『精神医学から臨床哲学へ――精神病理学の泰斗が明かす、研究生活の軌跡』
木村 敏 20100420 ミネルヴァ書房,376p.
last update:20111124
■木村 敏 20100420 『精神医学から臨床哲学へ――精神病理学の泰斗が明かす、研究生活の軌跡』,ミネルヴァ書房,376p. ISBN-10:4623057518 ISBN-13:978-4623057511 \2800 [amazon]/[kinokuniya] ※ m
■内容
内容紹介
専門である精神病理学を軸に、独自の自己論、時間論、生命論などを展開し国内外に大きな影響を与えてきた木村敏。本書は、自身の生い立ち、家族、故郷、学生時代、研究対象の変遷、海外での生活、同時代の研究者・思想家たちとの知的交流…数々のエピソードを交えて研究人生を語りつくす、初めての自伝。
2010年度第64回毎日出版文化賞受賞作
内容(「BOOK」データベースより)
専門である精神病理学を軸に、独自の自己論、時間論、生命論などを展開し国内外に大きな影響を与えてきた木村敏。本書は、自身の生い立ち、家族、故郷、学生時代、研究対象の変遷、海外での生活、同時代の研究者・思想家たちとの知的交流…数々のエピソードを交えて研究人生を語りつくす、初めての自伝。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
木村 敏
1931年生まれ。京都大学医学部卒業。名古屋市立大学医学部教授、京都大学医学部教授、龍谷大学国際文化学部教授、立命館大学文学部客員教授を歴任。現在、京都大学名誉教授、河合文化教育研究所主任研究員・所長、京都博愛会病院顧問(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
■目次
第一章 精神科医になるまで
1 生い立ち
2 高山の思い出
高山へ
南小学校
祖母と海
頭部外傷
知ちゃんのこと
戦中少年
斐太中学校
学徒動員・疎開・敗戦
進学に向けて
3 三高から京大へ
三高に進学
三高音楽部
『こうもり』の上演
学制改革に巻き込まれる
虫垂炎の手術
京大入試
音研の創立
ピアノを習い始める
長廣先生と和声法
百万遍界隈
4 京大医学部時代
解剖実習
音研の発展
医学と音楽のはざまで
医学部の後半
インターン時代と精神科入局
第二章 精神医学の修業時代
1 精神科医こと始め
精神科への入局
慈恵中央病院への赴任
2 結婚
記憶の神隠し
結婚
フランス歌曲
3 LSD実験と共感覚
LSDによる異常知覚体験
共感覚と共通感覚
4 翻訳の仕事
佐野利勝先生のこと
『精神分裂病』の翻訳と『存在と時間』の読書セミナー
5 医局内外での勉強
医局での演習と読書会
満田久敏先生との出会い
6 ドイツ留学へ向けて
佐野えんね先生のこと
研究計画
長女まり子の誕生
7 離人症をめぐって
離人症患者との出会い
「自己喪失症」と「現実感喪失症」
筋弛緩剤の自己実験
8 ミュンヘンへ
留学試験に合格
ドイツへの第一歩
ミュンヘン到着
第三章 一回目のドイツ留学
1 ミュンヘン大学精神科の思い出
ミュンヘン大学精神科
脳波の勉強
離人症論文
2 ミュンヘンでの日常生活
日本人との交際
運転免許と自家用車
家内とまり子の来独
3 ゲオルギアーデス
4 研究生活
精神科病棟での診察
クーンとイミプラミン
フランクル氏のこと
ビンスヴァンカーとベルヴュー病院
5 研究生活の合間に
ヴィルヘルム・ケンプのこと
ハンス・ホッターとの出会い
バイロイト音楽祭のことなど
愛車を駆って
帰国
第四章 精神病院での五年間
1 滋賀里病院時代
「ともに老いる」ことのない患者
鬱病罪責体験の日独比較
「ドイツ語圏精神病理学の回顧と現況」
「精神分裂病症状の背後にあるもの」
元の誕生
2 水口病院時代
滋賀里病院から水口病院へ
水口への転居
非定型精神病の脳波
家族否認症候群
二回目のドイツ留学へ向けて
第五章 二回目のドイツ留学
1 ハイデルベルク大学精神科
アルトルスハイムの寓居
ハイデルベルク大学の精神科
テレンバハさんのこと
反体制運動
ブランケンブルクとの出会い
2 教室外での活動
自宅で
精神病理学者たちとの出会い
ヤンツァーリクとペトリーロヴィチ(マインツ)
テュービンゲン大学
キスカー(ハノーファー)
パウライコフ(ミュンスター)
ヨアヒム=エルンスト・マイヤーとミュラー=ズーア(ゲッティンゲン)
ブルクヘルツリとバーゼルでの講演会
はじめての著書『自覚の精神病理』
『ゲシュタルトクライス』の翻訳
3 ハイデガーとの出会い
ハイデガーの八〇歳祝賀会
ハイデガーの自宅で
4 家族旅行あれこれ
古城の廃墟を求めて
親孝行旅行
5 「チューリヒ会議」誕生前後
フィッシャー=バルニコル氏
「象徴研究会議」から「チューリヒ会議」へ
6 帰国へ向けて
名古屋市立大学への就職
ローマとアテネ
第六章 名古屋時代
1 名古屋市立大学に着任
2 国内・国外の研究環境
ワークショップ「分裂病の精神病理」
国際学会など
3 「木村精神病理学」の構築
『人と人との間』
『異常の構造』
個別主題的な専門論文
『分裂病の現象学』
『自己・あいだ・時間』
『自分ということ』
『直接性の病理』
『時間と自己』
外国語論文
4 名古屋での生活
名市大精神科の活気
父の死
第七章 京大に戻って
1 京大精神科に着任
京大精神科の当時の情勢
読書会「アポリア」
外国人留学生の諸君
精神科の外での活動
2 京都への定住
母の死
自宅の建築
まり子の結婚と元の就職
3 京大時代の仕事
『あいだ』
『分裂病と他者』
『生命のかたち/かたちの生命』
『偶然性の精神病理』
国際学会その他
4 京都大学退官へ向けて
定年後の身の振り方
京大での残りの日々
身辺雑事
第八章 京大退官以後
1 自由な日々を迎えて
ウォーキング
博愛会病院
河合文化教育研究所
龍谷大学
立命館大学
その他の大学での講義など
「チューリヒ会議」と「哲学・精神医学・心理学の国際会議」
「ハイデガーとメダルド・ボスの対話」とブランケンブルクの死
「ヤスパース賞」の顛末と「和辻哲郎文化賞」その他
2 京大退官後の著作
『心の病理を考える』
『分裂病の詩と真実』
『木村敏著作集』
『関係としての自己』
その後の著作
『生命と現実』と『臨床哲学の治』
翻訳の仕事
3 最近の身辺
自伝の終わり方
橋本病
まり子の死
家内の直腸癌
跋 精神医学から臨床哲学へ
主要著作一覧
あとがき
木村敏略年譜
人名・事項索引
■引用
■書評・紹介
■言及
*作成:樋口 也寸志