活費相当額の奨学金を貸すなどの奨学金拡充、幼稚園や保育園の無償化推進なども検討しているが、教育・子育て支援は一方で子どものいない世帯の負担増にもつながり、議論になりそうだ。
 同党は他にも、マニフェストの母体となる09年版の党政策集に盛り込む教育政策を固めている。教員の質を高めるため大学の教員養成課程を医歯薬系並みの6年制とし、教育実習を1年間に大幅延長する▽学校の風通しをよくするため保護者や住民らが参加する「学校理事会制度」を創設する――などとしておりマニフェストへ盛り込むことを検討している。(青池学)


*作成:橋口 昌治
UP:20090903 REV:随時
財源・財政  ◇
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