HOME >

「クローン人間」 2002

ヒト細胞・組織/ES細胞/クローン… 2002
クローン… 2002

ヒト細胞・組織/ES細胞/クローン… 

Tweet
last update: 20160526


◆2002/04/11 コメントしないと伊医師 クローン技術妊娠で
 共同通信ニュース速報
◆2002/04/11 クローン人間は疑わしい 元共同研究者が疑問視
 共同通信ニュース速報
◆2002/04/16 <ヒト・クローン胚>再生医療学会、作成禁ずる国の指針に異論
 毎日新聞ニュース速報 他
◆2002/05/16 クローン人間の妊娠 「今年中にも」米教授  朝日新聞ニュース速報 他
◆2002/06/13 「投資家の圧力で作った」と証言=世界初のヒトクローン胚−米社元研究員
 時事通信ニュース速報
◆2002/07/12 <ヒトクローン研究>「禁止」など併記して報告 米大統領諮問委
 毎日新聞ニュース速報・他 ◆2002/07/22 クローン人間、年内にも着手か…米医師
 『読売新聞』海外ニュース - 7月22日(月)13時37分
◆2002/07/22 今度は魚のクローン
 読売新聞ニュース速報
◆2002/7/23 6組の夫婦対象にクローン人間づくり着手 米・ザボス氏  朝日新聞・他
◆2002/08/17 「<クローン人間>「不妊治療なら容認」が半数 医療系大学生」
 毎日新聞ニュース速報
◆2002/12/20 <クローン人間>クリスマスに女児誕生へ 新興宗教団体
 毎日新聞ニュース速報
◆2002/12/27 <クローン人間>世界で初めて赤ちゃん誕生 ラエリアン発表
毎日新聞ニュース速報・他
◆2002/12/29 [クローン人間]「国際的な規制強化で続発を防げ」
 12月29日付・読売社説(1) 読売新聞ニュース速報


◆2002/04/11 コメントしないと伊医師 クローン技術妊娠で
 共同通信ニュース速報

 【ローマ10日共同】クローン技術により女性が妊娠八週間を迎えていると発表したイタリアのセベリノ・アンティノリ医師のローマにある診療所は十日、全面禁止の立場を表明したブッシュ米大統領の演説について「コメントもしないし、(演説も)知らない」と述べた。
 医師の友人でフリーの科学記者ジャンカルロ・カルツォラリさんは、個人的にはクローン人間には賛成できないと前置きした上で「科学としてのクローン技術は止められないし、法律で決めるべきでもない」との立場を表明した。
 イタリアの医師会は「医師の職業倫理を定めた法規に反している」と抗議しているが、アンティノリ医師のクローン技術は国外で行われていた可能性が高いことから、処分できるかどうか危ぶむ声も出ている。
(了)
[2002-04-11-08:25]

 

◆2002/04/11 クローン人間は疑わしい 元共同研究者が疑問視
 共同通信ニュース速報

 【ワシントン10日共同】クローン人間を妊娠させたと述べたとされるイタリアのセベリノ・アンティノリ医師の共同研究者だったパノス・ザボス米ケンタッキー大元教授は十日、米CNNテレビに出演し「(妊娠の成功は)疑わしい。アンティノリ氏は自分のやったことについての事実を、公式に説明する義務がある」と述べ、クローン人間推進派の中にも、今回の発表に対する疑念が強いことを示した。
 ザボス元教授は「五カ月ほど前に同医師と非公式に縁を切った。われわれはまったく参加しておらず、何も知らない」と述べた上で「私は、彼のやり方に対して強い疑念を抱いている」とアンティノリ医師を批判した。
 だが、不妊カップルにクローンベビーをつくる計画自体については「安全で倫理的にも問題はない。米国が法律で禁止しても、クローン人間づくりは可能だ」と主張。「技術が進歩すれば、クローンへの批判はなくなる」と述べ、ブッシュ大統領の演説を「一方的な見方だ」と批判した。
(了)
[2002-04-11-09:36]

 

◆2002/05/16 クローン人間の妊娠 「今年中にも」米教授
 朝日新聞ニュース速報
 http://www.asahi.com/

 イタリアのセベリノ・アンティノリ医師とクローン人間づくりで一時行動をともにし
ていたパノス・ザボス元米ケンタッキー大教授(生殖生理学)が15日、米下院公聴会
で、「今年中にクローン人間の妊娠が実現するかも知れない」と語った。クローン人間
禁止の立法化に反対する意見も述べた。
 公聴会終了後、ザボス元教授は報道陣に、9人のチームが欧州と「ギリシャとインド
の間」の計2カ所で研究中で、不妊治療で妊娠しなかった12組の夫婦が候補になって
いるとした。まだクローン技術を人の卵子では試していないものの、設備が整えばすぐ
に取りかかると述べた。さらに、「妊娠に成功したら、遺伝子のデータや超音波画像な
ど証拠を世界に示す」と明言した。
 「3人が妊娠している」と発言しているアンティノリ医師に対しては「彼が本当のこ
とを言っていないことを示唆する内部情報をもっている」と語った。
 公聴会では、「02年はクローンの年になるかも知れない。(クローン技術という)
瓶の魔人がすでに瓶の外に出てしまった以上、魔人が我々の害にならず、役に立つよう
にすることを考えるべきだ」と、不妊治療目的で限定した施設でのクローン人間づくり
を認めるべきだと持論を展開した。
[2002-05-16-12:23]

◇2002/05/16 欧州など2カ所で準備中 クローン人間で米研究者
 共同通信ニュース速報

 【ワシントン15日共同】不妊治療のためのクローン人間づくり
を公言しているパノス・ザボス米ケンタッキー大元教授が十五日、
米下院の公聴会で証言。「まだ、ヒトのクローン胚(はい)はつく
っていないが、年内にもクローン人間を妊娠させる見通しだ」と述
べた。
 証言後、ザボス氏は記者団に、医師や科学者など九人のチームで
、十二組の男女を対象に「一カ所は欧州、もう一カ所はインドとギ
リシャの間にある国の計二カ国」でクローン人間づくりを行う準備
を進めていることを明らかにした。
 同氏は、かつての共同研究者だったイタリアのセベリノ・アンテ
ィノリ医師がクローン人間の妊娠に成功したと報じられたことにつ
いては「内部の情報を得ているが、事実ではないと思う」と否定し
た。
 十二組は、すべての方法を試みたが妊娠ができなかったカップル
で、米国人以外も含まれるという。
 同元教授は「妊娠に成功したら、遺伝子のデータや超音波画像な
どの証拠を世界に示す」とした。
 昨年中にも行うとしていた着手が遅れていることについては「科
学的問題ではなく、準備作業が必要なためだ」と語った。
(了)
[2002-05-16-09:25]

 

◆クローン人間、年内にも着手か…米医師
 『読売新聞』海外ニュース - 7月22日(月)13時37分

 【ロンドン22日=渡辺覚】英スコットランドの日曜紙サンデー・ヘラルドは21日付で、米ケンタッキー州の不妊治療専門医パノス・ザボス医師が、計6組のカップルを対象として、年内に、米国以外の地で、クローン人間づくりを開始すると報じた。
 ザボス医師は、同じくクローン人間計画を進めるイタリアのアンティノーリ医師と同じグループに属していたが、現在では独自に行動しているという。
 ザボス医師が主導するクローン人間づくりに参加する米国人夫妻は同紙に対して、「クローン人間は、私たちが子どもを得る最後の手段なのです」という赤裸々な心情を告白した。
 このカップルは、米北東部在住の夫妻で、夫は50代半ばの高校教師、妻は40代半ばのキャリアウーマン。2人は、子どもに恵まれず、長年にわたって不妊治療を受けてきた。
 しかし、1998年末に、最後の希望だった不妊治療が失敗。絶望の果てに、自分たちの「子ども」を得る最後の手段として、クローン人間づくりへの参加を決意したという。
 同紙に対して妻は、「養子をもらうことも考えたが、犯罪者かも知れない他人の子どもはイヤでした」と告白。この夫婦は娘を希望しており、妻の遺伝子を使う考えだという。(読売新聞)
[7月22日13時37分更新]

