こども病院、違法性を認める
シアトル子ども病院は5月8日、本件を1月から調査してきた障害者の人権擁護団体Washington Protection & Advocacy System (当時。6月1日からDisability Rights Washington に改名)と共同で記者会見を開き、アシュリーに行われた子宮摘出手術について、裁判所の判断を仰がずに行われた点で違法であったことを認めた。
ワシントン州の州法では発達障害のある未成年の不妊手術には裁判所の命令を必要とする。また、本人の利害のみを代理する法廷代理人が、熱心に敵対的審理を尽くすことが必要との判例もある。
病院側の説明によると、アシュリーへの手術を承認した倫理委員会はこうした手順を踏むよう両親に勧告したが、両親の弁護士が「不妊が目的ではないため不要」との判断を示したことから、担当医らが手術に踏み切った。病院は、倫理委と担当医の間の意思疎通の齟齬が原因だったと釈明し、WPASとの間で以下の合意に至ったことを発表した。①成長抑制を目的とした医療介入について方針と手続きを定め、今後このようなことが起こらぬよう改善策を講じる。②倫理委のメンバーに障害者の権利擁護の視点を持った人を加え、さらに今後5年間は、同様の処置の検討が申請された場合にはWPASに通知する。
去る4月7日、アメリカの45の家族介護支援団体で作る National Alliance for Caregiving (米国介護連合)から会長以下が来日し、東京都内で開かれたシンポジウムにおいて、日本の介護者支援団体にも国際的な介護者支援ネットワークへの参加を呼びかけたそうだ。シンポ事務局を勤めた高齢社会をよくする女性の会の樋口恵子代表は、全国介護者組織の実現と国際的な“介護の日”の制定を訴えている。
介護者自身への支援を求める声が、日本でも上がり始めたようだ。