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「介護・介助労働の値段と条件」(仮題・申請中)

堀田 義太郎 200711
第19回日本生命倫理学会大会・分科会F:医療経済と生命倫理

last update: 20151225

  要旨(草稿)

  介護・介助労働の賃金および労働条件は公的給付制度によって決まる。現在の制度は、介護・介助を無償で分担する家族と、低賃金の厳しい条件で介護・介助労働を担う人々の存在を前提にしている。だがそれは、介護・介助する側/される側双方を苛酷な状態に置く制度である。その状態を改善すべきだとすれば、家族を含めて、《誰もが介護・介助を選択することも/しないこともできる》ようにする必要がある。では、特定の人だけが介護・介助せざるを得ない状況をなくし、《誰もが選択可能な仕事》になったとき、現在の労働条件で、今以上の介助・介護は得られるか。無理だろう。必要な介護・介助が得られるべきだとすれば、多くの人が介助・介護に参入する必要がある。では、「多くの人」が参入する条件は何か。それは、いかなる条件でならば介護・介助を労働として選択できるか、という問いに対する個々人の解答によって決まる。「多くの人」の可能的成員として、この「問い」に直面することを、誰も回避することはできない。


UP:20070423
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