 

◆6組の夫婦対象にクローン人間づくり着手 米・ザボス氏
 2002/7/23朝日新聞

 英スコットランドの日曜紙サンデー・ヘラルドは21日付の電子版で、米国のパノス・ザボス元ケンタッキー大教授が年内に、不妊の6組のカップルを対象にクローン人間づくりに着手すると報じた。参加予定の夫婦1組のインタビューと後ろ姿の写真も掲載。夫婦は「不妊治療に限って、クローンづくりを認めてほしい」と語った。
 この夫婦は米国北東部在住で、夫ビルさんは50代半ばの高校教師、妻キャシーさんは40代半ばの販売員。姓は公表されていない。10年ほど前に結婚。長年、不妊治療を受けてきた。98年末に「最後の体外受精」で得た4つの受精卵がいずれも着床に失敗。クローンづくりへの参加を決意した。
 2人は「クローン技術は無原則に使ってはならない。でも、私たちには進歩した体外受精のようなもの」「子どもができない夫婦の苦悩は、理解してもらえない」などと語っている。
 2人は、妻のクローンを希望。妻の体細胞から取り出した核を提供された卵子に移植して、代理母を使って出産する計画だ。
 ザボス氏はクローン人間づくりを実施中とされるイタリアのアンティノリ医師とたもとを分かち、5月の米下院公聴会で「今年中にクローン人間の妊娠が実現するかも知れない」と語っていた。(19:54)

クローン人間、年内にも着手か…米医師

 【ロンドン22日=渡辺覚】英スコットランドの日曜紙サンデー・ヘラルドは21日付で、米ケンタッキー州の不妊治療専門医パノス・ザボス医師が、計6組のカップルを対象として、年内に、米国以外の地で、クローン人間づくりを開始すると報じた。
 ザボス医師は、同じくクローン人間計画を進めるイタリアのアンティノーリ医師と同じグループに属していたが、現在では独自に行動しているという。
 ザボス医師が主導するクローン人間づくりに参加する米国人夫妻は同紙に対して、「クローン人間は、私たちが子どもを得る最後の手段なのです」という赤裸々な心情を告白した。
 このカップルは、米北東部在住の夫妻で、夫は50代半ばの高校教師、妻は40代半ばのキャリアウーマン。2人は、子どもに恵まれず、長年にわたって不妊治療を受けてきた。
 しかし、1998年末に、最後の希望だった不妊治療が失敗。絶望の果てに、自分たちの「子ども」を得る最後の手段として、クローン人間づくりへの参加を決意したという。
 同紙に対して妻は、「養子をもらうことも考えたが、犯罪者かも知れない他人の子どもはイヤでした」と告白。この夫婦は娘を希望しており、妻の遺伝子を使う考えだという。(読売新聞)
[7月22日15時38分更新]

海外ニュース - 7月22日(月)22時3分

<クローン>「不妊治療に限り認めて」実験参加予定夫婦訴え

 21日付の英紙サンデー・ヘラルド(電子版)は、不妊治療のためのクローン人間づくりを公言しているザボス米ケンタッキー大元教授の治療に参加する予定の夫婦とのインタビューを掲載。夫婦は「不妊治療に限りクローンを認めてほしい」と語った。
 同紙は、元教授が年内にこの夫婦を含む6組の男女についてクローン実験を行う、と伝えた。
 北米大陸東部に住む夫婦は夫が50代半ばの高校教師、妻が40代半ばの販売員。2人は子供を授かろうと体外受精などを試みたが万策尽き、ザボス元教授のクローン不妊治療への参加を決断した。治療のため、元教授からクローンを禁止していない「秘密の国」に行くよう指示されるのを待っているという。
 夫は「クローン技術は無原則に使われてはならない」としながらも、「クローンで生まれるのは、わたしたち2人の子供。クローンは私たちにとって進歩した体外受精技術だ」と述べ、理解を求めた。(ロンドン共同)(毎日新聞)

 

◆2002/08/17 「<クローン人間>「不妊治療なら容認」が半数 医療系大学生」
 毎日新聞ニュース速報

 「国内の医療系学生の7割以上がクローン人間づくりを「好ましくない」とする一方、不妊治療目的に限れば半数が「認めてもよい」と考えていることが、学生グループがまとめたアンケートで分かった。ただし、クローン技術の応用について周囲と話したことがない学生も7割を超えており、同グループは「クローン技術を安易に考えず、議論を深める必要がある」と話している。
 アンケートは、イタリア人医師が「クローン人間の妊娠に成功した」と今年4月に発表したことをきっかけに、全国の医療系学生らで作る「メディカル・スチューデント・カンファレンス」(約30人)が実施した。
 慶応大、京都大、長崎大など全国30大学の医学系、薬学系、獣医学系の学生を対象に今年6月、調査用紙を配布し、1006人が回答した。
 クローン人間づくりについては74.6%が「好ましくない」と回答。「好ましくないと思わない」の13.2%を上回った。
 しかし、不妊治療目的で、夫か妻のクローンをつくることについては、「無制約で認める」「一定の条件下で認める」を合わせ50.5%が「認める」と回答した。
 クローン人間づくりが「好ましくない」理由としては「優生思想につながる」「人間の尊厳上問題がある」などが挙げられた。肯定する理由としては「科学技術の発展の結果で、やむを得ない」などが多かった。
 クローン問題について友達・家族と話すかどうかについては「あまりない」「ほとんどない」を合わせ71.2%に上った。「かなり」話すは2.5%しかいなかった。
 日本は、クローン規制法でクローン人間づくりを禁止している。グループ代表の東京医科歯科大大学院博士課程3年、藤原武男さん(27)は「大学ではクローン技術の倫理的な問題について議論する機会が少ない。よく考えないまま不妊治療への応用を容認する学生が多いようだ。今回の調査をもとに、大学祭などで議論の場を作りたい」と話している。」【永山悦子】[2002-08-17-19:21]

 

◆2002/12/20 <クローン人間>クリスマスに女児誕生へ 新興宗教団体
 毎日新聞ニュース速報

 新興宗教団体ラエリアンがクローン人間づくりを目的に設立した「クローンエイド」が、最初のクローン人間となる女児をクリスマスの日に誕生させる予定であることを明らかにした。同団体の科学責任者が19日までに、カナダで同国内のメディアに語った。
 報道によると、クローン人間を妊娠しているのは、米国出身の30代女性。夫との間に子供ができなかったため、自らの体細胞を使ってクローン技術で妊娠。近く帝王切開によって子供を産むという。この責任者は「クリスマスの日に手術が行われるなら素晴らしい」と語った。
 11月下旬、クローン人間づくりを公言しているイタリア人不妊治療医セベリノ・アンティノリ氏が「最初の赤ちゃんが来年1月に生まれる」と発表。クローンエイドもその直後に「年内に誕生予定」と明らかにしていた。
 両者とも科学的な裏付けとなる事実は示しておらず、専門家の間には懐疑的な見方も強い。だが、クローンエイドは、誕生直後に血液や遺伝子の検査結果などを公表するという。(ワシントン共同)
[2002-12-20-19:07]

 

