『死刑執行』

1993年3月。3年ぶりに死刑が執行された。なぜ死刑執行は再開されたのか。法務当局の「密行主義」に迫り、死刑廃止運動の現況、国民感情、マスコミ責任と役割を問う。

序章 執行再開
法秩序
大臣の職責

I章 死刑執行の周辺
執行命令書――法務大臣
「四審制」――法務省
お迎え――刑務官
極刑の選択――裁判官
独任官庁――検察官
消えない恨み――被害者と遺族
上告取り下げ――加害者
是非の判断――国民感情

II章 死刑廃止条約の周辺
最後の犠牲者――ルーマニア
消えたギロチン――フランス
復活の波紋――アメリカ
殺人の償命――中国
返還控え両論――香港
復活の背景に政治――フィリピン
イスラム法を遵守――イラン
廃止運動が市民権――韓国
民主化がカギ――ロシア

III章 廃止運動の潮流
潰えた期待
存廃論争
廃止運動に追い風
高まる廃止運動


座談会 「死刑廃止の流れ　どう受け止める」

IV章 死刑とマスコミ
後藤田氏の決断
国民感情とは何か
マスコミの役割
社説に見る論調
マスコミの責任

あとがき