『責任の意味と制度――負担から応答へ』
瀧川 裕英 20031220 勁草書房,262p.
■瀧川 裕英 20031220 『責任の意味と制度――負担から応答へ』,勁草書房,262p. ISBN-10:4326101504 ISBN-13:978-4326101504 \3675 [amazon]/[kinokuniya] ※ c0101
■内容(「BOOK」データベースより)
責任を問い、責任をとり、責任を負い、責任を果たす…「責任」と関わらずには生きていけないわれわれの、あやうく、もろい営みを保障するものこそが法である。立法と司法の双方を視野に収めうる一般理論の構想。
■内容(「MARC」データベースより)
「責任がある」「責任を問う」とはどのようなことなのか。重みと痛みをともなう、もろくあやうい責任実践の保障という理念を中心にすえて、法制度を統一的視点から解釈する。
■目次
第一章 責任の忘却
第1部 責任の意味
第二章 責任概念の分析
第三章 決定論問題
第四章 負担責任論
第五章 応答責任論
第2部 責任の制度
第六章 責任保障としての法
第七章 責任法の危機
■引用
他行為不可能性論(p61)
(1) 決定論が正しいと、ある行為を行った者はそれ以外の行為をすることができなかったことになる。(決定論による他行為可能性の否定)
(2) 現に行った行為以外の行為をすることができなかった場合には、その行為に対して責任を問うことはできない。(他行為可能性の否定による責任実践の否定)
(3) 以上の(1)および(2)より、決定論が正しいと、責任を問うことはできない。(決定論による責任実践の否定)
機械論の根拠
ここで問題となる「機械論」とは、人間の行為に関して志向的説明でなく機械論的説明を体系的・包括的にすることが可能であり、そのような機械論的説明は否定的説明と両立せず、機械論的説明のみが正当な説明であるとする主張である。例えば、ある人の行為を説明する際に神経生理学に基づく説明が可能であるならば、そのような説明のみが正しい説明であり、その人の欲求や目的に言及するような説明は余分で不要な説明であり、正当な説明ではないと機械論は主張する。(p86)
■書評・紹介
■言及
*作成:櫻井 浩子