◆2002/12/27 11:47 毎: <クローン人間>世界で初めて赤ちゃん誕生 ラエリアン発表
毎日新聞ニュース速報

 【北米総局】新興宗教団体「ラエリアン・ムーブメント」(本部・スイス)がクロー
ン人間づくりを目指して設立した企業「クローンエイド」のブリジット・ボワセリエ博
士は26日夜、AFP通信に対し電話で、「世界で初めてヒトのクローン赤ちゃんを誕
生させた」と語った。27日正式発表するという。赤ちゃんは女の子で、出産は帝王切
開でスムーズに行われ、健康状態は良好とされる。体重や身長など詳しい説明はされて
いない。また、出産の場所や出産状況など詳細な説明が行われていない。日本を含む多
くの先進国は技術的な安全性や倫理的な問題からクローン人間づくりを禁止しており、
世界初のクローン赤ちゃんの誕生だとすると、その是非をめぐり激しい議論を呼ぶと見
られる。 
 これまでのラエリアンの発表などによると、クローン赤ちゃんを産んだのは、米国出
身の30代の女性。夫との間に子供ができなかったため、自分の体細胞を使ってクロー
ン胚をつくり、自ら妊娠したという。ただ、この赤ちゃんが本当にクローン人間かどう
かについては、遺伝子検査をするまでは科学的に確認することはできない。
 ラエリアンは00年9月、事故で子供をなくした米国人夫婦の要望で、その子供のク
ローン赤ちゃんを誕生させる計画を進めていることを初めて公表した。また、希望者が
20万ドル(約2400万円)を提供すれば、クローン人間づくりを引き受けるとして
いた。
 しかし、米食品医薬品局(FDA)が米国内でのクローン人間づくりの中止を要請。
ラエリアンも01年6月に要請を受け入れたが、その後は米国以外で取り組みを進めて
おり、年内に1人、年明けにさらに4人のクローン赤ちゃんが誕生する予定だとしてい
た。
 これまでにヒツジや牛、ネコ、マウスなどでクローンが誕生しているが、成功率は極
めて低い。生まれた後も、感染症などを起こして死亡しやすい。多くの専門家は「人間
のクローンの場合も同じはずで、安全性に問題がある。クローン技術を人間に応用すべ
きではない」と指摘していた。
 クローンエイドは、誕生した赤ちゃんのDNA検査結果なども公表するという。

 ラエリアン・ムーブメントとは
 ラエリアン・ムーブメントは、カーレーサー兼スポーツジャーナリストだったフラン
ス人男性、ラエル氏が73年に創始した。信者は84カ国に5万5000人、日本には
最多の約6000人がいるという。
 地球上のすべての生物は、宇宙人がクローン技術で作り上げたという教義を持ち、ラ
エル氏自身も宇宙人に人工授精を受けた母親から生まれたと主張している。
 また、キリストの復活も、宇宙人の進歩したクローン技術によってなされたとしてい
る。
[2002-12-27-11:47]

◆2002/12/27 15:07 毎: <クローン人間>「本当なら尊厳を冒す」 関係者ら批判的な
 毎日新聞ニュース速報

 「本当なら人の尊厳を冒す行為」「不妊治療なら許される」。未確認のニュースが2
7日、世界を駆けめぐった。新興宗教団体「ラエリアン・ムーブメント」(本部・スイ
ス)の設立した企業が発表した、クローン赤ちゃんの誕生。クローン人間作りは日本で
はもちろん、諸外国でも倫理面、技術面両方の問題が多いとして禁止している国が多く
、国連でも禁止条約をつくる動きが進む。誕生は本当なのか。赤ちゃんはどこにいるの
か。裏付けの取れない情報に、関係者は気をもんでいる。
 技術的には可能なのか。発生学の研究の過程でクローンマウス作成に成功した理化学
研究所の若山照彦・研究チームリーダーは「クローン技術を身につけた技術者を雇えば
実施は可能だが、マウスでさえ、赤ちゃんのほとんどに何らかの異常がある。人間だけ
が例外とは思えない」と疑問を呈する。
 東京工業大遺伝子実験施設の石野史敏助教授も「100個のクローン胚を子宮に戻し
ても、赤ちゃんとして生まれてくるのは1個ほどしかないと思われる。その赤ちゃんも
遺伝子に異常がある可能性が極めて高い。このような行為は医療とはいえない」と批判
する。
 倫理的にも問題があるという識者は多い。
 京都大人文科学研究所の加藤和人助教授(科学コミュニケーション論)は、「昨年夏
、米で開かれたクローン人間がテーマの討論に、ラエリアンのメンバーも参加していた
が、技術を科学的に示さないことに批判が集まった。彼らの技術や赤ちゃんの状態をき
ちんと公表させる必要がある。国連が進めているクローン人間禁止条約の策定を急ぐべ
きだ」と話す。
 クローン技術に詳しい今井裕京都大教授(生殖生物学)は、「真偽は分からないが、
金を積んででもクローン技術を利用したい人はいるだろう。今回の発表はそういう一部
の金持ちに対するメッセージであり、金もうけ目当てだ。確信犯であり、憤りを感じる
」と話す。
 日本はクローン人間を法律で禁止している。クローンエイドは赤ちゃんの出生場所を
明らかにしておらず、クローン人間であることを隠して出生届けを出すことも可能だ。
もし生まれてしまった場合、赤ちゃんの法的な立場はどうなるのか。
 文部科学省生命倫理・安全対策室によると、法律にはクローン赤ちゃんの誕生を想定
した規定はなく、法律上の父母が誰になるのかも不明だ。「もしも生まれてしまえば、
赤ちゃんの人権を守ることを前提に対応すべきだが」と対策室は話す。

 クローン人間とは
 クローンは、ある個体と同じ遺伝子を持つ別の個体をいう。植物なら挿し木から育っ
た木は親木のクローン。動物なら一卵性の双子はお互いのクローンだ。
 クローンエイドは、体細胞核移植と呼ばれる技術を使ってクローン赤ちゃんを誕生さ
せたとみられる。
 この場合、皮膚などから取った体細胞と、卵子を使う。体細胞は男女どちらのもので
も構わない。卵子から遺伝子を含む核を除去し、その卵子に体細胞の核を移植すると、
クローン人間の元になる細胞「クローン胚」ができる。受精させてはいないが、個体を
作るのに必要な遺伝子を全部含む「人の卵」のような細胞だ。この細胞を女性の子宮に
入れ、出産させればクローン人間が誕生する。
 日本では昨年6月、クローン人間の作成を禁止したクローン規制法が施行されており
、違反者には10年以下の懲役か1000万円以下の罰金が科せられる。
[2002-12-27-15:07]

◆2002/12/27 15:12 毎: <クローン人間>未確認、技術力にも疑問 解説
 毎日新聞ニュース速報

 誕生した赤ちゃんがクローンだと証明するには、体細胞の核を提供した「親」と赤ち
ゃんの遺伝子が一緒であることを示す必要があるが、客観性の確保は難しい。クローン
エイドは年明けに遺伝子検査などのデータを公開するとしていたが、提供されたデータ
に信頼を置けるかどうかが問題になる。本当に検証するなら、第三者が「親」と赤ちゃ
んから血液などを採取して検査する必要がある。
 クローンエイドの技術力にも疑問がある。責任者のブリジット・ボワセリエ氏は化学
の博士号を持つが、生命科学の専門家ではない。毎日新聞が00年12月にインタビュ
ーした際、産婦人科医や遺伝学者がスタッフに加わっていると語ったが、詳細は不明だ

 ラエリアンの創始者、ラエル氏は「成長過程を経ることなく直接大人のクローンをつ
くり、記憶や性格も移転することが可能になる。そうすれば人類は永遠の命を得る」と
訴えており、今回の発表も「団体の宣伝行為だ」との批判もある。
 またクローン作成技術は未熟で、人間を対象にして安全性を論議するレベルには至っ
ていない。さらに倫理的な面からの指摘もあり、クローン人間禁止は世界的な流れにな
っている。
 しかし、その一方で、イタリア人産婦人科医が来年1月にクローン赤ちゃんを誕生さ
せると公言するなど、クローン人間づくりに「挑戦する」グループが相次ぐ可能性が高
い。
 クローン技術をどう生かし、どう規制するのか。徹底的な、そして早急な議論が必要
だ。 【鴨志田公男】
[2002-12-27-15:12]

◆2002/12/28 01:52 毎: <クローン人間>名前は「イブ」 新興宗教団体が誕生を正式
 毎日新聞ニュース速報

 【マイアミ(米フロリダ州)斗ケ沢秀俊】新興宗教団体「ラエリアン・ムーブメント
」(本部・スイス)が、クローン人間づくりを目的に設立した「クローンエイド」社の
ブリジット・ボワセリエ博士は27日午前9時(日本時間同午後11時)過ぎから、米
フロリダ州ハリウッドのホテルで記者会見し、「26日午前11時55分にクローン技
術による女児が初めて誕生した」と発表した。しかし、クローン人間であることを裏付
ける科学的なデータなどは示されなかった。
 発表によると、女児は体重3150グラムで健康状態はよく、「イブ」と名付けられ
た。出産したのは31歳の米国人女性で、女児はこの女性のクローンだというが、誕生
場所など詳細は明らかにされなかった。
 同博士は、女児がクローン人間であることを遺伝子検査で証明するため米ABCテレ
ビなどで科学ニュースを担当していたフリージャーナリストのマイケル・ギラン氏に検
証を依頼したと説明。同氏は「ボワセリエ博士と関係のない、独立した専門家によって
確認したい。DNAサンプルを採取してから1週間程度かかる。結果は公表する」と語
った。
 また、ボワセリエ博士は、今後数週間のうちに他に4人のクローンの赤ちゃんの誕生
が予定されていると述べた。1人が北米、1人が欧州であとの2人がアジアだという。
同博士は「5例がそろうまで成功とは言えない」と説明した。
[2002-12-28-01:52]

◆2002/12/28 10:42 毎: <クローン人間>女児誕生と正式発表 名前は「イブ」
 毎日新聞ニュース速報

 【ハリウッド(米フロリダ州)斗ケ沢秀俊】新興宗教団体「ラエリアン・ムーブメン
ト」(本部・スイス)がクローン人間づくりを目的に設立した「クローンエイド」社の
ブリジット・ボワセリエ博士は27日、米フロリダ州ハリウッドのホテルで記者会見し
、「26日にクローン技術による女児が初めて誕生した」と発表した。女児がクローン
人間であることを裏付ける科学的データは公表しなかった。
 同博士の依頼を受けたフリージャーナリストのマイケル・ギラン氏が専門家とともに
検証する予定で、結果が注目される。
 発表によると、女児は「イブ」と命名された。体重3150グラムで、健康状態は良
好という。出産したのは31歳の米国人女性。同博士は「女性の皮膚細胞から取り出し
た細胞核を卵子に移植した」と説明した。事実であれば、女児はこの女性と遺伝子が全
く同一のクローンになる。誕生場所などの詳細は明らかにされなかった。
 また、来年2月までに「他に4人のクローン赤ちゃんの誕生が予定されている」と述
べた。北米と欧州が各1人、アジアが2人だという。
 検証役のギラン氏は物理学博士号を持ち、米ABCテレビで科学ニュースを担当して
いた。会見に同席し、「世界レベルの独立した専門家による検査を行う条件で引き受け
た」と述べた。母子からDNA試料を採取し、照合する。結果の判明までに、8〜9日
を要するとしている。
 「クローン人間誕生」の発表に、ホワイトハウスのマクレラン副報道官は同日、「ブ
ッシュ大統領はヒトクローンを深く憂慮し、禁止法の制定を強く支持している。科学者
や医学者の間では懐疑が広がっている」と述べた。
 米食品医薬品局(FDA)は同社の行為が米国の法律や規則に違反しているかどうか
の調査を始めた。
[2002-12-28-10:42]

◆2002/12/28 11:47 毎: <クローン人間>ボワセリエ博士インタビュー
 毎日新聞ニュース速報

 【ハリウッド(米フロリダ州)斗ケ沢秀俊】27日に「世界初のクローン人間の誕生
」を発表した新興宗教団体「ラエリアン・ムーブメント」(本部・スイス)の関連会社
「クローンエイド」のブリジット・ボワセリエ博士は会見後、毎日新聞のインタビュー
に応じた。「3000個以上の牛と約300個のヒトクローン胚を使って研究した」と
語り、「倫理的にも問題ない」と主張した。
 同博士は化学専攻で、同社のクローン人間づくりを率いている。一問一答は以下の通
り。
 ――ヒトクローンの試みの前に動物実験をしましたか。
 3000個以上の牛のクローン胚を使って、動物実験をし、約300個のヒトクロー
ン胚をつくって研究をした。さらに、希望者10人を対象に、皮膚から採取した細胞を
もとにクローン胚をつくって子宮に戻した。5人は流産し、5人が妊娠。代理母の妊娠
例も含まれる。
 ――動物実験では2〜3%しか出産に結びつかないが、なぜ50%も妊娠したと思い
ますか。
 牛などの動物実験では、できたクローン胚を何でも使うが、私たちはクローン胚を選
別して子宮に入れた。
 ――女性本人の皮膚細胞を使った理由は。
 女性は既婚者で、男性側に不妊原因があり、他に出産方法のない人だ。夫ではなく女
性の細胞を採取したのは、カップルが決めたことだ。
 ――科学論文で公表する予定は。
 すでに論文を書き上げている。近く科学誌に投稿するつもりだ。
 ――倫理的な批判が出ていますが。
 出産した女性は子供を持ちたいと強く望んでいて、それを実現し、とても喜んでいる
。人間の尊厳に反するという人がいるが、人間の尊厳とは何ですか。愛する子供を持ち
たいという願望をかなえることが尊厳に反するとは思えない。
 ――来年初めに誕生予定とされるアジアでの2人に日本人は含まれていますか。
 それは公表するつもりはありません。
[2002-12-28-11:47]

◆2002/12/28 12:02 毎: <クローン人間>バチカンが非難「人間を奴隷化する犯罪行為
 毎日新聞ニュース速報

 【ローマ井上卓弥】ローマ法王庁(バチカン)は27日、「ラエリアン・ムーブメン
ト」の関連会社がクローン赤ちゃんの誕生を発表したことについて「本当だとすれば、
ヒトクローンは事前に対象を選んでコピーするものであり、人間を奴隷化する犯罪行為
である」との非難声明を出した。声明は生命科学・倫理問題を担当するバチカンの「生
命アカデミー」が発表。国際社会や国連などの国際機関が早急にヒトクローン禁止の法
律や条約を制定する必要性も強調した。
 クローン人間については、バチカンはこれまでも「人間の尊厳に関する神の摂理を直
接的に傷つける行為」(神学者・コンチェッティ神父)などと重ねて非難しており、病
気の治療や研究のためのヒトクローン胚利用についても否定的見解を示している。
[2002-12-28-12:02]


◆2002/712/28 12:37 毎: <クローン人間>倫理的批判が相次ぐ 米国
 毎日新聞ニュース速報

 【ハリウッド(米フロリダ州)斗ケ沢秀俊】27日の「クローン人間誕生」の発表は
米国内外で大きな関心を集めた。信ぴょう性を疑う声やクローン人間づくりへの倫理的
批判が相次いだ。
 ホワイトハウスのマクレラン副報道官は同日、「ブッシュ大統領はヒトクローンを深
く憂慮し、禁止法の制定を強く支持している。科学者や医学者の間では、懐疑が広がっ
ている」と述べた。
 米食品医薬品局(FDA)はクローンエイド社の行為が米国の法律や規則に違反して
いるかどうかの調査を始めた。
 また、米生殖医学会は「クローン技術による妊娠には可能性と安全性が明確でなけれ
ばならないが、その両方に確証がない。最新の知見では、妊娠させることが可能である
とは思われない」との声明を発表した。
[2002-12-28-12:37]

◆2002/12/27 12:46 共: 初のクローン人間誕生か 新興宗教の関連団体 仏で報道
 共同通信ニュース速報

 【パリ27日共同】フランス公共ラジオによると、ヒトのクロー
ンづくりを目的に新興宗教団体ラエリアン(本部スイス)が設立し
た「クローンエイド」社の代表は二十六日、世界で初めてのクロー
ン人間となる女児を誕生させたことを明らかにした。
 母親は三十代の米国人女性で、自分の体細胞によるクローンとい
う。出産は帝王切開で、母子とも健康としている。
 公共ラジオによると、同社のブリジット・ボワセリエ代表は「と
ても幸せだ。最高の栄誉だ」と語り、二十七日に米フロリダ州で会
見し、ビデオを公開する意向を表明した。しかし、「いまはこれ以
上は言わない方がいい」と述べた。
 真偽は現時点では不明で、専門家も「信用できる証拠が何も示さ
れておらず、事実とは思えない」と同社の主張を懐疑的に受け止め
ている。
 クローン人間づくりは倫理的にも、安全性の面でも重大な問題が
あり、試みること自体が許されないとの考え方が世界のすう勢。今
回の発表が大きな波紋を広げるのは必至で、クローン人間づくりを
禁止する国際条約の早期制定などを求める声が強まりそうだ。
 同社はこれまで、三十代の米国人女性が夫との間で子供ができな
かったため、自分の体細胞からつくったクローンを自ら妊娠した、
と発表していた。
 クローンは通常、皮膚や血液などの体細胞の核を、あらかじめ核
を取り除いた卵子に入れて、受精卵とよく似た性質を持つクローン
胚(はい)を作成。それを母体に戻して誕生させる。一九九六年に
世界初の体細胞クローン羊ドリーが生まれて以来、牛など他の複数
のほ乳類でも成功している。
 ラエリアンは「地球上の全生命は異星人が遺伝子工学で創造した
」などと主張する団体。「永遠の生命の実現につながる」と、教祖
のラエル氏が九七年にクローンエイドを設立し、生後十カ月で死亡
した米国人男児のクローンをつくるなどと公言していた。
 イタリアの不妊治療医セベリノ・アンティノリ氏も、来年一月に
最初のクローン赤ちゃんがセルビア共和国で誕生予定だと発表して
いる。
(了)
[2002-12-27-12:46]

◆2002/12/27 13:24 共: 世界規模の禁止が急務に 確認には遺伝子検査必要 クローン
 共同通信ニュース速報

 新興宗教団体ラエリアンの関連企業による「クローン人間誕生」
の真偽は今のところ不明だ。しかし羊をはじめ牛、マウスなど複数
のほ乳類で体細胞クローンづくりが成功しており、人間でも理論的
には不可能ではない。
 体細胞クローンは、血液や皮膚などの体細胞を、あらかじめ核を
取り除いた未受精卵(卵子)に移植してクローン胚(はい)をつく
り、それを女性の子宮に移植する方法で誕生させる。動物での成功
率は5%以下と低く、深刻な先天異常の多発が報告されている。倫
理問題に加え、安全面の問題が非常に大きい。
 生まれた赤ちゃんがクローン人間であることを科学的に証明する
には、細胞を提供した本人と、赤ちゃんの細胞の核にある遺伝子が
同一であるとの確認が必要だ。それも公正な第三者による検査でな
ければ信用性は低い。(共同)
(了)
[2002-12-27-13:24]

◆2002/12/28 10:21 共: さらに4人誕生と発表 初のクローン人間は健康 宗教関連団
 共同通信ニュース速報

 【マイアミ(米フロリダ州)27日共同】ヒトのクローンづくり
を目的に新興宗教団体ラエリアン(本部スイス)が設立した「クロ
ーンエイド」社は、米東部時間の二十七日午前(日本時間同日夜)
、フロリダ州ハリウッドで会見し、クローン人間の女児を世界で初
めて誕生させたと発表した。さらに来週に欧州で一人、来年二月ま
でに三人の計四人のクローン人間が生まれる、と明らかにした。
 同社のブリジット・ボワセリエ代表は会見で、女児は二十六日に
帝王切開で誕生、健康だと述べた。三十一歳の米国人女性の皮膚細
胞核を使い、この女性自身が出産した。夫が不妊のためクローン技
術を利用した。体重は約三二○○グラムで「イブ」と呼ばれている
という。生まれた場所は明らかにできないが「女児は病院でこの女
性と一緒にいる」としている。
 同代表はまた、女児がクローンであることを裏付けるため、独立
の第三者として、米国のフリーランスジャーナリストに検証を任せ
ると表明した。クローン女児のDNAによる証明を十日前後で示せ
るとしている。
 米専門家の間では、同社のクローン人間づくりは倫理的にも科学
的にも重大な問題があり、許されないとの考え方が大勢。クローン
研究の全面禁止論が勢いづくとみられる。
 会見について同社は一部の報道陣にのみ、会見場所を明らかにし
ないことを条件に出席を認めた。ヒト・クローンへの反発が強いこ
とから、過激な反対者の襲撃などを警戒しての措置とみられる。
 また、ボワセリエ代表は、今年三月に十人の女性の子宮にクロー
ン胚(はい)を戻し、このうち五人が流産、五人が妊娠したと述べ
た。今回出産した女性を除くと、妊娠した残りの四人は北米一人、
欧州が一人、アジアが二人、という。
(了)
[2002-12-28-10:21]

◆2002/12/28 10:19 共: 「私は生命を創造した」 次々飛び出す衝撃的内容 記者会見
 共同通信ニュース速報

 【マイアミ(米フロリダ州)27日共同】「十二月二十六日午前
十一時五十五分、世界で初めてクローン人間が生まれた。私は生命
を創造している」―。二十七日午前(日本時間同日夜)、フロリダ
州で行われた記者会見で、クローン人間誕生を発表するクローンエ
イド社のブリジット・ボワセリエさんは、まるで生命の「創造主」
であるかのような口ぶりで、クローン技術をヒトに応用することの
正当性を主張した。
 ボワセリエさんは新興宗教団体「ラエリアン」の幹部で、今回の
クローン人間計画の責任者。報道陣の矢継ぎ早の質問にも、終始笑
みを浮かべ、時折笑いながら「クローンは素晴らしい科学技術だ」
と断言。
 今後の誕生予定例についても「アジアでは死亡した子供から生前
に採取した細胞を使った」「欧州では女性の同性愛者のクローン」
と、一般の倫理観と懸け離れた言葉が次々飛び出す。
 米国は世界中でもキリスト教的価値観が強い国。ニュースを伝え
るテレビキャスターは「不快な発表だ」とコメント。世界初のクロ
ーン女児「イブ」誕生との主張に、多くの米国人は反感や嫌悪感を
抱いていることを示した。
 それでもボワセリエさんは「子供は怪物ではない」と反論。さら
に「これから生物学上の両親は必要ない」とまで言い、今後も世界
中でクローン人間を誕生させることを強調した。
(了)
[2002-12-28-10:19]

◆2002/12/28 12:10 共: クローン誕生立証に自信 真偽の検証に1週間以上
 共同通信ニュース速報

 【ハリウッド(米フロリダ州)27日共同】クローン人間を初め
て誕生させたと発表した「クローンエイド」社のブリジット・ボワ
セリエ代表は二十七日、共同通信と会見し、焦点となっている第三
者による真偽の検証作業に協力する姿勢を強調、クローン人間誕生
の立証に自信を示した。
 一方、検証作業に携わる米ABCテレビ出身のジャーナリスト、
マイケル・ゲレン氏は同日、「医師一人と研究者二人を中心とする
公正で中立なスタッフで作業を進める」と述べた。
 会見でボワセリエ代表は検証作業のため、ゲレン氏らのチームが
クローン人間を出産した女性と女児への接触を認める方針を表明し
た。ただ、具体的方法については言及しなかった。
 また、今回の出産した女性を除き、妊娠した残り四人のうち二人
のアジア人の国籍や所在について「公にできない」と繰り返した。
 同代表は今回のクローン人間技術を得るため、クローンエイド社
が、これまで三千個の牛の卵子で実験を繰り返し、新興宗教団体ラ
エリアン(本部スイス)の信者らから提供された約三百個の卵子を
使った実験などを実施したことも明らかにした。
 ゲレン氏は「遺伝子を調べる検証作業には七日から十日間を要す
る」と語った。作業は、制約のない独立した形で実施するとしたも
のの、具体的な手順や実施場所などに関しては明らかにしなかった

(了)
[2002-12-28-12:10]

◆2002/12/27 20:01 共: 命の操作、安全性に問題 専門家ら、将来容認論も クローン
 共同通信ニュース速報

 初のクローン人間誕生のニュースが二十七日、世界を走った。社
会への影響は、技術の安全性は、そして生まれたばかりの赤ちゃん
の将来は―。真偽が取りざたされる中、クローンに詳しい生物学や
生命倫理学の専門家に考えを聞いた。
 早稲田大の長谷川真理子教授(進化生物学)は「生き物の一番の
根源である命を操作することに対して、歯止めがなくなりかねない
」と危ぐ。「科学技術が進んだからといって、果てしない人間の欲
望を追求していいのか。限度があるはずだ」と指摘する。
 その上で「クローン人間は、人類がこれまでの歴史で出会ったこ
とがない存在」と、とらえどころのない不安感を、こう表現。赤ち
ゃんについては、病気や寿命などの点で未解明なことが多いとし「
出自を踏まえて自分の存在を、どう確立していくのだろうか」と心
配した。
 「健康な人間が生まれるか、赤ん坊が無事育つかも分からない。
科学的に、人間に適用するには良くない技術だ」と批判するのは、
京都大人文科学研究所の加藤和人・助教授(科学コミュニケーショ
ン学)。
 不妊治療へのクローン技術利用を支持する声があることについて
は「安全性に問題があり、今は議論する段階ではない」とみる。
 一方、科学技術の進歩とともにクローンに対する意識は変わる、
との意見も。日大総合科学研究所の高木美也子教授(生命倫理)は
「今は安全性の面から実際に使うのは早すぎる。ただ、安全性が確
立した場合、絶対にだめとは言い切れないと思う」。そして、技術
の発達により、「亡くした肉親のクローンづくりなど、特殊な状況
では部分的に認められる時が来るのではないか」と話した。
(了)
[2002-12-27-20:01]

◆2002/12/27 14:00 読: クローン女児誕生?新興宗教団体化学者が明かす
 読売新聞ニュース速報

 【ワシントン26日=笹沢教一】スイスに拠点を置く新興宗教団体「ラエリアン」
の幹部で、フランス人化学者のブリジット・ボワセリエ氏は26日、世界で初めての
クローン女児が誕生したと語った。AFP通信が報じた。
 教団側は27日、米フロリダ州で正式発表するという。
 ただ、本当にクローンかどうかを確認できる情報はこれまで明らかにされておらず、
専門家は信憑(しんぴょう)性を疑っている。CNNなど米メディアも慎重な報じ方
をしている。
 ボワセリエ氏が代表を務める同教団の関連バイオ企業や同氏自身の説明によると、
この企業の施設で今年3月、女性信者(30)の体細胞から遺伝子の入った核を取り
出し、核を抜いた未受精卵に移植するクローン技術を用いて、この女性のクローン胚
(はい)を作り、妊娠させたという。
 同教団は今月19日、クリスマスごろにクローンベビーが帝王切開で生まれる見通
しを明らかにしていた。クローンかどうかの確認については、教団から独立した専門
家に、女児と女性信者の遺伝子を鑑定させるとしている。
 米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)によると、ボワセリエ氏は4年前、クロー
ンづくりを20万ドル(約2400万円)で引き受けており、約100人が契約を済
ませたと話していた。
[2002-12-27-14:00]

◆2002/12/28 14:12 読: 科学的証拠は?クローン人間「誕生」で大騒動
 読売新聞ニュース速報

 新興宗教団体ラエリアン(本部・スイス)の関連企業による「クローンの女児が誕
生」との発表をめぐって、各国の政府、研究者らが重大な懸念を表明するなど騒動が
広がっている。科学的データが示されず、発表が事実なのか疑問が膨らんでいるほか、
「人間の尊厳を冒し倫理的に問題」など批判も高まっている。
 (米フロリダ州ハリウッド 館林牧子、ワシントン 笹沢教一、ローマ 秦野るり
子)
 同教団のブリジッド・ボワセリエ博士は27日、米フロリダ州で読売新聞社との会
見に応じ「クローン人間を誕生させるために、女性信者の卵子約300個を使い、基
礎実験を行った」などと語った。
 元ABCの科学記者のマイケル・ギレン氏が率いる科学者による検証チームが近く
母子から細胞のサンプルを採取、本物のクローンかどうかDNA検査を実施すること
を明らかにした。
 ボワセリエ博士によると、同博士が代表を務める教団関連企業クローンエイドでは、
人間の卵子のほか牛の卵子約3000個も使いクローン技術の実験を行った。
 今春、10人の女性の子宮にクローン胚(はい)を移植。うち5人が妊娠した。残
る4人も来月にかけて生まれるという。動物実験でクローンが生まれる確率は数%と
非常に低く、専門家は同博士の主張を疑問視するが、同博士は「基礎実験を重ねたこ
とや、胚を厳選して子宮に戻したため」としている。
 クローン人間を巡っては、イタリアの産婦人科医セベリノ・アンティノーリ氏が今
年4月「妊娠に成功」と発表。この2グループのほかに、元ケンタッキー大のパナイ
オティス・ザボス氏もクローン人間作りに名乗りを上げている。
 すべてのグループに共通するのは、研究の進め方や科学的な証拠を明らかにせず、
専門家から「本当にクローン人間研究が進んでいるのか。信じられない」と指摘され
ていることだ。
 アンティノーリ氏はその後、「細胞の実験をしているだけで、クローン人間作りは
していない」「クローン人間は映画(空想の世界)のようなものだ」などと言を左右
してきた。
 そして27日、ラエリアンのボワセリエ博士は米フロリダ州ハリウッドで記者会見
し、クローン人間誕生を発表。会見の映像は世界を駆けめぐった。
 この発表に対し、アンティノーリ氏は先を越された無念からか、「科学的裏付けが
ない。混乱を呼ぶだけだ」と強い疑問を示した。
 しかし、「科学的裏付けの欠如」と「混乱を呼ぶ発表」はこれまで、発言を二転三
転させてきたアンティノーリ氏に向けられていた批判そのものだ。
 主要マスコミからは相手にされなくなっていたアンティノーリ氏。皮肉にも今回の
発言は最も世の中の共鳴を得るものとなった。
 各国の首脳からは、発表の信ぴょう性に疑問を示したうえでクローン人間づくりを
非難する声明が相次いだ。
 ブッシュ米大統領は「クローン人間を全面禁止する米議会の法案を強く支持する」
とするコメントを発表、今回の騒動を機に審議が中断している法案の成立を急ぐよう
促した。
 フランスのシラク大統領は「人間の尊厳に反する犯罪」と批判。国連本部の報道官
も「仮に事実だとしても、アナン事務総長が花束を贈るような話ではない」と不快感
を表明した。
 米CNNテレビが27日発表した緊急世論調査によると、米国民の62%が今回の
発表を「ほら話」と考えている。また、米国生殖医療学会は同日、「現状においてク
ローン人間の妊娠が可能などと信じてはいけない」とする声明を発表した。
[2002-12-28-14:12]

◆2002/12/29 00:33 読: 「クローン人間」発表をバチカンが非難
 読売新聞ニュース速報

 【ローマ28日=秦野るり子】バチカン(ローマ法王庁)のナバロ報道官は28日、
声明を発表し、新興宗教団体ラエリアンが世界初のクローン人間を誕生させたと発表
したことについて、「倫理的かつ人間的思考が全く欠けている」と厳しく非難した。
また、「一つの証拠も示さない発表は、世界の科学者たちの間に広く疑念と非難を巻
き起こした」としている。
 バチカンは、生命に人工的な手を加えることに全面的に反対し、避妊、中絶をも許
さない立場。クローン技術に関しても国際的な規制作りを呼びかけている。
[2002-12-29-00:33]

◆2002/12/27 14:13 「事実の確認しようがない」=日本の研究者ら、HPで見解
 時事通信ニュース速報

◎「事実の確認しようがない」=日本の研究者ら、HPで見解
 東京工業大遺伝子実験施設の石野史敏助教授や、クローンマウスを世界で初めてつく
った若山照彦理化学研究所チームリーダーら、クローン研究に携わる研究者は27日ま
でに、ホームページ(HP)上で「事実の確認のしようがない事象について、科学者は
コメントできない」とする文書を公表した。
 文書は「現在の体細胞クローン技術はまだ未熟であり、クローン人間作成に応用する
段階にない」という見解を示した。その上で、これまでのクローン動物研究で分かって
いる異常や、ヒトのクローニングに反対する理由を述べ、「一般の方が『ヒトクローン
の誕生』を科学報道と勘違いされないことを望む」としている。 
[時事通信社]
[2002-12-27-14:13]

◆2002/12/27 12:12 「冷静な対応が必要」と文科省=クローン女児誕生の発表で
 時事通信ニュース速報

◎「冷静な対応が必要」と文科省=クローン女児誕生の発表で
 新興宗教団体が設立した企業「クローンエイド」社長のブリジット・ボワセリエ博士
がクローン女児の誕生を発表したことについて、文部科学省生命倫理・安全対策室の菱
山豊室長は27日、「クローンエイドは過去にもクローンの赤ちゃんの妊娠を発表した
ことがあるが、科学的な事実が公表されていない。冷静な対応が必要だ」と懐疑的な見
方を示した。 
[時事通信社]
[2002-12-27-12:12]

◆2002/12/28 01:01 世界初のクローン人間誕生と発表=新興宗教系企業
 時事通信ニュース速報

◎世界初のクローン人間誕生と発表=新興宗教系企業
 【ニューヨーク27日時事】新興宗教団体「ラエリアン・ムーブメント」(本部スイ
ス)がクローン人間づくりを目的に設立した企業「クローンエイド」のブリジット・ボ
ワセリエ博士は27日、米フロリダ州で記者会見を行い、「世界初のクローン人間の女
児が26日に誕生した」と発表した。現時点で科学的に立証されていないが、事実なら
生命倫理上、大きな議論を呼びそうだ。 
[時事通信社]
[2002-12-28-01:01]

◆2002/12/28 10:54 ヒトのクローンが誕生と発表
 NHKニュース速報

 スイスに本部を置く宗教団体の研究所が、同じ遺伝子をもつ生物を人工的に作り出す
クローン技術によって世界で初めてヒトのクローンが生まれたと、昨夜(二十七日)ア
メリカで発表しました。
 これは研究責任者のブリジット・ボワスリエ博士が昨夜、アメリカ・フロリダ州で記
者会見をして明らかにしました。
 それによりますと、出産したのは三十一歳のアメリカ人の女性で、今月二十六日に女
の子が生まれ、生まれた女の子は健康だということです。
 クローンは受精という段階を経ずに体の細胞を使って人工的に同じ遺伝子をもった生
物をつくり出す技術です。
 この女性は夫が不妊症で子どもができなかったため、自分の皮膚の細胞を使って妊娠
したということです。
 ボワスリエ博士はこの女性を含め五人がクローン技術で妊娠し、残る四人の子どもも
来年二月までに生まれる見通しだと話しました。
 ヒトのクローンが生まれたという発表は世界で初めてですが、会見では出産がどこの
国で行われたかなど詳しい事実関係は明らかにしませんでした。
 また本当にクローンかどうかは母親と子どもの遺伝子が一致するなど科学的な証明が
必要ですが、博士らは今後、専門家が調査をして一週間程度で結果を出すと答えました

 ヒトのクローンをつくることについては倫理的な問題があるうえ、動物のクローンに
異常がでるケースが多いなど技術的な問題が指摘されているため、欧米や日本などで法
律で禁止する動きが広がっています。
[2002-12-28-10:54]

◆2002/12/28 11:23 ヒトのクローン誕生 米で人間の尊厳を損なう行為と批判
 NHKニュース速報

 クローン技術によって子どもが生まれたとする発表に対し、アメリカでは「人間の尊
厳を損なう行為」「人体実験に等しい」といった強い批判が出ており、クローン技術の
ヒトへの応用を禁止する法案の早期成立を求める動きが改めて強まるものとみられます

 今回の発表に対し、クローン技術のヒトへの応用を禁止するように求めてきたアメリ
カの保守派の倫理団体や宗教関係者らがつくる連合組織「アメリカンズ・トゥー・バン
・クローニング」のナイジェル・キャメロン氏は「人間の尊厳を損なう行為で、生まれ
てくる子どもの遺伝子を組替えるなど、生命の操作にも道を開く恐れがある」と強く非
難しました。
 また、およそ一万人の研究者が加盟するアメリカ細胞生物学会議のケビン・ウィルソ
ン氏も「具体的な証拠が示されなければ発表の内容を信じることはできないが、もし事
実とすれば、人体実験に等しく、許しがたい行為だ」と強く批判しました。
 今回の発表を受けて、アメリカではクローン技術のヒトへの応用を禁止する法案の早
期成立を求める動きが改めて強まるものとみられます。
 ただ、研究者や難病患者の組織の間では、ヒトの誕生にはつながらない医療目的の研
究まで禁止することには反対する声が強く、全面的な禁止を求める保守派との間で今後
、激しい論議になることも予想されています。
[2002-12-28-11:23]

◆2002/12/28 11:23 ヒトのクローン誕生 塩田東大教授 簡単には信じられない
 NHKニュース速報

 クローン技術に詳しい東京大学の塩田邦郎(シオタクニオ)教授は、「クローン技術
でヒトのクローンが生まれる確率は非常に低いと考えられ、細胞の提供者と子どもの遺
伝子が完全に一致することが証明されない限り、簡単には信じられない。また、これま
でにクローン技術で生まれた動物はほとんどで遺伝子の異常が見つかっている。安全性
に問題がある技術をヒトに応用することはたいへん危険で、世界的にヒトのクローンを
規制する流れがある中大きな問題だ」と話しています。
[2002-12-28-11:23]

◆2002/12/28 12:27 ヒトのクローン誕生 位田京大教授 禁止の国際的枠組みを
 NHKニュース速報

 世界で初めてヒトのクローンが生まれたという発表について、生命倫理に詳しい京都
大学の位田隆一(イダリュウイチ)教授は「クローン技術のヒトへの応用は人間の尊厳
を損なう行為で絶対に許されない。クローンとして生まれた子どもは、いわばコピー人
間で、社会の中で差別され受け入れてもらえない恐れもある。世界の科学者がクローン
人間は作ってはならないという認識をきちんと持つとともに、出来るだけ早く、クロー
ン技術をヒトに使うことを禁止する国際的な枠組みを作ることが必要だ」と話していま
す。
[2002-12-28-12:27]

◆2002/12/28 15:38 ヒトのクローン 今後も計画
 NHKニュース速報

 昨夜スイスに本部がある宗教団体の研究所が世界で初めてヒトのクローンが生まれた
と発表しましたが、研究責任者のブリジット・ボワスリエ博士は日本人を含め二十人の
クローンをつくる計画があると語りました。
 ヒトのクローンを禁止する国際的な枠組みを早くつくることが必要だと専門家は指摘
しています。
 ボワスリエ博士は昨夜、アメリカのフロリダ州で記者会見し、夫が不妊症の三十一歳
のアメリカ人女性がクローン技術によって女の子を出産し、この他にも北米やアジア、
北欧で四人が妊娠していると発表しました。
 この発表に対しては詳しい事実関係を明らかにしなかったことなどから、生まれた子
どもが本当にクローンなのかどうか疑わしいという指摘や批判があります。
 しかし、NHKの取材に対してボワスリエ博士は不妊症の夫婦や子どもを亡くした夫
婦などと契約して、今後も日本人を含む二十人のクローンをつくることを計画している
と語りました。
 ヒトのクローンは倫理的な問題や安全性の問題があるため、欧米などで法律で禁止す
る動きが広がり、日本でも「クローン規制法」を作って去年六月からヒトのクローンを
禁止し、違反した場合には十年以下の懲役か一千万円以下の罰金を科すことになってい
ます。
 しかし、禁止する法律がない国で実施される可能性があるため、国連で国際条約をつ
くる話し合いが行われています。
 生命倫理に詳しい京都大学の位田隆一(イダリュウイチ)教授は「クローン技術のヒ
トへの応用は人間の尊厳を損なう行為で絶対に許されない。出来るだけ早く、クローン
技術をヒトに使うことを禁止する国際的な枠組みを作ることが必要だ」と話しています

[2002-12-28-15:38]

◆CNN
新興宗教団体、「クローン女児が誕生」と記者会見
2002.12.28
Web posted at: 12:16 JST

- CNN
フロリダ州ハリウッド(CNN) 人類は地球外生命によって作られたと主張するスイスの新興宗教団体「ラエリアン・ムーブメント」は27日、当地で記者会見し、クローン人間づくりのために設立した関連会社「クロネイド」の技術でクローンの女児が生まれたと発表した。
クロネイドのブリジット・ボワセリエ最高経営責任者(CEO)は会見で「クローン児が生まれたことを喜んで発表する。昨日午前11時55分、女児が生まれた。健康状態は良い」と述べた。同CEOによると、女児の体重は約3200グラムで、ラエリアン側は「イブ」と呼んでいる。会見には、イブの両親は出席しなかった。
同CEOは出生地を明らかにしなかったが、母親(31)は米国籍で、皮膚の細胞からDNAを採取してクローンを作ったという。
イブが本当にクローンであるかどうかは不明だが、同CEOは「女児の祖母は、『母親によく似ている』と言っており、現時点ではこれが(クローンである)証拠だ」と主張している。
クローンであることの確認のため、ラエリアンとは無関係な科学者チームが、フリーランスのジャーナリストであるマイケル・ギラン博士によって選ばれている。ギラン博士は「チームは一切制約を受けず、確認はチームの主導で行われること、という条件で引き受けた」と話している。
イブは2、3日以内に自宅に戻る予定で、その後チームが確認作業を始める。その結果は8、9日後に出る予定という。
クローン人間を作るには、まず女性から卵子を取り出し、核を除去する。そして体細胞から取った核をその卵子に移植する。
その後、電気刺激や化学薬品の作用で、通常の受精卵と同じように、卵割を始めさせる。卵割がある程度進んだ段階で、女性の子宮に着床させ、出産させる。
同CEOは、卵割を始めさせる方法としてクロネイドは電気刺激を使っていることを明らかにし、「イブは妊娠が継続している5つの卵のうちの1つだ」と言っている。
そのうち1つは、来週欧州北部で出産を迎え、あとの3つも来年2月までに生まれるという。また出産を待つカップルの中には、アジア出身の2組や北米出身者もいるという。
今回、クロネイドは10個の卵についてクローン化を試み、うち5つの妊娠が継続していることになるが、これは動物のクローン実験の結果からみれば、異常なほどに高い成功率といえる。
初の体細胞クローン動物として有名なヒツジのドリーの場合、研究を主導した英国のイアン・ウィルムット博士は、276個の卵で失敗を繰り返したあとにドリーを誕生させている。
ラエリアンは1997年、「初めてのクローン人間会社」としてクロネイドを設立。ラエリアンの聖職者であるボワセリエCEOは、地球上の生命は地球外生命の遺伝子工学によって生まれた、と説いてきている。
同CEOは会見で、クローン人間づくりの意味について「不妊に悩む人たちに希望を与えている」と述べ、「私は生命を創造している」とも話した。
また「イブは怪物ではなく、何か気味の悪いものから生まれたものでもない。イブは、幸せな両親に恵まれたとても健康な赤ん坊だ」と主張した。
ラエリアンの精神的指導者ラエル氏はフランスの元ジャーナリスト、クロード・ベリロン氏で、昨年6月にCNNの取材に応じたときは「クローン人間づくりの最終的な目標は不死だ」と話していた。
クローン人間づくりを目指しているのはラエリアンだけではない。イタリアのセベリノ・アンティノリ医師も「女性がクローンを妊娠しており、1月に出産予定だ」と述べている。
またケンタッキー大学のザボス元教授もクローン人間づくりを目指している。ただし、同元教授は「クローン胚の作成にはまだ成功していない」としている。
科学者や生命倫理学者は、安全面や倫理面からクローン人間について懐疑的な見方をしているが、法的な規制は実はあまりない。今年1月、全米科学アカデミーはクローン人間の禁止を勧告しているが、米国で実際に禁止されているのは、カリフォルニア、ミシガン、ルイジアナ、ロードアイランドの4州だけだ。
米食品医薬品局は、「医薬品と同じ扱いで規制することになるだろう」としている。
ホワイトハウスの報道担当クレア・ブキャナン氏は「クローン人間づくりに懸念を持っている多くの米国人と同様、大統領も懸念を持っており、大統領はクローン人間を禁止する法律の制定を強く支持する」と述べた。

 
>TOP

◆2002/12/29 09:10 [クローン人間]「国際的な規制強化で続発を防げ」
 12月29日付・読売社説(1) 読売新聞ニュース速報

 「暴挙と呼ぶべきか、愚行と言うべきか――。
 スイスに本部を置く新興宗教団体が、クローン技術を使って世界で初めて女児を出産させたと、発表した。近いうちに、さらに四人が出産予定という。
 科学的な証拠を示しておらず、本当にクローン人間が生まれたのかどうか、科学者の間では懐疑的な見方も強い。
 しかし、この団体とは別に、イタリアの産婦人科医も妊娠成功をすでに発表している。別のグループも、クローン人間作りに取り組んでいると伝えられる。
 今や、手をこまぬいて、見過ごすわけにはいかない事態である。
 クローン出産は他の動物では成功率が低く、異常のある子どもが生まれる確率も高いという。そうした技術を人間に適用することは悪質な“人体実験”だ。
 何よりも、倫理上、許されない行為でもある。両親からの遺伝子が混ざることによって多様性を確保してきたのが、高等動物の生存戦略である。
 クローン人間作りは、生命が何億年もかけて進化してきた歴史に背く行為だ。親子や家族の関係を混乱させ、社会の秩序にも深刻な影響を与えかねない。
 ブッシュ米大統領やシラク仏大統領らが、「人間の尊厳に反する」などと、強い懸念を表明するのも当然だ。
 英国で一九九六年にクローン羊が生まれた。こうした技術が人間に適用されることへの恐れから、世界でクローン人間作りの規制が始まった。
 日本を始め、英、独、仏、露などが法律で禁止しているが、米国では法制化の作業が遅れている。
 国連の特別委も今年初めから、禁止条約案作りに取り組んでいるが、まだ最終案を得るには至っていない。
 クローン技術には、明と暗の両面がある。「暗」の面は、今回のようなクローン人間作りである。
 一方、「明」の面は、万能細胞技術などと組み合わせ、拒絶反応のない移植用組織を作ることに道を開く可能性だ。
 このため、クローン人間作りだけの禁止か、全面禁止かで、意見が分かれている。だがもはや、こうした議論をいつまでも続けている場合ではない。
 「各国で規制が進むなら、公海上を航行中の船舶で出産させる」と、表明するグループもある。
 少なくとも、クローン人間作りだけでも禁止する条約作りを、急がなければならない。規制のない国は、禁止措置や罰則の強化が急務だ。
 “愚行”につながる抜け道をふさぐには、各国の協調が欠かせない。」
[2002-12-29-09:10]


REV:20030215,19, 20160526
ヒト細胞・組織/ES細胞/クローン…
TOP HOME (http://www.arsvi.com)